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特許7076766情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20220523BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220523BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220523BHJP
   G08G 1/127 20060101ALI20220523BHJP
   G06F 16/00 20190101ALN20220523BHJP
   G06F 16/29 20190101ALN20220523BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G09B29/10 A
G09B29/00 C
G01C21/26 P
G08G1/127 A
G06F16/00
G06F16/29
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017209585
(22)【出願日】2017-10-30
(65)【公開番号】P2019082560
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(72)【発明者】
【氏名】矢 嶋 智 久
【審査官】神谷 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-185806(JP,A)
【文献】特開2010-049115(JP,A)
【文献】特開2015-204042(JP,A)
【文献】特開2005-292995(JP,A)
【文献】特開2010-230813(JP,A)
【文献】特開2014-142313(JP,A)
【文献】特開2010-039950(JP,A)
【文献】特開2015-137929(JP,A)
【文献】特開2001-304904(JP,A)
【文献】特開2018-151259(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225320(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00
G09B 29/10
G01C 21/26
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報を取得する、位置情報取得手段と、
取得した前記位置情報に基づいて、少なくとも1つの乗車中の路線の候補である利用中路線候補を取得する、利用中路線候補取得手段と、
地図上に前記利用中路線候補の情報を出力する出力手段であって、地図上に出力されている前記利用中路線候補の情報を前記位置情報の遷移状態に基づいて更新する、出力手段と、
を備え
前記出力手段は、前記利用中路線候補取得手段が複数の前記利用中路線候補を取得した場合に、前記複数の利用中路線候補のいずれも前記地図上に出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記利用中路線候補における経路情報及び/又は当該利用中路線候補における経路における所要時間情報を前記利用中路線候補の情報として出力する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記出力手段は、前記位置情報の遷移に基づいて前記所要時間情報を更新して出力する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記位置情報取得手段が取得した前記位置情報の遷移状態に基づいて、乗車中の車両の進行方向を検出する、進行方向検出手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記進行方向に基づいて、進行方向前方の前記利用中路線候補の情報と、進行方向後方の前記利用中路線候補の情報とを区別し得る態様において出力する、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
降車する停留所の情報を受け付ける、停留所情報受付手段と、
受け付けた前記停留所に関する情報を出力する、停留所情報出力手段と、
をさらに備える、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記停留所情報出力手段は、前記停留所までの距離、前記停留所までの所要時間、及び、降車ボタンを押下するための推奨タイミングのうち少なくとも1つを出力する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記位置情報取得手段が取得した前記位置情報から取得される車両が走行している位置に基づいて、乗車中の車両が停車する予定の停留所周辺のスポット情報を出力する、スポット情報出力手段をさらに備える請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記出力手段は、乗車前と乗車中において、地図上に出力されているユーザの位置を示す画像を変更する、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータを、
位置情報を取得する、位置情報取得手段、
取得した前記位置情報に基づいて、少なくとも1つの乗車中の路線の候補である利用中路線候補を地図上に出力する出力手段であって、地図上に出力されている前記利用中路線候補の情報を前記位置情報の遷移状態に基づいて更新する、出力手段、
として機能させ、さらに、前記出力手段に、複数の前記利用中路線候補がある場合に、前記複数の利用中路線候補のいずれも前記地図上に出力させる情報処理プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
取得した位置情報に基づいて、少なくとも1つの乗車中の路線の候補である利用中路線候補を取得する、利用中路線候補取得手段、
地図上に前記利用中路線候補の情報を出力する出力手段であって、地図上に出力されている前記利用中路線候補の情報を前記位置情報の遷移状態に基づいて更新する、出力手段、
として機能させ、さらに、前記出力手段に、前記利用中路線候補取得手段が複数の前記利用中路線候補を取得した場合に、前記複数の利用中路線候補のいずれも前記地図上に出力させる情報処理プログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
位置情報を取得する、位置情報取得手段、
取得した前記位置情報に基づいて、少なくとも1つの乗車中の路線の候補である利用中路線候補を取得する、利用中路線候補取得手段、
地図上に前記利用中路線候補の情報を出力する出力手段であって、地図上に出力されている前記利用中路線候補の情報を前記位置情報の遷移状態に基づいて更新する、出力手段、
として機能させ、さらに、前記出力手段に、前記利用中路線候補取得手段が複数の前記利用中路線候補を取得した場合に、前記複数の利用中路線候補のいずれも前記地図上に出力させるための情報処理プログラム。
【請求項12】
位置情報取得手段が、位置情報を取得するステップと、
利用中路線候補取得手段が、取得した前記位置情報に基づいて、少なくとも1つの乗車中の路線の候補である利用中路線候補を取得するステップと、
地図上に前記利用中路線候補の情報を出力する出力手段が、地図上に出力されている前記利用中路線候補の情報を前記位置情報の遷移状態に基づいて更新するステップと、
を備え
前記出力手段は、前記利用中路線候補取得手段が複数の前記利用中路線候補を取得した場合に、前記複数の利用中路線候補のいずれも前記地図上に出力する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、スマートホンやタブレット型の携帯端末の普及により、バス等の道路上を移動する公共交通機関を利用する際に、出発・到着時刻や路線情報等を乗車前に事前に調べたり、又は、乗車中に調べたりするユーザが増えてきている。
【0003】
しかしながら、列車と比較するとバス路線は複雑であることが多く、ユーザの感じる不安が列車の場合に比べて大きくなることがある。例えば、ユーザは、あるバスに乗車した際にも、バス路線の複雑さから、想定した目的地に到着するバスであるかどうか、また、乗り過ごしがないかどうかの不安を抱くことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-159040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、バス等に乗車した後に、乗車しているバス路線に関する情報をユーザにわかりやすく提示することができる情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
情報処理システムは、位置情報を取得する、位置情報取得手段と、取得した前記位置情報に基づいて、少なくとも1つの乗車中の路線の候補である利用中路線候補を取得する、利用中路線候補取得手段と、地図上に前記利用中路線候補の情報を出力する出力手段であって、地図上に出力されている前記利用中路線候補の情報を前記位置情報の遷移状態に基づいて更新する、出力手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
乗車中に、出発地や目的地等に関する情報を、ユーザにわかりやすく提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理システムのブロック図。
図2】一実施形態に係る地図の出力例を示す図。
図3】一実施形態に係る情報処理システムの処理を示すフローチャート。
図4】一実施形態に係る利用中路線候補とそれ以外の路線とを区別した地図の出力例を示す図。
図5】一実施形態に係る利用中路線候補とそれ以外の路線とを区別した地図の別の出力例を示す図。
図6】一実施形態に係る利用中路線候補の出力例を示す図。
図7】一実施形態に係る進行方向を検出する処理を含むフローチャート。
図8】一実施形態に係る進行方向を考慮した地図の出力例を示す図。
図9】一実施形態に係る進行方向に基づいた所要時間表示の例を示す図。
図10】一実施形態に係る停留所情報を取得する処理を含むフローチャート。
図11】一実施形態に係る降車停留所情報の出力例を示す図。
図12】一実施形態に係る降車停留所情報の別の出力例を示す図。
図13】一実施形態に係るスポット情報を取得する処理を含むフローチャート。
図14】一実施形態に係るスポット情報の出力例を示す図。
図15】一実施形態に係るスポット情報を選択する出力例を示す図。
図16】一実施形態に係るアイコン表示の出力例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザがバスに乗車した後に、乗車中のバス路線に関する情報をわかりやすく出力しようとするものである。なお、以下の説明において、バスとは、一般的に道路を運行し、所定のバス停留所(駅)等で顧客が乗降できる交通機関のことを言い、所謂路線バスの他に、路面電車やその他の将来的に同等の運行を行う交通機関のことも含む概念である。また、以下の説明においてバス停留所のことを単に「停留所」と記載する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能を示すブロック図である。この図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置2と、サーバ3と、を備えて構成される。端末装置2とサーバ3とは、ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。端末装置2とサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現可能である。ネットワーク4は、例えば、インターネット回線であり、有線回線及び無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態、通信の方式は問わない。
【0012】
端末装置2は、ユーザが使用する装置であり、例えば、携帯電話、スマートホン、パソコン、タブレット端末等の情報処理端末である。この端末装置2は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、操作部24と、表示部25と、を備えている。
【0013】
制御部21は、位置情報取得部211と、進行方向検出部212と、停留所情報受付部213と、情報出力部214と、を備え、端末装置2の制御を行う。なお、制御部21の各部は端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行してソフトウェアによる処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであってもよいし、実装されているハードウェア自身により実現されるものであってもよい。また、上記の制御には限られず、端末装置2の制御を行う他の機能を有する部を備えていてもよい。
【0014】
位置情報取得部211は、端末装置2の存在している位置情報を取得する手段として機能する。位置情報取得部211は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いて位置情報を取得する測位システムである。GPSではなく他の衛星航法システム(NSS:Navigation Satellite Systems)を用いるものであってもよい。別の例では、Wi-Fi(登録商標)又はビーコン等の電波を受信し、当該電波を発信した機器の位置情報を読み取ることにより位置情報を取得する測位システムであってもよい。測位システムは、これらには限られず、誤差がそれほど大きく無い(例えば、誤差が20m以下程度の)測位方法を用いるシステムであればどのようなものでも構わない。さらに別の例としては、乗車している車両に測位システムを搭載しておき、当該測位システムの情報を受信できるようにしておいてもよい。
【0015】
この位置情報取得部211は、所定時間ごと、例えば、5秒ごとに位置情報を取得する。この所定時間は、一例であり、1秒であってもよいし、10秒若しくはこれ以上の秒数であってもよいし、これらには限られず、端末装置2の性能又は測位システムの誤差の程度により決定されるものであってもよいし、端末装置2の位置情報取得に係る電池の消費量又は測位する時点における電池の残量に基づいて動的に決定されるものであってもよい。また、この測位は、正確に同一の時間間隔ごとに実行される必要は無く、誤差があってもよい。
【0016】
また、所定時間ごとに位置情報を取得するのではなく、ユーザが明示的に位置情報取得の要求をした場合に、位置情報を取得するようにしてもよい。この場合、位置情報取得部211は、ユーザの位置情報取得の要求を受け付ける、位置情報取得要求受付手段として動作してもよい。ユーザが明示的に位置情報の取得要求をする他、ユーザが情報処理システム1の操作部24において何らかの操作、例えば、タップ操作等を行ったタイミングで自動的に位置情報を取得するようにしてもよい。
【0017】
さらに、所定間隔ごとに位置情報を取得するとともに、ユーザの操作に基づいた位置情報取得をするようにしてもよい。このようにすることにより、端末装置2は、自動的に取得される位置情報とともに、ユーザが操作を行ったタイミングで位置情報を取得することが可能となり、ユーザが操作を行ったタイミングにおいてより正確な位置情報に基づく情報を出力することが可能となる。
【0018】
位置情報取得部211が取得した位置情報は、記憶部23に記憶されてもよい。記憶部23に記憶された過去の位置情報と、取得した位置情報とに基づき、端末装置2の位置情報の遷移状態を検出することが可能となる。この際、所定数の過去の位置情報を時系列に沿って記憶するようにしてもよい。この所定数は、少なくとも1であればよく、1個の位置情報を記憶する場合には、例えば、過去に取得された位置情報のうち最新の位置情報を記憶する。さらに、所定数を2以上とし、位置情報の遷移状態の検出精度を向上するために、複数の過去に取得された位置情報を時系列順に新しい方から記憶するようにしてもよい。例えば、リングバッファを用いることにより複数の位置情報を効率よく記憶することができる。
【0019】
位置情報を記憶部23に記憶させる場合、取得した位置情報と、1つ前のタイミングで取得した位置情報との距離の差が誤差程度である場合には、記憶している位置情報を更新しないようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、停車中における位置情報の更新を省略することが可能となる。
【0020】
進行方向検出部212は、位置情報取得部211に取得された現在又は過去の複数の位置情報に基づいて、車両の進行方向を検出する進行方向検出手段として動作する。例えば、取得された最新の位置情報と、時系列的にその1つ前の位置情報との間に誤差とは認められない位置のずれがある場合、1つ前の位置情報から最新の位置情報へと向かう方向へ端末装置2、すなわち、車両が進行しているものとして進行方向を検出する。
【0021】
検出された進行方向は、記憶部23に記憶するようにしてもよい。次の位置情報の取得のタイミングで、新たに進行方向を検出する。このタイミングにおいて、記憶部23に記憶されている進行方向と矛盾しない方向、例えば、直近までの進行方向から逆行するような進行方向でない場合には、新たな進行方向として、進行方向を更新する。
【0022】
ただし、鉄道の駅前にあるような停留所においては、停車後に逆行するような方向へ進行方向が変化する場合がある。このような場合に対応できるように、2つの位置情報から進行方向を検出するのではなく、現在及び過去に取得された3以上の複数の位置情報から進行方向を検出するようにしてもよい。このようにすることにより、進行方向が大きく変化した場合にも、進行方向の検出の精度を向上することができるとともに、位置情報の取得誤差に対しても、ロバストな進行方向の検出をすることが可能となる。
【0023】
別の例として、過去の複数の進行方向を記憶部23に記憶するようにしてもよい。複数記憶されている進行方向のデータから、直近で検出した進行方向が矛盾しないものであるか否かを判定することも可能である。また、後述する機能により、乗車している車両が属する路線が推定された後においては、位置情報及び進行方向情報が路線情報と矛盾しないものであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0024】
停留所情報受付部213は、ユーザにより入力された停留所の情報を受け付ける、停留所情報受付手段として動作する。端末装置2の表示部25には、この停留所情報受付部213が受け付けた降車予定の停留所情報に基づいて、ユーザにとってより便利な情報を表示させるようにしてもよい。
【0025】
この表示は、情報出力部214により実行される。表示される情報は、例えば、現在の位置から受け付けた停留所までに予想される所要時間、現在の位置から受け付けた停留所までに停車する停留所の数又は受け付けた停留所が降車予定の停留所であり、当該停留所まで1停留所に位置する場合には、降車ボタンを押下する通知を表示するようにする。これらの情報は、1つの情報が出力されるものであってもよいし、複数が同じタイミングにおいて出力されるようにしてもよい。
【0026】
情報出力部214は、表示部25を介して、上述したような端末装置2の制御部21が検出若しくは算出した結果、又は、サーバ3から送信された情報等をユーザへと出力する出力手段として動作する。この情報出力部214は、取得した情報等を映像信号や文字信号に変換して表示部25へと出力する。また、この情報出力部214は、既に表示されている情報が更新された場合には、表示部25に表示されている情報を当該更新された情報に基づいて更新する。
【0027】
なお、情報出力部214は、情報を音声信号に変換してスピーカ等を介して出力するようにしてもよい。また、降車停留所の情報を取得している場合には、端末装置2に搭載されているバイブレータ等を振動させる信号へと変換して、端末装置2を振動させるようにしてもよい。
【0028】
通信部22は、ネットワーク4を介して制御部21とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。記憶部23は、制御部21が動作するためのプログラムや制御部21が取り扱うデータ等を記憶する。操作部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインターフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン等である。表示部25は、液晶ディスプレイ等の映像表示手段であり、端末装置2からユーザへ様々な情報を出力する。なお、操作部24がタッチパネルである場合には、操作部24が表示部25を兼ねていてもよい。
【0029】
サーバ3は、ユーザからの入力に基づいて探索を行う装置であり、制御部31と、通信部33と、記憶部32と、を備えている。
【0030】
制御部31は、路線情報探索部311と、利用中路線候補取得部312と、スポット情報取得部313と、を備え、サーバ3の制御を行う。なお、制御部31の各部は、サーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行してソフトウェアによる処理がハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであってもよいし、実装されているハードウェア自身により実現されるものであってもよい。また、上記の制御に限られず、サーバ3を制御する他の部を備えていてもよい。
【0031】
路線情報探索部311は、端末装置2から送信された位置情報に基づいて路線の情報を探索する路線情報探索手段として動作する。位置情報は、ユーザにより入力されたものであってもよいし、位置情報取得部211により測位されたものであってもよいし、又は、ユーザの過去の探索履歴等のユーザに関する情報から取得するものであってもよい。路線情報探索部311は、これらの位置情報から、当該位置の周辺の停留所又は路線の情報を探索する。
【0032】
この路線情報探索部311はさらに、探索した路線情報及び停留所情報を地図上に出力されるようにし、通信部33を介して当該情報を端末装置2へと送信し、端末装置2の表示部25において表示するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、端末装置2において測位された位置情報に基づき、端末装置2の存在する位置周辺の路線情報が表示部25から出力される。なお、以下の説明において、路線情報探索部311と、利用中路線候補取得部312は、別のものとして説明しているが、利用中路線候補取得部312が路線情報探索部311の機能を備えていてもよい。
【0033】
利用中路線候補取得部312は、端末装置2から送信された位置情報及び路線情報探索部311が探索した路線情報から、乗車中の車両が属する路線の候補である利用中路線候補を取得する利用中路線候補取得手段として動作する。例えば、路線情報探索部311が探索した端末装置2周辺の路線が1路線しか無い場合、当該路線を利用中路線候補として抽出する。
【0034】
路線情報探索部311が探索した端末装置2周辺の路線が複数路線ある場合、探索された停留所情報及び路線情報の少なくとも1つの情報を用いて、利用中路線候補を推定する。端末装置2から、過去及び現在の位置情報を複数受信している場合には、当該複数の位置情報に基づいて、尤もらしい路線を利用中路線候補として抽出する。
【0035】
例えば、端末装置2の位置情報と路線情報とを比較した場合に、当該路線の経路と端末装置2の位置情報とが類似した経路を辿っている場合であって、他に同じような経路を辿る路線が無い場合には、当該路線を利用中路線候補として抽出して取得する。別の例としては、端末装置2の位置情報が停留所であると認められる位置で停車又は通過した場合に、このような停留所を抽出する。そして、このような停留所を複数抽出することにより、これら複数の停留所を通る路線を利用中路線候補として抽出して取得する。抽出方法はこれには限られず、他の方法を用いて利用中路線候補を抽出するようにしてもよい。
【0036】
結果的に複数の路線が候補として抽出された場合には、これら複数の路線を利用中路線候補としてもよい。この場合、例えば、端末装置2が送信する位置情報に基づいて、分岐点等を通過したタイミングにおいて、乗車している路線の候補が少なくなるように推定できるのであれば、少なくなるように利用中路線候補を抽出する。このようにすることにより、複数の路線の車両が同じ経路を運行する場合にも対応することが可能となる。
【0037】
スポット情報取得部313は、端末装置2から送信された位置情報に基づいて、利用中路線候補の停留所であって、車両が存在する位置周辺にある停留所と紐付けられている情報を、記憶部32のスポットデータベース322から当該停留所に関するスポット情報として取得するスポット情報取得手段として動作する。スポット情報取得部313は、例えば、乗車中の車両が停車する予定の停留所の周辺の情報を取得する。
【0038】
取得するスポット情報の例としては、観光スポット情報、路線又は停留所周辺の店舗又は医療機関等の施設の情報、及び、路線又は停留所周辺にある企業の情報等である。これらの情報を取得する際に、さらに、時刻情報に基づいた情報を取得するようにしてもよい。このようにすることにより、ユーザに対してリアルタイムに近い情報を出力することが可能となる。また、表示部25を介してこれらの情報を視覚的に出力することにより、ユーザが視覚情報として出力結果を見ることが可能となる。
【0039】
記憶部32は、各種データを記憶するデータベースであり、経路データベース321と、スポットデータベース322とを備える。記憶部32は、例えば、ハードディスク、不揮発性半導体メモリ(SSD等)などの任意の記憶装置により構成可能である。また、記憶部32は、図面においてはサーバ3内にあるものとしているが、制御部31とは別のデータベースサーバや、ファイルサーバといった独立したサーバとして情報処理システム1内に通信可能に接続された別の装置内に備えられているものであってもよい。
【0040】
経路データベース321は、バス路線情報の探索を実行する際に使用するデータベースである。この経路データベース321は、バス路線の情報として、所定のバス事業者におけるバス路線情報のみを含むものであってもよいし、複数の事業者のバス路線の情報を備えているものであってもよい。複数の事業者のバス路線の情報を備えているものである場合は、一般的な経路情報探索と同じデータベースを用いることも可能である。一方、所定のバス事業者に限定したバス路線のみを含むものである場合には、所定のバス事業者向けのサービスを提供する際に、データの記憶容量の削減や、探索の高速化を図ることが可能である。
【0041】
さらに、この経路データベース321には、バス路線の時刻表の情報等を備えていてもよい。これに加えて、経路データベース321は、地図情報データベースと、POI(Point of Interest)情報データベースのうち少なくとも1つをさらに備えていてもよい。
【0042】
地図情報データベースやPOI情報データベースを備える場合においては、経路データベース321とは別の格納場所に格納されるようにしてもよい。地図情報データベースは、表示用、或いは、例えば、フリーワード検索やカテゴリ検索と言った地点検索用に用いられる。
【0043】
スポットデータベース322は、様々な施設等に関連する情報を位置情報と紐付けて記憶するデータベースである。このスポットデータベース322は、上記のPOIデータベースを用いるものであってもよい。また、路線情報と併せて、停留所周辺の情報をPOIデータベースよりも詳しく集積したデータベースであってもよい。
【0044】
記憶される情報は、施設等の名称、住所若しくは電話番号等の所在地情報、施設等の説明情報、URIなどの施設等の情報を詳しく取得するための情報、その他施設等における時刻情報に基づいた情報である。時刻情報に基づいた情報とは、例えば、ある店舗では、ある時刻間においてはタイムセールを行う、といった情報や、ある店舗では、ある時刻間においてはハッピーアワーが適用される、といった情報である。これらの情報の他、例えば、観光地であれば、観光地が見学可能である時間、店舗であれば、店舗が開いている時間といった施設等のオープン情報が記憶されていてもよい。さらに別の例では、ある施設では、ある日時にイベントが開催されると言った、特定の日時関する情報、又は、季節、時期により開催されるイベント等の情報が記憶されていてもよい。
【0045】
通信部33は、端末装置2から出力された目的地についての情報を受信し、制御部31において取得された情報を端末装置2へと出力する。制御部31において取得された情報とは、少なくとも路線又は停留所の情報を含む情報であり、他に、上述したような停留所周辺の情報等が含まれる情報であってもよい。
【0046】
次に、本実施形態に係る端末装置2の表示例について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理システム1における端末装置2の表示部25に表示される地図の一例を示す図である。この図2に示すように、表示部25内には、地図表示領域250が備えられている。
【0047】
地図表示領域250内において、白丸は、停留所を示し、停留所同士を地図上に示された道路に沿って繋ぐ実線が、各バス路線を示す。このように、地図表示領域250内において、地図上に停留所及びバス路線が併せて表示される。
【0048】
中央にある二重丸で示されている位置が、現在端末装置2が存在している位置である。地図上には、この端末装置2の位置を基準として、当該位置において乗車している可能性があるバス路線が他のバス路線と区別できるように表示される。さらに、図2においては、これらのバス路線で利用可能な停留所への現在位置から掛かる時間を出力している。この時間表記は、例えば、現在の車両の動きを考慮せずに、平均的に掛かる時間として、平均探索を行った結果取得される時間を表示する。
【0049】
この図2においては、例えば、バス路線50A、50B、50C、50Dが乗車している車両の属する路線として推定される利用中路線候補である。この例では、停留所A3からユーザが乗車した後であるものとする。停留所A3から、例えば、停留所A1までは13分掛かり、停留所C4までは10分掛かることが地図上の表示から読み取ることが可能となる。すなわち、白丸の中に記載された数字が、当該停留所までの所要時間[分]を示す。この停留所までの所要時間は、位置情報取得部211が取得した現在位置を起点とした所要時間であってもよいし、次に停車する予定の停留所を基点とした所要時間であってもよい。または、これらの所要時間の双方を合わせて出力するようにしてもよい。
【0050】
そして、利用中路線候補以外のバス路線についても、地図上に表示される。しかしながら、利用中路線候補のバス路線は、利用中路線候補ではないバス路線等と比較して識別可能な態様で表示されるため、あるバス路線が、端末装置2の現在位置において利用中路線候補となっているか否かが地図上に示された路線図から読み取ることは、容易である。
【0051】
例えば、バス路線51Eの停留所E10乃至E14の各停留所には、現在乗車していると推定されるバス路線からは乗り換えずには行けないことがこの地図表示領域250に示された地図から読み取ることができる。同様に、バス路線51Fの停留所F2乃至F6のように、端末装置2の位置において利用中路線候補であるバス路線において乗降可能ではない停留所、すなわち、現在位置を通るバス路線以外のバス路線の停留所の情報も出力されるようにしてもよい。
【0052】
なお、図2においては、地図表示領域250の他に、検索条件入力領域251と、検索ボタン252とを備えていてもよい。検索条件入力領域251は、例えば、降車する停留所を指定したい場合に、地名やPOI等の位置に関連する情報を入力し、検索ボタン252を選択することにより当該停留所の情報を地図上に表示する。表示される情報は、上述したように、降車する停留所までの所要時間等の情報であってもよいし、当該停留所周辺のスポット情報であってもよい。
【0053】
また、別の例として、利用中路線候補ではないバス路線の停留所又はPOI等の位置に関連する情報が入力された際には、現在乗車中のバス路線からどのように乗り換えれば入力された位置まで行くことが可能であるかを路線情報探索部311が経路データベース321から探索し、表示するようにしてもよい。
【0054】
図2においては、地図表示領域250の周りに表示部25における空白部分が存在するが、これには限られない。すなわち、表示部25の表示部分いっぱいに地図を表示するようにしてもよい。例えば、操作部24が表示部25を兼ねている場合、表示部25の表示領域の上部外側から内側へとフリック操作を行うことにより、検索条件入力領域251等を画面条に表示するようにしてもよい。フリック操作に限らず、画面の上部をタップ又はクリックすることにより同様に表示させてもよい。その他、一般的に行われている操作により、これらの動作を行うようにしてもよい。さらに、地図表示領域250に表示されている地図上に重ねるように、検索条件入力領域251と、検索ボタン252と、を表示してもよい。また、表示部25に表示する情報はこれらの情報のみには限られず、例えば、利用中路線候補のバスの時刻表等を表示させるように端末装置2又はサーバ3に要求を出すようなボタン等を配置してもよい。
【0055】
(第1実施形態)
次に、各種動作についての形態を詳しく説明する。まず、本実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置2の現在位置に基づいて利用中路線候補を抽出し、当該利用中路線候補の情報について出力する。図3は、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
まず、端末装置2の位置情報取得部211は、位置情報を取得する(ステップS100)。位置情報を記憶部23に記憶する場合には、このタイミングにおいて取得した位置情報を記憶部23へと格納するようにしてもよい。
【0057】
次に、位置情報取得部211は、通信部22を介してサーバ3へと取得した位置情報を送信する(ステップS101)。
【0058】
通信部33を介して端末装置2から位置情報を受信したサーバ3の路線情報探索部311は、受信した位置情報に基づいて路線情報を探索する(ステップS200)。位置情報に基づいた路線情報の探索は、例えば、当該位置周辺を運行するバス路線を経路データベース321から取得することにより実行される。運行するバス路線の探索は、例えば、バス路線の経路情報に基づいて、当該位置周辺を経路として有するバス路線を探索することにより実行される。別の例としては、当該位置周辺の停留所の情報からバス路線を取得するようにしてもよい。
【0059】
当該位置の周辺とは、例えば、端末装置2において表示される地図の大きさに応じて変更して、地図表示領域250内に表示される程度の範囲で探索を行うようにしてもよい。別の例としては、地図表示領域250に表示されるよりも大きい(又は小さい)範囲で探索を行い、地図表示領域250に表示される距離よりも端末装置2に遠い(又は近い)位置を運行するバス路線を探索するようにしてもよい。
【0060】
次に、路線情報探索部311は、探索された路線情報を端末装置2へと送信する(ステップS201)。
【0061】
サーバ3から路線情報を取得した情報出力部214は、表示部25へ取得したバス路線の情報を出力する(ステップS102)。この際、あらかじめステップS100で取得した位置情報に基づいて、周辺の地図を表示しておき、その地図上に受信したバス路線の情報を出力するようにしてもよいし、バス路線の情報を受信した後に位置情報に基づいて地図を表示するとともにバス路線の情報も出力するようにしてもよい。
【0062】
ステップS102と並行して、サーバ3側では、利用中路線候補取得部312が現在端末装置2を有しているユーザが乗車している利用中路線候補の情報を抽出して取得する(ステップS202)。
【0063】
この抽出は、ステップS200において探索されたバス路線のうち、受信した位置情報に最も近い位置を運行するバス路線の情報を、利用中路線候補情報として取得してもよい。最も近い位置を運行するバス路線の情報が複数ある場合には、利用中路線候補情報として複数の路線の情報を取得してもよい。最新の位置情報のみからであると判定できない場合には、例えば、記憶部32に記憶している過去の位置情報も用いて、共通して近い位置を運行するバス路線の情報を利用中路線候補の情報として取得するようにしてもよい。
【0064】
次に、利用中路線候補取得部312は、取得した利用中路線候補情報を端末装置2へと送信する(ステップS203)。
【0065】
なお、ステップS202の処理は、端末装置2側で行ってもよく、この場合、ステップS203の処理は、必須ではない。すなわち、利用中路線候補取得部312は、サーバ3ではなく、端末装置2に備えられていてもよい。
【0066】
利用中路線候補情報を受信した端末装置2は、受信した利用中路線候補情報を、ステップS102において出力した路線情報に重ねて出力する(ステップS103)。この際、利用中路線候補と、他の路線とは、区別し得る態様において出力する。例えば、利用中路線候補となるバス路線を地図上では太い実線で表示し、他のバス路線を細い線で表示する、或いは、利用中路線候補となるバス路線を実線で表示し、他のバス路線を破線で表示する等、ユーザが地図を見た際にわかりやすい表示とする。これらには限られず、利用中路線候補となるバス路線の色を変更したり、点滅させたり、他のバス路線の色を薄くしたりしてもよく、区別できる態様において表示されればよい。また、必ずしも他のバス路線を表示する必要なく、この場合、例えば、利用中路線候補が経由しない道路等と区別し得る態様において出力するようにしてもよい。
【0067】
また、別の例としては、ステップS102において路線情報を出力することなく、情報出力部214は、候補路線情報を受信した後に、候補路線のバス路線及びそれ以外のバス路線の情報を併せて同じタイミングにおいて出力するようにしてもよい。
【0068】
なお、例えば、アプリケーションを起動した場合のように、最初に地図及び経路を出力するタイミングにおいては、位置情報の送信(ステップS101)及び路線情報の探索(ステップS200)が実行されるが、一度地図が表示された後のタイミングにおいては、必ずしも位置情報を取得する度に当該位置情報の送信(ステップS101)、路線情報の探索(ステップS200)及び路線情報の送信(ステップS201)の処理は、実行される必要は無い。すなわち、端末装置2の位置情報が更新されるタイミングにおいては、ステップS200及びステップS201の処理を省略することも可能である。このようにすることにより、余剰な通信等を抑制することも可能である。
【0069】
利用中路線候補情報の取得についても同様であり、必ずしも位置情報取得の度にステップS22及びステップS203の処理を行う必要は無い。例えば、上述したように利用中路線候補取得部312を端末装置2にも備えておくことにより、最初に位置情報を取得したタイミングにおいて、サーバ3において周辺の路線情報を探索し、探索された情報を端末装置2へと送信し、端末装置2において受信した当該経路情報を記憶部23において記憶しておくことにより、端末装置2において閉じた環境で上記のような表示を更新することが可能である。
【0070】
例えば、地図表示領域250の中央付近に端末装置2の位置を出力する場合には、位置情報を取得するタイミングにおいて、取得した位置情報及び記憶部23に記憶されている経路情報に基づいて表示される地図を端末装置2側でシフトし、現在地が中央付近となるように調整して出力する。このようにすることにより、端末装置2とサーバ3との間の通信を抑制することも可能である。
【0071】
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の地図表示領域250を示す図である。この図4の例においては、利用中路線候補となるバス路線が太い実線で示され、他のバス路線が細い実線で示されている。端末装置2が現在いる位置、例えば、停留所A3で停車している場合には、バス路線50A、50B、50C、50Dが利用中路線候補として抽出され、他のバス路線とは区別できるように表示される。
【0072】
さらに、これらのバス路線50A、50B、50C、50Dについて、各路線が別の路線であることをユーザが識別可能であるように表示するようにしてもよい。例えば、これらの路線についてそれぞれ色を変更したり、表示する線種を異なるものとして表示したりすることにより、別々の路線であることを明示的に表示するようにしてもよい。
【0073】
図5は、図4の状態から車両が移動、すなわち、端末装置2も車両に伴って移動した場合を示す図である。この図5に示すように、例えば、現在位置が停留所A3と停留所A4の間に位置するような場合には、バス路線50Cが利用中路線候補から外れ、利用中路線候補のバス路線とは区別できるように細い実線へと動的に変更される。
【0074】
以上のように、本実施形態によれば、乗車している車両の位置に基づいて、乗車している車両が属するバス路線の候補を地図上に他のバス路線と区別できる態様において出力することが可能となる。ユーザは、出力された地図上の利用中路線候補についての情報を明確に知ることができ、乗車しているバスの行き先を明確に知る、又は、乗車しているバスの行き先を絞ることができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、進行方向情報、降車停留所情報及びスポット情報は、特に必要ではないので、進行方向検出部212、停留所情報受付部213、スポット情報取得部313及びスポットデータベース322は、情報処理システム1には必須の構成ではない。
【0076】
(第2実施形態)
本実施形態に係る情報処理システム1は、抽出された利用中路線候補について、各停留所までの所要時間の情報を出力する。所要時間を出力する際には、前述した実施形態のように、利用中路線候補のバス路線と、他のバス路線とを明確に区別できるように表示した上で所要時間を出力するようにしてもよい。
【0077】
本実施形態に係る処理の流れは、端末装置2におけるステップS102までの処理及びサーバ3におけるステップS201までの処理については、前述した図3に示すフローチャートと同様である。
【0078】
路線情報探索部311が路線情報を端末装置2へと送信(ステップS201)した後に、利用中路線候補取得部312は、利用中路線候補情報を取得する(ステップS202)。ここで、本実施形態においては、利用中路線候補情報について、その経路のみならず、受信した現在位置から、利用中路線候補として抽出されたバス路線において降車可能である各停留所までの所要時間を取得する。
【0079】
所要時間は、例えば、経路データベース321に記憶されている時刻表情報に基づいて取得される。時刻表情報ではなく、経路データベース321に、各停留所間の所要時間を記憶しておいてもよい。又は、ある停留所、例えば、当該バス路線の起点となる停留所から、各停留所までの所要時間を記憶しておき、当該所要時間に基づいて現在位置から各停留所までの所要時間を算出するようにしてもよい。
【0080】
さらには、所要時間を出力するタイミングにおける道路交通情報に基づいて所要時間を算出するようにしてもよい。例えば、渋滞が発生している場合等には、その分所要時間を加算して出力するようにしてもよい。渋滞の発生情報は、他のユーザの投稿情報、クラウド上に存在する情報又は道路交通に関する機関等が更新している情報等を参照するようにしてもよい。
【0081】
利用中路線候補取得部312は、このように取得された各停留所までの所要時間を含む利用中路線候補情報を、端末装置2へと送信する(ステップS203)。
【0082】
利用中路線候補情報を取得した端末装置2は、前述した実施形態のように、利用中路線候補に係るバス路線と、それ以外のバス路線との経路情報を区別できるように出力した上で、各停留所の位置に、図2に示すように各停留所までの所要時間を併せて出力する(ステップS103)。
【0083】
なお、位置情報取得部211が位置情報を更新するごとに、動的にこの所要時間の表示を変更することも可能である。この場合も、前述した第1実施形態と同様に、記憶部23に経路情報を記憶しておくことにより、端末装置2においてサーバ3と通信を行うことなく表示を更新するようにしてもよい。
【0084】
例えば、図2の状態から、位置情報が停留所A3から停留所A4へと向けて移動した場合、図6に示すような状態となる。例えば、停留所A1までは15分掛かり、停留所A4までは1分掛かることが地図上の表示から読み取ることが可能となる。他の停留所についても、表示されている所要時間が動的に変更されている。
【0085】
所要時間を動的に更新する場合、図6のように、位置情報を取得したタイミングごとに動的に更新される必要は無く、所定の取得間隔ごとに更新されるようにしてもよい。別の例としては、取得した位置情報に基づいて、現在位置が停留所に到着したと判断した場合に、更新するようにしてもよい。このようにすることにより、停留所に到着する度に、表示されている所要時間の情報が当該停留所から各停留所への所要時間へと更新されて出力される。
【0086】
以上のように、本実施形態によれば、利用中路線候補となるバス路線をわかりやすく表示するだけではなく、現在位置から利用中路線候補であるバス路線において降車可能な各停留所までの所要時間を表示する。このように表示することにより、ユーザは、目的地までの所要時間を動的に取得することが可能となる。
【0087】
なお、前述した実施形態と同様に、本実施形態に係る情報処理システム1においても、進行方向検出部212、停留所情報受付部213、スポット情報取得部313及びスポットデータベース322は、必須の構成ではない。
【0088】
(第3実施形態)
本実施形態に係る情報処理システム1は、進行方向検出部212により検出された進行方向により、地図上に表示されている情報を動的に更新する。図7は、本実施形態に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
前述した各実施形態と異なる点は、位置情報の取得(ステップS100)後であって、利用中路線候補情報の出力(ステップS103)までの間に、進行方向を検出(ステップS105)する処理が追加されている点である。
【0090】
進行方向検出部212は、取得された現在又は過去の位置情報に基づいて、車両及び端末装置2の進行方向を検出する。位置情報取得部211が取得した位置情報が、取得したタイミングで記憶部23に記憶される場合、進行方向検出部212は、記憶部23に記憶している位置情報のデータを用いて、現在位置に移動した端末装置2がいずれの方向からの移動であったかを算出し、進行方向を検出する。また、進行方向の検出をした後に、取得された最新の位置情報を記憶部23へと記憶するようにしてもよい。
【0091】
図8は、本実施形態に係る情報処理システム1の表示部25に出力された地図上の経路の一例を示す図である。この図8に示すように、候補路線のバス路線について、進行方向前方を太い実線で示し、進行方向後方を細い実線で示している。例えば、バス路線50A、50Dのいずれかが候補路線であり、停留所A4から停留所A5の方向に向かう車両に乗車していることが表示される。
【0092】
このように、進行方向前方と、進行方向後方とを区別できるように動的に変化させて出力することにより、乗車している車両の進行方向前方の情報をより明確に表示することが可能となる。また、位置情報の更新とともに、この経路の表示も動的に更新してもよい。
【0093】
図9は、本実施形態に係る情報処理システム1の表示部25に出力された地図上の経路の別の例を示す図である。図8とは異なり、図9には、利用中路線候補である、バス路線50A、50Dにおける各停留所までの所要時間が表示されている。このように、進行方向と合わせて前方の経路と後方の経路を区別できるように出力するとともに、所要時間情報をも出力するようにしてもよい。この場合、上記の経路の更新に加えてさらに、前述の第2実施形態と同様に、位置情報の更新に併せて、表示されている各停留所までの所要時間情報も動的に更新してもよい。
【0094】
以上のように、本実施形態によれば、位置情報取得部211が取得した複数の位置情報に基づいて、乗車中の車両の進行方向を検出し、当該進行方向にしたがって表示部25に出力される表示を動的に更新することにより、ユーザは、乗車している車両の経路情報をより明確に確認することが可能となる。
【0095】
なお、図7においては、端末装置2が位置情報をサーバ3へと送信した後に進行方向の検出処理が行われているが、これらの処理の順番はこれには限られない。進行方向の検出処理の実行は、位置情報取得部211が位置情報を取得した後であって、情報出力部214が利用中路線候補情報を出力する前であれば構わない。
【0096】
また、位置情報の取得とは別のプロセスとして、例えば、端末装置2内で並列処理により位置情報の取得処理と進行方向の検出処理とが実行されるものであってもよい。この場合、位置情報の取得処理のタイミングに拘わらず、例えば、情報出力部214が利用中路線候補情報を出力する前に進行方向を検出するようにしてもよい。この場合、進行方向検出部212は、記憶部23に記憶されている過去の位置情報に基づいて進行方向を検出するようにしてもよい。
【0097】
さらには、上記にも限られず、位置情報取得処理、進行方向検出処理及び利用中路線候補情報出力処理がそれぞれ並列処理として実行される、すなわち、それぞれの処理が非同期に独立して実行されるものであってもよい。この場合、例えば、位置情報及び進行方向情報は、記憶部23にユニークに格納され、これらの情報が必要となる処理において、読み出すようにする。情報の受け渡しは、記憶部23によるものには限られず、プロセス間で非同期な通信を行うようにしてもよいし、他の方法によるものでもよい。もちろん、いずれかの処理にエラー等が発生した場合には、例外処理を実行するようにしてもよい。このようにすることにより、各処理において同期をとる必要がなくなり、よりスムーズな出力を行うことが可能となる。さらにまた、ユーザがサーバ3に位置情報を記憶することを許可している場合には、サーバ3において進行方向を検出するようにしてもよい。この場合、進行方向検出部212は、サーバ3に備えられていてもよい。
【0098】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1においては、停留所情報受付部213、スポット情報取得部313及びスポットデータベース322は、必須の構成ではない。
【0099】
(第4実施形態)
本実施形態に係る情報処理システム1は、停留所情報受付部213が受け付けた停留所を降車する停留所であるとして、降車する停留所に関する情報を地図上に出力する。図10は、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、利用中路線候補情報を出力するステップS103までの端末装置2及びサーバ3の処理は、前述した各実施形態と同様である。進行方向検出の処理は省略しているが、進行方向検出の処理(ステップS105)が実行されていてもよい。
【0101】
地図上に利用中路線候補情報が出力された(ステップS103)後、ユーザが操作部24を介して停留所に関する情報を入力すると、停留所情報受付部213は、当該停留所の情報を受け付ける(ステップS106)。停留所に関する情報は、例えば、停留所名、又は、POI情報等の情報である。停留所に関する情報の入力は、例えば、ユーザが停留所情報を検索条件入力領域251へと入力した後に、検索ボタン252を選択することにより実行され、検索ボタン252が選択されたことを検知すると、停留所情報受付部213が停留所情報を受け付けるようにしてもよい。別の例としては、音声による入力を受けて、停留所情報を受け付けるようにしてもよい。
【0102】
次に、停留所情報受付部213は、記憶部23に記憶されている候補路線の情報に基づいて、受け付けた停留所に関する情報が候補路線に存在する停留所の情報であるか否かを判断する(ステップS107)。
【0103】
受け付けた停留所が候補路線における停留所である場合(ステップS107:Yes)、情報出力部214は、降車停留所に関する情報を出力する(ステップS108)。降車停留所に関する情報は、前述したように、例えば、現在位置から降車する停留所までの停留所の数、現在位置から降車する停留所までの推定所要時間及び降車するタイミングであれば下車ボタンを押下する旨の表示である。
【0104】
図11は、降車停留所情報が出力された表示部25の一例を示す図である。以下、図11及び図12において、停留所B6が受け付けられたとする。この図11に示すように、受け付けた停留所情報が候補路線の停留所の情報である場合、当該停留所までの停留所数及び所要時間が表示される。さらに、位置情報を取得したタイミングで動的に更新されるようにしてもよく、動的に残りの停留所数及び所要時間が更新されるようにしてもよい。
【0105】
例えば、図11に示すように、停留所及び残り時間を示す表示の周りに残り時間の割合を示すゲージを表示し、乗車した停留所を出発した時点において円周全てに色がついており、時間が経過するにしたがい時計回りにゲージが減少するような表示をしてもよい。割合ではなく、絶対的な時間の長さを表示するものであってもよい。表示はこれには限られず、反時計回りで減少するようにしてもよいし、減少するにしたがって色が付されるようにしてもよいし、又は、同心円状にゲージを設置しておき、時間が経過するにしたがい円が小さく又は大きくなるように表示してもよい。これらの表示に限られず、ユーザに認識可能なように、例えば、直線のゲージを表示するなどゲージを表示してもよい。さらに別の例としては、ゲージ自体を表示しなくてもよい。また、時間表示も分表示には限られず、秒表示、あるいは、1/100秒単位まで、あるいは、これらの結合を表示するようにしてもよい。
【0106】
また、例えば、降車停留所まで1停留所の地点、図11においては停留所B5の地点を通過したタイミングで、右図にあるように、下車する旨を運転手に知らせるボタンを押下する旨を通知するようにしてもよい。この際、併せて端末装置2に備えられているバイブレータ等を振動させるようにしてもよいし、スピーカを介して音を出力するようにしてもよい。
【0107】
図12は、降車停留所情報が出力される表示部25の別の例を示す図である。このように、図12と同じ情報を出力するものであるが、地図表示領域250に表示されている情報を表示した状態のまま、かつ、降車する停留所に関する情報をわかりやすく出力するようにしてもよい。下車する旨を運転手に知らせるボタンを押下する通知も同様に、地図の情報を表示したまま表示してもよい。上記と同様に、この通知とともに、端末装置2を振動させるようにしてもよいし、音を出力するようにしてもよい。
【0108】
なお、図11及び図12においては、降車する停留所までの停留所数と、所要時間と、の双方が出力されているが、これには限られず、いずれか一方のみを出力するようにしてもよい。さらに、下車ボタンの押下のタイミングの通知は、例えば、点滅させる等して、よりユーザにわかりやすく表示するようにしてもよい。
【0109】
また、図11及び図12においては、受け付けられた停留所B6より先の停留所の所要時間を消すように出力されているがこれには限られず、停留所B7以降についても所要時間を表示したままにしておいてもよい。さらに、停留所B6より先については、細線で表示されているが、これには限られず、受け付けられた停留所より先の経路についても太線(乗車中の車両の経路を示す表示)で示すようにしてもよい。
【0110】
これら図11及び図12の表示は、情報処理システム1であらかじめいずれの表示をするかが設定されていてもよいし、ユーザの好みにより変更できるようにしてもよい。
【0111】
一方で、受け付けた停留所が候補路線における停留所では無い場合(ステップS107:No)、一例として、その停留所の周辺の地図を表示するようにしてもよいし、特に表示を変更させることなく、現状の表示をし続けるようにしてもよい。
【0112】
なお、以上の説明のおいては、受け付けられた停留所は、降車停留所であるとしたが、これには限られない。例えば、乗車している路線の経路上の停留所において他のユーザが乗車して来るように、同じ車両に乗車することを促すような場合、当該停留所の情報を入力することにより、ユーザは当該停留所までの所要時間をより詳細に知ることが可能となる。
【0113】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザが停留所に関する情報を入力し、停留所情報受付部213が受け付けた当該停留所が利用中路線候補の停留所である場合には、降車する停留所であると推定して当該停留所までの停留所数又は所要時間を表示部25に出力することができる。このようにすることにより、ユーザが降車する停留所までの情報を明確に取得することが可能となり、乗車中におけるユーザの不安を取り除くことができる。
【0114】
なお、上述した説明においては、停留所に関する情報を受け付けてからは、端末装置2で閉じた処理となっているが、これには限られない。すなわち、停留所情報受付部213が受け付けた停留所情報を、通信部22を介してサーバ3へと送信してもよい。停留所情報を受け付けたサーバ3の路線情報探索部311が探索を行うようにしてもよい。例えば、POI情報等を受け付けた場合には、端末装置2の記憶部23に記憶されている情報か否かは不明であるが、このようにサーバ3に送信して探索を行うことにより、POI情報からの探索も実行することが可能となる。
【0115】
上記において、停留所情報の受付は、文字や音声による入力には限られない。例えば、操作部24がタッチパネルである場合には、ユーザが表示されている停留所をダブルタップ又はホールドする操作により選択すると、停留所情報受付部213は、当該選択されている停留所を停留所情報として受け付けるようにしてもよい。
【0116】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1においては、進行方向検出部212、スポット情報取得部313及びスポットデータベース322は、必須の構成ではない。また、本実施形態においては、情報出力部214は、停留所の情報を出力する、停留所情報出力手段としても機能する。
【0117】
(第5実施形態)
本実施形態に係る情報処理システム1は、乗車中の車両周辺のスポット情報を出力する。図13は、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0118】
図13に示すように、本実施形態に係るスポット情報の出力は、ステップS103までの利用中路線候補情報を出力した後に実行される。ステップS103までの処理は、前述した実施形態のうち、少なくとも1つの処理に基づいて実行される。
【0119】
利用中路線候補情報を出力した後、端末装置2の位置情報取得部211は、改めて位置情報を取得する(ステップS101)。そして、取得された位置情報は、サーバ3へと送信される(ステップS102)。
【0120】
位置情報を受信したサーバ3のスポット情報取得部313は、記憶部32内のスポットデータベース322から、当該位置情報に基づいてスポット情報を取得する(ステップS204)。スポットデータベース322には、例えば、位置情報と紐付けられたスポットの情報、又は、停留所情報と紐付けられたスポットの情報が記憶されている。
【0121】
スポット情報取得部313は、受信した位置情報、又は、受信した位置情報から路線情報探索部311により探索された周辺の停留所の情報に基づいて、紐付けられているスポットの情報を取得する。位置情報からスポット情報を取得する場合には、利用中路線候補取得部312により取得されている利用中路線候補の経路沿いにあるスポットの情報を取得するようにしてもよい。同様に、停留所の情報を探索する場合には、利用中路線候補取得部312により取得されている利用中路線候補のバス路線の経路上にある停留所情報を取得するようにしてもよい。
【0122】
次に、スポット情報取得部313は、取得したスポット情報を、端末装置2へと送信する(ステップS205)。
【0123】
スポット情報を受信した端末装置2の情報出力部214は、既に表示されている地図上に、スポット情報を出力する(ステップS109)。
【0124】
図14は、地図表示領域250上にスポット情報を出力するいくつかの例を示す図である。
【0125】
図14(a)は、観光地をスポット情報として出力する例である。このように、利用中路線候補周辺の観光地の情報を出力することにより、ユーザに観光地に関する情報、例えば、営業時間、最寄りの停留所、見所又は料金等に関する情報を出力することが可能となる。時期に合わせた見所の情報(桜の時期、海水浴が可能等の情報)を併せて出力することも可能である。また、当該観光地を詳しく説明する公式サイト等のURIを表示するようにしてもよい。
【0126】
図14(b)は、図14(a)の情報を別のユーザインターフェースを用いて出力した図である。このように、スポット情報は、特定の方法により出力されるものではなく、様々な態様において出力されるものであってもよい。この場合、路線情報が隠れてしまう可能性があるので、例えば、他の箇所をタップ又はクリックしたり、吹き出し内に閉じるボタンを備えておきそのボタンを選択したりすることにより、スポット情報を消すようにしてもよい。
【0127】
図14(c)は、イベント等が行われている場合に、当該イベント等に関する情報をスポット情報として出力する例である。上記と同じように、イベントの開催時刻、最寄りの停留所等の情報に加えて、注意事項等を出力することも可能である。注意事項とは、例えば、帰りの交通機関に関する情報であり、このような出力をすることにより、ユーザのみならず、当該交通機関を運営している事業者にとっても有用な情報を出力することが可能となる。また、当該イベントの公式サイト等のURIを表示するようにしてもよい。
【0128】
図14(d)は、周辺の店舗の情報をスポット情報として出力する例である。周辺の店舗の情報とは、例えば、どのようなサービスを行っている店舗であるか等の情報であり、所謂商用広告を含む情報である。時刻情報に基づいて、タイムサービス(タイムセール、ハッピーアワー等の情報)をやっている情報を併せて出力することも可能である。また、当該店舗又は当該広告のURIを表示するようにしてもよい。
【0129】
上記において、URIが表示される場合には、当該URIにリンクを設定しておき、当該URIが選択されることにより、当該URIの指し示すサイトを閲覧できるようにしてもよい。情報処理システム1をユーザに実行させるためのアプリケーション上に表示したものを閲覧できるようにしてもよいし、ウェブブラウザ等のURIの指し示す内容を閲覧するためのアプリケーションを別途起動して閲覧できるようにしてもよい。
【0130】
図15は、出力される情報の選択について示す図である。例えば、図15に示すように、情報出力部214が周辺のスポット情報が取得できたスポットをユーザに選択できるように出力してもよい。このようにすることにより、ユーザは、表示部25に自らが望むスポットの情報を重点的に表示させることが可能となる。
【0131】
別の例として、商用広告等をスポット情報として出力する場合に、これらの情報を所定の間隔、例えば、30秒といった間隔ごとに周辺のスポット情報を次々と切り替えて出力する。図15の出力方法と併せて実行することも可能であり、この場合、商用広告を優先的に最初に表示されるようにしてもよい。情報処理システム1が有償であり、無償で使えるバージョンがある場合などには、無償ユーザには商用広告が優先的に表示されるようにし、有償ユーザには観光やイベントの情報を優先的に表示されるようにしてもよい。
【0132】
これらのスポット情報は、位置更新の度に取得しなくてもよい。例えば、利用中路線候補沿いのスポット情報を所定のタイミング(例えば、利用中路線候補が取得されたタイミング)においてある程度まとめて端末装置2へと送信し、端末装置2の記憶部23に記憶しておいてもよい。このようにすることにより、位置更新ごとに端末装置2からサーバ3へと位置情報を送信することなく、スポット情報を端末装置2の表示部25へと出力することが可能となる。
【0133】
進行方向検出部212により進行方向が検出されている場合には、情報出力部214は、進行方向前方にある経路沿いのスポット情報を選択して出力するようにしてもよい。また、端末装置2においてこの処理を行わずに、位置情報を送信する際に進行方向に関する情報もサーバ3に送信しておき、スポット情報取得部313が、進行方向前方のスポット情報を選択して取得し、端末装置2へと送信するようにしてもよい。
【0134】
以上のように、本実施形態によれば、位置情報及び利用中路線候補の情報に基づいたスポット情報を出力することが可能となり、ユーザは、乗車中の路線周辺に関する様々な情報を取得することが可能となる。また、ユーザのみならず、交通機関の事業者及び周辺の店舗等の施設にとっても有用な情報をユーザへと出力することが可能となる。
【0135】
このような表示によれば、現在位置と、現在時刻に基づいて、現在開催中のサービス情報を含む周辺スポット情報をバス乗車中のユーザへ提示することが可能となる。この結果、ユーザとしては、降車してもよいのではないかと思う停留所を発見することができる。一方、店舗等としては、ユーザがこれらの情報に基づいて気軽に立ち寄るような表示をすることができ、集客効果を高める等と言った効果を得ることができる。
【0136】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1においては、停留所情報受付部213は、必須の構成ではない。また、進行方向の検出を必要としない場合、進行方向検出部212も必須の構成ではない。
【0137】
(第6実施形態)
本実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置2の位置に合わせて、地図上に端末装置2のある位置、すなわち、ユーザが端末装置2を携帯している場合には、ユーザの位置を示す画像を表示する。図16は、本実施形態に係る情報処理システム1の表示部25の出力例を示す図である。
【0138】
例えば、車両に乗車する前に情報処理システム1において経路の探索を行った場合には、ユーザはまだ乗車していない状態であるので、図16(a)のように、人の形のアイコンで端末装置2の位置情報が地図上に出力される。
【0139】
一方で、車両に乗車した後には、図16(b)に示すように、車両の形をしたアイコンで端末装置2の位置情報が地図上に出力される。
【0140】
図16(a)の状態から図16(b)の状態への切り替えは、端末装置2に搭載されている加速度センサ、ジャイロセンサ又は6軸センサ等のセンサの出力に基づいて実行されてもよい。例えば、位置情報の更新から端末装置2の位置が移動していると判断される場合において、センサが人間の歩行であると検出した場合には、人のアイコンを、そうでない場合には、車両のアイコンを表示する。
【0141】
別の例としては、位置情報の更新から、移動速度を推定し、アイコンを変更するようにしてもよい。この場合、一度人のアイコンから車両のアイコンへと変更された後は、移動速度がある程度遅くなった場合にも車両のアイコンとして表示するようにしてもよい。さらに、所定の時間(例えば、3分間等)以上低速である場合には、人のアイコンに戻すようにしてもよい。このようにすることにより、バスの停車中、出発及び到着前後等の低速運転中に人のアイコンに戻らないようにすることも可能である。さらに別の例として、降車停留所が指定されている場合には、当該停留所までは車両のアイコンから変更しないようにしてもよい。
【0142】
これらの画像で示されるアイコンは、位置情報の更新に伴い地図上の位置が移動するように出力されてもよい。また、標準状態においては、常に端末装置2の位置が、地図表示領域250の中央付近に位置するように出力してもよい。
【0143】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザが乗車しているか否かによりユーザの位置を示すアイコンを変更して出力することにより、ユーザは、現在の状態を地図上に表示してよりユーザの状態に近い状態で出力される表示を見ることが可能となる。
【0144】
なお、本実施形態に係る情報処理システム1においては、進行方向検出部212、停留所情報受付部213、スポット情報取得部313及びスポットデータベース322は、必須の構成ではない。また、本実施形態においては、情報出力部214は、スポット情報を出力するスポット情報出力手段としても機能する。
【0145】
また、乗車前に探索を行った場合について説明したが、これには限られない。例えば、ユーザが端末装置2で情報処理システム1の出力を表示するアプリケーションを表示させている状態において、徒歩からバスでの移動に切り替えた場合、すなわち、バスに乗車した場合、自動的に位置情報等から徒歩からバス乗車中へと切り替わったことを検出するようにしてもよい。この場合、例えば、表示部25に、端末装置2の位置として、徒歩状態では人型のアイコンを表示しておき、バスに乗車したことを検出したタイミングにおいてバスのアイコンに表示を変更することも可能である。
【0146】
上述した各実施形態は、単独で実施されるのみならず、複合して実施することも可能である。
【0147】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなど固定型の記録媒体でもよい。
【0148】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調を掛けたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、或いは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0149】
さらに、1つ又は複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうち1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0150】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加や効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0151】
1 情報処理システム
2 端末装置
21 制御部
211 位置情報取得部
212 進行方向検出部
213 停留所情報受付部
214 情報出力部
3 サーバ
31 制御部
311 路線情報探索部
312 利用中路線候補取得部
313 スポット情報取得部
図1
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