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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】車両用端末搭載装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
B60R11/02 W
B60R11/02 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018045216
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2019156145
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-03-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会出展による公開/展示日:平成30年1月12~14日 展示会名、開催場所:TOKYO AUTO SALON 2018 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1 幕張メッセ(日本コンベンションセンター) 国際展示場ホール1~11・国際会議場・イベントホール・屋外展示場 販売による公開/販売日:平成30年2月1日 販売場所:大阪府松原市上田8丁目15番12号 株式会社イレブンインターナショナル内
(73)【特許権者】
【識別番号】500564493
【氏名又は名称】株式会社イレブンインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】板倉 剛
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06370037(US,B1)
【文献】特開2014-177149(JP,A)
【文献】特開2015-037929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 9/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の搭載機器に代えて携帯端末を搭載する車両用端末搭載装置であって、
前記車両に備えられている着脱可能なオーディオパネルの表面に位置して前記携帯端末を着脱可能に保持するトップパネルと、
前記車両に対する前記オーディオパネルの取り付けを可能にしつつ前記オーディオパネルの裏面に位置するバックパネルを備え、
前記トップパネルと前記バックパネルに、前記オーディオパネルの表面に形成された開口部に対応する領域において前記開口部を挟んで互いを結合する相互間固定部を備えるとともに、
前記バックパネルに、前記開口部よりも背面側で前記相互間固定部とは別に前記オーディオパネルに対して固定する定着用固定部を備え
前記トップパネルの裏面と前記バックパネルの表面のうち少なくともいずれか一方に前記開口部に嵌る嵌合段部が形成され
車両用端末搭載装置。
【請求項2】
前記相互間固定部が、前記バックパネルから前記トップパネルの裏面に対して螺合するねじ部材を備えている
請求項1に記載の車両用端末搭載装置。
【請求項3】
前記定着用固定部が、前記バックパネルから前記オーディオパネルへ向けて螺合するねじ部材を備えている
請求項1または請求項2に記載の車両用端末搭載装置。
【請求項4】
前記トップパネルが、前記携帯端末の背面を受ける背面板部と、前記携帯端末の正面の外周縁部を押さえる正面枠部と、前記背面板部と前記正面枠部の周縁部のうち一部の出し入れ口を除いて閉塞する閉塞部を有する
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の車両用端末搭載装置。
【請求項5】
前記背面板部の表面には、基布の表面に立毛を有し収納された前記携帯端末の背面を支える支持シートが取り付けられた
請求項4に記載の車両用端末搭載装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の車両用端末搭載装置で前記携帯端末を保持する
車両用端末搭載構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばカーナビゲーション装置などの車載端末装置をタブレットコンピュータやスマートフォンなどの携帯端末に置き換えるための車両用端末搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前述のような車両用端末搭載装置としては、下記特許文献1のようなものが開示されている。
【0003】
この装置は、携帯端末を着脱自在に収容するホルダを備えている。そのホルダは、純正端末装置と同様の外形寸法であって、車両のインストルメントパネルにおけるセンターコンソールの端末設置部に対して着脱自在に装着される。そして、ホルダにおける携帯端末を収容する携帯端末収容部は、凹状に形成されている。
【0004】
このように特許文献1の装置は、携帯端末を収納するホルダを純正端末装置と置き換える構造である。つまり、ホルダは端末設置部に対して埋め込まれた状態で取り付けられるものであるうえに、携帯端末収容部はそのようなホルダに対して凹状に形成されているので、携帯端末も端末設置部に対して埋め込まれた状態に取り付けられることになり、携帯端末の着脱は容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6123604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、携帯端末を容易に着脱可能な状態で搭載できるようにすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのための手段は、車両の搭載機器に代えて携帯端末を搭載する車両用端末搭載装置であって、前記車両に備えられている着脱可能なオーディオパネルの表面に位置して前記携帯端末を着脱可能に保持するトップパネルと、前記車両に対する前記オーディオパネルの取り付けを可能にしつつ前記オーディオパネルの裏面に位置するバックパネルを備え、前記トップパネルと前記バックパネルに、前記オーディオパネルを挟んで互いを結合する相互間固定部を備えるとともに、前記バックパネルに、前記オーディオパネルに対して固定する定着用固定部を備えた車両用端末搭載装置である。
【0008】
この構成では、バックパネルは車両に元々備えられているオーディオパネルの車両に対する取り付けを阻害しない態様でオーディオパネルの裏面に位置し、定着用固定部によりオーディオパネルの裏面に固定される。またバックパネルは、相互間固定部によってトップパネルをオーディオパネルに固定する。オーディオパネルに固定されたトップパネルは、オーディパネルの表面から出た状態となって、携帯端末を着脱可能に保持する。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、オーディオパネルに固定されるバックパネルとトップパネルは相互間固定部によってオーディパネルを挟む態様で固定されるとともに、バックパネルは定着用固定部によってオーディオパネルに直接固定されるので、安定した強固な固定が可能である。
【0010】
しかも、携帯端末を保持するトップパネルはオーディオパネルの表面から出た状態に固定されるので、携帯端末の着脱が容易に行えるように構成することができる。このため、例えば車両の駐車中などに携帯端末を取り外すことができて、盗難防止や個人情報の保護に役立つ。
【0011】
また、車両に備えられている着脱可能なオーディオパネルを利用して取り付けられるので、専用のホルダを用いる必要はなく、部品点数を削減して構成の簡素化をはかれるとともに、取り付け作業の簡単化も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】車両用端末搭載構造の斜視図。
図2】オーディオパネルに固定された車両用端末搭載装置の斜視図。
図3】トップパネルの斜視図。
図4図3のA-A断面図。
図5】トップパネルの内部の一部拡大断面図。
図6】バックパネルの斜視図。
図7図2のB-B断面図。
図8】固定作業を説明する斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
【0014】
図1に、携帯端末Mを保持した状態の車両用端末搭載装置11と、車両用端末搭載装置11を備えた車両用端末搭載構造を示す。車両用端末搭載装置11は、車両の搭載機器に代えて携帯端末Mを搭載する装置であり、車両のインストルメントパネル12におけるオーディオパネル13に取り付けられている。
【0015】
オーディオパネル13は、その周囲のセンタークラスターパネル14と共に車両に対して着脱可能であり、車両用端末搭載装置11は、車両から外したオーディオパネル13に対して、備え付けられていた搭載機器(図示せず)を取り外してから、取り付けられるものである。
【0016】
図2はオーディオパネル13に固定した状態の車両用端末搭載装置11を示している。この図に示すように車両用端末搭載装置11は、オーディオパネル13の表面に位置して携帯端末Mを着脱可能に保持するトップパネル21と、車両に対するオーディオパネル13の取り付けを可能にしつつオーディオパネル13の裏面に位置するバックパネル22を備えている。図2中、13aは、オーディオパネル13を車両に対して取り付けるための取り付け手段である。
【0017】
トップパネル21は、合成樹脂製であり、斜視図である図3に示したように、携帯端末Mを収納保持可能な大きさの薄板状に形成された本体部23と、本体部23の下に一体形成された略長方形板状の操作部24を有している。
【0018】
本体部23は、図3のA-A断面図である図4にも示したように、携帯端末Mの背面を受ける背面板部25と、携帯端末Mの正面の外周縁部を押さえる正面枠部26と、背面板部25と正面枠部26の周縁部のうち一部の出し入れ口27を除いて閉塞する閉塞部28を有しており、内部には偏平な収納空間29が形成されている。
【0019】
背面板部25と正面枠部26は、正面視横長の長方形である。閉塞部28は、正面視長方形の上面、下面及び左右方向の一方に形成されており、携帯端末Mを出し入れする出し入れ口27は、左右方向の他方に形成されている。図示例では、出し入れ口27の形成位置は、左右方向の左方である。つまり、右ハンドルの車両において、運転席と反対側の助手席側に向けて出し入れ口27が形成されている。出し入れ口27の幅は、収納空間29の上下方向の高さと同じに設定されている。
【0020】
背面板部25の裏面には、平面視長方形状の枠状リブ31が立設されている。枠状リブ31は全体が同一高さに形成されており、枠状リブ31に囲まれた部位には、枠状リブ31の内側で延びる補強リブ32が適宜形成されている。
【0021】
枠状リブ31の大きさは、オーディオパネル13の表面の中央に形成されている長方形の開口部15(図2の破線参照)に嵌る大きさである。開口部15に対してゆったり嵌まる大きさであっても、ぴったりと嵌まる嵌合対応する大きさであってもよい。枠状リブ31が開口部14aの大きさよりも小さい場合には、枠状リブ31の外周面に、外方に延びる補助リブ(図示せず)を備えることもできる。このような枠状リブ31や補助リブが、この発明における嵌合段部となる。
【0022】
枠状リブ31の内側には、複数の筒状部33が立設されている。筒状部33は、トップパネル21とバックパネル22に備えられてオーディオパネル13を挟んで互いを結合するための相互間固定部の一部を構成する部位である。筒状部33は、適宜大の大きさの穴33aを有した円筒形であり、枠状リブ31と同じ高さに形成される。筒状部33の形成位置は、枠状リブ31より内側の四隅に近い部位である。
【0023】
前述の操作部24は背面板部25の下端縁に一体に形成されており、タッチパネル24aやマイク穴24bが形成され、裏面には基板(図示せず)などの必要な機器が備えられている。
【0024】
正面枠部26は、中央に適宜大の長方形をなす窓部26aを有している。窓部26aは穴で構成され、窓部26aよりも外側の部分のうち、収納空間29に収納された携帯端末Mと対向する部位が、携帯端末Mの正面を押さえる部分となる。
【0025】
正面枠部26の三辺には、前述の閉塞部28が一体に形成されている。そして、正面枠部26の出し入れ口27と反対側の部位には、携帯端末Mの電源コネクタMa(図2参照)と接続する接続部34が内蔵されている。また、出し入れ口27と反対側の閉塞部28には、収納した携帯端末Mを取り出すときに押すイジェクトボタン35が設けられている。
【0026】
正面枠部26の裏面であって携帯端末Mに接する部位には、緩衝のために薄い緩衝シート36が貼り付けられている。緩衝シート36は、布帛や不織布などの適宜の材料で形成される。
【0027】
正面枠部26に対向する背面板部25の表面には、収納された携帯端末Mの背面を支える支持シート37が取り付けられている。支持シート37は、図5に示したように、基布37aの表面に立毛37bを有した構造であり、いわゆるベロアやベルベット、ビロードなどと称されるごく薄い適宜のシート材で構成されている。支持シート37の厚みは1mm程度か、それ以下である。
【0028】
このような支持シート37では、立毛37bが、図5に一部を拡大して仮想線と共に描いたように、可撓性を有して傾倒可能であるとともに長手方向に弾力性を発揮する。
【0029】
以上のような構成のトップパネル21と対をなすバックパネル22は、その裏面側を下方から斜めに見た斜視図である図6に示したように、横長の長方形枠状の板枠部41を有している。板枠部41を含めてバックパネル22は合成樹脂製である。
【0030】
板枠部41の大きさは、トップパネル21の背面板部25の枠状リブ31に対応する大きさ、又は略対応する大きさである。板枠部41の外周縁には、裏面側に延びる縁壁42が形成されている。縁壁42の外周面には、枠状リブ31の場合と同様に外方に向けて延びるリブが形成されてもよい。この縁壁42と縁壁42を備える板枠部41は、トップパネル21の枠状リブ31と同様に、オーディオパネル13の表面の中央に形成されている開口部15に嵌る嵌合段部である。縁壁42の高さは枠状リブ31の高さと共に、図2のB-B断面図である図7に示したように、枠状リブ31の高さと足し合わせた高さが、オーディオパネル13の開口部15の内周縁に形成された内周壁15aの高さに対応する高さとなるように設定されている。
【0031】
板枠部41の中央には、横長の長方形をなす開口部43(図6参照)が形成され、開口部43の縁のうち、長手方向の両側部位には、外周縁の縁壁42と同様に裏面側に延びる縁リブ44が形成されている。2つの縁リブ44間には、適宜に支持リブ45が形成されている。支持リブ45は、制御ユニット46を支持するためものである。制御ユニット46は、支持リブ45を介在させて板枠部41との間に通気空間を備えた状態にして、板枠部41に対して固定ビス47を用いて固定される。図7中、48は円筒状のスペーサである。
【0032】
制御ユニット46は、薄い直方体状に形成されており、制御のための必要な機器が内蔵されるとともに、端子接続のための接続口部46aが下面に備えられている。接続口部46aには、図示は省略するが、トップパネル21の接続部34やタッチパネル24aの基板、マイクから延びるコードの端子が接続される。
【0033】
制御ユニット46の長手方向(板枠部41の長手方向)の長さは、前述したトップパネル21に形成した4個の筒状部33のうち、長手方向に並ぶ筒状部33同士の間隔よりも短く設定されている。
【0034】
板枠部41におけるトップパネル21の筒状部33に対応する位置、つまり板枠部41と枠状リブ31を対応させた状態で筒状部33に対向する部位には、貫通穴51が形成されている。貫通穴51は、筒状部33と共に、前述の相互間固定部の一部を構成する部位である。板枠部41の表面における貫通穴51の縁には、筒状部33の先端面が嵌る大きさの環状隆起部51a(図7参照)が形成されている。
【0035】
貫通穴51と筒状部33には、同じく相互間固定部の一部を構成するねじ部材52が適用される。つまり、貫通穴51を通して筒状部33にねじ部材52が螺合される。換言すれば、ねじ部材52はバックパネル22からトップパネル21の裏面に対して螺合するものである。ねじ部材52には、筒状部33にねじ立てしながらねじ込むタッピングねじが好適に使用できる。タッピングねじではなく一般的なねじ部材を用いる場合には、筒状部33にナット(図示せず)を埋設しておくとよい。
【0036】
板枠部41の縁壁42における四隅には、適宜高さにおいて外周方向に張り出す固定片55が形成されている。固定片55の張り出し位置と高さは、オーディオパネル13の裏面における固定対象部位13bに応じて設定される。なお、バックパネル22は前述のようにオーディオパネル13の裏面に取り付けられた状態で車両に対するオーディオパネル13の取り付けを可能にするものである。換言すればバックパネル22はオーディオパネル13の車両に対する取り付けを阻害しない大きさと形状に形成されるものであって、この点も考慮して固定片55は形成される。
【0037】
固定片55の先端部には、貫通穴56が形成されている。この貫通穴56は、バックパネル22に形成されてオーディオパネル13に対して固定する定着用固定部の一部である。貫通穴56には、同じく定着用固定部を構成するねじ部材57、つまりバックパネル22からオーディオパネル13へ向けて螺合するねじ部材57が挿入される。
【0038】
ねじ部材57としては、前述の相互間固定部のねじ部材52と同様にタッピングねじを用いるとよい。タッピングねじに代えて、一般的なねじ部材を使用して、ナット(図示せず)を用いてオーディオパネル13に締結する構成としてもよい。
【0039】
以上のようなトップパネル21とバックパネル22を備えた車両用端末搭載装置11は、次のようにして使用される。
【0040】
まず、車両に備えられているオーディオパネル13を取り外す。続いて、オーディオパネル13に固定されている不要な搭載機器を除去する。
【0041】
このあと、オーディオパネル13を裏返して裏面を上に向けた状態にして、オーディオパネル13の開口部15にトップパネル21の枠状リブ31とバックパネル22の板枠部41及び縁壁42、つまり嵌合段部を嵌めた状態にしてトップパネル21とバックパネル22でオーディオパネル13の開口部15を表裏方向で挟む。このとき、バックパネル22の固定片55をオーディオパネル13の裏面の固定対象部位13bに位置させる。
【0042】
オーディオパネル13に対してトップパネル21とバックパネル22を所定の位置に仮組したのち、相互間固定部と定着用固定部での結合を行う。つまり、図8に示したように、上に表れている裏面側から2種類のねじ部材52,57を螺合する。つまり、バックパネル22の固定片55の貫通穴56からオーディオパネル13の裏面の固定対象部位13bにねじ部材57を螺合する。また、バックパネル22の板枠部41の貫通穴51からトップパネル21の筒状部33にねじ部材52を螺合する。いずれのねじ部材52,57もタッピングねじで構成されているので、裏面側から螺合するだけで容易に固定が行える。しかもねじ部材52,57はタッピングねじであるので、部品点数も少なく作業が簡単であるうえに、がたつきのない強固な固定状態が得られる。
【0043】
オーディオパネル13に対して車両用端末搭載装置11を固定したあとは、オーディオパネル13を車両に対して元通りに取り付ける。
【0044】
このように、車両用端末搭載装置11は車両に元々備えられているオーディオパネル13に対して取り付けられ、オーディオパネル13を車両に戻すことで取り付けが完了する。
【0045】
このため、車両用端末搭載装置11では、専用のホルダを用いる必要はなく、車両に備えられている着脱可能なオーディオパネル13を有効に利用して部品点数を削減し、構成の簡素化をはかることができる。構成の簡素化により、取り付け作業の簡単化も可能である。
【0046】
取り付け作業については、相互間固定部がバックパネル22からトップパネル21の裏面に対して螺合するねじ部材52を備えているので、裏面側からねじ部材52を螺合するだけで固定が完了する。このため、作業は至って簡単である。特に、ねじ部材52はタッピングねじで構成されており、筒状部33は合成樹脂製であるので、ナットを備える必要がなく、構造の一層の簡素化もできる。
【0047】
また、定着用固定部がバックパネル22からオーディオパネル13へ向けて螺合するねじ部材57を備えているので、相互間固定部の場合と同様に作業性が良い。
【0048】
車両用端末搭載装置11の車両に対する固定状態においては、バックパネル22が定着用固定部によってオーディオパネル13に対して直接固定されるとともに、トップパネル21と協働してオーディオパネル13の開口部15を挟み付けた状態にするので、安定した強固な固定状態が得られる。
【0049】
特に、トップパネル21の裏面とバックパネル22の表面に、オーディオパネル13の表面の中央に形成された開口部15に嵌る嵌合段部が形成されているので、トップパネル21はバックパネル22を利用して固定されるものの、がたつきのない強固な固定状態となる。
【0050】
しかも携帯端末Mを保持するトップパネル21は、携帯端末Mの背面を受ける背面板部25と、携帯端末Mの正面の外周縁部を押さえる正面枠部26と、背面板部25と正面枠部26の周縁部のうち一部の出し入れ口27を除いて閉塞する閉塞部28を有する構造であるので、携帯端末Mの保持状態もしっかりとしたものとすることができる。また、出し入れ口27は左右方向に形成されているので、振動で上下に揺れても、携帯端末Mの保持状態は維持される。
【0051】
その一方で、トップパネル21はオーディオパネル13の表面から出た状態であり、イジェクトボタン35も備えられているので、携帯端末Mの着脱は容易に行える。このため、例えば車両の短時間の駐車中などでも簡易迅速に携帯端末Mを取り外すことができて、盗難防止や個人情報の保護に大いに貢献する。
【0052】
トップパネル21に対する携帯端末Mの保持と取出しと保持状態については、トップパネル21の背面板部25の表面に支持シート37を備えているので、その立毛37bによって、携帯端末Mは滑りやすく円滑な出し入れが可能である。つまり、支持シート37がゴム製である場合と異なり、収納空間29に携帯端末Mを差し込む場合も収納空間29から携帯端末Mを押し出す場合も、立毛37bが可撓性をもって傾動するので、動作は円滑に行われる。
【0053】
一方、保持状態においては多数の立毛37bが付勢力を以て携帯端末Mを支持するので、しっかりと押さえ込んで支持できて、振動を防止することもできる。
【0054】
このように携帯端末Mの出し入れのしやすさと良好な保持状態の両立を図ることができる。
【0055】
加えて、車両用端末搭載装置11はオーディオパネル13に対して固定され、オーディオパネル13に備えられている固定手段13aで車両に対して固定される構成であるので、車両用端末搭載装置11を車両に対して一旦固定した後でも、元の状態に戻すことが容易である。
【0056】
以上の構成は、この発明を実施するための一形態の構成であって、この発明は前述の構成のみに限定されるものではなく、その他の構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0057】
11…車両用端末搭載装置
13…オーディオパネル
15…開口部
21…トップパネル
22…バックパネル
25…背面板部
26…正面枠部
27…出し入れ口
28…閉塞部
31…枠状リブ
33…筒状部
41…板枠部
42…縁壁
51…貫通穴
52…ねじ部材
56…貫通穴
57…ねじ部材
M…携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8