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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】引き戸の安全装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/36 20060101AFI20220523BHJP
   E05F 7/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
E06B7/36 F
E05F7/00 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018080262
(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公開番号】P2019190018
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000110206
【氏名又は名称】株式会社TOK
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 俊樹
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-097323(JP,A)
【文献】特開2010-196392(JP,A)
【文献】特開2011-184961(JP,A)
【文献】特開2009-203663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/36
E05F 5/00
E05F 7/00
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するための往復移動可能な引き戸の安全装置であって、
前記開口部側と前記引き戸側に別れて、互いに対向して取り付けられるガイドフレームとフィードプレートを備え、
前記ガイドフレームが、
前後一対の側壁板部と前記前後一対の側壁板部の上端側を連結固定している上壁部を有して、前記一対の側壁板部の間に前記フィードプレートが通るガイド通路を設けて断面コ字状に形成されたガイド本体と、
前記引き戸の移動方向に沿って左右方向に延設された低速移動溝と前記低速移動溝と連設して設けられたストッパー部を有するロック溝を有して、前記前後一対の側壁板部に各々設けられた規制溝と、
円板部と前記円板部の中心を前後に貫通して前記円板部と一体化されている軸部とを有し、前記軸部を前記規制溝内にそれぞれ左右方向移動自在に係合されているとともに、前記円板部を前記ガイド通路内に突出して配置されたディスクローラと、を備え、
前記フィードプレートが、
前記円板部と所定以上の強さで衝突すると、前記軸部を前記低速移動溝内から前記ロック溝の前記ストッパー部に移動させて前記ディスクローラの前記左右方向への移動をロックし、前記フィードプレートが前記引き戸と共に閉側に移動するのを阻止するコンタクト面を備える、
ことを特徴とする引き戸の安全装置。
【請求項2】
前記コンタクト面は、前記フィードプレートの移動方向前側から移動方向後側に向かって昇る傾斜面として形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の引き戸の安全装置。
【請求項3】
前記規制溝の前記低速移動溝は、スリット状の溝で形成され、
前記規制溝の前記ロック溝は、前記低速移動溝の開側から閉側に向かって所定の角度で傾斜している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の引き戸の安全装置。
【請求項4】
前記ストッパー部は、前記ディスクローラの前記軸部が前記引き戸の前記閉側へ移動するのを規制する、ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の引き戸の安全装置。
【請求項5】
前記ロック溝は、前記ストッパー部に繋がる長孔で形成されているとともに、前記長孔は前記低速移動溝と離れる外側に膨出した曲面として形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の引き戸の安全装置。
【請求項6】
前記ロック溝は、前記低速移動溝と二股状に形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の引き戸の安全装置。
【請求項7】
記ストッパー部は、前記低速移動溝と連設され、前記低速移動溝の開側から閉側に向かって昇るように拡開された前記ロック溝の閉側端部に形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の引き戸の安全装置。
【請求項8】
前記規制溝は、
前記ガイドフレームに対して前記フィードプレートが所定位置まで移動されると前記ディスクローラを前記フィードプレートから離れる方向へ逃がし、前記フィードプレートの更に閉方向への移動を許容する閉方向端溝と、
前記ガイドフレームに対して前記フィードプレートが所定の位置まで戻されると前記ディスクローラを前記フィードプレートから離れる方向へ逃がし、前記フィードプレートの更に開方向へ移動を許容する開方向端溝と、
を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の引き戸の安全装置。
【請求項9】
前記規制溝は、前記ガイド通路外に前記ディスクローラを退避し保持しておくディスクローラ退避溝を備える、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の引き戸の安全装置。
【請求項10】
前記ガイド本体の前後一対の側壁板部と上壁部は、各々別体に形成されている、ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の引き戸の安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は引き戸の安全装置に関するものであり、特に、左右に開閉する引き戸において、引き戸を開閉する際に開口部側の枠と引き戸側の枠との間に指などを挟んで負傷するのを防止する、引き戸の安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、左右に開閉する引き戸として、引き違い戸や片引き戸などが知られている。これらの引き戸では、開閉する際、不注意により開口部側の枠と引き戸側の枠の間に、指などを挟んで負傷することが問題となっている。
【0003】
そこで、開閉する際に開口部側の枠と引き戸側の枠との間に指などを挟んで負傷するのを防止する安全装置は色々と提案されており、例えば特許文献1、特許文献2などで知ることができる。
【0004】
特許文献1に記載される安全装置は、引き戸の走行路上に倒伏して先端が突出するストッパーを、基盤側の枠に起伏可能に組み付けたもので、ストッパーを必要に応じて倒伏させて、引き戸の移動を規制し、引き戸と枠との間に指先が挟まれるのを未然に防止するようにしている。
【0005】
特許文献2に記載される安全装置は、引き戸の上方部後端近くに取り付け可能に形成した本体と、その本体に設けられ、引き戸の開放方向への移動に伴って閉止方向への反発力を蓄積する渦巻バネと、その渦巻バネに連繋された回転自在の主歯車と、前記渦巻バネに隣接して設けられ、主歯車に噛合された従歯車の回転で前記渦巻バネの反発力を制御するオイルダンパーと、前記主歯車に噛合させ、後端若しくは前後両端を開口部Aの枠体Bの取付具に取り付けて引き戸の走行方向に架け渡したラックと、を備え、オイルダンパーにより閉止方向への移動を制御し、引き戸が急激にしまらないようにして指先が挟まれるのを未然に防止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-2346号公報
【文献】特開平11-152955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に記載の発明は、ストッパーを、その都度、手作業で起立又は倒伏をさせねばならない。そのため、作業が面倒であり、また切り替え作業を忘れて安全装置が効かない危険な状態で作業をしてしまう問題点があった。
【0008】
一方、特許文献2に記載の発明は、オイルダンパーを使用しているため、引き戸を閉める際に、オイルダンパーの抵抗が働き、大きな力を入れないと閉めることができない問題点があった。
【0009】
そこで、ストッパーを手作業で操作しなくても自動的に指挟みなどを未然に防止し、また、引き戸を閉める際に作用する抵抗をなくしてスムーズに閉めることができる引き戸の安全装置を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、開口部を開閉するための往復移動可能な引き戸の安全装置であって、前記開口部側と前記引き戸側に別れて、互いに対向して取り付けられるガイドフレームとフィードプレートを備え、前記ガイドフレームが、前後一対の側壁板部と前記前後一対の側壁板部の上端側を連結固定している上壁部を有して、前記一対の側壁板部の間に前記フィードプレートが通るガイド通路を設けて断面コ字状に形成されたガイド本体と、前記引き戸の移動方向に沿って左右方向に延設された低速移動溝と前記低速移動溝と連設して設けられたストッパー部を有するロック溝を有して、前記前後一対の側壁板部に各々設けられた規制溝と、円板部と前記円板部の中心を前後に貫通して前記円板部と一体化されている軸部とを有し、前記軸部を前記規制溝内にそれぞれ左右方向移動自在に係合されているとともに、前記円板部を前記ガイド通路内に突出して配置されたディスクローラと、を備え、前記フィードプレートが、前記円板部と所定以上の強さで衝突すると、前記軸部を前記低速移動溝内から前記ロック溝の前記ストッパー部に移動させて前記ディスクローラの前記左右方向への移動をロックし、前記フィードプレートが前記引き戸と共に閉側に移動するのを阻止するコンタクト面を備える、引き戸の安全装置を提供する。
【0011】
この構成によれば、引き戸をゆっくりと普通に閉めて、フィードプレートのコンタクト面とディスクローラにおける円板部の外周面が当接すると、ディスクローラは低速移動溝に案内されて引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)に転がって移動する。これにより、フィードプレートもディスクローラと共に引き戸の閉まる方向に移動されて、引き戸を完全に閉めることができる。反対に、引き戸に勢いをつけて閉め始めると、フィードプレートのコンタクト面とディスクローラにおける円板部の外周面が勢いよく、所定以上の強さで衝突し、ディスクローラは、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)と、フィードプレートのコンタクト面と直交する方向(B方向)の合成されたベクトル方向(C方向)に動かされ、軸部が低速移動溝内からロック溝内に移動される。そして、ディスクローラは、ガイドフレームのロック溝に沿って移動し、やがてディスクローラがロック溝のストッパー部とフィードプレートのコンタクト面に挟まれてロック状態となり、フィードプレートが引き戸と共にそれ以上閉側に移動するのを自動的に阻止する。これにより、引き戸の開閉操作で不用意に指等を挟むことや、大きな騒音を発生するのを防ぐことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記コンタクト面は、前記フィードプレートの移動方向前側から移動方向後側に向かって昇る傾斜面として形成されている、引き戸の安全装置を提供する。
【0013】
この構成によれば、引き戸に勢いをつけて閉め始めると、フィードプレートのコンタクト面とディスクローラにおける円板部の外周面が勢いよく、所定以上の強さで衝突し、ディスクローラは、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)と、フィードプレートの傾斜しているコンタクト面と直交する方向(B方向)の合成されたベクトル方向(C方向)にスムーズに動かされ、軸部が低速移動溝内からストッパー部へとスムーズに移動される。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記規制溝の前記低速移動溝は、スリット状の溝で形成され、前記規制溝の前記ロック溝は、前記低速移動溝の開側から閉側に向かって所定の角度で傾斜している、引き戸の安全装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、ロック溝を、低速移動溝に対し傾斜させて設けることにより、フィードプレートのコンタクト面とディスクローラにおける円板部の外周面が勢いよく、所定以上の強さで衝突し、ディスクローラが、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)と、フィードプレートの傾斜しているコンタクト面と直交する方向(B方向)の合成されたベクトル方向(C方向)へ逃げるとき、ロック溝に設けられた傾斜している面により軸部をストッパー部へ向けて案内し、確実にロックすることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の構成において、前記ストッパー部は、前記ディスクローラの前記軸部が前記引き戸の前記閉側へ移動するのを規制する、引き戸の安全装置を提供する。
【0017】
この構成によれば、ロック溝内に向かって移動された軸部を、ストッパー部で確実に停止させ、常に決められた位置で確実にロックすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3又は4に記載の構成において、前記ロック溝は、前記ストッパー部に繋がる長孔で形成されているとともに、前記長孔は前記低速移動溝と離れる外側に膨出した曲面として形成されている、引き戸の安全装置を提供する。
【0019】
この構成によれば、ロック溝の長孔が低速移動溝と離れる外側に膨出した曲面として形成されていることにより、ディスクローラが、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)と、フィードプレートの傾斜しているコンタクト面と直交する方向(B方向)の合成されたベクトル方向(C方向)と、ロック溝の向きとの間に設計誤差があるとき、その曲面によって誤差を吸収し、ディスクローラをスムーズにロック溝内へ移動させて確実にロックすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5に記載の構成において、前記ロック溝は、前記低速移動溝と二股状に形成されている、引き戸の安全装置を提供する。
【0021】
この構成によれば、ディスクローラが、閉方向に移動されて軸部がロック溝内のストッパー部に一度ロックされると、ロックを解除するには、フィードプレートをディスクローラと共にロック溝から外れるまで開方向に戻さないと外れないようにすることができ、ロックを確実にすることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5に記載の構成において、記ストッパー部は、前記低速移動溝と連設され、前記低速移動溝の開側から閉側に向かって昇るように拡開された前記ロック溝の閉側端部に形成されている、引き戸の安全装置を提供する。
【0023】
この構成によれば、ディスクローラが閉方向に移動されて、ディスクローラの軸部がロック溝内にロックされている状態を解除するには、フィードプレートのコンタクト面とディスクローラにおける円板部との当接力を解くと、軸部がロック溝のストッパー部から外れて低速移動溝内に戻り、ロックを簡単に解除させて閉方向へ再び移動させることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6に記載の構成において、前記規制溝は、前記ガイドフレームに対して前記フィードプレートが所定位置まで移動されると前記ディスクローラを前記フィードプレートから離れる方向へ逃がし、前記フィードプレートの更に閉方向への移動を許容する閉方向端溝と、前記ガイドフレームに対して前記フィードプレートが所定の位置まで戻されると前記ディスクローラを前記フィードプレートから離れる方向へ逃がし、前記フィードプレートの更に開方向へ移動を許容する開方向端溝と、を備える引き戸の安全装置を提供する。
【0025】
この構成によれば、引き戸を、フィードプレートがガイドフレーム内から外れた閉位置まで移動させた後、再びフィードプレートがガイドフレーム内を通って開位置に戻るのを許容する。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の構成において、前記規制溝は、前記ガイド通路外に前記ディスクローラを退避し保持しておくディスクローラ退避溝を備える、引き戸の安全装置を提供する。
【0027】
この構成によれば、安全装置を必要としないときには、ディスクローラをディスクローラ退避溝内に逃がして、ガイド通路外に配置させておくと安全装置が無効となり、フィードプレートがガイド通路内を通過してもディスクローラとぶつからないようにして使用することができる。一方、安全装置を必要とするときには、ディスクローラをディスクローラ退避溝内から低速移動溝内に戻すと、安全装置を再び有効な状態に復帰させて使用することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9に記載の構成において、前記ガイド本体の前後一対の側壁板部と上壁部はね各々別体に形成されている、引き戸の安全装置を提供する。
【0029】
この構成によれば、ガイド本体の前後一対の側壁板部と上壁部を個々に形成できるので、製造が容易になる。また、別部材で形成することができるので設計が容易になるとともに、ガイド本体とディスクローラとの組み付けも容易になる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、引き戸に勢いをつけて閉め始めると、フィードプレートのコンタクト面とディスクローラにおける円板部の外周面が勢いよく、所定以上の強さで衝突し、ディスクローラは、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)と、フィードプレートのコンタクト面と直交する方向(B方向)の合成されたベクトル方向(C方向)に動かされて、軸部が低速移動溝内からロック溝のストッパー部内に移動され、やがてディスクローラがロック溝のストッパー部とフィードプレートのコンタクト面との間に挟まれて自動的にロック状態となり、フィードプレートが引き戸と共にそれ以上閉側に移動するのを阻止するので、引き戸の開閉操作で不用意に指などを挟むことや、大きな騒音を発生するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施例として示す引き戸の安全装置を前面側から見た側面図である。
図2】同上第1実施例として示す引き戸の安全装置を図1のA-A線方向より見た側面図である。
図3】同上第1実施例として示す引き戸の安全装置の外観斜視図である。
図4】同上第1実施例として示す引き戸の安全装置の分解斜視図である。
図5】同上第1実施例として示す引き戸の安全装置におけるガイドフレームの細部構造を説明する図である。
図6】同上第1実施例として示す引き戸の安全装置におけるフィードプレートの細部構造を説明する図である。
図7】同上第1実施例として示す引き戸の安全装置の動作説明図であり、(a)は閉側に向かってスタートを開始し、フィードプレートとディスクローラが当接した状態を示す図、(b)はフィードプレートとディスクローラが全閉位置に移動された状態を示す図で、(c)はフィードプレートとディスクローラが全閉位置へ向かう途中でロックされている状態を示す図ある。
図8】本発明の第2実施例として示す引き戸の安全装置を前面側から見た側面図である。
図9】同上第2実施例として示す引き戸の安全装置を図8のB-B線方向より見た側面図である。
図10】同上第2実施例として示す引き戸の安全装置におけるガイドフレームの細部構造を説明する図である。
図11】同上第2実施例として示す引き戸の安全装置におけるフィードプレートの細部構造を説明する図である。
図12】同上第2実施例として示す引き戸の安全装置の動作説明図であり、(a)は閉側に向かってスタートを開始し、フィードプレートとディスクローラが当接した状態を示す図、(b)はフィードプレートとディスクローラが全閉位置に移動された状態を示す図、(c)はフィードプレートとディスクローラが全閉位置へ向かう途中でロックされている状態を示す図である。
図13】本発明の第3実施例として示す引き戸の安全装置を前面側から見た側面図である。
図14】同上第3実施例として示す引き戸の安全装置を図13のC-C線方向より見た側面図である。
図15】同上第3実施例として示す引き戸の安全装置におけるガイドフレームの細部構造を説明する図である。
図16】同上第3実施例として示す引き戸の安全装置におけるフィードプレートの細部構造を説明する図である。
図17】同上第3実施例として示す引き戸の安全装置の動作説明図であり、(a)は閉側に向かってスタートを開始し、フィードプレートとディスクローラが当接した状態を示す図、(b)はディスクローラが終端位置に移動され、フィードプレートが更に全閉位置へ向かう途中の状態を示す図、(c)はフィードプレートが全閉位置に移動された後にディスクローラが配置される状態を示す図、(d)はフィードプレートとディスクローラが全閉位置へ向かう途中でロックされている状態を示す図である。
図18】同上第3実施例として示す引き戸の安全装置の動作説明図であり、(a)は閉側から開側に向かって移動し、フィードプレートとディスクローラが当接した状態を示す図、(b)はフィードプレートがディスクローラの下側を通って開側に向かう途中の状態を示す図、(c)はフィードプレートがディスクローラの下側を通って開側に移動された後の状態を示す図である。
図19】本発明の引き戸の安全装置を有効及び無効に切り替える機構の一例を説明するもので、安全装置を前面側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、ストッパーを手作業で操作しなくても自動的に指挟みなどを未然に防止し、また、引き戸を閉める際に作用する抵抗をなくしてスムーズに閉めることができる引き戸の安全装置を提供するという目的を達成するために、開口部を開閉するための往復移動可能な引き戸の安全装置であって、前記開口部側と前記引き戸側に別れて、互いに対向して取り付けられるガイドフレームとフィードプレートを備え、前記ガイドフレームが、前後一対の側壁板部と前記前後一対の側壁板部の上端側を連結固定している上壁部を有して、前記一対の側壁板部の間に前記フィードプレートが通るガイド通路を設けて断面コ字状に形成されたガイド本体と、前記引き戸の移動方向に沿って左右方向に延設された低速移動溝と前記低速移動溝と連設して設けられたストッパー部を有するロック溝を有して、前記前後一対の側壁板部に各々設けられた前後一対の規制溝と、円板部と前記円板部の中心を前後に貫通して前記円板部と一体化されている軸部とを有し、前記軸部を前記前後一対の低速移動溝内にそれぞれ左右方向移動自在に係合されているとともに、前記円板部を前記ガイド通路内に突出して配置されたディスクローラと、を備え、前記フィードプレートが、前記ディスクローラの前記円板部と所定以上の強さで衝突すると、前記ディスクローラの前記軸部を前記低速移動溝内から前記ロック溝の前記ストッパー部に移動させて前記ディスクローラの前記左右方向への移動をロックし、前記フィードプレートが前記引き戸と共に閉側に移動するのを阻止するコンタクト面を備える、構成にしたことにより実現した。
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付している。また、前後、上下、左右などの方向を示す表現は、絶対的なものではなく、本発明の引き戸の安全装置の各部が描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【実施例
【0034】
図1から図4は本発明に係る引き戸の安全装置10(以下、単に「安全装置10」という)の第1実施例を示すものであり、図1は前面から見た安全装置10の側面図、図2図1のA-A線方向より見た安全装置10の側面図、図3は安全装置10の外観斜視図、図4は安全装置10の分解斜視図である。以下の説明において、図3の矢印a-b方向を安全装置10の前後方向、矢印c-d方向を安全装置10の左右方向、矢印e-f方向を安全装置10の上下方向として説明する。また、矢印c方向を全閉位置側、矢印d方向を全開位置側とし、さらに図1に示す面を前面側として説明する。
【0035】
図1から図4において、安全装置10は、図示しない建具などの開口部を形成している上側枠体の適所に取り付けられるガイドフレーム11と、開口部を開閉するための同じく図示しない引き戸の適所に取り付けられるフィードプレート12とで構成されている。なお、使用形態によっては、ガイドフレーム11が引き戸側に取り付けられ、フィードプレート12が引き戸の枠体側に取り付けられる場合もある。何れにしても、ガイドフレーム11とフィードプレート12は、適所の位置に互いに対向して、また互いにスライド係合可能に取り付けられる。
【0036】
ガイドフレーム11は、ガイド本体13と、ガイド本体13内に組み込まれたディスクローラ14を備えている。
【0037】
ガイド本体13は、前後一対の側壁板部13a、13bと、前後一対の側壁板部13a、13bの上端側を連結している上壁部13cと、を有し、一対の側壁板部13a、13bの間にフィードプレート12が通るガイド通路20を設けて、側面視断面コ字状に形成されている。
【0038】
上壁部13cは、図4(及び図2図3)に示すように、水平取付板部113cと水平取付板部113cの中央から垂下された垂直板部213cとを一体に有して、側面視T字状に形成されている。
【0039】
上壁部13cにおける水平取付板部113cの左右両端側には、垂直板部213cよりも更に左右方向(図3の矢印c-d方向)に伸延させて形成した板状の取付座部313c、313cが設けられている。取付座部313c、313cには、上下に貫通している取付孔22が各々形成されている。
【0040】
さらに、水平取付板部113cには、垂直板部213cを挟んだ前後両側の位置に、それぞれ3箇所の切欠部24が、左右方向に離間して、略等間隔で形成されている。なお、切欠部24の左右方向の幅はL1である。また、切欠部24の前後両側からの切り込み量は、側壁板部13a、13bの板厚t(図4参照)と略等しく、したがって切欠部24は垂直板部213cと接する位置まで切り込み形成されている。
【0041】
垂直板部213cには、前後に貫通している取付孔26が、略等間隔で形成されている。また、垂直板部213cには、下端側から上端側(上壁部13c側)に向かって切欠部28が形成されている。切欠部28の位置は、後述する規制溝38におけるロック溝38bのロック位置(ストッパー部38b2)と略対応しており、切欠部28はロック溝38bで上方(矢印e方向)に移動されたディスクローラ14を垂直板部213cとぶつからずに上壁部13c側へ逃がすための空間を形成する。
【0042】
前後一対の側壁板部13a、13bは、概略対称な形状で形成されている。その前後一対の側壁板部13a、13bの上端側には、上壁部13cの切欠部24に各々対応して、凸部30が設けられている。凸部30の左右方向の幅は、上壁部13cの切欠部24の左右方向の幅L1と同じL1で形成され、上方への突き出し量は、上壁部13cの板厚tと略等しく形成されている。これにより、一対の側壁板部13a、13bの凸部30は、上壁部13cの切欠部24内にそれぞれ密に嵌合でき、また一対の側壁板部13a、13bの各内面が垂直板部213cの両面に密着する。したがって、前後一対の側壁板部13a、13bと上壁部13cとが組み合わされると、図2及び図3に示すように、前後一対の側壁板部13a、13bの間に、下面側と左右両面側が各々開放されたガイド通路20が形成される。
【0043】
また、前後一対の側壁板部13a、13bのうち、前側の側壁板部13aには、上壁部13cにおける垂直板部213cの取付孔26に各々対応して取付孔32が設けられ、後側の側壁板部13bには、上壁部13cにおける垂直板部213cの取付孔26に各々対応して取付孔34が設けられている。そして、前後一対の側壁板部13a、13bと上壁部13cとが組み合わされた状態で、側壁板部13a側から取付ビス36を、取付孔32と取付孔26を順に通って取付孔34に螺合させて締め付け固定すると、前後一対の側壁板部13a、13bと上壁部13cとを一体に固定できる。
【0044】
さらに、前後一対の側壁板部13a、13bには、それぞれ規制溝38が概略対称な形状で、また前後にくり抜かれた状態で形成されている。
【0045】
規制溝38は、引き戸の移動方向に沿って、すなわち左右方向(図3の矢印c-d方向)に延設されて長孔をした溝として形成している低速移動溝38aと、低速移動溝38aと連設され、その低速移動溝38aの根元から二股状に分岐された状態で、かつ長孔で形成しているロック溝38bと、で構成されている。
【0046】
低速移動溝38aは、図5に示すように、前後一対の側壁板部13a、13bの下辺40に対して、全開側(図3の矢印d側)から全閉側(図3の矢印c側)に向かって昇るようにして傾き、角度θ1で形成されている。なお、本実施例での角度θ1は略2.19度である。
【0047】
ロック溝38bは、同じく図5に示すように、低速移動溝38aの開方向端38a1から連続して弧を描いた曲面Rとして形成されている。なお、弧の曲面Rは、前後一対の側壁板部13a、13bの下辺40aから下側に向かって距離S1、前後一対の側壁板部13a、13bの右辺40bから左辺40cに向かって距離S2、それぞれ離れた点を中心O1として半径R1で描かれる円の曲率と略同じ曲面Rで形成されている。本実施例では、S1が50ミリ、S2が35.1ミリ、Rが65ミリである。
【0048】
ディスクローラ14は、ガイド本体13のガイド通路20内に配置される円板状に形成された円板部14aと、円板部14aの中心を前後に貫通して円板部14aと一体化され、両端がガイド本体13の前後の規制溝38内に各々係合配置される軸部14bとを有している。軸部14bの直径は、規制溝38内に係合された状態で、規制溝38内を移動可能な大きさ、すなわち規制溝38の溝幅と略同じ大きさで形成されている。一方、円板部14aの直径は、軸部14bが規制溝38内を移動するときに、上壁部13cの垂直板部213cの下面と当接しない大きさで形成されている。
【0049】
次に、このように構成されたガイドフレーム11の組立手順の一例を説明する。まず、ガイド本体13を組み立てる前に、前後一対の側壁板部13a、13bに各々形成されている規制溝38内に、ディスクローラ14における軸部14bの前後両端をそれぞれ係合させる。また、前後一対の側壁板部13a、13bの凸部30を上壁部13cの切欠部24内にそれぞれ密に嵌合させ、上壁部13cの前後両側に前後一対の側壁板部13a、13bを配置した状態にする。
【0050】
次いで、側壁板部13a側から取付ビス36を、取付孔32と取付孔26を通って取付孔34に螺合して固定する。これにより、前後一対の側壁板部13a、13bと上壁部13cとが一体に固定され、また、ガイド本体13内に左右方向に延びるガイド通路20が形成される。同時に、ディスクローラ14もガイド本体13内に組み付けられる。ガイド本体13内に組み付けられたディスクローラ14は、円板部14aがガイド通路20内に突き出して配置されるとともに、軸部14bが規制溝38内に移動可能に保持される。
【0051】
フィードプレート12は、ガイド本体13のガイド通路20における前後の幅よりも若干薄い板厚で形成され、かつ、ガイド通路20内を左右方向(図3の矢印c-d方向)に走行する制御板部12aと、制御板部12aの一端側(下端側)に設けられてガイド通路20の外側に配置される取付部12bと、を一体に有している。また、制御板部12aには、ガイド通路20内で、ディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接するコンタクト面12cが、円板部14aと対向するようにして設けられている。
【0052】
フィードプレート12のコンタクト面12cは、図6に示すように、取付部12bの上端面112bと成す角度がθ2となるように、全閉側から全開側に向かって昇る傾斜面として形成されている。なお、実施例での角度θ2は71.5度である。
【0053】
このように構成された安全装置10は、ガイドフレーム11が建具などの開口部を形成している上側枠体の適所に取り付けられるとともに、フィードプレート12が開口部を開閉する引き戸の適所に取り付けられる。この場合、ガイドフレーム11とフィードプレート12の位置関係は、ガイドフレーム11が引き戸と共に開閉方向(図3の矢印c-d方向)に開閉移動されると、フィードプレート12の制御板部12aがガイドフレーム11のガイド通路20内を通るように配置される。
【0054】
図7は、同上第1実施例の安全装置10における動作説明図である。次に、図7を使用して図1から図6に示した安全装置10の作用を説明する。この実施例の安全装置10では、引き戸が全開側に移動されているとき、フィードプレート12も引き戸と共に全開側に移動されている。また、ガイドフレーム11のディスクローラ14は、全開側(矢印d側)から全閉側(矢印c側)に向かって昇る低速移動溝38aの傾き(角度θ1)によって、規制溝38の開方向端38a1側に転動し、開方向端38a1で停止している。
【0055】
そして、引き戸が全開側から全閉側に移動されると、フィードプレート12も引き戸と共に全閉側に移動される。フィードプレート12が全閉側の途中の位置まで移動されると、図7の(a)に示すように、フィードプレート12のコンタクト面12cがディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接する。
【0056】
このときの当接が、ディスクローラ14の円板部14aにフィードプレート12のコンタクト面12cが低速でゆっくりと普通に当接した場合では、ディスクローラ14はフィードプレート12によって閉まる方向(水平方向)にゆっくりと押される。そして、軸部14bが低速移動溝38a内を転動しながら、全閉側にフィードプレート12と共に移動する。また、図7の(b)に示すように、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝38aの閉方向端38a2に到達すると、引き戸は開口を全て閉じた全閉状態となる。
【0057】
これに対して、引き戸が勢いよく閉め始められると、フィードプレート12のコンタクト面12cがディスクローラ14における円板部14aの外周面に勢いよく、所定以上の強さで衝突する。そして、ディスクローラ14は、フィードプレート12側の力によって、図7(a)中に示す引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)とフィードプレート12の傾斜しているコンタクト面12cと直交する方向(B方向)との、合成されたベクトルで、そのベクトル方向(C方向)に動かされ、図7の(c)に示すように、軸部14bが低速移動溝38a内から曲面Rに沿ってロック溝38b内へ移動される。また、ディスクローラ14はフィードプレート12で押され、ロック溝38bの全開側端38b1からストッパー部38b2まで動かされる。ディスクローラ14の軸部14bがストッパー部38b2まで移動されると、ストッパー部38b2と軸部14bとの当接により、ディスクローラ14の移動が停止し、フィードプレート12も引き戸と共にその位置で停止する。すなわち、引き戸が全閉状態になるのを一旦阻止し、この停止で引き戸と柱又は桟との間に指などが挟まれる防止すると同時に、引き戸が開口の柱に衝突して大きな騒音が発生するのを防ぐ。
【0058】
また、引き戸が一旦停止された状態を解いて、再び全閉状態へ移行させるには、フィードプレート12を、図7の(c)に示す距離S3だけ全開側に、引き戸と共に戻す。すると、ディスクローラ14もロック溝38bの傾斜形状によって全開側に距離S3だけ戻り、やがてロック溝38b内から低速移動溝38a内に落下して、低速移動溝38a内に戻る。そして、再び引き戸を全閉側に移動させると、ディスクローラ14はフィードプレート12により閉まる方向(水平方向)に再び押され、低速移動溝38a内を軸部14bが転動しながら全閉側にフィードプレート12と共に移動する。そして、図7の(b)に示すように、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝38aの閉方向端38a2にやがて到達し、到達すると引き戸が開口を全て閉じた全閉状態となる。
【0059】
また、再び引き戸を開ける場合は、引き戸を全開側に移動させる。すると、フィードプレート12の全開側への移動に追従して、ディスクローラ14も低速移動溝38aの傾きによって転動し、低速移動溝38aの開方向端38a1まで戻る。その後は、再び引き戸が閉じられるのを待つ。そして、閉じられる場合は、同じ動作を繰り返す。
【0060】
したがって、この第1実施例の安全装置10によれば、引き戸を普通にゆっくりと閉めた場合は、そのまま全閉位置まで閉めることができる。一方、引き戸に勢いをつけて閉めた場合は、フィードプレート12のコンタクト面12cの傾きによって軸部14bが低速移動溝38a内からロック溝38b内へ自動的に移動され、やがてディスクローラ14がロック溝38bのストッパー部38b2とフィードプレート12のコンタクト面12cに挟まれるとロック状態となる。そして、フィードプレート12が閉側にそれ以上引き戸と共に移動するのを阻止するので、引き戸の開閉操作で不用意に指などを挟むことや、大きな騒音を発生するのを防ぐことができる。
【0061】
また、一度、ロックされた後は、引き戸を距離S3だけ戻すとロックが自動的に解除され、再度、全閉状態まで操作することができるので、操作の簡略化が図れる。
【0062】
また、ロック溝38bの形状を半径R1で描かれる円の曲率と同じ曲面Rで形成しているので、ディスクローラ14がロック溝38b側に逃げる際には、軸部14bがその曲面Rに沿ってロック溝38b内に移動する。これにより、スムーズな移動が可能になる。
【0063】
また、ロック溝38bの曲面Rの形状及びフィードプレート12のコンタクト面12cの傾きの形状、すなわち角度θ2を変えることにより、ロック操作の操作領域などを簡単に変えることができる。
【0064】
なお、上記各ベクトルの方向は、ガイドフレーム11又はフィードプレート12の傾き角を調整すると自由に変えることができる。そして、ベクトルの方向を変えることにより、ロックが開始する引き戸の動作速度を可変調整することも可能になる。
【0065】
また、ガイドフレーム11又はフィードプレート12の傾き角の調整は、ねじなどを用いた調整機構で調整すると、容易に調整できる。
【0066】
さらに、ディスクローラ14とフィードプレートが勢いよく衝突した時に発生する衝撃音などは、ガイドフレーム11又はフィードプレート12と、窓枠または窓との間に、衝撃緩衝機構(ゴム、ショックアブソーバなど)を設けることにより吸収することができ、吸収させることで静音化を図ることもできる。
【0067】
図8及び図9は本発明に係る安全装置10の第2実施例を示すものであり、図8は前面から見た安全装置10の側面図、図9図8のB-B線方向より見た安全装置10の側面図である。この第2実施例の構成は、ガイドフレーム11の規制溝38の構造と、フィードプレート12におけるコンタクト面12cの傾きの形状(角度θ2)を変えたもので、他の構成は図1から図7と同一であるから、同一の構成部分は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0068】
図8及び図9において、前後一対の側壁板部13a、13bにそれぞれ設けられている規制溝38は、第1実施例の場合と同様に概略対称な形状で、また前後にくり抜かれた状態で形成されている。
【0069】
規制溝38は、引き戸の移動方向に沿って、すなわち左右方向(矢印c-d方向)に延設された低速移動溝138aと、低速移動溝138aと連設され、その低速移動溝138aの根元、すなわち閉方向端138a1から引き戸の閉じ側に向かって昇るように拡開された状態で形成されているロック溝138bと、で構成されている。
【0070】
低速移動溝138aは、図10に示すように、前後一対の側壁板部13a、13bの下辺40に対して、全開側(矢印d側)から全閉側(矢印c側)に向かって昇るようにして、角度θ1傾いて形成されている。なお、本実施例での角度θ1は略2.5度である。また、低速移動溝138aには、開方向端に低速移動溝138aの終端から更に下方に向かって曲面で傾斜する開方向端溝138cが設けられている。なお、開方向端溝138cの曲面は、前後一対の側壁板部13a、13bの下辺40aから下側に向かって距離S1、前後一対の側壁板部13a、13bの右辺40bから左辺40cに向かって距離S2離れた点を中心O2として、半径R2で描かれる円の曲率と略同じ曲面で形成されている。本実施例では、S1が50.7ミリ、S2が31.4ミリ、R2が61ミリである。
【0071】
ロック溝138bは、同じく図10に示すように、開方向端溝138cから連続して弧を描いた曲面として形成されている。なお、その曲面は、O2を中心として半径R3描かれる円の曲率と略同じ曲面で形成されている。本実施例では、半径R3は65ミリである。
【0072】
フィードプレート12は、制御板部12aと取付部12bを備え、制御板部12aに、ガイド通路20内でディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接するコンタクト面12cが、円板部14aと対向するようにして設けられている。
【0073】
フィードプレート12のコンタクト面12cは、図11に示すように、取付部12bの上端面112bと成す角度θ2となるように、全閉側から全開側に向かって昇る傾斜面として形成されている。なお、実施例での角度θ2は60度である。
【0074】
図12は、同上第2実施例の安全装置10における動作説明図である。次に、図12を使用して図8及び図9に示した安全装置10の作用を説明する。この第2実施例2の安全装置10も、引き戸が全開側に移動されているとき、フィードプレート12も引き戸と共に全開側に移動されている。また、ガイドフレーム11のディスクローラ14は、全開側(図3に示した矢印d側)から全閉側(図3に示した矢印c側)に向かって昇る低速移動溝38aの傾き(角度θ1)によって、規制溝38の開方向端溝138c側に転動し、開方向端溝138c内で停止している。
【0075】
そして、引き戸が全開側から全閉側に移動されると、フィードプレート12も引き戸と共に全閉側に移動される。フィードプレート12が全閉側の途中の位置まで移動されると、図12の(a)に示すように、フィードプレート12のコンタクト面12cがディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接する。
【0076】
このときの当接が、ディスクローラ14の円板部14aにフィードプレート12のコンタクト面12cが低速でゆっくりと普通に当接した場合では、ディスクローラ14はフィードプレート12によって閉まる方向(水平方向)にゆっくりと押される。そして、軸部14bが開方向端溝138c内から低速移動溝138a内へ転動しながら入り、低速移動溝138a内を全閉側にフィードプレート12と共に移動する。また、図12の(b)に示すように、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝138aの閉方向端138a2に到達すると、引き戸は開口を全て閉じた全閉状態となる。
【0077】
これに対して、引き戸が勢いよく閉め始められると、フィードプレート12のコンタクト面12cがディスクローラ14における円板部14aの外周面に勢いよく、所定以上の強さで衝突する。そして、ディスクローラ14は、図7(a)中に示すベクトルの場合と同様に、フィードプレート12側の力によって、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)とフィードプレート12の傾斜しているコンタクト面12cと直交する方向(B方向)との、合成されたベクトルで、そのベクトル方向(C方向)に動かされ、図12の(c)に示すように、軸部14bが開方向端溝138c内から曲面に沿ってロック溝138b内へ移動される。また、ディスクローラ14はフィードプレート12で押され、ロック溝138bの全開側端138b1からストッパー部138b2まで動かされる。ディスクローラ14の軸部14bがストッパー部138b2まで移動されると、ストッパー部138b2と軸部14bとの当接により、ディスクローラ14の移動が停止し、フィードプレート12も引き戸と共にその位置で停止する。すなわち、引き戸が全閉状態になるのを一旦阻止し、この停止で引き戸と柱又は桟との間に指などが挟まれる防止すると同時に、引き戸が開口の柱に衝突して大きな騒音が発生するのを防ぐ。
【0078】
また、引き戸が一旦停止された状態を解いて、再び全閉状態へ移行させるには、フィードプレート12を、全開側に引き戸と共に僅かに戻す。すると、ディスクローラ14はストッパー部138b2とフィードプレート12による挟持力が無くなり、ロック溝138b内から低速移動溝138a内に落下して、低速移動溝138a内に戻る。そして、再び引き戸を全閉側に移動させると、ディスクローラ14はフィードプレート12により閉まる方向(水平方向)に再び押され、低速移動溝138a内を軸部14bが転動しながら全閉側にフィードプレート12と共に移動する。そして、図12の(b)に示すように、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝138aの閉方向端138a2にやがて到達する。到達すると引き戸が開口を全て閉じた全閉状態となる。
【0079】
また、再び引き戸を開ける場合は、引き戸を全開側に移動させる。すると、フィードプレート12の全開側への移動に追従して、ディスクローラ14も低速移動溝138aの傾きによって転動し、開方向端溝138c内まで戻る。その後は、再び引き戸が閉じられるのを待つ。そして、閉じられる場合は、同じ動作を繰り返す。
【0080】
したがって、この第2実施例の安全装置10の場合も、引き戸を普通にゆっくりと閉めた場合は、そのまま全閉位置まで閉めることができる。一方、引き戸に勢いをつけて閉めた場合は、フィードプレート12のコンタクト面12cの傾きによって軸部14bが開方向端溝138c内からロック溝138b内へ自動的に移動され、やがてディスクローラ14がロック溝138bのストッパー部138b2とフィードプレート12のコンタクト面12cに挟まれるとロック状態となる。そして、フィードプレート12が閉側にそれ以上引き戸と共に移動するのを阻止するので、引き戸の開閉操作で不用意に指などを挟むことや、大きな騒音を発生するのを防ぐことができる。
【0081】
また、一度、ロックされた後は、引き戸を僅かに戻すとロックが自動的に解除され、再度、全閉状態まで操作することができるので、操作の簡略化が図れる。
【0082】
また、ロック溝138bの形状を半径R3で描かれる円の曲率と同じ曲面で形成しているので、ディスクローラ14がロック溝138b側に逃げる際には、軸部14bがその曲面に沿ってロック溝138b内に移動する。これにより、スムーズな移動が可能になる。
【0083】
また、ロック溝138bの曲面の形状及びフィードプレート12のコンタクト面12cの傾きの形状、すなわち角度θ2を変えることにより、ロック操作の操作領域などを簡単に変えることができる。
【0084】
図13及び図14は本発明に係る安全装置10の第3実施例を示すものであり、図13は前側から見た安全装置10の側面図、図14図13のC-C線方向より見た安全装置10の側面図である。この第3実施例の構成は、ガイドフレーム11の規制溝38の構造と、フィードプレート12におけるコンタクト面12c1、12c2の構造及び傾きの形状(角度θ2、角度θ4)を変えたもので、他の構成は図1から図7と同一であるから、同一の構成部分は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0085】
図13及び図14において、前後一対の側壁板部13a、13bにそれぞれ設けられている規制溝38は、第1実施例及び第2実施例の場合と同様に概略対称な形状で、また前後にくり抜かれた状態で形成されている。
【0086】
規制溝38は、引き戸の移動方向に沿って、すなわち左右方向(矢印c-d方向)に延設された低速移動溝238aと、低速移動溝238aと連設されているロック溝238bと、中立位置溝238cと、閉方向端溝238dと、開方向端溝238eとで構成されている。
【0087】
低速移動溝238aは、図15に示すように、前後一対の側壁板部13a、13bの下辺40aに対して、全開側(図3に示した矢印d側)から全閉側(図3に示した矢印c側)に向かって昇るようにして、角度θ1傾いて形成されている。なお、本実施例での角度θ1は略2度である。また、低速移動溝238aには、閉方向端に低速移動溝238aの終端から更に上方に向かって凹曲面で傾斜する閉方向端溝238dが連設形成され、閉方向端に低速移動溝238aの終端から更に下方に向かって凸曲面で傾斜する中立位置溝238cと、中立位置溝238cから上方に向かって凹曲面で傾斜する開方向端溝238eが連設形成されている。なお、閉方向端溝238d及び開方向端溝238eは、ディスクローラ14の下側をフィードプレート12がくぐり抜けて通過できるように、ディスクローラ14を上方(上壁部13c側)へ逃がすためのものである。したがって、上壁部13cの垂直板部213cの下端側には、図示しないが、ロック溝38bと閉方向端溝238d及び開方向端溝238eにそれぞれ対応して、ディスクローラ14を逃がすための切欠部28(図4参照)が形成されている。
【0088】
ロック溝238bは、同じく図15に示すように、前後一対の側壁板部13a、13bの下辺40aに対して、全開側(矢印d側)から全閉側(矢印c側)に向かって昇るようにして、角度θ3傾いて中立位置溝238cから連続して形成されている。なお、ロック溝238bの角度θ3は、本実施例では約25.15度である。
【0089】
フィードプレート12は、第1実施例、第2実施例と同様に、制御板部12aと取付部12bを備えている。フィードプレート12は、制御板部12aの左右両側に、それぞれガイド通路20内でディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接するコンタクト面12c1、12c2が、円板部14aと対向するようにして設けられている。なお、本実施例ではコンタクト面12c1の傾き(角度θ2)は45度、コンタクト面12c2に傾き(角度θ4)は80度である。
【0090】
図17及び図18は、同上第3実施例の安全装置10における動作説明図である。次に、図17及び図18を使用して図13及び図14に示した安全装置10の作用を説明する。この第3実施例の安全装置10も、引き戸が全開側に移動されているとき、フィードプレート12も引き戸と共に全開側に移動されている。また、ガイドフレーム11のディスクローラ14は、全開側(図3に示した矢印d側)から全閉側(図3に示した矢印c側)に向かって昇る低速移動溝238aの傾き(角度θ1)によって、規制溝38の開方向端溝238e側に転動し、中立位置溝238c内で停止している。
【0091】
そして、引き戸が全開側から全閉側に移動されると、フィードプレート12も引き戸と共に全閉側に移動される。フィードプレート12が全閉側の途中の位置まで移動されると、図17の(a)に示すように、フィードプレート12のコンタクト面12c1がディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接する。
【0092】
このときの当接が、ディスクローラ14の円板部14aにフィードプレート12のコンタクト面12c1が低速でゆっくりと普通に当接した場合では、ディスクローラ14はフィードプレート12によって閉まる方向(水平方向)にゆっくりと押される。そして、軸部14bが中立位置溝238c内から低速移動溝238a内に転動しながら入り、低速移動溝238a内を全閉側にフィードプレート12と共に移動する。また、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝238aの閉方向端に到達すると、図17の(b)に示すように、閉方向端溝238d内を昇り、フィードプレート12の上端から逃げる。これによりフィードプレート12は図17の(c)に示すように、更に全閉方向に引き戸と共に移動することができる。そして、ディスクローラ14は、低速移動溝238aの傾き(角度θ1)によって、規制溝38の開方向端溝238e側に転動し、中立位置溝238c内に戻って停止する。
【0093】
これに対して、引き戸が勢いよく閉め始められると、フィードプレート12のコンタクト面12c1がディスクローラ14における円板部14aの外周面に勢いよく、所定以上の強さで衝突する。そして、ディスクローラ14は、図7(a)中に示すベクトルの場合と同様に、フィードプレート12側の力によって、引き戸の閉まる方向(略水平方向:A方向)とフィードプレート12の傾斜しているコンタクト面12c1と直交する方向(B方向)との、合成されたベクトルで、そのベクトル方向(C方向)に動かされ、図17の(d)に示すように、軸部14bが中立位置溝238c内からロック溝238b内へ移動される。また、ディスクローラ14はフィードプレート12で押され、ロック溝238bのストッパー部238b2まで動かされる。ディスクローラ14の軸部14bがストッパー部238b2まで移動されると、ストッパー部238b2と軸部14bとの当接により、ディスクローラ14の移動が停止し、フィードプレート12も引き戸と共にその位置で停止する。すなわち、引き戸が全閉状態になるのを一旦阻止し、この停止で引き戸と柱又は桟との間に指などが挟まれる防止すると同時に、引き戸が開口の柱に衝突して大きな騒音が発生するのを防ぐ。
【0094】
また、引き戸が一旦停止された状態を解いて、再び全閉状態へ移行させるには、フィードプレート12を、全開側に引き戸と共に僅かに戻す。すると、ディスクローラ14はストッパー部238b2とフィードプレート12による挟持力が無くなり、ロック溝238b内から低速移動溝238a内に落下して、低速移動溝238a内に戻る。そして、再び引き戸を全閉側に移動させると、ディスクローラ14はフィードプレート12により閉まる方向(水平方向)に再び押され、低速移動溝238a内を軸部14bが転動しながら全閉側にフィードプレート12と共に移動する。そして、図17の(b)に示すように、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝238aの閉方向端にやがて到達する。そして、図17の(b)の動作を経て、フィードプレート12と引き戸が全閉側に移動するのを許容する。
【0095】
また、再び引き戸を開ける場合は、引き戸を全開側に移動させる。すると、フィードプレート12も引き戸と共に全開側に移動する。フィードプレート12が全開側の途中の位置まで移動されると、図18の(a)に示すように、フィードプレート12のコンタクト面12c2がディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接する。また、ディスクローラ14の軸部14bが低速移動溝238aの閉方向端に到達する。すると、ディスクローラ14は、フィードプレート12側の力によって、引き戸の開く方向(略水平方向)とフィードプレート12の傾斜しているコンタクト面12c2と直交する方向との、合成されたベクトルで、そのベクトル方向に動かされ、図18の(b)に示すように、開方向端溝238e内を昇り、フィードプレート12から逃げる。これによりフィードプレート12は図18の(c)に示すように、更に全開方向に引き戸と共に移動することができる。そして、ディスクローラ14は、開方向端溝238eの傾きによって、閉方向端側に転動し、中立位置溝238c内に戻って停止する。
【0096】
したがって、この第3実施例の安全装置10の場合は、フィードプレート12がガイドフレーム11の位置を超えて、全閉側と全開側に各々移動することができる。これにより、安全装置10を引き戸が通る自由な位置に設置することができる。
【0097】
また、第3実施例の安全装置10の場合でも、引き戸を普通にゆっくりと閉めた場合は、そのまま全閉位置まで閉めることができる。一方、引き戸に勢いをつけて閉めた場合は、フィードプレート12のコンタクト面12c1の傾きによって軸部14bが中立位置溝238cからロック溝238b内へ自動的に移動され、やがてディスクローラ14がロック溝238bのストッパー部238b2とフィードプレート12のコンタクト面12c1に挟まれるとロック状態となる。そして、フィードプレート12が閉側にそれ以上引き戸と共に移動するのを阻止するので、引き戸の開閉操作で不用意に指などを挟むことや、大きな騒音を発生するのを防ぐことができる。
【0098】
また、一度、ロックされた後は、引き戸を僅かに戻すとロックが自動的に解除され、再度、全閉状態まで操作することができるので、操作の簡略化が図れる。
【0099】
また、ロック溝238bの形状を傾斜面で形成しているので、ディスクローラ14がロック溝238b側に逃げる際には、軸部14bがその傾斜面に沿ってロック溝238b内に移動する。これにより、スムーズな移動が可能になる。
【0100】
また、ロック溝238bの傾斜面形状及びフィードプレート12のコンタクト面12c1の傾きの形状、すなわち角度θ3、角度θ2の形状を変えることにより、ロック操作の操作領域などを簡単に変えることができる。
【0101】
なお、上記各実施例では、引き戸の場合について説明したが、この引き戸は障子、ふすま、窓など、これらに類するもの全てを含むものである。
【0102】
また、ロック溝38b、138b、238bとディスクローラ14は、引き戸を全閉側に激しく動かした時にロックがかかる構造を開示したが、安全装置10の向きを反対にして取り付け、引き戸を全開側に激しく動かした時にロックがかかるようすることも可能である。
【0103】
また、上記各実施例では、安全装置10は、引き戸の開閉の際、勢いよく開閉されたかどうかの動作を常に監視している構造を開示したが、安全装置10による監視を必要としないときには、安全装置10による監視を解除し、監視が必要となったときに再び監視を行うようにすることも可能である。その監視の切り替え機構は、例えば図19に示すように、規制溝38に、引き戸の移動方向に沿って、すなわち左右方向(矢印c-d方向)に延設された低速移動溝38aと、低速移動溝38aと連設されているロック溝38bと、中立位置溝38cと、開方向端溝38eと、ディスクローラ退避溝38f、及び係止溝38gを設けるとともに、フィードプレート12に、ガイド通路20内でディスクローラ14における円板部14aの外周面と当接するコンタクト面12c1、12c2を、円板部14aと対向するようにして設けることにより構成できる。
【0104】
ディスクローラ退避溝38f及び係止溝38gは、このディスクローラ退避溝38f又は係止溝38g内にディスクローラ14が配置されると、その配置されたディスクローラ14はガイド通路20内を通過するフィードプレート12の上面よりも高い位置に退避された状態に配置される。そして、フィードプレート12がガイド通路20内を通過しても、フィードプレート12はディスクローラ14と当接しない。したがって、安全装置10による監視を必要としない場合は、ディスクローラ14をディスクローラ退避溝38f内に配置しておけば、安全装置10による監視を無効にすることができる。さらに、ディスクローラ退避溝38fから係止溝38g内に移動させると、係止溝38gはディスクローラ退避溝38fよりも下側に凹んでおり、この凹んだディスクローラ退避溝38f内にディスクローラ14の軸部14bを落とし込んで、その位置で係止しておくことができる。これにより、安全装置10による監視を無効にした状態を確実にロックしておくことができる。
【0105】
一方、安全装置10を必要とするときには、ディスクローラ14の軸部14bを係止溝38g内からディスクローラ退避溝38fに移動させ、さらにディスクローラ退避溝38f内から開方向端溝38eを通って中立位置溝38c内に戻すと、安全装置10を再び有効な状態に復帰させて使用することができる。
【0106】
さらに、本発明は、上記以外にも本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を成すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0107】
10 引き戸の安全装置
11 ガイドフレーム
12 フィードプレート
12a 制御板部
12b 取付部
12c コンタクト面
12c1、12c2 コンタクト面
13 ガイド本体
13a、13b 側壁板部
13c 上壁部
113c 水平取付板部
213c 垂直板部
313c 取付座部
14 ディスクローラ
14a 円板部
14b 軸部
20 ガイド通路
22 取付孔
24 切欠部
26 取付孔
28 切欠部
30 凸部
32 取付孔
34 取付孔
36 取付ビス
38 規制溝
38a 低速移動溝
38a1 開方向端
38a2 閉方向端
38b ロック溝
38b1 全開側端
38b2 ストッパー部
38c 中立位置溝
38d 閉方向端溝
38e 開方向端溝
38f ディスクローラ退避溝
38g 係止溝
40a 下辺
138a 低速移動溝
138a1 開方向端
138c 中立位置溝
138a2 閉方向端
138b ロック溝
138b1 全開側端
138b2 ストッパー部
238a 低速移動溝
238b ロック溝
238b2 ストッパー部
238c 中立位置溝
238d 閉方向端溝
238e 開方向端溝
S1 距離
S2 距離
S3 フィードプレートを戻す距離
O1、O2 中心
R 曲面
R1、R2、R3 曲面の半径
L1 切欠部の左右方向の幅
t 側壁板部の板厚
θ1 低速移動溝の傾き
θ2、θ4 コンタクト面の傾き
θ3 ロック溝の傾き
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19