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▶ エッジ サージカル, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】神経監視能力を有する外科深度機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20220523BHJP
   A61B 5/24 20210101ALI20220523BHJP
   A61B 5/05 20210101ALI20220523BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B5/24
A61B5/05
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019523639
(86)(22)【出願日】2017-11-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2017059714
(87)【国際公開番号】W WO2018085537
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-07
(31)【優先権主張番号】62/417,046
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/471,873
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/554,470
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519151426
【氏名又は名称】エッジ サージカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブス, ジョーダン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】リウー, ロバート エフ.
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0005786(US,A1)
【文献】特表2010-515471(JP,A)
【文献】特表2015-504725(JP,A)
【文献】独国実用新案第202004005657(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0154238(US,A1)
【文献】特表2008-537690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56-17/92
A61B 5/24
A61B 5/05
G01B 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨を通して形成される孔の検査および測定のためのデバイスであって、前記デバイスは、
第1の端部第2の端部とを含むハンドルと、
前記ハンドル内に摺動可能に搭載されている骨プローブであって、前記骨プローブは、探査先端を画定する遠位端を含むシャフトを備え、前記探査先端は、第1の部分と第2の部分とを備え、
前記第1の部分は、前記第1の部分と前記孔の内部表面との十分な接触を依然として可能にしつつ、前記孔の前記内部表面に沿って摺動することにより、前記孔の前記内部表面の触覚フィードバックを前記デバイスの前記ハンドルを保持しているユーザに提供するように成形されており、かつ、構成されており、
前記第2の部分は、係合表面を含み、前記係合表面は、前記シャフトへの力の十分な印加に応じて、前記孔に隣接する骨の外部表面との引掛部を確立するように成形されており、かつ、構成されている、骨プローブと、
前記ハンドル内に摺動可能に搭載されている深度ゲージ部材であって、前記深度ゲージ部材は、遠位端を含む中空の伸長体を備え、前記中空の伸長体は、管腔を含み、前記管腔において前記骨プローブおよび前記深度ゲージ部材が相互に対して、かつ、前記ハンドルに対して独立して摺動可能であるように、前記骨プローブの前記シャフトの少なくとも一部が受容される、深度ゲージ部材と、
前記の深度を示す電子信号を生成するように構成されているセンサであって、前記電子信号は、前記ハンドルの前記第1の端部と前記深度ゲージ部材の前記伸長体の前記遠位端との間の距離に関連して変動する、センサと
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記探査先端の前記第1の部分は基部を画定し、前記基部は、略平面状の基部表面と、前記基部表面の周囲に沿った1つ以上の略弓形の縁とを有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記探査先端の前記第2の部分は上部を画定し、前記上部は、前記骨プローブの前記シャフトの縦軸に対してある角度で配向されている略平面状の上面を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記角度は、鋭角である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記鋭角は、1~89度である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記鋭角は、約5~25度である、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記角度は、鈍角である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項8】
前記鈍角は、91~179度である、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記鈍角は、約95~115度である、請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記探査先端の前記第2の部分の前記係合表面は、前記係合表面と骨の一部との間の摩擦を向上させるための表面テクスチャ加工を有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項11】
前記探査先端の前記第2の部分の前記係合表面は、前記第2の部分の周囲に沿って延在する縁を画定する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項12】
前記骨プローブの前記シャフトは、近位端から前記遠位端までの幅または厚さにおいてテーパ状である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記センサは、電気抵抗ベースのセンサである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、前記ハンドル上のディスプレイをさらに備え、前記ディスプレイは、前記センサからの前記電子信号に基づいて、前記孔の深度測定のデジタル読出値を視覚的に提供するように構成されてい請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスは、無線送信機/受信機をさらに備え、前記無線送信機/受信機は、前記電子信号を含む情報を無線ディスプレイまたはコンピューティングデバイスと無線で通信し、かつ、交換するように構成されており、前記無線ディスプレイまたは前記コンピューティングデバイスは、少なくとも、前記センサからの前記電子信号に基づいて、前記孔の深度測定値を視覚的に提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記ハンドルは、ポートとアクセス領域とを備え、前記ポートは、前記骨プローブの前記シャフトの一部と通信し、前記アクセス領域は、前記ハンドルの内部および前記骨プローブの前記シャフトへのアクセスを提供する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記骨プローブの前記シャフトは、導電材料を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記ポートは、第2の医療用デバイスの入力コネクタを受容し、かつ、前記第2の医療用デバイスの前記入力コネクタを前記骨プローブの前記シャフトと電気通信させるように構成されており、前記骨プローブの前記シャフトは、前記第2の医療用デバイスの前記入力コネクタに電気信号を搬送することと、前記第2の医療用デバイスの前記入力コネクタからの電気信号を搬送することとを行うように構成されている、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第2の医療用デバイスは、神経監視デバイスを備える、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記骨プローブの前記シャフトの前記遠位端の前記探査先端は、神経が前記に存在するか前記孔に隣接して存在するを示す信号を前記神経監視デバイスに提供するように構成されている、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2016年11月3日に出願された米国仮出願第62/417,046号、2017年3月15日に出願された米国仮出願第62/471,873号、および2017年9月5日に出願された米国仮出願第62/554,470号の利益およびこれらに対する優先権を主張するものであり、これらの各々の内容は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本開示は、概して、医療用デバイスに関し、より具体的には、骨インプラント固定手技における使用のための測定器具に関し、本測定器具は、骨の中に穿孔された孔の理学的検査を可能にする骨プローブと、孔の深度を決定し、深度のデジタル測定値を提供するための深度ゲージ部材との組み合わせを含む。
【背景技術】
【0003】
整形外科は、骨格系、特に、四肢、脊柱、および筋肉および靱帯等の関連付けられる構造の変形または機能障害の矯正に関係する医療分野である。いくつかの整形外科手技は、外科医があるデバイスを患者の1つ以上の骨に固着することを要求する。例えば、いくつかの手技では、外科医は、骨プレートおよびねじ等の1つ以上の締結具を使用して、1つ以上の骨または単一の骨の複数片に跨架させ、それらを固着し得る。しかしながら、他の骨関連の外科手技は、骨プレートを要求しない場合があり、代わりに、1つ以上のねじの使用のみに依拠し(例えば、移植された腱を固着し)得る。
【0004】
そのような骨関連の外科手技では、インプラントまたはプレートまたは単にねじ自体が骨に取り付けられ得る前に、ねじを収容するための開口部が、典型的には、骨の中に穿孔される。孔が適切な位置にある場合、外科医は、適切な長さのねじをより容易に選択することができる。しかしながら、適切な長さのねじを選択することは、重要である。例えば、選択されたねじが長すぎる場合、ねじの遠位端が、穿孔された孔の端部を通過し、骨に損傷をもたらしおよび/または完全に骨を通して突出し得、これは、患者に関して、囲繞組織への損傷および/または疼痛および不快感等の悪影響、またはより深刻な合併症を及ぼし得る。例えば、いくつかの事例では、骨は、ねじが長すぎる場合、損傷を受け得る軟質組織に当接し得、軟質部分の炎症またはそれに損傷をもたらし得る。加えて、骨を通して突出するねじは、患者によって触覚的に感知され得、軟質組織(例えば、腱、靭帯、または筋肉)が意図されるように骨表面にわたって移動しないように妨げ得る、またはさらに皮膚を穿刺し得、これは、深刻な感染および合併症につながり得る。
【0005】
適切な長さのねじの選択は、特に、腰椎と仙骨の癒合等の脊柱固定手技および脊柱側弯症の湾曲等の脊柱変形の矯正において重要である。ある実施例として、ヒトの脊柱の茎部内に搭載されるねじは、ねじが脊髄自体に接触する点、すなわち、麻痺状態を含む治癒不可能な神経系損傷をもたらし得る事象まで延在するべきではない。故に、孔の長さの決定は、適切な長さのねじを選定するために重要である。
【0006】
穿孔の間、外科医は、典型的には、ドリルが骨を通して穿通したときを決定するために、ドリル上の抵抗を認識することが可能である。穿孔の単純な作用は、骨自体の深度の厳密な測定を提供しないため、孔の上部から、穿孔側面、孔の反対側の底部までの孔の深度を直接測定するための深度ゲージが、一般的に採用される。
【0007】
現在、骨の一部の中の孔またはボアの深度を測定するための多くの設計が、公知であり、利用されている。一般的に言えば、これらの設計は、遠位端における返しを有する中心プローブ部材と、スリーブ、すなわち、導管部材とを利用する。プローブ部材が、予備孔の中に挿入される一方で、外科医は、返しを伴う表面を見出すように試みる。より具体的には、プローブ部材は、返しが反対側を越えるように予備孔の深度を上回る深度まで挿入され、その点において、外科医は、返しを反対側に掛止することによって表面を見出す。
【0008】
プローブ部材は、スリーブ、すなわち、導管部材の中に受容され、それに対して往復運動し得る。導管部材は、その長さの一部に沿って、典型的には、インチおよび/またはミリメートル単位で目盛りを付けられたマーキングを有する。マーカは、プローブ部材が導管部材に対して偏移するにつれて、マーカがプローブ部材と導管部材との間の相対的偏移を示すように、プローブ部材に横方向に固着される。故に、いったんプローブ部材が骨の反対側に固着されると、導管部材が、プローブ部材に対してかつ骨に向かって、導管部材が骨の表面に当接するまで偏移される。深度ゲージが、次いで、プローブ部材マーカによって示される目盛りを付けられたマーキングを検査することによって読み取られる。
【0009】
いくつかの問題が、本深度ゲージに関して認められている。1つ目として、構成要素は、典型的には、外科グレードステンレス鋼から作製され、目盛りを付けられたマーキングは、その中にエンボス加工される。したがって、非常に反射性の表面上の手術室光の輝度が、マーキングを読取困難にし得る。マーキングは、一般的には、数ミリメートル等の小さい単位のものであり、外科医は、多くの場合、マーキングの間で区別するまたは部分的な単位に留意することに苦労する。これらのゲージの読取は、次いで、多くの場合、読取値が得られるにつれて深度ゲージを慎重に保持することを要求し、読取値を綿密に検査するための外科医の努力は、返しの骨上への固着または引掛の喪失をもたらし、したがって、再測定および時間の損失を余儀なくさせ得る。
【0010】
さらに、マーキングの適切な読取は、外科医の眼がマーキングと適切に整合されることを要求する。すなわち、測定値の適切な視認は、目盛りを付けられたマーキングと整合されるプローブマーカの視認が、外科医の高い立位視点によって歪曲されず、適切であるように、外科医が、横からの視点からゲージを視認することを要求する。したがって、多くの場合、正確な読取値を視認するために、外科医が、これらのゲージを使用する間、身体を屈めることが必要である。深度ゲージが、読取を行うために傾斜される場合、上記に説明されるように、スリーブは、プローブに対して偏移し、したがって、測定を不正確にし、可能性として、返しを固着されていない状態にするであろう。加えて、深度ゲージの除去は、多くの場合、測定値を喪失させる。骨は、本質的には、軽い圧力によって、導管部材の遠位端とプローブ部材の遠位返しとの間に挟着されるため、多くの場合、プローブを予備孔から抜き出すために、導管部材を骨表面から後退させることが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、骨インプラント固定手技における使用のための医療用デバイスである。本デバイスは、深度のより迅速かつより正確な測定を提供するように構成される。特に、本デバイスは、骨の中に穿孔された孔の理学的検査を可能にする骨プローブと、孔の深度を決定し、深度のデジタル測定値を提供するための深度ゲージ部材との組み合わせを含む。故に、本開示のデバイスは、外科医が開口部の内部を探査かつ検査する同一の外科ステップの間に、骨の中の開口部の深度をデジタル的に測定することが可能である。
【0012】
ねじまたは他の締結具の設置を伴う骨関連の手技の間、孔の穿孔が、孔の内部側壁または孔の基部のいずれか一方に沿って任意の亀裂または開口部をもたらしたかどうかを決定することが、望ましくあり得る。意図的ではない亀裂、開口部、または不規則性が、孔内でのねじの締結の間に、ねじがそれ自体を孔の中にしっかりと取り付けないであろうリスク、または骨の欠けまたは断片化をもたらし得るリスクのいずれかを増加させ得るため、穿孔された孔の完全性を確実にすることは、重要である。概して、孔内の限定される視野に起因して(穿孔された孔は、いくつかの事例では、5mmまたはそれ未満等、幅が比較的に小さくあり得る)、外科医が穿孔された孔の完全性を視覚検査することは、不可能である。
【0013】
本開示のデバイスは、外科医が孔の内部側壁を触知し、孔の内部に沿った任意の亀裂または他の意図的ではない開口部または不規則性を位置特定し、さらに、孔の出口点(すなわち、双皮質ねじまたは他の締結具のその後の設置のために骨を完全に通して穿孔された孔に関して)を決定することを可能にする、骨プローブを含む。骨プローブは、概して、本デバイスの本体内に摺動可能に搭載され、手動操作のために適合されるハンドルとしての役割を果たす、伸長シャフトを含む。プローブの伸長シャフトは、使用の間、本デバイスの本体から延在するように構成される、遠位端を含む。遠位端は、孔の内部に接触するための探査先端を含む。伸長シャフトの少なくとも一部は、骨の中の孔の検査の間、適切な「感覚」を外科医に提供するように実質的に可撓性または半堅性であってもよい。例えば、骨プローブのシャフトは、外科医が孔の内壁に対して圧力を印加し、シャフトによって提供される触覚フィードバックを介して孔の不規則性または基部に関して触知し得るように、実質的に非弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフトが探査遠位先端に向かう方向に、幅または厚さにおいて狭くなるようにテーパ状であってもよい。このように、シャフトの可撓性は、探査先端に向かう方向に、シャフトに沿って増加してもよい。
【0014】
探査先端は、少なくとも、外科医が孔の内部表面上の表面不規則性(例えば、亀裂、間隙、開口部等)を検出することを補助する形状または輪郭を有する、第1の部分を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分は、略弓形または湾曲形状を有してもよい。弓形または湾曲部分はまた、孔が深度ゲージ部材を介して測定され得るように、探査先端が出口点の縁に沿って正確に設置かつ固着されることを可能にするように、外科医が孔の出口点(すなわち、第2の開口部)を位置特定することを補助してもよい。探査先端の第1の部分の弓形または湾曲形状は、概して、そうでなければ、通常、あまり湾曲しておらずかつより急峻な表面(急勾配または明確に異なる縁を伴う)を伴って軟質かつ容易に貫通可能である孔の内部表面に沿って生じ得る、組織炎症のリスクを低減させ得る。いくつかの実施形態では、第1の部分は、略球状の形状を有してもよい。他の実施形態では、第1の部分は、丸みを帯びた縁を伴う略平面状であってもよい。
【0015】
探査先端はまた、第1の部分の反対に位置付けられる、第2の部分を含んでもよく、第2の部分は、孔の出口点に直接隣接する(すなわち、孔の縁に沿って)骨の外部を穿刺するまたは別様にそれとの引掛部を確立するように構成される、係合表面を含む。特に、孔の出口点、すなわち、第2の開口部の位置特定に応じて、外科医は、次いで、探査先端を出口点を通して延在させ、次いで、骨プローブシャフトを孔の内部表面に対して位置付け、探査先端、具体的には、係合表面を、孔の出口点の縁に沿って骨の外部表面に向かって戻すように、かつそれと係合するように引抜するように、骨プローブシャフトを引き戻してもよい。圧力の十分な印加(すなわち、骨プローブシャフトの十分な後退)に応じて、探査先端の係合表面は、孔に直接隣接する骨と係合し、それとの引掛部を確立する。係合部の確立に応じて、本医療用デバイスは、その点において深度ゲージ部材が孔の深度を測定するために使用され得る位置において、安定化され得る。いくつかの実施形態では、係合表面は、係合表面と骨の一部との間の摩擦を向上させるための表面テクスチャ加工を含んでもよい。例えば、プレートまたはインプラントが双皮質ドリル孔を通してねじを用いて固着されることになる、いくつかの手技では、探査先端は、孔を完全に通して(骨の片側から他側に)延在してもよく、その点において、外科医は、探査先端の第2の部分の係合表面が骨の片側との引掛部を確立するように、骨プローブを孔に向かって引き戻してもよく、表面テクスチャ加工は、係合表面と骨との間の摩擦を向上させ、滑動のリスクを低減させる。
【0016】
深度ゲージ部材は、概して、本デバイスの本体内に摺動可能に搭載される、中空の伸長体を含み、使用の間、本体の第1の端部から延在するように構成される、遠位端を含む。中空の伸長体は、骨プローブシャフトの少なくとも一部が、骨プローブおよび深度ゲージ部材が相互および本デバイスの本体に対して独立して摺動可能であるように中に受容される、管腔を含む。
【0017】
本デバイスはさらに、本デバイス本体の第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離の感知の結果として孔の深度を示す電子信号を生成するように構成される、少なくとも1つのセンサを含む。例えば、一実施形態では、骨の外部表面との引掛部の確立が、概して、探査先端を介して穿孔された孔(または別様に穿刺された孔)の出口点の縁を提供することに応じて、外科医は、デバイスハンドル(すなわち、デバイス本体)を、ハンドルの第1の端部が孔の第1の開口部に近接する骨の表面に接触するように、骨に向かった方向に移動させることのみ必要である。外科医は、次いで、深度ゲージ部材の遠位端がデバイスハンドルの第1の端部から延在するように、深度ゲージ部材を孔に向かって前進させ、それを孔の中に前進させ、骨プローブにわたって摺動させてもよい。骨プローブが探査先端を介して孔の反対側上の骨の外部表面と係合している状態に維持される間、深度ゲージ部材は、深度ゲージ部材の遠位端が、孔の出口点に着座する探査先端の遠位端と接触するまで、孔の出口点に向かった方向に前進されてもよい。骨プローブは、本質的には、孔の端部まで前進すると、深度ゲージ部材がそれにわたって摺動するガイドとして作用する。
【0018】
センサは、本体の第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離に基づいて電子信号を生成するように構成され、電子信号は、少なくとも、孔の深度を示す。特に、センサは、本デバイス本体の第1の端部に対する深度ゲージ部材の遠位端の場所を感知するように構成される誘導性または容量性の素子またはアセンブリを含み、結果として、その間の距離を表す電子信号を生成してもよい。故に、デバイスハンドルの第1の端部(骨表面に当接するとき)と深度ゲージ部材の遠位端(孔の端部に当接するとき)との間で感知される距離が、孔の深度である。
【0019】
本デバイスは、孔の深度を感知するとき、他の変数を考慮するようにセンサをプログラムするための論理を含む、またはそのための感知能力への調節を可能にし得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、ある手技は、ねじを介してプレートまたはインプラントを骨に固定することを要求する。故に、ねじの長さは、孔を充填するために十分であるだけではなく、孔に係合するとき、それが通過するプレートまたはインプラントの厚さを考慮するために十分に長くなければならない。故に、いくつかの実施形態では、センサは、プレートまたはインプラントの厚さを考慮するようにプログラムされてもよく、さらに、電子信号が、ねじが通過するであろう、かつねじ頭が係合するであろう、プレートまたはインプラントの厚さに加えて、骨内の孔の深度を含む、対応するねじの長さが被覆する必要があるであろう総深度を示すように生産される、電子信号に、その厚さを含むであろう。
【0020】
さらに、いくつかの事例では、デバイスハンドルの第1の端部は、外科医が深度を測定しているとき、骨の表面に直接当接している、プレートまたはインプラントの表面に直接当接しているであろう。したがって、この場合、センサは、依然として、デバイスハンドルの第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離を感知可能であり、これは、骨内の孔の深度だけではなく、全体的な深度を提供するであろう。
【0021】
故に、孔深度のデジタル感知は、従来のアナログ深度ゲージよりはるかにより正確な測定を提供し、また、該当する場合でも、外科医から入力または解釈を殆ど要求しない。故に、孔深度のはるかにより正確な測定を提供することによって、外科医は、手術成功の機会を改善するように、任意の所与の孔のために正しい長さのねじを選択することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本デバイスはさらに、本体上に提供され、センサからの電子信号に基づいて孔の深度測定のデジタル読出値を視覚的に提供するように構成される、ディスプレイを含んでもよい。他の実施形態では、本デバイスは、例えば、モニタまたはパネルディスプレイ、PC、ノートブック、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または他の無線のコンピューティングデバイス等の別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスとデータを無線で通信かつ交換するように構成されてもよい。
【0023】
センサからの電子信号の受信に応じて、別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイスは、センサからの電子信号に基づいて孔の深度測定値を視覚的に提供するように構成されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、孔測定の記録を維持し、および/または複数の孔が特定のプレートまたはインプラントにマッピングされ得、各孔の深度(プレートまたはインプラントの厚さを含む)が、記録のために含まれ、記憶され得る、双方向ユーザインターフェースを提供するように指示され得る、具体的なソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、本デバイスはさらに、骨プローブシャフトの歪みを感知するように構成される、センサを含んでもよい。特に、センサは、骨プローブシャフトの歪みを決定するように構成される、歪みゲージまたは同等物を含んでもよく、これは、孔の内部の探査の間に遠位探査先端が被っている抵抗量を外科医に警告するために有用であり得る。例えば、外科医が、内部表面を「触知」し、さらに、探査先端が実際に孔の出口点と接触するときの感覚を有することが可能となり得る間、歪みセンサはさらに、次いで、探査先端が、事実上、孔の端部に位置付けられていることを示す可聴および/または可視アラートを外科医に提供するために使用され得る、シャフトの感知される歪みに基づいて、電子信号を生成してもよい。例えば、探査先端が孔の出口点、すなわち、第2の開口部に係合するときに被られる抵抗は、孔の側壁(より軟質かつより海綿状の組織を有し得る)によって被られる抵抗と異なり得る、ある歪み値(すなわち、ある閾値を超える)を有し得る。故に、可聴および/または可視アラートは、それらが、事実上、孔の端部に位置付けられたかどうか、またはそれらが内部表面を可能性として意図せずに穿刺するリスクがあるほど過度の圧力が内部表面に対して印加されているかどうかを、外科医に確認させ得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、本デバイスはさらに、付加的な骨探査および深度測定において付加的な特徴を提供するように、他の医療用デバイスと互換性があってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、骨プローブシャフトは、導電材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)を含んでもよく、骨プローブシャフトの一部は、デバイスハンドルの一部に沿って暴露される、または別様にアクセス可能であってもよい。特に、デバイスハンドルは、ハンドルの内部へのアクセスを提供する、特に、骨プローブシャフトの暴露部へのアクセスを提供する、開口、窓、または同等物を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、別個のデバイスからの電流は、アクセス領域を介して骨プローブシャフトに供給されてもよい(例えば、骨プローブシャフトと接触するためのアクセス領域の中に電気焼灼デバイスの作用先端を摺動させる)。伝導性材料から作製された結果として、骨プローブシャフトは、次いで、それに印加された電流の結果として、所望される標的(例えば、骨の孔の内部表面)にエネルギーを送達するために使用され得る、電流を遠位プローブ先端に搬送してもよい。同様に、遠位プローブ先端が、本質的には、神経感知/刺激デバイスへの延長部として作用し、骨の中の神経を感知/刺激するために使用され得るように、別個の神経感知/刺激デバイスが、アクセス領域を介して伝導性骨プローブシャフトに結合されてもよい。
【0026】
なおもさらに、別の実施形態では、ハンドルは、骨プローブシャフトの一部と連通するポートを含んでもよい。ポートは、ハンドルの外部からハンドルの内部および骨プローブシャフトへのアクセスを提供してもよい。ポートは、神経感知および/または神経刺激のための神経監視デバイス等の第2の医療用デバイスの入力コネクタを受容し、骨プローブシャフトが、第2の医療用デバイスの入力コネクタへのおよびそれからの電気信号を搬送するために使用され得るように、それを骨プローブシャフトと電気通信させるように構成されてもよい。
本願発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
骨を通して形成される孔の検査および測定のためのデバイスであって、前記デバイスは、
第1の端部と、第2の端部とを含むハンドルと、
前記ハンドル内に摺動可能に搭載される骨プローブであって、前記骨プローブは、探査先端を画定する遠位端を含むシャフトを備え、前記探査先端は、
抵抗を殆どまたは全く伴わずにボア孔の内部表面に接触し、前記孔の内部表面の触覚フィードバックをユーザに提供するように成形され、かつ、構成される第1の部分と、
シャフトへの力の十分な印加に応じて、前記孔に隣接する骨の外部表面との引掛部を確立するように成形され、かつ、構成される係合表面を含む第2の部分と
を備える、骨プローブと、
前記ハンドル内に摺動可能に搭載される深度ゲージ部材であって、前記深度ゲージ部材は、遠位端を含む中空の伸長体を備え、前記中空の伸長体は、管腔を含み、前記管腔において、前記骨プローブシャフトの少なくとも一部は、前記骨プローブおよび深度ゲージ部材が相互および前記ハンドルに対して独立して摺動可能であるように受容される、深度ゲージ部材と、
前記ボア孔の深度を示す電子信号を生成するように構成されるセンサであって、前記電子信号は、前記ハンドルの前記第1の端部と前記深度ゲージ部材の前記伸長体の前記遠位端との間の距離に関連して変動する、センサと
を備える、デバイス。
(項目2)
前記探査先端の前記第1の部分は、略平面状の基部表面と、前記基部表面の周囲に沿った1つ以上の略弓形の縁とを有する基部を画定する、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記探査先端の前記第2の部分は、前記骨プローブシャフトの縦軸に対してある角度で配向される略平面状の上面を有する上部を画定する、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記角度は、鋭角である、項目3に記載のデバイス。
(項目5)
前記鋭角は、1~89度である、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
前記鋭角は、約5~25度である、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
前記角度は、鈍角である、項目3に記載のデバイス。
(項目8)
前記鈍角は、91~179度である、項目7に記載のデバイス。
(項目9)
前記鈍角は、約95~115度である、項目9に記載のデバイス。
(項目10)
前記探査先端の前記第2の部分の前記係合表面は、前記係合表面と骨の一部との間の摩擦を向上させるための表面テクスチャ加工を有する、項目3に記載のデバイス。
(項目11)
前記探査先端の前記第2の部分の前記係合表面は、前記第2の部分の周囲に沿って延在する縁を画定する、項目3に記載のデバイス。
(項目12)
前記骨プローブシャフトは、近位端から前記遠位端までの幅または厚さにおいてテーパ状である、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
前記センサは、電気抵抗ベースのセンサである、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記センサからの前記電子信号に基づいて、前記孔の深度測定のデジタル読出値を視覚的に提供するように構成される前記ハンドル上のディスプレイをさらに備える、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
前記電子信号を含む情報を無線ディスプレイまたはコンピューティングデバイスと無線で通信し、かつ、交換するように構成される無線送信機/受信機をさらに備え、前記無線ディスプレイまたはコンピューティングデバイスは、少なくとも、前記センサからの前記電子信号に基づいて、前記孔の深度測定値を視覚的に提供する、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
前記ハンドルは、ポートを備え、前記ポートは、前記骨プローブシャフトの一部と通信し、前記ハンドルの外部から前記ハンドルの内部および前記骨プローブシャフトへのアクセスを提供する、項目1に記載のデバイス。
(項目17)
前記骨プローブシャフトは、導電材料を含む、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記ポートは、第2の医療用デバイスの入力コネクタを受容し、それを前記骨プローブシャフトと電気通信させ、前記骨プローブシャフトは、前記第2の医療用デバイスの前記入力コネクタへのおよびそれからの電気信号を搬送するように構成される、項目17に記載のデバイス。
(項目19)
前記第2の医療用デバイスは、神経監視デバイスを備える、項目18に記載のデバイス。
(項目20)
前記骨プローブシャフトの前記遠位端の前記探査先端は、神経が前記ボア孔内またはそれに隣接して存在するかどうかを示す信号を前記神経監視デバイスに提供するように構成される、項目19に記載のデバイス。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本請求される主題の特徴および利点は、それと一貫した実施形態の以下に詳述される説明から明白となり、その説明は、添付図面を参照して考慮されるべきである。
【0028】
図1図1は、本開示と一貫した医療用デバイスの一実施形態の上面図である。
図2図2は、ハンドルの中空の内部および骨プローブおよび深度ゲージ部材の相互に対する配列を図示する、図1の医療用デバイスの断面図である。
図3-1】図3Aおよび3Bは、それぞれ、骨プローブシャフトの遠位端上に画定される探査先端の一実施形態の拡大正面図および側面図である。
図3-2】図3Cおよび3Dは、それぞれ、骨プローブシャフトの遠位端上に画定される探査先端の別の実施形態の拡大正面図および側面図である。
図4図4は、骨プローブシャフトの遠位端上に画定される探査先端の別の実施形態を図示する、図1の医療用デバイスとの併用と互換性がある、骨プローブの別の実施形態の斜視図である。
図5図5および6は、それぞれ、図4の骨プローブの正面図および側面図である。
図6図5および6は、それぞれ、図4の骨プローブの正面図および側面図である。
図7図7は、図4の探査先端の拡大側面図である。
図8図8および9は、図4の探査先端の拡大斜視図である。
図9図8および9は、図4の探査先端の拡大斜視図である。
図10図10Aおよび10Bは、骨プローブシャフトの遠位端の探査先端が骨内の穿孔された孔の底部と接触しているときの、ハンドル部材内での骨プローブの後退およびハンドルの骨に向かった移動に応じたばねアセンブリのその後の圧縮を図示する。
図11図11は、骨プローブシャフトにかかる歪みを感知し、可聴または可視アラートを提供するためのオーディオまたは視覚構成要素に歪みを示す電子信号を提供する歪みセンサを含む、図1の医療用デバイスの側面図である。
図12図12A-12Fは、本開示と一貫した医療用デバイスの別の実施形態を使用して、穿孔された孔を探査し、その後、深度測定値を得る手技を実施するための一連のステップを図示する。
図13図13A-13Cは、図4の骨プローブを用いて完全に穿孔された孔(すなわち、双皮質骨ねじの受容のために骨を完全に通して延在する孔)を探査し、さらに、双皮質穿孔孔に隣接する骨の側面との骨プローブの探査先端の引掛部を確立し、骨プローブを定位置に固着し、深度ゲージ部材が双皮質穿孔孔の深度を測定するために使用されることを可能にする手技を実施するための一連のステップを図示する。
図14図14は、孔の深度測定のデジタル読出値を提供するためのディスプレイを有する、本開示と一貫した医療用デバイスの別の実施形態である。
図15図15は、測定された深度を記録、記憶、および/または視覚的に表示するために、深度測定データを無線のコンピューティングデバイスに無線で通信かつ伝送するように構成される、本開示と一貫した医療用デバイスの別の実施形態である。
図16図16および17は、付加的な骨探査および深度測定において、エネルギー放出(図16)および感知能力(図17)等の付加的な特徴を提供するように、本開示の医療用デバイスの他の医療用デバイスとの互換性を図示する。
図17図16および17は、付加的な骨探査および深度測定において、エネルギー放出(図16)および感知能力(図17)等の付加的な特徴を提供するように、本開示の医療用デバイスの他の医療用デバイスとの互換性を図示する。
図18図18は、本開示と一貫し、かつ神経感知/神経刺激デバイスから対応する入力コネクタを受容し、電気経路を骨プローブに提供するように構成される、神経監視ポートを有する、医療用デバイスの斜視図である。
図19図19は、部分断面図において、神経感知/神経刺激デバイスへのおよびそれからの電気信号を搬送するための骨プローブシャフトの構成を図示する、図18の医療用デバイスの側面図である。
図20図20A、20B、20Cは、神経監視能力に関する、骨プローブから脊椎における孔内に位置付けられるねじへの信号の伝送を図示する。
図21図21は、本開示の医療用デバイスとの併用のための角度ガイドを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の完全な理解のために、上記に説明される図面と併せて、添付の請求項を含む、以下の発明を実施するための形態を参照されたい。本開示は、例示的実施形態に関連して説明されるが、本開示は、本明細書に記載される具体的形態に限定するように意図されない。種々の省略および均等物の代用が、状況が示唆または好都合と見なし得る場合、検討されることを理解されたい。
【0030】
大要として、本開示は、概して、骨インプラント固定手技における使用のための、深度のより迅速かつより正確な測定を提供するように構成される、医療用デバイスを対象とする。特に、本デバイスは、骨の中に穿孔された孔の理学的検査を可能にする骨プローブと、孔の深度を決定し、深度のデジタル測定値を提供するための深度ゲージ部材との組み合わせを含む。故に、本開示のデバイスは、外科医が開口部の内部を探査かつ検査する同一の外科ステップの間に、骨の中の開口部の深度をデジタル的に測定することが可能である。
【0031】
本開示のデバイスは、外科医が孔の内部側壁を触知し、孔の内部に沿った任意の亀裂または他の意図的ではない開口部または不規則性を位置特定し、さらに、孔の出口点(すなわち、双皮質ねじまたは他の締結具のその後の設置のために骨を完全に通して穿孔された孔に関して)を決定することを可能にする、骨プローブを含む。骨プローブは、概して、本デバイスの本体内に摺動可能に搭載され、手動操作のために適合されるハンドルとしての役割を果たす、伸長シャフトを含む。プローブの伸長シャフトは、使用の間、本デバイスの本体から延在するように構成される、遠位端を含む。遠位端は、孔の内部に接触するための探査先端を含む。伸長シャフトの少なくとも一部は、骨の中の孔の検査の間、適切な「感覚」を外科医に提供するように実質的に可撓性または半堅性であってもよい。例えば、骨プローブのシャフトは、外科医が孔の内壁に対して圧力を印加し、シャフトによって提供される触覚フィードバックを介して孔の不規則性または基部に関して触知し得るように、実質的に非弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、シャフトは、シャフトが探査遠位先端に向かう方向に、幅または厚さにおいて狭くなるようにテーパ状であってもよい。このように、シャフトの可撓性は、探査先端に向かう方向に、シャフトに沿って増加してもよい。
【0032】
探査先端は、少なくとも、外科医が孔の内部表面上の表面不規則性(例えば、亀裂、間隙、開口部等)を検出することを補助する形状または輪郭を有する、第1の部分を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の部分は、略弓形または湾曲形状を有してもよい。弓形または湾曲部分はまた、孔が深度ゲージ部材を介して測定され得るように、探査先端が出口点の縁に沿って正確に設置かつ固着されることを可能にするように、外科医が孔の出口点(すなわち、第2の開口部)を位置特定することを補助してもよい。探査先端の第1の部分の弓形または湾曲形状は、概して、そうでなければ、通常、あまり湾曲しておらずかつより急峻な表面(急勾配または明確に異なる縁を伴う)を伴って軟質かつ容易に貫通可能である孔の内部表面に沿って生じ得る、組織炎症のリスクを低減させ得る。いくつかの実施形態では、第1の部分は、略球状の形状を有してもよい。他の実施形態では、第1の部分は、丸みを帯びた縁を伴う略平面状であってもよい。
【0033】
探査先端はまた、第1の部分の反対に位置付けられる、第2の部分を含んでもよく、第2の部分は、孔の出口点に直接隣接する(すなわち、孔の縁に沿って)骨の外部を穿刺するまたは別様にそれとの引掛部を確立するように構成される、係合表面を含む。特に、孔の出口点、すなわち、第2の開口部の位置特定に応じて、外科医は、次いで、探査先端を出口点を通して延在させ、次いで、骨プローブシャフトを孔の内部表面に対して位置付け、探査先端、具体的には、係合表面を、孔の出口点の縁に沿って骨の外部表面に向かって戻すように、かつそれと係合するように引抜するように、骨プローブシャフトを引き戻してもよい。圧力の十分な印加(すなわち、骨プローブシャフトの十分な後退)に応じて、探査先端の係合表面は、孔に直接隣接する骨と係合し、それとの引掛部を確立する。係合部の確立に応じて、本医療用デバイスは、その点において深度ゲージ部材が孔の深度を測定するために使用され得る位置において、安定化され得る。いくつかの実施形態では、係合表面は、係合表面と骨の一部との間の摩擦を向上させるための表面テクスチャ加工を含んでもよい。例えば、プレートまたはインプラントが双皮質ドリル孔を通してねじを用いて固着されることになる、いくつかの手技では、探査先端は、孔を完全に通して(骨の片側から他側に)延在してもよく、その点において、外科医は、探査先端の第2の部分の係合表面が骨の片側との引掛部を確立するように、骨プローブを孔に向かって引き戻してもよく、表面テクスチャ加工は、係合表面と骨との間の摩擦を向上させ、滑動のリスクを低減させる。
【0034】
深度ゲージ部材は、概して、本デバイスの本体内に摺動可能に搭載される、中空の伸長体を含み、使用の間、本体の第1の端部から延在するように構成される、遠位端を含む。中空の伸長体は、骨プローブシャフトの少なくとも一部が、骨プローブおよび深度ゲージ部材が相互および本デバイスの本体に対して独立して摺動可能であるように中に受容される、管腔を含む。
【0035】
本デバイスはさらに、本デバイス本体の第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離の感知の結果として孔の深度を示す電子信号を生成するように構成される、少なくとも1つのセンサを含む。例えば、一実施形態では、骨の外部表面との引掛部の確立が、概して、探査先端を介して穿孔された孔(または別様に穿刺された孔)の出口点の縁を提供することに応じて、外科医は、デバイスハンドル(すなわち、デバイス本体)を、ハンドルの第1の端部が孔の第1の開口部に近接する骨の表面に接触するように、骨に向かった方向に移動させることのみ必要である。外科医は、次いで、深度ゲージ部材の遠位端がデバイスハンドルの第1の端部から延在するように、深度ゲージ部材を孔に向かって前進させ、それを孔の中に前進させ、骨プローブにわたって摺動させてもよい。骨プローブが探査先端を介して孔の反対側上の骨の外部表面と係合している状態に維持される間、深度ゲージ部材は、深度ゲージ部材の遠位端が、孔の出口点に着座する探査先端の遠位端と接触するまで、孔の出口点に向かった方向に前進されてもよい。骨プローブは、本質的には、孔の端部まで前進すると、深度ゲージ部材がそれにわたって摺動するガイドとして作用する。
【0036】
センサは、本体の第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離に基づいて電子信号を生成するように構成され、電子信号は、少なくとも、孔の深度を示す。特に、センサは、本デバイス本体の第1の端部に対する深度ゲージ部材の遠位端の場所を感知するように構成される誘導性または容量性の素子またはアセンブリを含み、結果として、その間の距離を表す電子信号を生成してもよい。故に、デバイスハンドルの第1の端部(骨表面に当接するとき)と深度ゲージ部材の遠位端(孔の端部に当接するとき)との間で感知される距離が、孔の深度である。
【0037】
故に、孔深度のデジタル感知は、従来のアナログ深度ゲージよりはるかにより正確な測定を提供し、また、該当する場合でも、外科医から入力または解釈を殆ど要求しない。故に、孔深度のはるかにより正確な測定を提供することによって、外科医は、手術成功の機会を改善するように、任意の所与の孔のために正しい長さのねじを選択することができる。
【0038】
図1は、本開示と一貫した医療用デバイス100の一実施形態の上面図であり、図2は、医療用デバイス100の断面図を提供する。示されるように、医療用デバイス100は、第1の端部104と、対向する第2の端部106とを有する本体102を含み、概して、中空である。本体102は、ハンドルとして構成され、概して、手動操作のために適合されている。故に、本体は、説明を容易にするために、以下において「ハンドル102」と称されるであろう。
【0039】
デバイス100はさらに、ハンドル102内に摺動可能に搭載される、骨プローブ108を含む。骨プローブ108は、本明細書により詳細に説明されるであろうように、使用の間、ハンドル102の第1の端部104から延在し、それに向かって後退するように構成される遠位端112を有する、シャフト110を含む。遠位端112はさらに、探査先端114を含み、これは、図3Aおよび3Bに説明されるであろうように、骨の中に穿孔された孔の内部表面の診察および検査のために有用である。
【0040】
デバイス100はさらに、ハンドル102内に摺動可能に搭載される、深度ゲージ部材116を含む。深度ゲージ部材116は、概して、本明細書に説明されるであろうように、骨プローブシャフト110に類似する、使用の間、ハンドル102の第1の端部から延在し、それに向かって後退するように構成される遠位端120を有する、中空の伸長体118を含む。中空の伸長体118は、骨プローブシャフト110の少なくとも一部が、骨プローブ108および深度ゲージ部材116が相互およびハンドル102に対して独立して摺動可能であるように受容される、管腔を有する。デバイス100はさらに、本明細書により詳細に説明されるであろうように、孔の深度を示す電子信号を生成するように構成される、1つ以上の深度測定センサ122を含み、電子信号は、ハンドル102の第1の端部104と深度ゲージ部材116の遠位端120との間の距離に関連して変動する。
【0041】
骨プローブ108および深度ゲージ部材116は、それぞれ、外科医が骨プローブ108および深度ゲージ部材116の相互から独立した移動を手動で制御することを可能にするための別個のスライダ部材に結合されてもよい。例えば、図1に示されるように、第1のスライダ124は、少なくとも骨プローブシャフト110に結合されてもよく、ハンドル102の縦軸に沿って摺動可能であり、第1のスライダ124のそのような移動が、骨プローブシャフト110の対応する移動をもたらす。図1および2に示されていないが、第2のスライダが、深度ゲージ部材116に結合されてもよく、同様に、第2のスライダの移動が、深度ゲージ部材116の対応する移動をもたらすように、ハンドル102の縦軸に沿って摺動可能である。
【0042】
デバイス100はさらに、骨プローブ108および深度ゲージ部材116のうちの少なくとも一方に結合される、ばねアセンブリ126を含んでもよい。ばねアセンブリ126は、骨プローブ108または深度ゲージ部材116のいずれか一方をデフォルトの延在された位置において維持するように、骨プローブ108および深度ゲージ部材116のうちの少なくとも一方上に付勢力を提供するように構成されてもよい。例えば、図1および2に示されるように、骨プローブ108は、概して、外科医が、ここで、図10Aおよび10Bに示されるような穿孔された孔の内部表面を検査し得る、延在された構成(探査先端114が、ハンドル102の第1の端部104から外に延在される)に位置付けられる。
【0043】
ねじまたは他の締結具の設置を伴う骨関連の手技の間、孔の穿孔が、孔の内部側壁または孔の基部のいずれか一方に沿って任意の亀裂または開口部をもたらしたかどうかを決定することが、望ましくあり得る。意図的ではない亀裂、開口部、または不規則性が、孔内でのねじの締結の間に、ねじがそれ自体を孔の中にしっかりと取り付けないであろうリスク、または骨の欠けまたは断片化をもたらし得るリスクのいずれかを増加させ得るため、穿孔された孔の完全性を確実にすることは、重要である。概して、孔内の限定される視野に起因して(穿孔された孔は、いくつかの事例では、5mmまたはそれ未満等、幅が比較的に小さくあり得る)、外科医が穿孔された孔の完全性を視覚検査することは、不可能である。
【0044】
骨プローブ108は、孔の内部に沿った任意の亀裂または他の意図的ではない開口部、または不規則性を位置特定するように、外科医が穿孔された孔の内部側壁および底部を触知することを可能にする。例えば、探査先端114は、孔の内部と接触するために構成され、伸長シャフト110の少なくとも一部は、骨の中の孔の検査の間、適切な「感覚」を外科医に提供するように実質的に可撓性または半堅性であってもよい。例えば、骨プローブ108の骨プローブのシャフト110は、外科医が孔の内壁に対して圧力を印加し、シャフト110によって提供される触覚フィードバックを介して孔の不規則性または基部に関して触知し得るように、実質的に非弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、シャフト110は、シャフトが探査遠位先端に向かう方向に、幅または厚さにおいて狭くなるようにテーパ状であってもよい。このように、シャフトの可撓性は、探査先端114に向かう方向に、シャフトに沿って増加してもよい。
【0045】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、骨プローブシャフト110の遠位端上112に画定される探査先端114aの一実施形態の拡大正面図および側面図である。示されるように、探査先端114aは、抵抗を殆どまたは全く伴わずに孔の内部表面に接触し、内部表面の触覚フィードバックを外科医に提供するように成形され、かつ、構成される、弓形の第1の部分128を含んでもよい。例えば、示されるように、第1の部分128は、探査先端114aが孔の内部表面の一部を穿通するまたは別様にそれと係合するであろうリスクを防止するまたは最小限にさせるように略湾曲しているまたは球状である。むしろ、第1の部分128は、内部表面に沿って滑動または容易に摺動しながら、依然として、外科医に触覚フィードバックを提供するための十分な接触を可能にするように成形される。故に、弓形の第1の部分128は、そうでなければより鋭い物体が骨の開口部を探査するために使用されるときに生じ得る、組織炎症のリスクを低減または排除させ得る。
【0046】
探査先端114aはさらに、シャフトへの力の十分な印加に応じて、孔の内部表面の一部との引掛部を確立するように成形され、かつ、構成され、孔の底部と関連付けられる、係合表面を有する、第2の部分130を含む。係合表面は、第1の部分128と第2の部分130との間の遷移が急激(例えば、鋭的角または縁)である、探査先端114の略急峻な縁であってもよい。故に、十分な圧力に応じて、係合表面は、孔の内部における組織を穿刺する、またはそれとの引掛部を確立するように構成される。したがって、探査先端114aは、第1の部分128が、検査目的のために外科医に「感覚」を提供し、さらに、孔の底部を位置特定するために、内部表面の探査を可能にし、かつ第2の部分130が、骨プローブを、その点において深度ゲージ部材が孔の深度を測定するために使用され得る、所望される位置において安定させるように、外科医が所望される部位(すなわち、孔の底部)において引掛部を確立することを可能にする点で多機能性である。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2の部分130の係合表面は、係合表面と骨の一部との間の摩擦を向上させるための表面テクスチャ加工を含んでもよい。例えば、プレートまたはインプラントが双皮質ドリル孔を通してねじを用いて固着されることになる、いくつかの手技では、探査先端は、孔を完全に通して(骨の片側から他側に)延在してもよく、その点において、外科医は、探査先端の第2の部分の係合表面が骨の片側との引掛部を確立するように、骨プローブを孔に向かって引き戻してもよく、表面テクスチャ加工は、係合表面と骨との間の摩擦を向上させ、滑動のリスクを低減させる。
【0048】
図3Cおよび3Dは、それぞれ、骨プローブシャフト110の遠位端112上に画定される探査先端114bの別の実施形態の拡大正面図および側面図である。示されるように、探査先端114bは、抵抗を殆どまたは全く伴わずに孔の内部表面に接触し、内部表面の触覚フィードバックを外科医に提供するように成形され、かつ、構成される、第1の部分129を含んでもよい。例えば、示されるように、第1の部分129は、探査先端114bが孔の内部表面の一部を穿通するまたは別様にそれと係合するであろうリスクを防止するまたは最小限にさせるように、丸みを帯びた縁を伴う略平面状または平坦な表面を有する。むしろ、第1の部分129の丸みを帯びた縁は、内部表面に沿って滑動または容易に摺動しながら、依然として、外科医に触覚フィードバックを提供するための十分な接触を可能にするように成形される。略平面状の表面は、いくつかの状況において、平坦な表面が、探査先端114aの全半径の第1の部分128よりも孔の底部との良好な係合部を提供し、それとより同一平面上に着座し得る点で、全半径底部より正確な深度測定をもたらし得る(図3Aおよび3B)。しかしながら、丸みを帯びた縁は、依然として、シャフトへの力の十分な印加に応じて、孔の内部表面および孔の関連付けられる底部の一部との引掛部を確立するための係合表面としての役割を果たすように十分な縁を提供し得ることに留意されたい。探査先端114bの第2の部分131は、略湾曲しているまたは球状であってもよい。
【0049】
図4は、本開示と一貫した医療用デバイス100との併用と互換性がある、骨プローブ208の別の実施形態の斜視図である。本明細書の前述に説明される骨プローブ108と同様に、骨プローブ208は、外科医が孔の内部側壁を触知し、孔の内部に沿った任意の亀裂または他の意図的ではない開口部または不規則性を位置特定することを可能にし、深度ゲージ部材116との組み合わせにおいて、骨プローブ208はさらに、孔の深度測定を可能にする。特に、本明細書により詳細に説明されるように、骨プローブ208は、双皮質ねじまたは他の双皮質締結具が設置されることになる、完全に骨を通して延在する穿孔された孔(すなわち、双皮質穿孔孔)の測定を補助するように構成される。故に、概して、完全に骨を通して延在しない骨内の穿孔された孔の基部または底部を位置特定するように構成される、骨探査先端を有する骨プローブ108とは異なり、骨プローブ208は、具体的には、その点において外科医が、骨探査先端の係合表面が骨の片側との引掛部を確立し、それによって、骨プローブ208を定位置に係留または固着し、本明細書の前述に説明される様式で深度ゲージ部材を介した孔の後続の深度測定を可能にするように、骨プローブを孔に向かって引き戻し得る、穿孔された孔(骨の片側から他側に)を完全に通して延在されるように構成される、骨探査先端を含む。
【0050】
骨プローブ208は、本明細書により詳細に説明されるであろうように、近位端211と、使用の間、ハンドル102の第1の端部104から延在し、それに向かって後退するように構成される対向する遠位端212とを有する、シャフト210を含む。近位端211はさらに、骨プローブシャフト210がシャフト210を延在/後退させるための制御機構または同等物(例えば、スライダ124)に物理的に結合されることを可能にする、切込部(すなわち、切り欠き)213を含んでもよい。遠位端212は、探査先端214を含み、これは、探査先端114と類似する様式で骨の中に穿孔された孔の内部表面の診察および検査のために有用である。
【0051】
骨プローブ208は、孔の内部に沿った任意の亀裂または他の意図的ではない開口部または不規則性を位置特定するように、外科医が穿孔された孔の内部側壁を触知することを可能にする。例えば、探査先端214は、孔の内部と接触するために構成され、伸長シャフト210の少なくとも一部は、骨の中の孔の検査の間、適切な「感覚」を外科医に提供するように実質的に可撓性または半堅性であってもよい。例えば、骨プローブ208のシャフト210は、外科医が孔の内壁に対して圧力を印加し、シャフト210によって提供される触覚フィードバックを介して孔の不規則性または基部に関して触知し得るように、実質的に非弾性であってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、シャフト210は、シャフトが探査遠位先端214に向かう方向に、幅または厚さにおいて狭くなるようにテーパ状であってもよい。このように、シャフトの可撓性は、探査先端214に向かう方向に、シャフト210に沿って増加してもよい。例えば、図示される実施形態では、シャフト210は、その長さの大部分に沿って略円筒形の幾何学形状を有してもよく、その長さに沿って形成され、遠位端212に向かう方向にテーパ状である、略平面状の部分を含んでもよい。議論および説明を容易にする目的のために、以下の説明は、円筒形状を含む第1の側面216と、略平面状であり、シャフト210の長さに沿って延在する第2の側面218とを有するものとしてシャフト210を指し、シャフトは、図5および6に示されるように、近位端211から遠位端212まで厚さにおいてテーパ状である(すなわち、シャフト210の長さに沿ってより大きい厚さからより少ない厚さに遷移する)。
【0053】
特に、図5は、骨プローブ208の正面図(すなわち、シャフトの第2の側面218に向かった方向に面する)であり、図6は、骨プローブ208の側面図である。図5に示されるように、シャフト210の全体的な幅は、近位端211から遠位端212まで比較的に一定のままである一方、図6に示されるように、シャフト210の厚さは、近位端211から遠位端212に向かってテーパ状である。例えば、骨プローブ208は、医療グレード材料の単一の円筒形片(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属のロッド)から形成されてもよい。第2の側面218は、研磨、ミリング、または同等物等のサブトラクティブ製造プロセスを用いて形成され、それによって、シャフト210から材料を除去し、第2の側面218の略平面状の表面を形成してもよい。さらに、探査先端214はさらに、本明細書において図7、8、および9を参照してより詳細に説明されるであろうように、鉤様の設計を形成するように、シャフト210から材料を除去するために、研磨、ミリング、または他の技法を用いて形成される。故に、図5に示されるように、近位端211における幅Wは、遠位端212および探査先端214における幅Wにほぼ等しい。図6に示されるように、近位端211における厚さTは、遠位端212における厚さTを上回る一方で、厚さTは、探査先端214における厚さTにほぼ等しい。故に、シャフト210の厚さにおけるテーパ状部は、第2の側面218の形成(すなわち、シャフト材料を除去し、略平面状の表面を作成するように機械加工する)の結果として、略平面状の第2の側面218に沿って生じる。
【0054】
図7は、探査先端214の拡大側面図であり、図8および9は、探査先端214の拡大斜視図である。示されるように、先端214は、概して、プローブシャフト210の遠位端212から延在し、シャフト210に対してある角度で配向される鉤部または同等物に似ていてもよく、そのような角度は、シャフト210の縦軸に対して略垂直であってもよい。しかしながら、探査先端214は、シャフト210の縦軸に対して鈍角または鋭角に配向され得ることに留意されたい。探査先端214は、抵抗を殆どまたは全く伴わずに孔の内部表面に接触し、内部表面の触覚フィードバックを外科医に提供するように成形され、かつ、構成される、基部220を含んでもよい。例えば、示されるように、基部220は、探査先端214が孔の内部表面の一部を穿通するまたは別様にそれと係合するであろうリスクを防止するまたは最小限にさせるように略湾曲または弓形の縁を有してもよい。むしろ、基部220は、内部表面に沿って滑動または容易に摺動しながら、依然として、外科医に触覚フィードバックを提供するための十分な接触を可能にするように成形されてもよい。故に、基部220は、そうでなければより鋭い物体が骨の開口部を探査するために使用されるときに生じ得る、組織炎症のリスクを低減または排除させ得る。
【0055】
探査先端214はさらに、シャフト210の縦軸Aに対して第1の角度θで配向され、さらに、それに沿って基部220が略平行である平面221に対して第2の角度θで配向される略平面状の表面を有する、上部222を含む。いくつかの実施形態では、上部222の表面は、軸Aに対して略垂直であってもよく、したがって、角度θは、約90度であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、上部222の表面は、軸Aに対してオフセットされた角度で配向されてもよい。例えば、図7-9に示されるように、角度θは、鋭角(すなわち、90度を下回る)であってもよい。いくつかの実施形態では、角度θは、1~89度であってもよい。いくつかの実施形態では、角度θは、5~25度であってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、角度θは、鈍角(すなわち、90度を上回る)であってもよい。いくつかの実施形態では、角度θは、91~179度であってもよい。いくつかの実施形態では、角度θは、約95~115度であってもよい。第2の角度θを参照すると、いくつかの実施形態では、上部222の表面は、平面221に略平行であってもよく、したがって、角度θは、約0度である。しかしながら、いくつかの実施形態では、上部222の表面は、平面221に対してオフセットされた角度で配向されてもよい。例えば、図7-9に示されるように、上部222の表面は、平面221に対してオフセットされてもよく、したがって、角度θは、約1~89度であってもよい。いくつかの実施形態では、角度θは、約5~25度であってもよい。
【0056】
探査先端214はさらに、本明細書により詳細に説明されるであろうように、プローブシャフト210の遠位端212に隣接して形成される溝、すなわち、切り欠き部224を含み、それによって、探査先端214とシャフト210の遠位端212との間の接合部に存在するより少ないシャフト材料をもたらし、これは、先端214の骨の一部との引掛を改良するために、シャフト210に対する先端214の増加された偏向を可能にする。探査先端214はさらに、縁の形態における、上部222の周囲に沿って画定される係合表面226を含む。係合表面226は、骨の一部、具体的には、それを通して探査先端が通過した穿孔された孔の開口部に直接隣接する骨の側面との引掛部を確立するように成形され、かつ、構成される。特に、本明細書により詳細に説明されるであろうように、オペレータが双皮質穿孔孔(すなわち、完全に骨の片側から骨の反対側を通して延在する穿孔された孔)を完全に通して探査先端214を延在させることに応じて、係合表面226は、外科医からの操作に応答して、穿孔された孔の開口部に直接隣接する骨の対向側面の一部との引掛部を確立するように成形され、かつ、構成される。係合表面226は、基部220と上部222との間の遷移が急激(例えば、鋭的角または縁)である、探査先端214の略急峻な縁であってもよい。故に、十分な圧力に応じて、係合表面226は、骨の対向側面の一部を穿刺する、またはそれとの引掛部を確立し、それによって、後続の深度測定のために骨プローブシャフト210を定位置に固着するように構成される。
【0057】
したがって、探査先端214は、基部220が、検査目的のために外科医に「感覚」を提供し、さらに、骨の対向側面を位置特定するために、内部表面の探査を可能にし、かつ上部222が、骨プローブを、その点において深度ゲージ部材が孔の深度全体を測定するために使用され得る、所望される位置において安定させるように、外科医が所望される部位(すなわち、穿孔された孔の開口部に隣接する骨の対向側面の一部)において引掛部を確立することを可能にする点で多機能性である。いくつかの実施形態では、上部222の係合表面226は、係合表面226と骨の一部との間の摩擦を向上させるための表面テクスチャ加工を含み、双皮質深度測定の間の滑動のリスクを低減させてもよい。
【0058】
さらに、前述で説明されたように、プローブシャフト210の遠位端212と探査先端214との間の接合部に存在する溝224は、孔の開口部に隣接する骨の一部の先端214との引掛を改良するために、シャフト210に対する先端214の増加された偏向を可能にする。例えば、探査先端214を完全に孔を通して前進させることに応じて、外科医は、次いで、穿孔された孔の内部表面に対して略平面状の第2の側面218を位置付け、次いで、探査先端214の上部222が孔の開口部に直接隣接する骨の対向側面の一部と接触するように、ローブシャフト210を後退させ(すなわち、引き戻し)てもよい。外科医が、骨プローブシャフト210を孔に向かって引き戻すにつれて、溝224は、シャフト210と溝224における先端214との間の接合部におけるより少ない材料に起因して、プローブシャフト210の残部に対する探査先端214の付加的な撓曲を可能にし、これは、骨の対向側面の探査先端の上部222の係合表面226との引掛または把持を改良するであろう。さらに、略平面状の第2の側面218によって提供されるシャフト210のテーパ状の厚さは、概して、示されるように、探査先端214がシャフト210に対して略垂直である場合、シャフト210上への圧力の印加が探査先端214、特に、係合表面226の偏向を上向きに角度付けさせ、それによって、骨の対向側面の外部表面の優れた引掛または把持を可能にするように、1つの軸上でのシャフト210の偏向または撓曲を可能にする。
【0059】
骨プローブ208はまた、双皮質ではない(すなわち、片側から他側まで骨を完全に通して延在していない)穿孔された孔の深度を得るために使用され得ることに留意されたい。例えば、係合表面226は、シャフト210、その後、先端214への力の十分な印加に応じて、孔の内部表面の一部との引掛部を確立し、孔の底部と関連付けられてもよい。係合表面226は、基部220と上部222との間の遷移が急激(例えば、鋭的角または縁)である、探査先端114の略急峻な縁であってもよい。故に、十分な圧力に応じて、係合表面226は、孔の内部における組織を穿刺する、またはそれとの引掛部を確立するように構成される。故に、外科医が、探査先端214を孔の内部に対して圧接するとき等、探査先端214に対する力の印加に応じて、溝224は、シャフト210と溝224における先端214との間の接合部におけるより少ない材料に起因して、プローブシャフト210の残部に対する探査先端214の付加的な撓曲を可能にし、これは、係合表面226を介した孔の表面の引掛または把持を改良するであろう。さらに、略平面状の第2の側面218によって提供されるシャフト210のテーパ状の厚さは、概して、示されるように、探査先端214がシャフト210に対して略垂直である場合、シャフト210上への圧力の印加が探査先端214、特に、係合表面226の偏向を上向きに角度付けさせ、それによって、孔の内部表面の優れた引掛または把持を可能にするように、1つの軸上でのシャフト210の偏向または撓曲を可能にする。
【0060】
図10Aおよび10Bは、骨プローブ108を介した、骨132内の穿孔された孔134を検査する最初のプロセスを図示する。例えば、本明細書の前述で説明されたように、ばねアセンブリ126からの付勢力は、外科医が、穿孔された孔134の内部表面136を探査し、孔134の底部138を位置特定する間、延在された位置において骨プローブ108を維持するために十分であり得る。しかしながら、図10Bに示されるように、いったん所望される標的部位が、孔134の底部138を位置特定する等、位置特定されると、付勢力は、外科医がハンドル102を孔134に向かった方向に移動させることに応じて克服され得る。外科医は、ハンドル102の第1の端部104が、矢印142によって示されるように、骨132の表面またはプレートまたはインプラント140の表面のいずれか一方に当接するまで、ハンドル102を移動させ、それによって、矢印144によって示されるように、ばねアセンブリ126の圧縮をもたらしながら、探査先端114の孔134の底部138への設置を維持することができる。この時点において、深度ゲージ部材116は、中空のシャフト118が骨プローブシャフト110にわたって摺動するように、孔134に向かった方向に前進されることができ、骨プローブシャフト110は、概して、ガイドとして作用し、孔134の底部138との確立された引掛部を有する探査先端114の第2の部分130の係合表面の結果としての位置を保持する。深度ゲージ部材116は、深度ゲージ部材116の遠位端120が孔134の底部138に当接するまで、孔134の中を辿って延在されることができる。故に、1つ以上の深度測定センサ122は、次いで、ハンドル102の第1の端部104と深度ゲージ部材116の遠位端120との間の距離に関連する電子信号を生成することができ、電子信号は、孔134の深度およびプレートまたはインプラント140の厚さを示す。
【0061】
本開示のデバイス100は、測定されるべき穿孔された孔またはボアの長さまたは深度を決定するために好適である、種々の異なる感知デバイスを含んでもよい。例えば、1つ以上の深度測定センサ122は、限定ではないが、線形エンコーダ等の電気機械または電子センサを含んでもよく、相対または絶対距離測定値を決定するための音響、超音波、容量性、電場、誘導性、電磁気(例えば、ホール効果タイプ)および光学的構成要素のうちの任意の1つ以上のものを採用してもよい。いくつかの実施形態では、センサ122は、少なくともハンドル102の第1の端部104と深度ゲージ部材116の遠位端120との間の長さ、すなわち、距離を測定、感知、区別、または別様に決定するように構成されてもよい。
【0062】
例えば、一実施形態では、図10Aおよび10Bに示されるように、少なくとも第1のセンサ素子122aは、ハンドル102の第1の端部104に近接して位置付けられ、第2のセンサ素子122bは、遠位端120に近接する深度ゲージシャフト118上に位置付けられる。センサ素子122a、122bは、測定手技の間の深度ゲージシャフト118のハンドル102の第1の端部104に対する相対、絶対、および増分移動(例えば、距離、速度等)のうちの少なくとも1つを測定するように構成される。例えば、一実施形態では、センサ素子122a、122bは、遠位端120の深度ゲージ116が、例えば、ハンドル102の第1の端部104等の固定された基準点に対して移動される絶対距離を測定するために使用されてもよい。
【0063】
第1のセンサ素子122aは、本デバイスのユーザインターフェース部(例えば、ユーザ入力を伴うGUIディスプレイまたは同等物)の回路(例えば、コントローラ)と通信する、能動的誘導性、容量性、または光学的素子であってもよい。第1のセンサ素子122aは、例えば、フレックス回路または同等物等のプリント回路上のワイヤ、ケーブル、またはトレースである、1つ以上の縦方向に延在する導体を含んでもよい。さらに、第1のセンサ素子122aはさらに、縦方向に延在する導体と結合され、その上に配置され得る複数の誘導性、容量性、または光学的素子を含んでもよい。第2のセンサ素子122bは、ハンドル102の第1の端部104に近接する第1のセンサ素子122aと協働するような様式で深度ゲージシャフト118上に構成されてもよい。例えば、第2のセンサ素子122bは、概して、第1のセンサ素子122aと協働する、通信する、または別様に相互作用するように構成される、永久磁石、光学素子(例えば、標識)または同等物等の受動的素子であってもよい。例えば、測定手技の間、深度ゲージ116のデバイスハンドル102から外への移動は、第1および第2のセンサ素子122a、122bの間の相互作用をもたらす。特に、深度ゲージ116がデバイスハンドル102から延在するにつれて、第1および第2のセンサ素子122a、122bは、相対的に相互に移動し(すなわち、第2のセンサ素子122bは、第1のセンサ素子122aを通過するように移動する)、相互との組み合わせにおいて、信号(例えば、パルス等)を、信号を処理し、ディスプレイ上に距離測定値を表示するおよび/または別個のコンピューティングデバイスに信号を伝送する回路に提供する。
【0064】
本発明の種々の実施形態では、1つ以上のセンサ122は、液晶ディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイ等の電子的ディスプレイのための、または測定データを備える電子信号の、無線の互換性のあるコンピューティングデバイスへの無線/有線伝送のための出力を作成するために、マイクロプロセッサおよび/または他のデジタル電子デバイスと接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスは、電子信号の無線伝送のために、無線送信機に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、信号調整回路は、電子センサの誘導性または容量性素子およびディスプレイを駆動するために使用されるマイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスを挿入し、したがって、正しい入力電流および電圧レベルが種々の構成要素に提供されることを確実にしてもよい。本デバイスはさらに、一次または二次バッテリ等の動力源を含んでもよく、信号調整回路またはマイクロプロセッサに直接接続されてもよい。
【0065】
本開示のデバイス100は、米国特許第7,165,336号、第7,444,756号、第7,493,703号、第7,607,238号、第7,676,943号、第7,685,735号、第7,730,629号、第7,895,762号、第7,895,767号(そのそれぞれの内容は、参照することによって全体として本明細書によって組み込まれる)に議論されるセンサと、システムとを含む、深度測定値を決定かつ伝送するための種々の異なる電子センサと、回路アセンブリとを含み得ることに留意されたい。
【0066】
図11は、穿孔された孔の内部表面の探査の結果として骨プローブシャフト110にかかる歪みを感知するための歪みセンサ146を含む、医療用デバイス100の側面図である。センサ146は、骨プローブシャフト110の歪みを決定するように構成される、歪みゲージまたは同等物を含んでもよく、これは、孔の内部の探査の間に遠位探査先端114が被っている抵抗量を外科医に警告するために有用であり得る。例えば、外科医が内部表面を「触知」し、さらに、探査先端114が実際に孔の底部と接触するときの感覚を有することが可能となり得るが、歪みセンサ146はさらに、次いで、探査先端116が事実上、孔の底部に位置付けられたことを示す可聴および/または可視アラートを、デバイス148(すなわち、スピーカまたは光)を介して外科医に提供するために使用され得る、シャフト110の感知された歪みに基づいて電子信号を生成してもよい。
【0067】
例えば、探査先端116が孔の底部に係合するときに被られる抵抗は、孔の側壁(より軟質かつより海綿状の組織を有し得る)によって被られる抵抗と異なり得る、ある歪み値(すなわち、ある閾値を超える)を有し得る。故に、可聴および/または可視アラートは、それらが、事実上、孔の底部に位置付けられたかどうか、またはそれらが内部表面を可能性として意図せずに穿刺するリスクがあるほど過度の圧力が内部表面に対して印加されているかどうかを、外科医に確認させ得る。
【0068】
図12A-12Fは、本開示と一貫した医療用デバイス300の別の実施形態を使用して、穿孔された孔を探査し、その後、深度測定値を得る手技を実施するための一連のステップを図示する。示されるように、デバイス300は、本明細書の前述に説明されるデバイス100と同様に構成されてもよい。しかしながら、骨プローブ108および深度ゲージ部材116は両方とも、図12Eに示されるように、第1のスライダ324が移動され、骨プローブ108の対応する移動をもたらすか、または第2のスライダ350が移動され、深度ゲージ部材116の対応する移動をもたらすかのいずれか一方まで、図12Aに示されるように、両方、完全にハンドル102の中に引き込まれていてもよい。
【0069】
骨プローブおよび深度ゲージ部材の独立的な移動を可能にするためのスライダを含むことに加えて、デバイス300はさらに、少なくとも骨プローブ108の位置を係止するための係止部材352を含む。示されるように、係止部材352は、ハンドル102の第1の端部104に結合され、骨プローブ108の移動を可能にする/防止するような様式等で少なくとも骨プローブ108と関連付けられる。例えば、係止部材352は、係止解除された構成と、係止された構成とを有し、係止解除された構成では、係止部材352は、骨プローブ108が自由に移動し、係止された構成では、係止部材352は、骨プローブ108の移動を防止する。
【0070】
例えば、骨プローブ108を延在させることに応じて、外科医は、次いで、係止部材352を、図12Cに示されるように、係止部材352が、ハンドル102の第1の端部104に対する骨プローブシャフト110の移動を防止するまたはそれを困難にし、それによって、プローブシャフト110にある量の堅性を提供するように、骨プローブシャフト110との十分な接触を提供するように構成される、係止された構成に設置してもよい。故に、外科医は、ここで、骨プローブ108がハンドル102の中に引き戻されるまたは緩くなることを懸念せず、穿孔された孔の検査を実施し得る。
【0071】
孔の基部または底部の位置特定に応じて、外科医は、図12Dに示されるように、探査先端の第2の部分の係合表面が、孔の底部または底部に直接隣接する側壁に係合し、それとの引掛部を確立するように、骨プローブシャフト110上に十分な力を印加してもよい。係合部を確立することに応じて、外科医は、次いで、係止部材352を係止解除された構成に設置してもよく、ここで、骨プローブシャフト110が、安定された位置に存在する。外科医は、次いで、図12Eに示されるように、ハンドルの第1の端部が骨の表面またはプレート/インプラントの表面に当接するまで、ハンドルを骨に向かった方向に移動してもよく、その点において、深度ゲージ部材116は、孔の深度を測定するために使用され得る。図12Fに示されるように、外科医は、次いで、深度ゲージ部材シャフト118の遠位端120がデバイスハンドルの第1の端部から延在し、孔の中に前進し、骨プローブ108にわたって摺動するように、第2のスライダ350を介して深度ゲージ部材116を孔に向かって前進させてもよい。骨プローブ108は、探査先端を介して孔の底部と係合した状態に維持されるが、深度ゲージ部材は、深度ゲージ部材の遠位端が孔の底部と接触するまで、孔の底部に向かった方向に前進されてもよい。骨プローブは、本質的には、孔の底部まで前進すると、深度ゲージ部材がそれにわたって摺動するガイドとして作用する。
【0072】
センサは、本体の第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離に基づいて電子信号を生成するように構成され、電子信号は、少なくとも、孔の深度を示す。特に、センサは、デバイス本体の第1の端部に対する深度ゲージ部材の遠位端の場所を感知するように構成される誘導性または容量性の素子またはアセンブリを含み、結果として、その間の距離を表す電子信号を生成してもよい。故に、デバイスハンドルの第1の端部(骨表面に当接するとき)と深度ゲージ部材の遠位端(孔の底部に当接するとき)との間で感知される距離が、孔の深度である。
【0073】
本デバイスは、孔の深度を感知するとき、他の変数を考慮するようにセンサをプログラムするための論理を含む、またはそのための感知能力への調節を可能にし得ることに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、ある手技は、ねじを介してプレートまたはインプラントを骨に固定することを要求する。故に、ねじの長さは、孔を充填するために十分であるだけではなく、孔に係合するとき、それが通過するプレートまたはインプラントの厚さを考慮するために十分に長くなければならない。故に、いくつかの実施形態では、センサは、プレートまたはインプラントの厚さを考慮するようにプログラムされてもよく、さらに、電子信号が、ねじが通過するであろう、かつねじ頭が係合するであろう、プレートまたはインプラントの厚さに加えて、骨内の孔の深度を含む、対応するねじの長さが被覆する必要があるであろう総深度を示すように生産される、電子信号に、その厚さを含むであろう。
【0074】
さらに、いくつかの事例では、デバイスハンドルの第1の端部は、図12Fに示されるように、外科医が深度を測定しているとき、骨の表面に直接当接している、プレートまたはインプラントの表面に直接当接しているであろう。したがって、この場合、センサは、依然として、デバイスハンドルの第1の端部と深度ゲージ部材の遠位端との間の距離を感知可能であり、これは、骨内の孔の深度だけではなく、全体的な深度を提供するであろう。
【0075】
図13A-13Cは、骨プローブ208を用いて完全に穿孔された孔(すなわち、双皮質骨ねじの受容のために骨を完全に通して延在する孔)を探査し、さらに、双皮質穿孔孔に隣接する骨の側面との骨プローブ208の探査先端212の引掛部を確立し、骨プローブ208を定位置に固着し、深度ゲージ部材が双皮質穿孔孔の深度を測定するために使用されることを可能にする手技を実施するための一連のステップを図示する。図4-9の骨プローブ208は、デバイス100および300のうちのいずれか一方との併用と互換性があり、本明細書の前述に説明される骨プローブ108に類似する様式で、そこからの後続の探査および深度測定のために延在、後退、および別様に操作され得ることに留意されたい。
【0076】
図13A-13Cに示されるように、孔は、完全に骨を通して穿孔され(すなわち、双皮質穿孔孔)、したがって、外科医は、孔の内部表面を探査するだけではなく、可能性として神経監視データを得(すなわち、孔内へのねじの設置によって影響を及ぼされ得る、任意の近傍の神経が存在するかどうかを決定する)、さらに、孔全体の深度の正確な測定値を得る必要もあるであろう。
【0077】
図13Aに示されるように、外科医は、最初に、骨プローブ208を穿孔された孔の中に前進させることによって、探査先端214を用いて穿孔された孔の検査を実施してもよい。外科医は、探査先端214の基部220が孔の内部表面に接触し、ひいては、外科医に内部表面の触覚フィードバックを提供するように、単に、軽い圧力を印加してもよい。基部220は、内部表面に沿って滑動または容易に摺動しながら、依然として、外科医に触覚フィードバックを提供するための十分な接触を可能にするように成形される。外科医は、次いで、探査先端214を完全に孔を通して前進させてもよく、その点において、基部220は、内部表面との接触を停止し、外科医は、孔の端部が到達された(図13Bに示される)ことを(触覚フィードバックを介して)感知するであろう。
【0078】
この時点において、外科医が探査先端214を完全に双皮質穿孔孔を通して延在させることに応じて、外科医は、次いで、深度ゲージ部材を用いた後続の深度測定のために、骨プローブシャフト210を定位置に固着するように、探査先端214の上部222と骨の対向側面の一部との間の引掛部を確立することができる。例えば、図13Cに示されるように、外科医は、単に、穿孔された孔の内部表面に対して略平面状の第2の側面218を位置付け、次いで、探査先端214の上部222の係合表面226が孔の開口部に直接隣接する骨の対向側面の一部と接触するように、プローブシャフト210を後退させ(すなわち、引き戻し)てもよい。係合表面226は、基部220と上部222との間の遷移が急激(例えば、鋭的角または縁)である、探査先端214の略急峻な縁であってもよい。故に、外科医が骨プローブシャフト210を孔に向かって引き戻すにつれて、係合表面226は、骨に接触し始めるであろう。いくつかの実施形態では、係合表面226は、係合表面226と骨の一部との間の摩擦を向上させ、双皮質深度測定の間の滑動のリスクを低減させるための表面テクスチャ加工を含んでもよい。さらに、溝224(プローブシャフト210の遠位端212と探査先端214との間の接合部に存在する)は、シャフト210と溝224における先端214との間の接合部におけるより少ない材料に起因して、プローブシャフト210の残部に対する探査先端214の付加的な撓曲を可能にし、これは、骨の対向側面の探査先端の上部222の係合表面226との引掛または把持を改良するであろう。さらに、略平面状の第2の側面218によって提供されるシャフト210のテーパ状の厚さは、概して、示されるように、探査先端214がシャフト210に対して略垂直である場合、シャフト210上への圧力の印加が探査先端214、特に、係合表面226の偏向を上向きに角度付けさせ、それによって、骨の対向側面の外部表面の優れた引掛または把持を可能にするように、1つの軸上でのシャフト210の偏向または撓曲を可能にする。骨プローブ208を定位置に固着することに応じて、深度測定は、本明細書の前述に説明される骨プローブ108のものに類似する様式で、深度ゲージ部材を用いて生じ得る。
【0079】
図14は、センサからの電子信号に基づいて孔の深度測定のデジタル読出値を提供するためのディスプレイ454を有する、本開示と一貫した医療用デバイス400の別の実施形態である。ディスプレイ454は、例えば、液晶ディスプレイまたはLEDディスプレイを含んでもよい。
【0080】
図15は、穿孔された孔の深度を決定するためにセンサからの電子信号に基づいて測定された深度を記録、記憶、および/または視覚的に表示するために、深度測定データをネットワークを経由して無線のコンピューティングデバイス600に無線で通信かつ伝送するように構成される、本開示と一貫した医療用デバイス500の別の実施形態である。例えば、デバイス500は、少なくとも、センサからの電子信号に基づいて、孔の深度測定値を視覚的に提供するための無線ディスプレイまたはコンピューティングデバイス600を伴う、電子信号を含む情報を無線で通信かつ交換するように構成される、無線送信機556を含んでもよい。別個のディスプレイまたはコンピューティングデバイス600は、限定ではないが、無線送信機556と無線で通信するように構成される、モニタまたはパネルディスプレイ、PC、ノートブック、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、または他のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0081】
ネットワークは、データを搬送する任意のネットワークであってもよい。ネットワークとして使用され得る好適なネットワークの非限定的な実施例は、WiFi無線データ通信技術、インターネット、プライベートネットワーク、仮想プライベートネットワーク(VPN)、公衆交換電話網(PSTN)、サービス総合デジタル網(ISDN)、デジタル加入者リンクネットワーク(DSL)、種々の第二世代(2G)、第三世代(3G)、第四世代(4G)のセルラーベースのデータ通信技術、Bluetooth(登録商標)無線、近距離無線通信(NFC)、IEEE 802.11伝送プロトコル規格の最新公開版、データおよびその組み合わせを搬送することが可能である他のネットワークを含んでもよい。
【0082】
さらに、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス600は、孔測定値の記録を維持し、および/または複数の孔が特定のプレートまたはインプラントにマッピングされ得、各孔の深度(プレートまたはインプラントの厚さを含む)が記録のために含まれ、記憶され得る双方向ユーザインターフェース(GUI)を提供するように指示され得る、具体的なソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。
【0083】
図16および17は、付加的な骨探査および深度測定において、エネルギー放出(図16)および感知能力(図17)等の付加的な特徴を提供するように、本開示の医療用デバイスの他の医療用デバイスとの互換性を図示する。例えば、いくつかの実施形態では、骨プローブシャフト110、210は、導電材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)を含んでもよく、骨プローブシャフト110、210の一部は、デバイスハンドルの一部に沿って暴露される、または別様にアクセス可能であってもよい。特に、デバイスハンドルは、ハンドルの内部へのアクセスを提供する、特に、骨プローブシャフトの暴露部へのアクセスを提供する、開口、窓、または同等物の形態であり得るアクセス領域158を含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、別個のデバイス700、800からの電流は、アクセス領域158を介して骨プローブシャフトに供給されてもよい(例えば、電気焼灼デバイス700の作用先端702を、骨プローブシャフト110、210と接触させるようにアクセス領域158の中に摺動させる)。故に、伝導性材料から作製された結果として、骨プローブシャフト110、210は、次いで、それに印加された電流の結果として、所望される標的(例えば、骨の孔の内部表面)にエネルギーを送達するために使用され得る、電流を遠位プローブ先端に搬送してもよい。同様に、遠位プローブ先端が、本質的には、神経感知/刺激デバイスへの延長部として作用し、骨の中の神経を感知/刺激するために使用され得るように、別個の神経感知/刺激デバイス800(図17に示される)が、アクセス領域を介して伝導性骨プローブシャフトに結合され(すなわち、デバイス800の作用先端802をアクセス領域158の中に摺動させ)てもよい。別個の感知/神経刺激デバイス、すなわち、システム800は、例えば、既存の資本設備またはハンドヘルドバッテリ給電式神経監視デバイスを含んでもよい。
【0084】
図18は、デバイス本体102の近位、すなわち、第2の端部106上に提供されるポート160を有する、医療用デバイス100の斜視図である。ポート160は、神経感知/神経刺激デバイス800から対応する入力コネクタを受容するように構成される。ポート160(以下において「神経監視ポート160」と称される)は、骨プローブシャフト110、210に結合され、入力コネクタの神経監視ポート160の中への挿入に応じて、神経感知/神経刺激デバイス700から骨プローブ108、208に電気経路を提供するように構成される。前述で説明されたように、骨プローブシャフト110、210は、導電材料(例えば、ステンレス鋼、ニチノール、またはアルミニウム等の金属)を含んでもよく、したがって、電気信号を搬送してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、神経感知/神経刺激デバイス800からの電子信号は、神経監視ポート160を介して骨プローブシャフト110、210に供給されてもよい。故に、伝導性材料から作製された結果として、骨プローブシャフト110、210は、次いで、骨プローブ108、208が穿孔された孔の中に直接設置されるときか、または骨プローブ108、208が穿孔された孔の中に設置されたねじと接触するときかのいずれか一方で、骨の中に穿孔された孔に隣接するまたはそれに近接近している神経を感知/刺激するために使用され得る、遠位プローブ先端114、214に電気信号を搬送してもよい。
【0085】
図19は、部分断面図において、神経感知/神経刺激デバイスへのおよびそれからの電気信号を搬送するための骨プローブシャフト110の構成を図示する、図18の医療用デバイス100の側面図である。骨プローブシャフト210はまた、神経感知/神経刺激デバイスと互換性があり、本明細書に説明される骨プローブシャフト110に類似する様式で機能し得ることに留意されたい。電気コネクタの神経監視ポート160の中への挿入に応じて、ある経路が、神経感知/神経刺激デバイス700と骨プローブ108との間に提供される。骨プローブシャフト108は、概して、神経感知/刺激デバイス800によって提供される電気信号の伝導を可能にするように構成される軟質なコイル部162を含む一方、シャフト110は、特に、穿孔された孔134の深度を測定するとき、完全に後退され、かつ完全に延在された位置とその間の中間の位置との間で移動する。いくつかの実施形態では、骨プローブ108の遠位端112の一部、特に、デバイス本体102の外側に延在可能であるシャフト110の暴露される部分は、絶縁材料164を含む一方、遠位探査センタ114は、絶縁材料を含まない。
【0086】
図20A、20B、および20Cは、神経監視能力に関する、骨プローブ108から脊椎における孔内に位置付けられるねじへの信号の伝送を図示する。図20Aに示されるように、神経感知/神経刺激デバイス700を医療用デバイス100に結合させる(例えば、電気コネクタを神経監視ポート160の中に挿入する)ことに応じて、外科医は、神経監視手技を開始し、穿孔された孔およびねじに隣接する、またはその危険な近接範囲内に任意の重要な神経構造が存在するかどうかを決定することができる。特に、外科医は、ねじの設置に先立って、穿孔された孔内に骨プローブ108を直接設置することによって、遠位探査先端114が、孔の内部と直接接触するように設置され、神経感知/神経刺激デバイス800から骨組織に電気信号を伝送し得、その後、次いで、処理のために神経感知/神経刺激デバイス700に戻すように搬送されることになる応答信号を受信するであろう神経監視手技を実施することができる。別の方法では、図20A、20B、および20Cに示されるように、外科医は、いったんねじがすでに定位置に存在する(例えば、すでに穿孔された孔内に嵌合される)と、遠位探査先端114を、ひいては、導管として作用し、電気信号を遠位探査先端114および神経感知/神経刺激デバイス900に、かつそれから搬送するであろうねじと直接接触するように設置することによって、神経監視手技を実施している。
【0087】
故に、本開示と一貫した医療用デバイスは、ねじ孔経路をより正確かつ安全に測定するように設計される、スリーインワンの単回使用デバイスである。例えば、骨プローブの探査先端は、ユーザ(例えば、外科医)に、外科医が骨内の安全な経路を確認することを補助するための優れた触覚フィードバックを提供する。電子測定/デジタル感知は、ねじ経路に関してより正確な深度測定を提供するように設計される。神経監視特徴は、経路および/またはねじを刺激し、ねじが任意の重要な神経構造から離れて安全に位置付けられることを確実にするために使用される。全体的に、本開示の医療用デバイスは、骨ねじ、特に、脊椎固定術手術の間の椎弓根ねじを設置するとき、それによって、脊椎手術の合併症を最小限にさせ、医療費全体を低減させる、外科医のためのより迅速、より安全、より正確、かつユーザにやさしい解決策である。
【0088】
図21は、本開示の医療用デバイスとの併用のための角度ガイド900を図示する。いくつかの事例では、孔は、ある角度で骨の中に穿孔されてもよい。故に、角度ガイドは、孔を検査し、さらに、孔の底部を位置特定し、深度測定を実行するように試みるとき、本デバイスを位置付ける正しい角度に関する視覚ガイドを外科医に提供することにおいて有用であり得る。
【0089】
本明細書全体を通して、「一実施形態」または「ある実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも、一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の場所における語句「一実施形態では」または「ある実施形態では」の表出は、必ずしも、同一の実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられてもよい。
【0090】
本明細書で採用される用語および表現は、限定ではなく、説明の観点において使用され、そのような用語および表現の使用において、図示および説明される特徴(またはその一部)のいかなる均等物も除外することを意図するものではなく、種々の修正が、請求項の範囲内で可能性として考えられることが認識される。故に、請求項は、全てのそのような均等物を網羅するものと意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21