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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】焚き火台
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20220523BHJP
   F24B 15/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A47J37/07
F24B15/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020081754
(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公開番号】P2021176355
(43)【公開日】2021-11-11
【審査請求日】2021-05-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2020年(令和2年)2月29日「朝日新聞」において公開
(73)【特許権者】
【識別番号】592230438
【氏名又は名称】株式会社ホンマ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】本間 榮作
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3192184(JP,U)
【文献】中国実用新案第202341817(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106821038(CN,A)
【文献】中国実用新案第203693386(CN,U)
【文献】特開2003-88476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/07
F24B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焚き火をする際に使用する焚き火台であって、左右側板とこの左右側板の所定高さ位置に架設される底板とで構成され、この底板の左右外側縁は前記左右側板と枢着されており、さらに前記底板は2枚の板体を内縁において枢着した構成であり、また前記左右側板は下側が脚として構成され、また前記左右側板の前側間及び後側間にはそれぞれ前後板が着脱自在に設けられ、さらにこの前後板はそれぞれ前側及び後側に傾動可能に構成されており、前記前後板を除いた状態において、前記底板を構成する前記2枚の板体にそれぞれ前記除いた前後板を積層し、この2枚の板体の内縁で前記底板を上方に折曲して前記左右側板同士を当接もしくは近接させた際、前記左右側板間に前記底板を構成する2枚の板体及び積層した前記前後板が前記左右側板内に配されるように前記左右側板、前記底板及び前記底板の前記左右側板への架設位置並びに前記前後板の大きさが設定されていることを特徴とする焚き火台。
【請求項2】
請求項1記載の焚き火台において、前記左右側板の上部間に架設される焼き網及び鉄板を具備することを特徴とする焚き火台。
【請求項3】
請求項1、2いずれか1項記載の焚き火台において、前記底板を構成する2枚の板体それぞれには焚き木を載置する焚き木載置体が設けられていることを特徴とする焚き火台。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項記載の焚き火台において、前記前後板それぞれの左右側部上側及び下側には係止部が設けられ、前記左右側板の前後縁と前記係止部との係合により前記前後板は前記前後縁に対し着脱自在かつ前側及び後側に傾動可能に設けられていることを特徴とする焚き火台。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項記載の焚き火台において、前記底板は前記左右側板のほぼ中間の高さ位置に設けられていることを特徴とする焚き火台。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項記載の焚き火台において、前記左右側板の表面は平坦面であることを特徴とする焚き火台。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項記載の焚き火台において、前記左右側板の下側に手が挿入できる程度の大きさの孔が設けられていることを特徴とする焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚き火をする際に使用する焚き火台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から野外で焚き火をするための折り畳み式焚き火台として、例えば特許文献1に示す焚き火台(以下、「従来例」という。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3192184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例は折り畳み可能であり、確かに持ち運びに便利ではあるが、持ち運ぶために小さくすれば良いという発想しかなく、持ち運び安さ、使用後水洗いして持ち運ぶ場合、水滴で手が濡れたりしないようにするなどの工夫がなされていない。
【0005】
本発明は上記の問題を解決したもので、従来例よりは一歩進んで、円滑良好な運搬を可能にしたいという意識、発想のもとで生まれたこれまでにない折り畳み式携帯用の焚き火台を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
焚き火をする際に使用する焚き火台であって、左右側板1、2とこの左右側板1、2の所定高さ位置に架設される底板3とで構成され、この底板3の左右外側縁は前記左右側板1、2と枢着されており、さらに前記底板3は2枚の板体を内縁において枢着した構成であり、また前記左右側板1、2は下側が脚として構成され、また前記左右側板1、2の前側間及び後側間にはそれぞれ前後板4、5が着脱自在に設けられ、さらにこの前後板4、5はそれぞれ前側及び後側に傾動可能に構成されており、前記前後板4、5を除いた状態において、前記底板3を構成する前記2枚の板体にそれぞれ前記除いた前後板4、5を積層し、この2枚の板体の内縁で前記底板3を上方に折曲して前記左右側板1、2同士を当接もしくは近接させた際、前記左右側板1、2間に前記底板3を構成する2枚の板体及び積層した前記前後板4、5が前記左右側板1、2内に配されるように前記左右側板1、2、前記底板3及び前記底板3の前記左右側板1、2への架設位置並びに前記前後板4、5の大きさが設定されていることを特徴とする焚き火台に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の焚き火台において、前記左右側板1、2の上部間に架設される焼き網及び鉄板7を具備することを特徴とする焚き火台に係るものである。
【0009】
また、請求項1、2いずれか1項記載の焚き火台において、前記底板3を構成する2枚の板体それぞれには焚き木8を載置する焚き木載置体9が設けられていることを特徴とする焚き火台に係るものである。
【0010】
また、請求項1~3いずれか1項記載の焚き火台において、前記前後板4、5それぞれの左右側部上側及び下側には係止部10が設けられ、前記左右側板1、2の前後縁11と前記係止部10との係合により前記前後板4、5は前記前後縁11に対し着脱自在かつ前側及び後側に傾動可能に設けられていることを特徴とする焚き火台に係るものである。
【0011】
また、請求項1~4いずれか1項記載の焚き火台において、前記底板3は前記左右側板1、2のほぼ中間の高さ位置に設けられていることを特徴とする焚き火台に係るものである。
【0012】
また、請求項1~5いずれか1項記載の焚き火台において、前記左右側板1、2の表面は平坦面であることを特徴とする焚き火台に係るものである。
【0013】
また、請求項1~6いずれか1項記載の焚き火台において、前記左右側板1、2の下側に手が挿入できる程度の大きさの孔12が設けられていることを特徴とする焚き火台に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、極めて円滑良好に運搬できる秀れた焚き火台となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例の斜視図である。
図2】本実施例の平面図である。
図3】本実施例の図2におけるA-A指示線断面である。
図4】本実施例の底側から見た斜視図である。
図5】本実施例を折り畳んだ状態の斜視図である。
図6】本実施例の折り畳み途中の説明図である。
図7】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
図8】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
図9】本実施例の一部を切り欠いた使用状態を示す斜視図である。
図10】別例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
起立している左右側板1、2間に前後板4、5を設け、底板3上に焚き木8を置き、焚き木8を燃焼させる。
【0018】
焚き木8が長いときは適宜、前後板4、5をそれぞれ前側及び後側に開き傾動させる。
【0019】
焚き火を終了したら、前後板4、5を左右側板1、2から外し、底板3を構成する2枚の板体上に積層し、底板3を構成する2枚の板体の内縁で上方に折曲しながら左右側板1、2を左右から内方へ押圧し、左右側板1、2を当接させると、左右側板1、2間に底板3を構成する2枚の板体及び前後板4、5が収納された状態となる。
【実施例
【0020】
本発明の具体的な実施例について図1図9に基づいて説明する。
【0021】
本実施例は、焚き火をする際に使用する焚き火台であって、左右側板1、2とこの左右側板1、2の所定高さ位置に架設される底板3とで構成され、この底板3の左右外側縁は前記左右側板1、2と枢着されており、さらに前記底板3は2枚の板体を内縁において枢着した構成であり、また前記左右側板1、2は下側が脚として構成され、また前記左右側板1、2の前側間及び後側間にはそれぞれ前後板4、5が着脱自在に設けられ、さらにこの前後板4、5はそれぞれ前側及び後側に傾動可能に構成されており、前記前後板4、5を除いた状態において、前記底板3を構成する前記2枚の板体にそれぞれ前記除いた前後板4、5を積層し、この2枚の板体の内縁で前記底板3を上方に折曲して前記左右側板1、2同士を当接もしくは近接させた際、前記左右側板1、2間に前記底板3を構成する2枚の板体及び前記積層した前後板4、5が前記左右側板1、2内に配されるように前記左右側板1、2、前記底板3及び前記底板3の前記左右側板1、2への架設位置並びに前記前後板4、5の大きさが設定されている焚き火台である。
【0022】
以下に各部の構成を詳述する。各部はすべてプレスで形成された金属板である。
左右側板1、2はそれぞれ長方形状の板であり、下端が接地部(脚)として構成されている。
【0023】
また、左右側板1、2の外面は凹凸、起伏などが全くない平坦面に形成されている。
【0024】
また、上面には段部13が形成され、この段部13は段部13間に前記鉄板7や焼き網を架設固定する場合に使用される(図9参照)。
【0025】
さらにこの左右側板1、2の前後には前後縁11として折曲して形成した折曲片が設けられ、この折曲片の上下位置にはスリット14が形成されている。
【0026】
また、この左右側板1、2のほぼ中間高さ位置には底板3が水平に架設されている。この底板3は2枚の板体を内縁で重ね、枢着したものであり、この枢着部により上方へのみ折曲可能となるように構成されている。
【0027】
また、この2枚の板体は左右外側縁が左右側板1、2と枢着されている。
【0028】
また、底板3の2つの板体にはそれぞれ焚き木8を載置する孔付き焚き木載置体9が載置されている。符号6は通気孔である。なお、焚き木載置体9は、その左右外側縁が底板3に枢着しても良い。
【0029】
また、底板3上の前側及び後側には前後板4、5が立設され、左右側板1、2とで4面を囲んだ空間が形成される。
【0030】
この前後板4、5はそれぞれ左右側部上側には係止部10としての鉤部が内方に向けて突設されており、また、左右側部下側には同じく係止部10としての切り欠き15が設けられ、鉤部を前記スリット14に係止し、さらに、前記前後縁11に前記切り欠き15を係止することで左右側板1、2の前後に前後板4、5を設ける。このスリット14は所定の長さに設計され、さらに下側は前後縁11と切り欠き15との係止のため、前後板4、5を少し上方に持ち上げ、上側の鉤部とスリット14の係止のみを外せば、前後板4、5はそれぞれ前側及び後側に傾動可能となる。なお、前後板4、5を上方に持ち上げ、前記前後縁11から離脱させることで、前記前後板4、5は外れる。
【0031】
また、本実施例の場合、前記前後板4、5を左右側板1、2から外し、前記底板3を構成する前記2枚の板体上の焚き木載置体9にそれぞれに前記外した前後板4、5を積層し、この2枚の板体の内縁で前記底板3を上方に折曲して前記左右側板1、2同士を左右から内方へ押圧し両者を当接させた場合、前記左右側板1、2間に前記底板3を構成する2枚の板体及び前記前後板4、5が前記左右側板1、2内に完全に(外に飛び出たりせず)配されるように、前記左右側板1、2、前記底板3及び前記底板3の前記左右側板1、2への架設位置並びに前記前後板4、5の大きさが設定されている。
【0032】
本実施例は上述のように構成したから次のような作用効果を有する。
【0033】
野外で焚き火をする場合、左右側板1、2を起立状態で下端を接地させ、さらに前後板4、5を設け、底板3に焚き木載置体9を載置し、この焚き木載置体9上に焚き木8を置き、焚き木8を燃焼させることで焚き火を安全に行うことができる。
【0034】
焚き木8が長いときは適宜、前後板4、5をそれぞれ前側及び後側に開き傾動させればよく(最大でほぼ180度傾動し、底板3と平らになる。)、非常に使い勝手よい焚き火台となる。
【0035】
また、焚き火を終了したら、前後板4、5を左右側板1、2から外し、底板3を構成する2枚の板体上の焚き木載置体9に、外した前後板4、5を積層し、底板3を構成する2枚の板体の内縁で上方に折曲しながら左右側板1、2を左右から内方へ押圧し、左右側板1、2同士を当接させると、左右側板1、2間に底板3を構成する2枚の板体、前後板4、5が外に飛び出たりせず完全に収納され、さらに左右側板1、2の表面は何ら凹凸や起伏のない平坦面であるからまるでカバンのようになり持ち運びやすい形態となり、極めて便利な折り畳み式の携帯用焚き火台となる。
【0036】
さらに、本実施例の焚き火台は、焼き網、鉄板7を具備しているからバーベキューコンロとしても使用することができ、それだけ便利なものとなる。
【0037】
また、焚き木載置体9は、取り外し可能であるから、掃除などの際、便利となる。
【0038】
図10は別例であり、左右側板1、2の下側に手が挿入できる程度の大きさの孔12が設けられたものであり、左右側板1、2の下端が接地した状態において、この孔12に手を挿入することで持ち運びが楽になり、また、折り畳んだ状態においては、この孔12が上方に位置するようにし、孔12手を挿入することで、カバンのようにして持ち運ぶことができ、洗浄後の水滴れなどを気にしなくてよく、それだけ円滑良好な運搬が可能となる。
【0039】
その余は前記実施例と同様である。
【0040】
尚、本発明は、上記実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0041】
1 左側板
2 右側板
3 底板
4 前板
5 後板
7 鉄板
8 焚き火
9 焚き木載置体
10 係止部
11 前後縁
12 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10