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特許7076834三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法およびこの方法で製造されるモノリシックカラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法およびこの方法で製造されるモノリシックカラム
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/281 20060101AFI20220523BHJP
   B01J 20/285 20060101ALI20220523BHJP
   B01J 20/30 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B01J20/281 G
B01J20/285
B01J20/281 X
B01J20/30
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020139865
(22)【出願日】2020-08-21
(62)【分割の表示】P 2018114132の分割
【原出願日】2018-06-15
(65)【公開番号】P2021003696
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2020-08-21
(31)【優先権主張番号】106128012
(32)【優先日】2017-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】107105579
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518213374
【氏名又は名称】台灣創新材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】廖晨宏
(72)【発明者】
【氏名】郭育丞
(72)【発明者】
【氏名】成育
(72)【発明者】
【氏名】楊適弘
【審査官】小澤 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-145636(JP,A)
【文献】特許第3317749(JP,B2)
【文献】特開平02-290552(JP,A)
【文献】特開平04-187237(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105525343(CN,A)
【文献】特表2002-527335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0066640(US,A1)
【文献】特表2011-528808(JP,A)
【文献】STEIN, A. et al.,Design and functionality of colloidal-crystal-templated materials - chemical applications of inverse,Chem. Soc. Rev.,2013年,Vol.42,p.2763-2803
【文献】LEE, S. et al.,Rapid on-chip integration of opal films and photonic gel sensor array via directed enhanced water evaporation for colloidal assembly,Sensors and Actuators B,2016年,Vol.231,p.256-264
【文献】HE, H. et al.,Three-Dimensionally Ordered Macroporous Polymeric Materials by Colloidal Crystal Templating for Reve,Adv. Funct. Mater.,2013年,Vol.23,p.4720-4728, S3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/281
B01J 20/282
B81B 7/00
B81C 99/00
B82Y 30/00
B82Y 40/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシックカラムであって、
約600nmのほぼ均一な直径を持つ、複数の規則的に配列した球状巨大孔と、
150nm以250nm以下のほぼ均一な直径を持つ、前記複数の巨大孔が繋がってできた連通孔と、を有しており、
前記巨大孔において、少なくとも95%が最密構造の形式で配列し、前記巨大孔の最長半径Rと最短半径rとの比(r/R)が0.96より小さい或いは等しく、
当該モノリシックカラムは、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル(PHEMA)からなり、少なくとも1cm以上の高さがあって、かつ、1を越えるアスペクト比を有している
ことを特徴とするモノリシックカラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は三次元規則多孔マイクロ構造(three-dimensional ordered porous microstructure)の製造方法に関する。また、本発明は上記の製造方法で製造される高い厚さを持つ三次元規則多孔マイクロ構造、特に高アスペクト比(high aspect ratio)を有するモノリシックカラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多孔体材料において、孔の直径が光波長に近ければ、また高度な配列秩序があれば、上記の多孔体材料は特殊で実用性の高い光学性質を有する可能性がある。光触媒、生物学的担体、吸着、濾過、絶縁、クロマトグラフィー分離、半導体およびマイクロセンシングなど多様な領域で応用できる。
【0003】
規則多孔マイクロ構造の基本構造は、一次元、二次元、また三次元の周期性配列媒質でできた一次元フォトニックエネルギーギャップは、あるウェーブバンドの光子を通させないため、高効率な反射を実現できる。また、二次元、三次元の周期性配列構造を持つ規則多孔マイクロ構造は、現時点で最も重視されている。
【0004】
現時点で、既に承知されている自己組立モードで製造する三次元規則多孔マイクロ構造は、主に均一な粒度のポリスチレン、ポリメチルメタクリレートまたはシリカなどの粒子を利用し、自然重力定着、遠心分離、真空吸引濾過、電気泳動析出などの方式で、粒子を基板で自己組立させ、三次元規則マイクロ構造(three-dimensional ordered microstructure)を形成させる。
【0005】
また、表面に三次元規則マイクロ構造を有する基板をテンプレートに、当テンプレートの上に無機シロキサンモノマーを加え、ゾルゲル反応でインバース構造を形成させる。最後に、焼成やエキストラクションなどの方式でテンプレートを取り除いたら、光子結晶性質を持つ三次元規則多孔マイクロ構造を生成できる。上記の製造過程はコロイド結晶テンプレートと呼ばれる作法で、既にアメリカ特許第6414043号また中国特許公開104976925A1号にて公開されている。
【0006】
台湾特許第I558866号にて公開された三次元規則マイクロ構造を製造する方法は、成形電界を利用して粒子の自己組立をさせ、六方最密構造の粒子構造を形成する。PCT公開WO2017080496A1号に公開された方法は、粒子の自己組立をさせ、基板で最密構造の三次元規則マイクロ構造を形成する。また、三次元規則マイクロ構造と基板の間に犠牲層を形成することで、三次元規則多孔マイクロ構造が基板を遊離する時に構造の完全性を維持させることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】アメリカ 特許第6414043号
【文献】中国特許公開104976925A1号
【文献】台湾特許第I558866号
【文献】PCT公開WO2017080496A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の技術は既に大面積の三次元規則多孔マイクロ構造を製造することに成功したが、上記の多孔体の厚みが需要に満足することが難しい。三次元規則マイクロ構造を製造する過程において、少なとも一部の粒子を最密構造の形で配列する。その中に、各粒子と隣接する12個の粒子に正切する。上記の粒子がハードスフィアの場合に、隣接の粒子の間の接触は論理的に一点しかない。なお、使用する粒子の直径が完全に均一な訳ではないゆえ、隣接の粒子の間に完全に接触しないこともあり得る。
【0009】
三次元規則マイクロ構造の厚みの増加に従って、粒子の間の接触面積の不足は構造強度の低下を引き起こすことになる。特に、三次元規則マイクロ構造をテンプレートとしてインバース構造を製造する前に、加熱処理で溶剤を取り除くことが普通の流れである。この加熱処理において、加熱で直ぐ揮発する溶剤は元々脆弱なテンプレートを破壊し、亀裂を引き起こすことで、インバース構造の良品率を更に低下させることになる。
【0010】
論理上、高アスペクト比を有する三次元規則多孔マイクロ構造は、その整然とした内部フレームネットワークと規則性孔構造を以て、モノリシックカラムとして扱い、物質のクロマトグラフィー分離に使える。しかし、現時点で製造に時間がかかるし、量産の規模に程遠い上、完成したテンプレート構造に粒子配列が集中しないとの現象は普遍的に存在する。従って、後続で完成した三次元規則多孔マイクロ構造製品の連続性が悪くなって、そのアスペクト比も制限される。
【0011】
その他、現在のコロイド結晶テンプレート法は、ハードスフィアを使用しているため、テンプレートの中の隣接する粒子の接触面積が小さい。したがって、製造したインバース構造の巨大孔の間の連通孔は小さくなって、モノリシックカラムの物質移動率低下による背圧が高すぎるとの問題を引き起こす。コロイド結晶テンプレート法で製造されるモノリシックカラムは、時間の長い、効率の低いテンプレート取り除きとのプログラムがあって、全ての問題はモノリシックカラム製造良品率とその商業応用潜在力を低下させたという。
故に、高い厚みを有する三次元規則マイクロ構造の製造、また、それをテンプレートとして製造する三次元規則多孔マイクロ構造に対して、業界は確実な需要を抱いている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の発明者は意外に、コロイド結晶テンプレート法で三次元規則マイクロ構造を製造する過程において、粒子が自己組立を完成した後、粒子に変形を引き起こさせることを発見した。例えば、加熱、加圧、溶解で粒子を変形させること。これで粒子を変形させるプログラムは、規則性配列する粒子の間の接触を有効に増加できた上、三次元規則マイクロ構造を通して懸濁した粒子を取り除くための溶剤を取り除くことが可能である。
【0013】
また、加熱後すぐ揮発する溶剤は三次元規則マイクロ構造に実質的破壊をもたらすことはない。最も重要なのは、上記の三次元規則マイクロ構造をテンプレートとして製造するモノリシックカラムは、その内部の連通孔は一般的作法で作った連通孔と比べてより大きい直径に、高い物質移動効率や低いコラム背圧などのメリットがある。ここで、本発明は現有技術における上記の難題を克服したと言える。
【0014】
三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法、その特徴は、以下のステップA、B、CおよびDを含む。A:複数の実質的に球状の粒子で構成する三次元規則マイクロ構造を形成し、また上記の複数の球状粒子の間に複数の隙間が存在すること。B:三次元規則マイクロ構造の実質的に球状の粒子を変形させ、また上記の粒子の変形による最長半径Rと最短半径rに基づき、r/Rの比を√3/2から1まで維持すること。C:インバース構造材料を上記の隙間に埋め込み、およびD:上記の三次元規則マイクロ構造を取除き、上記の三次元規則多孔マイクロ構造を獲得すること。
【0015】
ある優れた実施例において、ステップBは上記の三次元規則マイクロ構造を加熱し、上記の複数の粒子を軟化し、変形させた。ある優れた実施例において、その粒子はガラス転化温度がある。また、そのステップBは、上記のガラス転化温度より0~20℃の高い温度で、上記の三次元規則マイクロ構造を加熱した。ある優れた実施例において、その粒子にはガラス転化温度がある。
【0016】
また、そのステップBは、上記のガラス転化温度より1~15℃高い温度で、上記の三次元規則マイクロ構造を加熱した。ある優れた実施例において、加熱のステップは、上記のガラス転化温度より3~15℃低い温度で、上記の三次元規則マイクロ構造を加熱した。ある優れた実施例において、上記のガラス転化温度より3~10℃低い温度で、上記の三次元規則マイクロ構造を加熱した。
【0017】
ある優れた実施例において、そのステップBは、上記の三次元規則マイクロ構造に圧力をかけて、複数の粒子を押し合わせることで変形させた。
ある優れた実施例において、そのステップBは、上記の三次元規則マイクロ構造を上記の複数の粒子を溶解できる溶剤に浸させ、上記の複数の粒子を膨潤で変形させた。
【0018】
ある優れた実施例において、その粒子はシングルタイプポリマー(単独重合体また共重合体)でできた均質球体で、上記のガラス転化温度は粒子の全体ガラス転化温度である。ある優れた実施例において、その粒子はコア-シェル構造で、各粒子の核心および核心を覆う外殻を持った。また上記の核心と外殻は異なるポリマー材料でできている。上記のガラス転化温度は外殻のガラス転化温度である。
【0019】
ある優れた実施例において、上記の三次元規則マイクロ構造のステップは、複数の粒子を溶剤に懸濁状態に分散させた。また上記の複数の粒子が自動的に結合し、上記の三次元規則マイクロ構造を形成した。
【0020】
ある優れた実施例において、加熱のステップは、上記の三次元規則マイクロ構造を一定時間加熱し、上記の複数の粒子を軟化させ、上記の溶剤を取り除いた。
上記の技術特徴に基づき、上記の三次元規則マイクロ構造にて、少なくとも一部の粒子は最密構造の形式で配列されている。
【0021】
ある優れた実施例において、三次元規則マイクロ構造を取り除くステップは、フリーダムソックスレー抽出法また超臨界流体抽出法でできた方法で、上記の三次元規則マイクロ構造を取り除いた。
【0022】
上記の三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法は、高い厚みを有する三次元規則多孔マイクロ構造の製造に適用する。特に、高アスペクト比を有するモノリシックカラムの製造に適用する。なお、普通の製造法で製造するモノリシックカラムと比べて、本明細書に記載したモノリシックカラムは、アスペクト比が高い、気孔の規則性が高い、連通孔直径が大きいとの構造的特徴を有する。
【0023】
故に、本発明の第二は、上記の三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法で製造する一種のモノリシックカラムである。
本発明の協力メーカーも、一種のモノリシックカラムを提供する。その特徴は、以下の内容を含む。複数の規則的に配列する球状巨大孔、100ナノメートル以上6ミクロン以下の平均直径を有する。複数の巨大孔が繋がってできた連通孔、10ナノメートル以上3ミクロン以下の平均直径を有する。なお、上記の巨大孔において、少なくとも70%が最密構造の形式で配列され、上記の巨大孔の最長半径Rと最短半径rに基づき、r/Rの比が0.99より小さい或いは等しい。
【0024】
ある優れた実施例において、その巨大孔の80%以上が最密構造の形式で配列された。ある優れた実施例において、その巨大孔の90%以上が最密構造の形式で配列された。ある優れた実施例において、その巨大孔の95%以上が最密構造の形式で配列された。
【0025】
ある優れた実施例において、そのr/Rの比が0.98より小さい或いは等しい。ある優れた実施例において、そのr/Rの比が0.96より小さい或いは等しい。ある優れた実施例において、そのr/Rの比が0.94より小さい或いは等しい。
【0026】
ある優れた実施例において、モノリシックカラムは少なくとも1cm以上の高度と、1以上の高アスペクト比(high aspect ratio)を有する。
【0027】
本発明の目的、特徴、メリットは実施例と図案に基づいて、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明のある実施実例のプログラム図である。
図2】加熱・軟化されていないポリスチレン粒子の電子顕微鏡写真である。
図3】加熱・軟化され変形が始まったポリスチレン粒子の電子顕微鏡写真である。
図4】ポリスチレン粒子の長時間の加熱で変形した後の電子顕微鏡写真である。
図5】本発明に基づく別の実施例において、製造した三次元規則マイクロ構造の電子顕微鏡写真である。
図6】本発明に基づくフリーダムソックスレー抽出法また超臨界流体抽出法で三次元規則マイクロ構造を取り除いて製造した三次元規則多孔マイクロ構造の断面の電子顕微鏡写真である。
図7】普通の浸漬法で三次元規則マイクロ構造を取り除いて、三次元規則多孔マイクロ構造を製造した電子顕微鏡写真である。
図8】本発明に基づくもう一つの実施実例において、製造した三次元規則多孔マイクロ構造の電子顕微鏡写真である。
図9】本発明に基づくもう一つの実施例において、製造した三次元規則マイクロ構造の断面の電子顕微鏡写真である。
図10】一つの比較実例に基づく製造した三次元規則マイクロ構造の断面の電子顕微鏡写真である。
図11】もう一つの比較例に基づく製造した三次元規則マイクロ構造の断面の電子顕微鏡写真である。
図12】もう一つの比較例に基づく製造した三次元規則マイクロ構造の断面の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0029】
明細書と特許請求の範囲に用いる下記用語は、以下のように定義される。ここに注意することは、本明細書と特許請求の範囲に用いる単数用語"一つ"につき、その旨は一つ及び一つ以上の記載事項を含むことにある。たとえば:少なくともの一つ、少なくともの二個、または少なくともの三個などで、ただ単一の記載事項だけ意味するためはない。また、特許請求の範囲に用いる"含める"、"有する"等のオープン的な用語は特許請求の範囲に記載された部品または成分の組み合わせ、特許請求の範囲に記載されていない他の部品又は成分を除外しないことを表わす。用語"または"につき、普通の意味合いに"及び/又は"をも含むことに注意されたい。内容に別途明らかな解釈がある以外、本明細書と特許請求の範囲に用いる用語"約"または"実際に"につき、すべてのささやかな変化可能な誤差を修飾することであるが、そのささやかな変化自身により本質を変えることはない。
【0030】
本発明は主に三次元規則多孔マイクロ構造(three-dimensional ordered porous microstructure)の製造方法を提供する。それは十分な厚さのある三次元規則多孔マイクロ構造(three-dimensional ordered microstructure)の製作に適用する。特に、高アスペクト比(high aspect ratio)のある柱全体の製作に十分適用する。
【0031】
図1に示めされたように、関わる三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法に、 A:複数の実質的に球状の粒子から構成された三次元規則マイクロ構造を形成し、関わる複数の粒子間に複数の隙間がある。B:関わる三次元規則多孔マイクロ構造の実質的に球状の粒子を形変させ、関わる粒子に形変をさせて、最長半径Rと最短半径rを持つようにする。其の中、r/Rの比率は√3/2より大きくなるが、1より小さい、C:インバース構造材料を関わる隙間に入れる。及びD:関わる三次元規則マイクロ構造を取除き、関わる三次元規則多孔マイクロ構造を獲得することを含む。
【0032】
関わる三次元規則マイクロ構造は粒子を三次元規則化配列により得られたマイクロ構造である。"規則化"とは粒子間の距離は法則化を呈し、最適化選出案として、粒子間の距離をほぼ同じようにする。そのマイクロ構造を構成する粒子は普通、均一の粒径、形状、化学構成、内部構造または表面性質を持ち、粒子間での共有原子価交互作用の発生に役立ち、自発的に結晶の格子に類似する規則化構造に配列する。
【0033】
一つの最適化選出案の実施例に、その粒子は粒径均一の単一分散性実質球状顆粒である。更なる最適化選出案として、粒径が1ナノメートルから1000ミクロンまでの顆粒にする。例えば:100ナノメートルから6ミクロンまで。
【0034】
関わる三次元規則マイクロ構造に、少なくとも一部分の粒子は最密積み重ねの形式で配列されている。即ち、隣接する粒子は互いに表面の接触をし、いかなる三つの互いに表面が接触する粒子の球心を一つの等辺三角形を形成し、粒子ごとの配位数はみな12となるが、粒子と粒子の間に複数の三角形に近似する隙間が残される。
【0035】
更なる最適化選出案として、関わる三次元規則マイクロ構造に、すくなくとも一部分の顆粒は三次元六角最密積み重ね、三次元面心立方積み重ね、またはそれらの組み合わせの形で配列されている。上記三次元規則マイクロ構造をテンプレートとして製作したインバース構造に関わる三次元規則多孔マイクロ構造である。
【0036】
関わる三次元規則マイクロ構造は粒子のセルフ組み立てを経て形成される。本発明に使用する"セルフ組み立て"という用語はミクロンまたはナノメートルレベルの粒子が外部の環境状況に応じて、一つの三次元規則マイクロ構造に集まることを指す。特にそれらの粒子間に発生した凡徳瓦力、π-π相互作用、水素結合等の非共有原子価交互作用を指す。熱力学平衡に近い条件で、自発的に関わる三次元規則マイクロ構造を形成する。
【0037】
それらの粒子を作る材料の非制限的表示例に、高分子材料、無機材料、金属等を含む。高分子材料を熱像性高分子材料に最適化選出をする高分子材料の例に、高分子ホモポリマーを含むが、それに限らない。例えば、ポリスチレン (PS)、ポリメチルアクリル酸メチルポリタン (PMMA)、ポリメチルアクリル酸ディンタン (PBMA)、ポリアクリル酸メチルポリタン、ポリアクリル酸乙エステル (PEA)、ポリアクリル酸ディンタン (PBA)、ポリメチルアクリル酸ベンゼンメチルポリタン、ポリα-メチルスチレン、ポリメチルアクリル酸ベンゼンエステル、ポリメチルアクリル酸ジフェニルエステルとポリメチルアクリル酸ヘキサメチレンエステル; 及び高分子共重合物、例えば:スチレン-アクリニトリル共重合物、スチレン-メチルアクリル酸メチルポリタン共重合物、スチレン-メチルアクリル酸ディンタン共重合物とスチレン-アクリル酸ディンタン共重合物がある。無機材料の例に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化錫、酸化タリウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化イージー、酸化ジルコニア、酸化銅、酸化ニッケル、酸化シリコンがある。金属材料の例に、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、亜鉛、セリウム、タリウム、バリウム、イージー、ジルコニア、錫、チタン、カドミウムと鉄、及びそれらの合金を含むが、それらに限らない。
【0038】
一つの最適化選出案の実施例に、使いる粒子は高分子材料より製作されるため、更なる最適化選出案として、使いる粒子はスチレン単体、メチルアクリル酸エステル類単体とアクリル酸エステル類単体の重合から選び、ホモポリマーまたは共重合物より製作されたためある。もう一つの最適化選出案の実際実施例に、使いる粒子は単一類型高分子ホモポリマー又は共重合物によるできた均質球体である。もう一つの最適化選出案の実際実施例に、使いる粒子は核殻構造 (core-shell architecture)を有する。
【0039】
本発明に言う"核殻構造"とは、諸粒子に核の芯、及び核の芯の外に被覆する殻を有する。関わる核の芯と殻はそれぞれ異なる高分子材料より製作される。上記ミクロン又はナノメートルレベル粒子の製造方法は現有技術である。例を挙げると、使い得る粒子はポリスチレン顆粒である場合、ノー乳化剤の乳化重合法で合成して、粒径が数百ナノメートルであるポリスチレン球状顆粒を製作できる。核殻構造を有する粒子を形成する希望がある場合、同じようにノー乳化剤の乳化重合法を採用して、先ず、第一種単体をしばらく重合反応をさせて、核の芯を形成する。それから、第二種単体を入れて、第一種と第二種単体から構成した共重合物の殻を形成する。
【0040】
三次元規則マイクロ構造を形成するステップAに、先ず浮遊状態液を調製する。其の中に複数のむらなく分散したコロイド球状粒子が含まれている。例を挙げると、使いる粒子はポリスチレンホモポリマー又は共重合物顆粒である場合、粒子をむらなく溶剤に分散させて、浮遊状態液を形成する。適用する溶剤は上記むらなく分散した粒子の目的を実現でき、粒子又は製造過程における他の成分と実質化学反応を生じないいかなる既知溶剤、それは有機溶液又は水溶液であってもいい。水とC1-6アルコール類を含むが、そに限らない。最適化選出案として、水及びメチル・アルコール、アルコールとそれらの水溶液である。自然重力による沈降、遠心、真空にする、又は電気泳動等の一種を利用して、粒子を動かし、セルフ組み立てをさせて、複数の粒子より、最密積み重ねを呈する三次元規則マイクロ構造を形成する。
【0041】
比を有する三次元規則マイクロ構造を形成する。それで、引き続いて関わる三次元規則マイクロ構造でテンプレートを作り、高アスペクト比を有する三次元規則多孔マイクロ構造を製作する。
【0042】
本発明の発明者は関わる三次元規則マイクロ構造に対して、一つの化学性又は物理性の処理をし、其の中にある粒子をひずみを生じさせた場合、三次元規則マイクロ構造の隣接粒子はひずみにより、互いの接触面積が増やされ、三次元規則マイクロ構造にわりあい密接な構造をもたらす現象を見つけた。本発明に使いる専門用語"ひずみ"は、すべての三次元規則マイクロ構造にある粒子形状を実質的に変化させる化学性又は物理性の処理を包含する。
【0043】
実質球状粒子を使いる実施例に、それらの粒子がひずみを発生する前の形は真の球に近いが、化学性又は物理性の処理を受けた後、ひずみが生じ、隣接の粒子と接触したため、最長半径Rと最短半径rを有した。其の中、r/Rの比は√3/2より大きいが、1より小さい。適用する処理工程に、粒子の材質によって選定される。それは加熱、加圧、溶解等を含むが、それに限らない。
【0044】
一つの最適化選出案の実際実施例に、ステップBには関わる三次元規則マイクロ構造の加熱、関わる複数の粒子の軟化によるひずみを含む。本発明に使いる用語"軟化"は、規則化配列の粒子を熱の作用により、ひずみが生じて、互いに粘着し合うことを指す。粒子の加熱、軟化は恒温オーブンにて行われ、電子顕微鏡の下で観察し、測量できる。
【0045】
図2は加熱、軟化をされていないポリスチレン球状粒子を示しているが、形は真の球に近い。図3は最密積み重ねの形で配列したポリスチレン粒子が加熱、軟化をされてから、ひずみが生じ始める現象を示す。その場合、諸粒子は隣接粒子との間の接触面積が増やされた。
【0046】
軟化した球状粒子を例とすると、その最短半径rと最長半径Rとの比は√3/2より大きいが、1より小さい。即ち、√3/2<r/R<1である。例えば、図3に示した粒子のr/R比は約0.94である。三次元規則マイクロ構造における隣接粒子間の接触面積の大きさは後続製作の三次元規則多孔マイクロ構造における巨大孔の間の連通孔のサイズと関連する。言い換えれば、r/Rの比が小さければ、本発明に製作した三次元規則多孔マイクロ構造における連通孔(connecting pore)は巨大孔のサイズに対する口径が大きくなるが、連通孔の口径は約2r/√3に等しい。
【0047】
一つの最適化選出案の実際実施例に、関わるr/Rは0.99より小さく、又はそれに等しい。最適化選出案として、0.98より小さい、又はそれに等しい。更なる最適化選出案として、0.96より小さい又はそれに等しい。例えば、0.94より小さい又はそれに等しい。非球状粒子、例えば、楕円形粒子について、そのr/R比も加熱と軟化によって、減少の傾向がある。図4はポリスチレン球状粒子が長時間に加熱され、変形して、諸粒子と隣接する6つの粒子とすっかり密着し、互いに隙間がなく、正六角形に近似する構造形を形成したが、その構造は逆構造のテンプレートとして使用できないことを示す。それで、本発明に、粒子軟化の程度は加熱の温度と/又は時間を調整することでコントロールをして、粒子間に適当の隙間を保留する。
【0048】
本分野の技術者がご存じのように、当本発明に使いるミクロン又はナノメートルレベル粒子は結晶材料で製作された場合、それは溶解点、熔解点以上の温度で熔けはじめる。本発明に使いるミクロン又はナノメートルレベル粒子は非結晶型材料(amorphous)で製作された場合、それはガラス転換温度を有する。
【0049】
本発明に使いる専門用語"ガラス転換温度"、又は"Tg"と略して書いた場合、意味として構成する粒子の材料は剛性と硬くて脆い特性の一つのガラス状態から、柔かくて曲がったゴム状態の温度に転換することである。ガラス転換温度はASTM-E1356によって、示差スキャン熱測量法で量る。
【0050】
既知の高分子材料のTgは他の単体の共重合、分枝の程度の変更、チェーンの長さに対する調整、相互連通の程度の調整、可塑剤の添加等の手段で変更できる。例を挙げると、市販のスチレンホモポリマー球体粒子のTgは約105℃である。下記実施例の1から6に示したように、異なる単体をスチレンと共重合をさせて、有効的にポリスチレン球体粒子のTgをダウンすることができる。
【0051】
現有技術では、既知で、球体粒子がTgの温度より高い場合、ゴム状態を呈して熔解、変形になる;Tgの温度より低い場合、硬質球体の形を呈する。それにより、加熱階段Bの一つの最適化選出案の実際実施例に、粒子はガラス転換温度に対して、約0から20℃までの温度で、しばらく加熱して、粒子を軟化させたためある。粒子がゴム状態で、いち早くひずみが生じられ、加熱時間は普通短い。例えば、数秒から数分間の範囲にある。最適化選出案として、大きい粒径の粒子を選ぶことである。例えば、粒径は1ミクロンより大きい粒子を選んで、粒子のひずみが速すぎることを避ける。加熱してから、温度を粒子のTgに対して低い温度まで下げて、粒子をガラス状態に戻せる。そして、その温度を利用して揮発、真空にする等方法で、階段Aにおける浮遊状態粒子に用いる溶剤を除去する。
【0052】
本発明の発明者は、粒子がガラス転換温度に1から15℃まで低い温度で、しばらく加熱?理をしてから、粒子がゴム状態に転換られないが、軟化の現象を呈することを意外に発見した。理論に縛られたくないが、本発明の発明者は、粒子を構成する材料がTgの温度に接近する場合、その中の分子は十分なエネルギーを受け、流動し始めて、粒子に少し軟化の現象をもたらすことを信じる。使いる粒子は単一類型高分子ホモポリマー又は共重合物により製作された均質球体の実際実施例に、関わるガラス転換温度は粒子のガラス転換温度 (bulk Tg) 全体を指す。使いる粒子は核殻構造を有する実際実施例に、粒子の核の芯は一つの単体 (例えばスチレン)で、一つのホモポリマー製品である。殻は関わる単体ともう一種の単体 (例えばメチルアクリル酸ディンタン) との共重合物の製品でもある。その場合、関わるガラス転換温度は殻のTgを指す。それと比較できる核の芯のTgはもっと低くなるため、上記温度範囲内で、核の芯よりもっと軟化しやすい。
【0053】
加熱階段Bにおけるもう一つの最適化選出案の実際実施例に、粒子はガラス転換温度に1から15℃まで低い温度である。最適化選出案として、粒子のTgに約3から10℃まで低い温度で、例えば、粒子のTgに約3から5℃低い温度で、しばらく加熱して、粒子を軟化させる。最適化選出案として、同時に階段Aにおける浮遊状態粒子に用いる溶剤を除去することである。溶剤が加熱され、流動が速すぎて、三次元規則マイクロ構造への破壊を避けるために、加熱温度の最適化選出案として、実際に溶剤より低い沸点であるが、溶剤の有効的な揮発を許容する温度に選定された。
【0054】
水又はC1-6アルコール類の使用、たとえば、水、メチル・アルコール、アルコール又はそれらの水溶液を溶剤の実際実施。例えば、使いる溶剤の沸点が低い場合。最適化選出案として、三次元規則マイクロ構造の構築に使いる粒子は低いTgを有する粒子であり、階段Bにおいて、同時に粒子を軟化させ、加熱温度を選定する。
【0055】
最適化選出案の実際実施例に、関わる粒子のTgは0℃から100℃までの範囲にあり、更なる最適化選出案として、50℃から95℃までの範囲にあることである。最適化選出案として、60℃から90℃までの範囲内にある。例えば、75℃から85℃まで。加熱する時間に特に制限がないが、粒子を軟化させ、溶剤を除去する目的さえ実現できれば良い。一般的に、加熱温度が低ければ、加熱時間が必ず長くなるため、上記目的を実現できるわけである。加熱時間は分間から数日までであるが、最適化選出案として、数十分間から一日以内である。それため、大量に生産を実現できる。
【0056】
もう一つの最適化選出案の実際実施例に、ステップBは関わる三次元規則マイクロ構造に対しる圧力をかけることを含む。関わる複数の粒子を互に押し出しあい、ひずみを発生させる。加圧工程例に、遠心、真空にする等を含むが、それに限らない。それによって、同一方向に粒子に加圧 (例えば5、000 psi又はそれ以上)する。それから揮発、真空にする等方式を利用して、ステップAにおける浮遊状態粒子に用いる溶剤を除去する。
【0057】
その実際実施例に、最適化選出案として、関わる粒子に核殻構造を有する。其の中、殻はわりあい柔らかくて、核の芯が硬い。そのため、粒子が圧力を受けて、互いに押し出す時、軟質の殻にひずみが生じるため、粒子間の接触面積を増やした。またr/Rの比は√3/2から1までの範囲にされた。
【0058】
もう一つの最適化選出案の実際実施例に、ステップBに関わる三次元規則マイクロ構造を関わる複数の粒子を溶解できる溶剤に浸す。関わる複数の粒子を溶解させ、膨らせて、ひずみが発生する。最適化選出案として、ステップBに入る前、予めそれを揮発、真空にする等の方法で、ステップAに置ける浮遊状態粒子に用いる溶剤を除去する。使いる粒子は高分子材料から製作した実際実施例に、最適化選出案として、関わる溶剤は有機溶剤である。
【0059】
更なる最適化選出案として、有機溶剤と水との混合によりできた溶剤システムであり、粒子に対する溶解度を適当にダウンする。粒子はスチレン単体重合からできたホモポリマー又は共重合物から製作した実際実施例に、関わる溶剤にスチレン、トルエン、塩化エチタン及びそれらが水との混合物を含むが、それに限らない。粒子はメチルアクリル酸エステル類単体重合からできたホモポリマー又は共重合物から製作した実際実施例に、関わる溶剤にC1-4アルコール、1、4-ジオキサン、ベンゼン、正へキサン及びそれらと水との混合物を含むが、それに限らない。アセトン、ケトン、エボトン、二メチルメタナミド、エチルアセテート等の有機溶剤、及びそれらが水との混合物を使用しても良い。
【0060】
関わる三次元規則マイクロ構造が溶剤に浸された場合、粒子表面の分子鎖は溶剤に接触するため、さらさらし始め、粒子に軽く溶解、膨張の現象が出てくる。それで粒子間の接触面積が増やされ、且つr/Rの比は√3/2から1までの範囲にされた。浸す時間及び/又は浸す温度の調整により、粒子間の接触面積を制御できる。
【0061】
隙間を埋める階段Cに、逆構造材料を三次元規則マイクロ構造の隙間に埋める。逆構造材料の例に、金属(例えば金、銀、銅、ニッケル、プラチナ、ニッケルタングステン合金を含むが、それに限らない; 酸化物(例えば酸化亜鉛、二酸化シリコン、酸化亜銅等); 及び高分子材料(例えばポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメチルアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、ポリモノアゾール、ポリエチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニール、シリカゲル)等。柱全体の製造の実際実施例に、最適化選出案として、逆構造材料は高分子ヒドロゲルから選出され、アクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メチルアクリル酸エステル類、シロキサン類等の親水性単体重合によりできたためある。最適化選出をした高分子ヒドロゲルに、ポリメチルアクリル酸水酸基エチル (PHEMA)、ポリメチルアクリル酸グリシドアルコールエステル (PGMA)、ポリ二メチルシロキサン (PDMS)、ポリプロピルアクリルアミドとそれらの誘導体を含む。
【0062】
逆構造材料の埋める方法として、遠心、真空にする、加圧押入れ、火花メッキ、電気めっき、化学ガスクロマトによる沈積、原子層の沈積等がある。逆構造材料は高分子材料である実際実施例に、先ず関わる高分子材料を構成する単体又は初期物質の隙間を埋めてから、それを固化し、定型させる。
【0063】
三次元規則マイクロ構造を移除する階段に、逆構造材料が定型をした後、三次元規則マイクロ構造の粒子を移除する。移除の方法として、現有技術にすでに知られたものがある。例えば、化学移除法、高温移除法等を含むが、それに限らない。通用の化学移除法に、例えばトルエン、アセトン、酢酸ビニール、フッ化水素酸、水素酸化ナトリウム等を使用して、粒子を溶解られる化学試薬を利用してフィルム型マイクロ構造を処理でき、粒子を逆構造材料から離脱させる。しかしながら、浸す又は抽出等の通用製作過程で、大きいr/R比を有するマイクロ構造を処理する場合、テンプレートの移除にやりにくい問題が発生する。他に、柱全体を製作する時、使いる逆構造材料は高温に耐えない高分子材料であるため、高温による移除法でテンプレートの移除に適しない。
【0064】
本発明の発明者は索氏抽出法(Soxhlet extraction)又は超臨界流体抽出法(supercritical fluid extraction)により、マイクロ構造が高アスペクト比によりもたらしたテンプレートの移除困難の問題を解決できることを意外に発見した。それで、本発明における一つの最適化選出案の実際実施例に、関わる三次元規則マイクロ構造は索氏抽出法と超臨界流体抽出法から選ばれて構成したグループの方法で移除を行うことを指す。本発明に使いる専門用語"索氏抽出法"として、マイクロ構造を一つの索氏抽出器に置き、テンプレートを加熱し、還流させて、マイクロ構造から引き続いてテンプレート材料を取り出す。普通、索氏抽出法に用いる温度は関わる溶解に用いる溶剤の沸点より高く、抽出時間は約3~7日間持続することを言う。
【0065】
本発明に用いる専門用語の"超臨界流体抽出法"は臨界 温度と臨界圧力より高い条件で、超臨界流体に溶解したテンプレート材料を使用して、圧力をダウンする又は温度を上げて、超臨界流体に溶解したテンプレート材料を析出させることを言う。一つの最適化選出案の実際実施例に、COを超臨界流体とし、それにアセトン、トルエン又は酢酸ビニール等の共溶剤 と抱き合わせて、ポリスチレンを主とするテンプレート材料を除去する。
【0066】
本発明の方法に基づく製作した三次元規則多孔マイクロ構造を余分な加工製作過程を受けさせて、各種商用製品を製造する。一つの最適化選出案の実際実施例に、関わる三次元規則多孔マイクロ構造は裁断、密封等の通用工程を経て、及び/又は化学改性を受けて、適当の表面官能性を有し、柱全体の製作、共用を層別分析、分離をする静止相材料とする。本発明に言う"柱全体"には、前述のインバース構造材料から構成した連続媒質を含む。それは複数の規則化配列の球状巨大孔が形成されてあり、100ナノメートルから6ミクロンまでに介在す均一直径、及び複数の連通巨大孔の連通孔、10ナノメートルから3ミクロンまでに介在す均一直径を有する。
【0067】
一つの最適化選出案の実際実施例に、関わる球状巨大孔は最密積み重ねの形で配列されたためある。そういう場合、諸巨大孔は12つの連通孔を経由で、隣接する巨大孔と連通ことができる。関わる柱全体に対する最適化選出案として、少なくともの70%の巨大孔が必要である。更なる最適化選出案として、少なくともの80%の巨大孔が必要である。
【0068】
最も最適化選出案として、少なくとも90%の巨大孔が必要となる。例えば、少なくとも95%の巨大孔は最密積み重ねの形で配列されているためである。巨大孔の最長半径Rが最短半径rとの比率関係は不等式√3/2<r/R<1で表わす。r/Rの比が小さければ、三次元規則多孔マイクロ構造の連通孔が巨大孔に対するサイズの口径が大きくなることを示す。その中、連通孔の口径は約2r/√3に等しい。
【0069】
一つの最適化選出案の実際実施例に、柱の連通孔に大きい口径を有する。即ち、関わるr/Rは0.99より小さい、又はそれに等しい。最適化選出案として、0.98より小さい、又はそれに等しい。更なる最適化選出案として、0.96より小さい、又はそれに等しい。例えば、0.94より小さい、又はそれに等しい。そのため、関わる柱全体は別途一つの中空管体をも含められる。それはステンレス、石英又はガラス等の材料から構成する。そして内壁を有して、関わる連続媒質の取り付けに供する。
一つの最適化選出案の実際実施例に、関わる柱全体は少なくとも1cmの高さがある、あるいは、少なくともの3cmの高さがある、さらにあるいは、最少5cmのさがある。
そして、1を上回るh/d比を有し、例えば、2.5を上回る、又は3を上回るh/d比を有する。ここに言う"h/d比"は柱全体の高さが直径に対する比のことである。
【0070】
下記実施例は本発明を例示するだけで、本発明の範囲を制限するものではない。
(第一の実施形態)
【0071】
ポリスチレン-メチルアクリル酸ディンタンナノメートル球の調製
メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をスチレン単体溶液 (99.6重量分)に入れ、システム固体含量を10重量%に配合する。350 rpmのスピードで、混合物を1時間攪拌する。温度を65℃に維持する。続いて、0.25グラムの硫酸カリウムを混合物に入れて、重合反応を始める。16時間後、単体はすでにすっかり消耗された。本実施例に、メチルアクリル酸ディンタン溶液の用量を10から30ミリリットルに制御することで、ポリスチレン顆粒のガラス移転温度を82℃から26℃までの範囲に調整できる。
(第二の実施形態)
【0072】
ポリスチレン-アクリル酸ディンタンナノメートル球の調製
メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をスチレン単体溶液 (99.6重量分)に入れ、システム固体含量を10重量%に配合する。350 rpmのスピードで、混合物を1時間攪拌する。温度を65℃に維持する。続いて、0.25グラムの硫酸カリウムを混合物に入れて、重合反応を始める。16時間後、単体はすでにすっかり消耗された。本実施例に、メチルアクリル酸ディンタン溶液の用量を10から30ミリリットルに制御することで、ポリスチレン顆粒のガラス移転温度を50℃から0℃までの範囲に調整できる。
(第三の実施形態)
【0073】
ポリ (スチレン-メチルアクリル酸ディンタン) 核殻構造ナノメートル球の調製
メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をスチレン単体溶液 (99.6重量分)に入れ、システム固体含量を10重量%に配合する。350 rpmのスピードで、混合物を1時間攪拌する。温度を65℃に維持する。続いて、0.25グラムの硫酸カリウムを混合物に入れて、重合反応を始める。しばらく反応してから、メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をシステムに入れて、殻層の構築をする。スチレン-メチルアクリル酸ディンタン共重合物で製作した殻層を形成する。本実施例に、メチルアクリル酸ディンタン溶液の用量を10から30ミリリットルに制御することで、ポリスチレン顆粒のガラス移転温度を40℃から26℃までの範囲に調整できる。
(第四の実施形態)
【0074】
ポリ (スチレン-アクリル酸ディンタン) 核殻構造のナノメートル球の調製
メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をスチレン単体溶液 (99.6重量分)に入れ、システム固体含量を10重量%に配合する。350 rpmのスピードで、混合物を1時間攪拌する。温度を65℃に維持する。続いて、0.25グラムの硫酸カリウムを混合物に入れて、重合反応を始める。しばらく反応してから、メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をシステムに入れて、殻層の構築をする。スチレン-メチルアクリル酸ディンタン共重合物で製作した殻層を形成する。本実施例に、メチルアクリル酸ディンタン溶液の用量を10から30ミリリットルに制御することで、ポリスチレン顆粒のガラス移転温度を10℃から0℃までの範囲に調整できる。
(第五の実施形態)
【0075】
ポリ (メチルアクリル酸ディンタン-スチレン) 核殻構造ナノメートル球の調製
メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をスチレン単体溶液 (99.6重量分)に入れ、システム固体含量を10重量%に配合する。350 rpmのスピードで、混合物を1時間攪拌する。温度を65℃に維持する。続いて、0.25グラムの硫酸カリウムを混合物に入れて、重合反応を始める。反応がしばらくしてから、メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をシステムに入れて、殻層の構築をする。スチレン-メチルアクリル酸ディンタン共重合物で製作した殻層を形成する。本実施例に、メチルアクリル酸ディンタン溶液の用量を10から30ミリリットルに制御することで、ポリスチレン顆粒のガラス移転温度を50℃から80℃までの範囲に調整できる。
(第六の実施形態)
【0076】
ポリ (アクリル酸ディンタン-スチレン) 核殻構造ナノメートル球の調製
メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をスチレン単体溶液 (99.6重量分)に入れ、システム固体含量を10重量%に配合する。350 rpmのスピードで、混合物を1時間攪拌する。温度を65℃に維持する。続いて、0.25グラムの硫酸カリウムを混合物に入れて、重合反応を始める。反応がしばらくしてから、メチルアクリル酸ディンタン単体溶液をシステムに入れて、殻層の構築をする。スチレン-メチルアクリル酸ディンタン共重合物で製作した殻層を形成する。本実施例に、メチルアクリル酸ディンタン溶液の用量を10から30ミリリットルに制御することで、ポリスチレン顆粒のガラス移転温度を50℃から80℃までの範囲に調整できる。
(第七の実施形態)
【0077】
三次元規則マイクロ構造の調製
30%のメチル・アルコール水溶液を調製し、実測する時、水の沸点は約95℃である。実施例1に製作したナノメートル球の浮遊状態液を関わるメチル・アルコール水溶液にいれる。その中、関わるナノメートル球のガラス移転温度を80℃、粒径を600ナノメートルにする。 浮遊状態液を内径1.6cmの遠心管に入れ、ナノメートル球に遠心管にいっぱい充填する。ナノメートル球のセルフ組み立てを許容し、長さ4cm、直径1.6cmの柱状三次元規則マイクロ構造を形成する遠心管を一つのDENG YNG DO60型熱風循環式オーブンに置き、77℃の温度 (ナノメートル球のTgに比較して3℃低い) で、三次元規則マイクロ構造を加熱し、30分間乾燥して、溶剤を除去する。図5は本実施例により製作した三次元規則マイクロ構造を示す。その中、六角最密積み重ねの配列を呈するナノメートル球は少しひずみが生じ、やや六辺形を呈するため、隣接のナノメートル球の間に、大面積の接触があり、テンプレートによる柱全体の製作に適する。
(第八の実施形態)
【0078】
三次元規則多孔マイクロ構造の調製
メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)先導物を遠心管に入れ、実施例7に製作した三次元規則多孔マイクロ構造をテンプレートとする。遠心を行い、HEMAをテンプレートの隙間を埋めさせてから、55℃の水浴で固化させる。固化が完成してから、構造を取り出して、ステンレス製HPLC管柱の直径に一致するように裁断し、加工する。それから、密封コロイドで構造と関わるHPLC管柱の管壁とをしっかりと接合する。管柱に密封した構造を索氏抽出法を受けさせ、トルエンで引き続き5日間還流、抽出する。抽出期間、溶剤の粘度は0.2から0.6 psiに維持され、テンプレートを除去して、製品の柱全体を獲得する。
図6は、本実施例が索氏抽出法を利用して、溶剤をミクロン尺度以下の孔に入りやすくして、粒子を溶解し、マイクロ構造を引き出し、完全にテンプレート材料を除去することを示す。本実施例に製作した三次元規則多孔マイクロ構造に基づいて、その中、最密積み重ね形で配列した、直径は600ナノメートルである球状巨大孔、及び連通巨大孔、直径は250ナノメートルである連通孔を形成する。相対的にいえば、図7に示されたように、通用の浸す方法はすべてテンプレート材料を除去することができない。
(第九の実施形態)
【0079】
三次元規則マイクロ構造と三次元規則多孔マイクロ構造の調製
実施例7、8の調製工程を繰り返すが、三次元規則マイクロ構造の加熱温度を65℃ (ナノメートル球のTgに対して15℃低い) までダウンし、120分間かかる。図8は、製作した三次元規則多孔マイクロ構造を示す。その中、最密積み重ねの形で配列され、直径は600ナノメートルである球状巨大孔、及び連通巨大孔、直径は150ナノメートルである連通孔を形成した。
(第十の実施形態)
【0080】
三次元規則マイクロ構造の調製
実施例7の調製工程を繰り返し、同じように実施例1に製作したナノメートル球を利用する。しかし、粒径は1ミクロンで、且つ三次元規則マイクロ構造の加熱温度を100℃ (ナノメートル球のTgに対して20℃高い)までアップして、3分間加熱する。それから、温度を75℃ (ナノメートル球のTg5℃に対して低い)までダウンして、三次元規則マイクロ構造を30分間加熱、乾燥して、溶剤を溶解する。図9は、本実施例に基づいて製作した三次元規則マイクロ構造を示す。その中、六角形で、最密積み重ねに配列したナノメートル球に少しひずみが生じ、やや六角形を呈しているため、隣接するナノメートル球の間に大面積接触があり、テンプレートに柱全体の製作に適する。
【0081】
比較例1: 三次元規則マイクロ構造の調製
実施例7の調製工程を繰り返すが、三次元規則マイクロ構造の加熱温度を60℃ (ナノメートル球のTgに対して20℃低い)までダウンして、30分間してから、大部分の溶剤が依然として除去されていない。最終乾燥時間は80分間。図10は、本実施例に基づいて製作した三次元規則マイクロ構造を示す。その中、ナノメートル球は六角で、最密積み重ねに配列され、諸ナノメートル球は大体、依然として球状を呈して、互いの接触は明らかではない。
【0082】
比較例2: 三次元規則マイクロ構造の調製
実施例7の調製工程を繰り返すが、三次元規則マイクロ構造の加熱温度を90℃ (ナノメートル球のTgに対して10℃高い)までアップして、15分間乾燥する。図11は、本比較例に基づいて製作した三次元規則マイクロ構造を示す。その中、ナノメートル球は六角最密積み重ねを呈して配列してある。大体正六角形を呈し、互いにすっかり密着し合い、隙間がない。その構造はテンプレートとすることができない。
【0083】
比較例3:三次元規則マイクロ構造の調製
実施例7の調製工程を繰り返すが、三次元規則マイクロ構造の加熱温度を110℃(ナノメートル球のTgに対して30℃高い)までアップして、10分間乾燥する。図12は、本実施例に基づいて製作した三次元マイクロ構造を示す。その中、ナノメートル球は高温で熔解され、形状は明らかにわからない。互いにすっかり密着になり、隙間がない。その構造はテンプレートとすることができない。
【0084】
伝統的な通用方法と比べると、本発明に開示した三次元規則多孔マイクロ構造の製造方法は、粒子のガラス移転温度よりやや低い温度で、三次元規則マイクロ構造に加熱処理をして、浮遊状態粒子に用いる溶剤を除去して、有効的に規則化配列の粒子間の接触を増やした。通用方法を利用して製作した柱全体に対して、関わる製造方法に基づいて製作した柱全体は高アスペクト比と高い孔規則の構造特徴を有して、柱の連通孔にも比較的大きな口径を有する。
【0085】
上記諸実施例はただ本発明の説明に供するものだけで、本発明に対する制限ではない。また、関連分野の技術者は本発明の技術範囲以内にできた各種変換又は変化につき、本発明の保護範囲にもいれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12