(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】螺旋階段
(51)【国際特許分類】
E04G 27/00 20060101AFI20220523BHJP
E04F 11/032 20060101ALI20220523BHJP
E21D 7/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
E04G27/00
E04F11/032
E21D7/00
(21)【出願番号】P 2021080683
(22)【出願日】2021-05-11
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】511182725
【氏名又は名称】ケイエムテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148725
【氏名又は名称】吉田 信彦
(72)【発明者】
【氏名】黒松 克郎
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特公昭49-029709(JP,B1)
【文献】特開昭48-102498(JP,A)
【文献】特開昭53-101824(JP,A)
【文献】実開昭57-021718(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 27/00
E04F 11/00-11/18
E21D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階段設置範囲の上部乃至下部に亘って、複数段をなす複数のステップが互いに螺旋状をなすように設置される螺旋階段であって、
前記階段設置範囲の上部に固定的に配置される上部固定架台と、
前記階段設置範囲における前記上部固定架台の下側に定めた当初位置から前記階段設置範囲の下部に対応する最下位置に向けて下降可能とされる下部支持架台と、
前記上部固定架台と前記下部支持架台の平面視でそれらの中央部に立設可能とされ、前記階段設置範囲の上下に亘って配置される中央支柱とを有し、
前記複数のステップは、前記中央支柱を囲んで互いに螺旋状をなすものであり、前記階段設置範囲の上部に設置可能とされて、前記上部固定架台に接合される最上段ステップと、前記階段設置範囲の下部に設置可能とされて、前記下部支持架台に接合される最下段ステップと、前記下部支持架台が当初位置から最下位置まで下降される過程で、当該下部支持架台の上に載置されて当該下部支持架台とともに下降し、前記階段設置範囲の上部と下部の間の所定の中間設置レベルに設置可能とされる中間ステップとからな
り、
前記中央支柱を囲む各ステップの設置位置に対応する複数位置のそれぞれにおいて、該中央支柱の上下方向に沿う各ステップの設置レベルに対応する上下範囲のそれぞれに亘って延在された複数のガイド部のそれぞれに、当該ステップの内周側の被ガイド部を上下方向にスライド可能に係入され、前記下部支持架台が当初位置から最下位置まで下降される過程で、当該被ガイド部を当該ガイド部の下端部に支持させる、
螺旋階段。
【請求項2】
前記中央支柱を囲む各ステップの設置位置に対応する複数位置のそれぞれにおいて、前記上部固定架台から該中央支柱の上下方向に沿う各ステップの設置レベルに対応する上下範囲のそれぞれに亘って設けられる複数の吊り手段のそれぞれに、当該ステップの外周側の被吊り部が連結され、当該ステップがその設置レベルに設置される、
請求項1に記載の螺旋階段。
【請求項3】
前記複数のステップのそれぞれは、前記中央支柱に延在されてスリット状をなす前記ガイド部に対し、上下方向にスライド可能に係入される舌片状の前記被ガイド部を備える、請求項
1に記載の螺旋階段。
【請求項4】
前記複数のステップのそれぞれは、段板部を有するとともに、該段板部における踏み面の一端側の縁部に蹴上部の上端部が連設され、該蹴上部の下端部に前記踏み面に平行をなして該踏み面に対する外方に張り出る張出し部が連設され、
上下に隣り合う上段側のステップと下段側のステップは、前記中央支柱の周囲において、前記下段側のステップが前記上段側のステップの蹴上部に沿う上組込み位置から下組込み位置に至る上下方向に移動可能となるように組み込まれ、
前記下段側のステップは、上組込み位置において前記下部支持架台の上に載置され、下組込み位置においてその段板部が前記上段側のステップの張出し部の上に配置される、
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の螺旋階段。
【請求項5】
前記複数のステップのそれぞれは、前記段板部における前記踏み面の他端側に該踏み面の他端側の縁部との間に隙間部を介する挟込み部が設けられ、
前記上段側のステップと前記下段側のステップは、前記下段側のステップの挟込み部と該下段側のステップにおける前記踏み面の他端側の縁部との間の隙間部に前記上段側のステップの蹴上部が挟み込まれ、前記下段側のステップが前記上段側のステップの蹴上部に沿う上組込み位置から下組込み位置における上下方向に移動可能となるように組み込まれる、
請求項
4に記載の螺旋階段。
【請求項6】
前記複数のステップのそれぞれは、前記段板部における前記踏み面の裏側に脚部が設けられ、
前記下段側のステップは、上組込み位置において、その張出し部及び脚部が前記下部支持架台の上に載置される、
請求項
4又は
5に記載の螺旋階段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋階段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のステップが互いに螺旋状をなす螺旋階段がある。例えば、特開2001-227178号公報には、地下工事を行うために掘削された立坑内に設けられる螺旋階段であって、作業者が昇降できるように、地上にフレームを組み立て、そのフレームに支柱を下降可能に吊り下げ、その支柱の下方部分の周りに適宜数のステップを地上にて螺旋状に固定した後に、支柱を適宜長さ下降させ、固定済みのステップに連ねてその上方部分の支柱の周りに適宜数のステップを螺旋状に固定する作業を繰り返すようにして設置される、螺旋階段が開示される。
【0003】
また、別の従来例として、立坑には、複数の直線状の階段が踊場で折り返すことによって上下に連なる踊場付き階段や、梯子の下方に踊場を設けて該梯子の軸線と重ならないように踊場の側方からさらに下方へ延伸する梯子を設けることによって上下に連なる踊場付き梯子が設置されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の螺旋階段では、支柱の下方部分の周りに適宜数のステップを地上にて螺旋状に固定した後に、支柱を適宜長さ下降させ、固定済みのステップに連ねてその上方部分の支柱の周りに適宜数のステップを螺旋状に固定する作業を繰り返す作業に手間がかかる。
【0006】
また、踊場付き階段では、複数の直線状の階段や踊場が横幅をとり、限られたスペースでの設置が困難になることがある。踊場付き梯子では、昇降の際に梯子を握ると、作業者が工事資材の運搬等に手を自由に使えないことがある。
【0007】
そこで、本発明は、より小さなスペースにおいてより簡単な作業で設置又は撤去することができ、昇降の際に作業者が手を自由に使うことができる、螺旋階段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、階段設置範囲の上部乃至下部に亘って、複数段をなす複数のステップが互いに螺旋状をなすように設置される螺旋階段であって、前記階段設置範囲の上部に固定的に配置される上部固定架台と、前記階段設置範囲における前記上部固定架台の下側に定めた当初位置から前記階段設置範囲の下部に対応する最下位置に向けて下降可能とされる下部支持架台と、前記上部固定架台と前記下部支持架台の平面視でそれらの中央部に立設可能とされ、前記階段設置範囲の上下に亘って配置される中央支柱とを有し、前記複数のステップは、前記中央支柱を囲んで互いに螺旋状をなすものであり、前記階段設置範囲の上部に設置可能とされて、前記上部固定架台に接合される最上段ステップと、前記階段設置範囲の下部に設置可能とされて、前記下部支持架台に接合される最下段ステップと、前記下部支持架台が当初位置から最下位置まで下降される過程で、当該下部支持架台の上に載置されて当該下部支持架台とともに下降し、前記階段設置範囲の上部と下部の間の所定の中間設置レベルに設置可能とされる中間ステップとからなり、前記中央支柱を囲む各ステップの設置位置に対応する複数位置のそれぞれにおいて、該中央支柱の上下方向に沿う各ステップの設置レベルに対応する上下範囲のそれぞれに亘って延在された複数のガイド部のそれぞれに、当該ステップの内周側の被ガイド部を上下方向にスライド可能に係入され、前記下部支持架台が当初位置から最下位置まで下降される過程で、当該被ガイド部を当該ガイド部の下端部に支持させるものである。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記中央支柱を囲む各ステップの設置位置に対応する複数位置のそれぞれにおいて、前記上部固定架台から該中央支柱の上下方向に沿う各ステップの設置レベルに対応する上下範囲のそれぞれに亘って設けられる複数の吊り手段のそれぞれに、当該ステップの外周側の被吊り部が連結され、当該ステップがその設置レベルに設置されるものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記複数のステップのそれぞれは、前記中央支柱に延在されてスリット状をなす前記ガイド部に対し、上下方向にスライド可能に係入される舌片状の前記被ガイド部を備えるものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に係る発明において更に、前記複数のステップのそれぞれは、段板部を有するとともに、該段板部における踏み面の一端側の縁部に蹴上部の上端部が連設され、該蹴上部の下端部に前記踏み面に平行をなして該踏み面に対する外方に張り出る張出し部が連設され、上下に隣り合う上段側のステップと下段側のステップは、前記中央支柱の周囲において、前記下段側のステップが前記上段側のステップの蹴上部に沿う上組込み位置から下組込み位置に至る上下方向に移動可能となるように組み込まれ、前記下段側のステップは、上組込み位置において前記下部支持架台の上に載置され、下組込み位置においてその段板部が前記上段側のステップの張出し部の上に配置されるものである。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において更に、前記複数のステップのそれぞれは、前記段板部における前記踏み面の他端側に該踏み面の他端側の縁部との間に隙間部を介する挟込み部が設けられ、前記上段側のステップと前記下段側のステップは、前記下段側のステップの挟込み部と該下段側のステップにおける前記踏み面の他端側の縁部との間の隙間部に前記上段側のステップの蹴上部が挟み込まれ、前記下段側のステップが前記上段側のステップの蹴上部に沿う上組込み位置から下組込み位置における上下方向に移動可能となるように組み込まれるものである。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る発明において更に、前記複数のステップのそれぞれは、前記段板部における前記踏み面の裏側に脚部が設けられ、前記下段側のステップは、上組込み位置において、その張出し部及び脚部が前記下部支持架台の上に載置されるものである。
【発明の効果】
【0017】
(a)作業者は、下部支持架台を下降させる作業を行うことにより、より簡単に、螺旋階段を設置することができる。また、作業者は、下部支持架台を上昇させる作業を行うことにより、より簡単に、螺旋階段を撤去できる。また、作業者は、設置済みの螺旋階段を撤去し、撤去した螺旋階段を新たな場所に設置することにより、より簡単に、螺旋階段を移動させることができる。
【0018】
(b)螺旋階段は、踊場の設置が不要であり、より小さなスペースに設置することができる。
【0019】
(c)螺旋階段は、昇降の際に作業者が手を自由に使うことができる。
【0020】
(d)複数のステップのそれぞれは、作業者が下部支持架台を下降させる過程で、上部固定架台に設けられた吊り手段によってそれぞれの設置レベルに吊持される。したがって、作業者が行う設置作業は、簡単である。
【0021】
(e)複数のステップのそれぞれは、作業者が下部支持架台を下降させる過程で、当該ステップの被ガイド部を中央支柱に延在させたガイド部の下端部に支持させることによってそれぞれの設置レベルに支持される。したがって、作業者が行う設置作業は、簡単である。
【0022】
(f)複数のステップのそれぞれは、より確実に、中央支柱に延在させたスリット状のガイド部によってそれぞれの設置位置にガイドされる。
【0023】
(g)螺旋階段の上下のステップは、中央支柱の周囲において、下段側のステップが上段側のステップの蹴上部に沿う上組込み位置から下組込み位置に至る上下方向に移動可能となるように組み込まれ、下段側のステップのすべてをその上組込み位置において、下部支持架台の上に載置して小さく畳むことができる。したがって、螺旋階段は、収納に場所をとらず、運搬が容易である。
【0024】
(h)下段側のステップは、下組込み位置において、その段板部が上段側のステップの張出し部に支持され、安定する。
【0025】
(i)下段側のステップは、挟込み部によって上段側のステップの蹴上部を隙間部に挟み込み、上組込み位置から下組込み位置における上下方向に移動可能とされ、かつ上段側のステップから周方向に離間しないように保持される。
【0026】
(j)下段側のステップは、上組込み位置において、張出し部及び脚部によって下部支持架台に安定的に載置される。
【0029】
本発明によれば、より小さなスペースにおいてより簡単な作業で設置又は撤去することができ、昇降の際に作業者が手を自由に使うことができる、螺旋階段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る螺旋階段の構造の一例を示し、(A)が上部固定架台及び最上段ステップの正面図であり、(B)が斜視図である。
【
図2】ベース架台の一例を示し、(A)が上面図であり、(B)がジャッキベースを設けた場合の正面図である。
【
図3】中央支柱の一例を示し、(A)が斜視図であり、(B)が上面図である。
【
図4】螺旋階段の構成を示し、(A)が上部固定架台及び最上段ステップを示す図であり、(B)が上部固定架台及び複数のステップの上面図であり、(C)が下部支持架台及び最下段ステップを示す図である。
【
図5】螺旋階段の組立方法の一例を示し、(A)が上部固定架台を補助支柱及び中央支柱に組付ける前の状態を示す図であり、(B)が上部固定架台を補助支柱及び中央支柱に組付けた後の状態を示す図である。
【
図6】ステップの設置例を示し、(A)が模式正面図であり、(B)が模式上面図であり、(C)がステップの外周側の拡大上面図であり、(D)が模式斜視図である。
【
図7】下部支持架台の下降する過程を示す正面図である。
【
図8】下部支持架台が最下位置に下降した状態を示す正面図である。
【
図9】中央支柱を囲んで互いに螺旋状をなすように設置位置に設置された複数のステップを示す斜視図である。
【
図10】下段側のステップの位置を説明するための説明図であり、(A)が上組込み位置を示し、(B)が上組込み位置から下降した位置を示す。
【
図11】下段側のステップの位置を説明するための説明図であり、(A)が上組込み位置を示し、(B)が上組込み位置から下降した位置を示し、(C)が下組込み位置を示す。
【
図12】本発明の第2実施形態に係る螺旋階段を示し、(A)が上部固定架台を仮設構造物に固定した場合の上面図であり、(B)が上部固定架台を基準レベルに配置した状態の正面図であり、(C)が下部支持架台を下降させた状態の正面図であり、(D)が下部支持架台をさらに下降させた状態の正面図である。
【
図13】本発明の第2実施形態に係る螺旋階段の設置例を説明する図であり、(A)が螺旋階段の上部固定架台を基準レベルに配置した状態を示し、(B)が螺旋階段の下部支持架台を下降させる状態を示し、(C)が螺旋階段の下部支持架台を階段設置範囲の最下位置まで下降させた状態を示し、(D)が螺旋階段の上にさらに螺旋階段を連結した状態を示す。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る螺旋階段の設置例を説明する図であり、(A)が上下2つの螺旋階段を下降させる状態を示し、(B)が上下2つの螺旋階段のそれぞれを階段設置範囲の最下位置まで下降させた状態を示す。
【
図15】本発明の第3実施形態に係る螺旋階段の設置例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
図1は、螺旋階段1の構造の一例を示し、(A)が上部固定架台40及び最上段ステップ60Aの正面図であり、(B)が斜視図である。
図2は、ベース架台10の一例を示し、(A)が上面図であり、(B)がジャッキベース14を設けた場合の正面図である。
図3は、中央支柱30の一例を示し、(A)が斜視図であり、(B)が上面図である。
図4は、螺旋階段1の構成を示し、(A)が上部固定架台40及び最上段ステップ60Aを示す図であり、(B)が上部固定架台40及び複数のステップ60の上面図であり、(C)が下部支持架台50及び最下段ステップ60Kを示す図である。
図5は、螺旋階段1の組立方法の一例を示し、(A)が上部固定架台40を補助支柱20及び中央支柱30に組付ける前の状態を示す図であり、(B)が上部固定架台40を補助支柱20及び中央支柱30に組付けた後の状態を示す図である。
図6は、ステップ60の設置例を示し、(A)が模式正面図であり、(B)が模式上面図であり、(C)がステップ60の外周側の拡大上面図であり、(D)が模式斜視図である。
【0032】
図1に示すように、螺旋階段1は、階段設置範囲の上部乃至下部に亘って、複数段をなす複数のステップ60が互いに螺旋状をなすように設置される。螺旋階段1は、ベース架台10、補助支柱20、中央支柱30、上部固定架台40、下部支持架台50、及びステップ60を有する。
【0033】
ベース架台10は、立坑の掘削終了面G上に設置される。
図2(A)に示すように、ベース架台10は、例えば、H型鋼によって構成され、4本の直線部材を四角形状に配置してなる外枠11と、外枠11の直線部材のそれぞれの長さ方向中央部から内側に連設されたリブ12と、外枠11の中央部においてリブ12の上側に連設されて中央支柱30を支持する支持板13とを有する。
【0034】
図2(B)に示すように、ジャッキベース14は、外枠11の四隅のそれぞれに設けられ、外枠11上にボルト止めされるベース板15と、ベース板15から立ち上がるネジ棒16と、ネジ棒16に螺合したナット17と、ナット17から径方向に突出したハンドル18とを有する。ハンドル18は、作業者の操作によってネジ棒16の軸周りにナット17を正逆方向に回転させ、その高さが調整される。
【0035】
補助支柱20は、パイプ部材によって構成される。補助支柱20は、下端部がハンドル18に当たるまでネジ棒16に外挿され、ジャッキベース14に立設される(
図1)。
【0036】
中央支柱30は、上部固定架台40と下部支持架台50の平面視でそれらの中央部に立設可能とされ、階段設置範囲の上下に亘って配置される。
【0037】
中央支柱30は、中央支柱30を囲む各ステップ60の設置位置に対応する複数位置のそれぞれにおいて、中央支柱30の上下方向に沿う各ステップ60の設置レベルに対応する上下範囲のそれぞれに亘って延在された複数のガイド部31を有する。ガイド部31のそれぞれは、中央支柱30の周壁の上端から下方へ延在するスリット状をなす。
【0038】
中央支柱30は、円筒形状を有し、下端部にフランジ32が設けられ、支持板13にボルト止めされる(
図3)。中央支柱30には、上部に蓋が被着される。
【0039】
図4(A)に示すように、上部固定架台40は、断面視略L字状をなし、円周方向に延在して略C字状をなし、内周側に中央支柱30を挿通可能とされた底板41と、底板41の外周縁から起立する周側板42を有する。
【0040】
周側板42の外周側には、補助支柱20によって支持される支持具43が突設される。支持具43は、補助支柱20の上端部が外挿される支持棒44と、支持棒44の外周に鍔状に設けられ、補助支柱20の上端部を受ける受け板45とを有する。上部固定架台40は、補助支柱20によって支持され、階段設置範囲の上部に固定的に配置される。
【0041】
また、周側板42の外周側には、
図6に示すように、ステップ60のそれぞれに対応する複数位置に、ステップ60を吊り下げるための吊下げ具46が突設される。吊下げ具46のそれぞれには、吊環47が設けられ、吊環47にチェーン等の吊り手段48が連結される。吊り手段48のそれぞれは、中央支柱30を囲む各ステップ60の設置位置に対応する複数位置のそれぞれにおいて、上部固定架台40から中央支柱30の上下方向に沿う各ステップ60の設置レベルに対応する上下範囲のそれぞれに亘って設けられる。
【0042】
図4(C)に示すように、下部支持架台50は、上部固定架台40よりも下方に設けられ、断面視略L字状をなし、内周側に中央支柱30を挿通可能とされた環状の底板51と、底板51の外周縁から起立する周側板52を有する。周側板52の外周側の四方には、吊孔53が設けられた吊板54がそれぞれ突設される。下部支持架台50は、吊孔53に連結したチェーン等の吊り部材55を介して揚重機によって吊られ、階段設置範囲における上部固定架台40の下側に定めた当初位置から階段設置範囲の下部に対応する最下位置に向けて下降可能とされる。
【0043】
複数のステップ60は、中央支柱30を囲んで互いに螺旋状をなすものであり、階段設置範囲の上部に設置可能とされて、上部固定架台40に接合される最上段ステップ60Aと、階段設置範囲の下部に設置可能とされて、下部支持架台50に接合される最下段ステップ60Kと、下部支持架台50が当初位置から最下位置まで下降される過程で、下部支持架台50の上に載置されて下部支持架台50とともに下降し、階段設置範囲の上部と下部の間の所定の中間設置レベルに設置可能とされる中間ステップ60B~60Jとからなる。最上段ステップ60Aは、中心角が60°の略扇形状を有する。また、中間ステップ60B~60J及び最下段ステップ60Kは、中心角が30°の略扇形状を有する(
図4(B))。なお、実施形態の説明では、ステップ60は、ステップ60A~60Kのすべて又は一部を示す。
【0044】
ステップ60B~60Kのそれぞれは、上部固定架台40に設けられている吊り手段48のそれぞれに、ステップ60の外周側の被吊り部61のそれぞれが連結される。
【0045】
また、複数のステップ60のそれぞれは、中央支柱30に延在されてスリット状をなすガイド部31に対し、上下方向にスライド可能に係入される舌片状の被ガイド部62を備える。ステップ60の内周側の被ガイド部62は、複数のガイド部31のそれぞれに上下方向にスライド可能に係入され、下部支持架台50が当初位置から最下位置まで下降される過程で、ガイド部31の下端部に支持させる。
【0046】
また、複数のステップ60のそれぞれは、段板部63を有するとともに、段板部63における踏み面64の一端側の縁部64fに蹴上部65の上端部が連設され、蹴上部65の下端部に踏み面64に平行をなして踏み面64に対する外方に張り出る張出し部66が連設される(
図6(C))。
【0047】
また、複数のステップ60のそれぞれは、段板部63における踏み面64の他端側に踏み面64の他端側の縁部64rとの間に隙間部67を介する挟込み部68が設けられる(
図6(C))。
【0048】
また、複数のステップ60のそれぞれには、段板部63における踏み面64の裏側に、脚部69が設けられる。
【0049】
(組立方法)
続いて、螺旋階段1の組立方法について、説明をする。
【0050】
図5(A)に示すように、作業者は、掘削済みの立坑の基準レベルLより掘り下げられた掘削終了面G上に、ベース架台10を設置する。続いて、作業者は、中央支柱30のフランジ32を支持板13にボルト止めし、ベース架台10の中央に中央支柱30を立設する。作業者は、ベース架台10の四隅にベース板15をボルト止めすることによって4つのジャッキベース14を立設する。作業者は、補助支柱20の上端部を上部固定架台40における支持具43の支持棒44に外挿して該上部固定架台40に取り付ける。
【0051】
図5(B)に示すように、作業者は、揚重機を操作して吊り部材55を介して上部固定架台40及び複数のステップ60を含む下部支持架台50を吊り上げる。
【0052】
作業者は、揚重機を操作して下部支持架台50を下降させ、補助支柱20の下端部がハンドル18に当たるまで補助支柱20をネジ棒16に外挿する。このとき、作業者は、ステップ60のそれぞれの被ガイド部62を被ガイド部62に対応したガイド部31に係入する。
【0053】
上部固定架台40及び上部固定架台40に接合された最上段ステップ60Aは、補助支柱20によって階段設置範囲の上部に固定される。
【0054】
ステップ60は、それぞれの被吊り部61、被ガイド部62、及び段板部63によってそれぞれの設置レベルに固定される。
【0055】
図7は、下部支持架台50の下降する過程を示す正面図である。
図8は、下部支持架台50が最下位置に下降した状態を示す正面図である。
図9は、中央支柱30を囲んで互いに螺旋状をなすように設置位置に設置された複数のステップ60を示す斜視図である。
【0056】
図7に示すように、作業者が揚重機を操作すると、下部支持架台50が下降し、下部支持架台50上に載置されたステップ60B~60J、及び下部支持架台50に接合された最下段ステップ60Kは、それぞれの設置レベルまで下降する。
【0057】
下部支持架台50が当初位置から階段設置範囲の最下位置まで下降すると(
図8)、複数のステップ60は、中央支柱30を囲んで互いに螺旋状をなすように設置される(
図9)。
【0058】
すなわち、螺旋階段1が掘削済みの立坑の基準レベルLより掘り下げられた掘削終了面G上に設置されるとき、上部固定架台40は、掘削終了面Gに立設された補助支柱20に支持されて基準レベルLに位置付けられる。下部支持架台50は、揚重機で上部固定架台40の下側にて階段設置範囲の最下位置となる掘削終了面Gに到達するまで下降される。
【0059】
続いて、上段側のステップ60Dとそれに隣り合う下段側のステップ60Eを例として、ステップ60の構成をより具体的に説明する。
【0060】
図10は、下段側のステップ60Eの位置を説明するための説明図であり、(A)が上組込み位置Puを示し、(B)が上組込み位置Puから下降した位置を示す。また、
図11は、(A)が上組込み位置Puを示し、(B)が上組込み位置Puから下降した位置を示し、(C)が下組込み位置Pdを示す。
【0061】
図10(A)(B)に示すように、上下に隣り合う上段側のステップ60Dと下段側のステップ60Eは、中央支柱30の周囲において、下段側のステップ60Eが上段側のステップ60Dの蹴上部65に沿う上組込み位置Puから下組込み位置Pdに至る上下方向に移動可能となるように組み込まれる。
【0062】
上段側のステップ60Dと下段側のステップ60Eは、下段側のステップ60Eの挟込み部68と下段側のステップ60Eにおける踏み面64の他端側の縁部64rとの間の隙間部67に上段側のステップ60Dの蹴上部65が挟み込まれ、下段側のステップ60Eが上段側のステップ60Dの蹴上部65に沿う上組込み位置Puから下組込み位置Pdにおける上下方向に移動可能となるように組み込まれる。
【0063】
下段側のステップ60Eは、上組込み位置Puにおいて、その張出し部66及び脚部69が下部支持架台50の上に載置される。
【0064】
図11(A)(B)に示すように、下部支持架台50が下降すると、上段側のステップ60Dに対して下段側のステップ60Eは、上段側のステップ60Dの蹴上部65に沿って上組込み位置Puから下方へ移動する。
【0065】
図11(C)に示すように、下段側のステップ60Eは、下組込み位置Pdに達すると、その被吊り部61が吊り手段48を介して上部固定架台40に支持され、その被ガイド部62がステップ60Eに対応したガイド部31の下端部によって支持され、また、その段板部63が上段側のステップ60Dの張出し部66の上に配置されることによって、その設置レベルに設置される。下段側のステップ60Eは、その挟込み部68によって上段側のステップ60Dの蹴上部65を隙間部67に挟み込み、上段側のステップ60Dから周方向に離間しないように保持される。
【0066】
螺旋階段1を撤去する際、作業者が、揚重機を操作して下部支持架台50を上昇させると、低位置にあるステップ60から、順に、下部支持架台50に載置され、螺旋階段1は、畳まれる。
【0067】
(第2実施形態)
第1実施形態では、螺旋階段1が掘削済みの立坑の基準レベルLより掘り下げられた掘削終了面G上に設置される例を説明したが、これに限定されない。
【0068】
図12は、第2実施形態に係る螺旋階段2を示し、(A)が上部固定架台40を仮設構造物Tsに固定した場合の上面図であり、(B)が上部固定架台40を基準レベルLに配置した状態の正面図であり、(C)が下部支持架台50を下降させた状態の正面図であり、(D)が下部支持架台150をさらに下降させた状態の正面図である。本実施形態の説明では、上部固定架台40やステップ60等、他の実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
【0069】
図12(A)に示すように、螺旋階段2は、上部固定架台40が仮設構造物Tsに固定される。螺旋階段2では、下部支持架台150の底板51及び周側板52から中心方向へ連設された支持部材によって中央支柱130を支持する。支持部材は、複数の螺旋階段2が上下に連結され、作業者が下部支持架台150の内側を通過する際に作業者が昇降する進路を塞がない位置に、配置される。支持部材は、例えば、下部支持架台150が延在する平面上において、作業者が昇降する進路を塞がないように、作業者の潜り抜け空間を形成可能にする逆U字形状に湾曲させてもよい。
【0070】
中央支柱130に設けられたガイド部131のそれぞれは、スリット状をなし、上部から下部に亘って延在する。螺旋階段2が畳まれた状態において、ステップ60B~60Kのそれぞれは、中央支柱130の下部に配置される。
【0071】
中央支柱130の内周側には、各ステップ60における被ガイド部62の先端に設けた被吊り具具62A(不図示)に連結され、ステップ60B~60Kをそれぞれの設置レベルに吊持するチェーン等の複数本の被ガイド吊り手段132が配置される。被ガイド吊り手段132のそれぞれは、中央支柱130の内周側で1本にされ、螺旋階段2の上方に設けられた仮設構造物Tsに連結される。なお、ここでは、複数本の被ガイド吊り手段132を設けた例を説明しているが、ステップ60のそれぞれは、吊り手段48によって外周側の被吊り部61が吊持され、上段側のステップ60の張出し部66によって段板部63が支持されており、複数本の被ガイド吊り手段132は、必ずしも設けなくてよい。
【0072】
中央支柱130には、上部に中央支柱吊り手段133に連結される中央支柱吊り具134が設けられ、中央支柱吊り手段133を介して仮設構造物Tsに連結される。
【0073】
上部固定架台40に設けられた支持具43のそれぞれには、上部に上部固定架台吊り手段143に連結された上部固定架台吊り具144(
図12)が周方向に複数設けられ、上部固定架台吊り手段143を介して仮設構造物Tsに連結される。
【0074】
図12(B)~(C)に示すように、螺旋階段2は、掘削中の立坑の基準レベルLより徐々に掘り下げられる掘削終了面G上に設置されるとき、上部固定架台40が基準レベルLに維持され、下部支持架台50が揚重機Cb(
図13)で上部固定架台40の下側にて下降する。
【0075】
図13は、螺旋階段2A、2Bの設置例を説明する図であり、(A)が螺旋階段2Aの上部固定架台40を基準レベルLに配置した状態を示し、(B)が螺旋階段2Aの下部支持架台150を下降させる状態を示し、(C)が螺旋階段2Aの下部支持架台150を階段設置範囲の最下位置(立坑の掘削による掘削終了面G)まで下降させた状態を示し、(D)が螺旋階段2Aの上にさらに螺旋階段2Bを連結した状態を示す。また、
図14は、(A)が上下2つの螺旋階段2A、2Bを下降させる状態を示し、(B)が上下2つの螺旋階段2A、2Bのそれぞれを階段設置範囲の最下位置(螺旋階段2Aが立坑の掘削による掘削終了面G)まで下降させた状態を示す。
【0076】
図13(A)に示すように、掘削中の立坑の基準レベルLには、仮設構造物Tsが設置される。螺旋階段2Aの上部固定架台吊り具144のそれぞれは、上部固定架台吊り手段143を介して仮設構造物Tsに連結され、階段設置範囲の上部に固定される。また、螺旋階段2Aの中央支柱吊り具134は、中央支柱吊り手段133を介して仮設構造物Tsに設置された揚重機Cbに連結される。
図13及び
図14の例では、揚重機Cbは、チェーンブロックである。
【0077】
図13(B)に示すように、立坑を基準レベルLより徐々に掘り下げて掘削終了面Gを下げた後、作業者は、揚重機Cbを操作し、螺旋階段2Aの中央支柱130及び下部支持架台150を下降させる。ステップ60B~60Kは、それぞれの被吊り部61、被ガイド部62、及び段板部63によってそれぞれの設置レベルに固定される。
【0078】
図13(C)に示すように、螺旋階段2Aの下部支持架台150を最下位置に配置した後、作業者は、下部支持架台150の下方にジャッキベース14を配置し、ジャッキベース14に補助支柱20を立設して該螺旋階段2Aの上部固定架台40を固定し、中央支柱吊り手段133を取り外す。
【0079】
図13(D)に示すように、作業者は、螺旋階段2Aの上部固定架台40の上に、ボルトやワイヤ等の連結手段によって螺旋階段2Bの下部支持架台150を連結する。螺旋階段2Bの中央支柱130は、螺旋階段2Bの下部支持架台150によって支持される。ここで、螺旋階段2Bの下部支持架台150が、螺旋階段2Aの中央支柱130の上側に固定されるように構成してもよい。
【0080】
図14(A)に示すように、作業者は、さらに、基準レベルLより徐々に立坑を掘り下げて掘削終了面Gを下げた後、揚重機Cbを操作し、螺旋階段2Aとともに螺旋階段2Bを下降させる。螺旋階段2Bのステップ60B~60Kも、それぞれの被吊り部61、被ガイド部62、及び段板部63によってそれぞれの設置レベルに固定される。
【0081】
図14(B)に示すように、螺旋階段2Bを階段設置範囲の最下位置に配置した後、作業者は、螺旋階段2Aにおける上部固定架台40の支持具43に補助支柱20を立設し、螺旋階段2Bの上部固定架台40を当該補助支柱20に固定する。
【0082】
(第3実施形態)
第2実施形態では、2つの螺旋階段2A、2Bが上下に設置される例を説明したが、これに限定されない。
【0083】
図15は、本発明の第3実施形態に係る螺旋階段3A、3Bの設置例を示す上面図である。本実施形態の説明では、他の実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
【0084】
図15に示すように、螺旋階段3A、3Bは、立坑の枠体F内における掘削終了面G上に左右に並べて設置してもよい。螺旋階段3Aは、左回りに、下りになるように構成される。螺旋階段3Aは、右回りに、下りになるように構成される。
【0085】
螺旋階段3A、3Bでは、一方を昇り専用とし、他方を下り専用とし、階段を昇る作業者と、階段を降りる作業者の階段内の鉢合わせを防止することができる。
【0086】
前述の実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0087】
(a)作業者は、下部支持架台50、150を下降させる作業を行うことにより、より簡単に、螺旋階段1(以下、2、2A、2B、3A、3Bを含む)を設置することができる。また、作業者は、下部支持架台50、150を上昇させる作業を行うことにより、より簡単に、螺旋階段1を撤去できる。また、作業者は、設置済みの螺旋階段1を撤去し、撤去した螺旋階段1を新たな場所に設置することにより、より簡単に、螺旋階段1を移動させることができる。
【0088】
(b)螺旋階段1は、踊場の設置が不要であり、より小さなスペースに設置することができる。
【0089】
(c)螺旋階段1は、昇降の際に作業者が手を自由に使うことができる。
【0090】
(d)複数のステップ60のそれぞれは、作業者が下部支持架台50、150を下降させる過程で、上部固定架台40に設けられた吊り手段48によってそれぞれの設置レベルに吊持される。したがって、作業者が行う設置作業は、簡単である。
【0091】
(e)複数のステップ60のそれぞれは、作業者が下部支持架台50を下降させる過程で、当該ステップ60の被ガイド部62を中央支柱30、130に延在させたガイド部31の下端部に支持させることによってそれぞれの設置レベルに支持される。したがって、作業者が行う設置作業は、簡単である。
【0092】
(f)複数のステップ60のそれぞれは、より確実に、中央支柱30、130に延在させたスリット状のガイド部31、131によってそれぞれの設置位置にガイドされる。
【0093】
(g)螺旋階段1の上下のステップ60は、中央支柱30、130の周囲において、下段側のステップ60が上段側のステップ60の蹴上部65に沿う上組込み位置Puから下組込み位置Pdに至る上下方向に移動可能となるように組み込まれ、下段側のステップ60のすべてをその上組込み位置Puにおいて、下部支持架台50、150の上に載置して小さく畳むことができる。したがって、螺旋階段1は、収納に場所をとらず、運搬が容易である。
【0094】
(h)下段側のステップ60は、下組込み位置Pdにおいて、その段板部63が上段側のステップ60の張出し部66に支持され、安定する。
【0095】
(i)下段側のステップ60は、挟込み部68によって上段側のステップ60の蹴上部65を隙間部67に挟み込み、上組込み位置Puから下組込み位置Pdにおける上下方向に移動可能とされ、かつ上段側のステップ60から周方向に離間しないように保持される。
【0096】
(j)下段側のステップ60は、上組込み位置Puにおいて、張出し部66及び脚部69によって下部支持架台50、150に安定的に載置される。
【0097】
(k)螺旋階段1は、掘削済みの立坑の基準レベルLより掘り下げられた掘削終了面G上に、より簡単な作業で設置することができる。
【0098】
(j)螺旋階段1は、掘削中の立坑の基準レベルLより徐々に掘り下げられる掘削終了面G上に、より簡単な作業で設置することができる。
【0099】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に
限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明
に含まれる。
【0100】
例えば、実施形態の説明では、階段設置範囲が立坑内の階段を設置する範囲である例を説明したが、これに限定されない。階段設置範囲は、例えば、建物の2階から1階等、地上であってもよい。
【0101】
また、実施形態では、上部固定架台40が、略C字状をなすが、これに限定されない。上部固定架台40は、リング状をなしてもよい。
【0102】
また、実施形態では、中央支柱30、130は、ステップ60B~60Kのすべてを下組込み位置Pdに設定することができる長さに定められるが、例えばステップ60B~60Fのそれぞれが相隣るステップ60A~60Eのそれぞれの下組込み位置Pdに移動可能であり、ステップ60G~ステップ60Kが相隣るステップ60F~60Jのそれぞれの上組込み位置Puに固定される等、ステップ60の一部だけが下組込み位置Pdに移動可能となる長さ(階段設置範囲)になるように構成してもよい。これにより、螺旋階段1を上下に複数連結する際、最上段の螺旋階段1の中央支柱30、130を短くし、最上段の螺旋階段1の階段設置範囲の上部が基準レベルLに位置するように、高さを調整することができる。
【0103】
また、第2実施形態では、2つの螺旋階段2A、2Bが上下に設置される例を説明したが、3つ以上の螺旋階段を上下に設置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明によれば、より小さなスペースにおいてより簡単な作業で設置又は撤去することができ、昇降の際に作業者が手を自由に使うことができる、螺旋階段を提供することができる。
【符号の説明】
【0105】
1、2、2A、2B、3A、3B 螺旋階段
10 ベース架台
15 ジャッキベース
20 補助支柱
30、130 中央支柱
31、131 ガイド部
40 上部固定架台
48 吊り手段
50、150 下部支持架台
60 ステップ
60 複数のステップ
60A 最上段ステップ
60B~60J 中間ステップ
60K 最下段ステップ
61 被吊り部
62 被ガイド部
63 段板部
64 踏み面
65 蹴上部
66 張出し部
67 隙間部
68 挟込み部
69 脚部
G 掘削終了面
Cb 揚重機
L 基準レベル
Pd 下組込み位置
Pu 上組込み位置
Ts 仮設構造物
【要約】
【課題】 より小さなスペースにおいてより簡単な作業で設置又は撤去することができ、昇降の際に作業者が手を自由に使うことができる、螺旋階段を提供する。
【解決手段】 螺旋階段1は、階段設置範囲の上部に固定的に配置される上部固定架台40と、下降可能とされる下部支持架台50と、階段設置範囲の上下に亘って配置される中央支柱30とを有し、階段設置範囲の上部に設置可能とされて、上部固定架台40に接合される最上段ステップと、階段設置範囲の下部に設置可能とされて、下部支持架台50に接合される最下段ステップと、下部支持架台50が当初位置から最下位置まで下降される過程で、下部支持架台の上に載置されて下部支持架台50とともに下降し、階段設置範囲の上部と下部の間の所定の中間設置レベルに設置可能とされる中間ステップとからなる。
【選択図】
図1