(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置
(51)【国際特許分類】
B23P 6/04 20060101AFI20220523BHJP
B23P 23/04 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B23P6/04
B23P23/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021204923
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】202011502379.8
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514276562
【氏名又は名称】燕山大学
【氏名又は名称原語表記】YANSHAN UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】No. 438, Hebei Street, Haigang District, Qinhuangdao City, HeBei 066004 P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宋 剣鋒
(72)【発明者】
【氏名】王 棟
(72)【発明者】
【氏名】楊 振熙
(72)【発明者】
【氏名】時 迎港
(72)【発明者】
【氏名】王 思然
(72)【発明者】
【氏名】樊 又銘
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲とん▼宇
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03266543(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第111804910(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110405407(CN,A)
【文献】特開2012-000739(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110076566(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 6/00-04
B23P 23/04
B22F 12/00-12/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置であって、機台と、駆動アセンブリと、サーボモータ支持アセンブリと、材料投入アセンブリと、材料吐出口構造と、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリと、材料ブロッキング及び伝動構造と、表面酸化物除去装置と、表面摩擦予熱装置と、表面欠陥破壊及びコーティング装置と、表面コーティングロールプレス装置とを含み、
前記材料投入アセンブリは、中空軸材料投入装置を含み、
前記駆動アセンブリは、X軸方向送りアセンブリ、Y軸方向送りアセンブリ及びZ軸方向送りアセンブリを含み、前記X軸方向送りアセンブリ、前記Y軸方向送りアセンブリ及び前記Z軸方向送りアセンブリは、それぞれ前記機台のX軸、Y軸及びZ軸上に設けられ、前記サーボモータ支持アセンブリは、前記Z軸方向送りアセンブリ上に設けられ、前記中空軸材料投入装置は、前記サーボモータ支持アセンブリに接続され、前記修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリは、前記Y軸方向送りアセンブリ上に設けられ、前記材料吐出口構造は、前記修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ上に設けられており、
前記材料吐出口構造は、形状及び寸法が全く同じとなる3つの材料吐出口を含み、3つの前記材料吐出口は、円周をなすように配列され、2つずつの前記材料吐出口間の円周角度は、何れも120°であり、各々の前記材料吐出口は、両長円弧辺の半径が等しく、円周の半径方向に沿って外へ延びるにつれて、前記材料吐出口の幅は徐々に小さくなり、前記材料吐出口の円周底部は、全体として内凹状に設計され、中心領域が平面であり、前記材料吐出口の内凹面上には、
前記表面欠陥破壊及びコーティング装置の攪拌針を取り付けるための複数の雌ねじ孔が設けられており、前記複数の前記雌ねじ孔は、何れも前記材料吐出口の円周全体の直径上に分布されて前記材料吐出口との間に一定の距離が空けられており、中心領域に位置する前記雌ねじ孔には、損傷表面を破壊するための前記攪拌針が取り付けられており、
前記表面酸化物除去装置は、同じ構造となる4段のドレン凹溝と、複数の攪拌針とを含み、各段の前記ドレン凹溝は、何れも1つの短直辺及び1つの長弧辺を有し、4段の前記ドレン凹溝は、前記表面酸化物除去装置の
下面の円周上に交差して設けられており、4段の前記ドレン凹溝の中心位置には、1つの攪拌針が設けられ、各段の前記ドレン凹溝上には、それぞれ3つの攪拌針が設けられており、中心位置からの距離が増加するにつれて、前記攪拌針の寸法は徐々に小さくなり、
前記表面摩擦予熱装置の作業表面は、一定の粗さを有する平面であり、表面酸化物除去装置によって損傷表面の酸化物が除去された後、前記表面摩擦予熱装置は、前記損傷表面上で高速に回転及び移動することで熱を発生して、損傷したワーク表面を予熱し、
前記表面欠陥破壊及びコーティング装置は、複数設けられており、各々の前記表面欠陥破壊及びコーティング装置には、異なるサイズとなる3つの攪拌針が含まれ、前記3つの攪拌針は、それぞれ中心攪拌針、第二攪拌針及び第三攪拌針であり、前記中心攪拌針の寸法は、前記第二攪拌針の寸法よりも大きく、前記第二攪拌針の寸法は、前記第三攪拌針の寸法よりも大きく、
前記表面コーティングロールプレス装置は、複数のローラ溝を備えた1つのローラ受け盤と、内輪ローラユニットと、外輪ローラユニットとを含み、前記内輪ローラユニット及び前記外輪ローラユニットは、それぞれ3つ設けられており、前記内輪ローラユニットの3つの内輪ローラのうち、任意の2つのローラ軸の夾角、及び、前記外輪ローラユニットの3つの外輪ローラのうち、任意の2つのローラ軸の夾角は、何れも120度であり、各前記外輪ローラのローラ孔は、何れも、2つの前記内輪ローラのローラ孔の角二等分線上に位置し、
前記表面酸化物除去装置、前記表面摩擦予熱装置及び前記表面コーティングロールプレス装置の表面には、何れも材料ブロッキング及び伝動構造が設けられており、前記材料ブロッキング及び前記伝動構造は、表面形状が外凸状であり、その上面中心部が平面領域であり、この外凸状と前記平面領域とを組み合わせた形状は、前記材料吐出口の円周底部全体の前記内凹面にぴったり適合し、前記材料ブロッキング及び伝動構造の表面には、形状及び寸法が前記材料吐出口と全く同じとなる3つの凸起部分が備えられており、3つの前記凸起部分は、円周をなすように配列され、2つずつの前記凸起部分間の円周角度は、何れも120°であり、3つの前記凸起部分の湾曲方向は、同じであるとともに、前記材料吐出口の湾曲方向と同じであり、前記材料ブロッキング及び伝動構造の表面には、攪拌針を格納するための複数の円柱孔が設けられ、前記複数の円柱孔は、何れも前記材料吐出口との間に一定の距離が空けられており、
前記修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリは、クランプブロック、治具エジェクタロッドスラスト孔、治具締付エジェクタロッド、治具ベース、回転ロッド、修復すべき鋼板ワーク及び治具ベース接続板を含み、前記治具締付エジェクタロッドは、雌ねじ付きの治具ベースを通っており、前記治具締付エジェクタロッドは、第一端が前記治具エジェクタロッドスラスト孔内に置かれ、第二端が前記回転ロッドに接続され、前記修復すべき鋼板ワークは、前記治具ベース上に載置され、前記治具ベースの凸起部分と前記クランプブロックとが協働することで前記修復すべき鋼板ワークをクランプし、前記治具ベースは、前記治具ベース接続板に接続される、ことを特徴とする半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置。
【請求項2】
前記複数の雌ねじ孔は、中心雌ねじ孔、第二雌ねじ孔及び第三雌ねじ孔を含み、前記材料吐出口の円周の直径方向に沿って、前記中心雌ねじ孔は、前記材料吐出口の円周の中心位置に位置し、前記第二雌ねじ孔は、円周の直径方向に沿って前記中心雌ねじ孔から前記材料吐出口の円周の半径長の1/3倍だけ離れた箇所に位置し、前記第三雌ねじ孔は、前記材料吐出口の円周の直径方向に沿って前記中心雌ねじ孔から前記材料吐出口の円周の半径長の2/3倍だけ離れた箇所に位置し、且つ前記中心雌ねじ孔から前記第二雌ねじ孔の位置する箇所への方向と反対の方向にあり、
前記複数の円柱孔は、中心円柱孔、第二円柱孔及び第三円柱孔を含み、前記材料ブロッキング及び伝動構造の上面の円周の直径方向に沿って、前記中心円柱孔は、前記材料ブロッキング及び伝動構造の上面の円周の中心位置に位置し、前記第二円柱孔は、円周の直径方向に沿って前記中心円柱孔から材料吐出口の円周の半径長の1/3倍だけ離れた箇所に位置し、前記第三円柱孔は、前記材料ブロッキング及び伝動構造の上面の円周の直径方向に沿って前記中心円柱孔から前記材料吐出口の円周の半径長の2/3倍だけ離れた箇所に位置し、且つ前記中心円柱孔から前記第二円柱孔の位置する箇所への方向と反対の方向にあり、前記中心円柱孔の寸法は、前記中心雌ねじ孔の寸法よりもやや大きく、前記第二円柱孔の寸法は、前記第二雌ねじ孔の寸法よりもやや大きく、前記第三円柱孔の寸法は、前記第三雌ねじ孔の寸法よりもやや大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置。
【請求項3】
前記表面欠陥破壊及びコーティング装置の前記攪拌針の
上部は、円柱ボスであり、前記円柱ボスの外面には、前記雌ねじ孔内に締付固定されるための雄ねじが設けられており、
前記表面欠陥破壊及びコーティング装置の前記攪拌針の
下部は、錐台であり、前記錐台の先端は、損傷表面を破壊するためのものである、ことを特徴とする請求項1に記載の半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付加修復技術に基づいて平面系の損傷表面を修復する表面修復技術の分野に関し、特に、半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの平面系のワークは、一定期間作業した後、ひび割れ、擦り傷、摩耗及び材料剥落現象が表面に発生してしまう。平面系のワークは、適時に修復されないと、その使用寿命が短縮される。現在、平面系の表面の修復技術としては、主に除去修復技術及び付加修復技術の2種類が用いられている。除去修復法の主な原理は、切削及び研削等の手段を用いて、損傷した平面系のワークの表層領域を削り落とすことであり、この方法では、平面系の損傷ワークを効果的に修復できるが、除去修復法を何度も使用すると、平面系のワークは、作業寸法要件を満たさなくなり、完全に廃却されてしまう。本発明は、付加修復法を提供するものであり、その基本原理としては、まず、金属攪拌ヘッドを用いて平面系のワーク表面上の酸化物、油汚れ及びほこり等の表面不純物を除去し、このとき、比較的清潔な表面が得られ、次いで、材料止め装置の下面と清潔表面との間の摩擦発熱現象を利用し、清潔な表面に対して予熱処理を行う。次に、表面欠陥破壊及びコーティング装置は、損傷した清潔な表面上で迅速に回転し、攪拌針が損傷表面に嵌め込まれてから表面及びより深い箇所の材料を攪拌し、攪拌針が通過した位置には、複数本の凹痕が刻まれ、表面上の凹痕の両側には、不規則な形状のクラム状材料が堆積され、それと同時に、材料吐出口の内凹空間内に貯留された一定の圧力を持つ半固形スラリーは、攪拌針が通った経路に沿って凹痕に流れ込んで凹痕を満たしつつ、クラム状材料と堆積して緊密に融合され、表面欠陥破壊及びコーティング装置の損傷表面上での迅速な回転及び移動につれて、損傷表面にますます多くの凹痕が刻まれながら、ますます多くのクラム状材料が堆積され、一定の圧力を持つ半固形スラリーは、縦横にクロスした凹痕を満たしつつ、凹痕の両側で突き出たクラム状材料と堆積して混合され、半固形スラリー用材料吐出口の内凹空間の円周上の最低面により、半固形スラリーとクラム状材料とが堆積された混合体を損傷表面上に押し広げられて、比較的平坦な合金コーティングが形成され、この時点で、損傷表面の損傷した領域の修復が完了し、修復後の損傷表面には、表面欠陥が存在しなくなっている。修復された表面により良好な緻密性、平坦度、より高い強度及びより良好な硬度を持たせるためには、次に、マルチローラ型ロールプレス装置を利用し、修復された表面に対してロールプレスを行い、マルチローラ型ロールプレス装置自身の迅速な回転及び表面に沿った移動により、マルチローラ型ロールプレス装置が表面上のあらゆる箇所をロールプレスできることを確保可能であり、ロールプレス後の表面の合金コーティングは、良好な緻密性、均一な表面分布、高い平坦度、微細な表面組織、マクロ偏析なし、より長い疲労寿命、より良い耐食及び防錆能力、高い強度及び高い硬度等の利点を有する。除去修復技術と異なり、付加修復技術は、ワーク寸法を変えることなく、損傷平面の表面欠陥を無限回に修復可能であり、部品の廃却による材料損耗の問題を大幅に解決している。
【0003】
半固形スラリーの調製方法としては、主に歪み誘起法、機械的攪拌法及び電磁攪拌法がある。歪み誘起法は、スパイラル管を介して半固形スラリーを調製するものであり、半固形スラリーがその重力に依存して下向きに流れ、流速が遅く、調製効率が低く、スパイラル管の外で半固形スラリーが冷却され、温度制御が困難である一方で、電磁攪拌法は、電源周波数の制御への要求が高く、消費電力が大きい。現在、半固形スラリーを調製するための素材加熱方式は、依然として恒温加熱を採用しており、異なる領域の素材に対して異なる温度制御を行うことが難しい。本発明は、機械的攪拌法の原理を利用して半固形スラリーを調製し、その基本原理として、混合された金属粉末を半固形スラリー調製筒内に入れ、3段の段分け誘導加熱コイルを用いて金属粉末を加熱し、3段の異なる誘導加熱コイルの電力及び通電時間長をそれそれ制御して異なる領域の金属粉末の加熱温度を制御し、金属粉末が固液共存状態(樹枝状一次固相が存在する状態)に加熱されると、3ヘッドの機械的攪拌ヘッドを用いて樹枝状一次固相を強力的に攪拌し、樹枝状一次固相が破砕されて、微細な球状であり、非樹枝状一次相と液状金属との両方からなる液固混合スラリーが得られる。この方法で調製された半固形スラリーは、半固形スラリー調製筒の全体で均一に加熱及び均一に攪拌され、攪拌できない死角領域も存在せず、調製された半固形スラリーは、均一な球状結晶分布、適度な粘度、良好な流動性を有し、スラリー内に気体が巻き込まれ難い。半固形スラリーが保温され、半固形スラリーを使用する必要がある場合は、スパイラル加速送り装置を用いて半固形スラリーの投入を加速して材料供給の目的が達される。この調製方法は、高い調製効率、スムーズな材料吐出、乱流や飛散なし等の利点を有する。
【0004】
除去修復技術は、表面を何度も修復すると、表面の材料が除去され過ぎてワークが寸法要件を満たさずに廃却され、材料の大きな浪費に繋がってしまう。一方で、レーザ溶着技術のような表面修復技術は、損傷表面上に溶融合金を1層均一に溶着することしかできず、例えばピット、深い引っかき傷及び深刻な腐食など、重大な欠陥のある損傷表面の場合、レーザ溶着のような修復技術を用いて、これらの酷く損傷した表面を修復する際、溶着層が薄いと、平坦度、緻密度、強度及び硬度の要件を満たし難くなる一方で、溶着層が厚いと、表面系の部品寸法が大きすぎて、使用要件を満たさなくなってしまう。
【発明の概要】
【0005】
上記した何度も修復できないことや、材料が浪費されてしまう等の従来の除去修復技術の修復欠点、及び、表面の修復品質を制御し難いというレーザ溶着のような付加修復技術の欠点を解決するために、本発明は、半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置を提供し、この装置によれば、損傷表面の表面酸化層、油汚れ及びほこり等の不純物の除去、処理すべき表面の予熱処理、表面材料の攪拌及び欠陥の破壊、半固形スラリーのコーティング及び表面コーティングのロールプレスを実現可能であり、この装置によって修復された損傷表面は、良好な緻密性、均一な表面材料分布、高い平坦度、微細な表面組織、マクロ偏析なし、長い疲労寿命、良好な耐食及び防錆能力、高い強度及び高い硬度等の利点を有する。
【0006】
具体的に、本発明は、半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置を提供し、この装置は、機台と、駆動アセンブリと、サーボモータ支持アセンブリと、材料投入アセンブリと、材料吐出口構造と、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリと、材料ブロッキング及び伝動構造と、表面酸化物除去装置と、表面摩擦予熱装置と、表面欠陥破壊及びコーティング装置と、表面コーティングロールプレス装置とを含み、前記材料投入アセンブリは、中空軸材料投入装置、半固形調製筒、伝動装置、材料止め装置、材料送りアセンブリ及び段分け誘導加熱装置を含む。
【0007】
前記駆動アセンブリは、機台、X軸方向送りアセンブリ、Y軸方向送りアセンブリ及びZ軸方向送りアセンブリを含み、X軸方向送りアセンブリ、Y軸方向送りアセンブリ及びZ軸方向送りアセンブリは、それぞれ前記機台のX軸、Y軸及びZ軸上に設けられ、前記サーボモータ支持アセンブリは、前記Z軸方向送りアセンブリ上に設けられ、前記中空軸材料投入装置は、前記サーボモータ支持アセンブリに接続され、前記修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリは、前記Y軸方向送りアセンブリ上に設けられ、前記材料吐出口構造は、前記修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ上に設けられている。
【0008】
前記材料吐出口構造は、形状及び寸法が全く同じとなる3つの材料吐出口を含み、3つの材料吐出口は、円周をなすように配列され、2つずつの材料吐出口間の円周角度は、何れも120°であり、各々の材料吐出口は、両長円弧辺の半径が等しく、円周の半径方向に沿って外へ延びるにつれて、材料吐出口の幅は徐々に小さくなり、材料吐出口の円周底部は、全体として内凹状に設計され、中心領域が平面であり、材料吐出口の内凹面上には、攪拌針を取り付けるための複数の雌ねじ孔が設けられており、複数の雌ねじ孔は、何れも材料吐出口の円周全体の直径上に分布されて材料吐出口との間に一定の距離が空けられており、中心領域に位置する雌ねじ孔には、損傷表面を破壊するための攪拌針が取り付けられている。
【0009】
前記表面酸化物除去装置は、同じ構造となる4段のドレン凹溝と、複数の攪拌針とを含み、各段のドレン凹溝は、何れも1つの短直辺及び1つの長弧辺を有し、4段のドレン凹溝は、前記表面酸化物除去装置の上面の円周上に交差して設けられており、4段のドレン凹溝の中心位置には、1つの攪拌針が設けられ、各段のドレン凹溝上には、それぞれ3つの攪拌針が設けられており、中心位置からの距離が増加するにつれて、攪拌針の寸法は徐々に小さくなる。
【0010】
前記表面摩擦予熱装置の作業表面は、一定の粗さを有する平面であり、表面酸化物除去装置によって損傷表面の酸化物が除去された後、表面摩擦予熱装置は、損傷表面上で高速に回転及び移動することで熱を発生して、損傷したワーク表面を予熱する。
【0011】
表面欠陥破壊及びコーティング装置は、複数設けられており、各々の表面欠陥破壊及びコーティング装置には、異なるサイズとなる3つの攪拌針が含まれ、3つの攪拌針は、それぞれ中心攪拌針、第二攪拌針及び第三攪拌針であり、中心攪拌針の寸法は、第二攪拌針の寸法よりも大きく、第二攪拌針の寸法は、第三攪拌針の寸法よりも大きい。
【0012】
前記表面コーティングロールプレス装置は、複数のローラ溝を備えた1つのローラ受け盤と、内輪ローラユニットと、外輪ローラユニットとを含み、前記内輪ローラユニット及び外輪ローラユニットは、それぞれ3つ設けられており、内輪ローラユニットの3つの内輪ローラのうち、任意の2つのローラ軸の夾角、及び、外輪ローラユニットの3つの外輪ローラのうち、任意の2つのローラ軸の夾角は、何れも120度であり、各外輪ローラのローラ孔は、何れも、2つの内輪ローラのローラ孔の角二等分線上に位置する。
【0013】
前記の表面酸化物除去装置、表面摩擦予熱装置及び表面コーティングロールプレス装置の表面には、何れも材料ブロッキング及び伝動構造が設けられており、材料ブロッキング及び伝動構造は、表面形状が外凸状であり、その上面中心部が平面領域であり、この外凸状と平面領域とを組み合わせた形状は、材料吐出口の円周底部全体の内凹面にぴったり適合し、材料ブロッキング及び伝動構造の表面には、形状及び寸法が材料吐出口と全く同じとなる3つの凸起部分が備えられており、3つの凸起部分は、円周をなすように配列され、2つずつの凸起部分間の円周角度は、何れも120°であり、3つの凸起部分の湾曲方向は、同じであるとともに、材料吐出口の湾曲方向と同じであり、材料ブロッキング及び伝動構造の表面には、攪拌針を格納するための複数の円柱孔が設けられ、複数の円柱孔は、何れも材料吐出口との間に一定の距離が空けられている。
【0014】
前記修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリは、クランプブロック、治具エジェクタロッドスラスト孔、治具締付エジェクタロッド、治具ベース、回転ロッド、修復すべき鋼板ワーク及び治具ベース接続板を含み、前記治具締付エジェクタロッドは、雌ねじ付きの治具ベースを通っており、前記治具締付エジェクタロッドは、第一端が前記治具エジェクタロッドスラスト孔内に置かれ、第二端が前記回転ロッドに接続され、前記修復すべき鋼板ワークは、前記治具ベース上に載置され、前記治具ベースの凸起部分と前記クランプブロックとが協働することで前記修復すべき鋼板ワークをクランプし、前記治具ベースは、前記治具ベース接続板に接続される。
【0015】
好ましくは、複数の雌ねじ孔は、中心雌ねじ孔、第二雌ねじ孔及び第三雌ねじ孔を含み、材料吐出口の円周の直径方向に沿って、中心雌ねじ孔は、材料吐出口の円周の中心位置に位置し、第二雌ねじ孔は、円周の直径方向に沿って中心雌ねじ孔から材料吐出口の円周の半径長の1/3倍だけ離れた箇所に位置し、第三雌ねじ孔は、材料吐出口の円周の直径方向に沿って中心雌ねじ孔から材料吐出口の円周の半径長の2/3倍だけ離れた箇所に位置し、且つ中心雌ねじ孔から第二雌ねじ孔の位置する箇所への方向と反対の方向にある。
【0016】
複数の円柱孔は、中心円柱孔、第二円柱孔及び第三円柱孔を含み、材料ブロッキング及び伝動構造の上面の円周の直径方向に沿って、中心円柱孔は、材料ブロッキング及び伝動構造の上面の円周の中心位置に位置し、第二円柱孔は、円周の直径方向に沿って中心円柱孔から材料吐出口の円周の半径長の1/3倍だけ離れた箇所に位置し、第三円柱孔は、材料ブロッキング及び伝動構造の上面の円周の直径方向に沿って中心円柱孔から材料吐出口の円周の半径長の2/3倍だけ離れた箇所に位置し、且つ中心円柱孔から第二円柱孔の位置する箇所への方向と反対の方向にある、中心円柱孔の寸法は、中心雌ねじ孔の寸法よりもやや大きく、第二円柱孔の寸法は、第二雌ねじ孔の寸法よりもやや大きく、第三円柱孔の寸法は、第三雌ねじ孔の寸法よりもやや大きい。
【0017】
好ましくは、前記攪拌針の下部は、円柱ボスであり、円柱ボスの外面には、雌ねじ孔内に締付固定されるための雄ねじが設けられており、前記攪拌針の上部は、錐台であり、前記錐台の先端は、損傷表面を破壊するためのものである。
【0018】
従来技術に比べて、本発明は、次の有益な効果を有する。
(1)本発明の材料吐出口構造は、半固形スラリーの吐出を行うことができるとともに、前記表面酸化層除去装置、表面摩擦予熱装置、表面欠陥破壊及びコーティング装置及び表面コーティングロールプレス装置に損傷表面を修復させることができ、また、材料吐出口構造は、材料吐出口の円周の半径方向に沿って材料吐出口の幅が徐々に小さくなっており、材料吐出口からの材料吐出を均一にする効果を達成でき、材料吐出口は、一定の圧力を持つ半固形スラリーを貯留可能な内凹空間を有し、且つ材料吐出口の円周には、比較的緩やかな遷移平面が備えており、その回転及び移動中に、攪拌後の材料と半固形スラリーとの混合物を損傷表面上に押し広げることができる。
(2)本発明の材料ブロッキング及び伝動構造の構造の上面と前記材料吐出口とは、形状構造が完全に適合可能であり、この構造を適用すれば、動力を表面酸化物除去装置、表面摩擦予熱装置及び表面コーティングロールプレス装置に伝達できるとともに、半固形スラリー調製筒内にある半固形スラリーが材料供給口から流出することを阻止できる。また、その構造の上面には、攪拌針を置く凹溝孔が備えられ、凹溝孔の寸法は、攪拌針の寸法よりもやや大きくなっており、伝動中の過度な圧力による攪拌針の損壊が防止される。
(3)本発明の表面欠陥破壊及びコーティング装置は、表面欠陥破壊及びコーティング装置の回転及び水平運動中に、攪拌針が空間位置の移動に伴って損傷表面上の全ての欠陥を破壊することができる。表面欠陥破壊及びコーティング装置は、攪拌針の寸法が異なり、中心位置ほど攪拌針の寸法が大きくなり、円周位置ほど攪拌針の寸法が小さくなっており、表面欠陥を破壊する過程では、様々な作業状況に応じて適切な寸法の攪拌針を選択することで、攪拌針全体の使用寿命の向上を図ることが可能である。
(4)本発明の表面酸化物除去装置は、動力を伝達できるとともに、半固形スラリーの流出を阻止できる。その凹溝内には、異なる寸法の攪拌針が設けられており、攪拌針の強度が保証される一方で、損傷表面上の酸化物、油汚れ及びほこり等の不純物を除去できる。その下面には、円弧状の凹溝エッジ構造が備えられており、表面酸化物除去装置の回転及び移動に伴って、攪拌針によって除去された酸化物等の不純物を円弧状の凹溝エッジ構造で振り切ってから吹き落とすことができる。
(5)本発明の表面摩擦予熱装置は、動力を伝達できるとともに、半固形スラリーの流出を阻止できる。一方、損傷表面の酸化物が除去された後、表面摩擦予熱装置を用いて表面を予熱すれば、次ステップの表面欠陥破壊及びコーティング過程に備えて、表面の材料の攪拌を容易にすることが可能である。
(6)本発明の表面コーティングロールプレス装置は、その内輪上のローラと外輪のローラとの間に少しの重複部分があり、表面コーティングロールプレス装置が作業時にコーティング後の表面を全方位的にロールプレス可能であることを保証できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明の各アセンブリ全体の模式図である。
【
図3】
図3は、本発明のX方向伝動構造の模式図である。
【
図4】
図4は、本発明のX方向伝動受けの模式図である。
【
図5】
図5は、本発明のY方向伝動構造の模式図である。
【
図6】
図6は、本発明のY方向伝動受けの模式図である。
【
図7】
図7は、本発明のZ方向伝動構造の模式図である。
【
図8】
図8は、本発明の中空軸材料投入構造の模式図である。
【
図9】
図9は、本発明のダブルナットボルト構造の模式図である。
【
図10】
図10は、本発明のギアペア受け盤の構造模式図である。
【
図11】
図11は、本発明の加速スパイラルロッドの構造模式図である。
【
図12a】
図12aは、本発明のギアペア受け盤及び加速スパイラルロッドの組立の斜視模式図である。
【
図12b】
図12bは、本発明のギアペア受け盤及び加速スパイラルロッドの組立の側面構造模式図である。
【
図13】
図13は、本発明の半固形スラリー調製筒の構造模式図である。
【
図15】
図15は、本発明の多機能半固形スラリー調製筒及び差動別軸組立構造の模式図である。
【
図16】
図16は、本発明の段分け誘導加熱構造の模式図である。
【
図18】
図18は、本発明の材料ブロッキング及び伝動構造の模式図である。
【
図19】
図19は、本発明の表面酸化物除去装置の模式図その一である。
【
図20】
図20は、本発明の表面酸化物除去装置の模式図その二である。
【
図21】
図21は、本発明の表面摩擦予熱装置の模式図である。
【
図22】
図22は、本発明の表面欠陥破壊及びコーティング装置の模式図である。
【
図23】
図23は、本発明の表面コーティングロールプレス装置の模式図その一である。
【
図24】
図24は、本発明の表面コーティングロールプレス装置の模式図その二である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の技術内容、構造特徴、達成される目的及び機能効果を詳述するために、以下、添付図面と併せて詳しく説明する。
【0021】
本発明は、半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置を提供しており、
図1~
図20に示すように、この装置は、X軸方向送りアセンブリ1と、Y軸方向送りアセンブリ2と、工作機械基体3と、Z軸方向送りアセンブリ4と、表面酸化物除去装置と、表面摩擦予熱装置と、表面欠陥破壊及びコーティング装置と、表面コーティングロールプレス装置と、サーボモータ支持アセンブリ5と、中空軸連続材料投入アセンブリ6と、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7と、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8とを含む。X軸方向送りアセンブリ1は、工作機械基体3に接続され、Y軸方向送りアセンブリ2は、X軸方向送りアセンブリ1に接続され、Z軸方向送りアセンブリ4は、工作機械基体3に接続され、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8は、Y軸方向送りアセンブリ2に接続され、サーボモータ支持アセンブリ5は、Z軸方向送りアセンブリ4に接続され、中空軸連続材料投入アセンブリ6は、サーボモータ支持アセンブリ5に接続され、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7は、中空軸連続材料投入アセンブリ6に接続され、各アセンブリ間の協働により、半固形スラリーの材料投入、半固形スラリーの調製、半固形スラリーの供給及び空間運動等の複数の機能を一体化することができる。
【0022】
図2~
図4に示すように、X軸方向送りアセンブリ1は、X軸ステッピングモータ101、X軸ボールネジ軸受102、X軸軸受座103、X軸ボールネジ104、X軸スライダレール105、X軸レール接続用六角穴付きボルト106、X軸レール支持座ボルト107、X軸レール支持座108、X軸軸受座接続用六角穴付きボルト109、X軸レールスライダ110、X軸ネジスライダ111、X軸受け板112、X軸レールスライダ接続用六角穴付きボルト113、X軸ネジスライダ接続用六角穴付きボルト114及びX軸受け板孔115を含み、X軸ステッピングモータ101は、X軸ボールネジ104に接続され、X軸ボールネジ104は、X軸ボールネジ軸受102に接続され、X軸ボールネジ軸受102は、X軸軸受座103に接続され、X軸軸受座103は、X軸軸受座接続用六角穴付きボルト109を介してX軸レール支持座108上に固定され、X軸スライダレール105は、X軸レール接続用六角穴付きボルト106を介してX軸レール支持座108上に接続され、X軸レール支持座108は、X軸レール支持座ボルト107を介して工作機械支持座フレーム301に接続され、X軸レールスライダ110は、X軸スライダレール105上に取り付けられ、X軸ネジスライダ111は、X軸ボールネジ104上に取り付けられ、X軸受け板112は、X軸レールスライダ接続用六角穴付きボルト113及びX軸ネジスライダ接続用六角穴付きボルト114を介して、それぞれX軸レールスライダ110及びX軸ネジスライダ111上に固定されて、Y軸方向送りアセンブリ2及び修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8をX軸方向に沿って運動させることが可能である。
【0023】
図2及び
図5に示すように、Y軸方向送りアセンブリ2は、Y軸ステッピングモータ201、Y軸ボールネジ軸受202、Y軸軸受座203、Y軸ボールネジ204、Y軸スライダレール205、Y軸レール接続用六角穴付きボルト206、Y軸レール支持座207、Y軸レール支持座ボルト208、Y軸ネジスライダ209、Y軸ネジスライダ接続用六角穴付きボルト孔210、Y軸レールスライダ211及びY軸レールスライダ接続用六角穴付きボルト孔212を含み、Y軸ステッピングモータ201は、Y軸ボールネジ204に接続され、Y軸ボールネジ204は、Y軸ボールネジ軸受202に接続され、Y軸ボールネジ軸受202は、Y軸軸受座203に接続され、Y軸軸受座203は、Y軸レール支持座207に接続され、Y軸スライダレール205は、Y軸レール接続用六角穴付きボルト206を介してY軸レール支持座207に接続され、Y軸レール支持座207は、Y軸レール支持座ボルト208を介してX軸受け板112に接続され、Y軸ネジスライダ209は、Y軸ボールネジ204上に装着され、Y軸レールスライダ211は、Y軸スライダレール205上に装着されて、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8をY軸方向に沿って運動させることが可能である。
【0024】
図2及び
図7に示すように、Z軸方向送りアセンブリ4は、Z軸ステッピングモータ401、Z軸ボールネジ軸受402、Z軸軸受座403、Z軸ボールネジ404、Z軸スライダレール405、Z軸レール接続用六角穴付きボルト406、Z軸レール支持座407、Z軸レール支持座ボルト408、Z軸レールスライダ409、スライダ接続用六角穴付きボルト410、Z軸ネジスライダ411、Z軸レールスライダ接続用六角穴付きボルト孔412及びZ軸ネジスライダ接続用六角穴付きボルト孔413を含み、Z軸ステッピングモータ401は、Z軸ボールネジ404に接続され、Z軸ボールネジ404は、Z軸ボールネジ軸受402に接続され、Z軸ボールネジ軸受402は、Z軸軸受座403に接続され、Z軸スライダレール405は、Z軸レール接続用六角穴付きボルト406を介してZ軸レール支持座407に接続され、Z軸レール支持座407は、Z軸レール支持座ボルト408を介して工作機械支持座フレーム301に接続され、Z軸レールスライダ409は、Z軸スライダレール405上に装着され、Z軸ネジスライダ411は、Z軸ボールネジ404上に装着されて、サーボモータ支持アセンブリ5と、中空軸連続材料投入アセンブリ6と、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7とをZ軸方向に沿って運動させることが可能である。
【0025】
図2に示すように、サーボモータ支持アセンブリ5は、サーボモータベース支持座501、支持座接続用六角穴付きボルト502、接続支持板503、サーボモータベース504及びサーボモータベース接続用六角穴付きボルト505を含み、サーボモータベース支持座501は、支持座接続用六角穴付きボルト502を介して接続支持板503に接続され、接続支持板503は、スライダ接続用六角穴付きボルト410を介してZ軸レールスライダ409上に固定され、サーボモータベース504は、サーボモータベース接続用六角穴付きボルト505を介してサーボモータベース支持座501に接続される。
【0026】
図2に示すように、中空軸連続材料投入アセンブリ6は、材料投入口601、大中空軸モータ602、小中空軸モータ603、大中空軸モータ軸ディスク604及びボルト構造605を含み、
図15に示すように、大中空軸モータ軸60201及び小中空軸モータ軸60304は、何れも中空構造である。
図8に示すように、小中空軸モータベース60301の中心孔は、大中空軸モータ軸60201及び小中空軸モータ軸60304の寸法と一致している。
図9に示すように、第一ナット60501、ボルト構造本体60502、第二ナット60503、第三ナット60504及び材料投入口601は、大中空軸モータ602上に溶接されて大中空軸モータ602の中空軸と貫通しており、大中空軸モータ軸ディスク604は、大中空軸モータ軸60201上に溶接され、小中空軸モータベース60301は、小中空軸モータ603上に溶接され、小中空軸モータ603は、大中空軸モータ軸ディスク604に接続され、小中空軸モータ軸端駆動ギア60303は、小中空軸モータ軸60304上に溶接され、ボルト構造605は、第二ナット60503及び第三ナット60504を介して大中空軸モータ軸ディスク604に接続される。小中空軸モータベース60301上には、六角穴付きボルト60302が設けられている。
【0027】
図2に示すように、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7は、ギアペア別軸伝動装置701、多機能半固形スラリー調製筒702、段分け誘導加熱装置703及び材料止め装置704を含み、
図10に示すように、ギアペア受け盤70101は、中心孔の寸法がギア受け盤中空材料投入管の寸法よりもやや大きく、且つギア軸70105とボルト構造605とを接続するための接続孔、ギアペア受け盤接続孔70102、ギア受け盤中空材料投入管70103及びギアペア別軸伝動軸孔70104がそれぞれ備えられており、
図11に示すように、ギア軸70105及びスラストショルダ70106の直径は、ギアペア別軸伝動軸孔70104の直径よりも大きく、従動ギア70107は、標準インボリュートギアであり、ギア固定ねじ70108は、ギアを固定するためのものであり、半固形スラリー攪拌羽根70201の形状は、プロペラ形状であり、加速スパイラルロッド70202のスパイラル凹溝の体積は、スパイラル線の方向に沿って上から下へ徐々に小さくなる。
【0028】
図12a及び
図12bは、ギアペア受け盤70101及び加速スパイラルロッド70202の組立の構造模式図であり、本実施例では、加速スパイラルロッド70202が3本設けられており、半固形スラリー攪拌羽根70201は、加速スパイラルロッド70202の上部に設けられている。
【0029】
図13に示すように、半固形スラリー調製筒70203の下部は、筒状の円柱形状であり、半固形スラリー調製筒70203の上部は、接続用の接続ディスクであり、接続ディスク上には、調製筒ボルト構造接続孔70204が設けられ、調製筒型腔70205は、半固形スラリー調製筒70203の内部に設けられている。
【0030】
材料供給口70206の構造は、
図14に示す通りである。
図16に示すように、段分け誘導加熱装置703は、第一段の誘導加熱コイル70301、第二段の誘導加熱コイル70302及び第3段の誘導加熱コイル70303を含み、3段の誘導加熱コイルは、ピッチ及び巻数が同じであり、コントローラ70304は、3段のコイルの電力の大きさを個別に制御可能であり、固定ボルト70305及びコントローラノブ70306は、コントローラ70304上に設けられている。
【0031】
図17に示すように、材料止めボス70401の形状は、材料供給口70206の形状と完全に一致しており、材料止め座70402は、円柱形状であり、ギアペア別軸伝動装置701と多機能半固形スラリー調製筒702とは、ボルト構造本体60502を通過した後に第一ナット60501を締め付けることで固定され、段分け誘導加熱装置703のコントローラ70304は、固定ボルト70305を介してサーボモータベース支持座501に締め付けられ、材料止め装置704は、修復すべき鋼板ワーク806上に置かれており、ギアペア受け盤70101及び半固形スラリー調製筒70203は、ボルト構造本体60502を介して第一ナット60501と締付固定され、ギア受け盤中空材料投入管70103は、ギアペア受け盤70101上に溶接されており、スラストショルダ70106とギア軸70105とが一体成形され、ギア軸のスラストショルダ70106は、上の部位でギアペア別軸伝動軸孔70104及び従動ギア70107を通過した後にギア固定ねじ70108を介して締付固定され、半固形スラリー攪拌羽根70201及び加速スパイラルロッド70202は、何れもギア軸70105上に位置し、半固形スラリー調製筒70203及びギアペア受け盤70101は、ボルト構造本体60502を介して第一ナット60501と締付固定される。
【0032】
図2に示すように、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8は、クランプブロック801を含み、クランプブロック801の両側の形状は、1/4の円柱形状である。治具エジェクタロッドスラスト孔802の寸法は、治具締付エジェクタロッド803の断面寸法よりもやや大きく、治具締付エジェクタロッド803の円周上には、ねじが加工されており、治具ベース804には、上記ねじに適合したねじ孔が内蔵されており、回転ロッド805は、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8の側面から延出され、修復すべき鋼板ワーク806は、クランプブロック801を介して固定される。
図6に示すように、治具締付エジェクタロッド803は、雌ねじ付きの治具ベース804を通過した後、一端が治具エジェクタロッドスラスト孔802内に置かれ、他端が回転ロッド805に接続され、修復すべき鋼板ワーク806は、治具ベース804上に置かれ、治具ベース804の凸起部分とクランプブロック801との協働により、修復すべき鋼板ワーク806がクランプされ、治具ベース804は、治具ベース接続板807に接続される。治具ベース接続板807上には、接続孔808、809及び810がそれぞれ設けられている。
【0033】
本発明の実施例では、表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置9は、材料吐出口構造901と、材料ブロッキング及び伝動構造902と、表面酸化物除去装置903と、表面摩擦予熱装置904と、表面欠陥破壊及びコーティング装置と、表面コーティングロールプレス装置906とを含む。
【0034】
材料吐出口構造901は、第一材料吐出口90101、第二材料吐出口90102及び第三材料吐出口90103を含み、
図14に示すように、第一材料吐出口90101と、第二材料吐出口90102と、第三材料吐出口90103との分布関係としては、材料吐出口の円周方向に沿って分布されており、2つずつの材料吐出口間の夾角は、何れも120°であり、3つの材料吐出口は、内側短辺が何れも中心円周に沿って分布され、外側短辺が材料吐出口の外側円周の内辺に分布されている。材料吐出口の円周の径方向に沿って、材料吐出口の幅は徐々に小さくなり、3つの材料吐出口の外側には、材料の吐出を容易にし、応力集中現象を防ぐために、何れも面取りが施されている。中心雌ねじ孔90104、第二雌ねじ孔90105及び第三雌ねじ孔90106は、材料吐出口の円周の径方向に分布され、3つの雌ねじ孔は、3つの材料吐出口との間に交わり部分がなく且つ一定の距離が空けられており、中心雌ねじ孔90104は、材料吐出口の円周の中心部に位置し、第二雌ねじ孔90105と中心雌ねじ孔90104との間の距離は、材料吐出口の円周の半径の三分の一であり、第三雌ねじ孔90106と中心雌ねじ孔90104との間の距離は、材料吐出口の円周の半径の三分の二であり、中心雌ねじ孔90104の直径寸法は、第二雌ねじ孔90105の直径寸法及び第三雌ねじ孔90106の直径寸法よりも大きく、材料吐出口の内凹空間90107は、材料吐出口901にて加工された内凹空間であり、材料吐出口の外側円周の内辺から材料吐出口901の径方向に沿って中心円周の周辺まで延び拡がり、中心円周は、材料吐出口901の中心における平面円である。
【0035】
表面酸化物除去装置、表面摩擦予熱装置及び表面コーティングロールプレス装置の上面には、何れも材料ブロッキング及び伝動構造902が設けられており、材料ブロッキング及び伝動構造902は、表面形状が外凸状であり、その中心部が平面領域であり、この外凸状と平面領域とを組み合わせた形状は、材料吐出口の円周底部全体の内凹面にぴったり適合し、材料ブロッキング及び伝動構造の表面には、形状及び寸法が材料吐出口と全く同じとなる3つの凸起部分が備えられており、3つの凸起部分は、円周をなすように均一に配列され、3つの凸起部分の湾曲方向は、同じであるとともに、材料吐出口の湾曲方向と同じである。材料ブロッキング及び伝動構造の表面には、攪拌針を格納するための複数の円柱孔が設けられ、複数の円柱孔は、何れも材料吐出口との間に一定の距離が空けられている。
図18に示すように、3つの凸起部分は、何れも第一材料ブロッキング伝動ボス90201、第二材料ブロッキング伝動ボス90202及び第三材料ブロッキング伝動ボス90203を含み、第一材料ブロッキング伝動ボス90201、第二材料ブロッキング伝動ボス90202及び第三材料ブロッキング伝動ボス90203は、接平面視において、3つの材料吐出口とは、寸法が全く同じであり、3つのボスと3つの材料吐出口とが完全に適合していることで、材料止め及び動力伝達が可能となる。3つの凸起部分の湾曲方向は、同じであるとともに、材料吐出口の湾曲方向と同じである。材料ブロッキング及び伝動構造の表面上には、攪拌針を格納するための3つの円柱孔が備えられており、中心円柱孔90204、第二円柱孔90205及び第三円柱孔90206は、材料ブロッキング及び伝動構造902におけるレイアウトが、材料吐出口上での3つの雌ねじ孔のレイアウトと全く同じであり、中心円柱孔90204、第二円柱孔90205及び第三円柱孔90206の直径寸法は、中心雌ねじ孔90104、第二雌ねじ孔90105及び第三雌ねじ孔90106の直径寸法よりもやや大きい。
【0036】
図19に示すように、表面酸化物除去装置903は、4つのドレン凹溝90301を含み、4つのドレン凹溝90301は、表面酸化物除去装置903の底部円周上に均一に分布され、各ドレン凹溝903は、何れも1つの短直辺及び1つの長弧辺90306を有し、短直辺には、直角辺の応力集中現象を解消するための面取りが施されている。作業中には、表面酸化物除去装置903が長弧辺から短直辺に回転され、長弧辺により、除去された酸化物不純物が弧辺に沿って振り切られる。各凹溝内には、何れも1つの内輪ねじ孔90302、1つの中輪ねじ孔90303及び1つの外輪ねじ孔90304が備えられており、2つずつのねじ孔の中心間の距離は、12mmであり、内輪ねじ孔90302には、同じ寸法となる4つのねじ孔があり、2つずつの隣接するねじ孔は、中心ねじ孔90305の中心との間の距離が何れも3mm異なり、内輪ねじ孔90302、中輪ねじ孔90303及び外輪ねじ孔90304は、それぞれのねじ孔の寸法が何れも同じであり、中心ねじ孔90305と内輪ねじ孔90302とは、寸法が同じであり、内輪ねじ孔90302における雌ねじ孔の直径寸法は、中心ねじ孔90305の直径寸法に等しく、中輪ねじ孔90303における雌ねじ孔の直径寸法よりも大きく、且つ外輪ねじ孔90304における雌ねじ孔の直径寸法よりも大きい。各攪拌針は、何れも1つの円柱台及び1つの錐台で構成されており、円柱台は、雄ねじを有し、内輪攪拌針90307、中輪攪拌針90308、外輪攪拌針90309、中心攪拌針90310は、それぞれ内輪ねじ孔90302、中輪ねじ孔90303、外輪ねじ孔90304及び中心ねじ孔90305内に締付固定されており、内輪攪拌針90307の高さ、中輪攪拌針90308の高さ、外輪攪拌針90309の高さ及び中心攪拌針90310の高さは、同じであり、表面酸化物除去装置903の最底面から露出される各々の攪拌針の長さは、攪拌針ボスの長さの1/3となる。
【0037】
同一凹溝内における2つずつの攪拌針間の距離は、何れも12mmであり、表面酸化物除去装置がその場で1周回転したとき、全ての攪拌針の通った経路が何れも異なることを保証するためには、4つの凹溝のそれぞれにおいて、中心に最も近い攪拌針と中心攪拌針との短直辺方向に沿った距離は、3mm異なり、4つの凹溝において、円周の中心から最も遠い4つの攪拌針の寸法は、同じで且つ最小となり、各凹溝内における中間位置の攪拌針の寸法は、同じで且2番目に小さく、円周の中心及び円周の中心に最も近い4つの攪拌針の寸法は、同じで且つ最大となる。各攪拌針は、何れも1つの円柱台及び1つの錐台で構成され、各々の攪拌針の錐台は、最低平面の外側に露出される長さが、表面欠陥破壊及びコーティング装置における最低平面から露出される攪拌針の長さよりも短く、攪拌針のボス構造の長さの1/3となり、内輪攪拌針、中輪攪拌針、外輪攪拌針及び中心攪拌針の長さは、何れも同じである。
【0038】
図21に示すように、表面摩擦予熱装置904は、その下面が、一定の粗さを有する粗面90401であり、その上面が、材料ブロッキング及び伝動構造902である。表面酸化物除去装置によって損傷表面の酸化物が除去された後、表面欠陥破壊及びコーティング装置によって、表面摩擦予熱装置を損傷表面上で高速に回転及び移動させる。
【0039】
図22に示すように、表面欠陥破壊及びコーティング装置は、中心攪拌針90501、第一攪拌針90502及び第二攪拌針90503を含む。攪拌針の下部は、円柱ボスであり、円柱ボスの外面には、雌ねじ孔内に締付固定されるための雄ねじが付けられており、攪拌針の上部は、錐台であり、錐台の先端は、損傷表面を破壊するためのものであり、錐台の先端以外は、円柱ボスと一体であり、1つの表面欠陥破壊及びコーティング装置には、異なるサイズとなる3つの攪拌針が含まれ、それぞれ中心攪拌針90501、第二攪拌針90502及び第三攪拌針90503であり、中心攪拌針90501の寸法は、第二攪拌針90502の寸法よりも大きく、第二攪拌針90502の寸法は、第三攪拌針90503の寸法よりも大きい。速度が速くて攪拌針の寸法が大きいほど、攪拌針が受ける力が大きくなるため、攪拌針の強度を考慮すると、第三攪拌針の寸法は、第二攪拌針の寸法よりも小さくされるべきで、第二攪拌針の寸法は、中心攪拌針の寸法よりも小さくされるべきであり、中心攪拌針、第一攪拌針及び第二攪拌針の長さは、何れも同じであり、3つの攪拌針ボスは、表面欠陥破壊及びコーティング装置の最底面から露出される長さが、攪拌針のボスの長さの2/3であり、中心攪拌針が中心雌ねじ孔内に締付固定され、第二攪拌針が第二雌ねじ孔内に締付固定され、第三攪拌針が第三雌ねじ孔内に締付固定され、作業時には、攪拌針が損傷表面に嵌め込まれてから表面及びより深い箇所の材料を攪拌し、攪拌針が通過した位置には、複数本の凹痕が刻まれ、表面上の凹痕の両側には、不規則な形状のクラム状材料が堆積され、それと同時に、材料吐出口の内凹空間内に貯留された一定の圧力を持つ半固形スラリーは、攪拌針が通った経路に沿って凹痕を流れ込んで凹痕を満たしつつ、クラム状材料と堆積して緊密に融合され、表面欠陥破壊及びコーティング装置の損傷表面上での迅速な回転及び移動につれて、損傷表面にますます多くの凹痕が刻まれながら、ますます多くのクラム状材料が堆積され、一定の圧力を持つ半固形スラリーは、縦横にクロスした凹痕を満たしつつ、凹痕の両側で突き出たクラム状材料と堆積して混合され、半固形スラリー用材料吐出口の内凹空間の円周上の最低面により、半固形スラリーとクラム状材料とが堆積された混合体を損傷表面上に押し広げられて、比較的平坦な合金コーティングが形成され、この時点で、損傷表面の損傷した領域の修復が完了する。
【0040】
図23~
図24に示すように、表面コーティングロールプレス装置906は、内層ローラ及び外層ローラを含み、表面コーティングロールプレス装置906の上面には、ローラ受け盤90606が設けられており、内輪ローラ溝90601と外輪ローラ溝90602とは、寸法及び形状が一致し、ローラ溝の中間の形状が半円柱溝であり、半円柱溝の四隅は、張出三角形状であり、ローラ溝の両端は、ローラ軸を受けるための小半円柱形凹溝であり、内輪には、3つの内輪ローラ溝が均一に設けられ、外輪には、3つの外輪ローラ溝が均一に設けられており、内輪ローラ溝の外円柱辺と円周中心との距離は、外輪ローラ溝の内円柱辺と円周中心との距離よりも大きく、ローラ軸90607は、内輪ローラ90603及び外輪ローラ90604を通ってからそれぞれ内外ローラ溝内に置かれ、ローラケース90608は、表面コーティングロールプレス装置906の本体上に被せられて、4つの締結ねじ90605とねじ締付雌ねじ孔90612との接続を介して締付固定される。ローラケース90608上には、ローラケース内輪ローラ孔90609、ローラケース外輪ローラ孔90610及びローラ軸凹溝90611が備えられている。
【0041】
以下、実施例と併せて本発明を更に説明する。
本実験装置は、半固形スラリーの調製、供給及び修復といった3つの主な用途を有し、その具体的な操作ステップは、以下の通りである。
1.半固形スラリー調製過程の主な操作ステップ:
先ず、修復すべき鋼板ワーク806を修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8上に装着し、締付回転ロッド805を介して、修復すべき鋼板ワーク806を修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8上に挟み、材料止め装置704を修復すべき鋼板ワーク806上に置き、X軸方向送りアセンブリ1、Y軸方向送りアセンブリ2、Z軸方向送りアセンブリ4をそれぞれ制御して、材料止め装置704を手動で移動することで、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7の材料供給口70206を材料止め装置704上に位置合わせして押し当てる。
段分け誘導加熱装置703をオンにして、コントローラノブ70306を制御することで、3段の誘導加熱コイルに対して異なる電力制御をそれぞれ行う。
金属粉末を材料投入口601に入れ、金属粉末は、大中空軸モータ軸60201、小中空軸モータ軸60304及びギア受け盤中空材料投入管70103を通過して半固形スラリー調製筒70203内に進入し、段分け誘導加熱装置703の加熱作用により、半固形スラリー調製筒70203の外側にある金属粉末が最初に溶融され、半固形スラリー調製筒70203の中心位置にある金属粉末が溶けないか、又は完全に溶けず、溶融状態は、外側から内側に向かって徐々に広がるが、このときの効率が低すぎる。
小中空軸モータ603をオンにして、このとき、小中空軸モータ603が反時計回りに回転することを要求され、小中空軸モータ軸端駆動ギア60303が反時計回りに回転すると、従動ギア70107が時計回りに回転され、従動ギア70107が時計回りに回転すると、ギア軸70105、半固形スラリー攪拌羽根70201及び加速スパイラルロッド70202が時計回りに回転され、加速スパイラルロッド70202が時計回りに回転すると、スパイラルロッドのスパイラル凹溝にある金属粉末又は半固形溶融合金が下から上へ運動され、このとき、加速スパイラルロッド70202の上方にある半固形スラリー攪拌羽根70201は、加速スパイラルロッド70202によって掻き上げられた金属粉末又は半固形溶融合金に対して円周方向の攪拌を行い、上下攪拌及び円周攪拌が互いに協働して、半固形スラリー調製筒70203内の金属粉末を迅速且つ均一に溶融状態にすることができ、半固形スラリー攪拌羽根70201及び加速スパイラルロッド70202の共同攪拌作用により、合金内のデンドライトが球状結晶になるように破壊され、最終的に一定の固形分率を有する半固形スラリーが得られる。
【0042】
2.半固形スラリー供給過程の主な操作ステップ:
Z軸方向送りアセンブリ4を制御することで、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7をZ軸方向に沿って持ち上げ、手持ち長金属棒によって材料止め装置704を修復すべき鋼板ワーク806の外に移出し、その後、直ちにZ軸方向送りアセンブリ4を制御して、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7をZ軸方向に沿って修復すべき鋼板ワーク806上に押し下げて、一定の下向きの圧力を与える。
小中空軸モータ603をオフにして、半固形スラリー攪拌羽根70201及び加速スパイラルロッド70202の両方の回動が停止すると、小中空軸モータ603をオンにして、このとき、小中空軸モータ603が時計回りに回転することを要求され、小中空軸モータ軸端駆動ギア60303が時計回りに回転すると、従動ギア70107が反時計回りに回転され、従動ギア70107が反時計回りに回転すると、ギア軸70105、半固形スラリー攪拌羽根70201及び加速スパイラルロッド70202が反時計回りに回転され、加速スパイラルロッド70202が反時計回りに回転すると、スパイラルロッドスパイラルの凹溝にある半固形スラリーが上から下へ運動され、スパイラルロッドのスパイラル凹溝の体積がスパイラル線に沿って上から下へ徐々に小さくなるため、スパイラル凹溝の大体積部の半固形スラリーがスパイラル凹溝の小体積部に押され、この過程では、体積保存により、下方のスパイラル凹溝の小体積部にある半固形スラリーが加速され、加速スパイラルロッド70202により、底部の半固形スラリーに一定の速度を持たせられ、そこの半固形スラリーは、この速度で材料供給口70206から飛び出すことができ、半固形スラリー調製筒70203の底部の材料供給口70206には、凹面状のアーク領域が備えられており、この領域は、半固形スラリー調製筒70203が修復すべき鋼板ワーク806上に押し付けられた時に、一定の容量の半固形スラリーを貯めることが可能であり、凹面状のアーク領域の周囲は、アーク遷移付きの平面領域であり、この平面領域によれば、半固形スラリーは、均一に修復すべき鋼板ワーク806上に平らに敷き詰められることが可能である。
大中空軸モータをオンにすると同時に、X軸方向送りアセンブリ1及びY軸方向送りアセンブリ2を制御して、半固形スラリー調製及び供給アセンブリ7が修復すべき鋼板ワーク806上のあらゆる位置に到達することを可能にする。この装置は、平面鋼板に金属層をメッキして、その表面特性を強化するために使用可能である。
【0043】
3.損傷表面前処理及び修復ロールプレス過程の主な操作ステップ:
半固形スラリーの調製前に、X軸方向送りアセンブリ1、Y軸方向送りアセンブリ2及びZ軸方向送りアセンブリ4を調節することで、半固スラリー調製筒の材料吐出口を材料ブロッキング及び伝動構造902によって表面酸化物除去装置903に接続して、表面酸化物除去装置903に下向きの圧力を与え、大中空軸モータ602がオンにされると、モータは、動力を半固形スラリー調製装置に伝達し、半固形スラリー調製装置は、動力を表面酸化物除去装置に伝達し、表面酸化物除去装置における攪拌針ボスは、損傷表面の酸化物、油汚れ等の不純物内にに長さの1/3だけ嵌め込まれ、回転により、酸化物、油汚れ等の不純物をドレン凹溝90301内に剥離し、ドレン凹溝90301における長弧辺は、回転により、酸化物、油汚れ等の不純物を円弧辺に沿って振り切り、ブロワー907は、損傷表面から剥離された酸化物、油汚れ等の不純物を損傷表面から吹き飛ばし、損傷表面の酸化物を除去する役割が果たされ、その後、大中空軸モータ602をオフにして、X軸方向送りアセンブリ1、Y軸方向送りアセンブリ2及びZ軸方向送りアセンブリ4を制御して、半固形スラリー調製筒を持ち上げて表面酸化物除去装置903を取り外し、半固形スラリーの調製を開始し、半固形スラリーの調製が完了すると、半固形スラリーを保温すると同時に小中空軸モータをオンにして、半固形スラリーを攪拌しつつ半固形スラリーを逆方向に押し出して、材料吐出口からのスラリーの流出を防止し、次に、表面摩擦予熱装置904をその上面の材料ブロッキング及び伝動構造902によって半固形スラリー調製筒の材料吐出口に接続し、X軸方向送りアセンブリ1、Y軸方向送りアセンブリ2及びZ軸方向送りアセンブリ4を制御することで、表面摩擦予熱装置904を損傷表面上に押圧して損傷表面に下向きの圧力を与え、大中空軸モータ602をオンにして、表面摩擦予熱装置904を清潔な表面上で迅速に回転させ、摩擦により熱が発生するため、清潔な損傷表面には、予熱過程が1回行われ、予熱が完了すると、大中空軸モータ602をオフにして、Z軸方向送りアセンブリ4を制御することで、表面摩擦予熱装置904を半固形スラリー調製筒の材料吐出口から分離して、迅速に損傷表面上に押し下げ、逆方向に小中空軸モータ603をオンにすると同時に、大中空軸モータ602をオンにし、X軸方向送りアセンブリ1及びY軸方向送りアセンブリ2を制御して、表面欠陥破壊及びコーティング装置905を損傷表面上で移動させ、攪拌針が損傷表面に嵌め込まれてから表面及びより深い箇所の材料を攪拌し、攪拌針が通過した位置には、複数本の凹痕が刻まれ、表面上の凹痕の両側には、不規則な形状のクラム状材料が堆積され、それと同時に、材料吐出口の内凹空間内に貯留された一定の圧力を持つ半固形スラリーは、攪拌針が通った経路に沿って凹痕を流れ込んで凹痕を満たしつつ、クラム状材料と堆積して緊密に融合され、表面欠陥破壊及びコーティング装置の損傷表面上での迅速な回転及び移動につれて、損傷表面にますます多くの凹痕が刻まれながら、ますます多くのクラム状材料が堆積され、一定の圧力を持つ半固形スラリーは、縦横にクロスした凹痕を満たしつつ、凹痕の両側で突き出たクラム状材料と堆積して混合され、半固形スラリー用材料吐出口の内凹空間の円周上の最低面により、半固形スラリーとクラム状材料とが堆積された混合体を損傷表面上に押し広げられて、比較的平坦な合金コーティングが形成され、この時点で、損傷表面の損傷した領域の修復が完了し、逆方向に小中空軸モータ603をオンにするとともに、大中空軸モータ602をオフにし、Z軸方向送りアセンブリ4を制御することで、表面欠陥破壊及びコーティング装置905を、X軸方向送りアセンブリ1、Y軸方向送りアセンブリ2与Z軸方向送りアセンブリ4を制御することで、表面コーティングロールプレス装置906を、その上面の材料ブロッキング及び伝動構造902によって半固形スラリー調製筒の材料吐出口上に取り付けて、Z軸方向送りアセンブリ4を制御して表面コーティングロールプレス装置906に一定の圧力を与え、大中空軸モータ602をオンにし、X軸方向送りアセンブリ1与Y軸方向送りアセンブリ2を制御して、表面コーティングロールプレス装置906に表面合金コーティングに対するロールプレスを行わせ、ロールプレスが終了したら、Z軸方向送りアセンブリ4を制御することで、表面コーティングロールプレス装置906を半固形スラリー調製筒から分離し、このとき、損傷表面の1回の修復作業が完了する。
【0044】
以上、上記の実施例に基づいて、本発明の好ましい実施形態を説明したが、それらは、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の設計趣旨を逸脱しない前提で、本発明の技術案に対して当業者によってなされた様々な変形や改良は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれるべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】半固形スラリーに基づく表面前処理及び修復ロールプレス一体型装置を提供する。
【解決手段】機台と、駆動アセンブリと、サーボモータ支持アセンブリ5と、材料投入アセンブリ6と、材料吐出口構造と、修復すべき鋼板ワークチャックアセンブリ8と、材料ブロッキング及び伝動構造と、表面酸化物除去装置と、表面摩擦予熱装置と、表面欠陥破壊及びコーティング装置と、表面コーティングロールプレス装置とを含む。この装置によれば、損傷表面の表面酸化層、油汚れ及びほこり等の不純物の除去、処理すべき表面の予熱処理、表面材料の攪拌及び欠陥の破壊、半固形スラリーのコーティング及び表面コーティングのロールプレスを実現可能であり、この装置によって修復された損傷表面は、良好な緻密性、均一な表面材料分布、高い平坦度、微細な表面組織、マクロ偏析なし、長い疲労寿命、良好な耐食及び防錆能力、高い強度及び高い硬度等の利点を有する。
【選択図】
図1