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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】落下保護具イベント生成及び監視
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
A62B35/00 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019520016
(86)(22)【出願日】2017-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 US2017056376
(87)【国際公開番号】W WO2018071695
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-10-09
(31)【優先権主張番号】62/408,442
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジア
(72)【発明者】
【氏名】ブラックフォード,マシュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マットソン,キース ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェスメ,ロナルド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ネイサン ジェイ.
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-165517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0107007(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027808(US,A1)
【文献】特開2002-336367(JP,A)
【文献】国際公開第2016/176301(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の電子センサを備える自己巻き取り式命綱(SRL)であって、前記1つ以上の電子センサは、前記SRLの動作を示すデータを生成するように構成されている、自己巻き取り式命綱と、
1つ以上のコンピュータプロセッサ及びメモリを備える少なくとも1つのコンピューティングデバイスと、を備えるシステムであって、
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、
前記SRLの前記動作を示すデータを受信させる命令と、
前記少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内で安全イベントの異常な数に関連する地理的領域を特定し、該特定された地理的領域に基づいて、前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測させる命令と、
前記少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内での前記地理的領域を特定することに基づいて前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測するための安全モデルに基づく規則のセットを無線で前記SRLに送信させる命令と、を含むシステム。
【請求項2】
前記1つ以上の動作を行うために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性の予測に応じたアラートを生成させる命令と、
前記アラートを前記SRLへ送信させる命令と、を含み、前記SRLは、前記アラートを受信し、前記アラートの受信に応じた出力を生成するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
自己巻き取り式命綱であって、
アンカーに連結されるように構成された第1のコネクタと、
前記命綱のユーザに連結されるように構成された第2のコネクタと、
SRLの動作を示す使用データを生成するように構成された1つ以上の電子センサと、
前記SRLの前記動作を示す前記データを第2のデバイスに無線送信すると共に、少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内で安全イベントの異常な数に関連する地理的領域を特定することに基づいて前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測する安全モデルに基づく規則のセットを無線受信する、通信ユニットと、
前記規則を格納するように構成されたメモリと、
前記使用データと前記規則との比較に基づき出力を生成するように構成された1以上のユーザインタフェースデバイスと、
を備える自己巻き取り式命綱。
【請求項4】
前記通信ユニットは、前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測するための1つ以上の安全モデルへの前記使用データの適用に基づくアラートデータを受信するように更に構成されており、前記SRLは、前記アラートデータに基づく出力を生成するように構成された出力ユニットを更に備える、請求項3に記載の自己巻き取り式命綱。
【請求項5】
1つ以上のコンピュータプロセッサと、メモリと、を備えるコンピューティングデバイスであって、
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、少なくとも1つの自己巻き取り式命綱(SRL)から前記少なくとも1つのSRLの動作を示すデータを含む使用データを取得させる命令と、
前記少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内で安全イベントの異常な数に関連する地理的領域を特定し、該特定された地理的領域に基づいて、前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測させる命令と、
前記少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内での前記地理的領域を特定することに基づいて前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測するための安全モデルに基づく規則のセットを無線で前記SRLに送信させる命令と、を含む、コンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記少なくとも1つのSRLからの前記使用データに基づいて前記安全モデルを更新させる命令を含む、請求項5に記載のコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、安全具、特に落下保護具に関する。
【背景技術】
【0002】
落下保護具は、ともすれば有害であり、命にかかわりさえする高所で作業する作業員にとって重要な安全具である。例えば、落下時の安全確保を支援するために、作業員は、ランヤード、減勢器、自己巻き取り式命綱(self-retracting lifeline、SRL)、直立コンベヤ等の落下保護具を有する支持構造体に接続された安全ハーネスを装着することが多い。SRLは、典型的には、ハウジングに回転可能に接続された付勢されたドラムに巻き付けられた命綱を含む。命綱の動きにより、命綱がハウジングから延出及びハウジングに後退するのに伴ってドラムが回転する。自己巻き取り式命綱の例としては、3M落下保護ビジネスによって製造された、ULTRA-LOK自己巻き取り式命綱、NANO-LOK自己巻き取り式命綱、及びREBEL自己巻き取り式命綱が挙げられる。
【発明の概要】
【0003】
概して、本開示は、SRL等の落下保護具に関する安全イベントを監視及び予測するための技術を記載する。一部の例では、安全イベントとは、個人用保護具(PPE)のユーザの活動、PPEの状態、又は危険な環境条件を意味することがある。例えば、落下保護具に関連して、安全イベントとは、落下保護具の不正使用、落下具のユーザが落下すること、又は落下保護具の故障であり得る。呼吸マスクに関連して安全イベントとは、呼吸マスクの不正使用、呼吸マスクのユーザが適切な品質及び/又は量の空気を受けていないこと、又は呼吸マスクの故障であり得る。安全イベントは、また、PPEが位置する環境内の危険に関連付けることができる。
【0004】
本開示の態様によれば、SRLは、SRLの動作、SRLの位置、又はSRLの周囲の環境条件を示すデータを取り込むための1つ以上の電子センサを組み込むように構成することができる。一部の例では、電子センサは、本明細書では全般的に使用データ又はセンサ取得データと呼ばれる、SRLの命綱に関連する長さ、速度、加速度、力、又は他の様々な特性、SRLの位置、及び/又はSRLが配置された環境に関連する環境因子を測定するように構成することができる。SRLは、ユーザ(例えば、作業員)がSRLを装着して活動に従事するときにSRLに関連する安全イベントの発生の可能性をリアルタイム又はほぼリアルタイムで予測するための安全モデルに使用データ(又は少なくとも使用データのサブセット)を適用する解析エンジンを実行するように構成された管理システムに、使用データを送信するように構成してもよい。このように、この技術は、SRLの動作を正確に測定及び/又は監視し、動作に基づいて予測結果を決定し、差し迫った安全イベントについて、リアルタイム又は疑似リアルタイムで、その可能性を警告したり、回避さえしたりするために用いる、アラート、モデル又は規則セットを生成するためのツールを提供することができる。
【0005】
一部の例では、システムが、1つ以上の電子センサを備える自己巻き取り式命綱(SRL)であり、1つ以上の電子センサが、SRLの動作を示すデータを生成するように構成されている、自己巻き取り式命綱と、1つ以上のコンピュータプロセッサ及びメモリを備える少なくとも1つのコンピューティングデバイスとを備え、メモリは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、1つ以上のコンピュータプロセッサに、SRLの動作を示すデータを受信させる命令と、データをSRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測する安全モデルに適用させる命令と、安全イベントの発生の可能性に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の動作を行わせる命令と、を含む。
【0006】
一部の例では、自己巻き取り式命綱が、アンカーに連結されるように構成された第1のコネクタと、命綱のユーザに連結されるように構成された第2のコネクタと、SRLの動作を示す使用データを生成するように構成された1つ以上の電子センサとを含む。
【0007】
一部の例では、コンピューティングデバイスが、1つ以上のコンピュータプロセッサ及びメモリを備え、メモリは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、1つ以上のコンピュータプロセッサに、少なくとも1つの自己巻き取り式命綱(SRL)から少なくとも1つのSRLの動作を示すデータを含む使用データを取得させ、使用データを少なくとも1つのSRLのユーザの活動を特徴付ける安全モデルに適用させ、安全モデルへの使用データの適用に基づいて、少なくとも1つのSRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測させ、安全イベントの発生の可能性の予測に応じた出力を生成させる。
【0008】
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明で述べる。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の様々な技術による、埋込式センサ及び通信機能を有する個人保護具(PPE)がいくつかの作業環境内で使用され、個人保護具管理システムによって管理される例示的システムを示すブロック図である。
【0010】
図2図1に示される個人保護具管理システムの動作の観点を示すブロック図である。
【0011】
図3】本開示の態様による、自己巻き取り式命綱(SRL)の一例を示すブロック図である。
【0012】
図4A】本開示の態様による、SRLに含まれ得るエンコーダの例を示す図である。
【0013】
図4B】本開示の態様による、SRLに含まれ得る偏向板ユニットの例を示す図である。
【0014】
図5】本開示の様々な態様による、ウェアラブルデータハブと通信するSRLの例を示す概念図である。
【0015】
図6】本開示の態様による、測定されたライン速度、加速度、及びライン長さの観点において作業員の活動に関して本明細書の個人保護具管理システム又は他のデバイスにより適用される例示的なモデルを示す図であり、モデルは、安全イベントを予測する、安全領域及び危険領域の行動を定義するように構成されている。
【0016】
図7】本開示の態様による、測定された、安全ラインにかかる力/張力及び長さの観点において作業員の活動に関して本明細書の個人保護具管理システム又は他のデバイスにより適用される第2のモデルの例を示す図であり、モデルは、安全イベントを予測する、安全領域及び危険領域の行動を定義するように構成されている。
【0017】
図8A】本開示の態様による、個人保護具管理システムによって特定された、低リスク行動と、アラート又は他の応答を発する高リスク行動と、を示す作業員の例示的な使用データのプロファイルを示すグラフである。
図8B】本開示の態様による、個人保護具管理システムによって特定された、低リスク行動と、アラート又は他の応答を発する高リスク行動と、を示す作業員の例示的な使用データのプロファイルを示すグラフである。
【0018】
図9】本開示の態様による、安全イベントの可能性を予測するための例示的なプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の態様によれば、SRLは、動作、位置、又はSRLの周囲の環境条件を示すデータを取り込むための1つ以上の電子センサを組み込むように構成することができる。このようなデータは全般的に、本明細書では、使用データあるいはセンサデータと呼ばれる。使用データは、ある期間にわたるサンプルのストリームの形態を取ってもよい。一部の例では、電子センサは、SRLの命綱に関連する長さ、速度、加速度、力、又は他の様々な特性、SRLの位置を示す位置情報、及び/又はSRLが位置する環境に関連する環境因子を測定するように構成することができる。更に、本明細書に記載されるように、SRLは、スピーカ、振動デバイス、LED、ブザー、又は、アラート、音声メッセージ、音、表示等を出力するための他のデバイス等、各作業員に対して通信を出力するための1つ以上の電子部品を含むように構成してもよい。
【0020】
本開示の態様によれば、SRLは、取得した使用データを個人保護具管理システム(PPEMS)に送信するように構成してもよく、個人保護具管理システムは、解析エンジンを有するクラウドベースシステムであってもよく、解析エンジンは、様々な作業環境にいる作業員集団によって展開及び使用されるSRL又は他の個人保護具から受信する使用データのストリームを処理するように構成されている。PPEMSの解析エンジンは、任意の個々のSRLに関連付けられた作業員に関する安全イベントの発生の可能性を監視し、予測するために、受信する使用データのストリーム(又は使用データの少なくともサブセット)を1つ以上のモデルに適用してもよい。例えば、解析エンジンは、イベントが発生する確率を決定するために、測定されたパラメータ(例えば、電子センサによって測定された)を、例えば、安全な活動、危険な活動、又は懸念すべき活動(通常、危険な活動の前に発生し得る)を示す、SRLのユーザの活動を特徴付ける既知のモデルと比較してもよい。
【0021】
解析エンジンは次いで、安全イベントの発生の可能性の予測に応じた出力を生成してもよい。例えば、解析エンジンは、SRLのユーザから収集されたデータを基に、安全イベントが発生する可能性があることを示す出力を生成してもよい。出力は、SRLのユーザに、安全イベントが発生する可能性があることを警告するために使用され、ユーザが自身の行動を修正又は調整することを可能にしてもよい。他の例では、SRL内に埋め込まれた回路又は作業員にとってよりローカルな中間データハブ内のプロセッサは、モデル又はPPEMSによって決定された規則セットを適用し、アラート、又は予測された安全イベントを回避若しくは軽減するように設計された他の予防策をローカルに生成し、出力するように、PPEMS又は他のメカニズムによりプログラムしてもよい。このようにして、本技術は、SRLの動作を正確に測定及び/又は監視し、その動作を基に予測結果を決定するためのツールを提供する。
【0022】
図1は、個人保護具を管理するための個人保護具管理システム(PPEMS)6を含む例示的なコンピューティングシステム2を示すブロック図である。本明細書に記載されるように、PPEMSは、正規ユーザが予防的な職業上の健康及び安全動作を実施するとともに、安全保護具の点検及び保守を管理することを可能にする。安全専門家は、PPEMS6との対話によって、例えば、エリア点検、作業員点検、作業員の健康及び安全遵守訓練を管理することができる。
【0023】
概して、PPEMS6は、データ収集、モニタリング、アクティビティのロギング、報告、予測分析、及びアラート生成を行う。例えば、PPEMS6は、本明細書に記載される様々な例による、基礎を成す解析及び安全イベント予測エンジンとアラートシステムとを含む。以下で更に記載するように、PPEMS6は、個人安全保護具管理ツールの統合スイートを提供し、本開示の様々な技術を実施する。すなわち、PPEMS6は、工事現場、採掘現場、製造現場、又は任意の物理的環境であり得る1つ以上の物理的環境10内で作業員8が使用する個人保護具、例えば安全具を管理するための、統合されたエンドツーエンドシステムを提供する。本開示の技術は、コンピューティング環境2の様々な部分で実現してもよい。
【0024】
図1の例に示すように、システム2は、複数の物理的環境8A、8B(集合的に環境8)内のコンピューティングデバイスが1つ以上のコンピュータネットワーク4を介してPPEMS6と電子的に通信するコンピューティング環境を示す。各物理的環境8は、作業員10などの1人以上の個人がそれぞれの環境内においてタスク又は活動に従事する際に個人保護具を使用する、作業環境などの物理的環境を示す。
【0025】
この例では、環境8Aは、全般的に作業員10を有するものとして示されるが、環境8Bは、より詳細な例を提供するために拡張された形態で示される。図1の例では、複数の作業員10A~10Nが、安全支持構造体12に取り付けられた、この例では自己巻き取り式命綱(SRL)11A~11Nとして示されている、落下保護具を利用するものとして示されている。
【0026】
本明細書に更に記載されるように、各SRL11は、ユーザ(例えば作業員)が落下保護具を装着して活動に従事している際にデータをリアルタイムで捕捉するように構成された埋込式センサ又はモニタリングデバイスと処理電子機器とを含む。例えば、図3に示される例においてより詳細に記載されるように、SRLは、伸長センサ、張力センサ、加速度計、位置センサ、高度計、1つ以上の環境センサ、及び/又はSRL11の動作を測定するための他のセンサのうちの1つ以上などの様々な電子センサを含んでもよい。加えて、各SRL11は、SRL11の動作を示すデータを出力するための、及び/又は各作業員10に対して通信を生成し、出力するための1つ以上の出力デバイスを含んでもよい。例えば、SRL11は、可聴フィードバック(例えば、1つ以上のスピーカ)、視覚フィードバック(例えば、1つ以上のディスプレイ、発光ダイオード(LED)等)、又は触覚フィードバック(例えば、振動する、又は他の触覚フィードバックを提供するデバイス)を生成するための1つ以上のデバイスを含んでもよい。
【0027】
概して、各環境8は、コンピューティング設備(例えば、ローカルエリアネットワーク)を含み、これによってSRL11はPPEMS6と通信することができる。例えば、環境8は、802.11無線ネットワーク、802.15 ZigBeeネットワーク等のような無線技術で構成されていてもよい。図1の例では、環境8Bは、ネットワーク4を介してPPEMS6と通信するためのパケットベースのトランスポート媒体を提供するローカルネットワーク7を含む。加えて、環境8Bは、作業環境全体にわたって無線通信のサポートを提供するために、環境全体にわたって地理的に分散されていてもよい複数の無線アクセスポイント19A、19Bを含む。
【0028】
各SRL11は、検出された運動、イベント、及び条件等のデータを、802.11 WiFiプロトコル、Bluetoothプロトコル等のような無線通信によって通信するように構成されている。SRL11は、例えば、無線アクセスポイント19と直接通信してもよい。別の例として、各作業員10は、SRL11とPPEMS6との間の通信を可能にし、かつ容易にするウェアラブル通信ハブ14A~14Mをそれぞれ1つ装備していてもよい。一部の例では、ハブが、本質的に安全なコンピューティングデバイス、スマートフォン、リスト装着型、ヘッド装着型、又は身体装着型のコンピューティングデバイス、又は任意の他のコンピューティングデバイスであってもよい。各作業員11のSRL11及び他のPPEは、Bluetooth又は他の狭域プロトコルによって各通信ハブ14と通信してもよく、通信ハブは、無線アクセスポイント19によって処理された無線通信によってPPEMS6と通信してもよい。ウェアラブルデバイスとして示されているが、ハブ14は、環境8B内に配置されたスタンドアロンデバイスとして実現してもよい。一部の例では、ハブがPPEの物品であってもよい。
【0029】
概して、各ハブ14は、SRL11に及びSRL11から通信を中継する、SRL11の無線デバイスとして動作し、PPEMS6との通信が失われた場合に使用データのバッファリングが可能であってもよい。更に、各ハブ14は、クラウドへの接続を必要とすることなくローカルアラート規則がインストールされ、実行され得るように、PPEMS6によりプログラム可能である。したがって、各ハブ14は、各環境内のSRL11及び/又は他のPPEからの使用データストリームの中継をもたらすとともに、PPEMS6との通信が失われた場合、イベントのストリームを基に、ローカライズされたアラートを生成するためのローカルコンピューティング環境を提供する。
【0030】
図1の例に示すように、環境8B等の環境は、また、作業環境内における正確な位置情報を提供するビーコン17A~17C等の1つ以上の無線対応ビーコンを含んでもよい。例えば、ビーコン17A~17Cは、各ビーコン内のコントローラが各ビーコンの位置を正確に特定可能であり得るようにGPS対応であってもよい。作業員10により装着された所与のSRL11又は通信ハブ14は、ビーコン17のうちの1つ以上との無線通信を基に、作業環境8B内の作業員の位置を特定するように構成されている。このようにして、PPEMSによって実施される分析、報告、及び解析を補助するために、PPEMS6に報告されるイベントデータに位置情報をスタンプしてもよい。
【0031】
加えて、環境8B等の環境は、また、センシングステーション21A、21B等の1つ以上の無線対応センシングステーションを含んでもよい。各センシングステーション21は、1つ以上のセンサと、検出された環境条件を示すデータを出力するように構成されているコントローラと、を含む。更に、センシングステーション21は、環境8Bの各地理的領域内に配置されていてもよい、あるいは、ビーコン17と対話して各位置を特定してもよく、環境データをPPEMS6に報告する際にこのような位置情報を含む。このように、PPEMS6は、検出された環境条件を特定の領域と相関させるように構成されていてもよく、したがって、SRL11から受信したイベントデータを処理するときに、取り込まれた環境データを使用してもよい。例えば、PPEMS6は、アラート又はSRL11のための他の命令の生成を補助するために、及び特定の環境条件(例えば、熱、湿度、視認性)と作業員の異常な行動又は安全イベントの増加との間のあらゆる相関を決定する等の予測解析を実施するために、環境データを使用してもよい。したがって、PPEMS6は、差し迫った安全イベントの予測及び回避を補助するために現在の環境条件を利用してもよい。センシングデバイス21によって検出され得る例示的な環境条件としては、温度、湿度、ガスの存在、圧力、視認性、風等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
例示的な実現形態では、環境8Bなどの環境は、また、環境全体にわたって分布して、PPEM6にアクセスするための観察ステーションを提供する1つ以上の安全ステーション15を含んでもよい。安全ステーション15は、作業員10の1人が、SRL11及び/若しくは他の安全具を点検すること、安全具が特定の1つの環境8に適切であることを確認すること、及び/又はデータを交換することを可能にしてもよい。例えば、安全ステーション15は、アラート規則、ソフトウェアアップデート、又はファームウェアアップデートをSRL11又は他の機器に送信してもよい。安全ステーション15は、また、SRL11、ハブ14及び/又は他の安全具にキャッシュされたデータを受信してもよい。すなわち、SRL11(及び/又はデータハブ14)は、典型的にはSRL11のセンサからネットワーク4に使用データを送信し得るが、一部の例では、SRL11(及び/又はデータハブ14)はネットワーク4への接続性を有しない場合がある。このような例では、SRL11(及び/又はデータハブ14)は使用データをローカルに格納してもよく、安全ステーション15に近接しているときに使用データを安全ステーション15に送信してもよい。安全ステーション15は、その後、SRL11からのデータをアップロードしてもよく、ネットワーク4に接続してもよい。
【0033】
加えて、各環境8は、エンドユーザコンピューティングデバイス16がネットワーク4を介してPPEMS6と対話するための動作環境を提供するコンピューティング設備を含む。例えば、各環境8は、環境内における安全遵守の監督を担う1人以上の安全管理者を典型的に含む。概して、各ユーザ20はコンピューティングデバイス16と対話してPPEMS6にアクセスする。各環境8は、システムを含んでもよい。同様に、リモートユーザはネットワーク4を介してPPEMSと対話するためにコンピューティングデバイス18を使用してもよい。例示の目的で、エンドユーザコンピューティングデバイス16は、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、タブレット又はいわゆるスマートフォンなどのモバイルデバイス等であってもよい。
【0034】
ユーザ20、24は、PPEMS6と対話し、作業員10が使用している安全に機器の多くの態様を制御し、能動的に管理する(使用記録にアクセスし、見ること、解析及び報告など)。例えば、ユーザ20、24は、PPEMS6によって取得され、格納された使用情報を精査してもよく、使用情報は、ある継続時間(例えば、日、週等)における開始時間と終了時間を特定するデータ、検知された落下、ユーザから取得された検出データ、環境データ等などの、特定のイベント中に収集されたデータを含んでもよい。加えて、ユーザ20、24はPPEMS6と対話して、アセットトラッキングを実施し、個々の安全具、例えばSRL11の保守イベントの予定を立て、任意の手順又は規定の遵守を確実にしてもよい。PPEMS6は、ユーザ20、24が保守手順に関するデジタルチェックリストを作成し、完成させること、及びコンピューティングデバイス16、18からの手順のあらゆる結果をPPEMS6に同期させることを可能にしてもよい。
【0035】
更に、本明細書に記載されるように、PPEMS6は、SRL11等のデジタル対応PPEからの千又は更に数百万のイベントの同時ストリームを処理するように構成されているイベント処理プラットフォームを組み込む。PPEMS6の基礎解析エンジンは、インバウンドストリームに過去データ及びモデルを適用し、作業員11の条件又は行動パターンを基に特定される異常又は予測される安全イベントの発生等のアサーションを算出する。更に、PPEMS6は、任意の予測されるイベント、異常、動向等を作業員10及び/又はユーザ20、24に通知するためにリアルタイムアラート生成と報告を行う。
【0036】
PPEMS6の解析エンジンは、一部の例では、検出された作業員データ、環境条件、地理的領域、及び他の因子間の関係又は相関を特定し、安全イベントに対する影響を分析するために解析を適用してもよい。PPEMS6は、作業員10の集団にわたって取得したデータを基に、おそらくは特定の地理的領域内のどの特定の活動が著しく高い安全イベントの発生につながる又はつながることが予想されるかを決定してもよい。
【0037】
このようにして、PPEMS6は個人保護具を管理するための総合的なツールを、基礎解析エンジン及び通信システムと密に統合し、データ収集、モニタリング、アクティビティのロギング、報告、行動解析、及びアラート生成を行う。更に、PPEMS6は、システム2の様々な要素により、及びシステム2の様々な要素間で動作及び使用するための通信システムを提供する。ユーザ20、24は、作業員10から取得したデータに対しPPEMS6が実施した任意の解析の結果を見るためにPPEMSにアクセスしてもよい。一部の例では、PPEMS6はウェブベースのインタフェースを、ウェブサーバ(例えば、HTTPサーバ)を介して提示してもよい、又はデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン及びタブレットなどのモバイルデバイス等などの、ユーザ20、24が使用するコンピューティングデバイス16、18のデバイスのためにクライアント側のアプリケーションを展開してもよい。
【0038】
一部の例では、PPEMS6は、取得した安全情報、コンプライアンス情報及び解析エンジンの任意の結果を、例えば、ダッシュボード、アラート通知、レポート等によって見るために、PPEMS6に直接問い合わせるためのデータベースクエリエンジンを提供してもよい。すなわち、ユーザ24、26、又はコンピューティングデバイス16、18で実行するソフトウェアは、クエリをPPEMS6に提出し、1つ以上のレポート又はダッシュボードの形態で提示するために、クエリに対応するデータを受信してもよい。このようなダッシュボードは、作業員集団全体の基準(「正常」)動作、作業員を危険に曝す恐れのある異常な活動に従事するあらゆる異常な作業員の特定、著しく異常な(例えば、高い)安全イベントが発生した又は発生することが予想される環境2内の任意の地理的領域の特定、他の環境と比較して安全イベントの異常発生を示す任意の環境2の特定等などの、システム2に関する様々な見識を提供してもよい。
【0039】
以下に詳細に示されているように、PPEMS6はモニタリングが行われている個人のワークフローを簡素化し、実体又は環境に対する安全遵守を確実にしてもよい。すなわち、本開示の技術は、能動的な安全管理を可能にしてもよく、組織が、環境8内の特定領域、特定の安全具11又は個々の作業員10に関する予防処置又は修正処置を取り、実体が、基礎解析エンジンによるデータ駆動型のワークフロー手順を規定し、この手順を実施することを更に可能にしてもよい。
【0040】
一例として、PPEMS6の基礎分析エンジンは、所与の環境8内の又は組織全体の複数の環境にわたる作業員集団のための顧客定義の指標を算出し、提示するように構成してもよい。例えば、PPEMS6は、データを取得し、集約した性能指標と予測した行動解析を作業員集団全体に(例えば、環境8A、8Bのいずれか又は両方の作業員10全体に)提供するように構成してもよい。更に、ユーザ20、24は、あらゆる安全インシデントの発生に関するベンチマークを設定してもよく、PPEMS6は、個人又は所定の作業員集団のベンチマークに対する実際の性能指標を追跡してもよい。
【0041】
別の例として、PPEMS6は、更に、特定の条件の組み合わせが存在する場合、例えば、SRL11のうちの1つ等の安全具の検査又は整備を早めるために、アラートを発してもよい。このように、PPEMS6は、指標がベンチマークを満たさない個々のSRL11又は作業員10を特定し、ユーザに、介入すること及び/又は指標をベンチマークに対して向上させるための手順を実施することを促し、それにより作業員10のコンプライアンスを確実とし、安全を能動的に管理してもよい。一部の例では、1つ以上の動作が、非限定的にSRL11等、PPEの1つ以上の物品の動作を変更することを含んでもよい。
【0042】
図2は、安全リリースライン(safety release line、SRL)11、呼吸マスク13、安全ヘルメット、又は他の安全具等の様々な通信対応個人保護具(PPE)を有する全体的な作業員10集団を有する複数の別個の作業環境8をサポート可能なクラウドベースプラットフォームとしてホストされる場合のPPEMS6の動作の観点を提示するブロック図である。図2の例では、PPEMS6の構成要素は、本開示の技術を実施する複数の論理層に従い配置されている。各層は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを含む1つ以上のモジュールによって実現してもよい。
【0043】
図2では、SRL11、呼吸マスク13及び/又は他の機器等の個人保護具(PPE)62が、直接又はハブ14及びコンピューティングデバイス60を介して、PPEMS6と中間層64を介して通信するクライアント63として動作する。コンピューティングデバイス60は、典型的には、デスクトップアプリケーション、モバイルアプリケーション、及びウェブアプリケーションなどのクライアントソフトウェアアプリケーションを実行する。コンピューティングデバイス60は、図1のコンピューティングデバイス16、18のいずれであってもよい。コンピューティングデバイス60の例としては、ほんの一部の例を挙げると、ポータブル又はモバイルコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、ウェアラブルコンピューティングデバイス、タブレット)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートテレビジョンプラットフォーム、及びサーバが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0044】
本開示に更に記載されるように、PPE62はPPEMS6と(直接又はハブ14を介して)通信して、埋込式センサ及び他のモニタリング回路から取得したデータのストリームを提供し、PPEMS6からアラート、構成、及び他の通信を受信する。コンピューティングデバイス60上で実行されるクライアントアプリケーションはPPEM6と通信し、取得された、格納された、生成された及び/又はそうでなければサービス68によって処理された情報を送受信してもよい。例えば、クライアントアプリケーションは、PPEMS6に格納された及び/又はPPEMS6によって管理された分析データを含む安全イベント情報を要求し、編集してもよい。一部の例では、クライアントアプリケーション61は、PPE62から取得した及び又はPPEMS6によって生成された多くの個々の安全イベントの事例と対応するデータとを要約するあるいは集約する、集約された安全イベント情報を要求し、表示してもよい。クライアントアプリケーションは、ほんの一部の例を挙げると、過去の及び予測された安全イベントに関する解析情報、作業員10の行動動向について問い合わせるためにPPEMS6と対話してもよい。一部の例では、クライアントアプリケーションは、PPEMS6から受信した情報を出力して表示し、このような情報をクライアント63のユーザのために可視化してもよい。以下に更に示し、記載するように、PPEMS6は、クライアントアプリケーションに情報を提供してもよく、この情報をクライアントアプリケーションはユーザインタフェースに出力して表示する。
【0045】
コンピューティングデバイス60上で実行されるクライアントアプリケーションは、異なるプラットフォームに対して実現してもよいが、類似の又は同一の機能を含むことができる。例えば、クライアントアプリケーションは、ほんの一部の例を挙げると、Microsoft Windows、Apple OS X、又はLinuxなどのデスクトップオペレーティングシステム上で実行するようにコンパイルされたデスクトップアプリケーションであってもよい。別の例として、クライアントアプリケーションは、ほんの一部の例を挙げると、Google Android、Apple iOS、Microsoft Windows Mobile、又はBlackBerry OSなどのモバイルオペレーティングシステム上で実行するようにコンパイルされたモバイルアプリケーションであってもよい。別の例として、クライアントアプリケーションは、PPEMS6から受信したウェブページを表示するウェブブラウザなどのウェブアプリケーションであってもよい。ウェブアプリケーションの例では、PPEMS6は、ウェブアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)から要求を受信し、要求を処理し、1つ以上の応答をウェブアプリケーションに返送してもよい。このようにして、ウェブページの集合体、ウェブアプリケーションのクライアント側の処理、及びPPEMS6によって実施されるサーバ側の処理は、本開示の技術を実施するための機能を集合的に提供する。このようにして、クライアントアプリケーションは本開示の技術によるPPEMS6の様々なサービスを使用し、アプリケーションは、様々な異なるコンピューティング環境(例えば、ほんの一部の例を挙げると、PPEの埋め込み回路又はプロセッサ、デスクトップオペレーティングシステム、モバイルオペレーティングシステム、又はウェブブラウザ)内で動作してもよい。
【0046】
図2に示すように、PPEMS6は、PPEMS6によって提示され、サポートされるアプリケーションプログラミングインタフェース(application programming interface、API)又はプロトコルインタフェースのセットを示す中間層64を含む。中間層64は、PPEMS6において更に処理されるメッセージを、初めに、いずれかのクライアント63から受信する。中間層64は、したがって、クライアント63上で実行されるクライアントアプリケーションで利用可能な1つ以上のインタフェースを提供してもよい。一部の例では、インタフェースは、ネットワーク上でアクセス可能なアプリケーションプログラミングインタフェース(API)であってもよい。中間層64は1つ以上のウェブサーバに実装してもよい。1つ以上のウェブサーバは、入来する要求を受信し、要求からの情報を処理する及び/又はサービス68に転送し、サービス68から受信した情報を基に、初めに要求を送信したクライアントアプリケーションに1つ以上の応答を提供してもよい。一部の例では、中間層64を実装する1つ以上のウェブサーバは、1つ以上のインタフェースを提供するプログラム論理を展開するための実行環境を含んでもよい。以下で更に記載するように、各サービスは、中間層64を介してアクセス可能な1つ以上のインタフェースの群を提供してもよい。
【0047】
一部の例では、中間層64は、HTTPメソッドを使用してサービスと対話し、PPEMS6のリソースを操作するレプレゼンテーショナルステートトランスファ(Representational State Transfer、RESTful)インタフェースを提供してもよい。このような例では、サービス68は、初期要求を提出したクライアントアプリケーション61に中間層64が返送するJavaScriptオブジェクトノーテーション(JavaScript Object Notation、JSON)メッセージを生成してもよい。一部の例では、中間層64は、クライアントアプリケーション61からの要求を処理するために、シンプルオブジェクトアクセスプロトコル(Simple Object Access Protocol、SOAP)を使用するウェブサービスを提供する。更に別の例では、中間層64は、クライアント63からの要求を処理するためにリモートプロシージャコール(Remote Procedure Calls、RPC)を使用してもよい。クライアントアプリケーションから1つ以上のサービス68を使用する要求を受信すると、中間層64はサービス68を含むアプリケーション層66に情報を送信する。
【0048】
図2に示すように、PPEMS6はまた、PPEMS6の基本動作の多くを実施するためのサービスの集合体を示すアプリケーション層66を含む。アプリケーション層66は、クライアントアプリケーション61から受信した要求に含まれる情報を受信し、更に、この情報を、要求によって呼び出されたサービス68の1つ以上に従い処理する。アプリケーション層66は、1つ以上のアプリケーションサーバ、例えば、物理マシン又は仮想マシン上で実行される1つ以上のディスクリートソフトウェアサービスとして実現してもよい。すなわち、アプリケーションサーバは、サービス68の実行のための実行環境を提供する。一部の例では、上述の機能中間層64とアプリケーション層66の機能は同一サーバに実装してもよい。
【0049】
アプリケーション層66は、例えば、一例として論理サービスバス70を介して通信する1つ以上の別個のソフトウェアサービス68、例えば、プロセスを含んでもよい。サービスバス70は、一般に、異なるサービスがパブリッシュ/サブスクライブ通信モデルなどによって他のサービスにメッセージを送信することを可能にする論理相互接続又はインタフェースのセットを示す。例えば、各サービス68は、各サービスの基準セットを基に、特定タイプのメッセージにサブスクライブしてもよい。サービスが特定タイプのメッセージをサービスバス70にパブリッシュすると、そのタイプのメッセージにサブスクライブする他のサービスがメッセージを受信する。このようにして、各サービス68は、互いに情報を通信してもよい。別の例として、サービス68は、ソケット又は他の通信メカニズムを使用してポイントツーポイント形式で通信してもよい。更に別の例では、データメッセージがソフトウェアシステムサービスにより処理される際、データメッセージのワークフロー及び論理処理を実施するために、パイプラインシステムアーキテクチャを使用することができる。各サービス68の機能を説明する前に、層について本明細書で簡潔に記載する。
【0050】
PPEMS6のデータ層72は、1つ以上のデータリポジトリ74を使用してPPEMS6内の情報の持続性を提供するデータリポジトリを示す。データリポジトリは、概して、データを格納及び/又は管理する任意のデータ構造又はソフトウェアであってもよい。データリポジトリの例としては、ほんの一部の例を挙げると、リレーショナルデータベース、多次元データベース、マップ、及びハッシュテーブルが挙げられるが、これらに限定されない。データ層72は、データリポジトリ74内の情報を管理するためにリレーショナルデータベース管理システム(Relational Database Management System、RDBMS)ソフトウェアを使用して実現してもよい。RDBMSソフトウェアは、構造化クエリ言語(Structured Query Language、SQL)を使用してアクセスされ得る1つ以上のデータリポジトリ74を管理してもよい。1つ以上のデータベース内の情報は、RDBMSソフトウェアを用いて格納、取得、及び修正してもよい。一部の例では、データ層72は、オブジェクトデータベース管理システム(Object Database Management System、ODBMS)、オンライン分析処理(Online Analytical Processing、OLAP)データベース、又は他の適切なデータ管理システムを使用して実現してもよい。
【0051】
図2に示すように、各サービス68A~68H(「サービス68」)はPPEMS6内にモジュール形式で実装されている。各サービスを別個のモジュールとして示しているが、一部の例では、2つ以上のサービスの機能を単一モジュール又は構成要素へと組み合わせてもよい。各サービス68はソフトウェア、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現してもよい。更に、サービス68は、スタンドアロンデバイス、別個の仮想マシン又はコンテナ、プロセス、スレッド、又は一般に1つ以上の物理プロセッサ上で実行するためのソフトウェア命令として実装してもよい。
【0052】
一部の例では、1つ以上のサービス68はそれぞれ、中間層64を介して露出される1つ以上のインタフェースを提供してもよい。したがって、本開示の技術を実施するために、コンピューティングデバイス60のクライアントアプリケーションは1つ以上のサービス68の1つ以上のインタフェースを呼び出してもよい。
【0053】
本開示の技術によれば、サービス68は、イベントエンドポイントフロントエンド68Aと、イベントセレクタ68Bと、イベントプロセッサ68Cと、ハイプライオリティ(high priority、HP)イベントプロセッサ68Dと、を含むイベント処理プラットフォームを含んでもよい。イベントエンドポイントフロントエンド68Aは、PPE62及びハブ14と通信を送受信するためのフロントエンドインタフェースとして動作する。換言すると、イベントエンドポイントフロントエンド68Aは、環境8内に展開され、作業員10によって使用される安全具のフロントラインインタフェースとして動作する。一部の例では、イベントエンドポイントフロントエンド68Aは、安全具によって検出及び捕捉されたデータを保持するPPE62からのイベントストリーム69の個々のインバウンド通信を受信させる複数のタスク又はジョブとして実現してもよい。イベントエンドポイントフロントエンド68Aは、例えば、イベントストリーム69を受信すると、イベントと呼ばれるインバウンド通信を素早くエンキューするためのタスクを生成し、通信セッションを閉じてもよく、それにより高速処理と拡張性を提供する。各受信される通信は、例えば、一般にイベントと呼ばれる、検出された条件、動き、温度、活動、又は他のデータを表す最近捕捉されたデータのデータを保持してもよい。イベントエンドポイントフロントエンド68AとPPEとの間で交換される通信は、通信遅延及び連続性に応じてリアルタイム又は擬似リアルタイムであってもよい。
【0054】
イベントセレクタ68Bは、フロントエンド68Aを介してPPE62及び/又はハブ14から受信したイベント69のストリーム上で動作し、規則又は分類に基づき、受信イベントと関連付けられた優先順位を決定する。イベントセレクタ68Bは、優先順位に基づき、イベントプロセッサ68C又はハイプライオリティ(HP)イベントプロセッサ68Dによって後続処理するためのイベントをエンキューする。付加的な計算資源及びオブジェクトは、PPEの誤使用、地理的位置及び条件に基づく誤ったフィルタ及び/又は呼吸マスクの使用、SRL11の適切な固定の失敗等などの重大なイベントに対する応答性を確保するために、HPイベントプロセッサ68Dに専用であってもよい。ハイプライオリティイベントの処理に応答して、HPイベントプロセッサ68Dは通知サービス68Eを即座に呼び出し、SRL11、ハブ14及び/又はリモートユーザ20、24に対して出力すべきアラート、命令、警告、又は他の類似のメッセージを生成することができる。ハイプライオリティとして分類されなかったイベントは、イベントプロセッサ68Cによって消費及び処理される。
【0055】
概して、イベントプロセッサ68C又はハイプライオリティ(HP)イベントプロセッサ68Dは、受信されるイベントのストリーム上で動作し、データリポジトリ74内のイベントデータ74Aを更新する。概して、イベントデータ74Aは、PPE62から得られる使用データの全て又はサブセットを含んでもよい。例えば、一部の例では、イベントデータ74Aは、PPE62の電子センサから得られるデータのサンプルの全ストリームを含んでもよい。他の例では、イベントデータ74Aは、例えば、PPE62の特定の期間又は活動に関連付けられたこのようなデータのサブセットを含んでもよい。イベントプロセッサ68C、68Dは、イベントデータ74Aに格納されたイベント情報を作成、読み出し、更新、及び削除してもよい。のためのイベント情報は、行/列形式で指定されたデータテーブルなどの情報の名前/値の対を含む構造として各データベースレコードに格納してもよい。例えば、名前(例えば、列)は「作業員のID」であってもよく、値は従業員識別番号であってもよい。イベントレコードは、作業員のID、PPEのID、取得したタイムスタンプ、及び1つ以上の検出されたパラメータを示すデータなどであるが、これらに限定されない情報を含んでもよい。
【0056】
加えて、イベントセレクタ68Bは、解析エンジンの例を示すストリーム解析サービス68Fにイベントの受信ストリームを導く。このストリーム解析サービス68Fは、リアルタイム解析を実施するためにイベントの受信ストリームの詳細処理を実施するように構成されている。ストリーム解析サービス68Fは、イベントデータ74Aが受信される際に、例えば、イベントデータ74Aの複数ストリームを処理し、過去データ及びモデル74Bとリアルタイムで比較するように構成してもよい。このようにして、ストリーム解析サービス68Dは、条件又は作業員の行動を基に安全の懸念を検知すると、異常を検知し、受信イベントデータ値を変換し、アラートを発するように構成してもよい。過去データ及びモデル74Bは、例えば、特定の安全規則、ビジネス規則等を含んでもよい。これにより、過去データ及びモデル74Bは、SRL11のユーザの行動を、例えば、安全規則、ビジネス規則等に適合するものとして特徴付けることができる。加えて、ストリーム解析サービス68Dは、通知サービス68FによりPPPE62に、又は記録管理及び報告サービス68Dによってコンピューティングデバイス60に通信するための出力を生成してもよい。
【0057】
このようにして、解析サービス68Fは、環境8内の作業員10が使用している有効安全PPE62からのイベントのインバウンドストリーム、潜在的には数百又は数千のイベントのストリームを処理し、過去データ及びモデル74Bを適用し、作業員の条件又は行動パターンを基に、特定された異常又は予測された差し迫った安全イベントの発生などのアサーションを算出する。解析サービス68Dは、いずれかのクライアント63に出力するために、サービスバス70によって通知サービス68F及び/又は記録管理にアサーションを発行してもよい。
【0058】
このようにして、解析サービス68Fは、差し迫った安全上の懸念を予測し、リアルタイムのアラート生成及び報告を提供するアクティブ安全管理システムとして構成されていてもよい。加えて、解析サービス68Fは、イベントデータのインバウンドストリームを処理して、企業、安全管理者、及び他のリモートユーザのために、集約された若しくは個々の作業員及び/又はPPEベースの統計、結論、及び/又は推奨の形態のアサーションを生成するための技法を提供する意思決定支援システムであってもよい。例えば、解析サービス68Fは、過去データ及びモデル74Bを適用し、特定の作業員に関して、検出された行動パターン又は活動パターン、環境条件、及び地理的位置に基づき、この作業員に安全イベントが差し迫っている可能性を決定してもよい。一部の例では、解析サービス68Fは、作業員が現在、例えば、疲労、疾患、又はアルコール/薬物使用により調子が損なわれているかどうかを判定してもよく、安全イベントを防止するために介入を必要としてもよい。更に別の例として、解析サービス68Fは、特定の環境8内の作業員又は安全具のタイプの比較レーティングを提供してもよい。
【0059】
したがって、解析サービス68Fは、安全イベントを予測するための危険の指標を提供する1つ以上のモデルを維持してもよく、あるいは使用してもよい。解析サービス68Fは、また、順序セット、推奨、及び品質尺度を生成してもよい。一部の例では、解析サービス68Fは、PPEMS6によって格納された処理情報を基にユーザインタフェースを生成し、実施可能な情報をいずれかのクライアント63に提供してもよい。例えば、解析サービス68Fは、いずれかのクライアント63で出力するために、ダッシュボード、アラート通知、レポート等を生成してもよい。このような情報は、作業員集団全体の基準(「正常」)動作、作業員を危険に曝す恐れのある異常な活動に従事するあらゆる異常な作業員の特定、著しく異常な(例えば、高い)安全イベントが発生した又は発生することが予想される環境内の任意の地理的領域の特定、他の環境と比較して安全イベントの異常発生を示す任意の環境の特定等に関する様々な見識を提供してもよい。
【0060】
他の技術を使用することはできるが、一例示的実現形態では、解析サービス68Fは、安全イベントのストリーム上で動作しているとき、機械学習を使用してリアルタイム解析を実施する。すなわち、解析サービス68Fは、パターンを検出するためにイベントストリームの訓練データ及び既知の安全イベントに機械学習を適用することにより生成された実行可能コードを含む。実行可能コードは、ソフトウェア命令又は規則セットの形式を取ってもよく、一般に、モデルと呼ばれ、類似パターンの検出と近く発生するイベントの予測のために、後にイベントストリーム69に適用することができる。
【0061】
解析サービス68Fは、一部の例では、特定の作業員、特定の作業員集団、特定の環境、又はこれらの組み合わせに対して別個のモデルを生成してもよい。解析サービス68Fは、PPE62から受信された使用データを基にモデルを更新してもよい。例えば、解析サービス68Fは、PPE62から受信されたデータを基に、特定の作業員、特定の作業員集団、特定の環境、又はこれらの組み合わせのモデルを更新してもよい。
【0062】
代替的に又は付加的に、解析サービス68Fは、生成したコード及び/又は機械学習モデルの全て若しくは一部をハブ16(又はPPE62)に通信してハブ16(又はPPE62)で実行し、PPEにほぼリアルタイムでローカルアラートを提供してもよい。モデル74Bを生成するために用いてもよい例示的な機械学習技術には、教師あり学習、教師なし学習、及び半教師あり学習などの様々な学習スタイルを含むことができる。例示的なアルゴリズムのタイプとしては、ベイジアンアルゴリズム、クラスタリングアルゴリズム、決定木アルゴリズム、正則化アルゴリズム、回帰アルゴリズム、インスタンスベースアルゴリズム、人工ニューラルネットワークアルゴリズム、深層学習アルゴリズム、次元削減アルゴリズム等が挙げられる。特定のアルゴリズムの様々な例としては、ベイジアン線形回帰、ブースト決定木回帰、ニューラルネットワーク回帰、誤差逆伝播ニューラルネットワーク、アプリオリアルゴリズム、K平均クラスタリング、k近傍(k-Nearest Neighbour、kNN)、学習ベクトル量子化(Learning Vector Quantization、LVQ)、自己組織化マップ(Self-Organizing Map、SOM)、局所重み付け学習(Locally Weighted Learning、LWL)、リッジ回帰、最小絶対収縮と選択演算子(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator、LASSO)、エラスティックネット、最小角回帰(Least-Angle Regression、LARS)、主成分分析(principal component analysis、PCA)、及び主成分回帰(Principal Component Regression、PCR)が挙げられる。
【0063】
記録管理及び報告サービス68Gは、コンピューティングデバイス60から中間層64を介して受信されたメッセージ及びクエリを処理し、応答する。例えば、記録管理及び報告サービス68Gは、クライアントコンピューティングデバイスから、個々の作業員、作業員の集団又はサンプルセット、環境8又は環境8全体の地理的領域、個々のPPE62又はPPE62の群/タイプに関連するイベントデータに関する要求を受信してもよい。これに応答して、記録管理及び報告サービス68Gは要求を基にイベント情報にアクセスする。イベントデータを取得すると、記録管理及び報告サービス68Gは、初めに情報を要求したクライアントアプリケーションに対する出力応答を構築する。一部の例では、データはHTML文書などの文書に含んでもよく、又はデータはJSON形式でコード化されてもよく、又は要求元のクライアントコンピューティングデバイスで実行されるダッシュボードアプリケーションによって提示してもよい。例えば、本開示に更に記載されるように、イベント情報を含む例示的ユーザインタフェースが図示されている。
【0064】
付加的な例として、記録管理及び報告サービス68Gは、PPEイベント情報を見つけ、分析し、相関させる要求を受信してもよい。例えば、記録管理及び報告サービス68Gは、ユーザがPPEイベント情報をある期間にわたって見ることができる及び/又はコンピューティングデバイスがPPEイベント情報をある期間にわたって分析することができるなど、過去の時間枠にわたるイベントデータ74Aに関するクエリ要求をクライアントアプリケーションから受信してもよい。
【0065】
例示的な実現形態では、サービス68は、また、PPEMS6によってユーザ及び要求を認証及び認可するセキュリティサービス68Hを含んでもよい。具体的には、セキュリティサービス68Hは、クライアントアプリケーション及び/又は他のサービス68から認証要求を受信し、データ層72内のデータにアクセスしてもよい及び/又はアプリケーション層66内で処理を実施してもよい。認証要求は、ユーザ名及びパスワードなどの証明書を含んでもよい。セキュリティサービス68Hは、ユーザ名とパスワードとの組み合わせが有効であるかどうかを判定するためにセキュリティデータ74Aを問い合わせてもよい。構成データ74Dは、認証証明書、ポリシー、及びPPEMS6へのアクセスを制御するための任意の他の情報の形態のセキュリティデータを含んでもよい。上述のように、セキュリティデータ74Aは、PPEMS6の正規ユーザの有効なユーザ名とパスワードとの組み合わせなどの認証証明書を含んでもよい。他の証明書には、PPEMS6へのアクセスを許可されたデバイス識別子又はデバイスプロファイルを含んでもよい。
【0066】
セキュリティサービス68Hは、PPEMS6で実施される動作に対して監査及びロギング機能を提供してもよい。例えば、セキュリティサービス68Hは、サービス68によって実施された動作及び/又はサービス68によってアクセスされたデータ層72内のデータのログを取ってもよい。セキュリティサービス68Hは、ログ操作、アクセスデータ、及び規則処理結果などの監査情報を監査データ74Cに格納してもよい。一部の例では、セキュリティサービス68Hは、1つ以上の規則が満たされたことに応答してイベントを生成してもよい。セキュリティサービス68Hは、イベントを示すデータを監査データ74Cに格納してもよい。
【0067】
PPEMS6は、セルフチェックコンポーネント68Iと、セルフチェック基準74Eと、作業関係データ74Fとを含んでもよい。セルフチェック基準74Eは、1つ以上のセルフチェック基準を含んでもよい。作業関係データ74Fは、PPE、作業員、及び作業環境に対応するデータ間のマッピングを含んでもよい。作業関係データ74Fは、データを格納、取得、更新、及び削除するための任意の適切なデータストアであってもよい。RMRS69Gは、作業員10Aの固有識別子とデータハブ14Aの固有デバイス識別子との間のマッピングを格納してもよい。作業関係データストア74Fは、また、作業員を環境に対してマッピングしてもよい。図2の例では、セルフチェックコンポーネント68Iは、作業関係データ74Fから、データハブ14A、作業員10A、及び/又は作業員10Aに関連付けられた若しくは割り当てられたPPEに関するデータを受信あるいは判定してもよい。このデータに基づき、セルフチェックコンポーネント68Iは、セルフチェック基準74Eから1つ以上のセルフチェック基準を選択してもよい。セルフチェックコンポーネント68Iは、セルフチェック基準をデータハブ14Aに送信してもよい。
【0068】
図3は、SRL11の1つの例をより詳細に示している。この例では、SRL11は、アンカーに取り付けるための第1のコネクタ90と、命綱92と、ユーザ(図示せず)に取り付けるための第2のコネクタ94と、を含む。SRL11はまた、エネルギー吸収及び/又は制動システムを収容するハウジング96と、コンピューティングデバイス98と、を含む。図示されている例では、コンピューティングデバイス98は、プロセッサ100と、メモリ102と、通信ユニット104と、伸長センサ106と、張力センサ108と、速度計109と、加速度計110と、位置センサ112と、高度計114と、1つ以上の環境センサ116と、出力ユニット118と、を含む。
【0069】
図3に示されるコンピューティングデバイス98(より広くは、SRL11)のアーキテクチャ及び配置構成は単に例示の目的で示されると理解すべきである。他の例では、SRL11及びコンピューティングデバイス98は、図3に示されるものより多いコンポーネント、少ないコンポーネント、又は別のコンポーネントを有する様々な手法で構成してもよい。例えば、一部の例では、コンピューティングデバイス98は、通信ユニット104及び伸長センサ106などの、コンポーネントのサブセットのみを含むように構成してもよい。また、図3の例はコンピューティングデバイス98をハウジング96と一体であるものとして示しているが、本技術は、このような配置構成に限定されない。
【0070】
第1のコネクタ90は、足場又は他の支持構造体などの固定構造体に固定してもよい。命綱92は、ハウジング96に回転自在に接続された、付勢されたドラムに巻き付けてもよい。第2のコネクタ94は、ユーザ(例えば、作業員10の1人など(図1))に接続してもよい。したがって、一部の例では、第1のコネクタ90は支持構造体に接続されるアンカーポイントとして構成してもよく、第2のコネクタ94は、作業員に接続されるフックを含むように構成してもよい。他の例では、第2のコネクタ94はアンカーポイントに接続してもよく、第1のコネクタ90は作業員に接続してもよい。ユーザが活動を行うとき、命綱92がハウジング96から延出する際及びハウジング96に後退する際の命綱92の動きによってドラムが回転する。
【0071】
一般に、コンピューティングデバイス98は、SRL11の動作及び/又はSRL11が使用される環境に関するリアルタイムデータを取り込み得る複数のセンサを含んでもよい。このようなデータは、本明細書では使用データと称する。センサはハウジング96内に配置してもよい。及び/又は第1のコネクタ90若しくは第2のコネクタ94の近傍などのSRL11内の他の場所に配置してもよい。一例では、プロセッサ100は、コンピューティングデバイス98内で機能性を実現するように、及び/又は実行のための命令を処理するように構成されている。例えば、プロセッサ100は、メモリ102によって格納された命令を処理することができる。プロセッサ100としては、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の同等なディスクリート若しくは集積論理回路を挙げることができる。
【0072】
メモリ102は、コンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ可読ストレージデバイスを含むことができる。一部の例では、メモリ102は、短期メモリ又は長期メモリの1つ以上を含んでもよい。メモリ102としては、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、磁気ハードディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又は電気的プログラマブルメモリ(EPROM)若しくは電気的消去可能プログラマブルメモリ(EEPROM)の形態が挙げられる。
【0073】
一部の例では、メモリ102は、コンピューティングデバイス98のコンポーネントの動作を制御するオペレーティングシステム(図示せず)又は他のアプリケーションを格納してもよい。例えば、オペレーティングシステムは、電子センサ(例えば、伸長センサ106、張力センサ108、加速度計110、位置センサ112、高度計114、及び/又は環境センサ116)から通信ユニット104へのデータの通信を促進してもよい。一部の例では、メモリ102は、プロセッサ100によって実行されるプログラム命令を格納するために使用される。メモリ102は、また、動作中にコンピューティングデバイス98内の情報を格納するように構成してもよい。
【0074】
コンピューティングデバイス98は、1つ以上の有線通信又は無線通信を介して外部デバイスと通信するために通信ユニット104を使用してもよい。通信ユニット104は、様々なミキサ、フィルタ、増幅器、及び信号変調用に設計された他の構成要素、並びに1つ以上のアンテナ及び/又はデータの送受信用に設計された他の構成要素を含んでもよい。通信ユニット104は、1つ以上の任意の好適なデータ通信技術を用いて他のコンピューティングデバイスとデータを送受信してもよい。このような通信技術の例としては、ほんの一部の例を挙げると、TCP/IP、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth、4G、LTEが挙げられる。一部の例では、通信ユニット104は、Bluetooth Low Energy(BLU)プロトコルに従い動作してもよい。
【0075】
伸長センサ106は、少なくとも1つの命綱92の伸長及び命綱92の後退を示すデータを生成し、出力するように構成してもよい。一部の例では、伸長センサ106は、命綱92の伸長の長さ又は命綱92の後退の長さを示すデータを生成してもよい。他の例では、伸長センサ106は、伸長又は後退サイクルを示すデータを生成してもよい。伸長センサ106は、位置及び/又は回転を決定するために、ロータリエンコーダ、光学センサ、ホール効果センサ、又は別のセンサの1つ以上を含んでもよい。伸長センサ106は、一部の例では、命綱92の完全な伸長又は完全な後退を示す出力を生成する1つ以上のスイッチも含んでよい。
【0076】
張力センサ108は、例えば、第2のコネクタ90に対する命綱92の張力を示すデータを生成するように構成してもよい。張力センサ108は、命綱92と並んで配置された、SRL11に加えられた張力を直接的又は間接的に測定するための力変換器を含んでもよい。一部の例では、張力センサ108は、SRL11にかかる静的力又は静的張力を測定するためのストレーンゲージを含んでもよい。張力センサ108は、付加的に又は代替的に、SRL11に加えられた所定の張力に基づき電気接点を形成又は遮断するためのばね付勢式機構を有する機械的スイッチを含んでもよい。更に別の例では、張力センサ108は、SRL11の摩擦ブレーキの回転を決定するための1つ以上の構成要素を含んでもよい。例えば、1つ以上の構成要素は、センサ(例えば、光学センサ、ホール効果センサ等)を含んでもよく、このセンサは、制動システムの作動中におけるブレーキの2つの構成要素間の相対運動を決定するように構成されている。
【0077】
速度計109は、命綱92の速度を示すデータを生成するように構成してもよい。例えば、速度計109は、命綱の伸長及び/又は後退を測定してもよく(又はこのような測定値を伸長センサ106から受信してもよく)、この伸長及び/又は後退を時間スケールに適用してもよい(例えば、時間で除する)。加速度計110は、重力に対するSRL11の加速度を示すデータを生成するように構成してもよい。加速度計110は、加速度の大きさ及び方向を、例えばベクトル量として決定するための単軸又は多軸加速度計として構成してもよく、方向、座標加速度、振動、衝撃及び/又は落下を決定するために使用してもよい。
【0078】
位置センサ112は、環境8のうちの1つにおけるSRL11の位置を示すデータを生成するように構成してもよい。位置センサ112は、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、三角測量(例えば、ビーコン及び/又は他の固定通信ポイントを使用して)を実施するための構成要素、又はSRL11の相対位置を決定するための他のセンサを含んでもよい。
【0079】
高度計114は、一定のレベルを超えるSRL11の高度を示すデータを生成するように構成してもよい。一部の例では、高度計114は、気圧の測定値(例えば、高度が高いほど気圧は低くなる)を基に、SRL11の高度を決定するように構成してもよい。
【0080】
環境センサ116は、環境8などの環境の特性を示すデータを生成するように構成してもよい。一部の例では、環境センサ116は、温度、湿度、微粒子含有量、騒音レベル、空気の品質、又はSRL11が使用され得る環境の任意の他の様々な特性を測定するように構成された1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0081】
出力ユニット118は、例えば、SRL11の1つ以上のセンサ(例えば、伸長センサ106、張力センサ108、加速度計110、位置センサ112、高度計114、及び/又は環境センサ116など)によって測定されたSRL11の動作を示すデータを出力するように構成してもよい。出力ユニット118は、SRL11の動作に関連付けられたデータを生成するために、コンピューティングデバイス98のプロセッサ100によって実行可能な命令を含んでもよい。一部の例では、出力ユニット118は、SRL11の1つ以上のセンサからデータを直接出力してもよい。例えば、出力ユニット118は、通信ユニット104を介して別のデバイスに送信するために、SRL11の1つ以上のセンサからのリアルタイム又はほぼリアルタイムデータを含む1つ以上のメッセージを生成してもよい。
【0082】
他の例では、出力ユニット118(及び/又はプロセッサ100)は1つ以上のセンサからのデータを処理し、1つ以上のセンサからのデータを特徴付けるメッセージを生成してもよい。例えば、出力ユニット118は、SRL11が使用されている時間の長さ、命綱92の伸長サイクル及び後退サイクルの数(例えば、伸長センサ106からのデータを基に)、使用中のユーザの速度の平均レート(例えば、伸長センサ106又は位置センサ112からのデータを基に)、SRL11のユーザの瞬間速度又は加速度(例えば、加速度計110からのデータを基に)、命綱92のブレーキのロックアップの数及び/又は衝撃の重大度(例えば、張力センサ108からのデータを基に)を決定してもよい。
【0083】
一部の例では、出力ユニット118は、通信ユニット104によって使用データをリアルタイム又はほぼリアルタイムで別のデバイス(例えば、PPE62)に送信するように構成してもよい。しかしながら、一部の例では、通信ユニット104は、例えば、SRL11が位置する環境及び/又はネットワーク障害のせいでこのようなデバイスと通信できない場合がある。このような場合、出力ユニット118は、使用データをメモリ102にキャッシュしてもよい。すなわち、出力ユニット118(又はセンサ自体)は使用データをメモリ102に格納してもよく、ネットワーク接続が利用可能になると使用データを別のデバイスにアップロードすることを可能にしてもよい。
【0084】
出力ユニット118は、また、SRL11のユーザが認知可能な可聴、視覚、触覚、又は他の出力を生成するように構成してもよい。例えば、出力ユニット118は、例として、様々なライト、ディスプレイ、触覚フィードバック生成部、スピーカ等を含むもう1つのユーザインタフェースデバイスを含んでもよい。一例では、出力ユニット118は、SRL11上に位置する及び/又はSRL11のユーザの視野内にあるリモートデバイス(例えば、インジケータグラス、バイザー等)に含まれる1つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。別の例では、出力ユニット118は、SRL11上に位置する及び/又はリモートデバイス(例えば、イヤピース、ヘッドセット等)に含まれる1つ以上のスピーカを含んでもよい。更に別の例では、出力ユニット118は、振動又は他の触覚フィードバックを生成し、SRL11又はリモートデバイス(例えば、ブレスレット、ヘルメット、イヤピース等)上に含まれる触覚フィードバック生成部を含んでもよい。
【0085】
出力ユニット118は、SRL11の動作を基に出力を生成するように構成してもよい。例えば、出力ユニット118は、SRL11のステータス(例えば、SRL11が適切に動作している、又は点検、修理、若しくは交換が必要である)を示す出力を生成するように構成してもよい。別の例として、出力ユニット118は、SRL11が位置する環境にSRL11が適していることを示す出力を生成するように構成してもよい。一部の例では、出力ユニット118は、SRL11が位置する環境が危険である(例えば、温度、微粒子レベル、位置等がSRL11を使用する作業員にとって潜在的に危険である)ことを示す出力データを生成するように構成してもよい。
【0086】
SRL11は、一部の例では、安全イベントの可能性を特徴付ける規則を格納するように構成してもよく、出力ユニット118は、(センサによって測定された)SRL11の動作と規則との比較を基に、出力を生成するように構成してもよい。例えば、SRL11は、上述のモデル及び/又はPPEMS6からの過去データを基に、規則をメモリ102に格納するように構成してもよい。規則をローカルで格納し、実施することで、このような決定がPPEMS6によって行われる場合、及び/又はネットワーク接続が利用できない(PPEMS6との通信が不可能であるような)場合に比べて潜在的に少ない待ち時間でSRL11が安全イベントの可能性を決定することを可能にしてもよい。この例では、出力ユニット118は、SRL11を使用する作業員に潜在的に危険な活動、異常行動等を警告する可聴、視覚、触覚、又は他の出力を生成するように構成してもよい。
【0087】
本開示の態様によれば、SRL11は、通信ユニット104を介してアラートデータを受信してもよく、出力ユニット118は、アラートデータを基に出力を生成してもよい。例えば、SRL11は、ハブ14、PPEMS6(直接的に又は1つのハブ14を介して)、エンドユーザコンピューティングデバイス16、コンピューティングデバイス18を使用するリモートユーザ、安全ステーション15、又は他のコンピューティングデバイス、のうちの1つからアラートデータを受信してもよい。一部の例では、アラートデータはSRL11の動作を基にしてもよい。例えば、出力ユニット118は、SRLのステータス、SRL11が位置する環境にSRL11が適していること、SRL11が位置する環境が危険であること等を示すアラートデータを受信してもよい。
【0088】
一部の例では、付加的に又は代替的に、SRL11は、安全イベントの可能性に関連付けられたアラートデータを受信してもよい。例えば、上記のように、PPEMS6は、一部の例では、環境条件又はSRL11を使用する作業員の行動パターンを基に、異常、又は予測された差し迫った安全イベントの発生等のアサーションを算出するために、SRL11からの使用データに過去データ及びモデルを適用してもよい。すなわち、PPEMS6は、SRL11からの検出データ、SRL11が位置する環境の環境条件、SRL11が位置する地理的領域、及び/又は他の因子の間の関係又は相関を特定するために解析を適用してもよい。PPEMS6は、作業員10の集団にわたって取得したデータを基に、おそらくは特定の環境又は地理的領域内のどの特定の活動が著しく高い安全イベントの発生につながる又はつながることが予想されるかを決定してもよい。SRL11は、安全イベントの比較的高い可能性を示すアラートデータをPPEMS6から受信してもよい。
【0089】
出力ユニット118は、受信したアラートデータを解釈し、SRL11を使用する作業員にアラート条件(例えば、安全イベントの可能性が比較的高いこと、環境が危険であること、SRL11が誤動作していること、SRL11の1つ以上の構成要素を修理又は交換する必要があること等)を通知するための出力(例えば、可聴出力、視覚出力又は触覚出力)を生成してもよい。一部の例では、出力ユニット118(又はプロセッサ100)は、付加的に又は代替的に、アラートデータを解釈し、SRL11の動作を修正する又は規則を実施し、SRL11の動作を、所望の/よりリスクを伴わない行動に適合させてもよい。例えば、出力ユニット118(又はプロセッサ100)は、命綱92がハウジング96から伸長するのを防止するために、命綱92に対しブレーキを作動させてもよい。
【0090】
したがって、本開示の態様によれば、SRL11のセンサからの使用データ(例えば、伸長センサ106、張力センサ108、加速度計110、位置センサ112、高度計114、環境センサ116、又は他のセンサからのデータ)は、様々な手法で使用してもよい。いくつかの態様によれば、使用データは、使用統計を決定するために使用してもよい。例えば、PPEMS6は、センサからの使用データを基に、SRL11が使用されている時間量、命綱92の伸長サイクル又は後退サイクルの数、使用中に命綱92が伸長又は後退した速度の平均レート、使用中に命綱92が伸長又は後退した瞬間速度又は加速度、命綱92のロックアップの数、命綱92に対する衝撃の重大度等を決定してもよい。他の例では、上記の使用統計は、ローカルで決定し、格納してもよい(例えば、SRL11によって又はハブ14のうちの1つによって)。
【0091】
本開示の態様によれば、PPEMS6は、作業員10の活動を特徴付けるために使用データを使用してもよい。例えば、PPEMS6は、(例えば、SRL11の動作及び/又は作業員10の動きを基に)生産的時間と非生産的時間のパターンを確立し、作業員の運動を分類し、重要な動きを識別してもよい。及び/又は重要なイベントの発生を推測してもよい。すなわち、PPEMS6は、使用データを取得し、サービス68を使用して使用データを分析し(例えば、既知のアクティビティ/イベントによるデータと使用データを比較することによって)、分析に基づき出力を生成してもよい。
【0092】
一部の例では、使用統計は、SRL11の保守又は交換がいつ必要であるかを決定するために使用してもよい。例えば、PPEMS6は、欠陥又は異常を特定するために、使用データを、正常に動作するSRL11を示すデータと比較してもよい。他の例では、PPEMS6は、また、使用データを、SRL11の既知の耐用寿命統計を示すデータと比較してもよい。使用統計は、また、作業員10がSRL11をどのように使用しているかについての理解を製品開発者に提供し、設計及び性能を向上するために使用してもよい。更に別の例では、使用統計は、製品仕様を発展させるために人のパフォーマンスのメタデータを収集するために使用してもよい。更に別の例では、使用統計は、競合のベンチマークツールとして使用してもよい。例えば、SRL11の客の間で使用データを比較し、SRL11を装備している作業員集団全体間の指標(例えば、生産性、コンプライアンス等)を評価してもよい。
【0093】
付加的に又は代替的に、本開示の態様によれば、SRL11のセンサからの使用データは、ステータス表示を決定するために使用してもよい。例えば、PPEMS6は、作業員10がSRL11に接続されていること、又はSRL11から分離されていることを決定してもよい。PPEMS6は、また、いくつかの基準点に対する作業員10の高さ及び/又は位置を決定してもよい。PPEMS6は、また、作業員10が命綱92の所定の取り出し長さに近づいていることを決定してもよい。PPEMS6は、また、環境8のうちの1つの危険領域(図1)に作業員10が近接していると決定してもよい。一部の例では、PPEMS6は、SRL11の使用(使用データによって示される)及び/又はSRL11が位置する環境の環境条件を基に、SRL11の保守間隔を決定してもよい。PPEMS6は、また、使用データを基に、SRL11がアンカー/固定構造物に接続されているかどうか、及び/又はアンカー/固定構造物が適切であるかどうかを決定してもよい。
【0094】
付加的に又は代替的に、本開示の態様によれば、SRL11のセンサからの使用データは、SRL11を装着している作業員10のパフォーマンスを評価するために使用してもよい。例えば、PPEMS6は、SRL11からの使用データを基に、作業員10の差し迫った落下を示し得る動きを認識してもよい。PPEMS6は、また、SRL11からの使用データを基に、疲労を示し得る動きを認識してもよい。一部の例では、PPEMS6は、SRL11からの使用データを基に、落下が発生した又は作業員10が動けない状態であると推測してもよい。PPEMS6は、また、落下の発生後に落下データ分析を実施してもよい及び/又は温度、湿度及び他の環境条件を決定してもよい(これらは安全イベントの可能性に関係するため)。
【0095】
付加的に又は代替的に、本開示の態様によれば、SRL11のセンサからの使用データは、アラートを決定するため及び/又はSRL11の動作を能動的に制御するために使用してもよい。例えば、PPEMS6は、落下などの安全イベントが差し迫っていると判断し、SRL11のブレーキをアクティブにしてもよい。一部の例では、PPEMS6は、落下防止特性の性能を、落下動力学に合わせて調整してもよい。すなわち、PPEMS6は、(例えば、使用データによって示される)安全イベントの特定の特性を基に、SRL11に制御が適用されることを警告してもよい。PPEMS6は、一部の例では、作業員10が環境8のうちの1つにおいて危険の近くにいる場合(例えば、位置センサ112から収集された位置データに基づき)警告を発してもよい。PPEMS6は、また、SRL11が衝撃を受けた後又は保守を必要としている場合、SRL11が動作しないようにSRL11をロックしてもよい。
【0096】
また、PPEMS6は、SRL11のユーザの活動を特徴付ける1つ以上の安全モデルへの使用データの適用を基に、上記の性能特性を決定してもよい。及び/又はアラートデータを生成してもよい。安全モデルは、過去データ又は既知の安全イベントを基に訓練してもよい。しかし、決定はPPEMS6に関して記載されているが、本明細書により詳細に記載されるように、ハブ14又はSRL11などの1つ以上の他のコンピューティングデバイスは、このような機能の全て又はサブセットを実施するように構成してもよい。
【0097】
一部の例では、PPEMS6は、PPEの組み合わせに対して解析を適用してもよい。例えば、PPEMS6は、SRL11及び/又はSRL11と共に使用される他のPPEのユーザ間の相関を導いてもよい。すなわち、一部の例では、PPEMS6は、SRL11の使用データのみならず、SRL11とともに使用される他のPPEの使用データも基にして安全イベントの可能性を決定してもよい。このような例では、PPEMS6は、SRL11とともに使用されているSRL11以外の1つ以上のデバイスの既知の安全イベントのデータから構築された1つ以上の安全モデルを含んでもよい。
【0098】
図4Aは、ハウジング96内に含まれるような、SRL11の内部構成要素の例を示している。図示の例では、SRL11は、SRL11のドラムに組み込まれたエンコーダ130を含む。一部の例では、エンコーダ130は、図3に示される伸長センサ106の少なくとも一部を含んでもよい。エンコーダ130は、命綱92がハウジング96から伸長されるときの命綱92のライン長さを測定するように構成してもよい。エンコーダ130は、ドラムに巻き付けられている命綱92の巻き数、ドラムの角速度、及び/又はドラムの角加速度等を示すデータを出力するように構成してもよい。このようなデータは、命綱92のライン長さ(例えば、ハウジング96から伸長された命綱92の量)、命綱92が伸長される線形速度、及び/又は命綱92が伸長される線形加速度を決定するのに使用してもよい。
【0099】
例えば、一部の例では、エンコーダ130は、命綱92が巻き付けられたドラムのシャフト又は軸の角度位置又は運動をアナログ又はデジタルコードに変換するロータリエンコーダ(シャフトエンコーダとも呼ばれる)として構成してもよい。エンコーダ130は、シャフトの現在位置を示すデータを出力するアブソリュートエンコーダ、又はシャフトの運動を示すデータを供給するインクリメンタルエンコーダとして構成してもよく、SRL11は、データを更に処理して位置、距離、速度、加速度等を決定することができる。
【0100】
図4Bは、ハウジング96(図3)内に含まれるような、SRL11の内部構成要素の別の例を示している。図示の例では、SRL11は、偏心偏向板136A~136C(集合的に偏心偏向板136)を含む。各偏心偏向板136は、角加速度及び/又は角速度が、外方向の運動に抵抗するばね張力等の付勢力を克服する所定のしきい値に達すると外方に移動する重り付き端部138を含む。このように、偏心偏向板136は、命綱92がハウジング92から伸長されるときに、命綱96が巻き付けられたドラムの速度及び/又は加速度を示すデータを生成することができる。速度及び/又は加速度データから、SRL11は、落下が発生したと決定することができる。
【0101】
図5は、ハブ14のうちの1つの例をより詳細に示している。例えば、ハブ14は、1つ以上のプロセッサ130、使用データ134、アラートデータ136及び/又は規則136を格納し得るメモリ132、通信ユニット140、センサ142、ユーザインタフェース144、及びリモートインタフェース146を含む。図5に示されるハブ14のアーキテクチャ及び配置構成は、単に例示の目的で示されると理解すべきである。他の例では、ハブ14は、図5に示されるものに対して、より多くの構成要素、より少ない構成要素、又は別の構成要素を有する様々な他の手法で構成してもよい。例えば、ハブ14は、図5に示されていない1つ以上のバッテリ、充電コンポーネント等を含んでもよい。加えて、図5の例にはウェアラブルデバイスとして示されているが、他の例では、ハブ14は、特定の環境に展開されるスタンドアロンデバイスとして実現してもよい。
【0102】
一般に、ハブ14は、SRL11とPREMS6との通信を可能にし、容易にすることができる。例えば、それぞれの作業員のSRL11及び他のPPEは、Bluetooth又は他の狭域プロトコルによってハブ14と通信してもよく、ハブ14は、802.11 WiFiプロトコル等によって等、無線通信によってPPEMS6と通信してもよい。一部の例では、本明細書でより詳細に記載するように、ハブ14は、(例えば、PPEMSからの)安全イベントの可能性を特徴付けたり、アラートを生成及び/又は出力したり、様々な他の機能を実行したりする規則を実現してもよい。
【0103】
一例では、プロセッサ130は、ハブ14内で機能性を実現するように、及び/又は実行のための命令を処理するように構成されている。例えば、プロセッサ130は、メモリ132によって格納された命令を処理することができる。プロセッサ130としては、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は同等のディスクリート若しくは集積論理回路を挙げることができる。
【0104】
メモリ132は、コンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ可読ストレージデバイスを含むことができる。一部の例では、メモリ132は、短期メモリ又は長期メモリの1つ以上を含んでもよい。メモリ132としては、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、磁気ハードディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ、又は電気的プログラマブルメモリ(EPROM)若しくは電気的消去可能プログラマブルメモリ(EEPROM)の形態が挙げられる。
【0105】
一部の例では、メモリ132は、ハブ14の構成要素の動作を制御するオペレーティングシステム(図示せず)又は他のアプリケーションを格納してもよい。例えば、オペレーティングシステムは、メモリ132から通信ユニット140へのデータの通信を容易にしてもよい。一部の例では、メモリ132は、プロセッサ100によって実行されるプログラム命令を格納するために使用される。メモリ132は、また、動作中にハブ14内の情報を格納するように構成してもよい。図5に示される例では、メモリ132は、以下でより詳細に記載するように、使用データ134、アラートデータ136、及び/又は規則138を格納することができる。
【0106】
ハブ14は、1つ以上の有線通信又は無線通信を介して外部デバイスと通信するために通信ユニット140を使用してもよい。通信ユニット140は、様々なミキサ、フィルタ、増幅器、及び信号変調用に設計された他の構成要素、並びに1つ以上のアンテナ及び/又はデータの送受信用に設計された他の構成要素を含んでもよい。通信ユニット140は、1つ以上の任意の好適なデータ通信技術を用いて他のコンピューティングデバイスとデータを送受信してもよい。このような通信技術の例としては、ほんの一部の例を挙げると、TCP/IP、Ethernet、Wi-Fi、Bluetooth、4G、LTEが挙げられる。例えば、通信ユニット140は、Bluetooth又は他の狭域プロトコルによってSRL11又は他のPPEと通信してもよく、通信ユニット140は、802.11 WiFiプロトコル等によって等、無線通信によってPPEM6と通信してもよい。
【0107】
センサ142は、ハブ14に関連付けられた作業員10の活動を示すデータ及び/又はハブ14が位置する環境を示すデータを生成する1つ以上のセンサを含んでもよい。センサ142としては、例として、1つ以上の加速度計、特定の環境に存在する状態を検知するための1つ以上のセンサ(例えば、温度、湿度、微粒子含有量、騒音レベル、空気の品質、又はSRL11が使用され得る環境の他の任意の様々な特性を測定するためのセンサ)、又は他の様々なセンサを挙げることができる。
【0108】
ユーザインタフェース144は、例として、様々なライト、ディスプレイ、触覚フィードバック生成部、スピーカ等を含むもう1つのユーザインタフェースデバイスを含んでもよい。一般に、ユーザインタフェース144は、SRL11及び/又はハブ14のステータス、並びに作業員10に対するアラートを出力してもよい。一例では、ユーザインタフェース144は、作業員10に情報を提供するために照光する複数の多色LEDを含んでもよい。別の例では、ユーザインタフェース144は、作業員10に触覚フィードバックを提供するためにハブ14を振動させるように構成されたモータを含んでもよい。
【0109】
リモートインタフェース146は、クライアント62(図2)において出力するためのデータを生成するように構成されている。例えば、リモートインタフェース146は、SRL11及び/又はハブ14のステータスを示すデータを生成してもよい。例えば、リモートインタフェース146は、SRL11がハブ14に接続されているかを示すデータ、及び/又はSRL11の構成要素に関する情報を生成してもよい。つまり、リモートインタフェース146は、例えば、SRL11の耐用寿命の残り、SRL11のバッテリのステータス、ハウジング96から伸長された命綱92の量(図3)、命綱92の最大伸長距離、命綱92の伸長/巻き取りサイクル数、SRL11の保守又は交換の必要性、命綱92の位置/速度/加速度等を示すデータを生成してもよい。リモートインタフェース146は、付加的に又は代替的に、ハブ14によって発せられる任意のアラートを示すデータを生成してもよい。
【0110】
本開示の態様によれば、ハブ14は、SRL11のセンサからの使用データ134を格納してもよい。例えば、本明細書に記載されるように、SRL11のセンサは、作業員10の活動を示すSRL11の動作に関するデータを生成し、データをリアルタイムで又はほぼリアルタイムでハブ14に送信してもよい。一部の例では、ハブ134は使用データ134を、通信ユニット140によってPPEMS6等の別のコンピューティングデバイスに直ちに中継してもよい。他の例では、メモリ132は、データを別のデバイスにアップロードする前のある期間、使用データ134を格納してもよい。例えば、一部の例では、通信ユニット140は、SRL11と通信可能であってもよいが、例えば、SRL11が位置する環境及び/又はネットワーク障害のせいでネットワーク接続性を有しない場合がある。このような例では、ハブ14は、使用データ134をメモリ132に格納してもよく、ネットワーク接続が利用可能になると使用データを別のデバイスにアップロードすることを可能にしてもよい。
【0111】
本開示の態様によれば、ハブ14は、ユーザインタフェース144及び/又はリモートインタフェース146による出力のためのアラートを生成するためのアラートデータ136を格納してもよい。例えば、ハブ14は、PPEMS6から、エンドユーザコンピューティングデバイス16から、コンピューティングデバイス18を使用してリモートユーザから、安全ステーション15から、又は他のコンピューティングデバイスからアラートデータを受信してもよい。一部の例では、アラートデータはSRL11の動作を基にしてもよい。例えば、ハブ14は、SRL11のステータス、SRL11が位置する環境にSRL11が適していること、SRL11が位置する環境が危険であること等を示すアラートデータ136を受信してもよい。
【0112】
一部の例では、付加的に又は代替的に、ハブ14は、安全イベントの可能性に関連付けられたアラートデータ136を受信してもよい。例えば、上記のように、PPEMS6は、一部の例では、環境条件又はSRL11を使用する作業員の行動パターンを基に、異常、又は予測された差し迫った安全イベントの発生等のアサーションを算出するために、SRL11からの使用データに過去データ及びモデルを適用してもよい。すなわち、PPEMS6は、SRL11からの検出データ、SRL11が位置する環境の環境条件、SRL11が位置する地理的領域、及び/又は他の因子間の関係又は相関を特定するために解析を適用してもよい。PPEMS6は、作業員10の集団にわたって取得したデータを基に、おそらくは特定の環境又は地理的領域内のどの特定の活動が著しく高い安全イベントの発生につながる又はつながることが予想されるかを決定してもよい。ハブ14は、安全イベントの比較的高い可能性を示すアラートデータ136をPPEMS6から受信してもよい。
【0113】
ハブ14は、受信したアラートデータ136を解釈し、作業員10又はリモートパーティにアラート条件(例えば、安全イベントの可能性が比較的高いこと、環境が危険であること、SRL11が誤動作していること、SRL11の1つ以上の構成要素を修理又は交換する必要があること等)を通知するための出力(例えば、可聴出力、視覚出力又は触覚出力)をユーザインタフェース144又はリモートインタフェース146において生成してもよい。一部の例では、ハブ14は、また、アラートデータ136を解釈し、SRL11に対して1つ以上のコマンドを発行し、SRL11の動作を修正するか又は規則を実施し、SRL11の動作を、所望の/よりリスクを伴わない行動に適合させてもよい。
【0114】
本開示の態様によれば、一部の例では、ハブ14は、アラートデータ136を生成しアラートを発するための規則138を格納してもよい。例えば、ハブ14は、安全イベントの可能性を特徴付ける規則138を格納するように構成されてもよく、ユーザインタフェース144及び/又はリモートインタフェースは、SRL11の動作と規則138との比較に基づいて出力を生成してもよい。規則138は、上述のモデル及び/又はPPEMS6からの過去データに基づいて定義してもよい。一部の例では、PPEMS6は、1つ以上の安全モデルに基づいてPPEMS6によって生成された規則のサブセットを含み得る規則138を、ハブ14に提供してもよい。このような例では、ハブ14は、PPEMS6とのネットワーク接続を伴わずに規則138を実現してもよい。
【0115】
概して、特定の技術又は機能が特定の構成要素、例えば、PPEMS6、SRL11、又はハブ14によって実装されるものとして本明細書に記載されるが、本開示の技術はこのように限定されるものではないと理解すべきである。すなわち、本明細書に記載される特定の技術は、記載されているシステムの構成要素の1つ以上によって実施してもよい。例えば、一部の例では、SRL11は、比較的限定されたセンサセット及び/又は処理能力を有してもよい。このような例では、ハブ14及び/又はPPEMS6のうちの1つが使用データの処理、安全イベントの可能性の決定等のほとんど又は全てを担ってもよい。他の例では、SRL11は、付加的なセンサ、付加的な処理能力及び/又は付加的なメモリを有してもよく、SRL11が付加的な技術を実施することを可能にする。どの構成要素が技術の実施を担うかに関する決定は、例えば、処理費用、財務費用、消費電力等を基にしてもよい。
【0116】
図6は、作業員の活動に関して本明細書の個人保護具管理システム又は他のデバイスにより適用される、測定されたライン速度、加速度、及びライン長さの観点における例示的なモデルを示す図であり、モデルは、安全領域及び危険領域を定義するように構成されている。換言すると、図6は、安全イベントの可能性を予測するために、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11により適用されるモデルを表すグラフである。この予測は、引き出される命綱(図3に示される命綱92等の)の加速度160、引き出される命綱92の速度162、引き出された命綱の長さ164の測定値を基に行われる。加速度160、速度162、及び長さ164の測定値は、SRL11のセンサから収集されたデータを基に決定してもよい。グラフによって表されるデータは、訓練/試験環境において推定又は収集してもよく、グラフは、作業員の安全な活動を危険な活動と区別するための「マップ」として使用してもよい。
【0117】
例えば、安全領域166は、(例えば、試験環境における作業員の活動の監視によって決定された)安全な活動と関連付けられた加速度160、速度162、及び長さ164の測定値を表すことができる。非束縛領域168は、支持構造体に堅固に固定されていない(これは危険と考えられる)命綱と関連付けられた加速度160、速度162、及び長さ164の測定値を表し得る。過伸張領域170は、正常動作パラメータを超えて伸長した(これも危険と考えられる)命綱と関連付けられた加速度160、速度162、及び長さ164の測定値である。
【0118】
本開示の態様によれば、PPEMS6、ハブ14又はSRL11は、図6によって表されたモデル又は規則セットをSRL11から受信した使用データに適用することにより、1つ以上のアラートを発してもよい。例えば、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11は、加速度160、速度162、又は長さ164の測定値が安全領域166の外にある場合、アラートを発してもよい。一部の例では、加速度160、速度162、又は長さ164の測定値がどれほど遠く安全領域166の外にあるかに基づき、異なるアラートを発してもよい。例えば、加速度160、速度162、又は長さ164の測定値が安全領域166に相対的に近い場合、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11は、この活動に懸念があり、安全イベントに至る可能性があるという警告を発してもよい。別の例では、加速度160、速度162、又は長さ164の測定値が安全領域166から相対的に離れている場合、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11は、この活動が危険であり、即時安全イベントの尤度が高いという警告を発してもよい。
【0119】
一部の例では、図6に示されるグラフのデータは、図2に示される過去データ及びモデル74Bを表してもよい。この例では、PPEMS6は、受信データのストリームを図6に示されるマップと比較し、安全イベントの可能性を決定してもよい。他の例では、類似のマップを、付加的に又は代替的に、SRL11及び/又はハブ14に格納してもよく、ローカルに格納されたデータを基にアラートを発してもよい。
【0120】
図6の例は加速度160、速度162、及び長さ164を示すが、示されるものよりも多いか又は少ない変数を有する他のマップを開発してもよい。一例では、マップは、命綱の長さだけに基づき生成してもよい。この例では、マップによって指定された命綱の長さを超えて命綱が伸長された場合に、アラートを作業員に対して発してもよい。
【0121】
図7は、本開示の態様による、測定された、安全ラインにかかる力/張力及び長さの観点において作業員の活動に関して本明細書の個人保護具管理システム又は他のデバイスにより適用される第2のモデルの例を示しており、モデルは、安全イベントを予測する、安全領域及び危険領域の行動を定義するように構成されている。この例で、図7は、命綱(図3に示される命綱92等)にかかる力又は張力180の測定値、及び取り出された命綱の長さ182の測定値を基に、安全イベントの可能性を予測するために、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11によって適用されるモデル又は規則セットを表すグラフである。力又は張力180及び長さ182の測定値は、SRL11のセンサから収集されたデータを基に決定してもよい。グラフによって表されるデータは、訓練/試験環境において推定又は収集してもよく、グラフは、作業員の安全な活動を危険な活動と区別するための「マップ」として使用してもよい。
【0122】
例えば、安全領域184は、安全な活動(例えば、試験環境における作業員の活動の監視によって決定された)と関連付けられた力又は張力180及び長さ182の測定値を表し得る。非束縛領域186は、支持構造体にしっかりと固定されていない(これは危険と考えられる)命綱と関連付けられた力又は張力180及び長さ182の測定値を表し得る。過伸張領域188は、正常動作パラメータを超えて伸長した(これも危険と考えられる)命綱と関連付けられた力又は張力180及び長さ182の測定値である。
【0123】
本開示の態様によれば、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11は、図6に関して上述したものと類似の手法で、図6によって表されたモデル又は規則セットをSRL11からの使用データに適用することにより、1つ以上のアラートを発してもよい。一部の例では、図7に示されるグラフのデータは、図2に示される過去データ及びモデル74Bを表してもよい。他の例では、類似のマップを、付加的に又は代替的に、SRL11及び/又はハブ14に格納してもよく、ローカルに格納されたデータを基にアラートを発してもよい。
【0124】
図8A及び図8Bは、本開示の態様による、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11によって受信され、処理されるイベントデータの例示的な入力ストリームのプロファイルを示す図であり、これらのデータは、1つ以上のモデル又は規則セットの適用に基づいて、低リスク行動(図8A)と、アラート又は他の応答の発生につながる及び高リスク行動(図8B)とを表すように決定される。この例で、図8A及び図8Bは、それぞれある期間にわたる安全活動及び危険活動を示すように決定された例示的なイベントデータのプロファイルを示す。例えば、図8Aの例は、運動学的閾値192に対して命綱(図3に示される命綱92等)が引き出される速度190を示し、図8Bの例は、閾値192に対して命綱(図3に示される命綱92等)が引き出される速度194を示す。
【0125】
一部の例では、図8A及び図8Bに示されるプロファイルは、図2に示されるPPEMS6の過去データ及びモデル74Bとして開発され、格納してもよい。本開示の態様によれば、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11は、SRL11からの使用データを閾値192と比較することにより1つ以上のアラートを発してもよい。例えば、図8Bの例において、PPEMS6、ハブ14、又はSRL11は、速度194が閾値192を超えた場合、1つ以上のアラートを発してもよい。一部の例では、例えば、リスクの高い活動と、危険であり、即時安全イベントの可能性が高い活動とを区別するために、速度が閾値192をどれほど超えたかに基づいて、異なるアラートを発してもよい。
【0126】
図9は、本開示の態様による、安全イベントの可能性を予測するための例示的なプロセスを示すフロー図である。図9に示される手法はPPEMS6に関して記載されているが、この手法は、様々なコンピューティングデバイスによって実施してもよいことを理解すべきである。
【0127】
図示される例では、PPEMS6は、少なくとも1つの自己巻き取り式命綱(SRL)11等の少なくともの1つのSRLから使用データを取得する(200)。本明細書に記載されるように、使用データは、SRL11の動作を示すデータを含む。一部の例では、PPEMS6は、使用データについてSRL11又はハブ14にポーリングすることによって使用データを取得してもよい。他の例では、SRL11又はハブ14は使用データをPPEMS6に送信してもよい。例えば、PPEMS6は、使用データが生成されたときにSRL11又はハブ14から使用データをリアルタイムで受信してもよい。他の例では、PPEMS6は、格納された使用データを受信してもよい。
【0128】
PPEMS6は、少なくとも1つのSRL11のユーザの活動を特徴付ける安全モデルに使用データを適用してもよい(202)。例えば、本明細書に記載されるように、安全モデルは、既知の安全イベントによるデータ及び/又はSRL11による過去データを基に訓練してもよい。このようにして、安全モデルは、安全領域と危険領域を定義するように構成してもよい。
【0129】
PPEMS6は、安全モデルへの使用データの適用を基に、少なくとも1つのSRL11に関連付けられた安全イベントの発生の可能性を予測してもよい(204)。例えば、PPEMS6は取得した使用データを安全モデルに適用し、使用データが安全な活動(例えば、モデルによって定義された)又は潜在的に危険な活動に合致するかどうかを決定してもよい。
【0130】
PPEMS6は、安全イベントの発生の可能性の予測に応じて出力を生成してもよい(206)。例えば、PPEMS6は、使用データが安全な活動(安全モデルによって定義された)に合致しない場合、アラートデータを生成してもよい。PPEMS6は、安全イベントの発生の可能性を示すアラートデータをSRL11、安全管理者、又は別の第三者に送信してもよい。
【0131】
例1:少なくとも1つの自己巻き取り式命綱(SRL)から、少なくとも1つのSRLの動作を示すデータを含む使用データを取得することと、コンピューティングデバイスに実装された解析エンジンによって、使用データを少なくとも1つのSRLのユーザの活動を特徴付ける安全モデルに適用することと、安全モデルへの使用データの適用に基づいて、少なくとも1つのSRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測することと、安全イベントの発生の可能性の予測に応じた出力を生成することと、を含む方法。
【0132】
例2:安全モデルは、少なくとも1つのSRLと同様の特性を有する複数のSRLからの既知の安全イベントの過去データから構築されている、例1の方法。
【0133】
例3:少なくとも1つのSRLからの使用データに基づいて安全モデルを更新することを更に含む、例1~2のいずれかの方法。
【0134】
例4:安全モデルは、少なくとも1つのSRLと共に使用されるSRL以外の1つ以上のデバイスからの既知の安全イベントのデータから構築されている、例1~3のいずれかの方法。
【0135】
例5:少なくとも1つのSRLの構成、少なくとも1つのSRLの使用者、少なくとも1つのSRLが位置する環境、又は少なくとも1つのSRLと共に使用される1つ以上の他のデバイスのうちの少なくとも1つに基づいて安全モデルを選択することを更に含む、例1~4のいずれかの方法。
【0136】
例6:使用データは、ある期間中の少なくとも1つのSRLのユーザの活動を表し、使用データは、SRLの命綱の伸長及び巻き取り、少なくとも1つのSRLの命綱に加えられた力、少なくとも1つのSRLの加速度、少なくとも1つのSRLの位置、又は少なくとも1つのSRLの高度のうちの少なくとも1つを示すデータを含む、例1~5のいずれかの方法。
【0137】
例7:使用データは、少なくとも1つのSRLが位置する環境に関連する環境データを含み、安全イベントの発生の可能性は、SRLが位置する環境に基づく、例1~6のいずれかの方法。
【0138】
例8:使用データをユーザの活動を特徴付ける安全モデルに適用することは、使用データを複数のSRLに関連する既知の安全イベントの訓練データから構築された安全モデルに適用することを含む、例1~7のいずれかの方法。
【0139】
例9:安全イベントの発生の可能性を予測することは、安全モデルによって特徴付けられた既知の安全行動に対する少なくとも1つのSRLのユーザの異常な行動を特定することを含む、例1~8のいずれかの方法。
【0140】
例10:安全イベントの発生の可能性を予測することは、少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内で安全イベントの異常な数に関連する領域を特定することを更に含む、例1~9のいずれかの方法。
【0141】
例11:使用データを安全モデルに適用することは、使用データを少なくとも1つのSRLのユーザの速度を特徴付ける安全モデルに適用することを含み、安全イベントの発生の可能性を予測することは、ある期間にわたるユーザの速度が、その期間にわたって安全活動に関連する速度を超えていると決定することを含む、例1~10のいずれかの方法。
【0142】
例12:使用データを安全モデルに適用することは、使用データを少なくとも1つのSRLのユーザによって少なくとも1つのSRLの命綱に加えられる力を特徴付ける安全モデルに適用することを含み、安全イベントの発生の可能性を予測することは、ある期間にわたり加えられる力が、その期間にわたって安全活動に関連する力をx超えていると決定することを含む、例1~11のいずれかの方法。
【0143】
例13:使用データを安全モデルに適用することは、使用データを少なくとも1つのSRLの命綱の伸長長さを特徴付ける安全モデルに適用することを含み、安全イベントの発生の可能性を予測することは、伸長長さが、ある期間にわたって安全活動に関連する伸長長さを超えているか又はそれ未満であると決定することを含む、例1~12のいずれかの方法。
【0144】
例14:出力を生成することは、安全イベントである可能性があることを示すアラートデータを生成することを含む、例1~13のいずれかの方法。
【0145】
例15:使用データに基づいてユーザインタフェースを生成することを更に含み、ユーザインタフェースは、少なくとも1つのSRLの動作、少なくとも1つのSRLに関連する安全イベント、又は少なくとも1つのSRLが展開されており、少なくとも1つの安全イベントが発生したか又は発生する可能性がある、地理的領域のうちの少なくとも1つを示す、例1~14のいずれかの方法。
【0146】
例16:実行されるとコンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサに例1~15の方法のいずれかを行わせる命令をエンコードした、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【0147】
例17:例1~15の方法のいずれかを行うための手段を備える装置。
【0148】
実施例によっては、本明細書で説明した手法のいずれかの特定の行為又はイベントは、異なる順序で実行することができ、共に加える、結合する、又は省略することができる(例えば、説明した行為又はイベントの全てが手法の実践のために必要ではない)ことを認識されたい。更に、特定の実施例では、行為又はイベントは、順次ではなく、例えば、マルチスレッド処理、割込処理、又は複数のプロセッサにより、同時に実行することができる。
【0149】
1つ以上の実施例では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにより実現してよい。ソフトウェアで実現される場合、機能は、1つ以上の命令又はコードとしてコンピュータ可読媒体に格納することができ、又はそれを介して送信し、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行することができる。コンピュータ可読媒体としては、データ記憶媒体などの有形媒体に対応するコンピュータ可読記憶媒体、又は、例えば、通信プロトコルに従って1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を促進する任意の媒体を含む通信媒体を挙げることができる。このようにして、コンピュータ可読媒体は、一般的に(1)非一時的な有形のコンピュータ可読記憶媒体、又は(2)信号若しくは搬送波等の通信媒体に対応してよい。データ記憶媒体は、本開示で説明する技術の実現のための命令、コード、及び/又はデータ構造を取得するために、1つ以上のコンピュータ又は1つ以上のプロセッサによってアクセスすることができる、任意の利用可能な媒体であってよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含んでよい。
【0150】
例として、このようなコンピュータ可読記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、若しくはその他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、若しくはその他の磁気ストレージデバイス、フラッシュメモリ、又は、命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを格納するのに用いることができるとともに、コンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことができるが、これらに限定されない。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、命令が同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(digital subscriber line)(DSL)、又は、赤外、無線通信、及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、又は、赤外、無線通信、及びマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。
【0151】
しかし、コンピュータ可読記憶媒体及びデータ記憶媒体は、接続、搬送波、信号、又は他の一時的媒体を含まず、代わりに、非一時的な有形記憶媒体を対象としていることを理解されたい。磁気ディスク及び光ディスクは、本明細書で使用する場合、コンパクトディスク(compact disc、CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc、DVD)、フロッピーディスク、及びブルーレイディスクを含み、磁気ディスクは一般に、データを磁気的に複製し、光ディスクは、データをレーザーによって光学的に複製する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれなければならない。
【0152】
命令は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(digital signal processor、SP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、又は他の同等な集積若しくはディスクリート論理回路、及びこれらの構成要素の組み合わせなどの、1つ以上のプロセッサによって実行することができる。したがって、本明細書で使用する場合「プロセッサ」という用語は、前述の構造のうちのいずれか、又は本明細書で説明した技法の実施に適した任意の他の構造を指し得る。加えて、いくつかの態様では、本明細書で説明する機能は、専用のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュール内に設けられてよい。また、当該技術は、1つ以上の回路又は論理素子に完全に実装することができる。
【0153】
本開示の技術は、無線通信デバイス、無線ハンドセット、マイクロプロセッサ、集積回路(integrated circuit、IC)、又はICのセット(例えば、チップセット)を含む、多様なデバイス又は装置に実装することができる。開示された技術を実行するように構成されたデバイスの機能的な態様を強調するために、様々なコンポーネント、モジュール、又はユニットを本開示で説明したが、様々なハードウェアユニットによる具現化が必ずしも必要ではない。むしろ、上述したように、様々なユニットは、好適なソフトウェア及び/又はファームウェアと併せて、上述したような1つ以上のプロセッサを含むハードウェアユニットに組み合わされるか、又は相互動作するハードウェアユニットの集合によって提供してよい。
【0154】
様々な実施例を説明してきた。これらの及び他の実施例は、以下の特許請求の範囲内である。なお、例示的実施形態について以下に付記する。
[1]
1つ以上の電子センサを備える自己巻き取り式命綱(SRL)であって、前記1つ以上の電子センサは、前記SRLの動作を示すデータを生成するように構成されている、自己巻き取り式命綱と、
1つ以上のコンピュータプロセッサ及びメモリを備える少なくとも1つのコンピューティングデバイスと、を備えるシステムであって、
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、
前記SRLの前記動作を示すデータを受信させる命令と、
前記データを前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測する安全モデルに適用させる命令と、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の動作を行わせる命令と、を含むシステム。
[2]
前記1つ以上の動作を行うために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性の予測に応じたアラートを生成させる命令と、
前記アラートを前記SRLへ送信させる命令と、を含み、前記SRLは、前記アラートを受信し、前記アラートの受信に応じた出力を生成するように構成されている、[1]に記載のシステム。
[3]
前記SRL及び前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスと通信するように構成されたハブを更に備え、前記SRLは、使用データを前記ハブに送信するように構成されており、前記ハブは、前記使用データを前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスに送信するように構成されている、[1]に記載のシステム。
[4]
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、前記アラートを前記ハブを介して前記SRLに送信するよう構成されている、[1]に記載のシステム。
[5]
前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスは、前記安全モデルに基づいて規則のセットを生成し、前記SRLと通信するように構成されたハブに前記規則を送信するように更に構成されており、前記ハブは、前記規則のセットに基づいて、第2のアラートを生成するように構成されている、[1]に記載のシステム。
[6]
自己巻き取り式命綱であって、
アンカーに連結されるように構成された第1のコネクタと、
前記命綱のユーザに連結されるように構成された第2のコネクタと、
SRLの動作を示す使用データを生成するように構成された1つ以上の電子センサと、
を備える自己巻き取り式命綱。
[7]
前記SRLの前記動作を示す前記データを第2のデバイスに無線送信するように構成された通信ユニットを更に備える、[6]に記載の自己巻き取り式命綱。
[8]
前記通信ユニットは、前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測するための1つ以上の安全モデルへの前記使用データの適用に基づくアラートデータを受信するように更に構成されており、前記SRLは、前記アラートデータに基づく出力を生成するように構成された出力ユニットを更に備える、[7]に記載の自己巻き取り式命綱。
[9]
前記通信ユニットは、前記SRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測するための安全モデルに基づく規則のセットを受信するように更に構成されており、前記デバイスは、前記規則を格納するように構成されたメモリと、前記使用データと前記規則との比較に基づき出力を生成するように構成された出力ユニットと、を更に備える、[7]に記載の自己巻き取り式命綱。
[10]
前記1つ以上のセンサは、伸長センサ、張力センサ、加速度計、位置センサ、又は高度計の少なくとも1つを備える、[6]に記載の自己巻き取り式命綱。
[11]
前記SRLが位置する環境を示すデータを生成するように構成された1つ以上の環境センサを更に備える、[6]に記載の自己巻き取り式命綱。
[12]
前記1つ以上の環境センサは、温度、気圧、湿度、粒子状物質含有量、又は周辺ノイズの少なくとも1つを示すデータを出力するように構成されている、[11]に記載の自己巻き取り式命綱。
[13]
1つ以上のコンピュータプロセッサと、メモリと、を備えるコンピューティングデバイスであって、
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、少なくとも1つの自己巻き取り式命綱(SRL)から前記少なくとも1つのSRLの動作を示すデータを含む使用データを取得させる命令と、
前記使用データを前記少なくとも1つのSRLのユーザの活動を特徴付ける安全モデルに適用させる命令と、
前記安全モデルへの前記使用データの適用に基づいて、前記少なくとも1つのSRLに関連する安全イベントの発生の可能性を予測させる命令と、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性の予測に応じた出力を生成させる命令と、を含む、コンピューティングデバイス。
[14]
前記安全モデルは、前記少なくとも1つのSRLと同様の特性を有する複数のSRLからの既知の安全イベントの過去データから構築されている、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[15]
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記少なくとも1つのSRLからの前記使用データに基づいて前記安全モデルを更新させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[16]
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記少なくとも1つのSRLと共に使用されるSRL以外の1つ以上のデバイスからの既知の安全イベントのデータから前記安全モデルを構築させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[17]
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記少なくとも1つのSRLの構成、前記少なくとも1つのSRLのユーザ、前記少なくとも1つのSRLが位置する環境、又は前記少なくとも1つのSRLと共に使用される1つ以上の他のデバイスのうちの少なくとも1つに基づいて前記安全モデルを選択させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[18]
前記使用データは、ある期間中の前記少なくとも1つのSRLのユーザの活動を表し、前記使用データは、前記SRLの命綱の伸長及び巻き取り、前記少なくとも1つのSRLの前記命綱に加えられた力、前記少なくとも1つのSRLの加速度、前記少なくとも1つのSRLの位置、又は前記少なくとも1つのSRLの高度のうちの少なくとも1つを示すデータを含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[19]
前記使用データは、前記少なくとも1つのSRLが位置する環境に関連する環境データを含み、前記安全イベントの前記発生の前記可能性は、前記SRLが位置する前記環境に基づく、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[20]
前記使用データを前記ユーザの活動を特徴付ける前記安全モデルに適用するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記使用データを複数のSRLに関連する既知の安全イベントの訓練データから構築された安全モデルに適用させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[21]
前記安全イベントの前記発生の前記可能性を予測するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記安全モデルによって特徴付けられた既知の安全な行動に対する前記少なくとも1つのSRLのユーザの異常な行動を特定させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[22]
前記安全イベントの前記発生の前記可能性を予測するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記少なくとも1つのSRLが展開されている作業環境内で安全イベントの異常な数に関連する領域を特定させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[23]
前記使用データを前記安全モデルに適用するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記使用データを前記少なくとも1つのSRLのユーザの速度を特徴付ける安全モデルに適用させる命令を含み、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性を予測するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、ある期間にわたる前記ユーザの前記速度が、前記期間にわたって安全活動に関連する速度を超えていると決定させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[24]
前記使用データを前記安全モデルに適用するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記使用データを前記少なくとも1つのSRLのユーザによって前記少なくとも1つのSRLの命綱に加えられる力を特徴付ける安全モデルに適用させる命令を含み、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性を予測するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、ある期間にわたり加えられる前記力が、前記期間にわたって安全活動に関連する力を超えていると決定させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[25]
前記使用データを前記安全モデルに適用するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記使用データを前記少なくとも1つのSRLの命綱の伸長長さを特徴付ける安全モデルに適用させる命令を含み、
前記安全イベントの前記発生の前記可能性を予測するために、前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記伸長長さが、ある期間にわたって安全活動に関連する伸長長さを超えているか又はそれ未満であると決定させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[26]
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、安全イベントである可能性があることを示すアラートデータを生成することを含む前記出力を生成させる命令を含む、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
[27]
前記メモリは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のコンピュータプロセッサに、前記使用データに基づいてユーザインタフェースを生成させる命令を含み、
前記ユーザインタフェースは、前記少なくとも1つのSRLの動作、前記少なくとも1つのSRLに関連する安全イベント、又は前記少なくとも1つのSRLが展開されており、少なくとも1つの安全イベントが発生したか又は発生する可能性がある、地理的領域のうちの少なくとも1つを示す、[13]に記載のコンピューティングデバイス。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9