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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】フィルム貼付装置及びフィルム貼付方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/04 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
B29C63/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019542817
(86)(22)【出願日】2017-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-07
(86)【国際出願番号】 IB2017056451
(87)【国際公開番号】W WO2018078486
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】16195576.0
(32)【優先日】2016-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ローレン,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】藤野 隆由
(72)【発明者】
【氏名】久保田 雅之
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-219470(JP,A)
【文献】特開平07-045186(JP,A)
【文献】特表2007-503350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0227645(US,A1)
【文献】特開2016-120605(JP,A)
【文献】国際公開第2015/138304(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0133500(KR,A)
【文献】特開昭55-156062(JP,A)
【文献】特開2001-096618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 63/00- 63/48
B29C 65/48
B62D 41/00- 67/00
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを対象物に貼付するためのフィルム貼付装置であって、
前記フィルムを前記対象物の上方に配置するフィルム支持ユニットと、
垂直方向と交差する第1の方向に延びる第1のロッドであって、前記対象物の上方に配置された前記フィルムを上側から押し付け、変形して前記対象物の形状に適合し、前記第1の方向及び前記垂直方向と交差する第2の方向に移動する、第1のロッドと、
前記第1の方向外向きの張力を、少なくとも前記第1のロッドの前記第1の方向における第1の端部側に対して付与する引張部と、
前記第1のロッドを前記垂直方向に移動させる移動部と、
を備える、フィルム貼付装置。
【請求項2】
前記第1のロッドが、
コア部分と、
少なくとも前記コア部分よりも低い硬度を有し、前記コア部分の外周側に配置された貼付部と、
を含む、請求項1に記載のフィルム貼付装置。
【請求項3】
前記コア部分が、60~90のショアA硬度を有する円筒形部材を含み、
前記貼付部が、20~50のショアB硬度を有する部材を含む、
請求項2に記載のフィルム貼付装置。
【請求項4】
前記第1のロッドを前記対象物に押し付けつつ前記第1のロッドと共に移動する第1の加圧ローラを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルム貼付装置。
【請求項5】
前記第2の方向に延び、前記第1の方向における前記対象物の縁部側に配置された前記フィルムを前記第1の方向側から押し付け、前記対象物の形状に対応して変形し、前記第1の方向に移動する第2のロッドと、
前記第2のロッドを前記対象物に押し付けつつ前記第2のロッドと共に移動する第2の加圧ローラと、を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルム貼付装置。
【請求項6】
前記第2の加圧ローラは、前記第2のロッドを前記フィルム及び前記対象物に対して押し付けて前記第1の方向に向けて移動可能である、請求項5に記載のフィルム貼付装置。
【請求項7】
前記フィルム支持ユニットは、前記対象物よりも外周側寄りに位置し、
前記フィルムの周縁部を支持する枠体を含み、
前記枠体は、前記フィルムに平面方向外向きに張力を付与する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルム貼付装置。
【請求項8】
前記枠体は、前記フィルムの前記貼付の開始時に、前記フィルムと前記対象物との間の距離を調整可能である、請求項7に記載のフィルム貼付装置。
【請求項9】
前記枠体は、前記対象物の湾曲形状に対応して湾曲可能である、請求項7又は8に記載のフィルム貼付装置。
【請求項10】
前記フィルムが前記第1のロッドによって前記対象物に貼付されるときに、前記枠体は、前記対象物の貼付部位において変形して前記湾曲形状に適合する、請求項9に記載のフィルム貼付装置。
【請求項11】
フィルムを対象物に貼付するためのフィルム貼付方法であって、
前記フィルムを前記対象物の上方に配置するためのフィルム配置ステップと、
垂直方向と交差する第1の方向に延び、変形して前記対象物の形状に適合する第1のロッドを準備し、前記第1の方向外向きの張力を前記第1のロッドに対して付与するための第1の引張ステップと、
前記第1のロッドを下方に降下させ、前記フィルムを前記対象物に押し付けるための第1の押圧ステップと、
前記第1のロッドを、前記第1の方向及び前記垂直方向と交差する第2の方向に移動させるための第1の移動ステップと、
を含む、フィルム貼付方法。
【請求項12】
前記第2の方向に延び、変形して前記対象物の形状に適合する第2のロッドを準備し、前記第2の方向外向きの張力を前記第2のロッドに対して付与するための第2の引張ステップと、
前記第2のロッドを下方に降下させ、前記フィルムを前記対象物に押し付けるための第2の押圧ステップと、
前記第2のロッドを前記第1の方向に移動させるための第2の移動ステップと、
を更に含み、
前記第1の移動ステップは、前記フィルムを前記対象物の屋根に貼付することを含み、
前記第2の移動ステップは、前記フィルムを前記対象物の側壁に貼付することを含む、請求項11に記載のフィルム貼付方法。
【請求項13】
前記第2の移動ステップは、前記第2のロッドを前記対象物に押し付けつつ加圧ローラを前記第2のロッドと共に前記第1の方向に移動させることを含む、
請求項12に記載のフィルム貼付方法。
【請求項14】
前記対象物よりも外周側寄りの位置で、前記フィルムの周縁部を支持する枠体を準備するための枠体準備ステップを更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のフィルム貼付方法。
【請求項15】
前記第1の移動ステップにおいて、前記枠体は、前記対象物の貼付部位における湾曲形状に対応するように変形可能である、請求項14に記載のフィルム貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物(例えば、自動車本体の一部)の表面上に、フィルム貼付装置、裏面接着剤付きフィルム(例えば、シート状のフィルム)を貼付するための装置、対象物の表面上に、塗料交換フィルムを貼付するための装置、及びフィルム貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車、又は他の対象物(例えば、電化製品)は、時として、いくつかの色を用いて塗装され、場合によっては、これらのいくつかの色のうちの少なくとも1つは、対象物(例えば、車体の一部分)の表面に、液体塗料でなく、裏面接着剤付き塗料交換フィルムを貼付することによって適用される。このような塗料交換フィルムは、液体塗料を差し替えることが意図されており、したがって、対象物のために要求される塗装面特性を呈しなければならない。特開2016-120605号は、対象物の屋根へのフィルムの貼付を記載している。
【発明の概要】
【0003】
上述されたフィルムの貼付では、フィルムは、実質的に平坦であり、傾斜角が緩やかである、自動車の屋根などの対象物に貼付された。しかし、近年では、フィルムを様々な対象物に貼付する際に、フィルムを、自動車の屋根などの傾斜角が緩やかである部位に貼付するだけでなく、例えば、屋根から下方へ延び、それとつながった側壁などの、傾斜角が大きい部位においても貼付する必要がある。
【0004】
本発明の第1の態様に係るフィルム貼付装置は、フィルム(例えば、裏面接着剤付き塗料交換フィルム)を対象物に貼付するためのフィルム貼付装置であって、この装置は、対象物の上方にフィルムを配置するフィルム支持ユニットと、垂直方向と交差する第1の方向に延びる第1のロッドであって、対象物の上方に配置されたフィルムを上側から押し付け、変形して対象物の形状に適合し、第1の方向及び垂直方向と交差する第2の方向に移動する、第1のロッドと、
第1の方向外向きの張力を、少なくとも第1のロッドの第1の方向における第1の端部側に付与する引張部と、
第1のロッドを垂直方向に移動させる移動部と、を含む、フィルム貼付装置である。
【0005】
本態様によれば、引張部は、第1の方向外向きの張力を、第1の方向に延びる第1のロッドに付与する。加えて、移動部は、張力が付与された第1のロッドを下方に降下させることによって、第1のロッドを対象物に押し付けることができる。ここで、第1のロッドは変形して対象物の形状に適合する。したがって、対象物が、傾斜角が緩やかである部位を有するだけでなく、傾斜角が大きい部位も有する場合には、第1のロッドは、傾斜角が大きい部位に適合するように変形することができる。このように変形される間に、第1のロッドはフィルムを押し付けつつ第2の方向に移動し、これにより、傾斜角が大きい部位にもフィルムを良好に貼付することができる。上述された構成の結果、対象物内の傾斜角が緩やかである部位及び傾斜角が大きい部位の両方にフィルムを貼付することができる。
【0006】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、第1のロッドは、コア部分と、少なくともコア部分よりも低い硬度を有し、コア部分の外周側に配置された貼付部と、を含む。
【0007】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、コア部分は、60~90のショアA硬度を有する円筒形部材によって構成されていてもよく、貼付部は、20~50のショアB硬度を有する部材であってもよい。
【0008】
別の態様に係るフィルム貼付装置は、第1のロッドを対象物に押し付けつつ第1のロッドと共に移動する第1の加圧ローラを更に含み得る。
【0009】
別の態様に係るフィルム貼付装置は、第2の方向に延び、第1の方向における対象物の縁部側に配置されたフィルムを第1の方向側から押し付け、対象物の形状に対応して変形し、第1の方向に移動する第2のロッドと、第2のロッドを対象物に押し付けつつ第2のロッドと共に移動する第2の加圧ローラと、を更に含み得る。
【0010】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、第2の加圧ローラは、第2のロッドをフィルム及び対象物に対して第1の方向に向けて押し付け可能である。
【0011】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、フィルム支持ユニットは、対象物よりも外周側寄りに位置し、フィルムの周縁部を支持する枠体を含み得、枠体は、フィルムに平面方向外向きに張力を付与し得る。
【0012】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、枠体は、フィルムの貼付の開始時に、フィルムと対象物との間の距離を調整可能である。
【0013】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、枠体は、対象物の湾曲形状に対応して湾曲可能である。
【0014】
別の態様に係るフィルム貼付装置においては、フィルムが第1のロッドによって対象物に貼付されるときに、枠体は、対象物の貼付部位における湾曲形状に適合するように変形し得る。
【0015】
本発明の一態様に係るフィルム貼付方法は、フィルム(例えば、裏面接着剤付き塗料交換フィルム)を対象物に貼付するためのフィルム貼付方法であって、本方法は、フィルムを対象物の上方に配置するためのフィルム配置ステップと、垂直方向と交差する第1の方向に延び、変形して対象物の形状に適合する第1のロッドを準備し、第1の方向外向きの張力を第1のロッドに対して付与するための第1の引張ステップと、第1のロッドを下方に降下させ、フィルムを対象物に押し付けるための第1の押圧ステップと、第1のロッドを、第1の方向及び垂直方向と交差する第2の方向に移動させるための第1の移動ステップと、を含む、フィルム貼付方法である。
【0016】
本態様によれば、フィルム貼付装置のために上述されたものと同様の作用及び効果を得ることができる。
【0017】
別の態様に係るフィルム貼付方法は、第2の方向に延び、変形して対象物の形状に適合する第2のロッドを準備し、第2の方向外向きの張力を第2のロッドに付与するための第2の引張ステップと、第2のロッドを下方に降下させ、フィルムを対象物に押し付けるための第2の押圧ステップと、第2のロッドを第1の方向に移動させるための第2の移動ステップと、を更に含み得る。このような方法において、第1の移動ステップは、フィルムを対象物の屋根に貼付することを含み得、第2の移動ステップは、フィルムを対象物の側壁に貼付することを含み得る。
【0018】
別の態様に係るフィルム貼付方法においては、第2の移動ステップは、第2のロッドを第1の方向から対象物に押し付けつつ加圧ローラを第2のロッドと共に移動させることを含み得る。
【0019】
別の態様に係るフィルム貼付方法は、対象物よりも外周側寄りの位置で、フィルムの周縁部を支持する枠体を準備するための枠体準備ステップを更に含み得る。
【0020】
別の態様に係るフィルム貼付方法においては、第1の移動ステップにおいて、枠体は、対象物の貼付部位における湾曲形状に対応するように変形可能である。
【0021】
発明の有利な効果
本発明によれば、対象物内の傾斜角が緩やかである部位及び傾斜角が大きい部位の両方にフィルムを貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るフィルム貼付装置を用いてフィルムが貼付された自動車を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係るフィルム貼付装置を示す側面図である。
図3】本実施形態に係るフィルム貼付装置を示す正面図である。
図4A】第1のフィルム貼付ユニットの詳細な構成を示す模式図である。
図4B】第1のフィルム貼付ユニットの詳細な構成を示す模式図である。
図5A】第2のフィルム貼付ユニットの詳細な構成を示す模式図である。
図5B】第2のフィルム貼付ユニットの詳細な構成を示す模式図である。
図6A】加圧ローラの構成を示す図である。
図6B】加圧ローラの構成を示す図である。
図6C】加圧ローラの構成を示す図である。
図7A】第2の加圧部の構成を示す図である。
図7B】第2の加圧部の構成を示す図である。
図8A】第1の加圧部の構成を示す図である。
図8B】第1の加圧部の構成を示す図である。
図9】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図10】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図11】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図12】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図13】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図14】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図15】本実施形態に係るフィルム貼付方法の手順を説明するための図である。
図16】一変形例に係るフィルム貼付装置を示す図である。
図17】一変形例に係るフィルム貼付装置を示す図である。
図18A】一変形例に係るロッドを示す図である。
図18B】一変形例に係るロッドを示す図である。
図18C】一変形例に係るロッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図面を参照しながら本発明の一実施形態が詳細に説明される。以下の説明において、同じ参照符号は、互いに同じ又は同等である構成要素のために用いられており、これらの構成要素の重複する説明は省略されることに留意されたい。
【0024】
図1は、本実施形態に係るフィルム貼付装置を用いてフィルムが貼付された自動車を示す斜視図である。図1に示されるように、フィルムが貼付されることになる対象物である自動車100は、側壁101及び屋根102を含む。フィルムWが、自動車100のうち、傾斜角が比較的緩やかである屋根102、及び傾斜角が比較的大きい側壁101の上縁側の少なくとも一部分を含む被覆領域CPを被覆している。用語「傾斜角」は、水平面と、フィルムが貼付されることになる対象物の表面との間の角度を指すことに留意されたい。図1において、フィルムWによって被覆された自動車100の部分は網掛けによって指示されている。自動車100は、屋根102、屋根102から後方へ延びるリアピラー103、前後方向における屋根102の中心から下方へ延びるセンターピラー104、屋根102から前方へ延びるフロントピラー106、屋根102及びリアピラー103によって包囲される領域内にリアウィンドウを取り付けるためのフレーム118、並びに屋根102及びフロントピラー106によって包囲される領域内にフロントガラスを取り付けるためのフレーム119を含む。全体として、リアピラー103、センターピラー104、及びフロントピラー106は側壁101を形成する。側壁101はまた、屋根102の側縁から下方へ曲がる上縁107、及びドア(図2参照)を含む。上縁107は、屋根102とドアの最上縁との間に形成されている。更に、ドアは前ドア及び後ドアを含む。水平方向において、リアピラー103は後ドアの後側に沿って形成されており、フロントピラー106は前ドアの前側に沿って形成されており、センターピラー104は後ドアと前ドアとの間に形成されている。本実施形態では、フィルムWは、リアピラー103及びフロントピラー106の最上縁側の部分、並びに側壁101の上縁107に貼付される。しかし、フィルムWはリアピラー103及びフロントピラー106のうちの少なくとも一方に貼付されてもよく、フィルムWはまた、センターピラー104に貼付されてもよい。
【0025】
図2は、本実施形態に係るフィルム貼付装置を示す側面図である。図3は、本実施形態に係るフィルム貼付装置の正面図である。図2及び図3に示されるように、フィルム貼付装置1は、第1のフィルム貼付ユニット2、第2のフィルム貼付ユニット3A及び3B、フィルム支持ユニット4、並びにフィルム供給ユニット6を含む。フィルム貼付時において、自動車100は、様々な機構を支持するための支持枠200内に配置される。支持枠200は、4つの角部における柱201、及び柱201の上端上に設けられた天井部分202を含む。本明細書では、フィルム貼付時における自動車100の姿勢に基づくと、自動車100の水平方向のうちの幅方向がX軸方向(第1の方向)と定義され、自動車100の水平方向のうちの前後方向がY軸方向(第2の方向)と定義され、垂直方向がZ軸方向と定義される。自動車100の幅方向における第1の側(図3における右側)がX軸方向における正の側と定義され、第2の側(図3における左側)がX軸方向における負の側と定義される。自動車100の前側がY軸方向における正の側と定義され、後側がY軸方向における負の側と定義される。
【0026】
図4A及び図4Bは、第1のフィルム貼付ユニット2の詳細な構成を示す模式図である。図4Aに示されるように、第1のフィルム貼付ユニット2は、第1のロッド10、第1の引張部11、第1の移動部12、及び第1の加圧部13を含む。第1の引張部11、第1の移動部12、及び第1の加圧部13は、X軸方向に延びるロッド状支持部材14によって支持されている。
【0027】
第1のロッド10はX軸方向に延び、自動車100の上方に配置されたフィルムWを上側から押し付け、変形して自動車100の形状に適合し、Y軸方向に移動する。即ち、図4Bに示されるように、第1のロッド10は、自動車100の形状に一致するように変形する可撓性の構成を有する。第1のロッド10は、X軸方向に延びるコア部分16、及びコア部分16の外周側に配置された貼付部17を含む。コア部分16は、X軸方向に延びる円筒形部材である。好ましくは、60~90のショアA硬度を有する部材がコア部分16のために用いられる。即ち、コア部分16のショアA硬度は、好ましくは、60以上又は70以上である。この構成の結果、引張部によって張力がコア部分16に印加されると、第1のロッド10は、その所与の形状が維持され得る剛性の度合を有することができる。他方で、コア部分16のショアA硬度は、好ましくは、90以下又は80以下である。この構成の結果、第1のロッド10が、自動車100の形状に適合するように変形可能である可撓性の度合を第1のロッド10に付与することができる。このようなショアA硬度を有する材料の例としては、クロロプレン(CR)、ニトリル(NBR)、及び同様のゴム材料が挙げられ、これらをコア部分16として用いることができる。コア部分16の直径はおよそ6~30mmに設定され得る。コア部分16の直径を6mm以上に設定することによって、継手部分の機械設計を単純化することができ、直径を30mm以下に設定することによって、第1のロッド10の可撓性を確実にすることができる。
【0028】
貼付部17はコア部分16の外周側に配置されており、その硬度は少なくともコア部分16のものよりも低い。貼付部17は、フィルムWを貼付する際にフィルムWと接触する部分である。貼付部17は、好ましくは、フィルムWを対象物表面に貼付するための表面を有し、その断面形状は限定されないものの、コア部分16が中心に配置された円筒形部材を用いることができる。好ましくは、20~50のショアB硬度を有するスポンジ状部材が貼付部17のために用いられる。即ち、貼付部17のショアB硬度は、好ましくは、50以下又は40以下である。この構成の結果、自動車100の形状への貼付部17の良好な適合性を確実にすることができる。他方で、貼付部17のショアB硬度は、好ましくは、20以上又は30以上である。この構成の結果、第1の加圧ローラ23が第1のロッド10の動作を制御することができる弾性の度合を維持することができる。このようなショアB硬度を有する材料の例としては、多孔質EPDM、CRゴム、及び同様のスポンジゴムが挙げられる。貼付部17の外径は、好ましくは、50~100mmである。貼付部17の外径は、好ましくは、コア部分16の直径よりも大きくなるよう、50mm以上に設定される。他方で、100mmよりも大きい直径を有するゴムは製作に問題があり、調達が困難であり、それゆえ、貼付部17の外径は、好ましくは、100mm以下に設定される。コア部分16及び貼付部分17のX軸方向の長さは、自動車100のX軸方向のサイズより長くてもよい。コア部分16は、貼付部分17よりも長い。コア部分16の部分は、貼付部分17の両端部から露出している。
【0029】
第1の引張部11は、X軸方向外向きの張力を第1のロッド10のX軸方向における少なくとも一方の端部側に対して付与する。本実施形態では、第1の引張部11は第1のロッド10の両方の端部側において設けられている。第1の引張部11は、第1のロッド10の端部を支持する支持部18、支持部18をX軸方向に移動可能である駆動ユニット19、並びに駆動ユニット19及び支持部18を連結する結合部21を含む。
【0030】
支持部18は、第1のロッド10の先端部分の向かい側にあるように、X軸方向において第1のロッド10の外方に配置されている。支持部18及び第1のロッド10は、自在継手22を介して接続されている。自在継手22は、2つの部材の角度が自由に変化することを可能にする継手である。この構成の結果、第1のロッド10は、支持部18によって支持されつつ自由に変形することができる。
【0031】
駆動ユニット19は、支持部材14に設けられており、支持部18及び結合部21を支持部材14に沿ってX軸方向に移動させることができる。駆動ユニット19はサーボモーター又は同様もので構成されている。この構成の結果、駆動ユニット19は支持部18をX軸方向に移動させ、それゆえ、第1のロッド10の端部の位置も移動する。即ち、駆動ユニット19が支持部18を第1のロッド10に対してX軸方向外向きに移動させるときに、第1のロッド10に付与される張力は、増大する。他方で、駆動ユニット19が支持部18を第1のロッド10に対してX軸方向内向きに移動させるときに、第1のロッド10に付与される張力は減少する。
【0032】
第1の移動部12は第1のロッド10を垂直方向に移動させる。本実施形態では、第1の移動部12は、支持部材14のX軸方向における中心位置における、支持部材14の上面側に設けられたサーボモーターによって構成されている。第1の移動部12は支持枠200のガイドレール203に接続されている。第1の移動部12は、支持部材14を垂直方向に移動させることによって、第1の引張部11及び第1のロッド10全体を垂直方向に移動させることができる。この構成の結果、第1の移動部12は第1のロッド10の垂直方向の位置を調整することができ、第1のロッド10は、自動車100の屋根102及び側壁101に適合した形状に変形させることができる。第1の移動部12は第1のロッド10全体を垂直方向に移動可能である必要がなく、例えば、第1の移動部12が第1のロッド10の端部のみを移動させることができる構成が可能であることに留意されたい。加えて、第1の移動部12は支持部材14全体をガイドレール203に沿ってY軸方向に移動させることができる。この構成の結果、第1の移動部12は、第1のロッド10、第1の引張部11、及び第1の加圧部13をY軸方向に移動させることができる。
【0033】
第1の加圧部13は第1の加圧ローラ23及びシリンダ24を含む。第1の加圧ローラ23は、第1のロッド10を自動車100に押し付けつつ第1のロッド10と共に移動する。シリンダ24の上端は、支持部材14に接続されており、下端は第1のロッド10に接続されている。したがって、第1の加圧ローラ23の押圧力は、シリンダ24を伸長又は収縮させることによって調整される。第1の加圧部13は、X軸方向に一定間隔で複数設けられている。ここで、複数の第1の加圧部13のX軸方向における両端側においては、第1の加圧部13上に、第1の加圧ローラ23及びシリンダ24をX軸方向に移動させる駆動ユニット25が設けられている。この構成の結果、第1の加圧ローラ23がレーザ溶接部110を絶えず押圧することができるよう、両端側における第1の加圧部13の位置をX軸方向に調整することができる。他の第1の加圧部13は駆動ユニット25を有する必要がない。
【0034】
図6Cに示されるように、第1の加圧部13は、Y軸方向の両側において第1のロッド10に跨がるように配置された第1の加圧ローラ23の対を含む。即ち、第1のロッド10の上端10aを真ん中にして、一方の第1の加圧ローラ23は第1のロッド10の一方の側と接触しており、一方の第1の加圧ローラ23は第1のロッド10の他方の側と接触している。第1の加圧ローラ23の対の各々は、第1のロッド10の上縁10aから実質的に同じ距離の位置において第1のロッド10と接触している。第1の加圧ローラ23の対は、結合部材27を介して互いに連結されていることに留意されたい。結合部材27は、回転シャフト支持部26を介して第1の加圧ローラ23の各々に接続されている。シリンダ24の下端は結合部材27の上面に接続されている。ここで、第1の加圧ローラ23の軸方向から見たときに、シリンダ24は結合部材27の中心位置に接続されている。第1の加圧ローラ23の数は限定されず、1つ、2つ、又は3つ以上であってもよいことに留意されたい。
【0035】
ここで、複数の第1の加圧部13のうち、X軸方向の外側の第1の加圧部13は、図6Aに示されるものなどの第1の加圧ローラ23Aを含む。これらの位置において、自動車100の屋根102は湾曲し、その結果、X軸方向外方に降下するように傾斜している。他方で、複数の第1の加圧部13のうち、X軸方向の内側の第1の加圧部13は、図6Bに示されるものなどの第1の加圧ローラ23Bを含む。これらの位置において、自動車100の屋根102は、X軸方向外方の位置における屋根102と比べて、傾斜していない。第1の加圧ローラ23Aは、第1の加圧ローラ23Bのものよりも軸方向において小さい寸法を有するように構成されている。加えて、第1の加圧ローラ23Bは回転シャフト支持部26によって軸方向において両側から支持されているが、第1の加圧ローラ23Aは回転シャフト支持部26によって軸方向において片側のみから支持されている。加えて、第1の加圧ローラ23Aを支持する回転シャフト支持部26は、自動車の屋根102の傾斜のためにより低くなる側に配置されている。例えば、図6Bに示される第1の加圧ローラ23Bが、大きな傾斜を有する屋根102を押圧する場合には、回転シャフト支持部26のうちの一方が第1のロッド10と接触し得る。他方で、小さな幅を有する片持ち式の第1の加圧ローラ23Aが用いられる場合には、大きな傾斜を有する屋根102を押圧する際に、回転シャフト支持部26と第1のロッド10との間の接触を回避することができる。複数の第1の加圧部13のうち、X軸方向において最も外側に配置された第1の加圧部13のみが第1の加圧ローラ23Aを有し、他の第1の加圧部13が第1の加圧ローラ23Bを有する構成が可能であることに留意されたい。しかし、X軸方向における最も外側から数えて、第1の加圧部13のうちの複数が第1の加圧ローラ23Aを有する構成も可能である。
【0036】
加えて、第1の加圧部13は、Y軸方向から見たときに、水平方向に対する第1の加圧ローラ23の回転シャフトの傾き角を変更可能である機構を有し得る。具体的には、図8A及び図8Bに示されるように、回転機構28が第1の加圧部13のシリンダ24のロッドの下端部付近に設けられていてもよい。回転機構28は、Y軸方向に延び、第1の加圧ローラ23Bをこの回転シャフトの周りに回転させるための(図8B参照)機構である回転シャフトを有する。この構成の結果、第1の加圧部13は、第1のロッド10を延長方向(X軸方向)においてより容易に傾かせることができ、自動車100の屋根102への第1のロッド10の適合性の改善をもたらす。
【0037】
図5A及び図5Bは、第2のフィルム貼付ユニット3Bの詳細な構成を示す概略図である。図5Aに示されるように、第2のフィルム貼付ユニット3Bは、第2のロッド30、第2の引張部31、第2の移動部32、及び第2の加圧部33を含む。第2の引張部31、第2の移動部32、及び第2の加圧部33は、Y軸方向に延びるロッド状支持部材34によって支持されている。
【0038】
第2のロッド30はY軸方向に延び、自動車100の上方に配置されたフィルムWを上側から押し付け、変形して自動車100の形状に適合し、X軸方向に移動する。即ち、図5Bに示されるように、第2のロッド30は、自動車100の形状に一致するように変形する可撓性の構成を有する。第2のロッド30は、Y軸方向に延びるコア部分36、及びコア部分36の外周側に配置された貼付部分37を含む。延長方向を除いて、第2のロッド30は第1のロッド10と同じ趣旨の構成を有し、それゆえ、その詳細な説明は省略されることに留意されたい。
【0039】
第2の引張部31は、Y軸方向外向きの張力を第2のロッド30のY軸方向における少なくとも一方の端部側に付与する。本実施形態では、第2の引張部31は第2のロッド30の両方の端部側において設けられている。第2の引張部31は、第2のロッド30の端部を支持する支持部38、支持部38をY軸方向に移動可能である駆動ユニット39、並びに駆動ユニット39及び支持部38を連結する結合部41を含む。張力が付与される方向を除いて、第2の引張部31は第1の引張部11と同じ趣旨の構成を有し、それゆえ、その詳細な説明は省略されることに留意されたい。
【0040】
支持部38は、第2のロッド30の先端部分の向かい側にあるよう、Y軸方向において第2のロッド30の外方に配置されている。支持部38及び第2のロッド30は自在継手42を介して接続されている。自在継手42は、2つの部材の角度が自由に変化することを可能にする継手である。この構成の結果、第2のロッド30は、支持部38によって支持されつつ自由に変形することができる。
【0041】
第2の移動部32は第2のロッド30を垂直方向に移動させる。加えて、第2の移動部32は支持部材34全体をガイドレール204に沿ってX軸方向に移動させることができる。第2の移動部32は自動車100の屋根102の縁部及び側壁101の位置において第2のロッド30を移動させる。移動方向を除いて、第2の移動部32は第1の移動部12と同じ趣旨の構成を有し、それゆえ、その詳細な説明は省略される。
【0042】
第2の加圧部33は第2の加圧ローラ43及びシリンダ44を含む。第2の加圧ローラ43は、第2のロッド30を自動車100に押し付けつつ第2のロッド30と共に移動する。シリンダ44の上端は支持部材34に接続されており、下端は第2のロッド30に接続されている。したがって、第2の加圧ローラ43の押圧力は、シリンダ44を伸長又は収縮させることによって調整される。第2の加圧部33はY軸方向に沿って一定間隔で複数設けられている。
【0043】
図7A及び図7Bに示されるように、第2の加圧部33の各々は、X軸方向の両側において第2のロッド30に跨がるように配置された第2の加圧ローラ43C及び43Dの対を含む。即ち、第2のロッド30の上端30aを真ん中にして、一方の第2の加圧ローラ43Cは第2のロッド30の一方の側と接触しており、一方の第2の加圧ローラ43Dは第2のロッド30の他方の側と接触している。第2の加圧ローラ43Cの対の各々は、第2のロッド30の上端30aから実質的に同じ距離の位置において第2のロッド30と接触している。第2の加圧ローラ43Cの対は板状回転シャフト支持部48によって支持されている。板状回転シャフト支持部48は、第2の加圧ローラ43Cの対及び第2の加圧ローラ4D(後述)を、単一の板を用いて同時に支持する。加えて、回転シャフト支持部48はスライダ49によって支持されている。スライダ49は回転シャフト支持部48を加圧ローラ43Cの対と共にX軸方向に移動させることができる。シリンダ44の下端はスライダ49の上面に接続されている。ここで、第2のロッド30の軸方向から見たときに、シリンダ44はシリンダ44の中心位置に接続されている。
【0044】
第2の加圧部33は、第2のロッド30の水平方向における縁部の近傍を押圧する第2の加圧ローラ43Dを更に含む。第2の加圧ローラ43Dは、下方へ延びる回転シャフト支持部48の部分によって支持されている。第2の加圧ローラ43Dは、第2のロッド30をフィルムW及び自動車100に対して、X軸方向に向けて押し付け可能である。第2の加圧ローラ43Dは、スライダ49が回転シャフト支持部48を移動させることにより、自動車100の側に押圧され得る。
【0045】
ここで、複数の第2の加圧部33のうち、Y軸方向における外側の第2の加圧部33は、図6Aに示されるものなどの第2の加圧ローラ43Aを含む。これらの位置において、自動車100の屋根102は湾曲し、その結果、Y軸方向外方に降下するように傾斜している。他方で、複数の第2の加圧部33のうち、Y軸方向における内側の第2の加圧部33は、図6Bに示されるものなどの第2の加圧ローラ43Bを含む。第2の加圧ローラ43A及び第2の加圧ローラ43Bは第1の加圧ローラ23A及び第1の加圧ローラ23Bと同じ趣旨で適用され、それゆえ、その説明は省略される。
【0046】
上述されたように、第2のフィルム貼付ユニット3Bは、自動車100の屋根102のX軸方向における負の側の縁部の近傍においてフィルムWを押圧する第2のロッド30を含む。別の第2のフィルム貼付ユニット3Aは、第2のフィルム貼付ユニット3Bと対を形成し、自動車100を挟み込むように、設けられている。第2のフィルム貼付ユニット3Aは、自動車100の屋根102のX軸方向における正の側の縁部の近傍においてフィルムWを押圧する第2のロッド30を含む。第2のロッド30の位置、及びX軸方向における進行方向が反対方向であることを除いて、第2のフィルム貼付ユニット3Aは、第2のフィルム貼付ユニット3Bと同じ趣旨の構成を有し、それゆえ、その説明は省略されることに留意されたい。それゆえ、フィルム貼付装置1は、合計3つのロッド、即ち、1つの第1のロッド10及び2つの第2のロッド30を含み得る。3つのロッドを含むこの構成の結果、第2のロッド30の対によって自動車100の両側の側壁101に対して貼付を同時に実行することができる。したがって、貼付時間を短縮することができる。加えて、単一のロッドを移動させ、回転させることによって、フィルムWが両側の側壁101に貼付される場合と比べて、ロッドの移動機構を単純化することができ、機械設計を単純化することができる。図16及び図17(後述)に示されるように、フィルムWは、単一のロッドを移動させ、この単一のロッドを90度回転させることによって、自動車100の側面に貼付され得ることに留意されたい。
【0047】
図2及び図3に示されるように、フィルム支持ユニット4は、フィルムWを自動車100の上方に配置する機構である。フィルム支持ユニット4は、自動車100よりも外周側寄りの位置において、フィルムWの周縁部を支持する枠体50、並びに枠体50を駆動する駆動ユニット51及び52を含む。具体的には、枠体50は、自動車100に対してX軸方向両側に配置された板状部材53の対、及び自動車100に対してY軸方向両側に配置された板状部材の対(図示せず)を含む。図3及びこれに対応する図面において、Y軸方向両側に配置された板状部材及び駆動ユニットは省略されていることに留意されたい。板状部材53は自動車100の屋根102の近傍の高さ位置におけるX-Y平面上で広がり、Y軸方向に延びている。板状部材53は、1~3mmの厚さを有する、ステンレス鋼又は同様の金属板、あるいは同様ものなどの可撓性材料で構成されている。
【0048】
駆動ユニット51は、板状部材53を垂直方向に駆動する機構である。駆動ユニット51は、垂直方向に延びるシリンダで構成されている。駆動ユニット51の上端は、X軸方向外側の縁部において、板状部材53の下面に固定されており、駆動ユニット51の下端は支持枠200の基台部分206に固定されている。加えて、板状部材53ごとに複数の駆動ユニット51が設けられている。例えば、3つの駆動ユニット51が設けられている場合には、駆動ユニット51は、Y軸方向に所定の間隔で互いに離れているように配置されている。第1の駆動ユニット51は板状部材53の前端部に配置されており、第2の駆動ユニット51は板状部材53のY軸方向における実質的に中心位置に配置されており、第3の駆動ユニット51は板状部材53の後端部に配置されている。しかし、駆動ユニット51の数及び位置は特に限定されない。即ち、駆動ユニット51の数は3つより多くてもよい。例えば、駆動ユニット51の数は5つであってもよい。駆動ユニット51の各々は他の駆動ユニッ51と独立しており、伸長及び収縮可能である。したがって、板状部材53は、駆動ユニット51の各々が設けられている部位において部分的に垂直に移動する。それゆえ、枠体50は、フィルムWの貼付の開始時にフィルムWと自動車100との間の距離を調整可能である。加えて、枠体50は、自動車100の湾曲形状に対応して湾曲可能である。更に、第1のロッド10を用いてフィルムWを自動車100に貼付する際に、枠体50は、自動車100の貼付部位における湾曲形状に適合するように変形することができる。
【0049】
駆動ユニット52(図2には示されていない)は、板状部材53をX軸方向に駆動する機構である。駆動ユニット52は、X軸方向において上方及び内方に傾くように延びるシリンダで構成されている。駆動ユニット52の上端は、駆動ユニット51に連結された結合部材54に固定されており、駆動ユニット52の下端は基台部分206に固定されている。板状部材53ごとの駆動ユニット52の数は特に限定されない。加えて、駆動ユニット52は、X軸方向に真っ直ぐ延びるよう、傾きを有しないように配置されていてもよい。駆動ユニット52を収縮させることによって、板状部材53はX軸方向外向きに引っ張られる(図10参照)。その結果、枠体50は、平面方向外向きの張力をフィルムWに付与することができる。張力をフィルムWに付与する際には、Y軸方向における対向する板状部材(図示せず)もフィルムWをY軸方向外向きに引っ張ることができることに留意されたい。
【0050】
図2に示されるように、フィルム供給ユニット6は、フィルムWを枠体50に供給する機構である。フィルム供給ユニット6は、ローラ部60、複数のガイドローラ61、保護シート回収ローラ62及び63、並びに位置決めユニット64を含む。ローラ部60は、ロール状に巻回されたフィルムWを送り出す。複数のガイドローラ61は、ローラ部60から送り出されたフィルムWを案内する。保護シート回収ローラ62は、送り出されたフィルムWの上面から剥がされた保護シートS1を巻き取る。保護シート回収ローラ63は、送り出されたフィルムWの下面から剥がされた保護シートS2を巻き取る。位置決めユニット64は、枠体50の前方の位置においてフィルムWの位置決めを実行する。加えて、位置決めユニット64から供給されたフィルムWの前縁部は、把持機構(図示せず)によって把持されつつY軸方向の負の側へ運ばれる。フィルムWの前縁部が枠体50のY軸方向における負の側の縁部に到達すると、フィルムWの両縁部が枠体50の両側における板状部材53の上面に貼付される。加えて、フィルムWは枠体50のY軸方向における正の側の部位において切断される。
【0051】
次に、図2及び図9図15を参照しつつ、本実施形態に係るフィルム貼付装置1を用いたフィルム貼付方法の手順が説明される。フィルム貼付方法は、枠体準備ステップ、フィルム配置ステップ、第1の引張ステップ、第1の押圧ステップ、第1の移動ステップ、第2の引張ステップ、第2の押圧ステップ、第2の移動ステップ、及び切断ステップを含む。
【0052】
枠体準備ステップは、自動車100よりも外周側寄りの位置においてフィルムWの周縁部を支持する枠体50が準備されるステップである(図2参照)。このステップでは、枠体50が、自動車100の屋根102よりも高い位置において提供される。
【0053】
フィルム配置ステップは、フィルムWが自動車100の上方に配置されるステップである(図2参照)。このステップでは、フィルム供給ユニット6がフィルムWを枠体50に供給する。枠体50が自動車100の上方に事前に配置されるという事実のため、フィルムWも自動車100の上方に配置される。フィルムWが枠体50上に配置されると、フィルムWのY軸方向における正の側の縁部が切断される(図9参照)。
【0054】
第1の引張ステップは、第1のロッド10が準備され、X軸方向外向きの張力が第1のロッド10に付与されるステップである(図9及び図10参照)。このステップでは、第1のフィルム貼付ユニット2が降下させられ、フィルムWの貼付準備位置に配置される。加えて、第1の引張部11がX軸方向外向きに移動させられ、これにより、X軸方向外向きの張力が第1のロッド10に付与される。それゆえ、たとえ、張力付与の前には第1のロッド10の中心部分がそれ自体の重量のために若干たるんでいても、張力付与によって、第1のロッド10の実質的に直線的にぴんと張った状態を得ることができる。
【0055】
第1の押圧ステップは、第1のロッド10が下方へ降下させられ、フィルムWが自動車100に押し付けられるステップである(図11及び図12参照)。このステップでは、第1のロッド10が第1のフィルム貼付ユニット2の第1の移動部12によって下方へ降下させられ、第1のロッド10が第1の加圧ローラ23によって押圧される(図4A及び図4B参照)。加えて、第1の押圧ステップの前の段階において、枠体50は平面方向外向きの張力をフィルムWに付与する(図10参照)。加えて、枠体50のY軸方向における負の側の縁部が、対応する部位における駆動ユニット51の駆動によって、自動車100の屋根102の位置に対応する位置において位置決めされる。この時に、枠体50は、図11におけるP1によって指示される状態になっている。
【0056】
第1の移動ステップは、第1のロッド10がY軸方向に移動させられるステップである(図11及び図12参照)。このステップでは、第1のロッド10が第1のフィルム貼付ユニット2の第1の移動部12によってY軸方向に移動させられる。この時に、第1のロッド10は、自動車100の屋根102の湾曲形状に沿って変形しつつ、フィルムWを屋根102に貼付する。第1の移動ステップにおいて、第1の加圧ローラ23は、第1のロッド10に跨がって押圧状態にしつつ、第1のロッド10と共に移動する。第1の移動ステップにおいて、枠体50は、自動車100の屋根102の貼付部位における湾曲形状に対応するように変形可能であることに留意されたい。即ち、各位置における駆動ユニット51の駆動によって枠体50を部分的に移動させることによって、X軸方向から見たときに、枠体50は、屋根102に対応する湾曲形状になる。その結果、第1のロッド10がフィルムWを貼付することがより容易になる。第1の移動ステップが完了すると、第1のフィルム貼付ユニット2はその元の位置へ戻される。
【0057】
第2の引張ステップは、第2のロッド30の対が準備され、Y軸方向外向きの張力が第2のロッド30に付与されるステップである。このステップでは、第2のフィルム貼付ユニット3A及び3Bが降下させられ、フィルムWの貼付準備位置に配置される。加えて、第2の引張部31(図5A及び図5B参照)がY軸方向外向きに移動させられ、これにより、Y軸方向外向きの張力が第2のロッド30に付与される。
【0058】
第2の押圧ステップは、第2のロッド30の対が下方へ降下させられ、フィルムWが自動車100に押し付けられるステップである(図13及び図14参照)。このステップでは、第2のロッド30が第2のフィルム貼付ユニット3A及び3Bの第2の移動部32によって下方へ降下させられ、第2のロッド30が第2の加圧ローラ43によって押圧される(図5A及び図5B参照)。
【0059】
第2の移動ステップは、第2のロッド30がX軸方向に移動させられるステップである(図13及び図14参照)。このステップでは、第2のロッド30が第2のフィルム貼付ユニット3A及び3Bの第2の移動部32によってX軸方向に移動させられる。この時に、第2のロッド30は、自動車100の屋根102の縁部及び側壁101の湾曲形状に沿って変形しつつ、フィルムWを屋根102の縁部及び側壁101に貼付する。第2の移動ステップにおいて、第2の加圧ローラ43B(図6B参照)は、第2のロッド30をX軸方向から自動車100の側壁101に押し付けつつ、第2のロッド30と共に移動する。第2の移動ステップにおいて、枠体50は貼付部位に従って下方へ降下させられることに留意されたい。この時に、枠体50の位置は、基台部分206が降下させられるために、降下させられる。第2の移動ステップが完了すると、第2のフィルム貼付ユニット3A及び3Bはそれらの元の位置へ戻される。
【0060】
切断ステップは、自動車の屋根102及び側壁101に貼付されたフィルムWの縁部が所望の形状に切断されるステップである(図15参照)。このステップでは、自動車100がフィルム貼付装置1から異なる作業場所へ移動される。操作者がフィルムWの縁部を自動車100の側壁101の形状に切断する。かくして、フィルム貼付方法が完了した。
【0061】
次に、本実施形態に係るフィルム貼付装置1及びフィルム貼付方法の作用及び効果が説明される。
【0062】
本実施形態に係るフィルム貼付装置1において、第1の引張部11はX軸方向外向きの張力を、X軸方向に延びる第1のロッド10に付与する。加えて、第1の移動部12は、張力が付与された第1のロッド10を下方に降下させることによって、第1のロッド10を自動車100に押し付けることができる。ここで、第1のロッド10は変形して自動車100の形状に適合する。したがって、対象物が、傾斜角が緩やかである部位を有するだけでなく、自動車100の屋根102などの、傾斜角が大きい部位(例えば、屋根102の縁部及び側壁101)も有する場合には、第1のロッド10は、傾斜角が大きい部位に適合するように変形することができる。このように変形される間に、第1のロッド10はフィルムWを押し付けつつY軸方向に移動し、これにより、傾斜角が大きい部位にもフィルムWを良好に貼付することができる。この構成の結果、自動車100内の傾斜角が緩やかである部位及び傾斜角が大きい部位の両方にフィルムWを貼付することができる。
【0063】
フィルム貼付装置1において、第1のロッド10は、60~90のショアA硬度を有するコア部分16、及び少なくともコア部分16よりも低い硬度を有する、コア部分16の外周側に配置された貼付部17を含む。この構成を有する第1のロッド10を用いることによって、第1のロッド10は、自動車100の形状に十分に適合しつつ、十分な押圧力でフィルムWの貼付を実行することができる。
【0064】
フィルム貼付装置1において、貼付部分17は20~50のショアB硬度を有し得る。この構成を有する第1のロッド10を用いることによって、第1のロッド10は、自動車100の形状に十分に適合しつつ、十分な押圧力でフィルムWの貼付を実行することができる。
【0065】
フィルム貼付装置1は、第1のロッド10を自動車100に押し付けつつ第1のロッド10と共に移動する第1の加圧ローラ23を更に含む。この構成の結果、第1の加圧ローラ23によって第1のロッド10を介して十分な押圧力をフィルムWに印加することができる。
【0066】
フィルム貼付装置1は、Y軸方向に延び、自動車100のX軸方向における縁部側に配置されたフィルムWをX軸方向側から押し付け、自動車100の形状に対応して変形し、X軸方向に移動する第2のロッド30と、第2のロッド30を自動車100に押し付けつつ第2のロッド30と共に移動する第2の加圧ローラ43と、を更に含む。この構成の結果、第2のロッド30はフィルムを自動車100の側壁101に良好に貼付することができる。加えて、ロッド10及び30の各々の移動を単純化することができ、これにより、フィルムWを貼付する作業を短時間に実行することができる。
【0067】
フィルム貼付装置1において、第2の加圧ローラ43Bは、第2のロッド30をフィルムW及び自動車100に対してX軸方向に向けて押し付け可能である。この構成の結果、第2のロッド30は十分な押圧力でフィルムWを側壁101に押し付けることができる。
【0068】
フィルム貼付装置1において、フィルム支持ユニット4は、フィルムWの周縁部を支持する、自動車100よりも外周側寄りの位置における枠体50を含み、枠体50は平面方向外向きの張力をフィルムWに付与する。この構成の結果、第1のロッド10がフィルムWを貼付する際に、フィルムWを、貼付がより容易である位置において位置決めすることができる。
【0069】
フィルム貼付装置1において、枠体50は、フィルムWの貼付の開始時にフィルムWと自動車100との間の距離を調整可能である。この構成の結果、枠体50を、フィルムWの貼付がより容易である部位において位置決めすることができる。
【0070】
フィルム貼付装置1において、枠体50は、自動車100の湾曲形状に対応して湾曲可能である。この構成の結果、枠体50は、自動車100の湾曲形状に一致した形状を有するフィルムWを支持することができる。
【0071】
フィルム貼付装置1において、第1のロッド10を用いてフィルムWを自動車100に貼付する際に、枠体50は、変形して自動車100の貼付部位における湾曲形状に適合する。この構成の結果、フィルム貼付の間に、枠体50はフィルムWを、第1のロッド10による貼付がより容易である部位において位置決めすることができる。
【0072】
本実施形態に係るフィルム貼付方法は、フィルムWを自動車100に貼付するためのフィルム貼付方法である。本方法は、フィルムWを自動車の上方に配置するためのフィルム配置ステップと、X軸方向に延び、変形して自動車100の形状に適合する第1のロッド10を準備し、X軸方向外向きの張力を第1のロッド10に付与するための第1の引張ステップと、第1のロッド10を下方へ降下させ、フィルムWを自動車100に押し付けるための第1の押圧ステップと、第1のロッド10をY軸方向に移動させるための第1の移動ステップと、を含む。
【0073】
本態様によれば、フィルム貼付装置1のために上述されたものと同様の作用及び効果を得ることができる。
【0074】
本フィルム貼付方法は、Y軸方向に延び、変形して自動車100の形状に適合する第2のロッド30を準備し、Y軸方向外向きの張力を第2のロッド30に付与するための第2の引張ステップと、第2のロッド30を下方へ降下させ、フィルムWを自動車100に押し付けるための第2の押圧ステップと、第2のロッド30をX軸方向に移動させるための第2の移動ステップと、を更に含む。本方法において、第1の移動ステップは、フィルムWを自動車100の屋根102に貼付することを含み、第2の移動ステップは、フィルムWを自動車100の側壁101に貼付することを含む。この構成の結果、第2のロッド30はフィルムを自動車100の側壁101に良好に貼付することができる。
【0075】
本フィルム貼付方法において、第2の移動ステップにおいて、第2の加圧ローラ43は、第2のロッド30をX軸方向から自動車100に押し付けつつ、第2のロッド30と共に移動する。この構成の結果、第2のロッド30は十分な押圧力でフィルムWを側壁101に押し付けることができる。
【0076】
本フィルム貼付方法は、フィルムWの周縁部を支持する、自動車100よりも外周側寄りの位置における枠体50を準備するための枠体準備ステップを更に含み得る。この構成の結果、第1のロッド10がフィルムWを貼付する際に、フィルムWを、貼付がより容易である位置において位置決めすることができる。
【0077】
本フィルム貼付方法において、第1の移動ステップにおいて、枠体50は、自動車100の貼付部位における湾曲形状に対応するように変形可能である。この構成の結果、枠体50は、自動車100の湾曲形状に一致した形状を有するフィルムWを支持することができる。
【0078】
本発明は、上述された実施形態に限定されない。
【0079】
上述された実施形態に係るフィルム貼付装置1はフィルム貼付装置の一例として説明されたが、その構成は本発明の範囲から逸脱することなく適宜変更され得る。例えば、図16及び図17に示されるものなどのフィルム貼付装置300が用いられ得る。図16及び図17に示されるフィルム貼付装置300においては、1つのフィルム貼付ユニット302が、Y軸方向及びX軸方向の両方における移動能力を有する。図16に示されるように、フィルム貼付ユニット302は、Y軸方向に移動することによって、フィルムWを自動車100の屋根102に貼付する。その後、フィルム貼付ユニット302は90度回転する。次に、図17に示されるように、フィルム貼付ユニット302は、X軸方向に移動することによって、フィルムWを自動車100の側壁に貼付することができる。
【0080】
加えて、フィルム貼付ユニット302内に含まれるフィルム支持ユニット350は、前端部及び後端部が柱201によって支持されており、フィルム支持ユニットがフィルムWを支持し、柱201によって案内されつつ垂直方向に移動するという点で、上述された実施形態に係るフィルム支持ユニット4と異なる。このような構成がフィルム支持ユニットとして実施されてもよい。
【0081】
加えて、フィルム貼付装置300内に含まれるロッド310は、上述された実施形態に係るロッドのものと異なる構成を有し得る。具体的には、図18A図18Cに示されるように、ロッド310は、コア部分321、外周部分323、外周部分323の外面を覆い、貼付部に対応するゴム部分324、及びコア部分321と外周部分323との間に設けられた軸受322を含む。コア部分321は、複数の金属ケーブルを束ねることによって構成されており、ロッド310のシャフトとして用いることができる。軸受322は軸方向の複数の部位において設けられており、外周部分323及びゴム部分324をコア部分321と独立して回転させることができることに留意されたい。自動車100の形状に適合するように変形可能である材料を外周部分323のために用いることができる。その例としては、60~90のショアA硬度を有するゴム材料が挙げられる。加えて、20~50のショアB硬度を有するスポンジゴム部材をゴム部分324のために用いることができる。上述されたように、ロッドが変形して自動車100の形状に適合することができる限り、任意の種類のロッドが用いられ得る。
【0082】
上述された実施形態では、フィルムが貼付される対象物は一例として自動車であったことに留意されたい。しかし、フィルムが貼付される対象物は自動車に限定されず、フィルムは、屋根及び側壁を有する任意の対象物に貼付され得る。このような対象物の例としては、列車、航空機、家具、電子製品、及び同様のものが挙げられる。
【0083】
参照符号リスト
1 フィルム貼付装置
4 フィルム支持ユニット
10 第1のロッド
11 第1の引張部
12 第1の移動部
16 コア部分
17 貼付部分
23 第1の加圧ローラ
30 第2のロッド
31 第2の引張部
32 第2の移動部
43 第2の加圧ローラ
100 自動車
101 側壁
102 屋根
W フィルム
以下、例示的実施形態について述べる。
[1]
フィルムを対象物に貼付するためのフィルム貼付装置であって、
前記フィルムを前記対象物の上方に配置するフィルム支持ユニットと、
垂直方向と交差する第1の方向に延びる第1のロッドであって、前記対象物の上方に配置された前記フィルムを上側から押し付け、変形して前記対象物の形状に適合し、前記第1の方向及び前記垂直方向と交差する第2の方向に移動する、第1のロッドと、
前記第1の方向外向きの張力を、少なくとも前記第1のロッドの前記第1の方向における第1の端部側に対して付与する引張部と、
前記第1のロッドを前記垂直方向に移動させる移動部と、
を備える、フィルム貼付装置。
[2]
前記第1のロッドが、
コア部分と、
少なくとも前記コア部分よりも低い硬度を有し、前記コア部分の外周側に配置された貼付部と、
を含む、[1]に記載のフィルム貼付装置。
[3]
前記コア部分が、60~90のショアA硬度を有する円筒形部材を含み、
前記貼付部が、20~50のショアB硬度を有する部材を含む、
[2]に記載のフィルム貼付装置。
[4]
前記第1のロッドを前記対象物に押し付けつつ前記第1のロッドと共に移動する第1の加圧ローラを更に備える、[1]~[3]のいずれか一項に記載のフィルム貼付装置。
[5]
前記第2の方向に延び、前記第1の方向における前記対象物の縁部側に配置された前記フィルムを前記第1の方向側から押し付け、前記対象物の形状に対応して変形し、前記第1の方向に移動する第2のロッドと、
前記第2のロッドを前記対象物に押し付けつつ前記第2のロッドと共に移動する第2の加圧ローラと、を更に備える、[1]~[4]のいずれか一項に記載のフィルム貼付装置。
[6]
前記第2の加圧ローラは、前記第2のロッドを前記フィルム及び前記対象物に対して前記第1の方向に向けて押し付け可能である、[5]に記載のフィルム貼付装置。
[7]
前記フィルム支持ユニットは、前記対象物よりも外周側寄りに位置し、
前記フィルムの周縁部を支持する枠体を含み、
前記枠体は、前記フィルムに平面方向外向きに張力を付与する、
[1]~[6]のいずれか一項に記載のフィルム貼付装置。
[8]
前記枠体は、前記フィルムの前記貼付の開始時に、前記フィルムと前記対象物との間の距離を調整可能である、[7]に記載のフィルム貼付装置。
[9]
前記枠体は、前記対象物の湾曲形状に対応して湾曲可能である、[7]又は[8]に記載のフィルム貼付装置。
[10]
前記フィルムが前記第1のロッドによって前記対象物に貼付されるときに、前記枠体は、前記対象物の貼付部位において変形して前記湾曲形状に適合する、[9]に記載のフィルム貼付装置。
[11]
フィルムを対象物に貼付するためのフィルム貼付方法であって、
前記フィルムを前記対象物の上方に配置するためのフィルム配置ステップと、
垂直方向と交差する第1の方向に延び、変形して前記対象物の形状に適合する第1のロッドを準備し、前記第1の方向外向きの張力を前記第1のロッドに対して付与するための第1の引張ステップと、
前記第1のロッドを下方に降下させ、前記フィルムを前記対象物に押し付けるための第1の押圧ステップと、
前記第1のロッドを、前記第1の方向及び前記垂直方向と交差する第2の方向に移動させるための第1の移動ステップと、
を含む、フィルム貼付方法。
[12]
前記第2の方向に延び、変形して前記対象物の形状に適合する第2のロッドを準備し、前記第2の方向外向きの張力を前記第2のロッドに対して付与するための第2の引張ステップと、
前記第2のロッドを下方に降下させ、前記フィルムを前記対象物に押し付けるための第2の押圧ステップと、
前記第2のロッドを前記第1の方向に移動させるための第2の移動ステップと、
を更に含み、
前記第1の移動ステップは、前記フィルムを前記対象物の屋根に貼付することを含み、
前記第2の移動ステップは、前記フィルムを前記対象物の側壁に貼付することを含む、[11]に記載のフィルム貼付方法。
[13]
前記第2の移動ステップは、前記第2のロッドを前記第1の方向から前記対象物に押し付けつつ前記加圧ローラを前記第2のロッドと共に移動させることを含む、
[12]に記載のフィルム貼付方法。
[14]
前記対象物よりも外周側寄りの位置で、前記フィルムの周縁部を支持する枠体を準備するための枠体準備ステップを更に含む、[11]~[13]のいずれか一項に記載のフィルム貼付方法。
[15]
前記第1の移動ステップにおいて、前記枠体は、前記対象物の貼付部位における湾曲形状に対応するように変形可能である、[14]に記載のフィルム貼付方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C