(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】無人移送車走行用床装置
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220523BHJP
【FI】
G05D1/02 J
(21)【出願番号】P 2022005884
(22)【出願日】2022-01-18
【審査請求日】2022-01-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
【審査官】山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-091564(JP,A)
【文献】特開2019-137521(JP,A)
【文献】特開昭63-025709(JP,A)
【文献】特開2018-052670(JP,A)
【文献】特開平11-116004(JP,A)
【文献】特開平05-058412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体制御コンピュータによって制御される無人移送車の走行用センサの走行用確認手段として、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工されたフロアパネルを多数敷き揃えて構成される無人移送車走行用床装置であって、
前記各フロアパネルは、
直交するテープ状のガイドによる第1のセンサ確認手段と、
前記テープ状のガイドの交点に設けた第2のセンサ確認手段と
、
前記フロアパネルの中心点から一定距離の対向位置に、第1の方向に一定長を有する互いに平行な一対の第1ガイドと、前記第1の方向と直交する第2の方向に一定長を有する互いに平行な一対の第2ガイドと、を有する第3のセンサ確認手段と
を備えることを特徴とする無人移送車走行用床装置。
【請求項2】
前記第2のセンサ確認手段は前記フロアパネルの中心点に備えられることを特徴とする請求項1に記載の無人移送車の走行用床装置。
【請求項3】
前記第1のセンサ確認手段は、光センサまたは磁気センサに反応する部材を用いることを特徴とする請求項1に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項4】
前記第3の確認手段は、光センサまたは磁気センサに反応する部材を用いることを特徴とする請求項
1に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項5】
前記第2のセンサ確認手段は、2次元バーコードまたはICタグとすることを特徴とする請求項
1に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項6】
前記フロアパネルを多数敷き揃えた通路を多層階に構成し、各層に単数又は複数の前記無人移送車が走行しながら棚位置や作業場所に移動する立体倉庫として運用することを特徴とする請求項1から5のいずれかの1項に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項7】
前記立体倉庫は、前記無人移送車を載置する上下移動手段を有し、前記全体制御コンピュータは前記無人移送車
及び前記上下移動手段を運用することにより前記物品を所定の棚に保管させる制御
を行うことを特徴とする請求項6に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項8】
前記立体倉庫は、前記通路を上下螺旋状に構成
され、
前記全体制御コンピュータは前記無人移送車が前記通路を走行しながら物品のピッキングを行う運用
を行うに制御することを特徴とする請求項6に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項9】
前記無人移送車は、物品を上下移動手段に移載し、全体制御コンピュータは、物品を棚の通路間において上下移動手段を上下に移動制御し、移動先の棚通路で、他の無人移送車へ物品を引渡すことを特徴とする請求項7に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項10】
前記無人移送車が待機する待機エリアを備えることを特徴とする請求項9に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項11】
前記待機エリアは、充電させる設備を備えることを特徴とする請求項10に記載の無人移送車走行用床装置。
【請求項12】
前記無人移送車は、棚への物品の移載を行う移載手段を有していることを特徴とする請求項11に記載の無人移送車走行用床装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人移送車走行用床装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動立体倉庫において、AGV(Automatic Guided Vehicle)やAMR(Autonomous Mobile Robot)等の無人移送車が複列以上で走行できる通路と通路の両側に棚を設ける構造としているものがある。この場合、無人移送車の走行用の目印として、通路の床面に一定間隔で2次元バーコードのQRコード(登録商標)、磁気テープ、光反射テープなどを付しグリッド状に構成している場合が多い。
【0003】
そして、無人移送車をQRコード、磁気テープや光反射テープを床面に直接貼付して走行運用させるためには、テープからの磁気情報や反射光を的確にとらえるように平面にしなければならない。なお、QRコード、磁気テープや光反射テープは無人移送車が検知できるように汚れや削れ、などによる欠けなどを保守しなければならない。
【0004】
一方、広い床面全体を平坦な面とするための床の正確な平面だし作業を、物流センターの現場施工で実施している。さらに、既設のコンベヤラインを配設した物流センターにおいて、コンベヤラインを取り払い、前述のような無人移送車が走行するシステムに変更しようとする場合が増えているが、通路の再工事の際に平面だし作業を行っている。
【0005】
特許文献1には、床に延在するガイド線を車載用ガイドセンサで検出しながらガイド線に沿って走行する。走行経路は、途中にガイド線が設けられていない非ガイド線区間を有し、車載用ガイドセンサで第1のガイド線を検出しながら走行する区間から車載用ガイドセンサで第2のガイド線を検出しながら走行する区間までの非ガイド線区間において右に旋回した後に左に旋回してから第2のガイド線に向かって走行する技術が公開されている。
【0006】
特許文献2には、走行制御システムは、移動体を走行させる走行制御装置と、床面に設置された複数のリセット指示マークとを具備し、走行制御装置は、移動体の位置を推定する位置推定ユニットと、リセット指示マークが検出されたときに、リセット指示マークの位置を移動体のリセット位置として設定するリセット位置設定部とを備え、位置推定ユニットは、移動体のリセット位置に基づいて移動体2の位置をリセットし、リセット位置設定部は、移動体の位置のリセットが失敗したと判定したときは、次のリセット指示マーク7が検出されると、次のリセット指示マークの位置を移動体のリセット位置として設定する技術が公開されている。
【0007】
特許文献3には、走行制御システムは、走行制御装置と、磁気マークとを具備し、走行制御装置は、移動体の位置を推定する自己位置推定器と、仮想ガイド線と移動体とのずれ量を算出するずれ量算出部と、磁気マークを検出する磁気マークセンサと、仮想ガイド線と移動体とのずれ量に基づいて、移動体を仮想ガイド線に沿って走行させるように走行モータ及び操舵モータを制御すると共に、磁気マークセンサにより磁気マークが検出されたときに、磁気マークに関連付けられた走行指示データに従って移動体を走行させるように走行モータ及び操舵モータを制御する駆動制御部とを備える技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2021-082121号公報
【文献】特開2020-113204号公報
【文献】特開2020-102016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
広い通路の床全体が一体に形成されているため平面出しの工期が長いという問題がある。また、磁気テープや光反射テープを通路の表面に直接貼付するため、汚れたり削れたりして、センサで読み取れなくなる問題がある。さらに、一旦、磁気テープや光反射テープを貼付した通路はレイアウトの変更が困難であった。
【0010】
床面の施工は既設のコンベヤ固定用の柱の跡や壁の跡などが多数存在する凹凸状態となるため、無人移送車が棚を持ち上げて滑らかに走行できるようなフラットな床面を構築するためには、実質的に新設時と同様の複雑な施工工程を経なければ難しいという問題がある。
【0011】
特許文献1、2及び3の床にも自走体の走行の複数の目印を床面に用いたことが記載されているため上記内容と同様の問題がある。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、無人移送車をプログラムどおり適正に走行させるための手段として床面に無人移送車走行用の目印となる確認手段を設けたうえで、床面の施工工程の簡素化と、工期の短縮をはかるためにパネルタイプにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の態様として、無人移送車の走行用センサの走行用確認手段として、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工されたフロアパネルを多数敷き揃えて構成される無人移送車走行用床装置であって、前記各フロアパネルは、直交するテープ状のガイドによる第1のセンサ確認手段と、前記テープ状のガイドの交点に設けた第2のセンサ確認手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第二の態様として、無人移送車の走行用センサの走行用確認手段として、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工されたフロアパネルを多数敷き揃えて構成される無人移送車走行用床装置であって、前記各フロアパネルは、中心点から一定距離で対向位置に、一対のガイドを設けた第3のセンサ確認手段と、前記フロアパネルの中心点に第2のセンサ確認手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の第三の態様として、前記第1のセンサ確認手段は、光センサまたは磁気センサに反応する部材を用いることを特徴としてもよい。
【0016】
本発明の第四の態様として、前記第3の確認手段は、光センサまたは磁気センサに反応する部材を用いることを特徴としてもよい。
【0017】
本発明の第五の態様として、前記第2のセンサ確認手段は、2次元バーコードまたはICタグとすることを特徴としてもよい。
【0018】
本発明の第六の態様として、前記フロアパネルを多数敷き揃えた通路を多層階に構成し、各層に単数又は複数の前記無人移送車が走行しながら棚位置や作業場所に移動する立体倉庫として運用することを特徴としてもよい。
【0019】
本発明の第七の態様として、前記立体倉庫は、前記無人移送車を載置する上下移動手段を有し、前記全体制御コンピュータは前記無人移送車と前記上下移動手段を運用することにより前記物品を所定の棚に保管させる制御を特徴としてもよい。
【0020】
本発明の第八の態様として、前記立体倉庫は、前記通路を上下螺旋状に構成し、前記無人移送車が前記通路を走行しながら物品のピッキングを行う運用を特徴としてもよい。
【0021】
本発明の第九の態様として、前記無人移送車は、物品を上下移動手段に移載し、全体制御コンピュータは、物品を棚の通路間において上下移動手段を上下に移動制御し、移動先の棚通路で、他の無人移送車へ物品を引渡すことを特徴としてもよい。
【0022】
本発明の第十の態様として、前記無人移送車が待機する待機エリアを備えることを特徴としてもよい。
【0023】
本発明の第十一の態様として、前記待機エリアは、充電させる設備を備えることを特徴としてもよい。
【0024】
本発明の第十二の態様として、前記無人移送車は、棚への物品の移載を行う移載手段を有していることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0025】
予め工場で持ち運び容易なサイズに加工されたフロアパネルを製作し、それを工事中の床面に多数敷き揃えて施工する方式とするので、凹凸面が生じる問題も事前に回避することが可能となる。
【0026】
また、磁気テープや光反射テープをフロアパネルの表面に直接貼付せずに、汚れたり削れたりして、センサで読み取れなくなる問題を回避できるようになる。
【0027】
床面の施工工程を簡素化と、工期の短縮と、パネルタイプにすることで交換の容易性があるため、物流施設全体を稼働停止させることなく、レイアウト変更、あるいは顧客要求に起因する需要変動、季節変動、時間変動などに柔軟かつダイナミックに(即座に)対応可能な技術思想を体現した物流機構を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本実施の形態の無人移送車走行用床装置の概略構成図である。
【
図2】本実施の形態の
図1の移動用ロボットを示す一実施例としての模式図である。
【
図3】本実施の形態の移動用ロボットの制御部のブロック図である。
【
図4】本実施の形態の全体制御コンピュータのブロック図である。
【
図5】本実施の形態の
図1の立体倉庫の通路を移動する移動用ロボットの一実施例としての模式図である。
【
図6】本実施の形態の
図1の立体倉庫の通路を移動する移動用ロボットの一実施例としての模式図である。
【
図7】本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
【
図8】本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
【
図9】本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
【
図10】本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
【
図11】本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
【
図12】本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
【
図13】本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
【
図14】本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
【
図15】本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
【
図16】本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
【
図17】本実施の形態のフロアパネルを説明する説明図である。
【
図18】本実施の形態のフロアパネルを説明する説明図である。
【
図19】本実施の形態の無人移送車のリフターを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本例で左右方向という場合は立体倉庫を正面からみての左右方向をいう。上下方向という場合も正面からみて床面を下方向とし、高い方を上方向とする。前後方向も正面からみて手前側が前方向とし、後ろ側が後方向であり、必要に応じて座標で示してある。また、本例では既に公知である技術は説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る入出庫システムの概略構成図である。
【0030】
本実施の形態は、立体倉庫において、AGV(Automatic Guided Vehicle)/AМR(Autonomous Mobile Robot:自律走行搬送ロボット)4が複列以上で走行できる通路8Aと通路8Aの両側に棚21を設ける構造とし、AGV(無人搬送車)又は自律走行搬送ロボット(以下、総称して無人移送車4という)から各棚21への引き渡し方法は、平棚の場合は伸縮アーム型、棚側に引き渡し手段が設けられている場合はAGVの天板にコンベヤを設けるか、フラップトレイで引き渡しする。上下方向の棚間移動はリフターを使用している。通路8Aは無人移送車走行用床装置1が設置されている。
【0031】
図1は、本実施の形態の無人移送車走行用床装置の概略構成図である。
図1に示すように入出庫システムは、入庫された物品を保管する保管部としての倉庫部2と、出荷部(不図示)と、倉庫部2及び出荷部内を移動可能な無人移送車4と、倉庫部2の在庫管理及びその制御との制御等を行う制御部としての全体制御コンピュータ5と無人移送車走行用床装置1とを備えて構成されている。
【0032】
この全体制御コンピュータ5は、入出庫する棚位置情報を作成し、無人移送車4の稼働台数を決定し、無人移送車4に棚位置情報を伝え、正しく入出庫されたかの確認を行う。
【0033】
なお、
図1には示していないが、入出庫システムは更に、物品が入庫される入庫部と、倉庫部2に保管された物品を目的に従って仕分けする仕分部とを備えている。また、倉庫部2と無人移送車4等との通信は無線ネットワークNを介して行っている。
【0034】
無人移送車4が移動する手段としては、本実施の形態ではマーク及び磁気テープを備えたフロアパネル8を複数通路8Aに貼って無人移送車走行用床装置1を構成し、このマーク及び磁気テープを用いて所定の位置に移動する。
【0035】
無人移送車4は一対の棚21の間に設置されている通路8Aに適数配置される。通路8Aの幅員は無人移送車4が少なくともすれちがうことが可能な長さを有している。
【0036】
通路8Aに配置されていない無人移送車4は待機エリア6に待機している。この無人移送車4が待機エリア6に待機する場合は、待機エリア6に備えられた充電設備7から充電させることができる。
【0037】
倉庫部2は、複数種類の物品としての商品Gと、商品Gを収容可能な出荷容器Bの格納が行われる倉庫であり、上下に複数層の積層された棚21により構成されている。そして、対向する一対の棚21の間にはそれぞれ、通路8Aが設置されている。
【0038】
図1においては倉庫部2として一対の棚21しか図示されていないが、実際には倉庫部2は、複数の棚21が所定の間隔を開けて整列して構成されている。
【0039】
出荷容器Bとして、段ボール箱、樹脂製の箱、再利用可能な樹脂製の組み立て式ラック箱、袋、コンテナ又はトレイのうち少なくとも1つが用いられ、また、サイズも1種類に限られず、種々のサイズの出荷容器Bを用いることができる。
【0040】
倉庫部2の棚21には、商品G及び出荷容器Bの入出庫を検知するセンサが設けられている。このセンサは商品Gや出荷容器Bの入出庫を検知すると、当該検知情報を全体制御コンピュータ5に送信する。
【0041】
出荷部は、商品Gを収容した出荷容器Bが方面別のトラックバースに仕分けされ、パレット上に所定の態様で集積され、トラックに積み込まれるエリアである。
【0042】
無人移送車4は、倉庫部2及び出荷部内並びに通路8Aを移動可能であり、商品G及び出荷容器Bを保持可能である自律移動手段である。
図2は、
図1の入出庫システムの物流機構に用いられる無人移送車4を示す一実施例としての模式図である。
【0043】
図2に示すように、無人移送車4は、駆動輪41と、磁気テープセンサ42(磁気テープセンサ4c及び4dを含む)と、ステージ可動手段43と、ステージ44と、アーム45と、バッテリー46と、通信部47と、マークセンサ48(マークセンサ4a及び4bを含む)と、制御部49と、記憶部490とを備えて構成されている。
【0044】
駆動輪41は、無人移送車4の水平方向の移動を可能にする、モータ(不図示)により駆動される車輪である。
【0045】
磁気テープセンサ42は、本実施形態においては無人移送車4の前面部と後面部に設けられた一対の磁気テープを検知するセンサである。
【0046】
ステージ可動手段43は、商品Gや出荷容器Bを載置するステージ44を上下動させた
り傾斜させたりする手段である。無人移送車4はステージ可動手段43を備えていていなくてもよい。
【0047】
ステージ44は、商品G、出荷容器B及びパレットが載置されると共に、アーム45が設けられる基台となるトレイ状の部材である。
【0048】
アーム45は、商品Gや出荷容器Bを把持可能であり倉庫部2の棚21からこれらを取り出すことができると共に、商品Gを収容した出荷容器Bをパレット上に載置することができ、更にこのパレットを保持可能である一対の腕状移載手段である。アーム45は、備えていていなくてもよい。
【0049】
バッテリー46は、駆動輪41、昇降装置42、ステージ可動手段43、通信部47、センサ48、制御部49及び記憶部490に動力を供給する、充電可能な二次電池である。バッテリー46の充電は、例えば入出庫システム内の待機エリア6の箇所に設けられた充電設備7に無人移送車4が接近して行われる。充電設備7による充電は接触方式又は非接触方式により行われてもよい。
【0050】
通信部47は、全体制御コンピュータ5や他の無人移送車4と無線通信を行うための装置であり、任意の通信手段を採用することができる。
【0051】
マークセンサ48は、無人移送車4が走行する通路8Aに設置されたマーク9を検知する手段である。マークセンサ48により検知された情報は記憶部490に記憶される。
【0052】
制御部49は、無人移送車4全体を制御するCPU(Central
Processin g Unit)と、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROM(Read- only Memory)と、各種データを一時的に格納するためのRAM(何れも不図示)を備えて構成されている。
【0053】
図3は、
図2の無人移送車4に用いられる制御部49の一実施例としての機能ブロック図である。
【0054】
図3に示すように、制御部49は、CPUがROMに格納されている制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、モード切替部491、ステージ動作部492、アーム動作部493、昇降装置動作部494、駆動輪動作部495、送信部496及び受信部497として機能する。以下に制御部49が実行可能な処理を説明する。
【0055】
制御部49は、無人移送車4の現在位置を示すロボット現在位置情報と、全体制御コンピュータ5から送信される積載位置を示す積載位置情報及び目的地を示す目的地情報とに基づき、移動距離を算出する。ロボット現在位置情報は、本実施形態においては無人移送車4が床面に設置された磁気テープ及びマーク9等を用いて自律的に判断することを想定しているが、本発明においてはこれに限らず、任意の位置特定手段を用いて自律的に判断する他、全体制御コンピュータ5が図示しないレーダ等を用いて各無人移送車4の位置情報を把握、管理し、全体制御コンピュータ5から各無人移送車4にそれぞれの位置情報を通知する態様を採用することができる。
【0056】
不図示のレーザセンサ等により検出され記憶部490に記憶されている、無人移送車4の移動経路上にある充電設備等の設備、故障して稼働を停止している無人移送車4、障害物等、移動経路周辺の状況情報を記憶部490から抽出するようにしてもよい。
【0057】
制御部49は、記憶部490に記憶されている過去の状況情報に基づき移動経路上の状況を予測し予測情報を生成し、記憶部490に記憶する。例えば、状況情報が経時的に複数存在し、それぞれの状況情報が何れも所定の区域内に無人移送車4が存在していることを示す場合、新たな移動経路の作成時に当該区域内にまだ無人移送車4が存在していることを予測し、予測情報を生成してもよい。この予測情報は移動経路の決定の際に活用される。
【0058】
モード切替部491は、磁気テープ走行モードとマーク走行モードの切替を行う。磁気テープ走行モード中は磁気テープに追尾して走行する。マーク走行モード中は測位による走行を行う。
【0059】
なお、制御部49は、記憶部490に記憶されている予測情報を呼び出してもよい。
【0060】
そして、制御部49は、候補となる経路毎の目的地までの移動距離、経路毎の状況情報、経路毎の予測情報及び自機の動力残量に基づき現在位置から積載位置までおよび積載
位置から目的地まで自律的に移動するための自律移動シナリオ、すなわち移動経路を示す情報を作成してもよい。
【0061】
制御部49が、入出庫システムの全体制御コンピュータ5から送信される、移動すべき1つ以上の場所の位置、及び当該位置において行う動作指示を示す情報(機構指示)と自律移動シナリオとを比較衡量して、最終的な移動経路を示す結論移動シナリオを決定してもよい。なお、移動経路の状況や、予測情報に基づき移動経路を修正する修正部としても機能するようにしてもよい。
【0062】
ステージ動作部492は、全体制御コンピュータ5から送信される、目的地において行う動作を示す動作情報に基づきステージ可動手段43の動作を制御する。
【0063】
アーム動作部493は、全体制御コンピュータ5から送信される動作情報に基づきアーム45の動作を制御する。すなわち、アーム動作部493は、動作情報に基づき、商品G及び出荷容器Bを倉庫部2から入出庫したり、出荷容器B内に商品Gを収容したりするアーム45の動作を制御する。
【0064】
昇降装置動作部494は、倉庫部2内における無人移送車4の上下方向の動作量を所定の方向に目的の距離だけ行えるよう、リフターの動作に合わせる制御を行う。
【0065】
駆動輪動作部495は、倉庫部2内及び出荷部3内における無人移送車4の水平方向の動作を所定の方向に目的の距離だけ行えるよう、駆動輪41の動作を制御する。
【0066】
無人移送車4の現在位置、物品の積載の有無、積載予定の有無、算出された残存電力、及び故障の有無を示す状態情報を生成し、全体制御コンピュータ5に送信する。全体制御コンピュータ5が受信した状態情報は、記憶部50に記憶される。
【0067】
送信部496は無人移送車4から全体制御コンピュータ5に情報を送信する。受信部497は、入出庫システムの全体制御コンピュータ5から送信される、移動すべき1つ以上の場所の位置、及び当該位置において行う動作指示を示す機構指示を受信する。
【0068】
図2に戻り、記憶部490は、各種データを記憶するための記憶手段である。例えば記
憶部490には、無人移送車4が磁気テープセンサ42及びマークセンサ48により検知した磁気テープ及びマーク9の情報や、予測情報等が記憶される。また、記憶部490には、無人移送車4が辿るべき複数のマーク9の位置情報等が記憶されている。
【0069】
図1に戻り、全体制御コンピュータ5は、無線ネットワークNを介して棚21に設けられたセンサ(不図示)や無人移送車4と接続され、棚21への商品G及び出荷容器Bの入出庫を把握して在庫管理を行うと共に、稼働する無人移送車4を選出し、選出された無人移送車4に対して移動すべき1つ以上の場所の位置、及び当該位置において行う動作指示を示す情報である機構指示を送信する。
【0070】
全体制御コンピュータ5は、CPU(Central
Processing Uni t)と、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROM(Read-only Memory)と、各種データを一時的に格納するためのRAM(Random
Acc ess Memory)(何れも不図示)を備えて構成されている。
【0071】
図4は、
図1の入出庫システムに用いられる全体制御コンピュータ5の一実施例としての機能ブロック図である。
図4に示すように、全体制御コンピュータ5は、CPUがROMに格納されている制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、入出庫情報管理部51、ロボット選出部52、位置情報生成部53、動作情報生成部54、マーク情報生成55、送信部57及び受信部58として機能する。
【0072】
入出庫情報管理部51は、棚21に設けられた各センサから棚21に入出庫する商品Gや出荷容器Bの品目を示す入出庫品目及び品目毎の入出庫数量を示す入出庫情報を収集し、記憶部50に記憶する。
【0073】
また、入出庫情報管理部51は、商品Gや出荷容器Bの入庫時には、既存の入出庫情報に基づき、入庫した商品Gや出荷容器Bをそれぞれ倉庫部2のどの空きスペースにどれだけの数量を格納すればよいかを判断する。
【0074】
更に、入出庫情報管理部51は、商品Gや出荷容器Bの出庫時には、既存の入出庫情報に基づき、商品Gや出荷容器Bを倉庫部2のどの棚21からどれだけの数量を取り出せばよいかを判断する。
【0075】
ロボット選出部52は、各々の無人移送車4の現在位置、状態情報及び入出庫情報に基づき、商品Gや出荷容器Bの入出庫作業に加わる1台以上の無人移送車4を選出する。
【0076】
位置情報生成部53は、出荷指示情報の処理に加わる無人移送車4に対して送信される、無人移送車4の移動先となる移載位置及び目的地を示す1つ以上の目的地情報を生成する。目的地は、具体的には入出庫情報に含まれる、商品Gや出荷容器Bを格納する棚21の所定の箇所や、出庫した商品Gや出荷容器Bを載置する所定の箇所、そしてパレットが積み込まれるトラックがあるトラックバースの位置等である。
【0077】
動作情報生成部54は、無人移送車4に対して送信される、各移載位置及び目的地において行う動作を示す動作情報を生成する。動作は、例えば所定の棚21においてどの商品Gや出荷容器Bをどれだけの数量入出庫するかを示す情報や、出荷容器Bをどのパレットにどのように載置するか等である。
【0078】
マーク情報生成部55は、無人移送車4の走行するマーク情報を生成する。例えば、マークA、マークB及びマークCの順に進むような命令を生成する。無人移送車4はこの命令に従い走行する。なお、命令には直進や直角に進む情報も含まれている。
【0079】
送信部57及び受信部58は無人移送車4と全体制御コンピュータ5との間で情報の送受信を行う。
【0080】
前述の出庫情報及び入庫情報(総称して入出庫情報)は、商品G、出荷容器Bを入出庫するための、どの通路の、どの棚に何個入出庫するかの情報である。
【0081】
図5は通路8Aの1例を示す。
図5に示すように通路8Aには複数の無人移送車4が物品の入出庫を行うために稼働している。通路8Aの幅員は無人移送車4が2台分通過できる寸法に形成されている。通路8Aは、磁気テープと適所にマーク9を配置した、厚み10mmの縦横適正長さの正方形のゴムシートでグリッド構成されている。これを、無人移送車走行用床装置1と称する。通路8Aは各階の対向した一対の棚21の間に設置されている。つまり、無人移送車の走行用センサの走行用確認手段として、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工されたフロアパネル8を多数敷き揃えて構成される無人移送車走行用床装置1であって、各フロアパネル8は、中心点から一定距離で対向位置に、一対のガイドを設けた第3のセンサ確認手段(例えば、磁気テープMT)と、フロアパネル8の中心点に第2のセンサ確認手段(マーク8)とを備える無人移送車の走行用床装置1である。
【0082】
なお、無人移送車4は前進及び後進方向にのみ進むことができるため、旋回する場合は90度回転して、続いて90度回転することにより180度回転し、逆方向に進むことが可能となる。
【0083】
マーク9及び磁気テープにより無人移送車4が移動する一例を説明する。無人移送車4に辿るべき複数のマーク9が全体制御コンピュータ5により指示される。そして、マーク走行モードで走行中は、位置情報(例えば、番地)がマーク9から発信されていて現在地を確認し、無人移送車4は、高速走行する。なお、マーク9の配置は予め決められているので無人移送車4は次のマーク9の方向へ走行することが可能である。そして、次のマーク9へ移動中は、測位による位置を求めているので現在の位置がわかる。つまり、無人移送車4の駆動輪41に設置したパルスジェネレータにより移動距離を求めている。この途中で、磁気テープ(不図示)を検知すると、無人移送車4は磁気テープ追尾走行に切り替わる。そして、磁気テープは途切れると、測位による走行で目標のマーク9に向かい走行する。ところで、磁気テープが直角に交差するときは、無人移送車4も磁気テープの直角に追尾し直角に向きを変えることができる。また、磁気テープ追尾走行は、無人移送車4が前進、後進時のみ行うことが可能であるため、旋回時に磁気テープ追尾走行は行えない。つまり、旋回するためには、マーク9が必要である。以上の原理は本例で全て共通である。
【0084】
図6は本実施の形態の
図1の立体倉庫の通路を移動する移動用ロボットの一実施例としての模式図である。
図6に示すように、無人移送車の走行用センサの走行用確認手段として、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工されたフロアパネル8を多数敷き揃えて構成される無人移送車走行用床装置1であって、各フロアパネル8は、直交するテープ状のガイドによる第1のセンサ確認手段(例えば、磁気テープMT)と、テープ状のガイドの交点に設けた第2のセンサ確認手段(マーク8)とを備える。
【0085】
第1のセンサ確認手段は、光センサまたは磁気センサに反応する部材を用いる。第3の確認手段は、光センサまたは磁気センサに反応する部材を用いる。第2のセンサ確認手段は、2次元バーコードまたはICタグとする。
【0086】
そして、フロアパネル8を多数敷き揃えた通路を多層階に構成し、各層に単数又は複数の無人移送車が走行しながら棚位置や作業場所に移動する立体倉庫として運用する。
【0087】
立体倉庫は、無人移送車4を載置する上下移動手段を有し、全体制御コンピュータ5は無人移送車4と上下移動手段を運用することにより物品を所定の棚に保管させる制御を行う。
【0088】
立体倉庫は、通路8Aを上下螺旋状に構成し、無人移送車4が通路8Aを走行しながら物品のピッキングを行う運用を行うように構成してもよい。
【0089】
無人移送車4は、物品を上下移動手段に移載し、全体制御コンピュータ5は、物品を棚の通路間において上下移動手段を上下に移動制御し、移動先の棚通路で、他の無人移送車4へ物品を引渡す。
【0090】
無人移送車4が待機する待機エリアを備える。待機エリアは、充電させる設備を備える。
【0091】
無人移送車4は、棚への物品の移載を行う移載手段を有している。
【0092】
図7は、本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
図8は本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
図7及び
図8を参照し無人移送車4の動線上の動作の一例を説明する。この説明は磁気テープとマークはどのように無人移送車4の走行を制御するかを一般的に説明するものである。本実施の形態では全ての形態にこの原理が適用されるものである。初めに、ステップS10では、無人移送車4は測位による走行中にマークAに到着するとマークBの情報を受け取る。また、マークAにおいて直角に曲がる指示のときは磁気テープMTに沿って曲がる。
【0093】
ステップS11では、無人移送車4は、マークBに向かって測位による走行を行う。ここで、測位とは無人移送車4自体が走行した方向、距離を測りマークBに向かっているか否かを判断するものである。
【0094】
ステップS12では、無人移送車4は磁気テープMTを検知すると、磁気テープMTに沿って自動運転を行う。測位から、磁気テープ追尾走行は速度が低下することなくスムーズに切り替わる。
【0095】
ステップS13では、磁気テープ追尾走行中は位置同定異常を発生しない。信頼度(現在位置と予測位置の差分)は測位のものを表示する。ここで、位置同定異常とは無人移送車4が走行している位置と磁気テープMTの位置の例えばずれの情報等である。
【0096】
ステップS14では、無人移送車4は、磁気テープMTの端面を検知すると停止し、マークBに到達したものとする。このとき、マークAで受け取ったマークBの情報に運行パラメータの汎用出力、停止時間が設定されていた場合は実行する。マークBで直角に曲がるときは磁気テープMTに沿って曲がる。
【0097】
ステップS15では、マークCの情報を受け取る。このとき信頼度が低下していると、位置同定異常が発生する。
【0098】
ステップS16では、無人移送車4は、磁気テープMTの端面からマークCに向かって走行を行う。
【0099】
図9は本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
図10は本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
図9及び
図10を参照し無人移送車4の動線上の動作の他の例を説明する。この説明は磁気テープとマークはどのように無人移送車4の走行を制御するかを一般的に説明するものである。本実施の形態では全ての形態にこの原理が適用されるものである。初めに、ステップS20では、無人移送車4はマークAに到着するとマークBの情報を受け取る。マークAにおいて直角に曲がる指示のときは磁気テープMTに沿って曲がる。
【0100】
ステップS21では、無人移送車4は、マークBに向かって測位による走行を行う。ここで、測位とは無人移送車4自体が走行した方向、距離を測りマークBに向かっているか否かを判断するものである。
【0101】
ステップS22では、無人移送車4は磁気テープMTを検知すると、磁気に沿って自動運転を行う。測位から、磁気テープ追尾走行は速度が低下することなくスムーズに切り替わる。
【0102】
ステップS23では、信頼度は測位のものを表示し、信頼度が低下した場合、位置同定異常が発生する。
【0103】
ステップS24では、無人移送車4は、磁気テープMTの途切れを検知すると磁気テープ追尾走行から測位による走行にスムーズに切り替わる。
【0104】
ステップS25では、無人移送車4は、マークBに向かって測位による走行を行う。なお、マークBに到達する前にもう一度磁気テープMTを検知すると、磁気テープ追尾走行に切替わる。
【0105】
ステップS26では、無人移送車4は、マークBに到達するとマークCの情報を受け取る。マークBにおいて直角に曲がる指示のときは磁気テープMTに沿って曲がる。
【0106】
ステップS27では、無人移送車4は、マークCに向かって走行を行う。
【0107】
図11は本実施の形態の無人移送車4の移動を説明する説明図である。
図11(a)に示すように、フロアパネル8には、中心点から一定距離で対向位置に、一対のガイド(磁気テープ等8a、8b及び8c、8d)を設けた第3のセンサ確認手段と、フロアパネル8の中心点に第2のセンサ確認手段(マーク9)とを備える。このため、無人移送車4はフロアパネル8から他のフロアパネル8へ正確に直進することが可能となる。
【0108】
図11(b)に示すように、
図11(a)に対して直角方向にもフロアパネル8には、中心点から一定距離で対向位置に、一対のガイド(磁気テープ等8a、8b及び8c、8d)を設けた第3のセンサ確認手段と、フロアパネル8の中心点に第2のセンサ確認手段(マーク9)とを備えるため無人移送車4は正確に直進することが可能となる。
【0109】
図12は本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
図12(a)に示すように、フロアパネル8には、直交するテープ状のガイドによる第1のセンサ確認手段(磁気テープ8i、8k)と、前記テープ状のガイドの交点に設けた第2のセンサ確認手段(マーク9)とを備える。このため、無人移送車4は正確に直進することが可能となる。
【0110】
図12(b)に示すように、フロアパネル8には、直交するテープ状のガイドによる第1のセンサ確認手段(磁気テープ8i、8k)と、前記テープ状のガイドの交点に設けた第2のセンサ確認手段(マーク9)とを備える。このため、無人移送車4は正確に12(a)に対して直角に進むことが可能となる。
【0111】
以上のように、無人移送車走行用床装置1を無人移送車4はマーク及び磁気センサを介して走行するが、磁気テープ及びマーク9の配置位置の他の例を説明する。
図13は本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
図14は本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
図13(a)~(g)及び
図14を参照し無人移送車4の一方のフロアパネルから他方のフロアパネルへの動作を説明する。ここでは、無人移送車4は通路8Aを前後方向に走行しているものとする。また、マーク9はフロアパネル8の中心に埋め込まれている。
【0112】
ステップS30では、無人移送車4は、スタート時に位置している(
図13(a))。磁気テープセンサ4cが磁気テープ8aを検知している。また、磁気テープセンサ4dが磁気テープ8bを検知している。
【0113】
ステップS31では、少し移動した無人移送車4は、後方の磁気テープセンサ4dがオフする(
図13(b))。すなわち、磁気テープセンサ4dは磁気テープ8bから離れる。
【0114】
ステップS32では、無人移送車4は、後方の磁気テープセンサ4dが磁気テープ8iを拾う(
図13(c))。
【0115】
ステップS33では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cがオフする(後方の磁気テープセンサ4dが磁気テープ8iから外れる)(
図13(d))。
【0116】
ステップS34では、無人移送車4は、後方の磁気テープセンサ4dがオンする(前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8jを拾う)(
図13(e))。
【0117】
ステップS35では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8jから外れる(
図13(f))。
【0118】
ステップS36では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8eにオンする(
図13(g))。
【0119】
図15は本実施の形態の自律移動用ロボットの移動を説明する説明図である。
図16本実施の形態の無人移送車走行用床装置のフローチャートである。
図15(a)~(g)及び
図16を参照し無人移送車4の一方のフロアパネル8から他方のフロアパネル8への動作を説明する。ここでは、無人移送車4は通路8Aを左右方向に走行しているものとする。
【0120】
ステップS40では、無人移送車4は、スタート時に位置している(
図15(a))。磁気テープセンサ4cが磁気テープ8dを検知している。また、磁気テープセンサ4dが磁気テープ8cを検知している。
【0121】
ステップS41では、無人移送車4は、後方の磁気テープセンサ4dがオフする(
図15(b))。すなわち、磁気テープセンサ4dが磁気テープ8cより離れる。
【0122】
ステップS42では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cがオフする。後方の磁気テープセンサ4dがオンする(
図15(c))。すなわち、前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8dより離れる。後方の磁気テープセンサ8cが磁気テープ8iを拾う。
【0123】
ステップS43では、無人移送車4は、後方の磁気テープセンサ4dがオフする(
図15(d))。すなわち、後方の磁気テープセンサ4dが磁気テープ8iより離れる。
【0124】
ステップS44では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cがオンする。後方の磁気テープセンサ4dがオンする(
図15(e))。すなわち、前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8jを拾う。後方の磁気テープセンサ4dが磁気テープ8gを拾う。
【0125】
ステップS45では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cがオフする(
図15(f))。すなわち、前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8jより離れる。
【0126】
ステップS46では、無人移送車4は、前方の磁気テープセンサ4cがオンする(
図15(g))。すなわち、前方の磁気テープセンサ4cが磁気テープ8hを拾う。
【0127】
図17は本実施の形態のフロアパネルを説明する説明図である。
図17(a)(b)を参照し、フロアパネル8を説明する。
図17(a)はフロアパネル8を上下方向から見たものであり、
図17(b)はフロアパネル8の断面を左右方向から見たものである。物品の入出庫全体を管理する全体制御コンピュータから、物品を入出庫する棚位置情報を受信し、棚位置に移動する無人移送車4が、移動できる通路8Aに施設される無人移送車走行用床装置1において、無人移送車走行用床装置1は、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工され動線が配置された正方形のフロアパネル8で形成され、通路8Aにフロアパネル8を多数敷き揃えたグリッド構成を有し敷設および交換の容易性を特徴とする。フロアパネル8の動線は自律移動ボット4が辿るマーク及び磁気テープである。そして、フロアパネル8は磁気テープ8a、8b、8c及び8dが厚み方向の中心に埋め込まれている(表面に貼ってもよいことは勿論である)。これにより、磁気テープは保護されている。また、マーク9も厚み方向の中心に埋め込まれている。この磁気テープ8a、8b、8c及び8dの位置関係により前後方向と左右方向に自律移動ボット4は移動することが可能である。位置関係として磁気テープ8a及び8bは平行で磁気テープ8c及び8dは平行である。そして、フロアパネル8の外形の4辺のいずれかに直行する。これにより、左右方向を走行していた無人移送車4が直角方向に旋回しても磁気テープにガイドされ前後方向に走行可能である。
【0128】
図18は本実施の形態のフロアパネルを説明する説明図である。
図18(a)(b)を参照し、フロアパネル8を説明する。
図18(a)はフロアパネル8を上下方向から見たものであり、
図18(b)はフロアパネル8の断面を左右方向から見たものである。物品の入出庫全体を管理する全体制御コンピュータから、物品を入出庫する棚位置情報を受信し、棚位置に移動する無人移送車4が、移動できる通路8Aに施設される無人移送車走行用床装置1において、無人移送車走行用床装置1は、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工され動線が配置された正方形のフロアパネル8で形成され、通路8Aにフロアパネル8を多数敷き揃えたグリッド構成を有し敷設および交換の容易性を特徴とする。フロアパネル8の動線は自律移動ボット4が辿るマーク及び磁気テープである。そして、フロアパネル8は磁気テープ8i及び8kが厚み方向の中心に埋め込まれている。これにより、磁気テープは保護されている。また、マーク9も厚み方向の中心に埋め込まれている(表面に貼ってもよいことは勿論である)。この磁気テープ8i及び8kの位置関係により前後方向と左右方向に自律移動ボット4は移動することが可能である。位置関係は磁気テープ8iと磁気テープ8kは直行し、正方形のフロアパネル8の外形の4辺のいずれかに直行する。これにより、左右方向を走行していた無人移送車4が直角方向に旋回しても磁気テープにガイドされ前後方向に走行可能である。
【0129】
図19を参照し、上下移動手段の一例としてのリフター装置13の構成を説明する。リフター装置13は通路8Aの中央付近に備えられている。本体11は床面に設置され床面に直角に起立している。本体11にはガイドレールが備えられリフター12がガイドレール上を上下に移動可能に構成されている。駆動モータはサーボモータが使用され全体制御コンピュータ5により動作が制御される。無人移送車4の上下移動に、リフター装置13を使用する。リフター12の動作と無人移送車4のタイミングが図られる。例えば、無人移送車4が3階から2階へ移動するように全体制御コンピュータ5から指令を受信した場合は、全体制御コンピュータ5はリフター装置13にも3階から2階へ移動するように指令を送信する。
【0130】
無人移送車4の上下移動手段は螺旋状のロータリーでもよい。この場合は無人移送車4がロータリーを介して商品Gを所定の棚に運ぶ制御を行う倉庫管理部を全体制御コンピュータ5が備える。ロータリーは、例えば、2階から3階へ移動する際は、螺旋状の通路を1周りすることにより上ることができる。また、通路は双方向に移動可能な幅員を有するので3階から2階へ移動する際の同じ通路を走行することが可能である。このような螺旋状の通路が立体倉庫の階数分に構成されている。
【0131】
無人移送車4が、商品Gをリフター装置13またはロータリーに移載させて、商品Gを棚の通路間において、上下させて、その移動先の棚通路で、無人移送車4が物品を受け取るように構成してもよい。具体的には、無人移送車4が、例えば、3階で商品Gを取り出して3階の到着したリフター装置13に載りリフター装置131階へ運んだ後に、別の無人移送車4が当該商品Gを受け取り所定の位置に運ぶことが可能である。
【0132】
立体倉庫は、棚通路毎に上下移動手段の一例としてのシュータを有し、無人移送車4はシュータを介し商品Gを下方向の棚通路に運ぶ制御を行う倉庫管理部を全体制御コンピュータ5が備えてもよい。シュータとは、上方から下方へ螺旋状に繋がった通路で商品Gを通路に入れると重力で下方に滑りながら移動するように構成されている。
【符号の説明】
【0133】
1 無人移送車走行用床装置
2 倉庫部
3 出荷部
4 無人移送車
5 制御部
21 棚
41 駆動輪
42 センサ
43 ステージ可動手段
44 ステージ
45 アーム
46 バッテリー
47 通信部
48 センサ
49 制御部
50 記憶部
490 記憶部
B 出荷容器
G 商品
N 無線ネットワーク
【要約】
【課題】物流施設全体を稼働停止 させることなく、故障やレイアウト変更、あるいは顧客要求に起因する需要変動、季節変動、時間変動などに柔軟かつダイナミックに(即座に)対応可能な技術思想を体現した物流機構を提供する。
【解決手段】無人移送車の走行用センサの走行用確認手段として、予め持ち運び可能な小型定型サイズに加工されたフロアパネル8を多数敷き揃えて構成される無人移送車走行用床装置1である。各フロアパネル8は、直交するテープ状のガイドによる第1のセンサ確認手段と、前記テープ状のガイドの交点に設けた第2のセンサ確認手段とを備える。
【選択図】
図5