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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】紫外線吸収性ポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20220523BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20220523BHJP
   C08G 65/48 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q17/04
C08G65/48
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017194087
(22)【出願日】2017-10-04
(65)【公開番号】P2018080158
(43)【公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】62/404,246
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515233487
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Inc.
【住所又は居所原語表記】199 Grandview Road, Skillman, NJ 08558, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エーリス
(72)【発明者】
【氏名】スーザン・デイリー
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-138621(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0004063(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02876126(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02886101(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C08G 65/00-67/04
C09K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】
のポリマー化合物を含み、
式中、nとの合計10の数である、紫外線吸収性ポリマー組成物。
【請求項2】
式中、mが少なくとも1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式中、nとmとの前記合計が、5~10の数である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマー化合物が、500超の平均分子量(M)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリマー化合物が、少なくとも300の、344nmでの紫外線吸収性(E 1%、1cm)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステル、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-、メタノール、及びスズからなる群から選択される少なくとも1つの成分を追加的に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1.1%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステルを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1.1%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1.5%の、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-と、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステルとの混合物を含む、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも700ppmのスズを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項11】
スズ-II-エチルヘキサノエートの濃度が700ppm未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも3000ppmのメタノールを含む、請求項に記載の組成物。
【請求項13】
1~8のガードナー値を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
30%超の、ヘキサン二酸,1,6-ジブチルエステル中の溶解度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
30%超の、C12~15のアルキルベンゾエートエステル中の溶解度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
共有結合クロモフォアの量が、70重量%超である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
9~11%の窒素含有量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の紫外線吸収性ポリマー組成物を含む、化粧品用組成物。
【請求項19】
前記化粧品用組成物の総重量に基づいて、0.1~50重量%の前記紫外線吸収性ポリマー組成物と、化粧品用として許容される補助剤とを含む、請求項18に記載の化粧品用組成物。
【請求項20】
(1)式
【化2】
に対応する、粒子形状の5,6,5’,6’-テトラフェニル-3,3’-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)の水分散液;
(2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(3)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(4)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(5)エチルヘキシルトリアゾン;
(6)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート;
(7)エチルヘキシルメトキシシンナメート;
(8)エチルヘキシルサリチレート;
(9)ホモサラート;
(10)オクトクリレン;
(11)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(12)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(13)二酸化チタン;
(14)トリス-ビフェニルトリアジン;及び
(15)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン;
(16)BBDAPT;安息香酸,4,4’-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-,ジブチルエステル;
(17)ベンジリデンマロネート;
(18)メロシアニン誘導体;
(19)ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン;
(20)ポリマーマトリックスに封入された、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(21)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール;
(22)2-プロペン酸,3-(4-メトキシフェニル)-,2-メチルフェニルエステル;及び
(23)酸化亜鉛;からなる群から選択されるUVフィルターを更に含み、
薬学的に又は化粧品として許容できる賦形剤もまた含有する、請求項18又は19に記載の化粧品用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2016年10月5日出願の、米国特許仮出願第62/404,246号の優先権の利益を主張する。前述の関連米国特許出願の開示内容全体は、すべての目的のために、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、次式:
【0003】
【化1】
のポリマー化合物を含み、式中、n及びmは、互いに独立に、0~20の数であり、かつm及びnのうち少なくとも一方は1以上である、紫外線吸収性ポリマー組成物に関する。
【0004】
式(3)のポリマー化合物は、290~400nmの間の波長の放射線を吸収する紫外線吸収性ポリエーテルを表す。紫外線吸収性ポリエーテルは、クロモフォアが、皮膚を通じて吸収するのを減らす又は防止するのに好適であり得る重量平均分子量(M)を有する。1つの実施形態によれば、紫外線吸収性ポリエーテルに好適な分子量Mは、500超である。1つの実施形態では、Mは、約500~約50,000の範囲である。別の1つの実施形態では、Mは、約1,000~約20,000の範囲であり、例えば、約1,000~約10,000の範囲である。
【0005】
式(3)のポリマー化合物を含む、本発明による紫外線吸収性ポリマー組成物は、ポリグリセロール中間体(2)を、相補的官能基Aを含むベンゾトリアゾールUV-クロモフォア(1)と反応させ、次の反応スキーム:
【0006】
【化2】
によってポリマー化合物(3)を形成するステップを含み、式中、
Aは、水素であるか、又はC~Cアルキルであり、
kは、1~20の数であり、
n及びmは、互いに独立に、0~20の数であり、m及びnのうち少なくとも一方は1以上である、エステル化/エステル交換反応において実現される。
【0007】
式(1)によるベンゾトリアゾール誘導体は、本発明の紫外線吸収性組成物の、UVクロモフォア部分を表す。
【0008】
最も好ましい化合物は、次式:
【0009】
【化3】
に対応するベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステル(CAS登録番号:84268-33-7)であり、かつ
式(2)に対応するポリグリセロール(CAS登録番号:25618-55-7;1,2,3-プロパントリオール、ホモポリマー)は、持続可能な化粧品用原材料用の汎用基礎的要素として知られている(Wenk,H.H.及びMeyer,J.による、SOFW Journal,2009、第135巻、第8号、25~30ページ参照)。
【0010】
ポリグリセロールは、グリセロールの、エーテル結合したホモポリマーであり、より高分子のポリマーは、より高い親水性及び分子量に関連付けられる、異なる重合の程度で利用可能なものである。ポリグリセロールの理想化された構造、すなわち1,3-結合、直鎖ポリマーは、かなり単純であるが、現実はずっとより複雑である。ポリグリセロールは、オリゴマー分布、分枝の程度、及び環状構造の量によって定義される、多くの構造体の混合物である。同じ平均分子量の生成物であっても、その特性においては相当に異なっている場合がある。
【0011】
グリセロールのオリゴマー化は、連続する反応であり、グリセロールの完全な転換は、高分子量のグリセロールオリゴマー及びポリマーの形成に好都合である。
【0012】
ポリグリセロールの一般式は、次のように概略を示すことができる:
(2a)HOCH-CHOH-CH-O-[CH-CHOH-CH-O]-CH-CHOH-CHOH。
式中、
n=0ならばジグリセロールとなり、
N=1ならばトリグリセロールとなり、n=2ならばテトラグリセロールとなる等々であって、二級ヒドロキシル基の反応により形成される、分枝状の異性体を含む。
【0013】
直鎖ポリグリセロールに加えて、更なる縮合反応により、環状オリゴマーが形成可能である(Jakobson,G.による、Diglycerin und hoehere Oligomere des Glycerins als Synthesebausteine、Fette,Seifen Anstrichmittel,1986、第88巻、101~106ページを参照)。
【0014】
分子量が増加すると、ポリグリセロールのヒドロキシル価が減少する(ジグリセロールは4つの、トリグリセロールは5つの、テトラグリセロールは6つのヒドロキシ基を含む等々)。一部の実施形態では、グリセロールベースの組成物が分画されて、グリセロールポリマーの望ましい分布と望ましいヒドロキシル価を生成する。
【0015】
ポリグリセロールの調製のための詳細な合成手順は、国際公開第2011098315号、同第2015122770号、同第2002036534号、米国特許出願公開第20020058781号、米国特許第6620904号、及び国際公開第2007092407号に記載されている。
【0016】
ポリグリセリンの調製のための好ましい触媒は、KCO、LiCO、NaCO、KOH、NaOH、CHONa、Ca(OH)、LiOH、MgCO、MgO、CaO、CaCO、ZnO、CsOH、CsCO、NaHCO、CsHCO、SrO、及びBaOである。
【0017】
反応は、好ましくは230~260℃の温度で実行される。
【0018】
次式:
【0019】
【化4】
に対応する、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-(CAS登録番号:84268-36-0)。
【0020】
本発明による紫外線吸収性ポリマー組成物は、異なる分子の複雑な組み合わせから構成されている(複合反応生成物)。
【0021】
これは、本発明による、5個のグリセロール単位を含有するポリグリセロール主鎖に基づくポリマー性紫外線吸収材を表す、式(3a)に更に図示されている(あくまでも非限定的な例である):
【0022】
【化5】
【0023】
グリセロール主鎖は、典型的には、3~10個のグリセロール単位から主としてなり、それによって、グリセロール主鎖のヒドロキシル基が、ベンゾトリアゾールUVクロモフォアに、共有結合している。誘導体化のための反応性がより低い二級ヒドロキシル基よりも、一級ヒドロキシル基(末端単位)は反応が速いということが合理的に想定し得るであろう。したがって、一部の二級ヒドロキシル基は、未反応のままである。グリセロール主鎖は、主として直鎖及び枝無し構造単位からなる。10個超のグリセロール単位を含む、分枝状異性体及びより高分子の画分が存在し得る。
【0024】
より少数派の成分、例えば環状グリセロールオリゴマーのベンゾトリアゾール結合体には以下のものがある(あくまでも非限定的な例である):
【0025】
【化6】
式(3)の化合物を含むポリマー組成物は、以下のような特徴がある:
分子量の分布:
Mnが500Da超、Mwが1200Da超(GPC、ポリスチレン上で較正)。
【0026】
ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステル:
1.0%以下(HPLC)
【0027】
ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-:
1.0%以下(HPLC)
【0028】
ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチル-エチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステル、及びベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-の濃度の合計:
1.0%以下(HPLC)
【0029】
紫外線吸収:
E 1% 1cm(344nm):310超
【0030】
結合クロモフォアの量:70%超
Tg(℃):50(DSC)超
【0031】
ポリマー組成物の特徴付けは、下記の「方法」の章によって実行される。
【0032】
エステル交換反応の残留触媒(スズ-II-エチルヘキサノエート)の濃度が700ppm未満、又は、本質的にスズを含まない(IPC)
セチオールBへの溶解度:30%超
セチオールABへの溶解度:30%超
【0033】
好ましい方法では、反応の間に形成される水又はアルコールは、エステル化/エステル交換反応中の蒸留によって取り除かれる。
【0034】
更に好ましい方法では、エステル化/エステル交換反応は、160~270℃の温度で、より好ましくは、190~260℃の温度で実行される。
【0035】
更に好ましい方法では、エステル化/エステル交換反応は、何の追加的溶媒もなしで実行される。
【0036】
更に好ましい方法では、エステル化/エステル交換反応は、追加的なエステル化/エステル交換反応触媒なしで実行される。
【0037】
更に好ましい方法では、エステル化/エステル交換反応は、250mbar未満、より好ましくは、100mbar未満の断続的又は一定の減圧下で実行される。
【0038】
本発明の更に好ましい方法では、エステル化/エステル交換反応は、190~260℃の温度で、少なくとも26時間にわたって実行される。
【0039】
更に好ましい方法では、ポリグリセロールは、5%未満のグリセロール、又は直鎖及び環状ジグリセロールを含有する。
【0040】
更に好ましい方法では、ポリグリセロールのヒドロキシル価は、700~1100の範囲、より好ましくは、750~900の範囲である。
【0041】
更に好ましい方法では、UVクロモフォアは、式(1b)に対応する、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-である。
【0042】
更に好ましい方法では、UVクロモフォアは、式(1a)に対応するベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-メチルエステルである。
【0043】
更に好ましい方法では、最終反応生成物は、更なる精製をせずに用いられる。
【0044】
更に好ましい方法では、1部のポリグリセロールが、2.8~3.2部の、式(1a)に対応するベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-メチルエステルと反応する。
【0045】
別の好ましい方法では、1部のポリグリセロールが、2.8~3.2部の式(1b)に対応するベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシと反応する。
【0046】
式(3)のポリマー化合物を含む紫外線吸収性ポリマー組成物を、エステル化/エステル交換反応で得ることができるが、その方法は、ポリグリセロール中間体(2)を、相補的官能基Aを含むベンゾトリアゾールUV-クロモフォア(1)と反応させて、以下の反応スキーム:
【0047】
【化7】
によってポリマー化合物(3)を形成するステップを含み、式中、
Aは水素であるか、又はC~Cアルキルであり、
kは、1~20の数であり、
n及びmは、互いに独立に、0~20の数であり、m及びnのうち少なくとも一方は1以上である。
【0048】
本発明による式(3)のポリマー化合物を含む、紫外線吸収性ポリマー組成物は、紫外線に対して敏感な有機性材料、特にヒト及び動物の皮膚及び毛髪を、紫外線作用から保護するための日焼け止め活性物質として特に有用である。そのようなUVフィルターは、そのため、化粧品及び薬品用途内の光保護剤として好適なものである。
【0049】
そのため、本発明は、式(3)のポリマー化合物を含む紫外線吸収性ポリマー組成物を含む、化粧品用組成物に関するものである。
【0050】
本発明による典型的な、化粧品用又は薬品用組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1~50重量%の、好ましくは0.5~20重量%の、紫外線吸収性ポリマー組成物を含むが、この紫外線吸収性ポリマー組成物は、本発明による式(3)のポリマー化合物と、化粧品用として許容される補助剤とを含む。
【0051】
本発明による化粧品用組成物は、紫外線吸収性ポリマー組成物と補助剤とを、在来の方法で物理的に混合することによって調製され得るが、その方法は例えば、単に個々の成分を一緒に攪拌すること、特に、既知の化粧品用紫外線吸収剤、例えばエチルヘキシルメトキシシンナメートの溶解度特性を利用することである。紫外線吸収剤は、例えば、更なる処理なしで使用することができる。
【0052】
他の特性に加えて、本発明による化粧品用組成物は、好適な化粧品用キャリアに適用された場合に、皮膚中の、紫外線により誘発されるフリーラジカルの数を相当程度に減少させることにより、ラジカルスカベンジャーとして使用することができる。
【0053】
化粧品用組成物は、本発明による紫外線吸収性ポリマー組成物に加えて、1種類又は2種類以上の更なる紫外線保護剤を含み得る。
【0054】
それゆえに、本発明は、UVフィルター混合物を含む化粧品用組成物に関するものであり、その混合物は:
(a)式(3)のポリマー化合物を含む紫外線吸収性ポリマー組成物及び
(b)UVフィルターであって、
(b)式
【0055】
【化8】
(UV-AD-1)に対応する、粒子形状の5,6,5’,6’-テトラフェニル-3,3’-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)の水分散液;
(b)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(b)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(b)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(b)エチルヘキシルトリアゾン;
(b)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート;
(b)エチルヘキシルメトキシシンナメート;
(b)エチルヘキシルサリチレート;
(b)ホモサラート;
(b10)オクトクリレン;
(b11)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(b12)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(b13)二酸化チタン;
(b14)トリス-ビフェニルトリアジン;
(b15)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン;
(b16)BBDAPT;安息香酸,4,4’-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-,ジブチルエステル;
(b17)ベンジリデンマロネート;
(b18)メロシアニン誘導体;
(b19)ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン;
(b20)ポリマーマトリックスに封入された、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン);
(b21)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール;
(b22)2-プロペン酸,3-(4-メトキシフェニル)-,2-メチルフェニルエステル;及び
(b23)酸化亜鉛、から選択されるUVフィルターを含み、
その組成物が、UVフィルター(b)~(b23)のうちの少なくとも1種類を含み、かつ、
その組成物が、薬学的に又は化粧品として許容できる賦形剤もまた含むものである。
【0056】
Tinosorb S、ポリマーマトリックスに封入されたビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(b20)が、IP.com Journal(2009),9(1B),17に記載されている(Tinosorb S Aqua、BASF社製)。
【0057】
2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール(b21)は、式
(UV-AD-2)に対応している
【0058】
【化9】
【0059】
2-プロペン酸,3-(4-メトキシフェニル)-,2-メチルフェニルエステル(b22)は、式
(UV-AD-3)に対応している
【0060】
【化10】
【0061】
好ましくは、UVフィルター(b11)、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、(b14)トリス-ビフェニルトリアジン、及び(b15)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノンが、化粧品用又は薬品用組成物中に、それぞれの微粒子化された状態で存在する。
【0062】
ベンジリデンマロネート(b17)は、好ましくは、式
(UV-AD-4)に対応し、
【0063】
【化11】
式中、Rは、メチル、エチル、プロピル、又はn-ブチルであり、
がメチルであれば、
Rはt-ブチル、
【0064】
【化12】
式(UV-AD-4a)のラジカル
【0065】
【化13】
又は式
(UV-AD-4b)のラジカルであり、
【0066】
【化14】
及びRは、互いに独立に水素、又はメチルであり、
は、メチル、エチル、又はn-プロピルであり、
及びRは、互いに独立に、水素、又はC~Cアルキルであり、
がエチル、プロピル、又はn-ブチルの場合には、
Rはイソプロピルである。
【0067】
最も好ましいベンジリデンマロネート(b17)は、式
【0068】
【化15】
の化合物である。
【0069】
ベンジリデンマロネート(b17)及びそれを、日焼け止め剤中でUVフィルターとして使う方法が、国際公開第2010/136360号及び同第2011/003774号に詳しく開示されている。
【0070】
本発明による化粧品用組成物は、本発明による紫外線吸収剤混合物に加えて、以下の物質クラスの1種類又は2種類以上の更なる紫外線保護剤を含み得る:
p-アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸、及びエステル;ベンゾフラン誘導体、ポリマー性紫外線吸収剤、カンファー誘導体、封入された紫外線吸収剤、及び4,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン誘導体。
【0071】
以下の表3において示されている光保護剤が、特に好ましい:
【0072】
【表1-1】
【0073】
【表1-2】
【0074】
本発明による組成物が、水及び油を含有するエマルション(例えば、W/O、O/W、O/W/O、及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)を表す場合、それらは、例えば、組成物の総重量に基づいて、0.1~30量%の、好ましくは0.1~15重量%の、特に、0.5~10重量%の式(3)の紫外線吸収性ポリマー化合物と、組成物の総重量に基づいて、1~60重量%の、特に5~50重量%、好ましくは10~35重量%の少なくとも1種類の油成分と、組成物の総重量に基づいて、0~30重量%の、特に1~30重量%の、好ましくは4~20重量%の少なくとも1種類の乳化剤、組成物の総重量に基づいて、10~90重量%の、特に30~90重量%の水と、0~88.9重量%の、特に1~50重量%の更なる、化粧品用として許容される補助剤とを含有する。
【0075】
油含有組成物(例えば、油、W/O、O/W、O/W/O、及びW/O/Wエマルション又はマイクロエマルション)の好適な油成分は、例えば、6~18個の、好ましくは8~10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールベースのゲルベアルコールと;直鎖C~C24脂肪酸と直鎖C~C24アルコールとのエステルと;分枝鎖C~C13カルボン酸と直鎖C~C24脂肪族アルコールとのエステルと;直鎖C~C24脂肪酸と分枝鎖アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステルと;ヒドロキシカルボン酸と直鎖又は分枝鎖C~C22脂肪族アルコール、特にジオクチルリンゴ酸とのエステルと;直鎖及び/又は分枝鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオール又は三量体トリオール)及び/又はゲルベアルコールとのエステルと;C~C10脂肪酸ベースのトリグリセリドと;C~C18脂肪酸ベースの液体モノ-/ジ-/トリ-グリセリド混合物と;C~C24脂肪族アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステルと;C~C12ジカルボン酸と、1~22個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルコール又は2~10個の炭素原子と2~6個のヒドロキシ基とを有するポリオールとのエステルと;植物油(例えば、ヒマワリ油、オリーブ油、大豆油、菜種油、アーモンド油、ホホバ油、オレンジ油、小麦胚油、桃核油、及びココナッツ油の液体成分)と;分枝鎖一級アルコールと;置換シクロヘキサンと;直鎖及び分枝鎖C~C22脂肪族アルコールカーボネートと;ゲルベカーボネートと;安息香酸と、直鎖及び/又は分枝鎖C~C22アルコール(例えば、Finsolv(登録商標)TN)とのエステルと、合計12~36個の炭素原子、特に12~24個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖、対称又は非対称ジアルキルエーテル(例えば、ジ-n-オクチルエーテル、ジ-n-デシルエーテル、ジ-n-ノニルエーテル、ジ-n-ウンデシルエーテル、ジ-n-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-オクチルエーテル、n-オクチルn-デシルエーテル、n-デシルn-ウンデシルエーテル、n-ウンデシルn-ドデシルエーテル、n-ヘキシルn-ウンデシルエーテル、ジ-tert-ブチルエーテル、ジイソ-ペンチルエーテル、ジ-3-エチルデシルエーテル、tert-ブチルn-オクチルエーテル、イソペンチルn-オクチルエーテル、及び2-メチルペンチル-n-オクチルエーテル)と;エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール、シリコーン油、及び/又は脂肪族若しくはナフテン系炭化水素との開環生成物である。脂肪酸と3~24個の炭素原子を有するアルコールとのモノエステルも重要である。そのグループの物質は、8~24個の炭素原子を有する脂肪酸とアルコールとのエステル化生成物を含み、前者は例えば、カプロン酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノレイン酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸、及びエルカ酸、並びにそれらの工業グレード混合物(例えば、天然油脂の圧力除去、Roelenのオキソ合成からのアルデヒドの還元、又は不飽和脂肪酸の二量化で得られる)であり、後者は例えば、イソプロピルアルコール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリックアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エラジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノイルアルコール、リノレニルアルコール、エラエオステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、及びブラシジルアルコール、並びにそれらの工業グレード混合物(例えば、油脂又はRolelenのオキソ合成からのアルデヒドに基づいた工業グレードのメチルエステルの高圧水素添加で得られ、また、不飽和脂肪族アルコールの二量化でのモノマー画分として得られる)である。ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸C16~C18アルキルエステル、ステアリン酸2-エチルヘキシルエステル、セチルオレエート、グリセロールトリカブリレート、ココナッツ脂肪族アルコールカプリネート/カプリレート、及びステアリン酸n-ブチルが特に重要である。使用できる更なる油成分としては、例えば、アジピン酸ジ-n-ブチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、コハク酸ジ(2-エチルヘキシル)、及び酢酸ジイソトリデシルのようなジカルボン酸エステル、並びにまた、例えばエチレングリコールジオレエート、エチレングリコールジイソトリデカノエート、プロピレングリコールジ(2-エチルヘキサノエート)、プロピレングリコールジイソステアレート、プロピレングリコールジペラルゴネート、ブタンジオールジイソステアレート、及びネオペンチルグリコールジカプリレートのようなジオールエステルが挙げられる。好ましいモノオール又はポリオールとしては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、及びソルビトールが挙げられる。また、1種類又は2種類以上のアルキルカルボン酸の二価及び/又は三価の金属塩(アルカリ土類金属、とりわけAl3+)を用いることも可能である。
【0076】
油成分は、例えば、組成物の総重量に基づいて1~60重量%の、特に5~50重量%の、及び好ましくは10~35重量%の量で使用できる。
【0077】
任意の従来型の乳化剤を、本発明による化粧品用組成物用に用いることができる。
【0078】
好適な乳化剤には、例えば、以下の群からの非イオン性界面活性剤が挙げられる:
-2~30モルのエチレンオキシド及び/又は0~5モルのプロピレンオキシドに、8~22個の炭素原子を有する直鎖脂肪族アルコール、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、及びアルキル基に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノール、例えば、セテアレス-20又はセテアレス-12を添加した生成物;
-1~30モルのエチレンオキシドに、3~6個の炭素原子を有するポリオール、特にグリセロールを添加した生成物の、C12~C22脂肪酸モノ-及びジ-エステル;
-6~22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸とそのエチレンオキシド添加生成物とのグリセロールモノ-及びジ-エステル及びソルビタンモノ-及びジ-エステル、例えば、グリセリルステアレート、グリセリルイソステアレート、グリセリルオレエート、ソルビタンオレエート、又はソルビタンセスキオレエート;
-1.1~5、特に1.2~1.4が好ましいオリゴマー化度であり、グルコースが好ましい糖成分である、C~C22アルキル-モノ-及び-オリゴ-グリコシド及びそのエトキシ化類似体;
-2~60モル、特に15~60モルのエチレンオキシドに、ひまし油及び/又は水素添加したひまし油を添加した生成物;
-ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えば、ジイソステアロイルポリグリセリル-3-ジイソステアレート、ポリグリセリル-3-ジイソステアレート、トリグリセリルジイソステアレート、ポリグリセリル-2-セスキイソステアレート、又はポリグリセリルジメレート。以下の複数の物質クラスからの化合物を混合したものもまた好適である:
-直鎖、分枝鎖、不飽和、又は飽和C~C22脂肪酸と、リシノール酸と、12-ヒドロキシステアリン酸とをベースとする部分エステル、及びグリセロールと、ポリグリセロールと、ペンタエリスリトールと、ジペンタエリスリトールと、糖アルコール(例えば、ソルビトール)と、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)と、ポリグルコシド(例えば、セルロース)とをベースとする部分エステル、例えば、ポリグリセリル-2-ジヒドロキシステアレート又はポリグリセリル-2-ジリシノレエート;
-モノ-、ジ-、及びトリ-アルキルホスフェート、及びモノ-、ジ-、及び/又はトリ-PEG-アルキルホスフェート、並びにそれらの塩;
-羊毛脂アルコール;
-天然誘導体の1種類又は2種類以上のエトキシ化エステル、例えば、水素添加ひまし油のポリエトキシ化エステル;
-シリコーン油乳化剤、例えば、シリコーンポリオール;
-ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマー、及びその対応する誘導体、例えば、セチルジメチコンコポリオール;
-ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸、脂肪族アルコールの混合エステル(DE-A-1 165 574を参照)、及び/又は6~22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース、及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロールの混合エステル、例えば、ポリグリセリル-3-グルコースジステアレート、ポリグリセリル-3-グルコースジオレエート、メチルグルコースジオレエート、又はジココイルペンタエリスリルジステアリルシトレート;及び
-ポリアルキレングリコール。
【0079】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドに、脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロールモノ-及びジ-エステル、並びに脂肪酸のソルビタンモノ-及びジ-エステルを添加した、又はひまし油を添加した生成物が、既知であり市販されている生成物である。それらは通常、同族混合物であり、その平均アルコキシル化度は、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、添加反応が実行される対象の基質との量的割合に対応する。エチレンオキシドにグリセロールを添加した生成物のC12~C18脂肪酸モノ-及びジ-エステルは、化粧品調製用の脂質回復剤として既知であり、例えば、DE-A-2 024 051に記載されている。
【0080】
~C18アルキル-モノ-及び-オリゴ-グリコシド、その調製法、及びその使用法は、先行技術から既知である。それらは特に、グルコース又はオリゴ糖を、8~18個の炭素原子を有する一級アルコールと反応させることによって調製される。好適なグリコシドラジカルには、環状糖ラジカルが、脂肪族アルコールにグリコシド結合しているモノ-グリコシドと、最大で好ましくは約8のオリゴマー度を有するオリゴマーグリコシドとが挙げられる。オリゴマー度とは、そのような工業グレード生成物に通常用いられる同族体分布に基づく、統計的な平均値である。
【0081】
双性イオン性界面活性剤を乳化剤として用いることも可能である。「双性イオン性界面活性剤」という用語は、少なくとも1つの四級アンモニウム基と少なくとも1つのカルボキシレート基及び/又はスルホネート基を分子中に有する、特に表面活性の高い化合物を意味する。特に好適な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチル-アンモニウムグリシネート(例えば、ココアルキル-ジメチル-アンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノ-プロピル-N,N-ジメチル-アンモニウムグリシネート(例えば、ココアシル-アミノプロピル-ジメチル-アンモニウムグリシネート)、及びそれぞれが8~18個の炭素原子をアルキル基又はアシル基に有する2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシ-エチルイミダゾリン、及びココアシルアミノエチルヒドロキシエチル-カルボキシメチルグリシネートである。特に好ましいのは、コカミドプロピルベタインというCTFA名によって知られている脂肪酸アミド誘導体である。同様に、乳化剤として好適なものには、両性界面活性剤が挙げられる。両性界面活性剤とは、特に、C~C18-アルキル又は-アシル基を含有することに加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と、少なくとも1つの-COOH基又は-SOH基とを、分子中を含有し、かつ分子内塩を形成することが可能なものを意味するものと理解される。好適な両性界面活性剤の例としては、それぞれが、そのアルキル基内に約8~18個の炭素原子を有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシ-エチル-N-アルキルアミド-プロピル-グリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、及びアルキルアミノ酢酸が挙げられる。
【0082】
特に好ましい両性界面活性剤としては、N-ココアルキルアミノ-プロピオネート、ココアシルアミノエチル-アミノ-プロピオネート、及びC12~C18-アシルサルコシンが挙げられる。両性乳化剤に加えて、四級乳化剤も考慮すべきであり、特に好ましいのは、エステルクォートタイプのものであり、好ましくは、メチル-四級化ジ-脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0083】
非イオン性乳化剤は好ましく、8~22個の炭素原子と4~30のEO単位とを有するエトキシ化脂肪族アルコールが好ましい。
【0084】
乳化剤は、組成物の総重量に基づいて、例えば、1~30重量%の、特に4~20重量%の、そして好ましくは5~10重量%の量で使用し得る。しかしながら原理上は、乳化剤の使用を省略することも可能である。
【0085】
本発明による組成物(例えば、クリーム、ジェル、ローション、アルコール溶液、水/アルコール溶液、エマルション、ワックス/脂肪組成物、スティック状調製物、粉末又は軟膏)は、更なる補助剤及び添加剤として、適度の界面活性剤、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、調和剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定化剤、生物起源の活性成分、消臭活性成分、抗ふけ剤、皮膜形成剤、膨張剤、酸化防止剤、ヒドロトロープ剤、防腐剤、防虫剤、自己日焼け剤、可溶化剤、香油、着色剤、防菌剤等を追加的に含有し得る。
【0086】
過脂肪剤として用いるのに好適な物質は、例えば、ラノリン及びレシチン、並びにまたポリエトキシ化又はアクリル化ラノリン及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド及び脂肪酸アルカノールアミドが挙げられ、最後のものは、同時に泡安定化剤としても作用する。
【0087】
好適な適度の界面活性剤すなわち、皮膚に用いるのに特に良く許容される界面活性剤の例としては、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、モノグリセリドサルフェート、モノ-及び/又はジ-アルキルスルホサクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、カルボン酸エーテル、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、及び/又はタンパク質脂肪酸縮合生成物が挙げられ、最後のものは、好ましくは、小麦タンパク質ベースのものである。
【0088】
好適な真珠光沢剤には、例えば:アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価の、非置換又はヒドロキシ置換カルボン酸と、6~22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、特に、酒石酸の長鎖エステル;脂肪族の物質、例えば、少なくとも24個の炭素原子を合計で有する、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテル、及び脂肪族カルボネート、特に、ラウロイル及びジステアリルエーテル;例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、又はベヘン酸のような脂肪酸、12~22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12~22個の炭素原子を有する脂肪族アルコール及び/又は2~15個の炭素原子と2~10個のヒドロキシ基とを有するポリオールとの開環生成物、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0089】
好適な調和剤としては、特に、12~22個の炭素原子、好ましくは16~18個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はヒドロキシ脂肪族アルコール、加えて、部分グリコシド、脂肪酸、及びヒドロキシ脂肪酸が挙げられる。好ましいのは、上の物質を、同じ鎖長のアルキル-オリゴグルコシド及び/又は脂肪酸N-メチルグルカミド、並びに/又はポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレートと組み合わせたものである。好適な増粘剤としては、例えば、Aerosilタイプのもの(親水性ケイ酸)、多糖類(特にキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギン酸塩、及びチロース)、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース、また、比較的高分子量の、脂肪酸のポリエチレングリコールモノ-及びジ-エステル、ポリアクリレート(例えば、Goodrich社製Carbopol(登録商標)又はSigma社製Synthalen(登録商標))、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリ-ビニル-ピロリドン、界面活性剤、例えば、エトキシ化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオールのエステル、例えばペンタエリスリトール又はトリメチロールプロパン、制限された同族分布の脂肪族アルコールエトキシレート、及びアルキル-オリゴグルコシド、並びに電解質、例えば塩化ナトリウム又は塩化アンモニウムが挙げられる。
【0090】
好適なカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン性セルロース誘導体、例えば、Americhol社から、Polymer JR400(登録商標)という名称で入手可能な四級化ヒドロキシメチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、四級化ビニルピロリドン/-ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF社製)、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequal(登録商標)L/Gruau社製)、四級化コムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコン、アジピン酸とジ-メチル-アミノヒドロキシプロピルジエチレン-トリアミンとのコポリマー(Cartaretin(登録商標)/Sandoz社製)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron社製)、例えば、FR-A-2 252 840に記載のポリアミノポリアミド及びその架橋水溶性ポリマー、任意でミクロ結晶として分布された、カチオン性キチン誘導体、例えば四級化キトサン;ジハロアルキルの縮合生成物、例えば、ジブロモブタンとビス-ジ-アルキル-アミンとの縮合生成物、例えば、ビスジメチルアミノ-1,3-プロパン、カチオン性グアーガム、例えば、Jaguar(登録商標)C-17及びJaguar(登録商標)C-16(Celanese社製)、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Mirapol(登録商標)A-15、Mirapol(登録商標)AD-1、Mirapol(登録商標)AZ-1(Miranol社製)、が挙げられる。
【0091】
好適なアニオン性、双性イオン性、両性、及び非イオン性ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートのコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びそのエステル、非架橋ポリアクリル酸及びポリオールで架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシ-プロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びに任意で誘導体化されたセルロースエーテル及びシリコーンが挙げられる。
【0092】
好適なシリコーン化合物としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル-ポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フルオリン-、グリコシド-及び/又はアルキル-変性シリコーン化合物が挙げられ、それらは、室温では、液体又は樹脂状形態であり得る。また好適なものとしては、シメチコンが挙げられ、これらは、平均鎖長200~300ジメチルシロキサン単位のジメチコンと、水素添加したシリケートとの混合物である。なお、Toddらによる好適な揮発性シリコーンの詳細なサーベイは、Cosm Toil.91,27(1976)に更に見出すことができる。
【0093】
脂肪の典型的な例としては、グリセリドが挙げられ、またワックスとしては、特に考慮すべきは、蜜蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、水素添加ひまし油、及び室温では固体の脂肪酸エステル又はマイクロワックスがあり、任意で、例えば、セチルステアリルアルコール又は部分グリセリドのような親水性ワックスと組み合わせることもできる。脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸又はリシノール酸マグネシウム、アルミニウム、及び/又は亜鉛を、安定化剤として使用し得る。
【0094】
生物起源の活性成分としては、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物からの抽出物、及びビタミン錯体が挙げられる。
【0095】
好適な脱臭活性成分としては、例えば、アルミニウムクロロハイドレートのような制汗剤が挙げられる(J.Soc.Cosm.Chem.24,281(1973)を参照)。式Al(OH)Cl×2.5HOに対応するアルミニウムクロロハイドレートは、商標名Locron(登録商標)として知られ、Hoechst AG(Frankfurt,FRG)から市販されているものであるが、特に好ましい(J.Pharm.Pharmacol.26,531(1975)を参照)。クロロハイドレートの他、アルミニウムヒドロキシアセテート及び酸性のアルミニウム/ジルコニウム塩を使用することも可能である。エステラーゼ阻害物質を、更なる脱臭活性成分として添加してもよい。そのような阻害物質としては、好ましくは、トリアルキルシトレート、例えばトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート、及び特に、トリエチルシトレート(Henkel KGaA(Dusseldorf,FRG)製のHydagen(登録商標)CAT)が挙げられ、これらは、酵素活性を阻害して、臭いの発生を抑制するものである。更に好適なエステラーゼ阻害物質としては、ステロールサルフェート又はホスフェート、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スティグマステロール及びシトステロールサルフェート又はホスフェート、ジカルボン酸及びそのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル、並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、又は酒石酸ジエチルエステルが挙げられる。微生物相に影響を及ぼし、かつ汗を分解するバクテリアを殺し、その成長を阻害する抗バクテリア活性成分も、同様に、調剤物(特に、スティック状の調剤物中)中に存在することができる。例としては、キトサン、フェノキシエタノール、及びグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられる。5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)-フェノール(BASF社製Irgasan(登録商標))が、特に効果的であることが判明している。
【0096】
好適な抗ふけ剤としては、例えば、クリンバゾール、オクトピロックス、及びジンクピリチオンが挙げられる。通常使われる皮膜形成剤としては、例えば、キトサン、微結晶性キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸を高濃度で含有する四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸及びその塩、並びに同様の化合物が挙げられる。好適な水相用の膨張剤としては、モンモリロナイト、粘度鉱物物質、Pemulen、及びまたアルキル変性型Carbopol(Goodrich社製)が挙げられる。更に好適なポリマー及び膨張剤は、R.Lochheadによる、レビュー(Cosm.Toil.108,95(1993))に見出せる。
【0097】
主要な光保護物質に加えて、抗酸化剤型の二次的な光保護物質を用いることも可能で、これは、紫外線が皮膚又は毛髪に侵入した際に引き起こされる光化学的反応の連鎖を中断させるものである。そのような抗酸化剤の典型例としては、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン、及びその誘導体、(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えば、α-カロチン、β-カロチン、リコピン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、オーロチオグリコース、プロピルチオウラシル及びその他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、及びグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、及びそれらのグリセリルエステル)、またそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、及び塩)、また、スルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-チオニンスルホキシイミン)を非常に少ない許容量で(例えば、ピコモル~μモル/kg)、また(金属)キレート化剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体、(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノール及びその誘導体、ビタミンC及び誘導体(例えば、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸マグネシウムホスフェート、アスコルビン酸アセテート)、トコフェロール及び誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンA及び誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、またベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸(rutinic acid)及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、樹脂性ノルジヒドログアヤレチン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシ-ブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、N-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオニル]スルファニル酸(及びその塩、例えば、ナトリウム塩)、亜鉛及びその誘導体、(例えば、ZnO、ZnSO)、セレニウム及びその誘導体、(例えば、セレニウムメチオニン)、スチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)並びに、上記の活性成分の好適な本発明による誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、及び脂質)が挙げられる。HALS(=「ヒンダードアミン光安定剤」)化合物もまた言及し得る。存在する抗酸化剤の量は、通常、本発明による化粧品用組成物の重量に基づいて、0.001~30重量%、好ましくは0.01~3重量%である。
【0098】
流動挙動の改善のため、ヒドロトロピック剤、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、又はポリオールを用いることも可能である。その目的に好適なポリオールは、好ましくは2~15個の炭素原子及び少なくとも2個のヒドロキシ基を含む。
【0099】
ポリオールはまた、更なる官能基、特に、アミノ基も含み得、かつ/又は窒素で変性させ得る。典型的な例としては以下のものがある:
-グリセロール;
-アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール)、また100~1000ダルトンの平均分子量を有するポリエチレングリコール;
-1.5~10の固有の縮合度を有する、工業グレードのオリゴグリセロール混合物、例えば、40~50重量%のジグリセロール含有量を有する工業グレードジグリセロール混合物;
-メチロール化合物、例えば特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、及びジペンタエリスリトール;
-低級アルキルグルコシド、特に、アルキルラジカル中に1~8個の炭素原子を有するもの、例えば、メチル及びブチルグルコシド;
-5~12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトール又はマンニトール;
-5~12個の炭素原子を有する糖類、例えば、グルコース又はサッカロース;
-アミノ糖、例えばグルカミン;
-ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミン又は2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
【0100】
好適な防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオール又はソルビン酸が挙げられ、更なる物質のクラスは、Cosmetics RegulationsのパートA及びパートB、スケジュール6に列挙されている。
【0101】
好適な香油としては、天然及び/又は合成芳香族物質の混合物が挙げられる。天然の芳香族物質の代表例としては、例えば、花からの抽出物(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎や葉からの抽出物(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実からの抽出物(アニシード、コリアンダー、キャラウェイ、ジュニパー)、果実の皮からの抽出物(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根からの抽出物(メース、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、ショウブ(calmus))、木からの抽出物(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー、シタン)、ハーブ及び草からの抽出物(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針や棘からの抽出物(トウヒ、マツ、オウシュウアカマツ、女松)、樹脂及びバルサムからの抽出物(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)が挙げられる。動物性原材料もまた考慮され、例えば、麝香及び海狸香が挙げられる。典型的な合成芳香族物質には、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、又は炭化水素型の生成物が挙げられる。
【0102】
エステル型の芳香族物質の化合物としては、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシ-エチルイソブチレート、p-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチル-ベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルマート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、及びベンジルサリチレートが挙げられる。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ;アルデヒドには、例えば、8~18個の炭化水素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルジオナールが挙げられ;ケトンには、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン、及びメチルセドリルケトンが挙げられ;アルコールには、例えば、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、及びテルピノールが挙げられ;炭化水素は、主として、テルペン及びバルサムが挙げられる。しかしながら、さまざまな芳香族物質の混合物を用いて、併せて魅力的な香りを生成するのが好ましい。比較的揮発性が低いエーテルのオイルは、芳香成分として主に用いられるが、それらはまた、香油としても好適であり、例えば、セージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、セイヨウヤマハッカオイル、シナモンの葉のオイル、ライムの花のオイル、ジュニパーベリーのオイル、ベチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバヌムオイル、ラボラナム(labolanum)オイル、及びラバンジンオイルが挙げられる。使用することが好ましいのは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリセ、レモンオイル、タンジェリンオイル、オレンジオイル、アリルアミルグリコーレート、シクロバータル、ラバンジンオイル、マスカテルセージオイル、β-ダマスコーン、ブルボンゼラニウムオイル、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスカー、イソ-E-スーパー、Fixolide NP、エバーニル、イラルデインガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラット、イロチル、及びフロラマットが挙げられ、これらは単独で、又は互いに混ぜた混合物で使用され得る。
【0103】
着色剤としては、化粧品用途に好適で許容される物質は、例えば、出版物の形でまとめられたものとしては「Kosmetische Farbemittel」(the Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft,Verlag Chemie,Weinheim,1984)81~106ページが使用され得る。着色剤は、通常、全混合物の重量に基づいて0.001~0.1重量%の濃度で使用される。
【0104】
バクテリア阻害剤の典型的な例としては、グラム陽性バクテリアに対して特異的な作用を有する防腐剤が挙げられ、例えば、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6-ジ(4-クロロフェニル-ビグアニド)ヘキサン)、又はTCC(3,4,4’-トリクロロカルバニリド)が挙げられる。
【0105】
多くの芳香族物質及びエーテル性オイルもまた、抗バクテリア性を有する。典型的な例としては、クローブオイル、ミントオイル、及びタイムオイル中の、オイゲノール、メントール、及びチモール活性成分が挙げられる。対象となる天然の脱臭剤には、テルペンアルコールファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)が挙げられるが、これは、ライムの花のオイル中に存在する。グリセロールモノラウレートは、静菌剤であることもまた判明している。存在する追加的なバクテリア阻害剤の量は、本発明による化粧品用組成物の固形分含有量に基づいて、通常0.1~2重量%である。
【0106】
本発明による化粧品用組成物は補助剤として、抗発泡剤、例えばシリコーン;構造化剤、例えばマレイン酸;可溶化剤、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、又はジエチレングリコール;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVP、又はスチレン/アクリルアミドコポリマー;錯化剤、例えばEDTA、NTA、β-アラニン-ジ酢酸又はホスホン酸;噴射剤、例えばプロパン/ブタンの混合物、NO、ジメチルエーテル、CO、N、又は空気、いわゆる、カプラー及びデベロッパー成分、例えば酸化染料前駆体、チオグリコール酸及びその誘導体、チオ乳酸、システアミン、チオリンゴ酸、又は還元剤としてα-メルカプトエタンスルホン酸、又は酸化剤として過酸化水素、臭素酸カリウム又は臭素酸ナトリウムを、更に含有し得る。
【0107】
防虫剤としては、例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオール、又は防虫剤3535が挙げられる。
【0108】
好適な自己日焼け剤には、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、又はジヒドロキシアセトンとエリトルロースとの混合物が挙げられる。
【0109】
本発明による化粧品製剤は、非常に多様な化粧品調製物に含まれ得るが、特に、以下の調製物が挙げられる:
-皮膚ケア調製物、例えば、タブレット形態又は液体せっけん、合成洗剤、又は洗剤ペーストの形態の、皮膚洗浄及びクレンジング調製物、
-バス用調製物、例えば、液体(バスフォーム、乳剤、シャワー用調製物)又は固体のバス用調製物、例えば、バスキューブ及びバスソルト;
-皮膚ケア調製物、例えば、皮膚エマルション、マルチエマルション、又は皮膚オイル;
-化粧品パーソナルケア調製物、例えば、顔用メークアップで、デイクリーム又はパウダークリームの形態のもの、おしろい(緩め又は固くプレスされたもの)、口紅又はメークアップクリーム、アイケア調製物、例えば、アイシャドウ調製物、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィクスクリーム;リップケア調製物、例えば、リップスティック、リップグロス、リップ輪郭ペンシル、ネイルケア調製物、例えば、ネイルエナメル、ネイルエナメルリムーバー、ネイル硬膜剤又は角皮除去剤;
-フットケア調製物、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリーム、フットバルサム、特別な脱臭剤、及び制汗剤、又はタコ取り用調製物;
-光保護調製物、例えば、サン乳剤、ローション、クリーム、又はオイル、日焼け防止剤、又はトロピカル剤、日焼け前用調製物、又は日焼け後用調整物;
-皮膚日焼け用調整物、例えば、自己日焼け用クリーム;
-色素沈着除去用調整物、例えば、皮膚の漂白剤、又は美白剤;
-防虫剤、例えば、防虫オイル、ローション、スプレー、又はスティック;
-防臭剤、例えばデオドラントスプレー、ポンプアクションスプレー、デオドラントジェル、スティック、又はロールオン;
-制汗剤、例えば、制汗剤スティック、クリーム、又はロールオン;
-欠陥のある皮膚をクレンジングし、手当をするための調製物、例えば、合成洗剤(固体又は液体)、ピーリング用調製物、スクラブ調製物、又はピーリングマスク;
-化学物質による脱毛(デピレーション)用調製物、例えば、脱毛パウダー、液体の脱毛用調製物、クリーム状又はペースト状脱毛調製物、ジェル又はエアゾール状の脱毛調製物;
-シェービング用調製物、例えば、シェービングソープ、発泡シェービングクリーム、非発泡シェービングクリーム、泡及びジェル、ドライシェービングのためのプリシェーブ用調製物、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション;
-フレグランス用調製物、例えば、フレグランス(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、香水)、パフュームオイル、又はパフュームクリーム;
-化粧用ヘアトリートメント用調製物、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の洗髪用調製物、ヘアケア用調製物、例えば、前処理用調製物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中的ヘアトリートメント、髪の毛にハリとコシを付与する調製物、例えば、パーマ用ヘアウェービング調製物(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、縮毛矯正用調製物、液体のヘアセット用調製物、ヘアフォーム、ヘアスプレー、ブリーチング用調製物、例えば、過酸化水素溶液、美白シャンプー、ブリーチングクリーム、ブリーチングパウダー、ブリーチングペースト又はオイル、一時的、半永久的、又は永久的な毛染め剤、自己酸化染料を含有する調製物、又は天然のヘア着色剤、例えば、ヘナ又はカモミール。
【0110】
最終的な製剤は、非常に多様な提示形態で存在し得るが、例えば:
-液体調製物の形態、例えばW/O、O/W、O/W/O、W/O/W、又はPITエマルション、及びすべての種類のマイクロエマルション、
-ジェル形態、
-オイル、クリーム、乳液、又はローションの形態、
-パウダー、ラッカー、タブレット、又はメークアップ剤の形態、
-スティックの形態、
-スプレー(噴射用高圧ガス入りスプレー又はポンプ式スプレー)又はエアロゾルの形態、
-泡の形態、又は
-ペーストの形態、が挙げられる。
【0111】
重要な皮膚用化粧品用組成物に、光保護用調製物があり、例えば、サン乳液、ローション、クリーム、オイル、日焼け防止剤、又はトロピカル、日焼け前用調製物、又は日焼け後用調製物、また、皮膚日焼け用調製物、例えば、自己日焼け用クリームが挙げられる。特に重要なものには、サンプロテクションクリーム、サンプロテクションローション、サンプロテクションオイル、サンプロテクションミルク、及びスプレーの形態のサンプロテクション調製物が挙げられる。
【0112】
重要な毛髪用化粧品用組成物としては、上記のヘアトリートメント用調製物があり、特に、シャンプーの形態の洗髪用調製物、ヘアコンディショナー、ヘアケア用調製物があり、例えば、前処理用調製物、ヘアトニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中的ヘアトリートメント、縮毛矯正用調製物、液体のヘアセット用調製物、ヘア用フォーム、及びヘアスプレーが挙げられる。特に重要なのは、シャンプーの形態の洗髪用調製物である。
【0113】
シャンプーは、例えば、以下の組成を有する:
0.01~5重量%の、本発明による紫外線吸収性組成物、
12.0重量%の、ラウレスナトリウム-2-サルフェート、
4.0重量%の、コカミドプロピルベタイン、
3.0重量%の塩化ナトリウム、及び
100%にするための水。
【0114】
特に、以下の、美髪用配合が用いられ得る:
)本発明による紫外線吸収剤、PEG-6-C10オキソアルコール、及びソルビタンセスキオレエートからなる自発的に乳化する原料配合で、それに対して、水及び任意の所望の四級アンモニウム化合物、例えば、4%のミンカミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクオタニウム80が添加される;
)本発明による紫外線吸収剤、トリブチルシトレート、及びPEG-20-ソルビタンモノオレエートからなる自発的に乳化する原料配合で、それに対して、水及び任意の所望の四級アンモニウム化合物、例えば、4%のミンカミドプロピル-ジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクオタニウム80が添加される;
b)ブチルトリグリコール及びトリブチルシトレートに本発明による紫外線吸収剤を溶かした第四級アンモニウム化合物をドープした溶液;
c)本発明による紫外線吸収剤とn-アルキルピロリドンとの混合物又は混合溶液。
【0115】
以下の実施例は本発明の原理及び慣行を例示するものであるが、それらに限定されるものではない。
【0116】
方法
HPLCによる、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸、及び3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステルの判定。
【0117】
作業範囲:双方の化合物の濃度を、0.02重量%~10重量%の範囲で判定可能。
【0118】
溶媒:水(HPLC品質)、アセトニトリル(HPLC品質)、テトラヒドロフラン(HPLC品質)、テトラブチルアンモニウム水素サルフェート(TBAHS)(HPLC品質)
カラム:Eclipse XDB C8 4.6150mm 5μm
移動相A:水-アセトニトリル9:1+TBHS 2g/L
移動相B:アセトニトリル-テトラヒドロフロン1:1
流量:1.1mL/分
注入量:10μL
炉温度:50℃
検出波長:302nm
【0119】
【表2】
【0120】
キャリブレーション:定量化は、1点キャリブレーションによって実行。約10mgの酸エステルを、100mLの茶色のメスフラスコにて計量し、テトラヒドロフランで満たす。サンプルを約5分間、超音波浴で溶解させ、溶液を分析する。溶液をテトラヒドロフランで1:10に希釈する。
【0121】
紫外線吸収性組成物の加水分解
100mgの紫外線吸収性組成物を、100mLの混合溶媒(70部のテトラヒドロフラン/30部の0.1NのNaOH)に溶解させ、水を2~3滴加える。サンプルは完全に溶解していなければならず、そうでない場合には、水を数滴添加する必要がある。混合液を、50℃で2時間、ドライキャビネット内で加熱する。室温まで冷やした後、この溶液1mLを、100mLのメスフラスコに移し、テトラヒドロフランで満たす。HPLCで、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸の含有量を分析する。
【0122】
共有結合クロモフォアの量:
クロモフォアの量を、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジ-メチル-エチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸の重量パーセントとして計算する。
【0123】
共有結合クロモフォアの量を以下のようにして決定する:
反応生成物のHPLC分析(非結合クロモフォアの判定)
【0124】
【表3】
【0125】
完全に加水分解した反応生成物のHPLC分析(非結合及び結合クロモフォアの判定)
【0126】
【表4】
【0127】
共有結合クロモフォアの量T(%):
T=C-(A+E)=C-S
【0128】
紫外分光法による、343nmでの、E(1%/1cm)の判定:
分光光度計ラムダ950S(又は同等品)
セルタイプ:水晶、10mm
基準:1.4-ジオキサン
温度:約25℃
溶媒:1.4-ジオキサン(分光測光法グレード)
【0129】
テスト溶液の調製:約25mgのサンプルを、精密はかりで、100.0mL(Vs)のメスフラスコに計量する。メスフラスコを、マークのところまで、1.4-ジオキサンで満たす。この溶液10.0mL(V)を、1.4-ジオキサンで、100.0mL(Vf)にまで希釈する。この溶液の吸光度を、290~450nmで測定する。
【0130】
E(1%/1cm)の計算:
重量w(mg)
原料溶液の総体積Vs
原料溶液の、使用した分の体積V
溶液の最終的な体積Vf
セルd=10mm
波長最大λ=343nm
343nmでの測定吸光度A
【0131】
【数1】
ヘッドスペースGC-MSによるメタノールの判定
標準:メタノール
溶媒:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン=DMI
オートサンプラー:Agilent G 1888 Headspace
温度:炉:100℃、ループ:110℃、移転ライン:130℃
シェーキング:高
圧力(kPa(psi)):キャリア:123(17.8)、バイアル:89.6(13.0)
タイミング(分)バイアル平衡:30.0
圧力:3.00
ループフィル:0.20
ループ平衡:0.05
インジェクト:1.00
ガスクロマトグラフ:Agilent 6890
インジェクション技法:スプリット、30mL He/分
カラム:DB-VRX、フィルム厚1.4μm、60m×0.25mm
キャリアガス:He、1.0mL/分
温度:インジェクタ:220℃
炉:2分50℃//10℃/分で260℃に//等温15分間
検出器:Agilent 5973 Inert Mass Selective検出器
EMボルト:1718
溶媒ディレイ:0.00;検出器オフ:15.0分
SIM方式:コンポーネントイオン、メタノール31
【0132】
メタノール濃度を得られたピークエリアに対してプロットすることにより、標準較正曲線が生成される。
y=mx+b
yピークエリア
m傾き
xメタノールの濃度(mg/100mL)
b y切片
x(mg/100mL)=(y-b)/m
【0133】
GPCによる分子量分布
方法:ゲル透過クロマトグラフィ(RI検出付)
標準:EasiVial GPC/SEC Calibration Standards PSS 部品番号:PL2010-0201 Agilent
溶媒:テトラヒドロフラン(HPLC品質)、ジエタノールアミンpuriss p.a.
装置:Malvern Viscotek RI-検出器付
【0134】
【表5】
【0135】
ガードナー色
スペクトル色測定Lange、LICO 300による;アジピン酸ジブチル(セチオールB)中、紫外線吸収性組成物30%溶液使用。
【0136】
DSCによるガラス転移温度(T)の判定
示差走査熱量計(DSC 822e、Mettler Toledo社製)、40μLアルミニウムるつぼ、マイクロスケール(MX5、Mettler Toledo社製)。炉は窒素パージを行う。
【0137】
手順:3~7mgのサンプルを、マイクロスケールを使って、アルミニウムるつぼに入れる。るつぼを、アルミニウム製のカバーで密閉する。1つのサンプルにつき2つのるつぼを用意する。用意したるつぼをDSC装置に入れ、本方法を以下に説明する通りに開始する。
【0138】
第1スキャン:-30℃~200℃、10℃/分の加熱速度で加熱
第2スキャン:-30℃まで、-10℃/分の冷却速度で冷却
第3スキャン:-30℃~200℃、10℃/分の加熱速度で加熱
【0139】
第3スキャンは、ガラス転移温度の判定に用いる。
【0140】
ガラス転移温度の平均値を計算する。
【0141】
誘導結合プラズマ発光分光法(ICP-AES)により、Snを判定する。
【0142】
PTFEベッセル内で、加圧湿式分解によってサンプルの調製を行う:約200mgのサンプルを、3mLのHNOで、約150℃の温度で6時間処理し、その後室温まで冷却する。得られた溶液を、脱イオン水で希釈して、最終的な体積を20mLとし、直接ICP-AESで測定する。
【0143】
キャリブレーションを、外部の標準的な方法で、市販のエレメント標準溶液を用いて実施する。典型的な装置としては、Varian Vista Pro ICP-AES又はAgilent 5100 ICP-AES分光計が使用できる。
【0144】
評価用の指定波長:Sn、189.924nmを量的評価に、133、138、143、146、及び284nmを、干渉の可能性のチェック用に用いる。
【0145】
化粧用溶媒への溶解度の判定
800mgの粉砕したUVフィルターを、ガラス製容器中の1200mgの溶媒に懸濁させる。磁気式攪拌棒を加える。容器を閉じて、一晩、室温(20~30℃)で攪拌する。攪拌棒がガラス容器にくっついていないか常にチェックすること。仕様:透明又はわずかに濁った溶液
化粧用溶媒:ジカプリリルカーボネート(セチオールCC、BASF社製)、C12~15アルキルベンゾエート(セチオールAB、BASF社製)、アジピン酸ジブチル(セチオールB、BASF社製)
【実施例
【0146】
ポリグリセロール
ポリグリセロールを、国際公開第2002 036534号、米国特許出願公開第2002 0058781号、及び米国特許第6620904号に記載されているように調製する。CaO又はCa(OH)を触媒として用いる。グリセロール、ジグリセロール、及びそのほかの低分子画分を、例えば、ある一定程度の品質を得るため短行程蒸留により反応生成物から取り除く。
【0147】
ポリグリセロールの特性:黄色から茶色の材料;室温で非常に高い粘度、ヒドロキシル価:800~1000、水含有量:0.2%未満、グリセロール及びジグリセロール:5.5%未満(誘導体化後、シリル化剤を用いて、GCで判定)。
【0148】
実施例A1:3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸とポリグリセロールとのエステル交換反応生成物
3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸(605.8g)を、窒素インレット、デフレグメーター(120℃)、及び撹拌機を装備したガラス反応容器に入れる。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸を溶融させるため、温度を227℃にセットする。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸が完全に溶融したら直ぐに、スズ-(II)-2-エチル-ヘキサノエート(0.48g)を添加し、反応容器を860mbarにまで排気する。反応温度220~225℃と圧力30mbarを維持しながら、溶融ポリグリセロール(207.1g)を1時間以内にチャージする。メタノールを留去する。その後、5~8mbarまで、225℃で徐々に減圧し、反応生成物を16~18時間にわたり攪拌し、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルと3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸との総濃度を1.0%未満とする。反応混合物の組成を、HPLCによりモニターする。周囲の温度まで冷却した後、紫外線吸収性ポリマー組成物(756.3g)が、黄色から琥珀色のガラス状の固体として得られる。
【0149】
【表6】
【0150】
【表7】
【0151】
実施例A2:紫外線吸収性組成物:3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステルとポリグリセロールとのエステル交換反応生成物
3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステル(630.9g)を、窒素インレット、デフレグメーター(120℃)、及び撹拌機を装備したガラス反応容器に入れる。3-(2H-ベンゾ-トリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルを溶融させるため、温度を227℃にセットする。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルが完全に溶融したら直ぐに、スズ-(II)-2-エチル-ヘキサノエート(0.48g)を添加し、反応容器を860mbarにまで排気する。反応温度220~225℃と圧力30mbarを維持しながら、溶融ポリグリセロール(206.9g)を1時間以内にチャージする。メタノールを留去する。その後、5~8mbarまで、225℃で徐々に減圧し、反応生成物を16~18時間にわたり攪拌し、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルと3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸との総濃度を1.0%未満とする。反応混合物の組成を、HPLCによりモニターする。周囲の温度まで冷却した後、紫外線吸収性ポリマー組成物(750.3g)が、黄色から琥珀色のガラス状の固体として得られる。
【0152】
【表8】
【0153】
【表9】
【0154】
実施例A3:紫外線吸収性組成物:3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステルとポリグリセロールとのエステル交換反応生成物
3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステル(630.84g、1.785モル)を、窒素インレット、デフレグメーター(120℃)、及び撹拌機を装備したガラス反応容器に入れる。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルを溶融させるため、温度を197℃にセットする。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルが完全に溶融したら直ぐに、スズ-(II)-2-エチル-ヘキサノエート(0.47g、1.2mmol)を添加し、反応容器を850mbarにまで排気する。反応温度185~190℃を維持しながら、溶融ポリグリセロール(206.3g)を1時間以内にチャージする。メタノールを留去する。その後、5~8mbarまで、197℃で徐々に減圧し、反応生成物を48時間にわたり攪拌し、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルと3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸との総濃度を1.0%未満とする。反応混合物の組成を、HPLCによりモニターする。周囲の温度まで冷却した後、紫外線吸収性ポリマー組成物(748.5g)が、黄色から琥珀色のガラス状の固体として得られる。
【0155】
【表10】
【0156】
【表11】
【0157】
実施例A4:紫外線吸収性組成物:3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステルとポリグリセロールとのエステル交換反応生成物
100mLのガラスフラスコを、攪拌加熱ブロック内に配置し、ポリグリセロール(2.9g)をフラスコ内に移した。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステル(8.8g、25mmol)及びスズ-(II)-2-エチルヘキサノエート(0.029g、0.072mmol)を添加する。窒素を流しながら、混合物を溶融させ、195℃まで加熱する。その後、装置を、ゆっくりと5mbarまで排気する。反応混合物を、真空下195℃で約16時間、更に250℃で約24時間激しく攪拌する。周囲の温度まで冷却した後、紫外線吸収性ポリマー組成物(10.3g)が、茶色のガラス状の固体として得られる。
【0158】
【表12】
【0159】
【表13】
【0160】
実施例A5:紫外線吸収性組成物:3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステルとポリグリセロールとのエステル交換反応生成物
3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステル(1000.0g)を、窒素インレット、デフレグメーター(120℃)、及び撹拌機を装備したガラス反応容器に入れる。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルを溶融させるため、温度を191℃にセットする。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルが完全に溶融したら直ぐに、反応容器を850mbarにまで排気する。反応温度185~190℃を維持しながら、溶融ポリグリセロール(325.7g)を1時間以内にチャージする。メタノールを留去する。その後、5~8mbarまで、197℃で徐々に減圧し、反応生成物を44時間にわたり攪拌し、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルと3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸との総濃度を1.0%未満とする。反応混合物の組成を、HPLCによりモニターする。周囲の温度まで冷却した後、紫外線吸収性ポリマー組成物(1200g)が、黄色から琥珀色のガラス状の固体として得られる。
【0161】
【表14】
【0162】
【表15】
【0163】
実施例A6:紫外線吸収性組成物:3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸メチルエステルとポリグリセロールとのエステル交換反応生成物
3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステル(306.0kg)を、アルゴンインレット、デフレグメーター(120℃)、及び撹拌機を装備したガラスライニング鋼反応容器に入れる。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルを溶融させるため、温度を195℃にセットする。3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルが完全に溶融したら直ぐに、反応容器を850mbarにまで排気し、スズ-(II)-2-エチルヘキサノエート(20.0kg)を添加する。反応温度185~190℃を維持しながら、溶融ポリグリセロール(105.0kg)を1~2時間以内にチャージする。メタノールを留去する。その後、5~8mbarまで、195℃で徐々に減圧し、反応生成物を72時間にわたり攪拌し、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸メチルエステルと3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸との総濃度を1.0%未満とする。反応混合物の組成を、HPLCによりモニターする。周囲の温度まで冷却した後、紫外線吸収性ポリマー組成物(384kg)が、黄色から琥珀色のガラス状の固体として得られる。
【0164】
【表16】
【0165】
【表17】
【0166】
共有結合クロモフォアの量
75.8%-0.6%=75.2%(クロモフォア、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼン-プロパン酸として判定)。
【0167】
【表18】
【0168】
〔実施の態様〕
(1) 次式:
【化16】
のポリマー化合物を含み、
式中、n及びmは、互いに独立に、0~20の数であり、かつm及びnのうち少なくとも一方は1以上である、紫外線吸収性ポリマー組成物。
(2) 前記ポリマー化合物が、500超の平均分子量(M)を有する、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記ポリマー化合物が、少なくとも300の、344nmでの紫外線吸収性(E 1%、1cm)を有する、実施態様1に記載の組成物。
(4) 前記組成物が、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステル、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-、メタノール、及びスズからなる群から選択される少なくとも1つの成分を追加的に含む、実施態様1に記載の組成物。
(5) 少なくとも1.1%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステルを含む、実施態様4に記載の組成物。
【0169】
(6) 少なくとも1.1%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-を含む、実施態様4に記載の組成物。
(7) 少なくとも1.5%の、ベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-と、3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-,メチルエステルとの混合物を含む、実施態様4に記載の組成物。
(8) 少なくとも700ppmのスズを含む、実施態様4に記載の組成物。
(9) 本質的にスズを含まない、実施態様1に記載の組成物。
(10) 少なくとも3000ppmのメタノールを含む、実施態様4に記載の組成物。
【0170】
(11) 1~8のガードナー値を有する、実施態様1に記載の組成物。
(12) 30%超の、ヘキサン二酸,1,6-ジブチルエステル中の溶解度を有する、実施態様1に記載の組成物。
(13) 30%超の、C12~15のアルキルベンゾエートエステル中の溶解度を有する、実施態様1に記載の組成物。
(14) 共有結合クロモフォアの量が、70重量%超である、実施態様1~13のいずれかに記載の組成物。
(15) 9~11%の窒素含有量を有する、実施態様1に記載の組成物。
【0171】
(16) 実施態様1に記載の紫外線吸収性ポリマー組成物を含む、化粧品用組成物。
(17) 前記組成物の総重量に基づいて、0.1~50重量%の前記紫外線吸収性ポリマー組成物と、化粧品用として許容される補助剤とを含む、実施態様16に記載の化粧品用組成物。
(18) (1)式
【化17】
に対応する、粒子形状の5,6,5’,6’-テトラフェニル-3,3’-(1,4-フェニレン)ビス(1,2,4-トリアジン)の水分散液;
(2)ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(3)ブチルメトキシジベンゾイルメタン;
(4)ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;
(5)エチルヘキシルトリアゾン;
(6)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート;
(7)エチルヘキシルメトキシシンナメート;
(8)エチルヘキシルサリチレート;
(9)ホモサラート;
(10)オクトクリレン;
(11)メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
(12)フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
(13)二酸化チタン;
(14)トリス-ビフェニルトリアジン;及び
(15)(2-{4-[2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンゾイル)-ベンゾイル]-ピペラジン-1-カルボニル}-フェニル)-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-フェニル)-メタノン;
(16)BBDAPT;安息香酸,4,4’-[[6-[[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]-1ジシロキサニル]プロピル]アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ]ビス-,ジブチルエステル;
(17)ベンジリデンマロネート;
(18)メロシアニン誘導体;
(19)ビス(ブチルベンゾエート)ジアミノトリアジンアミノプロピルシロキサン;
(20)ポリマーマトリックスに封入された、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
(21)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[(2-エチルヘキシルオキシ)メチル]-4-メチルフェノール;
(22)2-プロペン酸,3-(4-メトキシフェニル)-,2-メチルフェニルエステル;及び
(23)酸化亜鉛;からなる群から選択されるUVフィルターを更に含み、
薬学的に又は化粧品として許容できる賦形剤もまた含有する、実施態様16又は17に記載の化粧品用組成物。