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特許7076984ハイブリッド熱間静水圧プレス(HIP)プロセスを介してターボ機械の高温部品の欠陥を修理する方法
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  • 特許-ハイブリッド熱間静水圧プレス(HIP)プロセスを介してターボ機械の高温部品の欠陥を修理する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】ハイブリッド熱間静水圧プレス(HIP)プロセスを介してターボ機械の高温部品の欠陥を修理する方法
(51)【国際特許分類】
   B30B 5/02 20060101AFI20220523BHJP
   B30B 11/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B30B5/02 A
B30B11/00 E
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017215175
(22)【出願日】2017-11-08
(65)【公開番号】P2018144105
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2020-11-02
(31)【優先権主張番号】102016000116950
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】特許業務法人坂本国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】パオロ・モーラ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル・マシ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンセンツォ・ブランセティ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・コンスタンティノ
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-116702(JP,A)
【文献】特表2001-510236(JP,A)
【文献】国際公開第93/017819(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 5/02
B30B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱間静水圧プレス方法であって、
構造的不完全性の影響を受けた構成部品を漏れのない容器(11)に配置するステップと、
前記容器(11)内に媒体(12)を導入して、前記構成部品を完全に埋め込むステップと、
前記容器(11)をガス抜きして、前記容器(11)内からガスおよび水蒸気を除去するステップと、
前記容器(11)に前記媒体(12)を充填し、前記容器(11)をガス抜きするために使用される前記容器(11)の開口部を密封するステップと、
前記容器(11)を、熱間静水圧プレス装置の加圧加熱容器(10)内に配置するステップと、
前記容器(11)を、所定の保持時間間隔で所定の圧力および温度で加圧および加熱するステップと、
前記容器(11)から前記構成部品を取り出すステップと、
浄を前記取り出した構成部品に施すステップと、
を含み、
前記媒体(12)が、処理中の前記構成部品の大きな構造的不完全性の最小寸法より大きい寸法の、粉末または粒子の形態の非金属材料を含み、
前記所定の温度が、480℃(896°F)~1300℃(2400°F)の範囲である、方法。
【請求項2】
熱間静水圧プレス方法であって、
構造的不完全性の影響を受けた構成部品を漏れのない容器(11)に配置するステップと、
前記容器(11)内に媒体(12)を導入して、前記構成部品を完全に埋め込むステップと、
前記容器(11)をガス抜きして、前記容器(11)内からガスおよび水蒸気を除去するステップと、
前記容器(11)に前記媒体(12)を充填し、前記容器(11)をガス抜きするために使用される前記容器(11)の開口部を密封するステップと、
前記容器(11)を、熱間静水圧プレス装置の加圧加熱容器(10)内に配置するステップと、
前記容器(11)を、所定の保持時間間隔で所定の圧力および温度で加圧および加熱するステップと、
前記容器(11)から前記構成部品を取り出すステップと、
洗浄を前記取り出した構成部品に施すステップと、
を含み、
前記媒体(12)が、処理中の前記構成部品の大きな構造的不完全性の最小寸法より大きい寸法の、粉末または粒子の形態の非金属材料を含み、
前記所定の保持時間間隔が2時間以上であるか、または前記構成部品が製造中にHIPサイクルに供される場合、前記構成部品の前記製造中に実施されるHIPサイクルの保持時間の120%以上であるかのいずれかである、方法。
【請求項3】
熱間静水圧プレス方法であって、
構造的不完全性の影響を受けた構成部品に第1の洗浄を施すステップと、
前記構成部品を漏れのない容器(11)に配置するステップと、
前記容器(11)内に媒体(12)を導入して、前記構成部品を完全に埋め込むステップと、
前記容器(11)をガス抜きして、前記容器(11)内からガスおよび水蒸気を除去するステップと、
前記容器(11)に前記媒体(12)を充填し、前記容器(11)をガス抜きするために使用される前記容器(11)の開口部を密封するステップと、
前記容器(11)を、熱間静水圧プレス装置の加圧加熱容器(10)内に配置するステップと、
前記容器(11)を、所定の保持時間間隔で所定の圧力および温度で加圧および加熱するステップと、
前記容器(11)から前記構成部品を取り出すステップと、
洗浄を前記取り出した構成部品に施すステップと、
を含み、
前記媒体(12)が、処理中の前記構成部品の大きな構造的不完全性の最小寸法より大きい寸法の、粉末または粒子の形態の非金属材料を含む、方法。
【請求項4】
前記所定の保持時間間隔が2時間以上であるか、または前記構成部品が製造中にHIPサイクルに供される場合、前記構成部品の前記製造中に実施されるHIPサイクルの保持時間の120%以上であるかのいずれかである、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の温度が、480℃(896°F)~1300℃(2400°F)の範囲である、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
シム、プラグ、パッチフィット、インサートおよびタグからなるから選択された金属チップが、前記構成部品の大きな構造的不完全性の最小寸法、したがって前記媒体(12)の寸法を低減させるために、前記構成部品の構造的不完全性の少なくとも1つに結合される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
熱間静水圧プレス方法であって、
構造的不完全性の影響を受けた構成部品を漏れのない容器(11)に配置するステップと、
前記容器(11)内に媒体(12)を導入して、前記構成部品を完全に埋め込むステップと、
前記容器(11)をガス抜きして、前記容器(11)内からガスおよび水蒸気を除去するステップと、
前記容器(11)に前記媒体(12)を充填し、前記容器(11)をガス抜きするために使用される前記容器(11)の開口部を密封するステップと、
前記容器(11)を、熱間静水圧プレス装置の加圧加熱容器(10)内に配置するステップと、
前記容器(11)を、所定の保持時間間隔で所定の圧力および温度で加圧および加熱するステップと、
前記容器(11)から前記構成部品を取り出すステップと、
洗浄を前記取り出した構成部品に施すステップと、
を含み、
前記媒体(12)が、処理中の前記構成部品の大きな構造的不完全性の最小寸法より大きい寸法の、粉末または粒子の形態の非金属材料を含み、
シム、プラグ、パッチフィット、インサートおよびタグからなるから選択された金属チップが、前記構成部品の大きな構造的不完全性の最小寸法、したがって前記媒体(12)の寸法を低減させるために、前記構成部品の構造的不完全性の少なくとも1つに結合される、方法。
【請求項8】
前記所定の圧力が、500バール(7250psi)~3000バール(43500psi)の範囲の加圧された不活性ガスを介して加えられる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の圧力が1000バール(14500psi)以上である、請求項項に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の温度が1000℃(1832°F)以上である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記非金属材料が、酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、ならびに酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物およびホウ化物の任意の混合物からなる群から選択される粉末または粒子の形態のセラミックス材料である、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記非金属材料が、アルミナ、マグネシア、シリカおよびジルコニアからなる群から選択される酸化物である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記非金属材料が、TiN、窒化ケイ素および窒化ホウ素からなる群から選択される窒化物である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記非金属材料が、TiC、WC、炭化ケイ素および炭化ホウ素を含む群から選択される炭化物である、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記構成部品の前記第1の洗浄が、化学的洗浄、機械的洗浄、水素熱サイクル、またはフッ化物イオン洗浄(FIC)によって行われる、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記取り出した構成部品の前記洗浄が、化学的洗浄または機械的洗浄によって行われる、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記取り出した構成部品の前記洗浄が、選択的エッチングまたは機械的解離によって行われる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド熱間静水圧プレス(HIP)プロセスを介してターボ機械の高温部品の欠陥を修理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題は、熱間静水圧プレス(HIP)として公知の技術に基づく、ターボ機械の高温部品の新しい修理方法に関する。熱間静水圧プレスは、典型的には、材料の機械的特性および製造プロセスの収率を改善するために、金属の気孔率および内部欠陥を低減させるために使用される製造プロセスである。
【0003】
HIPプロセスは、高圧容器内に配置された処理すべき構成部品を、高温および高圧の両方に供し、加圧ガスを用いて構成部品に静水圧様式を適用する。不活性ガスが最も広く使用されているため、処理すべき材料はプロセス中に化学反応することがない。
【0004】
HIPプロセスは、典型的には、引け巣および他の内部鋳造欠陥を修正または低減するために使用される。熱と高圧を同時に加えることにより、塑性変形、クリープ、および拡散結合の組み合わせを介して内部空隙および細孔率のような材料の傷を除去または低減し、したがって処理すべき部品の機械抵抗、特に疲労を改善する。
【0005】
さらに、HIPは、粉体の固結、および拡散結合(2以上の部品の固相接合)(例えば、金属クラッディングまたは融合プロセスによって溶接できない材料の結合、異種金属同士の結合)に使用することができる。
【0006】
HIPは、インベストメント鋳造プロセスおよび粉末冶金プロセスによって得られる金属構成部品の構造的欠陥を修正するために広く使用されている。前記構成部品は、限定するものではないが、ガス気孔、引け巣、亀裂、熱間割れ、融合または結合の内部欠如、および冶金的欠陥のような多くの内部欠陥の可能性を有する。インベストメント鋳造または粉末冶金プロセスの完了後、得られた金属構成部品を慎重に検査して、欠陥の可能性を特定する。内部欠陥は、通常、HIPプロセスによって修正される。上記の欠陥を修正するための代替プロセスは、溶接およびろう接である。この代替プロセスは、静的部品を修理または復元するために広く採用されているが、回転部品、特に重要部品には適用が限定されている。これらの方法は、典型的には重要な欠点:高価で、実行するのが難しく、時間がかかる、機械加工や機械的な処理によって構成部品を清浄化する必要を示す。HIPによって駆動される高圧および高温は、埋め込まれた不連続性(亀裂、気孔率、空洞など)のみを修正することができる。
【発明の概要】
【0007】
先行技術の欠点を考慮して、本開示の主題の第1の実施形態は、ハイブリッド熱間静水圧プレスプロセスを介して、ターボ機械の欠陥を修復または部品を復元するための新しい方法を対象とする。
【0008】
この方法は、処理すべき構成部品に第1の洗浄を施し、次に密閉金属容器、例えばキャニスターに前記構成部品を非金属材料とともに配置し、前記容器に静水圧および高温を加えるステップを含む。前記静水圧および高温は、処理中の構成部品の材料を押圧する温度と力との組み合わせを生成するために、前記非金属材料媒体を介して埋め込まれた構成部品の表面全体に伝達され、埋め込まれていても、埋め込まれていなくても構成部品それ自体の傷を低減する。
【0009】
典型的には、しかし排他的ではなく、非金属媒体は粉末または粒子の形状で提供され、その大きさは、前記非金属媒体が構成部品の自然欠陥に浸透できなくするために、処理中の構成部品の大きな欠陥の最小寸法より大きい。このようにして、非金属媒体は、処理中の部品の表面全体にのみ力および熱を外側から加え、したがって熱および力がバルク材料に伝わり、自然欠陥を修正する。
【0010】
処理の完了後、非金属媒体は、化学的洗浄または機械的洗浄、例えば選択的エッチングまたは機械的解離またはそれらの組み合わせなどの選択的操作を含む第2の洗浄段階によって容易に除去することができる。
【0011】
さらに、本発明によるHIPプロセスで使用される非金属媒体は、処理すべき構成部品の金属の融合温度より高い融合温度によって特徴付けられる。これにより、構成部品の自然欠陥の中で、媒体の浸透や媒体から発生する可能性のある汚染を回避することができる。
【0012】
本発明のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点が、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を検討することによって、よりよく理解されると考えられ、添付の図面において、類似の文字は、図面の全体を通して類似の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明のHIPプロセスの典型的な圧力容器の正面断面の概略図を示す。
図2図2は、本発明のHIPプロセスの典型的な圧力容器の上部断面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態を参照すると、採用されるHIP装置は最先端のHIP装置であり得る。
【0015】
HIP装置は、一般に、HIP処理容器10と、容器10を圧力下に保持するように構成されたプレスフレームとを備える。処理容器は、次に、漏れがなく、好ましくはヒーターおよび断熱層を収容する
処理すべき不良構成部品(上記欠陥の影響を受けた構成部品)は、成形体、鋳造体、インベストメント鋳造体、粉末金属加工によって得られたものであってもよい。金属の例としては、超硬合金、高速度鋼、ダイス鋼、ステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金、モリブデン合金、コバルト合金および一般に超合金として知られているすべての金属が挙げられる。
【0016】
処理すべき構成部品は、次のステップに悪影響を及ぼす可能性がある汚染物質を除去するために、第1の洗浄に供される。前記第1の洗浄は、化学的洗浄、機械的洗浄、水素熱サイクルまたはフッ化物イオン洗浄(FIC)によって行うことができる。機械的洗浄は、選択的エッチングまたは機械的解離を含む群において選択することができる。
【0017】
処理すべき構成部品は、金属密閉容器11内に配置される。処理中の構成部品がHIP処理のために配置されている前記金属容器11は漏れがないことが必要であり、したがって、一般に前記金属容器11に対して事前にリーク試験が行われる。前記容器11を製造するために使用される典型的な材料は、低炭素鋼およびステンレス鋼であるが、Ni合金、コバルト合金、Ti合金などのようにHIPプロセス条件を乗り切るように適合された任意の材料を使用することができる。次いで、処理中の構成部品を完全に埋め込むように、媒体12が金属容器11内に導入される。非金属媒体12は、典型的には、しかし排他的ではなく、粉末または粒子の形状(しかし他の形状も選択可能である)で提供され、その大きさは、前記非金属媒体12が構成部品の自然欠陥に浸透できなくするために、処理中の構成部品の大きな欠陥の最小寸法より大きい。前記媒体12は、典型的には、適切な充填管を介して前記金属容器11に導入される。選択された媒体12で容器11を完全に充填することにより、プロセスの正しい動作が保証されるが、それでもなお、プロセスの効率を最大にするためには、前記容器11内に前記媒体12を最大かつ均一に充填することが好ましく、例えば、典型的には、前記容器11の充填中に振動運動を加える事前圧縮プロセスを採用することによって得られる。
【0018】
この時点において、処理すべき構成部品を含み、選択された媒体12によって充填される容器11は、存在する可能性があって、処理すべき構成部品の傷に流入することによってプロセスの正しい動作を妨げる気体を排出する。この操作は、典型的にはガス抜きと呼ばれ、欠陥を形成する表面の適切な結合を保証するためには非常に重要である。処理すべき構成部品の自然欠陥にガスが浸透しないことが必要であり、さもなければ、適切な結合が起こらない。このため、容器11のガス抜きを行うために使用される開口部も密封される。最後に、容器11をHIPユニットの容器10の中に入れ、HIPプロセスを実行する。
【0019】
重要な用途の場合、充填操作は、不活性ガスまたは真空下で行われ、媒体12および/または構成部品が金属容器11に導入されたときに、その汚染野リスク最小化することができる。
【0020】
不活性ガスは、通常、HIPプロセス中に加圧ガスとして使用される。典型的には、アルゴンガスが使用される。
【0021】
さらに、HIPプロセスの間、温度、不活性ガスの圧力および保持時間は、処理中の構成部品の材料の種類および使用される媒体12の材料の種類に応じて変更される。
【0022】
本発明によるハイブリッド熱間静水圧プレス(HIP)プロセスで使用される非金属媒体は、例えば、酸化物(アルミナ、マグネシア、シリカ、ジルコニアなど)、窒化物(TiN、窒化ケイ素、窒化ホウ素など)、炭化物(TiC、WC、炭化ケイ素、炭化ホウ素など)、炭窒化物、ホウ化物、またはそれらの混合物を含む群から選択されるセラミックタイプであってもよい。本発明による方法において、媒体12として使用される材料の最も重要な特性は、密封容器11に加えられる圧力および温度における融点および分解温度である。使用される媒体12の前記融点および前記分解温度は、処理中の構成部品の材料の融点および分解温度よりかなり高い(30%以上高い)ことが必要である。大きい不完全性に細かい媒体を使用するために、シム、プラグまたはパッチフィット、インサートまたはタグを、処理中の構成部品の構造的不完全性に結合させることができる。
【0023】
本発明による方法によって処理すべき材料に応じて、不活性ガスは、500バール(7250psi)~3000バール(43500psi)の間の圧力で加えることができ、好ましい圧力範囲は1000バール(14500Psi)以上である。
【0024】
プロセスの不活性ガスの温度は、処理すべき構成部品の融点より低くなければならず、アルミニウム鋳造の場合は480℃(896°F)から、超合金の場合は1300℃(2400°F)までの範囲であり得る。超合金に対する好ましい温度範囲は1000℃(1832°F)以上である。
【0025】
保持時間は、この場合もまた、処理すべき材料に応じ、一般に2時間以上に維持される。製造経路にHIPサイクルを含む合金構成部品の処理の場合、保持時間は、好ましくは、製造中に実施される元のHIPサイクル時間の120%以上に維持される。鋳造合金のHIPサイクルが5時間である場合、本発明による方法の保持時間は少なくとも6時間であるべきである。
【0026】
上記の例示的な実施形態の説明は、添付の図面を参照する。異なる図面における同一の参照番号は、同一または類似の要素を特定する。以下の詳細な説明は、本発明を限定するものではない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0027】
「一実施形態」または「実施形態」に対する明細書全体での参照は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、または特性が、開示されている主題の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な箇所に現れる「一実施形態において」または「ある実施形態において」という句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1または複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。
【符号の説明】
【0028】
10 熱間静水圧プレス装置の加圧加熱容器
11 金属容器
12 非金属媒体
図1
図2