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特許7077025発電システムにおけるアーク検出及び防止
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】発電システムにおけるアーク検出及び防止
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20220523BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
H02M7/48 M
H02M3/00 C
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018003453
(22)【出願日】2018-01-12
(65)【公開番号】P2018117514
(43)【公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】15/407,881
(32)【優先日】2017-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/819,903
(32)【優先日】2017-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨスコビッチ,イラン
(72)【発明者】
【氏名】セラ,ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ガジット,メイア
(72)【発明者】
【氏名】ガリン,ヨアフ
(72)【発明者】
【氏名】ブラジンスキー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ハンデルスマン,リオール
(72)【発明者】
【氏名】アデスト,メイア
(72)【発明者】
【氏名】ローウェンスターン,ヤキール
(72)【発明者】
【氏名】グロヴィンスキー,ツァヒ
(72)【発明者】
【氏名】バーコビッチ,ナダフ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン,ロン
(72)【発明者】
【氏名】フィシェロフ,アミール
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-157364(JP,A)
【文献】特開2001-232241(JP,A)
【文献】特表2010-512139(JP,A)
【文献】特開2012-112937(JP,A)
【文献】特表2014-509396(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0381111(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0233136(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0265638(US,A1)
【文献】特表2013-500476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力機器によって、第1の電圧レベル及び第1の電流レベルである入力電力を太陽光発電装置から引き込むことと、
前記電力機器の出力において出力電力を提供することと、
前記太陽光発電装置の出力を短絡することなく、前記入力電力の電圧及び電流を、前記出力電力の少なくとも一部を維持しながらアークが消されるレベルにまで低下させることと、
所定期間待機することと、
前記所定期間の経過に応答して、前記入力電力の前記電圧を上昇させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記電力機器は、太陽光発電インバータである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力機器は、直流から直流への電力コンバータである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電力機器は、複数の太陽光発電装置から前記入力電力を引き込むシステム電力機器である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1の測定値を取得するために電気システムにおける電気ノイズを測定することと、ここで、前記電気システムは、出力電力を負荷に送るように動作しており、
前記第1の測定値を第1の閾値と比較することと、
前記電気システムの出力を短絡することなく、前記第1の測定値が前記第1の閾値よりも大きいという判定に応答して、前記電気システムの出力電力の少なくとも一部を維持しながら、前記電気システムの電圧及び電流を低下させることと、
前記電圧及び前記電流の前記低下後に、第2の測定値を取得するために前記電気システムにおける電気ノイズを測定することと、
前記第2の測定値に基づいて、警報条件を設定するか否かを判定することと、を含む、方法。
【請求項6】
前記警報条件を設定するか否かの前記判定は、前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の差が第2の閾値より大きくないと判定することをさらに含み、前記方法は、前記電気システムの前記電圧を上昇させることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記警報条件を設定するか否かの前記判定は、前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の差が第2の閾値より大きいと判定することをさらに含み、前記方法は、前記警報条件を設定することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
電力機器であって、
前記電力機器が、
第1の電圧レベル及び第1の電流レベルである入力電力を太陽光発電装置から引き込むことと、
前記電力機器の出力において出力電力を提供することと、
前記太陽光発電装置の出力を短絡することなく、前記入力電力の電圧及び電流を、前記出力電力の少なくとも一部を維持しながらアークが消されるレベルにまで低下させることと、
所定期間待機することと、
前記所定期間の経過に応答して、前記入力電力の前記電圧を上昇させることと、
を引き起こすように構成された1つ以上のコントローラを備える、電力機器。
【請求項9】
前記電力機器は、太陽光発電装置インバータである、請求項8に記載の電力機器。
【請求項10】
前記電力機器は、直流から直流への電力コンバータである、請求項8に記載の電力機器。
【請求項11】
前記電力機器は、複数の太陽光発電装置から前記入力電力を引き込むシステム電力機器である、請求項8に記載の電力機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分散型発電システム、特に、太陽光発電システムにおけるアークの検出及び防止に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年11月9日に出願された英国出願第GB1018872.0号に対する優先権を主張する、2011年11月7日に出願された米国出願第13/290,528号の一部継続(CIP)出願である、2017年1月17日に出願された米国出願第15/407,881号の外国条約出願であり、この全てがこれらの全体の参照によって本明細書に組み込まれる。米国出願第15/407,881号はまた、2016年4月5日に出願された米国仮特許出願第62/318,303号及び2016年5月25日に出願された米国仮特許出願第62/341,147号に対する優先権を主張する、2016年8月29日に出願された米国出願第15/250,068号の一部継続(CIP)出願であり、この全てがこれらの全体の参照によって本明細書に組み込まれる。米国出願第15/407,881号はまた、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる、2016年9月16日に出願された米国仮特許出願第62/395,461号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
分散型太陽光発電システムは、例えば、建物の屋根の上等で太陽光を受容する様式で設置された1つ以上の太陽光発電パネルを搭載するように様々に構成され得る。インバータが、太陽光発電パネルに接続され得る。インバータは、一般に、太陽光発電パネルからの直流(DC)電力を交流電流(AC)に変換する。
【0004】
アーク発生が、スイッチ、回路遮断器、リレー接点、ヒューズ及び粗悪なケーブル終端において起こり得る。回路がオフに切り替えられるかまたはコネクタにおいて接続不良が起こると、アーク放電がコネクタの接点間に形成し得る。アーク放電は、気体の絶縁破壊であり、進行するプラズマ放電を生成し、通常、非導電性である空気等の媒体を通る電流から結果としてもたらされる。断線が始まったとき、2つの接点間の離隔距離は、非常に小さい。結果として、接点間の空隙間の電圧が、ボルト毎ミリメートルに関して非常に大きな電界を生成する。この大きな電界は、切断の2つの側の間の電気アークの点火を引き起こす。回路がアークを持続させるのに十分な電流及び電圧を有する場合、アークは、導体の溶融、絶縁破壊、及び発火等の、設備に対する損傷を引き起こし得る。交流(AC)電力システムのゼロクロスは、再点火しないアークを引き起こし得る。直流システムは、DC電力システムにおいてゼロクロスが起こらないので、ACシステムよりもアーク発生し易い傾向にある。
【0005】
電気アーク発生は、配電システム及び電気設備、特に、アークのリスクが増す様式でしばしば配置される太陽光発電システムに有害な影響を与え得る。例えば、太陽光発電パネルは、それらの太陽に露光する必要性によって、温度限界においてしばしば動作する。このような条件は、露出した配線をもたらし得る絶縁体及び他の設備の加速した劣化を引き起こす。このようなシステムはまた、雨、雪、及び高湿等の環境条件にもさらされる。さらに、一般の住居用及び/または工業用太陽光発電用途は、高電圧を生成するために直列に接続された数個のパネルをしばしば利用する。湿った/湿潤な条件における高電圧を有する露出した導体は、アーク発生の可能性が増す環境を作り出す。
【0006】
アーク発生のこの問題は、太陽光発電パネル及び他の関連設備がより高頻度に修理及び/または交換されることを必要とすることになるので、システム保守コストを上昇させ、太陽光発電パネルの寿命を縮める。太陽光発電システムにおけるアーク発生はまた、発火のリスクを上昇させ、これによって、太陽光発電システムを有する設備における動作及び/または保険コストを上昇させる。太陽光発電システムにおけるアーク発生の正味の影響は、太陽光発電システムが、天然ガス、石油、及び石炭等の再生不可能なエネルギー源とのコスト競争力を有するようになる閾値を上昇させることである。
【発明の概要】
【0007】
本明細書において新規に説明されるように、システム及び方法は、太陽光発電システムにおけるアーク発生の問題を克服し、これによって全体コストを低下させ、このようなシステムの有用な寿命を延ばす。本明細書において説明される実施形態は、このため、再生不可能な代替エネルギーとの競争力がより高い、住居及び工業用途における太陽光発電システムの展開を実現する。
【0008】
方法は、電力線、例えば、DC電力線等の1つ以上の機構を有する太陽光発電パネルに接続可能な負荷を含み得る太陽光発電パネルシステムのアーク検出のために提供される。代表的な方法は、負荷に届けられる電力及び太陽光発電パネルによって生成される電力を測定し得る。これらの測定値は、適切な技術を使用して分析され得る。適切な技術の一例は、例えば、差分電力測定結果を生成する比較を含む。差分電力測定結果は、例えば、1つ以上の静的及び/または動的閾値を使用してさらに分析され得る。分析は、例えば、瞬間または信号が統合されるか若しくは平滑化される一定期間にわたるいずれかにおいて、差分電力測定結果が1つ以上の閾値から逸脱しているときに警報条件をトリガーし得る。測定値の1つ以上(例えば、第2の測定値)、静的及び/若しくは動的閾値、ならびに/または電力測定値は、適切な形式及び/または変調方式に変換され、遠隔位置に伝送され得る。一代表的方法において、1つ以上の上記項目(例えば、第2の測定値)は、変調され遠隔位置に伝送され得る(例えば、DC電力線越しに)。
【0009】
更なる態様によると、システムのアーク検出用の機器は、太陽光発電パネル及び、例えば、電力線(例えば、DC電力線)を使用して太陽光発電パネルに接続可能な負荷を含み得る。この態様において、機器は、1つ以上のパネルによって生成された電力を測定するために適合された1つ以上の電気モジュールならびに/または、例えば、負荷に届けられた電力を測定するために適合された分散及び/若しくは集中コントローラを含むように様々に構成され得る。態様は、太陽光発電パネル及び/または負荷に届けられた電力と関連付けられた電力を、動的及び/または静的に、瞬間的及び/または統合的様式で分析するために1つ以上の機構を含むように様々に構成され得る。分析は、例えば、瞬間的及び/または統合的信号の動的及び/または静的比較を含むように様々に構成され得る。適切な比較は、1つ以上の閾値を含んでいてもよく、または含んでいなくてもよい。分析は、時系列データを収集し、この時系列データから変動を判定し得る。加えて、分析は、以前のテストデータに基づく所定閾値を含み得る。動的及び/または静的比較に基づいて、機構の1つ以上は、1つ以上の太陽光発電パネルの電力出力が負荷に届けられた電力よりも大きいときにアーク発生を検出するように動作可能であり得る。
【0010】
更なる態様によると、アーク検出のための方法は、例えば、太陽光発電ストリング及び、例えば、DC電力線を使用して太陽光発電ストリングに接続可能な負荷を有するシステムにおいて実施され得る。アーク検出測定のための方法は、例えば、負荷のノイズ電圧及び/または太陽光発電ストリングの太陽光発電パネルの1つ以上のノイズ電圧と関連付けられた値を定量化するように様々に構成され得る。種々の測定されたノイズ電圧と関連付けられた量は、適切な技術を使用して分析され得る。一技術において、動的及び/または静的比較が、差分ノイズ電圧値等の定量値を生成する種々のノイズ電圧例えば、(太陽光発電ストリングの太陽光発電パネルのうちの1つ以上(例えば、全て)のノイズ電圧と比較された、負荷のノイズ電圧)間でなされる。差分ノイズ電圧値は、その後、静的及び/または動的に分析され得る。一実施形態において、差分ノイズ電圧値は、1つ以上の閾値に対して、静的及び/または動的に、瞬間的に比較され、かつ/または経時的に統合され比較され得る。閾値が利用される場合において、警報条件が、上記の値のうちの1つ以上が閾値を超える場合にトリガーされ得る。例えば、差分ノイズ電圧結果が閾値よりも大きくなる際に、その後、警報条件が設定され得、警報条件が設定される際に、太陽光発電ストリングが遮断され得る。上述の種々のパラメータは、ローカルで分析され、かつ/または遠隔位置に伝送され得る。一実施形態において、値の1つ以上は、変調され、DC電力線越しに伝送され得る。太陽光発電パネルの1つ以上若しくは全ての電力、または太陽光発電ストリングの電力が、負荷に届けられた電力よりも大きくなることに際し、その後、警報条件が、事前に定義された静的及び/または動的基準によって設定される。
【0011】
更なる態様によると、アーク検出のための方法の1つは、負荷に届けられた電力及び/または太陽光発電ストリングによって生成された電力を測定するためのソフトウェア及び/または回路を含み得る。
【0012】
太陽光発電ストリングの電力の測定は、様々に構成され得る。一例において、測定は、各太陽光発電パネルの電力出力を測定するために命令を送信することを含む。各太陽光発電パネルの電力値は、その後、伝送され受信され得る。各太陽光発電パネルの電力値は、加算され得、これによって第2の測定結果を与える。第2の測定結果は、その後、続いて変調され、DC電力線越しに伝送され得る。
【0013】
負荷インピーダンスは、所定値によって変化され得る。太陽光発電ストリングの電力は、この例において、その後、再び測定され、これによって、太陽光発電ストリングの電力の第3の測定結果を生成する。負荷の電力が測定されることが後に続き、これによって、負荷の電力の測定結果を生成する。種々の測定値が比較され得、これによって、別の差分電力結果を生成する。種々の差分電力結果は、これによって、総差分電力結果を生成し得る。この例において、総差分電力結果が閾値よりも大きくなるに際し、警報条件が設定され得る。警報条件が設定されることに際し、太陽光発電ストリングは、この例において遮断され得る。第3の測定結果が、変調されDC電力線越しに伝送され得る。
【0014】
この例において、太陽光発電ストリングの電力の測定は、各太陽光発電パネルの電力を測定するために1つ以上の命令を送信することを含み得る。各太陽光発電パネルの電力値は、その後、伝送され受信され得る。各太陽光発電パネルの電力値は、加算され、これによって、第3の測定結果を与える。第3の測定結果は、その後、続いて変調され、DC電力線越しに伝送され得る。
【0015】
更なる例において、ストリングにおいて電力を測定するための命令の送信は、ストリングのパネルの1つに接続されたマスターモジュールに対するものであり得る。実施形態はまた、電力を測定するように命令され得る、ストリングの他のパネルにそれぞれ接続されたスレーブモジュールを含み得る。電力測定結果は、その後、スレーブモジュールからマスターモジュールに伝送され得る。電力測定結果は、その後、マスターモジュールによって受信され、ストリング電力結果を生成するためにマスターモジュールによって加算され、これは、この例において集中及び/または分散コントローラに伝送され得る。
【0016】
本明細書において開示された、いくつかの実施形態において、複数の太陽光発電電力機器は、合計電圧測定値の向上した正確性を提供し得る同期化様式で電圧を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、電圧測定値及び関連電圧測定値の伝送は、同期化され得る(例えば、時間同期化等)。電圧測定値は、直列または並列太陽光発電ストリングにおいて、太陽光発電装置(例えば、太陽光発電パネル、セル、サブストリング等)の入力及び/または出力端子で取られ得る。いくつかの態様によると、電圧測定値は、伝送エラーに応答してか、または伝送エラーを防止し得るか若しくは他の問題を克服し得る冗長性特徴として、再伝送され得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、太陽光発電電力機器は、複数出力電圧端子を特徴とする。いくつかの実施形態において、太陽光発電装置及び太陽光発電電力機器は、共に結合され得、かつ/または複数の低インピーダンス電圧ループを提供するように配置され得る。低インピーダンス電圧ループを有するように太陽光発電ストリングを設計することは、いくつかの実施形態において、一定の利点を提供し得る。これらの利点は、アーク発生条件を示し得る、高周波数電圧成分を検出するように電圧センサの性能を向上することを含み得る。いくつかの態様によると、低インピーダンス電圧ループはまた、アーク発生条件の位置を判定する方式を提供し得る。
【0018】
本明細書における開示は、添付図面を参照してなされる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1a】直列アーク発生を示す回路の例を例示する。
図1b】並列または分流アーク発生の例を示す図1aの回路を例示する。
図2】アーク検出特徴部を含む発電システムを示す。
図3】直列及び/または並列アーク発生を検出する方法を示す。
図4】直列及び/または並列アーク発生を検出する方法を示す。
図5a】発電回路を示す。
図5b】負荷電力をストリング電力と比較する方法を示す。
図5c】ストリングの電力を測定する方法を示す。
図5d】直列アーク検出のための方法を示す。
図6a】電気アークを検出する方法を示す。
図6b】出力電圧を測定する方法を示す。
図6c】データパケットの例を示す。
図6d】電気アークを検出する方法を示す。
図6e】太陽光発電システムにおける電圧を推定する方法を示す。
図6f】電気アークを検出する方法を示す。
図7a】アーク検出特徴部を含む発電システムを示す。
図7b】アークを検出する方法を示す。
図8a】太陽光発電電力機器を示す。
図8b】アーク検出特徴部を含む発電システムを示す。
図8c】アーク検出特徴部を含む発電システムを示す。
図8d】アークを検出する方法を示す。
図9】太陽光発電システム構成を例示する。
図10a】電気アークを消す方法を示す。
図10b】電気アークを検出して消す方法を示す。
図11a図10bの方法を実行する第1の結果例を示す。
図11b図10bの方法を実行する第2の結果例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、同様の参照番号が全体を通して同様の要素を参照する、添付の図面において例が例示される実施形態を詳細に参照することになる。実施形態は、図を参照することによって本開示を明白にするために以下に説明される。
【0021】
背景技術による、回路10aにおける直列アーク発生106を示す図1aを参照する。図1aにおいて、直流(DC)電源102は、電力線104a及び104b間に電力を提供する。電力線104bは、接地電位において示される。負荷100は、電力線104bを電力線104aに接続する。直列アーク発生は、例えば、電力線104a、104bにおけるかまたは負荷100若しくは電源102の内部における回路10aの任意の部位において起こり得る。地点Cと地点Aとの間の電力線104aにおける断線または粗悪な接続が示され、直列アーク発生の事例106を引き起こしている。一般に、直列アーク発生106が検出されることができる場合、電源102または負荷100に位置する回路遮断器(示されない)は、連続直列アーク発生106を防止するためにトリップされ得る。
【0022】
背景技術による、回路10bにおける並列または分流アーク発生108を示す図1bを参照する。回路10bにおいて、直流(DC)電源102は、電力線104a及び104b間に提供される。負荷100は、電力線104a及び104bを接続する。並列アーク発生は、回路10bの多くの部位で起こり得、例としては、電源102の正極と電源102の接地/シャーシとの間のアーク発生を含み、電源ケーブル104a/bが二心ケーブルである場合、アーク発生は、二心間または負荷100の正極端子104aと接地104bとの間で起こり得る。並列アーク発生108は、示されるように、地点Dの電力線104bと地点Cの電力線104aにおける高電位との間で起こり得る。
【0023】
アークノイズは、ホワイトノイズに近く、電力スペクトル密度が全体の周波数スペクトルにほとんど等しいことを意味する。加えて、アークノイズ信号の振幅は、ガウス確率密度関数に非常に近い。二乗平均平方根(RMS)アークノイズ電圧信号(V)は、以下のように方程式1で与えられ、
【数1】
・・・方程式1、
ここで、
K=ボルツマン定数=1.38×10-23ジュール毎ケルビン、
T=絶対温度における温度、
B=ノイズ電圧(V)が測定される、ヘルツ(Hz)における帯域幅、
R=抵抗器/回路/負荷の抵抗値(オーム)である。
【0024】
ここで、実施形態によるアーク検出特徴部を含む発電システム201を示す図2を参照する。太陽光発電パネル200は、モジュール202の入力に接続されることが好ましい。複数パネル200及び複数モジュール202は、直列ストリングを形成するために一緒に接続され得る。直列ストリングは、モジュール202の出力を直列に接続することによって形成され得る。複数直列ストリングは、負荷250間で並列に接続され得る。負荷250は、例えば、直流(DC)から交流(AC)へのインバータまたはDCからDCへのコンバータであり得る。電子モジュール202は、パネル200によって生成される電圧及び/または電流を測定するために含まれ得る。モジュール202は、パネル200の電力出力を示すことが可能であり得る。負荷250に取り付けられたものは、コントローラ204であり得る。コントローラ204は、負荷250を直列ストリングに接続しているDC電力線越しの電力線通信を介してかまたは無線接続によってモジュール202に動作自在に取り付けられ得る。コントローラ204は、センサ206を介して、負荷250によって受容された電力を測定するように構成され得る。直列アーク発生106の事例は、2つのパネル200間で起こり得る。並列アーク発生108の事例は、パネル200の正極端子とパネル200の接地との間に示され得る。
【0025】
ここで、直列及び/または並列アーク発生を検出する方法301を示す図3を参照する。集中コントローラ204は、負荷250によって受容された電力等の1つ以上のパラメータを測定する等のように構成され得る(ステップ300)。モジュール202は、例えば、1つ以上のパネル200の電力を測定するように、様々に構成され得る(ステップ302)。モジュール202は、様々に構成され得る。一実施形態において、モジュールは、無線または電力線通信を介してコントローラ204に1つ以上のパネル200の測定された電力を表すデータを伝送する。コントローラ204は、パネル200で発電された電力と負荷250で受容された電力との差を計算する(ステップ304)。この例において、ステップ304で計算された差が、所定基準に従って、パネル200で発電された電力が負荷250で受容された電力よりも大きいものであり得ることを示す場合(ステップ306)、潜在的アーク発生の警報条件が設定され得る(ステップ308)。そうでない場合、この例において、アーク検出がステップ300により継続する。
【0026】
ここで、直列及び/または並列アーク発生を検出する例示的方法401を示す図4を参照する。この例による方法において、集中コントローラ204は、負荷250の二乗平均平方根(RMS)ノイズ電圧を測定する(ステップ400)。モジュール202は、その後、1つ以上のパネル200の二乗平均平方根(RMS)ノイズ電圧を測定し得る(ステップ402)。モジュール202は、無線または電力線通信を介してコントローラ204にパネル200の測定されたRMSノイズ電圧を表すデータを伝送するように構成され得る。
【0027】
1つ以上のコントローラは、例えば、パネル200で測定されたノイズ電圧と負荷250で測定されたノイズ電圧との間の差を計算することによってパネル200でのノイズ電圧を負荷250でのノイズ電圧と比較するように構成され得る(ステップ404)。この例において、ステップ404において計算された差が、1つ以上の所定基準に従って、パネル200で測定されたノイズ電圧が負荷250(ステップ406)で測定されたノイズ電圧よりも大きいものであり得ることを示す場合、潜在的アーク発生の警報条件が設定され得る(ステップ408)。
【0028】
さらにこの例に対し、比較(ステップ404)はまた、種々の時間、例えば、発電システム201の設置直後の時間にコントローラ204のメモリにおいてパネル§200及び/または負荷250の事前に記憶されたRMSノイズ電圧レベルの比較を含み得る。パネル§200及び負荷250の両方の事前に記憶されたRMSノイズ電圧レベルは、この例において、コントローラ204のメモリに記憶されたルックアップテーブルの形式である。ルックアップテーブルは、例えば、1日のうちの種々の時間、週のうちの1日または年のうちの時間でのパネル200及び負荷250の両方のRMSノイズ電圧を有し、これがパネル200及び負荷250の両方の現在の測定されたRMSノイズ電圧と比較され得る。
【0029】
この代表的な例において、測定されたパネル200のRMSノイズ電圧データとの測定された負荷250のRMSノイズ電圧データの比較がRMSノイズ電圧差の一定の閾値を超え得る場合(ステップ406)、潜在的アーク発生の警報条件が設定され(ステップ408)、そうでない場合、アーク検出をステップ400によって継続する。
【0030】
ここで、本開示の実施形態による発電回路501aを示す図5aを参照する。発電回路501aは、モジュール202の入力に接続されたパネル200の出力を有する。パネル200の出力は、DC電力入力(PIN)をモジュール202に提供するように構成され得る。モジュール202は、降圧回路、昇圧回路、昇降圧回路、設定可能な昇降圧回路、昇降圧ステージを無効にする設定可能なバイパスを有するカスケード型昇降圧回路、または任意のDC-DCコンバータ回路等の直流(DCからDCへの)スイッチング電力コンバータを含み得る。モジュール202の出力電圧は、Vとして符合付けされる。
【0031】
モジュール202及びモジュール202aの出力は、直列ストリング520を形成するために直列に接続され得る。2つのストリング520は、並列に接続されて示され得る。1つのストリング520において、ストリング520に直列に起こり得るアーク電圧(V)の状況が示される。負荷250は、DCからACへのインバータであり得る。負荷250に取り付けられたものは、集中コントローラ204であり得る。コントローラ204は、負荷250間の電圧(V)及び電流センサ206を介して負荷250の電流を任意に測定する。電流センサ206は、コントローラ204に取り付けられ、負荷250の電力線接続に結合され得る。
【0032】
パネル200に対する太陽照射に依存して、第1の場合において、いくつかのモジュール202は、ストリング520に流れる電流に依存し得るモジュール202の固定出力電圧(V)及び出力電圧を与えるために、入力に対する電力を変換するように動作し得る。ストリング520に流れる電流は、パネル200の照射量のレベルに関連し得、例えば、照射量が増加すると、ストリング520に流れる電流が上昇し、モジュール202の出力電力が上昇する。
【0033】
第2の場合において、モジュール202は、入力における電力を出力における同一電力に変換するように動作し、このため、例えば、200ワットがモジュール202の入力にある場合、モジュール202は出力に200ワットを有するように努め得る。しかしながら、モジュール202がストリング520において直列に接続され得るので、ストリング520において流れる電流は、キルヒホッフの法則によって同一であり得る。ストリング520において流れる電流が同一であることは、モジュール202の出力における電力がモジュール202の入力における電力と同一であり得ることを成立するために、モジュールの出力電圧(V)が変化すべきであることを意味する。このため、この例において、ストリング520の電流が上昇すると、モジュール202の出力電圧(V)が低下するか、またはストリング520の電流が低下すると、モジュール202の出力電圧が最大値まで上昇する。モジュール202の出力電圧が最大値まで上昇すると、第2の場合は、出力電圧(V)がここで効果的に固定される点において第1の場合に類似し得る。
【0034】
ストリング520におけるモジュール202は、マスターとして構成されたモジュール202aの1つ、及びスレーブとして構成された他のモジュール202を含むマスター/スレーブ関係を有し得る。
【0035】
電流がこの例においてストリング520全体で同一であり得るので、マスターモジュールは、ストリング520の電流を測定するように構成され得る。モジュール202は、総ストリング電力が判定され得るように、それらの出力電圧Vを任意に測定する。スレーブモジュール202の出力電圧は、この例において、測定され、モジュール202aからコントローラ204への単一遠隔測定法がストリングの出力電圧を通信するために十分であり得るように、例えば、マスターユニット202aに無線または電力線通信越しに通信される。ストリング520においてマスターモジュール202aは、スレーブモジュール202の制御のために他のスレーブモジュール202と通信する等のように、様々に構成され得る。マスターモジュール202aは、この例において、コントローラ204から「キープアライブ」信号を受信するように構成され得る。無線によってまたは電力線通信越しに通信されたコントローラ204から送信された任意の「キープアライブ」信号は、存在であるかまたは非存在であり得る。「キープアライブ」信号の存在は、モジュール202の及び/またはマスターモジュール202aを介した継続した動作を引き起こし得る。「キープアライブ」信号の非存在は、モジュール202及び/またはマスターモジュール202aを介した動作の終了を引き起こし得る(つまり、電流がストリング520に流れなくなる)。各ストリング520に対応する異なる頻度を有する複数「キープアライブ」信号検索は、アーク発生が存在し得る特定ストリング520が電力を生成することを停止させられ、一方で他のストリング520が電力の生成を継続するように、使用され得る。
【0036】
ここでまた、負荷電力をストリング電力と比較する方法503を示す図5bを参照する。ステップ500において、1つ以上のストリング520に対する電力が測定され得る。ステップ502において、負荷250の電力が集中コントローラ204及びセンサ206を使用して測定され得る。測定された負荷電力及び測定されたストリング電力は、ステップ504において比較され得る。ステップ500、502及び504は、この例において、図5aに対する参照と共に、以下のように方程式2(1つのストリング520を仮定する)によって数学的に表され得、
【数2】

・・・方程式2、
ここで、
[I]=電流Iの関数としてのアーク電圧、
=負荷250の電力、
ΣPIN=モジュール202の出力における電力がモジュール202の入力における電力(PIN)と同一であることを成立するために、モジュールの出力電圧(V)が変化するようにモジュール202が動作し得るときのモジュール202の電力出力、
ΣV=モジュール202の出力電力(V)が最大出力電圧レベル値まで上昇するように、ストリング520電流が十分に低下するときのモジュール202の固定電圧出力(V)及び/または電力出力を含むモジュール202の電力出力である。全ての場合において、最大出力電圧レベル値(V)及び固定電圧出力(V)は、発電回路501aにおいて同一であるように予め構成され得る。
【0037】
ストリング520のストリング電力と負荷250に届けられた電力(V×I)との比較は、差を生成するために、負荷250(V×I)に届けられた電力からストリング520の電力の合計(ΣPIN+ΣV)を減算することによって実現され得る。差が所定閾値よりも小さくなり得る場合(ステップ506)、ストリング520(ステップ500)及び負荷250(ステップ502)に利用可能な電力の測定が継続する。決定ブロック506において、差が所定閾値よりも大きくなり得る場合、その後、警報条件が設定され、直列アーク条件が起こり得る。直列アーク発生の状況は、一般に、中断させるためにコントローラ204からモジュール202に「キープアライブ」信号の伝送を引き起こし、これは、モジュール202がシャットダウンすることを引き起こす。モジュール202がシャットダウンすることは、ストリング520における直列アーク発生を停止するための好ましい方式であり得る。
【0038】
ここでまた、ストリング520の電力を測定するためにより詳細に方法ステップ500(図5bに示された)を示す図5cを参照する。集中コントローラ204は、電力線通信を介してマスターモジュール202aに命令(ステップ550)を送信し得る。マスターモジュール202aは、モジュール202aの出力電力及び入力電力それぞれを与えるために、ストリング520の電流、ならびにマスターモジュール202aの出力における電圧及び/またはマスターモジュール202aの入力における電流を測定し得る。マスターモジュールは、モジュール202の出力電力及び入力電力を与えるために、ストリング520におけるスレーブモジュール202に、出力電圧及びストリング520の電流ならびに/またはモジュール202の入力電圧及び電流を測定することを命令し得る(ステップ552)。スレーブモジュール202は、その後、ステップ552において測定された入力及び出力電力をマスターモジュール202aに伝送する(ステップ554)ように構成され得る。マスターモジュール202aは、ステップ554においてなされた、伝送された電力測定値を受信する(ステップ556)。マスターモジュール202aは、その後、方程式2に従って、マスターモジュール202a(ステップ558)によってなされた電力測定値に、受信された電力測定値を加算する。方程式2によると、ΣPIN=モジュール202の出力における電力がモジュール202の入力における電力(PIN)と同一であることを成立するために、モジュールの出力電圧(V)が変化するようにモジュール202が動作し得るときのモジュール202の電力出力であり、ΣV=モジュール202の出力電力(V)が最大出力電圧レベル値まで上昇するように、ストリング520電流が十分に低下するときのモジュール202(可変出力電圧Viを有する)の固定電圧出力(V)及び/または電力出力を含むモジュール202の電力出力である。全ての場合において、最大出力電圧レベル値(V)及び固定電圧出力(V)は、発電回路501aにおいて同一であるように予め構成され得る。ステップ558において加算された電力測定値は、その後、マスターモジュール202aによって集中コントローラ204に伝送され得る(ステップ560)。
【0039】
ここで、直列アーク検出のための方法505を示す図5dを参照する。第1の差分電力結果508が回路501aにおいて起こり、ここでIとして符合付けされた負荷電流I及び負荷250間の電圧Vを有する(図5aに示されるように)。第1の差分電力結果508は、図5aを参照して、方法503(図5bに示された)を実施する結果として方程式3(以下に示す)により生成され得る。方程式3は、以下のように、
【数3】

・・・方程式3、
ここで、
[I]=電流Iの関数としてのアーク電圧、
=負荷250の電力、
ΣPIN=モジュール202の出力における電力がモジュール202の入力における電力(PIN)と同一であることを成立するために、モジュールの出力電圧(V)が変化するようにモジュール202が動作し得るときのモジュール202の電力出力、
ΣV=モジュール202の出力電力(V)が最大出力電圧レベル値まで上昇するように、ストリング520電流が十分に低下するときのモジュール202(可変出力電圧Vを有する)の固定電圧出力(V)及び/または電力出力を含むモジュール202の電力出力である。全ての場合において、最大出力電圧レベル値(V)及び固定電圧出力(V)は、発電回路501aにおいて同一であるように予め構成され得る。
【0040】
負荷250のインピーダンスは、集中コントローラ204の制御下で任意に調節され得る(ステップ510)。一般に、負荷250がインバータである場合、コントローラ204は、インバータの制御パラメータの変更によって負荷250の入力インピーダンスを調節する。負荷250の入力インピーダンスにおける変化は、負荷250の入力間の電圧がオームの法則の効果によって変化することを引き起こす。回路501aにおいて示される負荷250間の電圧(V)は、このため、負荷250の入力インピーダンスが調節されている結果として合計ΔV、変化させられ得る。負荷250間の電圧はここで、V+ΔVであり得、負荷250電流(I)はここで、Iであり得る。
【0041】
第2の差分電力結果522はここで、ステップ510において実施された負荷250の調節された入力インピーダンスにおいて方法503(図5cに示される)を再び実施する結果として生成され得る。第2の差分電力結果522は、以下のように方程式4によって数学的に表され得、
【数4】

・・・方程式4、
ここで、
[I]=電流Iの関数としてのアーク電圧、
(V+ΔV)I=負荷250に届けられた電力、
ΣPIN=モジュール202の出力における電力がモジュール202の入力における電力(PIN)と同一であることを成立するために、モジュールの出力電圧(V)が変化するようにモジュール202が動作し得るときのモジュール202の電力出力、
ΣV=モジュール202の出力電力(V)が最大出力電圧レベル値まで上昇するように、ストリング520電流が十分に低下するときのモジュール202(可変出力電圧Vを有する)の固定電圧出力(V)及び/または電力出力を含むモジュール202の電力出力である。全ての場合において、最大出力電圧レベル値(V)及び固定電圧出力(V)は、発電回路501aにおいて同一であるように予め構成され得る。
【0042】
第1の異なる電力結果508は、例えば、差を生成するために、第2の異なる電力結果522から第1の差分電力結果508を減算するようにコントローラ204を使用して、第2の差分電力結果522と比較され得る(ステップ524)。差は、方程式4から方程式3を減算する結果であり得る、以下のように方程式5によって表現され得る。
【数5】

・・・方程式5
【0043】
回路501aに対する各モジュール202の合計された出力電力(PIN)は、したがって除去され得る。
【0044】
方程式5は、コントローラ204によって、方程式6において示されるアーク係数αを取得するために、方程式5における剰余演算関数を実施することによって再び整理され得る。
【数6】

・・・方程式6
ここでアーク係数αは、方程式7において示される。
【数7】

・・・方程式7
【0045】
コントローラ204は、例えば、上記の定式及び測定値によって係数αを計算するように構成され得る。方程式7において示されるアーク係数αの非ゼロ値は、警報条件が設定されることを引き起こすか(ステップ528)、そうでなければ別の第1の差分電力結果508が生成され得る(ステップ503)。直列アーク発生の状況は、一般に、「キープアライブ」信号がコントローラ204によって除去されることを引き起こし、モジュール202がシャットダウンすることを引き起こす。モジュール202がシャットダウンすることは、ストリング520において直列アーク発生を停止する好ましい方式であり得る。
【0046】
ここで、アークを検出するフロープロセス(例えば、方法)601を示す図6aを参照する。1つ以上の実施形態において、図6aにおいて例示されるプロセス601及び/またはそれらの1つ以上のステップは、図2のコントローラ204に類似するかまたは同一であり得る、コントローラコンピューティング機器等の1つ以上のコンピューティング機器によって実施され得る。例えば、コンピューティング機器(例えば、コントローラ等)は、アナログ回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であるかまたはこれらを含み得る。コントローラは、モジュール202に類似するかまたは同一の1つ以上のモジュールと通信し、電力線通信(PLC)、無線通信(例えば、セルラー方式通信、WiFi(商標)、ZigBee(商標)、Bluetooth(商標)または代替的プロトコル)及び/または音響通信等の1つ以上の通信方法を使用し得る。いくつかの実施形態において、プロセス601の1つ以上の態様またはステップは、マスターモジュールコントローラ、例えば、マスターモジュール(例えば、モジュール202a)の一部であり得るコントローラによって実行され得る。
【0047】
例示的、非限定的目的のために、プロセス601は、図2において示されこれに関して説明されたモジュール202と通信し得る(例えば、通信及び/または制御機器を備えるモジュール202と通信する)コントローラ204によって実行されるように説明されることになる。プロセス601は、電力モジュール、コントローラ、及び他の機器の異なる配置に関して同様に使用され得る。いくつかの実施形態によると、コントローラ204は、電力モジュール(例えば、電力モジュール202)、コンバイナボックス、太陽光発電インバータ等の機器に含まれ得、かつ/またはこれらと通信し得る。いくつかの機器によると、コントローラ204は、電力モジュール及び/または他のPV機器に接続され得、かつ/または無線で結合され得る。いくつかの機器によると、コントローラ204は、PV電力システムの遠隔制御のために構成された遠隔サーバであり得る。図6aの任意の開示されたステップ(及び/または本明細書における関連する説明)は、省略されてもよく、列挙された以外の他のものであるか、反復されるか、及び/または組み合わされて実施されてもよい。
【0048】
プロセス601は、ステップ602で開始し、コンピューティング機器(例えば、コントローラ204)が、複数のストリング接続モジュール(例えば、モジュール202)に、1つ以上の電気パラメータを測定することを命令し得る(例えば、本明細書において開示された1つ以上の通信方法を介して)。これらの電気パラメータは、モジュール基盤パラメータ(例えば、モジュール出力電圧V)であり得る。いくつかの実施形態において、命令は、モジュールが出力電圧を開始し得る時間若しくはタイムスタンプを示し得るか、及び/またはコントローラ204からの命令の受信後等のイベント後にモジュールが出力電圧を測定することを開始し得る時間間隔を示し得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、電気パラメータの測定値を取ることが同期化され得、これは、測定されたパラメータの合計を容易化するために使用され得る。例えば、コントローラ204は、電圧測定を同期化するために命令を送信し得、これは、個々の時間同期化電圧測定値の1つ以上を合計することによって総ストリング電圧を判定するために使用され得る。
【0050】
別の例において、ステップ602で送信された命令は、モジュールによって命令が受信された瞬間または直後における出力電圧Vをサンプルするためにモジュール(例えば、モジュールの直列ストリングにおける)に対する命令を含み得る。いくつかの態様によると、ステップ602で送信された命令は、光の速度、つまり、3・10m/秒に相当する速度またはいくつかの他の速度で移動し得る。例示的数値例として、コントローラ204とモジュール202との間の通信が光の速度の約3分の1(例えば、約10m/秒)のみで行われ、複数のストリング接続モジュール202の任意の2つのモジュール202間の最大通信経路距離が100mである場合、各それぞれ一組のモジュール202が命令を受信する時間におけるそれぞれの地点は、約100/10=1μs以下で異なり得る。複数のストリング結合モジュール202の各々が命令を受信すると即座に測定を行う場合、その後、複数の測定値は、実質的に同時であると考えられ得る(つまり、時間における単一地点の総ストリング電圧の測定値の合計を正確に表すために、測定の合計に対して十分に近い時間における地点に対応する)。
【0051】
いくつかの実施形態において、ステップ602で送信された命令は、モジュール202によって取られた電圧測定値等の測定値の伝送を同期化するための情報を含み得る。例えば、命令は、図5aのモジュール202の1つ以上に対し、命令を受信した10秒後に出力電圧を測定することを命令し得、第1のモジュール(例えば、202a)に対し、出力電圧を測定した1秒(またはモジュールに含まれ得るクロックによる、対応するクロックサイクル数)後に測定された出力電圧を伝送することを命令し得、第2のモジュール202に対し、出力電圧を測定した2秒後に測定された出力電圧を伝送することを命令し得るなどの命令を行う。この様式において、複数のモジュール202の各々は、モジュール出力電圧を実質的に同時に測定し得るが、別のモジュール202に対して異なる時間で測定値を伝送し得、これは、同時転送の尤度及び起こり得るデータの消失(例えば、ドロップしたデータパケット)の尤度を低下させ得る。
【0052】
いくつかの実施形態において、ステップ602で送信された命令は、モジュール202に、測定値伝送を同期化することを命令しない可能性があるが、1つ以上のモジュール202に、測定値を伝送する前にランダム期間待つことを命令し得る。広い時間窓が伝送に対して許容される場合、重複伝送の蓋然性が低下する。
例示的、数値例として、各モジュール202が100ミリ秒内で測定値を伝送することが可能であり得る。40個のモジュール202が5分の窓の間に測定値を伝送し、各モジュール202が5分の窓の間にランダム時間で測定値を一斉送信する場合、
【数8】

の蓋然性により、2つの測定値伝送が重複せず、各伝送が受信され得る。いくつかの態様によると、2つの伝送重複がない蓋然性は、以下の方程式8によって推定、判定または計算され、
【数9】

・・・方程式8
ここで、Nは、伝送するモジュール202の数を示し、伝送時間及び窓サイズは、非重複伝送の所望の蓋然性を取得するために選択され得、N×伝送時間≦窓サイズを含む。いくつかの態様によると、好ましい構成は、伝送時間<<窓サイズを含み得る。
【0053】
プロセス601に関して開示された測定同期化の要素が、本明細書において開示された他の方法に同様に適用され得ることが理解される。例えば、図5cに図示された方法500の1つ以上のステップは、図6aに関して説明された測定値及び/または伝送同期化を使用し得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、ステップ602は、実装されなくてもよく、モジュール202のストリングにおける各モジュール202は、コントローラ204から命令を受信することなく出力電圧測定値を独立的に測定してもよい。例えば、各モジュール202は、数分ごと(例えば、毎分、5分ごと、または15分ごと等)に出力電圧を測定してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、各モジュール202は、直流(DC)出力電圧及び/または交流(AC)出力電圧を測定し得る。例えば、各モジュール202は、DC出力電圧(または電流等の他のパラメータ)を出力するDCからDCへのコンバータを備え、各モジュール202は、出力DC電圧を測定し得る。いくつかの実施形態によると、各モジュール202は、AC出力電圧を出力するDCからACへのコンバータ(例えば、インバータ、またはマイクロインバータ等)を備え、各モジュール202は、出力AC電圧(または電流等の他のパラメータ)を測定し得る。
【0056】
ステップ603において、コントローラ204は、複数のモジュール202の1つ以上から測定値(例えば、出力電圧測定値)を受信し得る。いくつかの実施形態において、各モジュール202は、測定値と共にタグ(例えば、固有コード、IDコード等)を伝送し得る。いくつかの態様によると、コントローラ204は、電圧測定値が特定モジュールから受信されたか否かを判定するために各固有タグをタグのリスト(例えば、コントローラに接続され得、かつ/または含まれ得る非一時的コンピュータ可読メモリに保持されたリスト)と比較し得る。いくつかの態様によると、タグのリストは、ステップ602の前に(つまり、図6aに明白に示されていない方法ステップにおいて取得され得る。例えば、ステップは、複数のモジュールのうちの1つ以上のモジュールを識別すること、及び各モジュールと関連付けられた固有タグを記憶することを含み得る。
【0057】
任意に、1つ以上の測定値がコントローラ204によって適切に受信されていない可能性がある場合、コントローラ204は、1つ以上のモジュール202に測定値を再伝送することを命令し得る。例えば、測定値が第1のモジュール202及び第2のモジュール202から受信されていない場合、いくつかの実施形態においてコントローラ204は、モジュール202の全て若しくはいくつかに測定値を再伝送することを命令し得るか、ならびに/またはいくつかの実施形態においてコントローラ204は、第1のモジュール202及び/若しくは第2のモジュール202からのみの再伝送をリクエストし得る。
【0058】
別の実施形態において、1つ以上のモジュール202はまず(例えば、ステップ602に応答して)、モジュール出力電圧測定値を2回、伝送し得、これは、測定値の消失(例えば、重複する伝送時間による)に対する冗長性及び保護を提供し得る。例えば、上記の方程式8に関して、各測定値が2回、伝送される場合、測定値を消失したイベントにおいて、単一モジュール202によって伝送された両方の測定値が消失される蓋然性は、非常に小さくなり得、コントローラ204が各モジュール202から少なくとも1つの測定値を受信する蓋然性が増す。
【0059】
ステップ604において、コントローラ204は、ステップ602で受信された測定値と関連付けられたタイムスタンプの1つ以上が略同一時間を示すか否かを判定し得る。例えば、コントローラ204は、ステップ603で受信された測定値がそれぞれの測定値が取られたであろう略同一時間を示すか否かを判定するために受信された電圧測定値の1つ以上と関連付けられたタイムスタンプを評価し得る。例えば、2つのタイムスタンプが時間において小さいかまたは無視できる差(例えば、数ミリ秒)を示す場合、コントローラ204は、測定値が略同一時間で取られたと判定し得る。別の例において、2つのタイムスタンプが時間において大きいかまたは無視できない差(例えば、数秒、数十秒若しくは数分、またはそれ以上)を示す場合、コントローラ204は、測定値が異なる時間(つまり、略同一時間ではない)に取られたと判定し得る。測定値の全てまたは関心のある全測定値が同一時間または略同一時間に取られたと判定された場合、コントローラ204は、以下により詳細に論じられることになるステップ605に進み得る。測定値の全てまたは関心のある全測定値が同一時間または略同一時間に取られていないと判定された場合、コントローラ204は、ステップ610に進み得、かつ/またはステップ602に戻り得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、ステップ602に戻る前に、コントローラ204は、ステップ610を実行し得る。ステップ610において、1つ以上の代替的アーク検出ステップ及び/または方法が利用され得る。例えば、ステップ610において、複数のモジュール202から受信され異なる時間に測定されたと判定されたであろう、1つ以上の電圧測定値は、特定時間における各モジュールに対して対応する電圧を判定するかまたは推定するためにコントローラ204によって使用され得る(例えば、以下に詳細に説明される図6eのプロセス650による)。いくつかの態様によると、コントローラ204は、ステップ605に進み、ステップ610において判定された電圧値を使用し得る。いくつかの態様によると、ステップ610において、コントローラ204は、受信された電圧測定値を以前に測定された電圧測定値と比較し、アーク発生条件を示す傾向を示す1つ以上のモジュール電圧(例えば、時間内の測定された電圧における昇降)に基づいてアーク発生条件が存在し得ることを判定し得る。
【0061】
ステップ605において、プロセス601を実行するコントローラ204は、ステップ603で受信された出力電圧測定値の1つ以上の合計を計算し得、これは、電圧に対してΣViとして示され得るが、電流、電力等の他のパラメータに対して別の記号として示され得る。いくつかの態様によると、ΣViは、複数の直列接続モジュール202を備えるストリング(例えば、520)間の電圧(例えば、総電圧)を示し得るか、またはストリングの一部分の間の電圧を示し得る。
【0062】
ステップ606において、コントローラ204(または他の機器または実体)は、ΣViを基準パラメータ(例えば、電圧、電流、電力等)と比較し得る。例えば、基準は、単一基準電圧または複数の基準電圧であり得る。いくつかの実施形態において、基準は、方法601の以前の実行から取得された電圧の合計ΣViであり得る(例えば、以下に詳細に論じられることになる、ステップ608において保存された値)。いくつかの実施形態において、基準は、時間内に測定された一連の電圧であり得る(例えば、方法601の以前の実行によって取得されたΣViの10個の値)。いくつかの実施形態において、基準は、発電回路(例えば、501a)及び/または発電システム(例えば、201)の異なる位置において測定された電圧であり得る。一例において、基準は、図5aの負荷250の入力において測定された電圧であり得る。
【0063】
ステップ607において、コントローラ204は、ステップ606で実行された比較がアーク発生条件を示すか否かを判定し得る。例えば、いくつかの実施形態において、コントローラ204は、V_250と示され得る、負荷250の入力において測定された基準電圧とΣViを比較し、Vdiff=ΣVi-V_250>Vthreshである場合、アーク発生条件が存在し得ると判定し得、ここでVthreshは、アーク発生条件を示し得る最小電圧差であるように選択される。いくつかの実施形態において、Vthreshは、約1ボルトであり得る。いくつかの実施形態において、Vthreshは、約1ボルトよりも小さいかまたは大きい。図2を再び参照すると、直列アーク106の場合において、直列アーク106間の電圧降下(Varcとしても参照される)は、低電圧(例えば、数十または数百ミリボルト)で時間内に始まり、Varcは、数ボルト等(例えば、10ボルト、100ボルト、または更により高く等)まで上昇し得る。いくつかの態様によると、Varcは、モジュール202によって測定されない可能性があるが、Varcは、V_250、つまり、負荷250の入力において測定された電圧によって反映され得る。例えば、直列アーク106に対応するVarcは、モジュール202によって取られた電圧測定値に含まれない可能性があるが、負荷250の入力において取られた電圧測定値は、Varcに対応する構成要素を含み得る。適切なVthreshを選択することによって、直列アーク106は、危険な条件になる前に検出され得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、Vthreshは、時系列データによって選択され得る。例えば、Vthreshは、1つ以上のアーク発生条件下で発電システムにおいて測定された差動電圧によって選択され得る。いくつかの実施形態において、ΣViは、以前に測定された電圧及び/または差動電圧と比較され得る。例えば、3分ごとに一度、方法601を10回実行することは、10個の差分ΣVi結果及び10個の差分電圧結果Vdiffを生成し得る。これらの10個のVdiff結果(例えば、Vdiff1、Vdiff2、...、Vdiff10)がある傾向(例えば、一定期間内で上昇する差動電圧)を示し、新たに取得されたVdiff11結果がその傾向を継続する場合、コントローラ204は、アーク発生条件が存在し得ると判定し得る。
【0065】
コントローラ204がステップ607においてアーク発生条件が存在していない可能性があると判定した場合、コントローラ204は、ステップ602に戻り、一定期間後、方法601を再開し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ204は、ステップ607からステップ608に進み、計算された値ΣVi及びVdiffを将来の使用のために保存し、その後、ステップ608からステップ602に戻るように進み得る。いくつかの実施形態において、コントローラ204は、ステップ608において、将来の参照及び分析のために、モジュール(例えば、モジュール202)から受信された個々の測定値等の追加のデータを保存し得る。実施形態によると、ステップ608で保存された測定値は、図6eに図示された、方法650のステップ653~654において使用され得る。
【0066】
コントローラ204がステップ607においてアーク発生条件が存在する可能性があると判定した場合、コントローラ204は、ステップ609に進み、警報条件を設定し得る。警報条件を設定することは、結果として種々の安全プロトコルを行うことをもたらし得る。
【0067】
例えば、方法601を実行するコントローラ204(または他の機器)は、有線及び/または無線ネットワーク/インターネット/イントラネット、かつ/あるいはコンピュータ、スマートフォン、タブレット、ならびに/またはネットワーク処理センター及び/若しくは発電監視センター等の場所に位置し得るサーバ等の他の機器等の任意の数のエンドユーザ機器に結合され得る。これらの機器は、危険な条件を警告する警告を生成するため、及び/または発電回路501aの一定の部分を出力低下させるかまたはオフにする措置を講じるために利用され得る。例えば、これらの警告は、音声及び/または映像であり得る。いくつかの態様によると、これらの警告は、発信音、音色、光、サイレン、LED、または高輝度LEDであり得る。これらの警告は、家、建物、車両、航空機、ソーラーファーム、屋根、発電回路501a等における等の土地建物に位置するかまたは駆動され得る。一例において、警告は、集約化(サーバにおける等の)及び/またはエンドユーザ機器(例えば、コンピュータ、スマートフォン、及び/またはタブレット)に分散され得る。警告は、断路器、スイッチ、PVセル/アレイ、インバータ、マイクロインバータ、オプティマイザ、住居用電流機器、計器、遮断器、幹線、及び/または接続箱等の発電回路501aの種々の構成要素に結合されるか、取り付けられるか、及び/または組み込まれたディスプレイ上で示され得る。警告は、ユーザが危険な状態の回路に近づいているかまたは近接しているときに、ユーザに危険な状態の回路を気づかせ、かつ/またはユーザに警告するために、ユーザのまたは据付者の携帯電話及び/または他の機器(例えば、個人機器、コンピューティング機器等)に様々に結合され得る。警告は、GPSに結合されるかまたはそうでなければこれと関連付けられ得るか、及び/または危険な条件に近接する場所において動いている機器(例えば、スマートフォン、タブレット等)に応答して生成され得る。モジュール202によって送信された測定値及び/または合計された測定値ΣViは、ローカルに分析されるか、及び/または更なる分析、記憶、及び評価のために別の機器に送信され得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、ステップ609は、アーク発生に応答して発電システムの発電をシャットダウンすることを含み得る。いくつかの態様によると、ステップ607において、コントローラ204が、アーク発生条件が存在し得ると判定した場合、コントローラ204は、プロセス601の1つ以上のステップを繰り返し得、これは、「誤報」のリスクを低下させ得るか、及び/または1つ以上の不正確または信頼できない測定値によるかまたは測定ノイズによる、発電システムのシャットダウンの頻度を低下させ得る。いくつかの態様によると、コントローラ24は、1回よりも多くプロセス601の1つ以上のステップを繰り返し得る。いくつかの態様によると、プロセス601のステップの実行及び/または繰り返しは、たて続けに起こり得るか(例えば、1秒離れて、数秒離れて等)、さらに離間され得る(例えば、数分離れて、数時間離れて等)。いくつかの実施形態において、警報条件は、方法601の2つ以上の実行がアーク発生条件を示す場合のみ設定され得る。いくつかの態様によると、プロセス601は、任意の時間に、及び/または任意のステップ後に終了し得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、方法601は、複数PVストリングに結合されたコントローラ204によって実行され得る。コントローラ204は、各ストリングに関して方法601を実行し得る(例えば、10個のPVストリングがコントローラ204に結合され、コントローラ204は、5分ごとに10回、方法601を実行し得、方法601の各実行は、異なるストリングに適用される)。コントローラ204が複数PVストリングに結合された、いくつかの実施形態において、ステップ609は、どのストリングが警報条件をトリガーしたコントローラ204に結合されているか(つまり、どのストリングが警報条件の対象になり得るか)を示すことをさらに含み得る。
【0070】
ここで、実施形態によるプロセスを示す図6bを参照する。プロセス611は、コントローラまたは他の機器、例えば、モジュールを制御するように構成された機器(例えば、DC-DCコンバータ、DC-ACマイクロインバータ、断路器、監視機器及び類似機器の等の太陽光発電機器)によって実行され得る。例えば、コンピュータ機器(例えば、コントローラ等)は、アナログ回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であるかまたはこれらを含み得る。コントローラは、モジュール202に類似またはこれと同一の1つ以上のモジュールを制御し、電力線通信(PLC)、無線通信(例えば、セルラー方式通信、WiFi(商標)、ZigBee(商標)、Bluetooth(商標)または代替的プロトコル)及び/または音響通信等の1つ以上の通信方法を使用し得る。
【0071】
例示的、非限定的目的のために、プロセス601は、図2のモジュール202に類似するかまたはこれと同一であり得る電力モジュール802の特徴部であり得る、図8aのコントローラ804(コントローラ204に類似するかまたはこれと同一であり得、以下により詳細に論じられることになる)によって実行されるとして説明されることになる。方法611を実行するコントローラ804は、例えば、電力線通信(PLC)、無線通信または音響通信を使用して、方法601を実行する第2のコントローラ204と通信し得る。例えば、方法611は、電力モジュールに含まれたコントローラによって実行され、方法601は、電力モジュールと電気的に通信するPVインバータに含まれたコントローラによって実行され得る。コントローラ804は、入力及び/または出力電圧、電流、電力、日射照度及び/または温度等のモジュールと関連付けられた電気パラメータを測定するために1つ以上のセンサ、例えば、図8aのセンサ/センサインターフェース805、センサ206に類似するかまたは同一であり、以下により詳細に論じられることになる)を測定制御し得る。センサ/センサインターフェース805が電圧センサを含む場合、電圧センサは、例えば、図8aのモジュール802の入力または出力における電圧を検出するために並列に配置され得る。
【0072】
ステップ612において、コントローラ804は、関連モジュール(例えば、図2のモジュール202)のパラメータ(例えば、入力及び/または出力電圧、電流、電力、日射照度及び/または温度)を測定するために命令(例えば、方法601のステップ602を実行する第2のコントローラ204から由来する)を受信し得る。
【0073】
ステップ613において、コントローラ(例えば、コントローラ804)は、関連センサにモジュール(例えば、モジュール202)の出力電圧を測定することを命令し、電圧測定値が、メモリ(例えば、以下により詳細に論じられることになる図8aのメモリ機器809)に保存され得る。いくつかの実施形態において、コントローラ804は、ステップ613の1つ以上の態様を実行するための一定時間を示し得る命令(例えば、ステップ612または別の時間において)を受信し得る。例えば、ステップ612で受信された命令は、コントローラ804に、ある時間(例えば、午後1:00:00)に出力電圧を測定することを命令し得るか、またはコントローラに、所定期間後(例えば、命令の受信後3秒)に出力電圧を測定することを命令し得る。
【0074】
ステップ614において、コントローラ804は、コントローラ804がステップ615において通信機器806に電圧測定値を伝送することを命令する前の一定期間を判定し得る。いくつかの実施形態において、ステップ612(または別の時間)で受信された命令は、ステップ615が実行されるべき時間を示し得、これは、複数コントローラが同時に伝送することの蓋然性を低下させ得る。例えば、ステップ612で受信された命令は、出力電圧が午後1:00:01(つまり、測定後1秒)において伝送され得ることを示し得る。いくつかの実施形態において、コントローラ804は、伝送前に待機する一定期間(例えば、ランダムまたは擬似ランダム期間等)を選択し得る。例えば、コントローラ804は、電圧測定値を伝送する前に待機する、1秒~15分(例えば、均一分布による)のランダム期間を選択得る。
【0075】
ステップ615において、電圧測定値は、関連コントローラに伝送される(例えば、方法601を実行するコントローラ204)。いくつかの実施形態において、電圧測定値は、追加の情報、例えば、コントローラと関連付けられた識別(ID)タグ及び/または電圧測定値が取得された時間/タイムスタンプ(または他の説明)を示すタイムスタンプと共に伝送され得る。いくつかの実施形態において、ステップ615で、電圧測定値は、1回よりも多く伝送され、これは、測定値が、受信する第2のコントローラによって少なくとも1回、受信されることになる蓋然性を向上し得る。
【0076】
ステップ616において、コントローラ804は、電圧測定値を再伝送する命令を受信し得る。例えば、コントローラ804は、伝送エラーによる等で、通信が消失され、かつ/または別の構成要素によって受信されていない場合、電圧測定値を再伝送し得る。このような命令が受信された場合、コントローラ804は、ステップ615にループバックして再伝送し得る。このような命令が受信されない場合、コントローラ804は、ステップ612に戻り、出力電圧を測定するために追加の命令を受信することを待機する。いくつかの態様によると、プロセス611は、任意の時間に及び/または任意のステップ後に終了し得る。
【0077】
ここで、1つ以上の開示された態様による、データパケット630を例示する図6cを参照する。データパケット630は、送信者IDタグ632、タイムスタンプ633及び1つ以上の測定値634等の1つ以上の要素を含み得る。送信者ID632タグは、データパケット630を送信する関連コントローラまたはモジュールの識別(例えば、固有ID)を示し得る。測定値634は、モジュール(例えば、202または802)においてセンサによって取得された1つ以上の測定値、例えば、電圧、電流、電力、モジュール(例えば、モジュール202)またはその近くにおいて測定された温度及び/または照度を含み得る。タイプスタンプ633は、測定値634が取得され、かつ/または測定された時間を示し得る。数個の測定値が異なる時間に取られた場合、数個のタイムスタンプ633が、それぞれの測定値に対して含まれ得る。いくつかの実施形態(例えば、パケットが意図した最終受信者ではない可能がある機器によって受信され得る場合)において、パケットは、意図されたかまたは後続する受信者に対応するターゲットIDタグ635を含み得る。いくつかの実施形態において、パケットは、パケット内容に関するメタデータを備えるヘッダ631を含み、向上したデータ保全性を提供し得る巡回冗長検査(CRC)部分636を含み得る。
【0078】
いくつかの態様によると、データパケット630は、方法611のステップ615で送信され得、かつ/または図6aのステップ603で受信され得る。データパケット630のタイムスタンプ633は、データパケット630が1つ以上の他のデータパケットと略同時に受信されたことを検証するために、ステップ604で読み取られ、かつ/または処理され得る(例えば、コントローラ204によって)。いくつかの態様によると、データパケット630は、複数のモジュール(例えば、202)によって測定された電圧(または他のパラメータ)の合計を計算するためにステップ605で使用され得る(例えば、コントローラ204によって)測定値634を含み得る。
【0079】
ここで、1つ以上の開示された態様による、アーク検出のためのプロセスを例示する図6dを参照する。いくつかの態様によると、プロセス601のステップ610は、プロセス640の1つ以上のステップを含み得る。プロセス640は、略同時に測定されておらず、かつ/または取得されていない可能性がある、1つ以上のパラメータ測定値(例えば、電圧測定値)を使用してアーク発生条件を検出するかまたは判定するコントローラ(例えば、コントローラ204)によって使用され得る。例えば、1つの測定値は、第1の時間に取得されており、第2の測定値は、第2の時間に取得されている可能性がある。
【0080】
ステップ641において、方法640を実行するコントローラ(例えば、204)は、パラメータ測定値634(例えば、電圧測定値、電流測定値等)のグループのそれぞれの測定値634に対応するタイムスタンプ633のグループを評価し得る。例えば、コントローラは、複数のタイムスタンプ633を読み取り、タイムスタンプ633が略同一ではない可能性があることを判定し得る(例えば、タイムスタンプ633が、数秒、数十秒、数分または数時間で異なる複数の時点を示し得る)。
【0081】
ステップ642において、コントローラ204は、基準タイムスタンプを選択し得る。いくつかの実施形態において、基準スタンプは、タイムスタンプ633のグループのうちの1つであり得る(例えば、最も早いタイムスタンプ、最も遅いタイムスタンプ、中間のタイムスタンプ、または他の中央のタイムスタンプ等)。いくつかの実施形態において、基準タイムスタンプは、タイムスタンプ633のグループのうちの1つに対応していない可能性がある(例えば、タイムスタンプのグループにおける2つ以上のタイムスタンプの平均であり得るか、またはタイムスタンプの範囲内のランダム時間であり得る)。
【0082】
ステップ643において、コントローラ204は、複数の電圧推定値、計算値、または基準タイムスタンプにおいて測定された電圧に対応する近似値を判定し得る。例えば、ステップ641においてコントローラ204が電圧V[t1]、V[t3]、V[t3]及びV[t4](例えば、4つの異なるモジュール202で測定された電圧)に対応するタイムスタンプt1、t2、t3及びt4を評価する場合、ステップ643において、コントローラ204は、以下の数10および数11の電圧
【数10】

及び
【数11】

(つまり、タイムスタンプtsでの4つのモジュール202における電圧)を判定し得る。いくつかの態様によると、コントローラは、補間、回帰分析等によって電圧推定値を判定し得る。ステップ643の態様は、図6eに関して以下により詳細に論じられる。
【0083】
ステップ644において、方法640を実行するコントローラ(例えば、204)は、ΣViで示され得る、ステップ643で推定されるかまたは判定された出力電圧測定値の合計を計算し得る。ΣViは、複数の直列接続モジュール202を備えるストリング(例えば、520)またはストリング520の部分間の総電圧を示し得る。
【0084】
ステップ645、646及び647は、それぞれ、プロセス601のステップ606、607及び609に類似するかまたは同一であり得るが、ステップ644において判定された値を代わりに使用し得る。ステップ648は、方法601のステップ608に類似するかまたは同一であり得るが、ステップ644で判定された値を代わりに使用し得る。いくつかの態様によると、プロセス640は、任意の時間に及び/または任意のステップ後に終了し得る。
【0085】
ここで、実施形態による、特定タイムスタンプにおけるパラメータ(例えば、電圧)を推定するプロセスを例示する図6eを参照する。方法650は、例えば、図6dに図示された方法640のステップ643のように、基準タイムスタンプにおける電圧降下を推定するかまたは判定するために使用され得る。ステップ651において、推定される全電圧(例えば、V[ts]、V[ts]等)は、コントローラ204によって、「未推定」状態または「未近似」状態に初期化され得る。例えば、コントローラ204は、アーク条件の判定においてコントローラ204によって使用され得る1つ以上の電圧を認識し得る。
【0086】
ステップ652において、コントローラ204は、未推定電圧V(例えば、V1)を推定用に選択し得る。
【0087】
推定は、例えば、直接計算、確率的計算、推定されたか若しくは判定された値のルックアップ及び/または受信(例えば、有線または無線通信を介した)を含み得る。
【0088】
ステップ653において、コントローラ204は、以前に測定されたかまたは取得された(例えば、方法601の過去の実行において方法601のステップ608で測定された)Vの測定値を読み出し得る。例えば、コントローラは、k個のVの以前の測定値を読み出し得、ここでkは、正の整数である。Vがゆっくり及び/または実質的に予想できる様式において変化し得るシステムにおいて、パラメータkは、小さい数であり得、例えば、kは、1、2または3であり得る。いくつかの態様によると、j番目の以前の電圧測定値のタイムスタンプと基準タイムスタンプtsとの間の経過期間は、表記の便宜上、Δtとし、jは、k以下の正の整数である。
【0089】
ステップ654において、コントローラ204は、
【数12】
と示された近似を用いて、近似された電圧V[ts]を判定し得る。いくつかの態様によると、コントローラ204は、ステップ653で読み出された以前の電圧測定値を近似推定アルゴリズムへの入力として使用し得る。
【0090】
いくつかの実施形態において、電圧Vは、経時的にゆっくりと変化し得、基準タイムスタンプにおける推定された電圧は、
【数13】

、つまり、k=1であり得、基準タイムスタンプにおける電圧は、最後の測定値と同一であるように判定され得る。別の実施形態において、基準タイムスタンプにおいて推定された電圧は、例えば、以下の定式を使用して、以前の電圧測定値を線形曲線に近似することによって計算され得、
【数14】

つまり、ここでk=2である。Viがより急速またはより複雑な様式において変化し得る実施形態において、kは、2より大きい数であり得、指数及び/若しくは対数関数等のより高位の多項式の複雑な関数、または統計モデルが、上記「数12」を推定するために使用され得る。閾値(例えば、電圧の合計と基準電圧との間の不一致がアーク発生条件を示すか否かを判定するために方法601 607またはステップ646において使用される閾値)が、上記「数14」の推定における統計誤差によって選択され得る。例えば、上記「数14」が、高い正確性で推定され得る場合、小さな閾値が使用され得る(つまり、電圧の合計と基準電圧との小さな不一致でさえ、アーク発生を示す警報条件をトリガーし得る)。いくつかの態様によると、電圧Vは、「判定済み」、「推定済み」または「近似済み」として印付けられる。
【0091】
ステップ655において、コントローラ204は、1つ以上(または全て)の電圧Vが推定されているか否かを判定し得る。全ての電圧(または関心のある電圧)が推定されている場合、コントローラ204は、ステップ656に進み、更なる分析のために推定された電圧Vを提供する(例えば、プロセス640のステップ644においてコントローラ及び/またはコンピューティング機器によって使用されるために)。1つ以上の電圧(つまり、関心のある1つ以上の電圧)が推定されていない可能性がある場合、プロセス650は、ステップ652にループバックし得る。プロセス650は、任意の時間に及び/または任意のステップ後に終了し得る。
【0092】
ここで、1つ以上の開示された態様による、アーク発生条件を検出するためのプロセス660を例示する図6fを参照する。機器(例えば、コントローラ204またはいくつかの他の機器)は、プロセス660の1つ以上のステップを異なるプロセスの一部として(例えば、プロセス601のステップ610として)実行してもよく、そうでなくてもよい。いくつかの実施形態によると、プロセス660を実行するコントローラ(例えば、204)は、測定された(例えば、現在測定された、以前に測定された等)パラメータ(例えば、電圧、電流、電力及び/または温度)測定値における制御されていない傾向を検出することによって潜在的なアーク発生条件を検出し得る。例示的目的のために、電圧測定値が、プロセス660の態様を例示するために使用される。
【0093】
ステップ661において、コントローラ204は、k個(1、2、3等)の測定された電圧測定値(例えば、モジュール202の入力若しくは出力または負荷250で測定された)を受信し得る(例えば、メモリ構成要素から読み出し、かつ/または通信によって別の機器から受信する)。
【0094】
ステップ662において、コントローラ204は、電圧測定値における傾向を検出することを試行し得る。例えば、コントローラ204は、電圧測定値が経時的な上昇若しくは低下を示すかまたは実質的に同一に留まるか否かを判定し得る。いくつかの態様によると、他の傾向が、線形回帰、非線形回帰等を使用して検出され得る。一例においてアーク(例えば、アーク106)間の電圧降下は、経時的に一貫して増加し(例えば、アーク発生空隙を増大させ、これによってアーク発生電圧を上昇させ得る、導体の溶融によって)、これは、結果として測定された電圧(例えば、モジュール202において)が経時的に上昇することをもたらし得る。経時的に観察され得るアーク発生電圧の変化は、限定されるものではないが、アークが起こり得る導体を通って流れる電流、導体材料、温度ならびに他の動作及び環境パラメータを含む、1つ以上のパラメータによって変化し得る。プロセス660を実行するコントローラ(例えば、204)は、プロセス660を実施する構成要素、機器、またはシステムの位置によって既知であるかまたは判定され得る(例えば、経験的に推定される)、これらのパラメータのうちの1つ以上によって構成され得る。
【0095】
実施形態によると、アーク間の電圧降下は、以下の方程式9によって推定され得、
【数15】

・・・方程式9
ここでVarcは、全アーク電圧であり得、Vは、アーク発生接点における電圧であり得、dは、アーク空隙サイズであり得、Vは、空隙サイズdに対する空隙間の電圧降下に関するパラメータであり得、Iは、アークを通って流れる電流であり得、Iは、パラメータ(例えば、導体材料に依存し得るパラメータ)であり得る。いくつかの態様によると、Iは、モジュール202によって測定され得、このため既知であり得、dは、経時的に増加し得(例えば、導体溶融によって)、これは、測定された電圧における変化をもたらし得、これは、アーク発生条件を示し得る。
【0096】
例示的、数値例として、システムは、
【数16】

を有し得る。アーク空隙サイズは、0.1mm/秒で増加し得、アーク電圧は、3分ごとに約1V上昇し得、これは、モジュール202の出力において測定される電圧が3分ごとに50mV上昇することを引き起こし得るか(例えば、モジュール202の出力インピーダンスが、アークによる「見かけの」総ループインピーダンスの約5%を含む場合において)、またはモジュール202の入力において測定される電圧が3分ごとに約500mV上昇することを引き起こし得る(例えば、アークがモジュール202の入力にあり、モジュール202の入力インピーダンスが、アークによる「見かけの」総ループインピーダンスの約50%である場合において)。
【0097】
上の数値例において提供された例示的値が、一実施形態において可能性のあるシナリオに対応する起こり得る値を単に示すものであることが理解される。値は、代替的システム及び実施形態において変化し得、上で使用された例示的値は、多少なりとも限定するものではない。
【0098】
ステップ663において、コントローラ204は、ステップ661で読み出された電圧測定値がある傾向を示すか否かを判定し得、測定値がある傾向を示す場合、傾向が制御されているか否かを判定し得る。制御された傾向の例は、負荷250に上昇する電力を提供するために、例えば、1つ以上のモジュール202が出力電圧を能動的に上昇させ得る日の開始における起動条件であり得る。制御された傾向の別の例は、最大電力点追従制御(MPPT)を実行するモジュール202によって引き起こされたモジュール202への入力における低減された電圧であり得る。制御された傾向が通常システム動作中に起こり得るので、制御された傾向が検出された場合(例えば、制御機器によって発せられたコマンドまたはモジュール202及び/若しくは負荷250における動作的変化による傾向を相関することによって)、コントローラ204は、方法601のステップ608に類似するかまたは同一であり得るステップ664に進み、測定値を保存し得る。制御されていない傾向がステップ663において検出された場合、傾向は、アーク発生条件(例えば、制御されていないアーク発生条件)を示すものであり得、コントローラ204は、方法601のステップ609に類似するかまたは同一であり得るステップ665に進み、警報条件を設定し得る。いくつかの態様によると、プロセス660は、任意の時間に、かつ/または任意のステップ後に終了し得る。
【0099】
ここで、例示的実施形態による、太陽光(PV)発電システム701を示す図7aを参照する。PV発電システム701は、複数のPV発電装置を備え得る。図7aに示される例示的実施形態において、各PV発電装置は、パネル200に類似するかまたは同一であり得る、PVパネル700を備え得る。いくつかの実施形態において、PV発電装置は、個々のPVセル、PVセルのサブストリング、1つ以上のPVパネル及び/またはPVアレイを備え得る。いくつかの実施形態において、PV発電装置は、1つ以上のバッテリー、コンデンサ、スーパーキャパシタ、燃料電池、風力タービンまたは他の発電装置若しくは蓄電源によって、置換されるかまたは補足され得る。
【0100】
各PV発電装置(図7aの場合において、各パネル700)は、電力モジュール702(例えば、702a、702b、702c等、まとめて「モジュール702」として参照される)に結合され得る。いくつかの態様によると、電力モジュール702は、モジュール202に類似するかまたは同一であり得る。各モジュール702は、パネル700に結合され得る、入力端子及び出力端子を備え得る。各モジュール702は、パネル700から入力端子において入力電力を受容するように構成され、出力端子において出力電力を提供するように構成され得る。複数のモジュール702によって提供された電力は、電力バスと接地バスとの間で組み合わせられ得る。図7aの例示的実施形態において、各モジュール702の出力端子は、電力バスと接地バスとの間で並列に結合される。各モジュールは、上昇した電力(例えば、最大電力またはほぼ最大電力)をパネルから引き出すために使用され得る、最大電力点追従制御(MPPT)を関連パネル700に適用し得る。
【0101】
負荷750は、電力バスと接地バスとの間で結合され、パネル700によって発電された電力を受容し得る。いくつかの実施形態において、負荷750は、DC/ACインバータを備え得る。いくつかの実施形態において、負荷750は、DCまたはACコンバイナボックス、1つ以上の安全機器(例えば、1つ以上のヒューズ、漏電遮断器、リレー、断路器)を備え得る。いくつかの実施形態において、負荷750は、監視機器、例えば、パラメータ(例えば、電圧、電流、電力、温度及び/または照度)を測定するように構成された1つ以上のセンサと、メッセージ、コマンド及び/またはデータを伝送及び/または受信するための通信機器(有線または無線)とを含み得る。コントローラ704は、負荷750に結合され得る。いくつかの実施形態において、コントローラ704は、DC/ACインバータに統合されたコントローラであり得、アナログ回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して実装され得る。コントローラ704は、電力線通信(PLC)、無線通信(例えば、セルラー方式通信、WiFi(商標)、ZigBee(商標)、Bluetooth(商標)または代替的プロトコル)及び/または音響通信等の通信方法を使用して、モジュール702と通信し得る。いくつかの態様によると、コントローラ704は、コントローラ204と同一であるかまたは類似し得る。
【0102】
図7aは、アーク706がモジュール702cの出力端子と電力バスとの間で起こり得るシナリオを例示する。電力バスと接地バスとの間の電圧をVpgとして示すと、出力端子各モジュール702が接地バスと電力バスとの間に結合され得るので、モジュール702は、約Vpgの出力電圧を測定し得る。モジュール702cは、アーク706間の電圧降下によって、Vpgとは異なる出力電圧を測定し得る。本明細書において開示された方法によると、各モジュール702は、各モジュール702のそれぞれの出力端子間の出力電圧を定期的に測定し得、測定された出力電圧の比較が、アーク発生条件を示し得る。図7aの例示的な例において、各モジュール702(モジュール702cを除く)は、約300Vの出力電圧を測定し得、アーク706間の10Vの電圧降下によって、モジュール702cは、約310Vの電圧降下を測定し得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、1つ以上のモジュール702は、電圧ノイズを測定し得、各モジュール702によって取得された電圧ノイズ測定値が比較され得る(例えば、コントローラ704によって)。いくつかの実施形態において、モジュール702cによって取得された電圧ノイズ測定値は、アーク706を示し得る。例えば、モジュール702cによって測定された電圧スペクトルが、他の電圧測定値では見られない、振幅における著しく高い周波数成分を含む場合、本明細書において開示された1つ以上のプロセスまたはステップは、測定値がモジュール702cまたはその近くにおけるアーク発生条件を示し得ることを判定し得る。
【0104】
ここで、一実施形態による、アークを検出する方法711を例示する図7bを参照する。いくつかの実施形態において、方法711は、図7bのコントローラ704に類似するかまたは同一であるコントローラによって実行され得る。いくつかの実施形態において、方法711は、モジュール702によって特徴付けられるマスターコントローラによって実行され得る。例示的目的のために、方法711は、コントローラ704によって実行されるものとして説明されることになる。ステップ712~714は、方法601のそれぞれステップ602~604に類似するかまたは同一であり得る。ステップ715において、方法711を実行するコントローラ(例えば、704)は、ステップ714で受信した電圧測定値を互いに比較し得る。ステップ715において、コントローラ704は、モジュールから受信された測定値が異なるか否かを判定し得る(例えば、電圧測定値が他の測定値から50mV、500mVよりも大きく若しくは1Vよりも大きく異なること、または電圧ノイズ測定値が他の電圧ノイズ測定値から数十ミリボルト異なること)。いくつかの態様によると、電圧差は、コントローラまたはいくつかの他の機器によって設定され得る、いくつかの閾値と比較され得る。いくつかの態様によると、この閾値は、電圧測定値間で実質的に異なり得る。いくつかの態様によると、この閾値は、電圧の比率であり得る。例えば、電圧差が、低い方の電圧測定値の2倍大きい(2の閾値比率に対応する)か、若しくは低い方の電圧測定値の10倍大きい(10の閾値比率に対応する)場合、または電圧差が、低い方の電圧測定値に等しい(1の閾値比率に対応する)場合、電圧差が閾値を超えていると考慮され得る。ステップ716においてアーク発生が起こりそうにないという判定がなされた場合、プロセスは、コントローラ704が、ステップ714で受信された測定値をメモリに保存し得るステップ718に進み得る。プロセス711を実行するコントローラ704は、方法711の新たな実行のために、一定期間(例えば、5分)経過後等に、ステップ712に戻り得る。いくつかの実施形態において、過去の測定値が基準のために使用されていない可能性があるとき、プロセスは、ステップ716から直接、ステップ712に戻るように進み得る。
【0105】
ステップ716においてアーク発生条件が存在し得ると判定された場合(例えば、電圧測定値が他の電圧測定値とは実質的に異なるとき)、プロセスは、方法601のステップ609に類似し得るステップ717に進み、警報条件を設定し得る。いくつかの実施形態において、コントローラは、方法711を繰り返し、追加の繰り返しがアーク発生条件を示す場合、ステップ717に進むのみとなり得る(例えば、「誤報」のリスクを低減するために)。
【0106】
いくつかの実施形態において、ステップ718で記録された測定値は、方法711の将来の実行中の基準のために使用され得る。例えば、第1のモジュール702は、他のモジュールの出力電圧とは異なる出力電圧測定値を一貫して提供し得る(例えば、欠陥のあるセンサまたは損傷した配線等の損失要素による)。ステップ715及び716は、一定または予測可能な測定差の原因を校正され、ステップ716は、測定差が経時的に連続的に変化(例えば、増大する)場合、ステップ717をトリガーするように適合され得る。
【0107】
ここで、1つ以上の態様によって、太陽光発電電力機器802において見られ得る回路等の回路811を例示する図8aを参照する。太陽光発電電力機器802は、図2及び図5aのモジュール202ならびに/または図7aのモジュール702に類似するかまたはそれとして使用され得る。いくつかの実施形態において、回路811は、電力コンバータ801を含み得る。電力コンバータ801は、チャージポンプ、降圧、昇圧、降圧/昇圧、降圧+昇圧、Cuk、フライバック、及び/またはフォワードコンバータ等の直流-直流(DC/DC)コンバータを備え得る。いくつかの実施形態において、電力コンバータ801は、マイクロインバータ等の直流-交流(DC/AC)コンバータ(インバータとしても知られる)を備え得る。いくつかの実施形態において、回路811は、電力機器が結合される電源(例えば、太陽光パネル、太陽光セル等)から上昇した電力(例えば、最大電力またはほぼ最大電力)を引き出すように構成された、最大電力点追従制御(MPPT)回路803を含み得る。いくつかの実施形態において、電力コンバータ801は、MPPT機能を含み得る。回路811は、アナログ回路、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であり得る、コントローラ804をさらに備え得る。コントローラ804は、図2のコントローラ204に類似するかまたは同一であり得、図2の制御モジュール202に使用される制御機器に類似するかまたは同一であり得る。
【0108】
引き続き図8aを参照すると、コントローラ804は、共通バス810越しに回路811の他の要素を制御し、かつ/またはそれらと通信し得る。いくつかの実施形態において、回路811は、パラメータを直接、測定するか、または電源に対するか、これにおけるか、若しくはこれの近くのパラメータを測定するように構成された、接続されたセンサ/センサインターフェース805から測定されたパラメータを受信するように構成された回路及び/またはセンサ/センサインターフェース805を含み得る。これらのパラメータは、電源及び/または電源からの電力出力による、電圧及び/または電流出力等を含み得る。いくつかの実施形態において、電源は、PVモジュールであり得、センサまたはセンサインターフェース805は、モジュールによる照度及び/またはモジュールに対するか、それにおけるか、若しくはその近くの温度の測定値を測定し得るかまたは受信し得る。いくつかの実施形態において、回路及び/またはセンサ/センサインターフェース805は、パラメータを直接、測定するか、またはPV電力機器802の出力におけるか若しくはその近くのパラメータを測定するように構成された、接続されたセンサ及び/またはセンサインターフェース805から測定されたパラメータを受信するように構成され得る。これらのパラメータは、PV電力機器802及び/またはPV電力機器802からの出力による、電圧及び/または電流出力を含み得る。
【0109】
引き続き図8aを参照すると、いくつかの実施形態において、回路811は、伝送するかならびに/または他の機器からのデータ及び/若しくはコマンドを受信するように構成された、通信機器806を含み得る。通信機器806は、電力線通信(PLC)技術、音響通信技術またはZigBee(商標)、Wi-Fi(商標)、Bluetooth(商標)、セルラー方式通信若しくは他の無線方法等の無線技術を使用して通信し得る。いくつかの実施形態において、回路811は、コード、動作プロトコルまたは他の動作情報を記憶するために、センサ/センサインターフェース805によって取られた測定値を記録するためのメモリ機器809を含み得る。メモリ機器809は、フラッシュ、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートデバイス(SSD)または他の形式の適切なメモリ機器であり得る。
【0110】
引き続き図8aを参照すると、いくつかの実施形態において、回路811は、安全機器807(例えば、回路遮断器及び漏電遮断器)を含み得る。安全機器807は、受動的または能動的であり得る。例えば、安全機器807は、回路811内に配設され一定電流がそこを通って流れると溶融するように設計され、損傷を回避するために回路811の一部を遮断する、1つ以上の受動的ヒューズを備え得る。いくつかの実施形態において、安全機器807は、回路811の一部分を遮断するためにコントローラ(例えば、コントローラ804または外部コントローラ)からコマンドを受信するように構成されるか、またはセンサによって測定された測定値(例えば、センサ/センサインターフェース805によって測定された測定値)に応答して回路811の一部分を断線するように構成される、能動的断路器を備え得る。いくつかの実施形態において、回路811は、回路811に結合された電源から電力を受信し、他の回路構成要素(例えば、コントローラ804、通信機器806等)を動作するために適切な電力を出力するように構成された、補助電力ユニット808を備え得る。回路811の種々の構成要素間の通信、電気結合及び/またはデータ共有は、共通バス810越しに実行され得る。
【0111】
いくつかの実施形態によると、コントローラ804は、図6bのプロセス611を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態によると、センサ/センサインターフェース805は、プロセス611のステップ613においてPV電力機器802の出力電圧を測定するように構成され得る。いくつかの実施形態によると、通信機器806は、伝送するかまたは結合された通信機器からメッセージを受信し、受信した命令をコントローラ804に中継することによって、プロセス611のステップ612、615及び/または616を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態において、通信機器806は、図5cのプロセス500のステップ554を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態において、コントローラ804は、「マスターコントローラ」として機能し、図6aのプロセス601、図7bのプロセッサ711、及び図5cの方法500のステップ552、556、558及び(通信機器806と共に)560を実行するように構成され得る。
【0112】
電気回路構成811は、図8aに図示された構成要素の一部分を備え得る。例えば、いくつかの実施形態において、PV電力機器802は、電力変換及び/またはMPPT機能を含まない可能性がある(つまり、電気回路構成811が電力コンバータ801及び/またはMPPT回路803を備えない可能性がある)、監視及び/または安全機器であり得る。いくつかの実施形態において、PV電力機器802は、電力変換及び/またはMPPT機能を備え得るが、1つ以上の通信特徴部を備えない可能性がある(つまり、電気回路構成811が通信機器806を備えない可能性がある。例えば、コントローラ804は、例えば、他の機器から通信を受信することなく、アーク発生条件を検出することに応答してPVストリングから電気回路構成811を遮断するように構成され得る)。
【0113】
いくつかの実施形態において、PV電力機器802及び/または電気回路構成811の1つ以上の構成要素は、太陽光発電装置に統合され得る。例えば、電気回路構成811は、太陽光発電装置接続箱に統合され得る。別の例として、電気回路構成811の要素(例えば、電力コンバータ801、コントローラ804及び/または安全機器807)は、PVパネルまたは他の電力機器に組み込まれ得る。
【0114】
ここで、実施形態による、太陽光発電システムの一部分を例示する図8bを参照する。図8bに図示される例示的実施形態において、複数のPV電力機器802(例えば、802a、802b、...802n)は、太陽光発電ストリング820を形成するために複数のPV発電装置800(例えば、800a、800b、...800n)に結合され得る。いくつかの態様によると、太陽光発電ストリング820の1つの端子は、電力(例えば、直流)バスに結合され、ストリング820の他の端子は、接地バスに結合され得る。いくつかの実施形態において、電力及び接地バスは、システム電力機器850に対する入力であり得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器850は、DC/ACインバータを含み、交流(AC)電力を電力グリッド、家または他の出力先に出力し得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器850は、コンバイナボックス、DCリンク、変圧器及び/または安全遮断回路を備え得る。例えば、システム電力機器850は、820に類似するかまたは同一である複数のPVストリングからDC電力を受信し、組み合わせられたDC電力を出力するためのDCコンバイナボックスを備え得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器850は、複数の並列接続PVストリングに結合され、過電流保護のために各PVストリングに結合されたヒューズ、及び/または1つ以上のPVストリングを遮断するための1つ以上の断路器を含み得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器850は、潜在的に安全ではない条件に応答してシステム電力機器850への入力電圧を急速に低下させるように構成された急速シャットダウン回路を備え得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器850は、図2の負荷250及び/または図7aの負荷750に類似するかまたは同一であり得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、太陽光発電(PV)電力機器802aは、昇降圧DC/DCコンバータの変形例を使用する電力コンバータ801aを備え得る。電力コンバータ801aは、Vin及びコモンで示された2つの入力端子、及び同一電圧Voutを出力する2つの出力端子を含み得る。出力電圧は、コモン端子に関連する。回路は、コモン端子とVin端子との間に結合された入力コンデンサCin、及びコモン端子とVout端子との間に結合された出力コンデンサを含み得る。回路は、基準のために使用される第1の中心点及び第2の中心点を含み得る。回路は、複数のスイッチ(例えば、MOSFETトランジスタ)Q1、Q2、Q3及びQ4を含み得、Q1がVinと第1の中心点との間に接続され、Q2がコモン端子と第1の中心点との間に接続される。Q3は、Vout端子と第2の中心点との間に接続され、Q4は、コモン端子と第2の中心点との間に接続され得る。回路は、2つの中心点間に結合されたインダクタLをさらに含み得る。
【0116】
PV電力機器802aにおける昇降圧DC/DCコンバータの動作は、様々に構成され得る。例えば、出力電圧が入力電圧よりも低いことが所望される場合、Q3は、静的にオンであり得、Q4は、静的にオフであり得、Q1及びQ2は、互いに相補的様式でPWMスイッチングされ、回路は、一時的に降圧コンバータと等価であり、入力電圧は、降圧される。出力電圧が入力電圧よりも高いことが所望される場合、Q1は、静的にオンであり得、Q2は、静的にオフであり得、Q3及びQ4は、互いに相補的様式でPWMスイッチングされ、入力電圧は、昇圧される。スイッチQ1及びQ2のスイッチングをずらすことで、回路は、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換し得る。電流がVin及びコモン端子によって回路に入力され、コンデンサCin及びCout間の電圧降下が、それぞれ略一定電圧Vin及びVoutである場合、回路に入力された電流は、Vin及びコモン端子において入力された電流の方形と等しいインダクタ電流を形成するためにインダクタLにおいて組み合わせられる。インダクタ電流は、一組の出力端子Voutによって出力され得る。いくつかの実施形態において、2つよりも多いVout端子が、2つよりも多い部分に出力電流を分けるために利用され得る。いくつかの実施形態において、単一出力端子が含まれ得、システム設計者は、所望であれば、出力端子を外部的に分け得る(つまり、PV電力機器回路の外側)。
【0117】
代替的実施形態において、電力コンバータ801aは、標準的な降圧コンバータであるように変更されるか若しくは構成され得る(例えば、スイッチQ3及びQ4を除去し、Vout端子を直接、第2の中心点に接続することによって)か、または標準的な昇圧コンバータであるように変更されるか若しくは構成され得る(例えば、スイッチQ1及びQ2を除去し、Vin端子を直接、第1の中心点に接続することによって)。
【0118】
PVストリング820に類似する様式でPVストリングを配置することは、数個の利益を提供し得る。例えば、2つの電流経路を通してストリング電流を導くことによって、各電流経路は、総ストリング電流の一部分を運び、ストリング820と関連付けられた配線コストが低下され得る(例えば、PV発生装置800と共に提供される導体が総ストリング電流の一部を運ぶために利用され得るので)。第2の例のように、PV発電装置(例えば、800b)が第1のPV電力機器と第2のPV電力機器との間に結合されるように、第1のPV電力機器(例えば、802a)の出力を第2のPV電力機器(例えば、802b)のコモン端子に直接、結合することによって、第1のPV電力機器及び第2のPV電力機器は、二地点間電力線通信(PTPPLC)を実行するように構成され得るか、及び/または第1の電力機器及び第2の電力機器が互いに隣接し、PV発電システムの局在化及びマッピングを潜在的に補助することを判定し得る(例えば、第1のPV電力機器と第2のPV電力機器との間の導電経路に沿って流れる電流の振幅及び波形を検出することによって)。本明細書において開示される追加の利点は、PVストリング820の配置によって提供された低インピーダンス電圧ループを使用する、改善されたアーク検出及び局在化性能を含む。
【0119】
PV電力機器802aの第1のVout端子は、接続点1(CP1と示される)においてPV発電装置800bの負の出力に結合され得る。PV電力機器802aの第2のVout端子は、接続点3(CP3と示される)においてPV電力機器802bのコモン端子に結合され得る。PV発電装置800bの正の出力は、接続点2(CP2と示される)においてPV電力機器802bのVin端子に結合され得る。
【0120】
PVストリング820の接地バス端において、PV発電装置800aは、接続点4(CP4と示される)において接地バスに結合され得る。PVストリング820の電力バス端において、PV電力機器800nは、接続点5(CP5と示される)において接地バスに結合され得る。表記の便宜上、接地または電力バスに接続されない接続点(例えば、接続点CP1、CP2及びCP3)は、「中性接続点」、またはMCPと呼ぶことになり、接地または電力バスに接続される接続点(例えば、接続点CP4及びCP5)は、「端接続点」、またはECPと呼ぶことになる。
【0121】
アーク発生が太陽光発電システムにおける近くの任意の位置で発生し得るが、接続点は、接続不良及び/または埃若しくは湿気の侵入のリスクによってアーク発生が特に起こり易いものであり得る。PVストリングをPVストリング820に類似するように配置することによって、PV電力機器802に配設されたセンサ(例えば、図8aのセンサ/センサインターフェース805)は、PV電力機器802の2つの端子間の電圧を監視することによってアーク発生条件を検出し得、電圧は、低電圧ループの一部である。
【0122】
ここで、例示的実施形態による、太陽光発電システムの一部分を例示する図8cを参照する。PVストリング820、PV発電装置800、PV電力機器802及びシステム電力機器850は、図8bの対応する要素と同一であり得る。第1の電圧ループ881は、システム電力機器850の入力における電圧(V850と示される)、PV発電装置800の端子における接続点間の複数の電圧(例えば、CP4、CP1、CP2)、V800と示される、PV発電装置800間の複数の電圧、及びPV電力機器802間の複数の電圧(つまり、PV電力機器802のVout端子とVin端子との間の電圧)を含む。キルヒホッフの電圧則(KVL)によると、第1の電圧ループ881は、以下の方程式10によって説明され、
【数17】

・・・方程式10
ここで、αは、PV発電装置800の合計電圧を示し、βはPV電力機器802の合計Vin~Vout電圧を示し、γは、MCP間、つまり、PV発電装置800とPV電力機器802との間の接続点(例えば、CP1、CP2)間の合計電圧を示す。電圧V850は、監視され得、PV電力機器の入力及び出力電圧(つまり、Vout,802及びVin、802i)は、同様に監視され得る。通常の(つまり、アーク発生が起こっていない)動作条件下において、接続点電圧は、約ゼロであり得、電圧V850、Vout,802及びVin、802iは、低周波数で変化するかまたは全く変化しない(つまり、DC電圧)であろう。アーク発生条件下において、アークは、高周波数電圧成分を第1の電圧ループ881の成分内に導入し得る(例えば、アークがCP2に存在する場合、電圧Vcp2が、高周波数成分を含み得る)。第1の電圧ループ881間のゼロである総電圧を維持するために(つまり、方程式10を破らないように)、方程式10において特徴付けられた残留電圧(例えば、PV電力機器802及び/またはシステム電力機器850のうちの1つ以上の間の電圧)は、負の高周波数成分、つまり、アーク間の高周波数電圧成分と比べて対極を有する高周波数電圧成分を含み得る。負の高周波数電圧成分は、PV機器802、PV発電装置800及び/またはシステム電力機器850に結合されたセンサによって検出可能であり得る。例えば、システム電力機器850の入力に結合された電圧センサは、V850を測定し、アーク発生条件を示し得る、10mVを超える振幅の高周波数成分(例えば、1kHzより上)を含むV850電圧測定値に応答して、警報を生じさせるかまたは是正処置をとるように構成され得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、PV電力機器802及び/またはシステム電力機器850に結合された電圧センサは、二重の目的を有し得る。例えば、図8aの通信機器806は、周波数偏移変調(FSK)を実行するように構成された電力線通信(PLC)機器であり得、高周波数電圧成分を測定するように構成された電圧センサを備え得る。高周波数の一定情報帯域で測定された電圧成分は、情報用に復号化され、高周波数のノイズ帯域で測定された電圧成分は、アーク発生条件を示すものとして判定され得る。例えば、55kHz~65kHzの第1の周波数帯域、75kHz~80kHzの第2の周波数帯域及び85kHz~91kHzの第3の周波数帯域は全て、情報信号用に監視され得る。100kHz~120kHzの第4の周波数帯域は、アーク発生条件を示す電圧ノイズ用に監視され得る。
【0124】
いくつかの実施形態において、一定周波数帯域は、アーク発生条件を示すものではない可能性がある電圧ノイズと関連付けられ得るかまたはこれに対応し得る。例えば、アーク検出回路(本明細書において開示される等の)は、高周波数でスイッチングし得る(つまり、動作する等)、1つ以上のスイッチを備え得るDC/DCコンバータまたはDC/ACコンバータに結合され得る。高周波数におけるスイッチのスイッチングは、スイッチング周波数及びその倍数の電圧ノイズを引き起こし得る。例えば、1つ以上のスイッチを19kHzでスイッチングするコンバータは、19kHz、38kHz、57kHz等の電圧ノイズを発生し得る。誤検知アーク発生条件を判定するリスクを低下させるために、いくつかの実施形態において、アーク発生条件用の監視のための、またはアーク発生条件を示す、周波数帯域が選択され得るか識別され得る。これを行うことは、アーク発生条件を示さない可能性がある電圧ノイズ(例えば、スイッチング周波数等)を含有し得る1つ以上の周波数を回避し得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、選択周波数または選択周波数のグループは、アーク発生条件を示す電圧ノイズを監視するために使用され得る。選択周波数または選択された周波数は、電圧ループのインピーダンスが低下し得る周波数に対応し得る。例えば、電圧ループ881の総インピーダンスは、10kHzにおいて最低であり得る(電圧ループ881を備える容量性及び誘導性素子を共振することによる)。この場合において、10kHzに対応する電圧成分が、アーク兆候用に測定され得るか、または5kHz~20kHzの間に対応する電圧成分(つまり、低インピーダンス周波数の2倍または半分)が、アーク兆候用に測定され得る。いくつかの実施形態において、ループインピーダンスは、選択された周波数で共振するように調節され得(例えば、調節式容量性及び/または誘導性素子を接続することによって)、これによって、選択された周波数に対応する電圧成分の検出を改善する。
【0126】
いくつかの実施形態において、追加の電圧(または他のパラメータ)検知回路が加えられ、高周波数電圧成分を測定するために構成され得る。例えば、電圧検知回路(例えば、電圧検知インダクタ回路)は、PV電力機器、システム電力機器及び/または太陽光発電装置の入力または出力端子に直列に結合され、入力または出力端子において高周波数電圧成分を測定するように構成され得る。
【0127】
引き続き図8cを参照すると、第2の電圧ループ880は、PV発電装置(例えば、800b)間の電圧、2つのMCP(例えば、CP1及びCP2)間の電圧、2つのPV電力機器(例えば、802a及び802b)間の接続点間の電圧、及びPV電力機器の2つの端子間の電圧(例えば、PV電力機器802bのVin~コモン電圧)を含み得る。電圧ループ880に類似する複数の電圧ループは、PVストリング820に存在し得、類似の電圧ループが、PVストリング820の各PV発電装置に関して画定され得る。キルヒホッフの電圧則(KVL)方程式が、以下の方程式11によって電圧ループ880を表現し得る。
【数18】

・・・方程式11
【0128】
通常の動作条件(つまり、アークなし)下において、電圧Vcp1、Vcp2及びVcp3は、略ゼロであり得、方程式11は、以下の方程式12に変形され得る。
【数19】

・・・方程式12
電圧Vin,802-Vcommon,802は、PV電力機器802aにおいてか、その近くか、またはその中に配設される得る電圧センサによって継続的に監視され得る。電圧ループ880内の接続点のうちの1つにおけるアークの場合において、高周波数電圧成分は、PV電力機器802(例えば、802b)の入力で測定され得、応答して、警報が生じ得る。通常の動作条件下において、センサは、情報信号周波数に対応し得る1つ以上の周波数で電圧成分を検出及び/または復号化し得る。いくつかの態様によると、センサは、アーク発生条件を示し得る、情報信号周波数に対応しない可能性がある1つ以上の周波数における電圧成分を検出及び/または復号化し得る。
【0129】
本明細書において開示される実施形態によって認識され得る利点は、第2の電圧ループ880の低ループインピーダンスであり得る。いくつかの態様によると、電圧センサは、PV電力機器802の1つ以上の端子においてか、その近くか、またはその間に配設され、より高いループインピーダンスを含む、より大きなループ内で測定された高周波数電圧成分よりも実質的に大きいものであり得る(つまり、より大きい振幅を有する)高周波数電圧成分を検出するように構成され得る。高周波数電圧成分の増大した振幅は、アーク発生条件の早期検出を容易化し、高速応答及び安全性の向上を可能にし得る。
【0130】
追加の利点は、アークの高速局在化を含み得る。例えば、アークがCP1で起こった場合、高周波数電圧成分は、PV電力機器802b(電圧ループ880の一部であり得る)における第1の高振幅、及び追加のPV電力機器(例えば、電圧ループ881の一部であり得るPV電力機器802a、802n)による第2の低振幅において検出され得る。測定された高周波数電圧成分の振幅を比較することは、PV電力機器が、アークがPV電力機器802bにおいてかまたはそこに近接して起こったであろうことを示し得る、より大きな高周波数電圧成分が測定されたであろうことを示し得る。
【0131】
ストリング820の配置のさらに別の利点は、1つ以上または全ての接続点に対する低インピーダンスループの提供であり得る。いくつかの従来の電力システムにおいて、PV電力機器と関連付けられた相当な数の接続点は、低インピーダンス電圧ループではない可能性があり、アーク発生条件の検出時間を潜在的に増大させる。ストリング820による配置において、接続点の一部分または全て(例えば、接続点CP5を除いて)は、任意の与えられた接続点でアークを検出する時間を低減し得る、少なくとも1つの低インピーダンス電圧ループの一部であり得、アーク発生条件の位置を判定する方法を提供し得る。
【0132】
いくつかの態様によると、アークが接続点以外の位置(例えば、電力バス、接地バスまたはPVストリング820に配設された導体等)で起こった場合、アークは、第1の電圧ループ881内及び/または第2の電圧ループ880内の位置で取られた電圧測定値に影響を及ぼし得る高周波数電圧成分を導入し得る。アークの位置に依存して、高周波数電圧成分の増大した振幅が測定され得る。例えば、アークがCP1とPV発電装置800bとの間に配設された導体で起こった場合、増大した高周波数電圧振幅は、電力機器802bによって測定され得る。別の例のように、アークがCP4で起こった場合、増大した高周波数電圧振幅は、PV電力機器802aによって測定され得る。高周波数電圧振幅は、グリッド周波数の実質的に上の周波数、例えば、200Hz、1kHz、5kHz、20kHz、100kHzまたはそれよりも高い周波数における電圧振幅を含み得る。さらに別の例のように、アークが、接地バス、電力バス、またはCP4で起こった場合、増大した高周波数電圧振幅は、全PV電力機器によって測定されない可能性がある。
【0133】
ここで、いくつかの態様による、アークを検出するためのプロセス840を例示する図8dを参照する。プロセス840は、PV電力機器(例えば、PV電力機器802に結合された、図8aのコントローラ804)及び/またはシステム電力機器(例えば、図8cのシステム電力機器850)に結合されたコントローラに結合された1つ以上の機器(例えば、コントローラ704等)によって実行され得る。
【0134】
ステップ841において、電圧は、コントローラを備える電力機器への入力で測定され得る。例えば、電圧は、入力端子間においてかまたはPV電力機器の入力若しくは出力端子と直列に測定され得る。
【0135】
ステップ842において、コントローラは、ステップ841で取得された電圧測定値が閾値の上であり得る高周波数成分を含むか否かを判定し得る。閾値は、「通常」または一般的な(例えば、アーク発生がない)システム動作に対応するような電圧レベルの上である電圧レベルに対応し得る。閾値は、例示的数値例として、10mV若しくは100mV、またはいくつかの他の値であり得る。別の例として、閾値は、別の周波数帯域または結合された回路の別の地点で測定された電圧であり得る。例えば、電圧測定値のグループは、電圧測定値のうちの最大の2つの間の電圧の差として設定されている閾値を用いて、複数の高周波数において測定され得る。別の例として、閾値は、電圧差の比率であり得る。例えば、第1の高周波数における電圧レベルが、第2の高周波数における電圧レベルの大きさの2倍(2の閾値比率に対応する)、または第2の高周波数における電圧レベルの大きさの10万倍(10万の閾値比率に対応する)である場合、電圧差が、閾値よりも大きいと考慮され得る。さらに別の例として、閾値は、低周波数電圧に関して設定され得る。例えば、DC電圧が測定され得、高周波数電圧成分用の閾値が、例えば、DC電圧の値の2%で設定され得る。
【0136】
このような閾値の上の電圧成分が検出されない場合、コントローラは、ステップ841に戻り、一定期間経過後(例えば、数秒または数分)、プロセス840を再開するかまたは前のステップに戻り得る。
【0137】
ステップ842において、閾値の上の高周波数電圧成分が検出された場合、プロセス840は、ステップ843に進み、電圧成分が通信用に使用され得る周波数帯域に位置するか否かを判定する。実施形態において、情報が高周波数電圧信号として変調されていない可能性がある場合、プロセス840は、ステップ842から直接、ステップ845に進み得る。
【0138】
ステップ843において、コントローラが、高周波数成分が変調された情報(例えば、パラメータ測定値、命令、または他の情報を含む電力線通信メッセージ)に対応すると判定した場合、コントローラはステップ844に進み得る。ステップ844において、コントローラは、電圧測定値に含有された任意の情報を判定するために電圧測定値を復号化し得る。プロセス840は、その後、ステップ841に戻り得る。
【0139】
ステップ843において、コントローラが、高周波数電圧成分が変調された情報に対応しない可能性があると判定した(例えば、コントローラが、高周波数電圧成分がノイズに対応し得ると判定した)場合、プロセス840は、ステップ845に進み得、コントローラは、警報条件を設定し得る。ステップ845は、図4のステップ408、図5dのステップ528、図6aのステップ609、及び/または図7bのステップ717に類似するかまたは同一であり得る。
【0140】
例示的実施形態において、ステップ845は、アークの位置を判定すること、及び局在化情報を有線及び/若しくは無線ネットワーク/インターネット/イントラネット、ならびに/またはネットワーク処理センター及び/若しくは発電監視センターに位置し得るサーバ等の任意の数のエンドユーザ機器に伝送することを含む。アークの位置を判定することは、ストリングの複数のPV電力機器によって測定された電圧測定値を比較すること、及び他のPV電力機器によって測定された成分よりも大きい高周波数電圧成分を測定したPV電力機器の近くにアークが存在しそうであることを判定することを含み得る。
【0141】
いくつかの実施形態において、プロセス840は、ローカルPV電力機器(例えば、図7aのモジュール702)によって実行され、測定された高周波数電圧成分を閾値と比較することを含み得る、アークの位置を判定することを含み得る。コントローラは、測定された高周波数電圧成分が閾値の上である場合、アークがローカルPV電力機器に隣接することを判定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、数個のPV電力機器コントローラは、アーク発生条件が存在し得ることをPV電力機器コントローラの1つよりも多くが判定する場合に警報条件を設定するように構成されたマスターコントローラによって各プロセス840の集約された結果が考慮され得る、プロセス840を同時または連続的に実行し得る。
【0142】
ここで、例示的実施形態による、太陽光発電(PV)システムを示す図9を参照する。PVシステム901は、複数のPVストリング920を備え得、各PVストリング920がストリング機器910に結合され、複数のストリング機器910が接地バスと電力バスとの間に直列または並列に結合されている。PVストリング920の各々は、複数の直列接続されたPV発電装置900を備え得る。PV発電装置900は、図2のPVパネル200、図7AのPVパネル700及び/または図8BのPV発電装置800に類似するかまたは同一であり得る。PV発電装置900は、1つ以上の太陽光発電セル、モジュール、サブストリング、パネルまたは屋根板を備え得る。いくつかの実施形態において、PV発電装置900は、直流(DC)バッテリーまたは代替の直流若しくは交流(AC)電源によって置換され得る。
【0143】
安全機器902は、PVストリング920の種々の位置に結合され得る。例えば、いくつかの実施形態(例えば、図9に示される実施形態)において、安全機器902は、各組のPV発電装置900の間に配設され得る。いくつかの実施形態において安全機器902は、1つよりも多い直接接続されたPV発電装置900のグループの間に配設され得る。
【0144】
いくつかの実施形態において、安全機器902は、電気または熱パラメータ(例えば、電流、電圧、電力、温度、照度等)を測定するためのセンサ/センサインターフェースを備え得る。いくつかの実施形態において、安全機器902は、潜在的に安全な条件の場合においてPV発電装置900を遮断するためのスイッチ、及びスイッチを制御するための制御/駆動回路を備え得る。いくつかの実施形態において、安全機器902は、電気パラメータ(例えば、電流、電圧、電力)を監視し、アーク発生条件が存在するかどうかを判定するために電気パラメータを分析するように構成されたアーク検出回路を備え得る。いくつかの実施形態において、安全機器902は、測定値及び/またはメッセージを伝送し、かつ/または受信するための有線または無線通信機器を備え得る。
【0145】
ストリング機器910は、図2のモジュール202、図7Aの電力モジュール702及び/または図8aの電力モジュール802に類似し得る。ストリング機器910は、通信機器806、メモリ機器809、電力コンバータ801、補助電力ユニット808、センサ/センサインターフェース805、コントローラ804、MPPT回路803及び安全機器807のうちの1つ以上を備え得る。
【0146】
いくつかの実施形態において、複数のストリング機器910は、図9に示されるように、接地バスと電力バスとの間に並列に結合され得る。いくつかの実施形態において、複数のストリング機器910は、接地バスと電力バスとの間に直列に結合され得る。いくつかの実施形態において、複数のストリング機器910は、接地バスと電力バスとの間に直列並列配置において結合され得る。いくつかの実施形態において、複数のストリング機器910は、複数PVストリング用の複数入力を有する単一筐体によって収容され得る。
【0147】
安全規定が、正常動作条件及び潜在的に不安全な条件(例えば、発火、グリッド停電、単独運転条件、アーク発生等)の両方の間において、接地バスとPVシステム901の任意の他の電圧点との間における最大許容電圧を定義し得る。同様に、安全規定は、PVシステム901の任意の2つの電圧点間の最大許容電圧を定義し得る。いくつかのシナリオにおいて、PVシステム901の不安全な条件は、PVストリング920のPV発生装置900の1つ以上またはストリング機器910の1つ以上を遮断するかまたは短絡することを要求し得る。
【0148】
いくつかの実施形態において、ストリング機器910は、PVストリング920間または電力バスと接地バスとの間の電圧を制限することによって潜在的に不安全なシステム条件に対応し得る。例えば、ストリング機器910は、潜在的に不安全な条件の場合において、各PVストリング920間の電圧を約60Vに調整するように構成されたコンバータを備え得る。
【0149】
いくつかの実施形態において、電力及び接地バスは、システム電力機器950に接続し、かつ/または入力され得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、DC/ACインバータを含み、交流(AC)電力を負荷、電力グリッド、家、または他の機器若しくは出力先に出力し得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、コンバイナボックス、変圧器、及び/または安全遮断回路を備え得る。例えば、システム電力機器950は、複数のPVストリング920からDC電力を受信し、組み合わせられたDC電力を出力するためのDCコンバイナボックスを備え得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、過電流保護用のストリング機器910に結合されたヒューズを含み得、かつ/または1つ以上のストリング機器910を遮断するための1つ以上の断路器を含み得る。
【0150】
いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、1つ以上の安全機器902及び/または1つ以上のストリング機器910を制御するかまたは通信するための制御機器及び/または通信機器を含むかまたはこれらに結合され得る。例えば、システム電力機器950は、ストリング機器910の動作を制御するように構成された、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の制御機器を備え得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、複数相互作用制御機器を備え得る。システム電力機器950は、安全機器902及び/またはストリング機器910に含まれるかまたはこれに結合された、リンクされた通信機器と通信するように構成された通信機器(例えば、電力線通信回路、無線送受信機等)を備え得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、制御機器及び通信機器の両方を備え得、制御機器は、安全機器902及び/またはストリング機器910に対する動作の所望のモードを判定するように構成され得、通信機器は、動作コマンドを伝送するか、ならびに/または安全機器902及び/若しくはストリング機器910に含まれるか若しくはこれに結合された通信機器からレポートを受信するように構成され得る。
【0151】
システム電力機器950は、PVシステム100及び/または701等の任意の数の他の機器及び/またはシステムに結合され、かつ/または接続され得る。例えば、システム電力機器950は、断路器、PVセル/アレイ/パネル、インバータ、マイクロインバータ、PV電力機器、安全機器、計器、遮断器、AC幹線、接続箱、カメラ等の1つ以上の別個の及び/または相互接続された機器に結合され得る。いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、ネットワーク/イントラネット/インターネット、コンピューティング機器、スマートフォン機器、タブレット機器、カメラ、データベース及び/またはワークステーションを含み得る1つ以上のサーバに結合され、かつ/または接続され得る。システム電力機器950は、PVシステム901内の構成要素の動作を制御するため、及び/またはPVシステム901に結合された他の要素との相互作用を制御するために構成され得る。
【0152】
いくつかの実施形態において、システム電力機器950は、電力バスと接地バスとの間の電圧を制限する(例えば、より低い電圧に低下する、ゼロ電圧まで低下する等)ことによって、潜在的に不安全なシステム条件に対応し得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、電力及び接地バスは、バッテリー、フライホイール、コンデンサ、インダクタ、または他の機器等のエネルギー貯蔵機器にさらに結合され得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、安全機器902及び/またはストリング機器910は、最も近いアーク発生条件を検出し、是正処置をとり、かつ/または異なる機器にアーク発生条件を示す信号を生成するように構成され得る。例えば、安全機器902は、PV発電装置900の端子において起こり得るアーク発生条件を検出し(例えば、図8dのプロセス840に類似するプロセスを使用して)、危険を防止するかまたは低減するためにPV発電装置900を遮断し得る。いくつかの実施形態において、安全機器902は、有線または無線通信信号を介してストリング機器910及び/またはシステム電力機器950に起こり得るアーク発生条件を示し、かつ/または報告し得る。ストリング機器910及び/またはシステム電力機器950は、1つ以上のPV発生装置900若しくはPVストリング920における電圧を低下させるように構成され得るか、または危険を防止するかまたは低減するために1つ以上のPVストリング920を遮断するように構成され得る。いくつかの実施形態において、安全機器902は、アーク発生条件を示し、ストリング機器910によって検出可能な電圧及び/または電流ノイズ信号を生成し得る(例えば、スイッチの高速スイッチング等によって)。
【0155】
別の例において、ストリング機器910は、ストリング機器910の入力端子またはPVストリング920の中間点(例えば、2つのPV発電装置900の間)におけるアーク発生条件を検出し得る(例えば、図8dのプロセス840に類似するプロセスを使用して)。ストリング機器910は、PVストリング920間の電圧を遮断し、かつ/若しくは低下させることによって是正処置をとり得るか、ならびに/またはシステム電力機器950にアーク発生条件を示す信号を伝送し得る。例えば、ストリング機器910は、システム電力機器950aにアーク発生条件を示す有線または無線通信信号を送信し得る。別の例として、ストリング機器910は、ノイズのある電圧及び/または電流信号を電力バスと接地バスとの間において生成し得る。ノイズのある電圧または電流信号は、システム電力機器950によって検出可能であり、アーク発生条件を示し得る。システム電力機器950は、例えば、1つ以上のストリング機器910若しくはPVストリング920を遮断することによって、またはストリング機器910若しくはPVストリング920間の電圧若しくはこれらを通る電流を低下させるコマンドを送信することによってアーク発生条件を示す信号に対応するように構成され得る。
【0156】
ここで、アークを消すためのフロープロセスを例示する図10aを参照する。プロセス1000は、PV電力機器(例えば、PV電力機器802に結合された図8aのコントローラ804)に結合された1つ以上の制御機器(例えば、コントローラ704等)によって実行され得る。追加的または代替的に、制御機器は、システム電力機器(例えば、図8cのシステム電力機器850)に結合され得る。ステップ1001において、制御機器は、電力機器(例えば、PV電力機器及び/またはシステム電力機器)が1つ以上のPV発電装置から入力電力を引き込み、1つ以上のPV発電装置によって発電された電力を出力することを引き起こし得る。ステップ1003において、制御機器は、第1のレベル(例えば、第1の電圧レベルまたは第1の電流レベル)から第2の(低下した)レベルに、PV発電装置から引き込まれた電力の電気パラメータの大きさを低下させ得る。ステップ1003が実行されるときにアークがシステムに存在する場合、電力機器に入力された電圧、電流及び/または電力の低下は、アークを消し得る。ステップ1005において、機器は、第1の所定期間(例えば、数マイクロ秒、数ミリ秒、数十ミリ秒または数百ミリ秒)待機し、ステップ1007に進み、ステップ1003で低下した入力電気パラメータが上昇させられる(例えば、実質的に(例えば、最大または略最大)入力電力を引き込むための値にリセットされる)。
【0157】
プロセス1000は、その後、定期的間隔で繰り返し得る、ステップ1003~1007を繰り返す前に第2の所定期間、待機するためにステップ1009に進み得る。例えば、第1の所定期間及び第2の所定期間の値に基づいて、プロセス1000を実行する機器は、数百ミリ秒ごと、毎秒、または数秒ごとに電気パラメータを繰り返し増減し得る。したがって、第2の所定期間は、第1の所定期間よりも相当長いもの(例えば、100~10,000倍以上)であり得る。この様式において、アークが一過性及び/または一時的条件によって引き起こされる場合、アークが消された後にシステムをシャットダウンし、かつ/またはシステムを再開するために手動の介在を必要とすることなく、安全な時間間隔内でアークが消され得る。
【0158】
ステップ1003においてアークが消される場合において、ステップ1007における正常システム動作の再開は、アーク発生条件の再開なく進み得る。いくつかのアークは、全システムシャットダウン及び手動の介在を要求することなく、単一アークの消滅によって解決され得る、湿気、温度または他の条件等の一時的及び/または一過性の条件によって引き起こされ得る。
【0159】
ここで、開示された態様による、フロープロセスを示す図10bを参照する。プロセス1010は、PV電力機器(例えば、PV電力機器802に結合された、図8aのコントローラ804)に結合された1つ以上の制御機器(例えば、コントローラ704等)によって実行され得るによって実行され得る。追加的または代替的に、制御機器は、システム電力機器(例えば、図8cのシステム電力機器850)に結合され得る。ステップ1011において、制御機器は、電力の電気パラメータのノイズ(例えば、電力機器入力で測定された電圧の高周波数成分、または電力機器入力に流れる測定された電流の高周波数成分)を測定し得る。測定された電気ノイズは、第1の測定値として保存され得る(例えば、メモリ機器に保存される)。ステップ1013において、制御機器は、第1の測定値を第1の閾値と比較し得る。ステップ1015において、制御機器が、第1の測定値が第1の閾値の上ではないと判定した場合、制御機器は、比較結果がアーク発生を示していないとして判断し得、適切な期間後(例えば、数十または数百ミリ秒)、制御機器は、ステップ1011に戻り得る。
【0160】
ステップ1015において、制御機器が、第1の測定値が第1の閾値の上であると判定した場合、制御機器は、結果が起こり得るアーク発生を示すとして判断し得、電力機器への電力入力を低下させるように電力機器を動作させるためにステップ1017に進む。例えば、制御機器は、電力機器入力間の電圧及び/またはこれに流れる電流を低下させるように電力機器を動作させ得る。ステップ1017において、制御機器は、所定期間(例えば、電気パラメータが低下したレベルに落ち着くこと及び/またはアークが消えることを許容するように)待機し得る。ステップ1019において、制御機器は、電力の電気パラメータのノイズ(例えば、電力機器入力で測定された電圧の高周波数成分、または電力機器入力に流れる測定された電流の高周波数成分)を再び測定し、第2の測定値として測定値を保存し得る。ステップ1021において、制御機器は、第2の測定値を第1の測定値と比較し、例えば、第2の測定値を第1の測定値から減算することによって、差を計算し得る。ステップ1023において、制御機器は、差を第2の閾値と比較し得る。差が第2の閾値の上である場合、制御機器は、アークが電気パラメータの低下の前に電気システムに存在していたであろうことを判定し得、したがってステップ1025において警報条件を設定する(例えば、図8dのステップ845の警報条件に類似するかまたは同一である)。
【0161】
差が第2の閾値の上ではない場合、制御機器は、アーク発生がなかったと判定し得る(例えば、ノイズは、電気アークではなく、別の発生源からの干渉によるものであった可能性がある)。したがって、適切な期間後(例えば、数ミリ秒、または数十若しくは数百ミリ秒)、制御機器は、ステップ1027において電力機器の通常動作を再開し(ステップ1017において低下した電気パラメータの値を上昇させることによって)、ステップ1011に戻り得る。
【0162】
本開示の態様によると、ステップ1023において、差を第2の閾値と比較することに代えて、制御機器は、第2の測定値を第2の閾値と直接、比較してもよい。同様に、プロセス1010を実行する制御機器は、第1の測定値が第1の閾値の下である場合に制御機器がステップ1015からステップ1017に進み得るように構成されてもよく、及び/またはプロセス1010を実行する制御機器は、第2の測定値若しくは差が第2の閾値の下である場合(例えば、ステップ1021において計算された差が第2の測定値から第1の測定値を減算することによって計算された場合)に制御機器がステップ1023からステップ1025に進み得るように構成されてもよい。
【0163】
プロセス1010の実行前及び/または実行中に、電力機器を含むシステムにアークが存在した場合、ステップ1017における電気パラメータ(例えば、電圧、電流、電力)の低下は、アークを消し得る。ステップ1017における低下によってアークが消された場合、制御機器は、ステップ1023において、差が第2の閾値の上であると判定し得る。アークが消えた後、同一安全規定が、通常動作に戻る前に電気システムの手動の点検を要求し得る。したがって、アークが消えたが、制御機器は、ステップ1025において警報条件を設定し得る。同一安全規定は、アークが消えた後にシステムが通常動作を自動的に再開することを許容し得る。このため、制御機器はまた、アークが消えた後に警報条件を設定することなく、電力機器がステップ1027において通常動作を再開することを引き起こすように構成され得る。加えて、プロセス1010の実装に使用されるいくつかのパラメータ(例えば、第1の閾値、または第1の測定値に対するノイズを測定するために使用されるパラメータ)は、ステップ1019~1023が、アークが存在することの判定に対する追加の検証層を提供する、ステップ1015において潜在的な誤報を生成し得る様式で較正されてもよい。
【0164】
プロセス1010によって例示される二段階の方法は、誤報のリスクを低下させつつアークを検出する正確かつ強固な様式を提供し得る。例えば、高振幅ノイズ測定値は、一時的干渉または不完全なサンプルによって取得され得、高振幅ノイズ測定値がアークを示すとして誤って判断するリスクは、ステップ1017~1023を実装することによって低下され得る。加えて、プロセス1010は、警報条件を設定する(ステップ1025において)前に、アークを消し得(例えば、ステップ1017において)、これは、いくつかの潜在的な安全規定による、システムが手動の介在なく通常動作に戻ることを許容することによってシステムダウン時間を低減し得る。
【0165】
ここで、本明細書における開示の1つ以上の例示的態様による、プロセス1010を実行する第1の結果例を例示する図11aを参照する。図11aは、プロセス1010が実装された太陽光発電設備において、経時的に測定された例示的電流1101及びノイズ1102を示すプロット1100を示す。電流1101は、システム電力機器(例えば、図9のシステム電力機器950)によるAC電流出力、システム電力機器へのDC電流入力、PV電力機器(例えば、図7aのPV電力機器702)によるDC電流出力またはPV電力機器へのDC電流入力の振幅であり得る。ノイズ1102は、高周波数電流または電圧成分をサンプルして計算しすることによって取得するノイズ信号であり得る。ノイズ1102は、デシベル(dB)単位を使用して参照され得る。プロット1100のx軸は、ミリ秒における時間軸である。
【0166】
この例において、時間t1まで、プロット1100において表現されるシステムは、約12[A]の値を有する電流1101、及び約3~7[dB]であるノイズ1102サンプルを有する、通常動作条件下で動作され得る。例えば、プロセス1010を実行するための制御機器が、第1の閾値が20[dB]であるように実装された場合、電力機器またはシステム電力機器を動作させる(及びプロセス1010を実行する)制御機器は、ステップ1011~1015を循環し得る。時間t1において、アークがシステムにおいて突然、発現し得、結果としてノイズ1102が約40[dB]に上昇している。次に機器がプロセス1010のステップ1015に到達し、時間t2において、機器は、ステップ1017に進み、この例示的例によると、電流1101を時間t2の約12[A]から時間t3の約1[A]に低下させる。電流1101の低下は、ノイズ1102を約40[dB]から約0dBに低下させるように示される。ステップ1019において、第2の測定値が約0dBになり、ステップ1021で計算される差は、約40[dB]になる。ステップ1023(時間t3の後のいつか)において、差が第2の閾値(例えば、例示的目的のために、20[dB]であり得る)の上であると判定され得、機器は、アークが消されたと判定し得る。プロット1100は、アーク発生条件がプロセス1010のステップ1017で消される例を例示する。いくつかの安全規定は、アーク条件が消された場合(例えば、ステップ1017において)に、警報条件が生じなければならないか(例えば、制御機器がステップ1025に進み得る)及び/または手動の介在(例えば、保守作業者が不具合構成要素を確認するためにシステムを物理的に検査し、手動スイッチをリセットする)がシステムを通常動作に復旧するために要求され得ることを要求し得る。したがって、図11aに例示されるように、システムは、システムが検査され通常モードに復旧される(例えば、手動スイッチを使用して)後の期間まで低電力モードにおいて動作することを継続し得る。
【0167】
ここで、本明細書における開示の1つ以上の例示的態様による、プロセス1010を実行する第2の結果例を例示する図11bを参照する。図11bは、プロセス1010が実装された太陽光発電設備において経時的に測定された例示的電流1104及びノイズ1105を示すプロット1103を示す。図11bの例において、時間t2で電流1104を低下させることは、ノイズ1105を約40[dB]から約30[dB]に低下させる。10[dB]の低下は、ノイズ1105がアークによるものではないことを示し得る(例えば、ノイズ1105が、近くの電子機器からの電磁干渉等の外部要因によって引き起こされ得る)。図10bのプロセス1010のステップ1021で計算された差は、約10[dB]であり得、これは、第2の閾値(例示的目的のため、20[dB]であり得る)の下であり得る。時間t3において(またはいくつかの後の時点において)、プロセス1010を実行している制御機器は、アーク発生条件が存在しないことを判定し(ステップ1023において)、ステップ1027において電力機器の通常動作を再開し(例えば、プロット1103の時間t4で示されるように、ステップ1017で低下した電気パラメータの値を上昇させることによって)、ステップ1011に戻り得る。
【0168】
定冠詞「a」、「an」は、「an arc voltage and/or arc current」、「a load」が、「1つ以上」、つまり、「1つ以上のアーク電圧及び/または電流」または「1つ以上の負荷」の意味を有するように、本明細書において使用される。
【0169】
本開示は、限定された数の例を含有するが、多くの変形例、変更例及び開示に基づいた他の適用例がなされ得ることが認められるであろう。例えば、プロセス601に関して開示された測定同期化の要素は、本明細書において開示された他のプロセス及び態様に同様に適用され得る。例えば、図5cにおいて示されたプロセス500のステップ552~554は、図6aに関して説明された測定及び/または伝送同期化の類似の使用を行い得る。別の例として、プロセス840は、単一コントローラ(例えば、図8aのコントローラ804)または連動して作用する数個のコントローラによって実行され得る。さらに別の例として、本明細書において開示された態様は、他の開示された態様と組み合わせられ得る。例えば、方法601に関して説明されたステップ610は、方法711のステップ714が、全電圧測定値が略同時に測定されていないと判定した場合に、方法711を実行しているコントローラがステップ610に類似するステップに進むように、方法711に加えられてもよい。
【0170】
PV発電装置及びPVパネルが、本明細書において開示された発電システムにおける例示的電源を例証するために使用された。本明細書において開示された装置及び方法は、PV発電装置及び/またはPVパネルに加えてかまたはこれに代えて、バッテリー、コンデンサ、スーパーキャパシタ、燃料電池、風力タービン、水力発電装置、または他の電源を備える発電システムにおいて実装され得る。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図9
図10a
図10b
図11a
図11b