(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】携帯型端末、プログラム、クレジットカード、及びクレジットカード端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20220523BHJP
G06Q 20/24 20120101ALI20220523BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20220523BHJP
【FI】
G06Q20/40 300
G06Q20/24
G06Q20/32 300
(21)【出願番号】P 2018053808
(22)【出願日】2018-03-22
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(72)【発明者】
【氏名】上田 友博
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-259756(JP,A)
【文献】特開2002-269350(JP,A)
【文献】特開2008-134935(JP,A)
【文献】特開2014-041467(JP,A)
【文献】国際公開第2012/049832(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレジットカードの認証処理を実行する外部と無線通信をするための通信部と、
クレジットカードの暗証番号を記憶する記憶部と、
前記認証処理が行われる場合に、前記記憶部に記憶している暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御する制御部と
を備え
、
前記外部は、クレジットカード端末と連携して前記認証処理を実行し、無線通信が可能なクレジットカードであり、
前記制御部は、前記クレジットカード端末にて読取可能になった前記クレジットカードに対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御する、
携帯型端末。
【請求項2】
クレジットカードの認証処理を実行する外部と無線通信をするための通信部と、
クレジットカードの暗証番号を記憶する記憶部と、
前記認証処理が行われる場合に、前記記憶部に記憶している暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御する制御部と
を備え
、
前記記憶部は、複数のクレジットカードの暗証番号を記憶し、
前記通信部は、前記認証処理の対象となっているクレジットカードの識別情報を前記外部から受信し、
前記制御部は、前記識別情報によって識別されるクレジットカードの暗証番号を前記記憶部から取得し、取得した暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御する、
携帯型端末。
【請求項3】
前記複数のクレジットカードのそれぞれを特定する複数の特定情報を表示する表示部と、
前記表示部に表示された複数の特定情報の何れかの選択を受け付ける選択受付部と
をさらに備え、
前記制御部は、選択された特定情報で特定されるクレジットカードと前記識別情報によって識別されるクレジットカードとが一致した場合、当該クレジットカードの暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御する、
請求項2に記載の携帯型端末。
【請求項4】
前記外部は、クレジットカード端末と連携して前記認証処理を実行し、無線通信が可能なクレジットカードであり、
前記制御部は、前記クレジットカード端末にて読取可能になった前記クレジットカードに対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御する、
請求項
2又は3に記載の携帯型端末。
【請求項5】
前記外部は、前記認証処理を実行し、無線通信が可能なクレジットカード端末であり、
前記制御部は、クレジットカードを読み取る際の前記クレジットカード端末に対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御する、
請求項
2又は3に記載の携帯型端末。
【請求項6】
前記外部は、クレジットカード端末と連携して前記認証処理を実行し、無線通信が可能な認証センターであり、
前記制御部は、クレジットカード端末にてクレジットカードが読取可能になった場合に、前記認証センターに対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御する、
請求項
2又は3に記載の携帯型端末。
【請求項7】
前記制御部は、前記携帯型端末の識別情報を前記認証センターに送信するよう前記通信部を制御する、
請求項
6に記載の携帯型端末。
【請求項8】
情報処理装置を、請求項1乃至7の何れかに記載の携帯型端末として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
クレジットカード端末と連携してクレジットカードの認証処理を実行する制御部と、
クレジットカードの暗証番号を記憶する記憶部を有する携帯型端末と無線通信をするための通信部と
を備え、
前記通信部は、前記クレジットカード端末にて読取可能になった場合に、前記携帯型端末から暗証番号を受信し、
前記制御部は、前記通信部により受信した暗証番号を用いて、前記認証処理を実行する、
クレジットカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードの認証処理の容易化を可能にする携帯型端末、プログラム、クレジットカード、及びクレジットカード端末に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードを店舗にて利用する場合、店舗に設けられているクレジットカード端末を用いて認証処理が行われる。この場合、認証に成功するためには、利用者がクレジットカード端末に対して正しい暗証番号を入力する必要がある。そのため、利用者は暗証番号を記憶していなければないが、忘れてしまうことも多いため、暗証番号の記憶を支援するための技術が従来種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、暗証番号を表示させる表示部と、利用者の指紋データが登録された第1のメモリと、利用者の暗証番号が登録された第2のメモリと、利用者の指紋データを読み取る指紋センサーと、指紋センサーで読み取られた指紋データと、第1のメモリに登録された指紋データとを照合する指紋データ照合部と、指紋データ照合部での照合結果が一致した場合に、第2のメモリに登録された暗証番号を表示部に表示させる制御部と、電源を供給する電池と、を備えた暗証番号確認用カードが開示されている。この暗証番号確認用カードによれば、利用者が当該カードをクレジットカードと併せて携行することにより、クレジットカードの認証時において利用者本人のみが正しい暗証番号を容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来の暗証番号確認用カードの場合、軽量であるために携行は容易ではあるものの、その他の用途が特にあるわけではないため、常に携行されるようなものとは言い難い。そのため、暗証番号確認用カードを携行するのを忘れてしまい、その結果クレジットカードの認証時に利用することができない等の事態を招くことが容易に想定される。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記のような課題を解決することができる携帯型端末、プログラム、クレジットカード、及びクレジットカード端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の携帯型端末は、クレジットカードの認証処理を実行する外部と無線通信をするための通信部と、クレジットカードの暗証番号を記憶する記憶部と、前記認証処理が行われる場合に、前記記憶部に記憶している暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御する制御部とを備える。
【0008】
前記態様において、前記外部は、クレジットカード端末と連携して前記認証処理を実行し、無線通信が可能なクレジットカードであり、前記制御部は、前記クレジットカード端末にて読取可能になった前記クレジットカードに対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御するようにしてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記外部は、前記認証処理を実行し、無線通信が可能なクレジットカード端末であり、前記制御部は、クレジットカードを読み取る際の前記クレジットカード端末に対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御するようにしてもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記外部は、クレジットカード端末と連携して前記認証処理を実行し、無線通信が可能な認証センターであり、前記制御部は、クレジットカード端末にてクレジットカードが読取可能になった場合に、前記認証センターに対して、当該クレジットカードの暗証番号を送信するよう前記通信部を制御するようにしてもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記制御部は、前記携帯型端末の識別情報を前記認証センターに送信するよう前記通信部を制御するようにしてもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記記憶部は、複数のクレジットカードの暗証番号を記憶し、前記通信部は、前記認証処理の対象となっているクレジットカードの識別情報を前記外部から受信し、前記制御部は、前記識別情報によって識別されるクレジットカードの暗証番号を前記記憶部から取得し、取得した暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御するようにしてもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記複数のクレジットカードのそれぞれを特定する複数の特定情報を表示する表示部と、前記表示部に表示された複数の特定情報の何れかの選択を受け付ける選択受付部とをさらに備え、前記制御部は、選択された特定情報で特定されるクレジットカードと前記識別情報によって識別されるクレジットカードとが一致した場合、当該クレジットカードの暗証番号を前記外部に対して送信するよう前記通信部を制御するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明のプログラムは、情報処理装置を、上記の各携帯型端末として機能させるためのものである。
【0015】
また、本発明のクレジットカードは、クレジットカード端末と連携してクレジットカードの認証処理を実行する制御部と、クレジットカードの暗証番号を記憶する記憶部を有する携帯型端末と無線通信をするための通信部とを備え、前記通信部は、前記クレジットカード端末にて読取可能になった場合に、前記携帯型端末から暗証番号を受信し、前記制御部は、前記通信部により受信した暗証番号を用いて、前記認証処理を実行する。
【0016】
また、本発明のクレジットカード端末は、クレジットカードの認証処理を実行する制御部と、クレジットカードの暗証番号を記憶する記憶部を有する携帯型端末と無線通信をするための通信部とを備え、前記通信部は、クレジットカードを読み取る際に、前記携帯型端末から暗証番号を受信し、前記制御部は、前記通信部により受信した暗証番号を用いて、前記認証処理を実行する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、セキュリティを確保した上で、クレジットカードの暗証番号を容易に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るクレジットカード認証システムの構成を示すブロック図。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る携帯型端末1の構成を示すブロック図。
【
図3】クレジットカードの暗証番号を登録するための登録画面の一例を示す図。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る携帯型端末によって実行される暗証番号送信処理の手順を示すフローチャート。
【
図5】クレジットカードを選択するための選択画面の一例を示す図。
【
図6】暗証番号の送信を指示するための送信指示画面の一例を示す図。
【
図7】本発明の実施の形態2に係るクレジットカード認証システムの構成を示すブロック図。
【
図8】本発明の実施の形態2に係る携帯型端末によって実行される暗証番号送信処理の手順を示すフローチャート。
【
図9】本発明の実施の形態3に係るクレジットカード認証システムの構成を示すブロック図。
【
図10】本発明の実施の形態3に係る携帯型端末によって実行される暗証番号送信処理の手順を示すフローチャート。
【
図11】本発明の実施の形態2に係る認証センターによって実行される認証前処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0020】
(実施の形態1)
実施の形態1のクレジットカード認証システムでは、携帯型端末1からクレジットカード2に対してクレジットカードの暗証番号が送信される。以下、その詳細について説明する。
【0021】
[クレジットカード認証システムの構成]
図1は、実施の形態1に係るクレジットカード認証システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態のクレジットカード認証システムは、携帯型端末1と、クレジットカード2と、クレジットカード端末3と、認証センター4とを備えている。ここで、携帯型端末1とクレジットカード2とは、無線通信により通信可能に接続される。クレジットカード端末3は、クレジットカード2の情報を読み取り可能なリーダ装置である。
【0022】
認証センター4は、クレジットカード2の発行会社側に設けられたコンピュータシステムであり、クレジットカード端末3と専用線により通信可能に接続される。認証センター4は、利用者及びその利用者が所有するクレジットカードに関する各種情報が格納される利用者データベース(DB)41を備えている。クレジットカードの認証時において、認証センター4は、利用者DB41に格納されている情報を用いて、所定の認証処理を実行する。
【0023】
[携帯型端末の構成]
携帯型端末1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機又はタブレット端末等で構成される。以下、携帯型端末1の詳細な構成について説明する。
【0024】
図2は、携帯型端末1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、携帯型端末1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、表示部15と、マイク16と、スピーカ17とを備えている。
【0025】
制御部11は、図示しないCPUと、SRAM又はDRAM等のRAMとを備えている。制御部11のCPUが、RAMにロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、携帯型端末1が本実施の形態の携帯型端末として機能することになる。
【0026】
記憶部12は、フラッシュメモリ等で構成されており、制御部11にて実行されるOS(Operating System)及びアプリケーションプログラム等の各種のコンピュータプログラム、並びにその実行の際に用いられるデータ等を記憶する。このコンピュータプログラムには、後述する暗証番号送信プログラム12Aが含まれる。また、後述するように、記憶部12には、利用者が所有する1又は複数のクレジットカードの暗証番号が記憶される。
【0027】
通信部13は、3G(Generation)、4G、及びLTE(Long Term Evolution)等の長距離無線通信方式、並びにNFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)等の近距離無線通信方式に対応する通信モジュールで構成されている。携帯型端末1は、この通信部13を介して、クレジットカード2との間で無線通信を行う。
【0028】
入力部14は、静電容量方式のタッチパネル等で構成されており、利用者からの入力を受け付け、その入力に基づく電気信号を制御部11に出力する。利用者は、この入力部14を用いることにより、携帯型端末1に対して必要な操作を行う。
【0029】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等で構成されており、制御部11から入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0030】
マイク16は、外部から音声の入力を受け付けて、その入力に基づく電気信号を制御部11に出力する。上記の入力部14による入力に代えて、マイク16による音声入力を行うことも可能である。
【0031】
スピーカ17は、制御部11からの指示にしたがって、外部に音声を出力する。上記の表示部15による表示の代わりに、スピーカ17による音声出力によって各種のメッセージ等を出力することができる。
【0032】
[クレジットカード認証システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態のクレジットカード認証システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。本実施の形態では、利用者がクレジットカード2を使用する際に、クレジットカード2、クレジットカード端末3、及び認証センター4が連携することにより、クレジットカード2の認証処理が実行される。この認証処理において、携帯型端末1に保存されているクレジットカード2の暗証番号が用いられる。
以下、暗証番号を登録するための暗証番号登録処理、及びその暗証番号を送信するための暗証番号送信処理について説明する。
【0033】
(1)暗証番号登録処理
利用者は、携帯型端末1の入力部14を操作することにより、暗証番号送信プログラム12Aの実行を指示する。これにより、暗証番号送信プログラム12Aが起動し、パスワードの入力を要求する画面が表示部15に表示される。ここで、利用者は、暗証番号送信プログラム12Aに対して予め登録しているパスワードを入力する。このパスワード認証に成功した場合、各種の画面の表示を指示するための入力画面が表示部15に表示される。利用者は、入力部14を操作して、暗証番号を登録するための登録画面の表示を指示する。
【0034】
図3は、登録画面の一例を示す図である。
図3に示すように、登録画面100には、クレジットカードのカード番号及びそのクレジットカードの暗証番号の入力を受け付けるための入力欄101と、登録を指示するための登録ボタン102とが表示されている。
【0035】
利用者は、入力部14を用いて、所有しているクレジットカードのカード番号及びそのクレジットカードの暗証番号を入力欄101に入力し、登録ボタン102をクリックする。これにより、これらのカード番号及び暗証番号が対応付けられて記憶部12に記憶される。なお、利用者が複数のクレジットカードを所有している場合、それぞれのクレジットカードについてカード番号及び暗証番号の登録を行う。その結果、記憶部12には、複数のクレジットカードのカード番号及び暗証番号が記憶される。
【0036】
(2)暗証番号送信処理
利用者は、店舗に出向き、代金の支払の際にクレジットカード2を使用する。このとき、クレジットカード端末3に対して暗証番号を入力する必要が生じる。本実施の形態では、携帯型端末1がクレジットカード2に対して暗証番号を送信し、クレジットカード2がその暗証番号をクレジットカード端末3に渡すことにより、暗証番号の入力が行われる。以下、携帯型端末1がクレジットカード2に対して暗証番号を送信する暗証番号送信処理の詳細について説明する。
【0037】
利用者はまず、携帯型端末1の入力部14を操作して暗証番号送信プログラム12Aの実行を指示する。これにより、暗証番号送信プログラム12Aが起動する。その後、上記の暗証番号登録処理におけるパスワード認証と同様の処理が実行された後、利用者は、入力部14を操作して暗証番号の送信処理の実行を指示する。これにより、携帯型端末1側での準備が完了する。
【0038】
また、利用者は、店舗の店員に対してクレジットカード2を手渡す。店員は、そのクレジットカード2をクレジットカード端末3に挿入し、クレジットカード端末3がクレジットカード2の情報を読取可能な状態にする。その後、店員は、クレジットカード端末3を操作して、携帯型端末1を利用した認証処理の開始を指示する。その指示を受け付けたクレジットカード端末3は、クレジットカード2に対して、携帯型端末1に暗証番号の送信要求を送るよう指示する。この指示を受け付けたクレジットカード2は、携帯型端末1に対して、暗証番号の送信要求を送信する。この送信要求には、クレジットカード2のカード番号が含まれている。なお、この送信要求の送信を、クレジットカード端末3以外の装置(例えば、クレジットカード2等)が行っても構わない。
【0039】
図4は、携帯型端末1によって実行される暗証番号送信処理の手順を示すフローチャートである。この暗証番号送信処理は、暗証番号送信プログラム12Aにより実行される。
図4に示すように、携帯型端末1はまず、クレジットカード2からの送信要求を受信したか否かを判定する(S101)。送信要求を受信していない場合(S101でNO)、携帯型端末1はステップS101を繰り返す。他方、送信要求を受信した場合(S101でYES)、携帯型端末1は、処理対象のクレジットカードを選択するための選択画面を表示部15に表示する(S102)。
【0040】
図5は、選択画面の一例を示す図である。
図5に示すように、選択画面200には、先の暗証番号登録処理によって登録済みのクレジットカードの表面を示す画像201と、各クレジットカードに対応付けて設けられたチェックボックス202と、選択を確定するための選択ボタン203とが表示されている。ここで、画像201は、記憶部12に予め記憶されている画像であって、クレジットカードのカード番号に応じて選択されたものである。このようにクレジットカードの表面の画像を表示することにより、利用者はクレジットカードを容易に識別できる。なお、
図5に示す例ではクレジットカードのカード番号は表示されていないが、表示するようにしてもよい。
【0041】
利用者は、暗証番号の送信を希望するクレジットカードを画像201の中から特定する。その後、利用者は、入力部14を用いて、特定した画像201と対応付けられているチェックボックス202にチェックを入れ、選択ボタン203をクリックする。これにより、処理対象のクレジットカードの選択が完了する。
【0042】
図4に戻り、携帯型端末1は、上述したようにして利用者により行われた選択を受け付け(S103)、選択されたクレジットカードのカード番号と、ステップS101にて受信した送信要求に含まれるカード番号とが一致するか否かを判定する(S104)。その結果、一致しないと判定した場合(S104でNO)、携帯型端末1は、暗証番号の送信を行うことができない旨のメッセージを含む送信不可画面を表示部15に表示する(S105)。このように、カード番号が一致しない場合は暗証番号の送信を拒否することにより、暗証番号が不正に送信されることを防止することができる。
【0043】
ステップS104においてカード番号が一致すると判定した場合(S104でYES)、携帯型端末1は、暗証番号の送信を指示するための送信指示画面を表示部15に表示する(S106)。
【0044】
図6は、送信指示画面の一例を示す図である。
図6に示すように、送信指示画面300には、選択されたクレジットカードの表面を示す画像301と、暗証番号の送信を指示するための送信ボタン302と、その送信をキャンセルするためのキャンセルボタン303とが表示されている。
【0045】
利用者は、画像301を確認した上で、入力部14を用いて、送信ボタン302又はキャンセルボタン303をクリックする。キャンセルボタン303がクリックされた場合、暗証番号送信処理は終了する。他方、送信ボタン302がクリックされた場合、携帯型端末1は、暗証番号を含む暗証番号情報をクレジットカード2に対して送信し(S107)、暗証番号送信処理を終了する。
【0046】
クレジットカード2は、上記のようにして携帯型端末1から送信された暗証番号情報を受信し、その暗証番号情報に含まれる暗証番号をクレジットカード端末3に渡す。このようにクレジットカード2の暗証番号をクレジットカード端末3に渡す処理は、クレジットカード2の認証処理の一部に該当する。その後、クレジットカード端末3がその暗証番号を含む情報を認証センター4に送信し、認証センター4側でその暗証番号及び利用者DB41を用いた所定の認証処理が実行される。その結果、認証に成功した場合、クレジットカード2による決済が行われる。
【0047】
上記では、クレジットカード2が認証処理の一部のみ、すなわち暗証番号をクレジットカード端末3に渡す処理のみを実行しているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、認証処理の全部をクレジットカード2が実行するようにしてもよい。その場合、クレジットカード2は、認証センター4が実行する処理と同様の処理を自らが実行することになる。なお、当該同様の処理を、クレジットカード2単体ではなく、クレジットカード端末3と協働して行ってもよい。
【0048】
本実施の形態では、携帯型端末1にクレジットカードの暗証番号が記憶されており、認証処理が行われる際に、その暗証番号がクレジットカード側に送信される。そのため、利用者は、暗証番号を記憶していなくても、店舗での代金の支払にクレジットカードを利用することができる。また、携帯型端末1は、スマートフォン等のように利用者が常に携行する装置であるため、クレジットカードの認証時に利用することが容易である。
【0049】
また、本実施の形態の場合、携帯型端末1は、クレジットカード端末3にて読取可能になったクレジットカード2に対して暗証番号を送信しており、そのような状態にないクレジットカード2に対しては暗証番号の送信を行っていない。これにより、意図せずに携帯型端末1からクレジットカード2に暗証番号が送信されることを防止することができる。
【0050】
上述したように、本実施の形態の場合、暗証番号送信処理を実行するためにはパスワード認証に成功しなければならない。また、通常の場合、スマートフォン等のような携帯型端末では、画面の操作を可能にするためにパスワードによる認証が行われる。したがって、暗証番号送信処理を実行するためには2回のパスワード認証を経る必要が生じる。そのため、携帯型端末1を紛失した場合でも不正利用が抑制される。仮に、携帯型端末1を取得した不正者がこれらのパスワード認証に成功して暗証番号送信処理を実行可能な状況になったとしても、その不正者がクレジットカード2を取得することができなければ、暗証番号の送信は行われない。したがって、本実施の形態における暗証番号の送信が不正に行われることは極めて稀なことだといえる。
【0051】
(実施の形態2)
実施の形態2のクレジットカード認証システムでは、携帯型端末1からクレジットカード端末3に対してクレジットカードの暗証番号が送信される。以下、その詳細について説明する。
【0052】
[クレジットカード認証システム・携帯型端末の構成]
図7は、実施の形態2に係るクレジットカード認証システムの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施の形態のクレジットカード認証システムは、実施の形態1の場合と同様に、携帯型端末1と、クレジットカード2と、クレジットカード端末3と、認証センター4とを備えている。ここで、携帯型端末1とクレジットカード端末3とが、無線通信により通信可能に接続される。それ以外の構成については実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
[クレジットカード認証システムの動作]
上述したように構成された本実施の形態のクレジットカード認証システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。本実施の形態では、利用者がクレジットカード2を使用する際に、クレジットカード端末3及び認証センター4が連携することにより、クレジットカード2の認証処理が実行される。この認証処理において、携帯型端末1に保存されているクレジットカード2の暗証番号が用いられる。なお、(1)暗証番号登録処理については実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。以下、(2)暗証番号送信処理について説明する。
【0054】
(2)暗証番号送信処理
図8は、携帯型端末1によって実行される暗証番号送信処理の手順を示すフローチャートである。この暗証番号送信処理は、暗証番号送信プログラム12Aにより実行される。本実施の形態では、実施の形態1の場合と異なり、クレジットカード端末3から暗証番号の送信要求が送信される。携帯型端末1は、その送信要求を受信したか否かを判定し(S101)、受信したと判定した場合(S101でYES)、ステップS102を実行する。なお、ステップS102乃至S106は実施の形態1の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
携帯型端末1は、送信指示画面300における送信ボタン302がクリックされた場合、暗証番号を含む暗証番号情報をクレジットカード端末3に対して送信する(S207)。これにより、暗証番号送信処理が終了する。
【0056】
クレジットカード端末3は、上記のようにして携帯型端末1から送信された暗証番号情報を受信し、その暗証番号情報に含まれる暗証番号を認証センター4に送信する。このようにクレジットカード2の暗証番号を認証センター4に送信する処理は、クレジットカード2の認証処理の一部に該当する。認証センター4側で暗証番号及び利用者DB41を用いた認証処理が実行され、その結果認証に成功した場合、クレジットカード2による決済が行われる。
【0057】
上記では、クレジットカード端末3が認証処理の一部のみ、すなわち暗証番号を認証センター4に送信する処理のみを実行しているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、認証処理の全部をクレジットカード端末3が実行するようにしてもよい。その場合、クレジットカード端末3は、認証センター4が実行する処理と同様の処理を実行することになる。なお、当該同様の処理を、クレジットカード端末3単体ではなく、クレジットカード2と協働して行ってもよい。
【0058】
本実施の形態でも、実施の形態1の場合と同様、携帯型端末1に記憶されているクレジットカードの暗証番号を利用することができるため、利用者が暗証番号を記憶していなくても、店舗での代金の支払にクレジットカードを利用することができる。
【0059】
(実施の形態3)
実施の形態3のクレジットカード認証システムでは、携帯型端末1から認証センター4に対してクレジットカードの暗証番号が送信される。以下、その詳細について説明する。
【0060】
[クレジットカード認証システム・携帯型端末の構成]
図9は、実施の形態3に係るクレジットカード認証システムの構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施の形態のクレジットカード認証システムは、実施の形態1の場合と同様に、携帯型端末1と、クレジットカード2と、クレジットカード端末3と、認証センター4とを備えている。ここで、携帯型端末1と認証センター4とが、無線通信により通信可能に接続される。また、認証センター4が備える利用者DB41には、携帯型端末1を識別することが可能な端末情報(識別情報)が格納されている。それ以外の構成については実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
[クレジットカード認証システムの動作]
上述したように構成された本実施の形態のクレジットカード認証システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。本実施の形態では、利用者がクレジットカード2を使用する際に、クレジットカード端末3及び認証センター4が連携することにより、クレジットカード2の認証処理が実行される。この認証処理において、携帯型端末1に保存されているクレジットカード2の暗証番号が用いられる。なお、(1)暗証番号登録処理については実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。以下、(2)暗証番号送信処理と、認証センター4によって実行される(3)認証前処理について説明する。
【0062】
(2)暗証番号送信処理
図10は、携帯型端末1によって実行される暗証番号送信処理の手順を示すフローチャートである。この暗証番号送信処理は、暗証番号送信プログラム12Aにより実行される。本実施の形態では、実施の形態1及び2の場合と異なり、暗証番号の送信要求を受けることなく、携帯型端末1が選択画面を表示部15に表示する(S102)。但し、実施の形態1及び2の場合と同様に送信要求を受信するようにしてもよい。なお、ステップS102乃至S106は実施の形態1の場合と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0063】
携帯型端末1は、送信指示画面300における送信ボタン302がクリックされた場合、暗証番号を含む暗証番号情報及び携帯型端末1の端末情報を認証センター4に対して送信する(S307)。これにより、暗証番号送信処理が終了する。
【0064】
(3)認証前処理
認証センター4は、クレジットカード2の認証処理を実行する前に、次の認証前処理を実行する。
図11は、認証前処理の手順を示すフローチャートである。認証センター4は、携帯型端末1から送信された暗証番号情報及び端末情報を受信する(S401)。次に、認証センター4は、利用者DB41に格納されている端末情報と、ステップS401にて受信した端末情報とが一致するか否かを判定する(S402)。ここで端末情報が一致しなかったと判定した場合(S402でNO)、認証センター4は、認証処理が実行できないことを示す認証処理不可情報をクレジットカード端末3に対して送信する(S403)。このように端末情報が一致しなかった場合には認証処理を拒否することにより、予め登録されている携帯型端末1のみを認証に利用できるようにする。これにより、不正に認証処理が行われることを防止することができる。
【0065】
ステップS402において端末情報が一致したと判定した場合(S402でYES)、認証センター4は、認証処理を実行することが可能であることを示す認証処理可情報をクレジットカード端末3に対して送信する(S404)。これを受信したクレジットカード端末3側では、認証処理が実行されることを把握することができる。その後、認証センター4は、ステップS401にて受信した暗証番号及び利用者DB41を用いて、所定の認証処理を実行する。その結果、認証に成功した場合、クレジットカード2による決済が行われる。
【0066】
本実施の形態でも、実施の形態1及び2の場合と同様、携帯型端末1に記憶されているクレジットカードの暗証番号を利用することができるため、利用者が暗証番号を記憶していなくても、店舗での代金の支払にクレジットカードを利用することができる。
【0067】
(その他の実施の形態)
上述した各実施の形態では、通常のように、利用者がクレジットカード端末3に対して暗証番号を入力することによりクレジットカード2の認証を行うことを特に禁止していないが、これを禁止するようにしてもよい。その実現方法は種々想定できるが、例えば、認証センター4が、認証センター4は暗証番号及び利用者DB41を用いた認証処理を実行するときに、その暗証番号が上記の暗証番号送信処理により取得されたものであるか否か、すなわち携帯型端末1より取得したものであるのか否かを判定することによって実現されてもよい。この場合において、携帯型端末1により取得したものではないと判定したとき(例えば、クレジットカード端末3において入力された暗証番号であると判定したとき等)、認証センター4は、認証を拒否する。これにより、クレジットカード2を不正に取得した者がそのクレジットカード2を利用しようとしても、携帯型端末1を保持していなければ、認証に成功することができないため、不正利用を抑制することができる。また、上述したようにして認証センター4が認証を拒否した場合、認証センター4側から、携帯型端末1に対してその旨を通知するようにしてもよい。これにより、不正利用が試みられていることを利用者が把握することが可能になる。
【0068】
また、所定の頻度で携帯型端末1を利用することを強制するようにしてもよい。例えば、認証センター4が、クレジットカード2の認証を行う都度、携帯型端末1を利用したものであるのか否かを判定してそのことを示す情報を記憶しておき、その情報に基づいて所定の回数(例えば3回等)連続して携帯型端末1が利用されなかったと判定した場合、携帯型端末1の表示部15にメッセージを表示させる等して、携帯型端末1の利用を利用者に強制するようにしてもよい。これによっても、クレジットカード2を不正に取得した不正者等による不正利用を抑制することができる。
【0069】
また、上述した実施の形態1及び2において、携帯型端末1は、外部から受信する送信要求に応じて暗証番号の送信を行っているが、本発明はこれに限定されるわけではない。携帯型端末1が、このような送信要求を受けることなく、利用者の指示にしたがって暗証番号の送信を行っても構わない。
【0070】
上記の各実施の形態を組み合わせて新たな実施の形態を実現することができる。例えば、実施の形態3では携帯型端末1の端末情報を用いた認証前処理を実行しているが、この認証前処理と同様の処理を実施の形態1及び2において実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 携帯型端末
11 制御部
12 記憶部
12A 暗証番号送信プログラム
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 マイク
17 スピーカ
2 クレジットカード
3 クレジットカード端末
4 認証センター
41 利用者データベース