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  • 特許-筐体へのコネクタ組立体の取付構造 図1
  • 特許-筐体へのコネクタ組立体の取付構造 図2
  • 特許-筐体へのコネクタ組立体の取付構造 図3
  • 特許-筐体へのコネクタ組立体の取付構造 図4
  • 特許-筐体へのコネクタ組立体の取付構造 図5
  • 特許-筐体へのコネクタ組立体の取付構造 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】筐体へのコネクタ組立体の取付構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/66 20110101AFI20220523BHJP
   H01R 13/52 20060101ALI20220523BHJP
   H01R 12/58 20110101ALI20220523BHJP
【FI】
H01R24/66
H01R13/52 301F
H01R13/52 301A
H01R12/58
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018092714
(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公開番号】P2019200837
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】末光 佳史
(72)【発明者】
【氏名】野口 幸雄
【審査官】鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-253141(JP,A)
【文献】特開平09-270277(JP,A)
【文献】特開2007-192720(JP,A)
【文献】特開2005-158447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
H01R13/40-13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成された第1の筐体部品を含む筐体部品からなる筐体、および
前記開口から外向きに突出させたときに前記第1の筐体部品の内壁面の、該開口の周縁に対面する壁部を有するハウジングを備えたコネクタと該コネクタに接続されて前記筐体内に配置された回路基板を備え、該コネクタが前記開口から突き出た状態に、前記第1の筐体部品に取り付けられているコネクタ組立体を備え、
前記壁部が、前記開口の周りに広がり該開口の周縁を一周に亘って取り巻く第1の平坦面と、該第1の平坦面を該開口寄りの領域と該開口から離れた領域とに分断する位置に形成された、該開口を一周に亘って取り巻いて前記内壁面に向って開いた溝とを有し、
前記内壁面が、前記開口の周りに広がり該開口の周縁を一周に亘って取り巻いて前記第1の平坦面に接する第2の平坦面と、該第2の平坦面を該開口寄りの領域と該開口から離れた領域とに分断する位置に形成された、該開口を一周に亘って取り巻き前記溝に向って突き出て該溝に入り込むリブとを有し、
前記溝内の、該溝に入り込んだリブの周囲に、防水構造体が備えられていることを特徴とする筐体へのコネクタ組立体の取付構造。
【請求項2】
前記防水構造体が、前記溝の内壁と前記リブとの間に介在する接着剤であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体の取付構造。
【請求項3】
前記防水構造体が、前記溝内に配置されて前記リブに押圧されたシール部材であることを特徴とする請求項に記載のコネクタ組立体の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体へのコネクタ組立体の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体本体に回路基板を固定し、その回路基板に接続されたコネクタを、その筐体本体を覆う蓋体に設けられた開口から突き出た状態に配置する構造が使用されている。この構造において、各部品の公差や取付け誤差等から、コネクタと、そのコネクタが突き出る開口との間に位置ずれが生じることがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、筐体本体に固定された回路基板にフローティングコネクタを接続した構造が開示されている。このフローティングコネクタは、回路基板に接続された状態のまま、その回路基板に対し相対的に移動させることが可能な構造のコネクタである。このフローティングコネクタを使用すれば、コネクタと開口との間の位置ずれが解消される。特許文献1には、外筒の基部(コネクタ)は、蓋材の貫通孔の周縁にぴったりと嵌まり込み、貫通孔を通ってケース(筐体)内に金属粉などの異物が侵入することを防いでいる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-26909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献1の場合、コネクタと開口との位置ずれを解消するために、フローティングコネクタなる特殊な構造のコネクタを使っている。このため、特許文献1の構造を採用すると、大型化およびコストアップのおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、コネクタと、そのコネクタが突き出る開口との位置ずれを簡易な構造で吸収した、筐体へのコネクタ組立体の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の筐体へのコネクタ組立体の取付構造は、
開口が形成された第1の筐体部品を含む筐体部品からなる筐体、および
上記開口から外向きに突出させたときに第1の筐体部品の内壁面の、上記開口の周縁に対面する壁部を有するハウジングを備えたコネクタとそのコネクタに接続されて筐体内に配置された回路基板を備え、そのコネクタが上記開口から突き出た状態に、上記第1の筐体部品に取り付けられているコネクタ組立体を備え、
上記壁部が、上記開口の周りに広がりその開口の周縁を一周に亘って取り巻く第1の平坦面と、その第1の平坦面を上記開口寄りの領域と上記開口から離れた領域とに分断する位置に形成された、上記開口を一周に亘って取り巻いて上記内壁面に向って開いた溝とを有し、
上記内壁面が、上記開口の周りに広がりその開口の周縁を一周に亘って取り巻いて上記第1の平坦面に接する第2の平坦面と、その第2の平坦面を上記開口寄りの領域と上記開口から離れた領域とに分断する位置に形成された、上記開口を一周に亘って取り巻き上記溝に向って突き出てその溝に入り込むリブとを有し、
上記溝内の、その溝に入り込んだリブの周囲に、防水構造体が備えられていることを特徴とする。
【0008】
本発明は、コネクタと、そのコネクタに取り付けられている回路基板とを備えたコネクタ組立体を、開口が設けられた第1の筐体部品に取り付けた構造を有する。このため、筐体を構成している各筐体部品の公差等による、この第1の筐体部品と他の筐体部品との間の位置ずれは問題とはならない。すなわち、本発明によれば、コネクタと開口との位置ずれを簡易な構造で吸収した筐体へのコネクタ組立体の取付構造が実現する。
【0010】
ここで、上記の防水構造は、上記溝の内壁と上記リブとの間に介在する接着剤であってもよい。
【0011】
あるいは、その防水構造は、上記溝内に配置されて上記リブに押圧されたシール部材であってもよい。

【0012】
本発明の筐体へのコネクタ組立体の取付構造によれば、一周に亘る壁部を形成し、筐体の開口の部分を容易に防水化することが可能である。
【発明の効果】
【0013】
以上の本発明によれば、コネクタと開口との位置ずれを簡易な構造で吸収した筐体へのコネクタ組立体の取付構造が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態としての筐体へのコネクタ組立体の取付構造を有する装置の斜視図である。
図2図1に示した装置の平面図である。
図3図2に示した矢印A-Aに沿う断面図である。
図4】コネクタ組立体の斜視図である。
図5】回路基板を上にして示したコネクタ組立体の断面斜視図である。
図6】変形例としてのコネクタ組立体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1(A)は、本発明の一実施形態としての筐体へのコネクタ組立体の取付構造を有する装置の斜視図である。また、図1(B)は、その装置の筐体を筐体本体と蓋体とに分離して示した分解斜視図である。さらに、図1(C)は、その装置に備えられているコネクタに相手コネクタが嵌合した状態を示した斜視図である。
【0017】
この装置10は、筐体20と、コネクタ30と、回路基板40(図3参照)を備えている。
【0018】
筐体20は、図1(B)に示すように、筐体本体21と蓋体22という複数の筐体部品で構成されていて、図1(A)に示した形状に水密に組み立てられる。本実施形態では、蓋体22が、本発明にいう第1の筐体部品の一例に相当する。蓋体22には、複数の突起22aが形成されている。この突起22aの内側には、ナット(不図示)が嵌め込まれている。そのナットは、コネクタ30に取り付けられた回路基板40を蓋体22に固定するためのものである。
【0019】
コネクタ30は、蓋体22に設けられている開口221から突き出た状態に配置されている。そして、このコネクタ30には、図1(C)に示すように、相手コネクタ70が嵌合する。
【0020】
図2は、図1に示した装置の平面図である。
【0021】
また、図3は、図2に示した矢印A-Aに沿う断面図である。ただし、この図3では、筐体20は、図1(B)に示したように、筐体本体21と蓋体22とに分離されている。筐体20は、例えばアルミダイカスト製であるが、絶縁性の樹脂で形成されていてもよい。
【0022】
コネクタ30には回路基板40が取り付けられて、コネクタ30と回路基板40を備えたコネクタ組立体50を構成している。そして、このコネクタ組立体50が、筐体20のうちの蓋体22に取り付けられる。
【0023】
図4は、コネクタ組立体の斜視図である。
【0024】
また、図5は、回路基板を上にして示したコネクタ組立体の断面斜視図である。
【0025】
以下では、図3図5を参照しながら、本実施形態を構成するコネクタ組立体50について説明する。
【0026】
このコネクタ組立体50は、コネクタ30と回路基板40とを備えている。コネクタ30は、ハウジング31と、そのハウジング31に支持されたコンタクト32を備えている。ハウジング31には、回路基板40側に突き出たラッチ311が設けられている。このラッチ311は、回路基板40に挿し込まれることにより、回路基板40がコネクタ30に仮止めされる。
【0027】
本実施形態では、コンタクト32の、回路基板40への接続部は、回路基板40のスルーホール(不図示)に挿し込まれる。その挿込みの後、半田付け等により、コンタクト32が、スルーホール壁面の金属導体に電気的に接続される。
【0028】
また、ハウジング31には、水平方向に沿って一周に亘って延びるフランジ312が設けられている。このコネクタ30の嵌合部33が、筐体20の蓋体22に設けられている開口221から、図3に示すように突き出た状態に配置される。すると、ハウジング31のフランジ312は、蓋体22の内壁面の、開口221の周縁に、一周に亘って対面する。このフランジ312の、筐体20の内壁面に対面する側の壁面は、本発明にいう壁部の一例に相当する。
【0029】
このフランジ321の、開口221の周縁に対面する側の壁面には、図4に示すように、一周に亘って延びる溝313が形成されている。また、この溝313に対応して、蓋体22の内壁面には、フランジ312の溝313に入り込むリブ222が一周に亘って形成されている。
【0030】
回路基板40は、ラッチ311でコネクタ30に仮固定された後、図3図5に示すように、ねじ61で、コネクタ30に確実に固定される。そして、そのように固定された回路基板40とコネクタ30を備えたコネクタ組立体50の、フランジ312に形成されている溝313の全周に防水用の接着剤(不図示)が塗布される。そして、そのコネクタ組立体50は、図3に示すように、コネクタ30が蓋体22の開口221から突き出るように配置される。さらに、そのコネクタ組立体50は、ボルト62と、蓋体22の突起22aに嵌め込まれているナット(不図示)とにより、蓋体22に固定される。
【0031】
本実施形態の構造の場合、回路基板40やコネクタ30を筐体本体21に固定した構造と比べ、蓋体22の開口221とコネクタ30との間の位置ずれを抑えた取付けが可能である。また、本実施形態の場合、接着剤の塗布という簡易な手段で防水性が付与される。
【0032】
図6は、変形例としてのコネクタ組立体の斜視図である。この図6は、上述の実施形態における図4に対応する。
【0033】
この図6に示すコネクタ組立体50’の場合、フランジ312の溝313(図4参照)内に、防水用のOリング314が配置されている。このOリング314は、このコネクタ組立体50’を蓋体22に取り付けたときに、蓋体22の内壁面の、開口221の周縁に押し当てられる。すなわち、この変形例としてのコネクタ組立体50’では、塗布された接着剤に代わり、このOリング314が、防水の役割を担っている。
【0034】
この図6に示したコネクタ組立体50’の、図4に示したコネクタ組立体50との相違点は、上記の防水構造の点のみであり、このコネクタ組立体50’についての他の要素の説明は省略する。
【0035】
以上の通り、本実施形態では、コネクタ30と回路基板40とを備えたコネクタ組立体50,50’を、筐体20の、コネクタ30が突き出る開口221が設けられている蓋体22に取り付けている。本実施形態の場合、この構造により、コネクタ30と開口221の位置を正確に合致させた取付けを可能としている。
【符号の説明】
【0036】
10 装置
20 筐体
21 筐体本体
22 蓋体(第1の筐体部品)
22a 突起
221 開口
222 リブ
30 コネクタ
31 ハウジング
311 ラッチ
312 フランジ
313 溝
314 Oリング(シール部材)
32 コンタクト
40 回路基板
50,50’ コネクタ組立体
61 ねじ
62 ボルト
70 相手コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6