(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】ガイドアセンブリを備えた履物テンショニングシステム
(51)【国際特許分類】
A43C 11/16 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
A43C11/16
(21)【出願番号】P 2018549267
(86)(22)【出願日】2017-03-10
(86)【国際出願番号】 US2017021836
(87)【国際公開番号】W WO2017160642
(87)【国際公開日】2017-09-21
【審査請求日】2020-03-06
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ビアーズ、ティファニー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】オーウィングス、アンドリュー エイ.
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第98/011797(WO,A1)
【文献】特開2004-222782(JP,A)
【文献】米国特許第05791021(US,A)
【文献】特開平11-004704(JP,A)
【文献】特開平08-299017(JP,A)
【文献】実開平02-068707(JP,U)
【文献】国際公開第2015/042216(WO,A1)
【文献】特表2016-503698(JP,A)
【文献】特表2016-530058(JP,A)
【文献】米国特許第06922917(US,B2)
【文献】米国特許第05205055(US,A)
【文献】特開2008-055196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0053569(US,A1)
【文献】米国特許第02094091(US,A)
【文献】国際公開第2014/078160(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側部と第2の側部とを含むアッパーであって、前記第1の側部および前記第2の側部は、スロート開口部によって前記アッパーのスロートにおいて離間され、前記第1の側部は、それらの間に内部キャビティを形成する内側層と外側層とで構成される、アッパーと、
前記アッパーに対して取り付けられたソール構造と、
前記内側層と前記外側層との間の前記第1の側部内に前記ソール構造に近接して配置された下方ガイド部材と、
前記内側層と前記外側層との間の前記第1の側部内に前記下方ガイド部材よりも前記スロート開口部に近接して配置された第1の上方ガイド部材と、
前記内側層と前記外側層との間の前記第1の側部内に前記下方ガイド部材よりも前記スロート開口部に近接して配置された第2の上方ガイド部材と、
ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットであって、前記ストラップ部材の第1のセットは、各々が、一方の端部において前記第2の側部に取り付けられ、反対側の端部において前記第1の上方ガイド部材に取り付けられている複数のストラップ部材を含み、前記ストラップ部材の第2のセットは、各々が、一方の端部において前記第2の側部に取り付けられ、反対側の端部において前記第2の上方ガイド部材に取り付けられている複数のストラップ部材を含む、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットと、
テンショニング部材を巻き取るよう構成されるテンショニングデバイスと、
前記テンショニングデバイスから前記下方ガイド部材まで、及び前記下方ガイド部材から前記第1の上方ガイド部材まで
通り、前記第1の上方ガイド部材から前記下方ガイド部材まで戻るように通されたテンショニング部材であって、前記テンショニング部材はさらに、前記下方ガイド部材から前記第2の上方ガイド部材まで
、及び前記第2の上方ガイド部材から前記下方ガイド部材まで
通り、前記下方ガイド部材から前記テンショニングデバイスまで戻るように通され、前記テンショニング部材は、
前記テンショニングデバイスによって巻き取られると、前記第1の上方ガイド部材と前記下方ガイド部材との間に、および、前記第2の上方ガイド部材と前記下方ガイド部材との間に、張力を加える、テンショニング部材と、
を備え、
前記テンショニング部材の少なくとも1つのセグメントは、前記下方ガイド部材から前記内部キャビティの外部の位置まで通され、
前記第1の上方ガイド部材は、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、および前記第2の上方ガイド部材は、前記長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、
前記下方ガイド部材の少なくとも一部は、前記第1の長手方向位置から前記長手方向軸に沿って前記第2の長手方向位置まで延びている、履物製品。
【請求項2】
前記下方ガイド部材は、
下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを含み、前記下方ベース部は、前記アッパーに直接取り付けられ、各下方ガイドチャネルは、前記下方ベース部に取り付けられるとともに前記テンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを収容する、
請求項1に記載の履物製品。
【請求項3】
前記第1の上方ガイド部材は、第1の上方ベース部および第1の上方ガイドチャネルを含み、前記第1の上方ベース部は、前記ストラップ部材の第1のセットに直接取り付けられ、前記第1の上方ガイドチャネルは、前記テンショニング部材の第1の上方ガイドチャネルセグメントを収容し、
前記第2の上方ガイド部材は、第2の上方ベース部および第2の上方ガイドチャネルを含み、前記第2の上方ベース部は、前記ストラップ部材の第2のセットに直接取り付けられ、前記第2の上方ガイドチャネルは、前記テンショニング部材の第2の上方ガイドチャネルセグメントを収容する、
請求項2に記載の履物製品。
【請求項4】
前記テンショニング部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、第3のセグメントと、第4のセグメントと、第5のセグメントと、第6のセグメントと、第7のセグメントと、第8のセグメントと、第9のセグメントと、第10のセグメントと、第11のセグメントとを含み、
前記第1のセグメントは前記内部キャビティの外部から前記下方ガイド部材の前記第1の下方ガイドチャネルまで延び、
前記第2のセグメントは前記第1の下方ガイドチャネルを通って延び、
前記第3のセグメントは前記第1の下方ガイドチャネルから前記第1の上方ガイド部材の前記第1の上方ガイドチャネルまで延び、
前記第4のセグメントは前記第1の上方ガイドチャネルを通って延び、
前記第5のセグメントは前記第1の上方ガイドチャネルから前記下方ガイド部材の前記第2の下方ガイドチャネルまで延び、
前記第6のセグメントは前記第2の下方ガイドチャネルを通って延び、
前記第7のセグメントは前記下方ガイド部材の前記第2の下方ガイドチャネルから前記第2の上方ガイド部材の前記第2の上方ガイドチャネルまで延び、
前記第8のセグメントは前記第2の上方ガイドチャネルを通って延び、
前記第9のセグメントは前記第2の上方ガイド部材の前記第2の上方ガイドチャネルから前記下方ガイド部材の前記第3の下方ガイドチャネルまで延び、
前記第10のセグメントは前記第3の下方ガイドチャネルを通って延び、
前記第11のセグメントは前記第3の下方ガイドチャネルから前記内部キャビティの外部の前記位置まで延びている、
請求項3に記載の履物製品。
【請求項5】
前記テンショニング部材に張力を印加することは、前記第1の上方ガイド部材および前記第2の上方ガイド部材を前記下方ガイド部材に向かって引っ張り、前記第1の上方ガイド部材が前記下方ガイド部材に向かって動く際に、前記ストラップ部材の第1のセットが、前記ストラップ部材の第1のセットに隣接する前記スロート開口部の一部を締め付け、
前記第2の上方ガイド部材が前記下方ガイド部材に向かって動く際に、前記ストラップ部材の第2のセットが、前記ストラップ部材の第2のセットに隣接する前記スロート開口部の一部を締め付ける、
請求項1に記載の履物製品。
【請求項6】
前記アッパーの前記第2の側部から前記第1の上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材の第1のセットと、前記アッパーの前記第2の側部から前記第2の上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材の第2のセットとをさらに備え、前記弾性バンド部材の第1のセットおよび前記弾性バンド部材の第2のセットの各弾性バンドは、前記ストラップ部材の第1のセットおよび前記ストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する、請求項1に記載の履物製品。
【請求項7】
前記弾性バンド部材の第1のセットは、前記第1の上方ガイド部材を前記下方ガイド部材から離れる方に付勢し、前記弾性バンド部材の第2のセットは、前記第2の上方ガイド部材を前記下方ガイド部材から離れる方に付勢する、請求項6に記載の履物製品。
【請求項8】
前記内側層の表面はポリテトラフルオロエチレンからなる、請求項1に記載の履物製品。
【請求項9】
前記外側層の表面はポリテトラフルオロエチレンからなる、請求項1に記載の履物製品。
【請求項10】
アッパーに対してソール構造を取り付けることであって、前記アッパーは第1の側部と第2の側部とを含み、前記第1の側部および前記第2の側部はスロート開口部によって前記アッパーのスロートにおいて離間され、前記第1の側部は、それらの間に内部キャビティを形成する内側層と外側層とで構成されることと、
前記内側層と前記外側層との間の前記第1の側部内に前記ソール構造に近接して下方ガイド部材を配置することと、
前記内側層と前記外側層との間の前記第1の側部内に前記下方ガイド部材よりも前記スロート開口部に近接して、第1の上方ガイド部材を配置することと、
前記内側層と前記外側層との間の前記第1の側部内に前記下方ガイド部材よりも前記スロート開口部に近接して、第2の上方ガイド部材を配置することと、
ストラップ部材の第1のセットのストラップ部材を、一方の端部において前記第2の側部に取り付け、反対側の端部において前記第1の上方ガイド部材に取り付けることと、
ストラップ部材の第2のセットのストラップ部材を、一方の端部において前記第2の側部に取り付け、反対側の端部において前記第2の上方ガイド部材に取り付けることと、
テンショニング部材を巻き取るよう構成されるテンショニングデバイスを配置することと、
テンショニング部材を、
前記テンショニングデバイスから前記下方ガイド部材まで、及び前記下方ガイド部材から前記第1の上方ガイド部材まで通し、前記第1の上方ガイド部材から前記下方ガイド部材に戻し、前記下方ガイド部材から前記第2の上方ガイド部材まで通し、前記第2の上方ガイド部材から前記下方ガイド部材へ戻
し、前記下方ガイド部材から前記テンショニングデバイスまで通すことであって、前記テンショニング部材は、
前記テンショニングデバイスによって巻き取られると、前記第1の上方ガイド部材と前記下方ガイド部材との間に、および、前記第2の上方ガイド部材と前記下方ガイド部材との間に、張力を加える、ことと、
を含み、
前記テンショニング部材の少なくとも1つのセグメントが、前記下方ガイド部材から前記内部キャビティの外部の位置まで通され、
前記第1の上方ガイド部材が、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、および前記第2の上方ガイド部材が、前記長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、
前記下方ガイド部材の少なくとも一部が、前記第1の長手方向位置から前記長手方向軸に沿って前記第2の長手方向位置まで延びている、
方法。
【請求項11】
前記下方ガイド部材は、
下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを含み、前記下方ベース部は前記アッパーに直接取り付けられ、
前記下方ガイド部材を配置することは、各下方ガイドチャネルを前記下方ベース部に取り付けることをさらに含み、
前記テンショニング部材を通すことは、前記テンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを前記下方ガイドチャネル内に収容することをさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の上方ガイド部材は第1の上方ベース部と第1の上方ガイドチャネルとを含み、前記ストラップ部材の第1のセットを取り付けることは前記ストラップ部材の第1のセットを前記第1の上方ベース部に直接取り付けることを含み、
前記テンショニング部材を通すことは前記テンショニング部材の第1の上方ガイドチャネルセグメントを前記第1の上方ガイドチャネル内に収容することを含み、
前記第2の上方ガイド部材は第2の上方ベース部と第2の上方ガイドチャネルとを含み、前記ストラップ部材の第2のセットを固定することは前記ストラップ部材の第2のセットを前記第2の上方ベース部に直接取り付けることを含み、
前記テンショニング部材を通すことは、前記テンショニング部材の第2のガイドチャネルセグメントを前記第2の上方ガイドチャネルに収容することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記テンショニング部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、第3のセグメントと、第4のセグメントと、第5のセグメントと、第6のセグメントと、第7のセグメントと、第8のセグメントと、第9のセグメントと、第10のセグメントと、第11のセグメントとを含み、前記テンショニング部材を通すことは、
前記第1のセグメントを前記内部キャビティの外部から前記下方ガイド部材の前記第1の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、
前記第2のセグメントを前記第1の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、
前記第3のセグメントを前記第1の下方ガイドチャネルから前記第1の上方ガイド部材の前記第1の上方ガイドチャネルまで延ばすことと、
前記第4のセグメントを前記第1の上方ガイドチャネルを通して延ばすことと、
前記第5のセグメントを前記第1の上方ガイドチャネルから前記下方ガイド部材の前記第2の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、
前記第6のセグメントを前記第2の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、
前記第7のセグメントを前記下方ガイド部材の前記第2の下方ガイドチャネルから前記第2の上方ガイド部材の前記第2の上方ガイドチャネルまで延ばすことと、
前記第8のセグメントを前記第2の上方ガイドチャネルを通して延ばすことと、
前記第9のセグメントを前記第2の上方ガイド部材の前記第2の上方ガイドチャネルから前記下方ガイド部材の前記第3の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、
前記第10のセグメントを前記第3の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、
前記第11のセグメントを前記第3の下方ガイドチャネルから前記内部キャビティの外部の前記位置まで延ばすことと、
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の上方ガイド部材および前記第2の上方ガイド部材を前記下方ガイド部材に向けて引っ張るように、前記テンショニング部材に張力を印加することをさらに含み、
前記第1の上方ガイド部材が前記下方ガイド部材に向かって動く際に、前記ストラップ部材の第1のセットが、前記ストラップ部材の第1のセットに隣接する前記スロート開口部の一部を締め付け、
前記第2の上方ガイド部材が前記下方ガイド部材に向かって動く際に、前記ストラップ部材の第2のセットが、前記ストラップ部材の第2のセットに隣接する前記スロート開口部の一部を締め付ける、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
弾性バンド部材の第1のセットを、前記アッパーの前記第2の側部と前記第1の上方ガイド部材との間に取り付けることと、
弾性バンド部材の第2のセットを、前記アッパーの前記第2の側部と前記第2の上方ガイド部材との間に取り付けることとをさらに含み、
前記弾性バンド部材の第1のセット内および前記弾性バンド部材の第2のセット内の各弾性バンドは、前記ストラップ部材の第1のセットおよび前記ストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記弾性バンド部材の第1のセットは、前記第1の上方ガイド部材を前記下方ガイド部材から離れる方に付勢し、前記弾性バンド部材の第2のセットは、前記第2の上方ガイド部材を前記下方ガイド部材から離れる方に付勢する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書に開示されている主題は、一般に、ガイドアセンブリを備えた履物テンショニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
履物製品は、一般に、2つの主要な要素、すなわち、アッパーおよびソール構造を含んでいる。アッパーは、足を快適かつ確実に収容するための空洞を履物内に形成するために、縫製されるかまたは一緒に接着接合されるさまざまな材料から形成することができる。また、アッパーは、履物のフィット性を調節し、およびアッパー内の空洞からの足の出し入れを可能にするための、締めひもシステムも組み込んでもよい。
【0003】
添付図面の図には、いくつかの実施形態が、例としておよび非限定的に図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】テンショニングシステムを含む履物製品の実施形態の模式図である。
【
図3】履物製品とともに用いられるテンショニングデバイスの実施形態の模式図である。
【
図4】テンショニングデバイスが、ソール構造内に配置されているように見える、
図1の製品の模式等角図である。
【
図5】締めひもガイドアセンブリを備えた履物製品の実施形態の模式的等角拡大図である。
【
図6】下方ガイド部材の実施形態の模式等角図である。
【
図7】上方ガイド部材の実施形態の模式等角図である。
【
図8】履物製品から切り離して示す締めひもガイドアセンブリの構成要素の実施形態の模式図である。
【
図10】1つ以上のストラップ部材がアッパーから分解されている、
図9の履物製品の模式等角図である。
【
図11】ストラップ部材および弾性バンド部材の実施形態の模式図である。
【
図12】締めひもガイドアセンブリが完全に緩んだ状態になっている履物製品の実施形態の模式図である。
【
図13】製品がアクティブに締め付けられている、
図12の履物製品の模式図である。
【
図14】締め付けられた状態の
図12の履物製品の模式図である。
【
図15】テンショニング部材がリールから繰り出される際の
図12の履物製品の模式図である。
【
図16】複数の弾性バンド部材が、リールからのテンショニング部材の繰り出しを補助するためにテンショニング部材を引き寄せている、
図12の履物製品の模式図である。
【
図17】履物製品が、完全に緩んだ状態に戻っている場合の
図12の履物製品の模式図である。
【
図18】一実施形態例における、履物製品を作るためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
実施例の方法およびシステムは、ガイドアセンブリを備えた履物テンショニングシステムに関する。実施例は、可能な変形例の典型にすぎない。別途明記されていない限り、構成要素および機能は任意的であり、および組合せてもよく、または細分化してもよく、また、動作は、順序が変わってもよく、または、組合せても、または細分化してもよい。以下の説明では、説明のため、実施形態例の十分な理解をもたらすように、数字を特定した詳細が記載されている。しかし、当業者においては、本発明の主題がそれらの具体的な詳細の各々またはすべてを要せずとも実施できることは明白であろう。
【0006】
従来、履物製品の締めひもシステムは、ひも穴または他の締めひもチャネルを介して挿通され、および履物製品の着用者により、または、着用者を手伝っている人により、手で張力を掛けられるかまたは締められる、1つ以上の締めひもを含んでいる。その場合、締めひもに対する張力を維持するために、締めひもは、例えば、締めひもの端部を結び合わせることにより、または、機械的要素を用いて締めひもを留めることにより、固定することができる。
【0007】
このような従来の締めひもシステムは、人によって締めひもに印加される張力ではなく、例えば、モータを利用して締めひもシステムに張力を印加することにより電動化されている締めひもまたは履物テンショニングシステムに用いるには、容易には適合可能にすることができない可能性がある。人は、例えば、締めひもに対する張力の量、力の方向等を、異なる時期に微妙に変化させることにより、張力を適切かつ有効に印加するように特定の方法で締めひもを操作することができる。対照的に、従来のモータは、状況の変化に応じて締めひもに対する張力を微妙に変化させる能力が低い可能性があり、また、一般的には反応が遅い可能性がある。したがって、一般的に、電動式のテンショニングシステムにおいて締めひもに伝えられ得る摩擦力および他の抵抗力は、従来の締めひもシステムを、電動式テンショニングシステムにおいて実現困難または非効率的なものにする可能性がある。
【0008】
締めひもガイドアセンブリを備えたテンショニングシステムは、自動テンショニングシステムを有する履物用に既に開発されている。その締めひもガイドアセンブリは、履物のアッパーの内側層と外側層との間に配置されている。締めひもは、その締めひもガイドアセンブリの上方ガイド部材と下方ガイド部材との間を通っている。上方ガイド部材は、アッパーのスロート開口部の上を通っているストラップ部材に結合されている。モータによって張力が締めひもに印加されると、その締めひもは上方ガイド部材に力を伝え、次に、該上方ガイド部材がストラップ部材に力を伝え、そのことが、上記空洞内の足の周りでアッパーを締める。また、上方ガイド部材および下方ガイド部材の構成は、ストラップ部材に対して力を一様に分散させてスロート開口部でアッパーを閉じる、締めひも用の比較的低摩擦のアセンブリをもたらす。
【0009】
図1は、自動テンショニングシステムをさらに含む履物製品100の模式等角図である。1つの実施形態において、履物製品100は、運動靴の形態を有している。本願明細書において説明する、自動テンショニングシステムのための装備は、限定するものではないが、バスケットボールシューズ、ハイキングシューズ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、テニスシューズ、登山靴、スニーカー、ランニングシューズ、クロストレーニングシューズ、ラグビーシューズ、ローイングシューズ、ベースボールシューズ、ならびにその他の種類のシューズを含む、さまざまな他の種類の履物に組み込むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、本願明細書において説明する装備は、限定するものではないが、スリッパ、サンダル、ハイヒール履物およびローファーを含む、さまざまな他の種類の非スポーツ関連の履物に組み込むことができる。
図1に示す実施形態では、履物製品100は、ハイトップスニーカーの形態を有している。
【0010】
明確にするために、以下の詳細な説明は、単に製品100とも称されている、履物製品100の形状構成について説明している。しかし、他の実施形態が、本願明細書に記載されているとともに図面に示されている製品100の形状構成のうちのいくつかおよび潜在的にはすべてを共用してもよい、対応する履物製品(例えば、製品100が、右側の履物製品である場合には、左側の履物製品)を組み入れてもよいことは理解されるであろう。
【0011】
実施形態は、方向を示す形容詞および基準となる部分によって特徴付けることができる。それらの方向性および基準部分は、履物製品の部分の説明を容易にすることができる。さらに、それらの方向性および基準部分は、履物製品のサブコンポーネント(例えば、アッパー、ソール構造または他の任意の構成要素の、方向性および部分または方向性もしくは部分)を説明するのにも用いることができる。
【0012】
一貫性を保つために、および便宜上、方向性を示す形容詞は、例示されている実施形態に対応するこの詳細な説明の全体を通して使用されている。「長手方向」という用語は、この詳細な説明を通しておよび特許請求の範囲において用いられる場合、構成要素(例えば、アッパーまたはソール構成要素)の長さ方向に延びている方向または軸を指す。いくつかの実施形態では、長手方向は、足先部分から、その構成要素のかかと部分へ延びていてもよい。また、「横方向」という用語は、この詳細な説明を通して、および特許請求の範囲において用いられる場合、構成要素の幅に沿って延びている方向または軸を指す。例えば、横方向は、構成要素の内側側部と外側側部との間に延びていてもよい。さらに、「垂直方向」という用語は、この詳細な説明を通して、および特許請求の範囲において用いられる場合、横方向と長手方向とに対して概して垂直な方向または軸を指す。例えば、製品が地面に平らに置かれている実施形態では、垂直方向は、地面から上方へ延びていてもよい。また、「内側」または「近位」という用語は、製品の内部に近接して、または、その製品が着用されたときに足に近接して配置される、製品の部分を指す。同様に、「外側」または「遠位」という用語は、製品の内部から遠くに、または、足から遠くに配置される、製品の部分を指す。したがって、例えば、構成要素の近位面は、その構成要素の遠位面よりも、その製品の内部に近接して配置されている。この詳細な説明では、製品と、アッパー、ミッドソール構造および/または外側ソール構造を含む製品のさまざまな構成要素とを説明する際に、方向を示すこれらの形容詞を利用している。
【0013】
製品100は、多数の異なる領域または部分によって特徴付けることができる。例えば、製品100は、足先領域と、中足領域と、かかと領域と、バンプ領域と、甲回り領域と、足首領域とを含むことができる。さらに、製品100の構成要素は、対応する領域または部分を同様に備えることができる。
図1を参照すると、製品100は、足先領域10と、中足領域12と、かかと領域14とに分けることができる。足先領域10は、つま先と、中足骨と指骨とを接続する関節とに大略的に関連付けることができる。中足領域12は、足のアーチと大略的に関連付けることができる。同様に、かかと領域14は、踵骨を含む足のかかとと大略的に関連付けることができる。また、製品100は、甲回り領域16および足首領域18も含んでもよい。
【0014】
さらに、参照目的のために、製品100は、外側側部20および内側側部22を含んでもよい。具体的には、外側側部20および内側側部22は、製品100の対向する側部とすることができる。さらに、外側側部20および内側側部22はともに、足先領域10と、中足領域12と、かかと領域14とを通って延びていてもよい。
【0015】
製品100は、アッパー102およびソール構造106を備えていてもよい。異なる実施形態では、ソール構造106は、製品100のためのトラクションを生成するように構成してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、トラクション要素を、ソール構造106に含めてもよい。ソール構造106は、トラクションを生成することに加えて、ウォーキング、ランニング、プッシングまたは他の歩行活動中に、足と地面との間で圧縮されたときに地面反力を減衰させることができる。ソール構造106の構成は、さまざまな従来の構造または非従来的な構造を含むように、異なる実施形態において大幅に変えてもよい。いくつかの実施形態では、ソール構造106は、その上でソール構造106が用いられる可能性がある一種類以上の面に従って構成することができる。それらの面の実施例は、限定するものではないが、天然芝、人工芝、土、堅木フローリング、水面、木、プレート、踏み板、ボートの進水路および他の面を含む。
【0016】
ソール構造106のさまざまな部分は、さまざまな材料から形成することができる。例えば、ソール構造106は、ウォーキング、ランニングまたは他の歩行活動中に、足と地面との間で圧縮されたときに地面反力を減衰させる(すなわち、クッション性を与える)圧縮性ポリマー発泡体要素(例えば、ポリウレタンまたはエチレンビニルアセテート発泡体)を含んでいてもよい。さらなる構成では、ソール構造106は、液体充填チャンバ、プレート、モデレータ、または、力をさらに減衰させ、安定性を高め、または、足の動きに影響を与える他の要素を組み込んでもよい。さらに、アウトソール等のソール構造106の他の部分は、トラクションを伝えるように表面に質感を持たせた耐摩耗性ゴム材料から形成することができる。本願明細書における実施形態は、ソール構造106用の構成を、アッパー102とともに用いることができるソール構造の実施例として描写しており、かつ、さまざまな他のソール構造106用の従来の構成または非従来的な構成を用いてもよいことを理解すべきである。したがって、ソール構造106の、または、アッパー102とともに用いる何らかのソール構造の構造および形状構成は、大幅に変わってもよい。
【0017】
ソール構造106は、アッパー102に固定され、製品100が着用されたときに足と地面との間に延びている。異なる実施形態では、ソール構造106は、異なる構成要素を含んでいてもよい。例えば、ソール構造106は、アウトソールを含んでもよい。例えば、ソール構造106は、ミッドソールおよびインソールの両方または一方をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、これらの構成要素のうちの1つ以上は任意であってもよい。
【0018】
異なる実施形態では、アッパー102は、ソール構造106に接合することができ、および着用者の足を収容するように設計された内部空洞を画定することができる。いくつかの実施形態では、アッパー102は、アッパー102の内部空洞に足がアクセスできるようにする開口部130を含んでいる。いくつかの実施形態では、開口部130は、足首領域18に沿ってまたは足首領域の近傍に配置することができる。
図1を見て分かるように、1つの実施形態において、アッパー102は、ベロ132も含んでいる。ベロ132は、スロート開口部134に当たって(アッパー102の甲回り領域16に沿って)配置することができ、また、ベロ132は、スロート開口部134を介したアッパー102の内部空洞へのアクセスを阻止することができる。また、スロート開口部134は、アッパー102の第1の側部138と第2の側部139とを隔離するように見えている可能性もある。
【0019】
いくつかの実施形態において、製品100は、締めひも区域140を含むことができる。いくつかの実施形態では、締めひも区域140は、足先領域10に隣接する区域までの中足領域12における足の甲回りに相当する区域を含むスロート開口部134と関連付けることができる。締めひも区域140は、アッパー120の対向する側面の外側締めひも縁部143と内側締めひも縁部144との間に延びている。
【0020】
アッパー102を足の周りに固定するために、製品100は、スロート開口部134の開閉を容易にする1つ以上の締めひも装備またはテンショニング装備を含んでもよい。いくつかの実施形態は、締めひもまたは他のテンショニング部材が締めひも区域140の両縁部に沿ったひも穴または同様の固定装備を介して固定されている、従来の締めひもシステムを利用してもよい。他の実施形態では、製品100は、他の締めひも装備またはテンショニング装備を含むことができる。いくつかの実施形態では、製品100は、アッパー102を足の周りに自動的に締め付けることおよび足の周りで緩めることを容易にするテンショニング装備を含むことができる。
【0021】
この実施形態では、複数のストラップ部材146(または、単純にストラップ部材146)が、締めひも区域140の部分にわたって延びている。複数のストラップ部材146は、(以下で詳細に記載されている)テンショニングシステムの他の装備とともに、足の一部に合わせるために、着用者がアッパー102の寸法を変更することを支援する。例示的な実施形態においては、複数のストラップ部材146は、外側縁部143と内側縁部144との間の締めひも区域140を横切って横方向に延びている。以下でさらに説明されているように、テンショニングシステムの複数のストラップ部材146およびテンショニング部材は、着用者が、足の周りでアッパー102を締め付けること、および内部空洞からの(すなわち、スロート開口部134を介した)足の出し入れを容易にするようにアッパー102を緩めることを可能にする。
【0022】
いくつかの実施形態において、ベロ132は、製品100の快適性を高めるために、製品100内に設ける場合、着用者の足を覆って延びている。この実施形態では、ベロ132は、締めひも区域140を通って延び、およびアッパー102の対向する外側縁部143と内側縁部144との間の開口部内で動くことができる。場合により、ベロ132は、クッション性をもたらし、および着用者の足の上部に当たって締めひもまたは複数のストラップ部材146によって印加される張力を分散させるように、締めひもおよび/または複数のストラップ部材146間に延びることができる。ベロ132は、この構成を用いて、製品100の快適性を高めることができる。
【0023】
いくつかの実施形態は、着用者の足の周りで製品を締め付けることおよび緩めることの両方または一方を含む、着用者の足に対する製品の調節を容易にするための装備を含んでもよい。いくつかの実施形態では、それらの装備は、テンショニングシステムを含んでもよい。いくつかの実施形態では、テンショニングシステムは、限定するものではないが、テンショニング部材、締めひもガイド、テンショニングアセンブリ、ハウジングユニット、モータ、ギア、スプールまたはリール、および/または電源を含む、その他の構成要素をさらに含んでいてもよい。このような構成要素は、固定すること、張力を調節すること、およびカスタマイズされたフィット性を着用者の足にもたらすことを支援することができる。これらの構成要素については、およびさまざまな実施形態において、それらの構成要素が、製品を着用者の足にどのように固定するのか、張力をどのように調節するのか、およびカスタマイズされたフィット性をどのように与えるのかについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0024】
図2は、製品100の実施形態の模式側面図である。ここで
図2を参照すると、製品100は、テンショニングシステム200の例示的な実施形態を含んでいる。テンショニングシステム200の実施形態は、2013年8月20日に出願された「Motorized Tensioning System」というタイトルのビアーズ(Beers)らによる米国特許出願公開第2014/0068838号明細書(米国特許出願第14/014491号)、2013年8月20日に出願された「Motorized Tensioning System with Sensors」というタイトルのビアーズ(Beers)による米国特許出願公開第2014/0070042号明細書(米国特許出願第14/014555号)、および2013年9月20日に出願された「Footwear Having Removable Motorized Adjustment System」というタイトルのビアーズ(Beers)による米国特許出願公開第2014/0082963号明細書(米国特許出願第14/032524号)のうちの1つ以上において開示されているシステム、構成要素、形状構成または要素のいずれかの組み込みを含む何らかの適切なテンショニングシステムを含んでいてもよく、これらの出願は、参照によってそれら全体(本願明細書においては、まとめて「自動締めひもケース」と呼ぶ)が本願明細書に組み込まれるものとする。
【0025】
明確にするために、テンショニングシステム200のいくつかの構成要素またはサブシステムは、製品100におけるそれら各々の位置および互いの関係の理解を容易にするために、
図2に大略的に図示されている。
図2の実施形態において、製品100は、テンショニングデバイス202を含む。テンショニングデバイス202は、テンショニングシステム200における締めひもまたは他のテンショニング部材の張力を自動的に増減させるための1つ以上の装備を含んでもよい。以下でさらに詳細に説明するように、このような装備は、モータ、締めひもを巻き取るためのスプール、および電源装備(例えば、バッテリ)を含んでもよい。
【0026】
異なる実施形態では、テンショニングシステムは、テンショニング部材を含んでもよい。「テンショニング部材」という用語は、この詳細な説明を通しておよび特許請求の範囲において用いられる場合、大略的に細長い形状および高い引張強度を有する何らかの構成要素を指す。場合により、テンショニング部材は、概して低い弾性を有することもできる。異なるテンショニング部材の実施例は、締めひも、ケーブル、ストラップおよびコードを含む。場合により、テンショニング部材は、衣類製品および履物製品の両方または一方を含む製品を固定して締め付けるかまたは固定するかもしくは締め付けるのに用いることができる。他の事例では、テンショニング部材は、いくつかの構成要素またはシステムを作動させる目的のために、所定の位置に張力を印加するのに用いてもよい。
【0027】
図2の実施形態において、製品100は、テンショニング部材210を含んでいる。
図2では大略的に示されているテンショニング部材210は、締めひも、ケーブル、コード、または、他の何らかの種類のテンショニング部材として構成することができる。
図1~
図3の例示的な実施形態において、テンショニング部材210は、大略的に円形断面形状を有する締めひもであってもよい。テンショニング部材210は、テンショニングデバイス202と関連付けることができる(例えば、テンショニング部材210は、テンショニングデバイス202のスプールに巻き付けることができる)。また、テンショニング部材210は、1つ以上または複数のストラップ部材146と関連付けることもできる。具体的には、テンショニング部材210は、テンショニングデバイス202のスプールに巻き付けられる際に、複数のストラップ部材146に張力を伝達するように構成することができる。
【0028】
図3は、テンショニング部材210と結合されているテンショニングデバイス202の実施形態の模式図である。テンショニングデバイス202は、リール部材300(または、スプール)と、モータ302と、電源304とを含むことができる。したがって、電源304は、モータ302に動力を供給して、リール部材300を回すことができる。いくつかの実施形態では、モータ302とリール部材300は、歯車アセンブリ306を用いてさらに結合することができる。
【0029】
例示的な実施形態において、リール部材300は、その中心軸、および軸312から外側径方向に延びている1つ以上のフランジ324に沿って作動する軸312を有する、リールまたはスプールである。1つ以上のフランジ324は、軸312が各フランジの中心内に配置された状態で、大略的に円形または丸みを帯びた形状を有することができる。いくつかの他の実施形態では、中央フランジ(図示せず)は、テンショニングシステム200が締め付けられるかまたは緩められたときの巻き取りまたは繰り出し中に、テンショニング部材210がもつれないように、または、鳥の巣状にならないように、テンショニング部材210の巻き取った部分をリール部材300上で分離して整理した状態を維持することを支援することができる。
【0030】
いくつかの実施形態において、モータ302は、電動モータを含むことができる。しかし、他の実施形態では、モータ302は、当技術分野において知られている何らかの種類の非電動モータを備えることができる。使用できる異なるモータの実例は、限定するものではないが、DCモータ(例えば、永久磁石モータ、ブラシ付きDCモータ、ブラシレスDCモータ、スイッチトリラクタンスモータ等)、ACモータ(例えば、摺動回転子を有するモータ、同期電動モータ、非同期電動モータ、誘導モータ等)、ユニバーサルモータ、ステッピングモータ、圧電モータ、および当技術分野において知られている他の何らかの種類のモータを含む。
【0031】
モータ302は、テンショニングシステムの1つ以上の構成要素を駆動するのに用いることができるクランク軸をさらに含んでもよい。例えば、モータ302のクランク軸は、リール部材300にも結合されている歯車アセンブリ306を駆動することができる。リール部材300は、この構成を用いて、中心軸周りにそれぞれ反対方向に回転されるモータ302と連接して配置することができる。
【0032】
電源304は、モータ302に動力を供給し、およびモータを制御するように構成されたバッテリおよび制御装置(図示せず)の両方または一方を含んでもよい。電源304は、モータ302およびテンショニングシステム200に動力を供給するのに用いることができる、一種類以上のバッテリテクノロジーからなる何らかの適切なバッテリとすることができる。利用できる、1つの可能性のあるバッテリテクノロジーは、リチウムポリマー電池である。該バッテリは、平坦な、円筒形の、またはコイン形状としてパッケージ化された再充電可能または交換可能なユニットとすることができる。さらに、バッテリは、単一のセル、または、直列または並列のセルとすることができる。他の適切なバッテリおよび電源の両方または一方を、電源304に用いてもよい。
【0033】
図示されている実施形態では、リール部材300、モータ302、電源304および歯車アセンブリ306はすべて、追加的な構成要素、例えば、制御装置または他の要素とともに、テンショニングデバイス202内のこれらの構成要素のすべてを収容し、かつ保護するように機能することができるハウジングユニット310内に設けられている。しかし、他の実施形態では、これらの構成要素のうちのいずれか1つ以上は、アッパーおよびソール構造の両方または一方を含む、製品の他の任意の部分に設けることができる。
【0034】
ハウジングユニット310は、テンショニング部材210が、ハウジングユニット310内に入ること、およびリール部材300に係合することを可能にする開口部305を含んでいる。したがって、ハウジングユニット310の開口部305は、テンショニング部材210の第1部材部分320および第2部材部分322が、ハウジングユニット310の内部のリール部材300に巻き取られることおよび繰り出されることを可能にする。
【0035】
図2に示されているように、および
図4にも示されているように、テンショニングデバイス202は、ソール構造106内に設けることができる。いくつかの実施形態において、ソール構造106は、テンショニングデバイス202を収容する空洞または凹部を含んでいてもよい。他の実施形態では、テンショニングデバイス202は、製品100の他の領域内に取り付けることができ、例えば、ハーネスまたは他の装着装備を用いて、アッパー102の外部に取り付けられることを含む。
【0036】
テンショニング部材210を、テンショニングデバイス202と複数のストラップ部材146との間に案内することを容易にするために、製品100は、締めひもガイドアセンブリとも称されるテンショニング部材ガイドアセンブリも含んでいてもよい。例示するために、
図2は、点線を用いて、締めひもガイドアセンブリ区域220を強調している。締めひもガイドアセンブリ区域220は、アッパー102の第1の側部138に設けてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、締めひもガイドアセンブリの構成要素、およびテンショニング部材の関連する部分は、内部に設けてもよく、また、アッパー102の外側面に見えていなくてもよい。例えば、以下で説明するように、少なくともいくつかの実施形態では、締めひもガイドアセンブリの構成要素は、アッパー102の内側層と外側層との間に構成され、それによって、ユーザに対して隠される。
【0037】
また、実施形態は、ソール構造106内に固定することができるテンショニングデバイス202と、アッパー102の一部である締めひもガイドアセンブリ区域220との間のテンショニング部材210の部分の通過を容易にする装備も含むことができる。この目的のために、および次に
図3、
図4を参照すると、テンショニングシステム200のいくつかの実施形態は、第1のガイドチューブ230および第2のガイドチューブ232を含んでもよい。第1のガイドチューブ230および第2のガイドチューブ232は、ソール構造106内にかつソール構造106とアッパー102との間に、または、ソール構造106内にもしくはソール構造106とアッパー102との間に備え付けることができ、および、テンショニングデバイス202から、締めひもガイドアセンブリ区域220内に設けられたテンショニングシステム200の要素まで、テンショニング部材210の部分を案内することを補助することができる。このようにして、第1のガイドチューブ230および第2のガイドチューブ232は、ソール構造106から締めひもガイドアセンブリ区域220まで通る際のテンショニング部材210の経路の制御を補助することができ、また、テンショニング部材210と、(アッパー102とソール構造106とが付着されている箇所に隣接する)ソール構造106およびアッパー102の両方または一方との間の摩擦の低減を補助することもできる。
【0038】
図5は、締めひもガイドアセンブリ領域220内のアッパー102の外側層110の一部が剥がされて、締めひもガイドアセンブリ400の構成要素が露わにされている、製品100の一部の模式等角図である。
図5を参照すると、締めひもガイドアセンブリ400は、下方ガイド部材410と、第1の上方ガイド部材430と、第2の上方ガイド部材450とを含む。
【0039】
図6は、分離して示す下方ガイド部材410の実施形態の模式等角図である。ここで、
図6を参照すると、下方ガイド部材410は、下方ベース部412で構成されている。下方ベース部412は、下方ベース外側面413と、反対側の下方ベース内側面(図示せず)とによって特徴付けることができる。第1の下方ガイドチャネル414、第2の下方ガイドチャネル416および第3のガイドチャネル418は、すべて下方ベース部412の下方ベース外側面413から延びている。
【0040】
異なる実施形態では、各下方ガイドチャネルの方向は、変わる可能性がある。
図6を見て分かるように、第1の下方ガイドチャネル414は、下方ガイド部材410の幅を横切って延びていてもよい。同様に、第3の下方ガイドチャネル418は、下方ガイド部材410の幅を横切って延びていてもよい。対照的に、第2の下方ガイドチャネル416は、下方ガイド部材410の長さ方向に延びていてもよい。例示的な実施形態において、下方ガイド部材410は、幅422よりも長い長さ420を有している(どちらも、その厚さより大きい)。また、第2の下方ガイドチャネル416は、第1の下方ガイドチャネル414および第3の下方ガイドチャネル418の両方よりも大きい長さを有している。
【0041】
図7は、分離して示す第1の上方ガイド部材430の実施形態の模式等角図である。ここで、
図7を参照すると、第1の上方ガイド部材430は、上方ベース部432で構成されている。上方ベース部432は、上方ベース外側面433と、反対側の上方ベース内側面(図示せず)とによって特徴付けることができる。上方ガイドチャネル434は、第1の上方ガイド部材430の上方ベース外側面433から延びている。
図7の実施形態では、上方ガイドチャネル434は、第1の上方ガイド部材430の共通下方縁部448に設けられている上方ガイドチャネル434の第1の端部444および第2の端部446とともに、アーチ形状を有している。しかし、他の実施形態では、上方ガイドチャネル434は、直線状のチャネル形状および/または非直線状のチャネル形状の両方を含む、任意の他の形状を有することができる。
【0042】
図5に示す第2の上方ガイド部材450を、少なくともいくつかの実施形態では、第1の上方ガイド部材430と同様の方法で構成できることは理解することができる。具体的には、第2の上方ガイド部材450は、対応するベース部および上方ガイドチャネルを含むことができる。
【0043】
異なる実施形態では、各ガイドチャネルの形状は、変わることができる。いくつかの実施形態では、ガイドチャネルは、開チャネルまたは溝状の構造を有していてもよい。他の実施形態では、ガイドチャネルは、閉チャネルまたはトンネル状の構造を有していてもよい。
図6の拡大断面図を見て分かるように、第1の下方ガイドチャネル414は、閉じた管状の断面形態を有している。第2の下方ガイドチャネル416および第3の下方ガイドチャネル418が、いくつかの実施形態において、同様の閉じた管状の断面形態を有していてもよいことは理解することができる。また、
図7に示すように、上方ガイドチャネル434は、上方ガイドチャネルが閉じたトンネル構造を有している第1の端部および第2の端部の箇所を除いて、開口したチャネル構造を有している。同様に、第2の上方ガイド部材450が、
図5~
図7の例示的な実施形態において、上方ガイドチャネル434のチャネル形態と同様のチャネル形態を有していることは理解することができる。
【0044】
1つ以上のガイドチャネルの直径は変えることができるが、それらは、一般的に、テンショニング部材の区画に容易に適合するように選択することができる。したがって、各ガイドチャネルの具体的な直径または最小直径は、そのシステムに用いられる締めひもまたはコードの直径に依存する可能性がある(逆もまた同様である)。
【0045】
一般に、締めひもガイドアセンブリ400の各ガイドチャネルのサイズ、形状および方向は、足の周りで製品100を開く、閉じる、および徐々に締め付けるためのスムーズかつ正確な制御を実行できるように張力を分散させるテンショニング部材用の特定の構成または経路を実現するように選択することができる。したがって、1つ以上のガイドチャネルのサイズ、形状および/または方向は、張力が直接的に製品100内に印加される位置を変更するために、テンショニング部材用の他の所望の経路を実現するように変えることができることは正しく認識することができる。
【0046】
ガイド部材アセンブリは、アッパーの側部内に形成されたポケット、ギャップ、キャビティまたは空洞内に取り付けることができる。ここで、
図5を参照すると、締めひもガイドアセンブリ400は、内部キャビティ109における外側層110と内側層112との間に配置することができ、それによって視界から隠すことができる。さらに、下方ガイド部材410は、アッパー102とソール構造106とが付着されている箇所に隣接する領域(例えば、アッパー102の下方周縁部またはソール構造106の上方周縁部)において、製品100上に設けることができる。少なくともいくつかの実施形態では、下方ガイド部材410は、下方ガイド部材410の何らかの部分が製品100の噛合線(bite line)より下にあり、それに伴って、ソール構造106によって一部が隠されるように取り付けることができる。また、下方ガイド部材410は、アッパー102の内側層112の外側に向いている面113に直接付着させてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、下方ガイド部材410は、下方ガイド部材410の取付け穴419を介して挿通することができる縫製を利用して、内側層112に固定することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、下方ガイド部材410は、例えば、接着剤、超音波溶接または他の公知の接着手段を用いて、内側層112に直接接着することができる。また、下方ガイド部材410は、少なくともいくつかの実施形態においては、内側層112に対して定位置に固定されていなくてもよいこと、およびその代わりに、アッパー102の外側層110と内側層112との間に形成された空間(例えば、内部キャビティ109)内で浮動できることも意図されている。
【0047】
図5に示す実施形態では、第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450は、複数のストラップ部材146に直接付着させてもよい。具体的には、第1のストラップ部材460は、第1の上方ガイド部材430の第1の上方ベース端部440に付着された第1のストラップ端部461を有し、第2のストラップ部材462は、第1の上方ガイド部材430の第2の上方ベース端部442に付着された第2のストラップ端部463を有している。同様に、第3のストラップ部材464および第4のストラップ部材466は、それぞれ、第2の上方ガイド部材450の一部に付着された端部を有している。したがって、第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450は、各上方ガイド部材が、合計で4つのストラップ部材のうちの2つに付着された状態で、複数のストラップ部材146に直接結合されている。
【0048】
例示的な実施形態において、第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450は、下方ガイド部材410よりもスロート開口部134により近く、スロート開口部134に対して設けられている。この構成は、第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450が、下方ガイド部材410に引っ張られて近づく際に、複数のストラップ部材146が甲回り領域16を横切ってきつく引っ張られて、アッパー102を締め付けることを確実にする。
【0049】
いくつかの実施形態は、テンショニング部材が最小限の摩擦で締めひもガイドアセンブリ区域220を通ることを補助する装備を含むことができる。
図5に示す実施形態では、アッパー102の外側層110と内側層112との間の1つ以上の表面は、低摩擦材料からなっていてもよい。いくつかの実施形態では、外側層110の内側に向いている面111と、内側層112の外側に向いている面113はともに、Teflon(商標)等の低摩擦材料のコーティングからなっていてもよい。さらに、場合により、締めひもガイドアセンブリ400の1つ以上のガイドチャネルは、実質的に低摩擦の材料で被覆することができ、および/または各ガイド部材は、締めひもガイドアセンブリ400内に収容されたテンショニング部材に対して実質的に低い摩擦係数を有する材料で形成することができる。
【0050】
図5を見て分かるように、テンショニング部材210は、締めひもガイドアセンブリ400のさまざまなガイドチャネルを通り、それによって、テンショニングデバイス202(
図2~
図4を参照)と複数のストラップ部材146との間の結合をもたらしている。明確にするために、
図8は、本実施形態におけるさまざまな締めひもガイドチャネルを介したテンショニング部材の経路設定を明確にするように、製品100から分離した締めひもガイドアセンブリ400の模式図を示す。
【0051】
ここで、
図8を参照すると、テンショニング部材210は、第1のセグメント502と、第2のセグメント504と、第3のセグメント506と、第4のセグメント508と、第5のセグメント510と、第6のセグメント512と、第7のセグメント514と、第8のセグメント516と、第9のセグメント518と、第10のセグメント520と、第11のセグメント522とを含むさまざまなセグメントで構成することができる。第1のセグメント502は、外側の内部キャビティ109から(すなわち、外側層110と内側層112との間に設けられた領域の外側から)下方ガイド部材410の第1の下方ガイドチャネル414まで延びている。第2のセグメント504は、第1の下方ガイドチャネル414を通って延び、第1の下方ガイドチャネル414の対向する開口部を通って入ったり出たりする。第3のセグメント506は、第1の下方ガイドチャネル414から第1の上方ガイド部材430の上方ガイドチャネル434まで延びている。第4のセグメント508は、上方ガイドチャネル434を通って延びている。第5のセグメント510は、上方ガイドチャネル434から下方ガイド部材410の第2の下方ガイドチャネル416まで延びている。第6のセグメント512は、第2の下方ガイドチャネル416を通って延び、第2の下方ガイドチャネル416の対向する開口部を通って入ったり出たりする。第7のセグメント514は、下方ガイドチャネル416の第2の下方ガイドチャネル416から第2の上方ガイド部材450の第2の上方ガイドチャネル454まで延びている。第8のセグメント516は、第2の上方ガイドチャネル454を通って延びている。第9のセグメント518は、第2の上方ガイド部材450の第2の上方ガイドチャネル454から下方ガイド部材410の第3の下方ガイドチャネル418まで延びている。第10のセグメント520は、第3の下方ガイドチャネル418を通って延びている。そして、第11のセグメント522は、第3の下方ガイドチャネル418から内部キャビティ109の外部の別の位置まで延びている。
【0052】
テンショニング部材210の経路設定構成は、第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450が、独立して引っ張られることを可能にしている。この独立した調節は、第1のストラップ部材460および第2のストラップ部材462の調節を、第3のストラップ部材464および第4のストラップ部材466の調節とは無関係に可能にし、それによって、アッパー102が足の周りで締め付けられる際の快適性およびフィット性を向上させることができる。
【0053】
各ガイド部材は、複数のストラップ部材146が適切に締め付けられることを確実にするように、締めひもガイドアセンブリ区域220内に配置することができる。
図8を見て分かるように、第1の上方ガイド部材430は、製品100の長手方向軸600に対して、第1の長手方向位置602を有する。第2の上方ガイド部材450は、長手方向軸600に対して、第2の長手方向位置604を有する。第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450は、距離606だけ、離すことまたは離間させることもできる。さらに、下方ガイド部材410の少なくとも一部は、長手方向軸600に沿って第1の長手方向位置602から、第2の長手方向位置604まで延ばすことができる。このことは、張力を主に、上方ガイド部材と下方ガイド部材410との間の方向に向けることを可能にし、および長手方向に向けられる力の傾向の低減を補助することができる。具体的には、2つの上方ガイド部材の長手方向の間隔に及ぶ、十分な剛性の下方ガイド部材410の使用は、長手方向におけるアッパーの潰れまたは締付けの防止を補助することができる。
【0054】
図9および
図10は、それぞれ、製品100の実施形態の模式等角図および分解等角図を示す。
図9を見て分かるように、複数のストラップ部材146の各ストラップ部材は、アッパー102の第2の側部139に取り付けられた端部を含む。換言すると、各ストラップ部材は、締めひもガイドアセンブリ400を組み込んでいる側部からアッパー102の反対側の側部に取り付けられた端部を含んでいる。第1の側部138での上方ガイド部材へのストラップ部材の取付けとは対照的に、第2の側部139に付着された端部は、定位置に固定して固着または固定して取り付けることができる。このような取付けは、縫製、接着接合、溶接または他の技術を含む、公知の何らかの方法を用いて実現することができる。
図9に示すように、第1のストラップ部材460の端部650は、第2の側部139上で、アッパー102の内側または外側層に縫い付けられている。
【0055】
実施形態は、テンショニングデバイスが、そのシステムに張力を印加することを停止した(すなわち、モータが停止して、テンショニング部材を保持しているスプールは、そのテンショニング部材を自由に繰り出すことができる)場合に、足の周りでアッパーを緩めることを容易にする装備を含むことができる。いくつかの実施形態では、製品は、テンショニングデバイスが、張力を直接印加することを停止した場合でも、スプールに巻き取られたテンショニング部材を維持するであろう、システム内のどのような力にも逆らう復元力を生成する、1つ以上の構成要素を組み込むことができる。1つの実施例として、実施形態は、アッパーが締め付けられる際に伸張し、したがって、そのアッパーを締め付けるのに用いられる張力が解放されたときに、応力が印加されていないサイズまで収縮する傾向がある、1つ以上の弾性部材を含むことができる。
【0056】
図9、
図10を参照すると、製品100は、複数のストラップ部材146と一対一で対応している複数の弾性バンド部材700を含んでいてもよい。具体的には、複数の弾性バンド部材700は、第1の弾性バンド部材702と、第2の弾性バンド部材704と、第3の弾性バンド部材706と、第4の弾性バンド部材708とを含んでいる。
【0057】
異なる実施形態では、各弾性バンド部材のサイズおよび形態は、変えることができる。いくつかの実施形態において、各弾性バンド部材は、複数のストラップ部材146における対応するストラップと同様のサイズおよび形状を有するように構成されている。しかし、他の実施形態では、1つ以上の弾性バンド部材のサイズおよび形状は、変えることができる。例えば、代替的な実施形態においては、単一の弾性バンドまたは弾性層を用いることができる。このような弾性層は、アッパー102の甲回り領域16の複数のストラップ部材146が及んでいる区域と等しい幅を有することができる。さらに別の実施形態では、弾性バンド部材からなる単一のセットを、アッパーを締め付けること、および、張力が解放されたときにテンショニング部材を引き寄せるのを補助することの両方に用いることができる。
【0058】
図9、
図10に示されているように、各弾性バンド部材は、アッパー102の第2の側部139に固定的に付着された端部と、第1の側部138上で締めひもガイドアセンブリ400の上方ガイド部材に付着された反対側の端部とを含むことができる。場合により、各弾性バンド部材の端部は、隣接する位置において、複数のストラップ部材146の各対応するストラップ部材の端部に固定することができる。
【0059】
複数の弾性バンド部材700の弾性バンド部材は、複数のストラップ部材146のストラップ部材よりも低い弾性係数を有していてもよい(すなわち、より弾性的であってもよい)。例えば、
図11は、等しい張力が両端部に印加されている状態の、第1のストラップ部材460および第1の弾性バンド部材702の模式図を示す。明確に図示されているように、第1の弾性バンド部材702は、力が印加されている時には細長くなるが、第1のストラップ部材460は、長さが実質的に変わらない状態であり、比較的弾性のない材料で形成されている。複数のストラップ部材146と複数の弾性バンド部材700との間の相対的な弾性率を係数に従って変えることができることは、正しく認識することができる。それらの係数は、足の周りでアッパー102を適切に締め付けるための所要の張力と、そのシステムに弛みがある場合に、テンショニング部材210をスプールから引っ張るのに必要な復元力の量とを含む。
【0060】
図12に明確に図示されているように、アッパー102の緩んだ状態では、複数のストラップ部材146は、弛みにより、甲回り領域16から上方へ弓なりに曲がっている可能性がある。対照的に、複数の弾性バンド部材700は、アッパー102が緩んでいる場合でも、甲回り領域16にわたってピンと引っ張られている。このことは、アッパー102が締め付けられる際に複数の弾性バンド部材700が伸張して、再びそのシステムが緩んだ状態に切り換えられて戻る場合に、テンショニングデバイス202からテンショニング部材210を引っ張ることを補助するのに用いることができる復元力の生成を補助することを、確実にすることができる。
【0061】
図12~
図17は、テンショニングシステム200が、製品100を締め付けおよび緩めるように作動される際の製品100のさまざまな模式図を示す。明確にするために、各図は、テンショニングデバイス202の動作と、締めひもガイドアセンブリ400のさまざまな構成とを関連付けるために、テンショニングデバイス202の拡大した模式図を含んでいる。
【0062】
図12~
図14は、製品100が完全に緩んだ状態900(
図12)から、完全に締め付けられた状態904(
図14)まで動く際の、および中間状態または部分的に締め付けられた状態902(
図13)を通過する際の、製品100の一連の等角図を示す。完全に緩んだ状態900では、テンショニング部材210は、テンショニング部材210の第1のセグメント502および第11のセグメント522において、正味の張力を受けておらず、そのため、締めひもガイドアセンブリ区域220内で静止したままである。テンショニングデバイス202が、(モータ302を用いて)テンショニング部材210をリール部材300に巻き取り始めると、テンショニング部材210をテンショニングデバイス202内に引っ張るように、第1のセグメント502および第11のセグメント522の両方または一方において正味の張力800が作用して、締めひもガイドアセンブリ区域220内のテンショニング部材210の長さが縮小し、これは、
図13を見て分かる。このことは、第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450を、下方ガイド部材410に向かって引っ張るように作用する。第1の上方ガイド部材430および第2の上方ガイド部材450が、下方ガイド部材410に向かって引っ張られるにつれて、それら自体は、甲回り領域16を横切る複数のストラップ部材146を引っ張り、それによって、スロート開口部134とアッパー102内の内部空洞とのサイズを縮小させる。
【0063】
一旦、
図14の完全に締め付けられた状態になると、モータ302は、リール部材300を回転させることを停止する。いくつかの実施形態において、テンショニングデバイス202は、そのシステムが、まだ完全に締め付けられた状態になっている間にモータ302が停止した場合にリール部材300が繰り出されないように、リール部材300を、固定回転位置に自動的にロックする装備を含んでいる。このような装備は、リール部材300、歯車アセンブリ306および/またはモータ302と関連付けることができる。
【0064】
図15~
図17は、2つの中間状態または部分的に緩んだ状態(
図15、
図16)を含む、製品100が、完全に締め付けられた状態904から、完全に緩んだ状態910(
図17)に戻る際のいくつかの模式図を順に示す。
図15を見て分かるように、少なくともいくつかの実施形態では、緩んでいる製品100は、駆動モータ302により、モータ302が製品100を締め付けるように駆動される方向としての逆方向に進行する。いくつかの実施形態では、製品100を緩ませることは、リール部材300を固定回転位置にロックしていた装備を開放することにより進められ、それによって、システム内の他のどこかの張力が、巻かれたテンショニング部材210をリール部材300から繰り出し始めることを可能にしている。
【0065】
しかし、
図15を見て分かるように、システム内の摩擦力は、リール部材300から繰り出すことができるテンショニング部材210の長さを制限する可能性がある。テンショニング部材210がリール部材300から適切に繰り出され、それに伴って、完全に緩められた場合に製品100が完全に開かれることを確実にすることを補助するために、そのシステムは、1つ以上の弾性バンド部材によって生成される復元力を利用する。
【0066】
図16を見て分かるように、弾性バンド部材700は、第1の上方ガイド部材430または第2の上方ガイド部材450に力1000を印加する。このことは、ガイド部材を下方ガイド部材410から引き離して引っ張り、それによって、締めひもガイドアセンブリ区域220内のテンショニング部材210の長さを増加させる。このことは、スロート開口部134を広げて、テンショニング部材210をリール部材300から引っ張り、製品100を完全に緩んだ状態910に戻すことを補助する。
【0067】
図18は、実施形態例における、履物製品を作るためのフローチャートである。履物製品は、履物製品100または他の何らかの適切な履物製品とすることができる。さらに、フローチャートの動作は特定の順で記載されているが、それらの動作は、任意の適切な順で実行してもよく、およびさまざまな動作を、要望通りに含んでも、または省略してもよいことを留意すべきであり、およびそれらのことが強調されている。
【0068】
1800において、ソール構造が、アッパーに対して取り付けられ、アッパーが、第1の側部と第2の側部とを含み、第1の側部および第2の側部は、スロート開口部によってアッパーのスロートで離間され、この場合、第1の側部は、それらの間に内部キャビティを形成する内側層と外側層とで構成されている。実施例では、ソール構造とアッパーとが、着用者の足を収容するための内部空洞を形成し、内側層は、外側層と比較して、内部空洞に近い。
【0069】
1802において、下方ガイド部材が、内側層と外側層との間の第1の側部に、およびソール構造の近傍に配置される。実施例では、下方ガイド部材の少なくとも一部は、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って、第2の長手方向位置まで延びている。実施例では、下方ガイド部材は、下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを含み、この場合、下方ベース部は、アッパーに直接取り付けられ、第2の下方ガイドチャネルは、下方ガイド部材の設定距離に沿って延び、下方ガイド部材を配置することは、各下方ガイドチャネルを下方ベース部に取り付けることをさらに含む。
【0070】
1804において、第1の上方ガイド部材が、内側層と外側層との間の第1の側部に、および下方ガイド部材よりもスロート開口部の近くに配置される。実施例では、第1の上方ガイド部材は、第1の上方ベース部および第1の上方ガイドチャネルを含む。
【0071】
1806において、第2の上方ガイド部材が、内側層と外側層との間の第1の側部に配置され、および下方ガイド部材よりもスロート開口部の近くに配置される。実施例では、第1の上方ガイド部材は、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、また、第2の上方ガイド部材は、長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有している。実施例では、第2の上方ガイド部材は、第2の上方ベース部および第2の上方ガイドチャネルを含んでいる。
【0072】
実施例において、1802、1804および1806のうちのいくつかまたはすべては、内部キャビティ内に締めひもガイドアセンブリを配置することを実行できるように組合せてもよく、または置き換えてもよく、締めひもガイドアセンブリは、下方ガイド部材および上方ガイド部材を含み、上方ガイド部材は、複数のストラップ部材に付着されている。
【0073】
1808では、ストラップ部材の第1のセットのストラップ部材は、一方の端部において第2の側部に取り付けられ、また、反対側の端部において第1の上方ガイド部材に取り付けられる。実施例では、ストラップ部材の第1のセットの各ストラップ部材は、一方の端部においてアッパーの第2の側部に取り付けられる。実施例では、ストラップ部材の第1のセットを取り付けることは、ストラップ部材の第1のセットを第1の上方ベース部に直接取り付けることを含む。
【0074】
1810では、ストラップ部材の第2のセットのストラップ部材は、一方の端部において第2の側部に取り付けられ、また、反対側の端部において第2の上方ガイド部材に取り付けられる。実施例では、ストラップ部材のセットの各ストラップ部材は、反対側の端部において上方ガイド部材に取り付けられる。実施例では、ストラップ部材の第2のセットを取り付けることは、ストラップ部材の第2のセットを第2の上方ベース部に直接取り付けることを含む。実施例では、第2の上方ガイド部材は、ストラップ部材の第1および第2のセットの一方または両方(まとめて、ストラップ部材のセット)の1つまたは複数のストラップ部材に取り付けられる。実施例では、動作1808および1810は、複数のストラップ部材を、アッパーの第1の側部と第2の側部との間に、およびスロート開口部を覆って取り付けることを実行できるように組み合わさる。
【0075】
1812では、テンショニング部材が、下方ガイド部材から第1の上方ガイド部材へ、第1の上方ガイド部材から下方ガイド部材へ戻り、および下方ガイド部材の距離に沿って、第2の上方ガイド部材まで通される。実施例では、テンショニング部材の少なくとも1つのセグメントは、下方ガイド部材から内部キャビティの外部の位置まで通される。実施例において、テンショニング部材を通すことは、テンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを下方ガイドチャネル内に収容することをさらに含む。実施例において、テンショニング部材を通すことは、テンショニング部材の第1の上方ガイドチャネルセグメントを第1の上方ガイドチャネル内に収容することと、テンショニング部材の第2の上方ガイドチャネルセグメントを第2の上方ガイドチャネル内に収容することとを含む。実施例において、テンショニング部材は、リール部材で始まって下方ガイド部材および上方ガイド部材を通る経路に沿って通される。実施例において、テンショニング部材は、下方ガイド部材および上方ガイド部材を通って延びている。実施例において、張力をテンショニング部材に印加することは、複数のストラップ部材のそれぞれ1つに張力を印加する。
【0076】
実施例において、テンショニング部材は、第1のセグメントと、第2のセグメントと、第3のセグメントと、第4のセグメントと、第5のセグメントと、第6のセグメントと、第7のセグメントと、第8のセグメントと、第9のセグメントと、第10のセグメントと、第11のセグメントとを含み、テンショニング部材を通すことは、第1のセグメントを内部キャビティの外部から下方ガイド部材の第1の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、第2のセグメントを第1の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第3のセグメントを第1の下方ガイドチャネルから第1の上方ガイド部材の第1の上方ガイドチャネルまで延ばすことと、第4のセグメントを第1の上方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第5のセグメントを第1の上方ガイドチャネルから下方ガイド部材の第2の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、第6のセグメントを第2の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第7のセグメントを下方ガイド部材の第2の下方ガイドチャネルから第2の上方ガイド部材の第2の上方ガイドチャネルまで延ばすことと、第8のセグメントを第2の上方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第9のセグメントを第2の上方ガイド部材の第2の上方ガイドチャネルから下方ガイド部材の第3の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、第10のセグメントを第3の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第11のセグメントを第3の下方ガイドチャネルから内部キャビティの外部の位置まで延ばすこととを含む。
【0077】
1814において、テンショニング部材はリール部材に取り付けられ、そのリール部材はモータと結合され、その結果、テンショニング部材は、そのモータを用いてリール部材に巻き取られることができる。実施例において、リール部材は、テンショニングデバイスの構成要素である。実施例において、テンショニングデバイスは、内部キャビティの外側に配置されている。実施例において、テンショニングデバイスは、アッパーの一部に取り付けられている。実施例において、テンショニングデバイスは、ソール構造の中の一部に取り付けられている。実施例において、第1のガイドチューブは、下方ガイド部材からテンショニングデバイスまで延びている。実施例において、第2のガイドチューブは、下方ガイド部材からテンショニングデバイスまで延びている。
【0078】
1816において、弾性バンド部材の第1のセットが、アッパーの第2の側部と第1の上方ガイド部材との間に取り付けられる。
1818では、弾性バンド部材の第2のセットが、アッパーの第2の側部と第2の上方ガイド部材との間に取り付けられる。実施例において、弾性バンド部材の第1のセットと弾性バンド部材の第2のセットとにおける各弾性バンドは、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する。実施例において、弾性バンド部材の第1のセットは、第1の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢し、および弾性バンド部材の第2のセットは、第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢する。実施例において、弾性バンド部材の第1のセットおよび弾性バンド部材の第2のセットは、弾性バンド部材のセットであり、この場合、弾性バンド部材のセットにおける各弾性バンド部材は、ストラップ部材のセットが締め付けられる際に伸張する。実施例において、弾性バンド部材のセットが、テンショニング部材のセグメントをテンショニングデバイスのリール部材から引っ張ることを補助する。
【0079】
1820では、第1の上方ガイド部材および第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材に向かって引っ張るように、張力がテンショニング部材に印加される。第1の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第1のセットが、ストラップ部材の第1のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付け、および、第2の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第2のセットが、ストラップ部材の第2のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付ける。
実施例
実施例1において、履物製品は、第1の側部と第2の側部とを含むアッパーであって、第1の側部および第2の側部は、スロート開口部によってアッパーのスロートにおいて離間され、第1の側部は、それらの間に内部キャビティを形成する内側層と外側層とで構成されているアッパーと、アッパーに対して取り付けられたソール構造と、内側層と外側層との間の第1の側部内にソール構造に近接して配置された下方ガイド部材と、内側層と外側層との間の第1の側部内に下方ガイド部材よりもスロート開口部に近接して配置された第1の上方ガイド部材と、内側層と外側層との間の第1の側部内に下方ガイド部材よりもスロート開口部に近接して配置された第2の上方ガイド部材と、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットであって、ストラップ部材の第1のセットは、各々が、一方の端部において第2の側部に取り付けられ、反対側の端部において第1の上方ガイド部材に取り付けられている複数のストラップ部材を含み、ストラップ部材の第2のセットは、各々が、一方の端部において第2の側部に取り付けられ、反対側の端部において第2の上方ガイド部材に取り付けられている複数のストラップ部材を含む、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットと、下方ガイド部材から第1の上方ガイド部材まで、および第1の上方ガイド部材から下方ガイド部材まで戻るように通されたテンショニング部材であって、テンショニング部材はさらに、下方ガイド部材の距離に沿って、第2の上方ガイド部材まで、および第2の上方ガイド部材から下方ガイド部材まで戻るように通されているテンショニング部材とを含み、テンショニング部材の少なくとも1つのセグメントは、下方ガイド部材から内部キャビティの外部の位置まで通され、第1の上方ガイド部材は、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、および第2の上方ガイド部材は、長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、および下方ガイド部材の少なくとも一部は、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って第2の長手方向位置まで延びている。
【0080】
実施例2において、実施例1の履物製品は、下方ガイド部材が、下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを含み、下方ベース部は、アッパーに直接取り付けられ、第2の下方ガイドチャネルは、下方ガイド部材の設定された前記距離に沿って延び、各下方ガイドチャネルは、下方ベース部に取り付けられるとともにテンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを収容することを任意選択的にさらに含む。
【0081】
実施例3において、実施例1および実施例2のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、第1の上方ガイド部材が、第1の上方ベース部および第1の上方ガイドチャネルを含み、第1の上方ベース部は、ストラップ部材の第1のセットに直接取り付けられ、第1の上方ガイドチャネルは、テンショニング部材の第1の上方ガイドチャネルセグメントを収容し、第2の上方ガイド部材は、第2の上方ベース部および第2の上方ガイドチャネルを含み、第2の上方ベース部は、ストラップ部材の第2のセットに直接取り付けられ、第2の上方ガイドチャネルは、テンショニング部材の第2の上方ガイドチャネルセグメントを収容することを任意選択的にさらに含む。
【0082】
実施例4において、実施例1~実施例3のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、テンショニング部材が、第1のセグメントと、第2のセグメントと、第3のセグメントと、第4のセグメントと、第5のセグメントと、第6のセグメントと、第7のセグメントと、第8のセグメントと、第9のセグメントと、第10のセグメントと、第11のセグメントとを含み、第1のセグメントは内部キャビティの外部から下方ガイド部材の第1の下方ガイドチャネルまで延び、第2のセグメントは第1の下方ガイドチャネルを通って延び、第3のセグメントは第1の下方ガイドチャネルから第1の上方ガイド部材の第1の上方ガイドチャネルまで延び、第4のセグメントは第1の上方ガイドチャネルを通って延び、第5のセグメントは第1の上方ガイドチャネルから下方ガイド部材の第2の下方ガイドチャネルまで延び、第6のセグメントは第2の下方ガイドチャネルを通って延び、第7のセグメントは下方ガイド部材の第2の下方ガイドチャネルから第2の上方ガイド部材の第2の上方ガイドチャネルまで延び、第8のセグメントは第2の上方ガイドチャネルを通って延び、第9のセグメントは第2の上方ガイド部材の第2の上方ガイドチャネルから下方ガイド部材の第3の下方ガイドチャネルまで延び、第10のセグメントは第3の下方ガイドチャネルを通って延び、第11のセグメントは第3の下方ガイドチャネルから内部キャビティの外部の位置まで延びていることを任意選択的にさらに含む。
【0083】
実施例5において、実施例1~実施例4のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、テンショニング部材に張力を印加することが、第1の上方ガイド部材および第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材に向かって引っ張り、第1の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第1のセットが、ストラップ部材の第1のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付け、第2の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第2のセットが、ストラップ部材の第2のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付けることを任意選択的にさらに含む。
【0084】
実施例6において、実施例1~実施例5のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、アッパーの第2の側部から第1の上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材の第1のセットと、アッパーの第2の側部から第2の上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材の第2のセットとを任意選択的にさらに含み、弾性バンド部材の第1のセットおよび弾性バンド部材の第2のセットの各弾性バンドは、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する。
【0085】
実施例7において、実施例1~実施例6のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、弾性バンド部材の第1のセットが、第1の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢し、弾性バンド部材の第2のセットが、第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢することを任意選択的にさらに含む。
【0086】
実施例8において、実施例1~実施例7のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、内側層の表面がポリテトラフルオロエチレンからなることを任意選択的にさらに含む。
実施例9において、実施例1~実施例8のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、外側層の表面がポリテトラフルオロエチレンからなることを任意選択的にさらに含む。
【0087】
実施例10において、履物製品は、第1の側部と第2の側部とを含むアッパーであって、第1の側部および第2の側部は、スロート開口部によってアッパーのスロートに沿って離間され、第1の側部は、内側層と外側層とで構成され、内側層と外側層は、それらの間に内部キャビティを形成している、アッパーと、ソール構造であって、アッパーがソール構造に対して取り付けられているソール構造と、内側層と外側層との間の第1の側部内にソール構造に近接して配置された下方ガイド部材と、内側層と外側層との間の第1の側部内に配置された上方ガイド部材であって、上方ガイド部材が、下方ガイド部材よりもスロート開口部に近接して配置されている上方ガイド部材と、ストラップ部材のセットであって、各ストラップ部材が、一方の端部においてアッパーの第2の側部に取り付けられ、反対側の端部において上方ガイド部材に取り付けられる、ストラップ部材のセットと、テンショニング部材と、テンショニングデバイスであって、モータと、モータと結合されたリール部材であって、テンショニング部材の少なくとも一部はリール部材に取り付けられ且つモータを用いてリール部材に巻き取ることができ、テンショニング部材は、テンショニングデバイスのリール部材から始まって下方ガイド部材および上方ガイド部材を通る経路に沿って通されるリール部材とを備えるテンショニングデバイスとを含む。
【0088】
実施例11において、実施例10の履物製品は、上方ガイド部材が第1の上方ガイド部材であり、履物製品が、ストラップ部材のセットの1つ以上のストラップ部材に取り付けられた第2の上方ガイド部材をさらに含み、第1の上方ガイド部材が、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、第2の上方ガイド部材が、長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、下方ガイド部材の少なくとも一部は、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って第2の長手方向位置まで延びていることを任意選択的にさらに含む。
【0089】
実施例12において、実施例10および実施例11のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、テンショニングデバイスが、内部キャビティの外部に配設されていることを任意選択的にさらに含む。
【0090】
実施例13において、実施例10~実施例12のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、テンショニングデバイスが、アッパーの一部に取り付けられていることを任意選択的にさらに含む。
【0091】
実施例14において、実施例10~実施例13のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、テンショニングデバイスが、ソール構造の一部内に配設されていることを任意選択的にさらに含む。
【0092】
実施例15において、実施例10~実施例14のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、下方ガイド部材からテンショニングデバイスまで延びている第1のガイドチューブと、下方ガイド部材からテンショニングデバイスまで延びている第2のガイドチューブとを任意選択的にさらに含む。
【0093】
実施例16において、実施例10~実施例15のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、第2の側部から上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材のセットを任意選択的にさらに含み、弾性バンド部材のセットの各弾性バンド部材は、ストラップ部材のセットが締め付けられる際に伸張する。
【0094】
実施例17において、実施例10~実施例16のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、弾性バンド部材のセットが、上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢することを任意選択的にさらに含む。
【0095】
実施例18において、実施例10~実施例16のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、弾性バンド部材のセットが、テンショニング部材のセグメントをテンショニングデバイスのリール部材から引っ張ることを補助することを任意選択的にさらに含む。
【0096】
実施例19において、履物製品は、スロートと、第1の側部と、スロート開口部によってスロートに沿って第1の側部から離間された第2の側部とを含むアッパーであって、第1の側部は、内側層と、内側層との間に内部キャビティを形成している外側層とで構成されている、アッパーと、ソール構造であって、該ソール構造とアッパーとが、着用者の足を収容するための内部空洞を形成し、内側層は、外側層と比較して内部空洞に近接しているソール構造と、アッパーの第1の側部と第2の側部との間にスロート開口部にわたって取り付けられた複数のストラップ部材と、内部キャビティの内部に配置された締めひもガイドアセンブリであって、該締めひもガイドアセンブリは下方ガイド部材および上方ガイド部材を含み、該上方ガイド部材は複数のストラップ部材に取り付けられる締めひもガイドアセンブリと、下方ガイド部材および上方ガイド部材を通って延びているテンショニング部材とを含み、テンショニング部材に張力を印加することが、複数のストラップ部材のそれぞれ1つに張力を印加する。
【0097】
実施例20において、実施例19の履物製品は、上方ガイド部材が、複数のストラップ部材の第1のサブセットに取り付けられた第1の上方ガイド部材と、第1のサブセットとは異なる複数のストラップ部材の第2のサブセットに取り付けられた第2の上方ガイド部材とを備えることを任意選択的にさらに含む。
【0098】
実施例21において、実施例19および実施例20のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、テンショニング部材に張力を印加することが、第1の上方ガイド部材および第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材に向かって引っ張り、第1の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第1のセットが、ストラップ部材の第1のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付け、第2の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第2のセットが、ストラップ部材の第2のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付けることを任意選択的にさらに含む。
【0099】
実施例22において、実施例19~実施例21のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、第1の上方ガイド部材が、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、第2の上方ガイド部材が、長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、下方ガイド部材の少なくとも一部が、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って第2の長手方向位置まで延びていることを任意選択的にさらに含む。
【0100】
実施例23において、実施例19~実施例22のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、下方ガイド部材が、下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを備え、下方ベース部がアッパーに直接取り付けられ、第2の下方ガイドチャネルが、下方ガイド部材の設定された長手方向距離に沿って延び、各下方ガイドチャネルが、下方ベース部に取り付けられるとともにテンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを収容することを任意選択的にさらに含む。
【0101】
実施例24において、実施例19~実施例23のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、アッパーの第2の側部から第1の上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材の第1のセットと、アッパーの第2の側部から第2の上方ガイド部材まで延びている弾性バンド部材の第2のセットとを任意選択的にさらに含み、弾性バンド部材の第1のセット内および弾性バンド部材の第2のセット内の各弾性バンドは、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する。
【0102】
実施例25において、実施例19~実施例24のいずれか1つまたはそれ以上の履物製品は、弾性バンド部材の第1のセットが、第1の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢し、弾性バンド部材の第2のセットが、第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢することを任意選択的にさらに含む。
【0103】
実施例26において、方法は、アッパーに対してソール構造を取り付けることであって、アッパーは第1の側部と第2の側部とを含み、第1の側部および第2の側部はスロート開口部によってアッパーのスロートにおいて離間され、第1の側部は、それらの間に内部キャビティを形成する内側層と外側層とで構成されることと、内側層と外側層との間の第1の側部内にソール構造に近接して下方ガイド部材を配置することと、内側層と外側層との間の第1の側部内に下方ガイド部材よりもスロート開口部に近接して、第1の上方ガイド部材を配置することと、内側層と外側層との間の第1の側部内に下方ガイド部材よりもスロート開口部に近接して、第2の上方ガイド部材を配置することと、ストラップ部材の第1のセットのストラップ部材を、一方の端部において第2の側部に取り付け、反対側の端部において第1の上方ガイド部材に取り付けることと、ストラップ部材の第2のセットのストラップ部材を、一方の端部において第2の側部に取り付け、反対側の端部において第2の上方ガイド部材に取り付けることと、テンショニング部材を、下方ガイド部材から第1の上方ガイド部材まで通し、第1の上方ガイド部材から下方ガイド部材に戻して下方ガイド部材の距離に沿わせ、第2の上方ガイド部材まで通し、第2の上方ガイド部材から下方ガイド部材へ戻すように通すこととを含み、テンショニング部材の少なくとも1つのセグメントが、下方ガイド部材から内部キャビティの外部の位置まで通され、第1の上方ガイド部材が、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、および第2の上方ガイド部材が、長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、下方ガイド部材の少なくとも一部が、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って第2の長手方向位置まで延びている。
【0104】
実施例27において、実施例26の方法は、下方ガイド部材が、下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを含み、下方ベース部はアッパーに直接取り付けられ、第2の下方ガイドチャネルは下方ガイド部材の設定された前記距離に沿って延び、下方ガイド部材を配置することが、各下方ガイドチャネルを下方ベース部に取り付けることをさらに含み、テンショニング部材を通すことが、テンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを下方ガイドチャネル内に収容することをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0105】
実施例28において、実施例26および実施例27のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、第1の上方ガイド部材は第1の上方ベース部と第1の上方ガイドチャネルとを含み、ストラップ部材の第1のセットを取り付けることはストラップ部材の第1のセットを第1の上方ベース部に直接取り付けることを含み、テンショニング部材を通すことはテンショニング部材の第1の上方ガイドチャネルセグメントを第1の上方ガイドチャネル内に収容することを含み、第2の上方ガイド部材は第2の上方ベース部と第2の上方ガイドチャネルとを含み、ストラップ部材の第2のセットを固定することはストラップ部材の第2のセットを第2の上方ベース部に直接取り付けることを含み、テンショニング部材を通すことが、テンショニング部材の第2のガイドチャネルセグメントを第2の上方ガイドチャネルに収容することを含むことを任意選択的にさらに含む。
【0106】
実施例29において、実施例26~実施例28のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、テンショニング部材が、第1のセグメントと、第2のセグメントと、第3のセグメントと、第4のセグメントと、第5のセグメントと、第6のセグメントと、第7のセグメントと、第8のセグメントと、第9のセグメントと、第10のセグメントと、第11のセグメントとを任意選択的にさらに含み、テンショニング部材を通すことが、第1のセグメントを内部キャビティの外部から下方ガイド部材の第1の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、第2のセグメントを第1の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第3のセグメントを第1の下方ガイドチャネルから第1の上方ガイド部材の第1の上方ガイドチャネルまで延ばすことと、第4のセグメントを第1の上方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第5のセグメントを第1の上方ガイドチャネルから下方ガイド部材の第2の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、第6のセグメントを第2の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第7のセグメントを下方ガイド部材の第2の下方ガイドチャネルから第2の上方ガイド部材の第2の上方ガイドチャネルまで延ばすことと、第8のセグメントを第2の上方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第9のセグメントを第2の上方ガイド部材の第2の上方ガイドチャネルから下方ガイド部材の第3の下方ガイドチャネルまで延ばすことと、第10のセグメントを第3の下方ガイドチャネルを通して延ばすことと、第11のセグメントを第3の下方ガイドチャネルから内部キャビティの外部の位置まで延ばすこととを含む。
【0107】
実施例30において、実施例26~実施例29のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、第1の上方ガイド部材および第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材に向けて引っ張るように、テンショニング部材に張力を印加することを任意選択的にさらに含み、第1の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第1のセットが、ストラップ部材の第1のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付け、第2の上方ガイド部材が下方ガイド部材に向かって動く際に、ストラップ部材の第2のセットが、ストラップ部材の第2のセットに隣接するスロート開口部の一部を締め付ける。
【0108】
実施例31において、実施例26~実施例30のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材の第1のセットを、アッパーの第2の側部と第1の上方ガイド部材との間に取り付けることと、弾性バンド部材の第2のセットを、アッパーの第2の側部と第2の上方ガイド部材との間に取り付けることとを任意選択的にさらに含み、弾性バンド部材の第1のセット内および弾性バンド部材の第2のセット内の各弾性バンドは、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する。
【0109】
実施例32において、実施例26~実施例31のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材の第1のセットが、第1の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢し、弾性バンド部材の第2のセットが、第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢することを任意選択的にさらに含む。
【0110】
実施例33において、方法は、アッパーに対してソール構造を取り付けることであって、アッパーは第1の側部と第2の側部とを含み、第1の側部および第2の側部はスロート開口部によってアッパーのスロートに沿って離間され、第1の側部は内側層と外側層とで構成され、内側層と外側層とはそれらの間に内部キャビティを形成していることと、下方ガイド部材を、内側層と外側層との間の第1の側部内にソール構造に近接して配置することと、上方ガイド部材を、内側層と外側層との間の第1の側部内に配置することであって、上方ガイド部材が下方ガイド部材よりもスロート開口部に近接して配置されることと、ストラップ部材のセットの各ストラップ部材を、一方の端部においてアッパーの第2の側部に取り付けることと、ストラップ部材のセットの各ストラップ部材を、反対側の端部において上方ガイド部材に取り付けることと、モータを用いてテンショニング部材をリール部材に巻き取ることができるように、テンショニング部材をモータに結合されたリール部材に取り付けることと、テンショニング部材を、リール部材で始まって下方ガイド部材および上方ガイド部材を通る経路に沿って通すこととを含む。
【0111】
実施例34において、実施例33の方法は、上方ガイド部材が第1の上方ガイド部材であり、第2の上方ガイド部材を、ストラップ部材のセットの1つ以上のストラップ部材に取り付けることさらに含み、第1の上方ガイド部材が、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置を有し、第2の上方ガイド部材が、長手方向軸に関する第2の長手方向位置を有し、下方ガイド部材の少なくとも一部が、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って第2の長手方向位置まで延びていることを任意選択的にさらに含む。
【0112】
実施例35において、実施例33および実施例34のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、リール部材及びモータはテンショニングデバイスの構成要素であり、テンショニングデバイスを内部キャビティの外部に配置することをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0113】
実施例36において、実施例33~実施例35のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、リール部材及びモータはテンショニングデバイスの構成要素であり、テンショニングデバイスをアッパーの一部に取り付けることをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0114】
実施例37において、実施例33~実施例36のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、リール部材及びモータはテンショニングデバイスの構成要素であり、テンショニングデバイスを、ソール構造の一部内に取り付けることをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0115】
実施例38において、実施例33~実施例37のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、リール部材及びモータはテンショニングデバイスの構成要素であり、第1のガイドチューブを下方ガイド部材からテンショニングデバイスまで延ばすことと、第2のガイドチューブを下方ガイド部材からテンショニングデバイスまで延ばすこととをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0116】
実施例39において、実施例33~実施例38のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材のセットを第2の側部から上方ガイド部材まで延ばすことを含み、弾性バンド部材のセットの各弾性バンド部材は、ストラップ部材のセットが締め付けられる際に伸張することを任意選択的にさらに含む。
【0117】
実施例40において、実施例33~実施例39のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材のセットが、上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢することを任意選択的にさらに含む。
【0118】
実施例41において、実施例33~実施例40のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材のセットが、テンショニング部材のセグメントをテンショニングデバイスのリール部材から引っ張ることを補助することを任意選択的にさらに含む。
【0119】
実施例42において、方法は、ソール構造をアッパーに取り付けることであって、アッパーが、スロートと、第1の側部と、スロート開口部によってスロートに沿って第1の側部から離間された第2の側部とを含み、第1の側部は、内側層と外側層とで構成され、内側層と外側層が、それらの間に内部キャビティを形成し、ソール構造とアッパーとが、着用者の足を収容するための内部空洞を形成し、内側層が、外側層と比較して内部空洞に近接している、取り付けることと、複数のストラップ部材を、アッパーの第1の側部と第2の側部との間に、およびスロート開口部を覆って取り付けることと、締めひもガイドアセンブリを内部キャビティの内部に配置することであって、締めひもガイドアセンブリが、下方ガイド部材および上方ガイド部材を含み、上方ガイド部材は、複数のストラップ部材に取り付けられることと、テンショニング部材を下方ガイド部材および上方ガイド部材を通して延ばすこととを含み、張力をテンショニング部材に印加することは、複数のストラップ部材のそれぞれ1つに張力を印加する。
【0120】
実施例43において、実施例42の方法は、締めひもガイドアセンブリを配置することが、上方ガイド部材の第1の上方ガイド部材を、複数のストラップ部材の第1のサブセットに取り付けることと、上方ガイド部材の第2の上方ガイド部材を、第1のサブセットとは異なる複数のストラップ部材の第2のサブセットに取り付けることとをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0121】
実施例44において、実施例42および実施例43のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、第1の上方ガイド部材を取り付けることは、第1の上方ガイド部材を、履物製品の長手方向軸に関する第1の長手方向位置に取り付けし、第2の上方ガイド部材を取り付けることは、第2の上方ガイド部材を、長手方向軸に関する第2の長手方向位置に取り付けし、下方ガイド部材の少なくとも一部は、第1の長手方向位置から長手方向軸に沿って第2の長手方向位置まで延びていることを任意選択的にさらに含む。
【0122】
実施例45において、実施例42~実施例44のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、下方ガイド部材が、下方ベース部と、第1の下方ガイドチャネルと、第2の下方ガイドチャネルと、第3の下方ガイドチャネルとを備え、締めひもガイドアセンブリを配置することが、下方ベース部をアッパーに直接取り付けることと、第2の下方ガイドチャネルを、下方ガイド部材の設定された長手方向距離に沿って延ばすことと、各下方ガイドチャネルを下方ベース部に取り付けることとをさらに含み、テンショニング部材を延ばすことが、各下方ガイドチャネル内に、テンショニング部材の下方ガイドチャネルセグメントを収容することをさらに含むことを任意選択的にさらに含む。
【0123】
実施例46において、実施例42~実施例45のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材の第1のセットを、アッパーの第2の側部から第1の上方ガイド部材まで延ばし、および弾性バンド部材の第2のセットを、アッパーの第2の側部から第2の上方ガイド部材まで延ばすことを任意選択的にさらに含み、弾性バンド部材の第1のセット内および弾性バンド部材の第2のセット内の各弾性バンドは、ストラップ部材の第1のセットおよびストラップ部材の第2のセットが締め付けられる際に伸張する。
【0124】
実施例47において、実施例42~実施例46のいずれか1つまたはそれ以上の方法は、弾性バンド部材の第1のセットが、第1の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢し、弾性バンド部材の第2のセットが、第2の上方ガイド部材を下方ガイド部材から離れる方に付勢することを任意選択的にさらに含む。
【0125】
さまざまな実施形態について説明してきたが、その説明は、限定するものではなく、例示することが意図されており、また、当業者には、それらの実施形態の範囲内にある、より多くの実施形態および実施態様が可能であることは明白であろう。どの実施形態のどの形状構成も、明確に限定されていない限り、他のいずれかの実施形態における他の何らかの形状構成または要素とともに用いてもよく、または、それらの形状構成または要素の代わりとしてもよい。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその均等物に鑑みる場合を除き制限されるべきではない。また、さまざまな修正および変更が、添付の特許請求の範囲内でなされてもよい。