(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】挟持機構及び手持ち雲台
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20220523BHJP
F16M 11/06 20060101ALI20220523BHJP
F16M 11/20 20060101ALI20220523BHJP
F16M 13/00 20060101ALI20220523BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20220523BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220523BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
G03B17/56 B
F16M11/06
F16M11/20 B
F16M13/00 J
F16M13/02 T
G03B15/00 D
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2019147246
(22)【出願日】2019-08-09
【審査請求日】2019-08-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】201920400204.2
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515061237
【氏名又は名称】源徳盛塑膠電子(深▲せん▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】WINNERS’ SUN PLASTIC ELECTRONIC (SHENZHEN)LIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】1st to 4th floor,Building 6,3rd Floor,Building 2,Detai Industrial Zone,No.496 Huarong Road,Langkou Community,Dalang Street,Longhua District,Shenzhen,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】単 景華
(72)【発明者】
【氏名】彭 易兵
【合議体】
【審判長】瀬川 勝久
【審判官】松川 直樹
【審判官】野村 伸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-20526(JP,A)
【文献】特開平10-221754(JP,A)
【文献】特表2017-504983(JP,A)
【文献】国際公開第2012/004994(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206498453(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108286648(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109488843(CN,A)
【文献】中国実用新案第208253143(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上挟持部と、前記上挟持部と対応して配設される下挟持部と、前記上挟持部と前記下挟持部とを接続するための挟持アームと、前記挟持アームと回動自在に接続される接続アームと、前記挟持アームと前記接続アームとの相対回動を制限するためのロックユニットと、永久磁石、巻線コイル及び回転軸と、を備え、
前記ロックユニットが前記挟持アームと前記接続アームとの回動接続箇所に配置され、
前記回転軸の一端が前記接続アームと固定するように接続され、
前記永久磁石が、前記回転軸と同軸に、前記接続アームに固定するように配置され、
前記挟持アームに、前記接続アームに向かって突出するブッシュが設けられ、前記回転軸の他端が前記ブッシュを貫通して前記ブッシュと回動自在に接続され、
前記巻線コイルは、前記ブッシュに取り付けられ、前記永久磁石内に位置し、
前記ロックユニットは、ロックリングと、前記挟持アームに設けられ、前記接続アームに向かって突出するリング座と、を有し、
前記リング座に雄ねじが設けられ、前記ロックリングに前記雄ねじと対応する雌ねじが設けられ、
前記ロックリングは、前記接続アームに向かって移動し前記接続アームに当接するように、前記雌ねじと前記雄ねじとの螺合によって回動することで、前記挟持アームと前記接続アームとをロックする
ことを特徴とする挟持機構。
【請求項2】
前記ロックリングの外面に摩擦力を増加させるためのローレットが設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の挟持機構。
【請求項3】
前記挟持アームには、さらに、一端が前記リング座と接続され、他端が前記ブッシュと接続されるリブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の挟持機構。
【請求項4】
さらに、充電ポート、電池及びプリント基板を備え、
前記プリント基板が前記挟持アーム内に配置され、
前記充電ポートの一端が前記プリント基板と電気接続され、他端が前記挟持アームから露出し、
前記電池は、前記プリント基板と電気接続されるとともに前記挟持アーム内に位置し、
前記巻線コイルは、前記プリント基板と電気接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の挟持機構。
【請求項5】
前記ロックユニットは、ロックリングと、前記接続アームに設けられ前記挟持アームに向かって突出するリング座と、を有し、
前記リング座に雄ねじが設けられ、前記ロックリングに前記雄ねじと対応する雌ねじが設けられ、
前記ロックリングは、前記挟持アームに向かって移動し前記挟持アームに当接するように、前記雌ねじと前記雄ねじの螺合によって回動することで、前記挟持アームと前記接続アームとをロックする
ことを特徴とする請求項1に記載の挟持機構。
【請求項6】
ハンドルを備える手持ち雲台であって、
さらに、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の挟持機構を備え、
前記ハンドルの一端は、前記接続アームと回動自在に接続されている
ことを特徴とする手持ち雲台。
【請求項7】
さらに、リモコンを備え、
前記リモコンは、脱着可能に前記ハンドルに取り付けられていることを特徴とする請求項
6に記載の手持ち雲台。
【請求項8】
さらに、前記ハンドルに収納可能な伸縮棒を備え、
前記伸縮棒の一端が前記ハンドルと接続され、他端が前記接続アームと回動自在に接続されていることを特徴とする請求項
7に記載の手持ち雲台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影支持設備の分野に関し、具体的には、挟持機構及び手持ち雲台に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち雲台は、携帯電話用スタビライザ、揺れ止め雲台とも称する。これは、従来の自撮り棒の機能のみならず、より高いバランス性、精度を有する。さらに、手持ち雲台に機械的なバランス調整システムが内蔵され、利用者がその他の用具を使わずに、携帯電話のバランスを自動調整することができるので、揺れによるピンボケ、画像振れ等の問題が有効に改善できる。
【0003】
しかしながら、手持ち雲台が電源切れ状態又は電池がなくなる状態になる場合、携帯電話を挟持すると、揺れひいては回動が生じる恐れがあるので、携帯電話の画面の回転が発生してしまうことがある。このため、従来の手持ち雲台には、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の上記欠陥を鑑みてなされたものであり、携帯電話の回動を防止するための挟持機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的課題を解決するための技術案は、以下の構成を有する。
挟持機構は、上挟持部と、上挟持部と対応して配設される下挟持部と、上挟持部と下挟持部とを接続するための挟持アームと、挟持アームと回動自在に接続される接続アームと、挟持アームと接続アームとの相対回動を制限するためのロックユニットと、を備え、ロックユニットが挟持アームと接続アームとの回動接続箇所に配置されている。
【0006】
本発明の好ましい技術案において、ロックユニットは、ロックリングと、挟持アームに設けられ、接続アームに向かって突出するリング座と、を有し、リング座に雄ねじが設けられ、ロックリングに雄ねじと対応する雌ねじが設けられ、ロックリングは、接続アームに向かって移動し接続アームに当接するように、雌ねじと雄ねじとの螺合によって回動することで、挟持アームと接続アームとをロックする。
【0007】
本発明の好ましい技術案において、ロックリングの外面に摩擦力を増加させるためのローレットが設けられている。
【0008】
本発明の好ましい技術案において、さらに、永久磁石、巻線コイル及び回転軸を備え、回転軸の一端が接続アームと固定するように接続され、永久磁石が、回転軸と同軸に、接続アームに固定するように配置され、挟持アームに、接続アームに向かって突出するブッシュが設けられ、回転軸の他端がブッシュを貫通してブッシュと回動自在に接続され、巻線コイルは、ブッシュに取り付けられ、永久磁石内に位置する。
【0009】
本発明の好ましい技術案において、挟持アームには、さらに、一端がリング座と接続され、他端がブッシュと接続されるリブが設けられている。
【0010】
本発明の好ましい技術案において、さらに、充電ポート、電池及びプリント基板を備え、プリント基板が挟持アーム内に配置され、充電ポートの一端がプリント基板と電気接続され、他端が挟持アームから露出し、電池は、プリント基板と電気接続されるとともに挟持アーム内に位置し、巻線コイルは、プリント基板と電気接続されている。
【0011】
本発明の好ましい技術案において、ロックユニットは、ロックリングと、接続アームに設けられ挟持アームに向かって突出するリング座と、を有し、リング座に雄ねじが設けられ、ロックリングに雄ねじと対応する雌ねじが設けられ、ロックリングは、挟持アームに向かって移動し挟持アームに当接するように、雌ねじと雄ねじの螺合によって回動することで、挟持アームと接続アームとをロックする。
【0012】
本発明の好ましい技術案において、手持ち雲台は、ハンドルを備え、さらに、上記の挟持機構を備え、ハンドルの一端が接続アームと回動自在に接続されている。
【0013】
本発明の好ましい技術案において、さらに、リモコンを備え、リモコンは、脱着可能にハンドルに取り付けられている。
【0014】
本発明の好ましい技術案において、さらに、ハンドルに収納可能な伸縮棒を備え、伸縮棒の一端がハンドルと接続され、他端が接続アームと回動自在に接続されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
挟持アームと接続アームとの間に挟持アームと接続アームとの相対回動を制限するためのロックユニットを設けることによって、挟持アームと接続アームとのなす角を保持することを実現できるので、撮影角度を調整済みの携帯電話がさらに回動することを防ぐことができ、手持ち雲台の利用体験をより高く向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例による挟持機構の構成の斜視模式図である。
【
図2】本発明の実施例による挟持機構の分解状態の模式図である。
【
図3】本発明の実施例によるロックユニットの分解状態の模式図である。
【
図4】本発明の実施例による挟持機構の断面図である。
【
図5】本発明の実施例による回転軸の構成の斜視模式図である。
【
図6】本発明の実施例による巻線コイルの構成の斜視模式図である。
【
図7】本発明の実施例による手持ち雲台の構成の斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
図1、
図2に示すように、本実施例の挟持機構は、上挟持部11と、上挟持部11と対応して配置される下挟持部12と、上挟持部11と下挟持部12とを接続するための挟持アーム13と、挟持アーム13と回動自在に接続される接続アーム2と、挟持アーム13と接続アーム2との相対回動を制限するためのロックユニット3と、を備え、ロックユニット3が、挟持アーム13と接続アーム2との回動接続箇所に配置されている。挟持アーム13と接続アーム2との間に挟持アーム13と接続アーム2との相対回動を制限するためのロックユニット3を設けることによって、挟持アーム13と接続アーム2とのなす角を保持することを実現できるので、撮影角度を調整済みの携帯電話がさらに回動することを防ぐことができ、手持ち雲台の利用体験をより高く向上させることができる。
【0018】
図3も参照すると、具体的には、ロックユニット3は、ロックリング31と、挟持アーム13に設けられ接続アーム2に向かって突出するリング座32と、を有する。リング座32に、雄ねじが設けられている。ロックリング31は、該雄ねじに対応する雌ねじが設けられ、雌ねじと雄ねじとの螺合によって移動可能にリング座32に取り付けられている。ロックリング31の表面には、ロックリング31を容易に回転させられるように、摩擦力を増加するためのローレットが設けられている。挟持アーム13を回動させようとするときには、接続アーム2から離間するようにロックリング31を緩め、挟持アーム13を固定しようとするときには、接続アーム2に当接するように、ロックリング31を締めることによって、挟持アーム13の回動を防ぐ。同様に、リング座32が接続アーム2に設けられ、挟持アーム13に向かって突出するように構成されてもよい。その場合、ロックリング31は、挟持アーム13に向かって移動し挟持アーム13に当接するように、雌ねじと雄ねじの螺合によって回動されることで、挟持アーム13と接続アーム2とをロックする。
【0019】
図2、
図4に示すように、挟持機構の利用体験を向上させるために、挟持アーム13は、手動及び電動で回動させることができるように構成されている。このため、挟持機構は、環状磁気体41と、巻線コイル42と、回転軸43とを有する雲台モータをさらに備える。回転軸43の一端が、接続アーム2と固定するように接続されている。環状磁気体41は、回転軸43と同軸に接続アーム2に固定するように配置されている。挟持アーム13には、接続アーム2に向かって突出するブッシュ14が設けられ、回転軸43の他端が、ブッシュ14を貫通してブッシュ14と回動自在に接続されている。巻線コイル42は、ブッシュ14に取り付けられ、環状磁気体41内に位置する。電動回動する場合、該挟持装置は、適応型バランス機能を有する。より好ましくは、ブッシュ14とリング座32との強度を向上させるために、挟持アーム13に、一端がリング座32と接続され、他端がブッシュ14と接続される複数のリブ16が設けられている。
【0020】
図5、
図6も参考すると、回転軸43の一端は、六角形構成に形成され、該六角形構成により回動不能に接続アーム2に固定されている。円環状の環状磁気体41は、接続アーム2に取り付けられ、回転軸43と同軸に設けられている。挟持アーム13には、接続アーム2に向かって突出するブッシュ14が設けられ、ブッシュ14内に2つの軸受15が配置されている。回転軸43の他端は、2つの軸受15を介してブッシュ14と同軸に接続され、回転軸43の端部によって、ワッシャ及びロックナット44を介して挟持アーム13が回動可能に回転軸43に取り付けられている。巻線コイル42は、ブッシュ14に取り付けられ、環状磁気体41の内部に位置する。好ましくは、本実施例において、巻線コイル42が、同角度で分布配置されたサブコイルを11組有する。
【0021】
図3、
図4を参照すると、挟持機構は、さらに、充電ポート17、電池及びプリント基板18を備える。プリント基板18は、挟持アーム13の内部に取り付けられている。充電ポート17の一端は、プリント基板18と電気接続され、他端が挟持アーム13から露出する。電池は、プリント基板18と電気接続され、挟持アーム13内に配置されている。巻線コイル42は、該プリント基板18と電気接続され、電池により給電される。
【0022】
本実施例の挟持機構は、以下のように操作される。まず、ロックリング31と接続アーム2との間に間隙が形成されるように、ロックリング31を緩めて下へ(図示方向)移動させる。そして、挟持機構の電源を入れ、雲台モータによって、挟持アーム13を一定の角度回動するように駆動するとともに、挟持アーム13及び挟持アーム13に取付けられる携帯電話のバランスを保つようにする。雲台モータの電源を切断した場合、手動で必要な撮影角度まで挟持アーム13を回動させた後、ロックリング31を上へ移動させて接続アーム2に当接するように、ロックリング31を締めることで、挟持アーム13と接続アーム2とのなす角を保持することができる。
【0023】
さらに、
図7に示すように、本発明は、ハンドル5、伸縮棒(図示せず)及び挟持機構を備える手持ち雲台を提供する。具体的には、伸縮棒の一端が、ハンドル5と接続され、他端が接続アーム2と回動自在に接続されている。ハンドル5は、嵌合部51と、嵌合部51の下端と回動自在に接続される少なくとも3つの支持脚52とを有する。本実施例のハンドル5は3つの支持脚を有することが好ましい。この3つの支持脚52を畳むと手持ち用の部分として使用でき、嵌合部51と畳んだ後の支持脚52との内部にチャンバが形成され、伸縮棒がチャンバ内に収納されることができる。三脚スタンドモードで自撮りしようとするときには、3つの支持脚52を開いて使用すればよく、手持ちで自撮り又は収納しようとするときには、3つの支持脚52を伸縮棒に近づくように回動することで、手持ち又は収納することができるので、非常に便利である。
【0024】
手持ち雲台の利用体験を向上させるために、手持ち雲台は、さらにリモコン6を備え、リモコン6が脱着可能に嵌合部51に取り付けられている。三脚スタンドモードで自撮りするとき、利用者と手持ち雲台との距離が遠くなり、このとき、リモコン6を手持ちして遠距離操作を行うことで遠距離の撮影を実現することができる。手持ちで撮影するモードでは、ハンドル5に組み込むリモコン6で近距離の撮影を行うことができる。
【0025】
上記実施例は、本発明の技術案を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないと理解すべきである。当業者にとって、上記実施例に記載された技術案を変更し、又はそのうちの一部の技術的特徴に対して均等置換を行うこともできる。これらの変更又は置換は、いずれも本発明の特許請求の範囲に属する。