(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】極小曲面ゴルフボール部品
(51)【国際特許分類】
A63B 37/00 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
A63B37/00 670
A63B37/00 514
A63B37/00 522
A63B37/00 524
A63B37/00 526
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019204177
(22)【出願日】2019-11-11
【審査請求日】2020-07-30
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023593
【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【氏名又は名称】山田 英治
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アール. マッドソン
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-325861(JP,A)
【文献】特許第110144(JP,C2)
【文献】特表2015-505263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 37/00~47/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアを有するゴルフボールにおいて、上記コアは、エンベロープ形状によって形成される外側境界を有する構造要素を有し、上記構造要素は、極小曲面と間質空間とからなり、上記極小曲面は、球以外の単一の連続表面であり、それ自体と交差せず、平均曲率がゼロの上記単一の連続表面であることを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
上記極小曲面が一定の厚さを有する、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
上記構造要素のエンベロープ形状が、0.635cm(0.25インチ)から4.17cm(1.64インチ)の直径を有する球である、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項4】
上記間質空間が発泡性または非発泡性固体組成物で満たされ、上記間質空間の
上記発泡性または非発泡性組成物が上記構造要素の外側境界を越えて延び、上記構造要素が上記
発泡性または非発泡性組成物から形成される層によって囲まれる、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項5】
当該ゴルフボールが、基本的に上記構造要素および上記構造要素を囲む上記層から成り、上記構造要素を囲む上記層が当該ゴルフボールのディンプル付き外側カバー層である、請求項4記載のゴルフボール。
【請求項6】
上記間質空間を充填し、上記構造要素を取り囲む層を形成する上記
発泡性または非発泡性組成物が、ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン・尿素ハイブリッドおよびブレンドからなるグループから選択される、請求項5記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記間質空間を充填し、上記構造要素を囲む上記層を形成する上記
発泡性または非発泡性組成物がアイオノマー組成物である、請求項5記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記ゴルフボールが、上記構造要素、上記構造要素を取り囲む上記層、およびカバーを有する、請求項4記載のゴルフボール。
【請求項9】
上記間質空間が組成物で満たされ、上記間質空間の上記組成物が、上記構造要素の上記外側境界によって境界付けられ、上記ゴルフボールは上記コアの周りに配される1または複数の付加的な層を有する、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項10】
上記組成物が発泡性固体組成物である、請求項9記載のゴルフボール。
【請求項11】
上記組成物が非発泡性固体組成物である、請求項9記載のゴルフボール。
【請求項12】
上記組成物が液体である、請求項9記載のゴルフボール。
【請求項13】
上記間質空間が中空であり、上記ゴルフボールがコアの周りに配置された1または複数の付加的な層を有する、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項14】
上記構造要素のエンベロープ形状が、球、立方体、八面体、立方八面体、十二面体、四面体、および二十面体からなるグループから選択される、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項15】
上記極小曲面が三重周期
極小曲面を有する、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項16】
上記エンベロープ形状の体積(V
E)に対する上記極小曲面の体積(V
M)の比が1未満である、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項17】
上記エンベロープ形状の体積(V
E)に対する上記極小曲面の体積(V
M)の比が、0.50未満である、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項18】
上記エンベロープ形状の体積(V
E)に対する上記極小曲面の体積(V
M)の比が0.25未満である、請求項1に記載のゴルフボール。
【請求項19】
上記エンベロープ形状の表面積(A
E)に対する上記極小曲面の表面積(A
M)の比が1未満である、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項20】
上記エンベロープ形状の表面積(A
E)に対する上記極小曲面の表面積(A
M)の比が1より大きい、請求項1記載のゴルフボール。
【請求項21】
上記エンベロープ形状の表面積(A
E)に対する上記極小曲面の表面積(A
M)の比が2より大きい、請求項1に記載のゴルフボール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、極小曲面設計に基づくゴルフボール部品、とくに、ゴルフボールコアに関する。
【背景技術】
【0002】
極小曲面(minimal surface)は、平均曲率がゼロの表面であり、特定の境界条件に対する極小曲面積の表面としても特徴付けられる。極小曲面の使用は、高層建築、組織工学用の足場設計、物質移動プロセスなどの分野で研究されている。例えば、米国特許出願公開第2014/0014493号は、分離および混合の性能を著しく向上させるとされる極小曲面を備えた物質移動パッキングを開示している。極小曲面構造は、ゴルフボールで使用するためにこれまで検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2014/0014493号明細書
【発明の概要】
【0004】
この発明は、エンベロープ形状を有し、極小曲面および間質空間からなる構造要素を有するコアを具備するゴルフボールに関し、極小曲面および間質空間は、構造要素のエンベロープ形状によって境界付けられている。極小曲面は、それ自体と交差せず、平均曲率がゼロの単一の連続した表面である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付図面は明細書の一部を形成し、これと併せて読まれるべきものであり、これら添付図面において、様々な図において同様の部品を示すために同様の参照番号が使用されている。
【0006】
【
図1A】この発明の実施例による、エンベロープ形状によって境界付けられる極小曲面の斜視図を図示する。
【
図1B】この発明の実施例による、エンベロープ形状によって境界付けられる極小曲面の斜視図を図示する。
【
図2A】この発明の別の実施例による、エンベロープ形状によって境界付けられた極小曲面の斜視図を図示する。
【
図2B】この発明の別の実施例による、エンベロープ形状によって境界付けられた極小曲面の斜視図を図示する。
【
図3A】この発明の別の実施例による、エンベロープ形状によって境界付けられる極小曲面の斜視図を図示する。
【
図3B】この発明の別の実施例による、エンベロープ形状によって境界付けられる極小曲面の斜視図を図示する。
【
図4A】この発明の実施例による、エンベロープ形状によって境界を定められた3重周期極小曲面の斜視図を示す。
【
図4B】この発明の実施例による、エンベロープ形状によって境界を定められた3重周期極小曲面の斜視図を示す。
【
図5】この発明の一実施例に係るゴルフボールの断面図である。
【
図6】この発明の別の実施例に係るゴルフボールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この発明のゴルフボールは、新規な構造を有し、この新規な構造において、コアが、1つの構造要素を有し、この構造要素が、エンベロープ形状により形成される外側境界を具備し、極小曲面および間質空間からなる。極小曲面は、その面積を局所的に最小化する表面である。所与の境界の範囲内の面積を最小化することで、とくに、エンベロープの体積に対する密度比が小さくなり、ゴルフボールのコアで使用すると、速度を犠牲にすることなくボールの重量をより効率的に外層に移動できる。極小曲面によって実現される別の利点は、極小曲面の単一の連続表面に不連続性または鋭い角がないことに由来し、従来の非球形コア要素に比べて耐久性が向上する可能性がある。ゴルフボールのコアに極小曲面を使用することのさらに別の潜在的な利点は、極小曲面は複数の対称軸を有するために、方向に関係なく大きな弾性を実現することである。
【0008】
本開示においては、「極小曲面」は、エンベロープ形状に限定され、以下の特性を有する表面である。
(a)表面は単一の連続した表面である。
(b)表面はそれ自体と交差しない。
(c)表面がエンベロープ形状の境界で終了する場合を除き、表面に不連続性がない。そして、
(d)表面の平均曲率はゼロである。
【0009】
本開示において、極小曲面の「不連続性」とは、応力集中部を形成し得る鋭い角を指す。したがって、この発明の極小曲面は、エンベロープ形状の境界に位置しない鋭い縁がない。
【0010】
本開示において、「ゼロ平均曲率」は、当該表面上のすべての点で極小曲面の平均曲率がゼロであることを意味する。平均曲率は、2つの主曲率の平均である。主曲率は、表面上の特定のポイントでの法線曲率の最大値および最小値である。言い換えると、表面上の各点に対して、反対側に、等しく反対の曲率を持つ点があり、表面全体の平均曲率はゼロである。
【0011】
オプションとして、極小曲面は三重周期的であり、これは、この発明においては、表面が3つの異なる軸に沿って周期的に繰り返される基本単位を有することを意味する。本開示において、「基本単位」は、三重の周期的な極小曲面を作成するために使用できる、基本最小曲面構造を指す。この発明の構造的なコア要素の極小曲面は、三軸に沿ってパターン化された単一の基本単位または複数の基本単位であって良く、これが三重周期性極小曲面を生成する。
【0012】
「表面」(surface)の純粋な数学的定義は、3次元空間には存在しない。したがって、この発明の開示においては、ここで説明される数学的な表面は、製造可能なコンポーネントを製造するために特定の厚さtが規定される。具体的な実施例において、この発明の極小曲面は、0.001インチから0.030インチの厚さtを有する。別の具体的な実施例において、極小曲面の厚さは一定である、すなわち、極小曲面の厚さはすべての点でほぼ等しい。本開示の開示において、極小曲面上の任意の点での厚さが極小曲面の平均厚さに対して0.002インチ以下の差分しか有しない場合、極小曲面の厚さは一定である。別の具体的な実施例において、極小曲面の厚さは一定ではない。
【0013】
「エンベロープ」という用語は、ここでは、極小曲面が制限される三次元形状の境界を指すために使用される。ゴルフボール部品に関してここで使用される場合、「エンベロープ形状」は、極小曲面を完全に包含する最小体積を有する三次元形状であり、したがって構造要素の外側境界を形成する。極小曲面を包囲するエンベロープ形状の残りの体積は、構造コンポーネントの間質空間である。エンベロープ形状の境界は、構造的なコア要素の極小曲面および間質空間が制限される空間に関連する基準境界であり、必ずしも最終的なゴルフボールの固体表面ではないことを理解されたい。例えば、間質空間が中空であるか液体で満たされている場合、コアの構造的な要素はソリッドの外側表面を持たない。
【0014】
例えば、
図1Aは、この発明の一実施例に従う、立方体エンベロープ形状に限定された極小曲面10を示す。
図1Bは、
図1Aの極小曲面10および立方体15を示し、この立法体15中に極小曲面10が限定される。さらに、
図1Bに間質空間18も示され、これは極小曲面10を制約している立方体15によって境界付けられる。
図1Aおよび
図1Bに示される極小曲面は単一の基本単位である。
【0015】
図2Aは、この発明の実施例に従う、球形エンベロープ形状に限定された極小曲面20を示す。
図2Bは、
図2Aの極小曲面20および球体25を示し、球体25は極小曲面20を制約する。
図2Bには、間質空間28も示され、間質空間28は極小曲面20が閉じ込められている球体25によって境界付けられる。
図2Aおよび2Bに示す極小曲面は、球形のエンベロープ形状に限定される、
図1Aおよび1Bの単一の基本単位である。
【0016】
図3Aは、この発明の実施例に従う、立方体エンベロープ形状に限定された三重周期性極小曲面30を示す。
図3Bは、
図3Aの三重周期性極小曲面30と、当該三重周期性極小曲面30が閉じ込められる立方体35とを示す。また、
図3Bには、極小曲面30が閉じ込められている立方体35によって境界付けられた間質空間38が示される。
【0017】
図3C~3Eは、それぞれ、
図1A~1Cの三重周期性極小曲面30の正面図、右側面図、および上面図である。
図3Fは、
図3A~3Eに図説された三重周期性極小曲面30の平面図であり、この図において、表示面は、立方体エンベロープ形状の重心を立方体エンベロープ形状の頂点に結合する軸に垂直である。
【0018】
図3A~3Fに示す実施例において、
図1Aおよび1Bの極小曲面10を基本単位として使用して、3つの異なる軸に沿って基本単位を繰り返し、三重周期性極小曲面30が作成され、三重周期性極小曲面は立方体エンベロープ形状で終端する。
【0019】
図4Aおよび
図4Bは、この発明の一実施例に従う、球形エンベロープ形状に限定された3重周期極小曲面40の斜視図である。
図4A~
図4Bに示す実施例において、
図1Aおよび1Bの極小曲面10を基本単位として使用して、これ3つの異なる軸に沿って繰り返して三重周期極小曲面40が作成され、この三重周期性の極小曲面40は球形のエンベロープ形状で終端する。
【0020】
多くの極小曲面が知られており、この発明は特定の極小曲面に限定されることを意図していない。三重周期性極小曲面がとりわけ適切である、この三重周期性極小曲面は、これに限定されないが、SchoenのGyroid(G)曲面(surface)、SchwarzのP曲面、SchwarzのD曲面、Schoenの相補D曲面、SchoenのF-RD曲面、SchoenのGW曲面、SchoenのI-WP曲面、Neoviusの曲面、SchoenのBatwing曲面、Brakkeの擬似Batwing曲面、LordおよびMacKayのP3a曲面、Fisher-KochのS曲面、およびそれらのハイブリッド、例えば、P曲面とI-WP曲面とのO、C-TO曲面ハイブリッドを含む。
図1A、1B、2A、2B、3A~3F、4A、4B、5および6に示される極小曲面は、SolidWorksを使用して作成されたSchoenのGyroid(G)曲面の近似に基づいている。
【0021】
この発明は、特定の極小曲面に限定されることを意図していないけれども、バブル(bubble)は除外されることに留意されたい。バブルは極小曲面のよく知られた例である。従来の球状ゴルフボールコアのいくつかの実施例は数学的にバブルと同等であるため、バブル、すなわち球体は、この発明の極小曲面として明確に除外される。
【0022】
エンベロープ形状として使用するのに適した3次元形状の非限定的な例は、球および定型的な形状、例えば、立方体、八面体、立方八面体、十二面体、四面体、および二十面体であり、これらは等しい辺および等しい内角を持っている。
【0023】
エンベロープ形状の体積は、「エンベロープ体積」である。
【0024】
本開示において、「エンベロープ体積比」は、極小曲面の体積VMのエンベロープ形状の体積VEに対する比率であり、1未満、または0.50未満または0.25未満である。
【0025】
本開示において、「エンベロープ表面積比」は、極小曲面の表面積AMのエンベロープ形状の表面積AEに対する比率であり、1未満または1より大きいか、または2より大きい。
【0026】
構造的要素の間質空間は、中空でも、充填されていても良い。間質空間が中空であるこの発明の実施例において、ゴルフボールは、構造的要素の周りに配置された少なくとも1つの追加的な層を含む。したがって、具体的な実施例において、ゴルフボールは、極小曲面および間質空間からなる構造要素、構造要素を囲む第1層、および任意で、第1層の周りに配置された1つまたは複数の追加層を含む。
【0027】
構造状要素の間質空間が充填されるこの発明の実施例において、当該空間を埋めるために使用される材料は、構造状要素のエンベロープ形状で終端するか、それを超えて延びて良い。間質空間の組成物が構造状要素のエンベロープ形状によって境界付けられる、この発明の実施例において、ゴルフボールは、構造状要素の周りに配置された少なくとも1つの追加層を含む。間質空間の組成物が構造用要素のエンベロープ形状を越えて延び構造要素が当該組成物の1つの層によって覆われる、この発明の実施例において、ゴルフボールは、オプションで、周囲に配置された1つ以上の追加層を含む。
【0028】
間質空間を充填するために使用される材料が構造状要素を包含するエンベロープ形状を超えて延びるこの発明の実施例において、当該材料は、エンベロープ形状と同じ形状または異なる形状であって良い外側表面で終端する。
【0029】
ゴルフボールコアで使用するための極小曲面は、ラピッドプロトタイピング法を使用して製造することができ、このラピッドプロトタイピング法は、これに限定されないが、例えば、米国特許第10,016,661号に開示されているような連続液体界面印刷法を含み、その内容は参照してここに組み入れる。極小曲面を形成するのに適した材料は、そのようなラピッドプロトタイピング方法で使用できる材料を含み、これは、光硬化性重合性材料、例えば、ゾルゲル、ポリエステル、ビニルエーテル、アクリレート、メタクリレート、ポリウレタン、ポリ尿素、バイオ吸収性樹脂、シリコーン、シリコーン、エポキシド、シアン酸エステル、ヒドロゲル、インベストメントキャスティング樹脂、ポリカーボネート、およびチオールエンを含む。また、銃らのゴルフボール材料も極小曲面を形成するのに適しており、ここで、コア層およびカバー層を形成するのに適しているものとして開示されるものを含む。
【0030】
具体的な実施例において、極小曲面は、光開始剤と光硬化性オリゴマーおよびモノマーの混合物を含む紫外線(UV)光重合性樹脂から形成される。好ましくは、UV光重合性樹脂は、樹脂の総重量に基づいて60重量%以上の量の光硬化性オリゴマーを含む。特に適切なオリゴマーは、エポキシド、ウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、アクリル、および好ましくはアクリレートにより官能化されたそれらの2つ以上の混合物が含まれるが、これらに限定されない。具体的な実施例において、オリゴマーは、アクリル化ポリエーテル、アクリル化ポリエステル、アクリル化アクリル、ポリブタジエンジメタクリレート、およびポリブタジエンジアクリレートから選択される。この発明での使用に適した市販のアクリル化オリゴマーの非限定的な例は、BASFから市販されているLaromer(登録商標)PE 44FおよびLaromer(登録商標)PE 8981ポリエステルアクリレート;Allnexから市販されているEbecryl(商標)塩素化アクリル化ポリエステル;および、Sartomerから市販されているCN301ポリブタジエンジメタクリレートおよびCN302ポリブタジエンジアクリレートを含む。
【0031】
好ましくは、UV光重合性樹脂は、樹脂の総重量に基づいて20重量%以上の量の光硬化性モノマーを有する。紫外線重合性樹脂に使用するのに特に適したモノマーには、スチレンモノマー、N-ビニルピロリドンモノマー、およびアクリルモノマーが含まれるが、これらに限定されない。これらのモノマーは、硬化速度、架橋密度、粘度など、樹脂の特性を制御するのに役立つ。具体的な実施例において、モノマーは、アクリルモノマー、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HODA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TRPGDA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TREGDA)、アクリル酸2-エチルヘキシル、酢酸ビニル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、イソブトキシメチルアクリルアミド、およびジメチルアクリルアミドから選択される。この発明での使用に適した市販のアクリルモノマーの非限定的な例は、Allnexから市販されているTMPTAトリメチロールプロパントリアクリレートおよびEbecryl(商標)40テトラアクリレートモノマーを含む。
【0032】
好ましくは、UV光重合性樹脂は、樹脂の総重量に基づいて3重量%以上の量の光開始剤を有し、UV光放射を使用して硬化される。しかしながら、樹脂は、他の光およびエネルギー硬化源を使用して硬化されてもよく、これは可視光および電子ビームを含むが、これらに限定されない。適切な光開始剤は、アニオンおよびカチオン光開始剤、例えば、スチレン系化合物、ビニルエーテル、N-ビニルカルバゾール、ラクトン、ラクタム、環状エーテル、環状アセタール、環状シロキサン、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノンを含む。具体的な実施例において、光開始剤は、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、およびトリメチルベンゾフェノン、高分子ヒドロキシケトン、およびトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのブレンドから選択される。この発明での使用に適した市販の光開始剤の非限定的な例は、Ciba Specialty Chemicalsから市販されているIrgacure(登録商標)184 1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン光開始剤およびIrgacure(登録商標)819フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド光開始剤;およびIGM resinsから市販されているトリメチルベンゾフェノン、高分子ヒドロキシケトン、およびトリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドのEsacure KTO-46ブレンドを含む。
【0033】
種々の他の熱可塑性および熱硬化性材料、フィラー、および他の添加剤、例えば、抑制剤、界面活性剤、ワックス、硬化促進剤、消泡剤、顔料、分散剤、蛍光増白剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、接着促進剤を樹脂に添加して良い。阻害剤は、オリゴマーとモノマーの望ましくない重合を遅延または停止させるために使用して良い。
【0034】
構造状要素の間質空間は、任意の適切な液体、発泡、または非発泡固体組成物で満たされていて良い。構造状要素の間質空間を充填するのにとくに適した組成物は、発泡した高度に中和されたポリマー例えば米国特許第7,708,654号(Sullivan等)に開示されているもの;発泡ポリウレタン例えば米国特許第9,254,422号(Sullivan等)に開示されているもの;;キャスタブルポリウレタンたとえば米国特許第9,254,422号(Sullivan等)に開示されているもの;およびゴムを含むけれども、これに限定されない。なお、これらの開示内容は参照してここに組み入れる。
【0035】
この発明のいくつかの実施例においては、ゴルフボールが構造状要素の周りに配置された1つまたは複数の追加層を有し(間質空間の組成物が構造要素のエンベロープ形状を越えて延びるならば、そのような組成物から形成されるオプションの層に加えて)、追加の層の各々は、任意の適切なゴルフボール組成物から形成されて良い。とくに適切なコア層材料は、これに限定されないが、熱硬化性材料、例えば、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、およびトランスイソプレン;熱可塑性材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド、およびポリエステル;および熱可塑性および熱硬化性ポリウレタンおよびポリ尿素を含む。とくに好ましいコア組成物は、ベースポリマー、開始剤、コエージェントおよび/または硬化剤、ならびに任意で1種以上の金属酸化物、金属脂肪酸または脂肪酸、酸化防止剤、ソフト・ファースト剤、フィラー、および添加剤を有する熱硬化性ゴム組成物である。適切なベースポリマーは、天然ゴムおよび合成ゴムを含み、合成ゴムは、これに限定されないが、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、スチレン-ブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム(例えばSI、SIS、SB、SBS、SIBS。ここで「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「B」はブタジエン)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリ尿素エラストマー、メタロセン触媒エラストマーおよびプラストマーなどイソブチレンとパラアルキルスチレンの共重合体、イソブチレンとパラアルキルスチレンのハロゲン化共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アクリル酸アルキルゴム、塩素化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩素化イソプレンゴム、ポリアルケナマー、およびそれらの2つ以上の組み合わせを含む。適切な開始剤は、有機過酸化物、フリーラジカルを生成できる高エネルギー放射線源、C-C開始剤、およびそれらの組み合わせを含む。適切なコエージェントは、これらに限定されないが、不飽和カルボン酸の金属塩;不飽和ビニル化合物および多官能性モノマー(例、トリメチロールプロパントリメタクリレート);フェニレンビスマレイミド;およびその組み合わせを含む。適切な硬化剤は、これに限定されないが、硫黄;N-オキシジエチレン2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド;N,N-ジ-オルト-トリルグアニジン;ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス;N-シクロヘキシル2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド;N,N-ジフェニルグアニジン;4-モルホリニル-2-ベンゾチアゾールジスルフィド;ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド;チウラムジスルフィド;メルカプトベンゾチアゾール;スルフェンアミド;ジチオカルバメート;チウラム硫化物;グアニジン;チオ尿素;キサンテート;ジチオリン酸塩;アルデヒドアミン;ジベンゾチアジルジスルフィド;テトラエチルチウラムジスルフィド;テトラブチルチウラムジスルフィド;およびその組み合わせを含む。ベースポリマー、開始剤、コエージェント、充填剤、および添加剤の適切なタイプおよび量は、例えば、米国特許第6,566,483号、第6,695,718号、第6,939,907号、第7,041,721号および第7,138,460号により詳細に記載されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。とく適切なジエンゴム組成物は、例えば、米国特許出願公開第2007/0093318号にさらに開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
【0036】
特に適切なカバー層材料は以下を含むけれども、これらに限定されない。
a)ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタンとポリ尿素のハイブリッド;
b)E/XおよびE/X/Yタイプのイオノマー;ここでEはオレフィン(例、エチレン)、Xはカルボン酸(例、アクリル、メタクリル、クロトン、マレイン酸、フマル酸、またはイタコン酸)、およびYは軟化コモノマー(例えば、酸が2~10個の炭素を有する脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1~10個の炭素を有するアルキルエーテル、およびアルキル基が1から10個の炭素を有するアルキルメタクリレートなどのアルキルアルキルアクリレートである)。例えば、E.I. du Pont de Nemours and Companyから市販されるSurlyn(商標)アイオノマー樹脂、DuPont(商標)HPF 1000およびHPF 2000、ExxonMobil Chemical Companyから市販されるIotek(登録商標)アイオノマー、The Dow Chemical Company社から市販されるAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのイオノマー、およびA.Schulman社から市販されているClarix(登録商標)アイオノマー樹脂である。
c)ポリイソプレン;
d)Evonik Industriesから市販されているVestenamer(登録商標)ポリオクテナマーなどのポリオクテナマー。
e)例えば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;
f)ゴム強化オレフィンポリマー;アイオノマー共重合体の一部にならない非アイオノマー酸共重合体、例えば、(メタ)アクリル酸;
g)プラストマー;
h)フレキソマー;
i)スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体;
j)スチレン/エチレンブチレン/スチレンブロック共重合体;
k)ポリブタジエン;
l)スチレンブタジエンゴム;
m)エチレンプロピレンゴム;
n)エチレンプロピレンジエンゴム;
o)動的加硫エラストマー;
p)エチレン酢酸ビニル;
q)エチレン(メタ)アクリレート;
r)ポリ塩化ビニル樹脂;
s)ポリアミド、アミドエステルエラストマー、およびアイオノマーとポリアミドのコポリマー、例えば、Arkema Incから市販されているPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルおよびポリエステルアミド;
t)架橋トランスポリイソプレン;
u)E.I. du Pont de Nemours and Companyから市販されているHytrel(商標)ポリエステルエラストマー、およびTiconaから市販されているRiteflex(登録商標)ポリエステルエラストマーなどのポリエステル系熱可塑性エラストマー;
v)BASFから市販されているElastollan(商標)ポリウレタンなどのポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー;
w)合成または天然の加硫ゴム;および
x)その組み合わせ。
【0037】
アイオノマーまたは2つ以上のE/X型およびE/X/Y型アイオノマーのブレンドを有する組成物は、とくに適切な従来のカバー材料である。好ましいE/X型およびE/X/Y型アイオノマーカバー組成物は以下のものを含む。
(a)Surlyn 8150(登録商標)などの「高酸アイオノマー」(すなわち、16重量%を超える酸含有量を有する)を含む組成物;
(b)高酸アイオノマーと無水マレイン酸グラフト化非アイオノマーポリマー(例えば、フサボンド(登録商標)官能化ポリマー)を含む組成物。高酸アイオノマーと無水マレイン酸グラフトポリマーの特に好ましいブレンドは、Surlyn8150(登録商標)とFusabond(登録商標)の84wt%/16wt%ブレンドある。高酸イオノマーと無水マレイン酸グラフトポリマーとのブレンドは、例えば、米国特許第6,992,135号および第6,677,401号にさらに開示されており、その開示内容を参照によりここに組み入れる。
(c)好ましくは80~85ショアCの材料硬度を有する、Surlyn(登録商標)8940/Surlyn(登録商標)9650/Nucrel(登録商標)960の50/45/5ブレンドを含む組成物;
(d)好ましくは約90ショアCの材料硬度を有する、Surlyn(登録商標)8940/Surlyn(登録商標)9650/Surlyn(登録商標)9910の50/25/25ブレンドを含む組成物;
(e)好ましくは約86ショアCの材料硬度を有する、Surlyn(登録商標)8940/Surlyn(登録商標)9650の50/50ブレンドを含む組成物;
(f)Surlyn(登録商標)7940/Surlyn(登録商標)8940のブレンドを含む組成物、任意にメルトフローモディファイアを含む;
(g)第1の高酸アイオノマーと第2の高酸アイオノマーのブレンドを含む組成物であって、第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーとは異なるカチオンで中和される(例えば、Surlyn(登録商標)8150およびSurlyn(登録商標)9150の50/50ブレンド)、オプションで、アイオノマー、エチレン酸共重合体、エステル三元共重合体などの1つまたは複数のメルトフロー調整剤を含む;そして
(h)第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマーのブレンドと0~10重量%のエチレンとを含む組成物であって、第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーとは異なるカチオンで中和され、エチレン/酸/エステルアイオノマーは第1の高酸アイオノマーと同じカチオンか第2の高酸アイオノマーと同じカチオンか第1および第2の高酸アイオノマーと別のカチオンで中和されるもの(例えば、40-50wt%Surlyn(登録商標)8140、40-50wt%Surlyn(登録商標)9120、および0-10wt%Surlyn(登録商標)6320)。
【0038】
Surlyn8150(登録商標)、Surlyn(登録商標)8940、およびSurlyn(登録商標)8140は、酸基がナトリウムイオンで部分的に中和された異なるグレードのE/MAAコポリマーである。Surlyn(登録商標)9650、Surlyn(登録商標)9910、Surlyn(登録商標)9150、およびSurlyn(登録商標)9120は、酸基が亜鉛イオンで部分的に中和されたE/MAAコポリマーの異なるグレードである。Surlyn(登録商標)7940は、酸基がリチウムイオンで部分的に中和されたE/MAAコポリマーである。Surlyn(登録商標)6320は、中程度の酸含有量の非常に低い弾性率のマグネシウムアイオノマーである。Nucrel(登録商標)960は、名目上15重量%のメタクリル酸で作られたE/MAA共重合体樹脂である。Surlyn(登録商標)アイオノマー、Fusabond(登録商標)ポリマー、およびNucrel(登録商標)コポリマーは、E.I. du Pont de Nemours and Companyから市販されている。
【0039】
適切なE/X型およびE/X/Y型アイオノマー材料は、例えば、米国特許第6,653,382号、第6,756,436号、第6,894,098号、第6,919,393号、および第6,953,820号にさらに開示されている。
【0040】
適切なポリウレタン、ポリ尿素、ならびにポリウレタン/ポリ尿素のブレンドおよびハイブリッドは、例えば、米国特許第5,334,673号、第5,484,870号、第6,506,851号、第6,756,436号、第6,835,794号、第6,867,279号、第6,960,630号、および7,105,623号、米国特許出願公開第2009/0011868号;および米国特許出願第60/401,047号にさらに開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。適切なポリウレタン?尿素材料には、米国特許出願公開第2007/0117923号に開示されているように、ウレタンおよび尿素セグメントを含むポリウレタン/ポリ尿素ブレンドおよびコポリマーが含まれ、その内容は参照してここに組み入れる。
【0041】
カバー組成物は、1または複数の充填剤、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム等、および/または、添加物、例えば、着色剤、蛍光剤、美白剤、酸化防止剤、分散剤、UV吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤、相溶化剤、発泡剤、補強剤、離型剤、その他を含んで良い。
【0042】
具体的な実施例において、この発明は、基本的に構造的コア要素および周囲層からなるゴルフボールに関し、ここで、構造的コア要素は、エンベロープ形状によって規定される外側境界を有し、極小曲面および間質空間からなり、ここで、間質空間の組成物が周囲層を形成するように、間質空間は、構造的コア要素のエンベロープ形状を超えて延びる組成物で満たされている。
【0043】
他の具体的な実施例において、この発明は、構造的コア要素、周囲層、および外側カバー層を有するゴルフボールに関する。構造的コア要素は、エンベロープの形状によって定義される外側の境界を持ち、極小曲面および間質空間から成る。間質空間は、組成物によって充填され、当該組成物は、当該間質空間の組成物が周囲層を形成するように、構造的コア構成要素のエンベロープ形状を超えて延びる。ゴルフボールは、周囲層と外側カバー層との間に配置されたオプションの1つ以上の中間層を含む。
【0044】
他の具体的な実施例において、この発明は、基本的に、構造的コア要素と、当該構造的コア要素の周りに配置された外側カバー層とから成るゴルフボールに関し、当該構造的コア要素はエンベロープ形状によって形成される外側休会を有し、極小曲面および間質空感から成り、間質空間は、中空であるか、または構造的コア要素のエンベロープ形状によって境界付けられた組成物で満たされている。
【0045】
他の具体的な実施例において、この発明は、構造的コア要素、1つまたは複数の中間層、および外側カバー層を有するゴルフボールに関する。構造的コア要素は、エンベロープ形状で形成される外側境界を持ち、極小曲面および間質空間からなっており、当該間質空間は中空であるか、構造的コア要素のエンベロープ形状で境界付けられた組成物で満たされます。この実施例の具体的な側面において、間質空間はポリウレタンフォームで満たされている。
【0046】
[例]
以下の例は、この発明の具体的な実施例の単なる例示であり、この発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、その範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【0047】
以下の例1および例2において、極小曲面は、
図4Aおよび
図4Bの三重周期性極小曲面40に対応する。
図4A、4B、5、および6に示される実施例の具体的な側面において、球形エンベロープの形状は、
-約1.55インチの直径、
-約7.548in
2の表面積(A
E)、および
-約1.950in
3のエンベロープボリューム(V
E)
を有し、極小曲面は、
-約0.009インチの一定の厚さ、
-約23.733in
2の表面積(A
M)、および
-約0.123in
3の体積(V
M)
を有する。
したがって、
図4A、
図4B、
図5、および
図6において示す実施例の具体的な側面において、エンベロープ体積比は約0.063であり、エンベロープ表面積比は約3.14である。
【0048】
[例1]
図5は、この発明の実施例に従うゴルフボール構造の例を示す。具体的には、
図5は、ゴルフボール50の断面図を示しており、この図において、ゴルフボールは、構造的コア要素および周囲層から成っている。構造的コア要素は、球形エンベロープ形状によって画定される外側境界を有し、極小曲面51および間質空間55から成る。
図5に示すように、間質空間は、構造コア構成要素の球状エンベロープ形状を超えて延びる組成物で満たされ、当該間質空間の組成物が周囲層を形成し、ゴルフボールのディンプル付き外面として機能するようになっている。
【0049】
[例2]
図6は、この発明の他の実施例に従うゴルフボール構造の例を示す。具体的には、
図6は、ゴルフボール60の断面図を示し、この図において、ゴルフボールは、極小曲面51および間質空間52から成る構造的コア要素、オプションの中間層53、およびカバー54を有する。構造的コア要素は、球形のエンベロープ形状によって形成される外側境界を具備する。間質空間は中空であるか、構造的コア要素の球形のエンベロープ形状で境界付けられた組成物で満たされている。
図6においては、カバー54は単一層として示されているけれども、カバー54は単層、二重、または多層カバーであって良い。
【0050】
ここで数値の下限および数値の上限が記載されている場合、これらの値の任意の組み合わせを使用できることに留意されたい。
【0051】
優先権書類を含む、ここに引用されたすべての特許文献、刊行物、試験手順、およびその他の参考文献は、そのような開示がこの発明と矛盾しない範囲で、かつ、そのような組み込みが許可されるすべての司法管轄区に関して参照により完全に組み込まれる。
【0052】
この発明の例示的な実施例を詳細に説明したけれども、この発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の様々な修正が当業者に明らかであり、当業者によって容易に行われ得ることが理解される。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲は、本明細書に記載される実施例および説明に限定されるものではなく、この発明が関係する当業者によってそれらの均等物として扱われる特徴を含む、特許請求可能な新規性の特徴のすべてを包含するものとして解釈されることに留意されたい。