(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】食品を収容する包装容器のための気密封止装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
B65B7/28 B
(21)【出願番号】P 2019500805
(86)(22)【出願日】2017-07-11
(86)【国際出願番号】 IB2017054182
(87)【国際公開番号】W WO2018011715
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-06-16
(31)【優先権主張番号】102016000071546
(32)【優先日】2016-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】597031047
【氏名又は名称】アツィオナリア コストルツィオーニ マッキーネ アウトマティケ ア.チ.エンメ.ア.ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】スクリヴァーニ,マッシモ
【審査官】永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00469296(EP,A1)
【文献】特許第3943934(JP,B2)
【文献】特開2014-151647(JP,A)
【文献】特開昭55-126026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 7/00 - 7/28
B65B 51/00 -51/32
B29C 65/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器上の食品を被覆しそして少なくとも部分的に封止するために用いられるフィルムを形成する一ピース(Sp)の薄い可撓性材料を
ピックアップし供給するための
把持ユニット(2)と、
環状本体(7)と前記環状本体(7)から延設される二つの端子(8)とを有する加減抵抗器(6)を備える封止要素(5)であって、前記二つの端子(8)は、前記環状本体(7)を所定の封止温度に加熱することができる電流を前記加減抵抗器(6)に沿って流れさせるよう、該二つの端末(8)の端部に電位差を生成し維持することができる電圧生成器(10)に接続可能である封止要素(5)と、
を備える食品を収容する包装容器(100)のための気密封止装置(1)であって、
それぞれの端子(8)は、前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)との接続点において、前記端子(8)の他のすべての点の断面と比較して表面積(S’)が最も小さい断面を持ち、
前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)は、前記包装容器と前記一ピース(Sp)のフィルムとの間で前記食品を気密に封止するよう、前記包装容器に沿って前記一ピース(Sp)のフィルムを封止するのに十分に長い所定の時間の長さで前記包装容器の所定の部分と接するよう配置される前記一ピース(Sp)のフィルムと接触するように構成されており、
前記気密封止装置(1)は、支持スリーブ(12)を備え、前記支持スリーブ(12)は、長手方向軸(4)に沿って延設され且つ前記
把持ユニット(2)が内部に同軸状に配置される貫通空洞(13)を規定し、
前記
把持ユニット(2)は、前記支持スリーブ(12)に対して前記長手方向軸(4)に沿って移動可能であり、
前記二つの端子(8)は、前記支持スリーブ(12)との機械的な接続と前記電圧生成器(10)との電気的な接続のための直立範囲(8a)を有し、前記加減抵抗器(6)は前記支持スリーブ(12)に取り付けられている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の気密封止装置(1)であって、前記包装容器が煎じ出し用芳香物質を収容するカプセル(100)であり、
充填開口部(102)を構成する自由端縁部(106)を有するカップ状カプセル(100)の蓋(104)を形成するために用いられるフィルムを形成する一ピース(Sp)の薄い可撓性材料を
ピックアップし供給するための
把持ユニット(2)と、
環状本体(7)と前記環状本体(7)から延設される二つの端子(8)とを有する加減抵抗器(6)を備える封止要素(5)であって、前記二つの端子(8)は、前記環状本体(7)を所定の封止温度に加熱することができる電流を前記加減抵抗器(6)に沿って流れさせるよう、該二つの端末(8)の端部に電位差を生成し維持することができる電圧生成器(10)に接続可能である封止要素(5)と、
を備え、
それぞれの端子(8)は、前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)との接続点において、前記端子(8)の他のすべての点の断面と比較して表面積(S’)が最も小さい断面を持ち、
前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)は、前記カプセルを閉じるよう、前記カプセルの縁部に沿って前記一ピース(Sp)のフィルムを封止するのに十分に長い所定の時間の長さで前記カプセル(100)の前記開口部(102)の前記自由端縁部(106)と外側縁部が接するよう配置される前記一ピース(Sp)のフィルムと接触するように構成される装置。
【請求項3】
請求項1に記載の気密封止装置(1)であって、前記包装容器(100)がそれぞれがチョコレート、スイーツ等の食品の周囲を包装する個々の包装材であり、
一の面の上に一つのそのような食品を受けるよう設計される包装材料のシートと、
包装材料の前記シート上で前記食品を被覆し封止するための要素を形成するために用いられる一ピース(Sp)の薄いフィルムの可撓性材料を
ピックアップし供給するための
把持ユニット(2)と、
環状本体(7)と前記環状本体(7)から延設される二つの端子(8)とを有する加減抵抗器(6)を備える封止要素(5)であって、前記二つの端子(8)は、前記環状本体(7)を所定の封止温度に加熱することができる電流を前記加減抵抗器(6)に沿って流れさせるよう、該二つの端末(8)の端部に電位差を生成し維持することができる電圧生成器(10)に接続可能である封止要素(5)と、
を備え、
それぞれの端子(8)は、前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)との接続点において、前記端子(8)の他のすべての点の断面と比較して表面積(S’)が最も小さい断面を持ち、
前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)は、前記被覆・封止要素で被覆される前記食品が前記加減抵抗器(6)を通過することができるよう形成されており、前記加減抵抗器は、前記食品の基部を囲繞するとともに、前記食品自体の基部の周囲全長にわたって包装材料の前記シート上に前記一ピース(Sp)のフィルムを封止するのに十分に長い所定の時間の長さで前記包装材料の前記シートと接するよう配置される前記一ピース(Sp)のフィルムと接触するよう設計される装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一に記載の装置であって、
前記把持ユニット(2)および前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)と同軸状に装着されるブレード(14)を備えており、
前記ブレード(14)は、可撓性材料のウェブ(W)から前記把持ユニット(2)によってピックアップされる前記一ピース(Sp)のフィルムを切断するよう設計されている装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一に記載の装置であって、
前記加減抵抗器(6)の前記環状本体(7)とのそれぞれの端子(8)の接点に、前記電流(i)が、前記環状本体(7)に沿って流れて他方の端子(8)において合流する二つの二次電流(i
1,i
2)に分かれる電気的ノード(11)が形成されており、
それぞれのノード(11)における、表面積(S’)が前記端子の他のすべての点の断面と比較して最も小さい前記断面の周囲に位置する前記端子(8)の部分は、対応するそれぞれの端子の他の断面において測定される電気抵抗のなかで最大である所定の電気抵抗(R’)を構成する装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一に記載の装置において、表面積(S’)が前記端子の他のすべての点の断面と比較して最も小さい前記断面の周囲に位置する前記端子(8)の前記部分において、ジュール効果によって、前記端子の他の点に生じ得る温度より高い温度が生じる装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を収容する包装容器のための気密封止装置に関する。
【0002】
本発明を説明するとともに特許を請求するために本開示において用いられる以下の語は、
包装容器が、包装用包み、容器、カプセルを意味し、
被覆・封止要素が、蓋、被覆材、封止するためのカバー、被覆・封止フィルムを意味する。
【0003】
語「食品」は、スイーツ、チョコレート、ボンボン、スナックおよびコーヒーのカプセルやポッドまたは煎じ出し用製品を収容するカプセルやポッドを意味するよう用いる。
【背景技術】
【0004】
煎じ出しの準備に用いられるカプセルは、使い捨てのタイプであり、通常、芳香物質の一部を保持するために用いられる容器を備えており、容器は水を供給可能に穿孔することができる蓋と、底部と、を有する。容器内にある芳香物質との水の煎じ出しの効果によって生成される飲料は、底部を通じて、供給される。
【0005】
カプセルを製造するための従来技術の包装機械は、非常に簡潔には、所定の経路に沿って供給方向に容器を移動させるために搬送ラインを備える。
【0006】
供給経路に沿った第一ステーションにおいて、容器搬送ラインの上方に少なくとも部分的に配置されるシート材料の連続的なウェブを供給するシステムが配置され、当該ウェブからカプセル底部内層が切断され、容器に挿入される。
【0007】
このステーションにおいて、それぞれの底部内層がウェブから切断され、下方へ供給され、対応するそれぞれの容器に挿入される。当該ステーションにおいて、底部内層が容器に封止される。
【0008】
次に、充填ステーションにおいて、容器に、適当に計量された量の芳香物質が充填される。
【0009】
供給方向に沿った充填ステーションの下流側に、従来技術の機械は、蓋がそれぞれの容器に貼り付けられるカプセルを密閉するためのステーションを備える。
【0010】
底部内層と略同じように、密閉ステーションは、通常、容器搬送ラインの上方に少なくとも部分的に配置されるフィルムの連続的なウェブを供給するためのシステムを有する。当該ウェブから蓋が切断され、それぞれの容器の最上部の開口部に貼り付けられる。
【0011】
それぞれの蓋は、ウェブから切断され、下方へ供給され、対応するそれぞれの容器に貼り付けられ封止される。
【0012】
概略的に言って、蓋と底部内層(備えられている場合)との両方を貼り付けるために、上述の動作は、蓋または底部内層を切断するためのナイフと蓋または底部内層を保持するための取り出し要素と封止器(必要な場合)とを有するアクチュエータ手段によって実行される。処理される容器と同じ間隔を空けて配置されるアクチュエータ手段はそれぞれ、基本的に、底部内層または蓋を容器内にまたは容器上に貼り付け/位置決めする、上昇位置と降下位置との間で移動可能なロッドを備える。端部位置間の中間の位置において、説明する通り、底部内層または蓋が対応するそれぞれの連続的なウェブから切断される。
【0013】
カプセルを製造するための機械の一例は、本願出願人の特許出願BO2013A000390に記載されている。
【0014】
機械は、切断ステーションと封止ステーションとを備える。またカプセル蓋を形成するウェブのピースを送出するために設けられた送出手段が切断ステーションと封止ステーションとの間で動作する。
【0015】
また食品のための包装容器は、チョコレート、スイーツ等の食料品のための包装材を有することもできる。
【0016】
切断ステーションから封止ステーションへウェブのピースを送出しなければならないこと、そしてジュール効果によって生じる熱に基づく封止ステーションの効率が低いこと、によって機械の効率が低いことを本願出願人は見出した。実際に、従来技術の封止ステーションの第一欠点は、封止温度が封止面全体にわたって一定ではないということにある。他の欠点は、高い封止温度で動作する必要性と同時に漏れの制限を合わせて実現できないことにある。実際、一方では、動作電流を大きくすることにより封止温度を上昇することができるが、他方では、回路漏れはまさに当該動作電流の自乗に正比例する。
【発明の概要】
【0017】
この事情に鑑みて、本発明の主な技術的目的は上述の欠点を克服することにある。
【0018】
本発明の一の目的は、効率的である同時に封止と電気効率の両方を最適化するという相反する必要性を両立することができる煎じ出し用芳香物質を収容するカプセルやポッド等の食品包装容器を封止するための装置を提案することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、コンパクトであり機械全体の効率を向上することができる煎じ出し用芳香物質を収容するカプセルやポッド等を封止するための装置を提案することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、スイーツ、チョコレート等を気密に封止するための装置を提案することにある。
【0021】
上述の技術的目的および趣旨は、添付の特許請求の範囲における一以上の請求項に記載した技術的特徴を備える煎じ出し用芳香物質を収容するカプセルを封止するための装置によって十分に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、以下の添付図面に例示する封止装置の好ましいが限定するものではない実施形態に関する、以下の説明からより明瞭となろう。
【
図1】食品を収容する包装容器を気密に封止するための本発明にかかる装置の分解斜視図である。
【
図2】組み立てられたときの
図1の封止装置を概略的な正面図および部分的断面図で示す。
【
図4】
図1の封止装置の加減抵抗器を概略的な側面で示す。
【
図5】
図1の封止装置の加減抵抗器を概略的な正面図で示す。
【
図6】
図1の封止装置の加減抵抗器を概略的な上面図で示す。
【
図7】
図1の封止装置の加減抵抗器を概略的な斜視図で示す。
【
図9】コーヒー・カプセルを気密に封止するための一連の構成における
図3の封止装置を示す。
【
図10】コーヒー・カプセルを気密に封止するための一連の構成における
図3の封止装置を示す。
【
図11】コーヒー・カプセルを気密に封止するための一連の構成における
図3の封止装置を示す。
【
図12】コーヒー・カプセルを気密に封止するための一連の構成における
図3の封止装置を示す。
【
図14】食品を特にスイーツ、チョコレートおよび同様の製品を収容する包装容器を気密に封止するための本発明にかかる装置を示す。
【
図15】食品を特にスイーツ、チョコレートおよび同様の製品を収容する包装容器を気密に封止するための本発明にかかる装置を示す。
【
図16】食品を特にスイーツ、チョコレートおよび同様の製品を収容する包装容器を気密に封止するための本発明にかかる装置を示す。
【
図17】食品を特にスイーツ、チョコレートおよび同様の製品を収容する包装容器を気密に封止するための本発明にかかる装置を示す。
【
図18】食品を特にスイーツ、チョコレートおよび同様の製品を収容する包装容器を気密に封止するための本発明にかかる装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~
図3を参照して、参照符号1は、本発明にかかる、煎じ出し用芳香物質を収容するカプセル100を封止するための装置を示す。
【0024】
例として、
図13は、例えばカップ状の容器101を基本的に備えるカプセル100を示す。容器101は充填開口部102と底部103とを有する。底部103を通じて、容器にある芳香物質(図示せず)との水の煎じ出しの効果によってカプセル100の使用の際に生成される飲料が供給される。
【0025】
関連のカプセル100は使い捨てのカプセルであり、穿孔することができる蓋104をさらに備える。蓋104を通じて、水を供給することができる。蓋104は、封止によって貼り付けられる。またカプセル100は、図示する実施例においては、容器101の底部103に配置される底部内層105、例えばフィルタ要素を備えることができる。
【0026】
容器101は、蓋104が貼り付けられ封止される開口部102を構成する自由端縁部106を有する。
【0027】
蓋104は、一ピースSpの薄い可撓性材料が切断される可撓性材料のウェブWから形成される。蓋の形状は、特に容器101および開口部102の形状に応じて変更できる。一般的に言って、蓋の形状は円板状であるが、他の実施形態も想定される。
【0028】
封止装置1は、例えば吸引によって動作する把持ユニット2を備える。より具体的には、把持ユニット2は、吸引ダクト3を有する吸引カップである。
【0029】
把持ユニット2は、カプセル100の蓋104を形成するよう用いられる一ピースSpの可撓性材料のフィルムをピックアップして保持するために、長手方向軸4に沿って延設されるとともに移動可能である。
【0030】
また封止装置1は、加減抵抗器6を備える封止要素5を備える。加減抵抗器6は、環状本体7と、環状本体7から延設される二つの端子8と、を有する。環状本体7は好ましくは平面形状を有する、すなわち、ともに形状が環状であり平行な二つの面内にある上側環状表面7aと下側環状表面7bとを有する。
【0031】
把持ユニット2は、加減抵抗器6の環状本体7と同軸状に配置され、長手方向軸4に沿って環状本体を越えて延びる。
【0032】
図4~
図7は、加減抵抗器6の実施可能な形態を示す。図示する例においては円形である環状本体7の形状は、蓋104およびカプセル100の形状に応じた形状である。
【0033】
二つの端子8は、環状本体7を所定の封止温度に加熱することができる電流を加減抵抗器6に沿って流れさせるよう、二つの端末の端部に電位差ΔVを生成し維持することができる電圧生成器に接続可能である。参照符号9は概略的に、封止要素の部分を形成する電圧生成器10への電気接続を示している。
【0034】
図8により詳細に示す通り、それぞれの端子8は、加減抵抗器6の環状本体7への接続点において、端子の他のすべての点の断面と比較して表面積が最も小さい断面S1を持つ。
【0035】
なお、加減抵抗器6の環状本体7は、カプセルを閉じるよう、カプセルの縁部に沿って一ピースSpのフィルムを封止するのに十分に長い所定の時間の長さでカプセル100の開口部102の自由外側端縁部106と外側縁部が接するよう配置される一ピースSpのフィルムと接触するように構成されることを記載しておく。
【0036】
図8を参照して、加減抵抗器6の環状本体7とのそれぞれの端子8の接点に、電流iが、環状本体7に沿って流れて他方の端子において合流する二つの二次電流i1,i2に分かれる電気的ノード11が形成されている。より具体的に、
図8に、電流が流れる面S’,S1,S2を分かりやすくする加減抵抗器のノード11の斜視図を示す。
【0037】
面S’は、加減抵抗器の二つの端子のうちの一方の横方向断面における面である。他方の端子および対応するノードの形状は同じである。この図から分かる通り、S1<S’である。
【0038】
二つの面S2は、環状本体7の横方向断面である。
【0039】
それぞれのノード11における、表面積が端子の他のすべての点の断面と比較して最も小さい断面S1の周囲に位置する端子の部分は、対応するそれぞれの端子の他の断面において測定される電気抵抗のなかで最大である所定の電気抵抗R1を構成する。
【0040】
実際には、知られている通り、抵抗Rは電気電導度Gの逆数であり、以下のように定義される。
R=1/G=L/σS=ρL/S
ここで、σは導電率(その逆数ρは電気抵抗率である)であり、Lは抵抗が測定される点の間の距離(従って加減抵抗器の長さ)であり、Sは電流の方向に垂直な断面の面積である。
【0041】
したがって、電流iのフローに対して面S’を通じて生じる抵抗R’は、面S1を通じて生じる抵抗R1および面S2を通じて生じる抵抗R2よりも小さいことが分かる。面が小さいほど抵抗が大きくなるからである。
【0042】
表面積が端子の他のすべての点の断面と比較して最も小さい断面S1の周囲に位置する端子の部分において、ジュール効果によって、端子の他の点に生じ得る温度より高い温度が生じる。
【0043】
実際、抵抗値を大きくすることによって、知られている関係P=RI2に応じてジュール効果による熱へと変換することができる電力の値を大きくすることができる。
【0044】
環状本体7との接続点における端子の横方向表面積を小さくする効果によって、電流iを大きくすることなく加減抵抗器の環状本体7を必要な封止温度に維持することができる。
【0045】
このように、環状本体7との接続点における端子の横方向断面を小さくすることによって、ノード11における熱を増加することができる。ノード11における熱は、ノードにおいて合流する面(すなわち環状本体7の横方向表面と端子8の横方向表面)を加算したと考えた場合にノードにおいて生じる冷却効果とは対照的に逆の効果を与える。さらに、ノード11の電流iは、面S1の左側と右側にそれぞれ流れる二つの電流i1,i2に分かれる。電流i1,i2によって、加減抵抗器の環状本体7を必要な封止温度に維持することができる。
【0046】
これにより、ノードにおいて冷えすぎることを防止でき、電流iの値を制限でき、そして電流i自体の自乗に正比例する漏れの増加を防止できる。
【0047】
なお、上記に加えて、ノード11の状況では、長さは無視でき、したがって、関連する抵抗は断面S1の値にのみ直接影響を受けることを記載しておく。これに対して、環状本体7の長さは、無視できないだけでなく加減抵抗器の他の部分より大きいので、用いられる電流が同じ条件であれば得られる封止温度を大幅に高くすることができる。
【0048】
図を参照して、端子8は、支持スリーブ12との機械的な接続と電圧生成器10との電気的な接続のための直立範囲8aを有する。直立範囲8aは、環状本体7の平面形状に対して垂直に延設され、環状本体をスリーブ12に固定するための溝8cを好ましくは有する。
【0049】
またそれぞれの端子8は、直立範囲8aと環状本体7の平面形状とに対してある角度で配置される接続範囲8bを有する。好ましくは、直立範囲8aの断面S’は一定であり、接続範囲8bの横方向断面は環状本体7との接続点において最小値S1へと減少する。
【0050】
スリーブ12は、長手方向軸4に沿って延設される貫通空洞13を規定する。貫通空洞13の内部には把持ユニット2が同軸状に配置される。より具体的には、把持ユニット2は、図示しない移動装置を用いてスリーブ12に対して長手方向軸4に沿って移動可能である。
図9~
図12を参照して、把持ユニット2は、
図11に示す上昇位置と、
図10に示す切断直後のピースSpをピックアップする降下位置との間でスリーブ12内において移動可能である。
【0051】
本説明を読み進めると明らかとなる通り、上昇位置は封止位置に対応する。言い換えれば、把持ユニット2は、上昇位置と降下位置との間で加減抵抗器6(スリーブ12に取り付けられる)に対して長手方向軸4に沿って移動可能である。
【0052】
また封止装置1は、把持ユニット2および加減抵抗器の環状本体7と同軸状に配置されるブレード14を備える。より具体的には、ブレード14は管状であり、そして、把持ユニット2はブレード自体の内側に配置される。ブレード14は、可撓性材料のウェブWから把持ユニット2によってピックアップされる一ピースSpのフィルムを切断するよう設計されている。
【0053】
より具体的には、ブレード14は、支持体15に装着され、好ましくは垂直方向でありウェブWに対して直角な切断方向を表す長手方向軸4に沿って移動可能である。ブレードは、
図9に示す上昇レスト位置と
図10に示す降下切断位置との間で移動可能である。より具体的には、ブレード14は、供給経路Pに沿ったウェブWを対応するそれぞれの降下位置において切り取る。
【0054】
好ましくは、以下に説明する通り、切断ブレード14の移動の際に、支持体15と加減抵抗器6を備える封止要素5とは長手方向軸4に沿って一体に移動する。
【0055】
本発明にかかる封止装置1は、例えば所定の経路に沿って容器を移動させるための手段を備えるカプセル100を製造するための図示しない機械に適用可能である。また機械は、所定の供給経路Pに沿って可撓性材料のウェブWを移動させるための手段を備えることもできる。
【0056】
図9~
図12に、カプセル100を製造するための機械において封止装置1以降の切断・封止シーケンスを示す。
【0057】
機械動作における一工程の際、例えば
図9に示す通り、封止装置1はウェブWの上方に配置することができる。
図9では、把持ユニット2およびブレード14の両方が上昇位置にある。
【0058】
その後、封止装置1は、ピースSpを切断するためにウェブWの経路Pにおいて動作することができる。ブレード14が(支持体15とともに)降下切断位置に達しているこの動作工程を、例えば
図10に示す。切断工程の際、ウェブWを停止することができ、あるいは封止装置1がウェブWと同期して経路Pに沿って移動することもできる。また
図10は、把持ユニット2が降下位置に達したときにピースSpを掴んでいる状態を示している。
【0059】
機械は、ウェブWを綺麗に切断するためにブレード14とともに作用する図示しない基材(matrix)を備えることができる。
【0060】
次に、例えば
図11に示す通り、環状本体7の下面7aとピースSpの上面とを接触させるよう、把持ユニット2は、ブレード14および加減抵抗器6に対して上昇する。
【0061】
例えば
図12に示す以降の工程において、容器101は封止装置1の下に配置され、そしてピースSpの下面は充填開口部102を構成する自由端縁部106と接して配置される。この位置は、
図13においてより詳細に示す封止位置に対応する。
【0062】
本発明にかかる封止装置は効率的であり、封止効率と電気効率との両方を最適化するという相反する必要性を両立することができる利点がある。より具体的には、断面が変化する端子を用いることによって、ノードにおいて冷えすぎることを回避し、一方では高い封止温度で動作する必要性と他方では漏れを制限する必要性とを組み合わせることができる。さらに、切断される時点から封止される時点まで同じ把持ユニットと関係した状態に維持されるフィルムのピースの中間送出の必要がないので、加減抵抗器とブレードとの組み合わせによって機械効率を向上することができる。
【0063】
図14~
図18において、参照符号16は、例えばチョコレート、スイーツまたは同様な製品等の食品を示す。
【0064】
把持ユニット2は、チョコレート16を被覆しそして少なくとも部分的に封止するために用いられるフィルムを形成する一ピースSpの薄い可撓性材料をピックアップし供給するための吸引カップ17である。
【0065】
包装容器は、チョコレート16の周囲を包装する包み18から構成される。
【0066】
包みは、一方の面上にチョコレート16を受けるよう設計される包装材料のシート19を備える。
【0067】
複数のシート19が、搬送ベルト20に供給され前進する。
【0068】
把持ユニット2は、チョコレート16上に一ピースSpの可撓性材料を配置する。
【0069】
図に示す通り、カプセル100の場合と全く同じように、加減抵抗器6の環状本体7は、チョコレート16が配置されるシート19の面と製品16の周囲の縁部で接する一ピースSpのフィルムと接触するよう設計される。
【0070】
環状本体7が電圧生成器10と接続可能な加減抵抗器6を有する封止要素5のすべての特徴の先の説明は、
図14~
図18に示す実施形態にも当てはまる。
【0071】
このように環状本体7を所定の封止温度に加熱できる電流を加減抵抗器6に沿って流れさせるよう、同じ電圧生成器10に接続されたときその電圧生成器が二つの端子8の端部に電位差を生成し維持できる二つの端子8が、環状本体7に配置されている。
【0072】
加減抵抗器6の環状本体7は、包装容器-つまりシート19-と一ピースSpのフィルムとの間で製品を気密に封止するよう、一ピースSpのフィルムをシート19に封止するのに十分に長い所定の時間の長さで包装容器の所定の部分と-実際にはチョコレート16を囲繞する縁部に沿って-接するよう配置される一ピースSpのフィルムと接触するように構成される。
【0073】
ピースSpがチョコレート16の周囲に気密に封止されその内部にチョコレート16を包むと、チョコレートとピースSpとから構成されるグループの周囲にシート19が折り畳まれ、これにより、包装容器100を構成する包み18が形成される。
【0074】
なお、加減抵抗器6の環状本体7は、上述した封止動作の際に接触することなくまたはダメージを与えることなく食品16の周囲に配置できるよう、種々の内径を有することができることを記載しておく。
【0075】
また、環状本体7は、例えば三角形や長方形や正方形等種々の形状を有することができることは明らかであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【文献】特許出願公開第BO2013A000390号明細書(BO2013A000390)