(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 35/00 20060101AFI20220523BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220523BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20220523BHJP
A61K 8/368 20060101ALI20220523BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20220523BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20220523BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20220523BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220523BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220523BHJP
A61K 31/60 20060101ALI20220523BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20220523BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220523BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20220523BHJP
A45D 44/22 20060101ALI20220523BHJP
A45D 44/12 20060101ALI20220523BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
A61M35/00 Z
A61Q19/00
A61K8/02
A61K8/368
A61K8/9789
A61K9/70 405
A61K36/28
A61P43/00 121
A61P17/00
A61K31/60
A61P17/10
B33Y10/00
B33Y80/00
A45D44/22 C
A45D44/12 C
A61K45/00
(21)【出願番号】P 2019534347
(86)(22)【出願日】2017-12-21
(86)【国際出願番号】 US2017067793
(87)【国際公開番号】W WO2018119176
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-10-27
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515233487
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Inc.
【住所又は居所原語表記】199 Grandview Road, Skillman, NJ 08558, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アラリー・マーク
(72)【発明者】
【氏名】ホプソン・ペイトン
(72)【発明者】
【氏名】リウ・ジャン-ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ルンデ・エリック
(72)【発明者】
【氏名】パテル・バーラト
(72)【発明者】
【氏名】モラノ・エマニュエル
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-502908(JP,A)
【文献】特開2015-081240(JP,A)
【文献】特開平11-137338(JP,A)
【文献】特開2011-030745(JP,A)
【文献】特開2016-016320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/068247(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2962598(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 35/00 - 37/00
A45D 44/22
A45D 44/12
A61Q 19/00
A61K 45/00
A61K 8/02
A61K 8/368
A61K 8/9789
A61K 9/70
A61K 36/28
A61P 43/00
A61P 17/00
A61K 31/60
A61P 17/10
B33Y 10/00
B33Y 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステムであって、
撮像デバイスと、
(a)前記隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクと、
(b)前記アプリケータ表面に着脱可能に配置され、接着性を有し、前記アプリケータ表面に面する外側表面及びそれとは反対の内側接着剤面を有する、膜と、を含み、
前記膜が、1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含み、前記隔離された身体部分に対する前記膜の接着強度が、前記アプリケータ表面に対する前記膜の接着強度よりも大きく、
前記アプリケータマスクが、前記撮像デバイスによって取得された前記隔離された身体部分の画像から変換された、前記隔離された身体部分の幾何学的形状の数学的モデルに基づき形成され
、
前記有益剤の濃度が、前記治療ゾーンの縁部に近接して減少する、システム。
【請求項2】
撮像デバイスと、
隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステムであって、
(a)前記隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクと、
(b)前記アプリケータ表面に着脱可能に配置され、前記アプリケータ表面に面する外側表面及びそれとは反対の内側接着剤面を有する、膜の積み重ね体と、を含み、各膜が、接着性を有し、1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含み、前記隔離された身体部分に対する前記膜の接着強度が、前記アプリケータ表面に対する、及び前記積み重ね体における隣接する膜に対する前記膜の接着強度よりも大きく、
前記アプリケータマスクが、前記撮像デバイスによって取得された前記隔離された身体部分の画像から変換された、前記隔離された身体部分の幾何学的形状の数学的モデルに基づき形成され
、
前記有益剤の濃度が、前記治療ゾーンの縁部に近接して減少する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステムに関する。より具体的には、本発明は、消費者の皮膚に対して活性物質を膜構造で送達するための活性物質含有膜構造と組み合わせて使用される、隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータマスクを含む、一般的な消費者の皮膚の欠点を治療するためのシステム、並びにこのシステムの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
年をとらず、欠点がなく、若々しい皮膚の外観は、世界中の多くの人々の要望である。一般的な皮膚欠点としては、座瘡、加齢斑、母斑、乾燥皮膚、湿疹、色素沈着過剰、大孔、ほくろ、乾癬、酒さ、瘢痕、日焼け斑、目の下のくま、疣贅、及び皺が挙げられる。
【0003】
消費者は、これらの欠点を治療し、自分をより若い外観に保つ次期製品又は治療、特に皮膚を若返らせるためのより安全かつより効果的な方法及び製品を常に探している。様々な一般的な皮膚欠点を具体的に標的とした、クリーム、ローション、粉末、及び油の形態にある多くの既知の製剤が存在し、消費者はこれらを顔、手、足、及び身体に適用する。多くは、欠点の治療に使用するための活性物質又は有益剤を含む。
【0004】
フェイシャルマスクシート又は布様材料などの市販の二次元製品は、顔全体にわたって着用される均質な構造である。このようなシートはまた、腕、手、脚、又は足などの他の隔離された身体部分に使用することも知られている。これらの種類の製品は、消費者の解剖学的構造に完全に適合し、消費者の個人的な需要を治療するための治療、サイズ、及び構成という観点で、消費者個々に合わされたものではない。例えば、顔面治療において、異なる患者における顎、頬、及び鼻で見られる皮膚の状態に顕著な差があるにもかかわらず、同じフェイシャルトリートメント成分が、顎、頬、及び鼻に適用される。
【0005】
加えて、上述のシートは、二次元で形成されているため、ヒトの顔の三次元プロファイルに正確に適合させることは不可能であり、そのため、紅斑、座瘡、色素沈着、小皺などの標的治療を正確に送達することができない。加えて、従来のフェイシャルマスクの適用は、濡れた形態でされることが多い。着用中に容易に落下する。
【0006】
要約すると、二次元スキンケアシート状製品は、顔、腕、手、脚、又は足などのヒトの身体の隔離された身体部分への有益剤の送達を標的に正確に送達することができない。これらは、消費者の解剖学的構造に完全に適合し、消費者の個人的な需要を治療するための治療、サイズ、及び構成という観点で、消費者個々に合わされたものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの制限を回避するために必要とされるのは、隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステム、並びにこのシステムを使用する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、本願発明者らは、隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクと、アプリケータ表面に着脱可能に配置され、アプリケータ表面に面する外側表面及びそれとは反対の内側接着剤面を有する、少なくとも1つの膜と、を含むシステムを使用して、隔離された身体部分に対する局所薬剤の注意深く標的化された適用を、正確に達成することができることを発見した。膜は、1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含む。
【0009】
加えて、本願発明者らは、隔離された身体部分の画像を捕捉する工程と、画像データを、隔離された身体部分の幾何学的形状の数学的モデルに変換する工程と、隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクを形成する工程と、アプリケータの1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含むアプリケータマスクのアプリケータ表面上に、着脱可能な膜を形成する工程であって、隔離された身体部分に対する膜の接着が、アプリケータ表面に対する膜の接着よりも大きい、工程と、着脱可能な膜が隔離された身体部分と接触するように、隔離された身体部分上にアプリケータマスクを配置する工程と、膜を隔離された身体部分と接触させたままにしつつ、隔離された身体部分からアプリケータマスクを取り外す工程と、を含む、隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のための方法を特定した。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のシステムの第1の顔実施形態の正面斜視図である。
【
図2】
図1のシステムの第1の顔実施形態の背面斜視図である。
【
図3】
図1のシステムの第1の顔実施形態の背面分解図である。
【
図4】システムのアプリケータ部分を取り外す前の、ユーザの顔に配置された4~4面に沿った
図1のシステムの側面断面図である。
【
図5】システムのアプリケータ部分を取り外した後の、ユーザの顔に配置された4~4面に沿った
図1のシステムの側面断面図である。
【
図6】本発明のシステムの第2の顔実施形態の背面斜視図である。
【
図7】
図7のシステムの第2の顔実施形態の背面分解図である。
【
図8】本発明のシステムの第3の顔実施形態の背面斜視図である。
【
図9】
図8のシステムの第3の顔実施形態の背面分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、消費者の皮膚に活性物質を投与するためのシステム、及びこのシステムを使用する方法に関する。以下の説明は、当業者が本発明を作製及び使用することができるようにするために提示される。本明細書に記載される実施形態並びに一般的な原理及び特長に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載される特徴と一致する最も広い範囲が与えられるものである。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「局所」という用語及びその変形語は、身体の隔離された部分、又はその部分に適用されることを意味する。これには、皮膚、粘膜、及びエナメル質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「有益剤」は、美容的又は治療的に、例えば、皮膚の症状又は状態を改善、緩和、低減、又は治療する利益を提供する成分又は材料を意味する。
【0014】
本明細書に記載される一般的な消費者の皮膚の欠点を治療する方法は、消費者の皮膚に対して膜構造で有益剤物質を送達するための有益剤含有膜構造と組み合わせて使用される、隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータと、システムの使用方法と、を使用する。三次元共形アプリケータは、治療への適用をより効果的に可能にするために、様々な個人に向けた領域特有の治療ゾーンを有している。個々のユーザの身体部分のプロファイルに整合した三次元共形アプリケータを物理的なガイドとして有すると、適用は、より容易に、かつより効果的になり、適用のための正確な領域に特定の標的ゾーンを配置するのに役立ち得る。
【0015】
図面を参照すると、
図1及び
図2は、それぞれ、本発明で使用可能な皮膚治療システム10の第1の実施形態の正面斜視図及び背面斜視図である。
図3は、システム10の背面分解図である。皮膚治療システム10は、第1の表面22と、第2の表面24と、を有する、アプリケータ20を備えている。この実施形態では、アプリケータ20は、フェイシャルマスクとして示される。
【0016】
この実施形態のアプリケータ20は、目開口部26と、鼻開口部27と、口開口部28と、を有し、ユーザの顔全体を覆うようにサイズ決定される。他のフェイシャルマスク型実施形態では、アプリケータ20は、ユーザの顔を部分的に覆うようにサイズ決定されてもよく、上述のいずれかの開口部がなくてもよいことに留意することが重要である。
【0017】
アプリケータ20の第2の表面24上に、活性膜40a、40b、40c、及び40dが配置されている。この複数の活性膜は、アプリケータ20の第2の表面24に着脱可能に配置され、1つ以上の有益剤を含有する。活性膜40a、40b、40c、及び40dは、第1の表面と、第2の表面と、を有する。
図3は、活性膜40dの第1の表面42d、並びに活性膜40a、40c、及び40dの第2の表面44a、44c、及び44dをそれぞれ示す。アプリケータ20と活性膜40a、40b、40c、及び40dとの間の結合は、アプリケータ20の第2の表面24と活性膜の第1の表面との間で生じる。
【0018】
活性膜40aは、フェイシャルマスクアプリケータ20の額領域に配置され、一方、活性膜40b及び40cは、フェイシャルマスクアプリケータ20の頬領域に配置され、活性膜40dは、フェイシャルマスクアプリケータ20の顎領域に配置される。示されている実施形態は、4個の着脱可能な使い捨て活性膜(40a、40b、40c、及び40d)を含むアプリケータ20を有しているが、他の実施形態は、これよりも多い、又はこれよりも少ない着脱可能な使い捨て膜を含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、1つ以上の活性膜、又は2つ以上の活性膜、又は4つ以上の活性膜、又は6つ以上の活性膜、又は8つ以上の活性膜、又は12つ以上の活性膜を含んでいてもよい。活性膜40の数及び位置は、治療される一般的な消費者の皮膚の傷(複数可)に依存する。
【0019】
活性膜40は、1つ以上の有益剤を含有する。いくつかの実施形態では、活性膜は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の有益剤を含有してもよい。また、2つ以上の活性膜が存在する場合、各活性膜は、同じ有益剤(複数可)を含有してもよく、又は各活性膜は、異なる有益剤(複数可)を含有してもよい。いくつかの実施形態では、個々の活性膜は、1つよりも多い有益剤を含有してもよい。また、活性膜の異なる領域は、異なる活性薬剤を含有してもよく、又は1つの領域から別の領域へのある勾配の活性薬剤を含有してもよい。例えば、活性薬剤は、治療効果の「境界をぼかす」ために、縁部に近接して濃度が下げられてもよい。
【0020】
活性膜40は、皮膚治療の場所に応じて、様々な形状を有していてもよい。活性膜40によって残される取り付け面積の可能な形状としては、限定されないが、正方形、長方形、三角形、円形、楕円形、腎臓形、星形、十字形、文字の形などが挙げられる。このような形状の角部は、存在する場合には、潜在的な持ち上げ/取り外し点を低減するように角度が付けられていてもよく、又は湾曲していてもよい。治療ゾーンは、約1,000cm2よりも大きくてもよく、約1,000cm2、又は約100cm2、又は約10cm2、又は約1cm2、又は1cm2未満であってもよい。
【0021】
使用中、本発明の皮膚治療システム10は、ユーザの皮膚上に配置され、アプリケータ部分は、そこから取り外される。
図4及び
図5は、システムのアプリケータ部分を取り外す前及び取り外した後の、ユーザの顔に配置された
図1の4~4面に沿ったシステム10の側面断面図である。この図は、第1の表面22及び第2の表面24を有するアプリケータ20の一部と、第1の表面42a、42d及び第2の表面44a、44dを有する活性膜40a及び40dと、顔表面52を有するユーザの顔50と、を示す。この図で見られるアプリケータ20の一部は、鼻開口部27の上にある部分、鼻開口部27と口開口部28との間、及び口開口部28の下にある部分である。
【0022】
図4は、皮膚治療システム10がユーザの顔50に配置されるとき、活性膜40a及び40dの第2の表面44a、44dが、顔50の表面52と接触することを示す。アプリケータ20の第2の表面24は、ユーザによって取り外されるまで、活性膜40a及び40dの第1の表面42a、42dと接触したままである。ユーザによってアプリケータ20が取り外されると、
図5に示す構造が生じる。アプリケータ20が取り外されるとき、活性膜40a及び40dの第2の表面44a、44dは、治療ゾーンで顔50の表面52と接触したままである。
【0023】
本発明のより具体的な態様によれば、アプリケータ20の第2の表面24は、活性膜40a及び40dの第1の表面42a、42dと着脱可能に付着する。活性膜40a及び40dに対するアプリケータ20の付着強度は、皮膚に対する膜40a及び40dの接着強度よりも小さい。したがって、アプリケータ20がユーザによって取り外されるとき、活性膜40a及び40dは、皮膚50に接着したままである。いくつかの実施形態では、膜40a及び40dは、接着剤の点塗布によって適所に保持される。
【0024】
いくつかの実施形態では、活性膜40a及び40dに対するアプリケータ20の剪断強度は、皮膚に対する膜40a及び40dの剪断強度よりも小さい。したがって、アプリケータ20がユーザによって取り外されるとき、活性膜40a及び40dは、皮膚50に接着したままである。
【0025】
いくつかの実施形態では、複数の着脱可能な膜は、アプリケータマスクのアプリケータ表面上に積み重ね体において形成され、各着脱可能な膜が、アプリケータの1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含む。隔離された身体部分に対する膜の接着は、アプリケータ表面及び積み重ね体における隣接する膜に対する膜の接着よりも大きい。
【0026】
図6及び
図7は、本発明のシステム100の第2の顔実施形態の図である。
図6は、システム100の背面分解図であり、
図7は、背面分解図である。皮膚治療システム100は、第1の表面122と、第2の表面124と、を有する、アプリケータ120を備えている。この実施形態では、アプリケータ120は、フェイシャルマスクとして示される。
【0027】
この実施形態のアプリケータ120は、目開口部126と、鼻開口部127と、口開口部128と、を有し、ユーザの顔全体を覆うようにサイズ決定される。他のフェイシャルマスク型実施形態では、アプリケータ120は、ユーザの顔を部分的に覆うようにサイズ決定されてもよく、上述のいずれかの開口部がなくてもよいことに留意することが重要である。
【0028】
アプリケータ120の第2の表面124の上に配置されるのは、膜130であり、それは、アプリケータ120の第2の表面124に着脱可能に配置される。膜130は、第1の表面132及び第2の表面134を有し、かつ1つ以上の有益剤を含有する活性領域140a、140b、140c、及び140dを有する。アプリケータ120と膜130との間の結合は、アプリケータ120の第2の表面124と膜130の第1の表面132との間で生じる。
【0029】
この実施形態の膜130は、目開口部136と、鼻開口部137と、口開口部138と、を有し、ユーザの顔全体を覆うようにサイズ決定される。他の実施形態では、膜130は、ユーザの顔を部分的に覆うようにサイズ決定されてもよく、上述のいずれかの開口部がなくてもよいことに留意することが重要である。
【0030】
この実施形態では、活性領域140aは、フェイシャルマスクアプリケータ120の額領域に配置され、一方、活性領域140b及び140cは、フェイシャルマスクアプリケータ120の頬領域に配置され、活性領域140dは、フェイシャルマスクアプリケータ120の顎領域に配置される。示される実施形態は、4つの活性領域(140a、140b、140c、及び140d)を有する着脱可能に配置された膜130を有するアプリケータ120を含むが、他の実施形態は、これよりも多くの活性領域又はこれよりも少ない活性領域を有する膜130を含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、1つ以上の活性領域、又は2つ以上の活性領域、又は4つ以上の活性領域、又は6つ以上の活性領域、又は8つ以上の活性領域、又は12つ以上の活性領域を含んでいてもよい。活性領域140の数及び位置は、治療される一般的な消費者の皮膚の傷(複数可)に依存する。
【0031】
上述したとおり、活性領域140は、1つ以上の有益剤を含有する。いくつかの実施形態では、活性領域は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の有益剤を含有してもよい。また、2つ以上の活性領域が存在する場合、各活性領域は、同じ有益剤(複数可)を含有してもよく、又は各活性領域は、異なる有益剤(複数可)を含有してもよい。
【0032】
活性領域140は、皮膚治療の場所に応じて、様々な形状を有していてもよい。活性領域140の可能な形状としては、限定されないが、正方形、長方形、三角形、円形、楕円形、腎臓形、星形、十字形、文字の形などが挙げられる。治療ゾーンは、約1,000cm2よりも大きくてもよく、約1,000cm2、又は約100cm2、又は約10cm2、又は約1cm2、又は1cm2未満であってもよい。
【0033】
本発明のより具体的な態様によれば、アプリケータ120の第2の表面124は、膜130の第1の表面132と着脱可能に付着する。膜130に対するアプリケータ120の付着強度は、皮膚に対する膜130の接着強度よりも小さい。そのため、アプリケータ120がユーザによって取り外されるとき、膜130は、治療ゾーンの位置で皮膚に接着したままである。
【0034】
図8及び
図9は、本発明のシステム200の第3の顔実施形態の図である。
図8は、システム200の背面分解図であり、
図9は、背面分解図である。皮膚治療システム200は、第1の表面222と、第2の表面224と、を有する、アプリケータ220を備えている。この実施形態では、アプリケータ220は、フェイシャルマスクとして示される。
【0035】
この実施形態のアプリケータ220は、目開口部226と、鼻開口部227と、口開口部228と、を有し、ユーザの顔全体を覆うようにサイズ決定される。他のフェイシャルマスク型実施形態では、アプリケータ220は、ユーザの顔を部分的に覆うようにサイズ決定されてもよく、上述のいずれかの開口部がなくてもよいことに留意することが重要である。
【0036】
アプリケータ220の第2の表面224の上に配置されるのは、膜230であり、それは、アプリケータ220の第2の表面224に着脱可能に配置される。膜230は、第1の表面232と、第2の表面234と、を有する。アプリケータ220と膜230との間の結合は、アプリケータ220の第2の表面224と膜230の第1の表面232との間で生じる。
【0037】
この実施形態の膜230は、目開口部236と、鼻開口部237と、口開口部238と、を有し、ユーザの顔全体を覆うようにサイズ決定される。他の実施形態では、膜230は、ユーザの顔を部分的に覆うようにサイズ決定されてもよく、上述のいずれかの開口部がなくてもよいことに留意することが重要である。
【0038】
膜230の第2の表面234上に、活性膜240a、240b、240c、及び240dが配置されている。いくつかの実施形態では、これらの活性膜は、膜230の第2の表面234に着脱可能に配置され、1つ以上の有益剤を含有する。活性膜240a、240b、240c、及び240dは、第1の表面と、第2の表面と、を有する。
図9は、膜240dの第1の表面242d、並びに活性膜240a、240c、及び240dの第2の表面244a、244c、及び244dをそれぞれ示す。膜230と活性膜240a、240c、及び240dとの間の結合は、膜230の第2の表面234と膜の第1の表面との間で生じる。
【0039】
この実施形態では、活性膜240aは、膜230の額領域に配置され、一方、活性膜240b及び240cは、膜230の頬領域に配置され、活性膜240dは、膜230の顎領域に配置される。示されている実施形態は、4個の活性膜(240a、240b、240c、及び240d)を含む膜230を有しているが、他の実施形態は、これよりも多い、又はこれよりも少ない活性膜を含んでいてもよい。いくつかの実施形態は、1つ以上の活性膜、又は2つ以上の活性膜、又は4つ以上の活性膜、又は6つ以上の活性膜、又は8つ以上の活性膜、又は12つ以上の活性膜を含んでいてもよい。活性膜240の数及び位置は、治療される一般的な消費者の皮膚の傷(複数可)に依存する。
【0040】
上述したとおり、活性膜240は、1つ以上の有益剤を含有する。いくつかの実施形態では、膜は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の有益剤を含有してもよい。また、2つ以上の活性膜が存在する場合、各活性膜は、同じ有益剤(複数可)を含有してもよく、又は各活性膜は、異なる有益剤(複数可)を含有してもよい。
【0041】
活性膜240は、皮膚治療の場所に応じて、様々な形状を有していてもよい。活性膜240の可能な形状としては、限定されないが、正方形、長方形、三角形、円形、楕円形、腎臓形、星形、十字形、文字の形などが挙げられる。治療ゾーンは、約1,000cm2よりも大きくてもよく、約1,000cm2、又は約100cm2、又は約10cm2、又は約1cm2、又は1cm2未満であってもよい。
【0042】
本発明のより具体的な態様によれば、アプリケータ220の第2の表面224は、膜230の第1の表面232と着脱可能に付着する。膜230に対するアプリケータ220の付着強度は、皮膚に対する膜230の接着強度よりも小さい。そのため、アプリケータ220がユーザによって取り外されるとき、膜230は、治療ゾーンの位置で皮膚に接着したままである。
【0043】
皮膚治療システム10、100、及び200は、本発明の実施形態では、フェイシャルマスクの形態でアプリケータ20、120、及び220を使用するが、皮膚治療システムは、他の隔離された身体部分、例えば、腕、手、脚、又は足などに使用してもよいことに留意することが重要である。これらの他の実施形態では、アプリケータ20、120、及び220は、他の隔離された身体部分に適切な形状であろう。
【0044】
アプリケータ20、120、及び220は、消費者の皮膚上の治療部位に形成することができる可撓性の生体適合性材料で作られる。アプリケータを形成するために使用され得る多数の可撓性の生体適合性材料が存在する。これらの材料としては、限定されないが、ポリ(エチレン)(PE)若しくはポリ(プロピレン)(PP)などのポリオレフィン;ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE);ポリ(塩化ビニル)(PVC);ポリ(ジメチルシラン)(PDMS)などのシリコーン;ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)若しくはポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)などのポリアクリレート;ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ-L乳酸(PLA)、若しくはポリジオキサノン(PDO)などのポリエステル;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)若しくはポリエーテルスルホン(PES)などのポリエーテル;ポリアミド(ナイロン);又はポリウレタン(PU)、ポリカプロラクトン、又は上記の組み合わせが挙げられる。アプリケータ20を形成する方法については、後述する。
【0045】
本発明のより具体的な態様によれば、膜に対するアプリケータの付着強度は、皮膚に対する膜の接着強度よりも小さい。そのため、アプリケータがユーザによって取り外されるとき、膜は、治療ゾーンの位置で皮膚に接着したままである。
【0046】
この相対的な接着強度は、アプリケータの第2の表面(24、124、又は224)(使用中に皮膚の方を向く表面)で、又は膜の第1の表面(42、132、若しくは232)(使用中に皮膚から離れた方を向く表面)で少なくともアプリケータの材料を変えることによって提供される。アプリケータ内又は膜内の材料に粘着付与剤を添加すると、2面の間の付着強度を増加させることができる。アプリケータ(20、120、又は220)と付随する膜(40、130、又は240)との間の付着強度も、この膜と接触するアプリケータの表面の表面質感によって影響を受ける。複数の平行な溝、ビーズ吹付加工された質感などの質感を付与すると、これらの面の間の付着強度を高めることができる。
【0047】
本発明の膜40、130、及び240は、着用が快適であり、所望される場合、所定の長い時間、例えば、少なくとも30分間、又は少なくとも1時間、又は少なくとも約6~8時間、又は少なくとも約12時間、又は約24時間、所定場所にとどまった後に、容易に取り外し可能である形態で提供される。膜40、130、及び240は、皮膚に対する低い接着性によって、又はこれに水を加えたときに容易に取り外し可能である。容易に取り外し可能とは、膜構造に水を加えると、膜構造が溶解又は崩壊し、その結果、ごしごし擦ることなどを行わなくても、皮膚から取り外すことができることを意味する。いくつかの実施形態では、膜は、経時的に接着性を失い、その場所から脱落し得る。膜40、130、及び240は、好ましくは、局所適用されるスキンケアフィルム、パッチ、アップリケなどであり(本明細書で以下、便宜上「フィルム構造」と称するが、限定する意図はない)、好ましくは、比較的可撓性である。
【0048】
本発明の膜40、130、及び240は、好ましくは、本明細書において以下で更に詳細に記載するように、比較的薄く、可撓性であり、そのため、好ましくは、容易にユーザの皮膚に沿い、装用が快適であるが、これらは、可撓性及び形状適合性、並びにその薄さによるものである。長時間の装用が意図される本発明の膜40、130、及び240はまた、好ましくは、剥離、皺、割れがなく、又は油っぽさ若しくはべとつきがない外観で、又は本質的に、不快ではなく、若しくは見栄えが悪い状態ではなく、美的に上質であるように形成される。膜40、130、及び240は、好ましくは、皮膚に置かれたときに通常の使用に耐え得る十分な剛性及び一体性を有するように形成される。例えば、本発明の膜40、130、及び240は、好ましくは、皮膚が受け得る通常の外力、例えば、衣類、枕の擦れなどに曝されたときに、皮膚上で無傷な状態で保たれるように十分な強度を有するように形成される。
【0049】
所望される場合、本発明の膜40、130及び、240は、構造的一体性を有するように形成されてもよい。本明細書で使用される場合、構造的一体性とは、アプリケータと独立して操作されつつ、膜が実質的にモノリス状の形態又は構造を維持するか、又は断裂若しくはひび割れに耐える物理的な能力であると理解されるべきである。
【0050】
本発明の膜40、130、及び240の構造的一体性は、好ましくは、以下で更に詳細に記載するように、取り扱い時及び使用時に無傷なままに保たれ、適用される適用部位の輪郭に沿う膜の能力にも寄与することが認識されるだろう。例えば、各膜は、操作されるとき、又は他の形で使用されるときに、膜が容易に裂けないような十分な構造的一体性を有することが望ましい。製品が、皮膚などの適用部位に、曲がりやすく、粘着性がある連続した被覆を達成する能力に寄与する、1つ以上のフィルム形成剤の選択は、本発明の膜の所望の構造的一体性を達成する一様態であることが認識されるだろう。いくつかの実施形態では、可塑性及び可撓性を生成又は促進し、脆弱性を低減するための1つ以上の可塑剤の選択は、本発明の膜の所望の構造的一体性を達成する別の様態である。
【0051】
本発明の膜40、130、及び240の構造的一体性は、典型的には、その構造の引張強度又は弾性率及び厚さと相関され得る。本発明と関連して、構造的一体性は典型的に、厚さ及び降伏強さが大きくなるにしたがって増大する。しかしながら、これらの性質は、以下で更に詳細に述べるように、膜が快適に着用されるかどうかに関するこれらの性質の影響とバランスが取られなければならない。引張強度は、膜40、130、及び240の取り扱い及び/又は皮膚からの取り外しなどの目的のために、本発明の原理に従って使用される膜40、130、及び240の構造的一体性に寄与する。引張強度は、特に、膜が取り扱われ、及び/又は皮膚から取り外されるときに、ひび割れに耐えるかどうかに影響を与える。例えば、本発明の膜40、130、及び240は、好ましくは、約500psi~約10,000psiの弾性率を有する。一実施形態では、約2,500psiの弾性率が使用時に快適であるために所望の剛性を提供することが見出されている。幅3/4インチ(1.905cm)、厚さ0.1mmの典型的な試料は、約2lbf(ポンド力)の破断強さを有するが、有用な破断強さの範囲は約0.5lbf~約5lbfであることは認識されよう。膜の接着値は、好ましくは225gms/25mm~1500gms/25mm(8~50オンス/インチ)である。しかしながら、当業者に認識される一部の状況では、接着値は、3000gms/25mm(100オンス/インチ)程度大きくてもよい。膜の剪断値は、好ましくは、PSTC-107(ASTM D3654)-手順Aで、250超~500分である。
【0052】
アプリケータと膜との間の接着は、好ましくは、約2~3オンス/インチであるか、又は膜と適用される局所表面との間の接着よりも10~20%低い(いずれか高い方)。膜がアプリケータ内で積み重ねられる場合、局所表面に対する身体に接触する膜の接着と、隣接する膜に対する身体に接触する膜の接着との間で、同様の関係を使用することができる。
【0053】
膜の厚さもまた、構造的一体性に影響を及ぼす。例えば、本発明の膜の厚さは、約0.05mm~約2mm、好ましくは約0.05mm~0.3mmであってもよい。以下で更に詳細に記載されるように、約0.1mmの厚さは、膜がそのような使用の全体にわたって、かつ所与の適用部位に着用されている間、その構造的一体性を維持するように膜を取り扱い、適用し、最終的には取り外すのに望ましい機械的特性を提供することが見出された。
【0054】
本発明の一態様によれば、本発明の膜40、130、及び240は、自己接着性である。すなわち、膜は、ユーザの皮膚と接触すると皮膚に接着し、好ましくは、水などの別の組成物を加える更なる工程を必要とせずに接着する。
【0055】
一実施形態では、水溶性の生体接着性ポリマーを使用して皮膚の接着特性を向上させることができる。本発明において有用な例としては、セルロース及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸コポリマー、メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー、アクリル酸コポリマー、メタクリル酸とメタクリレートのアニオン性ポリマー、ジメチルアミノエチルアンモニウム官能基を有するカチオン性ポリマー、ポリエチレンオキシド、水溶性ポリアミド又はポリエステル、ポリエチレングリコール、水溶性アクリルポリマー、水溶性ポリエステル、ヒドロキシアルキルデンプン、カゼイン、ゼラチン、可溶化タンパク質、ポリアクリルアミド、ポリアミン、ポリクオタニウムアミン、スチレン無水マレイン酸樹脂、ポリエチレンアミンが挙げられるが、これらに限定されない。水溶性炭水化物は、膜中の水溶性ポリマー又は親水性ポリマーへの水素結合又は共有結合を形成することができる。
【0056】
本発明の一態様によれば、本発明の膜40、130、及び240の接着品質は、好ましくは、皮膚を刺激することなく、本明細書で上に記載するとおり、長時間にわたってユーザの皮膚に膜を固定することができる。好ましくは、膜は、このような部位の所定場所に膜があることが合理的であり、及び/又は示されている間に限り、適用部位に接着することができる。このため、接着時間の時間的な上限は、ユーザ又は着用者が、典型的には、膜が自身で適用部位から自然に剥がれ落ちる前に、膜を剥がしたいと考えるため、重要ではない。膜40、130、及び240が、水を加えると容易に取り外し可能である実施形態では、本発明の膜を所与の適用部位に接着する時間量は、適用領域が、水に曝されないことに耐えられる時間量によって決められる。例えば、一部の外科部位は、長時間、例えば、数日間にわたって水に曝されないことが認識されよう。したがって、そのような部位に適用される膜は、必要に応じて部位が水に曝されない限り、そのような部位に接着可能でなければならない。認識され得るように、接着剤は、好ましくは、粘膜組織とは対照的に、典型的には湿っているとみなされない皮膚表面に適用されるように選択される。使用者の皮膚に接着可能であることにより、膜は、単純に接着可能ではあるが、特定の用途において、かかる性質が望ましくない場合又は不要である場合には、必ずしも接着する必要はないことが認識されるだろう。
【0057】
本発明の膜40、130、及び240は、好ましくは、上述のとおり、長時間にわたって適用部位に接着したままであるように形成され、皮膚と接触しない表面(それぞれ膜40、130、及び240の第1の表面42、132及び244)は、好ましくは、意図した膜の使用を容易にするような望ましい特性及び特徴を有している。例えば、膜は、適用部位に接着するように設計されているため、膜が適用部位に長時間にわたって接着するように設計されている場合には、接着剤が外側に面する表面が、膜使用中に意図せずに、又は不用意に別の表面若しくは物体と接着する可能性がある。そのような意図せずに、又は不用意に起こる事態によって、膜が適用部位からずるか、又は悪くすると適用部位から(部分的又は更には完全に)取れてしまう可能性がある。更に、接着材料は、典型的には、埃若しくは汚れ、又は他の細片を引き寄せ、これは装用者によって見栄えが悪く、望ましくないものとみなされがちであることが認識されよう。したがって、本発明の皮膚と接触しない表面(それぞれ膜40、130、及び240の第1の表面42、132、及び244)は、非粘着性であり、接着性ではなく、擦ったときに静電気の発生が低いか、又は静電気を生じさせないことが好ましい。したがって、本発明の膜40、130、及び240は、長時間にわたって適用部位に接着したままであり、好ましくは、第1の表面42、132、及び244は、非粘着性であり、非接着性である。
【0058】
第1の表面42、132、及び244が擦られる場合、又は何か若しくは他の接触によって擦られる場合、又は別の表面又は膜40、130、及び240と接触する場合、膜40、130、及び240は、このような表面若しくは膜と接着してはならない。
【0059】
膜40、130、及び240は、装用時に、美的に望ましいものになるように、又は少なくとも不快である若しくは見栄えが悪くならないように、ユーザの皮膚のトーンと合うように色づけ若しくは着色されていてもよい。
【0060】
膜40、130、及び240は、その位置で別個のものであることが明らかであるように形成されてもよい。膜が日中装用される場合に、その目立ちやすさが可能な限り最小化されるように、本発明の膜40、130、及び240を、その場で視覚的に異なるようにするように、更なる特性が選択されてもよい。例えば、膜が薄いほど、その構造は、典型的には見えにくい。加えて、又は代替的に、色、質感(例えば、でこぼこ、つるつる、滑らか、又は、自然の凹凸を有する皮膚に対して膜が完全に滑らかとならないように膜が適用される皮膚の質感とほぼ一致する「オレンジピール」表面など、他の形の質感)、光沢(適用部位に応じて光沢を有するか又は鈍いもの)などを必要に応じて改変して、膜の適用部位への溶け込みを促すことができる。本発明の膜40、130、及び240は、長時間(例えば上に述べたように1時間より長く、及び/又は更には一晩)にわたって装用されるように構成され得ることから、膜は、好ましくは、装用時に快適であるように形成又は構成される。限定されるものではないが、触感特性、材料の厚さ(耐久性だけではなく、適用部位での重量に影響する)、剛性及び透過性を含む様々な因子を、所望の快適性又は快適度を実現するうえで(個別に、又は任意の組み合わせで)考慮することができる。快適性に寄与し得る触感特性としては、平滑性、及び/又は膜構造体を選択された適用部位に接着するために使用される接着剤の粘着性などが挙げられる。快適性に寄与し得る追加の触感特性としては、弾性率及び摩擦係数(単なるそのような特性の美的側面ではなく)によって決定されるような、膜の柔らかさ、滑らかさ、及び質感が挙げられる。
【0061】
厚さは、剛性を含む様々な更なる要因に影響する(より剛性の高い膜は、より剛性の低い膜と比較して、典型的には快適性は低い)。材料特性(形態とは独立した材料の組成の関数)及び構造特性(膜の形態)は、ユーザによって装用される際に、本発明の原理に従って形成される膜の実現可能な快適度に影響し得る。本発明の原理に従って形成される膜の全ての所望の特性のバランスが取られなければならない点が認識されるであろう(ある特性は互いに相補的であるが、他の特性は互いに相反する性質のものである)。快適性に関し、快適性に寄与する特性は、構造的一体性に寄与する特性とバランスが取られなければならない点が認識されるであろう。「快適性」に影響を及ぼす少なくとも3つの構造的特性が存在する:可撓性(単一の曲げ方向について。一般に、可撓性は、厚さと曲げ弾性率との組み合わせと考えられる)、伸縮性(単一の軸方向で。一般に、伸縮性は、厚さと弾性率との組み合わせであると考えられる)、形状一致性(一般に、複雑な表面について、可撓性と複数方向の物理的形状との組み合わせと考えられる)。快適性は、厚さ及び弾性率の両方を最小とすることによって実現することが可能である。可撓性及び伸縮性は、いずれも材料の弾性率の関数であることが認識されよう。より詳細には、可撓性は一般的に材料の厚さ及び曲げ弾性率によって規定される。伸縮性は、厚さと弾性率の関数である。材料が厚いほど、剛性は高くなり(この特性は快適性と相関する)、可撓性及び伸縮性が低くなり、概して快適性に悪影響を及ぼす。弾性率は、材料の弾性又は脆性の程度に一般的に影響し、材料の可撓性を決定することから快適性と関連付けられる。材料の曲げ弾性率又は弾性率が高くなると、材料の可撓性及び伸縮性はそれぞれ低くなる。詳細には、弾性率又は曲げ弾性率が高いほど剛性の高い材料となり、その結果、材料は可撓性が低く、伸縮性が低いものとなる。曲げ弾性率又は弾性率が一定である場合、材料が厚いほど材料の可撓性又は伸縮性は低くなる。認識されるように、快適性は所与のフィルムの厚さを現実的な下限値にまで最小化することによって達成することができる。この下限値は、自立性接着フィルムを取り扱い、操作し、自立性接着フィルムの適用及び取り外しを促進するために十分な構造を提供することによって規定される。材料の観点からは、弾性率が快適性と最も強く関連している。弾性率が低いほど、典型的には、フィルム構造体はより快適となる。約500psi~約10,000psiの弾性率は、使用者に許容される快適度を提供し、より好ましい弾性率の範囲は、約1,000psi~約5,000psiであり、好ましい弾性率は約2,500psiである。形状一致性、例えば、例えば所与の部位(典型的には複雑な曲率を有する表面)に沿う能力は、可撓性が関与するばかりでなく、一般的には、多方向の可撓性及び伸縮性(例えば関節を覆って配置された場合に、膜が伸びることができるように)が関係する。形状一致性は、適用部位の物理的形状又は輪郭の観点で定義されなければならず、表面と可撓性との組み合わせについて決定される。膜は、複雑な表面に沿うことができるように、特に平面的な形状を有する必要があり得る。好ましくは、本発明の原理に従って使用される膜は、全ての方向に実質的に同じ性質を有する。
【0062】
本発明の原理に従って使用される膜40、130、及び240が、長時間にわたって適用部位にとどまる場合、かかる膜は、所望の程度の通気性を有することが好ましい。通気性はまた、所望の皮膚湿潤化又は適切な皮膚含水率バランスを提供するように膜が機能するために、これらの効果を得るうえでも重要となり得る。通気性は、皮膚バリア及び消費者の知覚に影響する酸素交換率に関係し、その関数である。通気性は、水分透過性の関数でもある。本発明の原理に従って使用される膜40、130、及び240は、好ましくは、皮膚含水量がバランスの取れた状態にとどまるように十分に通気性である。当然ながら、本発明の使用による所望の結果の1つが、皮膚含水率を高めるか又は増大させることにある場合、更に詳細に以下で述べるように、膜の通気性は、好ましくは、かかる湿潤化を促進するように選択することができる。半閉塞性フィルムは、水分の損失を少なくとも部分的に阻害することで、皮膚内部に水分を保持する。本発明の原理に従って使用される膜40、130、及び240は、好ましくは、水分透過に対する抵抗を提供し、かつ約50~150グラムの水分/時/平方メートルの水分透過速度を有し得る。かかる膜は、フィルム障壁がなければ生じる蒸発を約87%遮断するか、又は妨げることが見出されている。
【0063】
本発明の原理に基づいて使用される膜40、130、及び240は、以下で更に記載するように、通気性を維持するためばかりでなく、半閉塞性の膜で適用部位を被覆することで生じることが見出された他の効果を提供するうえでも、半閉塞性(好ましくは閉塞率が約50~85%)であってもよい。いくつかの実施形態では、本発明の膜40、130、及び240は、膜の全体的な半閉塞性の性質に更に寄与する上層を含んでもよい。具体的には、上層は、吸湿性の皮膚接触層と共に機能することができる。かかる皮膚接触層が更に水和すると、皮膚接触層は更に構造的一体性を失い、フィルム状物質から、上層と独立して構造一体性のないゲル相に変化し得る。したがって、この層は、適用部位で皮膚接触面を本質的に覆い、かつ封入するため、皮膚接触面が、適用部位を水和することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、本発明の原理に従って使用される膜40、130、及び240は、水を添加するだけで溶解又は崩壊する。好ましくは、自立性接着フィルムの取り外しを促進するうえで、機械的な振動は必要とされない。好ましくは、本発明で使用される膜40、130及び240は、好ましくは、典型的な消費者の適用部位の洗浄方法のパラメータ内で完全に溶解し、膜が存在していない場合には、消費者による更なる洗浄時間は必要とされない。好ましくは、本発明で使用される膜40、130、及び240は、ユーザの適用部位からすぐに取り外すために急速溶解性である(顔を洗うとき、好ましくは、水を加えると約5分未満で、更には約1分未満、更には約30秒未満で)。典型的には、5分よりも長い時間洗浄される身体の他の部分の部位ではより長い溶解速度が許容されるが、好ましくは、除去するのにごしごし擦る必要があるほど長い溶解時間ではないことが認識されよう)。シミュレートした約4フィート/秒の洗浄水流(フィルム表面に対して平行な流れ)では、完全な溶解は約67秒で測定され、約30秒で外側フィルム表面に最初の裂け目が生じた。別の実施形態では、膜は、湿らせた布、シート、又は織材料若しくは不織布材料から作られるパッドを用いて除去することができる。
【0065】
膜の主な機械的強度は、フィルム形成剤(好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA))によって作られ、水に曝されると破壊する膜の場合、典型的には、所望される場合に膜をすぐに破壊することが可能な能力にも基づいて選択される。一実施形態では、フィルム形成剤は、好ましくは、水を加えたときに、取り外すために膜を溶解又は崩壊させる所望の能力を達成するように選択され、選択される膜組成物の最初の構成要素であってもよく、他の構成要素は、所望される場合に既に選択したフィルム形成剤と相互作用するように選択されることが理解されるだろう。グリセリンなどの可塑剤をフィルム形成材料に添加することによって、可撓性が達成される。フィルム形成材料及び/又は可塑剤は、典型的には、構造的一体性の主たる寄与物質であり、典型的には、上で述べたような性質を有する外側に面した上層を形成するために用いられる組成物の成分である。例示的なフィルム形成材料及び可塑剤について、以下でより詳細に記載する。固形分含量について見ると、PVAを本発明の原理に従って使用されるフィルム構造体の乾燥成分の70重量%とし、グリセリンを20重量%とすることができる。グリセリンをフィルム構造体のわずか10重量%~30重量%の範囲とし、PVAを乾燥成分の90重量%とすることができる。
【0066】
本発明で使用される局所皮膚膜40、130、及び240を製造するのに好適ないくつかの親水性フィルム形成ポリマーは、合成、半合成、又は天然起源であってよい。かかる親水性フィルム形成ポリマーとしては、限定されるものではないが、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、多糖類、並びにこれらの誘導体、コポリマー、又はポリマーが挙げられる。多層局所皮膚膜は、成形フィルムを含むがこれに限定されない、多種多様な製品形態として製造することができる。
【0067】
本発明の膜40及び240、並びに活性領域140は、少なくとも1つの活性物質、活性薬剤、又は有益剤を含有する。本発明のフィルム構造体に使用することが可能な有益剤としては、化粧剤及び治療剤が挙げられる。そのような物質は、ヒアルロン酸;ヒドロキシ酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、サリチル酸、クエン酸、酒石酸);抗座瘡剤(例えば、サリチル酸、レチノール、レチノイド、又は他の角質溶解剤、及び過酸化ベンゾイル、又は座瘡の治療に用いられる他の抗微生物剤など);光沢調節剤(例えば、コメタンパク質、コットンパウダー、エルビオール(ジクロロフェニルイミダゾールチオキソラン);トレチノイン、イソトレチノイン、モトレチニド、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸、及びレチノールなどのレチノイド又はその誘導体;例えば、グリシン誘導体などの5αリダクターゼ阻害剤;大豆タンパク質及び小麦タンパク質などを含む加水分解植物性タンパク質;緑茶(カメリア・シネンシス(camellia sinesis))抽出物、及びシナモン樹皮抽出物);保湿剤;抗微生物剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロルカルバン(triclocarbon)、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩化セチルピリジウム、及び塩化メチルベンゼトニウム(methyl and benzothonium chloride)などのカチオン性抗微生物剤;ロドプロピニルブチルカルバメート、ジアゾリジニル尿素、二グルコン酸クロルヘキシデンジグルコネート、酢酸クロルヘキシデン、イセチオン酸クロルヘキシデン、及び塩酸クロルヘキシデンなどのクロルヘキシジンの塩類;2,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)などのハロゲン化フェノール化合物;パラクロロメタキシレノール(PCMX);エタノール、プロパノールなどの短鎖アルコール);抗生剤又は消毒剤(ムピロシン、硫酸ネオマイシン、バシトラシン、ポリミキシンB、1-オフロキサシン、テトラサイクリン類(塩酸クロロテトラサイクリン、10塩酸オキシテトラサイクリン、及び塩酸テトラサイクリン)、リン酸クリンダマイシン、硫酸ゲンタマイシン、メトロニダゾール、ヘキシルレゾルシノール、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、第四級アンモニウム化合物、ティーツリー油、並びにこれらの医薬的に許容される塩及びプロドラッグ)、抗炎症剤(適切なステロイド系抗炎症剤、例えば、コルチコステロイド、例えば、ヒドロコルチゾン、ヒドロキシルトリアムシノロン、α-メチルデキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デソキシメタソン、酢酸デソキシコルチコステロン、デキサメタゾン、ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、フルドロコルチゾン、ピバリン酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、二酢酸ジフルオロゾン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾン、クロロプレドニゾン、酢酸クロロプレドニゾン、クロコルテロン、クレスシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドネート、フルクロロニド、フルニゾリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、吉草酸ヒドロコルチゾン、シクロペンチルプロピオン酸ヒドロコルチゾン、ヒドロコルタメート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロン、及びこれらの塩など、非ステロイド系抗炎症剤、ナツシロギク(タナセタム・パーテニウム(Tanacetum parthenium))、クコの実(リシウム・バルバラム(Lycium barbarum))、マリアアザミ抽出物(シリバム・マリアナム(Silybum marianum))、アマランス油(アマランサス・クルエンタス(Amaranthus cruentus))、ザクロ(プニカ・グラナタム(Punica granatum))、イェルバ・マテ(イレクス・パラグアリエンシス(Ilex paraguariensis)葉抽出物)、ホワイトリリー花抽出物(リリウム・カンジダム(Lilium Candidum))、オリーブ葉抽出物(オレア・エウロピア(Olea europaea))、及びフロレチン(リンゴ抽出物));抗糸状菌/抗真菌剤(ミコナゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、セルタコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール、クリオキノール、ビフォコナゾール、テルコナゾール、ブトコナゾール、チオコナゾール、オキシコナゾール、スルコナゾール、サペルコナゾール、クロトリマゾール、ウンデシレン酸、ハロプロジン、ブテナフィン、トルナフテート、ナイスタチン、シクロピロクスオラミン、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、エルビオール、グリセオフルビン、並びにこれらの薬学的に許容される塩及びプロドラッグ;アゾール、アリルアミン、又はこれらの混合物);外用鎮痛剤(例えば、イブプロフェン又はジクロフェナク;カプサイシン、フェンタニル、及びクエン酸フェンタニルなどのこれらの塩;パラセタモール(アセトアミノフェンとして);サリチル酸エステルなどの非ステロイド系抗炎症剤(NSAID);モルヒネ及びオキシコドンなどのオピオイド薬;イブプロフェン又はジクロフェナク含有ゲル);酸化防止剤(例えば、スルフヒドリル化合物及びその誘導体(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及びN-アセチルシステイン)、リポ酸及びジヒドロリポ酸、レスベラトロル、ラクトフェリン;アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、及びアスコルビン酸誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、及びアスコルビルポリペプチドなど);ブチルヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン(ブチルヒドロキシトルエン)、レチノイド(例えば、レチノール及びパルミチン酸レチノール)、トコフェロール(例えば、酢酸トコフェロール)、トコトリエノール、及びユビキノン;システイン、N-アセチルシステイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒド・スルホキシル酸ナトリウム、アセトン-重亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、及びノルジヒドログアイアレチン酸;フラボノイド及びイソフラボノイド、並びにこれらの誘導体(例えば、ゲニステイン及びジアゼイン);レスベラトロルなどを含む抽出物;グレープシード、緑茶、松樹皮、及びプロポリス;クローブ、シナモン、オレガノ、ターメリック、クミン、パセリ、バジル、カレー粉、マスタードシード、ショウガ、コショウ、チリパウダー、パプリカ、ガーリック、コリアンダー、オニオン、及びカルダモンなどの植物由来のポリフェノール抗酸化物質;セージ、タイム、マジョラム、テラゴン、ペパーミント、オレガノ、セイボリー、バジル、及びイノンドなどの一般的なハーブ類));脱毛剤(例えば、チオグリコール酸カルシウム又はチオグリコール酸カリウム);ビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE;α、β、γ、又はδトコフェロール、ナイアシン、又はナイアシンアミド)、並びにアスコルビン酸ジグルコシド、及び酢酸又はパルミチン酸ビタミンEなどのビタミン塩又は誘導体;サンブロック(例えば、二酸化チタン)及び/又はサンスクリーン(例えば、二酸化チタン及び酸化亜鉛などの無機サンスクリーン;オクチルメトキシシンナメート、サリチル酸オクチル、ホモサラート、アボベンゾンなどの有機サンスクリーン;血管拡張薬(例えば、ナイアシン);保湿剤(例えば、グリセリン);アンチエイジング剤(例えば、レチノイド;ジメチルアミノエタノール(DMAE)、銅含有ペプチド);グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、α-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシイソ酪酸、α-ヒドロキシイソカプロン酸、アトロ乳酸、α-ヒドロキシイソ吉草酸、ピルビン酸エチル、ガラクツロン酸、グルコヘプトン酸、グルコヘプトノ1,4-ラクトン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルクロン酸、グルクロノラクトン、ピルビン酸イソプロピル、ピルビン酸メチル、ムチン酸、ピルビン酸、サッカリン酸、サッカリック酸1,4-ラクトン、酒石酸、及びタルトロン酸などのα-ヒドロキシ酸又はフルーツ酸及びこれらの前駆体;β-ヒドロキシ酪酸、β-フェニル-乳酸、及びβ-フェニルピルビン酸などのβ-ヒドロキシ酸;亜鉛及び酸化亜鉛などの亜鉛含有化合物;緑茶、大豆、マリアアザミ、藻類、アロエ、アンゼリカ、ビターオレンジ、コーヒー、オウレン、グレープフルーツ、ブクリョウ、スイカズラ、ハトムギ、シコン、クワ、ボタン、プエラリア、コメ(nice)、及びベニバナなどの植物抽出物、並びにこれらの塩類及びプロドラッグ);カロチノイド、セラミド、脂肪酸、酵素、酵素阻害剤、ミネラル、ステロイド、ペプチド、アミノ酸、植物抽出物、着色剤などを含むがこれらに限定されない多種多様な組成物のうちのいずれかであり得る。物質は、例えば、保湿、皮膚のトーン又は色合いの改善(例えば、顔料によるなど)、様々な皮膚の状態(例えば、乾燥又は重度の乾燥肌、湿疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮疹、座瘡、黒頭病、膿疱、面皰、酒さ、帯状疱疹、皺、口唇ヘルペス、ヘルペス、いぼ、日焼け、虫刺され、ツタウルシなど)を治療又は少なくとも緩和すること、機械力(例えば、収縮)を加え、皺を伸ばすこと、あるいは、より一般的には、望ましくない皮膚の欠陥(例えば、目の下のくま、座瘡の発赤、小皺及び皺、炎症後色素沈着(PIH)、発赤、炎症、セルライト、皺、年齢による染み、斑状色素沈着、肝斑、目の下の腫れ)の症状及び外観を治療又は緩和すること、望ましくない顔又は身体の毛を脱毛すること、傷口の治癒を助けること、などの様々な方法のうちのいずれかで皮膚に影響を及ぼすことができる。例えば、ローション、クリーム、オイル、及び更にはマスクを皮膚に適用することで皮膚を治療し、又は他の形で皮膚に影響を及ぼすことができる。このような個人向け又は消費者向けヘルスケア物質は、皮膚を通じた拡散又は輸送の速度が皮膚の両側の有効成分の濃度の差と相関する拡散の原理に概ね従って、皮膚に吸収される。
【0068】
システムの製造方法
(a)皮膚分析のためにユーザのデジタル顔幾何学的形状と顔の状態の画像を捕捉し、接続センターと、その出力をクラウドベースのハブコンピューティングデータシステムとを備える中央コンピュータシステムに供給し、ユーザの顔幾何学的形状のデジタルデータと、顔の状態の画像を、アップロード、保存、及び共有することができる、撮像デバイスシステムと、(b)幾何学的形状及び外観再構築のための2Dから3Dへの再構築及び人工知能(機械学習)アルゴリズムと、(c)皮膚の比較及びランク分けのための皮膚特徴データベースと、(d)皮膚分析出力画像、顔マップ、評価結果、及び治療推奨をユーザに提供する皮膚分析アルゴリズムと、(e)入力及び治療選択のためのユーザアクセスに対して提供されるインターネットポータルサイトと、を少なくとも含む、システム及び方法も提供される。中央コンピュータシステムからの出力は、ローカルコンピュータへのダウンロード、治療配合器、3D印刷又はデジタル計算熱真空形成器、6軸ロボット処理堆積デバイスのために提供され、種々の治療薬をマスク本体の方の面に対して膜に堆積させ、特定のユーザのための領域特定的な個別化された治療薬を含む個別化された共形フェイシャルマスクを生成する。同様の手法を、個々のパッチ又はパッチの一群に適用することができる。
【0069】
システムの使用方法
加えて、本願発明者らは、隔離された身体部分の画像を捕捉する工程と、画像データを、隔離された身体部分の幾何学的形状の数学的モデルに変換する工程と、隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクを形成する工程と、アプリケータの1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含むアプリケータマスクのアプリケータ表面上に、着脱可能な膜を形成する工程であって、隔離された身体部分に対する膜の接着が、アプリケータ表面に対する膜の接着よりも大きい、工程と、着脱可能な膜が隔離された身体部分と接触するように、隔離された身体部分上にアプリケータマスクを配置する工程と、膜を隔離された身体部分と接触させたままにしつつ、隔離された身体部分からアプリケータマスクを取り外す工程と、を含む、隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のための方法を特定した。
【0070】
使用中、システムは、走査場に置かれ、かつ撮像デバイスによって走査されている、患者の身体部分を走査する。この撮像デバイスは、患者の身体部分から多くの特徴(形状及び微細な幾何学的形状)を検知することができる。例えば、デバイスは、局所的な身体の幾何学的形状を、異なる光源、例えば、市販の撮像デバイスVISIA、VISIONFACE 1000D、Sony Beauty Explorerなどを用い、熱が増えている領域から白色光(LED)、赤外光を用いて検知し、皮膚の油っぽさ又は乾燥を反射により検知し、斑、皺、染み、質感、穴、UV斑、褐色斑、紅斑、ポルフィリン、座瘡などの局所的な身体の欠陥(微細な幾何学的形状)を検知し得る。しかしながら、これらの特徴は、単に例示的な好ましい実施形態であるが、このような例は、撮像デバイスの機能を、当該技術分野において既知の任意の撮像デバイスであるとして限定することを意図したものではないことを理解されたい。
【0071】
撮像デバイスは、中央コンピュータシステムと電気通信状態で出力を提供し、中央コンピュータシステムでは、コンピュータソフトウェアと関連する計算デバイスが、個々のユーザに種々の皮膚の状態と、捕捉された画像内の皮膚の状態の対応する位置を示すために、データを処理し、カスタマイズされた皮膚プロファイルを生成するようにプログラミングされる。システムはまた、皮膚プロファイルで特定された種々の皮膚の状態の治療のための推奨を生成するようにプログラミングされる。ユーザから捕捉された全てのデータは、接続センターと、クラウドベースのハブコンピューティングデータシステムと、を備える、中央コンピュータシステムに出力され、ユーザの顔の幾何学的形状のデジタルデータ、及び顔の皮膚の状態画像を、下流のプロセスのためにアップロード、保存、及び共有することができる。
【0072】
例えば、本発明の局所的な身体の形状を捕捉するために使用可能な市販の撮像デバイスとしては、例えば、CREAFORM製のDigital 3D scanner Go!scan20(商標)、3D system製のISENSE、ARTEC SPIDER、NIKON MODELMAKER MMCx、OPTIX 500S(3D Digital CORP製)などが挙げられる。
【0073】
例えば、本発明の顔画像は、デジタル3Dスキャナ(例えばGo!scan20(商標))で捕捉されてもよく、又はハイエンドデジタルカメラ又はビデオカメラ、又は消費者グレードのカメラ、例えば、2Dから3D再構築ソフトウェアアルゴリズムによって携帯電話で捕捉されてもよい。好ましくは、ユーザの1つより多い画像が、それぞれ、例えば顔全体の分析を達成することができるように、異なる角度から捕捉される。この画像と共に、捕捉された画像に対して、位置決め情報を取得する。画像に対して取得した位置決め情報を分析し、局所的な身体の欠陥領域又は治療領域をマッピングするための表面トポグラフィーを決定してもよい。
【0074】
本発明の一実施形態では、解剖学的にカスタマイズされたマスクの3Dモデルは、個人の顔からの多次元データを使用して作成される。このデータは、3Dスキャナ、複数の画像又はビデオカメラ及びデジタル2Dから3Dへの再構築ソフトウェア、ポイントクラウド又はデジタル画像スキャナからの三角測量スキャン、又は任意の数の3Dモデリング技術を通じて取得されてもよい。個々の顔の3D表面のデジタルデータがシステムで取得されたら、システム中のソフトウェアは、マスクアプリケータ20を更にカスタマイズし、自動レンダリング、スキャンノイズの削除、機能的美観の向上を行ってもよい。
【0075】
顔全体のデジタル3D画像、例えば、デジタル3DスキャナGo!Scan20(商標)で捕捉されたものは、フォーマット化され、中央コンピュータシステムでデジタル保存され、3D system製のコンピュータソフトウェアGeomagic Design Xは、3Dレンダリング、3Dスキャンデータのノイズ削除を行い、関連するソフトウェア(例えば、Solidworks又はInventor)は、3Dレンダリングデータを処理し、アプリケータ20のための3Dモデルを生成するようにプログラミングすることができる。次いで、3Dモデルを、3Dプリンタにダウンロードし、熱硬化性プラスチック材料又はプラスチック材料を利用することによって、アプリケータ20を印刷することができる。
【0076】
本発明の一実施例は、ユーザの固有の顔の特徴に沿うように、3D印刷技術を利用して形成されるカスタマイズされたマスクアプリケータを提供する。本発明のマスクアプリケータ20の実施形態は、マスクを装用したときに快適さを高めるために、ヒトの顔の輪郭に合うように、各ユーザ向けにカスタマイズ可能である。
【0077】
本発明では3D印刷技術が使用されるため、任意のデジタル化モデルは、所望の印刷出力の3D印刷可能なフォーマットに数学的に変換されなければならない。重要なことに、フェイスマスクのカスタマイズしたフィット性を確保するために、輪郭形成されたフェイシャルマスクアプリケータのフェイス部分が、ヒトの顔の対応する輪郭形成された表面積を覆い、これに接触するように構築及び構成され、3D印刷技術によって一元的かつ一体的に形成され、非毒性の剛性材料、熱硬化性プラスチック、又はプラスチックから形成される。好ましくは、ユーザの顔に接触する表面上に、軟質プラスチック層又はゴム状層が設けられていることが好ましい。例えば、市販の3D印刷技術、例えば、熱溶解積層法(FDM)、熱溶解フィラメント製造法(FFF)、ステリオリソグラフィ(SLA)、デジタル光処理(DLP)、粉末床及びインクジェットヘッド3D印刷(3DP)、選択熱焼結(SHS)及び選択レーザー焼結(SLS)を利用して、異なる種類の熱可塑性樹脂、熱可塑性粉末及び熱硬化性光重合体を含むアプリケータ20を形成することができる。例えば、本発明のアプリケータは、ショア硬度(A)が35~95の異なる層軟度で制御される、いわゆるデジタル材料(一次材料:TANGOPLUS FLX930及び二次材料:VEROCLEAR RDG 810又はVEROWHITEPLUS RGD835)を用いたStratasys Connex 3 3Dプリンタを利用することによって形成されてもよい。
【0078】
次いで、アプリケータ20は、アプリケータ20の第2の表面24に有益剤を優先的に堆積させる6軸ロボット処理堆積デバイスに物理的に移動させることができる。
【実施例】
【0079】
本発明は、本発明の組成物、形態、及びデバイスの生産方法を例示する以下の具体的な実施例の参照によって、更に理解されるであろう。
【0080】
実施例1:皮膚治療システム200の形成
図8~9を参照すると、顔のいくつかの領域にある座瘡を治療することを望むユーザは、撮像デバイスシステムを使用し、自身のデジタル顔幾何学的形状、並びに皮膚分析のための顔の状態の画像を捕捉する。画像出力は、接続センターと、クラウドベースのハブコンピューティングデータシステムと、を備える、中央コンピュータシステムに送信され、顔幾何学的形状のデジタルデータ、及び顔の状態の画像を、アップロードし、保存し、かつマスク形成システムと共有することができる。顔形成システムは、ユーザのための座瘡治療フェイシャルマスクの形態で、個別化された皮膚治療システム200を作製する。
【0081】
皮膚治療システム200は、第1の表面222と第2の表面224とを有するアプリケータ220を備えている。アプリケータ220は、ポリ(エチレン)で構成され、PEを成型してフェイスマスク型にするのに必要な条件で、ヒトの顔の形状の型空洞を有する熱真空形成器(Formech thermos-vacuum former machine 300XQ)を用いて形成される。温度は、約260°F~約360°Fであり、真空は、約750mbar~約914mbarである。代替的に、アプリケータ220は、Stratasys 3D printer Connex 3X及びObjet 24を用い、モデル材料VEROWHITEPLUS RGD835及び支持材料Sup705(3D印刷プロセス中、両材料は温度73℃)を用いて形成される。
【0082】
アプリケータ220の第2の表面224は、架橋性シリコーン溶液などの剥離剤で処理される。膜230は、6軸ロボット処理堆積デバイス、例えば、DENSOモデルVP-6242E/GMデバイスを用い、アプリケータ220の第2の表面224上に配置される。
【0083】
表1は、膜230を形成するために使用されるいくつかの配合物を示す。
【0084】
【0085】
膜230は、第1の表面232と、第2の表面234とを有する。座瘡治療有益剤を含有する活性領域240a、240b、240c及び240dが、6軸ロボット処理堆積デバイスを用いて形成される。表2は、活性領域240を形成するために使用されるいくつかの製剤を示す。
【0086】
【0087】
次いで、膜は、アプリケータから、ユーザの隔離された身体部分へと移動可能である。所望の治療時間の後、膜は、石鹸及び水洗浄でユーザから取り外されてもよい。
【0088】
ここで図示及び説明した実施形態は、最も実用的で好適な実施形態と考えられるが、当業者であれば、ここに図示及び開示した特定の設計及び方法からの変更はそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用することができることは明らかであろう。本発明は、説明及び例証した特定の構成に限定されないが、添付の特許請求の範囲に含まれ得る全ての修正と一貫するように構成されているべきである。
【0089】
〔実施の態様〕
(1) 隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のための方法であって、
(a)前記隔離された身体部分の画像を捕捉する工程と、
(b)前記画像データを、前記隔離された身体部分の幾何学的形状の数学的モデルに変換する工程と、
(c)前記隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクを形成する工程と、
(d)前記アプリケータマスクの前記アプリケータ表面上に、前記アプリケータの1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含む着脱可能な膜を形成する工程であって、前記隔離された身体部分に対する前記膜の接着が、前記アプリケータ表面に対する前記膜の接着よりも大きい、工程と、
(e)前記着脱可能な膜が前記隔離された身体部分と接触するように、前記隔離された身体部分上に前記アプリケータマスクを配置する工程と、
(f)前記隔離された身体部分と前記膜を接触させたままにしつつ、前記隔離された身体部分から前記アプリケータマスクを取り外す工程と、を含む、方法。
(2) アプリケータマスクを形成する前記工程と、着脱可能な膜を形成する工程が、3D印刷を利用して行われる、実施態様1に記載の方法。
(3) アプリケータマスクを形成する前記工程が、熱真空形成を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 着脱可能な膜を形成する前記工程が、ロボット処理堆積デバイスを介して、前記アプリケータマスクに1つ以上のフィルム形成組成物を塗布することを含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 複数のフィルム形成組成物を塗布することを更に含み、前記複数のフィルム形成組成物の少なくとも1つが、前記1つ以上の有益剤を含む、実施態様4に記載の方法。
【0090】
(6) 隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のための方法であって、
(a)前記隔離された身体部分の画像を捕捉する工程と、
(b)前記画像データを、前記隔離された身体部分の幾何学的形状の数学的モデルに変換する工程と、
(c)前記隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクを形成する工程と、
(d)前記アプリケータマスクの前記アプリケータ表面上に、複数の着脱可能な膜を積み重ね体において形成する工程であって、各着脱可能な膜が、前記アプリケータの1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含み、前記隔離された身体部分に対する前記膜の接着が、前記アプリケータ表面に対する、及び前記積み重ね体における隣接する膜に対する前記膜の接着よりも大きい、工程と、
(e)露出した着脱可能な膜が前記隔離された身体部分と接触するように、前記隔離された身体部分上に前記アプリケータマスクを配置する工程と、
(f)前記隔離された身体部分と前記露出した着脱可能な膜を接触させたままにしつつ、前記隔離された身体部分から前記アプリケータマスクを取り外す工程と、を含む、方法。
(7) アプリケータマスクを形成する前記工程と、着脱可能な膜を形成する前記工程が、3D印刷を利用して行われる、実施態様6に記載の方法。
(8) アプリケータマスクを形成する前記工程が、熱真空形成を含む、実施態様6に記載の方法。
(9) 着脱可能な膜を形成する前記工程が、ロボット処理堆積デバイスを介して、前記アプリケータマスクに1つ以上のフィルム形成組成物を塗布することを含む、実施態様8に記載の方法。
(10) 複数のフィルム形成組成物を塗布することを更に含み、前記複数のフィルム形成組成物の少なくとも1つが、前記1つ以上の有益剤を含む、実施態様9に記載の方法。
【0091】
(11) 隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステムであって、
(a)前記隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクと、
(b)前記アプリケータ表面に着脱可能に配置され、接着性を有し、前記アプリケータ表面に面する外側表面及びそれとは反対の内側接着剤面を有する、膜と、を含み、前記膜が、1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含み、前記隔離された身体部分に対する前記膜の接着が、前記アプリケータ表面に対する前記膜の接着よりも大きい、システム。
(12) 隔離された身体部分への局所薬剤の標的化された適用のためのシステムであって、
(a)前記隔離された身体部分に対応する三次元形状を有するアプリケータ表面を有するアプリケータマスクと、
(b)前記アプリケータ表面に着脱可能に配置され、前記アプリケータ表面に面する外側表面及びそれとは反対の内側接着剤面を有する、膜の積み重ね体と、を含み、各膜が、接着性を有し、1つ以上の治療ゾーン内に配置される1つ以上の有益剤を含み、前記隔離された身体部分に対する前記膜の接着が、前記アプリケータ表面に対する、及び前記積み重ね体における隣接する膜に対する前記膜の接着よりも大きい、システム。