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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】スプリットレンズと撮像モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220523BHJP
   G03B 11/00 20210101ALI20220523BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20220523BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G03B11/00
G02B7/02 C
G02B7/02 D
G03B30/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019552067
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 CN2018080193
(87)【国際公開番号】W WO2018171714
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2019-09-20
(31)【優先権主張番号】201710190450.5
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201720294950.9
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518168041
【氏名又は名称】▲寧▼波舜宇光▲電▼信息有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 明珠
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 春梅
(72)【発明者】
【氏名】王 守杰
(72)【発明者】
【氏名】郭 楠
(72)【発明者】
【氏名】姚 立▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】丁 亮
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0076761(KR,A)
【文献】特開2012-226202(JP,A)
【文献】特開2009-156958(JP,A)
【文献】特開2009-198679(JP,A)
【文献】特開平11-352432(JP,A)
【文献】特開2009-175331(JP,A)
【文献】特開2015-018178(JP,A)
【文献】実開平05-045616(JP,U)
【文献】特開昭48-056149(JP,A)
【文献】特開2007-178541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G03B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つのレンズ群と、各二つの前記レンズ群の間に設けられる隙間とを含むスプリットレンズであって、各レンズ群はさらに、鏡筒と、前記鏡筒内に固定されるレンズセットとを含み、前記レンズセットは少なくとも二つのレンズを含み、前記隙間は、一つの前記レンズセットのうち、像に近い側のレンズの縁と、もう一つの前記レンズセットのうち、物体に近い側のレンズの縁との間に配置され;
前記レンズ群は第1のレンズ群と第2のレンズ群であり、前記第1のレンズ群は第1の鏡筒と第1のレンズセットを含み、前記第1のレンズセットは前記第1の鏡筒に支持され、前記第1のレンズセットは三つのレンズを含み、前記三つのレンズは、物体側から像側まで順次にそれぞれ第1のレンズ、第2のレンズ、及び第3のレンズとし、前記第3のレンズの像に近い側には、前記第3のレンズを前記第1の鏡筒内に固定することに適する一つの圧力リングが配置されており、前記圧力リングは迷光を遮断することができ
前記スプリットレンズはさらに一つの接続媒体を含み、各二つの前記レンズセットは前記接続媒体によって固定され;
前記隙間は、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のレンズの、像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のレンズの、物体に近い側の表面との非光透過部の間に配置され;
前記スプリットレンズは少なくとも一つのスペーサ部材をさらに含み、前記スペーサ部材は前記レンズ群のレンズ間に配置され、前記スペーサ部材はコーティング層であり;
第2のレンズ群は三枚のレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第4のレンズ、第5のレンズ、及び第6のレンズとし;
第4のレンズの像に近い側の非光透過部にはコーティング層が塗布され;
前記第1の鏡筒は第1の装着部を提供し、前記第2の鏡筒は第2の装着部を提供し、前記第1の装着部は、前記第1の鏡筒が前記第2の鏡筒に組み立てられるように前記第2の装着部に組み立てられ;前記第1の装着部は前記第1の鏡筒の外側の縁に位置し、前記第2の装着部は前記第2の鏡筒の上頂端に位置し、これによって前記第1の装着部と前記第2の装着部122との間に装着媒体が配置され;
前記第1の鏡筒は、固定部をさらに備え、前記固定部は、前記第1の鏡筒の像に近い側の筒口外側に位置し、固定媒体により前記第3のレンズと前記固定部とが接続されて固定され、
前記隙間の最小高さは0.02mm以上であり、前記隙間の最小高さとは、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のレンズまたは前記スペーサ部材の像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のレンズまたは前記スペーサ部材の物体に近い側の表面の非光透過部との間の最小高さを指す、
ことを特徴とする、スプリットレンズ。
【請求項2】
前記隙間の最小高さは0.15mm~1mmである、請求項に記載のスプリットレンズ。
【請求項3】
前記隙間の最小高さは0.15mm~0.7mmである、請求項に記載のスプリットレンズ。
【請求項4】
前記コーティング層は遮光材料であり、前記コーティング層は前記レンズの少なくとも一つの表面の縁に塗布される、請求項に記載のスプリットレンズ。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載のスプリットレンズと、前記スプリットレンズに対応して設置された感光装置とを、結像品質アライメントを通して組み立ててなることを特 徴とする、撮像モジュール。
【請求項6】
第1のレンズ群と、
第2のレンズ群とを含み、
前記第1のレンズ群は第2のレンズ群に組み立てられ、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間には、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間のアライメントと組立のための隙間があり、
前記第1のレンズ群は第1の鏡筒と第1のレンズセットを含み、前記第1のレンズセットは前記第1の鏡筒に支持され、前記第1のレンズセットは三つのレンズを含み、前記三つのレンズは、物体側から像側まで順次にそれぞれ第1のレンズ、第2のレンズ、及び第3のレンズとし、前記第3のレンズの像に近い側には、前記第3のレンズを前記第1の鏡筒内に固定することに適する一つの圧力リングが配置されており、前記圧力リングは迷光を遮断することができ
前記隙間は、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のレンズの、像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のレンズの、物体に近い側の表面との非光透過部の間に配置され;
前記スプリットレンズは少なくとも一つのスペーサ部材をさらに含み、前記スペーサ部材は前記レンズ群のレンズ間に配置され、前記スペーサ部材はコーティング層であり;
第2のレンズ群は三枚のレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第4のレンズ、第5のレンズ、及び第6のレンズとし;
第4のレンズの像に近い側の非光透過部にはコーティング層が塗布され;
前記第1の鏡筒は第1の装着部を提供し、前記第2の鏡筒は第2の装着部を提供し、前記第1の装着部は、前記第1の鏡筒が前記第2の鏡筒に組み立てられるように前記第2の装着部122に組み立てられ;前記第1の装着部は前記第1の鏡筒の外側の縁に位置し、前記第2の装着部は前記第2の鏡筒の上頂端に位置し、これによって前記第1の装着部と前記第2の装着部との間に装着媒体が配置され;
前記第1の鏡筒は、固定部をさらに備え、前記固定部は、前記第1の鏡筒の像に近い側の筒口外側に位置し、固定媒体により前記第3のレンズと前記固定部とが接続されて固定され、
前記隙間の最小高さは0.02mm以上であり、前記隙間の最小高さとは、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のレンズまたは前記スペーサ部材の像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のレンズまたは前記スペーサ部材の物体に近い側の表面の非光透過部との間の最小高さを指す、
ことを特徴とする、スプリットレンズ。
【請求項7】
前記隙間の最小高さは0.15mm~1mmである、請求項に記載のスプリットレンズ。
【請求項8】
前記隙間の最小高さは0.15mm~0.7mmである、請求項に記載のスプリット レンズ。
【請求項9】
前記スプリットレンズは少なくとも一つのスペーサ部材をさらに含み、前記第1のレンズセットと前記第2のレンズセットの前記レンズが一致した開口径を有するように、前記スペーサ部材は前記レンズ間に配置される、請求項に記載のスプリットレンズ。
【請求項10】
前記スペーサ部材は、遮光材料であるコーティング層であり、前記コーティング層は前記レンズの少なくとも一つの表面の縁に塗布される、請求項に記載のスプリットレンズ。
【請求項11】
請求項10のいずれか一項に記載のスプリットレンズと、前記スプリットレンズに対応して設置された感光装置とを、結像品質アライメントを通して組み立ててなることを特徴とする、撮像モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリットレンズと撮像モジュールに関するものであり、特に、スマートモバイルデバイスに適用される撮像モジュールのレンズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レンズの質の優劣は、撮像パフォーマンスを最も直接に影響する鍵である。高品質のレンズを作ることは、撮像業界で高品質の製品を作るために非常に重要である。撮像撮影分野では、レンズに対する各方面からの研究開発は、製造業者が高品質性能に対する追求を反映できる。スマートモバイルデバイスの流行につれて、光学レンズについての設計と研究開発は、スマートモバイルデバイスの場合にはより多くのチャレンジに直面しているとともに、より広い市場にも直面している。
【0003】
スマートモバイルデバイス、特に携帯電話、タブレット、ラップトップ、インテリジェントサービス端末、さらに携帯型認証装置などは、いずれも広い市場を持つ製品である。撮像モジュールは重要な検出デバイスとして、すでに装置に直接に実装されている。多くの装置には、撮像モジュールに対する要求がプロ用撮像デバイスに対する要求とほぼ同じである。また、撮像モジュールにおけるレンズに対する要求もますます高くなっている。
【0004】
明らかに、撮像モジュールのレンズに着目して改善することは最も効果的な方法である。そして、撮像モジュールの解像度品質に影響を与える非常に重要な部品はレンズである。従来のレンズは、複数のレンズを一つの黒色鏡筒に順次取り付けて固定することにより得られる。従来のレンズでは、レンズ及び鏡筒には加工の公差があり、高感度光学システムおよび所定の解像度の規格では、例えば大口径レンズでは、従来の製造方法による良品率の損失が大きくて、製造コストが高く、産出が低い。
【0005】
特に、従来のレンズと撮像モジュールでは、各レンズ間は互いに接触して押し付けられている。レンズの縁の位置では、重ね合わせによってレンズ間の位置が固定される。従来のレンズ間は、通常、スペーサで非光透過部を遮蔽するため、レンズ間は、スペーサと接触して押し付けることによって配置される。さらに、単一部品の公差と組立精度を厳格に制御するに加え、組立プロセスにおいて各レンズを回転して偏心について特定した補償を行うしか、レンズの品質を保証できない。
【0006】
撮像モジュールのレンズの性能を向上させると同時に良品率と製造効率を高め、コストを削減することは、撮像モジュールの製造において重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一つの目的は、二つのレンズ群の組み合わせを採用し、レンズの性能を向上させるとともに、設計のコストと困難さを低め、製造コストを保障するスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0008】
本発明の一つの目的は、前記レンズ群の構造を簡略化してアクティブアライメントをすることにより、撮像モジュールに適用される場合にスプリットレンズにより高い性能を与えるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0009】
本発明の一つの目的は、前記レンズ群の少なくとも一つのレンズの設計と装着を簡略化したことで全体的に良好な完全性と一致性を有し、結像品質アライメントに寄与するスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0010】
本発明の一つの目的は、各前記レンズ群の相対位置を調整することで各前記レンズ群の相対位置を調整し、その他のレンズ及び組立公差によって引き起こされるピーク、像面湾曲、像面傾斜などの損失を補償し、モジュール全体の結像品質を高めるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0011】
本発明の一つの目的は、前記レンズ群がいずれも一つの鏡筒をさらに含み、前記鏡筒が異なる接続モードに適した一つの装着部を有することにより、二つのレンズ群を安定的かつ確実に一体化に組みたてるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0012】
本発明の一つの目的は、レンズまたはモジュールの最終状態が安定することを確保するために、前記装着部の間は一つの接続媒体によって確実に接続されるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0013】
本発明の一つの目的は、前記装着部が複数の接続モードに適し、前記装着部の接続モードがレンズの状況に応じて適合するスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0014】
本発明の一つの目的は、前記レンズ群の質を確保するように機構の位置制御または遮光としてレンズ間に設置される少なくとも一つのスペーサ部材をさらに含むスプリットレンズ、及び撮像モジュールを提供することである。
【0015】
本発明の一つの目的は、前記スペーサ部材の設計の自由度が高く、合理性及び前記レンズ群に対する要求を満たすことができ、さらに撮像モジュールの質を確保できるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0016】
本発明の一つの目的は、一つの前記レンズ群ともう一つの前記レンズ群のレンズ間には所定の隙間があり、前記スペーサ部材を介する接触および押し付けに頼らないスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0017】
本発明の一つの目的は、異なるレンズが結像品質に対する要求に従って前記スペーサ部材と前記装着部とを組み合わせることで二つのレンズ群間の光学的関係を安定的かつ確実にするスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0018】
本発明の一つの目的は、前記スペーサ部材によりレンズ間の緊密なアレンジメントを実現し、スプリットレンズの完全性を高めるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0019】
本発明の一つの目的は、前記スペーサ部材の一部または全体において遮光コーティングを使用し、レンズを前記レンズ群に装着する困難さを低めたスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0020】
本発明の一つの目的は、前記レンズ群が前記接続媒体によって固定されることにより、安定的なパッケージングを実行し、迷光を効果的に避けるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【0021】
本発明の一つの目的は、前記接続媒体によるパッケージングが隙間に影響を与えず、光学的安定性を確保すると同時にオートアライメントに適しており、前記レンズと撮像モジュールの製造困難さを低めるスプリットレンズと撮像モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一側面において、本発明は、少なくとも二つのレンズ群と、各二つの前記レンズ群の間に設けられる隙間とを含むスプリットレンズであって、各前記レンズ群はさらに、一つの鏡筒と、前記鏡筒内に固定される一つのレンズセットとを含み、前記レンズセットは少なくとも二つのレンズを含み、前記隙間は、一つの前記レンズセットのうち、像に近い側のレンズの縁と、もう一つの前記レンズセットのうち、物体に近い側のレンズの縁との間に配置される、スプリットレンズを提供する。
【0023】
本発明の一側面において、本発明は、
一つの第1のレンズ群と、
一つの第2のレンズ群とを含むスプリットレンズであって、
前記第1のレンズ群は前記第2のレンズ群に組み立てられ、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間には、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間のアライメントと組立のための隙間がある、スプリットレンズを提供する。
【0024】
本発明の一つの実施形態において、前記スプリットレンズはさらに一つの接続媒体を含み、前記第1のレンズ群は前記接続媒体によって前記第2のレンズ群に固定される。
【0025】
本発明の一つの実施形態において、前記第1のレンズ群はさらに第1のレンズセットと第1の鏡筒とを含み、前記第1のレンズセットは前記第1の鏡筒に支えられ、前記第1の鏡筒は前記第1のレンズセットを前記第1の鏡筒内に固定し、前記第2のレンズ群はさらに第2の鏡筒と第2のレンズセットとを含み、前記第2のレンズセットは前記第2の鏡筒に支持され、前記第2の鏡筒は前記第2のレンズセットを前記第2の鏡筒内に固定する。
【0026】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の鏡筒は前記接続媒体によって第2の鏡筒に接続されて固定される。
【0027】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間は、前記第1のレンズセットの像に近い側と、前記第2のレンズセットの物体に近い側との間にある。
【0028】
本発明の一つの実施形態において、前記第1のレンズセットは少なくとも二つのレンズを含み、前記第2のレンズセットは少なくとも二つのレンズを含む。
【0029】
本発明の一つの実施形態において、前記第1のレンズセットと前記第2のレンズセットのそれぞれに対して結像品質アライメントが行われてから、前記第1のレンズセットが前記第2のレンズセットに対して結像品質アライメントが行われる。
【0030】
本発明の一つの実施形態において、前記接続媒体は熱硬化性材料である。
【0031】
本発明の一つの実施形態において、前記接続媒体は光硬化性材料である。
【0032】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間は、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のレンズの、像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のレンズの、物体に近い側の表面との非光透過部の間にある。
【0033】
本発明の一つの実施形態において、前記スプリットレンズは少なくとも一つのスペーサ部材をさらに含み、前記第1のレンズセットと前記第2のレンズセットの前記レンズが一致した開口径を有するように、前記スペーサ部材は前記レンズ間に配置される。
【0034】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間は、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のスペーサ部材の、像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のレンズの、物体に近い側の表面との非光透過部の間にある。
【0035】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間は、前記第1のレンズセットのうち、像に最も近い側のレンズの、像に近い側の表面と、前記第2のレンズセットのうち、物体に最も近い側のスペーサ部材の、物体に近い側の表面との非光透過部の間にある。
【0036】
本発明の一つの実施形態において、前記スペーサ部材は、スペーサーリングである。
【0037】
本発明の一つの実施形態において、前記スペーサ部材は、遮光材料であるコーティング層であり、前記コーティング層は前記レンズの少なくとも一つの表面の縁に塗布される。
【0038】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間の最小高さは0.02mm以上である。
【0039】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間の最小高さは0.15mm~1mmである。
【0040】
本発明のもう一方において、本発明は、前記スプリットレンズと、前記スプリットレンズに対応して設置された感光装置とを、結像品質アライメントを通して組み立ててなる、撮像モジュールを提供する。
【0041】
本発明のもう一側面において、本発明は、
少なくとも二つのレンズ群を含み、一つの前記レンズ群はもう一つの前記レンズ群に組み立てられ、二つのレンズ群の隣接する二つのレンズの非光透過部の間には、二つの前記レンズ群間にオートアライメントによって結像品質補償が行われるための隙間がある、スプリットレンズを提供する。
【0042】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間の最小高さは0.02mm以上である。
【0043】
本発明の一つの実施形態において、前記隙間の最小高さは0.15mm~1mmである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は本発明の一つの好ましい実施形態のスプリットレンズの構造模式図である。
図2図2は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズのレンズ群の構造模式図である。
図3図3は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズの、スペーサーリングが適用されるレンズ群の構造模式図である。
図4図4は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズの、コーティング層が適用されるレンズ群の構造模式図である。
図5図5は本発明の一つの好ましい実施形態のスプリットレンズのレンズ群の構造模式図である。
図6図6は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズと撮像モジュールのレンズ群間の詳細な構造図である。
図7図7は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズと撮像モジュールの組立模式図である。
図8図8は本発明の一つの好ましい実施形態のスプリットレンズの前記レンズ群の構造模式図である。
図9図9は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズの前記レンズ群間の詳細な構造図である。
図10図10は本発明の一つの好ましい実施形態のスプリットレンズの前記レンズ群の構造模式図である。
図11図11は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズの前記レンズ群間の詳細な構造図である。
図12図12は本発明の一つの好ましい実施形態のスプリットレンズの前記レンズ群の構造模式図である。
図13図13は本発明の上記好ましい実施形態のスプリットレンズの前記レンズ群間の詳細な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の記載は本発明を開示して当業者が本発明を実現できるようにするものである。以下に記載の好ましい実施例は例示に過ぎず、当業者は他の明らかな変化形に容易に想到できる。以下の記載において定義された本発明の基本的な原理は他の実施形態、変形形態、改善形態、均等形態及び本発明の趣旨と範囲から離脱しない他の技術構成に応用できる。
【0046】
当業者は以下のように理解できる。本発明の開示において、用語の「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等が示す方位または位置関係は図面に示された方位または位置関係に基づくもので、本発明を説明しやすく及び簡単に説明するためのものであり、対象の装置または素子が必然的に特定の方位、特定の方位のある構造及び操作を示しまたは示唆するものではなく、このため、前記用語は本発明に対する制限と理解することはできない。
【0047】
以下のように理解できる。用語の「一つ」は「少なくとも一つの」または「一つまたは複数の」と理解すべきであり、即ち一つの実施形態において、一つの素子の数量は一つとすることができ、他の実施形態において、該素子の数量は複数とすることができ、用語「一」は数量に対する制限と理解してはならない。
【0048】
本発明はスプリットレンズと撮像モジュールを提供し、該スプリットレンズと、該スプリットレンズが適用された該撮像モジュールは撮像のためにスマートデバイスに取り付けられる。本発明の第1の好ましい実施形態は図1図4に示される。スプリットレンズ10は第1のレンズ群11と第2のレンズ群12とを含み、第1のレンズ群11は接続媒体30を介して第2のレンズ群12に組み立てられ、これによってスプリットレンズ10は、オートアライメントによる結像品質補償に適したスプリット組立構造を有し、よりよい性能を得ることができる。なお、本好ましい実施形態の構造を説明するため、第1のレンズ群11の像に近い側は、第2のレンズ群12の物体に近い側に組み立てられているので、スプリットレンズ10の第1のレンズ群11は、物体に近い側のレンズ群となり、第2のレンズ群12は像に近い側のレンズ群となる。さらに、第2のレンズ群12の像に近い側は撮像モジュールに組み立てられることにより、スプリットレンズ10が撮像モジュールに組み立てられる。言い換えれば、本好ましい実施形態のスプリットレンズ10は、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12がそれぞれレンズ群として装着された後、接続媒体30によってパッケージングされてなるものである。すなわち、第1のレンズ群11は装着されて成形し、第1のレンズ群11の結像品質を調整して第1のレンズ群11の良い結像品質と完全かつ堅固な構造を保証する。そして、第2のレンズ群12も装着されて成形し、第2のレンズ群12の結像品質を調整して第2のレンズ群12の良い結像品質と完全かつ堅固な構造を保証する。その後、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12とを組み立ててスプリットレンズ10となる。従来技術のレンズと比べ、スプリットレンズ10は組立における累積公差を避けることができ、結像品質アライメントにも寄与する。具体的には、第1のレンズ群11及び第2のレンズ群12の構造安定性を確保した場合、スプリットレンズ10の性能向上に大いに役立つ。第1のレンズ群11と第2のレンズ群12を組み立てると同時に、公差と結像品質の一致性を調整すると、製造の困難さが大いに減少され、良品率が効果的に高められ、厳密に制御されている単一部品の公差および組立精度が保証される。さらに、スプリットレンズ10を撮像モジュールに組み立てられる時、スプリットレンズ10の優れた結像品質のため、結像品質補償に対する調整もより簡単で便利になるので、スプリットレンズ10は様々な方法に適して撮像モジュールに組み立てられることができる。例えば、スプリットレンズ10は一つの感光チップと結像品質補償を行う必要がある場合、スプリットレンズ10の結像品質補償が優れているため、感光チップとの調整は比較的に簡単であり、スプリットレンズ10と感光チップの結像品質補償の偏差は所定の範囲内で容易に制御される。これらは、スプリットレンズ10が適用された撮像モジュールの光性能と製造良品率を効果的に高めることができる。なお、図1に示すように、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は組み立てられたので、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12との間に所定の隙間20が存在する。この隙間20は、レンズの形状によって形成された隙間ではなく、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12のレンズの縁に存在し、これによって第1のレンズ群11のレンズと第2のレンズ群12のレンズの縁は互いに接触も押し付けることも全くない。すなわち、スプリットレンズ10の第1のレンズ群11のレンズと第2のレンズ群12のレンズは構造では直接に接触しておらず、これにより第1のレンズ群11のレンズと第2のレンズ群12のレンズの構造は影響を受けることはなく、しかも組立時に各レンズ群のレンズに対して偏心について特定した補償を行うので、組立後の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12の結像品質の安定性が保証される。
【0049】
スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は、従来技術の組立方法とは違って、レンズに頼って構造的に押圧と支えられていないので、スプリットレンズ10はより安定的な結像品質を持っている。図2に示すように、第1のレンズ群11は第1の鏡筒110と第1のレンズセット1100とを含み、第1のレンズセット1100は第1の鏡筒110に支持され、第1の鏡筒110は第1のレンズセット1100を第1の鏡筒110内に固定する。同様に、第2のレンズ群12は第2の鏡筒120と第2のレンズセット1200とを含み、第2のレンズセット1200は第2の鏡筒120に支持され、第2の鏡筒120は第2のレンズセット120を第2の鏡筒120内に固定する。スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12を説明するために、第1のレンズ群11の第1のレンズセット1100は三つのレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第1のレンズ1101、第2のレンズ1102、及び第3のレンズ1103とする。第2のレンズ群12の第2のレンズセット1200は三枚のレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第4のレンズ1201、第5のレンズ1202、及び第3のレンズ1103とする。勿論、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に含まれるレンズの数は三枚に限られていない。異なる光学設計とニーズに合わせ、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200のレンズの数はそれに応じて変えることができる。第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200のレンズは三枚と三枚との組み合わせに限られていないが、これは適切な実施形態であることは排除されてはならない。また、レンズ10は、第1のレンズセット1100と前記第2のレンズセット1200のレンズが一致した開口径を有するようにレンズ間に配置される少なくとも一つのスペーサ部材13をさらに含む。好ましくは、スペーサ部材13はスペーサーリーグ131であり、光が一定して開口径を通過することを確保するように、スペーサーリーグ131は二つのレンズの間に配置される。好ましくは、スペーサ部材13は、遮光材料であるコーティング層132であり、コーティング層132はレンズの縁の片面または両面に塗布される。スペーサ部材13は、光通過を必要としないレンズの縁の部分を遮蔽する。
【0050】
なお、第1のレンズ群11の、像側に最も近いレンズと、第2のレンズ群12の、物体側に最も近い側のレンズとは全く接触していないか、スペーサ部材13によって互いに押し付けられている。具体的には、第1のレンズセット1100の第3のレンズ1103と、第2のレンズセット1200の第4のレンズ1104との縁の間に隙間20がある。この隙間20は、第3のレンズ1103と第4のレンズ1104との間の非光透過部であり、その形成の直接な原因として、第1のレンズセット1100は第1の鏡筒110に支持され、第2のレンズセット1200は第2の鏡筒120に支持され、さらに第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200との間は、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120によって接続されて組み立てられる。結像品質アライメントにおいて、隙間20によって第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200が調整され、さらに組立公差によって引き起こされるピーク、像面湾曲、像面傾斜などの損失が補償される。
【0051】
なお、第3のレンズ1103と第4のレンズ1201との間に隙間20がある以外、その他の第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202との間、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203との間は互いに接触して押し付けられている。勿論、第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202との間、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203との間は、スペーサ部材13を介して互いに接触して押し付けられてもよい。
【0052】
勿論、第3のレンズ1103と第4のレンズ1201との間の隙間20は、撮像モジュールへの一体型スプリットレンズ10の組立に一定の影響を与える。まず、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200はそれぞれ第1の鏡筒110と第2の鏡筒120に装着される場合、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12のそれぞれに対するアライメントは予め完成された。すなわち、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントを行う過程において、隙間20により両方の結像品質のアライメントが容易になる。さらに、撮像モジュールに組み立てられる時、例えば、感光装置に対してさらにアライメントが行われる時、第1のレンズセット1100、第2のレンズセット1200、及び感光装置の結像品質が補償され、累積誤差はない。
【0053】
スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120を介して接続され、これによって第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200は組み立てられて結像品質補償を行うことができる。具体的には、第1の鏡筒110は第1の装着部112を提供し、第2の鏡筒120は第2の装着部122を提供し、第1の装着部112は、第1の鏡筒110が第2の鏡筒120に組み立てられるように第2の装着部122に組み立てられることができる。第1のレンズ群11と第2のレンズ群12はそれぞれレンズ群として装着された後、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120を介して互いに接続され、接続媒体30によってパッケージングされてなる。具体的には、接続媒体30は、第1の鏡筒110の第1の装着部112と第2の鏡筒120の第2の装着部122に使用されて両方を固定するための装着媒体32を含む。また、本好ましい実施形態では、第1の鏡筒110は、第1のレンズセット1100の像に最も近い側のレンズと固定される固定部111をさらに提供する。すなわち、第3のレンズ1103は第1の鏡筒110の固定部111に固定されている。これに応じて、接続媒体30は、第3のレンズ1103と第1の鏡筒110の固定部111との間に用いられて第3のレンズ1103を第1の鏡筒110の固定部111に固定するための固定媒体31をさらに含む。このように、隙間20は、接続媒体30のための一定の使用スペースを確保することを当業者は理解するであろう。具体的には、第3のレンズ1103は固定媒体31により固定され、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120と装着媒体32により固定され、いずれも隙間20を通して固定媒体31または装着媒体32にスペースを提供することができる。例えば、固定媒体31または装着媒体32は光硬化性材料を採用し、隙間20を通して固定媒体31または装着媒体32の役割を効果的に発揮することができる。勿論、いくつかの可能なモードでは、装着媒体32は隙間20に流れ込んである程度の充填をすることができ、これによってスプリットレンズの最終状態を安定させる。
【0054】
なお、スペーサ部材13は隙間20を充填しない。図3図4は、それぞれスペーサーリーグ131とコーティング層132を使用した場合を示している。第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200は、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120によって組み立てられているため、第1のレンズセット1100のうち、像に最も近い側のレンズと、第2のレンズセット1200のうち、物体に最も近い側のレンズとの間の隙間20は、スペーサ部材13の影響を受けることはない。具体的には、図3に示すように、第1のレンズセット1100の第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、及び第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間は、いずれもスペーサーリーグ131を介して互いに接触している。好ましくは、第1のレンズセット1100は、第1のレンズ1101、スペーサーリーグ131、第2のレンズ1102、スペーサーリーグ131、第3のレンズ1103を順次に搭載して第1の鏡筒110に装着される。このように、レンズとスペーサーリーグ131は押し付けられているので、レンズを安定的に装着することができる。同様に、第2のレンズセット1200は、スペーサーリーグ131、第4のレンズ1201、スペーサーリーグ131、第5のレンズ1202、スペーサーリーグ131、第6のレンズ1203を順次に搭載して第2の鏡筒120に装着される。そのため、第1のレンズ1101と第2のレンズ1102、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203は、いずれもスペーサーリーグ131を介して互いに接触して固定される。第3のレンズ1103と第4のレンズ1201はスペーサーリーグ131によって分離されているが、第3のレンズ1103とスペーサーリーグ131との間に隙間20がある。コーティング層132を使用する場合、図4に示すように、隙間20の状況は同様である。第3のレンズ1103と第4のレンズ1201との間はコーティング層132によって分離されているが、第3のレンズ1103とコーティング層132との間には隙間20がある。好ましくは、コーティング層132の厚さは、レンズの厚さと比べて無視してもよいため、隙間20の高さは、第3のレンズ1103と第4のレンズ1201の縁位置の最小距離であると理解されてもよい。
【0055】
隙間20の形状は均一でなくてもよく、幅と厚さは連続的または非連続的に変化してもよいが、隙間20は最小の高さを有する。ここで、隙間20の最小高さは定義される。隙間20の最小高さとは、第1のレンズセット1100のうち、像に最も近い側のレンズまたはスペーサ部材の像に近い側の表面と、第2のレンズセット1200のうち、物体に最も近い側のレンズまたはスペーサ部材の物体に近い側の表面の非光透過部との間の最小高さを指す。すなわち、本実施形態では第3のレンズ1103と第4のレンズ1201との間にはスペーサ部材13がないと、隙間20の最小高さは、第3のレンズ1103と第4のレンズ1201の非光透過部間の最小間隔である。第3のレンズ1103の、像に近い側にスペーサ部材13が配置され、第4のレンズ1201の、物体に近い側にスペーサ部材13が配置される場合、隙間20の最小高さは、第3のレンズ1103の像に近い側のスペーサ部材13の像に近い側の表面と、第4のレンズ1201の物体に近い側のスペーサ部材13の物体に近い側の表面との非光透過部の最小間隔となる。第3のレンズ1103の像に近い側にスペーサ部材13が配置され、第4のレンズ1201にスペーサ部材13が配置されていない場合、隙間20の最小高さは、第3のレンズ1103の像に近い側のスペーサ部材13と、第4のレンズ1201の物体に近い側の表面との非光透過部の最小間隔となる。第3のレンズ1103の像に近い側にはスペーサ部材13が配置されていなく、第4のレンズ1201の物体に近い側にスペーサ部材13が配置される場合、隙間20の最小高さは、第3のレンズ1103の像に近い側の表面と、第4のレンズ1201の物体に近い側のスペーサ部材13との非光透過部の最小間隔となる。これらに類似した状況を排列して組み合わせることができるため、ここでは列挙しない。隙間20の最小高さの範囲は、適切に選択されるべきであり、例えば、隙間20の最小高さは、好ましくは0.02mm以上である。より好ましくは、隙間20の最小高さは、0.15mm~1mm(0.15mmと1mmを含む)であり、さらに好ましくは、0.15mm~0.7mm(0.15mmと0.7mmを含む)である。
【0056】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は図5図7に示される。本好ましい実施形態では、スプリットレンズ10は撮像モジュールに組み立てられる。スプリットレンズ10は第1のレンズ群11と第2のレンズ群12とを含み、第1のレンズ群11は接続媒体30を介して第2のレンズ群12に組み立てられ、これによってスプリットレンズ10は、オートアライメントによる結像品質補償に適したスプリット組立構造を有し、よりよい性能を得ることができる。図6に示すように、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は組み立てられたので、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12との間に所定の隙間20が存在する。スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は、従来技術の組立方法とは違って、レンズに頼って構造的に押圧と支持されていないので、スプリットレンズ10はより安定的な結像品質を持っている。なお、本好ましい実施形態では、隙間20の最小高さは、第3のレンズ1103の像に近い側のスペーサ部材13と、第4のレンズ1201の物体に近い側の表面との非光透過部の最小間隔であり、すなわち、図6に示すA位置である。第3のレンズ1103と第4のレンズ1201の形状に制限されるので、形状の原因で非光透過部に隙間20が形成し、A位置、B位置、及びC位置の高さは異なるため、A位置の高さは隙間20の最小値となり、すなわち隙間20の最小高さの位置となる。隙間20はA位置における高さの範囲は0.15mm~0.7mmであり、適切には0.22mmである。
【0057】
第1のレンズ群11は第1の鏡筒110と第1のレンズセット1100とを含み、第1のレンズセット1100は第1の鏡筒110に支持され、第1の鏡筒110は第1のレンズセット1100を第1の鏡筒110内に固定する。同様に、スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12を説明すると、第1のレンズ群11の第1のレンズセット1100は三つのレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第1のレンズ1101、第2のレンズ1102、及び第3のレンズ1103とする。第2のレンズ群12の第2のレンズセット1200は三枚のレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第4のレンズ1201、第5のレンズ1202、及び第3のレンズ1203とする。レンズ10は、第1のレンズセット1100と前記第2のレンズセット1200のレンズが一致した開口径を有するようにレンズ間に配置される少なくとも一つのスペーサ部材13をさらに含む。
【0058】
特に、第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202との間、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203との間はスペーサーリーグ131が配置され、第4のレンズ1201の像に近い側の非光透過部にはコーティング層132が塗布される。これにより、第4のレンズ1201は第2の鏡筒120に装着される時に平らさを保証でき、傾斜を防止することができる。すなわち、第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202との間、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203との間は、スペーサ部材13を介して互いに接触して押し付けられることができる。
【0059】
また、接続媒体30は、第3のレンズ1103と第1の鏡筒110との間に用いられて第3のレンズ1103を第1の鏡筒110に固定するための固定媒体31をさらに含む。接続媒体30は、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120とに用いられて第1の鏡筒110と第2の鏡筒120を固定するための装着媒体32を含む。
【0060】
なお、本好ましい実施形態では、図7に示すように、第1の鏡筒110は、第1のレンズセット1100の像に最も近い側のレンズと固定される固定部111をさらに備える。すなわち、第3のレンズ1103は第1の鏡筒110の固定部111に固定されている。より好ましくは、固定部111は、第1の鏡筒110の像に近い側の筒口内側に位置する。第3のレンズ1103が第1の鏡筒110に装着された後、固定媒体31により第3のレンズ1103と第1の鏡筒110とが接続されて固定される。好ましくは、第1のレンズセット1100について結像品質アライメントが行われた後、固定媒体31により第3のレンズ1103と第1の鏡筒110とが安定的に接続されて固定される。第1の鏡筒110は第1の装着部112を提供し、第2の鏡筒120は第2の装着部122を提供し、第1の装着部112は、第1の鏡筒110が第2の鏡筒120に組み立てられるように第2の装着部122に組み立てられることができる。本好ましい実施形態では、第1の装着部112は第1の鏡筒110の外表面に位置し、第2の装着部122は第2の鏡筒120の上端に位置し、これによって第1の装着部112と第2の装着部122との間に装着媒体32が配置されることができる。第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントが行われる時、隙間20により、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200との間の距離が保証され、アライメントの過程でぶつかることが防止できる。
【0061】
図7に示すスプリットレンズ10の組立過程のように、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200のそれぞれに対する装着およびアライメントが終わった後、第1のレンズセット1100は第2のレンズセット1200に組み立てられる。隙間20により、第1のレンズセット1100は第2のレンズセット1200の像に近い側に組み立てられる。第1の鏡筒110は、第2の鏡筒120と対応する位置に配置された後、オートアライメント技術によってレンズ間の結像品質アライメントが行われる。アライメントが終わった後、第1の鏡筒110は装着媒体32によって第2の鏡筒120と互いに接続されて固定される。これにより、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12のアライメントと組立が完成される。勿論、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12の構造を利用して設計の需要に合わせてもう一つのレンズ群を追加して第1のレンズ群11と第2のレンズ群12と組み立ててもよい。すなわち、二つの隙間20を通して三つのレンズ群のアライメントと組立を完成することができ、これに基づき、より多くのレンズ群を組み立てる可能性もある。
【0062】
本発明のもう一つの実施形態は図8図9に示すように、スプリットレンズ10は第1のレンズ群11と第2のレンズ群12とを含み、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12の構造は、上記好ましい実施形態のスプリットレンズ10と類似しているので、ここでは贅言しない。
【0063】
なお、本好ましい実施形態では、図8に示すように、第1の鏡筒110は、第1のレンズセット1100の像に最も近い側のレンズと固定される固定部111をさらに備える。すなわち、第3のレンズ1103は第1の鏡筒110の固定部111に固定されている。より好ましくは、固定部111は、第1の鏡筒110の像に近い側の筒口外側に位置する。第3のレンズ1103が第1の鏡筒110に装着された後、固定媒体31により第3のレンズ1103の物体に近い側の表面と第1の鏡筒110とが接続されて固定される。好ましくは、第1のレンズセット1100について結像品質アライメントが行われた後、固定媒体31により第3のレンズ1103と第1の鏡筒110とが安定的に接続されて固定される。第1の鏡筒110は第1の装着部112を提供し、第2の鏡筒120は第2の装着部122を提供し、第1の装着部112は、第1の鏡筒110が第2の鏡筒120に組み立てられるように第2の装着部122に組み立てられることができる。本好ましい実施形態では、第1の装着部112は第1の鏡筒110の固定部111の上方に位置し、第2の装着部122は第2の鏡筒120の上端に位置し、これによって第1の装着部112と第2の装着部122との間に装着媒体32が配置されることができる。図9に示すように、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントが行われる時、隙間20により、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200との間の距離が保証され、アライメントの過程でぶつかることが防止できる。第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200はそれぞれ第1の鏡筒110と第2の鏡筒120に装着される時、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12のそれぞれに対するアライメントは予め完成された。すなわち、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントを行う過程において、隙間20により両方の結像品質補償が容易になる。さらに、撮像モジュールに組み立てられる時、例えば、感光装置に対してさらにアライメントが行われる時、第1のレンズセット1100、第2のレンズセット1200、及び感光装置の結像品質が補償され、累積誤差はない。なお、本好ましい実施形態では、隙間20の最小高さは、第3のレンズ1103の像に近い側のスペーサ部材13と、第4のレンズ1201の物体に近い側の表面との非光透過部の最小間隔であり、すなわち、図9に示すA位置である。第3のレンズ1103と第4のレンズ1201の形状に制限されるので、形状の原因で非光透過部に隙間20が形成し、A位置、B位置、及びC位置の高さは異なるため、A位置の高さは隙間20の最小値となり、すなわち隙間20の最小高さの位置となる。隙間20はA位置における高さの範囲は0.15mm~0.7mmであり、適切には0.34mmである。
【0064】
本発明のもう一つの実施形態は図10図11に示すように、スプリットレンズ10は第1のレンズ群11と第2のレンズ群12とを含み、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12の構造は、上記好ましい実施形態のスプリットレンズ10と類似しているので、ここでは贅言しない。
【0065】
なお、本好ましい実施形態では、図8に示すように、第1の鏡筒110は、第1のレンズセット1100の像に最も近い側のレンズと固定される固定部111をさらに備える。すなわち、第3のレンズ1103は第1の鏡筒110の固定部111に固定されている。より好ましくは、固定部111は、第1の鏡筒110の像に近い側の筒口内側に位置する。第3のレンズ1103が第1の鏡筒110に装着された後、固定媒体31により第3のレンズ1103の物体に近い側の表面と第1の鏡筒110とが接続されて固定される。好ましくは、第1のレンズセット1100について結像品質アライメントが行われた後、固定媒体31により第3のレンズ1103と第1の鏡筒110とが安定的に接続されて固定される。第1の鏡筒110は第1の装着部112を提供し、第2の鏡筒120は第2の装着部122を提供し、第1の装着部112は、第1の鏡筒110が第2の鏡筒120に組み立てられるように第2の装着部122に組み立てられることができる。本好ましい実施形態では、第1の装着部112は第1の鏡筒110の外側の縁に位置し、第2の装着部122は第2の鏡筒120の上頂端に位置し、これによって第1の装着部112と第2の装着部122との間に装着媒体32が配置されることができる。図10に示すように、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントが行われる時、隙間20により、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200との間の距離が保証され、アライメントの過程でぶつかることが防止できる。第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200はそれぞれ第1の鏡筒110と第2の鏡筒120に装着される時、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12のそれぞれに対するアライメントは予め完成された。すなわち、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントを行う過程において、隙間20により両方の結像品質補償が容易になる。さらに、撮像モジュールに組み立てられる時、例えば、感光装置に対してさらにアライメントが行われる時、第1のレンズセット1100、第2のレンズセット1200、及び感光装置の結像品質が補償され、組立公差によって引き起こされるピーク、像面湾曲、像面傾斜などの損失が補償され、累積誤差はない。
【0066】
本発明のもう一つの好ましい実施形態は図12図13に示される。本好ましい実施形態では、スプリットレンズ10は撮像モジュールに組み立てられる。スプリットレンズ10は第1のレンズ群11と第2のレンズ群12とを含み、第1のレンズ群11は接続媒体30を介して第2のレンズ群12に組み立てられ、これによってスプリットレンズ10は、オートアライメントによる結像品質補償に適したスプリット組立構造を有し、よりよい性能を得ることができる。図12に示すように、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は組み立てられたので、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12との間に所定の隙間20が存在する。スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12は、従来技術の組立方法とは違って、レンズに頼って構造的に押圧と支持されていないので、スプリットレンズ10はより安定的な結像品質を持っている。
【0067】
第1のレンズ群11は第1の鏡筒110と第1のレンズセット1100とを含み、第1のレンズセット1100は第1の鏡筒110に支持され、第1の鏡筒110は第1のレンズセット1100を第1の鏡筒110内に固定する。同様に、スプリットレンズ10の第1のレンズ群11と第2のレンズ群12を説明すると、第1のレンズ群11の第1のレンズセット1100は三つのレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第1のレンズ1101、第2のレンズ1102、及び第3のレンズ1103とする。第2のレンズ群12の第2のレンズセット1200は三枚のレンズを含み、物体側から像側まで順次にそれぞれ第4のレンズ1201、第5のレンズ1202、及び第3のレンズ1203とする。レンズ10は、第1のレンズセット1100と前記第2のレンズセット1200のレンズが一致した開口径を有するようにレンズ間に配置される少なくとも一つのスペーサ部材13をさらに含む。なお、第3のレンズ1103の像に近い側には、第3のレンズ1103を第1の鏡筒110内に固定することに適する一つの圧力リング133が配置されている。圧力リング133は迷光を遮断することができる。なお、隙間20は、第3のレンズ1103の物体に近い側と、第4のレンズ1201の像に近い側との距離である。本好ましい実施形態では、隙間20は好ましくは0.34mmである。
【0068】
特に、第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202との間、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203との間はスペーサーリーグ131が配置され、第4のレンズ1201の像に近い側にもスペーサーリーグ131が配置される。すなわち、第1のレンズ1101と第2のレンズ1102との間、第2のレンズ1102と第3のレンズ1103との間、第4のレンズ1201と第5のレンズ1202との間、第5のレンズ1202と第6のレンズ1203との間は、スペーサ部材13を介して互いに接触して押し付けられることができる。
【0069】
また、接続媒体30は、第3のレンズ1103と圧力リング133との間に用いられて第3のレンズ1103を第1の鏡筒110に固定するための固定媒体31をさらに含む。接続媒体30は、第1の鏡筒110と第2の鏡筒120とに用いられて第1の鏡筒110と第2の鏡筒120を固定してレンズまたはモジュールの最終状態を安定させるための装着媒体32を含む。
【0070】
図13に示すように、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントが行われる時、隙間20により、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200との間の距離が保証され、アライメントの過程でぶつかることが防止できる。第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200はそれぞれ第1の鏡筒110と第2の鏡筒120に装着される時、第1のレンズ群11と第2のレンズ群12のそれぞれに対するアライメントは予め完成された。すなわち、第1のレンズセット1100と第2のレンズセット1200に対して結像品質アライメントを行う過程において、隙間20により両方の結像品質補償が容易になる。さらに、撮像モジュールに組み立てられる時、例えば、感光装置に対してさらにアライメントが行われる時、第1のレンズセット1100、第2のレンズセット1200、及び感光装置の結像品質が補償され、組立公差によって引き起こされるピーク、像面湾曲、像面傾斜などの損失が補償され、累積誤差はない。
【0071】
上記記載および図面に示された本発明の実施形態は例示に過ぎず、本発明を限定するものではないと当業者は理解すべきである。本発明の目的は完全で効果的に実現されている。本発明の機能および構造の原理は実施形態において開示および説明されており、前記原理に反しなければ、本発明の実施形態について如何なる変形または改善をすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13