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特許7077338分割壁を形成するスクリーンサポートを備える航空機の乗客用個別座席の配置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】分割壁を形成するスクリーンサポートを備える航空機の乗客用個別座席の配置
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20220523BHJP
   B60N 2/01 20060101ALI20220523BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B64D11/06
B60N2/01
B60N3/00 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019553365
(86)(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2018058164
(87)【国際公開番号】W WO2018178276
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】1752817
(32)【優先日】2017-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513096624
【氏名又は名称】サフラン シーツ
(74)【代理人】
【識別番号】100099793
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 喜十郎
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】サンダム, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】シール, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】シュライビ, オマール
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0297524(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0216483(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0161302(US,A1)
【文献】特表2015-529593(JP,A)
【文献】特表2016-540674(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0223417(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0219857(US,A1)
【文献】国際公開第2015/155668(WO,A1)
【文献】特表2009-534248(JP,A)
【文献】特開2011-084274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/06
A47C 16/00-16/04
B60N 2/01
B60N 2/24
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合って配置された2つの座席のモジュールを少なくとも1つ含む、航空機キャビンに設置されるための個別座席の配置であって、前記モジュールは手方向を有し、
前記配置が、
前記モジュールの前記2つの座席間に配置されたコンソールと
前記2つの座席の各々に関連付けられたスクリーンであって、各々がスクリーンサポートに取り付けられているスクリーンとを更に含み、
複数の前記スクリーンサポートは複数の前記スクリーンサポートが前記長手方向と略平行に延在する位置と、複数の前記スクリーンサポートがほぼ端から端まで配置されて、互いに向かい合った前記2つの座席の間に分離壁を形成する展開使用位置との間で移動可能であることを特徴とする配置。
【請求項2】
スクリーンサポートが収容位置にある時、該スクリーンサポートの長さが前記コンソールの幅よりも短いか又は前記コンソールの幅に等しいことを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項3】
少なくとも1つのアームが前記スクリーンサポートと構造要素との間の接続を提供することを特徴とする請求項1に記載の配置。
【請求項4】
前記アームの一端が前記スクリーンサポートに対して回転可能に取り付けられており、前記アームの他端が前記構造要素に対して回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の配置。
【請求項5】
前記構造要素が柱又は鉛直な側壁であることを特徴とする請求項3又は4に記載の配置。
【請求項6】
前記アームが前記スクリーンサポートの面に形成された溝に収容されることを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の配置。
【請求項7】
前記コンソールに取り付けられたスライドは、前記スクリーンサポートの前記アームにかかる応力の吸収を提供することが可能であることを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の配置。
【請求項8】
スクリーンは、対応する前記スクリーンサポートに対して、特に鉛直回転軸に沿って関節式接続されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の配置。
【請求項9】
スクリーンサポートは、鉛直回転軸に沿って互いに関節式接続された外側フラップ及び内側フラップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の配置。
【請求項10】
前記外側フラップが、対応する構造要素に対して、鉛直軸を中心に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項9に記載の配置。
【請求項11】
前記内側フラップの端部が、前記コンソールに固定されたレールに対して回転可能且つ並進可能に取り付けられることを特徴とする請求項9又は10に記載の配置。
【請求項12】
スクリーンサポートが使用展開位置にある時、前記外側フラップ及び前記内側フラップが互いの延長部内のほぼ同一平面に位置することを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の配置。
【請求項13】
複数の前記スクリーンサポートが使用展開位置にある時、隣接する2つの前記スクリーンサポートの複数の前記外側フラップがほぼ端から端まで位置して前記2つの座席の間に分割壁を形成することを特徴とする請求項9~12のいずれか一項に記載の配置。
【請求項14】
スクリーンは複数の前記フラップの1つに回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載の配置。
【請求項15】
スクリーンサポートが収容位置にある時、前記外側フラップ及び前記内側フラップは少なくとも一部が互いに重なり合うことを特徴とする請求項9~14のいずれか一項に記載の配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分割壁を形成するスクリーンサポート(スクリーン支持台)を備える航空機の乗客用個別座席の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
「ビジネスクラス」タイプの航空機座席は、「着座」姿勢(「着座」位置)から、座席が乗客用のほぼ水平な睡眠面(ベッド面)を画定する「伸長(倒した、よこたわった)」姿勢(「伸長」位置)まで、様々な快適姿勢(快適位置)を乗客に提供する。
【0003】
背もたれが大きく傾いている「リラックス」姿勢など、中間の快適姿勢も同様に提案されている。一般に、これらの姿勢は、水平且つ座席の軸に垂直な軸を中心に回転する背もたれの傾斜によって得られる。したがって、乗客は、異なる姿勢間の移行中も座席にとどまることができる。
【0004】
ベッドは、一般に背もたれ、座面、レッグレスト及びフットレストで構成され、レッグレストとフットレストは固定するか、または座席の運動に関連させることができる。
【0005】
「ビジネスクラス」タイプの航空機キャビンのある座席配置では、航空機の長手方向に沿って前後に設置された2つの座席間に配置された通路を介して、全ての乗客が通路に直接アクセスすることが可能である。したがって、特に座席が「横たわる姿勢」であるとき、乗客は他の乗客に迷惑をかけることなく、容易に自分の座席を離れることができる。
【0006】
いくつかの構成では、座席は2つの縦列に沿って配置されており、同じ横列の座席は傾斜軸を有しており、すなわち、配置の長手軸線に対して零ではない角度を形成する。
【0007】
米国特許出願公開第2007/246981号には、同じ横列の座席が配置の長手軸線に沿って内側に向かって回転する(内側を向く)、すなわち、それらの軸線が座席の前方で航空機の長手軸線と交差する、杉綾状、英語では「ヘリンボーン(Heringbone)」型の構成が記載されている。
【0008】
国際公開第03/013903号に記載されている、いわゆる「逆ヘリンボーン」型の構成では、同じ横列の座席は長手軸線の外側に向かって回転し(外側を向き)、すなわち、その軸線は座席の後方で航空機の長手軸線と交差する。したがって、乗客はキャビンの通路の方向を向いている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、互いに向かい合って配置された2つの座席のモジュールを少なくとも1つ含む、航空機キャビンに設置されるための個別座席の配置であって、前記モジュールは長手延長方向を有し、
前記配置が、
前記モジュールの前記2つの座席間に配置されたコンソールと、
前記2つの座席の各々に関連付けられたスクリーンであって、各々がスクリーンサポートに取り付けられているスクリーンとを更に含み、
複数の前記スクリーンサポートは、収納位置と、複数の前記スクリーンサポートが端(端部)から端(端部)まで配置されて、互いに向かい合った前記2つの座席の間に分離壁を形成する展開使用位置との間で移動可能であることを特徴とする配置を提案することによって、既存の構成のモジュール性を改善することを目的とする。
【0010】
一実施形態によると、スクリーンサポートが収容位置にある時、該スクリーンサポートの長さが前記コンソールの幅よりも短いか又は前記コンソールの幅に等しい。
【0011】
一実施形態によると、少なくとも1つのアームが前記スクリーンサポートと構造要素との間の接続を提供する。
【0012】
一実施形態によると、前記アームの一端が前記スクリーンサポートに対して回転可能に取り付けられており、前記アームの他端が前記構造要素に対して回転可能に取り付けられている。
【0013】
一実施形態によると、前記構造要素が支柱又は鉛直な側壁である。
【0014】
一実施形態によると、前記アームが前記スクリーンサポートの面に形成された溝に収容される。
【0015】
一実施形態によると、前記コンソールに取り付けられたスライドは、前記スクリーンサポートの前記アームにかかる応力の吸収を提供することが可能である。
【0016】
一実施形態によると、スクリーンは、対応する前記スクリーンサポートに対して、特に鉛直回転軸に沿って関節式接続されている。
【0017】
一実施形態によると、スクリーンサポートは、鉛直回転軸に沿って互いに関節式接続された外側フラップ及び内側フラップを含む。
【0018】
一実施形態によると、前記外側フラップが、対応する構造要素に対して、鉛直軸を中心に回転可能に取り付けられる。
【0019】
一実施形態によると、前記内側フラップの端部が、前記コンソールに固定されたレールに対して回転可能且つ並進可能に取り付けられる。
【0020】
一実施形態によると、スクリーンサポートが使用展開位置にある時、外側フラップ及び内側フラップが互いの延長部内のほぼ同一平面に位置する。
【0021】
一実施形態によると、複数の前記スクリーンサポートが使用展開位置にある時、隣接する2つの前記スクリーンサポートの複数の前記外側フラップが端から端まで位置して前記2つの座席の間に分割壁を形成する。
【0022】
一実施形態によると、スクリーンは複数の前記フラップの1つに回転可能に取り付けられる。
【0023】
一実施形態によると、スクリーンサポートが収容位置にある時、前記外側フラップ及び前記内側フラップは少なくとも一部が互いに重なり合う。
【0024】
本発明は、非限定的な例として提示される添付図面を参照して、例示としてしめされた実施形態を含む以下の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解され、他の特徴及び利点が明らかになるであろう。それらの図面は、本発明の理解及びその実現の提示を補足するのに役立ち、必要に応じて、その定義に寄与することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1a.1b.1c】図1a、図1b、図1cは、スクリーンのない本発明による座席配置の第1の実施形態を図示した斜視図である。
図2a.2b.2c】図2a、図2b、図2cは互いに対して向かい合う2つの座席間に分割壁を形成することができる本発明によるスクリーンサポートの運動を図示した斜視図である。
図3a.3b.3c】図3a、図3b、図3cは本発明によるスクリーンサポートの第2の実施形態の運動を図示した斜視図である。
図4a.4b.4c.4d】図4a、図4b、図4c、図4dは本発明によるスクリーンサポートの第3の実施形態の運動を図示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図において、様々な実施形態に共通の構造的及び/または機能的要素は同じ参照番号を有する場合があることに留意されたい。 したがって、特に明記しない限り、そのような要素は同一の構造、寸法、材料特性を有する。
【0027】
下記に明らかになる様々な技術的特性は、互いに独立して請求(権利請求)されることに留意されたい。
【0028】
図1a~図1cは、航空機キャビンに設置されるための個別座席の配置を示す。この配置10は、2つの座席13.1及び13.2の第1組立体(第1セット)11と2つの座席13.3及び13.4の第2組立体(第2セット)12とを含む。各組立体11、12では、座席(組立体11では、13.1及び13.2、組立体12では、13.3及び13.4)が2つずつ並べて配置されている。
【0029】
各座席13.1~13.4は、水平面と座席の対称面との交線に対応する軸線X1を有する。各座席13.1~13.4は、好ましくは、航空機の停止、離陸及び着陸段階中に特に使用される姿勢に対応する「着座」姿勢と、座席13.1~13.4が乗客用にほぼ水平な睡眠面(カウチ面)を画定する「伸長」姿勢との間で転換(変換)可能である。各座席13.1~13.4は、また、これらの2つの極端な姿勢の間で、中間姿勢、いわゆるリラックス姿勢をとることも可能である。
【0030】
配置10は、航空機キャビンの軸線に沿って延びるか、または、この軸線に平行であり得る長手軸線(長手軸)X2を有する。あるいは、軸線X2は、キャビンの軸線に対してほぼ垂直であるか、または任意の角度を形成し得る。長手軸線X2は、同一組立体11(または12)の座席13.1及び13.2(または13.3及び13.4)の間を通る。この軸線X2は、配置10の対称面に位置することが可能であろう。
【0031】
より詳細には、第1組立体11の第1座席13.1は、第2組立体12の第1座席13.3の正面に(向かい合って、或いは前方において対向して)位置し、第1組立体11の第2座席13.2は、第2組立体12の第2座席13.4の正面に(向かい合って、或いは前方において対向して)位置する。
【0032】
さらに、第1組立体11の第1座席13.1及び第2座席13.2は、配置10の長手軸線X2の方向に内側を向いている。第2組立体12の第1座席13.3及び第2座席13.4は、配列10の長手軸線X2とは反対の外側を向いている。
【0033】
好ましくは、座席13.1、13.2、13.3、13.4の軸線X1は、配置10の長手軸線X2に対してほぼ同一角度を形成する。同一組立体11、12の座席の軸線X1は、配置10の長手軸線X2とほぼ同一点で交差する。
【0034】
したがって、第1組立体11の座席13.1、13.2の軸線X1は、座席13.1、13.2の前方でほぼ同一点で長手軸線X2と交差し、一方、第2組立体12の座席13.3、13.4の軸線X1は、座席13.3、13.4の後方でほぼ同一点で長手軸線X2と交差する。
【0035】
あるいは、同一組立体11、12の座席の軸線X1を軸線X2に沿って互いにずらして、同一組立体11、12の座席の軸線が異なる点で長手軸線X2と交差するようにすることもできる。
【0036】
各座席13.1、13.2、13.3、13.4は、基本モジュール(ベースモジュール)15の対応するハウジング内に組み込まれている。この基本モジュール15は、座席13.1~13.4の片側に位置するアームレスト16及び座席13.1~13.4のもう一方の側に位置するクッション17を含む。クッション17は、好ましくは、座席13.1~13.4が伸長姿勢にあるときに睡眠面の延長上に位置するための睡眠面最大化クッションである。アームレスト16は、対応する座席13.1~13.4が着座姿勢にあるときに乗客が肘を休めることができる上昇位置と、アームレスト16が伸長姿勢にある座席13.1~13.4の延長に位置する下降位置との間の格納式アームレストであってもよい。
【0037】
各座席13.1~13.4はまた、特に図1bで見られるように、その背もたれの周りに設置されたシェル20に組み合わせられ、隣接する配置10の座席13.1~13.4を分割する。同一組立体11(または12)の座席13.1及び13.2(または13.3及び13.4)のシェル20は、一続きに形成することができる。
【0038】
さらに、配置10は、第1組立体11と第2組立体12との間に配置された第1の中央コンソール(中央台)27.1と第2の中央コンソール(中央台)27.2を含む。中央コンソール27.1は、座席13.1と13.3との間に配置されている。中央コンソール27.2は、座席13.2と13.4との間に配置されている。中央コンソール27.1、27.2は各々上部平面28を有し、乗客はその上に特に物を置くことができるであろう。
【0039】
第1中央コンソール27.1は、互いに対して反対の2つの方向に沿って開き、各々第1組立体11の第1座席13.1及び第2組立体12の第1座席13.3に関連付けられた第1フットゾーン30.1及び第2フットゾーン30.2を含む。したがって、第1組立体11の第1座席13.1が伸長姿勢にある時、フットゾーン30.1は、第1組立体11の第1座席13.1の延長部に位置する。反対側のフットゾーン30.2は、第2組立体12の第1座席13.3が伸長姿勢にある時、第2組立体12の第1座席13.3の延長部に位置する。
【0040】
同様に、第2中央コンソール27.2は、互いに対して反対の2つの方向に沿って開き、各々第1組立体11の第2座席13.2及び第2組立体12の第2座席13.4に関連付けられた第1フットゾーン30.3及び第2フットゾーン(第2フットレストゾーン)30.4を含む。したがって、第1組立体11の第2座席13.2が伸長姿勢にある時、フットゾーン30.3は、第1組立体11の第2座席13.2の延長部に位置する。反対側のフットゾーン30.4は、第2組立体12の第2座席13.4が伸長姿勢にある時、第2組立体12の第2座席13.4の延長部に位置する。
【0041】
各中央コンソール27.1、27.2において、フットゾーン30.1及び30.2(または30.3及び30.4)は、長手軸線X2に沿って少なくとも一部分が重なり合う。したがって、同一中央コンソール27.1(または27.2)の2つのフットゾーン30.1及び30.2(または30.3及び30.4)を横断する長手軸線X2に垂直な直線が少なくとも1つ存在する。より詳細には、図1aに示すように、フットゾーン30.1~30.4は、対応する座席13.1~13.4の方向に開いたハウジング31、及びハウジング31の内部にほぼ水平に配置され、乗客がその上に足を載せることができるフットレストクッション32によって構成される。
【0042】
中央コンソール27.1、27.2内に形成されたハウジング31は、各々底部33によって画定され、同一コンソール27.1、27.2内に形成された2つのハウジング31の底部33は長手軸線X2に対して傾斜した共通壁34によって互いに接続されている。
【0043】
モジュール特性を示すためには、中央コンソール27.1、27.2は互いに独立していることが好ましい。あるいは、しかしながら、コンソール27.1、27.2は、単一部品のみを形成するように一体成形で形成することが可能である。
【0044】
図1cに示されているように、2つの座席モジュールM1、M2、すなわち、互いに向かい合う2つの座席13.1と13.3による第1のモジュールM1、及び互いに向かい合う2つの座席13.2と13.4による第2のモジュールM2を画定する。これらのモジュールM1、M2は、長手軸線X2に沿って延在する中央パーティション37によって分割される。座席13.1及び13.3(または、13.2及び13.4)の軸線X1は、互いに対してほぼ平行である。1つの座席13.1(または13.2)は軸線X2の方向を向くが、もう1つの座席13.3(または13.4)は軸線X2とは反対側を向いている。向かい合う2つの座席からなる、これらのモジュールM1、M2は、航空機キャビン内で側方座席グループにおいて繰り返して設置され得る。モジュールM1、M2の長手方向の伸長方向D1が画定される。
【0045】
中央パーティション37は、有利には展開位置と収容位置との間で格納式である。収容位置では、前記中央パーティション37は2つの中央コンソール27.1、27.2の間の空間38に少なくとも一部分が収容される。中央パーティション37は、単一部分または2つの部分37.1、37.2によって形成され、2つの座席組立体11、12の並行する(並ぶ)座席13.1及び13.2(または13.3及び13.4)を分割して独立させる。
【0046】
特定の実施形態では、中央パーティション37は、支柱40に機械的に接続される。実際、配置10は、座席13.1~13.4に関連するマルチメディアシステム用の電力及びデータ信号を運ぶ電気ビーム(電気配線の束)の通過を可能にするために鉛直に延在する中空の支柱40を含む。したがって、これらの支柱40の存在を活用して、それらを中央パーティション37及び配置10の他のパーティションの固定支持部材として使用することが可能であろう。しかしながら、これらの2つのモジュールM1、M2を画定するために、中央パーティション37の存在は必須ではない。
【0047】
さらに、図2a~図2cに見られるように、スクリーン41は各座席に組み合わされる(関連付けられる)。各スクリーン41は、支持台(サポート)44に取り付けられる。アーム45が支持台44と構造要素46との間の接続を確保する(提供する)。アーム45の一方の端部は支持台44に対して回転式(回転可能)に取り付けられ、アーム45のもう一方の端部は構造要素46に回転式(回転可能)に取り付けられる。
【0048】
スクリーン支持台(スクリーンサポート)44は、支持台44が方向D1にほぼ平行に延在する収容位置と支持台44が方向D1にほぼ垂直に延在する使用展開位置との間で可動である。
【0049】
その構成は、スクリーン支持台44が使用展開位置にある時、スクリーン支持台44はほぼ端から端までに配置され、互いに向かい合う2つの座席13.1と13.3との間に分割壁を形成するようになっている。この分割壁は方向D1に対してほぼ垂直(直交)に延在し、すなわち、D1に対して90°±10°の角度を形成する。「ほぼ端(端部)から端(端部)まで」とは、2つのスクリーン支持台44の側方壁(側端)がそれらの1つの端部で互いに接触するか、互いにわずかな距離になることを意味する。この距離は10cm未満であり、好ましくは、5cm未満である。
【0050】
さらに、有利には、収容位置では、各スクリーン支持台44はコンソール27.1の幅に沿って延在し、コンソール27.1をはみ出さない。言い換えれば、スクリーン支持台44の長さは、スクリーン支持台44が収容位置にある時そのスクリーン支持台44が占める区域で測定されたコンソール27.1の幅より小さいか、または等しい。
【0051】
その場合、スクリーン支持台44がアーム45を介して接続されている構造要素46は、スクリーン支持台44の支柱40に一致する。構造要素46は、他方のスクリーン支持台44の鉛直な側方壁に一致する。
【0052】
図2a~図2cの実施形態では、アーム45はスクリーン支持台44の上面及び下面に各々形成された溝51内に収容される。溝51の縁部は、使用展開位置でのスクリーン支持台44の停止ストッパを形成する。
【0053】
図3a~図3cの実施形態では、アーム45はスクリーン支持台44の後面に形成された、延びている溝51内に収容される。溝51の底部は、使用展開位置でのスクリーン支持台44の停止ストッパを形成する。
【0054】
また、スライド(スライドレール)52は、スクリーン支持台44のアーム45にかかる応力の吸収を確保(提供)し得るであろう。スクリーン支持台44が一方の位置からもう一方の位置へ移動する時、スライド52によって、構造要素46に最も近いスクリーン支持台44の端部を同時に移動させることができる。スライド52は、コンソール27.1の平坦な上面28及びスクリーン支持台44に取り付けられる。
【0055】
さらに、スクリーン41は、また、図3cに示されているように、鉛直回転軸に沿って支持台44に対して関節式接続(ヒンジ接続)され得るであろう。これによって、乗客はスクリーン41を所望の方向に向けることが可能である。スクリーン支持台44が使用展開位置にある時、この回転軸は、構造要素46から最も離れた支持台44の端部の近傍に位置する。
【0056】
また、アーム45に対するスクリーン支持台44の回転軸は、支持台44の端部から、アーム45の長さに対応する距離に位置することが注目される。スクリーン支持台44が使用展開位置にある時、距離は構造要素46の最も近い端部に関して測定される。
【0057】
2つのアーム45は、構造要素46に関してアーム45の回転軸を形成するほぼ鉛直な接続部分54によって互いに接続される。したがって、アーム45及び接続部分54は、構造要素46に固定されたガイドの内部に位置するU字型部品を形成する。
【0058】
あるいは、スクリーン支持台44と構造要素46との間の機械的接続を確保(提供)する単一のアーム45を使用することが可能であろう。
【0059】
図4a~図4dの実施形態では、スクリーン支持台44は、鉛直回転軸に沿って互いに関節式接続(ヒンジ接続)された2つのフラップ561、562を含む。スクリーン支持台44が展開位置にある時に構造要素46に最も近い外側フラップ561及び、スクリーン支持台44が展開位置にある時に構造要素46に最も遠い内側フラップ562が見られる。外側フラップ561は、対応する構造要素46に対して鉛直軸を中心にして回転式(回転可能)に取り付けられる。
【0060】
一方の位置からもう一方の位置へ移動するためには、各内側フラップ562の端部は、鉛直軸を中心に回転することができるので、方向D1に垂直である横方向レール58に沿ってスライドすることが可能である。言い換えれば、内側フラップ562の端部は、コンソール27.1に固定されたレール58に対して回転及び並進移動が可能であるように取り付けられる。
【0061】
スクリーン支持台44が展開位置にある時、内側フラップ561及び外側フラップ562は互いに延長部内のほぼ同一平面内に位置する。
【0062】
さらに、スクリーン支持台44が展開位置にある時、隣接する2つの支持台44の外側フラップ562はほぼ端から端までに配置され、それによって、互いに向かい合って配置された2つの座席13.1と13.3との間に分割壁を形成する。この分割壁は、軸線X2に対してほぼ垂直に延在する。「ほぼ端(端部)から端(端部)まで」とは、2つのスクリーン支持台44の外側フラップ562がそれらの1つの縁部で互いに接触するか、互いにわずかな距離になることを意味する。この距離は10cm未満であり、好ましくは、5cm未満である。
【0063】
スクリーン41は、フラップ561、562の1つに垂直軸を介して回転式に可動であるように取り付けられ得る。これによって、乗客はスクリーン41を所望の方向へ向けることが可能である。
【0064】
スクリーン支持台44が収容位置にある時、スクリーン支持台44のフラップ561、562は、少なくとも一部分が互いに重なり合ってもよい。
【0065】
前記に記載したように、座席13.1及び13.3の軸線X1は、軸線X2に対して角度を形成する。しかしながら、あるいは、座席13.1、13.3の軸線X1は、軸線X2に対して平行であり得るであろう。
【0066】
一実施形態によると、スクリーン支持台44がスクリーンボックス(スクリーンケース)41によって形成され得るであろう。
【0067】
あるいは、配置は、例えば、図2aに示したように、列に沿って、2つの並置されたモジュールからなる連なりでなく、一連のモジュールM1またはM2を単独で含む。言い換えれば、2つのモジュールM1及びM2が互いに組織的に組み合わされることは必要不可欠ではない。これらのモジュールM1、M2は、航空機キャビンの座席設備において独立して使用することが可能である。
【0068】
本発明はまた、例えば、バス、列車または船の座席など、他の輸送手段における座席でも利用することが可能である。
【0069】
もちろん、本発明の様々な特徴、変形及び/または実施形態は、それらが互いに非互換(非両立)または排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに関連付けられてもよい。
【0070】
もちろん、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、それらの実施形態は単に例示の目的で提供されるものである。本発明は、本発明の範囲内で当業者が考案し得る様々な修正、代替形態、及び他の変形例を抱合し、特に様々な機能形態のあらゆる組み合わせを別々に、または組み合わせて採用することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 配置
13.1、13.3 座席
27.1、27.2 コンソール
41 スクリーン
44 スクリーン支持台(支持台、スクリーンサポート)
45 アーム
46 構造要素
51 溝
52 スライド(スライドレール)
58 レール
561、562 フラップ
M1、M2 モジュール
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図4d