IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図1
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図2A
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図2B
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図3A
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図3B
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図4
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図5
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図6
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図7
  • 特許-電力モジュールを伴う燃料電池車両 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】電力モジュールを伴う燃料電池車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 8/00 20060101AFI20220523BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20220523BHJP
   B60K 1/02 20060101ALI20220523BHJP
   B60L 50/75 20190101ALI20220523BHJP
   B60L 58/40 20190101ALI20220523BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20220523BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20220523BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20220523BHJP
   H01M 8/249 20160101ALI20220523BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20220523BHJP
   B60W 10/28 20060101ALI20220523BHJP
   B60W 10/02 20060101ALI20220523BHJP
   B60W 10/04 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
B60K8/00
B60K1/04 Z
B60K1/02
B60L50/75
B60L58/40
B60L1/00 L
B60L15/20 S
H01M8/00 Z
H01M8/249
H01M8/00 A
H01M8/04 Z
B60W10/28
B60W10/00 102
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019564819
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 US2018034037
(87)【国際公開番号】W WO2018217835
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】62/510,718
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/938,610
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508108718
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,シェルドン ゼット.
(72)【発明者】
【氏名】ゾイア,ジョルジオ エル.
(72)【発明者】
【氏名】横尾 将士
(72)【発明者】
【氏名】ホッジズ,スティーヴン
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-054599(JP,A)
【文献】特開2011-200047(JP,A)
【文献】特開2005-251579(JP,A)
【文献】特開2009-119973(JP,A)
【文献】特開2013-070519(JP,A)
【文献】特開2008-043119(JP,A)
【文献】特開2016-022890(JP,A)
【文献】特開2016-144366(JP,A)
【文献】特開2003-333707(JP,A)
【文献】特開2003-111210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 58/40
H01M 8/00 - 8/2495
B60K 8/00
B60K 1/04
B60K 1/02
B60K 6/20 - 6/547
B60W 10/00 - 10/30
B60W 20/00 - 20/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの車輪を含むドライブトレインと、
複数の電力モジュールと、
を備える車両であって
各電力モジュールは、
燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能なエネルギシステムと、
前記ドライブトレインに機械的に接続された推進システムと、
当該車両内に対となるものがなく、当該車両全体の異なる補機需要を満たすように動作可能であり、各電力モジュールに割り当てられた、アプリケーション非依存の複数の補機要素と、
を含み、
前記推進システムは、前記エネルギシステムに電気的に接続されており、且つ、前記エネルギシステムからの高電圧電気エネルギを使用して、前記少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能であり、
各電力モジュールでは、前記割り当てられた補機要素は、前記エネルギシステムに電気的に接続されるとともに、前記エネルギシステムからの低電圧電気エネルギを使用して、当該車両全体の補機需要を満たすように動作可能である
ことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記複数の電力モジュール夫々の前記推進システムは、前記ドライブトレインが機械的に接続される共通の出力カップリングを支持していることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
各電力モジュールは、エネルギシステム毎の燃料タンク及び燃料電池スタックを含み、
各電力モジュールにおいて、前記燃料タンクは燃料を貯蔵するように動作可能であり、前記燃料電池スタックは、前記燃料タンクに流体的に接続されるとともに、前記燃料タンクからの燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項4】
各電力モジュールは、推進システム毎に前記ドライブトレインが機械的に接続されるモータを含み、
各電力モジュールにおいて、前記モータは、前記エネルギシステムからの高電圧電気エネルギを使用して、前記少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項5】
各電力モジュールは、エネルギシステム毎のバッテリを含み、
各電力モジュールでは、前記割り当てられた補機要素は、前記バッテリに電気的に接続されるとともに、前記バッテリからの低電圧電気エネルギを使用して、当該車両全体の補機需要を満たすように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項6】
接続/切替部を更に備え、
前記接続/切替部は、前記複数の電力モジュール間に電気的に接続されるとともに、周期的に、前記複数の電力モジュール夫々のバッテリ間で、前記複数の電力モジュールに割り当てられた前記各補機要素からの電気的負荷を切り替えるように動作可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
電力モジュール毎の電力制御モジュールを更に備え、
各電力制御モジュールは、電力モジュールを割り当て、前記割り当てられた電力モジュールと通信可能に接続され、且つ、前記割り当てられた電力モジュールの前記エネルギシステム及び前記推進システムを操作するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記ドライブトレインを支持するとともに、連結部を含むシャーシを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項9】
少なくとも一つの車輪を含むドライブトレインと、
複数の電力モジュールと、
を備える車両であって
各電力モジュールは、
燃料を貯蔵するように動作可能な燃料タンクと、
前記燃料タンクに流体的に接続されるとともに、前記燃料タンクからの燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能な燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに電気的に接続されるとともに、前記燃料電池スタックからの電気エネルギを貯蔵するように動作可能なモータバッテリと、
前記燃料電池スタックに電気的に接続されるとともに、前記燃料電池スタックからの電気エネルギを貯蔵するように動作可能な補完バッテリと、
前記ドライブトレインが機械的に接続され、且つ、前記燃料電池スタック及び前記モータバッテリに電気的に接続されるとともに、前記燃料電池スタック及び前記モータバッテリの任意の組合せからの高電圧電気エネルギを使用して、前記少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能であるモータと、
当該車両内に対となるものがなく、当該車両全体の異なる補機需要を満たすように動作可能であり、各電力モジュールに割り当てられた、アプリケーション非依存の複数の補機要素と、
を含み、
各電力モジュールでは、前記割り当てられた補機要素は、前記補完バッテリに電気的に接続されるとともに、前記補完バッテリからの低電圧電気エネルギを使用して、当該車両全体の補機需要を満たすように動作可能である
ことを特徴とする車両。
【請求項10】
各電力モジュールにおいて、前記燃料電池スタックは水素を燃料にしており、前記燃料タンクは水素タンクであることを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記複数の電力モジュールの前記各モータは、前記ドライブトレインが機械的に接続される共通の出力カップリングを支持していることを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項12】
接続/切替部を更に備え、
前記接続/切替部は、前記複数の電力モジュール間に電気的に接続されるとともに、前記複数の電力モジュールの前記各モータバッテリ間で等しく、前記複数の電力モジュールの前記各モータから、複数の結合された電気的負荷の少なくとも一つを選択的に共有するように動作可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項13】
接続/切替部を更に備え、
前記接続/切替部は、前記複数の電力モジュール間に電気的に接続されるとともに、周期的に、前記複数の電力モジュール夫々のバッテリ間で、前記複数の電力モジュールに割り当てられた前記各補機要素からの電気的負荷を切り替えるように動作可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項14】
前記各補機要素は、夫々が制動システム、操舵システム、加熱/冷却システム及びアクセサリシステムの少なくとも一つに属する前記複数の電力モジュールに割り当てられていることを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項15】
電力モジュール毎の電力制御モジュールを更に備え、
各電力制御モジュールは、電力モジュールを割り当て、前記割り当てられた電力モジュールと通信可能に接続されており、且つ、前記割り当てられた電力モジュールの前記燃料電池スタック及び前記モータを操作するように構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項16】
セミトラクタシャーシを更に備え、
前記シャーシは、前記ドライブトレインを支持するとともに、セミトレーラを連結するための連結部を含む
ことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項17】
シャーシと、
前記シャーシにより支持されたモータアセンブリと、
を更に備え、
前記モータアセンブリは、前記複数の電力モジュールの前記各モータ及び共通の出力カップリングを含み、
前記複数のモータは相互に依存する回転動作のために軸方向に統合されるとともに、回転のための前記出力カップリングを支持し、
前記ドライブトレインは、前記シャーシにより支持され、且つ、前記出力カップリングに機械的に接続され、
前記複数の電力モジュールの前記各モータは、前記複数の電力モジュールの前記各燃料電池スタックからの高電圧電気エネルギを使用して、前記出力カップリングを寄与的に回転し、それにより、前記少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項18】
前記シャーシは、セミトラクタシャーシであり、セミトラクタを結合するための結合部を含むことを特徴とする請求項17に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示する実施形態は、車両に関し、より具体的には、電動パワートレインを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの車両は、電動車両、つまり、電動パワートレインを備える車両である。典型的な電動車両は、多かれ少なかれ、伝統的なドライブトレインを備える。具体的には、電動車両は、ドライブトレインの一部として、一以上の車輪と、車輪が機械的に接続されるトランスミッション、ディファレンシャル、ドライブシャフト等とを含む。しかしながら、電動車両は、エンジンの代わりに、一以上のモータを含む。また、ドライブトレインは、電動パワートレインの一部として、モータに機械的に接続される。モータは、ドライブトレインと連動して、電気エネルギを用いて車輪に動力を供給するように動作可能である。さらに、多くの電動車両は、燃料電池車両(FCV)、つまり、一以上の燃料電池スタックを含む電動車両である。FCVでは、燃料電池スタックは、モータが車輪に動力を供給することにより使われる電気エネルギを生成するように動作可能である。
【発明の概要】
【0003】
ここでは、複数の電力モジュールを含む車両の実施形態が開示される。電力モジュールは、それが属する車両のエネルギ需要要件を満たす能力及び推進需要要件を満たす能力を実現するために「スタック」される。一の態様では、車両は、ドライブトレイン及び複数の電力モジュールを含む。ドライブトレインは、少なくとも一つの車輪を含む。各電力モジュールは、エネルギシステムと、ドライブトレインが機械的に接続される推進システムとを含む。エネルギシステムは、燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能である。推進システムは、エネルギシステムに電気的に接続されており、エネルギシステムからの電気エネルギを使用して、少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能である。
【0004】
別の態様では、車両は、ドライブトレイン、複数の電力モジュール、及び、各電力モジュールに割り当てられた補機要素を含む。ドライブトレインは、少なくとも一つの車輪を含む。各電力モジュールは、燃料タンク、燃料電池スタック、モータバッテリ、補完バッテリ、及び、ドライブトレインが機械的に接続されるモータを含む。燃料タンクは燃料を貯蔵するように動作可能である。燃料電池スタックは、燃料タンクに流体的に接続されており、燃料タンクからの燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能である。モータバッテリは、燃料電池スタックに電気的に接続されており、燃料電池スタックからの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。補完バッテリは、燃料電池スタックに電気的に接続されており、燃料電池スタックからの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。モータは、燃料電池スタック及びモータバッテリに電気的に接続されており、燃料電池スタック及びモータバッテリの任意の組合せからの電気エネルギを使用して、少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能である。各電力モジュールでは、割り当てられた補機要素は、補完バッテリに電気的に接続されており、補完バッテリからの電気エネルギを使用して車両全体の補機需要を満たすように動作可能である。
【0005】
さらに別の態様では、車両は、シャーシ、シャーシにより支持されるモータアセンブリ、及び、シャーシにより支持されるドライブトレインを含む。モータアセンブリは、複数のモータ及び共通の出力カップリングを含む。複数のモータは、相互に依存する回転動作のために軸方向に統合されており、回転のための出力カップリングを支持する。ドライブトレインは、少なくとも一つの車輪を含み、出力カップリングに機械的に接続される。車両は、第1燃料電池スタック、モータアセンブリに属する第1モータ、第2燃料電池スタック、及び、モータアセンブリに属する第2モータを更に含む。第1燃料電池スタックは、燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能である。第2燃料電池スタックも同様に、燃料を使用して電気エネルギを生成するように動作可能である。第1モータは、第1燃料電池スタックに電気的に接続されており、第1燃料電池スタックからの電気エネルギを使用して回転するように動作可能である。第2モータは、第2燃料電池スタックに電気的に接続されており、第2燃料電池スタックからの電気エネルギを使用して回転するように動作可能である。したがって、第1モータ及び第2モータは、第1燃料電池スタック及び第2燃料電池スタックからの電気エネルギを使用して、寄与的に、出力カップリングを回転し、それにより、少なくとも一つの車輪に寄与的に動力を供給するように動作可能である。
【0006】
これら及び他の態様のさらなる詳細は、以下に記載されるであろう。
【0007】
本実施形態の様々な特徴、利点及び他の用途は、以下の詳細な説明及び図面を参照することによりさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、斜視図及びブロック図を使用した燃料電池車両(FCV)の描写であり、エネルギスーパシステム、推進システム及び補機システムを含む車両システム、センサシステム、グローバル制御モジュール及び電力制御モジュールを含む制御モジュール、並びに、電力モジュール毎にエネルギシステム及び推進システムを含む複数の電力モジュール、燃料電池システム、エネルギシステム毎のバッテリシステム及び燃料タンクシステム、並びに、推進システム毎のモータシステムを示している。
図2A図2Aは、ブロック図を使用したFCVの描写であり、更に、燃料電池システム毎の燃料電池スタックを含む電力モジュール、バッテリシステム毎の複数のバッテリ、及びモータシステム毎のモータと、補機システムの補機要素の電力モジュールへの割り当ても示している。
図2B図2Bは、斜視図を使用したFCVの描写であり、更に、車両システム及び車両システムの要素を示している。
図3A図3Aは、ブロック図を使用したFCVの部分描写であり、更に、複数の燃料タンク、及び、燃料タンクシステム毎の燃料タンクのための配管ネットワークを含む電力モジュールを示している。
図3B図3Bは、図2Bからの分解斜視図を使用したFCVの部分描写であり、更に、燃料タンクシステムを示している。
図4図4は、図2Bからの分解斜視図を使用したFCVの部分描写であり、複数のモータが属するモータアセンブリを示している。
図5図5は、図2Bからの分解斜視図を使用したFCVの部分描写であり、更に、特定のバッテリ及びサポートラックに取り付けられた燃料タンクを示している。
図6図6は、図2Bからの分解斜視図を使用したFCVの部分描写であり、更に、燃料電池スタック及び他のサポートラックに取り付けられた特定の他の車両要素を示している。
図7図7は、制御モジュールがFCVの動作を統合するためのプロセスの操作を示すフローチャートである。
図8図8は、各電力モジュールに割り当てられたマスタ電力制御モジュール及びスレーブ電力制御モジュールを含む電力制御モジュールのマスタ/スレーブ制御関係下で、制御モジュールがFCVの動作を統合するためのプロセスの操作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、複数の電力モジュールを含む車両について説明する。複数の電力モジュールは、それらが属する車両のエネルギ需要要件を満たす能力及び推進需要要件を満たす能力を実現するために「スタック」されている。
【0010】
セミトラクタ燃料電池車両
燃料電池車両(FCV)100は、図1に、代表的な電動車両として示されている。FCV100は燃料電池車両であるが、本開示は、原則として、他の電動車両に大部分が適用可能であることが理解されるであろう。本明細書では、「front」、「forward」等の使用、及び、「rear」、「rearward」等の使用は、FCV100の縦方向を指す。「front」、「forward」等は、FCV100の前面(前方)を指し、「rear」、「rearward」等は、FCV100の背面(後方)を指す。「side」、「sideways」、「transverse」等の使用は、FCV100の横方向を指す。「運転者側」等はFCV100の左側を指し、「乗客側」等はFCV100の右側を指す。
【0011】
FCV100は、セミトラクタである、つまり、連結されたセミトラクタ102と一緒にセミトラックを形成するトラクタユニットである。FCV100は、外部と、いくつかの内部区画を有する。区画は、乗客区画104と、一以上のエンジン区画106とを含む。FCV100は、とりわけ、乗客区画104に収容された座席及びダッシュアセンブリを含んでよい。
【0012】
FCV100は、その外部を形成するとともに、その区画を規定するボディ108を有する。ボディ108は、直立した側面、床、前端、後端、屋根等を有する。FCV100が属するセミトラックでは、同様に、セミトラクタ102は外部と、内部区画としての、貨物を運ぶための貨物区画とを有する。FCV100は、ボディ108に加えて、シャーシ110を有する。シャーシ110は、FCV100のアンダーボディとして機能する。シャーシ110は、ボディ108と同様に、FCV100の外部を形成する。FCV100は、シャーシ110の一部として、セミトレーラ102をFCV100に連結するための連結部112を含む。セミトレーラ102がFCV100に連結された状態で、FCV100は、セミトレーラ102及び搭載貨物を引っ張るように動作可能である。
【0013】
FCV100はドライブトレインを有する。ドライブトレインは、シャーシ110の一部であり、シャーシ110に取り付けられる、別な方法では、シャーシ110により支持される。ドライブトレインは、全体的又は部分的に、乗客区画104、エンジン区画106又はFCV100の他の場所、の任意の組合せを収容してよい。FCV100は、ドライブトレインの一部として車輪114を含む。車輪114は、地面の上でFCV100の残りの部分を支持する。FCV100は、10個の車輪114を含んでおり、そのうちの2個は前輪114Fであり、そのうちの8個は後輪114Rである。後輪114Rは、4つのデュアルホイール機構で配置される。運転者側デュアルホイール機構に属する2個の後輪114Rが図示されており、他の2個、即ち、乗客側デュアルホイール機構は、残りの後輪114Rを含む鏡像である。地面に沿ってFCV100を駆動するために、車輪114の一つ、いくつか又は全てに動力が供給される。後輪駆動装置では、地面に沿ってFCV100を駆動するために、後輪114Rの一つ、いくつか又は全てに動力が供給される。この目的のために、FCV100は、ドライブトレインの一部として、車輪114に加えて、車輪114が機械的に接続されるトランスミッション、ディファレンシャル、ドライブシャフト等の、任意のペナルティメート(penultimate)の組合せを含む。
【0014】
FCV100は、リアルタイムの車両需要を満たすために、FCV100を授ける相互接続されたアイテムのアセンブリとして動作する。一般的に、車両需要は、その性能が車両需要を満たす車両機能に対応する。従って、FCV100は、動作中に、一以上の対応する車両機能を実行することにより一以上の車両需要を満たすように授けられている。車両機能の実行に関して、FCV100は、手動操作及び自動操作の任意の組合せの対象である。手動操作の場合、FCV100は手動のみであってよい。自動操作の場合、FCV100は、半自律、高度自律又は完全自律であってよい。
【0015】
車両需要を満たすという目的のために、FCV100は、一以上の車両システム120を含む。単独で又はドライブトレインとの組合せで、車両システム120は、FCV100を代表して、車両機能を実行し、それによりFCV100を代表して、対応する車両需要を満たすように動作可能である。複数の車両システム120の任意の組合せは、車両機能を実行するように動作可能であってよい。従って、車両需要及び対応する車両需要の観点から、複数の車両システム120の一つ、いくつか又は全ては、関連する車両システム120として機能する。さらに、各車両システム120は、車両機能の任意の組合せを実行し、それにより、全体的又は部分的に、対応する車両需要の任意の組合せを満たすように動作可能であってよい。従って、各車両システム120は、それ自身の観点から、一以上の車両機能及び一以上の対応する車両需要のための関連する車両システム120として機能する。
【0016】
FCV100は、車両システム120に加えて、センサシステム122、一以上のプロセッサ124、メモリ126、及び、車両システム120及びセンサシステム122が通信可能に接続される一以上の制御モジュール128を含む。センサシステム122は、FCV100に関する情報を検出するように動作可能である。プロセッサ124、メモリ126及び制御モジュール128は一緒に、その制御モジュール128がFCV100の操作を統合するために採用可能である一以上のコンピューティングデバイスとして機能する。
【0017】
具体的には、制御システム128は、FCV100に関する情報に基づいて、車両システム120を操作する。従って、車両システム120を操作するための前提条件として、制御モジュール128は、センサシステム122により検出されたFCV100に関する情報と、制御モジュール128間で通信されたFCV100に関する情報との任意の組合せを含むFCV100に関する情報を収集する。その後、制御モジュール128は、FCV100に関する情報を評価し、その評価に基づいて車両システム120を操作する。FCV100に関する情報の評価の一部として、制御モジュール128は、一以上の車両需要を識別する。関連して、車両システム120の操作の一部として、車両需要が識別された場合、制御モジュール128は、車両需要を満たすために一以上の関連車両システム120を操作する。
【0018】
車両システム
車両システム120は、シャーシ110の一部である、シャーシ110に取り付けられている、別な方法では、シャーシ110により支持される。車両システム120は、乗客区画104、エンジン区画106又はFCV100の他の場所の任意の組合せに、全体的又は部分的に、収容されてよい。各車両システム120は、一以上の車両要素を含む。それが属する車両システム120を代表して、各車両要素は、車両システム120が関連する車両機能の任意の組合せを、全体的に又は部分的に、実行するように動作可能である。車両要素及びそれらが属する車両システム120は、必要ではないが、相互に明確であってよいと理解されるであろう。
【0019】
車両システム120は、エネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132を含む。エネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132は、互いに電気的に接続されている。更に、ドライブトレインは、推進スーパシステム132に機械的に接続されている。推進スーパシステム132及びドライブトレインは共に、FCV100の電動パワートレインとして機能する。エネルギスーパシステム130は、限定されないが、電気エネルギを生成することを含む一以上のエネルギ機能を実行するように動作可能である。推進スーパシステム132は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、限定されないが、車輪114に動力を供給することを含む一以上の推進機能を実行するように動作可能である。
【0020】
具体的には、エネルギスーパシステム130は、電気エネルギを生成する、電気エネルギを貯蔵する、電気エネルギを調整及びその他処理する、並びに、燃料を貯蔵及びその他処理するように動作可能である。ドライブトレインと一緒に、推進スーパシステム132は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。推進スーパシステム132は、動力が供給された車輪114で、FCV100を加速する、FCV100の速度を維持する(例えば、地上又は上り坂)、その他、地面に沿ってFCV100を駆動するために採用可能である。推進スーパシステム132は、車輪114の一つ、いくつか又は全てを使用して、電気エネルギを生成し、結果的に車輪114を減速するように動作可能である。推進スーパシステム132は、減速された車輪114で、FCV100を減速する、FCV100の速度を維持する(例えば、下り坂)、その他、地面に沿ってFCV100を駆動するために採用可能である。次に、エネルギスーパシステム130は、推進スーパシステム132からの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。電気エネルギを生成することと、結果として車輪114を減速することと、電気エネルギを貯蔵することとの組合せの結果として、推進スーパシステム132及びエネルギスーパシステム130は、車輪114でFCV100を回生制動するように動作可能である。
【0021】
エネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132に加えて、車両システム120は、一以上の補機システム134を含む。補機システム134は、制動システム140、操舵システム142、加熱/冷却システム144及びアクセサリシステム146を含む。補機システム134は、推進スーパシステム132と同様に、エネルギスーパシステム130に電気的に接続されている。補機システム134は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、限定はされないが、FCV100を摩擦的に制動すること、FCV100を操舵すること、FCV100を冷却すること、FCV100を加熱すること、を含む一以上の補機機能と、一以上のアクセサリ機能とを実行するように動作可能である。従って、推進スーパシステム132はエネルギスーパシステム130の主要な電気負荷として振舞うが、補機システム134も同様に、エネルギスーパシステム130の電気負荷として振舞う。
【0022】
センサシステム
FCV100は、センサシステム122の一部として、一以上のオンボードセンサを含む。センサは、リアルタイムで、FCV100を監視する。センサは、センサシステム122を代表して、ユーザ要求についての情報及びFCV100の操作についての情報を含むFCV100に関する情報を検出するように動作可能である。
【0023】
FCV100は、ユーザコントロールを含む。ユーザコントロールは、FCV100のユーザとFCV100自身との間のインターフェースとして機能し、車両機能を要求する機械的、口頭及び他のユーザ入力を受信するように動作可能である。対応するユーザコントロールと併せて、センサのうち、FCV100は、アクセルペダルセンサ、ブレーキペダルセンサ、操舵角センサ等と、一以上のカメラ等を含む。関連して、ユーザ要求についての情報のうち、センサシステム122は、車輪114への動力供給を要求するユーザ入力、制動、操舵等を要求するユーザ入力、加熱、冷却等を要求するユーザ入力、アクセサリ機能を要求するユーザ入力も検出するように動作可能である。
【0024】
センサのうち、FCV100は、一以上の速度計、一以上のジャイロスコープ、一以上の加速度計、一以上の車輪センサ、一以上の温度計、一以上の慣性測定ユニット(IMUs)、一以上のコントローラエリアネットワーク(CAN)センサ、等も含む。関連して、FCV100の操作についての情報のうち、センサシステム122は、その速度、加速度、向き、回転、方向等、車輪114の動き、FCV100の温度、車両システム120の一つ、いくつか又は全ての動作状態を含む、FCV100の位置及び挙動を検出するように動作可能である。
【0025】
制御モジュール
上述のように、プロセッサ124、メモリ126及び制御モジュール128は共に、その制御モジュール128が、FCV100の動作を指揮する一以上のコンピューティングデバイスとして機能する。制御モジュール128は、グローバル制御モジュール128Gを含む。関連して、FCV100は、中央制御システムの一部として、グローバル制御モジュール128Gが属するグローバル制御ユニット(GCU)を含む。図示するように、FCV100は一つのグローバル制御モジュール128Gを含むが、本開示は、原則として、複数のグローバル制御モジュール128Gを含む他の同様の車両に適用可能であることが理解されるであろう。制御モジュール128は、一以上の電力制御モジュール128Pも含む。関連して、FCV100は、電力制御モジュール128Pに属する一以上の電力制御ユニット(PCUs)を含む。プロセッサ124及びメモリ126は、GCU及びPCUsに共通であるように図示されているが、GCU及びPCUsの一つ、いくつか又は全てが、一以上の専用のプロセッサ124及び専用のメモリ126を伴うスタンドアロンコンピューティングデバイスである可能性が考慮される。
【0026】
グローバル制御モジュール128Gは、GCUを代表して、限定されないが、車両システム120の動作を含むFCV100のグローバル動作を統合する。電力制御モジュール128Pは、PCUsを代表して、エネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132、同様に特定の補機システム146の動作、を統合する。
【0027】
プロセッサ124は、本明細書に記載のプロセスのいずれか、或いは、このようなプロセスを実行するか、そのようなプロセスを実行させるための命令の任意の形式を実行するように構成された任意のコンポーネントであってよい。プロセッサ124は、一以上の汎用プロセッサ又は特殊目的プロセッサで実装されてよい。適切なプロセッサ124の例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又は、ソフトウェアを実行する他の形態の回路を含む。適切なプロセッサ124の他の例は、限定されないが、中央処理装置(CPUs)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASICs)、プログラマブルロジック回路又はコントローラが含まれる。プロセッサ124は、プログラムコードに含まれる命令を実行するように構成された少なくとも一つのハードウェア回路(例えば集積回路)を含んでよい。複数のプロセッサ124が存在する配置では、プロセッサ124は、互いから独立して又は互いに組み合わせて動作してよい。
【0028】
メモリ126は、非一時的なコンピュータ可読媒体である。メモリ126は、揮発性又は不揮発性メモリ、又はその両方を含んでよい。適切なメモリ126の例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、その他の適切な記憶媒体、又はこれらの任意の組合せを含む。メモリ126は、プログラムコードに格納された命令を含む。そのような命令は、プロセッサ124又は制御モジュール128により実行可能である。メモリ126は、プロセッサ124又は制御モジュール128の一部であってよく、或いは、プロセッサ126又は制御モジュール128に通信可能に接続されていてよい。
【0029】
一般的に言えば、制御モジュール128は、プロセッサ124により実行されるであろう命令を含む。制御モジュール128は、プロセッサ124により実行された場合に、本明細書で説明されるプロセスの一以上を実行するコンピュータ可読プログラムコードとして実装されてよい。そのようなコンピュータ可読プログラムコードは、メモリ126に格納されてよい。制御モジュール128は、プロセッサ124の一部であってもよく、或いは、プロセッサ124に通信可能に接続されてよい。
【0030】
電力モジュール
上述のように、車両システム120は、FCV100を代表して、車両機能を実行し、それによりFCV100を代表して、対応する車両需要を満たすように動作可能である。具体的には、エネルギスーパシステム130は、エネルギ機能を実行し、それにより対応するエネルギ需要を満たすように動作可能であり、推進スーパシステム132は、推進機能を実行し、それにより対応する推進需要を満たすように動作可能であり、補機システム134は、補機機能を実行し、それにより対応する補機需要を満たすように動作可能である。
【0031】
グローバル制御モジュール128G及び電力制御モジュール128P、並びに、FCV100のグローバル動作の統合の観点から、車両需要は、一以上のグローバル車両需要、つまり、車両需要を含み、一以上の推進需要はグローバル推進需要である。グローバルエネルギ需要は、電気エネルギを生成するための一以上の需要、電気エネルギを貯蔵するための一以上の需要、燃料を貯蔵する、別な方法では処理する一以上の需要、の任意の組合せを含んでいてよい。グローバル推進需要は、車輪114に動力を供給するための一以上の需要、及び、車輪114を減速させるための一以上の需要を含んでいてよい。グローバルエネルギ需要及びグローバル推進需要の任意の組合せは、例えば、FCV100を回生制動するための一以上の需要等の、グローバル複合エネルギ及び推進需要の一部であってよい。さらに、各補機需要は、グローバル補機需要である。グローバル補機需要は、FCV100を摩擦制動するための一以上の需要、FCV100を操舵するための一以上の需要、FCV100を冷却するための一以上の需要、FCV100を加熱するための一以上の需要、アクセサリ機能を実行するための一以上の需要、の任意の組合せを含んでよい。
【0032】
対応する車両機能を実行することにより、グローバル車両需要を満たすように装備されていることを越えて、FCV100は、一以上の車両需要要件を満たすように装備されている。具体的には、車両機能を実行し、それにより対応するグローバル車両需要を満たすように動作可能であり、車両システム120は、FCV100を代表して、車両需要要件を満たす能力を有する。従って、エネルギスーパシステム130は、特定のエネルギ需要要件を満たす能力を有し、推進スーパシステム132は、特定の推進需要要件を満たす能力を有し、補機システム134は、特定の補機需要要件を満たす能力を有する。
【0033】
一般的に、車両需要要件は、特定の車両アプリケーションに固有のものである。例えば、セミトラクタアプリケーションとしてのFCV100は、他の多くの車両アプリケーションよりも高いエネルギ需要要件及び高い推進需要要件を有する。いくつかの場合では、FCV100は、他の車両アプリケーションの複数倍のエネルギ需要要件及び複数倍の推進需要要件を有することができる。
【0034】
エネルギ需要要件を満たす能力及び推進需要要件を満たす能力を実現するために、その車両要素が、要素から要素へ、電力モジュール間で、相互に接続されるFCV100は、(一般に“電力モジュール150”又は“複数の電力モジュール150”を使用することにより参照される)複数の対応する電力モジュール150A-Bを含む。図示するように、FCV100は2つの電力モジュール150を含んでいるが、本開示は、原則として、3以上の電力モジュール150を含む他の同様の車両に適用可能であることが理解されるであろう。電力モジュール150に関して、エネルギスーパシステム130は、複数の対応するエネルギシステム152を含み、推進スーパシステム132は、複数の対応する推進システム154を含む。FCV100では、エネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132は、エネルギシステム152及び推進システム154を含む各電力モジュール150にわったって配置される。
【0035】
各電力モジュール150では、推進システム154及びエネルギシステム152は、互いに電気的に接続されている。さらに、ドライブトレインは、各推進システム14に機械的に接続されている。それが属する電力モジュール150を代表して、各エネルギシステム152は、エネルギスーパシステム130に関連づけられており、且つ、電気エネルギを生成することを含むが、これに限定されない、エネルギ機能を実行するように動作可能である。同様に、それが属する電力モジュール150を代表して、各推進システム154は、推進スーパシステム132が関連し、電気エネルギを使用する推進機能であって、車輪114に動力を供給することを含むが、これに限定されない、推進機能を実行するように動作可能である。各推進システム154は、具体的には、それ及びエネルギシステム152が属する電力モジュール150のエネルギシステム152からの電気エネルギを使用して、推進機能を実行するように動作可能である。
【0036】
各エネルギシステム152と、それが属する電力モジュール150とは、燃料電池システム160、バッテリシステム162及び燃料タンクシステム164を含む。各推進システム154と、それが属する電力モジュール150とは、モータシステム166を含む。各電力モジュール150の内部では、モータシステム166は、燃料電池システム160に電気的に接続されている。さらに、バッテリシステム162及び燃料電池システム162は、互いに電気的に接続されており、モータシステム166及びバッテリシステム162は互いに電気的に接続されている。さらに、燃料電池システム160は、燃料タンクシステム164に流体的に接続されている。燃料電池システム160は、バッテリシステム164からの電気エネルギと、燃料タンクシステム164からの燃料とを使用して、電気エネルギを生成するように動作可能である。ドライブトレインに関して、モータシステム166は、燃料電池システム160とバッテリシステム162との任意の組合せからの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。モータシステム166は、また、車輪144を使用して電気エネルギを生成するように動作可能であり、その結果車輪114を減速する。バッテリシステム162は、燃料電子システム160からの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。バッテリシステム162は、また、モータシステム166からの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。燃料タンクシステム164は、燃料を貯蔵し、別な方法では、燃料電池システム160に燃料を供給することを含む、燃料を処理するように動作可能である。
【0037】
電力モジュール150は、それらが属するFCV150のエネルギ需要要件を満たす能力及び推進需要要件を満たす能力を実現する目的のために「スタック」される。具体的には、エネルギ需要要件が与えられると、各電力モジュール150では、エネルギシステム152は、エネルギ需要要件の割り当てを満たす能力を有する。エネルギシステム152各々が、エネルギ需要要件の割り当てを満たす能力を有することにより、エネルギシステム152が属する電力モジュール150は、エネルギ需要要件を寄与的に満たす能力を有する。同様に、エネルギシステム152がエネルギスーパシステム130に属することにより、エネルギスーパシステム130も、エネルギ需要要件を満たす能力を有する。同様に、推進需要要件が与えられると、各電力モジュール150では、推進システム154は、推進需要要件の割り当てを満たす能力を有する。推進システム154各々が推進需要要件の割り当てを満たす能力を有することにより、推進システム154が属する電力モジュール150は、推進需要要件を寄与的に満たす能力を有する。同様に、推進システム154が推進スーパシステム132に属することにより、推進スーパシステム132も、推進需要要件を満たす能力を有する。
【0038】
グローバルエネルギ需要が与えられると、各電力モジュール150では、エネルギシステム152は、グローバルエネルギ需要の割り当てを満たすように動作可能である。エネルギシステム152各々が、グローバルエネルギ需要の割り当てを満たすように動作可能であることにより、エネルギシステム152が属する電力モジュール150は、グローバルエネルギ需要を寄与的に満たすように動作可能である。同様に、エネルギシステム152がエネルギスーパシステム130に属することにより、エネルギスーパシステム130も、グローバルエネルギ需要を満たすように動作可能である。同様に、グローバル推進需要が与えられると、各電力モジュール150では、推進システム154が、グローバル推進需要の割り当てを満たすように動作可能である。推進システム154各々が、グローバル推進需要の割り当てを満たすように動作可能であることにより、推進システム154が属する電力モジュール150は、グローバル推進需要を寄与的に満たすように動作可能である。同様に、推進システム154が推進スーパシステム132に属することにより、推進スーパシステム132も、グローバル推進需要を満たすように動作可能である。
【0039】
車両需要要件は、特定の車両アプリケーションに固有のものであるが、いくつかの車両需要要件は、他のものよりもアプリケーション依存性が低い。例えば、セミトラクタアプリケーションとしてのFCV100は、多くの他の車両アプリケーションとしての補機需要要件を同様に有する。
【0040】
FCV100では、補機システム134は、複数の対応する関係を有するよりむしろ、FCV100に共通である。電力モジュール150及びエネルギスーパシステム130に関して、個々の、又は、それが属する補機システム134の一部としての、一以上の補機要素は、電力モジュール150に割り当てられる。各電力モジュール150では、場合によっては、個々の、又は、それが属する補機システム134の一部としての、各割当補機要素は、エネルギシステム152に電気的に接続されている。FCV100及び、それが属する補機システム134を代表して、各割当補機要素は、エネルギシステム152からの電気エネルギを使用して、補機機能を実行するように動作可能である。従って、各電力モジュールでは、推進システム154がエネルギシステム152の主要な電気的負荷として機能するが、割当補機要素も、エネルギシステム152上の電気的負荷として機能する。しかしながら、グローバル補機需要が与えられると、割当補機要素は、未割当基準で、グローバル補機需要を寄与的に満たすように動作可能である。
【0041】
上述のように、電力制御モジュール128Pは、エネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132、並びに、特定の補機システム146の動作を統合する。具体的には、電力モジュール150にわたるエネルギスーパシステム130及び推進スーパシステム132の配置に関して、FCV100は、複数の対応する電力制御モジュール128Pを含む。そして、FCV100では、各電力制御モジュール128Pは、電力モジュール150に割り当てられる。各電力モジュール150がエネルギシステム152及び推進システム154を含むので、各電力制御モジュール128Pは、エネルギシステム152及び推進システム154に割り当てられる。さらに、各電力制御モジュール128Pは補機要素に割り当てられる。具体的には、各電力制御モジュール128Pは、電力モジュール150に割り当てられ、次に電力制御モジュール128Pに割当補機要素が割り当てられる。各電力制御モジュール128Pは、割当エネルギシステム152の動作、及び、割当推進システム154の動作、並びに、割当補機要素の動作を含む、割当電力モジュール150の動作を統合する。
【0042】
モジュール化された実装では、各電力モジュール150は、FCV100より低いエネルギ需要要件及び低い推進需要要件の、例えば乗用車アプリケーション等の他の車両アプリケーションから調達される。具体的には、各電力モジュール150は、他の車両アプリケーションからの完全なエネルギシステム及び完全な推進システムのモジュール化されたバージョンである。関連して、各電力制御モジュール128Pも、他の車両アプリケーションから調達される。具体的には、各電力制御モジュール128Pは、電力制御モジュール128P自身に加えて、一以上の専用プロセッサ及び専用メモリを伴うスタンドアロンコンピューティングデバイスとしての、他の車両アプリケーションから調達されたPCUに属する。
【0043】
とりわけ、他の車両アプリケーションよりも高いエネルギ需要要件及び高い推進需要要件を伴うセミトラクタアプリケーションとしてのFCV100は、従来の設計原理の製品ではないということである。具体的には、他の車両アプリケーションが与えられると、FCV100のエネルギ需要要件を満たす能力及び推進需要要件を満たす能力を実現するために電力モジュールをスタックすることに代えて、従来の設計原理は、他の車両アプリケーションからのエネルギシステムのスケーリング及び推進システムのスケーリングを要求するだろう。さらに、従来の設計原理は、スケーリングされたエネルギシステム及びスケーリングされた推進システム、並びに、未割り当てベースの補機システム134の動作を、それ自身により、統合するために、他の車両アプリケーションからPCUを調達することを要求するだろう。
【0044】
一の電力モジュール150の燃料電池システム160、バッテリシステム162及び燃料タンクシステム164の任意の組合せは、残りの電力モジュール150の対応部として、エネルギ需要要件を満たす同じ能力を有することができる。加えて又は代えて、一の電力モジュール150のモータシステム166は、残りの電力モジュール150の対応部として、推進需要要件を満たす同じ能力を有することができる。
【0045】
FCV100を越えて、より広い車両ラインナップにわたり、新しい車両アプリケーションのために、複数の同じ又は類似の電力モジュール150は、新しい車両アプリケーションのエネルギ需要要件を満たす能力及び推進需要要件を満たす能力を実現する目的のために、スタックされることができる。電力モジュール150の一以上の車両要素は、車両ラインナップにわたり標準化されてよい。例えば、全ての電力モジュール150において、燃料電池システム160は同じであり得る。加えて又は代えて、一以上の電力制御モジュール128Pも同じであってよい。標準化された車両要素は、単独で、新しいアプリケーションの車両需要要件に関係なく、車両需要要件を満たす同じ能力を有するので、単一容量の標準化された車両要素は、開発及び生産される必要がある。関連して、標準化された車両要素を越えて、電力モジュール150の残りは、新しい車両アプリケーションのために最適化されてよい。例えば、全ての電力モジュール150において燃料電池システム160が同じである場合、電力モジュール150のバッテリシステム162は、新しいアプリケーションのエネルギ需要要件を寄与的に満たす能力を有するように最適化されてよい。加えて又は代えて、電力モジュール150のモータシステム166は、新しいアプリケーションの推進需要要件を寄与的に満たす能力を有するように最適化されてよい。
【0046】
それらは新しい車両アプリケーションに容易に統合されるため、電力モジュール150は、初期の車両開発及び生産を越えて有用である。例えば、FCV100の寿命末期(EOL)シナリオでは、電力モジュール150は、FCV100のエネルギ需要要件を寄与的に満たす能力をもはや有さない可能性がある。加えて又は代えて、電力モジュール150は、FCV100の推進需要要件を寄与的に満たす能力をもはや有さない可能性がる。電力モジュール150は、それにもかかわらず、他の車両アプリケーションのエネルギ需要要件を、寄与的に満たす能力と、推進需要要件を、寄与的に満たす能力とを有する可能性がある。従って、電力モジュール150を廃棄する代わりに、それが他の車両アプリケーションに統合されてよい。
【0047】
エネルギシステム及び推進システム
上述のように、各電力モジュール150は、エネルギシステム152及び推進システム154を含む。追加的に参照する図2A及び2Bに示されるように、燃料電池システム160、バッテリシステム162及び燃料タンクシステム164に加えて、各エネルギシステム152と、エネルギシステム152が属する電力モジュール150とは、ジャンクションボックス200及び付随するエネルギ要素を含む。各電力モジュール150の内部では、モータシステム166は、ジャンクションボックス200を介して、燃料電池システム160に電気的に接続されている。さらに、バッテリシステム162及び燃料電池システム160は、ジャンクションボックス200を介して互いに電気的に接続されており、モータシステム166及びバッテリシステム162は、ジャンクションボックス200を介して互いに電気的に接続されている。
【0048】
FCV100は、燃料電池システム160の一部としての一以上のエネルギ要素を含む。燃料電池システム160のエネルギ要素の中で、FCV100は、燃料電池スタック202を含む。FCV100は、図示するように、燃料電池システム160毎に位置の燃料電池スタック202を含むが、本開示は、原則として、燃料電池システム160毎に複数の燃料電池スタック202を含む他の類似の車両にも適用可能であることが理解されるであろう。燃料電池スタック202に関して、エネルギシステム152のエネルギ要素の中で、FCV100は、燃料電池コンバータ204を含む。燃料電池コンバータ204は、燃料電池スタック202に電気的に接続されている。燃料電池スタック202は、電気エネルギを生成するように動作可能である。燃料電池コンバータ204は、燃料電池スタック202からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、燃料電池コンバータ204は、燃料電池スタック202からのより低い電圧のDC電気エネルギを、より高い電圧のDC電気エネルギに変換するように動作可能なDC/DCコンバータである。例えば、より低い電圧のDC電気エネルギは、中程度の電圧のDC電気エネルギであってよく、より高い電圧のDC電気エネルギは、高電圧DC電気エネルギであってよい。
【0049】
FCV100は、モータシステム166の一部としての一以上の推進要素も含む。モータシステム166の推進要素の中で、FCV100は、モータ206を含む。FCV100は、図示するように、モータシステム166毎に一のモータ206を含むが、本開示は、原則として、モータシステム166毎に複数のモータ306を含む他の類似の車両にも適用可能であることが理解されるであろう。モータ206は、同期三相AC電気モータである。モータ206に関して、エネルギシステム152の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、モータインバータ208を含む。モータインバータ208は、ジャンクションボックス200を介して燃料電池コンバータ204に電気的に接続されており、モータ206は、モータインバータ208に電気的に接続されている。さらに、ドライブトレインは、モータ206に機械的に接続されている。モータインバータ208は、燃料電池コンバータ204からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、モータインバータ208は、燃料電池コンバータ204からのDC電気エネルギを、三相AC電気エネルギに変換するように動作可能である。例えば、三相AC電気エネルギは、区電圧AC電気エネルギであってよい。モータ206は、ドライブトレインと連動して、モータインバータ208からの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。
【0050】
FCV100は、バッテリシステム162の一部としての一以上のエネルギ要素も含む。バッテリシステム162のエネルギ要素の中で、FCV100は、一以上のバッテリ210を含む。FCV100は、図示するように、バッテリシステム162毎に2つのバッテリ210を含むが、本開示は、原則として、バッテリシステム162毎に一のバッテリ210を含む他の類似の車両や、バッテリシステム162毎に他の複数のバッテリ210を含む他の類似の車両にも適用可能であることが理解されるであろう。バッテリ210に関して、エネルギシステム152の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、バッテリコンバータ212を含む。燃料電池システム160の観点から、バッテリコンバータ212は、ジャンクションボックス200を介して燃料電池コンバータ204に電気的に接続されており、バッテリ210は、ジャンクションボックス200を介してバッテリコンバータ212に電気的に接続されている。バッテリコンバータ212は、燃料電池コンバータ204からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、バッテリコンバータ212は、燃料電池コンバータ204からのより高い電圧のDC電気エネルギを、より低い電圧のDC電気エネルギに変換するように動作可能なDC/DCコンバータである。例えば、より高い電圧のDC電気エネルギは、高電圧DC電気エネルギであってよく、より低い電圧のDC電気エネルギは、中程度の電圧のDC電気エネルギであってよい。バッテリ210は、バッテリ212からの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。
【0051】
また、バッテリシステム162の観点から、バッテリコンバータ212は、ジャンクションボックス200を介してバッテリ210に電気的に接続されており、モータインバータ208は、ジャンクションボックス200を介してバッテリコンバータ212に電気的に接続されており、上述のように、モータ206はモータインバータ208に電気的に接続されている。関連して、バッテリコンバータ212も、バッテリ210からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、バッテリコンバータ212は、バッテリ210からのより低い電圧のDC電気エネルギを、より高い電圧のDC電気エネルギに変換するように動作可能なDC/DCコンバータである。例えば、より低い電圧のDC電気エネルギは中程度の電圧のDC電気エネルギであってよく、より高い電圧のDC電気エネルギは高電圧DC電気エネルギであってよい。モータインバータ208も、バッテリコンバータ212からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、モータインバータ208は、バッテリコンバータ212からのDC電気エネルギを、三相AC電気エネルギに変換するように動作可能である。上述のように、三相AC電気エネルギは、高電圧AC電気エネルギであってよい。再び、モータ206は、ドライブトレインと連動して、モータインバータ208からの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。
【0052】
同様に、モータシステム16の観点から、モータインバータ208は、モータ206に電気的に接続されており、バッテリコンバータ212は、ジャンクションボックス200を介してモータインバータ208に電気的に接続されており、上述のように、バッテリ210は、ジャンクションボックス200を介してバッテリコンバータ212に電気的に接続されている。関連して、ドライブトレインに関連して、モータ206は、車輪114を使用して、電気エネルギを生成するようにも動作可能であり、その結果車輪114を減速する。さらに、モータインバータ208も、モータ206からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、モータインバータ208は、モータ206からの三相AC電気エネルギをDC電気エネルギに変換するように動作可能である。例えば、三相AC電気エネルギは、高電圧AC電気エネルギであってよく、DC電気エネルギは、高電圧DC電気エネルギであってよい。バッテリコンバータ212も、燃料電池コンバータ204からの電気エネルギと同じ方法で、モータインバータ208からの電気エネルギを調整するように動作可能である。再び、バッテリ210は、バッテリコンバータ212からの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。電気エネルギを生成することと、結果として車輪114を減速することと、電気エネルギを貯蔵することとの組合せ結果として、モータ206及びバッテリ210は、車輪114でFCV100を回生制動するように動作可能である。
【0053】
とりわけ、モータ206は、燃料電池スタック202及びバッテリ210の任意の組合せからの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。さらに、バッテリ210は、燃料電池スタック202からの電気エネルギを貯蔵するように動作可能である。燃料電池駆動の実装では、モータ206は、燃料電池スタック202からの電気エネルギを使用して、主に車輪114に動力を供給する。不足の場合、モータ206は、燃料電池スタック202からの電気エネルギと、バッテリ210からの補助電気エネルギとの組合せを使用して、車輪に動力を供給する。他方で、余剰の場合、モータ206は、燃料電池スタック202からの電気エネルギの一部を使用して、車両114に動力を供給し、バッテリ210は、燃料電池スタック202からの残りの電気エネルギを貯蔵する。
【0054】
また、エネルギシステム152のエネルギ要素の中で、FCV100は、電源214を含む。電源214は、ジャンクションボックス200を介してバッテリ210に電気的に接続されている。電源214は、バッテリ210からの電気エネルギを分配するように動作可能である。具体的には、電源214は、バッテリ210からのDC電気エネルギを分配するように動作可能なDC電源である。例えば、DC電気エネルギは、中程度の電圧のDC電気エネルギであってよい。
【0055】
上述したように、FCV100は、燃料電池システム160のエネルギ要素の中の燃料電池スタック202を含む。また、燃料電池システム160のエネルギ要素の中で、FCV100は、燃料ポンプ220を含む。燃料ポンプ220は、三相AC燃料ポンプである。燃料ポンプ220に関して、燃料電池システム160のエネルギ要素の中で、FCV100は、ポンプインバータ222を含む。ポンプインバータ222は、電源214に電気的に接続されており、燃料ポンプ220は、ポンプインバータ222に電気的に接続されている。さらに、燃料ポンプ220は、燃料タンクシステム164に流体的に接続されており、燃料電池スタック202は、燃料ポンプ220に流体的に接続されている。ポンプインバータ222は、電源214からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、ポンプインバータ222は、電源214からのDC電気エネルギを三相AC電気エネルギに変換するように動作可能である。例えば、三相AC電気エネルギは、中程度の電圧のAC電気エネルギであってよい。燃料ポンプ220は、ポンプインバータ222からの電気エネルギを使用して、燃料タンクシステム164からの燃料を、燃料電池スタック202に圧送するように動作可能である。
【0056】
また、燃料電池システム160のエネルギ要素の中で、FCV100は、エアコンプレッサ224を含む。エアコンプレッサ224は、三相ACエアコンプレッサである。エアコンプレッサ224に関して、エネルギシステム152のエネルギ要素の中で、FCV100は、コンプレッサインバータ226を含む。コンプレッサインバータ226は、ジャンクションボックス200を介してバッテリコンバータ212に電気的に接続されており、エアコンプレッサ224は、コンプレッサインバータ226に電気的に接続されている。さらに、燃料ポンプ220に流体的に接続されることに加えて、燃料電池スタック202は、エアコンプレッサ224に空気的に接続される。コンプレッサインバータ226は、バッテリコンバータ212からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、コンプレッサインバータ226は、バッテリコンバータ212からのDC電気エネルギを、三相AC電気エネルギに変更するように動作可能である。例えば、DC電気エネルギが高電圧DC電気エネルギである場合、三相AC電気エネルギは、高電圧AC電気エネルギであってよい。エアコンプレッサ224は、コンプレッサインバータ226からの電気エネルギを使用して、空気を、燃料電池スタック202に圧送するように動作可能である。
【0057】
燃料電池スタック202は、一以上の燃料電池を含む。燃料電池スタック202は、燃料ポンプ220からの燃料を、エアコンプレッサ224からの空気中の酸素と組合せる化学反応を実行して、電気エネルギを生成するように動作可能である。従って、燃料を燃料電池スタック202に圧送することと、空気を燃料電池スタック202に圧送することと、化学反応を実行することとの組合せ結果としての、燃料ポンプ220、エアコンプレッサ224及び燃料電池スタック202は、燃料タンクシステム164からの燃料及び空気を使用して、電気エネルギを生成するように動作可能である。
【0058】
水素を燃料とする実装では、燃料は水素燃料である。燃料電池スタック202では、各燃料電池は、アノード及びカソードを含む。各燃料電池では、水素燃料は、化学反応の一部としてアノード触媒により水素分子が活性化される、アノードに圧送される。水素分子は、それにより、電子を放出し、水素イオンになる。放出された電子はアノードからカソードに移動し、それにより電流が発生する。燃料電池により生成された電流は、燃料電池スタック202により生成された電気エネルギとして機能する。各燃料電池では、水素イオンもアノードからカソードに移動する。エアコンプレッサ224からの空気中の酸素は、化学反応の一部として、水を生成するように水素イオンがカソード触媒上の酸素と結合するカソードに圧送される。燃料電池スタック202では、燃料電池により生成された水は、電気エネルギを生成することの副産物である。
【0059】
また、燃料電池システム160のエネルギ要素の中で、FCV100は、流体ポンプ230と一以上のファン232を含む。流体ポンプ230は、該流体ポンプ230に加えて、一以上の冷却剤-空気熱交換器234、及び、燃料電池スタック202を通る冷却剤通路を含む冷却剤回路に属する。熱交換器234は、一以上のラジエータ等を含む。
【0060】
流体ポンプ230及びファン232に関して、エネルギシステム152の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、冷却コンバータ236を含む。冷却コンバータ236は、電源214に電気的に接続されており、流体ポンプ230及びファン232は、冷却コンバータ236に電気的に接続されている。冷却コンバータ236は、電源214からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、冷却コンバータ236は、電源214からのより高い電圧のDC電気エネルギを、より低い電圧のDC電気エネルギに変換するように動作可能なDC/DCコンバータである。例えば、より高い電圧のDC電気エネルギが中程度の電圧のDC電気エネルギである場合、より低い電圧のDC電気エネルギは、低電圧DC電気エネルギであってよい。流体ポンプ230は、冷却コンバータ236からの電気エネルギを使用して、水又は他の冷却剤を冷却剤回路の中で循環するように動作可能である。ファン232は、冷却コンバータ236からの電気エネルギを使用して、熱交換機234に空気流を誘導するように動作可能である。熱交換器234は、熱交換器234を通過する冷却剤と、熱交換器234を横切る空気流との間で熱を交換するように動作可能である。
【0061】
冷却剤通路内の冷却剤を循環させることと、熱交換器234を横切る空気流を誘導することとの組合せ結果としての、流体ポンプ230及びファン232は、熱交換器234を通過する冷却剤を冷却するように動作可能である。さらに、熱交換器234のさらに下流で、冷却された冷却剤は、冷却剤通路を通過する。従って、流体ポンプ230が属する冷却剤回路に関して、流体ポンプ230及びファン232は、燃料電池スタック202を冷却するように動作可能である。
【0062】
また、燃料電池システム160のエネルギ要素の中で、FCV100は、他の流体ポンプ238を含む。流体ポンプ238は、流体ポンプ238に加えて、一以上の冷却剤-空気熱交換器240と、燃料電池スタック202に付随する一以上の車両要素を通る冷却剤通路と、を含む他の冷却剤回路に属している。熱交換器240は、一以上のラジエータ等を含む。燃料電池スタック202に付随する車両要素は、燃料電池コンバータ204、モータインバータ208、バッテリコンバータ212等の任意の組合せを含む。流体ポンプ238は、三相AC流体ポンプである。流体ポンプ238は、ポンプインバータ222に電気的に接続されており、上述のように、ファン232は、冷却コンバータ236に電気的に接続されている。流体ポンプ238は、ポンプインバータ222からの電気エネルギを使用して、冷却剤回路内の水又は他の冷却剤を循環するように動作可能である。ファン232は、冷却コンバータ236からの電気エネルギを使用して、熱交換器240を横切る空気流を誘導するように動作可能である。熱交換器240は、熱交換器240を通過する冷却剤と、熱交換器240を横切る空気流との間で熱を交換するように動作可能である。
【0063】
冷却剤通路内の冷却剤を循環させることと、熱交換器240を横切る空気流を誘導することとの組合せ結果としての、流体ポンプ238及びファン232は、熱交換器240を通る冷却剤を冷却するように動作可能である。さらに、熱交換器240のさらに下流で、冷却された冷却剤が冷却剤通路を通過する。従って、流体ポンプ238が属する冷却剤回路に監視、流体ポンプ238及びファン232は、燃料電池スタック202に付随する車両要素を冷却するように動作可能である。
【0064】
追加で参照される図3A及び3Bに示されるように、FCV100は、また、燃料タンクシステム164の一部としての一以上のエネルギ要素を含む。燃料タンクシステム164のエネルギ要素の中で、FCV100は、一以上の燃料タンク300と、燃料タンク300のための配管網302とを含む。FCV100は、図示するように、燃料タンクシステム164毎に2つの燃料タンク300を含むが、本開示は、原則として、燃料タンクシステム164毎に一つの燃料タンク300を含む他の類似の車両にも、燃料タンクシステム164毎に他の複数の燃料タンク300を含む他の類似の車両にも適用可能であることが理解されるであろう。水素を燃料とする実装では、各燃料タンク300は、高圧水素タンクであり、配管網302は、水素配管網302である。燃料タンク300は、燃料を貯蔵するように動作可能である。
【0065】
燃料タンク300の観点から、配管網302は、入力ライン304及び出力ライン306を有する。入力ライン304上では、必要なパイプに加えて、配管網302は、燃料弁308及び多方向入力弁310を含む。燃料弁308は、燃料補給ステーションの燃料供給ラインに流体的に接続されており、多方向入力弁310は、燃料弁308に流体的に接続されており、各燃料タンク300は、多方向入力弁310に流体的に接続されている。FCV100が、燃料タンクシステム164毎に2つの燃料タンク300を含む場合、多方向入力弁310は、2方向入力弁である。燃料弁308は、多方向入力弁310への入力ライン304を選択的に開閉するように動作可能である。多方向入力弁310は、燃料タンク300の一つ、いくつか又は全てへの入力ライン304を選択的に開閉するように動作可能である。
【0066】
燃料弁308が燃料供給ラインに流体的に接続されている場合、多方向入力弁310への入力ライン304を開くことと、燃料タンク300の一つ、いくつか又は全てへの入力ライン304を開くこととの組合せ結果としての、燃料弁308及び多方向入力弁310は、燃料供給ラインから、燃料タンク300の一つ、いくつか又は全てへの流体的な接続を開くように動作可能である。各燃料タンク300の観点から、燃料供給ラインから燃料タンク300への流体的な接続が開かれている場合、配管網302は、燃料供給ラインからの燃料で燃料タンク300を満たすように使用可能である。さらに、燃料供給ラインから燃料タンク300への流体的な接続が開かれている場合、配管網302は、燃料供給ラインからの燃料で、複数の燃料タンク300を同時に満たすように使用可能である。また、多方向入力弁310への入力ライン304を閉じることと、複数の燃料タンク300への入力ライン304を開くこととの組合せ結果としての、燃料弁308及び多方向入力弁310は、複数の燃料タンク300間での流体的な接続を開くように動作可能である。複数の燃料タンク300間の流体的な接続が開かれている場合、配管網302は、複数の燃料タンク300間での燃料の輸送に使用可能である。
【0067】
出力ライン306上で、必要なパイプに加えて、配管網302は、多方向出力弁312及び燃料調整器314を含む。多方向出力弁312は、各燃料タンク300に流体的に接続されており、燃料調整器314は、多方向出力弁312に流体的に接続されており、燃料電池システム160は、燃料ポンプ220において、燃料調整器314に流体的に接続されている。FCV100が、燃料タンクシステム164毎に2つの燃料タンク300を含む場合、多方向出力弁312は、2方向出力弁である。多方向出力弁312は、燃料タンク300の一つ、いくつか又は全てからの出力ライン306を選択的に開閉するように動作可能である。燃料調整器314は、多方向出力弁312からの出力ライン304を選択的に開閉するように動作可能である。さらに、燃料調整器314は、出力ライン306内の燃料の特性を調整するように動作可能である。具体的には、燃料調整器314は、出力ライン306内の燃料の圧力を調整するように動作可能な圧力調整器である。
【0068】
燃料タンク300の一つ、いくつか又は全てからの出力ライン306を開くことと、多方向出力弁312からの出力ライン306を開くこととの組合せ製品としての、多方向出力弁312及び燃料調整器314は、燃料電池システム160の燃料タンク300の一つ、いくつか又は全てからの流体的な接続を開くように動作可能である。各燃料タンク300の観点から、燃料タンク300から燃料電池システム160への流体的な接続が開かれている場合、配管網302は、燃料タンク300からの燃料で、燃料電池システム160に燃料を供給するために使用可能である。さらに、複数の燃料タンク300から燃料電池システム160への流体的な接続が開かれている場合、配管網302は、複数の燃料タンク300からの燃料で、同時に、燃料電池システム160に燃料を供給するために使用可能である。また、複数の燃料タンク300からの出力ライン306を開くことと、多方向出力弁312からの出力ライン306を閉じることとの組合せ製品としての、多方向出力弁312及び燃料調整器314は、複数の燃料タンク300間の流体的な接続を開くように動作可能である。複数の燃料タンク300間の流体的な接続が開かれた場合、配管網302は、複数の燃料タンク300間で燃料を輸送するために使用可能である。
【0069】
割当補機要素
再び図2A及び2Bを参照して、FCV100は、制動システム140の一部として、一以上の補機要素を含む。制動システム140の補機要素の中で、FCV100は、エアコンプレッサ250と、車輪114の一つ、いくつか又は全てでの一以上の摩擦ブレーキを含む。エアコンプレッサ250は、エネルギスーパシステム130に電気的に接続されている。摩擦ブレーキは、エアコンプレッサ250に空気的に接続されており、車輪114は、摩擦ブレーキに機械的に接続されている。エアコンプレッサ250は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、空気をブレーキに圧送するように動作可能である。摩擦ブレーキは、エアコンプレッサ250からの空気を使用して、車輪114で、FCV100を摩擦的に制動するように動作可能である。
【0070】
FCV100は、また、操舵システム142の一部としての一以上の補機要素を含む。操舵システム142の補機要素の中で、FCV100は、流体ポンプ252と、車輪114の一つ、いくつか又は全てにおける一以上の操舵機構とを含む。流体ポンプ252は、エネルギスーパシステム130に電気的に接続されている。操舵機構は、流体ポンプ252に液圧的に接続されており、車輪114は、操舵機構に機械的に接続されている。流体ポンプ252は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、パワーステアリング流体を操舵機構に圧送するように動作可能である。操舵機構は、流体ポンプ252からのパワーステアリング流体を使用して、車輪114の舵角を調整するように動作可能である。前輪操舵配置では、一の操舵システム142は、流体ポンプ252からのパワーステアリング流体を使用して、両前輪114Fの舵角を調整するように動作可能である。これを行うことにより、操舵機構は、地面に沿って走行するときにFCV100を操舵するように動作可能である。
【0071】
FCV100は、また、加熱/冷却システム144の一部として一以上の補機要素を含む。加熱/冷却システム144の補機要素の中で、FCV100は、冷媒コンプレッサ254と、一以上のファン256とを含む。冷媒コンプレッサ254は、冷媒コンプレッサ254に加えて、一以上の冷媒-空気熱交換器258を含む冷媒回路に属する。熱交換器258は、一以上の復水器、一以上の蒸発器等を含む。冷媒コンプレッサ254及びファン256は、エネルギスーパシステム130に電気的に接続されている。冷媒コンプレッサ254は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、冷媒回路内で冷媒を吸引、圧縮及び排出するように動作可能である。従って、冷媒コンプレッサ254は、冷媒回路内で冷媒を循環するように動作可能である。ファン256は、熱交換器258を横切り、乗客区画104、エンジン区画106に入る、別な方法では、FCV100に入る、空気流を誘導するように動作可能である。熱交換器258は、熱交換器258を通過する冷媒と、熱交換器258を横切る空気流との間で熱を交換するように動作可能である。
【0072】
冷媒回路内の冷媒を循環することと、熱交換器258を横切る空気流を誘導することとの組合せ結果としての、冷媒コンプレッサ254及びファン256は、冷媒回路内の冷媒と熱交換器258を横切る空気流との間の熱力学的サイクルを動かすように動作可能である。熱力学サイクルの下で、一以上の熱交換器258を横切る空気流は冷却される。さらに、熱交換器258のさらに下流で、冷却された空気流は、FCV100の中に誘導される。従って、冷媒回路に関して、冷媒コンプレッサ254及びファン256は、FCV100を冷却するように動作可能である。
【0073】
また、加熱/冷却システム144の補機要素の中で、FCV100は、ヒータ260を含む。ヒータ260は、エネルギスーパシステム130に電気的に接続されている。ヒータ260は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、ヒータ260を横切る空気流を加熱するように動作可能である。ファン256は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、ヒータ260を横切り、乗客区画104、エンジン区画106に入る、別な方法では、FCV100に入る空気を誘導するように動作可能である。ヒータ260を操作することと、ヒータ260を横切る空気流を誘導することとの組合せ結果としての、ヒータ260及びファン256は、ヒータ260を横切る空気流を加熱するように動作可能である。ヒータ260のさらに下流の空気流がFCV100の中に誘導される場合、加熱された空気がFCV100に供給される。従って、ヒータ260及びファン256は、FCV100を加熱するように動作可能である。
【0074】
FCV100は、また、アクセサリシステム146の一部として一以上の補機要素を含む。アクセサリシステム146の補機要素の中で、FCV100は、一以上のアクセサリ262を含む。アクセサリ262は、車両に典型的であり、一以上のインテリアライト、一以上のエクステリアライト、一以上のゲージ、一以上のパワーシート、一以上のインフォテインメントシステム、等の任意の組合せを含む。アクセサリ262は、エネルギスーパシステム130に電気的に接続されている。アクセサリ262は、エネルギスーパシステム130からの電気エネルギを使用して、乗客区画104を照らし、FCV100の周囲の環境を照らし、運転移行を信号で伝え、FCV100の操作についての情報を配信し、FCV100のシート位置を調整し、FCV100のユーザにインフォテインメントコンテンツを配信し、他のアクセサリ機能を実行するように動作可能である。
【0075】
電力モジュール150Aについて、割当補機要素は、操舵システム142の流体ポンプ252を含む。流体ポンプ252に関して、エネルギスーパシステム130の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、補機コンバータ264を含む。補機コンバータ264は、ジャンクションボックス200を介してバッテリ210に電気的に接続されており、流体ポンプ252は、補機コンバータ264に電気的に接続されている。補機コンバータ264は、バッテリ210からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、補機コンバータ264は、バッテリ210からのより高い電圧のDC電気エネルギをより低い電圧のDC電気エネルギに変換するように動作可能なDC/DCコンバータである。例えば、より高い電圧のDC電気エネルギが中程度の電圧のDC電気エネルギである場合、より低い電圧のDC電気エネルギは低電圧DC電気エネルギであってよい。流体ポンプ252は、それ故、上述のように、補機コンバータ264からの電気エネルギを使用して、パワーステアリング流体を、操舵システム142の操舵機構内に圧送するように動作可能である。
【0076】
電力モジュール150Aについて、割当補機要素は、加熱/冷却システム144の冷媒コンプレッサ254及びファン256も含む。ファン256に関して、エネルギスーパシステム130の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、補機コンバータ264を含む。冷媒コンプレッサ254は、電源214に電気的に接続されている。ファン256は、補機コンバータ264に電気的に接続されている。冷媒コンプレッサ254は、それ故、上述のように、電源214からの電気エネルギを使用して、冷媒コンプレッサ254が属する冷媒回路内で冷媒を循環するように動作可能である。さらに、ファン256は、それ故、上述のように、補機コンバータ264からの電気エネルギを使用して、冷媒回路の熱交換器を横切り、FCV100の中に入る空気流を誘導するように動作可能である。
【0077】
電力モジュール150Bについて、割当補機要素は、制動システム140のエアコンプレッサ250を含む。エアコンプレッサ250は、三相ACエアコンプレッサである。エアコンプレッサ250に関して、エネルギスーパシステム130の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、補機インバータ266を含む。補機インバータ266は、ジャンクションボックス200を介してバッテリコンバータ212に電気的に接続されており、エアコンプレッサ250は、補機インバータ266に電気的に接続されている。補機インバータ266は、バッテリコンバータ212からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、補機インバータ166は、バッテリコンバータ212からのDC電気エネルギを三相AC電気エネルギに変換するように動作可能である。例えば、DC電気エネルギが高電圧DC電気エネルギである場合、三相AC電気エネルギは、高電圧AC電気エネルギであってよい。エアコンプレッサ250は、それ故、上述したように、補機インバータ266からの電気エネルギを使用して、空気を、制動システム140のブレーキ内に圧送するように動作可能である。
【0078】
電力モジュール150Bについて、割当補機要素は、加熱/冷却システム144のヒータ160も含む。ヒータ260は、電源214に電気的に接続されている。ヒータ260は、それ故、上述したように、電源214からの電気エネルギを使用して、ヒータ260を横切る空気流を加熱するように動作可能である。
【0079】
電力モジュール150Bについて、割当補機要素は、アクセサリシステム146のアクセサリ262も含む。アクセサリ262に関し、エネルギスーパシステム130の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、補機コンバータ268を含む。補機コンバータ268は、ジャンクションボックス200を介してバッテリ210に電気的に接続されており、アクセサリ262は、補機コンバータ268に電気的に接続されている。補機コンバータ268は、バッテリ210からの電気エネルギを調整するように動作可能である。具体的には、補機コンバータ268は、バッテリ210からのより高い電圧のDC電気エネルギを、より低い電圧のDC電気エネルギに変換するように動作可能なDC/DCコンバータである。例えば、より高い電圧のDC電気エネルギが中程度の電圧のDC電気エネルギである場合、より低い電圧のDC電気エネルギは、低電圧DC電気エネルギであってよい。アクセサリ262は、それ故、上述したように、補機コンバータ268からの電気エネルギを使用して、アクセサリ機能を実行するように動作可能である。
【0080】
専用バッテリ
上述のように、各電力モジュール150では、FCV100は、バッテリシステム162毎に複数のバッテリ210を含む。各電力モジュール150では、バッテリシステム162の観点から、バッテリ210は、一以上のモータバッテリ210M、つまり、モータシステム166からのバッテリシステム160上の電気的負荷を処理することに専念するバッテリ210を含む。モータシステム166からの電気的負荷は、モータ206からの電気的負荷を含む。関連して、バッテリ210は、バッテリシステム162上の残りの電気的負荷を処理することに専念する一以上の補完バッテリ210Cも含む。バッテリシステム162上の残りの電気的負荷は、モータシステム166の他にも、燃料電池システム160からの電気的負荷や、割当補機要素からの電気的負荷が含まれるエネルギシステム152の残りからの電気的負荷を含む。
【0081】
モータアセンブリ
上述のように、各電力モジュール150では、FCV100は、モータシステム166毎に一以上のモータ206を含む。とりわけ、FCV100は複数のモータ206を含むということになる。追加的に参照する図4に示すように、FCV100では、モータ206は、共通のモータアセンブリ400に属し、ドライブトレインは、FCV100のための電動パワートレインの一部としてのモータアセンブリ400に機械的に接続されている。
【0082】
モータアセンブリ400は、モータ軸Aを有する。モータ軸Aは、モータアセンブリ400の回転軸として機能する。複数のモータ206は、モータ軸Aに沿って、互いに軸方向に整列している。各モータ206は、電気エネルギを使用して、モータ軸Aの周りを回転するように動作可能である。異なる電力モジュール150に属しているにもかかわらず、モータアセンブリ400では、複数のモータ206は、モータチェーン402を形成する。モータチェーン402では、複数のモータ206は、共依存の回転運動のために軸方向に統合されている。モータチェーン402を形成するために、モータチェーン402のヘッドからそのテールまで、一のモータ206の出力シャフトは、次のモータ206の入力シャフトに機械的に接続されている。
【0083】
複数のモータ206に加えて、モータアセンブリ400は、モータ軸Aに総共通の出力カップリング404を含む。出力カップリング404は、モータチェーン402のテールで、複数のモータ206に機械的に接続されている。具体的には、出力カップリング404は、モータチェーン402のテールで、モータ206の出力シャフトに機械的に接続されている。モータ軸Aの周りの回転のために、複数のモータ206が一緒に出力カップリング404を支持する場合、各モータ206は、モータ軸Aの周りの回転の結果として、電気的エネルギを使用して、モータ軸Aについて出力カップリング404を回転するように動作可能である。
【0084】
ドライブトレインでは、車輪114が機械的に接続される、トランスミッション、ディファレンシャル、ドライブシャフト等の任意のペナルティメート組合せは、出力カップリング404に機械的に接続される。ドライブトレインが、それ故、複数のモータ206に機械的に接続されている場合、ドライブトレインと併せて、モータ軸Aの周りで出力カップリング404を回転する結果として、各モータ206は、電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。具体的には、各モータ206は、それ及びエネルギシステム152が属する電力モジュール150のエネルギシステム152からの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給するように動作可能である。とりわけ、車輪114は、複数のモータ206の任意の組合せによって動力が供給されることになる。しかしながら、機械領域における複数のモータ206による共依存の回転動作とは対照的に、車輪114は、複数のモータ206及びエネルギシステム152が夫々属する電力モジュール150のエネルギシステム152の任意の組合せからの電気エネルギを使用して、動力が供給される。車両114の生成物がモータ軸Aの周りで出力カップリング404を回転させると、各モータ206は、車輪114を使用して電気エネルギを生成して、結果的に車輪114を減速するようにも動作可能である。
【0085】
モータアセンブリ400に関して、FCV100は、共通のモータクレードル406を含む。モータクレードル406は、シャーシ110に取り付けられるか、別な方法では、シャーシ110により支持されている。複数のモータ206は、モータ軸Aに沿って互いに軸方向に整列してモータクレードル406に取り付けられている。モータ軸Aは、図示するように、ドライブトレインから出力カップリング404への機械的な接続を容易にするように、長手方向である。
【0086】
セミトラクタアプリケーションに典型的であるように、ドライブトレインは、シャーシ110よりも大幅に低い(即ち、地面に近い)。モータクレードル406がシャーシ110に取り付けられ、複数のモータ206がモータクレードル406に取り付けられ、複数のモータ206が出力カップリング404を支持している場合、ドライブトレインは、出力カップリング404よりも大幅に低い。それにもかかわらず、モータクレードル406は、複数のモータ206を地面に対して水平に運搬するように、シャーシ110に関連して、構成される。関連して、ドライブトレインと出力カップリング404との間の高低差を補うために、ドライブトレインは、少なくとも部分的に、出力カップリング404に向かって傾斜している。従って、複数のモータ206が、高低差を補うためにドライブトレインに向かって傾斜する、別な方法では、地面に対して水平に運搬されない場合に存在する可能性のある予測不可能な振動の脅威を、複数のモータ206は被らない。
【0087】
パッケージング
上述のように、各電力モジュール150では、FCV100は、バッテリシステム162毎に、一以上のモータバッテリ210Mを含む複数のバッテリ210を含む。さらに、各電力モジュール150では、FCV100は、燃料タンクシステム164毎に一以上の燃料タンク300を含む。とりわけ、FCV100は、複数のバッテリモータ210M及び複数の燃料タンク300を含むことになる。追加的に参照する図5に示すように、モータバッテリ210M及び燃料タンク300の任意の組合せに関し、FCV100は、共通の支持ラック500を含む。支持ラック500は、シャーシ110に取り付けられているか、さもなければ、シャーシ110により支持されている。異なる電力モジュール150に属しているにもかかわらず、複数のモータバッテリ210Mは、互いに隣接して支持ラック500に取り付けられている。従って、複数のモータバッテリ210Mと、エネルギスーパシステム130の一以上の付随するエネルギ要素とは、パッケージングの目的のためにFCV100において局所化される。同様に、異なる電力モジュール150に属しているにもかかわらず、複数の燃料タンク300も、互いに隣接して支持ラック500に取り付けられている。従って、複数の燃料タンク300と、燃料タンク300のための配管網302とは、パッケージングの目的のためにFCV100において局所化される。
【0088】
また、上述したように、各電力モジュール150では、FCV100は、燃料電池システム160毎の一以上の燃料電池スタック202と、ジャンクションボックス200、燃料電池コンバータ204、モータインバータ208及びバッテリコンバータ212とを含む。とりわけ、FCV100は、複数の燃料電池スタック202と、複数のジャンクションボックス200、複数の燃料電池コンバータ204、複数のモータインバータ208及び複数のバッテリコンバータ212とを含むことになる。追加的に参照する図6に示すように、燃料電池スタック202、ジャンクションボックス200、燃料電池コンバータ204、モータインバータ208及びバッテリコンバータ212の任意の組合せに関して、FCV100は、他の共通の支持ラック600を含む。支持ラック600は、シャーシ110に取り付けられているか、別な方法では、シャーシ110により支持されている。異なる電力モジュール150に属しているにもかかわらず、複数の燃料電池スタック202は、互いに隣接して支持ラック600に取り付けられている。従って、複数の燃料電池スタック202と、エネルギスーパシステム130の一以上の付随するエネルギ要素とは、パッケージングの目的のためにFCV100において局所化される。同様に、異なる電力モジュール150に属しているにもかかわらず、ジャンクションボックス200、燃料電池コンバータ204、モータインバータ208及びバッテリコンバータ212の任意の組合せも、互いに隣接して支持ラック600に取り付けられている。従って、ジャンクションボックス200、燃料電池コンバータ204、モータインバータ208及びバッテリコンバータ212は、パッケージングの目的のためにFCV100において局所化される。
【0089】
負荷均衡及び資源均衡
一般的に言えば、電力モジュール150の観点から、資源の使用は、グローバル車両需要の満足と釣り合っている。グローバル車両需要を寄与的に満足する一つの目標は、資源均衡、つまり、複数の電力モジュール150間の燃料、電気エネルギ及び他の資源の均衡をとることである。具体的には、資源均衡は、負荷均衡の結果、つまり、複数の電力モジュール150間の電気的な及び他の負荷の均衡をとることである。負荷均衡は、グローバル車両需要を寄与的に満たした結果である。
【0090】
例えば、グローバル車両需要を寄与的に満たした結果として、結果として生じる負荷均衡の下で、一の電力モジュール150のバッテリ210上の電気的負荷は、残りの電力モジュール150の対応物上の対応する電気的負荷と釣り合いがとられている。さらに、より上流の、一の電力モジュール150の燃料電池スタック202上の電気的負荷は、残りの電力モジュール150の対応物上の対応する電気的負荷と釣り合いがとられている。そして、例えば、結果として生じる資源均衡の下で、一の電力モジュール150のバッテリ210の充電状態は、残りの電力モジュール150の対応物の対応する充電状態と釣り合いがとられている。さらに、一の電力モジュール150の燃料タンク300の燃料備蓄は、残りの電力モジュール150の対応物の対応する燃料備蓄と釣り合いがとられている。
【0091】
グローバル推進需要を寄与的に満たしているにもかかわらず、FCV100の動作には、一以上の負荷の不均衡が潜んでいるかもしれない。再び図2A及び2Bを参照して、上述のように、各電力モジュール150では、FCV100は、バッテリシステム162毎に、一以上のモータバッテリ210Mと一以上の補完バッテリ210Cとを含む複数のバッテリ210と、ジャンクションボックス200とを含む。モータ206は、ジャンクションボックス200を介してモータバッテリ210Mに電気的に接続されている。さらに、割当補機要素は、ジャンクションボックス200を介して、補完バッテリ210Cに電気的に接続されている。例えば、モータバッテリ210Mに関して、潜在的な負荷不均衡は、一の電力モジュール150のモータ206からのモータバッテリ210M上の電気的負荷が、残りの電力モジュール150の対応物上の対応する電気的負荷から不均衡であること、を含んでいるかもしれない。さらに、補完バッテリ210Cに関して、補機要素を電力モジュール150に割り当てることに最善を尽くしたにもかかわらず、潜在的な負荷不均衡は、一の電力モジュール150の割当補機要素からの補完バッテリ210C上の電気的負荷が、残りの電力モジュール150の対応物上の対応する電気的負荷から不均衡であること、を含んでいるかもしれない。
【0092】
とりわけ、負荷均衡は、原則として、グローバル車両需要を寄与的に満たした結果であるが、にもかかわらず、一以上の負荷不均衡は、FCV100の動作に潜在するということになる。同様に、資源均衡は、負荷均衡の結果であり、資源不均衡は、負荷不均衡の結果である。そして、資源不均衡が負荷不均衡の結果である場合、一以上の資源不均衡も、FCV100の動作に潜在しているかもしれない。潜在的な資源不均衡を防止する目的のために、FCV100は、一以上の予防的な資源均衡対策を含んでいる。一般的に言えば、予防的な資源均衡対策は、潜在的な負荷不均衡を妨げ、それにより、結果として生じる潜在的な資源不均衡を妨げるように動作可能である。
【0093】
例えば、エネルギスーパシステム130の付随するエネルギ要素の中で、FCV100は、接続/切替部270を含む。接続/切替部270は、複数の電力モジュール150を横断して電気的に接続されている。具体的には、FCV100では、複数のジャンクションボックス200は、接続/切替部270を介して、互いに電気的に接続されている。接続/切替部270に関して、各電力モジュール150では、ジャンクションボックス200の一部として、FCV100は、内部電力モジュールモータ負荷処理電気接続(intra-power-module motor-lad-handling electrical connection)、つまり、モータ206及びモータバッテリ210M間の一対一電気接続を含む。さらに、FCV100は、内部電力モジュール補機要素負荷処理電気接続(intra-power-module auxiliary-element-load-handling electrical connection)つまり、割当補機要素及び補完バッテリ210C間の一対一電気接続を含む。
【0094】
接続/切替部270は、電気的スイッチ等を含む。接続/切替部270は、内部電力モジュールモータ負荷処理電気接続、つまり、一の電力モジュール150のモータバッテリ210Mと残りの電力モジュール150の対応物との間で、複数の電力モジュール150を横断する、電気接続を選択的に作るように動作可能である。内部電力モジュールモータ負荷処理負担電気接続(inter-power-module motor-load-sharing electrical connection)が作られた場合、接続/切替部270は、複数のモータバッテリ210Mの中で、モータ206からの結合された電気的負荷を等しく負担するように使用可能である。接続/切替部270は、内部電力モジュール補機要素負荷負担電気接続(inter-power-module auxiliary-element-load-sharing electrical connection)つまり、一の電力モジュール150の補完バッテリ210Cと残りの電力モジュール150の対応物との間で、複数の電力モジュール150を横断する、電気接続を選択的に作るようにも動作可能である。内部電力モジュール補機要素負荷負担電気接続が作られた場合、接続/切替部270は、複数の補完バッテリ210Cの中で、未割当基準で、補機システム134からの結合された電気負荷を等しく負担するように使用可能である。
【0095】
接続/切替部270は、内部電力モジュール補機要素負荷処理電気接続を選択的に解消するようにも動作可能である。同時に、それらの代わりに、接続/切替部270は、内部電力モジュール補機要素負荷切替電気接続(inter-power-module auxiliary-element-load-switching electrical connection)、つまり、一の電力モジュール150の割当補機要素と残りの電力モジュール150の補完バッテリ210Cとの間の一対一電気接続、及び、残りの電力モジュール150の割当補機要素と一の電力モジュール150の補完バッテリ210Cとの間の一対一電気接続、を選択的に作るようにも動作可能である。内部電力モジュール補機要素負荷処理電気接続が解消され、代わって内部電力モジュール補機要素負荷切替電気接続が作られた場合、接続/切替部270は、複数の補完バッテリ210Cの間で割当補機要素からの電気負荷を切り替えるように使用可能である。同様に、内部電力モジュール補機要素負荷処理電気接続が解消され、且つ、内部電力モジュール補機要素負荷切替電気接続が解消された場合、接続/切替部270は、再度、複数の補完バッテリ210Cの間で割当補機要素からの電気負荷を切り替えるように使用可能である。さらに、複数の補完バッテリ210Cの間で、周期基準で割当補機要素からの電気負荷を切り替えることの結果として、接続/切替部270は、複数の補完バッテリ210Cの間で割当補機要素からの電気負荷を時間平均するように使用可能である。
【0096】
上述のように、予防的な資源バラン対策は、潜在的な負荷不均衡を防止し、それにより、結果として生じる潜在的な資源不均衡を妨げるように動作可能である。潜在的な負荷不均衡を防止するにもかかわらず、一以上の負荷不均衡は、FCV100の動作内に実現する可能性がある。そして、資源不均衡が負荷不均衡の結果である場合、一以上の資源不均衡も、FCV100の動作内に実現する可能性がある。
【0097】
具体的には、一の電力モジュールは、「低」電力モジュール150になるかもしれない、つまり、電力モジュール150が、残りの「高」電力モジュール150と比較して、資源の任意の組合せで低くなる。例えば、結果として生じる資源不均衡の下で、低電力モジュール150のバッテリ210の充電状態は、高電力モジュール150の対応物の対応する充電状態よりも低い可能性がある。加えて又は代えて、低電力モジュール150の燃料タンク300の燃料備蓄は、高電力モジュール150の対応物の対応する燃料備蓄よりも少ないかもしれない。予防的な資源均衡対策の補完として、及び、資源不均衡を修正する目的のために、FCV100は、一以上の修正資源均衡対策を含む。一般的に言えば、修正資源均衡対策は、資源不均衡を修正するように動作可能である。
【0098】
例えば、制御モジュール128は、低電力モジュール150が識別された場合、「キャッチアップ」モードを有する。キャッチアップモードでは、FCV100のグローバル動作の指揮の一部として、制御モジュール128は、低電力モジュール150を優先して、グローバル車両需要の寄与的な満足を調整する。例えば、制御モジュール128は、低電力モジュール150を優先して、複数のエネルギシステム152間でグローバルエネルギ需要の寄与的な満足を調整する。具体的には、グローバルエネルギ需要が与えられると、制御モジュール128は、グローバルエネルギ需要の通常より少ない負担を満足するように低電力モジュール150のエネルギシステム152を操作する。関連して、制御モジュール128は、グローバルエネルギ需要の通常より高い負担を満足するように高電圧モジュール150のエネルギシステム152を操作する。加えて又は代えて、制御モジュール128は、低電力モジュール150を優先して、複数の推進システム154間でグローバル推進需要の寄与的な満足を調整する。具体的には、グローバル推進需要が与えられると、制御モジュール128は、グローバル推進需要の通常より少ない負担を満たすように低電力モジュール150の推進システム154を操作する。関連して、制御モジュール128は、グローバル推進需要の通常より高い負担を満たすように高電圧モジュール150の推進システム154を操作する。資源の使用がグローバル車両需要の満足に見合っている場合、とりわけ、キャッチアップモードは、高電力モジュール150と比較して、低電力モジュール150に、資源の任意の組合せを少なく使用することを許可し、それにより取り戻すように使用可能である。
【0099】
上述のように、各電力モジュール150では、FCV100は、燃料タンクシステム164毎に、一以上の燃料タンク300と、燃料タンク300のための配管網302とを含む。各配管網302は、内部電力モジュール配管網302である。再び図3A及び3Bを参照し、修正資源均衡対策の中でも、エネルギスーパシステム130のエネルギ要素の中で、FCV100は、燃料タンク300のための内部電力モジュール配管網320を含む。内部電力モジュール配管網320は、複数の内部電力モジュール配管網302の間で複数の電力モジュール150を横断する共有ライン322を有する。共有ライン322は、図示するように、多方向出力弁312で複数の内部電力モジュール配管網302の間にあるが、本開示は、原則として、他の複数の内部電力モジュール配管網302の間の共有ラインを有する内部電力モジュール配管網を含む他の類似の車両に適用可能であると理解されるであろう。共有ライン322上では、必要なパイプに加えて、内部電力モジュール配管網320は、共有弁324を含む。複数の多方向出力弁312は、共有弁324を介して、互いに流体的に接続されている。共有弁324は、複数の多方向出力弁312の間で共有ライン322を選択的に開閉するように動作可能である。複数の多方向出力弁312の間で共有ライン322を開くこと、並びに、各電力モジュールにおいて燃料タンク300のいくつか又は全てからの出力ライン306を開くこと、及び、多方向出力弁312からの出力ライン306を閉じることの組合せ製品として、共有弁324、多方向出力弁312及び燃料調整器314は、複数の燃料タンク300の任意の組合せ間での流体的な接続を開くように動作可能である。複数の燃料タンク300の間で流体的な接続が開かれた場合、内部電力モジュール配管網302及び内部電力モジュール配管網320は、複数の燃料タンク300間での燃料の輸送に使用可能である。
【0100】
とりわけ、内部電力モジュール配管網302及び内部電力モジュール配管網320の利点は、燃料ステーションで、FCV100に燃料を供給するときの時間及び労働効率を含む、ということになる。例えば、利用可能な燃料供給ラインが一つだけであると仮定すると、燃料供給ラインは、燃料タンク300から燃料タンク300まで移動される必要はない。その代わり、各電力モジュール150では、内部電力モジュール配管網302が、燃料供給ラインからの燃料で、複数の燃料タンク300を同時に満たすように使用可能である。さらに、内部電力モジュール配管網302と併せて、内部電力モジュール配管網320は、燃料供給ラインからの燃料で、各電力モジュール150内の複数の燃料タンク300を同時に満たすように使用可能である。他方で、複数の利用可能な燃料供給ラインを仮定し、各電力モジュール150では、内部電力モジュール302は、自身の燃料供給ラインからの燃料で、複数の燃料タンク300を同時に満たすように使用可能である。
【0101】
FCV動作
FCV100は、動作時に、FCV100を代表して、車両機能を実行し、それによりFCV100を代表して、対応する車両需要を満たすように装備されている。上述のように、グローバル制御モジュール128G及び電力制御モジュール128P、並びに、FCV100のグローバル動作の統合の観点から、車両要求は、グローバル車両要求を含む。電力制御モジュール128P及び電力モジュール150の動作の統合の観点から、車両需要は、一以上のローカル車両需要、つまり、グローバル車両需要に続くが、FCV100に共通ではなく、電力モジュール150に個々の車両需要を、追加的に含む。具体的には、エネルギ需要の一以上は、ローカルエネルギ需要であり、推進需要の一以上はローカル推進需要である。各電力制御モジュール128P及び割当電力モジュール150について、ローカルエネルギ需要は、燃料タンクシステム164からの燃料及び空気を使用した電気エネルギを生成する一以上の需要、燃料電池スタック202からの電気エネルギを貯蔵する一以上の需要、電気エネルギを調整さもなければ処理する一以上の需要、燃料電池スタック202を冷却する一以上の需要、燃料電池スタック202に付随する車両要素を冷却する一以上の需要、燃料を貯蔵する、別な方法では処理する一以上の需要、の任意の組合せを含んでよい。ローカル推進要求は、燃料電池スタック202及びバッテリ210の任意の組合せからの電気エネルギを使用して、車輪114に動力を供給する一以上の需要を含んでよい。
【0102】
制御モジュール128の統合の下でFCV100を動作させるためのプロセス700の動作が図7に示されている。プロセス700によれば、制御モジュール128は、FCV100の動作を統合する。プロセス700の動作は、原則として、グローバル車両需要の任意の組合せとローカル車両需要の任意の組合せとを含む車両需要の任意の組合せに関して、複数の制御モジュール128の任意の組合せに適用可能である。例えば、プロセス700の動作は、原則として、グローバル車両需要の任意の組合せとローカル車両需要の任意の組合せとに関して、各制御モジュール128に適用可能である。
【0103】
動作702において、制御モジュール128は、センサシステム122により検出されたFCV100に関する情報と、複数の制御モジュール128間で通信されるFCV100に関する情報との任意の組合せを含む、FCV100に関する情報を収集する。動作704において、制御モジュール128は、一以上の車両需要を監視し、識別することを含む、FCV100に関する情報を評価する。複数の制御モジュール128の任意の組合せは、車両需要を識別することの最初の事例が課されてもよい。従って、制御モジュール128の観点から、識別された車両需要は、制御モジュール128により自己識別され、制御モジュール128及び一以上の協働制御モジュール128により識別され、又は、一以上の起源制御モジュール128から通信されてよい。
【0104】
動作706及び708において、制御モジュール128は、FCV100に関する情報の評価に基づいて、車両システム120を操作する。具体的には、動作706において、制御モジュール128が車両需要を識別していない場合、制御モジュール128は、関連する車両システム120を操作しない。別な方法では、制御モジュール128が、動作706において車両需要を識別している場合、制御モジュール128は、車両需要を満たすために関連する車両システム120を操作する。例えば、動作706において、制御モジュール128がエネルギ需要を識別した場合、制御モジュール128は、動作708において、エネルギ需要を満たすために、エネルギスーパシステム130を操作する。そして、動作706において、制御モジュール128が推進需要を識別した場合、制御モジュール128は、動作708において、推進需要を満たすために、推進スーパシステム132を操作する。さらに、動作706において、制御モジュール128が補機需要を識別した場合、制御モジュール128は、動作708において、補機需要を満たすために、補機システム134を操作する。
【0105】
両方の場合において、制御モジュール128は、動作702によりFCV100に関する情報を収集することを継続し、動作704によりFCV100に関する情報を評価することを継続する。車両システム120を操作しないことに続いて、動作704によりFCV100に関する情報の継続された評価の一部として、制御モジュール128は、以前に識別されなかった車両需要が実現することを見越して、車両需要の識別を継続する。他方で、動作708による車両需要を満たすために、関連する車両システムが操作されることに続いて、動作704によるFCV100に関する情報の継続された評価の一部として、制御モジュール128は、以前に識別された車両需要が満たされることを見越して、車両需要の識別を継続する。以前に識別された車両需要が満たされ、それ故、動作704により以前に識別された車両需要がもはや特定されなくなった場合、制御モジュール128は、関連する車両システム120の操作を終了する。
【0106】
また、動作704によるFCV100に関する情報の継続された評価の一部として、制御モジュール128は、関連する車両システム120の一つ、いくつか又は全てを含む車両システム120の一以上の動作状態チェックを指揮する。一以上の関連する車両システム120が動作状態チェックに失敗した場合、制御モジュール128は、操作しない関連する車両システム120の操作を終了してよい。制御モジュール128は、残りのまだ操作可能な関連する車両システム120の一つ、いくつか又は全て、もしあるなら、操作しない関連する車両システム120に付随する一以上の車両システム120、の操作を終了してもよい。
【0107】
車両需要を特定すること、車両システム120の動作状態チェックを指揮すること、及び、他に、動作704によりFCV100に関する情報を評価すること、の目的のために、制御モジュール128は、ユーザ要求についての情報及びFCV100に関する情報の任意の組合せを収集してよい。このこと及びFCV100に関する他の情報は、センサシステム122により検出されてよい。ユーザ要求についての情報は、車輪114に動力を供給することを要求するユーザ入力、制動、操舵等を要求するユーザ入力、加熱、冷却等を要求するユーザ入力、及び、アクセサリ機能を要求するユーザ入力の任意の組合せを含んでよい。FCV100の操作についての情報は、FCV100の位置及び動き、車輪114の動作、FCV100の温度、及び、車両システム120の一つ、いくつか又は全ての動作状態、の任意の組合せを含んでよい。
【0108】
マスタ/スレーブ制御関係
FCV100において、電力制御モジュール128Pは、マスタ/スレーブ制御関係を有する。具体的には、一の電力制御モジュール128Pは、マスタ電力制御モジュール128Pとして確立され、残りの電力制御モジュール128Pは、スレーブ電力制御モジュール128Pとして確立される。
【0109】
マスタ電力制御モジュール128Pが確立された場合、マスタ電力制御モジュール128Pが属するPCUは、マスタPCUとして確立され、マスタ電力制御モジュール128Pに割り当てられた電力モジュール150は、マスタ割当電力モジュール150として確立される。さらに、マスタ割当電力モジュール150のエネルギシステム152は、マスタ割当エネルギシステム152として確立され、マスタ割当電力モジュール150に割り当てられた補機要素は、マスタ割当補機要素として確立される。関連して、スレーブ電力制御モジュール128Pが確立された場合、スレーブ電力制御モジュール128Pが属するPCUは、スレーブPCUとして確立され、スレーブ電力制御モジュール128Pに割り当てられた電力モジュール150は、スレーブ割当電力モジュール150として確立される。さらに、スレーブ割当電力モジュール150のエネルギシステム152は、スレーブ割当エネルギシステム152として確立され、スレーブ割当電力モジュール150の推進システム154は、スレーブ割当推進システム154として確立され、スレーブ割当電力モジュール150に割り当てられた補機要素は、スレーブ割当補機要素として確立される。
【0110】
マスタ電力制御モジュール128P及びスレーブ電力制御モジュール128Pの統合下でのFCV100を操作するためのプロセス800の動作が図8に示されている。プロセス800によれば、マスタ電力制御モジュール128Pは、マスタ割当エネルギシステム152の動作と、マスタ割当推進システム154の動作と、マスタ割当補機要素の動作とを含むマスタ割当電力モジュール150の動作を統合する。さらに、スレーブ電力制御モジュール128Pは、スレーブ割当エネルギシステム152の動作と、スレーブ割当推進システム154の動作と、スレーブ割当補機要素の動作とを含むスレーブ割当電力モジュール150の動作を統合する。プロセス700の動作を促進するために、プロセス800の動作は、原則として、グローバル車両需要の任意の組合せに関して、マスタ電力制御モジュール128P及びスレーブ電力制御モジュール128Pに適用可能である。
【0111】
動作802において、マスタ電力制御モジュール128Pは、FCV100に関する情報を収集する。一方、動作804において、スレーブ電力制御モジュール128Pも、FCV100に関する情報を収集する。動作810-816において、マスタ電力制御モジュール128Pは、一以上のグローバル車両需要を監視することを含むFCV100に関する情報を評価する。具体的には、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作810において、一以上のグローバルエネルギ需要を、動作812において、一以上のグローバル推進需要を識別する。さらに、動作814において、マスタ電力制御モジュール128Pは、一以上のマスタ割当グローバル補機需要、つまり、満たすようにマスタ割当補機要素が動作可能にされるグローバル補機需要を識別する。同様に、動作816において、マスタ電力制御モジュール128Pは、一以上のスレーブ割当グローバル補機需要、つまり、満たすようにスレーブ割当補機要素が動作可能にされるグローバル補機需要を識別する。
【0112】
動作820-826において、マスタ電力制御モジュール128Pは、FCV100に関する情報の評価に基づいて、車両システム120を操作する。具体的には、動作820-826において、マスタ電力制御モジュール128Pがグローバル車両需要を識別しない場合、マスタ電力制御モジュール128Pは、マスタ割当関連車両システム120を操作しない。別な方法では、マスタPCUが動作820-824においてグローバル車両需要を識別した場合、動作830-834において、マスタ電力制御モジュール128Pは、寄与的に、グローバル車両需要を満たすために、マスタ割当関連車両システム120を操作する。例えば、マスタ電力制御モジュール128Pが動作820においてグローバルエネルギ需要を識別した場合、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作830において、グローバルエネルギ需要の負担を満たすために、マスタ割当エネルギシステム152を操作する。そして、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作822においてグローバル推進需要を識別した場合、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作832において、グローバル推進需要の負担を満たすために、マスタ割当推進システム154を操作する。さらに、マスタ電力制御モジュール128Pが動作824においてマスタ割当グローバル補機需要を識別した場合、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作834において、マスタ割当グローバル補機需要を満たすために、マスタ割当補機要素を操作する。
【0113】
一方、動作840-844において、スレーブ電力制御モジュール128Pも、一以上のグローバル車両需要を独立して監視することを含むFCV100に関する情報を評価する。具体的には、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作840において、一以上のグローバルエネルギ需要を、動作842において、一以上のグローバル推進需要を、識別する。さらに、動作844において、スレーブ電力制御モジュール128Pは、一以上のスレーブ割当グローバル補機需要を含む一以上のグローバル補機需要を識別する。
【0114】
動作850-854及び動作860-864において、スレーブ電力制御モジュール128Pは、FCV100に関する情報の評価に基づいて、車両システム120を操作する。具体的には、動作850-854において、スレーブ電力制御モジュール128Pがグローバル車両需要を識別しない場合、スレーブ電力制御モジュール128Pは、スレーブ割当関連車両システム120を操作しない。別な方法では、動作850-854において、スレーブPCUがグローバル車両需要を識別した場合、動作860-864において、スレーブ電力制御モジュール128Pは、グローバル車両需要を寄与的に満たすために、スレーブ割当関連車両システム120を操作する。例えば、スレーブ電力制御モジュール128Pが、動作850において、グローバルエネルギ需要を識別した場合、マスタ電力制御モジュール128Pが、動作830によりグローバルエネルギ需要の負担を満たすために、マスタ割当エネルギシステム152を操作することと併せて、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作860において、グローバルエネルギ需要の残りの負担を満たすために、スレーブ割当エネルギシステム152を操作する。そして、動作852において、スレーブ電力制御モジュール128Pがグローバル推進需要を識別した場合、マスタ電力制御モジュール128Pが、動作832によりグローバル推進需要の負担を満たすために、マスタ割当推進システム154を操作することと併せて、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作862において、グローバル推進需要の残りの負担を満たすために、スレーブ割当推進システム154を操作する。さらに、スレーブ電力制御モジュール128Pが、動作854において、スレーブ割当グローバル補機需要を識別した場合、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作864において、スレーブ割当グローバル補機需要を満たすために、スレーブ割当補機要素を操作する。
【0115】
上述のように、モジュール化された実装では、各電力モジュール150が、他の車両アプリケーションからの完全なエネルギシステム152及び完全な推進システム154のモジュール化バージョンであることに伴い、各電力制御モジュール128Pも、他の車両アプリケーションから供給される。他の車両アプリケーションに関して、各供給された電力制御モジュール128Pは、自身により、完全なエネルギシステム152の動作及び完全な推進システム154の動作を統合することを課される。さらに、供給された電力制御モジュール128Pは、自身により、他の車両アプリケーションからの補機システム134の動作を統合することを課される。
【0116】
現状では、FCV100では、供給された電力制御モジュール128Pは、センサシステム122により検出されたFCV100に関する情報と、グローバル制御モジュール128Gから通信されたFCV100に関する情報との任意の組合せを含むFCV100に関する情報を収集し、識別されたグローバル車両需要を含むFCV100に関する情報を評価することを課されるだろう。具体的には、供給された電力制御モジュール128Pは、一以上のグローバルエネルギ需要、一以上のグローバル推進需要、及び、一以上のグローバル補機需要を識別することを課されるだろう。
【0117】
グローバル車両需要が識別された場合、供給された電力制御モジュール128Pは、グローバル車両需要を非寄与的に満たすために、関連する車両システム120を操作することを課されるだろう。例えば、グローバルエネルギ需要が識別された場合、供給された電力制御モジュール128Pは、グローバルエネルギ需要を非寄与的に満たすために、エネルギシステム152を操作することを課されるだろう。そして、グローバル推進需要が識別された場合、供給された電力制御モジュール128Pは、グローバル推進需要を非寄与的に満たすために、推進システム154を操作することを課されるだろう。さらに、グローバル補機需要が識別された場合、供給された電力制御モジュール128Pは、グローバル補機需要を満たすために、未割当基準で、補機システム134を操作することを課されるだろう。関連して、供給された電力制御モジュール128Pは、関連する車両システム120の動作状態チェックを指揮することを課されるだろう。
【0118】
マスタ/スレーブ制御関係の一部として、スレーブ電力制御モジュール128Pは、実質的に現状のまま他の車両アプリケーションから供給される。他方で、マスタ電力制御モジュール128Pも、他の車両アプリケーションから供給されるが、マスタ電力制御モジュール128P及びスレーブ電力制御モジュール128Pの統合下で、FCV100の適切な操舵を促進するように修正される。FCV100では、グローバル制御モジュール128G、マスタ電力制御モジュール128P及びスレーブ電力制御モジュール128Pは、互いに通信可能に接続されている。プロセス800に関して、FCV100に関する情報を収集する目的のために、グローバル制御モジュール128Gは、センサシステム122に通信可能に接続されており、マスタ電力制御モジュール128Pは、グローバル制御モジュール128Gに通信可能に接続されている。マスタ電力制御モジュール128Pは、スレーブ電力制御モジュール128Pにも通信可能に接続されている。他方、スレーブ電力制御モジュール128Pは、マスタ電力制御モジュール128Pに通信可能に接続されている。
【0119】
マスタ電力制御モジュール128Pが、グローバル制御モジュール128G及びセンサシステム122に通信可能に接続されている場合、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作802により、センサシステム122により検出されたFCV100に関する情報と、グローバル制御モジュール128Gから通信されたFCV100に関する情報との任意の組合せを含む、FCV100に関する情報を収集する。動作810-816によるFCV100に関する情報の評価は、それ故、FCV100に関する「実際の」情報によって通知され、「真の」グローバル車両需要を識別することを含む。FCV100に関する情報を評価することに関して、一般的なグローバル補機需要を識別することとは対照的に、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作814によるサブセットマスタ割当グローバル補機需要と、動作816によるスレーブ割当グローバル補機需要とを分離して識別することを再度課される。
【0120】
マスタPCUが、動作820-824により、グローバル車両需要を識別す場合、グローバル車両需要を非寄与的に満たすために関連する車両システム120を操作することとは対照的に、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作830-834により、グローバル車両需要を寄与的に満たすために、マスタ割当関連車両システム120を操作することを再度課される。例えば、動作820によりグローバルエネルギ需要が識別されるにもかかわらず、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作830によりグローバルエネルギ需要の負担のみを満たすために、マスタ割当エネルギシステム152を操作する。そして、動作822によりグローバル推進需要が識別されるにもかかわらず、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作832により、グローバル推進需要の負担のみを満たすために、マスタ割当推進システム154を操作する。さらに、動作824によりマスタ割当グローバル補機需要を分離して識別することに関して、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作834によりマスタ割当グローバル補機需要を満たすために、マスタ割当補機要素のみを操作する。マスタPCUは、スレーブ割当補機要素を操作することは課されない。従って、動作826によりスレーブ割当グローバル補機需要を分離して識別することに関して、プロセス800は、スレーブ割当グローバル補機需要を満たすために、スレーブ割当補機要素を操作するマスタPCUの動作834の対象物を欠く。関連して、マスタPCUは、スレーブ割当補機要素の動作状態チェックを指揮することを課されない。
【0121】
スレーブ電力制御モジュール128Pの観点から、マスタ電力制御モジュール128Pは、センサ122により検出されたFCV100に関する情報と、グローバル制御モジュール128Gから通信されたFCV100に関する情報との任意の組合せを含む、FCV100に関する情報をインターセプトする。その代わりに、動作870-876において、マスタ電力制御モジュール128Pは、スレーブ電力制御モジュール128PのためのFCV100に関するシミュレートされた情報を生成する。例えば、マスタ電力制御モジュール128Pが、動作830によりグローバルエネルギ需要の負担を満たすために、マスタ割当エネルギシステム152を操作する場合、動作870において、マスタ電力制御モジュール128Pは、グローバルエネルギ需要の残りの負担を示すFCV100に関するシミュレートされた情報を生成する。そして、マスタ電力制御モジュール128Pが、動作832によりグローバル推進需要の負担を満たすために、マスタ割当推進システム154を操作する場合、動作872において、マスタ電力制御モジュール128Pは、グローバル推進需要の残りの負担を示すFCV100に関するシミュレートされた情報を生成する。さらに、マスタ電力制御モジュール128Pが、動作834によりマスタ割当グローバル補機需要を満たすために、マスタ割当補機要素を操作する場合、動作874において、マスタ電力制御モジュール128Pは、非マスタ割当グローバル補機需要を示すFCV100に関するシミュレートされた情報を生成する。そして、マスタ電力制御モジュール128Pは、スレーブ割当補機要素を操作することを課されないが、動作816によりスレーブ割当グローバル補機需要を分離して識別するにもかかわらず、動作876において、マスタ電力制御モジュール128Pは、スレーブ割当グローバル補機需要を示すFCV100に関するシミュレートされた情報を生成する。
【0122】
スレーブ電力制御モジュール128Pがマスタ電力制御モジュール128Pに通信可能に接続されている場合、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作804により、マスタ電力制御モジュール128Pから通信されたシミュレートされた情報を含むFCV100に関する情報を収集する。動作840-844によりFCV100に関する情報の評価は、それ故、FCV100に関するシミュレートされた情報によって通知され、「見せかけの」グローバル車両需要を識別することを含む。
【0123】
FCV100に関する情報を評価することに関して、原則として、動作840によりグローバルエネルギ需要を識別することが課されるにもかかわらず、スレーブ電力制御モジュール128Pは、グローバルエネルギ需要の残りの負担のみを識別する。そして、原則として、動作842によりグローバル推進需要を識別することが課されるにもかかわらず、スレーブ電力制御モジュール128Pは、グローバル推進需要の残りの負担のみを識別する。さらに、原則として、動作844により一般に、グローバル補機需要を識別することが課されるにもかかわらず、スレーブ電力制御モジュール128Pは、スレーブ割当グローバル補機需要のみを識別する。
【0124】
上述のように、グローバル補機需要を識別する場合、スレーブ電力制御モジュール128Pは、原則として、グローバル補機需要を満たすために、未割当基準で補機システム134を操作することが課される。従って、原則として、スレーブ電力制御モジュール128Pが、動作854において、マスタ割当グローバル補機需要を識別する場合、動作866において、スレーブ電力制御モジュール128Pは、マスタ割当グローバル補機需要を満たすために、マスタ割当補機要素を操作する。しかしながら、スレーブ電力制御モジュール128Pが、動作844により、スレーブ割当グローバル補機需要のみを識別する場合、スレーブ電力制御モジュール128Pの観点から、マスタ割当グローバル補機需要は実現しない。そして、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作854により、マスタ割当グローバル補機需要を識別しない場合、スレーブ電力制御モジュール128Pは、マスタ割当補機要素を操作しない。関連して、スレーブ電力制御モジュール128Pは、マスタ割当補機要素の動作状態チェックを指揮しない。特に、マスタ割当補機要素は、スレーブ電力制御モジュール128Pの観点から、動作状態チェックに必然的に失敗するだろうから、スレーブ電力制御モジュール128Pは、スレーブ割当電力モジュール150だけでなく、FCV100のグローバル操作も無力にすることができる。
【0125】
トラクションイベント
グローバル推進需要に関して、ドライブトレインが各推進システム154に機械的に接続されている場合、それらが属する電力モジュール150を代表して、推進システム154は、推進機能を実行するように動作可能であり、それにより、グローバル推進需要を寄与的に満たす。上述のように、グローバル推進需要は、車輪114に動力を供給するための要求及び車輪114を減速するための要求を含んでよい。推進システム154が、車輪114に動力を供給するように動作可能である場合、推進システム154は、車輪114に動力を供給するための需要を寄与的に満たす。さらに、推進システム154が、車輪114を減速するように動作可能である場合、推進システム154は、車輪114を減速するための需要を寄与的に満たすように動作可能である。
【0126】
多くの場合、FCV100を地面に沿って走行することに関して、グローバル推進需要は実現する。具体的には、車輪114に動力を供給するための需要は、FCV100を加速することと、FCV100の速度を水平又は上り坂で維持することとの関係で実現する。さらに、車輪114を減速するための需要は、FCV100を減速することと、FCV100の速度を下り坂で維持することとの関係で実現する。車輪114を減速するための需要は、FCVを回生制動する要求の一部である場合、FCVを制動することとの関係でも実現する。いくつかのケースでは、グローバル推進需要は、トラクションイベント、つまり、車輪114と地面との間の牽引接触の明白な又は予期される損失との関係でも実現される。具体的には、車輪114に動力を供給するための需要と車輪114を減速するための需要との任意の組合せは、単独で、又は、FCV100の摩擦的な制動とFCV100の操舵との任意の組合せと併せて、車輪114と地面との間の牽引接触を維持、回復又は制御するために、車輪114の動作を調整することとの関係で実現する。
【0127】
とりわけ、プロセス800によれば、グローバル推進需要が実現する場合、推進システム154は、グローバル推進需要を寄与的に満たすために、異なる制御モジュール128により操作される、ということである。具体的には、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作832によりグローバル推進需要の負担を満たすために、マスタ割当推進システム154を操作し、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作862においてグローバル推進需要の残りの負担を満たすために、スレーブ割当推進システム154を操作する。さらに、グローバル推進需要が識別される場合、制御モジュールは、FCV100に関する異なる情報により情報を与えられる。具体的には、動作822によりグローバル推進需要が識別される場合、マスタ電力制御モジュール128Pは、動作802及び812によりFCV100に関する実際の情報により情報を与えられる。他方で、動作852によりグローバル推進需要の残りの負担が識別される場合、スレーブ電力制御モジュール128Pは、動作804及び842により、FCV100に関するシミュレートされた情報により情報を与えられる。
【0128】
制御モジュール128は、制御モジュール128がトラクションイベントを識別しない場合、「ドライブ」モードを有する。ドライブモードでは、推進システム154は、プロセス800により、グローバル推進需要を寄与的に満たすために、操作される。制御モジュール128は、「トラクション」モードも有する。制御モジュール128がトラクションイベントを識別する場合、制御モジュール128は、トラクションモードに切り替える。トラクションモードでは、グローバル推進需要が実現する場合、プロセス800によるマスタ/スレーブ制御関係は、一の制御モジュール128が、プロセス700により、グローバル推進需要を寄与的に満たすために、推進システム154を操作することの利益になるように、一時停止される。例えば、制御モジュール128は、グローバル制御モジュール128G又はマスタ電力制御モジュール128Pであってよい。いずれの場合でも、制御モジュール128は、グローバル推進需要を識別する場合、FCV100に関する同じ情報により情報を与えられる。具体的には、制御モジュール128は、動作706によりグローバル推進需要を識別する場合、動作702及び704によるFCV100に関する実際の情報のみにより情報を与えられる。以前に識別されたトラクションイベントがもはや識別されなくなった場合、制御モジュール128は、トラクションモードからドライブモードに戻す。
【0129】
本発明の列挙された特徴及び条件を特定の実施形態に関連して説明したが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではなく、それどころか、法律の下で許可されている修正及び同等の構成を全て包含するように、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図していることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8