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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
A63F9/30 501D
A63F9/30 501E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020008571
(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公開番号】P2021115109
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511242904
【氏名又は名称】株式会社マーベラス
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【弁理士】
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】土手 真悟
(72)【発明者】
【氏名】駒形 直規
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-088679(JP,A)
【文献】特開2004-105477(JP,A)
【文献】特開2015-008934(JP,A)
【文献】特開2018-158243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品が設置されるゲーム空間と、前記ゲーム空間と連通する景品取出空間とを有するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間に設けられ、前記景品の下側から前記景品を支持する第1の景品支持部と、
前記第1の景品支持部に外力を付与することにより、前記第1の景品支持部を変位させる第1の外力付与部と、
前記第1の外力付与部と、前記第1の景品支持部とを相対的に移動させるための第1の移動機構と、を有し、
前記第1の景品支持部は、複数のサブ支持部を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記第1の外力付与部は、その基端を中心に回動する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記第1の外力付与部は、前記基端を中心に回動したとき、前記第1の外力付与部の先端が前記第1の景品支持部と接触するように構成されている請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記第1の外力付与部は、前記第1の景品支持部に対して、水平方向に往復移動する請求項1ないし3いずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記第1の外力付与部の形状は、前記第1の景品支持部の形状と同じように構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記景品取出空間上に、前記第1の景品支持部を取り付けるための第1の取付け部をさらに有し、
前記第1の景品支持部の基端は、前記第1の取付け部に取り付けられ、
前記第1の景品支持部は、前記景品取出空間に直面する請求項1ないし5のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記第1の景品支持部は、前記第1の取付け部に取り付けるための基端部と、変位可能に構成された先端部とを有し、
前記基端部は、前記第1の取付け部に取り付けた状態で、鉛直方向に突出する突出部を有し、
前記先端部は、突起を有し、
前記第1の景品支持部は、前記突出部と、前記突起とが係合することにより、前記景品を載置できる状態をとるように構成されている請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記第1の景品支持部は、前記外力により、その基端を中心に回動可能に構成されている請求項1ないしのいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記複数のサブ支持部は、直線状に形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記第1の景品支持部の上方に、
前記第1の景品支持部とは異なる第2の景品支持部と、
前記第2の景品支持部に外力を付与することにより、前記第2の景品支持部を変位させるための第2の外力付与部と、
前記第2の外力付与部と、前記第2の景品支持部とを相対的に移動させるための第2の移動機構と、をさらに有する請求項1ないしのいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記景品を前記景品取出空間にガイドする景品ガイド部をさらに有し、
前記景品ガイド部は、前記第2の景品支持部の下に設けられている請求項10に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記第2の景品支持部および前記第2の外力付与部は、前記第1の景品支持部および前記第1の外力付与部と平行に設けられている請求項10または11に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、特に、景品を獲得するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の景品取得ゲーム装置が知られている。例えば、景品をチェーンで吊るして、筐体内に陳列した景品取得ゲーム装置がある(例えば特許文献1)。この景品取得ゲーム装置では、係止解除部材がチェーンにアクセスすることで、チェーンとともに景品が落下するように構成されている。これにより、プレイヤは、景品を取得することができる。
【0003】
この景品取得ゲーム装置は、複数の景品を鉛直方向に陳列している。そのため、筐体の高さが高い。したがって、プレイヤは、当該景品取得ゲーム装置の後側を視認することができない。また、景品を取得するために、係止解除部材がチェーンに複数回アクセスしなければならない。そのため、景品を簡単に取得することができず、プレイヤは必ずしも満足感を有していなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-105477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、景品を簡単に取得することができ、プレイヤに満足感を与えることができるゲーム装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、店舗に置いたとき、店舗の見通しがよい小型のゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、上記目的は、下記(1)~(13)の本発明により達成されることができる。
【0007】
(1)前記ゲーム空間に設けられ、前記景品の下側から前記景品を支持することができる第1の景品支持部と、
前記第1の景品支持部に外力を付与することにより、前記第1の景品支持部を変位させる第1の外力付与部と、
前記第1の外力付与部と、前記第1の景品支持部とを相対的に移動させるための第1の移動機構と、を有することを特徴とするゲーム装置。
【0008】
(2)前記第1の外力付与部は、その基端を中心に回動する上記(1)に記載のゲーム装置。
【0009】
(3)前記第1の外力付与部は、前記基端を中心に回動したとき、前記第1の外力付与部の先端が前記第1の景品支持部と接触するように構成されている上記(2)に記載のゲーム装置。
【0010】
(4)前記第1の外力付与部は、前記第1の景品支持部に対して、水平方向に往復移動する上記(1)ないし(3)いずれかに記載のゲーム装置。
【0011】
(5)前記第1の外力付与部の形状は、前記第1の景品支持部の形状と同じように構成されている上記(1)ないし(4)に記載のゲーム装置。
【0012】
(6)前記景品取出空間上に、前記第1の景品支持部を取り付けるための第1の取付け部をさらに有し、
前記第1の景品支持部の基端は、前記第1の取付け部に取り付けられ、
前記第1の景品支持部は、前記景品取出空間に直面する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0013】
(7)前記第1の景品支持部は、前記第1の取付け部に取り付けるための基端部と、変位可能に構成された先端部とを有し、
前記基端部は、前記第1の取付け部に取り付けた状態で、鉛直方向に突出する突出部を有し、
前記先端部は、突起を有し、
前記第1の景品支持部は、前記突出部と、前記突起とが係合することにより、前記景品を載置できる状態をとるように構成されている上記(6)に記載のゲーム装置。
【0014】
(8)前記第1の景品支持部は、前記外力により、その基端を中心に回動可能に構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0015】
(9)前記第1の景品支持部は、複数のサブ支持部を含む上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0016】
(10)前記複数のサブ支持部は、直線状に形成されている上記(9)に記載のゲーム装置。
【0017】
(11)前記第1の景品支持部の上方に、
前記第1の景品支持部とは異なる第2の景品支持部と、
前記第2の景品支持部に外力を付与することにより、前記第2の景品支持部を変位させるための第2の外力付与部と、
前記第2の外力付与部と、前記第2の景品支持部とを相対的に移動させるための第2の移動機構と、をさらに有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のゲーム装置。
【0018】
(12)前記景品を前記景品取出空間にガイドする景品ガイド部をさらに有し、
前記景品ガイド部は、前記第2の景品支持部の下に設けられている上記(11)に記載のゲーム装置。
【0019】
(13)前記第2の景品支持部および前記第2の外力付与部は、前記第1の景品支持部および前記第1の外力付与部と平行に設けられている上記(11)または(12)に記載のゲーム装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、景品を簡単に取得することができ、プレイヤに満足感を与えることができるゲーム装置を提供することができる。また、本発明によれば、店舗に置いたとき、店舗の見通しがよい小型のゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の第1実施形態のゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品支持部に景品を載置したときの状態を示す拡大斜視図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品支持部の取付け状態を示す拡大斜視図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。(a)は側面図、(b)は上面図、(c)および(d)は側面図である。
図6図6は、本発明の景品支持部の他の構成を模式的に示す図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の外力付与部を模式的に示す斜視図である。
図8図8は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の移動機構の構成を模式的に示す図である。
図9図9は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図10図10は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するための模式図である。
図11図11は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
図13図13は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のゲーム装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。説明の都合上、図中の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面手前側を「前」、紙面奥側を「後」として説明する。
【0023】
<<第1実施形態>>
1.ゲーム装置
図1は、本発明の第1実施形態のゲーム装置を模式的に示す斜視図、図2は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の構成を示すブロック図、図3は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品支持部に景品を載置したときの状態を示す拡大斜視図、図4は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品支持部の取付け状態を示す拡大斜視図、図5は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の景品支持部を模式的に示す図である。
【0024】
図1に示すように、本発明のゲーム装置1は、上段プレイ(第1のプレイ)と、下段プレイ(第2のプレイ)のどちらでもプレイが可能な2階建てのゲーム装置を2つ組み合わせた2プレイタイプのゲーム装置である。このようなゲーム装置1は、景品獲得ゲーム装置1Aと、景品獲得ゲーム装置1Bと、で構成されている。
【0025】
景品獲得ゲーム装置1Aと1Bは、互いに隣接して設けられ、1つの制御部で制御される。2つの景品獲得ゲーム装置1A、1Bを1つの制御部で制御しているため、ゲーム装置1全体の大きさを小型化することができる。景品獲得ゲーム装置1A、1Bの数は特に限定されず、3つ以上の複数であってもよい。同様に、制御部の数も特に限定されない。このような景品獲得ゲーム装置1A、1Bは、ゲーム空間から景品取出空間に景品を落下させるゲーム装置である。以下、景品ゲーム装置1A、1Bの各部の構成を説明するが、景品獲得ゲーム装置1A、1Bは、互いに同じ構成であるから、景品獲得ゲーム装置1Aの各部を代表して説明する。
【0026】
<筐体>
景品獲得ゲーム装置1A(ゲーム装置1)は、筐体2を有する。筺体2は、箱状に形成され、景品獲得ゲーム装置1Aの各部材を設置または収納する機能を有している。筐体2の形状は、特に限定されず、三角柱状、楕円柱状、円柱状などに変更できる。筐体2は、筐体上部21と、筐体下部22とで構成されている。
【0027】
(筐体上部)
筐体上部21は、ほぼ角柱状に形成されている。筐体上部21の各面は、適宜透明部材で構成されているので、ゲーム空間を外から視認することができる。筐体上部21で画成された空間が、ゲーム空間215となっている。
【0028】
(筐体下部)
筐体下部22は、その上面上で筐体上部21と接続されている。筐体下部22は、記憶部8や制御部9を収納することに用いられる。筐体下部22は、景品取出口221と、景品取出板222と、景品取出空間223とを有する。
【0029】
景品取出口221は、筐体下部22の前面に設けられている。景品取出口221は、景品取出空間223から景品を取り出す機能を有し、矩形の形状に形成されている。景品取出板222は、景品取出口221を塞ぐように、景品取出口221の上部に設けられている。景品取出板222は、景品取出口221に対応して矩形状に形成されている。景品取出空間223は、筐体下部22内に設けられ、筐体上部21のゲーム空間215と連通する。景品取出空間223は、筐体下部22の内部の側面、底面、後面、および景品取出板222で構成される空間である。
【0030】
景品獲得ゲーム装置1Aは、上段プレイ用および下段プレイ用の、2つの操作部3と、2つの取付け部4と、2つの景品支持部5と、2つの外力付与部6と、2つの移動機構7と、を有している。そのため、景品獲得ゲーム装置1Aのゲーム空間215は、上段プレイ用のゲーム空間215と、下段プレイ用のゲーム空間215とに分離されている。各ゲーム空間215は、外力付与部6が動作できる限り特に限定されないが、高さ150~300mm、奥行き400~800mm、幅300~500mmで構成されている。このような構成により、ゲーム装置を小型化することができる。
【0031】
<操作部>
操作部3は、下段プレイ用の第1の操作部3と、上段プレイ用の第2の操作部3とを含む。下段プレイ用の第1の操作部3は、後述する第1の取付け部4の正面から突出するように設けられている。上段プレイ用の第2の操作部3は、後述する第2の取付け部4の正面から突出するように設けられている。下段プレイ用の第1の操作部3と、上段プレイ用の第2の操作部3とは、同じ構成であるため、以下、これらを操作部3として説明する。
【0032】
操作部3は、円柱状の押ボタンで構成されている。操作部3は、プレイヤからの入力情報を受け付ける機能を有している。本実施形態のゲーム装置1Aでは、押ボタンを押圧すると、第1の外力付与部6または第2の外力付与部6の選択、移動、停止が実現される。押ボタンの数は特に限定されず、2以上であってもよい。また、操作部3は、ゲーム装置1Aの構成に応じて、操作用スティックやベッティング用表示画面を含んでいてもよい。
【0033】
<取付け部>
取付け部4は、下段プレイ用の第1の取付け部4と、上段プレイ用の第2の取付け部4とを含む。下段プレイ用の第1の取付け部4は、筐体上部21の下部に、筐体上部21の内面に沿って設けられる。上段プレイ用の第2の取付け部4は、筐体上部21の鉛直方向中間部付近に、筐体上部21の内面に沿って、下段プレイ用の第1の取付け部4と平行に設けられている。
【0034】
また、下段プレイ用の第1の取付け部4は、ゲーム空間215と、景品取出空間223とを仕切る機能を有する。一方、上段用の第2の取付け部4は、上段プレイ用のゲーム空間215と、下段プレイ用のゲーム空間215とを仕切る機能を有する。下段プレイ用の第1の取付け部4と、上段プレイ用の第2の取付け部4とは、同じ構成であるため、以下、これらを取付け部4として説明する。
【0035】
取付け部4は、後述する景品支持部5や移動機構7を取り付ける機能を有する。取付け部4は、図3に示すように、上面視「コ」の字状の枠状体41と、直方体状の支持台42とを有する。枠状体41は、その前面に、前述した操作部3を備える。また、枠状体41は、その内面に、後述する移動機構7(図示しない)を備える。
【0036】
支持台42は、前面が枠状体41の基端と接触するように、筐体上部21の背面と、枠状体41の基端との間に設けられている。支持台42は、上面にある程度の面積を有するため、上面に景品を載置し、展示することができる。
【0037】
支持台42は、後述する景品支持部材5を取り付ける機能を有する。図4に示すように、支持台42は、複数の景品支持部5(サブ支持部5a)を取り付けるための複数の連結部43を有する。複数の連結部43は、支持台42の長手(X軸)方向に沿って、支持台42の前面に連続して設けられている。本実施形態では、連結部43は、12個形成されているが、1つの連結部43で構成されていてもよい。
【0038】
各連結部43は、支持台42の内部に向かって凹没する凹部421と、景品支持部5を取り付けるための嵌合部422と、景品支持部5をガイドするガイドレール423とを有する。
【0039】
凹部421は、景品支持部5の基端部(取付部51)を収容する。また、凹部421は、支持台42の長手方向に沿って、間欠的に設けられている。後述するように、景品支持部5の載置部53が鉛直方向に変位するため、凹部421は、ゲーム空間215と、景品取出空間223に直面している。
【0040】
嵌合部422は、凹部421の奥部に設けられ、スリットで構成されている。このスリットに、景品支持部5の係止部511が挿通される。そのため、嵌合部422は、景品支持部5を連結部43に固定するストッパーとしての機能を有する。これにより、景品支持部5を確実に連結部43に固定することができる。嵌合部422が景品支持部5を固定すると、景品支持部5の取付部51は、凹部421の奥部から突出するように取り付けられる(図4の左側)。
【0041】
ガイドレール423は、前記長手方向と直交する凹部421の奥方向(Y軸)方向に沿って、凹部421の側面に設けられている。景品支持部5のスリット512がガイドレール423と嵌合すると、ガイドレール423は、景品支持部5の取付部51を凹部421の奥にガイドする。これにより、係止部511を嵌合部422に適切にガイドすることができる。
【0042】
支持台42はさらに、連結部43の下部で、前面から突出するように設けられた景品ガイド部44を有する。景品ガイド部44は、景品を景品取出空間223にガイドする機能を有する。そのため、景品ガイド部44の上面は、支持台42の前面に対して、景品取出空間223に向かって傾斜している。このような構成により、上段プレイ用の景品ガイド部44は、下段プレイを妨害することなく、景品を景品取出空間223に適切にガイドすることができる。すなわち、上段プレイ用の景品ガイド部44により、景品が下段プレイ用の景品支持部5に接触することなく、確実に景品取出空間223に移行することができる。一方、下段プレイ用の景品ガイド部44は、景品を景品取出空間223に適切にガイドすることができる。
【0043】
<景品支持部>
景品支持部材5は、下段プレイ用の第1の景品支持部5と、上段プレイ用の第2の景品支持部5とを含む。下段プレイ用の第1の景品支持部5は、下段プレイ用の第1の取付け部4の支持台42に設けられる。上段プレイ用の第2の景品支持部5は、上段プレイ用の第2の取付け部4の支持台42に設けられる。下段プレイ用の第1の景品支持部5と、上段プレイ用の第2の景品支持部5とは、同じ構成であるため、以下、これらを景品支持部5として説明する。
【0044】
景品支持部5は、景品を支持するよう機能する。景品支持部5は、複数のサブ支持部5aで構成されている。なお、サブ支持部5aの数は特に限定されず、1つでも複数であってもよい。本実施形態では、サブ支持部5aの数は、連結部43の数に対応して12本となっている。サブ支持部5aの形状は、特に限定されず、棒状、長尺状、平板状、プレート状、半円状、円状などいずれの形状であってもよい。サブ支持部5aの長さも特に限定されず、同一でも、異なっていてもよい。
【0045】
また、サブ支持部5aの外径(幅および/または厚み)は、その基端から先端にかけて漸減していてもよい。これにより、サブ支持部5aが景品を設置する第1の状態において、サブ支持部5aの先端で、サブ支持部5a同士の間隙が大きくなる。したがって、景品が落下するイメージをプレイヤに与えることができる。
【0046】
また、サブ支持部5aは、連結部43に対して、レイアウトを変更可能(取り外し可能)に設けられている。これにより、連結部43に対して、サブ支持部5aの取付位置を変更することができる。例えば、長さ、外径、形状の異なるサブ支持部5a、様々な演出部材(例えば、複数の棘部)を備えるサブ支持部5aを交換して取り付けることができる。したがって、景品の載置方法の種類や、ゲームの難易度を変更することができる。その結果、ゲーム管理者が、ゲームの構成を自在に設定することができ、プレイヤを継続的に楽しませることができる。
【0047】
サブ支持体5aは、図5に示すように、取付部51と、回転部52と、載置部53と、を有する。回転部52および載置部53を合せて、先端部ということもある。
【0048】
取付部51は、ほぼ直方体状に形成されている。取付部51は、連結部43と接続する機能および回転部52を回転させる機能を有する。取付部51は、係止部511と、スリット512と、回転フィールド513と、突出部514とを有する。係止部511は、取付部51の基端の上部に設けられ、連結部43の嵌合部422に挿入されるように構成されている。係止部511が連結部43の嵌合部422に挿入されることにより、取付部51を連結部43に固定することができる。
【0049】
スリット512は、取付部51の長手(Y軸)方向に沿って、取付部51の側面に設けられている。スリット512は、連結部43のガイドレール423に嵌合するように構成されている。これにより、係止部511を嵌合部422にガイドすることができる。
【0050】
回転フィールド513は、取付部51の先端側に設けられている。回転フィールド513は、回転軸と、回転部52を設置する領域とを有する。これにより、設置された回転部52が回転することができるようになっている。突出部514は、回転部52の突起521と係合し、載置部53を水平に保つ機能を有する。突出部514は、取付部51の先端から回転フィールド513に突出するように設けられている。これにより、回転部52の突起521を係止し、載置部53を水平に保つことができる。
【0051】
回転部52は、円柱状に形成され、その中心で回転フィールド513の回転軸に設けられる。回転部52は、その下部に、載置部53が回転部52から突出する方向(載置部53の長手方向)と直交する方向に突出する突起521を有する。突起521は、突出部514と係止し、載置部53を水平に保つことができる。
【0052】
載置部53は、図5(a)~(d)に示すように、回転部52から直線状に延在する。載置部53は、景品を載置する機能を有する。図5に示すように、載置部53は、長尺の棒状に形成されているが、角柱状、平板状、長尺板状、半円状、円状などの形状であってもよい。載置部53の径は、特に限定されないが、景品を載置できるよう、所定の径を有する。当該径は、載置部53の基端から先端にかけて一定であってもよく、回転部52からテーパー付けられていても良い。載置部53の長さは、後述する外力付与部6と接触する長さであれば、特に限定されない。なお、載置部53の先端は、外力付与部6が接触するように、平板状であっても、ゴムで形成されていてもよい。
【0053】
次に、サブ支持部5aが連結部43に連結された状態と、サブ支持部5aが変位する状態を、図4、5を用いて説明する。図5(a)に示すように、取付部51の突出部514と、回転部52の突起521とが係止すると、載置部53が水平に保たれる。この状態で、サブ支持部5aは、図4の左側に示すように、連結部43に取り付けられている。すなわち、サブ支持部5aは、筐体2の前面に向かって、Y軸(水平)方向に延在している。この状態は、景品を支持可能な状態(第1の状態)である。
【0054】
一方、図5(c)に示すように、取付部51の突出部514と、回転部52の突起521との係止が解除されると、回転部52は、載置部53の重さにより回転する。そして、サブ支持部5aは、図5(d)に示す状態になる。この状態で、サブ支持部5aは、図4の右側に示すように、連結部43に取り付けられている。すなわち、サブ支持部5aは、景品取出空間223に向かって、鉛直下(Z軸)方向に沿って延在している。この状態は、景品の載置を解除した状態(第2の状態)である。
【0055】
なお、図1に示すように、ゲーム管理者は、予め、12本のサブ支持部5aのうちのいくつかのサブ支持部5aを第1の状態にし、その他のサブ支持部体5aを第2の状態にしてゲームを実行することもできる。また、ゲーム管理者は、予め、12本のサブ支持部5aのうちのいくつかのサブ支持部5aを使用しないように取り除くこともできる。これにより、ゲーム管理者は、ゲームの難易度を調整することができる。このように、サブ支持部5aは、そのレイアウトを変更可能に構成されている。
【0056】
このようなサブ支持部5aは、上述されたものに限定されず、景品を載置できる限り、いかなる形状のものであってもよい。以下、サブ支持部5aの他の構成例の一例を説明する。図6は、本発明の景品支持部の他の構成を模式的に示す図である。
【0057】
(他の構成例1)
サブ支持部5aの他の構成例1は、載置部53の形状が異なる以外、上述した構成のサブ支持部5aと同じである。すなわち、他の構成例1の載置部53は、図6(a)に示されるように、略半円状の平板部で構成されている。この構成例1のサブ支持部5aは、載置部53の面積が増大するため、1つのサブ支持部5aで大きな景品を載置することができる。また、外力付与部6により外力を受け易いため、容易にサブ支持部5aを変位することができる。
【0058】
(他の構成例2)
サブ支持部5aの他の構成例2は、載置部53の外径が先端に向かって漸減している点で、上述した構成のサブ支持部5aと異なる。すなわち、他の構成例2のサブ支持部5aは、図6(b)示されるように、載置部53が先端に向かってテーパー付けられて構成されている。このため、載置部53の先端に向かうほど、景品の安定性が低下し、プレイヤに景品を獲得できる感覚を与えることができる。また、外力付与部6により外力を付与することが困難であるため、ゲームの難易度を高めることができる。
【0059】
(他の構成例3)
サブ支持部5aの他の構成例3は、載置部53の先端が平板状である点で、上述した構成のサブ支持部5aと異なる。すなわち、他の構成例3のサブ支持部5aは、図6(c)に示すように、載置部53の先端が平板状であるため、外力付与部6がサブ支持部5aに確実に接触することができる。これにより、サブ支持部5aは、外力付与部6からの外力を確実に受け取ることができる。
【0060】
以上のようなサブ支持部5aが連結部43に取り付けられることにより、景品を載置する方法、サブ支持部5aの取付状態のバリエーションを増やすことができ、ゲームの趣向性を高めることができる。
【0061】
なお、景品は、サブ支持部5aにどのように支持されていてもよい。例えば、図3に示すように、景品は、サブ支持部5aに載置されていてもよい。また、景品が掛け部材(例えば、フックやチェーン)を有し、当該掛け部材でサブ支持部5aに懸けられていてもよい。この場合、掛け部材は景品の一部であるから、景品を下側から支持していうことができる。
【0062】
<外力付与部>
次に、外力付与部6を説明する。図7は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の外力付与部を模式的に示す斜視図である。外力付与部6は、下段プレイ用の第1の外力付与部6と、上段プレイ用の第2の外力付与部6とを含む。下段プレイ用の第1の外力付与部6は、第1の移動機構7に設けられる。上段プレイ用の第2の外力付与部6は、第2の移動機構7に設けられる。下段プレイ用の第1の外力付与部6と、上段プレイ用の第2の外力付与部6とは、同じ構成であるため、以下、これらを外力付与部6として説明する。
【0063】
外力付与部6は、景品支持部5に外力を付与する機能を有する。外力付与部6は、景品支持部5と対向するように、移動機構7に立設して設けられている。外力付与部6は、後述する移動機構7により、X軸(水平)方向に往復移動可能に設けられている。
【0064】
また、外力付与部6の基端は、移動機構7に取り付けられている。そのため、外力付与部6は、その基端を中心に、往復移動方向と直交する方向に回動可能に設けられている。この外力付与部6は、先端が上方を向くように固定された位置(待機位置)と、先端が下方を向くように固定された位置(回転位置)との間を回転運動する。
【0065】
外力付与部6は、図7に示すように、先端に向かってテーパー付けられている。外力付与部6の先端は、基端側に対して径が小さい円柱状に形成されている。これにより、サブ支持部5aとの接触面積が小さくなるので、サブ支持部5aに外力を付与することが困難になる。外力付与部6の先端は、これに限定されず、図6(c)に示されるサブ支持部5aのように、平板状であってもよい。これにより、サブ支持部5aとの接触面積が大きくなるので、サブ支持部5aに外力を確実に付与することができる。
【0066】
なお、外力付与部6は、サブ支持部5aの回転部52および載置部53を含む部材(先端部)と同じ部材であってもよい。これにより、サブ支持部5aを外力付与部6として使用することができるので、サブ支持部5aと外力付与部6とを製造するコストを削減できる。
【0067】
<移動機構>
次に、移動機構7について説明する。図8は、本発明の第1実施形態のゲーム装置の移動機構の構成を模式的に示す図である。移動機構7は、下段プレイ用の第1の移動機構7と、上段プレイ用の第2の移動機構7とを含む。下段プレイ用の第1の移動機構7は、第1の取付け部4の枠状体41の内面に設けられる。上段プレイ用の第2の移動機構7は、第2の取付け部4の枠状体41の内面に設けられる。下段プレイ用の第1の移動機構7と、上段プレイ用の第2の移動機構7とは、同じ構成であるため、以下、これらを移動機構7として説明する。
【0068】
移動機構7は、外力付与部6を移動させる機能を有する。この移動機構7は、本体71と、移動用モーター72と、シャフト73と、ラック74と、回転用モーター75と、一対のスイッチ76と、を含む。
【0069】
本体71は、移動用モーター72によって、シャフト73に沿ってX軸方向に移動する。本体71は、ラック74と嵌合するギア(図示しない)と、一対のスイッチ76を押圧するための一対の凸部71a、71bとを有する。ギアは、本体71の下部に、ラック74と噛み合うように設けられる。本体71の移動方向において、一対の凸部71a、71bは、本体71の前面下部と、後面下部とに設けられる。一対の凸部71a、71bは、本体71がシャフト73の両端に移動したとき、一対のスイッチ76a、76bと接するように構成されている。
【0070】
移動用モーター72は、本体71を水平方向に移動させる機能を有する。移動用モーター72は、例えば、枠状体41の内面の一端に位置している。シャフト73は、本体71の移動をガイドする機能を有する。シャフト73は、移動用モーター72の軸受けと、枠状体41の内面の他端との間に、水平方向に沿って、直線状に設けられる。ラック74は、移動用モーター72の回転運動を直線運動に変更する機能を有する。ラック74は、枠状体41の内面に、シャフト73と平行に直線状に設けられる。ラック74は、本体71のギアと嵌合し、本体71を直線的に移動させる。
【0071】
回転用モーター75は、外力付与部6を回動させる機能を有する。回転用モーター75は、本体71の正面に設けられている。回転用モーター75は、本体71の移動方向に沿った方向に、側面から突出する軸受けを有する。この軸受けに、外力付与部6の基端部が取り付けられる。これにより、回転用モーター75が駆動すると、外力付与部6は、待機位置と回転位置との間の位置を回転運動する。その結果、外力付与部6は、サブ支持部5aに接触し、サブ支持部5aを第2の状態に変位させることができる。
【0072】
<検知部>
検知部10は、ゲーム装置1Aの各部材の動作を検知する機能を有する。検知部10は、特に限定されないが、カメラ、加速度センサー、重量センサー、感圧センサー、赤外線センサー、光電センサー等の各種センサーで構成される。
【0073】
本実施形態の景品獲得ゲーム装置1Aは、第1の検知部10aと、第2の検知部とを有する。第1の検知部10aは、外力付与部6が待機位置にあるか否かを検知する。そのため、第1の検知部10aは、図8に示すように、枠状体41の両端部に設けられている。第1の検知部10aは、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。
【0074】
第2の検知部は、景品が景品取出空間223に存在するか否を検知する。第2の検知部は、景品取出空間223を構成する両側面に設けられている(図示しない)。第2の検知部は、例えば、発光部と受光部とを含む光電センサーで構成されている。
【0075】
図2に戻って、ゲーム装置1の内部構成を説明する。
【0076】
<記憶部>
記憶部8は、CPUが実行するゲームプログラムなどを保存するROMと、CPUが実行する演算結果を一時的に記憶するRAMとを備えている。具体的に、記憶部8は、ゲームの難易度を設定するためのデータやゲーム回数を示すログデータなどを記憶する。例えば、ゲームの難易度を設定するデータは、景品支持部5の先端の上面を複数の領域に分割した複数の領域番号と、外力付与部6が接触した領域番号とを対応づけて、景品支持部5を変位させる度合いを関連付けたデータである。
【0077】
<制御部>
制御部9は、ゲームプログラムを実行するCPUを含み、ゲーム装置1全体を制御する。制御部9は、情報取得部91と、情報処理部92と、動作制御部93とを有する。以下、制御部9の各部の構成を説明する。
【0078】
(情報取得部)
情報取得部91は、操作部3からの入力情報、検知部10が検知した情報(例えば、外力付与部6の位置情報)などを取得する。取得された情報は、情報処理部92に提供される。
【0079】
(情報処理部)
情報処理部92は、ゲーム全体を処理する機能を有する。特に、情報処理部92は、情報取得部91が取得した情報を処理して、動作制御部93に指示する機能を有している。具体的に、情報処理部92は、操作部3への入力により取得された情報に基づいて、対応する移動機構7を特定する。また、操作部3への再度の入力により得られた情報に基づいて、移動機構7および外力付与部6の動作を、動作制御部93に指示する。
【0080】
(動作制御部)
動作制御部93は、移動機構7および外力付与部6の動作を制御する機能を有する。動作制御部93は、情報処理部92が特定した移動機構7の移動用モーター72を駆動するよう制御する。すなわち、プレイヤが第1の操作部3を押圧した場合、動作制御部93は、第1の移動機構7の移動用モーター72を駆動させるよう制御する。次に、プレイヤが第1の操作部3を再度押圧した場合、動作制御部93は、第1の移動機構7の移動用モーター72の動作を停止させ、回転用モーター75を動作させるように制御する。これにより、外力付与部6がY軸方向へ回転する。その結果、外力付与部6の先端は、対向するサブ支持部5aと接触し、サブ支持部5aが第2の状態に変位する。
【0081】
2.ゲーム装置の動作方法
次に、本実施形態のゲーム装置の動作方法について詳細に説明する。図9は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するためのフローチャート、図10は、本発明の第1実施形態にかかるゲーム装置の動作を説明するための模式図である。
【0082】
まず、プレイヤは、プレイしたい景品獲得ゲーム装置1A、1Bのコイン投入口にコインを投入する。これにより、ゲームがスタートする。この時、移動機構7の本体71は、図1に示すように、操作部3の左側(シャフト73の左端)に位置している(初期位置)。また、外力付与部6は、回転用モーター75から鉛直上方に突出するように位置(待機位置)している。次に、プレイヤは、上段プレイ用の操作部3または下段プレイ用の操作部3を押圧する。これにより、プレイヤが選択した側(上段または下段)の操作部3がプレイヤからの入力を受ける(S1)。
【0083】
操作部3が入力を受けると、移動用モーター72が動作し、本体71とともに外力付与部6がX軸(水平)方向に移動する(S2)。次に、情報処理部92は、操作部3が再度入力を受けたか否か判断する(S3)。プレイヤは、外力付与部6を停止させたい場所で操作部3を押圧する。
【0084】
操作部3が入力を受けていない場合、情報処理部92は、移動機構7のスイッチ76に入力があったか否かを判断する(S4)。入力がないと判断されると、処理はステップS3に戻る。一方、入力があると判断されると、動作制御部93は、移動用モーター72の動作を反転させ、本体71が逆方向に移動する。これにより、外力付与部6が逆方向に移動する(S5)。その後、処理は、ステップS3に戻る。以上のような動作は、図10(a)に模式的に示される。
【0085】
ステップS3において、操作部3が入力を受けた場合、移動用モーター72の動作は停止し、外力付与部6も停止する(S6)。この動作は、図10(b)に模式的に示される。次に、回転用モーター75が動作し、外力付与部6が基端を中心に回動する(S7)。これにより、情報処理部92は、外力付与部6の先端がサブ支持部5aの先端に接触したか否を判断する(S8)。
【0086】
外力付与部6の先端がサブ支持部5aの先端に接触した場合、サブ支持部5aに外力が付与される(S9)。この動作は、図10(c)に模式的に示される。この外力が、取付部51の突出部514と、回転部52の突起521との係止を解除する力以上であれば、サブ支持部5aは変位する(S10)。この動作は、図10(d)に模式的に示される。その後、景品がサブ支持部5aから景品取出空間223に落下する。この動作は、図10(e)に模式的に示される。その後、処理はステップS11に移行する。
【0087】
一方、ステップS8において、外力付与部6の先端がサブ支持部5aの先端に接触しない場合、サブ支持部5aは、変位しない。また、外力が前記係止を解除する力より小さい場合、サブ支持部5aは変位しない。この時、処理はステップS11に移行する。
【0088】
次に、移動モーター72が再び駆動し、本体71が初期位置に戻る(S11)。この動作は、図10(e)に模式的に示される。外力付与部6が初期位置に戻った後、外力付与部6は待機位置に復帰する(S12)。この動作は、図10(f)に模式的に示される。これにより、ゲーム終了する。
【0089】
以上、前述の処理方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能である。このようなプログラムは、CPU(central processing unit)、マイクロプロセッサ(micro processor)、GPU(graphic processing unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって実現される。
【0090】
<<第2実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0091】
以下、第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0092】
本実施形態のゲーム装置は、景品獲得ゲーム装置1Aと1Bが下段のみで構成されている点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、本実施形態のゲーム装置は、図1に示すゲーム装置1において、上段プレイ用の、第2の操作部3、取付け部4、景品支持部5、外力付与部6、移動機構7がないゲーム装置である。
【0093】
このように、本実施形態のゲーム装置は、第1実施形態のゲーム装置1よりも高さを低くすることができるため、ゲーム装置をさらに小型化することができる。これにより、ゲーム装置を店舗に置いたとき、店舗の見通しを良くすることができる。
【0094】
なお、本実施形態では、上段プレイ用の各部がない場合を説明したが、いずれかの景品獲得ゲーム装置1Aまたは1Bがない場合であってもよい。また、本実施形態のゲーム装置は、例えば、景品獲得ゲーム装置1Aのみで構成され、かつ、下段プレイ用のみの各部で構成された1プレイ用の装置であってもよい。
【0095】
<<第3実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0096】
図11は、本発明の第3実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部と外力付与部とを模式的に示す拡大斜視図である。
【0097】
以下、第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0098】
本実施形態のゲーム装置は、サブ支持部5aの数が異なり、サブ支持部5aを動作させる移動機構を備える以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第3実施形態のサブ支持部5aの数は、第1実施形態のサブ支持部5aの数の半分になっている。そして、サブ支持部5aは、外力付与部6と同様に、移動機構(図示しない)に設けられている。この移動機構は、外力付与部6を移動させる移動機構7と同じ構成である。移動機構は、支持台42の前面に、移動機構7と対向するように備えられている。これにより、サブ支持部5aは、X軸方向に移動することができる。
【0099】
本実施形態のゲーム装置では、サブ支持部5aもX軸方向に移動する。そのため、外力付与部6がサブ支持部5aに接触するように操作することが難しくなり、ゲームの難易度を上げることができる。
【0100】
なお、本実施形態では、外力付与部6の移動方向と、サブ支持部5aの移動方向は、同じであっても、異なっていてもよい。また、それらの移動速度も、同じであっても、異なっていてもよい。このようにすることで、ゲームの難易度をさらに上げることができる。さらに、本実施形態のゲーム装置では、外力付与部6を移動させる移動機構7が動作しなくてもよい。換言すると、外力付与部6は移動しなくてもよい。本実施形態のゲーム装置はサブ支持部5aを移動させる移動機構を有し、サブ支持部5aが移動する。そのため、外力付与部6の正面にサブ支持部5aを移動させることにより、第1実施形態と同様の機能および効果を発揮することができる。
【0101】
また、本実施形態のゲーム装置は、複数の外力付与部6を有していてもよい。この場合、その複数の外力付与部6は、移動しても、移動しなくてもよい。複数の外力付与部6があることにより、1回のプレイで複数のサブ支持部5aを変位させることができる。したがって、景品を容易に獲得できる印象をプレイヤに与えることができる。
【0102】
<<第4実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第4実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0103】
図12は、本発明の第4実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部と外力付与部とを模式的に示す拡大斜視図である。
【0104】
以下、第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0105】
本実施形態のゲーム装置では、サブ支持部5aの構成と、外力付与部6の構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、第4実施形態のサブ支持部5aは、先端面が鉛直上方に延びた板状体で構成されている。この板状体は、外力付与部6の先端が接触するような面積を有する。一方、本実施形態の外力付与部6は、本体71の移動方向と直交する方向(Y軸方向)に延びるように構成されている。
【0106】
すなわち、操作部3からの入力情報を受けると、動作制御部93は、ゲーム装置1の奥方向に外力付与部6を延伸させる。これにより、外力付与部6の先端がサブ支持部5aの板状体に当接することができる。この時、外力付与部6が板状体をY軸方向に押圧するため、Y軸方向下向きの力がサブ支持部5aに加わる。そのため、サブ支持部5aの取付部51の突出部514と、回転部52の突起521との間の係止を解除することができる。これにより、サブ支持部5aが第2の状態に変位することができる。
【0107】
なお、ゲーム装置1の側面視において、ゲーム装置1の接地面からの外力付与部6の高さは、ゲーム装置1の接地面からのサブ支持部5aの高さよりも高くなっている。すなわち、本実施形態では、外力付与部6は、外力付与部6の先端がサブ支持部5aの板状体と直面するように、サブ支持部5aとZ軸方向にシフトしている。
【0108】
このように、本実施形態のゲーム装置では、外力付与部6が本体71から立設していないので、ゲーム装置1の高さを維持しつつ、複数段プレイに対応することができる。例えば、1つの景品獲得ゲーム装置1Aに、上段プレイ用空間と、中段プレイ用空間と、下段プレイ用空間とを設けることができる。
【0109】
上述したように、サブ支持部5aの先端面は鉛直上方に延びた板状体であると説明したが、サブ支持部5aの先端面は、外力付与部6による外力がサブ支持部5aを変位させる限り、特に限定されない。例えば、サブ支持部5aの先端面は、景品取出空間223(斜下方向)を向く傾斜面で構成されていても、ゲーム空間215(斜上方向)を向く傾斜面で構成されていても、外力付与部6を向く垂直面で構成されていてもよい。このように、本実施形態のサブ支持部5aは、種々の構成をとることができる。
【0110】
<<第5実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第5実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0111】
図13は、本発明の第5実施形態にかかるゲーム装置の景品支持部と外力付与部とを模式的に示す拡大斜視図である。
【0112】
以下、第5実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0113】
本実施形態のゲーム装置は、取付け部4の構成と、サブ支持部5aの配置構成と、移動機構7の構成が異なる点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。具体的に、取付け部4は、円環状に形成されている。これにより、取付け部4は、ゲーム空間215と景品取出空間223とを連通する開口45を形成する。そして、サブ支持部5aは、先端が中心に向くように、取付け部4の周方向に沿って配置されている。移動機構7は、開口45に設けられ、回転運動するように構成されている。その結果、外力付与部6が開口45の周方向に回転するようになっている。
【0114】
なお、第3実施形態のように、サブ支持部5aが回転していてもよい。この場合、外力付与部6の回転方向と、サブ支持部5aの回転方向は、同じであっても、異なっていてもよい。また、それらの回転速度も、同じであっても、異なっていてもよい。このようにすることで、ゲームの難易度をさらに上げることができる。
【0115】
このように、本実施形態のゲーム装置は、周方向にわたってサブ支持部5a上に景品を載置できるので、ゲーム装置1の華やかな印象をプレイヤに与えることができる。また、景品がゲーム空間215の操作部3側にも位置するため、景品の姿勢を把握し易く、景品を獲得できるイメージをプレイヤに与えることができる。
【0116】
<<第6実施形態>>
次に、本発明のゲーム装置の第6実施形態を添付図面に基づいて説明する。以下、第6実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
【0117】
本実施形態のゲーム装置は、複数の外力付与部6を有する点以外は、前記第1実施形態のゲーム装置1と同様である。例えば、移動機構7が複数の本体71を含み、その複数の本体71に取り付けられた回転用モーター75に外力付与部6が設けられる。別の例として、本体71が長尺の箱状に形成され、そこに複数の回転用モーター75が設けられる。そして、複数の回転用モーター75のそれぞれに複数の外力付与部6が取り付けられる。このように、複数の外力付与部6があることにより、1回のプレイで複数のサブ支持部5aを変位させることができる。したがって、景品を容易に獲得できる印象をプレイヤに与えることができる。
【0118】
また、本実施形態のゲーム装置では、外力付与部6を移動させる移動機構7が動作しなくてもよい。換言すると、複数の外力付与部6は移動しなくてもよい。一例として、複数の外力付与部6は、枠状体41の内面に固定される。これにより、1回の操作で複数のサブ支持部5aを変位させることができる。この場合において、照明装置(LEDなど)が複数の外力付与部6に内蔵されていれば、照明装置が点灯したときに操作部3を押圧することにより、当該照明装置に対応する外力付与部6を変位させることができる。これにより、趣向性の高いゲームをプレイヤに提供できる。
【0119】
以上、本発明のゲーム装置を、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の手段または構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。さらに、本発明のゲーム装置の移動機構はなくてもよく、外力付与部は停止していてもよい。この場合、外力付与部の数と、サブ支持部の数とが同じであるゲーム装置であれば、本発明を構成することができる。
【符号の説明】
【0120】
1…ゲーム装置 2…筺体 21…筐体上部 215…ゲーム空間 22…筐体下部 221…景品取出口 222…景品取出板 223…景品取出空間 3…操作部 4…取付け部 41…枠状体 42…支持台 421…凹部 422…嵌合部 423…ガイドレール 43…連結部 44…景品ガイド部 45…開口 5…景品支持部 5a…サブ支持部 51…取付部 511…係止部 512…スリット 513…回転フィールド 514…突出部 52…回転部 521…突起 53…載置部 6…外力付与部 7…移動機構 71…本体 71a…凸部 71b…凸部 72…移動用モーター 73…シャフト 74…ラック 75…回転用モーター 76(76a、76b)…一対のスイッチ 8…記憶部 9…制御部 91…情報取得部 92…情報処理部 93…動作制御部 10…検知部 10a…第1の検知部 1A…景品獲得ゲーム装置 1B…景品獲得ゲーム装置
図1
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図13