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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20220523BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20220523BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J50/90
H01F38/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020055499
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021158745
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 真司
(72)【発明者】
【氏名】西村 光司
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-083414(JP,A)
【文献】特開2012-039688(JP,A)
【文献】国際公開第2013/186181(WO,A1)
【文献】特開2018-201288(JP,A)
【文献】特開2020-27712(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0102590(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/10
H02J 50/90
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに巻き回されることによって形成された第1コイル、及び、前記第1コイルの第1芯線を閉塞状態の第1空間部で収容する第1ハウジングを有する第1コネクタと、
前記軸線周りに巻き回されることによって形成された第2コイル、及び、前記第2コイルの第2芯線を閉塞状態の第2空間部で収容する第2ハウジングを有する第2コネクタと、
前記第1ハウジング、及び、前記第2ハウジングのいずれか一方のハウジングの軸線方向の端部から凹む嵌合凹部と、
前記嵌合凹部に嵌合可能であって、前記第1ハウジング、及び、前記第2ハウジングのいずれか他方のハウジングの前記軸線方向の端部から軸線方向に沿って突出する嵌合凸部と、
前記嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合した状態において、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングが前記軸線方向に対して相対移動することを規制し、前記第1ハウジングに対して第2ハウジングを着脱自在に係止することによって前記第1コイルと前記第2コイルとを電気的に接続状態とする係止機構と、
を備え、
前記嵌合凹部が設けられた凹部側ハウジングは、前記空間部とは異なる部分に、前記嵌合凹部から前記凹部側ハウジングの外部に連通する排出路を有し、
前記第1コネクタは、電源に接続された幹線ケーブルの分岐部から分岐する分岐ケーブルに接続され、
前記第2コネクタは、トンネル内部の照明装置に接続され、
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、前記接続状態において、前記第1コイルの前記第1芯線と前記第2コイルの前記第2芯線とが非接触状態で対向し、前記電源から前記第1芯線に電流が流れることによって生じる磁界の変化に応じた電磁誘導によって、前記第2芯線に誘導電流が流れて前記照明装置に電力が供給されることを特徴とする、
コネクタ装置。
【請求項2】
前記第1コイルの軸線、及び、前記第2コイルの軸線を含む断面視において、前記排出路は、前記嵌合凹部に連通する入口から、前記凹部側ハウジングの外部に連通する出口へ向けて幅が拡大する、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記嵌合凸部を有する凸部側ハウジングは、第1磁性体を有し、
前記第1磁性体の一部は、円柱状に形成され、前記凸部側ハウジングの前記軸線方向における一方の端部から突出して前記嵌合凸部を構成し、
前記第1磁性体の一部の周面には、前記第1コイル、及び、前記第2コイルのいずれか一方のコイルが設けられ、
前記凹部側ハウジングは、第2磁性体を有し、
前記第2磁性体の一部は、円筒状に形成され、前記凹部側ハウジングの前記軸線方向における他方の端部から凹んで前記嵌合凹部を構成し、
前記第2磁性体の一部の外周面には、前記第1コイル、及び、前記第2コイルのいずれか他方のコイルが設けられる、
請求項1又は2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記排出路は、少なくとも前記軸線方向において対向する2つの対向面によって構成され、
2つの前記対向面のうち、前記嵌合凹部に対する前記嵌合凸部の挿入方向側の対向面は傾斜面であり、
前記傾斜面は、前記挿入方向に向かうにつれて径方向の外側に対して傾斜する、
請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記凹部側ハウジングは、前記接続状態において、前記嵌合凸部を有する凸部側ハウジングの鉛直方向における下側に配置される、
請求項4に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源と照明装置との間に配置されるコネクタ装置は、トンネルの内部において使用される。このコネクタ装置に関して、一方のコネクタの第1芯線と、他方のコネクタの第2芯線とを非接触の状態で、電源から照明装置へ電力を供給することも考えられる。例えば、コネクタ装置の中には、第1コイルを有する第1コネクタと、第2コイルを有する第2コネクタとを備え、第1コイルと、第2コイルとを軸線方向において非接触の状態で、電源から電子機器へ電力を供給するものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-44301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコネクタ装置は、第1コイルと第2コイルとを非接触の状態で、電源から電子機器へ電力を供給するため、軸線方向と直交する直交方向において、第1コイルと第2コイルとを正確に位置決めする必要がある。そこで、コネクタ装置は、第1コネクタ及び第2コネクタの一方のコネクタに嵌合凸部を設け、他方のコネクタに嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部を設けることによって、直交方向において、第1コイルに対して第2コイルを正確に位置決めすることが可能となる。しかしながら、従来のコネクタ装置をトンネルの内部に設置する照明装置に適用した場合には、嵌合凹部に嵌合凸部を嵌合させる接続作業は、トンネルの内部において行われる。そして、接続作業の際には、嵌合凹部を露出する必要がある。嵌合凹部を露出すると、嵌合凹部は、トンネル内部の外気に曝され、嵌合凹部の内部に異物が入るおそれがある。そこで、嵌合凹部の内部の異物を排出することができるとともに、直交方向において、第1コイルと第2コイルとを正確に位置決めできるコネクタ装置が要望される。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、凹部の内部の異物をハウジングの外部に排出することができるとともに、非接触状態での電力供給に適した第1コイルと第2コイルとを適切に位置決めできるコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明に係るコネクタ装置は、軸線周りに巻き回されることによって形成された第1コイル、及び、前記第1コイルの第1芯線を閉塞状態の第1空間部で収容する第1ハウジングを有する第1コネクタと、前記軸線周りに巻き回されることによって形成された第2コイル、及び、前記第2コイルの第2芯線を閉塞状態の第2空間部で収容する第2ハウジングを有する第2コネクタと、前記第1ハウジング、及び、前記第2ハウジングのいずれか一方のハウジングの軸線方向の端部から凹む嵌合凹部と、前記嵌合凹部に嵌合可能であって、前記第1ハウジング、及び、前記第2ハウジングのいずれか他方のハウジングの前記軸線方向の端部から軸線方向に沿って突出する嵌合凸部と、前記嵌合凹部に前記嵌合凸部を嵌合した状態において、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングが前記軸線方向に対して相対移動することを規制し、前記第1ハウジングに対して第2ハウジングを着脱自在に係止することによって前記第1コイルと前記第2コイルとを電気的に接続状態とする係止機構と、を備え、前記嵌合凹部が設けられた凹部側ハウジングは、前記空間部とは異なる部分に、前記嵌合凹部から前記凹部側ハウジングの外部に連通する排出路を有し、前記第1コネクタは、電源に接続された幹線ケーブルの分岐部から分岐する分岐ケーブルに接続され、前記第2コネクタは、トンネル内部の照明装置に接続され、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、前記接続状態において、前記第1コイルの前記第1芯線と前記第2コイルの前記第2芯線とが非接触状態で対向し、前記電源から前記第1芯線に電流が流れることによって生じる磁界の変化に応じた電磁誘導によって、前記第2芯線に誘導電流が流れて前記照明装置に電力が供給されることを特徴とする。
【0007】
また、上記コネクタ装置において、前記第1コイルの軸線、及び、前記第2コイルの軸線を含む断面視において、前記排出路は、前記嵌合凹部に連通する入口から、前記凹部側ハウジングの外部に連通する出口へ向けて幅が拡大する、ことが好ましい。
【0008】
また、上記コネクタ装置において、前記嵌合凸部を有する凸部側ハウジングは、第1磁性体を有し、前記第1磁性体の一部は、円柱状に形成され、前記凸部側ハウジングの前記軸線方向における一方の端部から突出して前記嵌合凸部を構成し、前記第1磁性体の一部の周面には、前記第1コイル、及び、前記第2コイルのいずれか一方のコイルが設けられ、前記凹部側ハウジングは、第2磁性体を有し、前記第2磁性体の一部は、円筒状に形成され、前記凹部側ハウジングの前記軸線方向における他方の端部から凹んで前記嵌合凹部を構成し、前記第2磁性体の一部の外周面には、前記第1コイル、及び、前記第2コイルのいずれか他方のコイルが設けられる、ことが好ましい。
【0009】
また、上記コネクタ装置において、前記排出路は、少なくとも前記軸線方向において対向する2つの対向面によって構成され、2つの前記対向面のうち、前記嵌合凹部に対する前記嵌合凸部の挿入方向側の対向面は傾斜面であり、前記傾斜面は、前記挿入方向に向かうにつれて径方向の外側に対して傾斜する、ことが好ましい。
【0010】
また、上記コネクタ装置において、前記凹部側ハウジングは、前記接続状態において、前記嵌合凸部を有する凸部側ハウジングの鉛直方向における下側に配置される、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態に係るコネクタ装置は、上記構成を有するため、凹部の内部の異物を凹部側ハウジングの外部に排出することができるとともに、非接触状態での電力供給に適した第1コイルと第2コイルとを適切に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係るコネクタ装置を含む回路図である。
図2図2は、第1コネクタと第2コネクタとが電気的な接続状態にある場合のコネクタ装置の斜視図である。
図3図3は、コネクタ装置の分解斜視図である。
図4図4は、コネクタ装置の接続状態における縦断面図である。
図5図5は、第2コネクタの一方の端部を示す側面図である。
図6図6は、軸線方向において、第1コネクタと第2コネクタとを離隔させた状態における縦断面図である。
図7図7は、第2コネクタの一方の端部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本実施形態に係るコネクタ装置100を含む回路図である。図2は、第1コネクタ1と第2コネクタ2とが電気的な接続状態にある場合のコネクタ装置100の斜視図である。図3は、コネクタ装置100の分解斜視図である。図4は、コネクタ装置100の接続状態における縦断面図である。図5は、第2コネクタ2の一部を拡大した側面図である。図6は、コネクタ装置100を軸線方向Xにおいて、第1コネクタ1と第2コネクタ2とを離隔させた状態の一部を拡大した断面図である。図7は、第2コネクタ2の一部を分解した斜視図である。各図における軸線方向Xは、第1コネクタ1の軸線XL、及び、第2コネクタ2の軸線XLに沿った方向である。また、各図における周方向Rは、軸線方向Xの軸線周りの方向である。さらに、各図における直交方向Yは、軸線方向Xと直交する方向である。また、図6において、X1は、嵌合凹部25aに嵌合凸部15aを挿入する方向である挿入方向であり、X2は、挿入方向X1の反対方向である。
【0015】
[実施形態]
図1図2図3図4に示す本実施形態に係るコネクタ装置100は、トンネルの内部において使用され、電源Pと照明装置Lとを電気的に接続する接続線の途中に配置されるものである。電源Pは、例えば、交流電源である。照明装置Lは、トンネルの内部に設置され、トンネル内部を光で照らす電灯等である。電源Pには、幹線ケーブルMが設けられる。幹線ケーブルMには、複数の分岐部BPが設けられ、各分岐部BPには、幹線ケーブルMに対して電気的に接続された分岐ケーブルBが設けられる。分岐ケーブルBの端末にはコネクタ装置100が設けられる。コネクタ装置100は、第1コネクタ1と、第2コネクタ2、カバー3と、係止機構4とを備える。
【0016】
第1コネクタ1は、第1回路部11、第1コイル12、第1ハウジング13、及び、第1磁性体15を有し、電源Pに接続された幹線ケーブルMの分岐部BPから分岐する分岐ケーブルBに接続される。
【0017】
第1回路部11は、分岐ケーブルBに電気的に接続され、絶縁性の矩形平板の第1基板11aと、当該第1基板11aに実装された電気抵抗、コンデンサ等の種々の第1電子部品11bとを有し、電源Pからの電流が所望の波形の電流になるように整流するものである。
【0018】
第1コイル12は、導電性の第1芯線12aを軸線周りに巻き回されることによって形成されるものである。より具体的に説明すると、本実施形態の第1コイル12は、第1磁性体15の円柱状に形成された嵌合凸部15aの周面に第1芯線12aを軸線周りに螺旋状に巻き回されることによって形成されるものである。また、第1コイル12は、図示省略するが、第1芯線12aの周面を被覆する絶縁性の被覆部を有する。第1コイル12は、第1電線1wを介して第1回路部11に電気的に接続される。言い換えると、第1電線1wは、第1コイル12の一方の端部と、第1回路部11の接続部とを電気的に接続する。
【0019】
第1ハウジング13は、第1ハウジング本体13aと、第1支持部13cと、第1近接側蓋部13eと、第1離隔側蓋部13fとを有する。第1ハウジング本体13aは、軸線方向Xの両端に位置する第1挿通開口部13bを有し、絶縁性の合成樹脂によって、内部に第1空間部13sを有する円筒状に形成される。第1挿通開口部13bは、軸線方向Xにおいて、第2コイル22に近接する第1近接開口部13b1と、軸線方向Xにおいて、第2コイル22から離隔する第1離隔開口部13b2とを有する。第1ハウジング13の第1近接開口部13b1には、径方向の内側へ向けて突出する第1近接開口突出部13b11を設けてある(図5参照)。第1空間部13sには、上述した第1コイル12、及び、第1回路部11が配置される。
【0020】
第1支持部13cは、第1空間部13sに配置され、第1回路部11を支持するものである。第1支持部13cは、絶縁性の合成樹脂によって円形平板上に形成され、軸線方向Xにおいて、後述する第1磁性体15の第1鍔部15bに対向した状態で接触する。さらに、第1空間部13sには、第1コイル12の全体、及び、第1回路部11の全体、第1支持部13cの全体を覆う絶縁性の第1充填材13dを充填する。また、第1支持部13cは、第1コイル12と第1回路部11とを電気的に接続する第1電線1wを貫通する第1支持部貫通穴13c1が形成される。
【0021】
第1近接側蓋部13eは、第1近接開口部13b1を閉塞するものである。第1近接側蓋部13eは、絶縁性の合成樹脂によって形成され、第1近接円筒状部13e1と、第1近接円盤状部13e2とを有する。第1近接円筒状部13e1は、軸線方向Xに延在する円筒状に形成される。また、第1近接円筒状部13e1の軸線方向Xにおける第2ハウジング本体23a側の端部には、径方向の外側に突出する第1近接突出部13e11を設けてある。作業者は、第1ハウジンングにおいて、第1離隔開口部13b2から第1近接側蓋部13eを第1空間部13sに挿入し、その後、第1ハウジング本体13aに対して第1近接側蓋部13eを、軸線方向Xにおいて、第2コイル22に近接するように移動させる。そして、作業者は、第1近接開口突出部13b11と第1近接突出部13e11と接触させることによって、第1ハウジング本体13aに第1近接側蓋部13eを組み付ける。第1近接円盤状部13e2は、軸線方向Xにおいて第2コイル22に近接する第1近接円筒状部13e1の端部に配置され、円盤状に形成される。また、第1近接円盤状部13e2には、軸線方向Xにおいて、当該第1近接円盤状部13e2を貫通する第1円盤状部貫通穴13e3が形成される。第1円盤状部貫通穴13e3は、第1磁性体15の円柱状の嵌合凸部15aが挿通される。
【0022】
上記のような第1近接側蓋部13eには、カバー3を周方向Rへ回転可能に支持するためのカバー用溝部19が形成される。より具体的には、第1近接側蓋部13eの第1近接円筒状部13e1の外周面に、周方向Rへ延在するカバー3溝部が形成される。
【0023】
カバー用溝部19は、例えば、第1ハウジング13の外周面に形成され、第1ハウジング13の外周面から径方向の内側へ凹み、周方向Rの幅が一定であって、かつ、周方向Rに連続する。カバー用溝部19は、図5に示すように、軸線方向Xにおいて対向する一対の第1溝部構成壁19a及び第2溝部構成壁19bと、軸線方向Xにおいて第1溝部構成壁19aと第2溝部構成壁19bとを連結する溝底部構成壁19cとによって形成される。第1溝部構成壁19aは、軸線方向Xにおいて、第2ハウジング本体23aに近接する側に配置される。第2溝部構成壁19bは、軸線方向Xにおいて、第1ハウジング本体13aに近接する側に配置される。
【0024】
第1離隔側蓋部13fは、第1離隔開口部13b2を閉塞するものである。第1離隔側蓋部13fは、絶縁性の合成樹脂によって円盤状に形成される。第1離隔側蓋部13fには、軸線方向Xにおいて、当該第1離隔側蓋部13fを貫通する第1離隔側貫通穴13f1が形成される。第1離隔側貫通穴13f1は、分岐ケーブルBが挿通される。
【0025】
本実施形態の第1ハウジング13は、第1ハウジング本体13aと、第1近接開口部13b1を閉塞する第1近接側蓋部13eと、第1離隔開口部13b2を閉塞する第1離隔側蓋部13fとを有し、第1ハウジング本体13aの内部の第1空間部13sに第1コイル12を収容する。つまり、第1ハウジング13は、第1コイル12の第1芯線12aを閉塞状態で収容するものである。換言すれば、第1コイル12は、第1ハウジング13によって、第1ハウジング13の外部に露出されることが防止される。
【0026】
第1磁性体15は、円柱状に形成される嵌合凸部15aと、第1近接側蓋部13eの内部に位置し、嵌合凸部15aの周面から径方向の外側へ突出する第1鍔部15bとを有する。すなわち、第1磁性体15の一部は、円柱状に形成され、凸部側ハウジングである第1ハウジング13の軸線方向Xにおける一方の端部から突出して嵌合凸部15aを構成する。また、第1磁性体15の一部(より具体的には嵌合凸部15a)の周面には、第1コイル12が設けられる。嵌合凸部15aの先端は、第1近接側蓋部13eの第1近接円盤状部13e2における端面から、接続状態における軸線方向Xにおいて、第2ハウジング本体23a側に突出する。第1磁性体15は、フェライト等の磁性体から形成され、第1芯線12aに流れる電流に対し、後述する第2芯線22aに流れる誘導電流の効率が減少することを抑制する。
【0027】
第2コネクタ2は、第2回路部21、第2コイル22、第2ハウジング23、及び、第2磁性体25を有し、接続ケーブルCを介してトンネル内部の照明装置Lに接続される。
第2回路部21は、接続ケーブルCに電気的に接続され、絶縁性の矩形平板の第2基板21aと、当該第2基板21aに実装された電気抵抗、コンデンサ等の種々の第2電子部品21bとを有し、第2コイル22に流れる誘導電流が所望の波形の電流になるように整流するものである。
【0028】
第2回路部21は、接続ケーブルCに電気的に接続され、絶縁性の矩形平板の第2基板21aと、当該第2基板21aに実装された電気抵抗、コンデンサ等の種々の第2電子部品21bとを有し、誘導電流が所望の波形の電流になるように整流するものである。
【0029】
第2コイル22は、導電性の第2芯線22aを軸線周りに巻き回されることによって形成されるものである。より具体的に説明すると、第2コイル22は、第2磁性体25の円筒状に形成された嵌合凹部25aの外周面に第2芯線22aを軸線周りに螺旋状に巻き回されることによって形成されるものである。また、第2コイル22は、図示省略するが、第2芯線22aの周面を被覆する絶縁性の被覆部を有する。第2コイル22は、第2電線2wを介して第2回路部21に電気的に接続される。言い換えると、第2電線2wは、第2コイル22の一方の端部と、第2回路部21の接続部とを電気的に接続する。
【0030】
第2ハウジング23は、第2ハウジング本体23aと、第2支持部23cと、第2近接側蓋部23eと、第2離隔側蓋部23fとを有する。第2ハウジング本体23aは、軸線方向Xの両端に位置する第2挿通開口部23bを有し、絶縁性の合成樹脂によって、内部に第2空間部23sを有する円筒状に形成される。第2挿通開口部23bは、軸線方向Xにおいて、第1コイル12に近接する第2近接開口部23b1と、軸線方向Xにおいて、第1コイル12から離隔する第2離隔開口部23b2とを有する。第2近接開口部23b1には、径方向の内側へ向けて突出する第2近接開口突出部23b11を設けてある(図5参照)。第2空間部23sには、上述した第2コイル22、及び、第2回路部21が配置される。また、第2ハウジング本体23aには、後述するそれぞれの排出路Dの出口OUTを構成する排出路開口23akを形成してある(図3図7参照)。排出路開口23akは、第1排出路D1に設けられた第1排出路開口23ak1と、第2排出路D2に設けられた第2排出路開口23ak2と、第3排出路D3に設けられた第3排出路開口23ak3と、第4排出路D4に設けられた第4排出路開口23ak4とを含む。
【0031】
第2支持部23cは、自身の内部に位置する排出路Dを構成する排出路構成部品であって、第1構成部品23c1と第2構成部品23c2とを有する。第2支持部23cは、第2空間部23sの内部に配置される。従って、排出路Dは、第2ハウジング23の内部において、第2空間部23sと異なる部分に形成される。第1構成部品23c1は、絶縁性の合成樹脂によって円形平板状に形成され、第2回路部21を支持する。第2構成部品23c2は、絶縁性の合成樹脂によって円形平板上に形成され、軸線方向Xにおいて、後述する第2磁性体25の第2鍔部25bに対向した状態で接触する。第1構成部品23c1は、径方向の中央に位置する第1中央開口部23c1oと、径方向の端部に位置する第1端部切欠23c1pとを有する。第1中央開口部23c1oは、第2中央開口部23c2oに連通する。第1端部切欠23c1pは、第2電線2wを挿通させる貫通孔として機能する。第2構成部品23c2は、径方向の中央に位置する第2中央開口部23c2oと、径方向の端部に位置する第2端部切欠23c2pとを有する。第2中央開口部23c2oは、排出路Dの入口INを構成する。第2端部切欠23c2pは、第2電線2wを挿通させる貫通孔として機能する。入口INは、第1排出路D1に設けられた第1入口IN1と、第2排出路D2に設けられた第2入口IN2と、第3排出路D3に設けられた第3入口IN3と、第4排出路D4に設けられた第4入口IN4とを含む。本実施形態の第2支持部23cは、第1構成部品23c1の軸線方向Xの厚さが、第2構成部品23c2の軸線方向Xの厚さよりも厚い。また、第1構成部品23c1は4つの係合孔23c1gを有し、第2構成部品23c2は、当該係合孔23c1gに係合する不図示の係合爪を有する。
【0032】
第2ハウジング23は、図6図7に示すように、後述する第2磁性体26の嵌合凹部25aに連通する入口INと、凹部側ハウジングである第2ハウジング23の外部に連通する出口OUTとを有する排出路Dを有する。本実施形態の排出路Dは、入口INから出口OUTへ向けて幅が拡大する。また、この第2ハウジング23は、複数の排出路Dを有する。本実施形態の第2ハウジング23は、4つの排出路Dを有する。より具体的には、第2ハウジング23は、第1排出路23R1と、第2排出路23R2と、第3排出路23R3と、第4排出路23R4とを有する。これらの第1排出路23R1、第2排出路23R2、第3排出路23R3、第4排出路23R4は、図7に示すように、周方向Rにおいて等間隔に配置してある。
【0033】
排出路Dは、少なくとも軸線方向Xにおいて対向する2つの対向面23f2、23f3の間に形成される。つまり、排出路Dは、少なくとも軸線方向Xにおいて対向する2つの対向面23f2、23f3によって構成される。2つの対向面23f2、23f3のうち、嵌合凹部25aに対する嵌合凸部15aの挿入方向X1側の対向面23f3は傾斜面である一方、反対方向X2側の対向面23f2は、軸線方向Xに直交する直交面である。傾斜面である対向面23f3は、挿入方向X1に向かうにつれて径方向の外側に対して傾斜する。対向面23f3は、第1構成部品23c1に形成され、対向面23f2は、第2構成部品23c2に形成される。
【0034】
第2空間部23sには、第2コイル22の全体、及び、第2回路部21の全体、第2支持部23cの全体を覆う絶縁性の第2充填材23dを充填する。また、第2支持部23cは、第2コイル22と第2回路部21とを電気的に接続する第2電線2wを貫通する第2支持部貫通穴23c11が形成される。
【0035】
第2近接側蓋部23eは、第2近接開口部23b1を閉塞するものである。第2近接側蓋部23eは、絶縁性の合成樹脂によって形成され、第2近接円筒状部23e1と、第2近接円盤状部23e2とを有する。第2近接円筒状部23e1は、軸線方向Xに延在する円筒状に形成される。また、第2近接円筒状部23e1の軸線方向Xにおける第1ハウジング本体13a側の端部には、径方向の内側に突出する第2近接突出部23e11を設けてある。作業者は、第2ハウジンングにおいて、第2離隔開口部23b2から第2近接側蓋部23eを第2空間部23sに挿入し、その後、第2ハウジング本体23aに対して第2近接側蓋部23eを、軸線方向Xにおいて第1コイル12に近接するように移動させる。そして、作業者は、第2近接開口突出部23b11と第2近接突出部23e11と接触させることによって、第2ハウジング本体23aに第2近接側蓋部23eを組み付ける。第2近接円盤状部23e2は、軸線方向Xにおいて第1コイル12に近接する第2近接円筒状部23e1の端部に配置され、円盤状に形成される。また、第2近接円盤状部23e2には、軸線方向Xにおいて、当該第2近接円盤状部23e2を貫通する第2円盤状部貫通穴23e3が形成される。第2円盤状部貫通穴23e3は、第1磁性体15の嵌合凸部15aが挿通される。
【0036】
第2離隔側蓋部23fは、第2離隔開口部23b2を閉塞する。第2離隔側蓋部23fは、絶縁性の合成樹脂によって円盤状に形成される。第2離隔側蓋部23fには、軸線方向Xにおいて、当該第2離隔側蓋部23fを貫通する第2離隔側貫通穴23f1が形成される。第2離隔側貫通穴23f1は、接続ケーブルCが挿通される。
【0037】
本実施形態の第2ハウジング23は、第2ハウジング本体23aと、第2近接開口部23b1を閉塞する第2近接側蓋部23eと、第2離隔開口部23b2を閉塞する第2離隔側蓋部23fとを有し、第2ハウジング本体23aの内部の第2空間部23sに第2コイル22を収容する。つまり、第2ハウジング23は、第2コイル22の第2芯線22aを閉塞状態で収容するものである。換言すれば、第2コイル22は、第2ハウジング23によって、第2ハウジング23の外部に露出されることが防止される。
【0038】
第2磁性体25は、円筒状に形成される嵌合凹部25aと、第2近接側蓋部23eの内部に位置し、嵌合凹部25aの外周面から径方向の外側へ突出する第2鍔部25bとを有する。すなわち、第2磁性体25の一部は、円筒状に形成され、凹部側ハウジングである第2ハウジング23の軸線方向Xにおける他方の端部から凹んで嵌合凹部25aを構成する。また、第2磁性体25の一部(より具体的には、嵌合凹部25a)の外周面には、第2コイル22が設けられる。嵌合凹部25aは、第2近接側蓋部23eの第2近接円盤状部23e2における端面から、軸線方向Xにおいて、第2ハウジング本体23a側に凹む。第2磁性体25は、フェライト等の磁性体から形成され、第1芯線12aに流れる電流に対し、第2芯線22aに流れる誘導電流の効率が減少することを抑制する。
【0039】
カバー3は、絶縁性の合成樹脂によって、図3に示すように、円筒状に形成される。
本実施形態のカバー3は、第1ハウジング13を凸部側ハウジングとし、第1ハウジング13に対して周方向Rに対して回転可能に支持される。より具体的に説明すると、図5に示すように、第1ハウジング13における第1近接側蓋部13eの外周面には、上述したカバー用溝部19が形成され、カバー3の内周面には、カバー用溝部19に嵌るカバー突出部32が形成され(図4参照)、カバー用溝部19に対するカバー突出部32の嵌合によって、カバー3は、凸部側ハウジングである第1ハウジング13に対して周方向Rに対して回転可能に支持される。
【0040】
カバー突出部32は、例えば、軸線方向Xにおいて、カバー3の第1ハウジング本体13aに近接する側の端部に形成され、カバー3の内周面から径方向の内側へ突出し、周方向Rの幅が一定で周方向Rに連続する。カバー突出部32は、軸線方向Xにおいて対向する一対の第1突出側部構成壁32a及び第2突出側部構成壁32bと、軸線方向Xにおいて第1突出側部構成壁32aと第2突出側部構成壁32bとを連結する突出天部構成壁32cとによって形成される。第1突出側部構成壁32aは、軸線方向Xにおいて、カバー3の第2ハウジング本体23aに近接する側に配置される。第2突出側部構成壁32bは、軸線方向Xにおいて、カバー3の第1ハウジング本体13aに近接する側に配置される。
【0041】
係止機構4は、図3に示すように、凸部41と、凸部41を挿入可能な凹部42とを有する。凸部41は、カバー3の内周面の周方向Rにおいて複数設けられる。各凸部41は、径方向の内側に突出する。本実施形態の凸部41は、周方向Rにおいて、カバー3の内周面に等間隔で例えば4つ配置される。つまり、本実施形態のカバー3は、周方向Rにおいて、凸部41が複数設けられる。複数の凸部41は、同一形状であって、同一の大きさである。また、複数の凸部41は、カバー3の内周面に対して、周方向Rに並べて配置してある。
【0042】
凹部42は、第2ハウジング23の外周面の周方向Rにおいて複数設けられる。各凹部42は、径方向の内側に凹む。本実施形態の凹部42は、周方向Rにおいて、第2ハウジング23の外周面に等間隔で例えば4つ配置される。つまり、本実施形態の第2ハウジング23は、周方向Rにおいて、凹部42が複数設けられる。複数の凹部42は、同一形状であって、同一の大きさである。また、複数の凹部42は、第2ハウジング23の外周面に対して、周方向Rに並べて配置してある。
【0043】
係止機構4は、図6に示すように、凸部41を凹部42へ案内する案内部43をさらに有する。案内部43は、第1部分43aと、第2部分43bとを有し、第2ハウジング23の外周面に形成される(より、具体的に説明すると第2近接円筒状部23e1の外周面に形成される)。このような係止機構4は、第1ハウジング13及び第2ハウジング23が軸線方向Xに対して相対移動することを規制し、第1ハウジング13に対して第2ハウジング23を着脱自在に係止することによって第1コイル12と第2コイル22とを電気的に接続状態とする。
【0044】
第1部分43aは、第1起点43a1と第1終点43a2とを有し、第1起点43a1から第1終点43a2へ、軸線方向Xへ延在して形成される。第1起点43a1は、第2近接円筒状部23e1の軸線方向Xにおける第1ハウジング本体13a側の端部に位置する。第1起点43a1は、第2近接円筒状部23e1の軸線方向Xにおける第2ハウジング本体23a側の端部に近接した位置に配置する。
【0045】
第2部分43bは、第2起点43b1と第2終点43b2とを有し、第2起点43b1から第2終点43b2へ、周方向Rへ延在して形成される。第2起点43b1は、第2近接円筒状部23e1において、第1終点43a2に隣接して位置し、第2部分43bにおける周方向Rの一方の端部に位置する。第2終点43b2は、第2近接円筒状部23e1において、第1終点43a2から外れた部分に位置し、第2部分43bにおける周方向Rの他方の端部に位置する。
【0046】
凹部42は、軸線方向Xにおいて、第2部分43bにおける第2終点43b2に対して、軸線方向Xにおける第1ハウジング本体13a側に隣接し、かつ、第2近接円筒状部23e1の外周面に配置される。
【0047】
また、このコネクタ装置100は、第1コネクタ1の第1ハウジング13とカバー3との間に位置する付勢部材をさらに有する。付勢部材は、例えば、ウェーブワッシャであって、金属によって軸線方向Xに変形可能に形成してある。付勢部材は、第1ハウジング13とカバー3との間に組み付けられた状態では、軸線方向Xにおいて、幅が狭くなるように力が加えられて変形する、このため、付勢部材は、組み付けられた状態では、幅が広くなるように弾性復元力を有し、第1ハウジング13と、カバー3とが軸線方向Xにおいて離隔するように付勢する。
【0048】
上記のように構成されるコネクタ装置100は、以下に説明するように、作業員が第1コネクタ1に第2コネクタ2を組み付け、係止機構4によって、第1コイル12と第2コイル22とを電気的に接続状態とする。
【0049】
先ず、作業者は、図4に示すように、カバー3の内周面に付勢部材を組み付けた状態で、カバー用溝部19にカバー突出部32を嵌合することによって、第1ハウジング13にカバー3を組み付ける。次に、作業者は、第1ハウジング13の第1近接円盤状部13e2と、第1ハウジング13の第2近接円盤状部23e2とが、軸線方向Xにおいて対向するように第1コネクタ1と、第2コネクタ2とを配置する。
【0050】
次に、作業者は、例えば、軸線方向Xにおいて、第1ハウジング13を第2ハウジング23に対して近接する方向へ移動させ、嵌合凹部25aに嵌合凸部15aを嵌合させる。
この際、第1ハウジング13を鉛直方向の上側に配置し、かつ、第2ハウジング23を鉛直方向の下側に配置することが好ましい。また、嵌合の際、嵌合凹部25aの内部の異物は、嵌合凸部15aに接触し、嵌合凹部25aから押し出されて排出路Dの入口INに入る。そして、異物は、傾斜面である対向面23f3、及び、重力によって、排出路Dの出口OUTから、第2ハウジング23の外部に排出される。
【0051】
次いで、作業員は、例えば、カバー3を第2ハウジング23に対して周方向Rへ移動させることによって、軸線方向Xにおいて凸部41と凹部42とを対向させる。
【0052】
次に、作業員は、例えば、第2コネクタ2を治具によって固定した状態において、第1コネクタ1及びカバー3を、第2コネクタ2に近接する方向へ移動させることによって、案内部43の第1部分43aに凸部41を挿入する。
【0053】
次いで、作業員は、さらに、付勢部材の付勢力に抗して、第1コネクタ1及びカバー3を、軸線方向Xにおいて第2ハウジング本体23aに近接する方向へ移動させることによって、案内部43の第1部分43aの第1起点43a1から第1終点43a2まで凸部41を移動させる。
【0054】
最後に、作業員は、第1コネクタ1及びカバー3を周方向Rへ回転させることによって、案内部43の第2部分43bの第2起点43b1から第2終点43b2まで凸部41を移動させる。
【0055】
すると、付勢部材の弾性復元力によって、第1コネクタ1及びカバー3は、軸線方向Xにおいて、第2ハウジング本体23aから離隔する方向へ移動し、凹部42に凸部41が挿入され、第1コネクタ1、及び、カバー3を第2コネクタ2に組み付ける。
【0056】
そして、コネクタ装置100において、第1コネクタ1、及び、カバー3を第2コネクタ2に組み付けると、第1コイル12と第2コイル22とが軸線方向Xにおいて対向し、第1コイル12と第2コイル22とが電気的に接続状態とされる。そのため、電源Pによって幹線ケーブルM、及び、分岐ケーブルBを介して第1コイル12の第1芯線12aに交流電圧が印加されると、電源Pから第1芯線12aに交流電流が流れ、その交流電流が第1芯線12aに流れることによって磁界の変化が生じる。また、第1コイル12と第2コイル22とが軸線方向Xにおいて非接触状態で対向し、第1芯線12aに交流電流が流れることによって生じる磁界の変化に応じた電磁誘導によって、第2芯線22aに誘導電流が流れて照明装置Lに電力が供給される。
【0057】
また、作業員は、上記動作と逆の動作を行えば、第2コネクタ2に対して、第1コネクタ1及びカバー3を取り外すことができる。より具体的には、作業員は、先ず、第1コネクタ1及びカバー3を、軸線方向Xにおいて、第2コネクタ2に近接させることによって凹部42から凸部41を退出させる。その後、作業員は、第2コネクタ2を固定し、第1コネクタ1及びカバー3を周方向Rに回転させて、凸部41を第2部分43bの第2終点43b2から第2起点43b1へ移動させる。その後、作業員は、第2コネクタ2を固定し、軸線方向Xにおいて、第1コネクタ1及びカバー3を離隔、第2コネクタ2から第1コネクタ1、及び、カバー3を取り外す。このようにして、第2コネクタ2から第1コネクタ1、及び、カバー3を取り外すことによって、電源Pと照明装置Lとの電気的な接続を解除し、例えば、照明装置Lの点検等を行う。
【0058】
本実施形態に係るコネクタ装置100は、以下の構成を有する。コネクタ装置100は、第1ハウジング13、及び、第2ハウジング23のいずれか一方のハウジングの軸線方向Xの端部から凹む嵌合凹部25aと、嵌合凹部25aに嵌合可能であって、第1ハウジング13、及び、前記第2ハウジング23のいずれか他方のハウジングの軸線方向Xの端部から軸線方向Xに沿って突出する嵌合凸部15aとを備える。嵌合凹部25aが設けられた凹部側ハウジングは、第2空間部23sとは異なる部分に、嵌合凹部25aから凹部側ハウジングの外部に連通する排出路Dを有する。これらのため、本実施形態に係るコネクタ装置100は、嵌合凹部25aの内部の異物を嵌合凸部15aによって排出路Dに押し出し、排出路Dを通じて凹部側ハウジングの外部に異物を排出することができる。この結果、本実施形態に係るコネクタ装置100は、嵌合凹部25aに対して嵌合凸部15aを適正に嵌合できる。従って、本実施形態に係るコネクタ装置100は、軸線方向Xに直交する直交方向Yにおいて、第1コイル12に対して第2コイル22を適正に位置決めすることができる。これらによって、本実施形態に係るコネクタ装置100は、コネクタ装置100を介して、電源Pから照明装置Lへ適正に電力を供給することができる。以上の作用によって、本実施形態に係るコネクタ装置100は、嵌合凹部25aの内部の異物を凹部側ハウジングである第2ハウジング23の外部に排出することができるとともに、非接触状態での電力供給に適した第1コイル12と第2コイル22とを適切に位置決めすることができる。
【0059】
本実施形態に係るコネクタ装置100は、以下の構成を有する。第1コイル12の軸線XL、及び、第2コイル22の軸線XLを含む断面視において、排出路Dは、嵌合凹部25aに連通する入口INから、凹部側ハウジングの外部に連通する出口OUTへ向けて幅が拡大する。この結果、本実施形態に係るコネクタ装置100は、排出路Dは、入口IN側よりも出口OUT側の幅が広いため、嵌合凹部25aの内部から排出路Dの入口INに押し出された異物が排出路Dにおける2つの対向面23f2、23f3のそれぞれに接触することを抑制することができる。以上の作用によって、本実施形態に係るコネクタ装置100は、排出路Dの途中で異物が詰まることを抑制することができる。
【0060】
本実施形態に係るコネクタ装置100は、以下の構成を有する。第1磁性体15の一部は、嵌合凸部15aを構成し、第2磁性体25の一部は、嵌合凹部25aを構成する。第1磁性体15の一部の周面には、第1コイル12、及び、第2コイル22のいずれか一方のコイルが設けられ、第2磁性体25の一部の周面には、第1コイル12、及び、第2コイル22のいずれか他方のコイルが設けられる。このため、本実施形態に係るコネクタ装置100は、嵌合凹部25aに嵌合凸部15aを嵌合すれば、第1磁性体15の一部と、第2磁性体25の一部とが一体となるとともに、第1コイル12、及び、第2コイル22の内側に一体となった磁性体を配置することができる。以上の作用により、本実施形態に係るコネクタ装置100は、電磁誘導によって第2芯線22aに流れる電流を増大することができ、電源Pから照明装置Lへ供給する電力効率を向上することができる。
【0061】
本実施形態に係るコネクタ装置100は、以下の構成を有する。2つの対向面23f2、23f3のうち、嵌合凹部25aに対する嵌合凸部15aの挿入方向X1側の対向面23f3は傾斜面である。傾斜面である対向面23f3は、挿入方向X1に向かうにつれて径方向の外側に対して傾斜する。このため、本実施形態に係るコネクタ装置100は、嵌合凹部25aに嵌合凸部15aを嵌合する際、嵌合凸部15aに接触することによって異物に加えられる挿入方向X1側への力の一部が、異物が傾斜面に接触することによって径方向の外側へ向かう力に変換される。仮に、2つの対向面23f2、23f3のうち、挿入方向X1側に、軸線方向Xと直交する直交面が配置されたコネクタ装置100は、嵌合凹部25aに嵌合凸部15aを嵌合する際、嵌合凸部15aに接触することによって異物に加えられる挿入方向X1側への力のほとんどは異物が直交面に接触することに使われ、異物が径方向の外側へ向かう力になることがない。以上の作用により、本実施形態に係るコネクタ装置100は、凹部側ハウジングの外部に異物を排出することが容易になる。
【0062】
本実施形態に係るコネクタ装置100は、以下の構成を有する。凹部側ハウジングは、接続状態において、凸部側ハウジングの鉛直方向における下側に配置される。このため、本実施形態に係るコネクタ装置100は、水、埃等の異物が重力によって傾斜面に沿って径方向の外側に案内される。以上の作用により、本実施形態に係るコネクタ装置100は、凹部側ハウジングの外部に異物を排出することが容易になる。
【0063】
なお、上述した実施形態に係るコネクタ装置100は、第1ハウジング13を凸部側ハウジングとし、第2ハウジング23を凹部側ハウジングとするものを説明した。しかし、本実施形態に係るコネクタ装置100は、第1ハウジング13を凹部側ハウジングとし、第2ハウジング23を凸部側ハウジングとしてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態のコネクタ装置100は、カバー3が、第1ハウジング13の先端部を覆い、かつ、第2ハウジング23の先端部を覆うものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、接続状態において、カバー3が、排出路Dの出口OUTを覆うようにカバー3を挿入方向X1側へ延出させてもよい。
【0065】
さらに、上述した実施形態に係るコネクタ装置100は、第1磁性体15の一部の周面に第1コイル12を設ける一方、第2磁性体25の一部の周面に第2コイル22を設けるものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、第1磁性体15の一部に第2コイル22を設ける一方、第2磁性体25の一部に第1コイル12を設けてもよい。
【0066】
さらに、上述した実施形態に係るコネクタ装置100の係止機構4は、カバー3の内周面に径方向の内側に突出する凸部41と設け、凹部側ハウジングの外周面に径方向の内側に凹む凹部42を設けるものを説明した。しかし、本実施形態に係るコネクタ装置100の係止機構4は、それに限られず、カバー3の内周面に径方向の外側に凹む凹部42を設け、凹部側ハウジングの外周面に径方向の外側に突出する凸部41を設けてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態のコネクタ装置100において、凸部41を凹部42に案内する案内部43は、第1部分43aと、第2部分43bとを有するものを説明した。しかし、本実施形態に係るコネクタ装置100の案内部43は、軸線方向Xに延在する第1部分43aで構成してもよい。案内部43を第1部分43aで構成する場合には、凹部42は、周方向Rにおいて、第1部分43aに隣接するように配置される。
【0068】
さらに、上述した実施形態のコネクタ装置100は、第1コネクタ1に第1磁性体15を設ける一方、第2コネクタ2に第2磁性体25を設けるものを説明した。しかし、本実施形態のコネクタ装置100は、それに限られず、第1コネクタ1に第2磁性体25を設ける一方、第2コネクタ2に第1磁性体15を設けてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態のコネクタ装置100は、コネクタ装置100に、第1磁性体15及び第2磁性体25を設けるものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、コネクタ装置100に第1磁性体15及び第2磁性体25を必ず設ける必要はない。
【0070】
さらに、上述した実施形態のコネクタ装置100は、第1コネクタ1、及び、カバー3を第2コネクタ2に組み付けた状態において、第1コイル12と第2コイル22とが軸線方向Xにおいて対向するものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、コネクタ装置100は、第1コイル12と第2コイル22とが軸線XLの径方向に対向してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 第1コネクタ
12 第1コイル
13 第1ハウジング(凸部側ハウジング)
15 第1磁性体
15a 嵌合凸部
2 第2コネクタ
22 第2コイル
23 第2ハウジング(凹部側ハウジング)
23f2、23f3 対向面
25 第2磁性体
25a 嵌合凹部
3 カバー
4 係止機構
41 凸部
42 凹部
100 コネクタ装置
B 分岐ケーブル
BP 分岐部
IN、IN1、IN2、IN3、IN4 入口
L 照明装置
OUT、OUT1、OUT2、OUT3、OUT4 出口
P 電源
D、D1、D2、D3、D4 排出路
X 軸線方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7