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特許7077369略一定の温度を維持するための熱シールド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】略一定の温度を維持するための熱シールド
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/02 20060101AFI20220523BHJP
   F25D 23/06 20060101ALI20220523BHJP
   F25D 16/00 20060101ALI20220523BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20220523BHJP
   F25D 9/00 20060101ALI20220523BHJP
   B65D 90/02 20190101ALI20220523BHJP
   B65D 88/74 20060101ALI20220523BHJP
【FI】
F16L59/02
F25D23/06 J
F25D16/00
F25D11/00 101D
F25D9/00 B
B65D90/02 P
B65D88/74
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020121976
(22)【出願日】2020-07-16
(62)【分割の表示】P 2017536993の分割
【原出願日】2015-10-02
(65)【公開番号】P2020180703
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】62/059,549
(32)【優先日】2014-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517116832
【氏名又は名称】サンウェル・エンジニアリング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディミール・ゴールドステイン
(72)【発明者】
【氏名】コリー・ローザ
(72)【発明者】
【氏名】コン-ビン・ドゥ
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-511275(JP,A)
【文献】特開平08-049867(JP,A)
【文献】実開昭59-34221(JP,U)
【文献】特開2015-17801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 59/02
F25D 23/06
F25D 16/00
F25D 11/00
F25D 9/00
B65D 90/02
B65D 88/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1断熱層及び第2断熱層と、
前記第1断熱層と前記第2断熱層との間に挟まれた熱伝導層と、
前記熱伝導層の主面に熱的に結合されて該主面の上で延在し、前記熱伝導層と前記第1断熱層及び前記第2断熱層の一方との間に挟まれた少なくとも1つの熱交換流体流路と、
を備える、ブランケット状の層状構造で可搬性及び可撓性を有する熱シールドであって、
前記少なくとも1つの熱交換流体流路は、その中に熱交換流体の流れを受け取るように構成されている、熱シールド。
【請求項2】
外側保護層及び第2外側保護層をさらに備え、前記第1断熱層、前記第2断熱層、前記熱伝導層、及び前記少なくとも1つの熱交換流体流路は、第1外側保護層と第2外側保護層との間に挟まれることを特徴とする請求項に記載の熱シールド。
【請求項3】
前記少なくとも1つの熱交換流体流路は、熱交換流体が前記少なくとも1つの熱交換流体流路の中に入ることを可能にするように構成された少なくとも1つの入口と、熱交換流体が、前記少なくとも1つの熱交換流体流路から出ていくことを可能にするように構成された少なくとも1つの出口と、を備えることを特徴とする請求項に記載の熱シールド。
【請求項4】
前記少なくとも1つの熱交換流体流路は、1つ以上の管状部材を備えることを特徴とする請求項に記載の熱シールド。
【請求項5】
1つの前記断熱層は、前記少なくとも1つの熱交換流体流路に面する前記断熱層の表面に画定された少なくとも1つの溝を有し、前記1つ以上の管状部材は、前記少なくとも1つの溝内に配置されていることを特徴とする請求項に記載の熱シールド。
【請求項6】
コンテナ内の略一定の温度を維持するためのシステムであって、
熱交換流体を貯蔵するための少なくとも1つの貯蔵ユニットと、
請求項2に記載の可搬性及び可撓性を有する熱シールドであって、コンテナ内に配置された1つ以上の温度に敏感な製品を少なくとも部分的に覆うように前記コンテナ内に位置する熱シールドと、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、略一定の温度を維持するための熱シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
陸上、海上、及び/又は航空輸送によって非常に大きな距離に亘って製品を出荷することが一般的である。多くの場合、出荷される製品はコンテナ中に配置される。製品が温度に敏感ではない場合には、通常、温度制御システムを有するコンテナを設ける必要はない。製品が温度に敏感である場合には、損傷を避けるために、実質的に均一かつ一定の温度を維持することが必要である。結果として、熱シールドが製品の上に置かれることが多い。熱シールドの多くの設計が検討されてきた。
【0003】
例えば、Wischusenの特許文献1は、輸送用コンテナ中の断熱特性を改善するように構成された断熱材料を開示している。断熱された底部区画は、コンテナの内容物の下のコンテナの底に沿って配置される。板紙とミネラルウールとを収容するためのパウチを形成するようにシールされたプラスチックシートから構成された断熱ブランケットは、逆U字状形状を有するように構成され、コンテナの底部半分の上に載置される。次いで、逆U字状形状の材料の脚部がコンテナの頂部と底部との重なり合う側面間にあり、U字状形状の材料の中間部がコンテナの頂部とコンテナ内の内容物との間にあるように、コンテナの上半分が下半分の上に載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5100016号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱シールドが考慮されてきてはいるが、改善が望まれている。したがって、略一定の温度を維持するための新規な熱シールドを提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
結果的に、1つの観点では、熱伝導層と、この熱伝導層の第1の表面に結合した少なくとも1つの熱交換流体回路と、を備える熱シールドが提供され、少なくとも1つの熱交換流体回路は、熱交換流体の流入を可能にするように構成された少なくとも1つの入り口を備える。
【0007】
一実施形態では、少なくとも1つの熱交換流体回路は、熱伝導層の第1の表面の周りに延びる。一実施形態では、少なくとも1つの熱交換流体回路は、蛇行経路の形で熱伝導層の第1の表面の周りに延在する。別の一実施形態では、第1の表面を有する第1の断熱層が熱伝導層の第1の表面に接続される。
【0008】
一実施形態では、第1の断熱層は、第1の表面に画定された少なくとも1つの溝を備え、少なくとも1つの熱交換流体回路は、これら少なくとも1つの溝によって画定される。少なくとも1つの熱交換流体回路は、少なくとも1つの管状部材を備える。入口ヘッダは、熱交換流体回路の少なくとも1つの入口に結合するとともに、貯蔵ユニットから受け取られた熱交換流体を少なくとも1つの入口に導くように構成される。熱交換流体回路は、熱交換流体の流出を導くように構成された少なくとも1つの出口を備える。出口ヘッダは、熱交換流体回路の少なくとも1つの出口に結合するとともに、少なくとも1つの出口から受け取られた熱交換流体を貯蔵ユニットに導くように構成される
【0009】
別の一の観点によれば、略一定の温度を維持するためのシステムが提供され、このシステムは、熱伝導層を備える熱シールドと、熱伝導層の第1の表面に結合した少なくとも1つの熱交換流体回路と、を備え、少なくとも1つの熱交換流体回路は、熱交換流体の流入を可能にするように構成された少なくとも1つの入口と、熱交換流体を少なくとも1つの熱交換流体回路の中に圧送するように構成された圧送ユニットと、を備える。
【0010】
一実施形態では、システムは、熱交換流体を貯蔵するための貯蔵ユニットを備え、圧送ユニットは、貯蔵ユニットからの熱交換流体を少なくとも1つの熱交換流体回路に圧送するように構成される。
【0011】
別の一の観点によれば、1つ以上の温度に敏感な製品を備えるコンテナ中において略一定の温度を維持する方法が提供され、この方法は、熱伝導層と、この熱伝導層の第1の表面に結合した少なくとも1つの熱交換流体回路と、を備える熱シールドを提供するステップであって、熱シールドが1つ以上の温度に敏感な製品の上に載置されている、ステップと、熱交換流体を、貯蔵ユニットから、圧送ユニットを介して少なくとも1つの熱交換流体回路を通じて選択的に圧送するステップと、を備える。
【0012】
一実施形態では、選択的な圧送は、1つ以上の基準に基づいている。これら1つ以上の基準は、温度が閾値を上回る又は下回る場合には、熱交換流体を圧送するステップを備える。1つ以上の基準は、少なくとも1つの熱交換流体回路において閉塞状態が検出された場合には、圧送ユニットを停止させるステップを備える。1つ以上の基準は、少なくとも1つの熱交換流体回路において閉塞状態が検出された場合には、少なくとも1つの熱交換流体回路に関連する弁を閉止するステップを備える。
【0013】
一実施形態では、本方法は、貯蔵ユニットを出る熱交換流体の温度をモニタするステップと、貯蔵ユニットに入る熱交換流体の温度をモニタするステップと、モニタした温度が等しくない場合には、モニタされた温度が略等しくなるまで、少なくとも1つの熱交換流体を通じて熱交換流体を連続的に圧送するステップと、を備える。
【0014】
実施形態が、添付の図面を参照しつつ、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】コンテナ中において略一定の温度を維持するためのシステムの一のブロックダイアグラムである。
図2図1のシステムの一部を形成する熱シールドの等角図である。
図3図2の熱シールドの断面図である。
図4図2の熱シールドの入り口ヘッダ及び出口ヘッダを示す拡大部分図である。
図5】使用中のコンテナ中に配置された図2の熱シールドを示す等角図である。
図6】コンテナ中において略一定の温度を維持するためのシステムの別の一のブロックダイアグラムである。
図7図6のシステムの一部を形成するコントローラの作動の方法を示す一のフローチャートである。
図8図6のシステムの一部を形成するコントローラの作動の方法を示す別の一のフローチャートである。
図9】環状部材の別の一の実施形態を示す等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、コンテナにおいて略一定の温度を維持するためのシステムが示されており、全体的に参照番号10で示されている。システム10は、熱シールド100に流体的に結合した貯蔵ユニット50を備える。システム10は、熱シールド100が1つ以上の温度に敏感な製品に重なるようにコンテナの中に配置されるように構成されている。
【0017】
貯蔵ユニット50は、貯蔵タンク及び圧送ユニットを備える。この実施形態では、貯蔵タンクは熱交換流体を貯蔵する。圧送ユニットは、以下に、より詳細に説明されるように、熱交換流体を貯蔵タンクから熱シールド100へ圧送するように構成される。
【0018】
熱シールド100は、図2図4に最もよく示されている。熱シールド100は、層構造から成る。熱シールド100は外側保護層102を含み、この外側保護層102は、この実施形態では例えばキャンバス生地のような保護材料から成る。
【0019】
熱シールド100はまた、外側保護層102の内面に結合した外側断熱層104を備える。外側断熱層104は、例えばポリウレタンのような断熱材料から成る。この実施形態では、3つの離間したU字状形状の溝106が外側断熱層104に画定される。各U字状形状の溝106は、2つのアーム部が外側断熱層104の第1の端部に隣接して配置されるように、外側断熱層104の長さに延在し、U字状形状の部分は、外側断熱層104の第2の端部に隣接して位置する。
【0020】
熱シールド100はまた、外側断熱層104の内面に結合した熱伝導層108をも備える。熱伝導層は、例えばアルミニウムのような熱伝導性材料から成る。
【0021】
熱シールド100はまた、熱伝導層108の内面に結合した内側断熱層110を備える。内側断熱層110は、例えばポリウレタンのような断熱材料から成る。
【0022】
熱シールド100はまた、内側断熱層110の内面に結合した内側保護層112を備える。内側保護層112は、例えばキャンバス生地のような保護材料から成る。
【0023】
熱シールド100はまた、熱伝導層108に熱的に結合した熱交換流体回路120をも備える。この実施形態では、熱交換流体回路120は3つのU字状形状の管状部材122を備え、これら管状部材それぞれは、外側断熱層104に画定されたU字状形状の溝106それぞれ内に配置されている。管状部材122それぞれは、入口124及び出口126を備える。管状部材122それぞれの一部は、熱伝導層108に熱的に結合する。
このように、管状部材122は、外側断熱層104によって部分的に封止されているとともに、熱伝導層108と熱エネルギーを交換する。理解されるように、例えば熱伝導性グリースのようなコーティングを、管状部材122それぞれと、熱伝導層108と、の間の熱エネルギー交換を増加させるように使用することができる。
【0024】
この実施形態では、3つのU字状形状の管状部材122が、入口ヘッダ130及び出口ヘッダ140を介して(図示しない)貯蔵ユニットに結合している。入口ヘッダ130は、管状部材122の入口124に結合している。入口ヘッダ130は、(図示しない)貯蔵ユニットから熱交換流体を受け取るように構成された入口132と、熱交換流体の入口124のそれぞれへの流入を導くように構成された入口ヘッダ本体134とを備える。
【0025】
出口ヘッダ140は、管状部材122の出口126に連結されている。出口ヘッダ140は、管状部材122のそれぞれの出口126から熱交換流体を受け取るように構成された出口142と、(図示しない)貯蔵ユニット中に戻る熱交換流体の流出を導くように構成された(図示しない)出口ヘッダユニットと、を備える。
【0026】
使用中には、図5に示すように、熱交換流体を収容する貯蔵ユニット50及び熱シールド100は、1つ以上の温度に敏感な製品を含むコンテナCの内部に配置される。熱シールド100は、ブランケットのような熱シールド100が、1つ以上の温度に敏感な製品を少なくとも部分的に覆うように配置される。
【0027】
熱交換流体は、圧送ユニットによって貯蔵ユニット50から入口ヘッダ130の中に圧送される。熱交換流体は、貯蔵タンクから入口ヘッダ130を通じて移動する。熱交換流体は、入口ヘッダ130の中に移動するので、管状部材122それぞれの入口124に案内される。熱交換流体は、管状部材122それぞれを通じて入口124中へ移動し、出口126から出る。熱交換流体は、出口126から出て出口ヘッダ140へ移動し、この出口ヘッダ140において貯蔵ユニット50の中に戻るように案内される。貯蔵ユニット50に戻る熱交換流体は、貯蔵ユニット50内に含まれるすべての熱交換流体と混合される。この実施形態では、熱交換流体は、貯蔵ユニット50から、熱シールド100を通じて連続的に圧送され、熱シールドにおいて貯蔵ユニット50に戻る。
【0028】
熱交換流体が管状部材122を通って移動するので、熱エネルギーが熱伝導層108と交換される。結果として、熱シールド100は選択的に加熱されるか又は冷却される。輸送作業中には、熱シールドで覆われた物品が損なわれないように、コンテナC内では略均一な温度が維持される。
【0029】
この実施形態では、加熱熱シールド(heating thermal shield)として使用される場合、貯蔵ユニットは、例えばグリコール又はグリコール溶液のような、加熱液の形態で熱交換流体を貯蔵する。
【0030】
この実施形態では、冷却熱シールド(cooling thermal shield)として使用する場合、氷スラリーと水との組み合わせの形態の熱交換流体が使用される。
【0031】
ここで図6を参照すると、コンテナ内において略一定の温度を維持するためのシステムの別の一実施形態が示されており、一般的に参照番号200で示されている。見て取れるように、システム200はシステム10と同様である。しかし、この実施形態では、システム200は、貯蔵ユニット50及び熱シールド100に電気的に結合したセンサ及び制御ユニット210を備える。センサ及び制御ユニット210は、熱交換流体が貯蔵ユニット50から熱シールド100へ選択的に圧送されるように、システム200の動作を制御するように使用される。
【0032】
この実施形態では、センサ及び制御ユニット210は、管状部材122それぞれの入口124内にそれぞれ配置された3つの入口流量センサ(図示せず)及び管状部材122それぞれの出口126内にそれぞれ配置された3つの出口センサ(図示せず)を備える。また、センサ及び制御ユニット210も、管状部材122それぞれの入口124に配置された3つの電気的に制御された弁(図示せず)それぞれを備える。コントローラ(図示せず)は、熱交換流体が管状部材それぞれを通じて移動するので、熱交換流体の流量をモニタするために入口及び出口流量センサに結合する。電源(図示せず)が、センサ及び制御ユニット210の様々な構成要素に電力を供給するように使用される。
【0033】
作動中には、システム200は、上述のシステム10と同様に作動する。しかし、圧送ユニットによって熱交換流体が貯蔵ユニット50から入口ヘッダ130に圧送される際には、コントローラは図7に示す方法300に従って作動する。
【0034】
コントローラは、熱交換流体の流量を代表するセンサデータを受信するように入口及び出口流量センサを調べる(poll)(ステップ305)。管状部材それぞれに対して、入口における流量が出口における流量と比較される(ステップ310)。出口における流量が入口の流量と略等しくない場合には、管状部材に問題があると仮定される。この問題は、管状部材の漏れ又はクラックによる場合がある。そのような場合には(As such)、コントローラは、電子制御弁を閉じる信号を伝達して、熱交換流体が問題のある管状部材に入るのを防止する(ステップ315)。出口における流量が入口における流量と略等しい場合には、管状部材には問題がないと仮定され、方法はステップ305に戻る。
【0035】
上記の実施形態では、センサ及び制御ユニットは入口及び出口流量センサを備えるものとして説明したが、当業者であれば他のセンサを使用することができることを理解することができる。別の一実施形態では、温度センサを貯蔵ユニットに配置して、貯蔵ユニットから出る熱交換流体の温度、及び貯蔵ユニットに入る熱交換流体の温度を測定することができる。この実施形態では、熱交換流体は、上述したように、貯蔵ユニットから熱シールド中に圧送される。熱交換流体は、熱シールド中に入る熱交換流体の温度が、貯蔵ユニット中に戻る熱交換流体の温度と略同じになるまで、熱シールド中に圧送される。熱シールド中に入る熱交換流体の温度が、貯蔵ユニットに戻る熱交換流体の温度と略同じになると、圧送ユニットは停止し、これによって熱交換流体は熱シールドの中に貯蔵される。一旦圧送ユニットが停止すると、コントローラは図8に示す方法350に従って作動する。
【0036】
圧送ユニットが停止している場合には、システムは、熱シールド内にある熱交換流体が熱シールドに貯蔵されているという点でアイドリング状態にある。システム200が、所定の期間、アイドリング状態にあったかどうか、すなわち圧送ユニットが予め定められた期間、停止状態であったかどうかを決定するためにチェックが実行される(ステップ355)。システムが予め決められた期間よりも短い間、アイドリング状態にあった場合には、システムはアイドル状態のままとされる。システムが所定の時間以上の間、アイドリング状態にあった場合には、コントローラは圧送ユニットを作動させて、熱交換流体の一部を熱シールドから貯蔵ユニットの中へ圧送する(ステップ360)。熱交換流体の一部が貯蔵ユニット中に圧送されるので、コントローラは、貯蔵ユニット中に配置された温度センサを調べて、貯蔵ユニット中に入る熱交換流体の温度を測定する(ステップ365)。熱交換流体の温度は温度閾値と比較され、それによって熱交換流体の温度が許容レベルにあるかどうかが決定される(ステップ370)。熱交換流体の温度が許容レベルにある場合には、方法はステップ355に戻る。熱交換流体の温度が許容レベルにない場合には、圧送ユニットが作動されて、熱シールド中の熱交換流体を、貯蔵ユニットからの熱交換流体によって交換する(ステップ375)。
【0037】
別の一実施形態では、温度センサは、コンテナの温度をモニタするために使用することができる。コンテナの温度が高すぎるか、又は低すぎる場合には、コントローラは圧送ユニットを作動させて、熱交換流体を上述したように熱シールドに圧送する。コンテナの温度が高すぎることがない、又は冷たすぎることがない場合には、その中に含まれる温度に敏感な製品によっては、熱交換流体は貯蔵ユニットから圧送されない。
【0038】
当業者であれば、センサ及び制御ユニットが上述の実施形態の様々な組み合わせを備えることができることを理解するであろう。さらに、センサ及び制御ユニットは、例えば凝縮を検知するための水センサ、貯蔵ユニット中の液面高さを検知するための流体レベルセンサのような、追加的なセンサと共に使用することができる。
【0039】
方法350のステップ355は、システム200が所定の期間、アイドル状態にあったかどうかを見極めるものとして説明されているが、当業者であれば、代替手段が利用可能であることを理解することができる。例えば、方法350は、熱交換流体を定期的に、例えば5分毎に、熱シールド内に圧送するように実施することができる。この例では、熱シールド内に貯蔵された熱交換媒体をどのくらいの頻度で交換する必要があるかを決定するために、コンテナの温度に基づいて計算を行うことができる。
【0040】
別の一実施形態では、センサ及び制御ユニットは、問題又は漏れが生じたときに、使用者に示すように構成されたアラームモジュールを備えることができる。例えば、管状部材の1つに問題がある場合、非常灯が点灯するか、又は可聴アラームが作動する場合がある。
【0041】
別の一実施形態では、センサ及び制御ユニットは、システムが機能していた時間を追跡するように構成されたタイマーを備えることができる。システムが所定の閾値時間以上作動している場合には、システムはシャットダウンされる。他のセンサを、長時間の使用でシステムが誤動作しないことを確実とするために使用することができる。
【0042】
上述の実施形態では、電子制御弁が、熱交換流体が潜在的に問題のある管状部材に入るのを阻止するために使用されているが、当業者であれば代替手段を利用可能であることを理解するであろう。例えば別の一実施形態では、電子制御バルブを使用して、熱交換流体が管状部材に入るのを選択的に許可可能にするか、又は阻止することができる。この実施形態では、1つ以上の管状部材のみが熱交換流体の流入を可能にすることができる。このように、熱シールドの一部だけを必要に応じて加熱又は冷却することができる。
【0043】
別の一実施形態では、センサ及び制御ユニットは、貯蔵ユニット中の熱交換流体の温度をモニタするための1つ以上の温度センサを備えることができる。熱交換流体の温度が閾値に近づいている場合には、わずかな熱エネルギーしか残っていないと仮定される。このように、センサ及び制御ユニットは、残りの熱エネルギーが効率的に使用されることを確実にするように、1つ以上の電子制御バルブを閉じることができる。
【0044】
別の一実施形態では、貯蔵ユニット中の熱エネルギーの量を推定することができ、この推定値を、熱交換流体を熱シールドに選択的に圧送するために使用することができる。一実施形態では、貯蔵ユニットが熱交換流体で最初に充填されるときに、初期の熱エネルギーを決定することができる。熱交換流体は貯蔵ユニットから熱シールド中に圧送されるので、熱エネルギーの残量を計算することができる。例えば、熱交換流体は貯蔵ユニットから熱シールドを通じて貯蔵ユニットに戻るので、移送されるエネルギー量を、熱交換流体の平均流量に熱交換流体の比熱容量、貯蔵ユニットから出る熱交換流体の温度と貯蔵ユニットに戻る熱交換流体の温度との差、及び圧送ユニットが機能している時間をかけることによって計算することができる。平均流量は、流量計又はセンサを使用して測定することができる。温度は、1つ以上の温度センサを使用して測定することができる。圧送ユニットが作動している時間は、タイマーを使用して測定することができる。残留している熱エネルギーの量は、熱エネルギーがゼロに近づくまでの残留している時間に変換することができる。この時間は、LEDディスプレイを使用して使用者に表示することができる。
【0045】
上記の実施形態では、管状部材は一般的にU字状形状であるとして記載されているが、当業者であれば、代替形状が使用可能であることを理解するだろう。図9は、参照番号400によって一般的に特定される管状部材の別の一実施形態を示す。この実施形態では、管状部材400は、内側管402と、この内側管402の周囲に配置された外側管404と、を備える。内側管402は、熱交換流体の進入を案内するように構成された入口406を備える。内側管402は、入口406の端部とは反対側の端部に配置された1対の開口408を備える。外側管404は、内側管402の入口406に隣接するとともに内側管402の入口406を囲む出口410を備える。
【0046】
使用中、管状部材400は、内側管402の入口406を通じて熱交換流体を受け取る。熱交換流体は、矢印Aによって示されるように、内側管402を通じて圧送される。熱交換流体は、矢印Bで示すように、開口408を通じ、かつ外側管404を通じて、内側管402を出る。熱交換流体は、外側管404を通じて移動し、出口410を通じて出る。
【0047】
管状部材400のタイプの1つ以上の管状部材は、上述した管状部材22と同様の熱シールド100と共に使用することができる。
【0048】
上記の実施形態では、熱交換流体回路は3つの管状部材を備えるものとして説明されているが、当業者であれば、代替手段を利用可能であることを理解するであろう。例えば、別の一実施形態では、5つの管状部材を使用することができる。また別の一実施形態では、ただ1つの管状部材を使用することができる。例えば、ただ1つの管状部材は、熱伝導層の表面の周りに延在し、それによって熱交換流体の進入を導くための蛇行流路を画定することができる。また別の一実施形態では、管状部材は必要とされない。例えば、外側断熱層中に画定された溝を熱交換流体回路として使用し、それによって熱交換流体をこの溝を通じて圧送することができる。また別の例では、流路は熱伝導性材料からなる2つの層間に流路を形成することができる。さらにまた別の例では、吸湿性材料を使用することができ、その中に形成された流路を有することができる。この例では、熱交換流体は、熱交換流体の少なくともいくらかが吸湿材料によって吸収されるように、吸湿材料の中に圧送することができる。
【0049】
上記の実施形態では、外側断熱層は離間したU字状形状の溝を備えるとして説明されており、管状の部材は、U字状形状の溝内に配置されているとして説明されているが、当業者であれば代替手段を使用可能であることを理解するであろう。例えば、別の一実施形態では、U字状形状の溝は、管状部材がその中に配置されているときに、隣接する管状部材のアーム部が、熱エネルギーがそれらの間で交換されるように互いに連結されるように構成することができる。例えば熱伝導グリースのようなコーティングを、隣接する管状部材のアーム部間での熱エネルギーの交換を増加させるために使用することができる。
【0050】
上記の実施形態では、熱交換流体は貯蔵ユニットを通じて循環するものとして説明されているが、当業者であれば代替手段を使用可能であることを理解するであろう。例えば、貯蔵ユニット中でリサイクルされるというよりはむしろ、熱交換流体は管状部材中に含まれたままとすることができる。この例では、貯蔵ユニットよりはむしろ、例えばパラフィンワックスのような熱交換媒体を含む熱交換器を使用することができる。この例では、循環回路は入口ヒータ及び出口ヒータに結合され、熱交換器を通じて延在する。熱交換流体は熱交換流体回路を通じて循環し、循環回路を介して熱交換器を通過することができ、それによって熱交換流体を再充填する。熱交換流体は循環回路を通過するので、熱交換流体と熱交換媒体との間の熱交換によって加熱又は冷却することができる。次いで、加熱又は冷却された熱交換流体は、上述したように、熱交換流体回路に戻り続けることができる。
【0051】
上記の実施形態では、圧送ユニットは、熱交換流体を熱交換流体回路中に圧送するものとして説明されているが、当業者であれば、他の実施形態では、圧送ユニットは、熱交換流体を熱交換流体回路から引き出すのに使用される真空ユニットとすることができるということを理解するであろう。
【0052】
上記の実施形態では、熱交換流体は、貯蔵タンクから熱シールドを通じて連続的に圧送されるものとして説明されているが、当業者であれば代替手段が利用可能であることを理解するであろう。例えば、熱交換流体は間欠的に圧送することができる。別の一例として、熱交換流体は熱シールドを通じて、第1の流れ方向に一定時間圧送することができ、次いで、熱シールドを通じて、第1の流れ方向とは反対の第2の流れ方向に、また別の一定時間圧送することができる。
【0053】
当業者であれば、熱シールドが、この熱シールドをコンテナの内側に固定するように構成された接続機構を備えることができることを理解するであろう。さらに、熱シールドは、使用者が熱シールドをコンテナ内に配置するのを助けるための機構を備えることができる。例えば、熱シールドの外側保護層がストラップシステムに結合するように構成された、1つ以上のリベット付き開口部を備え、それによって使用者が熱シールドを1つ以上の温度に敏感な製品の上に配置するのを助けることができる。使用することができる他の機構は、吸引カップ、磁石、ベルクロ(登録商標)、リニアトラック機構、ケーブルシステムを含む。
【0054】
熱シールドは、熱シールドに支持を提供するように構成された1つ以上の剛性部材を備えることができる。例えば、一実施形態では、アルミニウム棒の形態の複数の軸方向に延びる剛性部材を、管状部材の中間の位置で外側保護層に接続することができる。
【0055】
熱シールドは、使用されていないときには巻かれるか又は折り畳まれるように構成することができる。例えば、一実施形態では、熱シールドのすべての構成要素は、熱シールドが使用されていないときには巻かれるように可撓性を有する材料から作ることができる。別の一例として、熱シールドは1つ以上のスパイン又は脆弱線を備えることができ、スパイン又は脆弱線は、熱シールドが使用されていないときに折り畳むことができるようにヒンジのような態様で動作するように構成される。
【0056】
上記の実施形態では、内側保護層及び外側保護層は、例えばキャンバス地のような保護材料から成るとして説明されているが、当業者であれば代替手段が利用可能であることを理解するであろう。例えば、別の一実施形態では、内側保護層は、積み下ろし中の内部衝撃から熱シールドを保護するために低摩擦材料で作ることができる。
【0057】
上記の実施形態では、内側断熱層は、例えばポリウレタンのような断熱性材料から成ると説明しているが、当業者であれば、代替手段が使用可能であることを理解するであろう。例えば、別の一実施形態では、内側断熱層は空隙として形成することができるか、又は1つ以上の真空断熱パネルから作ることができる。この実施形態では、熱交換流体回路と、1つ以上の温度に敏感な製品と、の間に空隙を有することによって、結露への暴露の危険性が低減される。
【0058】
理解されるように、貯蔵ユニットは、輸送中に貯蔵ユニットから望ましくない液体を選択的に排出するように構成された弁を備えることができる。別の一実施形態では、貯蔵ユニットからの液体を、コンテナ内の別の場所で排出することができ、そこで蒸発を介してコンテナ内の温度を冷却するために使用することができる。
【0059】
上記の実施形態では、熱シールドは内側及び外側保護層を有するものとして説明されているが、当業者であれば、熱シールドは単一の保護層を有することができるか、又は保護層を有しなくてもよいことを理解するだろう。
【0060】
上記の実施形態では、熱シールドは、外部断熱層の内部に配置された熱交換流体回路を備えるものとして説明されたが、当業者であれば代替形態を利用可能であることを理解するだろう。例えば、別の一実施形態では、2つの熱交換流体回路を断熱層の両側又は熱伝導層の両側に配置することができる。この例では、圧送ユニットは、熱交換流体を熱交換流体回路の一方又は両方に選択的に圧送するように構成することができる。例えば、温度に敏感な製品が過熱するのを防ぐことが望ましい場合、及び熱シールドの外の温度が熱シールドの下の温度より低い場合には、両方の熱交換流体回路を通じた熱交換流体の圧送は、熱を熱シールドの下から抽出し、熱シールドの外に放出させる。さらに、熱交換流体回路は互いと流体連通することができる。
【0061】
実施形態が、添付の図面を参照しつつ説明されてきたが、当業者であれば、特許請求の範囲によって規定される技術的範囲から逸脱することなく変更及び修正を行うことができることを理解するだろう。
【0062】
さらに、本発明では以下の例を含むことも好ましい。
[項1]
熱伝導層と、
前記熱伝導層の第1の表面に結合された少なくとも1つの熱交換流体回路と、
を備え、前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、熱交換流体の進入を可能にするように構成された少なくとも1つの入口を備える、熱シールド。
[項2]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路が、前記熱伝導層の前記第1の表面の周りに延びることを特徴とする項1に記載の熱シールド。
[項3]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路が、蛇行経路の形で前記熱伝導層の前記第1の表面の周りに延びることを特徴とする項1に記載の熱シールド。
[項4]
前記熱伝導層の前記第1の表面に接続された第1表面を有する第1の断熱層をさらに備えることを特徴とする項1~3のいずれか一項に記載の熱シールド。
[項5]
前記第1の断熱層は、前記第1表面に画定された少なくとも1つの溝を備え、前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、前記少なくとも1つの溝によって画定されていることを特徴とする項4に記載の熱シールド。
[項6]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、少なくとも1つの管状部材を備えることを特徴とする項1~4のいずれか1項に記載の熱シールド。
[項7]
前記第1の断熱層は、前記第1表面に画定された少なくとも1つの溝を備え、前記少なくとも1つの管状部材は、前記少なくとも1つの溝内に配置されていることを特徴とする項6に記載の熱シールド。
[項8]
前記熱交換流体回路の前記少なくとも1つの入口に結合されるとともに、貯蔵ユニットから受け取られた熱交換流体を前記少なくとも1つの入口に導くように構成された入口ヘッダを備えることを特徴とする項1~7のいずれか一項に記載の熱シールド。
[項9]
前記熱交換流体回路は、熱交換流体の流出を導くように構成された少なくとも1つの出口を備えることを特徴とする項1~8のいずれか一項に記載の熱シールド。
[項10]
前記熱交換流体回路の前記少なくとも1つの出口に結合されるとともに、前記少なくとも1つの出口から受け取った熱交換流体を前記貯蔵ユニットに導くように構成された出口ヘッダを備えることを特徴とする項9に記載の熱シールド。
[項11]
前記熱伝導層の第2の表面に接続された第2の断熱層をさらに備えることを特徴とする項4又は5に記載の熱シールド。
[項12]
前記第1の断熱層の第2表面に接続された第1の保護層をさらに備えることを特徴とする項4又は5に記載の熱シールド。
[項13]
前記第2の断熱層に接続された第2の保護層をさらに備えることを特徴とする項12に記載の熱シールド。
[項14]
前記熱シールドは、使用されていないときには折り畳まれるように構成されていることを特徴とする項1~13のいずれか一項に記載の熱シールド。
[項15]
前記熱シールドは、使用されていないときには巻かれるように構成されていることを特徴とする項1~13のいずれか一項に記載の熱シールド。
[項16]
第2の熱伝導層を備え、
前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、前記熱伝導層間に画定された流路であることを特徴とする項1に記載の熱シールド。
[項17]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、前記熱交換流体の少なくとも一部を吸収するように構成された吸湿材料を備えることを特徴とする項1に記載の熱シールド。
[項18]
前記熱伝導層の第2の表面に結合された第2の熱交換流体回路をさらに備えることを特徴とする項1に記載の熱シールド。
[項19]
前記第2の熱交換流体回路は、前記第1の熱交換流体回路と流体連通していることを特徴とする項18に記載の熱シールド。
[項20]
熱交換流体を少なくとも1つの熱交換流体回路中に圧送するように構成された圧送ユニットを備える熱シールドを備える、略一定の温度を維持するためのシステム。
[項21]
熱交換流体を貯蔵するための貯蔵ユニットを備え、
前記圧送ユニットは、前記貯蔵ユニットからの熱交換流体を前記少なくとも1つの熱交換流体回路に圧送するように構成されていることを特徴とする項20に記載のシステム。
[項22]
加熱媒体又は冷却媒体を貯蔵するための貯蔵ユニットを備え、前記圧送ユニットが熱交換流体を、該熱交換流体が加熱又は冷却されるように、前記貯蔵ユニットを通じて前記少なくとも1つの熱交換流体回路に圧送するように構成されていることを特徴とする項20に記載のシステム。
[項23]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路が、前記熱伝導層の前記第1の表面の周りに延びることを特徴とする項20~22のいずれか一項に記載のシステム。
[項24]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路が、蛇行経路の形で前記熱伝導層の前記第1の表面の周りに延びることを特徴とする項20~22のいずれか一項に記載のシステム。
[項25]
前記熱シールドは、前記熱伝導層の前記第1の表面に接続された第1の表面を有する第1の断熱層を備えることを特徴とする項20~24のいずれか一項に記載のシステム。
[項26]
前記第1の断熱層は前記第1表面に画定された少なくとも1つの溝を備え、前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、前記少なくとも1つの溝によって画定されることを特徴とする項25に記載のシステム。
[項27]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、少なくとも1つの管状部材を備えることを特徴とする項20~25のいずれか一項に記載のシステム。
[項28]
前記第1の断熱層は、前記第1表面に画定された少なくとも1つの溝を備え、前記少なくとも1つの管状部材は、前記少なくとも1つの溝中に配置されることを特徴とする項27に記載のシステム。
[項29]
前記熱シールドは、前記熱交換流体回路の前記少なくとも1つの入口に結合するとともに前記貯蔵ユニットから受け取った熱交換流体を前記少なくとも1つの入口に導くように構成された、入口ヘッダを備えることを特徴とする項20に記載のシステム。
[項30]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、熱交換流体の流出を導くように構成された少なくとも1つの出口を備えることを特徴とする項29に記載のシステム。
[項31]
前記熱交換流体回路の少なくとも1つの出口に結合されるとともに前記少なくとも1つの出口から受け取った熱交換流体を前記貯蔵ユニットに導くように構成された、出口ヘッダを備えることを特徴とする項30に記載のシステム。
[項32]
前記熱シールドは、前記熱伝導層の第2の表面に接続された第2の断熱層を備えることを特徴とする項20~31のいずれか一項に記載のシステム。
[項33]
前記熱シールドは、前記第1の断熱層の第2表面に接続された第1の保護層を備えることを特徴とする項25に記載のシステム。
[項34]
センサと、熱交換流体を前記少なくとも1つの管状部材に選択的に圧送するように構成された制御ユニットと、をさらに備えることを特徴とする項20~33のいずれか一項に記載のシステム。
[項35]
前記熱交換流体が、グリコール、グリコール溶液、氷スラリー、水及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする項20~34のいずれか一項に記載のシステム。
[項36]
前記熱シールドが巻かれるように構成されていることを特徴とする項20~35のいずれか一項に記載のシステム。
[項37]
前記熱シールドが折り畳まれるように構成されていることを特徴とする項20~35のいずれか一項に記載のシステム。
[項38]
前記少なくとも1つの熱交換流体回路は、第1の端部において前記入口ヘッダに結合され、第2の端部において前記出口ヘッダに結合された循環回路を備え、前記循環回路は、前記熱交換流体が熱交換器を通過するときに加熱又は冷却されるように前記熱交換器を通じて延びることを特徴とする項31に記載のシステム。
[項39]
1つ以上の温度に敏感な製品を備える略一定の温度を維持する方法であって、
熱伝導層と、前記熱伝導層の第1の表面に結合した少なくとも1つの熱交換流体回路と、を備える熱シールドを提供するステップであって、前記熱シールドは前記1つ以上の温度に敏感な製品の上に配置される、ステップと、
熱交換流体を、圧送ユニットを介して、貯蔵ユニットから前記少なくとも1つの熱交換流体回路を通じて選択的に圧送するステップと、
を備える方法。
[項40]
前記選択的に圧送するステップは、1つ以上の基準に基づくことを特徴とする項39に記載の方法。
[項41]
前記1つ以上の基準は、温度が閾値を上回るか、又は下回る場合には、前記熱交換流体を圧送するステップを備えることを特徴とする項40に記載の方法。
[項42]
前記1つ以上の基準は、前記少なくとも1つの熱交換流体回路内において閉塞状態が検出された場合には、前記圧送ユニットを停止させるステップを備えることを特徴とする項40に記載の方法。
[項43]
前記1つ以上の基準は、前記少なくとも1つの熱交換流体回路において閉塞状態が検出された場合には、前記少なくとも1つの熱交換流体回路に関連する弁を閉じるステップを備えることを特徴とする項40に記載の方法。
[項44]
前記貯蔵ユニットから出る熱交換流体の温度をモニタするステップと、
前記貯蔵ユニットに入る熱交換流体の温度をモニタするステップと、
モニタされた前記温度が等しくない場合には、モニタされた温度が略等しくなるまで、熱交換流体を前記少なくとも1つの熱交換流体を通じて連続的に圧送するステップと、
を備えることを特徴とする項40に記載の方法。
[項45]
前記モニタされた温度が略等しい場合には、前記方法が、前記圧送ユニットを遮断するステップを備えることを特徴とする項44に記載の方法。
[項46]
前記圧送ユニットが一定期間遮断された場合には、前記方法が、
前記熱シールドから前記貯蔵ユニット中へ、熱交換流体の一部を圧送するように、前記圧送ユニットを作動させるステップと、
前記熱交換流体の一部の温度をモニタするステップと、
前記熱交換流体の一部の温度が閾値を下回る場合には、前記少なくとも1つの熱交換流体を通じて熱交換流体を連続的に圧送するステップと、
を備えることを特徴とする項45に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9