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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】漏れ電流用の補償装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20220523BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220523BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20220523BHJP
   B60L 53/22 20190101ALI20220523BHJP
【FI】
H02J1/00 309P
H02J7/00 P
H02J7/00 S
B60L50/60
B60L53/22
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020177819
(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公開番号】P2021072770
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】10 2019 129 413.4
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D-70435 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュペッサー
(72)【発明者】
【氏名】ティム フィッツェンマイヤー
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/026186(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00-5/00
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
B60L 50/60
B60L 53/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体(51、52、53、54、55)の漏れ電流を補償する補償装置(20)であって、
前記導体(51、52、53、54、55)は、アクティブ導体(51、52、53、54)を有し、
前記補償装置(20)は、差動電流測定装置(22)、電源ユニット(60)、第1の信号生成装置(33)、出力段(28)、及び供給装置(39)を有し、
前記差動電流測定装置(22)は、前記アクティブ導体(51、52、53、54)の第1の位置(71)で第1の信号(I_DIFF)を取り込み、前記第1の信号(I_DIFF)を前記第1の信号生成装置(33)に供給し、前記第1の信号(I_DIFF)は、前記アクティブ導体(51、52、53、54)の差動電流を特徴化し、
前記第1の信号生成装置(33)は、前記差動電流を補償するための第2の信号(I_COMP_S)を前記第1の信号(I_DIFF)から生成し、前記第2の信号(I_COMP_S)を前記出力段(28)に供給し、
前記電源ユニット(60)は、前記出力段に少なくとも1つの正電圧(U;UP1、UP2)及び少なくとも1つの負電圧(U;UN1、UN2)を供給するために、入力側で前記アクティブ導体(51、52、53、54)の少なくとも一部に接続され、出力側で前記出力段(28)に接続され、
前記出力段(28)は、前記第2の信号(I_COMP_S)に基づいて、補償電流(I_COMP)を前記供給装置(39)を介して前記アクティブ導体(51、52、53、54)の少なくとも1つに注入し、
前記出力段(28)は、四象限コントローラの形態を取り、前記供給装置(39)は、第1のアクティブ導体(51)に供給し、相(L1)は、前記第1のアクティブ導体(51)に接続することができ、前記出力段(28)は、前記第2の信号(I_COMP_S)に基づいて、前記相(L1)の各位相角に対して、第1の方向又は前記第1の方向と反対の第2の方向の補償電流(I_COMP)を使用可能にする、補償装置(20)。
【請求項2】
導体(51、52、53、54、55)の漏れ電流を補償する補償装置(20)であって、
前記導体(51、52、53、54、55)は、アクティブ導体(51、52、53、54)を有し、
前記補償装置(20)は、差動電流測定装置(22)、電源ユニット(60)、第1の信号生成装置(33)、出力段(28)、及び供給装置(39)を有し、
前記差動電流測定装置(22)は、前記アクティブ導体(51、52、53、54)の第1の位置(71)で第1の信号(I_DIFF)を取り込み、前記第1の信号(I_DIFF)を前記第1の信号生成装置(33)に供給し、前記第1の信号(I_DIFF)は、前記アクティブ導体(51、52、53、54)の差動電流を特徴化し、
前記第1の信号生成装置(33)は、前記差動電流を補償するための第2の信号(I_COMP_S)を前記第1の信号(I_DIFF)から生成し、前記第2の信号(I_COMP_S)を前記出力段(28)に供給し、
前記電源ユニット(60)は、前記出力段に少なくとも1つの正電圧(U ;U P1 、U P2 )及び少なくとも1つの負電圧(U ;U N1 、U N2 )を供給するために、入力側で前記アクティブ導体(51、52、53、54)の少なくとも一部に接続され、出力側で前記出力段(28)に接続され、
前記出力段(28)は、前記第2の信号(I_COMP_S)に基づいて、補償電流(I_COMP)を前記供給装置(39)を介して前記アクティブ導体(51、52、53、54)の少なくとも1つに注入し、
前記供給装置(39)及び前記電源ユニット(60)は、前記第1の位置(71)の両側(72、73)で前記アクティブ導体(51、52、53、54)と相互作用し、
前記導体(51、52、53、54)は、前記第1の位置(71)の第1の側で供給回線網(21)に接続することができ、前記供給装置(39)は、同様に前記第1の位置(71)の前記第1の側で前記アクティブ導体(51、52、53、54)と相互作用する、補償装置(20)。
【請求項3】
前記電源ユニット(60)は、少なくとも250V、好ましくは少なくとも300V、特に好ましくは少なくとも390Vの絶対値を有する少なくとも1つの正電圧(U;UP1、UP2)及び少なくとも1つの負電圧(U;UN1、UN2)を前記出力段(28)に供給する、請求項に記載の補償装置(20)。
【請求項4】
前記電源ユニット(60)は、前記出力段(28)に電圧を供給することを可能にし、
前記少なくとも1つの正電圧(U;UP1、UP2)は、少なくとも1つの第1の正電圧(U;UP1)及び1つの第2の正電圧(U;UP2)を同時に、又は交互に有することができ、
前記少なくとも1つの負電圧(U;UN1、UN2)は、少なくとも1つの第1の負電圧(U;UN1)及び1つの第2の負電圧(U;UN2)を同時に、又は交互に有
することができ、
前記第1の正電圧(U;UP1)の前記絶対値は、前記第2の正電圧(U;UP2)よりも小さく、前記第1の負電圧(U;UN1)の前記絶対値は、前記第2の負電圧(U;UN2)よりも小さい、請求項に記載の補償装置(20)。
【請求項5】
供給回線網検出装置(42)が割り当てられ、前記供給回線網検出装置(42)は、前記導体に接続された供給回線網(21)を特徴化する第3の信号(V_GRID)を生成し、前記補償装置(20)は、前記第3の信号(V_GRID)に基づいて、前記第1の正電圧(U;UP1)及び前記第1の負電圧(U;UN1)か、又は前記第2の正電圧(U;UP2)及び前記第2の負電圧(U;UN2)かのいずれかで前記出力段(28)を動作させるように設計される、請求項に記載の補償装置(20)。
【請求項6】
前記電源ユニット(60)は、少なくとも1つの電圧レギュレータ(61、62)を有し、前記電圧レギュレータ(61、62)は、前記電源ユニット(60)の出力電圧(U、U)を可変的に事前設定可能な所望の電圧値(UP、S、UN、S)に調整する、請求項4又は5に記載の補償装置(20)。
【請求項7】
前記導体(51、52、53、54、55)に接続された前記供給回線網(21)に基づいて、前記所望の電圧値(UP、S、UN、S)が前もって設定される、請求項に記載の補償装置(20)。
【請求項8】
前記電源ユニット(60)は、前記第1の正電圧(U;UP1)及び前記第2の正電圧(U;UP2)を発生させる少なくとも2つのレギュレータ(61A、61B;62A、62B)を有し、前記少なくとも2つのレギュレータ(61A、61B;62A、62B)は、異なるレギュレータタイプの形態を取る、請求項4~7のいずれか一項に記載の補償装置(20)。
【請求項9】
前記第1の正電圧(U;UP1)及び前記第2の正電圧(U;UP2)を発生させる前記少なくとも2つのレギュレータ(61A、61B;62A、62B)は、リニアレギュレータ(61B、62B)及びスイッチングレギュレータ(61A、62A)を有する、請求項に記載の補償装置(20)。
【請求項10】
前記供給装置(39)は、第1のアクティブ導体(51)に供給し、電圧振幅(A)を有する相(L1)が前記第1のアクティブ導体(51)に存在し、前記電源ユニット(60)は、正電圧(U;UP2)及び負電圧(U;UN2)を供給し、前記正電圧及び負電圧の絶対値はそれぞれ、前記電圧振幅(A)よりも大きい、請求項1~のいずれか一項に記載の補償装置(20)。
【請求項11】
前記出力段(28)及び前記電源ユニット(60)は、前記補償電流(I_COMP)が、相(L1、L2、L3)に接続された導体(51、54)と中性導体(N)に接続された導体(51、54)との両方に供給されるのを可能にする、請求項1~10のいずれか一項に記載の補償装置(20)。
【請求項12】
トラクションバッテリ(105)用の充電装置(12)を有する車両(10)であって、前記充電装置(12)は整流器(100)を有し、トラクションバッテリ(105)は、前記整流器(100)に直接的に、又は間接的に接続され、前記トラクションバッテリ(105)は、アクティブ導体(51~54)に流電結合され、前記充電装置(12)は、請求項1~11のいずれか一項に記載の補償装置(20)を有する、車両(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、車両の充電装置で使用する、漏れ電流を補償する補償装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漏れ電流は、通常の動作状態のもとで、望ましくない電流路、例えば、外部導体(L1~L3)の1つから保護導体(PE)に流れる電流である。そのような漏れ電流は、実際上、例えば、一方の側で直流電圧路に、他方の側で保護導体(PE)に接続された回線網(ネットワーク)フィルタのフィルタコンデンサにより発生する。漏れ電流の他の発生源は、加熱システムなどの負荷である。例えば、組み込まれた残存電流回路ブレーカ及び/又はFIヒューズが、過剰な高漏れ電流が原因で切れることがないように、漏れ電流を補償する、補償電流と呼ばれる逆電流を注入することで補償が行われる。
【0003】
特許文献1は、互いに対して位相がずれた回線網電圧L1、L2を使用する、漏れ電流を補償する装置を示している。漏れ電流を補償する流出逆電位が発生する。接続体L1、L2の電圧が、このために必要とされる。さらに、位相差は180°でなければならない。三相電流のように位相差が120°の場合に、補償は不可能である。
【0004】
特許文献2は、受動的可変補償を有する自動車用のバッテリ充電装置を示している。
【0005】
特許文献3は保護回路を示している。
【0006】
特許文献4は、バッテリ充電装置用の補償システムを示している。
【0007】
特許文献5は、漏れ電流を打ち消すシステムを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】独国特許出願公開第101 39 028A1号明細書
【文献】仏国特許出願公開第3 021 816B1号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0216451号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0210411号明細書
【文献】米国特許第6,388,451号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、新規の補償装置とそのような補償装置を有する新規の車両とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の対象によって達成される。
【0011】
アクティブ導体(active conductor)を有する導体の漏れ電流を補償する補償装置は、差動電流測定装置、電源ユニット、第1の信号生成装置、出力段、及び供給装置を有し、差動電流測定装置は、アクティブ導体の第1の位置で第1の信号を取り込み、その第1の信号を第1の信号生成装置に供給するように設計され、第1の信号は、アクティブ導体の差動電流を特徴化し、第1の信号生成装置は、差動電流を補償する第2の信号を第1の信号から生成し、この第2の信号を出力段に供給するように設計され、電源ユニットは、入力側でアクティブ導体の少なくとも一部に接続され、少なくとも1つの正電圧及び少なくとも1つの負電圧を出力段に供給するために、出力側で出力段に接続され、出力段は、第2の信号に基づいて、補償電流を供給装置を介してアクティブ導体の少なくとも1つに注入するように設計される。
【0012】
電源ユニットを設けることにより、補償電流は、相又は中性導体に注入することができ、補償装置は、中性導体の有無にかかわらず、すべての回線網接続体に対して機能する。
【0013】
1つの好ましい実施形態によれば、出力段は、四象限コントローラの形態を取り、供給装置は、第1のアクティブ導体に供給するように設計され、相は、第1のアクティブ導体に接続することができ、出力段は、第2の信号に基づいて、相の各位相角に対して第1の方向又は第1の方向とは反対の第2の方向の補償電流を使用可能にするように設計される。
【0014】
その結果、検出された漏れ電流に素速く対応し、残留電流保護回路の引外しのリスクが低減され得る。
【0015】
1つの好ましい実施形態によれば、供給装置及び電源ユニットは、第1の位置の両側でアクティブ導体と相互作用する。これは、差動電流測定装置の両側に作用する補償を可能にし、差動電流測定装置への補償電流の非取込を可能にする。
【0016】
1つの好ましい実施形態によれば、導体は、第1の位置の第1の側で供給回線網に接続することができ、供給装置は、同様に第1の位置の第1の側でアクティブ導体と相互作用する。供給回線網の側での供給により、補償は、差動電流測定装置によって取り込まれない。したがって、補償は、制御として働くことができ、これは、実験において電圧調整と比較して有利であると分かった。
【0017】
1つの好ましい実施形態によれば、電源ユニットは、少なくとも250V、好ましくは少なくとも300V、より好ましくは少なくとも390Vの絶対値を有する少なくとも1つの正電圧及び少なくとも1つの負電圧を出力段に供給するように設計される。これらの比較的高い電圧も、補償電流を相に注入することで良好な補償を可能にする。
【0018】
1つの好ましい実施形態によれば、電源ユニットは、出力段に電圧を供給することを可能にするように設計され、少なくとも1つの正電圧は、少なくとも1つの第1の正電圧及び1つの第2の正電圧を同時に、又は交互に有することができ、少なくとも1つの負電圧は、少なくとも1つの第1の負電圧及び1つの第2の負電圧を同時に、又は交互に有することができ、第1の正電圧の絶対値は、第2の正電圧よりも小さく、第1の負電圧の絶対値は、第2の負電圧よりも小さい。異なる正及び負電圧を使用できることの結果として、出力段は、有利にも、相に供給する場合、及び中性導体に供給する場合の両方で動作することができる。
【0019】
1つの好ましい実施形態によれば、供給回線網検出装置は、補償装置に割り当てられ、供給回線網検出装置は、供給回線網を特徴化する第3の信号を生成するように設計され、補償装置は、第3の信号に基づいて、第1の正電圧及び第1の負電圧か、又は第2の正電圧及び第2の負電圧かのいずれかで出力段を動作させるように設計される。適切な正又は負電圧は、第3の信号を考慮することで、自動的に選択する、又は発生させることができる。
【0020】
1つの好ましい実施形態によれば、電源ユニットは、少なくとも1つの電圧レギュレータを有し、電圧レギュレータは、電源ユニットの出力電圧を可変的に事前設定可能な所望の電圧値に調整するように設計される。調整可能なレギュレータは、様々な電圧を供給することができ、それぞれの供給に適した電圧を設定することが可能である。
【0021】
1つの好ましい実施形態によれば、補償装置は、導体に接続された供給回線網に応じて、所望の電圧値を事前設定するように設計される。したがって、事前設定は、供給回線網に自動で適合することができる。
【0022】
1つの好ましい実施形態によれば、電源ユニットは、第1の正電圧及び第2の正電圧を発生させる少なくとも2つのレギュレータを有し、少なくとも2つのレギュレータは、異なるレギュレータタイプの形態を取る。
【0023】
1つの好ましい実施形態によれば、電源ユニットは、第1の負電圧及び第2の負電圧を発生させる少なくとも2つのレギュレータを有し、少なくとも2つのレギュレータは、異なるレギュレータタイプの形態を取る。リニアレギュレータ又はスイッチングレギュレータなどの異なるレギュレータタイプはそれぞれ、特定の電圧範囲に対して利点を有し、したがって、複数のレギュレータタイプを設けることで、効率的な動作が可能になる。
【0024】
1つの好ましい実施形態によれば、第1の正電圧及び第2の正電圧を発生させる少なくとも2つのレギュレータは、リニアレギュレータ及びスイッチングレギュレータを有する。
【0025】
1つの好ましい実施形態によれば、第1の負電圧及び第2の負電圧を発生させる少なくとも2つのレギュレータは、リニアレギュレータ及びスイッチングレギュレータを有する。
【0026】
リニアレギュレータは、高い出力電圧に対して有利であり、スイッチングレギュレータは、低い出力電圧に対して有利であり、したがって、2つのレギュレータタイプは、互いにプラスの方向に補完し合う。
【0027】
1つの好ましい実施形態によれば、供給装置は、第1のアクティブ導体に供給するように設計され、電圧振幅を有する相が第1のアクティブ導体に存在し、電源ユニットは、正電圧及び負電圧を供給するように設計され、正電圧及び負電圧の絶対値はそれぞれ、電圧振幅よりも大きい。そのような正及び負電圧を供給することで、出力段は、常に両方向に干渉することができる。
【0028】
1つの好ましい実施形態によれば、増幅器及び電源ユニットは、補償電流が、相に接続された導体と中性導体に接続された導体との両方に供給されるのを可能にするように設計される。中性導体又は相に供給する場合の要件は全く異なり、補償装置が両方の別形を使用可能にするならば、それは有益である。
【0029】
目的は、請求項14の対象によっても達成される。
【0030】
車両は、トラクションバッテリ用の充電装置を有し、充電装置は整流器を有し、トラクションバッテリは、整流器に直接的に、又は間接的に接続され、トラクションバッテリは、アクティブ導体に流電結合(Galvanically coupled)され、充電装置は、上記記載した補償装置を有する。そのような車両の場合に、漏れ電流に対する補償は特に有益であり、その理由は、漏れ電流が、供給回線網の流電結合のおかげで検出することができるからである。
【0031】
下記に説明され、図面で示され、本発明を限定するものとして解釈してはならない例示的な実施形態と従属請求項とから、本発明のさらなる細部及び有益な発展形態が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】電源ユニット、出力段、及び供給装置を有する補償装置の例示的な実施形態を示している。
図2】補償電流用の供給装置を示している。
図3】相と相に供給するのに適切な供給電圧とに対する電圧/時間グラフを示している。
図4】中性導体と中性導体に供給するのに適切な供給電圧とに対する電圧/時間グラフを示している。
図5図1の電源ユニットの実施形態を示している。
図6図1の電源ユニットのさらなる実施形態を示している。
図7】トラクションバッテリ及び図1による補償装置を有する車両を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、補償装置20の例示的な実施形態を示している。概略的に示した供給回線網21によって供給される5つの導体51、52、53、54、55が設けられている。三相回線網の場合に、導体51~53は、例えば、外部導体(相)L1、L2、L3に接続することができる。導体54は、中性導体Nに接続され、導体55は、保護導体PEに接続されている。電流を流すのに必要とされる導体、例えば、供給回線網の外部導体L1、L2、L3用の導体51~53と、供給回線網の中性導体N用の導体54とは、アクティブ導体と呼ばれる。単相接続の場合に、独国ではアクティブ導体は明確に指定されず、例えば、相L1が導体に接続され、中性導体Nが導体に接続される。したがって、さらなる回路なしに、例えば、相L1は、ライン51に接続することができ、中性導体Nは、ライン54に接続することができ、又はその逆に接続することもできる。対照的に、保護導体PEは、この場合、導体55に通常永続的に割り当てられる。
【0034】
コイル及びコンデンサを介して電力供給を滑らかにし、例えば、望ましくない干渉放射を低減するEMCフィルタ41が図示されている。EMCフィルタ41は、回線網フィルタの形態を取ることもできる。
【0035】
供給回線網検出装置42が設けられるのが好ましく、供給回線網検出装置42は、接続された供給回線網21の検出及び回線網検出信号V_GRIDの生成を可能にするように設計されている。供給回線網は、例えば、単相回線網、三相回線網、「分相」タイプのUS供給回線網、又は他の回線網とすることができる。供給回線網検出装置42は、例えば、複数の相の電圧プロファイルに基づいて、接続された供給回線網21を検出することができる。
【0036】
差動電流測定装置22は、アクティブ導体51~54の差動電流を測定する。差動電流測定装置22は、例えば、総合変流器の形態、特に、アクティブ導体51~54を囲む巻線の形態を取ることができる。障害電流又は漏れ電流が発生していない場合、導体51~54を通る電流の合計はゼロであり、したがって、巻線を通る電流もゼロである。対照的に、漏れ電流が、相L1から差動電流測定装置の右の(「車両側の」)フィルタ(図示せず)のYコンデンサを介して保護導体PEに流れる場合に、差動電流測定装置22は、結果として生じた差動電流を測定する。例えば、一方で導体51~53を通り、他方で導体54を通る総計電流を別々に測定し、次いで、それぞれの巻線方向に応じて、2つの値間の合計又は差を計算することも可能である。差動電流測定装置22からの信号I_DIFFは、ライン23を介して信号生成装置33に供給される。信号生成装置33は、差動電流信号I_DIFFに基づいて、適切な補償電流用の信号I_COMP_Sを生成する。この信号I_COMP_Sは、ライン27を介して出力段28に供給され、出力段28は、対応する補償電流I_COMPを発生させる。このために、出力段28は供給装置39に接続され、供給装置39は、出力段28と共に、一方でアクティブ導体51、52、53、54の少なくとも1つと、他方で保護導体PE(55)との間の補償電流を使用可能にする。
【0037】
供給装置39は、例えば、静電容量結合、誘導結合、又は流電結合を用いて供給を行うことができる。
【0038】
出力段28は、リニア出力段であるのが好ましい。
【0039】
電源ユニット60の使用により、0ボルト、又は例えば、±0.5ボルトの電圧が、それぞれの外部導体に印加される場合でさえ、補償電流を注入することができる。
【0040】
出力段28は、ライン74及びライン75を介して電源ユニット60に接続され、電源ユニット60は、ライン74を介して正電圧を供給し、ライン75を介して負電圧を供給するのが好ましい。したがって、出力段28用の供給は、バイポーラであるのが好ましい。電源ユニット60は、ライン55に対するPE基準を有し、したがって、電流が保護導体PEに出入りするのを可能にする。
【0041】
回線網検出信号V_GRIDは、電源ユニットに供給されるのが好ましい。
【0042】
負荷100、例えば、整流器及びトラクションバッテリは、電源ユニット60の下流に設けられている。
【0043】
電源ユニットは、電源システムによって供給されるもの以外の電圧及び電流を必要とする装置又はアセンブリにエネルギを供給する装置又はアセンブリである。出力電圧及び最大出力電流は、不変に設定することができ、又は可変とすることもできる。
【0044】
増幅信号が負荷に達する前の電力増幅器の電子的活性化(すなわち、増幅)段は、出力段と呼ばれる。装置全体又は「電力増幅器」アセンブリも出力段と呼ばれることがある。
【0045】
出力段28は、四象限コントローラの形態を取るのが好ましい、すなわち、例えば、ライン51が相L1に接続されている場合に、出力段28は、正側の半サイクル及び負側の半サイクルの両方で、それぞれ電流が導体51から保護導体55に、又は保護導体55から導体51に至るのを可能にする。その結果、漏れ電流は、相L1の正側の半サイクル及び負側の半サイクルの両方を補償することができる。
【0046】
差動電流測定装置22は、アクティブ導体51、52、53、54の第1の位置71で、差動電流信号I_DIFFを取り込む。供給装置39は、位置72でアクティブ導体51、52、53、54と相互作用し、電源ユニット60は、位置73で導体51、52、53、54、55と相互作用する。位置72、73は、第1の位置71の両側にあり、漏れ電流に対する補償は、差動電流測定装置22によって取り込まれない。その結果、漏れ電流に対する補償は、ゼロ電圧に対する調整として機能しない。したがって、漏れ電流に対して完全に補償する場合に、信号I_DIFFは必ずしもゼロではない。
【0047】
電圧調整は振動をもたらすことがあり、その結果、制御時よりも悪い結果が起こり得ることが、実験から分かった。原理上、供給装置39内の電流を測定することにより、補償電流I_COMPを監視することも可能である。この場合に、電流I_COMPが望ましい電流に一致するかどうかを監視することも可能である。
【0048】
補償は、原理上、アクティブ導体51、52、53、54のどれでも実施することができる。中性導体Nを有する供給回線網21の場合は、低電圧(理想的には0ボルト)が中性導体Nに印加されることから、中性導体Nで補償を実施するのが好ましい。
【0049】
しかし、中性導体Nが設けられない、US分相回線網などの供給回線網21もある。US分相回線網は、2つの接続体HOT1、HOT2を有する。第1の接続体HOT1は交流120Vを搬送し、第2の接続体HOT2は、HOT1に対して位相が180°ずれた交流120Vを搬送する。
【0050】
出力段28が四象限コントローラとして動作することができるように、電源ユニット60は、供給装置39の位置の電圧よりも高い正電圧をライン74に供給しなければならず、電源ユニット60は、より低い負電圧を、又は絶対値が、供給装置39の供給位置での電圧、又は例示的な実施形態ではライン51の電圧よりも大きい電圧を、ライン75に供給しなければならない。供給装置39が中性導体Nに接続されている場合に、例えば、+20ボルト及び-20ボルトの電源ユニット60の電圧が、補償電流を供給するのに適している。
【0051】
対照的に、相L1に供給する場合に、より高い電圧が必要とされる。相L1の電圧は、振幅A及び位相角phiを有する。以下は真である。
L1=A sin(phi) (1)
【0052】
電源ユニット60の電圧の絶対値は、正側74及び負側75の両方で、相L1又は相L2又は相L3の電圧の振幅よりも大きいのが好ましい。その結果、電流は、常に両方向で相L1に注入することができる。
【0053】
電源ユニット60は、少なくとも250ボルト、好ましくは少なくとも390ボルトの絶対値を有する少なくとも1つの電圧を出力段28に供給するように設計されるのが好ましい。対応する正電圧及び負電圧の両方が有利にも供給される。
【0054】
電源ユニット60は、第1の正電圧及び第2の正電圧を(複数のラインを介して)同時に、又は(1つ又は複数のラインを介して)交互に供給することを可能にするように設計されるのが好ましく、第1の正電圧は第2の正電圧よりも低い。例えば、+20ボルトは、第1の正電圧として供給することができ、+400ボルトは、第2の正電圧として供給することができる。その結果、第1の正電圧は、補償電流を中性導体Nに供給する場合に使用することができ、第2の正電圧は、相L1、L2、L3の1つに供給する場合に使用することができる。
【0055】
中性導体Nに供給するのに低い方の正電圧を使用するのは、補償電流I_COMPが、例えば20ミリアンペア又は60ミリアンペアであることから、有利であり、約400ボルトの電圧差にそのような低い補償電流を供給するのは、制御が困難である。さらに、この場合に高い損失が発生する。反対に、補償電流I_COMPは、相L1、L2、L3の1つに注入することができないか、又は、例えば電源ユニット60によって供給される電圧が±20ボルトであり、相L1の振幅が230ボルトである場合に、特定の時間にのみ注入することができる。
【0056】
同様に、電源ユニットは、負電圧に対して、絶対値が小さい方の(例えば、-20ボルト)第1の負電圧と、絶対値が大きい方の第2の(例えば、-400ボルト)負電圧とを供給するようにも設計されるのが好ましい。
【0057】
補償電流を常に確実に注入できるようにするために、電源ユニット60は、供給装置39が相互作用するアクティブ導体51、52、53、54の電圧振幅Aよりも、絶対値が少なくとも随時大きい電圧を供給するように設計されるのが好ましい。
【0058】
例えば、信号I_DIFFの周波数スペクトルを求めることによって、補償電流I_COMPに対する信号I_COMP_Sが計算され、例えば、20Hz~300kHzの周波数範囲だけで十分であり得る。周波数スペクトルは対応する振幅を含み、信号I_COMP_Sは、適切な補償を行うために、位相を180°ずらして(位相反転させて)生成される。積分が計算される他の計算も可能である。
【0059】
図2は、切換装置81を追加した供給装置39のさらなる例示的な実施形態を示している。切換装置81は、入力側で出力段28に接続され、アクティブ導体51、54に供給することを可能にする2つのライン82、83を介して供給点を切り換えることを可能にする。導体51、54の1つに中性導体Nがある場合に、切換装置81は、供給用の適切な導体を選択することを可能にする。切換装置81の切換は、供給回線網検出装置42によって検出された供給回線網21に基づいて(図1を参照のこと)、自動で行われるのが好ましい。
【0060】
図3は、電圧Uが時間tに対してプロットされたグラフを示している。式(1)に従って電圧Aと電圧-Aとの間の正弦波形状を有する、振幅Aの相L1の正弦波電圧プロファイルが示されている。さらに、ライン74、75を介して電源ユニット60によって供給される(図1を参照のこと)正電圧U及び負電圧Uも例として示されている。電圧Uの絶対値及び電圧Uの絶対値は共に、振幅Aの値よりも大きく、したがって、補償電流は、相L1の正の半サイクル及び負の半サイクルの両方で相L1に注入することができる。正の半サイクルについて検討すると、例えば、スイッチによって相L1を保護導体PEに接続することで、高い方の電圧Uがない場合でさえ、相L1から保護導体PEへの電流は容易に可能である。しかし、保護導体PEから相L1への電流は、電圧Uが、相L1の瞬間電圧よりも高い場合にのみ可能である。
【0061】
図4は、図3と同様であるが、中性導体Nに供給する場合のグラフを示している。中性導体Nの電圧Uは、0ボルトであるか、又は、例えば、+0.5ボルト若しくは-0.5ボルトの低い値である。したがって、所定の正又は負の電流を常に中性導体Nに注入できるようにするために、図1の電源ユニット60の電圧U及びUを+400ボルト及び-400ボルトに設定する必要はない。したがって、電源ユニット60(図1を参照のこと)は、中性導体Nに供給する場合に、例えば、絶対値が相L1の振幅A未満である低い電圧U又は低い電圧Uを供給するように設計されるのが好ましい。
【0062】
図5は、電源ユニット60の詳細図を示している。
【0063】
例示的な実施形態では、電源ユニット60は、すべての導体51、52、53、54、55に接続され、レギュレータ61及びレギュレータ62を有し、これらのレギュレータ61、62は、電圧レギュレータの形態を取るのが好ましく、ライン74、75を介して出力される電源ユニット60の出力電圧U、Uを可変的に事前設定可能な所望の電圧値UP、S、UN、Sに調整する。所望の電圧値UP、S、UN、Sは、図1の供給回線網検出装置42によって検出された供給回線網21に基づいて、図示しない制御装置によって前もって設定されるのが好ましい。その結果、出力段28は、それぞれの供給回線網21に適した入力電圧で動作することができる。このために、絶対値が小さい方の第1の正電圧及び第1の負電圧は、中性導体Nに供給する場合に生成され、絶対値が大きい方の第2の正電圧及び第2の負電圧は、相L1、L2、L3の1つ又は複数に供給する場合に生成される。
【0064】
図6は、電源ユニット60のさらなる例示的な実施形態を示している。図5と同様に、電源ユニット60は、導体51、52、53、54、55に接続されている。電源ユニット60は、第1の正電圧UP1を発生させる第1のレギュレータ61Aと、第2の正電圧UP2を発生させる第2のレギュレータ61Bと、第1の負電圧UN1を発生させる第3のレギュレータ62Aと、第2の負電圧UN2を発生させる第4のレギュレータ62Bとを有する。第1の正電圧UP1は、第2の正電圧UP2よりも低く、第1の負電圧UN1の絶対値は、第2の負電圧UN2よりも小さい。したがって、電源ユニット60は、導体51、52、53、54に接続された供給回線網21(図1を参照のこと)から、少なくとも2つの正電圧及び少なくとも2つの負電圧をそれぞれ同時に、又は交互に発生させ、それらの電圧を出力段28に供給する。レギュレータ61A、61B、62A、62Bは、電圧レギュレータであるのが好ましい。
【0065】
絶対値が小さい電圧UP1、UN1用のレギュレータ61A、62Aは、スイッチングレギュレータの形態を取るのが好ましく、絶対値が高い方の電圧UP2、UN2用のレギュレータ61B、62Bは、リニアレギュレータの形態を取るのが好ましい。リニアレギュレータは、入力電圧及び出力電圧があまり違わない場合に、適切に且つ高い効率で機能する。対照的に、スイッチングレギュレータは、低い出力電圧において効率が比較的高い。リニアレギュレータの場合に、相L1、L2間の電圧は、コンデンサ又は蓄電要素を充電するために、例えば、所定の時間に整流器を介して、電圧の絶対値が相L1の振幅よりも大きい出力電圧として使用することができる。この場合に、出力電圧は、必要に応じて、リニアレギュレータによって低くすることができる。
【0066】
回線網検出信号V_GRIDは、出力段28に供給されるのが好ましい。
【0067】
図7は、車両10、特に、電気車両又はハイブリッド車両内で、概略的に示す補償装置20と導体51~55とを併用する例示的な実施形態を示している。導体51~53(相導体又は外部導体)、導体54(中性導体N)、及び導体55(保護導体PE)は、負荷としての整流器(AC/DCコンバータ)100に接続され、直流電圧が存在する2つの導体101(+)、102(-)は、整流器100の出力部に設けられている。したがって、この構成は、充電装置12として使用することができる。導体101は、コンデンサ103を介して保護導体99に接続され、導体102は、コンデンサ104を介して保護導体99に接続されている。導体101、102は、負荷105、例えば、トラクションバッテリに直接的に、又は(例えば、付加的なDC/DCコンバータを介して)間接的に接続される。コンデンサ103、104は、EMCフィルタ又は回線網フィルタとして機能し、Yコンデンサ又はフィルタコンデンサとも呼ばれる。動作時、電流は、コンデンサ103、104を介して保護導体99(PE)に流入することができる。導体101、102の電圧は、アクティブ導体L1、L2、L3、Nを通る電流によって生じるので、保護導体99への漏れ電流は、アクティブ導体に差動電流をもたらし、この差動電流は、所定の限界値を超えた場合に、供給接続体のヒューズ又は残留電流回路遮断器の引外しをもたらすことがある。供給回線網の残留電流回路遮断器の従来の限界値は、例えば、5mA、又は20mA、又は30mAである。
【0068】
補償装置20により、漏れ電流は、供給回線網の残留電流回路遮断器が通常の動作時に上がらない限り、漏れ電流の限界値を超えたことで補償することができる。
【0069】
これは、特に、直流中間回路101、102と導体51~54との間に、又は負荷105と導体51~54との間に流電結合を有する電気車両又はハイブリッド車両用の充電装置12において有益である。例えば、整流器100又はDC/DCコンバータに変圧器を有する車両の場合のように直流絶縁を有する車両とは異なり、流電結合の場合に、漏れ電流は補充することができ、したがって、供給回線網で認識可能である。したがって、補償装置20の使用は、流電結合を有する車両で特に有益である。
【0070】
当然ながら、本発明の範囲内の様々な変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0071】
20 補償装置
22 差動電流測定装置
28 出力段
33 第1の信号生成装置
39 供給装置
51、52、53、54 アクティブ導体
55 導体
60 電源ユニット
71 第1の位置
I_COMP 補償電流
I_COMP_S 第2の信号
I_DIFF 第1の信号
N1 負電圧
N2 負電圧
P1 正電圧
P2 正電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7