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特許7077429フローセルおよびそれを備えた液体クロマトグラフ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-20
(45)【発行日】2022-05-30
(54)【発明の名称】フローセルおよびそれを備えた液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/74 20060101AFI20220523BHJP
【FI】
G01N30/74 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020571493
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 CN2019098926
(87)【国際公開番号】W WO2020199442
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】201910265137.2
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520496718
【氏名又は名称】安徽皖儀科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI WAYEE SCIENCE AND TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 8, Wenqu Road, High Tech Area Hefei, Anhui 230088, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲シン▼
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-044145(JP,A)
【文献】中国実用新案第204945029(CN,U)
【文献】中国実用新案第204807441(CN,U)
【文献】中国実用新案第207816802(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第103760107(CN,A)
【文献】中国実用新案第207336334(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106290168(CN,A)
【文献】米国特許第06603556(US,B2)
【文献】米国特許第07154598(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 -30/96
B01J 20/281-20/292
G01N 1/00 - 1/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付チャンバが画定されるハウジングと、
前記取付チャンバ内に設けられ、内部に液体通路、液体供給溝および液体排出溝が設けられるセルコアであって、前記液体供給溝と前記液体排出溝とが前記セルコアの対向する両側に形成され、前記液体通路の両端がそれぞれ前記液体供給溝と前記液体排出溝とに連通するセルコアと、
前記液体通路内に嵌合される液体コア導波路であって、内部で液体が流通し、光線が伝播する液体コア導波路と、
入口接続アセンブリと、
出口接続アセンブリと、を含み、
前記入口接続アセンブリは、
前記セルコアの前記液体供給溝が設けられた一端に押し当てられる入口プレスブロックと、
前記入口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体供給溝に連通する液体供給管と、
前記入口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体供給溝に連通する入射光管と、を含み、
前記出口接続アセンブリは、前記セルコアの前記液体排出溝が設けられた一端に押し当てられ、
前記出口接続アセンブリに前記液体排出溝に正対する光出射孔が設けられていることにより、光線が前記入射光管、前記液体供給溝、前記液体コア導波路、前記液体排出溝および前記光出射孔を順に経て前記取付チャンバから出射し、前記入口接続アセンブリは、前記取付チャンバ内に設けられ、前記入口プレスブロックの前記液体供給から離れた側に位置するプリテンション部材をさらに含み、前記プリテンション部材と前記入口プレスブロックとの間には、弾性部材が設けられて前記セルコアと前記入口プレスブロックと前記出口接続アセンブリとの間の封止当接を実現する、ことを特徴とするフローセル。
【請求項2】
請求項1に記載のフローセルであって、
前記出口接続アセンブリは、前記セルコアの前記液体排出溝が設けられた一端に押し当てられるウィンドウシートを含み、前記ウィンドウシートの前記液体排出溝に向かう側には、遮光膜が設けられ、前記光出射孔は、前記遮光膜に設けられ、前記ハウジングには、前記光出射孔に対応する光通過孔が設けられている、ことを特徴とするフローセル。
【請求項3】
請求項2に記載のフローセルであって、
前記出口接続アセンブリは、前記光通過孔の周りに設けられ、前記ハウジングと前記ウィンドウシートとの間に介在されるガスケットをさらに含む、ことを特徴とするフローセル。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のフローセルであって、
前記入口接続アセンブリは、前記セルコアに穿設され、一端が前記液体排出溝に連結される還流管をさらに含む、ことを特徴とするフローセル。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のフローセルであって、
前記出口接続アセンブリは、
前記セルコアの前記液体排出溝が設けられた一端に押し当てられる出口プレスブロックと、
前記出口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体排出溝に連通する液体排出管と、
前記出口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体排出溝に連通する出射光管と、をさらに含み、
前記光出射孔は、前記出射光管に形成される、ことを特徴とするフローセル。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のフローセルであって、
前記液体コア導波路の外側に外嵌される保護シースをさらに含む、ことを特徴とするフローセル。
【請求項7】
請求項2または3に記載のフローセルであって、
前記ウィンドウシートは、石英ガラスであり、前記光出射孔の直径は、0.5mm以下である、ことを特徴とするフローセル。
【請求項8】
請求項2または3に記載のフローセルであって、
前記遮光膜は、金属膜またはシルクスクリーン印刷塗料膜である、ことを特徴とするフローセル。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載のフローセルを含むことを特徴とする液体クロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本発明は、出願番号が201910265137.2、出願日が2019年4月3日の中国特許出願「フローセルおよびこれを備えた液体クロマトグラフ」に基づいて提出するものであり、上記中国特許出願の優先権を主張するものであり、上記中国特許出願の全ての内容が参照として本発明に援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、サンプル検出および分析装置の分野に関し、特にフローセルおよびそれを有する液体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0003】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、サンプル検出分析およびサンプル分離精製のプロセスで一般的に使用される。紫外分光検出器は、高速液体クロマトグラフのコアコンポーネントであり、フローセルは、紫外分光検出器のコアコンポーネントである。
【0004】
従来の紫外分光検出器では、フローセルの異なるメーカーが採用する流路および光路設計は、ほとんど内部構造がSS316Lステンレス部品から加工されてなる。実際の液体クロマトグラフの使用において、ステンレス部品の小孔の粗さは通常0.8のみであり、液体による光の散乱と外部光路のずれによって、光線が必然にフローセルの吸収領域で小孔の内壁に照射するため、迷光が大きくなり、光エネルギーが損失する。また、フローセルの物理寸法は、外部光路の寸法の制限により制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する技術課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。このため、本発明は、内部の迷光が小さく、光エネルギーの損失が小さいフローセルを提供する。
【0006】
本発明は、さらに、前記フローセルを有する液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施例によるフローセルは、取付チャンバが画定されるハウジングと、前記取付チャンバ内に設けられ、内部に液体通路、液体供給溝および液体排出溝が設けられるセルコアであって、前記液体供給溝と前記液体排出溝とが前記セルコアの対向する両側に形成され、前記液体通路の両端がそれぞれ前記液体供給溝と前記液体排出溝とに連通するセルコアと、前記液体通路内に嵌合される液体コア導波路であって、内部で液体が流通し、光線が伝播する液体コア導波路と、入口接続アセンブリと、出口接続アセンブリと、を含み、前記入口接続アセンブリは、前記セルコアの前記液体供給溝が設けられた一端に押し当てられる入口プレスブロックと、前記入口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体供給溝に連通する液体供給管と、前記入口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体供給溝に連通する入射光管と、を含み、前記出口接続アセンブリは、前記セルコアの前記液体排出溝が設けられた一端に押し当てられ、前記出口接続アセンブリに前記液体排出溝に正対する光出射孔が設けられていることにより、光線が前記入射光管、前記液体供給溝、前記液体コア導波路、前記液体排出溝および前記光出射孔を順に経て前記取付チャンバから出射する。
【0008】
本発明の実施例に係るフローセルによれば、光線が入射光管から液体供給溝に入った後で直接に液体コア導波路に入り、かつ液体コア導波路の内壁面で全反射が発生するため、エネルギー損失および迷光発生の可能性が低減され、光の出射強度に対する光線自体のエネルギー損失または迷光の発生の影響が低減され、液体濃度の検出精度を向上させる。なお、入口プレスブロックと出口接続アセンブリの構造を採用することにより、セルコアをより良好に封止し、より大きな液圧に耐えることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、前記出口接続アセンブリは、前記セルコアの前記液体排出溝が設けられた一端に押し当てられるウィンドウシートを含み、前記ウィンドウシートの前記液体排出溝に向かう側には、遮光膜が設けられ、前記光出射孔は、前記遮光膜に設けられ、前記ハウジングには、前記光出射孔に対応する光通過孔が設けられている。
【0010】
いくつかの具体的な実施例では、前記出口接続アセンブリは、前記光通過孔の周りに設けられ、前記ハウジングと前記ウィンドウシートとの間に介在されるガスケットをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記入口接続アセンブリは、前記セルコアに穿設され、一端が前記液体排出溝に連結される還流管をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施例では、前記入口接続アセンブリは、前記取付チャンバ内に設けられ、前記入口プレスブロックの前記液体供給から離れた側に位置するプリテンション部材をさらに含み、前記プリテンション部材と前記入口プレスブロックとの間には、弾性部材が設けられて前記セルコアと前記入口プレスブロックと前記出口接続アセンブリとの間の封止当接を実現する。
【0013】
いくつかの実施例では、前記出口接続アセンブリは、前記セルコアの前記液体排出溝が設けられた一端に押し当てられる出口プレスブロックと、前記出口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体排出溝に連通する液体排出管と、前記出口プレスブロックに穿設され、かつ前記液体排出溝に連通する出射光管と、をさらに含み、前記光出射孔は、前記出射光管に形成される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記フローセルは、前記液体コア導波路の外側に外嵌される保護シースをさらに含む。
【0015】
いくつかの実施例では、前記ウィンドウシートは、石英ガラスであり、前記光出射孔の直径は、0.5mm以下である。
【0016】
いくつかの実施例では、前記遮光膜は、金属膜またはシルクスクリーン印刷塗料膜である。
【0017】
本発明の実施例に係る液体クロマトグラフは、上述したフローセルを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例に係る液体クロマトグラフは、上述したフローセルを有するため、検出精度が高く、高い液圧に耐えることができる。
【0019】
本発明の追加の態様および利点は、以下の説明において部分的に与えられ、一部は、以下の説明から明らかになるか、または本発明の実施を通じて理解される。
【0020】
本発明の上記および/または追加の態様および利点は、添付の図面を参照する実施例の説明から明らかになり、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例のフローセルの概略構成図である。
図2図1に示すフローセルのセルコアの液体排出溝の縦断面図である。
図3図1に示すフローセルのセルコアの液体供給溝の縦断面図である。
図4】本発明の一実施例のフローセルの概略構成図である。
図5図4に示すフローセルのセルコアの液体排出溝の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、前記実施例の例示は図面に示されており、同一または類似の参照番号は、同一または類似の素子、あるいは、同一または類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照して説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためにのみ使用されるが、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0023】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語によって示される方位または位置関係は、図面に示される方位または位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明し、説明を簡略化するためだけであり、言及される装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成および動作しなければならないことを明示的または暗黙的に指すものではないため、発明を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されたい。なお、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つまたは複数のそのような特徴を明示的または暗黙的に含んでもよい。本発明の説明において、特に明記しない限り、「複数」は、2つまたは2つ以上を意味する。
【0024】
本発明の説明において、特に明記し、限定するしない限り、「取付」、「連結」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、または一体的な接続であってもよいし、機械的接続でも電気的接続でもよいし、直接的な接続でも中間媒体による間接的な接続でもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0025】
以下、参考図1図5を参照して本発明の実施例に係るフローセル1の具体的な構成を説明する。
【0026】
図1に示すように、本発明の実施例によるフローセル1は、ハウジング11と、セルコア12と、液体コア導波路13と、入口接続アセンブリ14と、出口接続アセンブリ15とを含む。
【0027】
図1図4に示すように、ハウジング11は、取付チャンバ111が画定され、セルコア12は、取付チャンバ111内に設けられ、セルコア12内には、液体通路121と液体供給溝122と液体排出溝123とが設けられ、液体供給溝122と液体排出溝123とがセルコア12の対向する両側に形成され、液体通路121の両端がそれぞれ液体供給溝122と液体排出溝123に連通し、液体コア導波路13が液体通路121内に嵌合され、液体コア導波路13内では、液体が流通し、光線が伝播する。入口接続アセンブリ14は、入口プレスブロック141と液体供給管142と入射光管143とを含み、入口プレスブロック141は、セルコア12の液体供給溝122が設けられた一端に押し当てられ、液体供給管142は、入口プレスブロック141に穿設され、液体供給管142は、液体供給溝122に連通し、入射光管143は、入口プレスブロック141に穿設され、入射光管143は、液体供給溝122に連通し、出口接続アセンブリ15は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられている。出口接続アセンブリ15には、液体排出溝123に正対する光出射孔15aが設けられていることにより、光線が入射光管143、液体供給溝122、液体コア導波路13、液体排出溝123および光出射孔15aを順に経て取付チャンバ111から出射する。
【0028】
液体が液体コア導波路13を流れる際に光線が照射されると、液体が光線の一部を吸収し、光の入射強度と出射強度から、液体の濃度がランバートベールの式によって算出され得ることが理解され得る。光線は、伝播過程で迷光およびエネルギー損失が発生する可能性があり、これらの要因によって、光の出射強度に偏差が生じ、液体の濃度の算出に偏差が生じる。
【0029】
本発明の実施例では、光線は入射光管143から液体供給溝122に入った後、直接に液体コア導波路13に入り、液体コア導波路13の内壁面で全反射が発生し、エネルギー損失および迷光発生の可能性が低減され、光の出射強度に対する光線自体のエネルギー損失または迷光の発生の影響が低減され、液体濃度の検出精度が向上する。なお、本発明では、入口プレスブロック141は、セルコア12の液体供給溝122が設けられた一端に押し当てられ、出口接続アセンブリ15は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられ、フローセル1の封止性を良好に保証するとともに、より高い液圧に耐えることができる。
【0030】
本発明の実施例によるフローセル1では、光線が入射光管143から液体供給溝122に入った後、直接に液体コア導波路13に入り、かつ液体コア導波路13の内壁面で全反射が発生するため、エネルギー損失および迷光発生の可能性が低減され、光の出射強度に対する光線自体のエネルギー損失または迷光の発生の影響が低減され、液体濃度の検出精度が向上する。なお、入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15の構造を採用することにより、セルコア12をより良く封止し、より高い液圧に耐えることができる。
【0031】
好ましくは、液体コア導波路13は、液体よりも屈折率が低いTEFLON 2400などのTEFLON管(テフロン管)が使用される。
【0032】
好ましくは、図1に示すように、入射光管143は、光ファイバであり、光ファイバの外部には、光ファイバを保護するための入射スリーブ147がさらに外嵌されている。これにより、入射光管143内での光線の安定した伝播を保証するとともに、光ファイバを保護し、フローセル1の使用寿命を延ばす。
【0033】
好ましくは、図1に示すように、液体供給溝122の入射光管143に正対する部分の断面が弓形であり、液体供給溝122の液体供給管142に正対する部分の断面形状が長尺形状である。これにより、光線が液体コア導波路13内に良好に入射することを保証できるとともに、液体が液体コア導波路13内に流入することを保証でき、入射光のエネルギー損失を低減するとともに、液体が液体供給溝122に堆積することを回避する。
【0034】
いくつかの実施例では、図1に示すように、出口接続アセンブリ15は、ウィンドウシート151を含み、ウィンドウシート151は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられ、ウィンドウシート151の液体排出溝123に向かう側には、遮光膜152が設けられ、光出射孔15aが遮光膜152に設けられ、ハウジング11には、光出射孔15aに対応する光通過孔112が設けられている。従来技術では、スリットまたは絞りの役割を果たすために、封止ガスケットに小孔を開設することが一般的であるが、本発明では、ウィンドウシート151の液体排出溝123に向かう側の遮光膜152に、光出射孔15aを開設することにより、迷光発生の可能性が低減され、ウィンドウシート151の製造がより容易であり、より高い液圧に耐えることができることが理解されたい。
【0035】
好ましくは、ウィンドウシート151は、石英ガラスであり、光出射孔15aの直径は、0.5mm以下である。ウィンドウシート151は、より大きな液圧に耐えることができるように石英ガラスを採用している。なお、光出射孔15aが大きすぎると、外部光線が液体排出溝123に入り、検出結果に影響を与えるため、光出射孔15aの直径を0.5mm以下の小孔とすることで、外部光線の侵入を良好に回避して検出精度を保証することができる。当然、ここで、光出射孔15aのサイズは、実際の状況に応じて選択することができ、上記範囲に限定されないことに留意されたい。
【0036】
好ましくは、遮光膜152は、金属膜またはシルクスクリーン印刷塗料膜である。これにより、遮光膜152とウィンドウシート151とを密着させることができ、遮光膜152とウィンドウシート151との間に隙間が生じて迷光が発生することを回避する。当然、遮光膜152は、他の遮光材料で製造されてもよく、ここでその説明は省略する。
【0037】
いくつかの具体的な実施例では、出口接続アセンブリ15は、ガスケット157をさらに含み、ガスケット157は、光通過孔112の周りに設けられ、ハウジング11とウィンドウシート151との間に介在される。ハウジング11とウィンドウシート151との間に介在されたガスケット157は、フローセル1の封止効果を向上する一方、ウィンドウシート151をある程度保護する役割を果たすことができることが理解され得る。ここで、ガスケット157は、主に封止効果の向上および保護ウィンドウシート151の保護のために用いられるものであり、ここで、ガスケット157の具体的な種類および材質は、限定されず、ガスケット157の材質および具体的な種類は、実際の状況に応じて選択され得ることに留意されたい。
【0038】
いくつかの実施例では、図1に示すように、入口接続アセンブリ14は、還流管144をさらに含み、還流管144は、セルコア12に穿設され、還流管144の一端が液体排出溝123に連結されている。液体は、液体排出溝123を経てから還流管144に流入し、そして還流管144から流出し、これにより、液体の流入口と流出口が共にセルコア12の同一側に位置し、フローセル1の体積が小さくなり、液体の循環使用が容易になることが理解され得る。
【0039】
いくつかの実施例では、図1図4に示すように、入口接続アセンブリ14は、プリテンション部材145をさらに含み、プリテンション部材145は、取付チャンバ111内に設けられ、入口プレスブロック141の液体供給溝122から離れた側に位置し、プリテンション部材145と入口プレスブロック141との間には、弾性部材146が設けられてセルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接を実現する。プリテンション部材145と弾性部材146の存在により、セルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接が実現でき、液体漏れの発生が回避されることが理解され得る。ここで、プリテンション部材145と取付チャンバ111の側壁との間は、ネジで接続されてもよく、これにより、プリテンション部材145の取付が容易となるとともに、プリテンション部材145と弾性部材146のセルコア12、入口プレスブロック141および出口接続アセンブリ15に対する封止当接役割が保証されることに留意されたい。なお、ここで、弾性部材146の種類を限定せず、弾性部材146は、スプリング、蝶形弾性片、または弾性パッドなどの構成であってもよく、弾性部材146の具体的な種類、材質は、実際の状況に応じて具体的に限定され得る。
【0040】
いくつかの実施例では、図1図4に示すように、入口接続アセンブリ14は、プリテンション部材145をさらに含み、プリテンション部材145は、取付チャンバ111内に設けられ、入口プレスブロック141の液体供給口から離れた側に位置し、プリテンション部材145と入口プレスブロック141との間には、弾性部材146が設けられてセルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接を実現する。プリテンション部材145と弾性部材146の存在により、セルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接が実現でき、液体漏れの発生が回避されることが理解され得る。ここで、プリテンション部材145と取付チャンバ111の側壁との間は、ネジで接続されてもよく、これにより、プリテンション部材145の取付が容易となるとともに、プリテンション部材145と弾性部材146のセルコア12、入口プレスブロック141および出口接続アセンブリ15に対する封止当接役割が保証されることに留意されたい。なお、ここで、弾性部材146の種類を限定せず、弾性部材146は、スプリング、蝶形弾性片、または弾性パッドなどの構成であってもよく、弾性部材146の具体的な種類、材質は、実際の状況に応じて具体的に限定され得る。
【0041】
いくつかの実施例では、図4に示すように、出口接続アセンブリ15は、出口プレスブロック153と、液体排出管154と、出射光管155とをさらに含む。出口プレスブロック153は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられ、液体排出管154は、出口プレスブロック153に穿設され、かつ液体排出溝123に連通し、出射光管155は、出口プレスブロック153に穿設され、かつ液体排出溝123に連通し、光出射孔15aは、出射光管155に形成される。出口プレスブロック153と入口プレスブロック141の存在により、フローセル1の封止性をより良好に保証し、液体漏れの発生を回避できることが理解され得る。なお、液体排出溝123に連結する出射光管155を設けることで、光線が液体排出溝123を通過した後直接に出射光管155に入ることができ、このように、エネルギー損失および迷光発生の可能性が低減され、光線自体のエネルギー損失または迷光の発生による光の出射強度への影響が低減され、液体濃度の検出精度が向上する。
【0042】
好ましくは、出射光管155は、光ファイバであり、光ファイバの外部には、光ファイバを保護するための出射スリーブ156がさらに外嵌されている。これにより、出射光管155内での光線の安定した伝播を保証するとともに、光ファイバを保護し、フローセル1の使用寿命を延ばす。
【0043】
いくつかの実施例では、図1図4に示すように、フローセル1は、保護シース16をさらに含み、保護シース16は、液体コア導波路13の外側に外嵌されている。保護シース16は、液体コア導波路13を保護する役割を果たすことが理解され得る。当然、保護シース16は、主に、液体コア導波路13を保護する役割を果たし、ここで、保護シース16の具体的な種類は、限定されない。
【実施例1】
【0044】
本実施例のフローセル1は、ハウジング11と、セルコア12と、液体コア導波路13と、入口接続アセンブリ14と、出口接続アセンブリ15とを含む。ハウジング11は、取付チャンバ111が画定され、セルコア12は、取付チャンバ111内に設けられ、セルコア12内には、液体通路121と、液体供給溝122と、液体排出溝123とが設けられ、液体供給溝122と液体排出溝123とがセルコア12の対向する両側に設けられ、液体通路121の両端がそれぞれ液体供給溝122と液体排出溝123に連通し、液体コア導波路13は、液体通路121内に嵌合し、液体コア導波路13内では、液体が流通し、光線が伝播し、液体コア導波路13には、保護シース16が外嵌されている。入口接続アセンブリ14は、入口プレスブロック141と、液体供給管142と、入射光管143と、還流管144と、プリテンション部材145と、弾性部材146とを含み、入口プレスブロック141は、セルコア12の液体供給溝122が設けられた一端に押し当てられ、液体供給管142は、入口プレスブロック141に穿設され、かつ液体供給管142は、液体供給溝122に連通し、入射光管143は、入口プレスブロック141に穿設され、かつ入射光管143は、液体供給溝122に連通し、出口接続アセンブリ15は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられている。還流管144はセルコア12に穿設され、還流管144の一端が液体排出溝123に連結されている。入射光管143は、光ファイバであり、かつ入射光管143には、入射スリーブ147が外嵌されている。プリテンション部材145は、取付チャンバ111内に設けられ、かつ入口プレスブロック141の液体供給溝122から離れた側に位置し、プリテンション部材145と入口プレスブロック141との間には、弾性部材146が設けられてセルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接を実現する。出口接続アセンブリ15は、ウィンドウシート151とガスケット157とを含み、ウィンドウシート151は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられ、ウィンドウシート151の液体排出溝123に向かう側には、遮光膜152が設けれ、光出射孔15aが遮光膜152に設けられ、ハウジング11には、光出射孔15aに対応する光通過孔112が設けられている。
【0045】
本実施例のフローセル1は、ハウジング11と、セルコア12と、液体コア導波路13と、入口接続アセンブリ14と、出口接続アセンブリ15とを含む。ハウジング11は、取付チャンバ111が画定され、セルコア12は、取付チャンバ111内に設けられ、セルコア12内には、液体通路121と、液体供給溝122と、液体排出溝123とが設けられ、液体供給溝122と液体排出溝123とがセルコア12の対向する両側に設けられ、液体通路121の両端がそれぞれ液体供給溝122と液体排出溝123に連通し、液体コア導波路13は、液体通路121内に嵌合し、液体コア導波路13内では、液体が流通し、光線が伝播し、液体コア導波路13には、保護シース16が外嵌されている。入口接続アセンブリ14は、入口プレスブロック141と、液体供給管142と、入射光管143と、還流管144と、プリテンション部材145と、弾性部材146とを含み、入口プレスブロック141は、セルコア12の液体供給溝122が設けられた一端に押し当てられ、液体供給管142は、入口プレスブロック141に穿設され、かつ液体供給管142は、液体供給溝122に連通し、入射光管143は、入口プレスブロック141に穿設され、かつ入射光管143は、液体供給溝122に連通し、出口接続アセンブリ15は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられている。還流管144はセルコア12に穿設され、還流管144の一端が液体排出溝123に連結されている。入射光管143は、光ファイバであり、かつ入射光管143には、入射スリーブ147が外嵌されている。プリテンション部材145は、取付チャンバ111内に設けられ、かつ入口プレスブロック141の液体供給口から離れた側に位置し、プリテンション部材145と入口プレスブロック141との間には、弾性部材146が設けられてセルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接を実現する。出口接続アセンブリ15は、ウィンドウシート151とガスケット157とを含み、ウィンドウシート151は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられ、ウィンドウシート151の液体排出溝123に向かう側には、遮光膜152が設けれ、光出射孔15aが遮光膜152に設けられ、ハウジング11には、光出射孔15aに対応する光通過孔112が設けられている。
【0046】
本実施例に係るフローセル1は、ハウジング11と、セルコア12と、液体コア導波路13と、入口接続アセンブリ14と、出口接続アセンブリ15とを含む。ハウジング11は、取付チャンバ111が画定され、セルコア12は、取付チャンバ111内に設けられ、セルコア12内には、液体通路121と液体供給溝122と液体排出溝123とが設けられ、液体供給溝122と液体排出溝123がセルコア12の対向する両側に設けられ、液体通路121の両端がそれぞれ液体供給溝122と液体排出溝123に連通し、液体コア導波路13は、液体通路121内に嵌合し、液体コア導波路13内では、液体が流通し、光線が伝播し、液体コア導波路13には、保護シース16が外嵌されている。入口接続アセンブリ14は、入口プレスブロック141と、液体供給管142と、入射光管143と、還流管144と、プリテンション部材145と、弾性部材146とを含み、入口プレスブロック141は、セルコア12の液体供給溝122が設けられた一端に押し当てられ、液体供給管142は、入口プレスブロック141に穿設され、液体供給管142は、液体供給溝122に連通し、入射光管143は、入口プレスブロック141に穿設され、かつ入射光管143は、液体供給溝122に連通し、出口接続アセンブリ15は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられる。還流管144は、セルコア12に穿設され、還流管144の一端が液体排出溝123に連結される。入射光管143は、光ファイバであり、かつ入射光管143には、入射スリーブ147が外嵌されている。プリテンション部材145は、取付チャンバ111内に設けられ、かつ入口プレスブロック141の液体供給溝122から離れた側に位置し、プリテンション部材145と入口プレスブロック141との間には、弾性部材146が設けられてセルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接を実現する。
【0047】
本実施例に係るフローセル1は、ハウジング11と、セルコア12と、液体コア導波路13と、入口接続アセンブリ14と、出口接続アセンブリ15とを含む。ハウジング11は、取付チャンバ111が画定され、セルコア12は、取付チャンバ111内に設けられ、セルコア12内には、液体通路121と液体供給溝122と液体排出溝123とが設けられ、液体供給溝122と液体排出溝123がセルコア12の対向する両側に設けられ、液体通路121の両端がそれぞれ液体供給溝122と液体排出溝123に連通し、液体コア導波路13は、液体通路121内に嵌合し、液体コア導波路13内では、液体が流通し、光線が伝播し、液体コア導波路13には、保護シース16が外嵌されている。入口接続アセンブリ14は、入口プレスブロック141と、液体供給管142と、入射光管143と、還流管144と、プリテンション部材145と、弾性部材146とを含み、入口プレスブロック141は、セルコア12の液体供給溝122が設けられた一端に押し当てられ、液体供給管142は、入口プレスブロック141に穿設され、液体供給管142は、液体供給溝122に連通し、入射光管143は、入口プレスブロック141に穿設され、かつ入射光管143は、液体供給溝122に連通し、出口接続アセンブリ15は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられる。還流管144は、セルコア12に穿設され、還流管144の一端が液体排出溝123に連結される。入射光管143は、光ファイバであり、かつ入射光管143には、入射スリーブ147が外嵌されている。プリテンション部材145は、取付チャンバ111内に設けられ、かつ入口プレスブロック141の液体供給口から離れた側に位置し、プリテンション部材145と入口プレスブロック141との間には、弾性部材146が設けられてセルコア12と入口プレスブロック141と出口接続アセンブリ15との間の封止当接を実現する。
【0048】
出口接続アセンブリ15は、出口プレスブロック153と、液体排出管154と、出射光管155とをさらに含む。出口プレスブロック153は、セルコア12の液体排出溝123が設けられた一端に押し当てられ、液体排出管154は、出口プレスブロック153に穿設され、かつ液体排出溝123に連通する。出射光管155は、出口プレスブロック153に穿設され、かつ液体排出溝123に連通し、光出射孔15aは、出射光管155に形成される。出射光管155は、光ファイバであり、入射光管143には、出射スリーブ156が外嵌されている。
【0049】
本発明の実施例による液体クロマトグラフは、前記フローセル1を含む。
【0050】
本発明の実施例による液体クロマトグラフは、前記フローセル1を有するため、検出精度が高く、高い液圧に耐えることができる。
【0051】
本明細書の記載において、「実施例」、「例示」などの用語に関する記載は、当該実施例または例示に関連して記載される具体的な特徴、構成、材料または特性が、本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例または例示を指すものではない。さらに、記載される具体的な特徴、構成、材料または特性は、1つまたは複数の実施例または例示のいずれかにおいて、適切な方法で組み合わされ得る。
【0052】
本発明の実施例について図示および説明したが、当業者は、本発明の原理および趣旨から逸脱することなく、様々な変更、補正、置換および変形が可能であり、本発明の範囲が請求項およびその均等物によって限定されることを理解し得る。
【符号の説明】
【0053】
1 フローセル
11 ハウジング
111 取付チャンバ
112 光通過孔
12 セルコア
121 液体通路
122 液体供給溝
123 液体排出溝
13 液体コア導波路
14 入口接続アセンブリ
141 入口プレスブロック
142 液体供給管
143 入射光管
144 還流管
145 プリテンション部材
146 弾性部材
147 入射スリーブ
15 出口接続アセンブリ
15a 光出射孔
151 ウィンドウシート
152 遮光膜
157 ガスケット
153 出口プレスブロック
154 液体排出管
155 出射光管
156 出射スリーブ
16 保護シース
図1
図2
図3
図4
図5