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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】洋式便器及び人体洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
E03D9/08 B
E03D9/08 D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020551839
(86)(22)【出願日】2019-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2019078406
(87)【国際公開番号】W WO2019184738
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】201810254269.0
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522129867
【氏名又は名称】南京美小甲科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】曹 可瀚
(72)【発明者】
【氏名】曹 乃承
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532025(JP,A)
【文献】米国特許第09428898(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000025(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、ユーザが座るための便座と、給水システムと、下水システムと、洗浄ノズルと、を含む洋式便器であって、
少なくとも一つの測定制御モジュールと、少なくとも一つの測定実行モジュールを含み、便座内に位置する人体の部位に対して3次元測定を行うことにより、人体表面の3次元点群を取得し、前記測定制御モジュールにより人体表面の3次元モデルを構築可能な少なくとも一つの測定モジュールと、
前記人体表面の3次元点群及び/又は人体の3次元モデルから人体の各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を計算可能な少なくとも一つの人体部位識別モジュールと、
人体の各部分の空間的位置に基づいて洗浄する必要のある人体の部位が洗浄水により洗い流されるように洗浄実行モジュールの移動を制御可能な少なくとも一つの洗浄制御モジュールと、を含み、
前記測定制御モジュールは、3次元点群及び/又は人体表面の3次元モデルを人体部位識別モジュールに転送可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項2】
便器本体と、ユーザが座るための便座と、を含む洋式便器であって、
少なくとも一つの測定モジュールと、少なくとも一つのスマート端末装置と、を含み、
前記測定モジュールは、少なくとも一つの測定実行モジュールとを含み、
前記スマート端末装置は、
前記測定実行モジュールが人体に対して3次元測定を行うように前記測定実行モジュールを制御可能な少なくとも一つの人体部位識別モジュールと、
人体の各部位を識別し、各部位の3次元位置を確定可能な少なくとも一つの洗浄制御モジュールと、
人体の部位の3次元位置に基づいて、洗浄実行機構が人体に対して洗浄を行うように洗浄実行機構を制御可能な少なくとも一つの測定制御モジュールと、を含む
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項3】
洋式便器であって、
人体に対して3次元測定を行うとともに、リアルタイムで排便及び/又は排尿の過程を検出可能な少なくとも一つの測定モジュールと、
点群及び/又は人体モデルから人体の各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を計算可能な少なくとも一つの人体部位識別モジュールと、
少なくとも一つの收集洗浄実行モジュール及び少なくとも一つの收集洗浄制御モジュールを含む少なくとも一つの収集洗浄モジュールと、を含み、
前記收集洗浄制御モジュールは、測定モジュール及び人体部位識別モジュールによって送信された情報に基づいて、收集洗浄実行モジュールが人体の対応部位に移動するように收集洗浄実行モジュールを制御可能であり、
前記收集洗浄実行モジュールは、糞便/尿液を収集し、人体の対応部位を洗浄し、洗浄した後の水を収集可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の洋式便器であって、
前記人体部位識別モジュールは、識別された人体の部位に基づいてユーザの性別及び/又は年齢を判断可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の洋式便器であって、
前記洗浄制御モジュールは、ユーザの性別及び/又は年齢に基づいて洗浄計画を選択可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の洋式便器であって、
前記測定モジュールは、リアルタイムでユーザの排便及び/又は排尿の過程を検出可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の洋式便器であって、
前記洗浄制御モジュールは、排便及び/又は排尿の情報に基づいて洗浄計画を選択可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の洋式便器であって、
前記測定モジュールは、人体各部位の3次元形態及び/又は皮膚表面の滑らかさを検出することにより、各部位が正常な状態にあるか否かを判断可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の洋式便器であって、
前記測定モジュールは、複数の検出結果を記録し比較することにより、人体各部位に進行性変化があるか否かを判断可能である
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の洋式便器であって、
前記洗浄制御モジュールは、洗浄水流の数学モデル及び/又は3次元モデルを構築し、人体表面の3次元点群及び/又は人体の3次元モデル、及び洗浄水流の数学モデル及び/又は3次元モデルに基づいて洗浄ノズルの位置と水流が人体に接触する部位及び/又は人体表面位置との対応関係を構築する
ことを特徴とする洋式便器。
【請求項11】
請求項1から3のいずれか1項に記載の洋式便器による人体洗浄方法であって、
人体に対して3次元測定を行うステップaと、
人体表面の3次元点群データに基づいて人体各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を確定するステップbと、
洗浄する必要のある部位が洗い流されるように洗浄実行モジュールを移動させるステップcと、を含む
ことを特徴とする洋式便器による人体洗浄方法。
【請求項12】
請求項1から3のいずれか1項に記載の洋式便器による人体洗浄方法であって、
人体に対して3次元測定を行うステップaと、
人体表面の点群データに基づいて人体の3次元モデルを構築するステップbと、
3次元モデルに基づいて人体各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を確定するステップcと、
洗浄ノズルを洗浄する必要のある部位に移動させるステップdと、を含む
ことを特徴とする洋式便器による人体洗浄方法。
【請求項13】
請求項1から3のいずれか1項に記載の洋式便器による人体洗浄方法であって、
人体に対して3次元測定を行うステップaと、
3次元点群及び/又は人体表面の3次元モデルから人体各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を確定するステップbと、
洗浄ノズルの位置と水流が接触する人体表面の位置との対応関係を構築するステップcと、
洗浄する必要のある部位を確定し、対応関係に基づいて洗浄ノズルを洗浄する必要のある部位に対応する位置に移動させるステップdと、
洗浄を開始するステップeと、を含む
ことを特徴とする洋式便器による人体洗浄方法。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか1項に記載の洋式便器による人体洗浄方法であって、
洗浄制御モジュールにより洗浄水流の数学モデル及び/又は3次元モデルを構築し、人体表面の3次元点群及び/又は人体の3次元モデル、及び洗浄水流の数学モデル及び/又は3次元モデルに基づいて洗浄ノズルの位置と水流が接触する人体部位及び/又は人体表面位置との対応関係を構築するステップaと、
洗浄する必要のある人体の部位を確定するステップbと、
洗浄制御モジュールにより対応関係に基づいて洗浄実行モジュール/洗浄ノズルが洗浄する必要のある部位に対応する洗浄ノズルの位置に移動させるステップcと、を含む
ことを特徴とする洋式便器による人体洗浄方法。
【請求項15】
請求項8又は9に記載の洋式便器による人体検出方法であって、
前記測定モジュールにより人体各部位の3次元形状及び/又は皮膚表面の滑らかさを検出するステップaと、
各部位が正常状態にあるか否かを判断するステップbと、を含む
ことを特徴とする洋式便器による人体検出方法。
【請求項16】
請求項15に記載の洋式便器による人体検出方法であって、
前記ステップbの後に、
複数の検出結果を記録し比較することにより、人体各部位に進行性変化があるか否かを判断するステップb1をさらに含む
ことを特徴とする洋式便器による人体検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレット器具に関し、特に洋式便器に関する。
【背景技術】
【0002】
洋式便器は、洋式トイレとも呼ばれ、よく使われているトイレット器具である。現在、トイレした後に肛門など人体を洗うことができるスマート洋式便器がある。従来のスマート洋式便器において、洗浄ノズルは、通常、固定の位置で水を噴射し、ユーザの身長、座る位置に応じてノズルの位置を変化させることができない。ノズルの前後の位置を調節できるスマート洋式便器があるが、ユーザが手動で調節する必要があるため、便利ではない。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、人体の各部位の位置を自動的に判断し、洗浄ノズルの位置を自動的に調節し、人体の対応部位を正確に洗浄できる洋式便器を提供することを目的とする。
【0004】
本発明のある様態によれば、洋式便器は、便器本体と、便座と、給水システムと、下水システムと、人体洗浄実行モジュールと、を含む。人体洗浄実行モジュールは、洗浄ノズルと、サーボ機構と、駆動回路と、を含む。洗浄実行モジュールは、前後に移動することにより洗浄ノズルと洗浄水流の位置を変化させることができる。使用する際に、ユーザは、便座に座る。洋式便器は、便座内に位置する人体の部位に対して3次元測定を行うことにより、便座内に位置する人体の部位の人体表面の3次元点群を取得し、便座内に位置する人体の部位の人体の3次元モデルを構築可能な少なくとも一つの人体測定モジュールと、前記人体表面の3次元点群及び/又は人体の3次元モデルから人体の各部位を識別可能な少なくとも一つの人体部位識別モジュールと、人体の各部分の空間的位置に基づいて洗浄ノズルの位置を変化させ、洗浄する必要のある人体の部位が洗浄水により洗い流されるように洗浄実行モジュールの移動を制御可能な少なくとも一つの洗浄制御モジュールと、をさらに含む。
【0005】
洗浄制御モジュールにより洗浄水流の数学モデル及び/又は3次元モデルを構築し、人体表面の3次元点群及び/又は人体の3次元モデル、及び洗浄水流の数学モデル及び/又は3次元モデルに基づいて洗浄ノズルの位置と水流が接触する人体部位及び/又は人体表面位置との対応関係を構築する。人体を洗浄する必要があるとき、洗浄する必要のある人体の部位を確定し、洗浄制御モジュールにより対応関係に基づいて洗浄実行モジュール/洗浄ノズルが洗浄する必要のある部位に対応する洗浄ノズルの位置に移動させる。すなわち、洗浄制御モジュールは、前記対応関係に基づいて任意の洗浄する必要のある部位に対応する洗浄ノズルの位置を確認することができる。ある部位が洗浄する必要があるとき、洗浄制御モジュールは、洗浄ノズルを当該部位に対応する位置まで移動させる。
【0006】
人体測定モジュールは、3次元レーザ走査方式及び/又はTOF方式及び/又は両面ステレオビジョン方式及び/又は構造化光方式及び/又は超音波測定方式及び/又はその他の公知方式により人体表面の形態を測定し、人体の3次元データを取得し、人体の3次元モデルを構築する。
【0007】
人体測定モジュールは、人体各部位の形態、皮膚表面の滑らかさ、皮膚の色を検出することにより、各部位が正常な状態にあるか否かを判断することができる。前記検出には、3次元形態検出、可視光/赤外線画像検出が含まれる。肛門部位に痔核があるか否か、人体の下部の皮膚に異常な痣及び色素沈着領域があるか否かを検出することが好ましい。人体測定モジュールは、複数回の検出結果を記録し、比較することにより、人体の各部位に進行性の変化があるか否かを判断することができる。痔核が大きくなったか否か、異常な痣が継続的に大きくなったか否か、色素沈着領域が拡大したか否かを判断することが好ましい。
【0008】
本発明の洋式便器は、ユーザの身長、座る位置に応じて洗浄ノズルの位置を変化させることができ、洗浄ノズルを常に洗浄する必要のある部位を正確に洗浄させることができる。ユーザが手動で調節する必要がなく、体を移動する必要もない。本発明の洋式便器は、無重力環境に適用することができ、収集装置と人体部位との間の位置合わせの問題を解決し、宇宙飛行士がトイレする難度を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例に係る洋式便器の動作原理図である。
図2】本発明の実施例に係る測定実行モジュールの構造模式図である。
図3】本発明のある実施例の原理図である。
図4】本発明の他の実施例の原理図である。
図5】本発明の実施例に係る洋式便器の人体洗浄方法のフローチャートである。
図6】本発明の実施例に係る洋式便器の人体洗浄方法のフローチャートである。
図7】本発明の実施例に係る洋式便器の人体洗浄方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面において、同じ構造又は類似の構造を有する部品は同じ番号で示される。
【0011】
図1において、ユーザ1は、便器本体2に座り、便器には、便座が設けられる。洋式便器は、少なくとも一つのスマート洗浄モジュールを含み、前記スマート洗浄モジュールは、少なくとも一つの洗浄実行モジュール30を含む。洗浄実行モジュール30は、ウォーターポンプ、洗浄ノズル、サーボ機構などを含む。洗浄ノズルは、サーボ機構の駆動により3次元方向に移動、回転し、水を噴射して人体を洗浄することができる。スマート洗浄モジュールは、少なくとも一つの制御モジュール20を含み、制御モジュール20は、少なくとも一つの測定モジュールと、少なくとも一つの人体部位識別モジュール22と、少なくとも一つの洗浄制御モジュール21と、を含む。測定モジュールは、少なくとも一つの測定制御モジュール23と、少なくとも一つの測定実行モジュールと、を含む。測定実行モジュールは、少なくとも一つのカメラ27、少なくとも一つのラインレーザ26と、公知のサーボ機構と、公知の回路と、を含む。カメラ及びレーザは、便器本体の内側に設けられ、便座の下方/斜め下方に設けられる。ユーザが便座に座ると、測定実行モジュールは、人体の下部及び/又は斜め下方に位置し、レーザから放射される線形レーザが便座内に位置する人体を照射することができ、カメラが便座内に位置する人体の画像を撮影することができる。カメラにフィルタを設けることにより、レーザ波長が長い光を透過させるが、他の波長の光を透過させないため、プライバシーが保護される。測定モジュールは、3次元レーザー走査法により人体をスキャンして測定し、便座内に位置する人体の部位の人体表面の3次元点群を取得する。測定制御モジュールは、人体表面の3次元点群に基づいて人体表面の3次元モデルを構築することができる。測定制御モジュールは、3次元点群及び/又は人体表面の3次元モデルを人体部位識別モジュールに転送できる。人体部位識別モジュールは、これらのデータに基づいて、肛門、生殖器、尿道などの特定の人体部分を識別し、これらの部位の3次元空間位置を計算することができる。人体部位の3次元空間位置情報が洗浄制御モジュールに送信され、洗浄制御モジュールは、洗浄する必要がある部位の空間位置により、ノズルから噴射される水流が洗浄する必要のある人体の部位を正確に洗浄できるように洗浄実行モジュールの移動を制御し、洗浄ノズルの空間位置を変化させる。
【0012】
人体部位識別モジュールは、識別された人体の部位に基づいてユーザの性別を判断し、3次元点群及び/又は人体モデルのサイズに基づいてユーザの大凡の年齢を判断できる。洗浄制御モジュールは、ユーザの性別と年齢に応じて洗浄計画を選択できる。 洗浄計画には、少なくとも1つの成人女性洗浄計画と、少なくとも1つの幼女洗浄計画と、少なくとも1つの男性洗浄計画が含まれる。洗浄計画には、洗浄する部位の組み合わせ、順序、水流の方向、洗浄時間、及び水流強度が含まれる。洗浄部分の組み合わせには、どの部分が洗浄されるかが含まれる。組み合わせには、外生殖器及び肛門が含まれることが好ましい。成人女性洗浄計画には、外陰部及び肛門が洗浄され、水流が人体の前から後ろへ洗浄することが好ましい。ユーザが成年女性であるときに自動的に成人女性洗浄計画が適用されることが好ましい。
【0013】
ユーザが洋式便器に座ると、測定モジュールは、人体を複数測定することができる。測定間隔は5秒以下であることが好ましい。測定モジュールは、リアルタイムでユーザの排便や排尿を監視し、その情報を洗浄制御モジュールに送信することができる。洗浄制御モジュールは、排便及び/又は排尿の情報により、排便か又は排尿かを判断し、洗浄計画を選択することができる。成年女性が排尿するときに成人女性洗浄計画を選択することが好ましい。
【0014】
図2において、測定実行モジュールは、カメラ27と、ラインレーザ26と、サーボ機構と、回路と、を含む。カメラ及びレーザは、ベース28に設けられる。ベースは、回転軸29の周りを揺動することができる。サーボ機構の駆動により、カメラは、レーザとともに揺動し、人体をスキャンし、撮影する。異なる回転角度でレーザスポット画像を撮影することにより、対応する点群を取得することができる。測定実行モジュールは、ケース40と、透光窓41と、ワイパークリーニング機構41と、を含む。ケースと透光窓とを密封して接続することにより、防水、防湿の空間が形成され、この空間には、カメラ、レーザー、サーボ機構、回路などが設けられる。ワイパークリーニング機構は、透光窓上の水滴を除去し、透光窓を清潔に保つことができる。測定実行モジュールは、便器内部における洋式便器の側壁に近い位置に設けられる。測定実行モジュールは、摺動レールに設けられてもよく、サーボ機構の駆動により摺動レールに沿って移動し、人体をスキャンする。また、パターに設けられてもよく、パターにより測定を行う。
【0015】
図3において、洋式便器のスマート洗浄モジュールは、少なくとも一つのスマート端末装置5と、少なくとも一つの駆動制御モジュール50と、を含む。スマート端末装置は、洋式便器制御アプリケーションを含む。洋式便器制御アプリケーションは、少なくとも一つの人体部位識別モジュールと、少なくとも一つの洗浄制御モジュールと、少なくとも一つの測定制御モジュールと、を含む。測定制御モジュールは、駆動制御モジュールにより測定実行モジュール25が人体に対して3次元測定を行い、人体表面の3次元点群を取得し、人体の3次元モデルを構築するように測定実行モジュール25を制御する。人体識別モジュールは、人体の各部位を識別し、各部位の3次元位置を確定することができる。洗浄制御モジュールは、人体の部位的3次元位置に基づいて、駆動制御モジュールにより洗浄実行機構30が人体を洗浄するように洗浄実行機構30を制御する。測定実行モジュールは、スマート端末装置におけるカメラ及び/又は深度感知撮影システムを含んでもよい。
【0016】
本発明の洋式便器は、無重力環境に適用することができ、例えば宇宙飛行士が宇宙ステーションで使用することができる。図4において、洋式便器は、少なくとも一つのスマート洗浄モジュールを含む。スマート洗浄モジュールは、少なくとも一つの制御モジュール20を含む。制御モジュール20は、少なくとも一つの測定モジュールと、少なくとも一つの人体部位識別モジュール22と、少なくとも一つの収集洗浄モジュールと、を含む。収集洗浄モジュールは、少なくとも一つの收集洗浄実行モジュール35と、少なくとも一つの收集洗浄制御モジュール28と、を含む。測定モジュールは、少なくとも一つの測定制御モジュール23と、少なくとも一つの測定実行モジュール25と、を含む。洋式便器を使用する際に、測定モジュールは、継続的に人体に対して3次元測定を行うことにより、人体表面の3次元点群を取得し、リアルタイムで排便及び/又は排尿の過程を検出する。検出方式には、肛門/尿道口の変化の測定と、排出される糞便及び尿の検出が含まれる。測定モジュールは、人体の3次元モデルを構築することができる。人体部位識別モジュールは、点群及び/又は人体モデルから人体の各部位を識別し、人体の肛門、尿道口などの部位の3次元空間位置を計算することができる。測定モジュールは、リアルタイムで人体から排出された糞便及び尿を監視することができる。糞便/尿が体外に排出されると、空気中の糞便/尿がレーザ/可視光/超音波を反射し、測定機構によって検出される。收集洗浄制御モジュールは、測定モジュール及び人体部位識別モジュールから発信された情報に基づいて、收集洗浄実行モジュールが人体の対応部位まで移動するように收集洗浄実行モジュールを制御する。收集洗浄実行モジュールは、糞便収集機構と、尿収集機構と、を含む。糞便収集機構と尿収集機構は、それぞれ一端が開口端であり、他端が負圧吸引器に接続される収集管を含む。負圧吸引器は、負圧を発生するし、排泄物を開口端から収集管に吸引することができる。収集管の開口端は、肛門部位及び尿道口部と位置合わせる。收集洗浄実行モジュールは、収集管の開口端に設けられる洗浄ノズルを含む。ノズルの排水孔は、収集管の開口端の内壁にリンク状に形成されることが好ましい。ノズルは、収集管に設けられなくてもよい。測定モジュールは、リアルタイムで排便及び/又は排尿の過程を検出することができる。人体から排出された糞便及び/又は尿を検出すると、收集洗浄実行モジュールは、負圧吸引及び/又は空気吹きなどの方式により糞便/尿を収集することができる。收集洗浄実行モジュールは、負圧を持続的に発生し、人体排泄物を吸引することができる。洗浄機能がオンにされると、收集洗浄実行モジュールは、人体の対応部位を洗浄し、洗浄後の水を収集することができる。本発明の洋式便器は、障害者に使用することができ、車椅子のクッション又はベッドの下に配置することができる。
【0017】
図5において、洋式便器による人体洗浄方法は、以下のステップを含む。
ステップa、人体に対して3次元測定を行い、人体表面のデータを取得する。
ステップb、人体表面のデータに基づいて人体各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を確定する。
ステップc、洗浄する必要のある部位が洗い流されるように洗浄実行モジュールを移動する。
【0018】
図6において、人体洗浄方法は、以下のステップを含む。
ステップa、人体に対して3次元測定を行い、便座内に位置する人体の部位の人体表面のデータを取得する。
ステップb、人体表面のデータに基づいて人体の3次元モデルを構築する。
ステップc、3次元モデルに基づいて人体各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を確定する。
ステップd、洗浄する必要のある部位が洗い流されるように洗浄ノズルの移動を制御する。
【0019】
図7において、人体洗浄方法は、以下のステップを含む。
ステップa、人体に対して3次元測定を行う。
ステップb、人体各部位を識別し、各部位の3次元空間位置を確定する。
ステップc、洗浄ノズルの位置と水流が接触する人体表面の位置との対応関係を構築する。
ステップd、洗浄する必要のある部位を確定し、対応関係に基づいて洗浄ノズルを洗浄する必要のある部位に対応する位置に移動させる。
ステップe、洗浄を開始する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7