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特許7077516少なくとも2つの送信機を備える送信機ネットワーク、送信機ネットワークにおける送信機、およびこの送信機ネットワークにおける受信機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】少なくとも2つの送信機を備える送信機ネットワーク、送信機ネットワークにおける送信機、およびこの送信機ネットワークにおける受信機
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/06 20090101AFI20220524BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20220524BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220524BHJP
   H04W 76/40 20180101ALI20220524BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20220524BHJP
【FI】
H04W4/06 110
H04W56/00 110
H04W84/12
H04W76/40
H04W28/06 110
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2019526546
(86)(22)【出願日】2017-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2017083500
(87)【国際公開番号】W WO2018114922
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】102016000128328
(32)【優先日】2016-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511109386
【氏名又は名称】インスティテュート フューア ランドファンクテクニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リッペルト、ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】クーネルト、クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】ペターセン、スウェン
(72)【発明者】
【氏名】エル マレク、アハマッド
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-069033(JP,A)
【文献】特表2012-532496(JP,A)
【文献】特開2015-111788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ周波数範囲内で送信をする少なくとも2つの送信機を備え、
前記少なくとも2つの送信機のユニキャスト送信モードでは、前記少なくとも2つの送信機は、複数の連続する第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により送信するように適合させられ、
前記少なくとも2つの送信機はさらに、前記複数の連続する第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔において、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードで、ブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットをそれぞれ同時に送信するように適合させられ、
前記少なくとも2つの送信機により前記第2の時間間隔においてそれぞれ送信される前記ブロードキャスト情報パケットまたは前記マルチキャスト情報パケットは、等しく、かつ、時間的に同期して前記送信機により送信され、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、繰り返し生じるビーコンフレームを含み、
前記繰り返し生じるビーコンフレームのうちのいくつかは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、前記ユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを示す第2の値をそれぞれ有し得、
前記第2のコードワードは、前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準であり、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ
前記EDCAパラメータ要素は、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含む、送信機ネットワーク。
【請求項2】
WiFi(登録商標)ネットワークまたはWLANネットワークに統合された、請求項1に記載の送信機ネットワーク。
【請求項3】
前記少なくとも2つの送信機は、前記第2の時間間隔内で単一周波数ネットワークを形成すべく、互いに時間的に同期される、
請求項1または2に記載の送信機ネットワーク。
【請求項4】
前記少なくとも2つの送信機は、PTPプロトコル(高精度時間プロトコル)に従って互いに時間的に同期される、
請求項3に記載の送信機ネットワーク。
【請求項5】
前記第2の時間間隔は、時間的に繰り返し生じる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の送信機ネットワーク。
【請求項6】
前記第2の時間間隔は、定期的に繰り返し生じる、
請求項5に記載の送信機ネットワーク。
【請求項7】
前記第2の時間間隔の長さは、互いに等しい、
請求項6に記載の送信機ネットワーク。
【請求項8】
2つの連続する第1の時間間隔において、第1の送信機は、ユニキャスト情報パケットを前記2つの連続する第1の時間間隔のうちの一方の第1の時間間隔において送信するように適合させられ、第2の送信機は、前記一方の第1の時間間隔において沈黙し、ユニキャスト情報パケットを前記2つの連続する第1の時間間隔のうちの他方の第1の時間間隔において送信するように適合させられ、前記第1の送信機は、前記他方の第1の時間間隔において沈黙する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の送信機ネットワーク。
【請求項9】
前記送信機ネットワークにおける前記少なくとも2つの送信機を前記ユニキャスト送信モードまたは前記ブロードキャスト送信モードもしくは前記マルチキャスト送信モードで制御するための中央制御ユニットを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の送信機ネットワーク。
【請求項10】
前記中央制御ユニットは、前記第2の時間間隔の前記長さを制御するように適合させられる、
請求項9に記載の送信機ネットワーク。
【請求項11】
請求項9または10に記載の送信機ネットワークにおける前記少なくとも2つの送信機を制御するための中央制御ユニット。
【請求項12】
請求項11に記載の中央制御ユニットの機能を実現するためのソフトウェア。
【請求項13】
送信機ネットワークにおいて用いられ、前記送信機ネットワーク内の他の送信機と同じ周波数範囲内で送信する送信機であって、
前記送信機は、複数の連続する第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により送信し、前記複数の連続する第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔において、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードで、ブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットを、前記他の送信機と同時にWLAN送信信号により送信するように適合させられ、前記第2の時間間隔において前記他の送信機と同時に送信される前記ブロードキャスト情報パケットまたは前記マルチキャスト情報パケットは、等しく、かつ、時間的に同期して前記送信機により送信され、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、繰り返し生じるビーコンフレームを含み、
前記繰り返し生じるビーコンフレームのうちのいくつかは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、前記送信機のユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、前記送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを示す第2の値をそれぞれ有し得、
前記第2のコードワードは、前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準であり、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ
前記EDCAパラメータ要素は、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含む、送信機。
【請求項14】
前記第1のコードワードは1ビットコードワードである、請求項13に記載の送信機。
【請求項15】
「1」と等しい第1の1ビットコードワードが送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを特徴付ける、
請求項14に記載の送信機。
【請求項16】
「0」と等しい第1の1ビットコードワードが送信機の前記ユニキャスト送信モードを特徴付ける、
請求項15に記載の送信機。
【請求項17】
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、前記拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)における未使用のビット組み合わせに格納される、
請求項13から16のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項18】
前記EDCAパラメータ要素は、EDCA部分パラメータ要素(パラメータレコード)と、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードとを含み、
前記EDCA部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において標準化されている前記EDCA部分パラメータ要素のうちの1つである、
請求項13または17に記載の送信機。
【請求項19】
前記第2のコードワードは、インジケータ信号およびN個の時間インジケータを含み、
前記時間インジケータは第2の時間間隔の前記長さの基準であり、Nは1または2と等しい、
請求項13から18のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項20】
送信機ネットワークにおいて用いられ、前記送信機ネットワーク内の他の送信機と同じ周波数範囲内で送信する送信機であって、
前記送信機は、複数の連続する第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により送信し、前記複数の連続する第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔において、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードで、ブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットを、前記他の送信機と同時にWLAN送信信号により送信するように適合させられ、前記第2の時間間隔において前記他の送信機と同時に送信される前記ブロードキャスト情報パケットまたは前記マルチキャスト情報パケットは、等しく、かつ、時間的に同期して前記送信機により送信され、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、繰り返し生じるビーコンフレームを含み、
前記繰り返し生じるビーコンフレームのうちのいくつかは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、前記送信機のユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、前記送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを示す第2の値をそれぞれ有し得、
前記第2のコードワードは、前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準であり、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記第2のコードワードは、インジケータ信号およびN個の時間インジケータを含み、
前記時間インジケータは第2の時間間隔の前記長さの基準であり、Nは1または2と等しく、
N=2であり、前記時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および終了時刻のそれぞれの基準である、送信機。
【請求項21】
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および値を含み、前記値は、前記WLAN送信信号の第2の時間間隔における、前記WLAN送信信号に含まれるビーコンフレームの数の基準である、
請求項13から18のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項22】
送信機ネットワークにおいて用いられ、前記送信機ネットワーク内の他の送信機と同じ周波数範囲内で送信する送信機であって、
前記送信機は、複数の連続する第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により送信し、前記複数の連続する第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔において、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードで、ブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットを、前記他の送信機と同時にWLAN送信信号により送信するように適合させられ、前記第2の時間間隔において前記他の送信機と同時に送信される前記ブロードキャスト情報パケットまたは前記マルチキャスト情報パケットは、等しく、かつ、時間的に同期して前記送信機により送信され、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、繰り返し生じるビーコンフレームを含み、
前記繰り返し生じるビーコンフレームのうちのいくつかは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、前記送信機のユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、前記送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを示す第2の値をそれぞれ有し得、
前記第2のコードワードは、前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準であり、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および値を含み、前記値は、前記WLAN送信信号の第2の時間間隔における、前記WLAN送信信号に含まれるビーコンフレームの数の基準である、送信機。
【請求項23】
特定のビーコンフレームが拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)を含み、前記EDCAパラメータ要素は、少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含み、
前記少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素は、前記少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素の後の前記送信信号にそれぞれ収められる前記第2のコードワードの前記インジケータ信号と、N個の時間インジケータと、値とを含み、Nは1または2と等しい、
請求項19から22のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項24】
前記少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において標準化されている部分パラメータ要素である、
請求項23に記載の送信機。
【請求項25】
前記少なくとも1つの部分パラメータ要素は、前記EDCAパラメータ要素に含まれる追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード、)であり、前記追加の部分パラメータ要素は、前記第2のコードワードの前記インジケータ信号を含む、
請求項23に記載の送信機。
【請求項26】
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む前記ビーコンフレームを生成するための生成ユニットを備え、
さらに、前記ビーコンフレームをユニキャストデータまたはブロードキャストデータもしくはマルチキャストデータと結合して送信用のシリアルデータストリームにするように適合させられる、
請求項13から25のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項27】
中央制御ユニットからの制御信号に応答して、送信データを前記ユニキャストデータから前記ブロードキャストデータまたは前記マルチキャストデータへ切り替える、または、前記送信データを前記ブロードキャストデータまたは前記マルチキャストデータから前記ユニキャストデータへ切り替えるための切り替え装置をさらに備える、
請求項26に記載の送信機。
【請求項28】
前記生成ユニットは、前記ビーコンフレームを生成するように適合させられ、
前記送信機は、中央制御ユニットからの制御信号に応答して、前記ビーコンフレームを前記ユニキャストデータまたは前記ブロードキャストデータもしくは前記マルチキャストデータと結合するように適合させられる、
請求項26に記載の送信機。
【請求項29】
請求項13から28のいずれか一項に記載の送信機の機能を実現するためのソフトウェア。
【請求項30】
送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機であって、
前記受信機は、前記受信機のユニキャスト受信モードでは、複数の連続する第1の時間間隔において、前記送信機ネットワークにおける送信機から、ユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により受信し、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで、前記複数の連続する第1の時間間隔の間に生じる第2の時間間隔においてそれぞれ受信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報をWLAN送信信号により受信するように適合させられ、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームにおいて、ビーコンフレームが繰り返し生じ、特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付け、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードのそれぞれの第2の時間間隔の長さの基準であり、
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記受信機は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備え、
前記第1のコードワードは、前記送信機のユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、または、前記送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを示す第2の値を有し、
前記受信機は、前記第1のコードワードの前記第1の値を検出すると前記ユニキャスト受信モードに切り替わり、かつ、前記第1のコードワードの前記第2の値を検出すると前記ブロードキャスト受信モードまたは前記マルチキャスト受信モードに切り替わるように適合させられ、
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および値を含み、
前記値は、第2の時間間隔において受信される前記送信信号のビーコンフレームの数の基準であり、
前記受信機は、前記インジケータ信号を検出し、かつ、前記インジケータ信号の検出に応答して、受信された前記送信信号から前記値を取得するように適合させられる、受信機。
【請求項31】
前記第1のコードワードは、1ビットコードワードであり、
前記受信機は、前記第1のコードワードの「0」という値を検出するとユニキャスト受信モードに切り替わり、かつ、前記第1のコードワードの「1」という値を検出するとブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードに切り替わるように適合させられる、
請求項30に記載の受信機。
【請求項32】
前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備え、
検出された前記第2のコードワードの値に基づいて、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードをオフに切り替えるように適合させられる、
請求項30まは31に記載の受信機。
【請求項33】
カウンタを備え、
さらに、前記第2のコードワードをカウント値として前記カウンタに格納するように適合させられる、
請求項32に記載の受信機。
【請求項34】
送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機であって、
前記受信機は、前記受信機のユニキャスト受信モードでは、複数の連続する第1の時間間隔において、前記送信機ネットワークにおける送信機から、ユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により受信し、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで、前記複数の連続する第1の時間間隔の間に生じる第2の時間間隔においてそれぞれ受信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報をWLAN送信信号により受信するように適合させられ、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームにおいて、ビーコンフレームが繰り返し生じ、特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付け、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードのそれぞれの第2の時間間隔の長さの基準であり、
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記受信機は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するための検出装置と、カウンタとを備え
前記受信機は、検出された前記第2のコードワードの値に基づいて、前記ブロードキャスト受信モードまたは前記マルチキャスト受信モードをオフに切り替えるように適合させられ、前記第2のコードワードをカウント値として前記カウンタに格納するように適合させられる、受信機。
【請求項35】
前記カウンタは、前記ブロードキャスト受信モードまたは前記マルチキャスト受信モードへの自らの受信モードの切り替えの時点で、自らのカウント値をカウントダウンするように適合させられ、
さらに、前記カウンタにおける前記カウント値がゼロ値に達すると、自らの受信モードを前記ブロードキャスト受信モードまたは前記マルチキャスト受信モードからユニキャスト受信モードに切り替えるように適合させられる、
請求項33または34に記載の受信機。
【請求項36】
送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機であって、
前記受信機は、前記受信機のユニキャスト受信モードでは、複数の連続する第1の時間間隔において、前記送信機ネットワークにおける送信機から、ユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により受信し、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで、前記複数の連続する第1の時間間隔の間に生じる第2の時間間隔においてそれぞれ受信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報をWLAN送信信号により受信するように適合させられ、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームにおいて、ビーコンフレームが繰り返し生じ、特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付け、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードのそれぞれの第2の時間間隔の長さの基準であり、
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記受信機は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備え、
前記特定のビーコンフレームは、拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)を含み、
前記EDCAパラメータ要素は、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含み、
前記検出装置は、前記追加の部分パラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するように適合させられる、受信機。
【請求項37】
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さを特徴付ける、
請求項30から36のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項38】
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および2つの時間インジケータを含み、
前記2つの時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および停止時刻のそれぞれの基準であり、
前記受信機は、前記インジケータ信号を検出し、かつ、前記インジケータ信号の検出に応答して、受信された前記送信信号から前記2つの時間インジケータを取得するように適合させられる、請求項30から36のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項39】
送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機であって、
前記受信機は、前記受信機のユニキャスト受信モードでは、複数の連続する第1の時間間隔において、前記送信機ネットワークにおける送信機から、ユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により受信し、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで、前記複数の連続する第1の時間間隔の間に生じる第2の時間間隔においてそれぞれ受信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報をWLAN送信信号により受信するように適合させられ、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームにおいて、ビーコンフレームが繰り返し生じ、特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付け、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードのそれぞれの第2の時間間隔の長さの基準であり、
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記受信機は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備え、
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および2つの時間インジケータを含み、
前記2つの時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および停止時刻のそれぞれの基準であり、
前記受信機は、前記インジケータ信号を検出し、かつ、前記インジケータ信号の検出に応答して、受信された前記送信信号から前記2つの時間インジケータを取得するように適合させられる、受信機。
【請求項40】
送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機であって、
前記受信機は、前記受信機のユニキャスト受信モードでは、複数の連続する第1の時間間隔において、前記送信機ネットワークにおける送信機から、ユニキャスト情報パケットをWLAN送信信号により受信し、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで、前記複数の連続する第1の時間間隔の間に生じる第2の時間間隔においてそれぞれ受信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報をWLAN送信信号により受信するように適合させられ、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームにおいて、ビーコンフレームが繰り返し生じ、特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付け、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードのそれぞれの第2の時間間隔の長さの基準であり、
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記受信機は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備え、
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および値を含み、
前記値は、第2の時間間隔において受信される前記送信信号のビーコンフレームの数の基準であり、
前記受信機は、前記インジケータ信号を検出し、かつ、前記インジケータ信号の検出に応答して、受信された前記送信信号から前記値を取得するように適合させられる、受信機。
【請求項41】
請求項30から40のいずれか一項に記載の受信機の機能を実現するためのソフトウェア。
【請求項42】
中央制御ユニットにより前記送信機に供給される制御信号に基づいて、自らの送信モードを前記ユニキャスト送信モードから前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードに、およびその逆へ切り替えるように適合させられ、
物理層信号処理ユニットの前、およびMAC層信号処理ユニットの後に収容された切り替えユニットを備える、
請求項13から28のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項43】
ユニキャスト受信モードをブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードに、およびその逆へ切り替えるために、前記受信機は、
物理層信号処理ユニットの後、およびMAC層信号処理ユニットの前で前記受信機に収容された切り替えユニットを備える、
請求項30から40のいずれか一項に記載の受信機。
【請求項44】
前記送信機と、前記他の送信機とは、前記第2の時間間隔内で単一周波数ネットワークを実現すべく、互いに時間的に同期される、
請求項13から28のいずれか一項に記載の送信機。
【請求項45】
単一周波数ネットワークを構築すべく複数の送信機が前記第2の時間間隔内で互いに時間的に同期されるように前記複数の送信機を制御するように適合させられる、請求項11に記載の中央制御ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、少なくとも2つの送信機を備える送信機ネットワークに関する。また、本発明は、この送信機ネットワークにおいて用いられ得る送信機および受信機に関する。
【0002】
そのような送信機ネットワークは、名称WiFi(登録商標)ネットワークまたは他のWLANネットワークから既知であり、当該ネットワークに従って、FortinetおよびMeruなどの製造業者により製造されている。
【0003】
既知のネットワークでは、全ての送信機(アクセスポイント(AP)とも呼ばれる)が同じ無線チャネル内で(同じ周波数で)動作させられる。しかしながら、ここでは全てのAPおよび全ての受信機(クライアントとも呼ばれる)が隣接セル内でさえも同じ周波数で動作するので、干渉性で同時の空間的に隣接する無線送信が発生しないように個々の無線送信の「スケジューリング」を制御する中央知能(コントローラまたは制御デバイスと呼ばれる)が用いられる。無線フィールドを通じて動く場合、それはもはやクライアントではなく、むしろ、どのAPをクライアントが現在用いて無線トラフィックを処理しているかを決定するインフラストラクチャー(コントローラ)であり、アクセスポイントを介したインテリジェント転送(ハンドオーバ)は、いかなる種類のバッファリング処理も行われていない、従って、データ損失が発生している可能性があることを意味する。
【0004】
既知のネットワークの制御は一元的に実行され、コントローラは常に詳細な更新情報を有するので、個々の「クライアントAP接続」の接続品質および送信パラメータが関連する限り、コントローラは、ここで最適化措置を取り得る。最適化措置は、干渉による往復の妨害影響を予め計算し得るので、同時に、クライアントからアクセスポイント(AP)への送信またはAPからクライアントへの送信のどちらが行われ得るか、またはさらに、行われてはならないかを決定する。次に、クライアントからアクセスポイントへの、またはアクセスポイントからクライアントへの1つのまたは他の送信は、時間的に最小限遅延される。とりわけ多数のクライアントのエリアにおいてそのような衝突を回避することにより実現される効果は、無線チャネルにおいて絶えずスループットが高いことである。全てのAPクライアント接続は、ユニキャストモードで動作する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、既知の送信機ネットワークをさらに改善することを意図している。請求項1のプリアンブルによる送信機ネットワークは、請求項1の特徴部において特定される特徴により、本発明に従って特徴付けられる。本発明による送信機は、請求項13に示される特徴により特徴付けられる。本発明による受信機は、請求項30または32に示される特徴により特徴付けられる。
【0006】
本発明による送信機ネットワークの有利な実施形態は、請求項2から10により特徴付けられる。本発明による送信機の有利な実施形態は、請求項14から28および45により特徴付けられる。本発明による受信機の有利な実施形態は、請求項31および33から43および46により特徴付けられる。
【0007】
ここで、本発明の概念は、単一チャネル送信機ネットワーク(単一周波数送信機ネットワーク、SFNとも呼ばれる)に関し、特に、そのようなネットワークにおけるブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信を実現すべく、それに関する。この状況では、マルチキャストがすなわちブロードキャストの特別な場合であり、これに対し、ブロードキャストは常に全ての受信機を対象とし、マルチキャストはアドレス指定されている全ての受信機のうちの特定のサブグループに関与することが言及されるべきである。全てのAPが同じチャネルで、つまり、同じ周波数で送信をするので、ここで、同じデータコンテンツが、全てのAPを介して送信され、特定の同様に規定された期間にわたって、規定された時点で経時的に見られることが可能である。このブロードキャスト/マルチキャスト送信(B/Mモード)は、例えば、単一周波数ネットワーク(SFN)の場合のようなWiFi(登録商標)システムなどのネットワーク送信システムの物理層上で実現される。全ての共通チャネルのAPは、タイミングが正確に同期されている必要がある。これは、例えば、PTP(高精度時間プロトコル)プロトコルをAPへ規則的に送信することでこれを達成するGPSタイマーを用いることにより実現され得る。
【0008】
ここで、2つの動作モードが考えられる。
周期的なB/Mモードが開始される正確な時点、および、同様に、これが続くよう意図される期間がコントローラおよびAPの管理により一度しっかり設定される。 次に、(ユニキャストモードとB/Mモードとの間で適切に変わる)単一チャネル送信機(WiFi(登録商標))ネットワークの動作が、さらなる構成なく自動的に進む。
B/Mモードの開始時点および期間が動的に設定またはカスタマイズされることも考えられる。これは、拡張ビーコンフレームの使用、または、コントローラにより全てのAPに送られ、それに応じて評価される、新たに定義された管理フレームの使用のいずれかにより実現され得る。
【0009】
物理層(PHY)において、データは、以下のとおり運ばれる。つまり、有用なデータビットが、現在の変調およびコーディングスキーム(MCS)のルールに従って、個々のキャリア(PSK、QAM)に対して変調される。次に、特定数のそのようなキャリアの組み合わせがOFDMシンボルをもたらす。OFDMシンボルは、連続する時間で送信される。OFDMシンボルは、特定の休止、ガード間隔(GI)またはそれらの間に置かれる周期的プレフィックス(CP)を常に有する。OFDMシンボルは、特定の期間にわたって、アンテナを介してOFDMシンボル長だけ、常に個別に送信される(例えば、IEEE802.11nによるWiFi(登録商標)の場合、OFDMシンボル長=3200ns、GI_short=400ns、GI_long=800nsである)。
【0010】
ユニキャストモード(UC)では、全ての単一アクセスポイントの個々のOFDMシンボルは、APと接続されているクライアントとの間の単一の現在のUC接続の一部である個々のUCデータで満たされる。APとクライアントとの間には常に、個々の送信リンクがある。BC/MCモード中、OFDMシンボルは常に、そのキャリア上の同一に変調された情報と共に、同じ時点で送信される。MC/BCキューからのデータは、全てのAPのOFDMシンボルに対して変調される。故に、全ての単一の受信機は、OFDMシンボルを1つの送信機のみによって送信されたように「見る」ので、現在のBC期間が続く限り、各APは、適切な複数のOFDMシンボルを送信する。上記OFDMシンボルは、受信機において、無線周波数信号として構成的にオーバーレイする。
【0011】
4×10-7秒というショートGIおよび送信(WiFi(登録商標))信号の3×10m/秒という伝搬スピードでさえ、送信信号(WiFi(登録商標))信号は、GIの期間内の約120m伝搬する。120mより長い距離でのみ、シンボル間の干渉(自己干渉)が発生するであろう。しかしながら、これは、送信(WiFi(登録商標))無線周波数の高度の減衰に起因して、完全に無視できる。距離100mおよび2.4GHzでの純粋な自由空間減衰は、80dB、さらには5GHzで87dBであり、屋内設備では、材料(壁、家具等)に起因して、さらにはるかにより多く減衰する。故に。単一チャネル送信/WiFi(登録商標)の場合におけるBC/MCモードでのOFDMシンボルの強め合うオーバーレイは、送信(WiFi(登録商標))(カバレッジ)によりカバーされる任意のサイズのエリア範囲の場合でさえ作用する。
【0012】
高精度時間プロトコル(PTP)は、コンピュータネットワークにおける複数のデバイスの時間設定の同期をもたらすネットワークプロトコルである。ネットワークタイムプロトコル(NTP)の場合とは異なり、PTPの焦点は、より高い精度およびローカルバウンドネットワークである。PTPは、ハードウェアの実施形態ではナノ秒の領域において精度を実現し得、ソフトウェアの実施形態では数マイクロ秒の領域において精度を実現し得る。PTPは、IEEE1588において定義されており、IEC61588において実装されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、以下の図におけるいくつかの例示的な実施形態に基づいて、より詳細に示される。
図1】本発明による送信機ネットワークの例示的な実施形態を受信機と共に示す。
図2図1の送信機ネットワークにおいて生じ得るいくつかの送信信号の第1の例示的な実施形態を示す。
図2A図1の送信機ネットワークにおいて生じ得るいくつかの送信信号の第2の例示的な実施形態を示す。
図3図1における送信機ネットワークを2つの受信機と共に示す。
図4図3の送信機ネットワークにおいて生じ得るいくつかの送信信号の第1の例示的な実施形態を示す。
図4A図3の送信機ネットワークにおいて生じ得るいくつかの送信信号の第2の例示的な実施形態を示す。
図5】WLAN仕様IEEE802.11による送信機ネットワークの層構造を示す。
図5A】IEEE802.11仕様によるビーコン管理フレームの構造を示す。
図5B】IEEE802.11標準仕様において標準化された、ビーコンフレームにおけるEDCAパラメータ要素の構造を示す。
図6】本発明に従って修正されたEDCAパラメータ要素の第1の例示的な実施形態を示す。
図6A】本発明に従って修正されたEDCAパラメータ要素の第2の例示的な実施形態を示す。
図6B】本発明に従って修正されたEDCAパラメータ要素の第3の例示的な実施形態を示す。
図7図1図2図3および図4の送信機ネットワークにおいて用いられ得る送信機の第1の例示的な実施形態を示す。
図7A図1図2A図3および図4Aの送信機において用いられ得る送信機の第2の例示的な実施形態を示す。
図8】送信機の送信信号におけるいくつかのユニキャストデータフレームおよびいくつかのブロードキャストデータフレームまたはマルチキャストデータフレームを示す。
図9図1図2図3および図4の送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機の第1の例示的な実施形態を示す。
図9A図1図2A図3および図4Aの送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機の第2の例示的な実施形態を示す。
図10】32ビットAC_BCパラメータレコードのさらなる例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[送信機ネットワーク]
図1は、建物内の送信機ネットワーク100を示す。この建物は、中央に講堂102を有し、講堂の両側に、廊下104または106を介して到達し得る部屋R1~R12を有する。建物のあらゆる場所に、同じ周波数範囲内で送信をする送信機(アクセスポイント)AP1、AP2、AP3…が配置されている。各送信機APiの周りの円形の環は、各送信機の送信範囲を示す。送信機AP1、AP2、AP3と送信機AP9からAP13とは、部屋に送信信号が供給され得るように、2つの廊下104、106に配置されている。講堂102内の聴衆に送信信号が供給され得るように、講堂102には、送信機AP4からAP8が配置されている。送信機ネットワーク100は、この例示的な実施形態では2つのコントローラユニット108aおよび108bにより実現される制御デバイス108をさらに備える。図2に基づいて後でさらにより詳細に説明されるように、制御デバイスは、送信機AP1からAP13を制御する。制御ユニット108は、GPSシステム110に接続される。GPSシステムは、WiFi(登録商標)ネットワーク全体の非常に正確なタイミング同期を実現するPTPプロトコルを生成するために用いられ得る。この場合、GPSシステムは、絶対に必要というわけではない。なぜなら、PTPによってさらに必要である場合、送信機ネットワークの正確なタイミング同期は、原子時計によっても実現され得るからである。
【0015】
本発明をさらに説明するために、建物を左から右へと通って動く受信機112があると仮定する。受信機112が建物を通る動きは、線114により示される。受信機112は、最初、部屋R1と部屋R2との間の廊下106における位置112aにあり、従って、送信機AP1の送信範囲内にある。その後、受信機は、位置112bに達するまで右へ動き、従って、送信機AP2等の送信範囲内にある。
【0016】
この状況では、受信機112と送信機APiとの間のデータ送信について3つの状況があることが予め既に言及されているべきである。第1に、受信機112のユーザは、送信機からのブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報の送信のみに関心がある可能性がある。第2に、受信機のユーザは送信機からのユニキャスト情報の送信のみに関心があるという可能性がある。第3に、受信機のユーザはユニキャスト情報の送信およびブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報の送信の両方に関心があるという可能性がある(例えば、ユーザがブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信のリッスンと、例えば、ユニキャスト送信モード中のインターネットからのファイルのダウンロードとの両方を望む場合)。まず、この最後の可能性がさらに論じられる。
【0017】
制御デバイス108(コントローラ108a)は、全ての送信機(アクセスポイント)APiと、それに応じて、接続された受信機(クライアント)との間の全ての単一の接続の現在の接続パラメータおよび送信パラメータを正確に認識する。この場合における最も重要な変数は、各接続の現在の信号対干渉および雑音比(SINR)である。この場合、SINRは、互いにある程度近接していることで第1位の送信が可能であろう全ての受信機(クライアント)と送信機(APi)との間で絶えず測定される。このため、制御デバイス108は、その接続を介してデータが現在送信されているAP1と112aとの間のSINRを認識するだけでなく、AP2と112aとの間のSINRも、AP3と112aとの間のSINRも認識する。このため、制御デバイス108は、AP1と112bとの間のSINR、AP2と112bとの間のSINR、およびAP3と112bとの間のSINRも認識する。制御デバイス108は、送信機AP1と受信機112との間でユニキャスト接続が設定されるように送信機AP1を制御する。これは、t=0からの時間間隔(この例示的な実施形態では、t=t3)において送信機AP1から受信機112へ送信されているユニキャスト情報パケットUC1~UC3により、図2に示される。時点t=t4で、受信機は、位置112bにあり、従って、送信機AP1およびAP2の送信範囲の重複領域にある。制御デバイス108(108a)はここで、接続リンクAP2-112bのSINR値がここで接続リンクAP1-112のSINR値より大きくなることによりトリガされてハンドオーバHO1が行われるように送信機AP1およびAP2を制御する。これにより、受信機112と送信機AP1との間の接続が情報パケット送信(MACパケット)の末尾で終了し、新しい接続が受信機112と送信機AP2との間で行われ、受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC4はここで既に、送信機AP2から受信機112へ送信されている。
【0018】
その後、受信機は、時点t5で送信機AP2および送信機AP3の送信範囲の重複領域に入るまで、図1においてさらに右へ動く(図2を参照されたい)。制御デバイス108(108a)はここで、ハンドオーバHO2が行われるように送信機AP2およびAP3を制御する。これにより、受信機112と送信機AP2との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP3との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC5がここで、送信機AP3から受信機112へ送信される。
【0019】
その後、受信機は、時点t6で送信機AP3およびAP4の送信範囲の重複領域に入るまで、図1においてまたさらに右へ動く。制御デバイス108(108a)はここで、ハンドオーバHO3が行われるように送信機AP3およびAP4を制御する。これにより、受信機112と送信機AP3との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP4との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC6およびUC7がここで、送信機AP4から受信機112へ送信される。
【0020】
受信機112は、時点t9で送信機AP4およびAP5の送信範囲の重複領域に入るまで、講堂106においてさらに動く。制御デバイス108(108a)はここで、ハンドオーバHO4が行われるように送信機AP4およびAP5を制御する。これにより、受信機112と送信機AP4との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP5との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC8がここで、送信機AP5から受信機112へ送信される。
【0021】
受信機112は、時点t10で送信機AP5およびAP6の送信範囲の重複領域に入るまで、さらに動く。制御デバイス108(108a)はここで、ハンドオーバHO5が行われるように送信機AP5およびAP6を制御する。これにより、受信機112と送信機AP5との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP6との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC9がここで、送信機AP6から受信機112へ送信される。
【0022】
受信機112は、時点t11で送信機AP6およびAP8の送信範囲の重複領域に入るまで、さらに動く。制御デバイス108(108aおよび108b)はここで、ハンドオーバHO6が行われるように送信機AP6およびAP8を制御する。これにより、受信機112と送信機AP6との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP8との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC10がここで、送信機AP8から受信機112へ送信される。
【0023】
受信機112は、時点t13で送信機AP8およびAP7の送信範囲の重複領域に入るまで、講堂102においてさらに動く。制御デバイス108(108b)はここで、ハンドオーバHO7が行われるように送信機AP8およびAP7を制御する。これにより、受信機112と送信機AP8との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP7との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC11およびUC12がここで、送信機AP7から受信機112へ送信される。
【0024】
受信機112は、時点t15で送信機AP7およびAP9の送信範囲の重複領域に入るまで、さらに動く。制御デバイス108(108b)はここで、ハンドオーバHO8が行われるように送信機AP7およびAP9を制御する。これにより、受信機112と送信機AP7との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP9との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC13がここで、送信機AP9から受信機112へ送信される。
【0025】
受信機112は、時点t16で送信機AP9およびAP10の送信範囲の重複領域に入るまで、さらに動く。制御デバイス108(108b)はここで、ハンドオーバHO9が行われるように送信機AP9およびAP10を制御する。これにより、受信機112と送信機AP9との間の接続が終了し、受信機112と送信機AP10との間で接続が行われる。受信機112の次のユニキャスト情報パケットUC14がここで、送信機AP10から受信機112へ送信される。
【0026】
第1の時間間隔0-t1、t1-t2、t2-t3、t4-t5、t5-t6…において、送信機AP1、AP2…は、制御デバイス108の影響下にあり、従って、第1の情報データを含むユニキャスト情報パケットが受信機112へ送信されるユニキャスト送信モードで動作する。
【0027】
本発明によれば、制御デバイス108は、しかしながら、(第2の)時間間隔t3-t4、t8-t9、t12-t13、t17-t18…において、送信機AP1、AP2…を、それらの送信機がブロードキャストモードまたはマルチキャストモードで動作するように制御する。これらの第2の時間間隔において、全ての送信機は、第2の情報データからのブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報を送信する。この場合、このブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報は、前のブロードキャストソリューションまたはマルチキャストソリューションの場合におけるようにではなく、同一に変調されたビット情報を各々が含む時間的に連続するOFDMシンボルの形式の物理層(層1)内で、層2におけるMACレベルのMACパケット(シリアルパケットが形成される特定数のバイト)として、送信機により送られる。ブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報を含むOFDMシンボルは主に、ブロードキャスト時間間隔/マルチキャスト時間間隔中、全てのAPにより同一に送信される(変調された有用な情報と、規格として用いられる変調およびコーディングスキーム(MCS)との両方は同じである)。故に、全ての送信機が第2の時間間隔t3-t4において2つのブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットBC1およびBC2を送信すること、全ての送信機が第2の時間間隔t8-t9において3つのブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットBC3、BC4およびBC5を送信すること、全ての送信機が第2の時間間隔t12-t13においてブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットBC6を送信すること、および全ての送信機が第2の時間間隔t17-t18において2つのブロードキャスト情報パケットBC7またはマルチキャスト情報パケットBC8を送信することが図2において見え得る。単一チャネルWiFi(登録商標)の場合における物理層のOFDMシンボルのBC/MCモードでの同時送信は、(このブロードキャスト時間範囲/マルチキャスト時間範囲中に)これらのOFDM信号が全ての受信機上で強め合うようにオーバーレイする、という有利な結果をもたらす。全ての受信機が動く全体的な受信範囲内で全ての送信機により同時に実行されるこのタイプの送信の結果としては、いかなる種類の妨害も発生しない。
【0028】
上記で既に言及されたように、受信機112のユーザはユニキャスト送信およびブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信の両方に関心があるので、受信機は、従って、時点t3、t8、t12およびt17で、物理層において、ユニキャスト受信モードからブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードへ切り替わり、時点t4、t9、t13およびt18で再度、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードからユニキャスト受信モードへ切り替わる。
【0029】
受信機112のユーザがユニキャスト情報の送信のみに関心があった場合、受信機は、時間間隔t3-t4、t8-t9、t12-t13およびt17-t18で、受信機においてブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報が受信されないかまたは処理されないモードに切り替わる。
【0030】
受信機112のユーザがブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報の送信のみに関心があった場合、受信機は、時間間隔、t0-t3、t4-t8、t9-t12およびt13-t17で、受信機においてユニキャスト情報が受信されないかまたは処理されさないモードに切り替わる。
【0031】
ユニキャスト情報が送信される時間間隔中、個々のAPのOFDMシンボルは、同一ではなく、(APとクライアントとの間の接続品質に応じて)異なる有用な情報を含み、また、異なるMCS(変調およびコーディングスキーム)を用いて変調される。
【0032】
図2の例示的な実施形態において、制御デバイス108による制御は、第2の時間間隔が互いに同じ長さではないようなものである。同様に、第2の時間間隔は、また、互いに規則的に連続するものではない。しかしながら、第2の時間間隔が常に同じ長さになるように、また、必要な場合には、互いに規則的に連続するように、制御デバイス108による制御を実現することは可能であろう。制御デバイス108によるこの制御は、従って、送信機が互いに同期することを意味する。これらの送信機が、ブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信のための単一周波数ネットワーク(SFN)を互いに形成し得るように、PTP(高精度時間プロトコル)に従って互いに同期することが好ましい。送信機がPTPに従って同期することにより、全てのAPのユニキャストからブロードキャスト/マルチキャストおよびその逆へのこの極めて正確な同時の切り替えが可能になる。
【0033】
図2Aは、図1の送信機ネットワークにおいて発生し得る送信信号の第2の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態におけるユニキャスト送信は、図2の例示的な実施形態におけるものと全く同じである。第2の時間間隔t3-t4、t8-t9、t12-t13およびt17-t18におけるブロードキャスト送信/マルチキャスト送信は、ここでは異なる。特に、単一のデータブロックBC-Aのみが、第2の時間間隔t3-t4において全ての送信機により送信され、単一のデータブロックBC-Bのみが、第2の時間間隔t8-t9において送信され、単一のデータブロックBC-Dのみが、第2の時間間隔t17-t18において送信される。これらの全ての送信は、第2の時間間隔t12-t13における単一のデータブロックBC-Cと全く同じ方式で行われる。図2および図2Aに示されるように、送信機APiと受信機112および116との間の送信信号のこれら2つの例示的な実施形態は、送信機および受信機における異なる基準をもたらす。これにより、送信信号のこれらの例示的な実施形態のうちの1つによるこれらの送信信号の送信(または生成)が可能になり得る。このことは、送信機および受信機の説明において、後でさらにより詳細に説明される。
【0034】
ここで、制御デバイス108による送信機AP1からAP13の制御が図3および4に基づいて説明される。2つの受信機112および116がある場合については、図3を参照されたい。この場合、図2に基づいて上記で既に説明されたように、受信機112は、講堂102に到達するまで、建物を通って左から右へ線314に沿って動く。受信機116は、送信機AP13の送信範囲内にあり、自らも講堂102に到達するまで、建物を通って右から左へ線316に沿って動く。
【0035】
この場合も、受信機112および116のユーザは、ユニキャスト情報の送信およびブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報の送信の両方に関心がある(例えば、ユーザがブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信のリッスンと、例えば、ユニキャスト送信モード中のインターネットからのファイルのダウンロードとの両方を望む場合)ものとまず仮定する。受信機112は、インターネットからダウンロードされるプログラムまたはファイルのユニキャスト情報パケットの形式の送信信号を送信機AP1から受信する。これらのパケットは、図4においてUC1(A)、UC2(A)…等により示される。また、図2に基づいて既に説明されたように、これらのユニキャスト情報パケットUCi(A)は、第1の時間間隔0-t1、t1-t2、t2-t3において受信機112へ送信される。送信機AP5の送信範囲に到達するまでの受信機112の動きは、図2に基づいて正確に説明される。従って、ハンドオーバHO1、HO2、HO3およびHO4が行われ、ユニキャスト情報パケットUC4(A)、UC5(A)、UC6(A)およびUC7(A)が、第1の時間間隔t4-t5、t5-t6、t6-t7およびt7-t8において、送信機AP2、AP3およびAP4から受信機112へ送信される。時点t9で、受信機112は、送信機AP5の送信範囲に到達し、ハンドオーバHO4が行われる。
【0036】
t=0から、受信機116は、図3における送信機AP13の送信範囲から左へ動く。受信機116は、インターネットからダウンロードされるプログラムまたはファイルのユニキャストパケットの形式の送信信号を受信する。送信信号Bは、時間間隔0-t1およびt1-t2において、ユニキャスト情報パケットUC1(B)およびUC2(B)の形式で送信機AP13から受信機116へ送信される。受信機116が(時点t2で)送信機AP13およびAP12の送信範囲の重複領域内にある場合、ハンドオーバHO20が行われる。送信機AP12は、ここで、第1の時間間隔t2-t3およびt4-t5において、ユニキャスト情報パケットUC3(B)およびUC4(B)を受信機116へ送信する。受信機116が(時点t5で)送信機AP12およびAP11の送信範囲の重複領域内にある場合、ハンドオーバHO21が行われる。送信機AP11は、ここで、第1の時間間隔t5-t6およびt6-t7において、ユニキャスト情報パケットUC5(B)およびUC6(B)を受信機116へ送信する。受信機116が(時点t7で)送信機AP11およびAP10の送信範囲の重複領域内にある場合、ハンドオーバHO22が行われる。送信機AP10は、ここで、第1の時間間隔t7-t8において、ユニキャスト情報パケットUC7(B)を受信機116へ送信する。
【0037】
時点t9で、受信機112は、送信機AP5の送信範囲内にある。受信機116は、送信機AP7の送信範囲内にある。これは、受信機116が送信機AP7に接続されるようにハンドオーバHO24が行われることを意味する。送信機AP5およびAP7の送信範囲は、隣接する送信機の送信範囲であり、これら2つの送信機の送信は、予防措置が取られない場合、互いに妨害し得る。
【0038】
これらの送信機が同じ周波数範囲内で送信をした結果として、隣接する送信機は、異なるプログラムからのユニキャスト情報パケットを異なる受信機へ同時にユニキャスト送信モードで送信し得ない。制御デバイス108は、送信機AP5が時間間隔t9-t10において沈黙したままになり、ユニキャスト情報パケットUC8(A)の送信が時間間隔t10-t11まで遅延されるように、これら2つの送信機AP5およびAP7を制御する。送信機AP7は、時間間隔t9-t10においてユニキャスト情報パケットUC8(B)を受信機116へ送信するように制御される。
【0039】
時点t10で、受信機112は、ハンドオーバHO5が行われるように、送信機AP5およびAP6の送信範囲の重複領域内にある。従って、受信機用のユニキャスト情報パケットUC8(A)は、時間間隔t10-t11において送信機AP6から受信機112へ送信される。送信機AP6およびAP7は同様に隣接しているので、制御デバイス108は、送信機AP7が時間間隔t10-t11において沈黙するように送信機AP7を制御する。時間間隔t11-t12において、送信機AP7はユニキャスト情報パケットUC9(B)を受信機116へ送信し、送信機AP6はここで沈黙する。
【0040】
時点t13で、受信機112は、送信機AP6およびAP7の送信範囲の重複領域に到達しており、受信機112が同様にt13から自らの情報を送信機AP7から受信するようにハンドオーバHO6が行われる。故に、ユニキャスト情報パケットUC9(A)が、時間間隔t13-t14において送信機AP7から受信機112へ送信され、ユニキャスト情報パケットUC10(B)が、時間間隔t14-t15において送信機AP7から受信機116へ送信され、ユニキャスト情報パケットUC10(A)が、時間間隔t15-t16において送信機AP7から受信機112へ送信され、ユニキャスト情報パケットUC11(B)が、時間間隔t16-t17において送信機AP7から受信機116へ送信される。
【0041】
第2の時間間隔t3-t4、t8-t9、t12-t13およびt17-t18において、図2に基づいて上記で既に説明されたように、全ての送信機は、同じブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットBCを送信する。従って、この情報パケットは、ブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報の受信が中断されないことが保証されるように、受信機112および116により、そのエリアのどこに現在位置しているかにかかわらず受信され得る。
【0042】
説明されたように、全ての受信機は、第2の時間間隔中に(全ての送信機により送信される)同一のOFDM信号を受信し、これらのOFDM信号は、各受信機において「構成的に」オーバーレイされる。ブロードキャスト間隔/マルチキャスト間隔中、受信機から送信機への「戻り接続」は行われない。ブロードキャストは、ダウンリンク方向にのみに進む。次に、任意のハンドオーバが、ブロードキャストモードの終了後にのみ、つまり、(ハンドオーバHO24について上記でも説明されたように)UCモードで再度行われ、次に、説明されたように、制御デバイス108により制御される。
【0043】
上記で既に言及されたように、受信機112および116のユーザは、ユニキャスト送信およびブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信の両方に関心があるので、受信機112および116は、従って、時点t3、t8、t12およびt17で、ユニキャスト受信モードからブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードへ切り替わり、時点t4、t9、t13およびt18で再度、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードからユニキャスト受信モードへ切り替わる。
【0044】
受信機112および/または116のユーザがユニキャスト情報の送信のみに関心があった場合、受信機は、時間間隔t3-t4、t8-t9、t12-t13およびt17-t18で、受信機においてブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報が受信されないかまたは処理されないモードに切り替わる。
【0045】
受信機112および/または116のユーザがブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報の送信のみに関心があった場合、受信機は、時間間隔、t0-t3、t4-t8、t9-t12およびt13-t17で、受信機においてユニキャスト情報が受信されないかまたは処理されないモードに切り替わる。
【0046】
図4Aは、図3の送信機ネットワークにおいて発生し得る送信信号の第2の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態におけるユニキャスト送信は、図4の例示的な実施形態におけるものと全く同じである。第2の時間間隔t3-t4、t8-t9、t12-t13およびt17-t18におけるブロードキャスト送信/マルチキャスト送信は、ここでは異なる。特に、単一のデータブロックBC-Aのみが、第2の時間間隔t3-t4において全ての送信機により送信され、単一のデータブロックBC-Bのみが、第2の時間間隔t8-t9において送信され、単一のデータブロックBC-Dのみが、第2の時間間隔t17-t18において送信される。これらの全ての送信は、まさに第2の時間間隔t12-t13における単一のデータブロックBC-Cの方式で行われる。送信機APiと受信機112および116との間の送信信号のこれら2つの例示的な実施形態は、送信機および受信機における異なる基準をもたらす。これにより、送信信号のこれらの例示的な実施形態のうちの1つによるこれらの送信信号の送信(または生成)が可能になり得る。このことは、送信機および受信機の説明において、後でさらにより詳細に説明される。
【0047】
[WLAN送信リンク]
制御デバイス108(108a、108b)による送信機APiおよび受信機(クライアント)112jの本発明での制御は、WLAN標準仕様IEEE802.11に新たに統合される必要がある、すなわち、WLANにおけるブロードキャスト送信モードを可能にするために、変更/追加を必要とする。
【0048】
まず、この目的を達成するために、図5は、IEEE802.11標準仕様に従った層構造の形態の送信機ネットワークを説明する。この目的を達成するために、図5は、送信機APiと受信機112との間のデータ送信を示す。送信機APiと、概して、全ての送信機APiとは、例えば、イーサネット(登録商標)などのWLANインフラストラクチャネットワーク510を介して、PC514およびサーバ512に接続される。制御ユニット108/108a、108bは、PC514に含まれ得るか、または別個の制御回路としてインフラストラクチャネットワーク510にも接続され得る。しかしながら、ここで、制御ユニット108はPC514に含まれると仮定する。送信機APiおよび受信機112は、それらの間で提供される無線WLAN(WiFi(登録商標))送信リンク516を有する。積層体518は、受信機112における信号処理を概略的に示す。積層体520は、送信機APiにおいて行われる信号処理を概略的に示す。積層体522は、サーバ512および/またはPC514において行われる信号処理を概略的に示す。破線により示されるブロック524aおよび524bにおいて示され、WLAN標準仕様IEEE802.11において定義される無線WiFi(登録商標)送信516のMAC層およびPHY層において行われることが、本発明にとって重要である。
【0049】
受信機112へ送信されるよう意図されていることが既知であるユニキャストデータが、サーバ512またはPC514におけるアプリケーション526において生成される。これは、これらユニキャストデータが、建物の外に配置されたアンテナを介して無線で受信されるので実現される。これは、例えばLTEデータ送信システムなどの従来技術なので、さらには論じられない。
【0050】
積層体522のTCP/UDP層におけるTCP(送信制御プロトコル)信号処理または積層体522のTCP/UDP層におけるUDP(ユーザデータグラムプロトコル)信号処理、IP層におけるIP(インターネットプロトコル)信号処理、LLC層におけるLLC(論理リンク制御)信号処理、802.3MAC層におけるMAC(メディアアクセス制御)信号処理および802.3PHY層におけるPHY(物理層)信号処理による、積層体522における信号処理に続いて、データがインフラストラクチャネットワーク510を介して送信機APiへ転送される。
【0051】
ユニキャストデータは、送信機APiにおいて受信され、積層体520の802.3PHY層においてデコード、その後、802.3MAC層においてデコードされる。その後、このように取得されたデータは、802.11MAC層において再度コーディングされ、802.11PHY層において再度コーディングされ、その後、WiFi(登録商標)接続516を介して受信機112へ転送される。
【0052】
受信機112において、受信されたデータは、積層体518の802.11PHY層においてデコードされ、802.11MAC層においてデコードされ、LLC層においてさらに処理され、その後、IP層においてさらにデカプセル化される。最終的に、TCP/UDP層における処理に続いて、このように取得されたデータは、受信機112においてアクティブであるアプリケーション530に供給され、その内部でさらに処理される。
【0053】
受信機112から戻りチャネルを介して反対方向に送信され、送信機(アクセスポイント)APiを介してサーバ512またはPC514へ送信される必要があるユニキャストデータは、次に、上記で説明された信号処理の段階とは反対の順序で、既知の方式で処理される。これらは、単なる制御データではなく、単に反対方向に流れる任意のデータ、つまり、例えば、サーバ512にアップロードされるファイル、またはスマートフォンから来てサーバもしくはPCまたはインターネットへ送られるビデオである。
【0054】
上記で既に示されたように、ブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信を実現するための本発明の基準は主に、ブロック524aにおいて(つまり、受信機112において)および524bにおいて(つまり、送信機APiにおいて)実行される基準を対象としている。特に、当該基準は、送信リンク516での送信信号のセットアップ、つまり、物理層PHYにおける送信信号のセットアップである。本発明によれば、第1のコードワードが物理層における送信信号516に含まれる。このコードワードが、ユニキャスト送信モードまたはブロードキャスト送信モードもしくはマルチキャスト送信モードを特徴付ける。必要な場合、第2のコードワードは、物理層における送信信号516にも含まれ得る。この第2のコードワードは、第2の時間間隔の長さの基準である。後に論じられるように、第1のコードワードは、IEEE標準仕様において現在までまだ用いられていないビット組み合わせに格納され得る。送信信号516のビーコンフレームにおけるEDCAパラメータ要素は、それに適するであろう。
【0055】
MAC層(層2の一部)上のWLAN送信信号は、異なる種類のフレーム、とりわけ、データフレーム、制御フレームおよび管理フレームを含む。さらに、WLAN IEEE802.11仕様によれば、異なる種類の管理フレームがあり、その1つがビーコン管理フレームである。これらのビーコン管理フレームは、送信信号516において繰り返し生じる(例えば100ミリ秒毎)。受信機112などの受信機は、ビーコン管理フレームにおける情報を用いて、ネットワークを見つけて識別し、ネットワーク(送信機APi)に接続する。送信機APiは各々、ビーコン管理フレームの送信を担う。
【0056】
制御フレーム(不図示)は、ユニキャストデータが正確な受信機へ送信され得るように特定の送信機APiと特定の受信機112との間で接続が設定されることを保証するシンクアドレスおよび送信元アドレスをさらに含む。
【0057】
図5Aは、MAC層内の、IEEE802.11仕様に従ったビーコン管理フレームの構造を示す。
【0058】
ビーコン管理フレームは、MAC HDR(MACヘッダ)により示される第1のフレーム部分と、情報フィールド(フレーム本体)により示される第2のフレーム部分と、FCS(フレームチェックサム)により示される第3のフレーム部分とを含む。図5A(a)を参照されたい。
【0059】
第1のフレーム部分MAC HDRは、とりわけ、2つのフレーム制御バイトと、シンクアドレスと、送信元アドレスとを含む(不図示)。これら2つのフレーム制御バイトは、とりわけ、フレームがビーコンタイプの管理フレームであるかどうかを示すフレームインジケータを含む。第2のフレーム部分は、義務的部分(必須)から、そして場合によっては、非義務的部分(任意)からも構成される。図5A(b)を参照されたい。義務的部分は、タイムスタンプ(TS)、ビーコン間隔(BI)、容量情報(CAP情報)およびサービスセット識別子(SSID)を含む。
【0060】
非義務的部分(任意)がある場合、この非義務的部分は、EDCA(拡張型分散チャネルアクセス)パラメータ要素EDCA PEとして既知であるものを含む。図5A(c)を参照されたい。本発明を可能にするために、この任意の部分が必要である。なぜなら、後に説明されるように、EDCAパラメータ要素は、この場合に必要だからである。
【0061】
図5Bは、ビーコン管理フレーム内の、IEEE802.11標準仕様において標準化された、MACレベルに現れるEDCAパラメータ要素の構造を示す。
【0062】
IEEE802.11規格には、技術規格802.11n以後(2009年以降)からのEDCA(拡張型分散チャネルアクセス)機能がある。この機能は、802.11ac規格(2013年)における後方互換性方式のいくつかの追加により拡張された。WLANクライアント(受信機)が干渉を通じて互いに妨害することなく、送信媒体に対する規則的かつ経時的に配置されたアクセスを保証するために、EDCA機能は、WLANクライアント(受信機)のための複数の制御メカニズムを含む。EDCAの場合、優先度が最も高い「音声」(VO)、次に「ビデオ」(VI)、次に「ベストエフォート(BE)」、および優先度が最も低い「バックグラウンド(BK)」という4つのアクセスカテゴリ(AC)が定義されている。
【0063】
WLANの最も重要な管理フレームにおいて、ビーコンが送信され、プローブ応答フレームにおいて、「EDCAパラメータ要素」が送信される。これら2つのフレームは、送信機APiからクライアント(受信機)112iへ向けられる。ビーコンは、調整可能な「ビーコン期間」(デフォルトでは100ミリ秒であり、1ミリ秒から10000ミリ秒の間で調整可能)に従って、繰り返し送信される。
【0064】
図5Bは、図5B(a)において、これまでにIEEE802.11において標準化されているEDCAパラメータ要素の構造を示す。EDCAパラメータ要素は、EDCAパラメータ要素がどれだけの長さであるかを示す長さインジケータバイト560を含む。この場合、EDCAパラメータ要素は、20バイト長であり、8つの部分要素を含む。最後の4つの部分要素562、564、566および568は、4バイト長であり、4つのアクセスカテゴリVO、VI、BEおよびBKのパラメータレコードである。図5B(b)は、パラメータレコードの構造を示す。このパラメータレコードは、3つの情報ブロックACI/AIFSN(1バイト長)、ECWmin/ECWmax(1バイト長)およびTXOP上限(2バイト長)を含む。図5B(c)は、情報ブロックACI/AIFSNおよびECWmin/ECWmaxの構造を示す。情報ブロックACI/AIFSNは、AIFSN(任意フレーム間空間N。Nは1ビット長、2ビット長または3ビット長、4ビット長の桁を担う)、ACM(アドミッション制御必須 1ビット長)、ACI(アクセスカテゴリ識別 2ビット長)、および未使用(予約済み)の部分的ブロック502(ビット組み合わせから構成される。この場合、1ビット長)という4つの部分的ブロックを含む。情報ブロックECWmin/ECWmaxは、2つの部分的ブロック(ECWminおよびECWmax)を含む。各ブロックは、4ビット長である。
【0065】
IEEE802.11標準仕様は、図5BのEDCAパラメータ要素の構造をより詳細に説明している。
【0066】
図6は、本発明に従って構造化されたEDCAパラメータ要素の第1の例示的な実施形態を示す。図6の(a)および図6の(b)はそれぞれ、図5Bの(a)および図5Bの(b)と同じである。
【0067】
この状況では、これまで未使用のビット組み合わせ、この例示的な実施形態では、図5Bにおけるこれまで未使用のコードワード502は、送信機の送信モード(ユニキャストまたはブロードキャストもしくはマルチキャスト)を識別するために、本発明に従って、ここで利用される。次に、コードワード502の第1の値が、ユニキャスト送信モードを特徴付け得る。図6の(c)を参照されたい。次に、コードワード502の第2の値が、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードを特徴付け得る。図6の(d)を参照されたい。1ビットコードワード502の特別な場合、ゼロ(「0」)がユニキャスト送信モードを特徴付け得る。図6の(c)におけるコードワード502を参照されたい。さらには、次に、1(「1」)がブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードを特徴付け得る。図6の(d)におけるコードワード502''を参照されたい。図6の(d)のブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードには、AIFSN情報ブロック、ACM情報ブロック、ACI情報ブロック、ECWminおよびECWmax情報ブロックは、用いられない。なぜなら、それらは全て、ユニキャスト送信モードでのMAC層の制御情報およびパラメータ情報を表すからである。このため、それらは、図6の(d)において、「用いられない」により示されている。
【0068】
プレファレンスとして、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モード(図6の(d)を参照されたい)では、ブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信が行われる第2の時間間隔の時間の長さを示すために、TXOP上限情報ブロック504が用いられる。
【0069】
この送信モードのインジケーションは、そして場合によってはこの時間の長さのインジケーションも、存在するこれら4つのパラメータレコードの1つだけに含まれ得る。しかしながら、例えば、このインジケーションまたはこれらのインジケーションを含む4つのパラメータレコードの全てにおけるコードワード502など、他のソリューションも可能であろう。特に、送信モードインジケータ502/502'/502''および時間間隔長さインジケータ504の両方がEDCAパラメータ要素に含まれ、従って、受信機112へ送信される場合、ユニキャスト送信モードからブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードへの移行のために一度のみ、図6の(d)によるEDCAパラメータ要素を送信するには十分であろう。後により詳細に説明されるように、受信機は、物理層におけるコードワード502の「1」ビットを迅速に検出し得ると共に、ブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信の第2の時間間隔の時間の長さを、コードワード504に存在するとおりに、(例えば、最終的な)カウント値としてカウンタに格納し得る。コードワード502から「1」ビットが検出されることで、受信機がユニキャスト受信モードからブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードへ切り替えられることが保証される。次に、カウンタは、ゼロから始めて、自らのカウント値が最終的なカウント値と等しくなるまでカウントアップする。次に、受信機は、送信機のブロードキャストまたはマルチキャスト送信モードが終了していることを認識する。
【0070】
送信モードインジケータ502/502'/502''のみがEDCAパラメータ要素に含まれ、時間の長さ(よってコードワード504は用いられない)は含まれない例示的な実施形態において、受信機は、送信機がユニキャスト送信モードからブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードに切り替わっていることを「1」ビットの受信から認識する。さらに、受信機は、送信機がブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードからユニキャスト送信モードに切り替わっていることを「0」ビットの受信によって認識する。
【0071】
図6Aは、本発明に従って構造化されたEDCAパラメータ要素の第2の例示的な実施形態を示す。EDCAパラメータ要素は、図6Aの(a)に示されており、追加の4バイトの部分要素であるAC_BCパラメータレコード602が提供されるという点で、図5Bの(a)におけるEDCAパラメータ要素とは異なる。これは、送信機APiによりブロードキャストされるよう意図されるブロードキャストトラフィック(BC)データトラフィックについて新しいアクセスカテゴリが定義されることを意味する。
【0072】
図6Aの(b)は、AC_BCパラメータレコード602の構造を示す。図5Bの(b)に示されるように、この構造は、パラメータレコードの構造と同じである。図6Aの(c)は、ユニキャスト送信モードが切り替えられたAC_BCパラメータレコード602の構造をより詳細に示す。さらに、図6Bの(d)は、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードが切り替えられたAC_BCパラメータレコード602の構造をより詳細に示す。
【0073】
本発明によれば、予約済み=0(通常のUCモード。図6Aの(c)における部分的ブロック606''を参照されたい)かつ予約済み=1(ブロードキャストモードまたはマルチキャストモード。図6Aの(d)における部分的ブロック606を参照されたい)となるように用いられる提案が、図5の(c)における未使用の部分的ブロック502についてここでなされる。ブロードキャストまたはマルチキャストモードでの部分的ブロックAIFSN、ACMおよびACIは、用いられない(Not Used!)。次に、情報ブロックECWmin/ECWmaxは、同様に、ブロードキャストモードでは用いられない(Not Used)。
【0074】
必要な場合、情報ブロックTXOP上限608は、この場合も用いられる。なぜなら、ブロードキャストモードまたはマルチキャストモードでは、次に、所望のブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信の期間の重要なパラメータ用に「TXOP BC上限」610が用いられるからである。
【0075】
この期間により、WLANセル(WLANホットスポットセル)内の全ての加入者について、どれくらい長くブロードキャストデータのみが流れているかが特定される。この期間が経過した後には常に基本的にユニキャストモードに戻る切り替えが行われ、ACI/AIFSN情報ブロック604における予約ビット606が0に設定される。
【0076】
この「予約ビット」502または606は、規格において既にこのため定義されている。本発明によれば、このビットは、ブロードキャストの時間が経過するまで、AC_BCパラメータレコードにおいて「1」のまま残され得、次に、この状況では「0」になり、また、次のBC送信までそのままである。
【0077】
他の4つのACパラメータレコードにおける一致ビットに関して、この場合も、BCが行われるときはいつでも「1」に切り替えることが可能であることが述べられ得る。規格に沿って、ACパラメータ要素は、(ビーコンと共に)周期的に送信される。つまり、それ故に、BCモードまたはUCモードのどちらが用いられているのかが常に明らかである。
【0078】
図6Bは、本発明によるEDCAパラメータ要素のさらに別の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態において、送信モードインジケータ606/606'は、(図6Aによる)追加のEDCA部分パラメータ要素602に含まれ得るか、または、(図6による)既存の部分パラメータ要素のうちの1または複数に含まれ得るかのいずれかである。後者の場合、部分パラメータ要素602は、図6Bにはない。
【0079】
EDCAパラメータ要素の長さインジケータ560は、予め既に示されたように1バイト長であり、故に、EDCAパラメータ要素の256バイトという最大長さが可能になる。これにより、第2のコードワードを共に形成する、ブロードキャスト送信時間間隔またはマルチキャスト送信時間間隔(第2の時間間隔)の長さの基準である2つの時間インジケータTI1680およびTI2682でEDCAパラメータ要素を拡張する機会が提供される。
【0080】
IEEE1588に従ったPTP同期システムが送信機および受信機の時間的同期のために用いられる場合、当該時間は、10バイトの精度で示されるべきである。故に、ブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信における第2の時間間隔の(時間インジケータTI1が担う)開始時刻および(時間インジケータTI2が担う)停止時刻を決定するために、20バイトが必要であり、TI1に10バイトが必要であり、TI2に10バイトが必要である。従って、図6Bの例示的な実施形態において、長さインジケータ560は、EDCAパラメータ要素の44バイトの長さを示す。
【0081】
EDCAパラメータ要素のこの例示的な実施形態において、受信機は、送信モードインジケータ606/606'ならびに2つの時間インジケータ680および682の両方をEDCAパラメータ要素から検出する必要がある。これらのインジケータが受信された場合、受信機は、インジケータ606の受信後の期間TI1の後に送信機がブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードに切り替わっていることを認識する。受信機は、期間TI2後に送信機がユニキャスト送信モードに再度切り替わっていることも認識する。
【0082】
図10は、図6Bの(a)では参照番号602により示され、図10では1002により示される32ビットAC_BCパラメータレコードのさらなる例示的な実施形態を示す。
【0083】
この例示的な実施形態の説明は、ここで、これらの図の説明の終了時にのみ提供される。
【0084】
[送信機]
図7は、図1図3および図5の送信機ネットワークにおいて用いられ得る送信機APiの第1の例示的な実施形態を概略的に示す。従って、要素706および708とは別に図7に示される全ての回路要素は、図5におけるブロック524bに含まれると考えられるべきである。
【0085】
送信機APiは、送信されるユニキャスト情報のシリアルデータストリームまたはブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報のシリアルデータストリームを受信するための入力702を有する。この入力702は、図5にも示され、積層体520のLLC層と802.11MAC層との間のインタフェースを特徴付ける。送信されるこの情報は、外部のユニキャストデータソース706およびブロードキャストデータソースまたはマルチキャストデータソース708により、インフラストラクチャネットワーク510を介して供給され得る。これらのソース706および708は、例えば、PC514および/またはサーバ512内にあり得る。代替的に、これらのソースは、サービスプロバイダからさらに遠くにさえ配置され得、これらのユニキャストデータおよびブロードキャストデータまたはマルチキャストデータは、建物100の屋根上のLTEアンテナを介して受信され、インフラストラクチャネットワーク510を介してPC514および/またはサーバ512へ転送されるか、または、サービスプロバイダが存在するこれらのソースは、ファイアウォールを介して、インターネットアクセス回線を介してネットワーク510に直接接続される。従って、この状況では、ソース706および708は、本発明による送信機の一部ではなく、請求項において定義されることが強調されるべきである。
【0086】
入力702は、2つの出力を備えるデマルチプレクサ704の入力に結合される。第1の出力は、第1のバッファメモリ710の入力に結合される。デマルチプレクサ704の第2の出力は、第2のバッファメモリ712の入力に結合される。
【0087】
デマルチプレクサ704は、入力702において提供されるシリアルデータストリームからユニキャストデータを導出し、ユニキャストデータをバッファメモリ710に格納され得るようにバッファメモリ710に供給するために用いられる。デマルチプレクサ704はさらに、入力702において提供されるシリアルデータストリームからブロードキャストデータまたはマルチキャストデータを導出し、当該データをバッファメモリ712に格納され得るようにバッファメモリ712に供給するために用いられる。
【0088】
送信機APiは、第1の入力714aと、第2の入力714bと、出力714cと、制御入力714dとを有する切り替えユニット714を備える。第1の入力714aは、第1のバッファメモリ710の出力に結合される。第2の入力714bは、第2のバッファメモリ712の出力に結合される。出力714cは、信号処理ユニット719(MAC層処理ユニット)を介して、信号結合ユニット716の第1の入力716aに結合される。制御入力714dは、送信機の制御入力718に結合される。
【0089】
送信機APiの制御入力718はさらに、EDCAパラメータ要素生成ユニット720の入力に結合される。EDCAパラメータ要素生成ユニット720を介して出力は、信号結合ユニット716の第2の入力716bに結合される。信号結合ユニット716の出力716cは、IEEE802.11標準仕様の分野における当業者にはDLL(データリンク層)情報信号としても知られる、信号結合ユニット716の出力716cにおける出力信号を、物理層(PHY)OFDM信号としても知られる、ブロック722(PHY LYR処理ユニット)により生成されて送信機APiによりアンテナ724を介して送信される送信信号726に変換するよう、信号処理ユニット722(物理層処理ユニット)の入力に結合される。
【0090】
信号処理ユニット719において、ユニキャストデータまたはブロードキャストデータもしくはマルチキャストデータは、集められてデータフレームにされ、さらに、制御フレームおよび管理フレーム/ビーコンフレームは、シリアルデータストリームに含まれる(EDCAパラメータ生成ユニット720および結合ユニット716も一部分を務め、従って、IEEE802.11標準仕様のMAC層において説明されるように、MAC信号処理の一部とみなされることが可能である)。出力716cにおいて、次に、DLL情報信号(またはMAC情報信号)が存在する。(説明されるように)物理ブロードキャストモードを用いて全てのAPにより次に送信されるブロードキャストマルチキャストデータも、まず、(図5による)それらのソース(BC/MCソース)により、MACパケットにパケット化される必要がある。これは、場合によっては、例えばIPビデオなどである。次に、ブロック719は、制御ブロック108の制御下で、ブロードキャストデータをOFDMシンボル上へ変調する。
【0091】
信号処理ユニット722は、IEEE802.11標準仕様の物理層において説明されるDLL情報信号を処理する。これには、例えば、送信信号726を取得するためにDLL情報信号に対して実行されるOFDM変調方法および/またはコーディング方法が関与する。送信機APiについての手順は以下のとおりである。まず、送信機APiはユニキャスト送信モードで送信をすると仮定する。
【0092】
ユニキャストデータが、送信機により、継続的にではなく、第1の時間間隔においてのみ送信される場合(図1を参照されたい)、第1のバッファメモリ710が提供される。第2の時間間隔中、ユニキャストデータは送信されず、従って、ユニキャストデータソース706により送信機に供給されるユニキャストデータは、その間、第1のバッファメモリ710にバッファ格納される必要がある、というのがその理由である。
【0093】
制御ユニット108は、制御入力718に供給されている第1の制御信号により、送信機APiを制御する。この第1の制御信号の影響下で、切り替えユニット714は、第1の入力714aが出力714cに接続される位置にある。
【0094】
この第1の制御信号(このため不図示)の影響下で、ユニキャストデータは、第1のバッファメモリ710から読み出され、切り替えユニット714および後続のMAC層信号処理ユニット719を介して、信号結合ユニット716の第1の入力716aに供給される。
【0095】
制御ユニット108からの第1の制御信号の制御下で、EDCAパラメータ要素生成ユニット720は、図6図6Aまたは図6Bに示されるEDCAパラメータ要素を生成し、次に、対応するEDCAパラメータ要素がビーコンフレームに/へと格納または挿入される。
【0096】
第1の例示的な実施形態において、図6に関して既に論じられたように、EDCA部分パラメータ要素502'は、「0」と等しい第1のコードワードを含む。第2の例示的な実施形態において、図6Aに関して既に論じられたように、EDCA部分パラメータ要素502''は、「0」と等しい第1のコードワードを含む。
【0097】
信号結合ユニット716は、ユニキャストデータのブロック(複数のユニキャストデータフレームを含み得る)と、上記で説明されたようにシリアルデータストリーム内のEDCAパラメータ要素を備えるビーコンフレームとを収める。図8のaは、ビーコンフレームBF(UC)が前にある、ユニキャスト送信モードがアクティブであることを示すユニキャストデータフレームのこのシリアルデータストリームにおいてはDF(UC)として示される、図2におけるUC1のようなユニキャストデータブロックUCSBを概略的に示す。上記DLL情報信号として示されるこのシリアルデータストリームは、信号処理ユニット722において、OFDM変調および/または別のコーディング方法により、アンテナ724を介して送信される送信信号726に変換される。
【0098】
ここで、制御ユニット108は、第2の制御信号が制御入力718に供給されるように送信機APiを制御する。これにより、送信機はここで、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードで動作する。
【0099】
ブロードキャストデータまたはマルチキャストデータは常に送信機により継続的に送信されるわけではないので、第2のバッファメモリ712が提供される。当然、第1の時間間隔中にユニキャストデータのみが送信される、というのがその理由である。従って、ブロードキャストデータソース/マルチキャストデータソース708により送信機に供給されるブロードキャストデータまたはマルチキャストデータは、これらの第1の時間間隔中に第2のバッファメモリ712にバッファ格納される必要がある。
【0100】
この第2の制御信号(このため不図示)の影響下で、切り替えユニット714は、第2の入力714bが出力714cに接続される位置にある。
【0101】
この第2の制御信号の影響下で、ブロードキャストデータまたはマルチキャストデータは、第2のバッファメモリ712から読み出され、切り替えユニット714を介して、かつ、MAC層信号処理ユニット719を介して、信号結合ユニット716の第1の入力716aに供給される。
【0102】
制御ユニット108からの第2の制御信号の制御下で、EDCAパラメータ要素生成ユニット720は、図6図6Aまたは図6Bに示されるEDCAパラメータ要素を生成し、次に、EDCAパラメータ要素がビーコンフレームに格納または挿入される。つまり、EDCAパラメータ要素は、ビーコン内に存在する。
【0103】
第1の例示的な実施形態において、図6に関して既に論じられたように、EDCA部分パラメータ要素502''は、「1」と等しい第1のコードワードを含む。さらに、第2の例示的な実施形態において、図6Aに関して既に論じられたように、EDCA部分パラメータ要素606は、「1」と等しい第1のコードワードを含む。
【0104】
信号結合ユニット716は、ブロードキャストデータまたはマルチキャストデータのブロック(複数のBC/MCデータフレームを含み得る)と、上記で説明されたようにシリアルデータストリーム内のEDCAパラメータ要素を備えるビーコンフレームとを収める。図8の(b)は、図2におけるBC1のようなブロードキャストデータブロック/マルチキャストデータブロックBCSBを概略的に示す。このシリアルデータストリームは、ビーコンフレームBF(B/M)が前にあるブロードキャストデータフレーム/マルチキャストデータフレームを含む。これは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードがアクティブであることを示す。
【0105】
上記DLL情報信号として示されるこのシリアルデータストリームは、信号処理ユニット722において、OFDM変調および/または別のコーディング方法により、アンテナ724を介して送信される送信信号726に変換される。
【0106】
さらなる実施形態において、EDCAパラメータ要素生成ユニット720は、ユニキャスト送信からブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信への切り替え中、第2の時間間隔の長さの基準である第2のコードワード(図6の(d)を参照されたい)と、部分要素504(図6Aの(d))と、部分要素610と、図6Bにおける、インジケータTI1680およびTI2682から成る第2のコードワードとをEDCAパラメータ要素にさらに挿入する。
【0107】
図7Aは、図1図3および図5の送信機ネットワークにおいて用いられ得る送信機APiの第2の例示的な実施形態を概略的に示す。要素706および708とは別に図7Aに示される全ての回路要素は、図5におけるブロック524bに含まれると考えられる、ということが再度成り立つ。
【0108】
図7Aにおける例示的な実施形態は、図7における例示的な実施形態と非常に類似した外観を有する。これら2つの送信機の間の違いは、実際には、図7におけるMAC層信号処理ユニット719は、図7Aにおける送信機の回路設計の異なる箇所に配置され、回路設計内で参照番号719'により示される、ということのみである。
【0109】
これにより、図7における切り替えユニット714および信号結合ユニット716が合わさって図7Aにおける切り替えユニット717になる、という結果がさらにもたらされる。
【0110】
図7Aにおける例示的な実施形態については、これは、ユニキャスト送信とBC/MC送信間の切り替えが、ここで、MAC層信号処理719とPHY層信号処理722との間で行われることを意味する。この例示的な実施形態には追加の利点がある。なぜなら、ブロードキャストデータまたはマルチキャストデータがBC/MC送信モードで送信されるフォーマットが、自由に選択され得るからである。このことは、図2Aおよび図4Aに、さらには図8の(c)にも示されるように、BC/MCデータの送信につながり得る。この場合、EDCAパラメータ要素を有するビーコンフレームが一度のみ生成される必要があり、EDCAパラメータ要素の部分要素における第1のコードワードは、「1」と等しい値を有することが可能であり、この部分要素における第2のコードワードは、任意の値を有することが可能であり、従って、後続のBC/MCデータフレームDF(BC/MC)は、図8の(c)に示されるように、ユニキャストデータフレームDF(UC)よりはるかに長くてよい任意の長さを有することが可能である。
【0111】
[受信機]
図9は、図1図3および図5の送信機ネットワークにおいて用いられ得る、図1における受信機112のような受信機912の第1の例示的な実施形態を示す。特に、図9における受信機は、図7の送信機と連携して、図7の受信機の送信信号を受信し得る。図9に示される全ての回路要素は、図5におけるブロック518に含まれると考えられるべきである。
【0112】
図9における受信機912は、送信機APiにより送信される送信信号904を受信するためのアンテナ902を備える。受信機のこの例示的な実施形態において、受信機は、図7の送信機の送信信号を受信するのに適している。
【0113】
アンテナ902は、送信信号906をDLL(データリンク層)情報信号に変換するための変換ユニット906(物理層再変換ユニット)の入力に結合される。この変換ユニット906は、OFDM復調および/またはデコード方法による、変調方法および/またはコーディング方法のような、IEEE802.11信号処理プロトコルの物理層における送信機側で、送信される情報に対して実行された信号処理を逆進させる。変換ユニット906の出力には、ここで、データフレームおよびビーコンフレームの両方を含むシリアルデータストリームが生じる。ビーコンフレームは各々、EDCAパラメータ要素を含む。このデータストリームは、切り替えユニット922の端末922に供給されるDLL情報信号を情報信号に変換するための第2の変換ユニット907(MAC LYR再変換ユニット)上で変換される。この変換ユニット907は、IEEE802.11信号処理プロトコルのMAC層における送信機側で、送信される情報に対して実行された信号処理を逆進させる。EDCA抽出ユニット908が提供される。この抽出ユニット908は、DLL情報信号からEDCAパラメータ要素を導出して、ブロック908aにおいて、送信機APiの送信モードを示す第1のコードワード502(図6を参照されたい)または606(図6Aを参照されたい)の値をEDCA部分パラメータ要素から検出するように適合させられる。この目的を達成するために、モード検出デバイス908bが提供される。必要な場合、BC/MC送信モードの長さの基準である第2のコードワード504(図6を参照されたい)もしくは610(図6Aを参照されたい)または680/682(図6Bを参照されたい)も、このEDCA部分パラメータ要素から検出される。この場合、BC/MC時間間隔検出デバイス908cがさらに提供される。従って、抽出ユニット908は、制御信号910a(検出デバイス908bが存在する場合のみ)または2つの制御信号910aおよび910b(さらに検出デバイス908cも存在する場合)を生成する。この信号は、中央制御ユニット(CPU920)に供給される。必要な場合、線932aおよび932bを介して中央制御ユニット930に結合されるカウンタ930も提供される。
【0114】
受信機912は、変換ユニット907の出力に結合される入力922aと、第1の出力922bおよび第2の出力922cと、制御入力922dとを有する切り替えユニット922を備える。中央制御ユニット920の制御信号出力920aが、切り替えユニット922の制御入力922dに結合される。
【0115】
受信機912は、第1のバッファメモリ924と、第2のバッファメモリ926と、ユニキャスト信号処理ユニット928とブロードキャストまたはマルチキャスト信号処理ユニット934をさらに備える。切り替えユニット922の出力922bは、バッファメモリ924の入力に結合される。切り替えユニット922の出力922cは、第2のバッファメモリ926の入力に結合される。第1のバッファメモリ924の出力は、ユニキャスト信号処理ユニット928の入力に結合される。第2のバッファメモリ926の出力は、ブロードキャストまたはマルチキャスト信号処理ユニット934の入力に結合される。
【0116】
受信機912は、この状況では以下により詳細に示されるように動作する。この場合、まず、受信機のユーザは、例えば、インターネットからファイルを同時にダウンロードすることを望むので、ブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信およびユニキャスト送信の両方に関心があるとここでは仮定する。
【0117】
送信機APiは、ユニキャスト送信モードを送信するとまず仮定する。受信機912は、送信機APiから送信信号を受信する。この連続送信信号において、(ビーコン内の)EDCAパラメータ要素は、一定の時間間隔で送信され、モード検出ユニット908bは、第1のコードワード(図6における502'または図6Aにおける606のいずれか)が「0」と等しいことを検出する。この検出の結果は、線910aを介して中央制御ユニット920へルーティングされ、中央制御ユニット920は、入力922aが第1の出力922bに接続される位置に切り替えユニット922が配置されるように、出力920aにおいて制御信号を生成する。従って、変換ユニット907により変換された情報信号は、第1のバッファメモリ924に供給される。
【0118】
さらに、中央制御ユニット920(不図示)は、変換ユニット907により変換された情報信号がユニキャスト受信モードにおいてさらに処理され得るように、第1のバッファメモリ924およびユニキャスト信号処理ユニット928を制御する。
【0119】
まず、これは、変換された情報信号が第1のバッファメモリ924に格納されることにより実現される。送信されるユニキャスト情報は、第1の時間間隔においてブロック毎に(従って、継続的にではない)受信機へ送信されるので、第1のバッファメモリ924が必要である。しかしながら、ユニキャスト信号処理ユニット928の出力936には概して、利用可能な継続的なユニキャスト情報信号が存在するべきである。従って、送信機から受信機へのユニキャスト情報の送信は、ユニキャスト情報が受信されない第2の時間間隔中、ユニキャスト信号処理ユニット928が、出力936において可能であるような程度継続的なデータストリームを生成するよう継続して動作し得るよう第1のメモリ924からデータをさらに読み出し得るように、第1のメモリ924が平均で半充填されるように調整される。
【0120】
制御ユニット108(図1および図3を参照されたい)の制御の影響下にある送信機APiが、ここでブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードで動作するように送信モードを変えた場合、これは、受信機912について、送信モード検出ユニット908bが第1のコードワード606(図6における502''および図6Aにおける606)が「1」と等しいのを検出していることを意味する。
【0121】
この検出の結果は、線910aを介して中央制御ユニット920へルーティングされ、中央制御ユニット920は、入力922aが第2の出力922cに接続される位置に切り替えユニット922が配置されるように、出力920aにおいて制御信号を生成する。さらに、中央制御ユニット920は、第1のバッファメモリ924へのデータの読み出しが非アクティブ化されるように第1のバッファメモリ924を制御する。
【0122】
従って、変換ユニット907により変換された情報信号は、ここで第2のメモリ926に供給される。
【0123】
さらに、中央制御ユニット920(不図示)は、第2のメモリ926およびブロードキャストまたはマルチキャスト信号処理ユニット934を、変換された情報信号をそれらがブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで継続して処理し得るように制御する。
【0124】
まず、これは、変換された情報信号が第2のバッファメモリ926に格納されることにより実現される。送信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報は、第2の時間間隔において、ブロック毎に(従って、継続的にではない)受信機へ送信される(とりわけ図2を参照されたい)ので、第2のバッファメモリ926が必要である。しかしながら、ブロードキャストまたはマルチキャスト信号処理ユニット934の出力938には、利用可能な継続的なブロードキャスト情報信号またはマルチキャスト情報信号が存在すべきである。従って、送信機から受信機へのブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報報の送信は、ブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報が受信されない第1の時間間隔中、ブロードキャストまたはマルチキャスト信号処理ユニット934が、出力938において継続的なデータストリームを生成するよう継続して動作し得るよう第2のメモリ926からデータをさらに読み出し得るように、第2のメモリ926が平均で半充填されるようなものである。
【0125】
さらに、時間間隔検出ユニット908cは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準である第2のコードワード(図6における504または図6Aにおける610もしくは図6Bにおける680/682)を検出する。図6および図6Aの例示的な実施形態において、第2のコードワードは特定の値である。この値は、検出ユニット908cから線910bを介して中央制御ユニット920へ供給される。中央制御ユニット920は、回線932aを介して、この値をカウンタ930に格納する。この例示的な実施形態において、カウンタ930は、カウントダウンを始めて、数値「0」に達するまで継続する。次に、カウンタ930は、回線932bを用いて、停止制御信号を中央制御ユニット920へ送る。この停止信号の影響下で、中央制御ユニット920(不図示)は、切り替えユニット922を他の位置に切り替えるよう切り替えユニット922を制御すると共に、第2のバッファメモリ926へのデータの読み出しが非アクティブ化されるように、第2のバッファメモリ926およびBC/MC信号処理デバイス938を制御する。上記で説明された例示的な実施形態において、カウンタ930は、第2のコードワード504または610から導出された数値から「ゼロ」へとカウントダウンする。カウンタ930の他の手順は当然、等しく可能である。これに関連して、例えば、カウンタ930がここで「ゼロ」から、第2のコードワード504または610から導出された数値へとカウントアップする例示的な実施形態を想起することが可能である。
【0126】
第2のコードワードが図6Bによるコードワードである場合、従って、2つの値TI1およびTI2が検出され、制御ユニット920へルーティングされる。カウンタ930は、2つのサブカウンタ930aおよび930b(不図示)を含む。値TI1は、ここでサブカウンタ930aに格納され、第1のコードワードの受信とユニキャスト受信モードからブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードへの受信機の現在の切り替えとの間の時間間隔の長さを決定する。値TI2は、サブカウンタ930bに格納され、次に、受信機がユニキャスト受信モードに再度切り替わるまでブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードのままである時間間隔の長さを決定する。
【0127】
ここで、受信機のユーザはユニキャスト送信の受信のみに関心があると仮定する。これは、「1」と等しい第1のコードワードの受信において、中央制御ユニット920が、送信機のブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信の第2の時間間隔中、第1のバッファメモリ924へのデータの読み出しが非アクティブ化されるように、第1のバッファメモリ924を制御することを意味する。さらに、切り替えユニット922は他の位置に切り替わらず、また、データはバッファメモリ926に読み出されない。
【0128】
ここで、受信機のユーザはブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信の受信のみに関心があると仮定する。これは、第1のコードワード「0」の受信において、中央制御ユニット920が、送信機のユニキャスト送信の第1の時間間隔中、第2のバッファメモリ926へのデータの読み出しが非アクティブ化されるように、第2のバッファメモリ926を制御することを意味する。さらに、切り替えユニット922は他の位置に切り替わらず、データはバッファメモリ924に読み出されない。図9Aは、図1図3および図5の送信機ネットワークにおいて用いられ得る、図1における受信機112のような受信機912の第2の例示的な実施形態を示す。特に、図9Aにおける受信機は、図7Aの送信機と連携して、図7Aの受信機の送信信号を受信し得る。図9Aに示される全ての回路要素は、図5におけるブロック518に含まれると考えられるべきである。
【0129】
図9Aにおける例示的な実施形態は、図9における例示的な実施形態と非常に多くの類似点を有する。これら2つの受信機の間の違いは、実際には、図9におけるMAC層変換ユニット907は、図9Aにおける受信機912の回路設計の異なる箇所に配置され、回路設計内で参照番号907'により示される、ということのみである。
【0130】
図9Aにおける例示的な実施形態については、これは、ユニキャスト送信とBC/MC送信との間の切り替えがここで、PHY層変換ユニット902とMAC層変換ユニット907との間で行われることを意味する。この例示的な実施形態には追加の利点がある。なぜなら、ブロードキャストデータまたはマルチキャストデータがBC/MC送信モードで送信されるフォーマットが、自由に選択され得るからである。このことは、図2Aおよび図4Aに、さらには図8の(c)にも示されるように、BC/MCデータの送信につながり得る。この場合、EDCAパラメータ要素を有するビーコンフレームが検出ユニット908bにおいて一度のみ検出される必要があり、EDCAパラメータ要素の部分要素における第1のコードワードは、「1」と等しい値を有することが可能であり、この部分要素における第2のコードワードは、任意の値を有することが可能であり、従って、後続のBC/MCデータフレームDF(BC/MC)は、図8の(a)に示されるように、ユニキャストデータフレームDF(UC)よりはるかに長くてよい任意の長さを有することが可能である。
【0131】
[WLAN送信リンクの説明におけるさらなる例示的な実施形態]
図10は、図6Bの(a)では参照番号602により示され、図10では1002により示される32ビットAC_BCパラメータレコードのさらなる例示的な実施形態を示す。
【0132】
現在の例示的な実施形態において、AC_BCパラメータレコード1002(図10の(b)を参照されたい)の最初の2バイト(参照番号1004により示される)は、場合によっては、ユニキャスト送信モードまたはブロードキャスト送信モードもしくはマルチキャスト送信モードを示す第1のコードワードを含む(例えば、図6Bの(c)および(d)でコードワード606/606'を参照されたい)。
【0133】
さらに、図10の(c)は、AC_BCパラメータレコード1002の最後の2バイト(図10の(b)において参照番号1006により示される)の構造を示す。このフィールド1006は、ブロードキャスト開始/停止(BC-SST)フィールドとして示される。
【0134】
ビットb=0は、現在評価されているこのAC-BCパラメータレコードにおけるビットb-b15に情報が送信されないことを意味する。対照的に、ビットb=0は、1個のポインタ情報PIがビットb-b15に送信されることを意味する。ビットbからbは、ポインタ情報PIがどのように解釈されるかについてのこの場合における8つの可能なタイプ(TYPE)を表す。 現在、ビット組み合わせの3つの場合が定義されている。
1)000→開始/停止(絶対時間情報)
2)001→開始/停止(N番目のフレームの後のフレームにおけるもの/N番目のフレームが停止した後のフレームにおけるもの)
3)010→NanzStart後の開始/NanzStop後の停止(フレームの数がカウントされる)
4)011-111→将来の用途のために予約済み
【0135】
ビットbからbは現在用いられていない(NU、同様に将来の用途のために予約済みのままである)。ビットb-b15は、1個のポインタ情報PIを意味する。図10の(a)のEDCAパラメータ要素内の正確な時点(正確な開始点)が特徴付けられる。この場合、数0から127(2)が示され得る。この数は、20バイトの時間情報またはカウンタ情報のうちの最初のバイトを直接取得するためにCW2フィールドの後に直接カウントオフされる必要があるバイトの数に対応する。例えば、ポインタ情報が故にPI=0である場合、これは、図10の(a)にも示されるように、CW2フィールドの直後に20バイトの時間情報またはカウンタ情報のうちの最初のバイトが続くことを意味する。例えば、ポインタ情報がPI=28である場合、これは、20バイトの時間情報またはカウンタ情報の始点に達するために28バイトがCW2フィールドの直後にカウントオフされる必要があることを意味する。これは、例えば、AC_BCパラメータレコードがEDCAパラメータ要素における末尾ではない場合がそうである。
【0136】
[1)に関して]
20バイトは、2つの10バイトの時間情報である絶対開始時刻および絶対停止時刻を含む。2つの時間の記載は、タイムスタンプフォーマットまたは高精度時間プロトコル(PTP)に用いられる規格に対応する(48ビット符号なし秒、32ビット符号なしナノ秒)。この絶対時間情報の評価に続いて、まさにWiFi(登録商標)でのOFDMシンボルのグリッド間隔においてユニキャストとブロードキャストとの間で切り替えることが可能である。
【0137】
[2)に関して]
20バイトは、2つの10バイトのカウンタ情報を含む。最初の10バイトは開始カウンタであり、2番目の10バイトは停止カウンタである。停止カウンタは常に開始カウンタより高い値を有する。ビーコンフレームが受信されたときはいつでも、2つのカウンタはカウントダウンされる。開始カウンタのカウント値が値ゼロに達した場合、これは、ユニキャストモードからブロードキャストモードへの切り替えが行われていることを意味する。停止カウンタのカウント値が値ゼロに達した場合、これは、ブロードキャストモードからユニキャストモードへ戻る切り替えが行われていることを意味する。
【0138】
[3)に関して]
20バイトは、2つの10バイトのカウンタ情報を含む。最初の10バイトは開始カウンタであり、2番目の10バイトは数字カウンタである。ビーコンフレームが受信されたときはいつでも、開始カウンタはカウントダウンされ、この場合、数のカウント値は、影響を受けないままである。開始カウンタのカウント値が値ゼロに達した場合、これは、ユニキャストモードからブロードキャストモードへの切り替えが行われていることを意味する。ビーコンフレームがその後受信されたときはいつでも、数字カウンタは値ゼロに達するまでカウントダウンされ、次に、ブロードキャストからユニキャストモードへ戻る切り替えが行われる。
【0139】
図10の例示的な実施形態に関連してここで説明されたことから、この場合に第1のコードワードの存在が必要ではないことが明らかである。
【0140】
しかしながら、図10に示されるようにEDCAパラメータ要素が受信された場合、図9および図9Aに示される受信機は、CW2フィールドに含まれる情報を読み出して処理することが可能であるべきである。
【0141】
これは、抽出ユニット908/908aが、図9および図9Aに示されるように、フィールド1006(CW2)を検出して読み出さなければならないことを意味する。次に、カウンタ930は、(絶対)時間パルスまたはビーコンフレームの受信および検出をカウントすることにより、第2の時間間隔の長さを決定する。
【0142】
要約すると、ユニキャスト送信とブロードキャスト送信またはマルチキャスト送信との間の切り替えは、以下のとおり行われる。
【0143】
例示的な一実施形態において、第1のコードワードのみが存在する。第1のコードワードの第1の値が検出された場合、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えが行われる。さらに、第1のコードワードの第2の値が検出された場合、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0144】
別の例示的な実施形態において、第2のコードワードのみが存在する。第2のコードワードは、例えば、時間値を含み得る。第2のコードワードの発生が検出された場合、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えが行われる。言及された時間値と長さが一致する時間間隔の後に、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0145】
第2のコードワードだけがあるさらなる例示的な実施形態において、第2のコードワードは、第1の時間値および第2の時間値を含む。第2のコードワードの発生が検出された場合、第1の時間値と長さが一致する時間間隔の後に、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えが行われる。第2の時間値と長さが一致するさらなる時間間隔の後に、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0146】
第2のコードワードだけがあるさらに別の例示的な実施形態において、第2のコードワードは、例えば、数値を含み得る。第2のコードワードの発生が検出された場合、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えが行われる。その後、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えに続いて受信された送信信号に生じるビーコンフレームがカウントされる。数値に従った同数のビーコンフレームがカウントされる場合、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0147】
さらに別の可能性は、第2のコードワードが第1の数値および第2の数値を含むことである。第2のコードワードの発生の検出後に、カウントされたビーコンフレームの数が第1の数値と一致するまで、ビーコンフレームがカウントされる。次に、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替が行われる。その後、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えの後に受信された送信信号に生じるビーコンフレームがカウントされる。第2の数値に従った同数のビーコンフレームがカウントされる場合、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0148】
再度であるが、さらに別の可能性は、第1のコードワードおよび第2のコードワードの両方が存在することである。第2のコードワードは、例えば、時間値または数値を含み得る。受信された送信信号において第1のコードワードの発生が検出された場合、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替が行われる。
【0149】
第2のコードワードが時間値を含む場合、言及された時間値と長さが一致する時間間隔の後に、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0150】
第2のコードワードが数値を含む場合、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えの後に受信された送信信号において生じたビーコンフレームがカウントされる。数値に従った同数のビーコンフレームがカウントされる場合、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0151】
再度であるが、さらに別の可能性は、第1のコードワードおよび第2のコードワードの両方が存在することである。第2のコードワードは、2つの時間値または2つの数値を含む。
【0152】
第2のコードワードが2つの時間値を含む場合において、第1の時間値と一致する時間間隔の後に受信された送信信号において第1のコードワードの発生が検出されたときは、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替えが行われる。第2の時間値と一致するさらなる時間間隔の後に、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0153】
第2のコードワードが2つの数値を含む場合、第1の数値と等しいビーコンフレームの数がカウントされるまで、送信信号において生じたビーコンフレームの数がカウントされる。次に、ユニキャスト受信からブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信への切り替が行われる。その後、第2の数値と等しいビーコンフレームの数がカウントされるまで、カウントが続けられる。次に、ブロードキャスト受信またはマルチキャスト受信からユニキャスト受信への切り替えが行われる。
【0154】
全ての例示的な実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかにおいて実現され得ることが、この状況では言及されるべきである。ソフトウェアソリューションは、例えば、送信機または受信機の動作を実現するための既存のデバイスにおけるアプリに格納され得る。全ての可能な例示的な実施形態が、ここで、繰り返される。
【0155】
A.送信機ネットワークの第1の例示的な実施形態において、送信機ネットワークは、同じ周波数範囲内で送信をする少なくとも2つの送信機(AP1、AP2…)を備える。送信機のユニキャスト送信モードでは、送信機は、連続する第1の時間間隔(0-t3、t4-t8、t9-t12、t13-t17…)においてユニキャスト情報パケット(UC)を送信するように適合させられる。少なくとも2つの送信機はさらに、第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔(t3-t4、t8-t9、t12-t13、t17-t18)において、ブロードキャストモードまたはマルチキャストモードのそれぞれで、主に等しく、かつ、主に同時に送信される、送信機により第2の時間間隔において送信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報(BC)を同時に送信するように適合させられる。(図1図2)。
【0156】
B.例示的な実施形態Aの送信機ネットワークは、WiFi(登録商標)ネットワークまたはWLANネットワークに統合されていてよい。
【0157】
C.この場合、少なくとも2つの送信機(AP1、AP2…)は、互いに時間的に同期し得る。
【0158】
D.この場合、送信機ネットワークCによれば、少なくとも2つの送信機は、PTP(高精度時間プロトコル)プロトコル標準仕様に従って、互いに同期し得る。
【0159】
E.上記の例示的な実施形態の全てにおいて、第2の時間間隔は、繰り返し生じ得る。
【0160】
F.この場合、第2の時間間隔が、さらに定期的に繰り返し生じ得る。
【0161】
G.さらに、連続する第2の時間間隔の長さは、互いに等しくてよい。
【0162】
H.前述の請求項のいずれか一項に記載の送信機ネットワークであって、2つの連続する第1の時間間隔において、第1の送信機は、2つの連続する第1の時間間隔のうちのある第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットを送信するように適合させられ、第2の送信機は、この時間間隔において沈黙し、第2の送信機は、2つの連続する第1の時間間隔のうちのある第2の時間間隔においてユニキャスト情報パケットを送信するように適合させられ、第1の送信機は、この時間間隔において沈黙することを特徴とする、送信機ネットワーク。
【0163】
I.全ての場合において、送信機ネットワークは、送信機ネットワークにおける送信機をユニキャスト送信モードまたはブロードキャスト送信モードもしくはマルチキャスト送信モードで制御するための中央制御ユニット(108a、108b)を備える。
【0164】
J.この場合、中央制御ユニット(108a、108b)は、連続する第2の時間間隔の長さを制御するように適合させられる。
【0165】
K.請求項11による中央制御ユニット(108a、108b)の動作を可能にするソフトウェアまたはアプリ。
【0166】
L.上記で示された送信機ネットワークにおいて用いられ得る送信機の例示的な実施形態は、WLAN送信信号を送信するように適合させられる。WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、ビーコンフレームを繰り返し含む。さらに、特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含む。第1のコードワードは、送信機のユニキャスト送信モードを特徴付ける第1の値を担い得、かつ、送信機のブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードを特徴付ける第2の値を担い得る。第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準である。
【0167】
M.第1のコードワード(606)は、1ビットコードワードであり得る。
【0168】
N.この場合、「1」と等しい最初の1ビットコードワード(606)は、送信機のブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードを特徴付け得る。
【0169】
О.さらに、「0」と等しい最初の1ビットコードワード(606')は、送信機のユニキャスト送信モードを特徴付け得る。
【0170】
P.送信機のさらなる例示的な実施形態において、特定のビーコンフレームは、EDCA(拡張型分散チャネルアクセス)パラメータ要素を含み得る。EDCAパラメータ要素は、第1のコードワード(606)および/または第2のコードワードを含む。(図6図6A
【0171】
Q.この場合、EDCAパラメータ要素は、部分パラメータ要素(パラメータレコード)を含み得る。部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において既に定義されているEDCA部分パラメータ要素のうちの1つであり、第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを含む。(図6
【0172】
R.代替的に、EDCAパラメータ要素は、第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを含む追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード、602)を含み得る。(図6A
【0173】
S.第2のコードワードは、インジケータ信号およびN個の時間インジケータを含み得る。時間インジケータは第2の時間間隔の長さの基準であり、Nは1または2と等しい。(図10
【0174】
T.この場合、N=2であることが可能である。時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および終了時刻の基準である。
【0175】
U.別の可能性は、第2のコードワードが、インジケータ信号および値を含むということである。値は、送信信号における第2の時間間隔に含まれるビーコンフレームの数の基準である。(図10
【0176】
V.特定のビーコンフレームは、EDCA(拡張型分散チャネルアクセス)パラメータ要素を含み得る。EDCAパラメータ要素は、少なくとも1つの部分要素(AC_BCパラメータレコード)を含む。少なくとも1つの部分要素は、第2のコードワードのインジケータ信号を含む。N個の時間インジケータまたは値は、部分要素の後の送信信号に含まれる。(図10
【0177】
W.この場合、EDCA部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において既に定義されているEDCA部分パラメータ要素のうちの1つである。(図10
【0178】
X.代替的に、少なくとも1つの部分パラメータ要素は、EDCAパラメータ要素に含まれる追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード、602)であり得る。追加の部分要素は、第2のコードワードのインジケータ信号を含む。(図10
【0179】
Y.送信機は第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを含むビーコンフレームを生成するための生成ユニット(720)をさらに備え得る。送信機はさらに、ビーコンフレームをユニキャストデータまたはブロードキャストデータもしくはマルチキャストデータと結合して(716)送信用のシリアルデータストリームを生成するように適合させられ得る。
【0180】
Z.送信機は、中央制御ユニット(108、108'、108'')の制御信号に基づいてユニキャストデータとブロードキャストデータまたはマルチキャストデータとの間で切り替えるための切り替えユニット(714)をさらに備え得る。
【0181】
AA.この場合、生成ユニットは、ビーコンフレームを生成するように適合させられ得る。送信機は、ビーコンフレームを、中央制御ユニット(108、108'、108'')のユニキャストデータまたはブロードキャストデータもしくはマルチキャストデータと、両方とも制御信号に基づいて結合するように適合させられ得る。
【0182】
AB.送信機の動作を可能にするソフトウェアまたはアプリが提供され得る。
【0183】
AC.上記で説明された送信機により送信される送信信号を受信するために送信機ネットワークにおいて用いられ得る受信機の例示的な実施形態は、連続する第1の時間間隔において、受信機のユニキャスト受信モードでユニキャスト情報パケットを受信するように適合させられる。受信機はさらに、第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔において、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードで、それぞれ、ブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットを受信するように適合させられる。
【0184】
AD.この場合、受信機はさらに、第1の時間間隔において受信されたユニキャスト情報パケットを第1のバッファメモリ(924)に格納し、かつ、第2の時間間隔において受信されたブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットを第2のバッファメモリ(926)に格納するように適合させられ得る。
【0185】
AE.受信機の別の例示的な実施形態において、受信機は、送信機ネットワークにおける送信機からWLAN送信信号を受信するように適合させられる。WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、ビーコンフレームを繰り返し含む。特定のビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワード(502、606)のうちの少なくとも一方を含む。第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付ける。第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準である。受信機は、第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを検出するための検出デバイス(908、908b)を備える。
【0186】
AF.この場合、第1のコードワードは、送信機のユニキャスト送信モードを特徴付ける第1の値(502'、606')を担い得、かつ、送信機のブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードを特徴付ける第2の値(502''、606'')を担い得る。受信機は、第1のコードワードの第1の値を検出するとユニキャスト受信モードをオンに切り替え、かつ、第1のコードワードの第2の値を検出するとブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードをオンに切り替えるように適合させられる。
【0187】
AG.第1のコードワード(502''、606'')は、1ビットコードワードであり得る。受信機(908b)は、第1のコードワードの「0」という値を検出するとユニキャスト受信モードをオンに切り替え、かつ、第1のコードワードの「1」という値を検出するとブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードをオンに切り替えるように適合させられ得る。
【0188】
AH.受信機は、第2のコードワードを検出するための検出デバイス(908c)を備え得る。受信機は、検出された第2のコードワードの値を、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードをオフに切り替えるための基準として取得ように適合させられ得る。
【0189】
AI.受信機は、カウンタ(930)を備え得る。受信機はさらに、第2のコードワード(504、610)をカウンタにおけるカウント値としてロードするように適合させられ得る。
【0190】
AJ.この場合、カウンタ(930)は、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードへの切り替えの時点で自らのカウント値をカウントダウンするように適合させられ得る。受信機はさらに、カウンタにおいてカウント値ゼロに達した場合、自らの受信モードをブロードキャストモードまたはマルチキャストモードからユニキャスト受信モードに切り替えるように適合させられ得る。
【0191】
AK.さらに、特定のビーコンフレームは、EDCA(拡張型分散チャネルアクセス)パラメータ要素を含み得る。EDCAパラメータ要素は、第1のコードワードおよび/または第2のコードワード(606)を含む。検出デバイスは、EDCAパラメータ要素から第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを検出するように適合させられ得る。
【0192】
AL.EDCAパラメータ要素は、部分パラメータ要素をさらに含み得る。部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において既に定義されているEDCA部分パラメータ要素のうちの1つであり、第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを含む。検出デバイスは、EDCA部分パラメータ要素から第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを検出するように適合させられ得る。
【0193】
AM.代替的に、EDCAパラメータ要素は、追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード、602)を含み得る。追加の部分パラメータ要素は、第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを含む。検出デバイスはさらに、追加のEDCA部分パラメータ要素から第1のコードワードおよび/または第2のコードワードを検出するように適合させられ得る。
【0194】
AN.第2のコードワード(CW2、610)は、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さを特徴付け得る。
【0195】
AO.第2のコードワードは、インジケータ信号および2つの時間インジケータを含み得る。時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および終了時刻の基準である。受信機は、インジケータ信号を検出し、当該検出に応答して、受信された送信信号から2つの時間インジケータを読み出すように適合させられ得る。(図10
【0196】
AP.第2のコードワードは、インジケータ信号および値も含み得る。値は、第2の時間間隔における送信信号に含まれるビーコンフレームの数の基準である。受信機はさらに、インジケータ信号を検出し、当該検出に応答して、受信された送信信号から値を読み出すように適合させられ得る。(図10
【0197】
AQ.本発明による受信機の動作を可能にするソフトウェアまたはアプリが提供され得る。
【0198】
AR.また、送信機はさらに、中央制御ユニット(108)により供給された制御信号に基づいて、送信モードをユニキャスト送信モードからブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードに、およびその逆へ切り替えるように適合させられ得る。送信機は、この目的を達成するために、送信機における、物理層信号処理ユニット(722)の上流に、および適宜、MAC層信号処理ユニット(719')の下流に配置された切り替えユニット(714、717)を備える。
【0199】
AS.受信機はさらに、ユニキャスト受信モードをブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードに、およびその逆へ切り替え得ると共に、受信機における、物理層信号処理ユニット(906)の下流に、および適宜、MAC層信号処理ユニット(907')の上流に配置された切り替えユニット(922)を備え得る。
[項目1]
同じ周波数範囲内で送信をする少なくとも2つの送信機を備え、
前記少なくとも2つの送信機のユニキャスト送信モードでは、前記少なくとも2つの送信機は、後続の第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットを送信するように適合させられ、
前記少なくとも2つの送信機はさらに、前記第1の時間間隔の間にある第2の時間間隔において、ブロードキャストモードまたはマルチキャストモードで、ブロードキャスト情報パケットまたはマルチキャスト情報パケットをそれぞれ同時に送信するように適合させられ、
前記少なくとも2つの送信機により前記第2の時間間隔においてそれぞれ送信される前記ブロードキャスト情報パケットまたは前記マルチキャスト情報パケットは、実質的に等しく、かつ、実質的に時間的に同期して前記送信機により送信される、
送信機ネットワーク。
[項目2]
WiFi(登録商標)ネットワークまたはWLANネットワークに統合された、項目1に記載の送信機ネットワーク。
[項目3]
前記少なくとも2つの送信機は、前記第2の時間間隔内で単一周波数ネットワークを形成すべく、互いに時間的に同期される、
項目1または2に記載の送信機ネットワーク。
[項目4]
前記少なくとも2つの送信機は、PTPプロトコル(高精度時間プロトコル)に従って互いに時間的に同期される、
項目3に記載の送信機ネットワーク。
[項目5]
前記第2の時間間隔は、時間的に繰り返し生じる、
項目1から4のいずれか一項に記載の送信機ネットワーク。
[項目6]
前記第2の時間間隔は、時間的に一定の時点で繰り返し生じる、
項目5に記載の送信機ネットワーク。
[項目7]
後続の前記第2の時間間隔の長さは、実質的に互いに等しい、
項目6に記載の送信機ネットワーク。
[項目8]
2つの後続の第1の時間間隔において、第1の送信機は、ユニキャスト情報パケットを前記2つの後続の第1の時間間隔のうちの第1の時間間隔において送信するように適合させられ、第2の送信機は、前記第1の時間間隔において沈黙し、ユニキャスト情報パケットを前記2つの後続の第1の時間間隔のうちの前記第2の時間間隔において送信するように適合させられ、前記第1の送信機は、前記第2の時間間隔において沈黙する、
項目1から7のいずれか一項に記載の送信機ネットワーク。
[項目9]
前記送信機ネットワークにおける前記少なくとも2つの送信機をユニキャスト送信モードまたはブロードキャスト送信モードもしくはマルチキャスト送信モードで制御するための中央制御ユニットを備える、項目1から8のいずれか一項に記載の送信機ネットワーク。
[項目10]
前記中央制御ユニットは、後続の第2の時間間隔の長さを制御するように適合させられる、
項目9に記載の送信機ネットワーク。
[項目11]
項目9または10に記載の送信機ネットワークにおける前記少なくとも2つの送信機を制御するための中央制御ユニット。
[項目12]
項目11に記載の中央制御ユニットの機能を実現するためのソフトウェアまたはアプリ。
[項目13]
項目1から10のいずれか一項に記載の送信機ネットワークにおいて用いられ得る送信機であって、
前記送信機は、WLAN送信信号を送信するように適合させられ、前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームは、繰り返し生じるビーコンフレームを含み、
前記繰り返し生じるビーコンフレームのうちのいくつかは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、前記送信機のユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、前記送信機のブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードを示す第2の値をそれぞれ有し得、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さの基準であり、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれる、
送信機。
[項目14]
前記第1のコードワードは1ビットコードワードである、
項目13に記載の送信機。
[項目15]
「1」と等しい第1の1ビットコードワードが送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを特徴付ける、
項目14に記載の送信機。
[項目16]
「0」と等しい第1の1ビットコードワードが送信機の前記ユニキャスト送信モードを特徴付ける、
項目15に記載の送信機。
[項目17]
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、前記拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)における現在まで未使用のビット組み合わせに格納される、
項目13から16のいずれか一項に記載の送信機。
[項目18]
前記EDCAパラメータ要素は、EDCA部分パラメータ要素(パラメータレコード)と、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードとを含み、
前記EDCA部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において既に標準化されている前記EDCA部分パラメータ要素のうちの1つである、
項目13または17に記載の送信機。
[項目19]
前記EDCAパラメータ要素は、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含む、
項目13または17に記載の送信機。
[項目20]
前記第2のコードワードは、インジケータ信号およびN個の時間インジケータを含み、
前記時間インジケータは第2の時間間隔の長さの基準であり、Nは1または2と等しい、
項目13から19のいずれか一項に記載の送信機。
[項目21]
N=2であり、前記時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および終了時刻のそれぞれの基準である、
項目20に記載の送信機。
[項目22]
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および値を含み、前記値は、前記WLAN送信信号の第2の時間間隔における、前記WLAN送信信号に含まれるビーコンフレームの数の基準である、
項目13から19のいずれか一項に記載の送信機。
[項目23]
項目13から16のいずれか一項に従属する限りにおいて、
特定のビーコンフレームが拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)を含み、前記EDCAパラメータ要素は、少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含み、
前記少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素は、前記少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素の後の前記送信信号にそれぞれ収められる前記第2のコードワードの前記インジケータ信号と、N個の時間インジケータと、値とを含む、
項目20から22のいずれか一項に記載の送信機。
[項目24]
前記少なくとも1つのEDCA部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において既に標準化されている部分パラメータ要素である、
項目23に記載の送信機。
[項目25]
前記少なくとも1つの部分パラメータ要素は、前記EDCAパラメータ要素に含まれる追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード、)であり、前記追加の部分パラメータ要素は、前記第2のコードワードの前記インジケータ信号を含む、
項目23に記載の送信機。
[項目26]
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む前記ビーコンフレームを生成するための生成ユニットを備え、
さらに、前記ビーコンフレームをユニキャストデータまたはブロードキャストデータもしくはマルチキャストデータと結合して送信用のシリアルデータストリームにするように適合させられる、
項目13から25のいずれか一項に記載の送信機。
[項目27]
中央制御ユニットからの制御信号に応答して、前記ユニキャストデータと前記ブロードキャストデータまたは前記マルチキャストデータとの間でそれぞれ切り替えをするための切り替え装置をさらに備える、
項目26に記載の送信機。
[項目28]
前記生成ユニットは、前記ビーコンフレームを生成するように適合させられ、
前記送信機は、前記ビーコンフレームを前記ユニキャストデータまたは前記ブロードキャストデータもしくは前記マルチキャストデータと、両方とも中央制御ユニットからの制御信号に応答して、結合するように適合させられる、
項目26に記載の送信機。
[項目29]
項目13から28のいずれか一項に記載の送信機の機能を実現するためのソフトウェアまたはアプリ。
[項目30]
項目1から10のいずれか一項に記載の送信機ネットワークにおいて用いられ得る、項目13から28のいずれか一項に記載の送信機により送信される送信信号を受信するための受信機であって、
前記受信機のユニキャスト受信モードでは、後続の第1の時間間隔においてユニキャスト情報パケットを受信するように適合させられ、
さらに、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードでそれぞれ、前記第1の時間間隔の間に生じる第2の時間間隔においてそれぞれ受信されるブロードキャスト情報またはマルチキャスト情報を受信するように適合させられる、
受信機。
[項目31]
前記第1の時間間隔において受信された前記ユニキャスト情報パケットを第1のバッファメモリに格納し、かつ、それぞれ前記第2の時間間隔において受信された前記ブロードキャスト情報または前記マルチキャスト情報を第2のバッファメモリに格納するように適合させられる、項目30に記載の受信機。
[項目32]
項目1から10のいずれか一項に記載の送信機ネットワークにおいて用いられる受信機であって、
前記受信機は、前記送信機ネットワークにおける送信機からWLAN送信信号を受信するように適合させられ、
前記WLAN送信信号のシリアルデータストリームにおいて、ビーコンフレームが繰り返し生じ、特定の前記ビーコンフレームは、第1のコードワードおよび第2のコードワードのうちの少なくとも一方を含み、
前記第1のコードワードは、送信機の送信モードを特徴付け、
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードのそれぞれの第2の時間間隔の長さの基準であり、
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、ビーコンフレームにおける拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)に含まれ、
前記受信機は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備える、
受信機。
[項目33]
前記第1のコードワードは、前記送信機の前記ユニキャスト送信モードを示す第1の値を有し得、または、前記送信機の前記ブロードキャスト送信モードまたは前記マルチキャスト送信モードを示す第2の値を有し、
前記受信機は、前記第1のコードワードの前記第1の値を検出するとユニキャスト受信モードに切り替わり、かつ、前記第1のコードワードの前記第2の値を検出するとブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードに切り替わるように適合させられる、
項目32に記載の受信機。
[項目34]
前記第1のコードワードは、1ビットコードワードであり、
前記受信機は、前記第1のコードワードの「0」という値を検出するとユニキャスト受信モードに切り替わり、かつ、前記第1のコードワードの「1」という値を検出するとブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードに切り替わるように適合させられる、
項目33に記載の受信機。
[項目35]
前記第2のコードワードを検出するための検出装置を備え、
検出された前記第2のコードワードの値に基づいて、ブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードをオフに切り替えるように適合させられる、
項目32から34のいずれか一項に記載の受信機。
[項目36]
カウンタを備え、
さらに、前記第2のコードワードをカウント値として前記カウンタに格納するように適合させられる、
項目35に記載の受信機。
[項目37]
前記カウンタは、前記ブロードキャスト受信モードまたは前記マルチキャスト受信モードへの自らの受信モードの切り替えの時点で、自らのカウント値をカウントダウンするように適合させられ、
さらに、前記カウンタにおける前記カウント値がゼロ値に達すると、自らの受信モードを前記ブロードキャスト受信モードまたは前記マルチキャスト受信モードからユニキャスト受信モードに切り替えるように適合させられる、
項目36に記載の受信機。
[項目38]
特定のビーコンフレームは、拡張型分散チャネルアクセスパラメータ要素(EDCAパラメータ要素)を含み、
前記EDCAパラメータ要素は、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含み、
前記検出装置は、前記EDCAパラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するように適合させられる、
項目32に記載の受信機。
[項目39]
前記EDCAパラメータ要素は、EDCA部分パラメータ要素(パラメータレコード)と、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードとを含み、
前記EDCA部分パラメータ要素は、WLAN標準仕様IEEE802.11において既に標準化されている前記EDCA部分パラメータ要素のうちの1つであり、
前記検出装置は、前記EDCA部分パラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するように適合させられる、
項目38に記載の受信機。
[項目40]
前記EDCAパラメータ要素は、前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを含む追加の部分パラメータ要素(AC_BCパラメータレコード)を含み、
前記検出装置は、前記追加の部分パラメータ要素から前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを検出するように適合させられる、
項目38に記載の受信機。
[項目41]
前記第2のコードワードは、ブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードの第2の時間間隔の長さを特徴付ける、
項目32から40のいずれか一項に記載の受信機。
[項目42]
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および2つの時間インジケータを含み、
前記2つの時間インジケータは、第2の時間間隔の開始時刻および停止時刻のそれぞれの基準であり、
前記受信機は、前記インジケータ信号を検出し、かつ、前記インジケータ信号の検出に応答して、受信された前記送信信号から前記2つの時間インジケータを取得するように適合させられる、
項目32から40のいずれか一項に記載の受信機。
[項目43]
前記第2のコードワードは、インジケータ信号および値を含み、
前記値は、第2の時間間隔において受信された前記送信信号のビーコンフレームの数の基準であり、
前記受信機は、前記インジケータ信号を検出し、かつ、前記インジケータ信号の検出に応答して、受信された前記送信信号から前記値を取得するように適合させられる、
項目32から40のいずれか一項に記載の受信機。
[項目44]
項目30から43のいずれか一項に記載の受信機の機能を実現するためのソフトウェアまたはアプリ。
[項目45]
中央制御ユニットにより前記送信機に供給される制御信号に基づいて、自らの送信モードをユニキャスト送信モードからブロードキャスト送信モードまたはマルチキャスト送信モードに、およびその逆へ切り替えるように適合させられ、
物理層信号処理ユニットの前、および適宜、MAC層信号処理ユニットの後に収容された切り替えユニットを備える、
項目13から28のいずれか一項に記載の送信機。
[項目46]
ユニキャスト受信モードをブロードキャスト受信モードまたはマルチキャスト受信モードに、およびその逆へ切り替えるために、前記受信機は、
物理層信号処理ユニットの後、および適宜、MAC層信号処理ユニットの前で前記受信機に収容された切り替えユニットを備える、
項目30から43のいずれか一項に記載の受信機。
[項目47]
前記送信機と、項目13から28のいずれか一項に記載の少なくとも1つの第2の送信機とは、前記第2の時間間隔内で単一周波数ネットワークを実現すべく、互いに時間的に同期される、
項目13から28のいずれか一項に記載の送信機。
[項目48]
前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードは、前記EDCAパラメータ要素における現在まで未使用のビット組み合わせに格納され、
前記受信機はさらに、前記EDCAパラメータ要素における前記現在まで未使用のビット組み合わせから前記第1のコードワードおよび/または前記第2のコードワードを取得するように適合させられる、
項目32に記載の受信機。
[項目49]
単一周波数ネットワークを構築すべく複数の送信機が前記第2の時間間隔内で互いに時間的に同期されるように前記複数の送信機を制御するように適合させられる、項目11に記載の中央制御ユニット。
図1
図2
図2A
図3
図4
図4A
図5
図5A
図5B
図6
図6A
図6B
図7
図7A
図8a)】
図8b)】
図8c)】
図9
図9A
図10