(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】波長可変光源、及び光モジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0687 20060101AFI20220524BHJP
G02B 6/12 20060101ALI20220524BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
H01S5/0687
G02B6/12 301
G02B6/12 341
G02B6/125 301
(21)【出願番号】P 2017150987
(22)【出願日】2017-08-03
【審査請求日】2020-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】309015134
【氏名又は名称】富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昌樹
【審査官】大西 孝宣
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-068854(JP,A)
【文献】特開2004-101995(JP,A)
【文献】特開2015-159191(JP,A)
【文献】特開2000-241644(JP,A)
【文献】特開2013-068908(JP,A)
【文献】国際公開第2016/010528(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0054761(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
G02B 6/12 - 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
制御信号に応じて前記光源から出力された光から特定の波長の光を出力光として選択する波長選択素子と、
前記出力光が通過する複数のフィルタリング経路のそれぞれに対応する複数の出力ポートを有する波長フィルタと、前記複数の出力ポートの
少なくとも2つの光を
それぞれ受光するように配置された複数の受光素子とを有する波長モニタと、
複数の目標波長から選択された目標波長に応じて、前記複数の受光素子のうち波長の変化に応じた光量の変化量が大きい光を受光する前記受光素子から入力される波長検出信号に基づいて波長制御処理を行う波長を決定する波長制御部と、を有し、
前記複数の受光素子が対向して配置される出力ポートから出力される光の光量の最大値は等しく、かつ前記受光素子が対向して配置されない出力ポートから出力される光の光量の最大値よりも大きい、波長可変光源。
【請求項2】
前記複数の受光素子が受光した光の光量に基づいて、前記出力光の波長が
前記目標波長に一致するように前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記波長選択素子に出力する制御部と、を有する請求項1に記載の波長可変光源。
【請求項3】
前記波長フィルタは、
前記出力光を2つの光に分波する分波器と、
前記分波器によって分波された一方の光が通過する第1導波路と、
前記第1導波路と長さが相違し且つ前記分波器によって分波された他方の光が通過する第2導波路と、
前記第1導波路及び前記第2導波路から入力された光を合波して4つの出力ポートのそれぞれに出力する光分岐器と、を有し、
前記光分岐器は、前記4つの出力ポートのうち前記受光素子が対向して配置される2つの出力ポートから出力される光の光量の最大値は等しく、かつ前記受光素子が対向して配置されない出力ポートから出力される光の光量の最大値よりも大きい、請求項2に記載の波長可変光源。
【請求項4】
前記光分岐器は、
何れか2つが前記第1導波路及び前記第2導波路にそれぞれ接続された4つの入力導波路と、
前記4つの入力導波路に一端が接続された光結合部と、
前記光結合部の他端に一端が接続され且つ何れか2つの他端が前記受光素子に対向して配置される出力ポートを有する4つの出力導波路と、を有する請求項3に記載の波長可変光源。
【請求項5】
前記4つの入力導波路及び前記4つの出力導波路は何れも前記光結合部の幅方向に対向して等間隔で配置され、
前記4つの入力導波路及び前記4つの出力導波路の何れか一方の幅方向の中心位置は、前記光結合部の前記幅方向の中心位置と一致し、
前記4つの入力導波路及び前記4つの出力導波路の他方の前記幅方向の中心位置は、前記光結合部の前記幅方向の中心位置と一致しない、請求項4に記載の波長可変光源。
【請求項6】
前記第1導波路及び前記第2導波路にそれぞれ接続された入力導波路の前記光結合部に接する面の面積は、前記第1導波路及び前記第2導波路に接続されていない入力導波路の前記光結合部に接する面の面積よりも大きい、請求項4に記載の波長可変光源。
【請求項7】
前記受光素子に対向して配置される出力導波路の前記光結合部に接する面の面積は、前記受光素子に対向して配置されていない出力導波路の前記光結合部に接する面の面積よりも大きい、請求項4に記載の波長可変光源。
【請求項8】
請求項2に記載の波長可変光源と、
前記波長可変光源から出力される出力光を変調した変調光を出力する光変調器と、
を有する光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長可変光源、及び光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
4入力4出力の多モード干渉(Multi Mode Interference、MMI)導波路を用いた光分岐器を90°ハイブリッドとして使用する波長モニタが知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。このような波長モニタは、分波器によって分波された光を、長さが異なる2つの導波路を介して4×4MMIを用いた90°ハイブリッドに入力することでフィルタリング特性が異なる複数の光を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2015/0085292号明細書
【文献】国際公開第2016/010528号
【非特許文献】
【0004】
【文献】「Fully passive Si-photonic 90° hybrid for coherent receiver applications」K. Voigt et.al. ECOC2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的に90°ハイブリッドから出力される4つの光の中で、波長モニタで使用される光は、2つの光のみであり、残りの2つの光は波長モニタでは使用されない。このような波長モニタでは、90°ハイブリッドから出力される4つの光の中で2つの光しか使用しないため、入力される光の光量の半分は無駄になる。
【0006】
一実施形態では、無駄にする光量を抑制しつつ波長を制御可能な波長可変光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、波長可変光源は、光源と、波長選択素子と、波長モニタとを有する。波長選択素子は、制御信号に応じて光源から出力された光から特定の波長の光を出力光として選択する。波長モニタは、出力光が通過する複数のフィルタリング経路のそれぞれに対応する複数の出力ポートを有する波長フィルタと、複数の出力ポートの何れかの光を受光するように配置された受光素子とを有する。受光素子が対向して配置される出力ポートから出力される光の光量の最大値は、受光素子が対向して配置されない出力ポートから出力される光の光量の最大値よりも大きい。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態では、無駄にする光量を抑制しつつ波長を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】関連する波長可変光源の光学部を示す図である。
【
図2】
図1に示す波長フィルタのフィルタリング特性の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る波長可変光源のブロック図である。
【
図5】
図4に示す90°ハイブリッドを示す図である。
【
図6】
図4に示す波長フィルタのフィルタリング特性の一例を示す図である。
【
図7】
図3に示す波長制御部による波長制御処理のフローチャートである。
【
図8】(a)は実施形態に係る波長可変光源が有する90°ハイブリッドの第1変形例であり、(b)は実施形態に係る波長可変光源が有する90°ハイブリッドの第2変形例である。
【
図9】
図4に示す90°ハイブリッドにおいて、第1導波路及び第2導波路が接続可能な入力導波路と、第1モニタ素子及び第2モニタ素子が対向して配置される出力ポートを有する出力導波路との組合せを示す図である。
【
図10】実施形態に係る波長可変光源を有する光モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して、実施形態に係る波長可変光源、及び光モジュールについて説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されない。
【0011】
(実施形態に係る波長可変光源に関連する波長可変光源)
実施形態に係る波長可変光源、及び光モジュールについて説明する前に、実施形態に係る波長可変光源に関連する波長可変光源について説明する。
【0012】
図1は関連する波長可変光源の光学部を示す図である。
【0013】
光学部900は、TLS(tunable lasersource Source)とも称され、光源10と、第1タップ11と、第2タップ12と、リングフィルタ13と、増幅器14と、ビームスプリッタ15と、出力モニタ素子16と、波長モニタ917と、を有する。
【0014】
光源10は、例えば半導体レーザであり、GaAs/AlGaAs等の半導体材料から形成され、例えば、自然光を発光する半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier、SOA)であってもよい。第1タップ11及び第2タップ12は、入力された光を分波する分波器であり、光源10から出力された光をリングフィルタ13、増幅器14及び波長モニタ917に導く導波路と共に、SOI(Silicon on Insulator)基板910上に形成される。光源10は、不図示の制御部から入力される制御信号に対応する電流に応じた光量を有する光を出力する。SOI基板910上に形成される光導波路及び光学素子の構成はよく知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0015】
第1タップ11は、リングフィルタ13に出力する光の光量が第2タップに出力する光の光量よりも多くなるように形成される。一例では、第1タップ11は、リングフィルタ13に出力する光の光量が第2タップ12に出力する光の光量の10倍になるように形成される。
【0016】
第2タップ12は、増幅器14に出力する光の光量が波長モニタ917に出力する光の光量よりも多くなるように形成される。一例では、第2タップ12は、増幅器14に出力する光の光量が波長モニタ917に出力する光の光量の10倍になるように形成される。
【0017】
リングフィルタ13は、リング共振器とも称され、印加される温度によって共振周波数を制御する共振器を光源10と共に形成する。すなわち、光源10及びリングフィルタ13によって形成される共振器は、リングフィルタ13に印加する温度を調整することで共振周波数が制御される。リングフィルタ13は、例えば、近接して配置されるペルチェ素子等のヒータに通電する電流を調整することで、温度が調整される。リングフィルタ13は、不図示の制御部から入力される波長制御信号に応じて光源10から出力された光から特定の波長の光を出力光として選択する波長選択素子として機能する。リングフィルタ13の構成はよく知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0018】
増幅器14は、GaAs/AlGaAs等の半導体材料から形成され、第2タップ12を介して入力される出力光を増幅するSOAである。ビームスプリッタ15は、増幅器14によって増幅された出力光の一部を分波して出力モニタ素子16に出力する。出力モニタ素子16は、例えば、フォトダイオードあり、ビームスプリッタ15を介して入力される光を受光し、受光した光の光量に応じた電流を不図示の制御部に出力する。
【0019】
波長モニタ917は、波長フィルタ20と、第1モニタ素子921と、第2モニタ素子922とを有する。第1モニタ素子921及び第2モニタ素子922は、例えば、フォトダイオードあり、波長フィルタ20を介して入力される光の光量に応じた電流を不図示の制御部に出力する。
【0020】
波長フィルタ20は、分波器30と、第1導波路31と、第2導波路32と、90°ハイブリッド933とを有する。波長フィルタ20は、出力光が通過する4つのフィルタリング経路のそれぞれに対応する4つの出力ポートを有するフィルタである。
【0021】
分波器30は、例えば、3dBカプラであり、第2タップ12で分波された出力光を分波する分波器である。分波器30は、第1導波路31出力する光の光量と、第2導波路32出力する光の光量とが等しくなるように形成される。
【0022】
第1導波路31は、分波器30と90°ハイブリッド933との間に配置され、分波器30によって分波された一方の光が通過する。第2導波路32は、第1導波路31よりも長く、分波器30と90°ハイブリッド933との間に配置され、分波器30によって分波された他方の光が通過する。
【0023】
90°ハイブリッド933は、4×4MMIとも称される4入力4出力のMMI導波路を用いた光分岐器であり、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される第1光P1~第4光P4の光の光量の最大値が一致するように形成される。90°ハイブリッド933は、第1入力ポートI1に第1導波路31を介して入力される光と、第3入力ポートI3に第2導波路32を介して入力される光とを合波して、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力する。90°ハイブリッド933では、第2入力ポートI2及び第4入力ポートI4は、光が入力されない。また、第1出力ポートO1は第1モニタ素子921に対向して配置され、第2出力ポートO2は第2モニタ素子922に対向して配置される。4×4MMIの構成は良く知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0024】
波長フィルタ20は、遅延干渉計型のフィルタとして機能して、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の透過率は、波長に応じて変化する。
【0025】
図2は、波長フィルタ20のフィルタリング特性の一例を示す図である。
図2において、横軸は波長フィルタ20に入力される光の波長を示し、縦軸は第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の透過率を示す。波形201は第1出力ポートO1から出力される第1光P1の透過率を示し、波形202は第2出力ポートO2から出力される第2光P2の透過率を示す。波形203は第3出力ポートO3から出力される第3光P3の透過率を示し、波形204は第4出力ポートO4から出力される第4光P4の透過率を示す。第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の透過率は、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の光量の第1出力ポートO1~第4出力ポートO4から出力される光の合計の光量に対する比率である。
【0026】
図2において矢印Aで示される波長1550nmの近傍では、透過率が0.25程度である第1光P1に対応する波形201及び第4光P4に対応する波形204の傾きが最大になる。すなわち、波長1550nmの近傍では、第1光P1及び第4光P4は、波長の変化に応じた透過率の変化量が最大になる。
【0027】
図2において矢印Bで示される波長1551nmの近傍では、透過率が0.25程度である第2光P2に対応する波形202及び第3光P3に対応する波形203の傾きが最大になる。すなわち、波長1551nmの近傍では、第2光P2及び第3光P3は、波長の変化に応じた透過率の変化量が最大になる。
【0028】
波長の変化に応じた透過率の変化量に基づいてリングフィルタ13に印加する温度を調整して出力光の波長を制御するとき、波長の変化に応じた透過率の変化量が大きいほど、出力光の波長を精度良く制御することができる。
図2において矢印Aで示される波長1550nmの近傍では、不図示の制御部は、波長の変化に応じた透過率の変化量が最大になる第1光P1を受光する第1モニタ素子921から入力される電流に応じてリングフィルタ13に印加する温度を調整する。一方、矢印Bで示される波長1551nmの近傍では、不図示の制御部は、波長の変化に応じた透過率の変化量が最大になる第2光P2を受光する第2モニタ素子922から入力される電流に応じてリングフィルタ13に印加する温度を調整する。波長の変化に応じた透過率の変化量が最大になる光が入力されるモニタ素子から入力される電流を使用してリングフィルタ13に印加する温度を調整することで、出力光の波長を精度良く制御することができる。
【0029】
しかしながら、90°ハイブリッド933の第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される第1光P1~第4光P4の中で、第1光P1及び第2光P2が波長制御に使用され、第3光P3及び第4光P4は波長制御に使用されない。90°ハイブリッド933は、出力する第1光P1~第4光P4の光の最大値が一致するように形成されるので、波長制御に使用される第1光P1及び第2光P2の光量は、90°ハイブリッド933に入力される光量の半分になる。
【0030】
第2タップ12における分波を波長モニタ917に入力される光の光量を増加させるように変更することで、第1モニタ素子921及び第2モニタ素子922が受光する光の光量を増やすことができる。しかしながら、第2タップ12における分波を波長モニタ917に入力される光の光量を増加させるように変更すると、増幅器14を介して出力される出力光の光量が減少するため、好ましくない。
【0031】
光源10が出力する光の光量を増加させることで、第1モニタ素子921及び第2モニタ素子922が受光する光の光量を増やすことができる。しかしながら、光源10が出力する光の光量を増加させると、光学部900の消費電力が増加するため、好ましくない。
【0032】
(実施形態に係る波長可変光源の概要)
実施形態に係る波長可変光源では、受光素子が対向して配置される波長フィルタの出力ポートから出力される光の光量の最大値は、受光素子が対向して配置されない出力ポートから出力される光の光量の最大値よりも大きい。実施形態に係る波長可変光源は、受光素子が受光する光の光量を受光素子が受光しない光の光量よりも大きくすることで、波長フィルタに入力される光の光を増加させることなく、受光素子が受光する光の光量を大きくすることができる。
【0033】
(第1実施形態に係る波長可変光源の構成及び機能)
図3は実施形態に係る波長可変光源のブロック図であり、
図4は
図3に示す光学部の内部ブロック図である。
【0034】
波長可変光源1は、光学部2と、制御部3とを有する。光学部2は、波長モニタ17を波長モニタ917の代わりに有することが光学部900と相違する。波長モニタ17以外の光学部2の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された光学部900の構成要素の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0035】
波長モニタ17は、波長フィルタ20と、第1モニタ素子21と、第2モニタ素子22とを有する。第1モニタ素子21及び第2モニタ素子22は、例えば、フォトダイオードあり、波長フィルタ20から受光した光の光量に応じた電流を第1波長検出信号及び第2波長検出信号として制御部3に出力する。
【0036】
波長フィルタ20は、90°ハイブリッド33を90°ハイブリッド933の代わりに有することが波長フィルタ20と相違する。90°ハイブリッド33以外の波長フィルタ20の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された波長フィルタ20の構成要素の構成及び機能と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。90°ハイブリッド33は、第1導波路31及び第2導波路32から入力された光を合波して第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれに出力する光分岐器である。
【0037】
【0038】
90°ハイブリッド33は、4×4MMIとも称される4入力4出力のMMI導波路を用いた光分岐器であり、第1入力導波路41~第4入力導波路44と、光結合部45と、第1出力導波路46~第4出力導波路49とを有する。第1入力導波路41~第4入力導波路44、光結合部45及び第1出力導波路46~第4出力導波路49のそれぞれは、SOI基板100上に形成される光導波路である。SOI基板上に形成される光導波路の構造はよく知られているので、ここでは詳細な説明は省略する。光結合部45は、幅がWであり且つ長さがLである光導波路である。
【0039】
第1入力導波路41の入力ポートI1は第1導波路31に接続され、第3入力導波路43の入力ポートI3は第2導波路32に接続される。第2入力導波路42の入力ポートI2及び第4入力導波路44の入力ポートI4は開放される。第1入力導波路41~第4入力導波路44の入力ポートI1~I4の反対の面は光結合部45に接続される。
【0040】
第1入力導波路41は
図5において一点鎖線Cで示される光結合部45の幅方向の中心位置から3W/8離隔して配置され、第2入力導波路42は光結合部45の幅方向の中心位置からW/8離隔して配置される。第3入力導波路43は光結合部45の幅方向の中心位置から第1入力導波路41と反対の方向に3W/8離隔して配置され、第4入力導波路44は光結合部45の幅方向の中心位置から第2入力導波路42と反対の方向にW/8離隔して配置される。
【0041】
第2出力導波路47の出力ポートO2は第1モニタ素子21に対向して配置され、第4出力導波路49の出力ポートO4は第2モニタ素子22に対向して配置される。第1出力導波路46の出力ポートO1及び第3出力導波路48の出力ポートO3は開放される。第1出力導波路46~第4出力導波路49の出力ポートO1~O4の反対の面は光結合部45に接続される。
【0042】
第1出力導波路46は
図5において一点鎖線Cで示される光結合部45の幅方向の中心位置から3W/8離隔して配置され、第2出力導波路47は光結合部45の幅方向の中心位置からW/8離隔して配置される。すなわち、第1出力導波路46は第1入力導波路41と対向するように配置され、第2出力導波路47は第2入力導波路42と対向するように配置される。
【0043】
第3出力導波路48は光結合部45の幅方向の中心位置から第1出力導波路46と反対の方向に3W/8離隔して配置され、第4出力導波路49は光結合部45の幅方向の中心位置から第2出力導波路47と反対の方向にW/8離隔して配置される。すなわち、第3出力導波路48は第3入力導波路43と対向するように配置され、第4出力導波路49は第4入力導波路44と対向するように配置される。
【0044】
光結合部45の幅W及び長さLは、第2出力ポートO2及び第4出力ポートO4から出力される第2光P2及び第4光P4の光量が、第1出力ポートO1及び第3出力ポートO3から出力される第1光P1及び第3光P3の光量より大きくなるように設定される。4x4MMIカプラによって形成される90°ハイブリッドでは、非特許文献1に記載されるように4つの出力ポートから出力される光量の比率は、光結合部の幅及び長さに依存することが知られている。波長フィルタ20では、第1モニタ素子21及び第2モニタ素子22が受光する第2光P2及び第4光P4の光量が第1光P1及び第3光P1の光量より大きくなるように光結合部45の幅W及び長さLが設定される。すなわち、波長フィルタ20では、第1出力ポートO1及び第3出力ポートO3から出力される第1光P1及び第3光P3の光量を減少させることで、第2出力ポートO2及び第4出力ポートO4から出力される第2光P2及び第4光P4の光量を増加させる。
【0045】
図6は、波長フィルタ20のフィルタリング特性の一例を示す図である。
図6において、横軸は波長フィルタ20に入力される光の波長を示し、縦軸は第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の透過率を示す。波形601は第1出力ポートO1から出力される第1光P1の透過率を示し、波形602は第2出力ポートO2から出力される第2光P2の透過率を示す。波形603は第3出力ポートO3から出力される第3光P3の透過率を示し、波形604は第4出力ポートO4から出力される第4光P4の透過率を示す。第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の透過率は、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の光量の第1出力ポートO1~第4出力ポートO4から出力される光の合計の光量に対する比率である。
【0046】
第1モニタ素子21が受光する第2光P2及び第2モニタ素子22が受光する第4光P4の透過率の最大値は、第1モニタ素子21及び第2モニタ素子22が受光しない第1光P1及び第3光P3の透過率の最大値よりも大きい。また、
図6において矢印Aで示される波長1550nmの近傍では、第1モニタ素子21が受光する第2光P2は、波長の変化に応じた透過率、すなわち光量の変化量が最大になる。一方、
図6において矢印Bで示される波長1551nmの近傍では、第2モニタ素子22が受光する第4光P4は、波長の変化に応じた透過率、すなわち光量の変化量が最大になる。
【0047】
制御部3は、例えば、シリコン基板上に形成されたCMOSトランジスタで形成された論理回路及びフラッシュメモリ等で形成された記憶回路によって形成される。制御部3は、波長制御部301と、出力制御部302とを有する。
【0048】
図7は、波長制御部301による波長制御処理のフローチャートである。
図7に示す波長制御処理は、波長制御部301を形成する論理回路によって実行される。
【0049】
まず、波長制御部301は、出力光の光量に応じて出力モニタ素子16から供給される電流を示す出力検出信号を光学部2から取得する(S101)。次いで、波長制御部301は、第2光P2の光量に応じて第1モニタ素子21から供給される電流を示す第1波長検出信号を光学部2から取得する(S102)。次いで、波長制御部301は、第4光P4の光量に応じて第2モニタ素子22から供給される電流を示す第2波長検出信号を光学部2から取得する(S103)。
【0050】
次いで、波長制御部301は、第1波長検出信号及び第2波長検出信号の何れに対応する電流を波長制御処理に使用するかを決定する(S104)。波長制御部301は、記憶回路に記憶される目標波長に応じて、第1波長検出信号及び第2波長検出信号の何れに対応する電流を波長制御処理に使用するかを決定する。例えば、目標波長が
図6において矢印Aで示される1550nmであるとき、波長制御部301は、波長の変化に応じた光量の変化量が大きい光を受光する第1モニタ素子21から入力される第1波長検出信号を波長制御処理に使用すると決定する。また、目標波長が
図6において矢印Bで示される1551nmであるとき、波長制御部301は、波長の変化に応じた光量の変化量が大きい光を受光する第2モニタ素子22から入力される第2波長検出信号に対応する電流を波長制御処理に使用すると決定する。
【0051】
波長制御部301は、第1波長検出信号に対応する電流を波長制御処理に使用すると決定する(S104-Y)と、第1波長検出信号に対応する電流を使用して光学部2から出力される出力光の波長を推定する(S105)。波長制御部301は、S101の処理で取得した出力検出信号に対応する電流に対するS102の処理で取得した第1波長検出信号に対応する電流の比率に基づいて、光学部2から出力される出力光の波長を推定する。例えば、波長制御部301は、S101の処理で取得した電流に対するS102の処理で取得した電流の比率と、記憶回路に記憶される電流比と波長との関係を示すテーブルとの比較に基づいて、出力光の波長を推定する。
【0052】
次いで、波長制御部501は、S105の処理で推定した出力光の波長が、記憶回路に記憶される目標波長よりも長いか否かを判定する(S106)。
【0053】
波長制御部301は、出力光の波長が目標波長よりも長いと判定する(S106-Y)と、出力光の波長を短くすることを示す波長制御信号を光学部2に出力する(S107)。光学部2の不図示のヒータは、波長制御信号が入力されることに応じて、出力光の波長を短くするようにリングフィルタ13の温度を調整する。
【0054】
波長制御部301は、出力光の波長が目標波長よりも短いと判定する(S106-N)と、出力光の波長を長くすることを示す波長制御信号を光学部2に出力する(S108)。光学部2の不図示のヒータは、波長制御信号が入力されることに応じて、出力光の波長を長くするようにリングフィルタ13の温度を調整する。
【0055】
波長制御部301は、第2波長検出信号に対応する電流を波長制御処理に使用すると決定する(S105-N)と、第2波長検出信号に対応する電流を使用して光学部2から出力される出力光の波長を推定する(S109)。波長制御部301は、S101の処理で取得した出力検出信号に対応する電流に対するS103の処理で取得した第2検出検出信号に対応する電流の比率に基づいて、光学部2から出力される出力光の波長を推定する。例えば、波長制御部301は、S101の処理で取得した電流に対するS103の処理で取得した電流の比率と、記憶回路に記憶される電流比と波長との関係を示すテーブルとの比較に基づいて、出力光の波長を推定する。
【0056】
次いで、出力光の波長を決定する。S110の処理で推定した出力光の波長が、記憶回路に記憶される目標波長よりも長いか否かを判定する(S110)。
【0057】
波長制御部301は、出力光の波長が目標波長よりも長いと判定する(S110-Y)と、出力光の波長を短くすることを示す波長制御信号を光学部2に出力する(S111)。光学部2の不図示のヒータは、波長制御信号が入力されることに応じて、出力光の波長を短くするようにリングフィルタ13の温度を調整する。
【0058】
波長制御部301は、出力光の波長が目標波長よりも短いと判定する(S110-N)と、出力光の波長を長くすることを示す波長制御信号を光学部2に出力する(S112)。光学部2の不図示のヒータは、波長制御信号が入力されることに応じて、出力光の波長を長くするようにリングフィルタ13の温度を調整する。
【0059】
出力制御部302は、出力光の光量に応じて出力モニタ素子16から供給される電流を示す出力検出信号を光学部2から取得し、取得した出力検出信号に対応する電流に基づいて、出力光の光量を制御する。例えば、出力制御部302は、出力検出信号に対応する電流と、記憶回路に記憶される電流と光量との関係を示すテーブルに基づいて出力光の光量を決定し、出力検出信号に対応する光量と記憶回路に記憶される目標光量とを比較する。
【0060】
出力制御部302は、出力検出信号に対応する光量が目標光量より大きいときに、出力光の光量を小さくすることを示す第1出力制御信号及び第2出力制御信号を光学部2に出力する。また、出力制御部302は、出力検出信号に対応する光量が目標光量より小さいときに、出力光の光量を大きくすることを示す第1出力制御信号及び第2出力制御信号を光学部2に出力する。
【0061】
第1出力制御信号は、例えば、光学部2の光源10に供給される電流であり、第2出力制御信号は、例えば、光学部2の増幅器14に供給される電流である。出力制御部302は、第1出力制御信号及び第2出力制御信号を交互に出力して出力光の光量を制御してもよく、第1出力制御信号及び第2出力制御信号のそれぞれに対応する電流を所定の割合で変化させることで出力光の光量を制御してもよい。
【0062】
(実施形態に係る波長可変光源の作用効果)
実施形態に係る波長可変光源は、受光素子が受光する光の光量を受光素子が受光しない光の光量よりも大きくすることで、波長フィルタに入力される光の光を増加させることなく、受光素子が受光する光の光量を大きくすることができる。
【0063】
具体的には、実施形態に係る波長可変光源は、4x4MMIカプラによって形成される90°ハイブリッドの4つの出力ポートのそれぞれに出力する光の光量の最大値が相違するように形成されることで、受光素子が受光する光の光量を大きくする。
【0064】
すなわち、実施形態に係る波長可変光源では、出力ポートが受光素子に対向して配置される出力導波路から出力される光の光量の最大値は、出力ポートが受光素子に対向して配置されない出力ポート出力導波路から出力される光の光量の最大値よりも大きい。
【0065】
実施形態に係る波長可変光源は、受光素子が受光する光の光量を大きくし且つ受光素子が受光しない光の光量を小さくすることで、無駄にする光量を抑制しつつ波長を制御することができる。
【0066】
(実施形態に係る波長可変光源の変形例)
波長可変光源1では、90°ハイブリッド33は、幅W及び長さLを調整することで、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の光量は設定される。しかしながら、実施形態に係る波長可変光源が有する90°ハイブリッドは、種々の方法で、第1出力ポートO1~第4出力ポートO4のそれぞれから出力される光の光量を設定することができる。
【0067】
図8(a)は実施形態に係る波長可変光源が有する90°ハイブリッドの第1変形例であり、
図8(b)は実施形態に係る波長可変光源が有する90°ハイブリッドの第2変形例である。
【0068】
90°ハイブリッド33-1は、第1出力導波路46~第4出力導波路49の配置位置が90°ハイブリッド33と相違する。第1出力導波路46~第4出力導波路49の配置位置以外の90°ハイブリッド33-1の構成は、90°ハイブリッド33の構成と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0069】
90°ハイブリッド33-1では、第1入力導波路41~第4入力導波路44の幅方向の中心位置Ciは、光結合部45の幅方向の中心位置Cと一致する。一方、第1出力導波路46~第4出力導波路49の幅方向の中心位置Coは、光結合部45の幅方向の中心位置Cと一致しない。90°ハイブリッド33-1では、90°ハイブリッド33-1では、第1出力導波路46~第4出力導波路49の幅方向の中心位置Coは、第2光P2及び第4光P4の光量が第1光P1及び第3光P3の光量よりも大きくなるように、設定される。
【0070】
なお、実施形態に係る波長可変光源では、第1出力導波路46~第4出力導波路49の中心位置Coではなく第1入力導波路41~第4入力導波路44向の中心位置Ciを光結合部45の幅方向の中心位置Cと一致させなくてもよい。この場合、第1入力導波路41~第4入力導波路44向の中心位置Ciは、第2光P2及び第4光P4の光量が第1光P1及び第3光P3の光量よりも大きくなるように、設定される。
【0071】
90°ハイブリッド33-2は、第1導波路31に接続される第1入力導波路51及び第2導波路32に接続される第3入力導波路53が第1入力導波路41及び第3入力導波路43の代わりに配置されることが90°ハイブリッド33と相違する。また、第1モニタ素子21に対向して配置される第2出力導波路57及び第2モニタ素子22に対向して配置される第4出力導波路59が第2出力導波路47及び第4出力導波路49の代わりに配置されることが90°ハイブリッド33と相違する。第1入力導波路51及び第3入力導波路53並びに第2出力導波路57及び第4出力導波路59以外の90°ハイブリッド33-2の構成は、90°ハイブリッド33の構成と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0072】
第1入力導波路51及び第3入力導波路53の光結合部45に接する面の面積は、第1導波路31及び第2導波路32に接続されていない第2入力導波路52及び第4入力導波路54の光結合部45に接する面の面積よりも大きい。90°ハイブリッド33-2は、光が通過する入力導波路の光結合部に接する面の面積を、光が通過しない入力導波路の光結合部に接する面の面積よりも大きくすることで、出力する光の光量を大きくすることができる。
【0073】
また、第2出力導波路57及び第4出力導波路59の光結合部45に接する面の面積は、第1モニタ素子21及び第2モニタ素子22が対向して配置されない第1出力導波路56及び第3出力導波路58の光結合部45に接する面の面積よりも大きい。受光素子と対向して配置される出力導波路の光結合部に接する面の面積を、受光素子と対向して配置されない出力導波路の光結合部に接する面の面積よりも大きくすることで、出力する光の光量を大きくすることができる。
【0074】
また、波長可変光源1では、90°ハイブリッド33は、第1入力導波路41及び第3入力導波路43に光が入力され、第2出力導波路47及び第4出力導波路49に対向して第1モニタ素子21及び第2モニタ素子22が配置される。しかしながら、実施形態に係る波長可変光源では、90°ハイブリッドは、波長の変動に応じた一方の出力導波路から出力される光の光量の変化量が小さいときに、波長の変動に応じた他方の出力導波路から出力される光の光量の変化量が大きければよい。
【0075】
図9は、90°ハイブリッド33において、第1導波路31及び第2導波路32が接続可能な入力導波路と、第1モニタ素子21及び第2モニタ素子22が対向して配置される出力ポートを有する出力導波路との組合せを示す図である。
【0076】
図9において、第1群に含まれる第1パターン~第4パターンの4つのパターンでは、第1導波路31及び第2導波路32のそれぞれが第1入力導波路41及び第2入力導波路42に接続される。第1パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第2パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第3出力導波路48に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第3パターンでは、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。第4パターンでは、第3出力導波路48に出力ポートO3に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。
【0077】
図9において、第2群に含まれる第5パターン~第8パターンの4つのパターンでは、第1導波路31及び第2導波路32のそれぞれが第1入力導波路41及び第3入力導波路43に接続される。第5パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第6パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第3出力導波路48に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第7パターンでは、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。第8パターンでは、第3出力導波路48に出力ポートO3に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。
【0078】
図9において、第3群に含まれる第9パターン~第12パターンの4つのパターンでは、第1導波路31及び第2導波路32のそれぞれが第2入力導波路42及び第4入力導波路44に接続される。第9パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第10パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第3出力導波路48に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第11パターンでは、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。第12パターンでは、第3出力導波路48に出力ポートO3に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。
【0079】
図9において、第4群に含まれる第13パターン~第16パターンの4つのパターンでは、第1導波路31及び第2導波路32のそれぞれが第3入力導波路43及び第4入力導波路44に接続される。第13パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第14パターンでは、第1出力導波路46に出力ポートO1に対向して第1モニタ素子21が配置され、第3出力導波路48に出力ポートO2に対向して第2モニタ素子22が配置される。第15パターンでは、第2出力導波路47に出力ポートO2に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。第16パターンでは、第3出力導波路48に出力ポートO3に対向して第1モニタ素子21が配置され、第4出力導波路49に出力ポートO4に対向して第2モニタ素子22が配置される。
【0080】
(実施形態に係る波長可変光源の適用例)
図10は、実施形態に係る波長可変光源を有する光モジュールを示す図である。
【0081】
光モジュール6は、デジタル信号処理装置(digital signal processor、DSP)60と、送信器61と、受信器62とを有する。送信器61は、波長可変光源1と、変調ドライバ63と、光変調器64とを有する。
【0082】
DSP61は、電気入力信号が入力され、電気入力信号に対応するデータに所定の処理を実行して、所定の処理を実行したデータを示す電気信号を変調ドライバ63に出力する。また、DSP61は、送信器61から電気信号が入力され、入力された電気信号に対応するデータに所定の処理を実行して、所定の処理を実行したデータを示す電気出力信号を出力する。
【0083】
変調ドライバ63は、DSP61から入力された電気信号を光変調器64に出力する。光変調器64は、変調ドライバ63を介して入力された電気信号に基づいて、波長可変光源1から出力された出力光を変調した変調光を光出力信号として出力する。光変調器64は、例えば、出力光を偏波多重4値位相変調(dual polarization-quadrature phase shift keying、DP-QPSK)して変調光を生成する。
【0084】
なお、一態様では、実施形態に係る制御方法は、
光源と、
制御信号に応じて光源から出力された光から特定の波長の光を出力光として選択する波長選択素子と、
出力光が通過する複数のフィルタリング経路のそれぞれに対応する複数の出力ポートを有する波長フィルタと、複数の出力ポートの何れかの光を受光するように配置された受光素子とを有する波長モニタと、
複数の受光素子が受光した光の光量に基づいて、出力光の波長が目標波長に一致するように制御信号を生成し、生成した制御信号を波長選択素子に出力する制御部と、を有し、
受光素子が対向して配置される出力ポートから出力される光の光量の最大値は、受光素子が対向して配置されない出力ポートから出力される光の光量の最大値よりも大きい、波長可変光源を制御する制御方法であって、
波長モニタから複数の出力ポートのそれぞれから出力される光の光量を示す光量情報を取得し、
取得した何れの光量情報に対応する光量を使用するかを決定し、
決定した光量を使用して出力光の波長を推定し、
推定した波長と目標波長との比較結果に基づいて制御信号を生成し、生成した制御信号を波長選択素子に出力する、
処理を制御部が実行する制御方法、である。
【符号の説明】
【0085】
1 波長可変光源
2 光学部
3 制御部
6 光モジュール
10 光源
11 第1タップ
12 第2タップ
13 リングフィルタ(波長選択素子)
14 増幅器
15 ビームスプリッタ
16 出力モニタ素子(出力受光素子)
17 波長モニタ
20 波長フィルタ
21 第1モニタ素子(受光素子)
22 第2モニタ素子(受光素子)
30 分波器
31 第1導波路
32 第2導波路
33 90°ハイブリッド(光分岐器)