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特許7077571情報処理システム、情報処理方法、顧客操作型端末およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、顧客操作型端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20220524BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20220524BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q20/18
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017195574
(22)【出願日】2017-10-06
(65)【公開番号】P2019070889
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 利博
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-109071(JP,A)
【文献】特開2017-91012(JP,A)
【文献】特開2017-21675(JP,A)
【文献】特開2003-122922(JP,A)
【文献】特開2012-18655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0346173(US,A1)
【文献】特開2015-153147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、
前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、
前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、を備え、
前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、情報処理システム。
【請求項2】
前記登録案内は、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料とを対比可能に並べた表示を含む、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、
前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、
前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、
前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行する還元処理部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項4】
前記還元処理部は、前記差額に相当する現金を前記顧客操作型端末から出金する出金部である、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記還元処理部は、前記顧客の口座残高を前記差額分だけ増加させる口座管理部である、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記還元処理部は、前記顧客が前記顧客操作型端末を無料で利用可能な回数を前記差額に相当する回数分だけ増加させる口座管理部である、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録により前記差額に応じた還元処理が行われることを示す、請求項3~6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得することと、
前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断することと、
前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングの登録案内を表示させることと、を含み、
前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、
コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項9】
顧客操作型端末であって、
前記顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、
前記顧客識別情報を用いて前記顧客がネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、表示部に前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、を備え、
前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、
顧客操作型端末。
【請求項10】
顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得することと、
前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断することと、
前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させることと、
前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項11】
顧客操作型端末であって、
顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、
前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、
前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、
前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行する還元処理部と、
を備える、顧客操作型端末。
【請求項12】
コンピュータを、請求項9または請求項11に記載の顧客操作型端末として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、顧客操作型端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、金融機関のATM(Automated teller machine)に代表される自動取引装置は、銀行、駅構内およびコンビニエンスストアなど、多様な場所に設置されている。顧客は自動取引装置に表示される表示画面において各種操作を行うことにより、入金、出金、振込および残高照会などの取引を行うことができる。
【0003】
また、顧客は、ネットバンキングを利用して取引を行うことも可能である。特許文献1には、ネットバンキングへの登録を自動取引装置から申し込むための仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-77586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のネットバンキングを利用する取引の手数料は、一般的に、金融機関の窓口での取引の手数料、および自動取引装置を利用する取引の手数料よりも安価である。このため、ネットバンキングの利用は、顧客にとって有用である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ネットバンキングへの登録を効果的に誘導することが可能な、新規かつ改良された情報処理システム、情報処理方法、顧客操作型端末およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、を備え、前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、情報処理システムが提供される。
【0008】
前記登録案内は、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料とを対比可能に並べた表示を含んでもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行する還元処理部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0012】
前記還元処理部は、前記差額に相当する現金を前記顧客操作型端末から出金する出金部であってもよい。
【0013】
前記還元処理部は、前記顧客の口座残高を前記差額分だけ増加させる口座管理部であってもよい。
【0014】
前記還元処理部は、前記顧客が前記顧客操作型端末を無料で利用可能な回数を前記差額に相当する回数分だけ増加させる口座管理部であってもよい。
【0015】
前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録により前記差額に応じた還元処理が行われることを示してもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得することと、前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断することと、前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングの登録案内を表示させることと、を含み、前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、
コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客操作型端末であって、前記顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、前記顧客識別情報を用いて前記顧客がネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、表示部に前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、を備え、前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、顧客操作型端末が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得することと、前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断することと、前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させることと、前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行する還元処理部と、を備える、顧客操作型端末が提供される。また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、前記顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、前記顧客識別情報を用いて前記顧客がネットバンキングに未登録であると判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、表示部に前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、を備え、前記登録案内は、前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンと、前記ネットバンキングへの登録を行わずに前記振込取引を継続するための申込不要ボタンとを含み、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料よりも、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の方が安いことを示す、顧客操作型端末として機能させるための、プログラムが提供される。また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、顧客操作型端末を利用する顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部と、前記顧客識別情報取得部により取得された前記顧客識別情報を用いて顧客データベースを参照し、前記顧客がネットバンキングに登録済であるか否かを判断する判断部と、前記顧客が前記ネットバンキングに未登録であると前記判断部により判断され、かつ、前記顧客が前記顧客操作型端末において振込取引を選択したことに基づき、前記顧客操作型端末に前記ネットバンキングへの登録手続に進むための申込ボタンを含む前記ネットバンキングの登録案内を表示させる表示制御部と、前記申込ボタンの選択に基づいて前記ネットバンキングへの登録が行われた場合、前記顧客操作型端末を利用する振込の手数料と、前記ネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理を実行する還元処理部と、を備える、顧客操作型端末として機能させるための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、ネットバンキングへの登録を効果的に誘導することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。
図2】本実施形態による自動取引装置の構成を示す説明図である。
図3】ホストコンピュータ、広告配信サーバおよびWebサーバの内部構成を示す説明図である。
図4】本実施形態による情報処理システムの動作を示す説明図である。
図5】IB広告画面の具体例を示す説明図である。
図6】第1の変形例による動作を示す説明図である。
図7】第1の変形例によるIB広告画面を示す説明図である。
図8】第2の変形例による動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0023】
<情報処理システムの構成>
本発明の実施形態は、顧客操作型端末の一例である自動取引装置を用いる情報処理システムに関する。以下、図1を参照し、本発明の実施形態による情報処理システムの構成を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態による情報処理システムの構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による情報処理システムは、自動取引装置20、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50を有する。情報処理システムにおいて、自動取引装置20は、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50と接続されている。また、ホストコンピュータ30と広告配信サーバ40が接続されており、広告配信サーバ40とWebサーバ50が接続されている。各要素間の接続は、有線接続を含んでもよいし、無線接続を含んでもよい。また、自動取引装置20とホストコンピュータ30とは、制御用ケーブルおよび画像表示用ケーブルを介して接続されてもよい。
【0025】
(自動取引装置)
自動取引装置20は、金融機関の顧客による操作に基づいて多様な取引を実行する顧客操作型端末である。この自動取引装置20は、金融機関の営業店、コンビニエンスストア、駅構内、ホテル、病院、アミューズメントパーク、飲食店、オフィスビルディングなどの多様な施設に設置される。
【0026】
また、自動取引装置20は、図1に示したように、表示入力部22、通帳挿入口24、カード挿入排出口26、明細排出口27および接客口28を備える。
【0027】
表示入力部22は、顧客による操作の誘導画面を表示する表示部および顧客が操作入力を行うための入力部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、入力部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、図1においては表示部および入力部の機能が自動取引装置20において一体的に構成される例を示しているが、表示部および入力部の機能は分離して構成されてもよい。
【0028】
通帳挿入口24は顧客の通帳を挿入および排出するための開口部である。カード挿入排出口26は、顧客の磁気カード(キャッシュカード)を挿入および排出するための開口部である。また、明細排出口27は、取引情報が印字された明細票(レシート)を排出するための開口部である。接客口28は、顧客による現金の入金口、および顧客への現金の出金口としての機能を有する。なお、現金は、紙幣であってもよいし、硬貨であってもよい。
【0029】
(ホストコンピュータ)
ホストコンピュータ30は、自動取引装置20と通信することにより、各種取引を制御する。例えば、ホストコンピュータ30は、自動取引装置20を操作する顧客の認証を行ったり、ホストコンピュータ30において顧客により指示された入金や振込などの金銭取引(勘定の取引処理)を実行したりする。また、ホストコンピュータ30は、口座番号、暗証番号、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金残高などの口座情報(口座の元帳)を管理する。
【0030】
(広告配信サーバ)
広告配信サーバ40は、自動取引装置20に広告画面を配信する。広告配信サーバ40は、顧客への郵送物が顧客に届いたか否か、顧客はインターネットバンキング(IB)に登録済みであるか否か、などを示す顧客データベースを有する。広告配信サーバ40は、顧客データベースを参照し、自動取引装置20を利用している顧客に応じた広告画面を選択し、選択した広告画面を自動取引装置20に配信する。特に、詳細については後述するように、広告配信サーバ40は、自動取引装置20を利用している顧客がインターネットバンキングに未登録であることに基づき、インターネットバンキングへの登録を案内する広告画面(登録案内)を自動取引装置20に配信する。
【0031】
(Webサーバ)
Webサーバ50は、自動取引装置20を用いたインターネットバンキングへの登録操作を支援するサーバである。具体的には、Webサーバ50は、インターネットバンキングへの申込画面を自動取引装置20に送信し、当該申込画面において自動取引装置20への操作により入力された申込情報を受信し、当該申込情報に従って顧客をインターネットバンキングに登録する。
【0032】
<自動取引装置の構成>
以上、本実施形態による情報処理システムの構成を説明した。続いて、情報処理システムに含まれる自動取引装置20、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50の内部構成を順次詳細に説明する。
【0033】
図2は、本実施形態による自動取引装置20の構成を示す説明図である。図2に示したように、本発明の実施形態による自動取引装置20は、表示入力部22と、通信部210と、カード読取部220と、紙幣入出金部230と、硬貨入出金部240と、通帳記帳部250と、明細印字部260と、記憶部270と、制御部280と、を備える。
【0034】
(表示入力部)
表示入力部22は、図1を参照して説明したように、顧客による操作の誘導画面を表示する表示部および顧客が操作入力を行うための入力部としての機能を包含する。例えば、表示入力部22はテンキーを表示し、当該テンキーへの操作により暗証番号が入力される。ただし、テンキーのような数字入力部は表示入力部22と別個に設けられてもよい。
【0035】
(通信部)
通信部210は、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50と多様な情報を送受信する。例えば、通信部210は、顧客のキャッシュカードなどから読み取られた口座番号を示す情報をホストコンピュータ30に送信し、当該口座番号に対応する顧客の情報をホストコンピュータ30から受信する。また、通信部210は、取引を実行するための情報(取引種別、取引金額など)をホストコンピュータ30と通信する。また、本実施形態による通信部210は、広告配信サーバ40から広告画面を受信し、Webサーバ50からインターネットバンキングの申込画面を受信する。
【0036】
(カード読取部)
カード読取部220は、カード挿入排出口26から挿入された顧客のキャッシュカードに記録された磁気情報を読み取る。磁気情報は、例えば、口座番号および口座種別などを示す情報を含んでもよい。すなわち、カード読取部220は、顧客の顧客識別情報を取得する顧客識別情報取得部の一例である。
【0037】
(紙幣入出金部)
紙幣入出金部230は、紙幣の搬送路、紙幣カセットおよび紙幣の正当性を鑑別する紙幣鑑別部などを有する。入金時に接客口28に投入された紙幣は、搬送路を介して紙幣鑑別部へ搬送され、紙幣鑑別部により正常な鑑別結果が得られた場合、金種に応じた紙幣カセットに搬送される。また、出金時には、紙幣カセットから紙幣が分離され、紙幣鑑別部が分離された紙幣を鑑別し、正常な鑑別結果が得られた場合に接客口28に紙幣が搬送される。
【0038】
(硬貨入出金部)
硬貨入出金部240は、硬貨の搬送路、硬貨カセットおよび硬貨の正当性を鑑別する硬貨鑑別部などを有する。入金時に接客口28に投入された硬貨は、搬送路を介して硬貨鑑別部へ搬送され、硬貨鑑別部により正常な鑑別結果が得られた場合、金種に応じた硬貨カセットに搬送される。また、出金時には、硬貨カセットから硬貨が繰り出され、硬貨鑑別部が硬貨カセットから繰り出された硬貨を鑑別し、正常な鑑別結果が得られた場合に接客口28に硬貨が搬送される。なお、上記では、硬貨と紙幣が同一の接客口28を介して入出金される例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されず、硬貨と紙幣は異なる接客口を介して入出金されてもよい。
【0039】
(通帳記帳部)
通帳記帳部250は、磁気ヘッド、ページ送り部および印字部などを含み、通帳挿入口24から挿入された通帳に記帳を行う。例えば、通帳挿入口24から通帳が挿入されると、通帳のカバー紙に形成された磁気ストライプから磁気ヘッドが磁気情報を読み出す。また、ページ送り部が通帳の記入ページを開き、印字部が通帳の記入ページに取引情報を印字する。
【0040】
(明細印字部)
明細印字部260は、紙ロール、サーマルヘッドおよびカッタなどを含み、取引の明細情報が印字された明細票を作成する。例えば、顧客の指定した取引が実行されると、紙トロールから分離された連続紙にサーマルヘッドが取引の明細情報を印字し、明細情報が印字された領域をカッタが連続紙から切り離すことにより、明細票が作成される。
【0041】
(記憶部)
記憶部270は、自動取引装置20の動作のために用いられる各種情報を記憶する記憶媒体である。例えば、記憶部270は、制御部280が表示入力部22、通信部210、カード読取部220、紙幣入出金部230、硬貨入出金部240、通帳記帳部250、および明細印字部260などを制御するためのプログラムを記憶する。
【0042】
(制御部)
制御部280は、自動取引装置20の動作全般を制御する。例えば、制御部280は、通信部210、カード読取部220、紙幣入出金部230、硬貨入出金部240、通帳記帳部250、および明細印字部260の各々の動作を制御する。特に、本実施形態による制御部280は、顧客により振込取引が選択された場合に、当該顧客がインターネットバンキングへ登録済みであるか否かの確認を依頼するIB登録状況確認依頼を通信部310に広告配信サーバ40へ送信させる。また、制御部280は、広告配信サーバ40およびWebサーバ50から受信された画面を表示入力部22に表示させる表示制御部の機能を包含する。
【0043】
<ホストコンピュータ、広告配信サーバおよびWebサーバの構成>
図3は、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50の内部構成を示す説明図である。
【0044】
(ホストコンピュータ)
図3に示したように、ホストコンピュータ30は、通信部310、口座情報記憶部320および制御部330を有する。通信部310は、自動取引装置20と通信する。例えば、通信部310は、自動取引装置20から顧客の操作情報(選択された取引および取引金額など)を受信し、自動取引装置20における次の表示のための表示画面を自動取引装置20に送信する。
【0045】
口座情報記憶部320は、顧客の口座情報を記憶する。例えば、口座情報記憶部320は、口座番号、暗証番号、氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、職業、家族構成、年収、預金残高などの口座情報を記憶する。
【0046】
制御部330は、ホストコンピュータ30の動作全般を制御する。例えば、制御部330は、自動取引装置20から通信部310により受信された口座番号および暗証番号に基づき、口座情報記憶部320を参照して顧客の認証処理を実行する。また、制御部330は、自動取引装置20における次の表示のための表示画面を通信部310に送信させる。
【0047】
(広告配信サーバ)
広告配信サーバ40は、図3に示したように、通信部410、記憶部420および制御部430を有する。通信部410は、自動取引装置20およびWebサーバ50と通信する。例えば、通信部410は、IB登録状況確認依頼を自動取引装置20から受信する。また、通信部410は、自動取引装置20にインターネットバンキングへの登録を案内する広告画面(IB広告画面)を配信する。また、通信部410は、インターネットバンキングへの顧客の登録が終了したことに基づき、Webサーバ50から顧客データベース更新依頼を受信する。
【0048】
記憶部420は、広告データベースおよび顧客データベースを格納する。広告データベースは、自動取引装置20における表示のための広告画面を含む。顧客データベースは、各顧客がインターネットバンキングに登録済みであるか否かを示す情報を含む。
【0049】
制御部430は、広告配信サーバ40の動作全般を制御する。例えば、制御部430は、顧客データベースを参照して、通信部410により受信されたIB登録状況確認依頼に含まれる口座番号を有する顧客がインターネットバンキングへ登録済みであるか否かを判断する判断部の機能を有する。なお、IB登録状況確認依頼は、顧客により振込取引が選択された場合に自動取引装置20から送信される。
【0050】
また、制御部430は、当該顧客がインターネットバンキングへ未登録であると判断されたことに基づきIB広告画面を自動取引装置20に表示させる(通信部410にIB広告画面を送信させる)表示制御部としての機能を有する。また、制御部430は、Webサーバ50から受信される顧客データベース更新依頼に基づき、顧客データベースを更新する。
【0051】
(Webサーバ)
Webサーバ50は、図3に示したように、通信部510、登録情報記憶部520および制御部530を有する。通信部510は、自動取引装置20および広告配信サーバ40と通信する。例えば、通信部510は、自動取引装置20からインターネットバンキングの申込画面の要求を受信し、インターネットバンキングの申込画面(IB申込画面)を自動取引装置20に送信する。また、通信部510は、広告配信サーバ40に顧客データベース更新依頼を送信する。
【0052】
登録情報記憶部520は、IB申込画面において顧客により入力された申込情報を含む登録情報を記憶する。登録情報は、口座番号、キャッシュカードの暗証番号、氏名および生年月日を含み得る。
【0053】
制御部530は、Webサーバ50の動作全般を制御する。例えば、制御部530は、自動取引装置20から受信されたIB申込画面の要求に応じて、IB申込画面が自動取引装置20に送信されるように通信部510を制御する。また、制御部530は、インターネットバンキングへの顧客の登録が終了すると、当該顧客の情報を「インターネットバンキングへ登録済み」に更新することを依頼する顧客データベース更新依頼の広告配信サーバ40への送信を制御する。
【0054】
<情報処理システムの動作>
以上、本実施形態による情報処理システムの構成を説明した。続いて、図4を参照して、本実施形態による情報処理システムの動作を説明する。
【0055】
図4は、本実施形態による情報処理システムの動作を示す説明図である。図4に示したように、顧客が自動取引装置20のカード挿入排出口26にキャッシュカードを挿入し、表示入力部22に暗証番号を入力し、振込取引をメニュー画面から選択することにより、自動取引装置20とホストコンピュータ30とが振込取引を開始する(S1)。振込取引において、顧客は、表示入力部22を操作することにより、振込先および振込金額などの振込情報を入力する。
【0056】
また、自動取引装置20の通信部210は、振込取引が選択されたことに基づき、IB登録状況確認依頼を広告配信サーバ40に送信する(S2)。広告配信サーバ40の制御部430は、顧客データベースを参照して、IB登録状況確認依頼に含まれる口座番号を有する顧客がインターネットバンキングへ登録済みであるか否かを判断する(S3)。IB登録状況確認依頼に含まれる口座番号を有する顧客がインターネットバンキングへ登録済みであると判断されると、図4に示したように、広告配信サーバ40の通信部410がIB広告画面を自動取引装置20に配信する(S4)。
【0057】
続いて、自動取引装置20の表示入力部22は、広告配信サーバ40から配信されたIB広告画面を表示する(S5)。例えば、表示入力部22は、当該IB広告画面を処理待ち時間中に表示する。処理待ち時間は、例えば、顧客が振込取引のための情報(振込先、金額等)の入力、確認を終えて自動取引装置20からホストコンピュータ30に振込依頼が送信され、ホストコンピュータ30からの振込完了の通知(振込取引終了通知)を待っている状態の時間である。ここで、図5を参照し、IB広告画面の具体例を説明する。
【0058】
図5は、IB広告画面の具体例を示す説明図である。図5に示したように、IB広告画面は、誘導メッセージ62、手数料比較表64、申込不要ボタン65、保留ボタン66、および申込ボタン67を含む。申込不要ボタン65、保留ボタン66が、申込ボタン67のいずれかが選択されると、IB広告画面の表示が終了する。
【0059】
誘導メッセージ62は、インターネットバンキングの利用が顧客にとって得であることを示すメッセージである。誘導メッセージ62は、例えば図5に示したように、「インターネットバンキングで振込を行うとATMでの振込よりも手数料が安くなります。」というメッセージであってもよい。
【0060】
手数料比較表64は、自動取引装置20を利用する振込の手数料と、インターネットバンキングを利用する振込の手数料を対比的に示す表である。顧客は、当該手数料比較表64からも、インターネットバンキングの利用が得であることを理解できる。
【0061】
申込不要ボタン65および保留ボタン66は、インターネットバンキングへの登録が不要である場合に選択されるボタンである。申込不要ボタン65が顧客により選択された場合、自動取引装置20は、当該顧客による次回以降の振込取引においてIB広告画面を表示しない。保留ボタン66が顧客により選択された場合、自動取引装置20は、当該顧客による次回の振込取引においてもIB広告画面を表示する。
【0062】
従って、IB広告画面の表示を煩雑に感じる顧客は申込不要ボタン65を選択することにより、IB広告画面が繰り返し表示されることによるストレスを回避することが可能である。一方、インターネットバンキングへの登録意思はあるが、今は時間が無いなどの理由で今回の振込取引に続けてインターネットバンキングへの登録を申込むことが困難な顧客も存在し得る。そのような顧客は、保留ボタン66を選択することにより、次回の振込取引で表示されるIB広告画面において申込ボタン67を選択することにより、円滑にインターネットバンキングへの登録手続きに進むことが可能である。
【0063】
申込ボタン67は、インターネットバンキングへの登録手続に進むために選択されるボタンである。図4においては、S6以降に、IB広告画面において当該申込ボタン67が選択された場合の処理が示されている。
【0064】
具体的には、ホストコンピュータ30から振込取引終了通知が受信されると(S6)、自動取引装置20のカード挿入排出口26が顧客のキャッシュカードを返却し、明細排出口27が振込取引の明細票を排出する(S7)。その後、S5において申込ボタン67が選択されていたことに基づき、インターネットバンキングへの申込みのためにキャッシュカードの挿入を誘導する画面を自動取引装置20が表示する。そして、顧客が自動取引装置20のカード挿入排出口26にキャッシュカードを挿入し、表示入力部22に暗証番号を入力する。暗証番号を含む顧客情報はホストコンピュータ30に送信され(S8)、ホストコンピュータ30から認証結果として本人確認結果通知が受信される(S9)。当該本人確認は、インターネットバンキングへの郵送による申込みで必要な本人確認証に基づく本人確認に代わる処理である。
【0065】
ここで、本人確認が成功すると、自動取引装置20はIB申込画面をWebサーバ50に要求し(S10)、Webサーバ50は自動取引装置20にIB申込画面を送信する(S11)。自動取引装置20の表示入力部22は、Webサーバ50から送信されたIB申込画面を表示し、顧客がインターネットバンキング申込情報(IB申込情報)を入力する(S12)。そして、自動取引装置20の通信部210は、顧客により入力されたIB申込情報をWebサーバ50に送信する(S13)。
【0066】
Webサーバ50の制御部530は、自動取引装置20から受信されたIB申込情報を含む登録情報を登録情報記憶部520に格納する(S14)。そして、Webサーバ50は、顧客データベース更新依頼を広告配信サーバ40に送信する(S15)。ここで、顧客データベース更新依頼はインターネットバンキングへの申込を行った顧客の識別情報を含む。広告配信サーバ40は、当該顧客の情報が「インターネットバンキングへ登録済み」となるように顧客データベースを更新し、更新の終了通知をWebサーバ50に送信する(S16)。
【0067】
その後、Webサーバ50は自動取引装置20にインターネットバンキングへの申込が終了した旨を示すIB申込終了通知を送信し(S17)、自動取引装置20のカード挿入排出口26が顧客のキャッシュカードを返却し、明細排出口27がインターネットバンキングへの申込の明細票を排出する(S18)。
【0068】
<作用効果>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、インターネットバンキングへ未登録であり、かつ、振込取引を選択した顧客にIB広告画面が表示される。インターネットバンキングの利用は、手数料の観点から振込取引において特に有用である。このため、上記のような顧客にIB広告画面を表示することによりインターネットバンキングへの登録を効果的に誘導し、インターネットバンキングの登録者数を増加させることが可能である。また、顧客満足度の向上、顧客との関係良化の効果も期待される。
【0069】
<変形例>
以上、本発明の実施形態を説明した。以下では、本発明の実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0070】
(第1の変形例)
第1の変形例は、インターネットバンキングへの登録が行われた場合に、自動取引装置20を利用する振込の手数料と、インターネットバンキングを利用する振込の手数料の差額に応じて手数料の還元処理が実行される変形例である。以下、図6および図7を参照し、第1の変形例を説明する。
【0071】
図6は、第1の変形例による動作を示す説明図である。図6に示したS1~S18の処理には、図4を参照して説明したS1~S18の処理を適用し得るので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0072】
図6に示したように、自動取引装置20のカード挿入排出口26が顧客のキャッシュカードを返却し、明細排出口27がインターネットバンキングへの申込の明細票を排出した後(S18)、自動取引装置20の通信部210がIB申込完了通知をホストコンピュータ30に送信する(S19)。
【0073】
ホストコンピュータ30は、IB申込完了通知の受信に応じて、顧客の口座に、インターネットバンキングの登録に先立って自動取引装置20を利用して行われた振込の手数料と、当該振込がインターネットバンキングを利用して行われていた場合の手数料との差額を入金する(S20)。例えば、IB申込完了通知はインターネットバンキングへの登録に先立って行われた振込の処理通番を含み、ホストコンピュータ30の制御部330は、当該処理通番に対応する振込の手数料を特定し、特定した手数料に基づいて上記差額を算出してもよい。この場合、ホストコンピュータ30の制御部330が、手数料の還元処理を行う口座管理部に対応する。
【0074】
上述したように手数料の差額が還元される場合、S5で表示されるIB広告画面は、図7に示すように、インターネットバンキングへの登録により手数料の差額に応じた還元処理が行われることを示すことが望ましい。
【0075】
図7は、第1の変形例によるIB広告画面を示す説明図である。図7に示したように、第1の変形例によるIB広告画面は、IB広告画面は、誘導メッセージ62、手数料比較表64、申込不要ボタン65、保留ボタン66、および申込ボタン67に加え、還元通知メッセージ68を含む。
【0076】
還元通知メッセージ68は、例えば図7に示したように、「続けて申し込むと、差額分をキャッシュバックします。」というメッセージであってもよい。メッセージには、キャッシュバックの対象となるのは、今回の取引の手数料が対象である旨を付してもよい。また、還元通知メッセージ68は、例えば「108円」のように、還元される金額を明示してもよい。顧客は、当該還元通知メッセージ68に基づき、インターネットバンキングへの申込みにより今回の振込においても手数料のメリットが得られることを理解できる。従って、インターネットバンキングに申し込む意欲が一層喚起され、インターネットバンキングの登録者数が増加することが期待される。
【0077】
なお、ホストコンピュータ30の制御部330は、手数料の差額を顧客の口座に入金する処理に代えて、他の処理により手数料の還元を実現してもよい。例えば、ホストコンピュータ30の制御部330は、手数料の差額が自動取引装置20の何回分の利用料に相当するかを算出し、算出された回数分、顧客が自動取引装置20を無料で利用可能な回数を増加させる口座管理部の機能を有してもよい。
【0078】
(第2の変形例)
続いて、第2の変形例を説明する。第2の変形例は、第1の変形例と同様に、手数料の還元処理に関する変形例である。第2の変形例では、自動取引装置20が手数料の差額に相当する現金を出金することにより、還元処理が実現される。以下、図8を参照して、第2の変形例を説明する。
【0079】
図8は、第2の変形例による動作を示す説明図である。図8に示したS1~S18の処理には、図4を参照して説明したS1~S18の処理を適用し得るので、ここでの詳細な説明を省略する。
【0080】
図8に示したように、自動取引装置20のカード挿入排出口26が顧客のキャッシュカードを返却し、明細排出口27がインターネットバンキングへの申込の明細票を排出した後(S18)、自動取引装置20の通信部210がIB申込完了通知をホストコンピュータ30に送信する(S19)。
【0081】
ホストコンピュータ30は、IB申込完了通知の受信に応じて、インターネットバンキングの登録に先立って自動取引装置20を利用して行われた振込の手数料と、当該振込がインターネットバンキングを利用して行われていた場合の手数料との差額を算出する。そして、ホストコンピュータ30は、算出した差額の出金を指示する差額出金指示を自動取引装置20に送信する(S21)。
【0082】
自動取引装置20の硬貨入出金部240は、差額出金指示に基づき、手数料の差額に沿うとする現金を出金する(S22)。この場合、自動取引装置20の硬貨入出金部240が、手数料の還元処理を行う還元処理部に対応する。
【0083】
上述した第2の変形例によっても、振込に続けてインターネットバンキングへの申込みを行った顧客に手数料の差額を還元することが可能である。
【0084】
(第3の変形例)
上記では、振込が終了した後に顧客にキャッシュカードが返却され、顧客がインターネットバンキングへの申込みのために再度キャッシュカードを自動取引装置20に挿入する例を説明した。しかし、振込およびインターネットバンキングの双方が終了するまでキャッシュカードは顧客に返却されないように自動取引装置20を設計することも可能である。かかる構成によれば、顧客の操作負荷を軽減することが可能である。
【0085】
(第4の変形例)
上記では、IB広告画面が例えば図5に示したように申込不要ボタン65、保留ボタン66、および申込ボタン67などの選択ボタンを含む例を説明した。すなわち、上記では、IB広告画面がIB広告機能およびIB申込受付機能の双方を有する例を説明した。しかし、IB広告画面は、IB広告機能を有し、IB申込受付機能を有さなくてもよい。すなわち、IB広告画面は申込不要ボタン65、保留ボタン66、および申込ボタン67などの選択ボタンを含まなくてもよい。IB広告機能によりインターネットバンキングへの登録の意欲が喚起され得て、インターネットバンキングへの登録の意欲が喚起された顧客は別途インターネットバンキングへの申込みをし得る。このため、IB広告画面がIB申込受付機能を有さなくても、インターネットバンキングの登録者数を増加させることが可能である。
【0086】
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0087】
例えば、本明細書の自動取引装置20、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、自動取引装置20、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0088】
また、自動取引装置20、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した自動取引装置20、ホストコンピュータ30、広告配信サーバ40およびWebサーバ50の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0089】
20 自動取引装置
22 表示入力部
24 通帳挿入口
26 カード挿入排出口
27 明細排出口
28 接客口
210 通信部
220 カード読取部
230 紙幣入出金部
240 硬貨入出金部
250 通帳記帳部
260 明細印字部
270 記憶部
280 制御部
30 ホストコンピュータ
310 通信部
320 口座情報記憶部
330 制御部
40 広告配信サーバ
410 通信部
420 記憶部
430 制御部
50 サーバ
510 通信部
520 登録情報記憶部
530 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8