(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】ファン及びマスク装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/62 20060101AFI20220524BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20220524BHJP
F04D 25/08 20060101ALI20220524BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20220524BHJP
A41D 13/002 20060101ALI20220524BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
F04D29/62 E
F04D29/42 M
F04D29/62 D
F04D25/08 301Z
A62B18/08 Z
A41D13/002 105
H02K7/14 A
(21)【出願番号】P 2018013420
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-09-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】玉岡 健人
(72)【発明者】
【氏名】平山 正士
(72)【発明者】
【氏名】依田 圭人
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05372130(US,A)
【文献】中国特許出願公開第106362318(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105962484(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F04D 29/42
F04D 29/62
A62B 18/08
A41D 13/002
F24F 7/00
H02K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の顔の少なくとも一部を覆うマスクに取り付けられるファンであって、
中心軸を中心として周方向に配置される複数の羽根を有するインペラと、
前記インペラを前記中心軸の回りに回転させるモータと、
前記インペラ及び前記モータを収容するケーシングと
を有し、
前記ケーシングは、空気を吸気する吸気口と、
円筒形状の側壁部とを有し、
前記吸気口は、前記インペラに対して軸方向一方側に開口し、
前記側壁部は、空気を排気する2つ又は3つの排気口を有し、
前記
2つ又は3つの排気口の各々は、径方向に開口
し、周方向に沿って円弧状に延びる、ファン。
【請求項2】
前記ケーシングは、
前記吸気口を有する第1ケーシングと、
前記モータの少なくとも一部を支持する第2ケーシングと
を有し、
前記ファンは、前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとを軸方向に結合する結合部をさらに有し、
前記側壁部は、前記第1ケーシング及び前記第2ケーシングのうちの少なくとも一方
に設けられ、
前記結合部は、前記複数の羽根と径方向に対向する前記側壁部の内周面よりも径方向外側に配置される、請求項1に記載のファン。
【請求項3】
前記結合部は、ネジであり、
前記ネジが、前記第2ケーシングから前記第1ケーシングに捻じ込まれて、前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとが結合されている、請求項2に記載のファン。
【請求項4】
前記ケーシングは、前記モータの少なくとも一部を支持する第2ケーシングを有し、
前記第2ケーシングは、
前記モータの少なくとも一部を支持し、径方向に広がる板状の内側部と、
前記内側部の径方向外側に位置し、径方向に広がる板状の外側部と、
前記内側部に対して軸方向に屈曲して、前記内側部と前記外側部とを接続する屈曲部と
を有する、請求項1に記載のファン。
【請求項5】
前記モータに電力を供給するバッテリをさらに有し、
前記ケーシングは、前記モータの少なくとも一部を支持する第2ケーシングを有し、
前記第2ケーシングの軸方向一方側の面には、前記モータが配置され、
前記第2ケーシングの軸方向他方側の面に対向して、前記バッテリが配置され、
前記ケーシングは、前記第2ケーシングの軸方向他方側から前記バッテリを覆うキャップをさらに有する、請求項1に記載のファン。
【請求項6】
前記ケーシングは、前記吸気口を有する第1ケーシングを有し、
前記第1ケーシングは、前記インペラから離れる側に軸方向に延びる筒状の筒部を有し、
前記吸気口は、前記筒部の径方向内側の空間であり、
前記複数の羽根の各々の径方向の内端は、前記筒部の内周面よりも径方向外側に位置する、請求項1に記載のファン。
【請求項7】
前記ケーシングは、前記吸気口を有する第1ケーシングを有し、
前記第1ケーシングは、前記インペラから離れる側に軸方向に延びる筒状の筒部を有し、
前記吸気口は、前記筒部の径方向内側の空間であり、
前記筒部は、前記マスクの有するマスクフレームと連結する連結部を有する、請求項1に記載のファン。
【請求項8】
前記吸気口は、前記マスクの外気側を向いており、
前記インペラは、前記吸気口を通して前記マスクの外気側から空気を吸気して、空気を前記
2つ又は3つの排気口から前記マスクの内部に排気する、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載のファン。
【請求項9】
前記吸気口は、前記人体の顔側を向いており、
前記インペラは、前記吸気口を通して前記人体の顔側から空気を吸気して、空気を前記
2つ又は3つの排気口から前記マスクの外部に排気する、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載のファン。
【請求項10】
前記吸気口は、前記マスクの外気側を向いており、
前記インペラは、前記吸気口を通して前記マスクの外気側から空気を吸気して、空気を
前記2つの排気口から前記マスクの内部に排気し、
前記2つの排気口は、前記マスクが前記人体に装着されるときの前記ファンの姿勢において、上下方向に180度対向している、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のファン。
【請求項11】
前記吸気口は、前記マスクの外気側を向いており、
前記インペラは、前記吸気口を通して前記マスクの外気側から空気を吸気して、空気を
前記3つの排気口から前記マスクの内部に排気し、
前記3つの排気口のうち少なくとも1つの排気口は、前記マスクが前記人体に装着されるときの前記ファンの姿勢において、上方向及び下方向のうちのいずれかの方向を向いている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のファン。
【請求項12】
前記ケーシングは、前記排気口に配置される少なくとも1つの板状の板部をさらに有する、請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載のファン。
【請求項13】
前記排気口は、径方向内方側に開口する内側開口部と、径方向外方側に開口する外側開口部と、
を有し、
前記内側開口部と前記外側開口部は径方向に重なる、請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載のファン。
【請求項14】
人体の顔の少なくとも一部を覆うマスクと、
前記マスクに取り付けられる請求項1から請求項
13のいずれか1項に記載のファンと
を有する、マスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン及びマスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のファンを有するマスクは、外部からの空気を流入させる吸気ファンと、吸気ファンと連通した吸気口とを有する(例えば、特許文献1)。特許文献1に示すマスクでは、吸気口にフィルタが設けられ、外気からの粉塵をフィルタが除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国実用新案公告第205671531号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マスクを使用する大気環境において、より集塵力を向上させたファンを搭載することが求められる。また、フィルタに粉塵が付着した場合、ファンによって吸気される風量を十分に得ることができない虞がある。このような状況において、従来のマスクの吸気ファンでは、マスクに好適な比較的大きな風量の排気を実現できない可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、マスクに好適な比較的大きな風量の排気を実現できるファン及びマスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なファンは、人体の顔の少なくとも一部を覆うマスクに取り付けられる。ファンは、インペラと、モータと、ケーシングとを有する。インペラは、中心軸を中心として周方向に配置される複数の羽根を有する。モータは、前記インペラを前記中心軸の回りに回転させる。ケーシングは、前記インペラ及び前記モータを収容する。前記ケーシングは、空気を吸気する吸気口と、空気を排気する複数の排気口とを有する。前記吸気口は、前記インペラに対して軸方向一方側に開口している。前記複数の排気口の各々は、径方向に開口する。
【0007】
本発明の例示的なマスク装置は、人体の顔の少なくとも一部を覆うマスクと、前記マスクに取り付けられる上述した本発明の例示的なファンとを有する。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によれば、マスクに好適な比較的大きな風量の排気を実現できるファン及びマスク装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係るファンを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るファンを示す横断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るファンの一部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係るファンを示す縦断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係るファンを有する吸気タイプのマスク装置を示す側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係るファンに連結するマスクフレームを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態1に係るファンを有する排気タイプのマスク装置を示す側面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1の第1変形例に係るファンを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第1変形例に係るファンを示す横断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態1の第2変形例に係るファンを示す斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態2に係るファンを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係るファンを示す横断面図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係るファンを有する吸気タイプのマスク装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
本明細書では、マスク装置(
図5、
図7、
図13)の説明を除き、便宜上、ファンの有するモータの中心軸AX(
図1参照)の方向を上下方向として説明する場合がある。図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。Z軸の正方向は上方向を示し、Z軸の負方向は下方向を示す。ただし、上下方向、上方向、および下方向は、説明の便宜上定められており、鉛直方向に一致する必要はない。例えば、上下方向は、鉛直方向に一致してもよいし、水平方向に一致してもよいし、水平方向に交差する方向に一致してもよい。例えば、上方向と下方向とは反対方向であればよい。また、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義したに過ぎず、本発明に係るファン及びモータの使用時の向きを限定しない。
【0012】
以下、
図1に示すように、モータの中心軸AXと平行な方向を単に「軸方向AD」と記載し、モータの中心軸AXを中心とする径方向および周方向を単に「径方向RD」および「周方向CD」と記載する。
【0013】
(実施形態1)
図1~
図4を参照して、本発明の実施形態1に係るファンFNを説明する。まず、
図1及び
図2を参照してファンFNを説明する。
図1は、ファンFNを示す斜視図である。
図1では、ファンFNを上方から見ている。ファンFNは、人体の顔の少なくとも一部を覆うマスクに取り付けられる。
図2は、ファンFNを示す横断面図である。
【0014】
図1に示すように、ファンFNは、インペラPLと、モータMTと、ケーシングCSとを有する。ファンFNは、インペラPLの回転によって、空気を遠心力により径方向RD外側に送り出す遠心ファンである。ケーシングCSは、インペラPL及びモータMTを収容する。インペラPLは、中心軸AXを中心として周方向CDに配置される複数の羽根1aを有する。そして、モータMTは、中心軸AXの回りにインペラPLを回転させる。その結果、インペラPLは、径方向RD外側に向けて空気を送り出す。実施形態1では、中心軸AXは上下に延びている。
【0015】
ケーシングCSは、空気を吸気する吸気口A1を有する。吸気口A1は、インペラPLに対して軸方向AD一方側に開口している。実施形態1では、吸気口A1は、インペラPLに対して軸方向AD上側に向けて開口している。吸気口A1は、中心軸AXの回りに円形に開口している。吸気口A1は、モータMTと軸方向ADに対向している。なお、吸気口A1の開口形状は円形に限らず、楕円形、四角形状などであってもよい。
【0016】
図1及び
図2に示すように、ケーシングCSは複数の排気口B1を有する。複数の排気口B1の各々は空気を排気する。なお、
図2では、軸方向ADに直交する平面によって、排気口B1の上端近傍からファンFNを切断したときのファンFNの断面が示される。
【0017】
複数の排気口B1の各々は径方向RDに開口する。従って、インペラPLの回転によって吸気口A1から流入した空気AR1は、複数の排気口B1のそれぞれから径方向RD外側に向かって排気される。その結果、ファンFNの風量発生能力と1つの排気口を有するファンfnの風量発生能力とが同一である場合に、1つの排気口を有するファンfnと比較して、ファンFNから径方向RD外側に向けて排気される空気AR1の風量を増大できる。よって、マスクに好適な比較的大きな風量の排気を実現できる。すなわち、比較的大きな風量の排気を実現することができる。
【0018】
さらに、本実施形態に係るファンFNは、従来のファンと比べて大きな風量を得ることができるため、従来のファンと同じ風量をファンFNに設定した場合、モータMTの回転数を低くすることができ、ファンFNの音を低減することができる。さらに、本実施形態に係るファンFNは、従来のファンと比べて大きな風量を得ることができるため、ファンFNをマスクに取り付けたときに、従来のファンを取り付けたマスクよりも、マスクのフィルタによる集塵力を向上できる。また、ファンFNは、従来のファンと比べて大きな風量を得ることができるため、ファンFNを取り付けたマスクのフィルタに粉塵が付着した場合でも、ファンFNによって吸気される風量を十分に得ることができる。なお、風量は単位時間当たりの空気の量を示す。
【0019】
具体的には、実施形態1では、排気口B1の数は2つである。その結果、実施形態1によれば、3以上の排気口を有する場合と比較して、ケーシングCSの強度を高くすることができる。また、例えば、ファンFNが2つの排気口B1を有することで、1つの排気口を有するファンfnと比較して、約1.5倍の風量の排気を実現できる。2つの排気口B1は径方向RDに対向している。
【0020】
また、実施形態1によれば、ファンFNが複数の排気口B1を有するため、1つの排気口を有するファンfnと比較して、ファンFNは空気を周方向CDに分散させて排気できる。その結果、ファンFNをマスクに取り付けたときに、人の肌に当る風が分散されることで、マスクの装着者に対して更なる装着の心地良さを提供できる。例えば、PM2.5(微小粒子状物質)の増大し得る冬場において、1つの排気口を有するファンfnと比較して、マスクの装着者の寒さを低減できる。なお、ファンfnが1つの排気口を有すると、人の肌に向かって1方向に風が集中するため、ファンfnをマスクに取り付けたときに、マスクの装着者が不快に感じる可能性がある。例えば、PM2.5の増大し得る冬場において、マスクの装着者の寒さが増大する可能性がある。
【0021】
特に、実施形態1では、複数の排気口B1が周方向CDに等間隔に配置される。従って、ファンFNは空気を周方向CDに略均等に分散させて排気できる。その結果、ファンFNをマスクに取り付けたときに、人の肌に当る風が分散されることで、マスクの装着者に対して更なる装着の心地良さを提供できる。
【0022】
さらに、実施形態1によれば、ファンFNの風量発生能力と1つの排気口を有するファンの風量発生能力とが同一である場合に、ファンFNが複数の排気口B1を有することで、ファンが1つの排気口を有する場合と比較して、ファンFNの風量発生能力を十分に引き出すことができる。例えば、1つの排気口を有するファンfnが風量Q(m3/時間)の風量発生能力を有する場合であっても、排気口が1つであるため、実際には、風量Qよりも少ない風量P(m3/時間)の排気しか実現できない可能性がある。しかしながら、実施形態1によれば、複数の排気口B1によって風量を増大しているため、風量Qの風量発生能力を有するファンFNが、風量Pよりも大きい風量R(m3/時間)の排気を実現できる。引き続き以下の説明において、風量Q(m3/分)が風量R(m3/分)よりも大きく、風量R(m3/分)が風量P(m3/分)よりも大きい場合を説明する(Q>R>P)。
【0023】
ファンFNの風量発生能力を十分に引き出すことができると、ファンFNの小型化及び軽量化を実現できる。
【0024】
例えば、風量Rの排気が要求される場合に、1つの排気口を有するファンfnでは、風量発生能力を風量Qよりも大きくする必要があるため、ファンのモータを大きくするか、又は、ファンのインペラの回転数を大きくする。しかしながら、実施形態1では、風量Rの排気が要求される場合に、風量Qの風量発生能力を有するファンFNが適用できる。従って、モータMTが大きくなることを抑制でき、又は、インペラPLの回転数が大きくなることを抑制できる。換言すれば、1つの排気口を有するファンfnと比較して、ファンFNを小型化でき、又は、インペラPLの回転数を小さくできる。ファンFNを小型化できると、ファンFNを軽量化できる。インペラPLの回転数を小さくできると、モータMTに電力を供給するバッテリの寿命を長くできる。また、インペラPLの回転数を小さくできると、バッテリの容量を少量化できる。
【0025】
次に、
図1~
図4を参照してファンFNのケーシングCSを説明する。
図3は、ファンFNの一部を示す斜視図である。
図4は、ファンFNを示す縦断面図である。
図1~
図4に示すように、ケーシングCSは、第1ケーシングCS1と、第2ケーシングCS2とを有する。ケーシングCSはキャップCS3を有していてもよい。なお、
図1では、第2ケーシングCS2は、第1ケーシングCS1とキャップCS3との間に隠れている。
図3では、キャップCS3が取り外されたファンFNを下方から見ている。
【0026】
第1ケーシングCS1は吸気口A1を有する。具体的には、第1ケーシングCS1は、筒状の筒部11と、環状の鍔部12とを有する。実施形態1では、第1ケーシングCS1は、円筒状の筒部11と、円環状の鍔部12とを有する。筒部11は、インペラPLから離れる側に軸方向ADに延びる。実施形態1では、筒部11は鍔部12から軸方向AD上側に延びる。吸気口A1は、筒部11の径方向RD内側の空間である。鍔部12は、板状であり、筒部11の軸方向AD下端から径方向RDに広がる。
【0027】
第2ケーシングCS2はモータMTの少なくとも一部を支持する。第1ケーシングCS1及び第2ケーシングCS2のうちの少なくとも一方は側壁部10を有する。実施形態1では、第1ケーシングCS1が側壁部10を有する。側壁部10は、中心軸AXを中心として周方向CDに配置される。側壁部10は複数の排気口B1を有する。
【0028】
図2及び
図3に示すように、ファンFNは少なくとも1つの結合部SWを有する。実施形態1では、ファンFNは複数の結合部SWを有する。複数の結合部SWは周方向CDに配置される。複数の結合部SWの各々は、第1ケーシングCS1と第2ケーシングCS2とを軸方向ADに結合する。そして、少なくとも1つの結合部SWは、複数の羽根1aと径方向RDに対向する側壁部10の内周面10aよりも径方向RD外側に配置される。その結果、実施形態1によれば、所望の風量を得るために好適な風洞空間2をケーシングCSに形成できる。
【0029】
すなわち、複数の羽根1aは、側壁部10の内周面10aと径方向RDに対向する。従って、空気は、複数の羽根1aの回転によって、側壁部10の内周面10aに沿って流れる。その結果、側壁部10の内周面10aは、空気の流れを形成する風洞部として機能する。そこで、側壁部10の内周面10aよりも径方向RD外側に結合部SWを配置することで、結合部SWが空気の流れを阻害することを抑制できる。従って、ファンFNを小型化する場合であっても、所望の風量を得るために十分な風洞空間2を、風洞部として機能する側壁部10の内周面10aによって形成できる。特に、実施形態1では、複数の結合部SWが側壁部10の内周面10aよりも径方向RD外側に配置される。その結果、所望の風量を得るために更に好適な風洞空間2を形成できる。
【0030】
実施形態1では、結合部SWはネジである。ネジは、例えば、ビスである。結合部SWとしてのネジが、第2ケーシングCS2から第1ケーシングCS1に捻じ込まれて、第1ケーシングCS1と第2ケーシングCS2とが結合されている。従って、第1ケーシングCS1と第2ケーシングCS2とがネジによって締め付けられる。その結果、人体にマスクを装着したときのマスク又はファンFNの揺れによるケーシングCSのガタツキを抑制することができる。
【0031】
なお、結合部SWが第1ケーシングCS1と第2ケーシングCS2とを軸方向ADに結合する限りにおいては、結合部SWはネジに限定されない。例えば、結合部SWはスナップフィットであってもよい。例えば、結合部SWは、合成樹脂製の突起であり、突起の熱溶着によって、第1ケーシングCS1と第2ケーシングCS2とを結合してもよい。
【0032】
次に、
図3及び
図4を参照して、第2ケーシングCS2を説明する。
図3及び
図4に示すように、第2ケーシングCS2は、板状の内側部20と、板状の外側部21と、屈曲部22とを有する。内側部20は、モータMTの少なくとも一部を支持し、径方向RDに広がる。内側部20は円板状である。外側部21は、内側部20の径方向RD外側に位置し、径方向RDに広がる。外側部21は、内側部20を囲んでおり、円環状である。屈曲部22は、内側部20に対して軸方向ADに屈曲して、内側部20と外側部21とを接続する。
【0033】
従って、実施形態1によれば、第2ケーシングCS2が屈曲部22を有することで、モータMTを支持する第2ケーシングCS2の剛性を高めることができる。その結果、人体にマスクを装着してマスク又はファンFNに振動又は揺れが発生した場合でも、モータMTの振動を抑制することができる。特に、ケーシングCSが複数の排気口B1を有することで、1つの排気口を有する場合と比較して、側壁部10における第1ケーシングCS1による第2ケーシングCS2の補強の程度が弱くなる可能性がある。従って、第2ケーシングCS2が屈曲部22を有し、第2ケーシングCS2の剛性を高めることは、ケーシングCSが複数の排気口B1を有する場合に特に有効である。
【0034】
実施形態1では、屈曲部22は円環状である。そして、屈曲部22は、内側部20に対して軸方向AD上側に屈曲している。なお、屈曲部22は、内側部20に対して軸方向AD下側に屈曲していてもよい。また、第2ケーシングCS2は複数の屈曲部22を有していてもよい。
【0035】
次に、
図4を参照して、ファンFNの詳細を説明する。
図4に示すように、ファンFNの吸気口A1は、モータMTの上方に位置している。モータMTは、ロータ30と、ステータ40とを有する。ロータ30は、ステータ40に対して、中心軸AXの回りに回転する。ロータ30は、ロータヨーク300と、マグネット301とを有する。ロータヨーク300は有蓋円筒状である。ロータヨーク300の径方向RD内面には、マグネット301が固定される。ロータヨーク300は、例えば、電磁鋼板が軸方向ADに積層した積層鋼板によって構成される。マグネット301は、例えば、永久磁石である。例えば、ロータ30は、円環状の単数のマグネット301を有していてもよいし、周方向CDに配列された複数のマグネット301を有していてもよい。
【0036】
ステータ40は、ロータ30のマグネット301と径方向RDに対向する。具体的には、ロータ30のマグネット301は、ステータ40に対して径方向RD外側に配置される。つまり、モータMTは、アウターロータ型のモータである。ステータ40は、中心軸AXを中心として配置される。具体的には、ステータ40は、ステータコア400と、複数のコイル401とを有する。複数のコイル401は、それぞれ、複数のインシュレータ(不図示)を介して、ステータコア400に固定される。複数のコイル401は周方向CDに沿って配置される。ステータコア400は、例えば、電磁鋼板が軸方向ADに積層した積層鋼板によって構成される。
【0037】
インペラPLは、複数の羽根1aに加えて、略円環状のハブ1bをさらに有する。複数の羽根1aは、周方向CDに沿ってハブ1bに固定される。排気口B1は、羽根1aの径方向RD外側に位置している。ハブ1bは、モータMTのロータ30に固定される。具体的には、ハブ1bは、ロータヨーク300の外周面に固定される。従って、複数の羽根1aは、中心軸AXの回りに、ロータ30とともに回転する。なお、本実施形態において、排気口B1に関し、羽根1aの径方向RD外側において、排気口B1と羽根1aとは軸方向ADにおいて同じ位置にある。つまり、排気口B1と羽根1aとは径方向RDに重なって配置される。排気口B1と羽根1aとの位置はこの限りではなく、たとえば、排気口B1の軸方向ADの位置は、羽根1aの軸方向ADの位置よりも下側に配置されてもよい。
【0038】
複数の羽根1aは、第1ケーシングCS1の鍔部12と第2ケーシングCS2との間に配置される。実施形態1では、複数の羽根1aは、鍔部12と第2ケーシングCS2の外側部21との間に配置される。そして、複数の羽根1aの各々の径方向RDの内端1aaは、筒部11の内周面11aよりも径方向RD外側に位置する。従って、実施形態1によれば、羽根の径方向の内端が筒部の内周面よりも径方向内側に位置する場合と比較して、吸気口A1を形成する筒部11の内周面11aと、羽根1aの径方向RD内側の部分との間の空間において、空気の乱れが低減される。その結果、ファンFNの発生する音を低減できる。
【0039】
ファンFNは、モータMTに電力を供給するバッテリBTをさらに有する。実施形態1によれば、ファンFNがバッテリBTを搭載しているため、ファンの外部にバッテリを配置する場合と比較して、ファンFNを取り付けたマスクの可搬性を向上できる。バッテリBTとモータMTとは、第2ケーシングCS2を介して軸方向ADに対向している。具体的には、第2ケーシングCS2の軸方向AD一方側の面23aには、モータMTが配置される。一方、第2ケーシングCS2の軸方向AD他方側の面23bに対向して、バッテリBTが配置される。そして、キャップCS3は、第2ケーシングCS2の軸方向AD他方側からバッテリBTを覆う。実施形態1では、キャップCS3は、第2ケーシングCS2の軸方向AD下側からバッテリBTを覆う。バッテリBTはキャップCS3に固定される。
【0040】
次に、
図5を参照して、ファンFNを有する吸気タイプのマスク装置100を説明する。
図5は、吸気タイプのマスク装置100を示す側面図である。
図5に示すように、マスク装置100は人体の顔FCに装着される。具体的には、マスク装置100は、マスクMKと、
図1~
図4を参照して説明したファンFNとを有する。マスクMKは、人体の顔FCの少なくとも一部を覆う。なお、
図5では、図面の簡略化のため、マスクMKの一部を二点鎖線で示している。
【0041】
ファンFNはマスクMKに取り付けられる。つまり、比較的大きな風量の排気を実現できるファンFNがマスクMKに取り付けられる。その結果、実施形態1によれば、ファンFNの小型化及び軽量化を実現できるため、マスク装置100を軽量化できる。また、ファンFNが比較的大きな風量の排気を実現できるため、マスク装置100の装着者に対して装着の心地良さを提供できる。
【0042】
マスクMKは、マスクフレーム50と、第1カバー51と、第2カバー52と、一対の耳掛け部53とを有する。マスクフレーム50はファンFNを支持する。マスクフレーム50がファンFNを支持する限りにおいては、マスクフレーム50の形状は特に限定されない。マスクフレーム50は、例えば、合成樹脂製である。
【0043】
マスクフレーム50には、第1カバー51と第2カバー52とが取り付けられる。第1カバー51は顔FCの一部を覆う。第1カバー51は、例えば、ガーゼ又は不織布によって構成される。第2カバー52は、マスクフレーム50を覆う。第2カバー52は、粉塵などの塵を除去するフィルタとして機能する。第2カバー52は、マスクフレーム50を介して吸気口A1を覆う。第2カバー52は、例えば、ガーゼ又は不織布によって構成される。本実施形態によれば、ファンFNが比較的大きな風量の排気を実現できるため、フィルタとして機能する第2カバー52による集塵力を向上できる。また、ファンFNが比較的大きな風量の排気を実現できるため、第2カバー52に粉塵が付着した場合でも、ファンFNによって吸気される空気AR2の風量を十分に得ることができる。
【0044】
一対の耳掛け部53は第1カバー51に取り付けられる。耳掛け部53は紐状である。そして、一対の耳掛け部53が人体の左右の耳に掛けられる。その結果、マスク装置100が顔FCに装着される。
【0045】
ファンFNの吸気口A1はマスクMKの外気側を向いている。つまり、吸気口A1は方向K1を向いている。方向K1は、マスクMKの内部から外部に向かう方向である。インペラPLは、吸気口A1を通してマスクMKの外気側から空気AR2を吸気して、空気AR2を複数の排気口B1からマスクMKの内部に排気する。実施形態1では、インペラPLは、吸気口A1を通してマスクMKの外気側から空気AR2を吸気して、空気AR2を2つの排気口B1からマスクMKの内部に排気する。従って、マスク装置100は、吸気口A1を覆うように装着された第2カバー52を通して、マスクMKの内部に空気AR2を送り込むことができる。その結果、実施形態1によれば、フィルタとして機能する第2カバー52によってマスクMK外部の粉塵などの塵を除去した快適な空気AR2をマスクMKの内部に送ることができる。また、第2カバー52を適宜交換することによって、粉塵などの塵の除去機能を容易に回復できる。
【0046】
また、実施形態1によれば、ファンFNの2つの排気口B1は、マスクMKが人体に装着されるときのファンFNの姿勢において、上下方向UDに180度対向している。従って、実施形態1によれば、人体の口及び鼻に向けて、空気AR3を送ることができる。その結果、マスク装置100の装着者は、快適に呼吸を行うことができる。
【0047】
次に、
図1及び
図6を参照して、マスクフレーム50とファンFNとの連結を説明する。
図1に示すように、ファンFNの第1ケーシングCS1の筒部11は少なくとも1つの連結部11bを有する。実施形態1では、筒部11は複数の連結部11bを有する。連結部11bは、マスクMKの有するマスクフレーム50(
図5)と連結する。従って、実施形態1によれば、第1ケーシングCS1の筒部11に連結部11bを形成することで、簡易な構成で容易にマスクMKとファンFNとを連結することができる。
【0048】
具体的には、連結部11bは、筒部11の内周面11aから径方向RD内側に突出している。一方、
図5に示すマスクフレーム50は
図6に示す構造を有する。
図6は、マスクフレーム50を示す斜視図である。
図6に示すように、マスクフレーム50は少なくとも1つの連結部500を有する。実施形態1では、マスクフレーム50は、第1ケーシングCS1の筒部11の複数の連結部11bに一対一に対応して、複数の連結部500を有する。なお、
図6では、1つの連結部500だけが表れている。
【0049】
図1及び
図6に示すように、マスクフレーム50の連結部500は、第1ケーシングCS1の連結部11bに連結される。具体的には、マスクフレーム50は筒状の筒部501を有する。連結部500は、筒部501の外周面501aに対して凹んでいる。そして、マスクフレーム50の筒部501が第1ケーシングCS1の吸気口A1に収容され、第1ケーシングCS1が中心軸AXの回りに回転されることで、第1ケーシングCS1の連結部11bがマスクフレーム50の連結部500に嵌まる。その結果、マスクフレーム50とファンFNとが連結される。
【0050】
次に、
図7を参照して、ファンFNを有する排気タイプのマスク装置100Aを説明する。
図7は、排気タイプのマスク装置100Aを示す側面図である。
図7に示すように、マスク装置100Aは人体の顔FCに装着される。マスク装置100は、マスクMKと、
図1~
図4を参照して説明したファンFNとを有する。マスク装置100Aは、排気タイプである点で
図5を参照して説明したマスク装置100と異なる。以下、マスク装置100Aがマスク装置100と異なる点を主に説明する。なお、
図7では、図面の簡略化のため、マスクMKの一部を二点鎖線で示している。
【0051】
ファンFNの吸気口A1は人体の顔FC側を向いている。つまり、吸気口A1は方向K2を向いている。方向K2は、マスクMKの外部から内部に向かう方向である。インペラPLは、吸気口A1を通して人体の顔FC側から空気AR4を吸気して、空気AR4を複数の排気口B1からマスクMKの外部に排気する。従って、マスクMKの外部の空気AR5が、第1カバー51を通ってマスクMKの内部に強制的に吸気される。その結果、フィルタとして機能する第1カバー51によってマスクMKの外部の粉塵などの塵が除去され、快適な空気をマスクMKの内部に送ることができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、ファンFNが比較的大きな風量の排気を実現できるため、フィルタとして機能する第1カバー51による集塵力を向上できる。また、ファンFNが比較的大きな風量の排気を実現できるため、第1カバー51に粉塵が付着した場合でも、ファンFNによって外部から吸気される空気AR5の風量を十分に得ることができる。
【0053】
(第1変形例)
図8及び
図9を参照して、実施形態1の第1変形例に係るファンFN1を説明する。第1変形例に係るファンFN1が、排気口B1に軸方向ADに延びる板部13aを有する点で、第1変形例は
図1~
図7を参照して説明した実施形態1と主に異なる。以下、第1変形例が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0054】
図8は、第1変形例に係るファンFN1を示す斜視図である。
図9は、第1変形例に係るファンFN1を示す横断面図である。なお、
図9では、軸方向ADに直交する平面によって、排気口B1の上端近傍からファンFN1を切断したときのファンFN1の断面が示される。
【0055】
図8及び
図9に示すように、ファンFN1のケーシングCSは、排気口B1に配置される少なくとも1つの板状の板部13aをさらに有する。従って、第1変形例によれば、人の指又は物体が排気口B1に侵入することを抑制できる。例えば、板部13aはフィンガーガードとして機能する。
【0056】
第1変形例では、ケーシングCSは複数の板部13aを有する。具体的には、第1ケーシングCS1が複数の板部13aを有する。複数の板部13aの各々は、軸方向ADに延びる。そして、板部13aの軸方向ADの上端及び下端は、それぞれ、排気口B1の軸方向ADの上端及び下端に接続される。また、第1変形例では、複数の板部13aは、周方向CDに等間隔で配置される。
【0057】
(第2変形例)
図10を参照して、実施形態1の第2変形例に係るファンFN2を説明する。第2変形例に係るファンFN2が、排気口B1に周方向CDに延びる板部13bを有する点で、第2変形例は第1変形例と主に異なる。以下、第2変形例が第1変形例と異なる点を主に説明する。
【0058】
図10は、第2変形例に係るファンFN2を示す斜視図である。
図10に示すように、ファンFN2のケーシングCSは、排気口B1に配置される少なくとも1つの板状の板部13bをさらに有する。従って、第2変形例によれば、人の指又は物体が排気口B1に侵入することを抑制できる。例えば、板部13bはフィンガーガードとして機能する。
【0059】
第2変形例では、ケーシングCSは1つの板部13bを有する。具体的には、第1ケーシングCS1が1つの板部13bを有する。板部13bは周方向CDに延びる。そして、板部13bの周方向CDの一端及び他端は、それぞれ、排気口B1の周方向CDの一端及び他端に接続される。
【0060】
(実施形態2)
図11及び
図12を参照して、本発明の実施形態2に係るファンFNAを説明する。実施形態2に係るファンFNAが3つの排気口B1を有する点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0061】
図11は、実施形態2に係るファンFNAを示す斜視図である。
図12は、ファンFNBを示す横断面図である。なお、
図12では、軸方向ADに直交する平面によって、排気口B1の上端近傍からファンFNAを切断したときのファンFNAの断面が示される。
【0062】
図11及び
図12に示すように、ファンFNAの排気口B1の数は3つである。つまり、ファンFNAのケーシングCSは3つの排気口B1を有する。具体的には、第1ケーシングCS1は3つの排気口B1を有する。従って、3つの排気口B1のそれぞれから、空気AR6が径方向RD外側に向かって排気される。その結果、実施形態2によれば、排気口B1の数が2つの場合と比較して、ファンFNから径方向RD外側に向けて排気される空気AR6の風量を更に増大できる。よって、マスクに更に好適な比較的大きな風量の排気を実現できる。すなわち、ファンFNAをマスクに取り付けたときに、マスクの装着者に対して更なる装着の心地良さを提供できる。また、ファンFNAの更なる小型化及び軽量化を実現できる。
【0063】
特に、実施形態2では、3つの排気口B1が周方向CDに等間隔に配置される。従って、ファンFNAは空気AR6を周方向CDに略均等に分散させて排気できる。
【0064】
次に、
図13を参照して、ファンFNAを有する吸気タイプのマスク装置100Bを説明する。マスク装置100BがファンFNAを有する点で、マスク装置100Bは
図5を参照して説明したマスク装置100と異なる。以下、マスク装置100Bがマスク装置100と異なる点を主に説明する。
【0065】
図13は、吸気タイプのマスク装置100Bを示す側面図である。
図13に示すように、マスク装置100Bは、マスクMKと、
図11及び
図12を参照して説明したファンFNAとを有する。なお、
図13では、図面の簡略化のため、マスクMKの一部を二点鎖線で示している。
【0066】
図13に示すように、ファンFNAの吸気口A1はマスクMKの外気側を向いている。インペラPLは、吸気口A1を通してマスクMKの外気側から空気を吸気して、空気を3つの排気口B1からマスクMKの内部に排気する。3つの排気口B1のうち少なくとも1つの排気口B1は、マスクMKが人体に装着されるときのファンFNAの姿勢において、上方向UW及び下方向DWのうちのいずれかの方向を向いている。従って、少なくとも1つの排気口B1が上方向UW及び下方向DWのうちのいずれかの方向を向いているため、口及び鼻のうちのいずれかに向けて、空気を送ることができる。その結果、実施形態2によれば、マスク装置100Bの装着者は、快適に呼吸を行うことができる。
【0067】
実施形態2では、3つの排気口B1のうち1つの排気口B1が上方向UWを向いている。従って、鼻に向けて、空気AR7を送ることができる。また、3つの排気口B1のうち1つの排気口B1が下方向DWを向いていると、口に向けて、空気を送ることができる。
【0068】
なお、
図7を参照して説明した排気タイプのマスク装置100Aは、ファンFNに代えて、実施形態2に係るファンFNAを有していてもよい。また、ファンFNAは、
図8~
図10を参照して説明した第1変形例又は第2変形例に係る少なくとも1つの板部13a又は少なくとも1つの板部13bを有していてもよい。
【0069】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。例えば、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えば、ファン及びマスク装置に利用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 羽根
10 側壁部
11 筒部
11a 連結部
13a、13b 板部
20 内側部
21 外側部
22 屈曲部
100、100A、100B マスク装置
A1 吸気口
B1 排気口
FN、FNA、FN1、FN2 ファン
PL インペラ
MT モータ
CS ケーシング
CS1 第1ケーシング
CS2 第2ケーシング
CS3 キャップ
SW 結合部
BT バッテリ
MK マスク
AX 中心軸
AD 軸方向
CD 周方向
RD 径方向