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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】照明制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
H04M11/00 301
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018118146
(22)【出願日】2018-06-21
(65)【公開番号】P2019220893
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】金丸 国夫
(72)【発明者】
【氏名】豊福 悟
(72)【発明者】
【氏名】東藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】門馬 友香
(72)【発明者】
【氏名】松本 裕之
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-073633(JP,A)
【文献】特開2014-120938(JP,A)
【文献】特開2012-227646(JP,A)
【文献】特開2017-085516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
23/00-31/00
G08C13/00-25/04
H03J9/00-9/06
H04B7/24-7/26
H04L12/28
12/44-12/46
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
H04W4/00-99/00
H05B39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記メモリ格納部が、前記複数の子機の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数の子機の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項2】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記複数のセンサが、複数種の検知対象のセンシングデータを取得するセンサを含み、
前記メモリ格納部が、前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項3】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記メモリ格納部が、前記複数の子機の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数の子機の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下である場合には前記格納されたセンシングデータを保持して送信し、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には前記格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項4】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記複数のセンサが、複数種の検知対象のセンシングデータを取得するセンサを含み、
前記メモリ格納部が、前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下である場合には前記格納されたセンシングデータを保持して送信し、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には前記格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項5】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記メモリ格納部が、前記複数の子機の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数の子機の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下である場合には前記格納されたセンシングデータを保持して送信し、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下となるように前記格納されたセンシングデータの一部を破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項6】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記複数のセンサが、複数種の検知対象のセンシングデータを取得するセンサを含み、
前記メモリ格納部が、前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下である場合には前記格納されたセンシングデータを保持して送信し、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下となるように前記格納されたセンシングデータの一部を破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項7】
前記センシングデータが、前記親機において前記センシングデータが受信された受信時刻又は前記子機において前記センシングデータが生成された生成時刻を示す情報を含み、
前記送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記受信時刻又は前記生成時刻に基づいて、前記格納されたセンシングデータのうちの相対的に新しいセンシングデータを保持するとともに相対的に古いセンシングデータを破棄するように構成された、請求項5又は6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記センシングデータが、前記親機において前記センシングデータが受信された受信時刻又は前記子機において前記センシングデータが生成された生成時刻を示す情報を含み、
前記送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記受信時刻又は前記生成時刻に基づいて時刻に関して前記センシングデータを所定間隔で間引くように構成された、請求項5又は6に記載の照明制御システム。
【請求項9】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記メモリ格納部が、前記複数の子機の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数の子機の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記複数のセンサの各々に優先度が設定され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下となるように、前記格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の前記センサからのセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に低い優先度の前記センサからのセンシングデータを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項10】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記メモリ格納部が、前記複数の子機の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数の子機の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記複数のセンサの検知対象の各々に優先度が設定され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下となるように、前記格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の前記検知対象のセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に低い優先度の前記検知対象のセンシングデータを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項11】
親機と、複数の子機と、該複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備える照明制御システムであって、
前記複数のセンサによって取得されたセンシングデータが前記複数の子機のいずれかを介して前記親機に送信されるように構成され、
前記親機が、メモリ格納部、前記複数の子機から受信されるセンシングデータを前記メモリ格納部に格納させる格納処理部、及び前記メモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含み、
前記複数のセンサが、複数種の検知対象のセンシングデータを取得するセンサを含み、
前記メモリ格納部が、前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、
前記格納処理部が、前記センシングデータを前記複数のセンサの各々又は前記複数種の検知対象の各々に対応するメモリ領域に格納させ、
前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記センシングデータを前記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、前記格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に前記送信間隔の経過を待たずに前記格納されたセンシングデータを前記クラウドサーバに無線送信させるように構成され、
前記複数の子機の各々に優先度が設定され、
前記親機から前記クラウドサーバへの送信が中断後に回復した送信回復時に、前記送信制御部が、前記複数のメモリ領域の各々について、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値を超える場合には、前記格納されたセンシングデータの量が前記限度値以下となるように、前記格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の前記子機からのセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に低い優先度の前記子機からのセンシングデータを破棄するように構成された、照明制御システム。
【請求項12】
前記送信間隔又は前記限度値が可変に構成された、請求項1から11のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項13】
前記複数のメモリ領域の各々について前記送信間隔又は前記限度値が可変に構成された、請求項1から11のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項14】
前記クラウドサーバをさらに備えた請求項1から13のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項15】
前記送信間隔又は前記限度値が、前記クラウドサーバと通信可能な端末機から前記クラウドサーバを介して変更されるように構成された、請求項14に記載の照明制御システム。
【請求項16】
前記クラウドサーバをさらに備え、前記優先度が、前記クラウドサーバと通信可能な端末機から、前記クラウドサーバを介して変更されるように構成された、請求項9から11のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラウドへのセンシングデータ伝送機能を有する照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、照明器具に関する情報通信システムを開示する。情報端末がネットワークを介して親機に接続され、親機が照明器具である子機を制御する。また、子機に設けられたセンサからの情報が親機及びネットワークを介して情報端末に送信される。特許文献2は、カプセル商品検知センサ、カプセル商品自動販売機及び販売データ通知システムを開示する。カプセル商品自動販売機に設けられたセンサからのデータが、子機を介して親機に送信され、親機からネットワークを介してクラウドセンタに送信される。クラウドセンタにおいて、収集されたデータに基づいて販売データが一括管理され、クラウドセンタに接続された端末で販売データが確認可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-266678号公報
【文献】特開2014-153911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、センサで得られたセンシングデータを子機及び親機を介してクラウドに転送するような照明制御システムでは、親機が、子機から受信した大量のセンシングデータをメモリに格納してからクラウドに送信する。ここで、子機から親機に送信されるセンシングデータが増加した場合、又は親機とクラウドの間で通信障害が発生した場合など、親機においてセンシングデータが滞る可能性がある。このような場合に、メモリに格納されたセンシングデータが適切に処理されない場合には、親機においてセンシングデータがオーバーフローするなどして照明制御システムが停止してしまう可能性がある。このようなシステム停止は、センシングデータの収集だけでなく、照明制御システムの本来の機能である照明制御に支障をきたす場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、クラウドへのセンシングデータ伝送機能を有する照明制御システムにおいて、クラウドへのセンシングデータの円滑かつ効率的な伝送を可能とする構成を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明制御システムは、親機と、複数の子機と、複数の子機の一部又は全部に接続された複数のセンサとを備え、複数のセンサによって取得されたセンシングデータが複数の子機のいずれかを介して親機に送信されるように構成され、親機が、メモリ格納部、複数の子機から受信されるセンシングデータをメモリ格納部に格納させる格納処理部、及びメモリ格納部に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータをクラウドサーバに無線送信させる送信制御部を含む。
【0007】
上記構成によると、メモリ格納部に格納されたセンシングデータが所定の送信間隔でクラウドサーバに無線送信され、格納センシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに格納センシングデータがクラウドサーバに無線送信される。これにより、クラウドへのセンシングデータ伝送機能を有する照明制御システムにおいて、クラウドへのセンシングデータの円滑かつ効率的な伝送を可能とする構成が実現される。
【0008】
第1の態様の照明制御システムでは、メモリ格納部は、複数の子機の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、格納処理部は、センシングデータを複数の子機の各々に対応するメモリ領域に格納させ、送信制御部は、複数のメモリ領域の各々について、センシングデータを上記送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータをクラウドサーバに無線送信させるように構成される。このように、複数の子機のそれぞれに対応してメモリ領域が設定され、子機毎のセンシングデータが所定の送信間隔で又は限度値に達するとクラウドサーバに送信される。したがって、親機におけるセンシングデータの効率的処理が可能となるとともに、クラウドサーバにおける子機毎のセンシングデータの収集、解析及び判定の処理が容易化される。
【0009】
第2の態様の照明制御システムでは、複数のセンサが、複数種の検知対象のセンシングデータを取得するセンサを含み、メモリ格納部は、複数のセンサの各々又は複数種の検知対象の各々に対応する複数のメモリ領域を含み、格納処理部は、センシングデータを複数のセンサの各々又は複数種の検知対象の各々に対応するメモリ領域に格納させ、送信制御部は、複数のメモリ領域の各々について、センシングデータを送信間隔でクラウドサーバに無線送信させ、格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータをクラウドサーバに無線送信させるように構成される。このように、複数のセンサ又は複数種の検知対象のそれぞれに対応してメモリ領域が設定され、センサ又は検知対象毎のセンシングデータが所定の送信間隔で又は限度値に達するとクラウドサーバに送信される。したがって、親機におけるセンシングデータの効率的処理が可能となるとともに、クラウドサーバにおけるセンサ毎又は検知対象毎のセンシングデータの収集、解析及び判定の処理が容易化される。
【0010】
第1又は第2の態様の照明制御システムにおいて、親機からクラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、送信制御部が、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成され得る。これにより、通信回復時にメモリ格納部がリセットされ、その後のセンシングデータの円滑な送信が確実となる。
【0011】
あるいは、第1又は第2の態様の照明制御システムにおいて、親機からクラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、送信制御部が、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値以下である場合には格納されたセンシングデータを保持して送信し、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成されてもよい。これにより、比較的簡素な制御により、破棄されるセンシングデータを減少させつつ、その後のセンシングデータの円滑な送信が可能となる。
【0012】
あるいは、第1又は第2の態様の照明制御システムにおいて、親機からクラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、送信制御部が、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値以下である場合には格納されたセンシングデータを保持して送信し、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように格納されたセンシングデータの一部を破棄するように構成されてもよい。これにより、破棄されるセンシングデータが最小限のものとなり、クラウドサーバにおいて収集されるセンシングデータの喪失が最小化される。
【0013】
ここで、センシングデータは、親機においてセンシングデータが受信された受信時刻又は子機においてセンシングデータが生成された生成時刻を示す情報を含み、送信回復時に、送信制御部は、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合に、受信時刻又は生成時刻に基づいて、格納されたセンシングデータのうちの相対的に新しいセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に古いセンシングデータを破棄するように構成され得る。これにより、クラウドサーバにおいて収集されるセンシングデータのリアルタイム性の喪失が抑制される。
【0014】
また、センシングデータは、親機においてセンシングデータが受信された受信時刻又は子機においてセンシングデータが生成された生成時刻を示す情報を含み、送信回復時に、送信制御部は、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合に、受信時刻又は生成時刻に基づいて時刻に関してセンシングデータを間引き、間引かれなかったセンシングデータを保持して送信するように構成され得る。この態様により、クラウドサーバにおいて収集されるセンシングデータの全体的な連続性の喪失が抑制される。
【0015】
第1の態様の照明制御システムにおいて、複数のセンサの各々に優先度が設定され、親機からクラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、送信制御部が、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合に、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように、格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度のセンサからのセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に低い優先度のセンサからのセンシングデータを破棄するように構成され得る。これにより、センサの役割又は重要性に応じてセンシングデータが保持又は破棄されるので、通信中断に起因するセンシングデータ破棄の影響が低減又は最適化され得る。
【0016】
あるいは、第1の態様の照明制御システムにおいて、複数のセンサの検知対象の各々に優先度が設定され、親機からクラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、送信制御部が、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合に、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように、格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の検知対象のセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に低い優先度の検知対象のセンシングデータを破棄するように構成され得る。これにより、検知対象の性質又は重要性に応じてセンシングデータが保持又は破棄されるので、通信中断に起因するセンシングデータ破棄の影響が低減又は最適化され得る。
【0017】
第2の態様の照明制御システムにおいて、複数の子機の各々に優先度が設定され、親機からクラウドサーバへの送信が中断後に復帰した送信回復時に、送信制御部が、複数のメモリ領域の各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように、格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の子機からのセンシングデータを保持して送信するとともに相対的に低い優先度の子機からのセンシングデータを破棄するように構成され得る。これにより、子機の役割又は重要性に応じてセンシングデータが保持又は破棄されるので、通信中断に起因するセンシングデータ破棄の影響が低減又は最適化され得る。
【0018】
上記いずれかの態様において、送信間隔又は限度値が可変に構成されることが好ましい。これにより、照明制御システム又は親機の仕様に対応して送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0019】
上記いずれかの態様において、複数のメモリ領域の各々について送信間隔又は限度値が可変に構成されてもよい。これにより、複数のメモリ領域の各々に対して送信間隔又は限度値が最適化され得るので、センシングデータの収集傾向又は収集状況に応じてきめ細かい送信制御が可能となる。
【0020】
さらに、上記いずれかの照明制御システムは、上記クラウドサーバを備える。そして、送信間隔、限度値又は優先度が、クラウドサーバと通信可能な端末機からクラウドサーバを介して変更されるように構成されることが好ましい。これにより、照明制御システム又は親機の運用中における仕様変更に応じて送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態による照明制御システムのブロック図である。
図2】第2の実施形態による照明制御システムのブロック図である。
図3】第2の実施形態の代替例による照明制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
図1に、本実施形態による照明制御システム1のブロック図を示す。照明制御システム1は、親機2、子機3-1~3-m、センサ4-1~4-n、クラウドサーバ5及び端末機6を備える。子機3-1~3-m(例えば、m=50)の全部又は一部には、照明制御対象となる照明器具7が接続される。また、初期設定時などに、制御装置8(例えば、岩崎電気株式会社製のITACS)が親機2に接続され得る。クラウドサーバ5は、インターネットなどのクラウドC上に存在する。以降の説明において、子機3-1~3-mを総称して又はいずれか1つを代表して子機3といい、センサ4-1~4-nを総称して又はいずれか1つを代表してセンサ4というものとする。
【0023】
各子機3は同様の構成を有し、各センサ4は検知対象の相違を除いて実質的に同様の構成を有するものとする。各子機3に接続されるセンサ4の個数及び種類は異なり得る。例えば、図1の例では、子機3-1には3個のセンサ4-1~4-3、子機3-2には2個のセンサ4-4及び4-5、子機3-3には4個のセンサ4-6~4-9、子機3-4には0個のセンサ、子機3-mには1個のセンサ4-nが接続される。また、各子機3に接続される照明器具7の個数も異なり得る(子機3-3のように照明器具7が接続されない子機があってもよい)。結果として、センサ4及び照明器具7が接続される子機3(子機3-1、3-2、3-m)、センサ4のみが接続される子機3(子機3-3)及び照明器具7のみが接続される子機3(子機3-4)が存在し得る。また、本実施形態では1つの親機2がクラウドサーバ5に対応付けられているが、複数の親機2がクラウドサーバ5に対応付けられていてもよい。
【0024】
クラウドサーバ5へのセンシングデータの伝送の概略として、センサ4-1~4-nが種々の検知対象(例えば、環境照度、照明照度、温度、湿度、加速度、傾きなど)の検出値を取得し、子機3-1~3-mは検出値から生成されたセンシングデータを親機2に送信する。親機2は、受信したセンシングデータを格納してから所定の送信間隔でクラウドサーバ5に送信する。そして、端末機6は、クラウドサーバ5にアクセスして、クラウドC上でセンシングデータを監視することができる。親機2と各子機3とは無線接続され、子機3とセンサ4とはセンサ用回路基板40を介して接続される。親機2と子機3の間の無線接続は、本実施形態では、サブギガ帯(例えば920MHz帯)などを利用する特定小電力無線であるが、Wi-SUN、ZigBee(登録商標)、BLEなどの通信規格に準拠した他の無線通信によるものであってもよい。親機2とクラウドサーバ5とは、例えば、3G、4G(LTE)などによって無線接続され、親機2と制御装置8とは、不図示のインターフェースを介してLANなどで有線接続される。クラウドサーバ5と端末機6とは、任意の通信方式を介して有線接続又は無線接続される。
【0025】
センサ4は、検出値を取得するセンサ素子を含む。検出値は、任意の照明器具7について、内部の温度又は湿度(温湿度センサ)、ポールの傾き(6軸センサ、傾きセンサ)、振動又は衝撃(6軸センサ、加速度センサ)、その照明による照度又は輝度(照度センサ)、周辺の日照による明るさである環境照度(照度センサ)、人体の在/不在(人感センサ)などを含み得る。なお、検出値は、上記のように照明器具7の動作又は状態、照明器具7周辺の状態だけでなく、不図示の通信手段(例えばBLEによる通信)などによって取得可能な情報(例えば、気象に関する情報など)も含み得る。センサ4は、検出値としての物理量をセンシングデータとしての電気信号に変換し、その電気信号をセンサ用回路基板40に出力する。
【0026】
センサ用回路基板40は、例えばマイコンなどを備え、不図示のCPU、メモリなどを含み、センサ4と子機3の間の入出力インターフェースとして機能する。センサ用回路基板40のCPUは、センサ4によって取得された検出値を子機3で処理可能な形式に変換し、センシングデータを生成する。また、センサ用回路基板40のCPUは、検出値又はセンシングデータのエッジ処理、例えば、所定期間内における検出値又はセンシングデータの平均値、最大値、最小値、中央値などを演算することができる。この所定期間は、センサ4に応じて適宜定められる。なお、センサ用回路基板40は、子機3に内蔵されてもよいし、1つ又は複数のセンサ4に対して一体化されてもよい。
【0027】
子機3は、無線接続部30、CPU31及びメモリ32を備える。これらの各部は、バスを介して相互に信号及びデータのやり取りが可能な態様で接続される。無線接続部30は、親機2(無線接続部20)と無線通信を行う無線モジュールである。CPU31は、通信制御部33、フィルタ部34及び照明制御部35を含む。CPU31は、通信制御部33、フィルタ部34及び照明制御部35の機能とともに、これらの統括制御など、特に明記しない子機CPUとしての一般的な機能も実行可能であるものとする。メモリ32は、プログラム及びデータを記憶するRAM、ROMなどの記憶部であり、本実施形態を実行するためのプログラムがすでに書き込まれているものとする。CPU31及びメモリ32は1つのマイクロコンピュータに含まれ得る。
【0028】
通信制御部33は、センサ4からセンサ用回路基板40を介して入力されたセンシングデータを、子機3-親機2間の無線通信の通信制限に従って無線接続部30から親機2に送信させる。入力されたセンシングデータは一旦メモリ32に記憶され、例えば秒単位の間隔で親機2に送信される。センシングデータは、少なくとも、子機3のショートアドレス、センサの種類又はショートアドレス及び検出値を含む。なお、検出値がエッジ処理される場合には、センシングデータはエッジ処理済み検出値及びエッジ処理の種別情報を含み得る。また、センシングデータには、子機3においてセンシングデータが生成された時刻が含まれてもよい。
【0029】
フィルタ部34は、親機2からのフィルタ指示に応じて、センサ4からセンサ用回路基板40を介して入力されたセンシングデータをフィルタリングする。このフィルタリングによって、子機3から親機2に(及びその結果として親機2からクラウドサーバ5に)送信されるセンシングデータのデータ量が減少する。なお、フィルタリングは、センサ用回路基板40のCPUにおいて行われてもよい。
【0030】
例えば、フィルタリングは、収集されたセンシングデータのうちの所定のセンサ4からのセンシングデータを選択するためのセンサ選択処理であってもよい。例えば、センサ4-1~4-nのうちの優先度の高い一部のセンサ4からのセンシングデータが優先的に選択され得る。また、フィルタリングは、同種の複数のセンシングデータから有意なセンシングデータを抽出又は演算するための集計処理であってもよい。この場合、例えば、同種の物理量を検知する複数のセンサ4から収集されたセンシングデータの各種平均値、最大値、最小値、中央値などが抽出又は演算され得る。また、フィルタリングは、収集されたセンシングデータのうちの所定演算による結果を選択するための演算選択処理であってもよい。例えば、各センサ4からの各センシングデータが所定期間の平均値、最大値、最小値などを含む場合に、いずれかの演算の結果(例えば、平均値のみ、最大値のみ、最小値のみなど)が選択され得る。また、フィルタリングは、センサ用回路基板40においてエッジ処理されたセンシングデータを更にエッジ処理する二次エッジ処理であってもよい。あるいは、フィルタリングは、センサ4の各々から逐次入力されるセンシングデータを所定の割合で除去する間引き処理であってもよい。
【0031】
なお、上記のフィルタリング処理は例示であり、他の多数の態様のフィルタリング処理が可能である。また、フィルタリングとして、上記のセンサ選択処理、集計処理、演算選択処理、二次エッジ処理又は間引き処理の2つ以上が適宜組み合わせられてもよい。
【0032】
親機2は、無線接続部20、CPU21、メモリ格納部22及び無線通信部23を備える。これらの各部は、バスを介して相互に信号及びデータのやり取りが可能な態様で接続される。無線接続部20は、各子機3(無線接続部30)と無線通信を行う無線モジュールである。CPU21は、格納処理部24、送信制御部25及び照明制御部26を含む。CPU21は、格納処理部24、送信制御部25及び照明制御部26の機能とともに、これらの統括制御、子機3へのフィルタ指示の生成及び送信制御など、特に明記しない親機CPUとしての一般的な機能も実行可能であるものとする。CPU21及びメモリ格納部22は、1つのマイクロコンピュータに含まれ得る。無線通信部23は、クラウドサーバ5(通信部50)と無線通信可能な通信手段である。照明制御部26は、子機3への照明制御信号(オン/オフ信号、調光信号など)を生成し、照明制御信号を無線接続部20から対応の子機3に送信させる。
【0033】
メモリ格納部22は、プログラム及びデータを記憶するRAM、ROMなどの記憶部であり、本実施形態を実行するためのプログラムがすでに書き込まれているものとする。また、メモリ格納部22は、メモリ領域22-1~22-mを含む。メモリ領域22-1~22-mは、子機3-1~3-mに対応して割り当てられる。したがって、センサが接続されない子機3-4に対応するメモリ領域22-4は、設けられなくてもよい。また、メモリ領域22-1~22-mの各メモリ容量は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0034】
格納処理部24は、子機3-1~3-mから無線接続部20によって受信されたセンシングデータをメモリ領域22-1~22-mにそれぞれ格納する。すなわち、格納処理部24は、子機3から受信されるセンシングデータに含まれる子機ショートアドレスに基づいて、センシングデータを逐次的にメモリ領域22-1~22-mに格納していく。メモリ格納部22に格納された時点で、センシングデータは、少なくとも、子機3のショートアドレス、センサの種類又はショートアドレス、検出値、及びセンシングデータが親機2に受信された時刻(以下、「受信時刻」という)の情報を含む。なお、検出値がエッジ処理される場合には、センシングデータはエッジ処理済み検出値及びエッジ処理の種別情報を含み得る。また、センシングデータは、受信時刻に加えて又はそれに代えて、センシングデータが子機3で生成された時刻(以下、「生成時刻」という)の情報を含んでいてもよい。
【0035】
送信制御部25は、メモリ格納部22からクラウドサーバ5へのセンシングデータの送信を制御する。送信制御部25は、メモリ格納部22に格納されたセンシングデータを、例えばjsonファイルなどの所定のフォーマットに変換し、変換されたセンシングデータを所定の送信間隔で無線通信部23からクラウドサーバ5に送信させる。センシングデータの送信間隔毎の送信により、センシングデータが親機2からクラウドサーバ5に逐次送信される構成と比べて、その通信回数が低減され、データロスの可能性が減少し得る。なお、jsonファイルへのセンシングデータの変換は、格納処理部24がセンシングデータをメモリ格納部22に格納する際に実行してもよい。また、送信制御部25は、メモリ格納部22に格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に、上記の送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータを無線通信部23からクラウドサーバ5に無線送信させる。限度値が設定されることにより、メモリ格納部22におけるオーバーフローが防止される。
【0036】
具体的には、送信制御部25は、メモリ領域22-1~22-mの各々について、センシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバ5に送信するように構成される。そして、送信制御部25は、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータが限度値に達した時点で、送信間隔の到来の有無にかかわらず、そのセンシングデータをクラウドサーバ5に送信するように構成される。メモリ領域22-1~22-mの相互についての送信タイミングは、同期していてもよいし、同期していなくてもよい。すなわち、例えば、メモリ領域22-1に格納されたセンシングデータとメモリ領域22-2に格納されたセンシングデータとは同じ時刻に送信されてもよいし、異なる時刻に送信されてもよい。
【0037】
上記の送信間隔は、照明制御システム1又は親機2の仕様に応じて、例えば1分~1時間程度で可変に設定され得る。また、上記の限度値は、照明制御システム1又は親機2の仕様に応じて、メモリ領域22-1~22-mの各々についてそのメモリ容量の所定の割合に可変に設定される。このように、メモリ領域22-1~22-mの各々について、送信間隔又は限度値が可変に構成されることにより、照明制御システム1又は親機2の仕様に対応して送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0038】
また、メモリ領域22-1~22-mの全てに対して同じ送信間隔が設定されてもよいし、メモリ領域22-1~22-mに対してそれぞれ異なる送信間隔が設定されてもよい。また、メモリ領域22-1~22-mの全てに対して同じ限度値が設定されてもよいし、メモリ領域22-1~22-mに対してそれぞれ異なる限度値が設定されてもよい。このように、メモリ領域22-1~22-mの各々に対して送信間隔又は限度値が最適化され得るので、センシングデータの収集傾向又は収集状況に応じてきめ細かい送信制御が可能となる。
【0039】
送信間隔及び限度値は、システム導入時に端末機6によって予め設定され得るが、システム運用中においても端末機6からクラウドサーバ5を介して変更可能に構成される。例えば、端末機6が送信間隔又は限度値の設定変更命令をクラウドサーバ5を介して親機2に送信し、親機2の送信制御部25が設定変更命令に応じて送信間隔又は限度値を変更するように構成される。送信間隔の変更は、例えば、子機3の接続数の変更、センサ4の接続数又は種類の変更などに応じて必要となり得る。例えば、子機3の接続数mの増加/減少に応じて送信間隔が短縮/伸長されるようにしてもよいし、センサ4の接続数nの増加/減少に応じて送信間隔が短縮/伸長されるようにしてもよい。また、限度値の変更は、親機2のメモリ増設などのハードウェアの変更の際に必要となり得る。このように、送信間隔又は限度値が、クラウドサーバ5と通信可能な端末機6から、クラウドサーバ5を介して変更可能に構成されることにより、照明制御システム1又は親機2の運用中の仕様変更に応じて送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0040】
また、親機2からクラウドサーバ5への通信において通信障害などの何らかの未接続状態が生じた場合に、送信制御部25は、クラウドサーバ5との通信の接続/未接続を検出して、メモリ格納部22に格納されているデータの保持又は破棄を決定することができる。送信制御部25は、親機2からクラウドサーバ5への送信接続が中断した後に復帰したこと(以下、「送信回復」という)を検出すると、格納されているセンシングデータを単にリトライ送信するのではなく、以下の(1)~(4)のいずれかに示す態様に従って処理する。
【0041】
(1)全センシングデータの破棄
送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、全ての格納されたセンシングデータを破棄するように構成され得る。これにより、送信回復時にメモリ格納部22がリセットされ、その後のセンシングデータの円滑な送信が確実となる。
【0042】
(2)限度値超の全センシングデータの破棄
送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値以下である場合には格納されたセンシングデータを保持し、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には格納されたセンシングデータの全てを破棄するように構成され得る。その後、送信制御部25は、保持したセンシングデータをクラウドサーバ5に送信させる。これにより、比較的簡素な制御により、破棄されるセンシングデータを減少させつつ、その後のセンシングデータの円滑な送信を可能とすることができる。
【0043】
(3)センシングデータの一部破棄
送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値以下である場合には格納されたセンシングデータを保持し、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように格納されたセンシングデータの一部を破棄するように構成され得る。その後、送信制御部25は、保持したセンシングデータをクラウドサーバ5に送信させる。これにより、破棄されるセンシングデータが最小限のものとなり、クラウドサーバ5において収集されるセンシングデータの喪失が最小化される。この場合の保持/破棄については、以下(3-1)及び(3-2)のような種々の態様が適用可能である。
【0044】
(3-1)古いセンシングデータの破棄
送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、センシングデータの受信時刻又は生成時刻に基づいて、格納されたセンシングデータのうちの相対的に新しいセンシングデータを保持するとともに相対的に古いセンシングデータを破棄するように構成され得る。この態様により、クラウドサーバ5において収集されるセンシングデータのリアルタイム性の喪失が抑制される。
【0045】
(3-2)センシングデータの時間間引き
送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、受信時刻又は生成時刻に基づいて時刻に関してセンシングデータを間引くように構成され得る。例えば、(限度値がメモリ容量の50%以下である場合に)時系列において偶数番目のセンシングデータが保持され、奇数番目のセンシングデータが破棄されるようにしてもよい。あるいは、保持時間帯と破棄時間帯とが交互に反復され、保持時間帯に受信時刻又は生成時刻が含まれるセンシングデータが保持され、破棄時間帯に受信時刻又は生成時刻が含まれるセンシングデータが破棄されるようにしてもよい。この態様により、クラウドサーバ5において収集されるセンシングデータの全体的な連続性の喪失が抑制される。
【0046】
(4)センサ4の優先度に応じた破棄
本態様では、各センサ4に優先度が設定される。送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように、格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度のセンサ4からのセンシングデータを保持するとともに相対的に低い優先度のセンサ4からのセンシングデータを破棄する。その後、送信制御部25は、保持したセンシングデータをクラウドサーバ5に送信させる。例えば、基準となるセンサ4(複数のセンサ4を代表するもの)に高い優先度が設定され得る。これにより、センサ4の役割又は重要性に応じてセンシングデータが保持又は破棄されるので、通信中断に起因するセンシングデータ破棄の影響が低減又は最適化され得る。
【0047】
(5)検知対象の優先度に応じた破棄
本態様では、センサ4の検知対象の各々に優先度が設定される。送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-mの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように、格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の検知対象のセンシングデータを保持するとともに相対的に低い優先度の検知対象のセンシングデータを破棄する。その後、送信制御部25は、保持したセンシングデータをクラウドサーバ5に送信させる。なお、送信回復時に、格納されたセンシングデータの量が限度値以下である場合には格納されたセンシングデータが保持されてもよいし、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合と同様に処理されてもよい。
【0048】
例えば、リアルタイム性がより求められる検知対象には高い優先度が設定され、変化の遅い検知対象には低い優先度が設定され得る。具体的には、センサ4の検知対象が、照明器具内の温湿度(温湿度センサ)、照明器具の振動又は衝撃(6軸センサ)、環境照度(照度センサ)及び人体の在/不在(人感センサ)を含む場合、優先度は、高い方から、人感センサからのセンシングデータ、6軸センサからのセンシングデータ、温湿度センサ又は照度センサからのセンシングデータとなり得る。したがって、この場合には、人感センサからのセンシングデータが最優先で保持され、6軸センサからのセンシングデータが次に優先して保持され、温湿度センサ又は照度センサからのセンシングデータが優先的に破棄されることになる。これにより、検知対象の性質又は重要性に応じてセンシングデータが保持又は破棄されるので、通信中断に起因するセンシングデータ破棄の影響が低減又は最適化され得る。
【0049】
また、上記(4)における各センサ4の優先度及び上記(5)における各検知対象の優先度は、システム導入時に端末機6によって予め設定され得るが、システム運用中においても端末機6からクラウドサーバ5を介して変更可能に構成される。例えば、端末機6が各優先度の設定変更命令をクラウドサーバ5を介して親機2に送信し、親機2の送信制御部25が設定変更命令に応じて各優先度を変更するように構成される。
【0050】
クラウドサーバ5は、通信部50、記憶部51、データ解析部52、数値判定部53及び通知生成部54を備える。通信部50は、一般的な通信装置であればよく、親機2(無線通信部23)と無線通信が可能であり、端末機6(通信部60)と無線通信又は有線通信可能であればよい。
【0051】
記憶部51は、親機2から通信部50を介して受信されたセンシングデータを蓄積するデータベースとして機能し、大量のセンシングデータをビックデータとして蓄積することができる。データ解析部52は、記憶部51に蓄積されたセンシングデータの個数処理など、統計的処理を行うことができる。数値判定部53は、データ解析部52の解析結果に基づいて、センシングデータが正常値であるのか異常値であるのか、あるいは解析対象のセンシングデータに関係する照明器具7が正常な状態にあるのか異常な状態にあるのかを判定する。通知生成部54は、判定結果通知を通信部50から端末機6に送信させる。判定結果通知は、判定対象の親機2、子機3又はセンサ4の識別、センサ4の検出対象の種別、センシングデータに異常がある場合には異常のレベルなどを含み得る。なお、判定結果通知に、各照明器具7の状態の正常/異常の別が含まれてもよい。
【0052】
端末機6は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどであり、通信部60、CPU61、メモリ62及び入出力インターフェース(I/F)63を備える。通信部60は、クラウドサーバ5(通信部50)と通信可能な一般的な通信手段であればよい。CPU61及びメモリ62は、一般的なコンピュータを構成するプロセッサ及びメモリであればよい。入出力I/F63は、端末機6がパーソナルコンピュータである場合にはキーボード、マウス、表示画面などで構成され、端末機6がタブレット、スマートフォンなどである場合にはタッチパネルからなる表示画面である。表示画面には、上記の判定結果が図表などによって表示され得る。端末機6は、クラウドサーバ5上で判定結果を閲覧するように構成されてもよいし、クラウドサーバ5から判定結果の通知(異常連絡のメールなど)を受信するように構成されてもよい。
【0053】
また、CPU61は、入出力I/F63を介してユーザ入力された各種設定変更命令を通信部60からクラウドサーバ5(通信部50)に送信させることができる。設定変更命令は、上述の複数のメモリ領域の全部又は一部に対する送信間隔、複数のメモリ領域の全部又は一部に対する限度値、各子機3の優先度、各センサ4の優先度、各検知対象の優先度、後述の各子機3の優先度などを変更する命令を含み得る。また、設定変更命令は、子機3から親機2へのセンシングデータの送信間隔を変更する命令、子機3におけるフィルタリング処理を変更する命令などを含み得る。これにより、照明制御システム1又は親機2の運用中における仕様変更に応じて送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0054】
以上のように、本発明による照明制御システム1は、センサ4-1~4-nによって取得されたセンシングデータが子機3-1~3-mのいずれかを介して親機2に送信されるように構成され、親機2は、メモリ格納部22、子機3-1~3-mから受信されるセンシングデータをメモリ格納部22に格納させる格納処理部24、及びメモリ格納部22に格納されたセンシングデータを所定の送信間隔でクラウドサーバ5に無線送信させ、格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータをクラウドサーバに無線送信させる送信制御部25を含む。
【0055】
このように、メモリ格納部22に格納されたセンシングデータが所定の送信間隔でクラウドサーバ5に無線送信され、格納センシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに格納センシングデータがクラウドサーバ5に無線送信される。これにより、クラウドへのセンシングデータ伝送機能を有する照明制御システム1において、クラウドサーバ5へのセンシングデータの円滑かつ効率的な伝送を可能とする構成が実現される。
【0056】
特に、本実施形態では、メモリ格納部22は、子機3-1~3-mの各々に対応するメモリ領域22-1~22-mを含み、格納処理部24は、センシングデータを子機3-1~3-mの各々に対応するメモリ領域22-1~22-mに格納させる。そして、送信制御部25は、メモリ領域22-1~22-mの各々について、センシングデータを送信間隔でクラウドサーバ5に無線送信させ、格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータをクラウドサーバ5に無線送信させるように構成される。
【0057】
このように、子機3-1~3-mに対応してメモリ領域22-1~22-mが設定され、子機3毎のセンシングデータが所定の送信間隔で又は限度値に達するとクラウドサーバ5に送信される。したがって、親機2におけるセンシングデータの効率的処理が可能となるとともに、クラウドサーバ5における子機3毎のセンシングデータの収集、解析及び判定の処理が容易化される。
【0058】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、メモリ格納部22のメモリ領域が子機3毎に割り当てられる構成を示したが、本実施形態では、メモリ格納部22のメモリ領域がセンサ4毎又は検出対象毎に割り当てられる構成を示す。
【0059】
図2に、本実施形態の照明制御システム1のブロック図を示す。本実施形態において、第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明を省略又は簡略化する。本実施形態においては、メモリ格納部22のメモリ領域の構成及びそれに関連する動作が、第1の実施形態のものとは異なる。
【0060】
メモリ格納部22は、図2に示すように、メモリ領域22-1~22-nを含む。メモリ領域22-1~22-nは、センサ4-1~4-nに対応して割り当てられる。また、メモリ領域22-1~22-nの各メモリ容量は同じであってもよいし、検知対象の性質に応じて異なっていてもよい。
【0061】
格納処理部24は、各子機3から受信されるセンシングデータに含まれるセンサショートアドレスに基づいて、センシングデータを逐次的にメモリ領域22-1~22-nに格納していく。メモリ格納部22に格納された時点で、センシングデータは、少なくとも、子機3のショートアドレス、センサの種類及びショートアドレス、検出値、及びセンシングデータの受信時刻又は生成時刻の情報を含む。なお、検出値がエッジ処理される場合には、センシングデータはエッジ処理済み検出値及びエッジ処理の種別情報を含み得る。
【0062】
送信制御部25は、第1の実施形態と同様に、メモリ領域22-1~22-nの各々について、センシングデータ(jsonファイル)を所定の送信間隔でクラウドサーバ5に送信する。そして、送信制御部25は、メモリ領域22-1~22-nの各々について、格納されたセンシングデータが限度値に達した時点で、送信間隔の到来の有無にかかわらず、そのセンシングデータをクラウドサーバ5に送信するように構成される。メモリ領域22-1~22-nの相互についての送信タイミングは、同期していてもよいし、同期していなくてもよい。
【0063】
上記の送信間隔は、照明制御システム1又は親機2の仕様に応じて、例えば1分~1時間程度で可変に設定され得る。また、上記の限度値は、照明制御システム1又は親機2の仕様に応じて、メモリ領域22-1~22-nの各々についてそのメモリ容量の所定の割合に可変に設定される。このように、メモリ領域22-1~22-nの各々について、送信間隔又は限度値が可変に構成されることにより、照明制御システム1又は親機2の仕様に対応して送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0064】
また、メモリ領域22-1~22-nの全てに対して同じ送信間隔が設定されてもよいし、メモリ領域22-1~22-nに対してそれぞれ異なる送信間隔が設定されてもよい。また、メモリ領域22-1~22-nの全てに対して同じ限度値が設定されてもよいし、メモリ領域22-1~22-nに対してそれぞれ異なる限度値が設定されてもよい。このように、メモリ領域22-1~22-nの各々に対して送信間隔又は限度値が最適化され得るので、センシングデータの収集傾向又は収集状況に応じてきめ細かい送信制御が可能となる。
【0065】
代替的に、図3に示すように、センサ4によるx個(本例ではx=6)の種類の検知対象に対してメモリ領域22-A~22-Fが割り当てられてもよい。例えば、センサ4の検知対象が、検知対象A:温度(温湿度センサ4-1A、4-6A)、検知対象B:湿度(温湿度センサ4-2B、4-4B)、検知対象C:衝撃(6軸センサ4-3C、4-7C)、検知対象D:環境照度(照度センサ4-5D)、検知対象E:照明照度(照明センサ4-8E)及び検知対象F:人体の在/不在(人感センサ4-9F、4-nF)を含むものとする。この場合、検知対象A~Fに対応してメモリ領域22-A~22-Fが割り当てられる。また、メモリ領域22-A~22-Fの各メモリ容量は同じであってもよいし、検知対象の性質に応じて異なっていてもよい。なお、本例では検知対象が6種の場合を示すが、検知対象数はこれに限定されない。
【0066】
図3の例でも、送信制御部25は、メモリ領域22-A~22-Fの各々について、センシングデータ(jsonファイル)を所定の送信間隔でクラウドサーバ5に送信する。そして、送信制御部25は、メモリ領域22-A~22-Fの各々について、格納されたセンシングデータが限度値に達した時点で、送信間隔の到来の有無にかかわらず、そのセンシングデータをクラウドサーバ5に送信するように構成される。メモリ領域22-A~22-Fの相互についての送信タイミングは、同期していてもよいし、同期していなくてもよい。
【0067】
上記の送信間隔は、照明制御システム1又は親機2の仕様に応じて、例えば1分~1時間程度で可変に設定され得る。また、上記の限度値は、照明制御システム1又は親機2の仕様に応じて、メモリ領域22-A~22-Fの各々についてそのメモリ容量の所定の割合に可変に設定される。このように、メモリ領域22-A~22-Fの各々について、送信間隔又は限度値が可変に構成されることにより、照明制御システム1又は親機2の仕様に対応して送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0068】
また、メモリ領域22-A~22-Fの全てに対して同じ送信間隔が設定されてもよいし、メモリ領域22-A~22-Fに対してそれぞれ異なる送信間隔が設定されてもよい。例えば、温度又は湿度(温湿度センサ)、環境照度又は照明照度(照度センサ)などの相対的に変化の遅い検知対象A、B、D、Eなどに対応するメモリ領域22-A、22-B、22-D、22-Eなどについては、相対的に長い送信間隔が設定されてもよい。これに対して、衝撃(6軸センサ)、人体の在/不在(人感センサ)などの相対的に変化の速い(又はリアルタイム性が要求される)検知対象C、Fなどに対応するメモリ領域22-C、22-Fなどについては、相対的に短い送信間隔が設定されるように設定されてもよい。このように、メモリ領域22-A~22-Fの各々に対して送信間隔又は限度値が最適化され得るので、センシングデータの収集傾向又は収集状況に応じてきめ細かい送信制御が可能となる。
【0069】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、上記の送信間隔又は限度値は可変に構成される。そして、メモリ領域22-1~22-nの各々又はメモリ領域22-A~22-Fの各々について送信間隔又は限度値が可変に設定され得る。また、上記の送信間隔又は限度値は、第1の実施形態と同様に、システム導入時に端末機6によって予め設定され得るが、システム運用中においても端末機6からクラウドサーバ5を介して変更可能に構成される。これにより、照明制御システム1又は親機2の運用中における仕様変更に応じて送信制御を柔軟に適応させることが可能となる。
【0070】
また、送信制御部25は、通信回復を検出すると、格納されているセンシングデータを単にリトライ送信するのではなく、第1の実施形態において上述した(1)「全センシングデータの破棄」、(2)「限度値超の全センシングデータの破棄」又は(3)「センシングデータの一部破棄」((3-1)「古いセンシングデータの破棄」及び(3-2)「センシングデータの時間間引き」)のいずれかの態様に従って処理することができる。また、本実施形態では、以下の(6)に示す態様に従ってセンシングデータを処理してもよい。
【0071】
(6)子機3の優先度に応じた破棄
本態様では、各子機3に優先度が設定される。送信制御部25は、送信回復時に、メモリ領域22-1~22-n又はメモリ領域22-A~22-Fの各々について、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合には、格納されたセンシングデータの量が限度値以下となるように、格納されたセンシングデータのうちの相対的に高い優先度の子機3からのセンシングデータを保持するとともに相対的に低い優先度の子機3からのセンシングデータを破棄する。その後、送信制御部25は、保持したセンシングデータをクラウドサーバ5に送信させる。なお、格納されたセンシングデータの量が限度値以下である場合には格納されたセンシングデータは保持されてもよいし、格納されたセンシングデータの量が限度値を超える場合と同様に処理されてもよい。
【0072】
例えば、一群の子機3のうちの少なくとも1つの代表子機が定められている場合に、その代表子機からのセンシングデータが保持され、残余の子機からのセンシングデータが破棄されるようにしてもよい。これにより、子機3の役割又は重要性に応じてセンシングデータが保持又は破棄されるので、通信中断に起因するセンシングデータ破棄の影響が低減又は最適化され得る。
【0073】
また、上記における各子機3の優先度は、システム導入時に端末機6によって予め設定され得るが、システム運用中においても端末機6からクラウドサーバ5を介して変更可能に構成される。例えば、端末機6が各優先度の設定変更命令をクラウドサーバ5を介して親機2に送信し、親機2の送信制御部25が設定変更命令に応じて各優先度を変更するように構成される。
【0074】
以上のように、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、メモリ格納部22に格納されたセンシングデータが所定の送信間隔でクラウドサーバ5に無線送信され、格納センシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに格納センシングデータがクラウドサーバ5に無線送信される。これにより、クラウドへのセンシングデータ伝送機能を有する照明制御システム1において、クラウドサーバ5へのセンシングデータの円滑かつ効率的な伝送を可能とする構成が実現される。
【0075】
特に、本実施形態では、メモリ格納部22はセンサ4の各々に対応するメモリ領域22-1~22-nを含み、格納処理部24はセンシングデータをセンサ4-1~4-nの各々に対応するメモリ領域22-1~22-nに格納させる。あるいは、メモリ格納部22は検知対象の各々に対応するメモリ領域22-A~22-Fを含み、格納処理部24はセンシングデータを検知対象A~Fの各々に対応するメモリ領域22-A~22-Fに格納させる。送信制御部25は、メモリ領域22-1~22-nの各々又は22-A~22-Fの各々について、センシングデータを送信間隔でクラウドサーバ5に無線送信させ、格納されたセンシングデータの量が限度値に達した場合に送信間隔の経過を待たずに、格納されたセンシングデータをクラウドサーバ5に無線送信させるように構成される。
【0076】
このように、複数のセンサ4又は複数種の検知対象のそれぞれに対応してメモリ領域が設定され、センサ4又は検知対象毎のセンシングデータが所定の送信間隔で又は限度値に達するとクラウドサーバ5に送信される。したがって、親機2におけるセンシングデータの効率的処理が可能となるとともに、クラウドサーバ5におけるセンサ4毎又は検知対象毎のセンシングデータの収集、解析及び判定の処理が容易化される。
【0077】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0078】
(1)メモリ格納部22に関する変形
メモリ格納部22において、上記第1の実施形態では子機3に対応してメモリ領域が割り当てられ、上記第2の実施形態ではセンサ4又は検知対象に対応してメモリ領域が割り当てられる構成を説明した。一方、メモリ領域は、グループ化された複数の子機3(子機3-1~3-mの部分集合)、グループ化されたセンサ4(センサ4-1~4-nの部分集合)又はグループ化された検知対象に対して割り当てられてもよい。あるいは、メモリ領域は、特定の子機3と特定のセンサ4の組合せ、特定の子機3と特定の検知対象の組合せに対して割り当てられてもよい。あるいは、メモリ領域は、センシングデータのデータサイズ毎など、他の適切な組合せに対して割り当てられ得る。
【0079】
(2)各実施形態の相互間変更
上記各実施形態及びその代替例におけるメモリ格納部22のメモリ領域構成(子機3毎の割当て構成、センサ4毎の割当て構成及び検知対象毎の割当て構成)を個別に説明したが、これらを照明制御システム1又は親機2の初期設定時又は運用中に相互間で変更可能としてもよい。例えば、端末機6がメモリ領域構成の変更命令(例えば、子機3毎の割当て構成をセンサ4毎の割当て構成に変更する命令など)をクラウドサーバ5を介して親機2に送信し、親機2のCPU21がメモリ領域構成の変更命令に応じてメモリ領域構成を変更するように構成され得る。
【0080】
(3)その他の変形
上記各実施形態では子機3又はセンサ4の識別にショートアドレスが使用される構成を示したが、子機3又はセンサ4を識別できるものであれば適宜のIDが使用されてもよい。また、上記各実施形態では親機2に通信接続された端末機6から送信間隔、限度値及び優先度の設定が行われる構成を示したが、親機2に接続された制御装置8からこれらの設定が行われるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 照明制御システム
2 親機
3、3-1~3-m 子機
4、4-1~4-n センサ
5 クラウドサーバ
6 端末機
20 無線接続部
21 CPU
22 メモリ格納部
22-1~22-m、22-n、22-A~22-F メモリ領域
23 無線通信部
24 格納処理部
25 送信制御部
26 照明制御部
図1
図2
図3