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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】ブース及び自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 13/00 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
G07D13/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018140898
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020017161
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 恭平
(72)【発明者】
【氏名】長岡 正美
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2010-0091345(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00-13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置本体部を部分的に覆う基本ブース部と、
前記基本ブース部の一側面に取り付けられる拡張ブース部とを備え、
前記基本ブース部は、
前記自動取引装置本体部の上面を覆う略箱型の上部と、前記上部の一側面と前記自動取引装置本体部の一側面を覆う板状の一側面板部とを有し、さらに前記一側面板部の前端に差込溝が設けられ、
前記拡張ブース部は、
前記基本ブース部の前記一側面板部を覆う略箱型であり、前記基本ブース部の前記一側面板部の前端に設けられた前記差込溝と対応する箇所に当該差込溝に差し込まれる突起部が設けられ、さらに上面の前記基本ブース部側の一端部が、前記基本ブース部の上面に重なるオーバーラップ部となっている
ことを特徴とするブース。
【請求項2】
前記基本ブース部は、
前記上部の上面に差込溝が設けられ、
前記拡張ブース部は、
前記オーバーラップ部に、前記基本ブース部の前記上部の上面に設けられた前記差込溝に差し込まれる突起部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のブース。
【請求項3】
前記拡張ブース部は、
後面の前記基本ブース部側の一端部が、前記基本ブース部の後面に重なるオーバーラップ部となっている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブース。
【請求項4】
前記拡張ブース部は、
所定の機能を有する引き出し可能な引き出し部を少なくとも1個以上有している
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のブース。
【請求項5】
前記拡張ブース部は、
所定の機能を有する前記引き出し部を、当該引き出し部とは別の機能を有する引き出し部に交換可能となっている
ことを特徴とする請求項4に記載のブース。
【請求項6】
前記拡張ブース部は、
前記引き出し部を引き出すことで内部にアクセス可能であり、当該内部に前記基本ブース部の前記一側面板部と固定される固定箇所が設けられている
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のブース。
【請求項7】
前記拡張ブース部は、
前記基本ブース部側の一側面が開口部となっている
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のブース。
【請求項8】
装置本体部と、
前記装置本体部を部分的に覆う基本ブース部と、
前記基本ブース部の一側面に取り付けられる拡張ブース部とを備え、
前記基本ブース部は、
前記装置本体部の上面を覆う略箱型の上部と、前記上部の一側面と前記装置本体部の一側面を覆う板状の一側面板部とを有し、さらに前記一側面板部の前端に差込溝が設けられ、
前記拡張ブース部は、
前記基本ブース部の前記一側面板部を覆う略箱型であり、前記基本ブース部の前記一側面板部の前端に設けられた前記差込溝と対応する箇所に当該差込溝に差し込まれる突起部が設けられ、さらに上面の前記基本ブース部側の一端部が、前記基本ブース部の上面に重なるオーバーラップ部となっている
ことを特徴とする自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブース及び自動取引装置に関するものであり、例えば自動取引装置としての現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)用のブース(以下、これをATMブースと呼ぶ)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗などで利用される自動取引装置としてのATMは、ATMの本体部(以下、これをATM本体部と呼ぶ)を部分的に覆うATMブースとともに設置されるようになっていて、このATMブースによってATM本体部のメンテナンス箇所を目隠ししたり、防犯カメラなどの機能をATMに追加したりできるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
尚、ATM本体部にATMブースが取り付けられた状態で店舗などに設置されるATMをブース一体型ATMと呼び、店舗などに先に設置されたATMブースに後からATM本体部が取り付けられるATMをブース分離型ATMと呼び、一般的に、ブース一体型ATMのATMブースの方が、ブース分離型ATMのATMブースより小型となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-97454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のブース一体型ATMでは、店舗などに設置された後で新たな機能を追加する場合、例えば、ブース一体型ATMを設置場所から作業場所に搬出してATM本体部とATMブースに分解した後、元のATMブースの代わりに、新たな機能を有するATMブースをATM本体部に取り付けることで新たなブース一体型ATMを組み立て、これを元の設置場所に設置するという作業が発生する。
【0006】
一方、ブース分離型ATMでは、店舗などに設置された後で新たな機能を追加する場合、例えば、ブース分離型ATMをATM本体部とATMブースに分解して設置場所から作業場所に搬出した後、元のATMブースの代わりに、新たな機能を有するATMブースを元の設置場所に設置し、このATMブースに元のATM本体部を取り付けるという作業が発生する。
【0007】
このように、従来のブース一体型ATM及びブース分離型ATMでは、新たな機能を追加するには、ATM本体部とATMブースに分解したうえで、元のATMブースを新たな機能を有するATMブースに交換しなければならず、設置後の機能追加が容易ではないという問題を有していた。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来と比べて容易に機能追加できるブース及び自動取引装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、自動取引装置本体部を部分的に覆う基本ブース部と、前記基本ブース部の一側面に取り付けられる拡張ブース部とを備え、前記基本ブース部は、前記自動取引装置本体部の上面を覆う略箱型の上部と、前記上部の一側面と前記自動取引装置本体部の一側面を覆う板状の一側面板部とを有し、さらに前記一側面板部の前端に差込溝が設けられ、前記拡張ブース部は、前記基本ブース部の前記一側面板部を覆う略箱型であり、前記基本ブース部の前記一側面板部の前端に設けられた前記差込溝と対応する箇所に当該差込溝に差し込まれる突起部が設けられ、さらに上面の前記基本ブース部側の一端部が、前記基本ブース部の上面に重なるオーバーラップ部となっているとした。
【0010】
これにより、ATM本体部と基本ブース部に分解することなく、新たな機能を有する拡張ブース部を基本ブース部に取り付けるだけで新たな機能を追加できる。また、基本ブース部に拡張ブース部を取り付ける際に、基本ブース部の差込溝に拡張ブース部の突起部を差し込み、拡張ブース部のオーバーラップ部を基本ブース部の上面に乗せるだけで、基本ブース部に対して拡張ブース部を位置決めできるので、基本ブース部に拡張ブース部を容易に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来と比べて容易に機能追加できるブース及び自動取引装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態によるATM本体部に基本ブース部が取り付けられた状態の現金自動預け払い機の外観構成を示す斜視図である。
図2】現金自動預け払い機を図1に示す切断線A-Aで切断した場合の断面図である。
図3】第1の実施の形態によるATM本体部に基本ブース部が取り付けられ、且つ基本ブース部に拡張ブース部が取り付けられる前の状態の現金自動預け払い機の外観構成を示す斜視図である。
図4】第1の実施の形態によるATM本体部に基本ブース部と拡張ブース部が取り付けられた状態の現金自動預け払い機の外観構成を示す斜視図である。
図5】現金自動預け払い機を図4に示す切断線B-Bで切断した場合の断面図である。
図6】第1の実施の形態による基本ブース部に拡張ブース部を取り付ける際の動作を示す断面図である。
図7】第2の実施の形態によるATM本体部に基本ブース部が取り付けられ、且つ基本ブース部に拡張ブース部が取り付けられる前の状態の現金自動預け払い機の外観構成を示す斜視図である。
図8】第2の実施の形態によるATM本体部に基本ブース部と拡張ブース部が取り付けられた状態の現金自動預け払い機の外観構成を示す斜視図である。
図9】第2の実施の形態による基本ブース部の上面の構成を示す部分拡大図である。
図10】現金自動預け払い機を図8に示す切断線C-Cで切断した場合の断面図である。
図11】第2の実施の形態による基本ブース部に拡張ブース部を取り付ける際の動作を示す上面図である。
図12】現金自動預け払い機を図8に示す切断線D-Dで切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0014】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.現金自動預け払い機の構成]
図1(A)、(B)に、第1の実施の形態による現金自動預け払い機(ATM)1の外観構成を示す。現金自動預け払い機1は、店舗などに設置され、利用者との間で入金取引や出金取引などの現金に関する取引を行う装置である。この現金自動預け払い機1は、ATM本体部2とATM本体部2を部分的に覆う基本ブース部3とを有していて、ATM本体部2に基本ブース部3が取り付けられた状態で店舗などに設置されるブース一体型ATMである。尚、ここでは、利用者と対峙する側を現金自動預け払い機1の前側、その反対側を現金自動預け払い機1の後側、現金自動預け払い機1の前側に対峙する利用者から見て上側、下側、左側、右側を、それぞれ現金自動預け払い機1の上側、下側、左側、右側と定義する。
【0015】
ATM本体部2は、直方体状の略箱型であり、前面下部に対して前面上部が後方に引っ込んでいて、この前面上部に応対部10が設けられている。応対部10は、操作表示部11、カード明細口12、紙幣口13、番号入力部14を有している。
【0016】
操作表示部11は、例えば、操作画面を表示する液晶ディスプレイと、操作画面に対するタッチ操作を検知するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。カード明細口12は、キャッシュカードが挿入または排出される部分であり、且つ取引明細書が排出される部分である。紙幣口13は、取引(つまり入金取引及び出金取引)時に紙幣が挿入または排出される部分である。番号入力部14は、暗証番号などを入力する際に用いられる数字キーである。
【0017】
またATM本体部2は、下面に図示しないキャスターが取り付けられていて、前後左右に移動可能となっている。さらにATM本体部2は、下面と設置される床面との間の隙間を覆うように、前面下端、左側面下端、右側面下端、後面下端に、それぞれフットガード15が取り付けられている。尚、このフットガード15は、例えば、現金自動預け払い機1を設置した後で取り付けられるようになっている。
【0018】
一方、基本ブース部3は、ATM本体部2の上面を覆う箱型の上部20と、上部20の左側面及びATM本体部2の左側面を覆う板状の左側面板部21Lと、上部20の右側面及びATM本体部2の右側面を覆う板状の右側面板部21Rと、上部20の上面を覆う板状の上面板部22と、上部20の後面及びATM本体部2の後面を覆う板状の後面板部23と、応対部10の左右両脇に配置される板状の仕切板24L、24Rとで構成されている。
【0019】
上部20は、前後方向及び左右方向の長さがATM本体部2の上端部とほぼ等しく、上下方向の長さがATM本体部2の1/3程度であり、ATM本体部2の上端部をそのまま上方に延長したような箱型となっている。この上部20の前面には、広告などを表示する表示部25が設けられている。この表示部25は、左端部が上部20により回転可能に支持されていることにより、図中矢印Ar1で示す方向及びこの逆方向に開閉可能となっている。上部20は、表示部25を開くことで、内部にアクセスできるようになっている。
【0020】
右側面板部21Rは、上部20の右側面を覆う上側部分21Raと、ATM本体部2の右側面を覆う下側部分21Rbとで構成されている。上側部分21Raは、上部20の右側面の全面を覆う形状及び大きさとなっている。一方、下側部分21Rbは、ATM本体部2の右側面全体のうち、前端部以外の部分を覆う形状及び大きさとなっている。つまり、右側面板部21Rの下側部分21Rbは、ATM本体部2の右側面の前端部は露出させるようにして右側面を覆うようにななっている。またこの下側部分21Rbの上部(すなわち応対部10の右側)に、覗き見防止用の仕切板24Rが着脱可能に取り付けられている。
【0021】
さらに、図1(A)に加えて、現金自動預け払い機1を図1(A)の切断線A-Aで切断した場合の断面図(横断図)である図2にも示すように、右側面板部21Rは、下側部分21Rbの前端に、この前端に沿って上下方向に延びる差込溝26Rが形成されている。尚、図2は、各部(左側面板部21L、右側面板部21R、後面板部23)の厚さを省略した簡易的な断面図となっている。この図2に示すように右側面板部21Rの前端は、上方から見て断面コの字型となっている。さらに図1(A)、(B)に示すように、右側面板部21Rの側面には、ネジ孔27Rが上下方向に間隔を開けて2箇所設けられ、右側面板部21Rの後端面には、ネジ孔28Rが上下方向に間隔を空けて4箇所設けられている。これら差込溝26R及びネジ孔27R、28Rの機能については後述する。
【0022】
左側面板部21Lは、右側面板部21Rと左右対称であり、上部20の左側面を覆う上側部分21Laと、ATM本体部2の左側面を覆う下側部分21Lbとで構成されていて、下側部分21Lbの上部(すなわち応対部10の左側)には、覗き見防止用の仕切板24Lが着脱可能に取り付けられている。さらに、図1(B)に加えて図2に示すように、左側面板部21Lは、下側部分21Lbの前端に、この前端に沿って上下方向に延びる差込溝26Lが形成されている。この図2に示すように、左側面板部21Lの前端も、上方から見て断面コの字型となっている。さらに図1(A)、(B)に示すように、左側面板部21Lには、側面の2箇所にネジ孔27Lが設けられ、後端面の4箇所にネジ孔28Lが設けられている。
【0023】
上面板部22は、上部20の上面を覆う形状及び大きさとなっている。後面板部23は、上部20の後面及びATM本体部2の後面を覆う形状及び大きさとなっている。尚、上部20、左側面板部21L、右側面板部21R、上面板部22及び後面板部23は、別体に形成されていてもよいし、部分的に一体となるように形成されていてもよい。例えば、左側面板部21Lと上面板部22の左半分が一体に形成され、右側面板部21Rと上面板部22の左半分が一体に形成されているなどしてもよい。
【0024】
この基本ブース部3は、例えば、上部20の底面をATM本体部2の上面に図示しない固定具で固定するとともに、左側面板部21L及び右側面板部21RをATM本体部2の左側面及び右側面に図示しない固定具で固定することで、ATM本体部2に取り付けられるようになっている。
【0025】
さらに、この現金自動預け払い機1は、図3及び図4に示すように、店舗などに設置された後でも、基本ブース部3の左側面に拡張ブース部4を取り付けることで機能を追加できるようになっている。拡張ブース部4は、基本ブース部3の左側面板部21Lを厚くしたような略箱型であり、左側面板部21Lを覆うようにして基本ブース部3の左側面に取り付けられるようになっている。
【0026】
この拡張ブース部4は、左側面板部21L側の右側面のほぼ全体が開口部30となっている。この開口部30には、拡張ブース部4の前面と後面とを繋ぐ前後方向に延びる補強板31が上下方向に間隔を空けて4本設けられていて、1番上と1番下の補強板31には、ネジ用の貫通孔32が設けられている。尚、基本ブース部3の左側面板部21Lの側面に設けられた2個のネジ孔27Lの位置は、これら2個の貫通孔32と対向する位置となっている。
【0027】
さらに拡張ブース部4は、前面の幅(左右方向の長さ)より上面の幅及び後面の幅が大きく、上面の右端と後面の右端が前面の右端より右方(つまり基本ブース部3側)に迫り出していて、基本ブース部3に取り付けられた際に、上面の右端部33が基本ブース部3の上面の上に重なる(オーバーラップする)とともに、後面の右端部34が基本ブース部3の後面の後ろに重なる(オーバーラップする)ようになっている。尚、ここでは、拡張ブース部4の上面の右端部33をオーバーラップ部33と呼び、後面の右端部34をオーバーラップ部34と呼ぶことにする。後面側のオーバーラップ部34には、ネジ用の貫通孔35が上下方向に間隔を空けて4箇所設けられている。尚、基本ブース部3の左側面板部21Lの後端面に設けられた4個のネジ孔28Lの位置は、これら4個の貫通孔35と対向する位置となっている。
【0028】
さらに拡張ブース部4には、上部、中央部、下部の3箇所にそれぞれ前面から前方に引き出し可能な略箱型の引き出し部36t、36c、36bが設けられている。これら3個の引き出し部36t、36c、36bは、それぞれ別々の機能を有している。
【0029】
1番上の引き出し部36tは、監視カメラ機能を有していて、前面にカメラ37が取り付けられているとともに、内部にカメラ37の映像を記録する映像記録部38が収納されている。真ん中の引き出し部36cは、封筒入れの機能を有していて、内部に収納された封筒を、前面に設けられた封筒取り出し口39から取り出すことができるようになっている。1番下の引き出し部36bは、収納機能を有していて、例えば、予備のレシートなどを収納可能な収納庫となっている。またこれら引き出し部36t、36c、36bは、現金自動預け払い機1の利用者には引き出すことができないようにロックできるようになっている。さらにこれら引き出し部36t、36c、36bは、上面が開口していて且つ側面や後面の一部分又は全部分が切り取られたような略箱型であり、前方に引き出されると、引き出し部36t、36c、36bの内側から、拡張ブース部4の内部(具体的には補強板31の貫通孔32)にアクセスできるようにもなっている。さらにこれら引き出し部36t、36c、36bを前方に引き出して拡張ブース部4から取り外すことができるようにしてもよい。
【0030】
さらに拡張ブース部4は、1番上の引き出し部36tに収納されている映像記録部38から延びる図示しないケーブル(電源ケーブル及び信号ケーブルなど)を、上面右端に設けられた図示しない開口部から引き出すことができるようになっている。一方、基本ブース部3は、上面に設けられた図示しない開口部から内部にアクセスできるようになっている。これにより、拡張ブース部4側から引き出されたケーブルを、基本ブース部3の内部に設けられた端子などに接続できるようになっている。尚、拡張ブース部4の上面に設けられた開口部、この開口部から引き出されたケーブル、及び基本ブース部3の上面に設けられた開口部は、図示しないカバーで覆うことにより遮蔽できるようになっている。
【0031】
さらに拡張ブース部4の前面右端には、左側面板部21Lの下側部分21Lbと対向する箇所に、後方に突出する突起部40が設けられている。この突起部40は、左側面板部21Lの下側部分21Lbに設けられた差込溝26Lに前方から差し込まれる部分である。また、拡張ブース部4が取り付けられた状態の現金自動預け払い機1を図4の切断線B-Bで切断した場合の簡易的な断面図(横断図)である図5に示すように、拡張ブース部4の前端は、上方から見て、左側面板部21Lの前端より大きな断面コの字型となっている。さらに拡張ブース部4は、左側面に仕切板24Lを着脱可能となっている。ATM本体部2、ATMブースとしての基本ブース部3及び拡張ブース部4の構成は、以上のようになっている。
【0032】
[1-2.拡張ブースの取り付け]
次に、ATM本体部2とともに設置済みの基本ブース部3に対して、拡張ブース部4を取り付ける際の取り付け方について説明する。基本ブース部3に拡張ブース部4を取り付ける場合、まず基本ブース部3の左側面から仕切板24Lを取り外す。次に、図6(A)に簡易的な断面図を示すように、基本ブース部3の左側面板部21Lに対して拡張ブース部4を前端側から近づけていき、拡張ブース部4の前端側に位置する突起部40を左側面板部21Lの前端側に位置する差込溝26Lに前方から差し込んでいく。このとき、左側面板部21Lの差込溝26Lには、拡張ブース部4の突起部40が差込溝26Lの幅方向(左右方向の長さ)に傾いた状態で差し込まれる。ゆえに、左側面板部21Lの差込溝26Lの幅は、突起部40が傾いた状態で差し込まれることを考慮して、突起部40の幅より広く形成されている。
【0033】
このようにして、拡張ブース部4の突起部40を左側面板部21Lの差込溝26Lに差し込んでいくと、拡張ブース部4の前端側のコの字形状部分が、左側面板部21Lの前端側のコの字形状部分を覆うようにして、拡張ブース部4の前端部が左側面板部21Lの前端部に引っ掛けられた状態となる。この状態のまま、拡張ブース部4の後端側を左側面板部21Lに近づけるように(つまり拡張ブース部4と左側面板部21Lとが平行になるように)拡張ブース部4を矢印Ar2で示す方向に回転させていく。そして、拡張ブース部4の上面側のオーバーラップ部33(図6(A)、(B)では省略)を基本ブース部3の上面に乗せながら、拡張ブース部4の補強板31が左側面板部21Lと当接するまで、拡張ブース部4を回転させる。
【0034】
これにより、拡張ブース部4は、図6(B)に示すように、前端側の突起部40が基本ブース部3の差込溝26Lに差し込まれるとともに、上面側のオーバーラップ部33(図6では省略)と後面側のオーバーラップ部34が、基本ブース部3の上面と後面にオーバーラップした状態となり、これにより、基本ブース部3に位置決めされる。
【0035】
次に、拡張ブース部4から引き出し部36t、36c、36b(図3図4参照)を引き出して(もしくは取り外して)、拡張ブース部4の内部にアクセスし、補強板31(図3参照)に設けられた貫通孔32を介して、左側面板部21Lの側面に設けられたネジ孔27Lにネジ41(図5参照)を回し入れることで、左側面板部21Lとの固定箇所である補強板31を左側面板部21Lの側面に固定する。
【0036】
さらに、拡張ブース部4の後面側のオーバーラップ部34に設けられた貫通孔35(図3参照)を介して、左側面板部21Lの後面に設けられたネジ孔28Lにネジ42(図5参照)を回し入れることで、拡張ブース部4の後面側のオーバーラップ部34を左側面板部21Lの後面に固定する。このようにして、拡張ブース部4を基本ブース部3に固定する。そして最後に、引き出し部36t、36c、36bを、拡張ブース部4に押し込み(もしくは取り付け)、拡張ブース部4の左側面に仕切板24Lを取り付けて、拡張ブース部4の取り付けが完了する。
【0037】
尚、拡張ブース部4と基本ブース部3との間でケーブル接続が必要な場合には、例えば、拡張ブース部4を基本ブース部3に取り付けて、引き出し部36t、36c、36bを拡張ブース部4に押し込んだ後、拡張ブース部4の上面の開口部から基本ブース部3の上面に設けられた開口部へとケーブルを引き出して接続する。拡張ブース部4の取り付けは、以上のようになっている。
【0038】
[1-3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態の現金自動預け払い機1は、ATM本体部2に取り付けられた基本ブース部3に拡張ブース部4を取り付けるだけで新たな機能を追加することができる。また、現金自動預け払い機1は、基本ブース部3に拡張ブース部4を取り付ける際に、基本ブース部3の差込溝26Lに拡張ブース部4の突起部40を差し込み、拡張ブース部4の上面のオーバーラップ部33を基本ブース部3の上面に乗せるとともに、拡張ブース部4の後面のオーバーラップ部34を基本ブース部3の後面に被せるだけで、位置決め用の冶具などを用いることなく基本ブース部3に対して拡張ブース部4を位置決めできるので、拡張ブース部4を基本ブース部3に容易に取り付けることができる。
【0039】
このように、現金自動預け払い機1は、ATM本体部2に基本ブース部3を取り付けた状態のまま基本ブース部3に拡張ブース部4を取り付けるだけで新たな機能を追加でき、そのうえ拡張ブース部4を基本ブース部3に容易に取り付けることができるので、従来と比べて容易に機能追加できる。
【0040】
また、現金自動預け払い機1は、基本ブース部3の左方に拡張ブース部4よりわずかに大きなスペースがあれば、拡張ブース部4の取り付け作業を行うことができるので、コンビニエンスストアなどの現金自動預け払い機1の設置スペースが限られている場所でも、比較的容易に拡張ブース部4の取り付け作業を行うことができる。
【0041】
さらに、現金自動預け払い機1は、基本ブース部3と拡張ブース部4とを固定する固定箇所に位置する貫通孔32、35が、拡張ブース部4の内部と、拡張ブース部4の後面とに設けられているため、前方に対峙する利用者から基本ブース部3と拡張ブース部4との固定箇所を秘匿することができ、これにより、デザイン性及びセキュリティ性を損なうことなく、基本ブース部3と拡張ブース部4とを固定することができる。
【0042】
さらに、現金自動預け払い機1は、拡張ブース部4の基本ブース部3側の右側面を開口部30として、基本ブース部3の左側面に拡張ブース部4を取り付けた際に、拡張ブース部4の開口部30が基本ブース部3の左側面板部21Lによって覆われるようにした。このように、現金自動預け払い機1は、拡張ブース部4の右側面を開口部30としたことにより、拡張ブース部4の重量を削減できるとともに製造コストを削減できる。
【0043】
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、基本ブース部と拡張ブース部の構成が、第1の実施の形態とは異なる実施の形態である。ゆえに、ここでは、主に基本ブース部と拡張ブース部の構成について説明する。
【0044】
[2-1.現金自動預け払い機の構成]
図7図8に、第2の実施の形態による、現金自動預け払い機100の外観構成を示す。現金自動預け払い機100は、ATM本体部101と基本ブース部102と拡張ブース部103とを有している。ATM本体部101は、第1の実施の形態のATM本体部2と同一構成のため、説明は省略する。
【0045】
基本ブース部102は、後面のネジ孔28L、28R(図1(B)参照)が省略されている点と、図7に加えて図9に拡大図を示すように、上面左端に基本ブース部102の前面から後面にかけて前後方向に延びる差込溝110が追加されている点の2点が、第1の実施の形態の基本ブース部3と異なっていて、これら2点以外の部分については、基本ブース部3と同一構成となっている。
【0046】
拡張ブース部103は、後面側のオーバーラップ部34(図3参照)が省略されている点と、上面側のオーバーラップ部33の右端に下方に突出する突起部111が設けられている点の2点が、第1の実施の形態の拡張ブース部4と異なっていて、これら2点以外の部分については、拡張ブース部4と同一構成となっている。
【0047】
拡張ブース部103のオーバーラップ部33に設けられた突起部111は、基本ブース部102の上面に設けられた差込溝110に前方から差し込まれる部分である。また、拡張ブース部103が取り付けられた状態の現金自動預け払い機100を図8の切断線C-Cで切断した場合の簡易的な断面図(縦断図)を図10に示すように、拡張ブース部103の上端は、前方からみて断面コの字型となっている。ATM本体部101、基本ブース部102及び拡張ブース部103の構成は、以上のようになっている。
【0048】
[2-2.拡張ブースの取り付け]
次に、ATM本体部101とともに設置済みの基本ブース部102に対して、拡張ブース部103を取り付ける際の取り付け方について説明する。基本ブース部102に拡張ブース部103を取り付ける場合、まず基本ブース部102の左側面から仕切板24Lを取り外す。次に、図11(A)に簡易的な上面図を示すように、基本ブース部102の上面に設けられた差込溝110の前方に、拡張ブース部103のオーバーラップ部33に設けられた突起部111が位置するように拡張ブース部103を基本ブース部102の左斜め前に配置する。さらにこの位置から拡張ブース部103を矢印Ar3で示す後方へ移動させていくことにより、拡張ブース部103のオーバーラップ部33を基本ブース部102の上面に乗せながら、オーバーラップ部33の突起部111を基本ブース部102の上面側の差込溝110に前方から差し込んでいく。
【0049】
さらに拡張ブース部103を後方へ移動させていくと、現金自動預け払い機100を図8の切断線D-Dで切断した場合の簡易的な断面図(横断図)である図12に示すように、拡張ブース部103の前端側に位置する突起部40が左側面板部21Lの前端側に位置する差込溝26Lに前方から差し込まれて、拡張ブース部103の前端側のコの字形状部分が、左側面板部21Lの前端側のコの字形状部分に当接する。
【0050】
これにより、拡張ブース部103は、図11(B)に簡易的な上面図を示すように、オーバーラップ部33が基本ブース部102の上面にオーバーラップするとともに、上面側の突起部111と前端側の突起部40(図12参照)が基本ブース部102の上面側の差込溝110と前端側の差込溝26L(図12参照)に差し込まれた状態となり、これにより、基本ブース部102に位置決めされる。
【0051】
次に、拡張ブース部103の引き出し部36t、36c、36b(図7図8参照)を引き出して(もしくは取り外して)、拡張ブース部103の内部にアクセスし、図11(C)に簡易的な上面図を示すように、補強板31に設けられた貫通孔32(図7参照)を介して、左側面板部21Lの側面に設けられたネジ孔27L(図7参照)にネジ41を回し入れることで、補強板31を、左側面板部21Lの側面に固定する。このようにして、拡張ブース部103を基本ブース部102に固定する。そして最後に、引き出し部36t、36c、36bを、拡張ブース部103に押し込み(もしくは取り付け)、拡張ブース部103の左側面に仕切板24Lを取り付けて、拡張ブース部103の取り付けが完了する。
【0052】
尚、第1の実施の形態と同様、拡張ブース部103と基本ブース部102との間でケーブル接続が必要な場合には、例えば、拡張ブース部103に基本ブース部102を取り付けて、引き出し部36t、36c、36bを拡張ブース部103に押し込んだ後、拡張ブース部103の上面の開口部から基本ブース部102の上面に設けられた開口部へとケーブルを引き出して接続する。拡張ブース部103の取り付けは、以上のようになっている。
【0053】
[2-3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態の現金自動預け払い機100も、第1の実施の形態の現金自動預け払い機1と同様、ATM本体部101に取り付けられた基本ブース部102に拡張ブース部103を取り付けるだけで新たな機能を追加することができる。また、現金自動預け払い機100は、基本ブース部102に拡張ブース部103を取り付ける際に、拡張ブース部103のオーバーラップ部33を基本ブース部102の上面に乗せながらオーバーラップ部33の突起部111を基本ブース部102の上面側の差込溝110に差し込むとともに、拡張ブース部103の前端側の突起部40を基本ブース部102の前端側の差込溝26Lに差し込むだけで、位置決め用の冶具などを用いることなく基本ブース部102に対して拡張ブース部103を位置決めできるので、拡張ブース部103を基本ブース部102に容易に取り付けることができる。
【0054】
このように、現金自動預け払い機100も、ATM本体部101に基本ブース部102を取り付けた状態のまま基本ブース部102に拡張ブース部103を取り付けるだけで新たな機能を追加でき、そのうえ拡張ブース部103を基本ブース部102に容易に取り付けることができるので、従来と比べて容易に機能追加できる。
【0055】
また、現金自動預け払い機100は、基本ブース部102の左方に拡張ブース部103と同程度のスペースがあれば、拡張ブース部103の取り付け作業を行うことができるので、コンビニエンスストアなどの現金自動預け払い機100の設置スペースが限られている場所でも、比較的容易に拡張ブース部103の取り付け作業を行うことができる。
【0056】
さらに、現金自動預け払い機100では、基本ブース部102の上面に差込溝110を設け、この差込溝110に拡張ブース部103のオーバーラップ部33に設けられた突起部111を差し込むようにする一方で、基本ブース部102と拡張ブース部103とのネジ留め箇所を、基本ブース部102と拡張ブース部103の側面のみとした。こうすることで、現金自動預け払い機100は、基本ブース部102と拡張ブース部103との固定強度を維持しながら、現金自動預け払い機1よりネジ留め箇所を少なくすることができ、その分、現金自動預け払い機1より容易に拡張ブース部103を取り付けることができる。
【0057】
[3.他の実施の形態]
[3-1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、基本ブース部3の左側面に拡張ブース部4を取り付けるようにした。これに限らず、拡張ブース部4と左右対称の拡張ブース部(図示せず)を用意して、この拡張ブース部を、拡張ブース部4と同様にして基本ブース部3の右側面に取り付けるようにしてもよい。第2の実施の形態についても、基本ブース部102の上面右端に差込溝を追加して、基本ブース部102の右側面に、拡張ブース部103と左右対称の拡張ブース部を取り付けるようにしてもよい。
【0058】
[3-2.他の実施の形態2]
また、上述した第1の実施の形態では、拡張ブース部4に、それぞれ別々の機能を有する3個の引き出し部36t、36c、36bを設けるようにしたが、これら3個の引き出し部36t、36c、36bのうちの少なくとも1つを、これら3個の引き出し部36t、36c、36bとは異なる機能を有する引き出し部と交換することで、拡張ブース部4が備える機能を変更するようにしてもよい。例えば、監視カメラ機能を有する引き出し部36tを、電話機能を有する引き出し部と交換することで、拡張ブース部4が備える監視カメラ機能を電話機能に変更するなどしてもよい。
【0059】
こうすることで、現金自動預け払い機1は、基本ブース部3に拡張ブース部4を取り付けた後でも、適宜、機能を変更することができる。第2の実施の形態についても同様に、拡張ブース部103に設けられた3個の引き出し部36t、36c、36bを、これらとは異なる機能を有する引き出し部と交換することで、拡張ブース部103が備える機能を変更するようにしてもよい。
【0060】
また、上述した第1の実施の形態では、拡張ブース部4に3個の引き出し部36t、36c、36bを設けるようにしたが、これに限らず、拡張ブース部4に2個以下、もしくは4個以上の引き出し部を設けるようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様に、拡張ブース部103に2個以下、もしくは4個以上の引き出し部を設けるようにしてもよい。さらに、3個の引き出し部36t、36c、36bに、それぞれ1つの機能を持たせるのではなく、複数の機能を持たせるようにしてもよい。
【0061】
さらに、上述した第1の実施の形態では、拡張ブース部4から引き出し可能な引き出し部36t、36c、36bに各種機能を持たせるようにしたが、これに限らず、拡張ブース部4に、各種機能を持つ機能部を固定するようにしてもよい。例えば、拡張ブース部4の上部に、監視カメラ機能を持つ引き出し部36tの代わりに、監視カメラ部を固定するなどしてもよい。この場合、例えば、拡張ブース部4の前面上部を取り外し可能なパネルとして、このパネルにカメラ37を固定するとともに、拡張ブース部4内部の上部に映像記録部38を固定するようにし、さらにこのパネルを取り外すことで、拡張ブース部4の内部にアクセスできるようにする。第2の実施の形態についても同様に、各種機能を持つ機能部を固定するようにしてもよい。
【0062】
[3-3.他の実施の形態3]
さらに、上述した第1の実施の形態では、ATM本体部2に基本ブース部3が取り付けられた状態で店舗などに設置されるブース一体型ATMである現金自動預け払い機1に本発明を適用したが、これに限らず、店舗などに先に設置されたATMブースに後からATM本体部が取り付けられるブース分離型ATMである現金自動預け払い機に適用してもよい。この場合、ブース分離型ATMのATMブースを、基本ブース部3及び拡張ブース部4と同様の構成とすればよい。第2の実施の形態についても同様に、ブース分離型ATMである現金自動預け払い機に適用してもよい。
【0063】
[3-4.他の実施の形態4]
さらに、上述した第1の実施の形態では、基本ブース部3と拡張ブース部4とをネジ41、42により固定するようにしたが、これに限らず、ネジ41、42とは異なる固定具により基本ブース部3と拡張ブース部4とを固定するようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様に、基本ブース部102と拡張ブース部103とをネジ41とは異なる固定具により固定するようにしてもよい。
【0064】
[3-5.他の実施の形態5]
さらに、上述した第1の実施の形態では、基本ブース部3の左側面板部21Lの前端全体のうち、下側部分21Lbの前端にのみ差込溝26Lを設けたが、これに限らず、左側面板部21Lの前端全体に差込溝26Lを設けたり、左側面板部21Lの上側部分21Laの前端にのみ差込溝26Lを設けたりしてもよい。一方、拡張ブース部4の突起部40については、差込溝26Lの上下方向の位置及び大きさに合わせるようにすればよい。
【0065】
このように、差込溝26L及び突起部40の上下方向の位置及び長さを、第1の実施の形態とは異なる位置及び長さにしてもよい。第2の実施の形態についても同様に、差込溝26L及び突起部40の上下方向の位置及び長さを、第2の実施の形態とは異なる位置及び長さにしてもよい。
【0066】
[3-6.他の実施の形態6]
さらに、上述した第1の実施の形態では、本発明を、自動取引装置の具体例である、現金自動預け払い機1、100に適用したが、これに限らず、自動取引装置本体部及び装置本体部としてのATM本体部とブースとで構成される自動取引装置であれば、現金自動預け払い機1、100とは異なる自動取引装置に適用してもよい。例えば、本発明を、現金の引き出しと残高照会のみを行う現金自動支払い機に適用するなどしてもよい。また、第1の実施の形態として上述したATM本体部2、基本ブース部3及び拡張ブース部4の大きさ及び形状については、一例であり、これらATM本体部2、基本ブース部3及び拡張ブース部4の大きさ及び形状を、第1の実施の形態と同様の効果が得られる範囲で変更するようにしてもよい。第2の実施の形態についても同様に、ATM本体部101、基本ブース部102及び拡張ブース部103の大きさ及び形状を、第2の実施の形態と同様の効果が得られる範囲で変更するようにしてもよい。
【0067】
[3-7.他の実施の形態7]
さらに、上述した各実施の形態では、基本ブース部の上部の一側面及び自動取引装置本体部の一側面を覆う板状の一側面板部の具体例として、左側面板部21Lを用いたが、これに限らず、基本ブース部の上部の一側面及び自動取引装置本体部の一側面を覆う板状の部材であれば、左側面板部21Lとは形状などが異なる部材を用いてもよい。
【0068】
[3-8.他の実施の形態8]
さらに、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態と他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。例えば、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様、拡張ブース部103の後面側にオーバーラップ部34を設けて、このオーバーラップ部34を基本ブース部102の後面にネジ留めするようにしてもよい。また一方で、第1の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様、拡張ブース部4の後面側のオーバーラップ部34を省略するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、ATM本体部とともに設置される様々なATMブースで利用できる。
【符号の説明】
【0070】
1、100……現金自動預け払い機、2、101……ATM本体部、3、102……基本ブース部、4、103……拡張ブース部、20……上部、21L……左側面板部、21R……右側面板部、22……上面板部、23……後面板部、26R、26L、110……差込溝、27L、27R、28L、28R……ネジ孔、30……開口部、31……補強板、32、35……貫通孔、33、34……オーバーラップ部、36t、36c、36b……引き出し部、40、111……突起部、41、42……ネジ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12