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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/08 20060101AFI20220524BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220524BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
B65G43/08 B
B65G43/08 A
B65G47/52 A
B65G47/52 B
B65G47/68 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019008867
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2020117343
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】松井 修
(72)【発明者】
【氏名】小出 浩之
(72)【発明者】
【氏名】石倉 篤
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-185817(JP,A)
【文献】特開平03-158315(JP,A)
【文献】特開昭57-184011(JP,A)
【文献】特開平10-139130(JP,A)
【文献】特開平08-073022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/08,47/52,47/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を所定の搬送経路に沿って搬送する主コンベヤ装置と、前記搬送経路上に前記物品を投入する物品投入装置と、を備える物品搬送設備であって、
前記主コンベヤ装置は、
前記物品を載置して支持する物品支持体と、
前記物品支持体を前記物品の搬送方向に沿って走行させる走行ユニットと、
を備え、
前記物品投入装置は、
前記搬送経路上に設けられる物品投入位置に対応させて設けられ、
前記搬送経路と合流する第2搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記搬送経路に沿って走行する前記物品支持体に対して前記物品投入位置において前記物品を投入する第2コンベヤ装置と、
前記第2搬送経路と合流する第1搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記第2搬送経路上に前記物品を投入する第1コンベヤ装置と、
を備え、
前記第1コンベヤ装置は、前記第1搬送経路に沿って搬送される前記物品の搬送方向及び幅方向の長さに基づいて、前記第2搬送経路上に前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品が前記第2コンベヤ装置によって前記物品投入位置に投入されるタイミングを調整し、
前記第2コンベヤ装置は、前記物品支持体に対して前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品支持体への前記物品の投入時における前記物品支持体上での前記物品の載置位置を調整すること
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項2】
物品を所定の搬送経路に沿って搬送する主コンベヤ装置と、前記搬送経路上に前記物品を投入する物品投入装置と、を備える物品搬送設備であって、
前記主コンベヤ装置は、
前記物品を載置して支持する物品支持体と、
前記物品支持体を前記物品の搬送方向に沿って走行させる走行ユニットと、
を備え、
前記物品投入装置は、
前記搬送経路上に設けられる物品投入位置に対応させて設けられ、
前記搬送経路と合流する第2搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記搬送経路に沿って走行する前記物品支持体に対して前記物品投入位置において前記物品を投入する第2コンベヤ装置と、
前記第2搬送経路と合流する第1搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記第2搬送経路上に前記物品を投入する第1コンベヤ装置と、
を備え、
前記第1コンベヤ装置は、前記第1搬送経路に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品における搬送方向の長さの差に基づいて、前記第2搬送経路上に前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品が前記第2コンベヤ装置によって前記物品投入位置に投入されるタイミングを調整し、
前記第2コンベヤ装置は、前記物品支持体に対して前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品支持体への前記物品の投入時における前記物品支持体上での前記物品の載置位置を調整すること
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項3】
物品を所定の搬送経路に沿って搬送する主コンベヤ装置と、前記搬送経路上に前記物品を投入する物品投入装置と、を備える物品搬送設備であって、
前記主コンベヤ装置は、
前記物品を載置して支持する物品支持体と、
前記物品支持体を前記物品の搬送方向に沿って走行させる走行ユニットと、
を備え、
前記物品投入装置は、
前記搬送経路上に設けられる物品投入位置に対応させて設けられ、
前記搬送経路と合流する第2搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記搬送経路に沿って走行する前記物品支持体に対して前記物品投入位置において前記物品を投入する第2コンベヤ装置と、
前記第2搬送経路と合流する第1搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記第2搬送経路上に前記物品を投入する第1コンベヤ装置と、
を備え、
前記第1コンベヤ装置は、
前記第2コンベヤ装置に前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品が前記第2コンベヤ装置によって前記物品投入位置に投入されるタイミングを調整し、
前記第1搬送経路に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品における搬送方向の長さの差に基づいて、前記第1コンベヤ装置における前記2つの物品間のピッチを制御し、
前記第2コンベヤ装置は、前記物品支持体に対して前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品支持体への前記物品の投入時における前記物品支持体上での前記物品の載置位置を調整すること
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項4】
物品を所定の搬送経路に沿って搬送する主コンベヤ装置と、前記搬送経路上に前記物品を投入する物品投入装置と、を備える物品搬送設備であって、
前記主コンベヤ装置は、
前記物品を載置して支持する物品支持体と、
前記物品支持体を前記物品の搬送方向に沿って走行させる走行ユニットと、
を備え、
前記物品投入装置は、
前記搬送経路上に設けられる複数の物品投入位置のそれぞれに対応させて設けられ、
前記搬送経路と合流する第2搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記搬送経路に沿って走行する複数の物品支持体のうち所定数の物品支持体おきに前記物品投入位置において前記物品を投入する第2コンベヤ装置と、
前記第2搬送経路と合流する第1搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記第2搬送経路上に前記物品を投入する第1コンベヤ装置と、
を備え、
前記第1コンベヤ装置は、前記第2コンベヤ装置に前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品が前記第2コンベヤ装置によって前記物品投入位置に投入されるタイミングを調整し、
前記第2コンベヤ装置は、
前記物品支持体に対して前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品支持体への前記物品の投入時における前記物品支持体上での前記物品の載置位置を調整し、
前記第1コンベヤ装置によって決定された前記物品を投入すべき物品支持体に対して前記物品を投入することができない場合には、前記物品を投入すべき物品支持体が前記物品投入位置を通過してから前記所定数後方の物品支持体に対して前記物品を投入すること
を特徴とする物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を所定の搬送経路に沿って搬送する主コンベヤ装置と、前記搬送経路上に前記物品を投入する物品投入装置と、を備える物品搬送設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の搬送経路上に物品を投入する物品投入装置を備える物品搬送設備としては、特許文献1に示すようなクロスベルト分類装置がある。
特許文献1のクロスベルト分類装置は、環状の搬送経路により互いに連絡された1つ以上の小包導入ステーション(物品投入装置)と、1つ以上の荷下ろしステーションと、上記搬送経路に沿って連続的に移動する複数の搬送ユニット(物品支持体、走行ユニット)と、を備えるものである。特許文献1のクロスベルト分類装置においては、小包(物品)が小包導入ステーションから搬送ユニットに対して投入される。投入された小包は搬送ユニットにより搬送経路に沿って搬送され、荷下ろしステーションまで搬送された後、搬送ユニットから払い出される。
小包導入ステーションは、上記搬送経路に対してある角度を持って整列され、個々に制御される連続したコンベヤを備え、各コンベヤにより小包を搬送させながら対象となる搬送ユニットに対して小包を投入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-199505号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すような物品搬送設備においては、搬送経路上を連続して走行する複数の物品支持体のうちの所定の物品支持体に対して物品を物品投入装置から投入する必要があるため、物品形状(物品の搬送方向における長さ)の大きい物品に続いて物品形状の小さい物品を連続して物品支持体に投入する場合に、物品形状の大きい物品を、物品支持体の走行速度に同期させて加速させると、本来加速すべきではない後方の物品形状の小さい物品が物品形状の大きい物品に引き連れられて加速することがあり、物品形状の異なる物品を連続して対象の物品支持体に投入できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、物品投入装置による物品の投入先である主コンベヤ装置の搬送能力(搬送速度)を落とすことなく、物品投入装置が物品形状の異なる物品を連続して対象の物品支持体に確実に投入可能な物品搬送設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明の物品搬送設備は、物品を所定の搬送経路に沿って搬送する主コンベヤ装置と、前記搬送経路上に前記物品を投入する物品投入装置と、を備える物品搬送設備であって、前記主コンベヤ装置は、前記物品を載置して支持する物品支持体と、前記物品支持体を前記物品の搬送方向に沿って走行させる走行ユニットと、を備え、前記物品投入装置は、前記搬送経路上に設けられる物品投入位置に対応させて設けられ、前記搬送経路と合流する第2搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記搬送経路に沿って走行する前記物品支持体に対して前記物品投入位置において前記物品を投入する第2コンベヤ装置と、前記第2搬送経路と合流する第1搬送経路に沿って前記物品を搬送し、前記第2搬送経路上に前記物品を投入する第1コンベヤ装置と、を備え、前記第1コンベヤ装置は、前記第2コンベヤ装置に前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品が前記第2コンベヤ装置によって前記物品投入位置に投入されるタイミングを調整し、前記第2コンベヤ装置は、前記物品支持体に対して前記物品を投入するタイミングを制御することにより、前記物品支持体への前記物品の投入時における前記物品支持体上での前記物品の載置位置を調整するものである。
上記構成では、第1搬送経路(第1コンベヤ装置)において、物品が第2コンベヤ装置によって物品投入位置に投入されるタイミングを調整すべく、第2コンベヤ装置に物品を投入するタイミングを制御し、続いて第1搬送経路(第1コンベヤ装置)とは異なる第2搬送経路(第2コンベヤ装置)において、物品支持体への物品の投入時における物品支持体上での物品の載置位置の調整を行うべく、物品支持体に対して物品を投入するタイミングを制御する。
【0007】
本発明の物品搬送設備は、上記物品搬送設備において、前記第1コンベヤ装置は、前記第1搬送経路に沿って搬送される前記物品の搬送方向の長さに基づいて、前記第2搬送経路上に前記物品を投入するタイミングを制御するものである。
上記構成では、第1搬送経路に沿って搬送される物品の長さ(物品のサイズ)に基づいて、物品を第2搬送経路に投入するタイミングを制御する。
【0008】
本発明の物品搬送設備は、上記物品搬送設備において、前記第1コンベヤ装置は、前記第1搬送経路に沿って搬送される前記物品の幅方向の長さに基づいて、前記第2搬送経路上に前記物品を投入するタイミングを制御するものである。
上記構成では、第1搬送経路に沿って搬送される物品の幅に基づいて、物品を第2搬送経路に投入するタイミングを制御する。
【0009】
本発明の物品搬送設備は、上記物品搬送設備において、前記第1コンベヤ装置は、前記第1搬送経路に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品における搬送方向の長さの差に基づいて、前記第2搬送経路上に前記物品を投入するタイミングを制御するものである。
上記構成では、第1搬送経路に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品間の物品の長さの差(物品間のサイズ差)に基づいて、当該2つの物品のうちの第1搬送経路の上流側(物品の搬送方向における後側)の物品を第2搬送経路に投入するタイミングを制御する。
【0010】
本発明の物品搬送設備は、上記物品搬送設備において、前記第1コンベヤ装置は、前記第1搬送経路に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品における搬送方向の長さの差に基づいて、前記第1コンベヤ装置における前記2つの物品間のピッチを制御するものである。
上記構成では、第1コンベヤ装置は、第1搬送経路に沿って搬送される2つの物品間のピッチを、当該2つの物品の長さの差に基づいて制御される所定のピッチとした状態で、当該2つの物品を第2搬送経路上に投入する。
【0011】
本発明の物品搬送設備は、上記物品搬送設備において、前記物品投入装置は、前記搬送経路上に設けられる複数の物品投入位置のそれぞれに対応させて設けられ、前記搬送経路に沿って走行する複数の物品支持体のうち所定数の物品支持体おきに前記物品を投入するものである。
上記構成では、物品投入装置は、所定数の物品支持体おきに物品を投入することで、決められた物品支持体に物品を投入する。
【0012】
本発明の物品搬送設備は、上記物品搬送設備において、前記第2コンベヤ装置は、前記第1コンベヤ装置によって決定された前記物品を投入すべき物品支持体に対して前記物品を投入することができない場合には、前記物品を投入すべき物品支持体が前記物品投入位置を通過してから前記所定数後方の物品支持体に対して前記物品を投入するものである。
上記構成では、第2コンベヤ装置は、第1コンベヤ装置によって決定された物品を投入すべき物品支持体に対して物品を投入することができない場合は、当初物品の投入を予定していた物品支持体より所定数後方に位置する物品支持体に対して物品を投入する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の物品搬送設備によれば、物品支持体に対して物品を投入する第2搬送経路(第2コンベヤ装置)と異なる第1搬送経路(第1コンベヤ装置)において、物品が第2コンベヤ装置によって物品投入位置に投入されるタイミングを予め調整し、且つ物品支持体に対して物品を投入する直前の第2搬送経路(第2コンベヤ装置)において、物品支持体への物品の投入時における物品支持体上での物品の載置位置の調整を行うことから、物品形状の大小を問わず、主コンベヤ装置の搬送能力(搬送速度)に合わせて第2搬送経路(第2コンベヤ装置)での物品の搬送を制御することができる。そのため、主コンベヤ装置の搬送能力(搬送速度)を落とすことなく、物品投入装置が物品形状の異なる物品を連続して対象の物品支持体に確実に投入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る物品搬送設備の概略平面図である。
図2】本発明に係る物品搬送設備の主コンベヤ装置である台車を示す斜視図である。
図3】本発明に係る物品搬送設備のインダクションコンベヤの斜視図である。
図4】本発明に係る物品搬送設備のインダクションコンベヤの制御構成を示すブロック図である。
図5】本発明に係る物品搬送設備のインダクションコンベヤの第1コンベヤ装置における物品の搬送動作を示す概略側面図である。
図6】本発明に係る物品搬送設備のインダクションコンベヤの第1コンベヤ装置から第2コンベヤ装置における物品の搬送動作を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の物品搬送設備10について説明する。なお、本発明は、以下に示す物品搬送設備10に限定されるものではない。
図1に示すように、物品搬送設備10は、ループ状の搬送経路Kを形成し、搬送経路Kに沿って物品90を循環して搬送する主コンベヤ装置20と、主コンベヤ装置20の搬送経路K上に物品90を投入する複数のインダクションコンベヤ30(「物品投入装置」の一例)と、主コンベヤ装置20の搬送経路Kから払い出される物品90を受け入れる複数のシュート50と、から主に構成されている。物品搬送設備10では、物品90が所定のインダクションコンベヤ30から主コンベヤ装置20の搬送経路K上に投入される。搬送経路K上に投入された物品90は、主コンベヤ装置20によって物品投入位置Tにおいて受け入れられ、搬送経路Kに沿って搬送される。主コンベヤ装置20により搬送される物品90は、例えば、店舗毎に割り付けられているシュート50に払い出され、店舗毎に仕分けられる。物品搬送設備10の各装置(主コンベヤ装置20、インダクションコンベヤ30、シュート50)は、物品搬送設備10全体を制御する統括コントローラ80(図4参照)に接続され、統括コントローラ80により制御される。
【0016】
図1及び図2に示すように、主コンベヤ装置20は、搬送経路Kに沿って設けられるレール21と、レール21に沿って走行する複数の台車22と、から主に構成されている。主コンベヤ装置20は、物品90を載置した台車22がレール21上を走行することで、物品90を搬送経路Kに沿って搬送する。
台車22は、所定のインダクションコンベヤ30から投入された物品90を物品投入位置Tにおいて受け入れる。台車22は、受け入れた物品90を搬送経路Kに沿って搬送し、所定のシュート50に対して払い出す。台車22は、搬送経路Kにおいて互いに隣接する台車22と連結され、隣接する台車22と連なった状態でレール21上を走行する。台車22は、レール21上を走行する台車本体23(「走行ユニット」の一例)と、物品90を載置して支持するベルト24(「物品支持体」の一例)と、隣接する台車22間の間隙を覆うカバー25と、を主に備える。
図2に示すように、台車本体23は、台車22の本体部分であり、レール21上を走行するための車輪23Aと、車輪23A、ベルト24等を支持するフレーム23Bと、を主に備える。
ベルト24は、台車本体23の上部に設けられ、載置した物品90を、台車22の走行方向(物品90の搬送方向H)と直交する方向に搬送可能なベルトコンベヤにより構成されている。ベルト24は、ベルトコンベヤを駆動するためのモータ26を有する。ベルト24は、台車22が所定のシュート50に到達した際に、ベルトコンベヤを駆動させることで物品90をシュート50が位置する方向に排出する。ベルト24は、台車22による物品90の搬送中にベルト24上の物品90が適切な位置からズレた場合に、ベルトコンベヤを駆動させることで、物品90の載置位置を適切な位置に調整する。
カバー25は、搬送経路Kにおいて互いに隣接する台車22間の間隙を塞ぐような板状の部材により構成される。カバー25は、台車22の後側端部(台車22の走行方向に対して後側の端部)に固定されている。
【0017】
図1及び図3に示すように、インダクションコンベヤ30は、搬送経路K上を走行する台車22の側部で台車22の走行方向の上流側から下流側に沿った斜め方向から物品90を搬送し、その物品90の搬送姿勢を保持した状態で台車22のベルト24に投入するものである。インダクションコンベヤ30は、搬送経路Kに沿って複数本(図1では3本)設けられている。インダクションコンベヤ30は、搬送経路K上に設けられる複数箇所(図1では3箇所)の物品投入位置T(インダクションコンベヤ30が台車22のベルト24に物品90を投入する位置)のそれぞれに対応させて設けられている。インダクションコンベヤ30は、それぞれのインダクションコンベヤ30毎に予め物品90を投入すべき台車22を検索及び決定し、インダクションコンベヤ30毎に決定した所定の台車22に対して物品90を投入する。
インダクションコンベヤ30は、その上流側において物品90が供給される第1搬送経路K1と、その上流側において第1搬送経路K1が合流し、その下流側において搬送経路Kと合流する第2搬送経路K2と、を有し、第1搬送経路K1、第2搬送経路K2の順で物品90を搬送する。
第1搬送経路K1は、搬送経路Kに対して直交する方向に形成され、第2搬送経路K2に対して所定の角度を有して合流する経路である。第1搬送経路K1の上流側において、物品90がインダクションコンベヤ30に供給される。第1搬送経路K1の下流側において、物品90の搬送経路が第1搬送経路K1から第2搬送経路K2に変更される。
第2搬送経路K2は、搬送経路K上の物品90の搬送方向Hの上流側から下流側に沿った斜め方向から搬送経路Kに対して所定の角度を有して合流する経路である。第2搬送経路K2の上流側において、第1搬送経路から搬送された物品90が投入される。第2搬送経路K2の下流側において、物品90が台車22に投入される。
【0018】
図3に示すように、インダクションコンベヤ30は、第1搬送経路K1に沿って物品90を搬送する第1コンベヤ装置31と、第2搬送経路K2に沿って物品90を搬送する第2コンベヤ装置32と、から主に構成されている。
第1コンベヤ装置31は、第1搬送経路K1の上流側から供給される物品90を受け入れ、受け入れた物品90を第1搬送経路K1の下流側の第2搬送経路K2まで搬送する。第1コンベヤ装置31は、第1搬送経路K1の上流側から下流側に沿って物品90が移動する順に、物品先端ピッチ生成コンベヤ33、投げ出しコンベヤ35の順で配置されている。図4に示すように、第1コンベヤ装置31の各コンベヤ(物品先端ピッチ生成コンベヤ33、投げ出しコンベヤ35)は、第1コンベヤ装置31全体を制御する統括コントローラ80に接続され、統括コントローラ80により制御される。
【0019】
図3及び図5に示すように、物品先端ピッチ生成コンベヤ33は、第1搬送経路K1の上流側に配置されるコンベヤである。物品先端ピッチ生成コンベヤ33は、第1搬送経路K1の上流側に配置される上流側コンベヤ33Aと、第1搬送経路K1の下流側に配置される下流側コンベヤ33Bとの2本のコンベヤにより構成されている。
上流側コンベヤ33Aは、その上流側から供給される物品90を下流側コンベヤ33Bに送り出すための送り出しコンベヤである。上流側コンベヤ33Aは、その上流側に、物品90を第1コンベヤ装置31に供給するための供給コンベヤ95が連結され、その下流側に下流側コンベヤ33Bが連結されている。上流側コンベヤ33Aは、供給コンベヤ95から連続して供給される物品90を下流側コンベヤ33Bに送り出す。
下流側コンベヤ33Bは、第1搬送経路K1に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品90間の物品先端ピッチN1を調整するための物品先端ピッチ調整コンベヤである。ここで、2つの物品90間の物品先端ピッチN1とは、隣接して搬送される2つの物品90のうちの第1搬送経路K1の上流側(物品90の搬送方向Hにおける後側)の物品90の前側端縁部と、下流側(物品90の搬送方向Hにおける前側)の物品90の前側端縁部と、の間の距離をいう。下流側コンベヤ33Bは、上流側コンベヤ33Aにより隣接して送り出される2つの物品90のうちの第1搬送経路K1の上流側(物品90の搬送方向Hにおける後側)に位置する物品90を投げ出しコンベヤ35に送り出すタイミングを制御することにより物品先端ピッチN1を調整する。
【0020】
上流側コンベヤ33Aには、上流側コンベヤ33Aによって搬送される物品90の搬送方向Hの長さL及び物品90の幅方向(物品90の搬送方向Hに対して水平に直交する方向)の長さW(図6)を計測するための物品長さ計測センサ34が設けられている。物品長さ計測センサ34は、複数の単光軸光電センサを直列接続し多光軸化したセンサである。物品長さ計測センサ34は、上流側コンベヤ33Aの上方で、上流側コンベヤ33Aの搬送面と平行に、上流側コンベヤ33Aと直交する方向で複数の単光軸光電センサを直列に配置させることにより構成される。すなわち、物品長さ計測センサ34は、その検出可能範囲が、上流側コンベヤ33Aの幅方向(上流側コンベヤ33Aの搬送面と平行な面において、上流側コンベヤ33Aが物品90を搬送する方向(物品90の搬送方向H)に対して直交する方向)となるように構成される。図4に示すように、物品長さ計測センサ34は、統括コントローラ80に接続されている。物品長さ計測センサ34は、上流側コンベヤ33Aによって搬送される物品90を検出し、検出信号を統括コントローラ80に送信する。統括コントローラ80は、上流側コンベヤ33Aの搬送速度と、物品長さ計測センサ34が物品90の検出を開始(ON)してから終了(OFF)するまでの時間と、に基づいて物品90の搬送方向Hの長さLを計測する。また、統括コントローラ80は、上流側コンベヤ33Aの搬送速度と、物品長さ計測センサ34が下流側の物品90の検出を開始(ON)してから上流側の物品90の検出を開始(ON)するまでの時間と、に基づいて上流側の物品90と下流側の物品90との間の物品先端ピッチN1を計測する。さらに、統括コントローラ80は、物品長さ計測センサ34を構成する複数の単光軸光電センサのうち物品90を検出した単光軸光電センサの検出信号(物品90を検出した単光軸光電センサの数)に基づいて物品90の幅方向の長さWを計測する。
【0021】
図3に示すように、投げ出しコンベヤ35は、第1搬送経路K1の下流側に配置されるコンベヤである。投げ出しコンベヤ35は、その上流側が物品先端ピッチ生成コンベヤ33の下流側コンベヤ33Bと連結され、その下流側が第2コンベヤ装置32の受け取りコンベヤ36に向けて配置されている。投げ出しコンベヤ35は、その搬送面が受け取りコンベヤ36の搬送面より上方となるように配置されている。すなわち、投げ出しコンベヤ35は、物品90を受け取りコンベヤ36に落下させるように投げ出す。投げ出しコンベヤ35は、下流側コンベヤ33Bから送り出された物品90を搬送し、搬送した物品90を最下流位置において受け取りコンベヤ36に向けて投げ出す。
【0022】
図1及び図3に示すように、第2コンベヤ装置32は、第2搬送経路K2の上流側において第1コンベヤ装置31から投入される物品90を受け入れ、受け入れた物品90を第2搬送経路K2の最下流位置である物品投入位置Tにおいて主コンベヤ装置20の台車22に投入する。第2コンベヤ装置32は、第2搬送経路K2の上流側から下流側に沿って物品90が移動する順に、受け取りコンベヤ36、載せ込みコンベヤ37、同期コンベヤ38、投入コンベヤ39の順で配置される。図4に示すように、第2コンベヤ装置32の各コンベヤ(受け取りコンベヤ36、載せ込みコンベヤ37、同期コンベヤ38、投入コンベヤ39)は、第2コンベヤ装置32全体を制御する統括コントローラ80に接続され、統括コントローラ80により制御される。
【0023】
図3に示すように、受け取りコンベヤ36は、第2搬送経路K2の最上流側に配置されるコンベヤである。受け取りコンベヤ36は、第1コンベヤ装置31(投げ出しコンベヤ35)から投入される物品90を受け入れ、受け入れた物品90を、受け入れた状態のまま下流側の載せ込みコンベヤ37に搬送する。
載せ込みコンベヤ37は、受け取りコンベヤ36により搬送される物品90を下流側の同期コンベヤ38に搬送するコンベヤである。
同期コンベヤ38は、載せ込みコンベヤ37により搬送される物品90を、主コンベヤ装置20の台車22の走行に同期して移動させるコンベヤである。同期コンベヤ38は、複数のコンベヤにより構成され、第2搬送経路K2に沿って連続して配置されている。
投入コンベヤ39は、第2搬送経路Kの最下流側に配置されるコンベヤである。投入コンベヤ39は、同期コンベヤ38により搬送される物品90を主コンベヤ装置20の台車22に投入する。
【0024】
図3及び図4に示すように、受け取りコンベヤ36と載せ込みコンベヤ37との連結部には、物品形状計測センサ40が設けられている。物品形状計測センサ40は、受け取りコンベヤ36及び載せ込みコンベヤ37の幅方向に沿って配置される多光軸光電センサである。物品形状計測センサ40は、統括コントローラ80に接続されている。物品形状計測センサ40は、受け取りコンベヤ36により搬送される物品90を検出し、検出信号を統括コントローラ80に送信する。統括コントローラ80は、物品形状計測センサ40から送信される検出信号に基づいて、物品90の物品形状(物品90の搬送方向Hの長さL、物品90の幅方向の長さW)、物品90の中心、受け取りコンベヤ36(載せ込みコンベヤ37)による物品90の搬送方向Hに対する物品90の傾きを計測する。また、統括コントローラ80は、物品形状計測センサ40から送信される検出信号に基づいて、投入コンベヤ39において物品90を投入する主コンベヤ装置20の台車22を検索して決定する。具体的には、物品形状計測センサ40が受け取りコンベヤ36により搬送される物品90の検出を開始(ON)する(物品90の搬送方向Hの先端が物品形状計測センサ40により検出される)と、統括コントローラ80は、物品形状計測センサ40から送信される検出信号に基づいて、投入コンベヤ39において物品90を投入すべき台車22を検索する。さらに、物品形状計測センサ40が上記物品90の検出を終了(OFF)する(物品90が物品形状計測センサ40を通過する)と、統括コントローラ80は、投入コンベヤ39において物品90を投入すべき台車22を決定する。
【0025】
複数の同期コンベヤ38のうちの最下流側に設けられる同期コンベヤ38には、物品ズレチェックセンサ41が設けられている。物品ズレチェックセンサ41は、同期コンベヤ38の幅方向に沿って配置される多光軸光電センサである。物品ズレチェックセンサ41は、統括コントローラ80に接続されている。物品ズレチェックセンサ41は、同期コンベヤ38により搬送される物品90を検出し、検出信号を統括コントローラ80に送信する。統括コントローラ80は、物品ズレチェックセンサ41から送信される検出信号に基づいて、物品ズレチェックセンサ41が検出した物品90が、物品形状計測センサ40の通過時に決定された台車22に投入可能である否かを確認する。
【0026】
図1に示すように、シュート50は、台車22から払い出される物品90を受け入れ、受け入れた物品90を下流の別設備(例えば、出荷設備)或いは直接車両(例えば、トラック)等に搬送するものである。シュート50は、搬送経路Kに沿って複数本(図1では3本)設けられている。シュート50は、それぞれのシュート50毎に予め決定された物品90を台車22から受け入れる。シュート50は、鉄板等の板状部材、ローラコンベヤ、ベルトコンベヤ等を組み合わせて構成される。シュート50は、主コンベヤ装置20に対して上方から下方に向けて傾斜するように構成される。
【0027】
次に、インダクションコンベヤ30(第1コンベヤ装置31及び第2コンベヤ装置32)における物品90の搬送について説明する。
まず、第1コンベヤ装置31における物品90の搬送について説明する。
第1コンベヤ装置31では、供給コンベヤ95から物品先端ピッチ生成コンベヤ33に物品90が供給される。供給された物品90は、隣接する下流側の物品90との物品先端ピッチN1を所定の物品先端ピッチ以上に調整された上で、物品先端ピッチ生成コンベヤ33から投げ出しコンベヤ35に送り出される。
図5に示すように、物品先端ピッチ生成コンベヤ33では、下流側コンベヤ33Bが、供給コンベヤ95から連続して供給される2つの物品90(90A、90B)のうちの第1搬送経路K1の上流側(物品90の搬送方向Hにおける後側)に位置する物品90(90A)を、投げ出しコンベヤ35に送り出すタイミング(搬送速度)を制御することにより、当該2つの物品90(90A、90B)間の物品先端ピッチN1を調整する。下流側コンベヤ33Bは、上流側コンベヤ33Aによって搬送される物品90(上流側の物品90A)と、当該上流側の物品90Aに隣接して搬送される物品90であって下流側コンベヤ33Bによって投げ出しコンベヤ35に送り出された下流側の物品90Bと、の間の物品先端ピッチN1が必要物品先端ピッチ以上であるか否かによって、上記上流側の物品90を投げ出しコンベヤ35に送り出すタイミング(搬送速度)を制御する。ここで、必要物品先端ピッチとは、物品90を第2コンベヤ装置32(投入コンベヤ39)において対象となる台車22に対して確実に投入するために必要な2つの物品90(90A、90B)間の物品先端ピッチであり、上記上流側の物品90Aの長さL1(物品90の搬送方向Hの長さ)と上記下流側の物品90Bの長さL2(物品90の搬送方向Hの長さ)との差、上記上流側の物品90Aの幅方向の長さWと上記下流側の物品90Bの幅方向の長さWとの差、物品先端ピッチ生成コンベヤ33の搬送速度、投げ出しコンベヤ35の搬送速度、及びインダクションコンベヤ30の処理能力に基づいて算出される、上流側の物品90の前側縁端部と下流側の物品90の前側縁端部との間の距離をいう。必要物品先端ピッチを、上記上流側の物品90Aの長さL1と上記下流側の物品90Bの長さL2との差、及び上記上流側の物品90Aの幅方向の長さWと上記下流側の物品90Bの幅方向の長さWとの差に基づいて算出することにより、つまり、必要物品先端ピッチを、物品90の搬送方向Hの長さL及び物品90の幅方向の長さWに基づいて算出することにより、第1コンベヤ装置31により搬送される物品90のサイズに応じた必要物品先端ピッチをより精度良く算出することができる。さらには、必要物品先端ピッチ及び物品先端ピッチN1に基づいて制御される、上流側の物品90Aを下流側コンベヤ33Bから投げ出しコンベヤ35に送り出すタイミング(搬送速度)をより精度良く制御することができる。
【0028】
図6に示すように、インダクションコンベヤ30では、物品90が第1コンベヤ装置31から第2コンベヤ装置32に移動することで、物品90の搬送方向Hが変化する。すなわち、物品90の搬送方向Hに対して物品90の向きが変化する。具体的には、物品90の搬送方向Hは、搬送経路Kに対して直交する方向から、搬送経路K上の台車22の走行方向の上流側から下流側に沿った斜め方向から搬送経路Kに対して所定の角度を有する方向に変化する。このため、隣接して搬送される2つの物品90間の間隔の制御を、物品先端ピッチN1による制御から物品中心ピッチN2による制御に変更する必要がある。ここで、物品中心ピッチN2とは、第2搬送経路K2に沿って互いに隣接して搬送される2つの物品90(90A、90B)において、第2搬送経路K2の上流側(物品90の搬送方向Hにおける後側)の物品90Aの中心位置G1と、下流側(物品90の搬送方向Hにおける前側)の物品90Bの中心位置G2と、の間の距離をいう。
さらに、インダクションコンベヤ30では、物品90は、第1コンベヤ装置31から第2コンベヤ装置32に移動する際に、第1コンベヤ装置31(投げ出しコンベヤ35)から第2コンベヤ装置32(受け取りコンベヤ36)に向けて落下するように投げ出される。このため、物品90の物品形状(物品90の長手方向の長さ、物品90の幅方向の長さ)によって、投げ出しコンベヤ35から受け取りコンベヤ36に落下する位置(載置される位置)が異なる。具体的には、物品90の物品形状が大きい場合には、物品90は受け取りコンベヤ36の幅方向の中央位置付近に落下し(例えば、図6の物品90A、90B)、物品90の物品形状が小さい場合には、物品90は、受け取りコンベヤ36の幅方向の投げ出しコンベヤ35側の端部位置付近に落下する(例えば、図6の物品90C、90D)。
このため、物品形状が大きく異なる複数の物品90を、当該物品形状の差を考慮せず一定の物品先端ピッチ(隣接して搬送される2つの物品90のうちの搬送方向Hにおける前側の物品90の前側端縁部と、物品90の搬送方向Hにおける後側の物品90の前側端縁部と、の間の距離)で第1コンベヤ装置31上を連続して搬送させると、第2搬送経路K2上での物品90間の物品中心ピッチN2が、同程度の物品形状の複数の物品90を連続して搬送する場合と比べて大きくばらつく。特に、物品形状が大きい物品90(90A)の後に物品形状が小さい物品90(90C)を連続して搬送した場合には、第2搬送経路K2上での物品90間の物品中心ピッチN2が、同程度の物品形状の物品90(物品90A、90B)を連続して搬送する場合と比べて極端に短くなる。このため、物品90間の物品中心ピッチN2の変化に合わせて、第2コンベヤ装置の投入コンベヤ39から物品90を台車22に投入するタイミングを順次変更する必要があり、第2コンベヤ装置において複雑な制御を行わなければならない。
【0029】
このようなことから、インダクションコンベヤ30では、第1コンベヤ装置31(下流側コンベヤ33B)において、上記2つの物品90間の物品形状を考慮して物品先端ピッチN1を調整する(必要物品先端ピッチに調整する)ことにより、第2搬送経路K2上を移動する物品90間の物品中心ピッチN2が所定の物品中心ピッチ以上となるように制御している。特に、第2搬送経路K2上での物品90間の物品中心ピッチN2を必要最低ピッチで且つ一定間隔とすることで、主コンベヤ装置20の搬送能力(搬送速度)を落とすことなく、インダクションコンベヤ30が物品90を対象の台車22(ベルト24)に確実に投入することができるため、第2搬送経路K2上での物品90間の物品中心ピッチN2を必要最低ピッチで且つ一定間隔に調整することが好ましい。
具体的には、図5に示すように、上流側コンベヤ33Aにより搬送される上流側の物品90Aと、当該上流側の物品90Aに隣接して搬送される物品90であって下流側コンベヤ33Bによって投げ出しコンベヤ35に送り出された下流側の物品90Bと、の間の物品先端ピッチN1が所定の物品先端ピッチ(必要物品先端ピッチ)以上の場合には、下流側コンベヤ33Bはそのままの駆動で当該上流側の物品90Aを搬送する。一方、物品先端ピッチN1が必要物品先端ピッチ以上でない場合には、下流側コンベヤ33Bはその駆動を一旦停止して当該上流側の物品90Aの搬送を止めることにより物品先端ピッチN1を必要物品先端ピッチ以上とする。
【0030】
さらに、インダクションコンベヤ30では、下流側コンベヤ33Bにおいて、上記2つの物品90間の物品形状を考慮して物品先端ピッチN1を調整する(必要物品先端ピッチに調整する)ことにより、投げ出しコンベヤ35が受け取りコンベヤ36(第2搬送経路K2上)に物品90を投入するタイミングを制御している。ここで、受け取りコンベヤ36に投入された物品90は、所定の搬送速度で最下流の投入コンベヤ39まで搬送されるため、上記タイミングを制御することで、受け取りコンベヤ36に投入された物品90が最下流の投入コンベヤ39に到達するタイミングを間接的に制御することができる。すなわち、物品90が第2コンベヤ装置32(投入コンベヤ39)によって物品投入位置Tに投入されるタイミングを予め調整することができる。このため、下流側コンベヤ33Bにおいて、当該2つの物品90間の物品形状を考慮して物品先端ピッチN1を調整する(必要物品先端ピッチに調整する)ことにより、対象とする物品90を投入すべき台車22(ベルト24)が、物品投入位置T(投入コンベヤ39が物品90を搬送経路K上に投入する位置)に到達するタイミングで、物品90を物品投入位置Tに到達させるように、物品90の搬送を制御することができる。さらには、上述のように、必要物品先端ピッチが、物品90の搬送方向Hの長さL及び物品90の幅方向の長さWに基づいてより精度よく算出されることから、投げ出しコンベヤ35が受け取りコンベヤ36(第2搬送経路K2上)に物品90を投入するタイミングを、第1コンベヤ装置31により搬送される物品90のサイズに応じてより正確に制御することができる。
【0031】
次に、第2コンベヤ装置32における物品90の搬送について説明する。
第2コンベヤ装置32では、第1コンベヤ装置31の投げ出しコンベヤ35から投げ出された物品90を受け取りコンベヤ36で受け入れ、受け入れた物品90を最下流の投入コンベヤ39まで搬送して台車22に投入する。
受け取りコンベヤ36で受け入れた物品90は、物品形状計測センサ40により検出されることで、投入対象となる台車22(ベルト24)が割り当てられる。台車22が割り当てられた物品90は、割り当てられた台車22の走行と同期して移動するように、同期コンベヤ38によって搬送される。そして、同期コンベヤ38によって搬送される物品90は、物品ズレチェックセンサ41により検出されることで、投入対象の台車22(ベルト24)との同期のズレが検出される。ここで、物品ズレチェックセンサ41が、投入対象の台車22(ベルト24)との同期のズレを検出しなかった場合、すなわち、投入対象の台車22(ベルト24)に物品90を投入可能であると判断した場合には、最下流側の同期コンベヤ38は物品90をそのまま投入コンベヤ39に送り出す。一方で、物品ズレチェックセンサ41が、投入対象の台車22(ベルト24)との同期のズレを検出した場合、すなわち、投入対象の台車22(ベルト24)に物品90を投入不能であると判断した場合には、最下流側の同期コンベヤ38は物品90を一旦停止させ、又は物品90の搬送速度を減速して、投入対象の台車22(ベルト24)との同期のズレを補正して投入コンベヤ39に送り出す。
以上のように、下流側コンベヤ33Bにおいて、2つの物品90間の物品先端ピッチN1を調整して、投げ出しコンベヤ35が受け取りコンベヤ36に物品90を投入するタイミングを制御することによって、物品90が投入コンベヤ39によって物品投入位置Tに投入されるタイミングを制御する。そして、下流側コンベヤ33Bにおいて当該タイミングが制御されて同期コンベヤ38まで搬送された物品90と、当該物品90を投入する対象の台車22(ベルト24)と、の間に同期のズレが生じている場合には、同期コンベヤ38においてその同期のズレを補正した後、当該物品90を投入コンベヤ39まで搬送する。
【0032】
投入コンベヤ39は、同期コンベヤ38から送り出された物品90を、搬送経路Kに沿って走行する複数の台車22(ベルト24)のうち所定数の台車22(ベルト24)おきに投入する。例えば、図1に示すように、3本のインダクションコンベヤ30を用いて物品90を投入する場合には、搬送経路Kに沿って走行する台車22を3台ずつのグループに分類し、分類した3台の台車22のうちの先頭を走行する台車22に対して、3本のインダクションコンベヤ30のうちの最上流側のインダクションコンベヤ30の投入コンベヤ39から物品90を投入する。続いて、分類した3台の台車22のうちの中央を走行する台車22に対して、3本のインダクションコンベヤ30のうちの中央のインダクションコンベヤ30の投入コンベヤ39から物品90を投入する。さらに続いて、分類した3台の台車22のうちの最後尾を走行する台車22に対して、3本のインダクションコンベヤ30のうちの最下流側のインダクションコンベヤ30の投入コンベヤ39から物品90を投入する。すなわち、インダクションコンベヤ30は、3台の台車22おきに物品90を投入コンベヤ39から投入する。
【0033】
一方で、投入コンベヤ39は、第1コンベヤ装置31によって決定された物品90を投入すべき台車22(ベルト24)に対して物品90を投入することができない場合には、物品90を投入すべき台車22(ベルト24)が物品投入位置Tを通過してから所定数後方の台車22(ベルト24)に対して物品90を投入する。例えば、上述のように、3台の台車22おきに物品90を投入コンベヤ39から投入する場合であって、且つ、投入すべき台車22に対して物品90を投入することができない場合には、投入コンベヤ39は、投入すべき台車22が物品投入位置Tを通過してから3台後方の台車22に対して物品90を投入する。すなわち、投入コンベヤ39は、物品90を投入する台車22のグループ単位当たりの台数(上記例であれば3台)を変更することなく、物品90を投入する台車22のグループを1つ飛ばして次のグループの台車22に投入する。
【0034】
以上のように、本実施の形態によると、台車22(ベルト24)に対して物品90を投入する第2搬送経路K2(第2コンベヤ装置32)と異なる第1搬送経路K1(第1コンベヤ装置31)において、物品90が第2コンベヤ装置32によって物品投入位置Tに投入されるタイミングを予め調整し、且つ台車22(ベルト24)に対して物品90を投入する直前の第2搬送経路K2(第2コンベヤ装置32)においてベルト24への物品90の投入時におけるベルト24上での物品90の載置位置の調整を行うことから、物品90の物品形状の大小を問わず、主コンベヤ装置20の搬送能力(搬送速度)に合わせて第2搬送経路K2(第2コンベヤ装置32)での物品90の搬送を制御することができる。そのため、主コンベヤ装置20の搬送能力(搬送速度)を落とすことなく、インダクションコンベヤ30が物品形状の異なる物品90を連続して対象の台車22(ベルト24)に確実に投入することができる。
【0035】
なお、本実施の形態においては、主コンベヤ装置20(台車22)における物品支持体をベルト24(自身駆動のクロスベルト式)により構成しているが、これに限定されるものではなく、物品90を載置して支持可能な構成であれば、例えば、トレー(自身非駆動のチルトトレー式)により構成しても構わない。
本実施の形態においては、統括コントローラ80が第1コンベヤ装置31全体及び第2コンベヤ装置32全体を制御しているが、このような制御構成に限定されるものではなく、例えば、第1コンベヤ装置31及び第2コンベヤ装置32をそれぞれ個別のコントローラで制御(例えば、第1コンベヤ装置31を第1コントローラが制御し、第2コンベヤ装置32を第2コントローラが制御)し、当該個別のコントローラ(第1コントローラ及び第2コントローラ)を統括コントローラ80が統括して制御する制御構成であっても構わない。
本実施の形態においては、投げ出しコンベヤ35が受け取りコンベヤ36(第2搬送経路K2上)に物品90を投入するタイミングを制御するために算出される必要物品先端ピッチを、物品90の搬送方向Hの長さL及び物品90の幅方向の長さWに基づいて算出しているが、これに限定されるものではなく、必要物品先端ピッチを、物品90の幅方向の長さWを考慮せずに、物品90の搬送方向Hの長さLに基づいて算出しても構わない。
本実施の形態においては、物品長さ計測センサ34を、複数の単光軸光電センサを直列接続し多光軸化したセンサにより構成しているが、これに限定されるものではなく、多光軸光電センサにより構成しても構わない。また、物品90の搬送方向Hの長さL及び物品90の幅方向の長さWを検出可能なセンサであれば、物品長さ計測センサ34を例えばレーザセンサ等により構成しても構わない。
本実施の形態においては、物品形状計測センサ40及び物品ズレチェックセンサ41を多光軸光電センサにより構成しているが、これに限定されるものではなく、複数の単光軸光電センサを直列接続し多光軸化したセンサにより構成しても構わない。また、物品90の搬送方向Hの長さL及び物品90の幅方向の長さWを検出可能なセンサであれば、物品形状計測センサ40及び物品ズレチェックセンサ41を例えばレーザセンサ等により構成しても構わない。
【符号の説明】
【0036】
10 物品搬送設備
20 主コンベヤ装置
23 台車本体(走行ユニット)
24 ベルト(物品支持体)
30 インダクションコンベヤ(物品投入装置)
31 第1コンベヤ装置
32 第2コンベヤ装置
90 物品
K 搬送経路
K1 第1搬送経路
K2 第2搬送経路
T 物品投入位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6