(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】超音波診断装置及び超音波診断システム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
A61B8/00
(21)【出願番号】P 2019549031
(86)(22)【出願日】2017-10-17
(86)【国際出願番号】 JP2017037497
(87)【国際公開番号】W WO2019077675
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】足立 直人
(72)【発明者】
【氏名】米田 直人
(72)【発明者】
【氏名】小林 真理
(72)【発明者】
【氏名】玉村 雅也
(72)【発明者】
【氏名】井上 あまね
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-227356(JP,A)
【文献】特開2012-090712(JP,A)
【文献】特開2010-227357(JP,A)
【文献】特開2009-060992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に向けて超音波を送信し、前記被検体により反射された超音波を受信する探触子と、
前記探触子により受信された超音波に基づく超音波画像データをデジタルデータに変換する画像処理部と、
前記画像処理部から出力される前記デジタルデータを出力する本体部と、
前記画像処理部と前記本体部との電気的な接続及び遮断を行うコネクタと、
前記探触子と前記画像処理部が収納される第一の筐体と、
前記本体部が収納される第二の筐体と、
前記コネクタによる前記画像処理部と前記本体部との電気的な接続が遮断された状態において、前記第一の筐体と前記第二の筐体とを連結させる着脱機構と、を有する超音波診断装置。
【請求項2】
他の探触子と、前記他の探触子と対応した他の画像処理部と、
前記他の画像処理部と、前記本体部との電気的な接続及び遮断を行う他のコネクタと、を有し、
前記他の探触子と、前記他の画像処理部とは、第三の筐体に収納され、
前記第二の筐体に対して前記第三の筐体を着脱させる他の着脱機構を有する、請求項
1
記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記本体部は、
外部の端末装置と無線通信を行う無線通信部と、前記本体部、前記探触子及び前記画像処理部に電力を供給する電源部と、を有し、
前記デジタルデータを、前記無線通信部を介して前記端末装置へ出力する、請求項
1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記本体部は、
外部の端末装置と有線による通信を行う通信部と、前記本体部、前記探触子及び前記画像処理部に電力を供給する電源部と、を有し、
前記デジタルデータを、前記通信部を介して前記端末装置へ出力する、請求項1乃至
3の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記本体部は、
前記本体部、前記探触子及び前記画像処理部に電力を供給する電源部と、前記デジタルデータを表示させる表示部と、を有する、請求項1乃至
3の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
超音波診断装置と、端末装置とを有する超音波診断システムであって、
前記超音波診断装置は、
被検体に向けて超音波を送信し、前記被検体により反射された超音波を受信する探触子と、
前記探触子により受信された超音波に基づく超音波画像データをデジタルデータに変換する画像処理部と、
前記画像処理部から出力される前記デジタルデータを前記端末装置に出力する本体部と、
前記画像処理部と前記本体部との電気的な接続及び遮断を行うコネクタと、
前記探触子と前記画像処理部が収納される第一の筐体と、
前記本体部が収納される第二の筐体と、
前記コネクタによる前記画像処理部と前記本体部との電気的な接続が遮断された状態において、前記第一の筐体と前記第二の筐体とを連結させる着脱機構と、を有する超音波診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置及び超音波診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対象者に向けて超音波を照射し、対象者からの反射波を受信して超音波画像を取得する超音波診断装置が知られている。また、超音波診断装置によって超音波画像を撮像する際には、観察する対象の部位によって、超音波の周波数や、超音波の送受信を行う探触子の形状が異なることが知られている。
【0003】
このため、従来では、対象部位に応じて、超音波の送受信を行う音響素子群を含む先端部(探触子)と、この先端部とケーブルを介して接続された装置本体とを着脱可能とした超音波診断装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6067966号公報
【文献】特許第6024120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
探触子と装置本体との接続では、超音波の送受信を行うために多チャネルの信号線が必要となる。また、探触子が受信する超音波の反射波は、生体からの反射信号であるため、非常に微弱なアナログ信号となる。
【0006】
このため、超音波画像の画質を維持するためには、探触子と装置本体とを接続するケーブルが非常に高価なものとなる上に、その取り扱いが難しく、装置本体に対して探触子を着脱することが容易にできない。
【0007】
開示の技術は、上記事情に鑑みてこれを解決すべくなされたものであり、容易に探触子の着脱を行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術は、被検体に向けて超音波を送信し、前記被検体により反射された超音波を受信する探触子と、前記探触子により受信された超音波に基づく超音波画像データをデジタルデータに変換する画像処理部と、前記画像処理部から出力される前記デジタルデータを出力する本体部と、前記画像処理部と前記本体部との電気的な接続及び遮断を行うコネクタと、前記探触子と前記画像処理部が収納される第一の筐体と、前記本体部が収納される第二の筐体と、前記コネクタによる前記画像処理部と前記本体部との電気的な接続が遮断された状態において、前記第一の筐体と前記第二の筐体とを連結させる着脱機構と、を有する超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0009】
容易に探触子の着脱を行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。
【
図2】第一の実施形態の超音波診断装置における探触子の着脱を説明する図である。
【
図3】第二の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。
【
図4】第三の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。
【
図5】第四の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。
【
図6】第四の実施形態の超音波診断装置における探触子の着脱を説明する図である。
【
図7】第四の実施形態の超音波診断システムの他の構成を示す図である。
【
図8】第四の実施形態の超音波診断装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。
【0012】
本実施形態の超音波診断システム100は、超音波診断装置200と、端末装置300とを有する。超音波診断装置200と、制御装置300とは、無線通信を行う。
【0013】
はじめに、本実施形態の超音波診断装置200について説明する。本実施形態の超音波診断装置200は、探触子230を含む超音波画像取得部210と、本体部220と、を有する。
【0014】
本実施形態の超音波画像取得部210と、本体部220とは、コネクタ250によって電気的に接続又は分離される。言い換えれば、本実施形態の超音波診断装置200において、探触子230を含む超音波画像取得部210は、本体部220に対して着脱可能となっている。
【0015】
本実施形態の超音波画像取得部210は、探触子230と、画像処理部240とを有する。探触子230は、超音波を生体(被検体)Pに送信(照射)し、その反射波を受信する。
【0016】
画像処理部240は、制御部241、パルサ・スイッチ部242、AMP(amplifier)・ADC(analog to digital converter)部243、デジタル信号処理部244を有し、探触子230から超音波を送信させ、探触子230が受信した反射波(超音波)に基づく超音波画像データを生成し、本体部220に出力する。
【0017】
制御部241は、超音波診断装置200の全体を制御する。また、制御部241は、I2C(I-squared-C)等によって、コネクタ250と接続されている。本体部220から出力された信号は、コネクタ250を介して制御部241に入力される。
【0018】
パルサ・スイッチ部242は、スイッチ部により探触子230を選択してパルス信号を探触子230に送信して、探触子230から超音波を生体Pに照射させる。
【0019】
生体Pは、超音波が照射されると、音響インピーダンスが異なる境界においてその超音波を反射する。生体Pから反射された反射波は、探触子230によって受信され、パルサ・スイッチ部242のスイッチ部により選択されたAMP・ADC部243に出力される。
【0020】
AMP・ADC部243は、パルサ・スイッチ部242から出力された超音波の反射波を、アンプ(AMP)により増幅して、ADCによりデジタル信号に変換して、デジタル信号処理部244に出力する。
【0021】
デジタル信号処理部244は、AMP・ADC部243から出力されたデジタル信号に対して各種の処理を行って、超音波画像データを取得し、コネクタ250を介して本体部220へ出力する。
【0022】
具体的には、デジタル信号処理部244で行われる処理は、パルサ・スイッチ部242から反射波が出力されたタイミングからの遅延分を揃える処理、平均化(整相加算)処理、生体P内での減衰を加味したゲイン補正処理、輝度情報を取り出す為の包絡線処理等を含む。
【0023】
デジタル信号処理部244は、SPI(Serial Peripheral Interface)等によって、コネクタ250と接続されており、SPIによって超音波画像データを本体部220へ送信する。
【0024】
本実施形態の本体部220は、無線通信部221と、電源部222と、を有し、コネクタ250を介して超音波画像取得部210と接続される。
【0025】
無線通信部221は、端末装置300との通信を行う。具体的には、無線通信部221は、例えば、端末装置300と、Wi-Fi等の規格に応じた無線通信を行う。尚、無線通信に用いられる規格は、Wi-Fiに限定されず、他の規格であっても良い。
【0026】
無線通信部221は、コネクタ250と接続されており、端末装置300から送信された信号を受信する。具体的には、無線通信部221は、例えば、超音波の照射指示等を端末装置300から受信する。
【0027】
また、本実施形態の無線通信部221は、超音波画像取得部210から出力された信号を端末装置300へ送信する。具体的には、無線通信部221は、端末装置300へ超音波画像データを送信する。
【0028】
電源部222は、例えば、充放電可能な二次電池等であり、超音波診断装置200の各部に電力を供給する。
【0029】
このように、本実施形態の超音波診断装置200では、超音波画像取得部210によって超音波画像データがデジタル化された後に、デジタル信号として本体部220に出力される。言い換えれば、本実施形態によれば、超音波画像取得部210と本体部220との間で、受け渡しが行われる超音波画像データは、デジタル信号(デジタルデータ)となる。
【0030】
また、本実施形態では、I2CやSPI等のバスを用いて信号の受け渡しを行うため、超音波画像取得部210と本体部220との間のインターフェイスを、数本のデジタル信号線で実現することができる。したがって、本実施形態によれば、超音波画像取得部210と本体部220とを接続するコネクタ250を簡易な構成とすることができる。
【0031】
このため、本実施形態によれば、簡易な構成で、超音波画像取得部210と本体部220とを電気的に接続又は分離させることができる。また、本実施形態によれば、コネクタ250を介して受け渡しされる信号は、超音波画像データをデジタル信号とするため、超音波画像取得部210と本体部220とを接続又は分離させることによる画質の劣化は生じず、超音波画像データの画質を維持することができる。
【0032】
次に、本実施形態の端末装置300について説明する。本実施形態の端末装置300は、CPU(Central Processing Unit)310、無線通信部311、メモリ312、ディスプレイ313を有する。
【0033】
CPU310は、端末装置300の全体の動作を制御する。無線通信部311は、超音波診断装置200から送信された信号を受信する。具体的には、無線通信部311は、超音波診断装置200から送信される超音波画像データを受信する。
【0034】
メモリ312は、無線通信部311が受信した超音波画像データや、CPU310による演算の結果のデータ等が格納される。
【0035】
ディスプレイ313は、超音波診断装置200から受信した超音波画像データ等が表示される。
【0036】
尚、本実施形態の端末装置300は、例えば、タブレット型の端末装置であっても良く、その場合には、ディスプレイ313は、タッチパネル等を備えるものになる。
【0037】
本実施形態の超音波診断システム100では、超音波診断装置200から、無線通信によって、超音波画像データを端末装置300へ送信する。したがって、本実施形態によれば、超音波診断装置200を生体Pに走査させる際に、超音波診断装置200の操作者の動きが通信用のケーブル等によって制限されることがない。
【0038】
次に、
図2を参照して、本実施形態の超音波診断装置200における超音波画像取得部210(探触子230)の本体部220に対する着脱について説明する。
【0039】
図2は、第一の実施形態の超音波診断装置における探触子の着脱を説明する図である。
【0040】
図2に示す状態1は、超音波画像取得部210と本体部220とがコネクタ250によって電気的に接続されている状態を示す。
【0041】
本実施形態の超音波診断装置200では、画像処理部240が実装された基板と、本体部220が実装された基板とが、それぞれ別々の筐体270、280に収納される。そして、画像処理部240が実装された基板には、接続部が凸型のコネクタ250-1が設けられており、本体部220が実装された基板には、接続部が凹型のコネクタ250-2が設けられている。コネクタ250-1とコネクタ250-2は、互いに抜き差し可能である。
【0042】
本実施形態では、コネクタ250-1をコネクタ250-2に挿入することで、画像処理部240(超音波画像取得部210)と本体部220とが電気的に接続され、且つ、筐体270と筐体280とが連結される。尚、上述した説明では、コネクタ250-1が凸型とし、コネクタ250-2が凹型としているが、コネクタ250の形状はこれに限定されない。
【0043】
また、本実施形態では、筐体270と、筐体280とを着脱可能とするための着脱機構260を有する。
【0044】
着脱機構260は、例えば、筐体280に固定されており、コネクタ250による超音波画像取得部210と本体部220との電気的接続が遮断された状態において、筐体270を筐体280と連結した状態で保持できるようにする。また、着脱機構260は、筐体270を筐体280から取り外せるようにする。
【0045】
図2に示す状態2は、コネクタ250-1とコネクタ250-2とが分離され、超音波画像取得部210と本体部220との電気的な接続が遮断された状態であり、且つ、筐体270と筐体280とが着脱機構260により連結した状態を示す。
【0046】
このように、本実施形態では、超音波画像取得部210と本体部220との電気的な接続を遮断し、且つ、筐体270を筐体280と連結させた状態とすることができる。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、超音波画像取得部210が収納された筐体270の紛失を抑制することができる。言い換えれば、本体部220から取り外された探触子230の紛失を抑制することができる。
【0048】
図2に示す状態3は、筐体270が着脱機構260から取り外された状態を示す。言い換えれば、状態3は、超音波診断装置200から、超音波画像取得部210が収納された筐体270が取り外された状態を示す。
【0049】
本実施形態では、状態3のように、筐体270を完全に取り外すこともできる。したがって、本実施形態では、筐体270を取り外した後に、状態4、状態5に示すように、探触子230とは種類が異なる探触子を有する他の超音波画像取得部が収納された筐体290を本体部220に取り付けることができる。
【0050】
状態4は、着脱機構260に、筐体290が取り付けられた状態を示す。尚、筐体290に収納された基板にも、コネクタ250-1が設けられるものとした。
【0051】
状態4では、筐体280と筐体290とが着脱機構260によって連結されており、且つ、筐体290に収納されている超音波画像取得部と、本体部220とは、電気的に接続されていない状態を示す。
【0052】
状態5は、筐体290に収納されている超音波画像取得部と、本体部220とが電気的に接続されて、筐体280と筐体290と着脱機構260により連結された状態を示す。言い換えれば、状態5は、探触子230を含む超音波画像取得部210が、他の探触子を含む超音波画像取得部に取り替えられた状態を示す
このように、本実施形態によれば、超音波診断装置200の用途に応じて探触子を交換することができる。尚、探触子は、例えば、リニアタイプ、コンベックスタイプ、セクタタイプ等の様々な種類、形状のものが存在している。
【0053】
本実施形態では、例えば、筐体270を筐体280から引き離す方向に引くことで、コネクタ250-1からコネクタ250-2が引き抜かれ、且つ、筐体270と筐体280の連結が保持されるように、着脱機構260を構成しても良い。また、本実施形態では、状態2から、さらに筐体270を筐体280から離す方向に引くことで、着脱機構260から筐体270が取り外された状態3となるように、着脱機構260を構成しても良い。
【0054】
また、本実施形態の超音波診断装置200は、例えば、筐体270又は筐体280に設けられた操作部材等を操作することで、状態1から状態2となるように、着脱機構260を構成しても良い。
【0055】
また、本実施形態は、例えば、状態2において、筐体270を筐体280に近づけるように押し込むことで、コネクタ250-1にコネクタ250-2が差し込まれ、且つ、筐体270と筐体280が連結するように、着脱機構260が構成されていても良い。
【0056】
このように、本実施形態によれば、簡易な構成で、容易に探触子230の着脱を行える。
【0057】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態の超音波診断システムは、超音波診断装置と端末装置との間の通信を無線ではなく有線で行う点のみ、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0058】
図3は、第二の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。本実施形態の超音波診断システム100Aは、超音波診断装置200Aと端末装置300Aとを有する。超音波診断システム100Aにおいて、超音波診断装置200Aと端末装置300Aとは、有線によって通信を行う。
【0059】
本実施形態の超音波診断装置200Aは、超音波画像取得部210と、本体部220Aとを有する。本体部220Aは、通信部221Aと、電源部222と、を有する。
【0060】
本実施形態の通信部221Aは、コネクタ250と接続されており、超音波画像取得部210から受信した超音波画像データを、有線による通信にて、端末装置300Aへ送信する。尚、有線による通信は、超音波診断装置200Aと端末装置300Aとの間の通信に適用できる通信方式によるものであれば、どのような方式であっても良い。
【0061】
本実施形態の端末装置300Aは、CPU310、通信部311A、メモリ312、ディスプレイ313を有する。本実施形態の通信部311Aは、超音波診断装置200Aと有線にて通信を行う。
【0062】
本実施形態の超音波診断システム100Aでは、超音波診断装置200Aと端末装置300Aとが有線による通信を行う場合であっても、第一の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0063】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態の超音波診断装置は、ディスプレイを有する点が第一の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0064】
図4は、第三の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。本実施形態の超音波診断装置200Bは、超音波画像取得部210と、本体部220Bと、を有する。
【0065】
本実施形態の本体部220Bは、電源部222、CPU223、メモリ224、ディスプレイ225を有する。
【0066】
CPU223は、本体部220Bの動作を制御する。具体的には、CPU223は、コネクタ250と接続されており、超音波画像取得部210から出力された超音波画像データが入力される。CPU223は、超音波画像データが入力されると、この超音波画像データをディスプレイ225に表示させても良い。
【0067】
メモリ224は、CPU223が取得した超音波画像データや、CPU223による演算の結果のデータ等が格納される。
【0068】
ディスプレイ225は、CPU223が取得した超音波画像データ等が表示される。また、ディスプレイ225は、超音波診断装置200Bの操作に関する各種の情報が表示されても良い。
【0069】
このように、本実施形態によれば、超音波診断装置200Bにディスプレイ225が設けられているため、端末装置300と通信をせずに、超音波画像データを表示させることができる。言い換えれば、本実施形態によれば、超音波画像データを表示させるための端末装置300が不要となる。
【0070】
(第四の実施形態)
以下に図面を参照して、第四の実施形態について説明する。第四の実施形態の超音波診断装置は、2つの探触子を本体部220に接続することができる点が第一の実施形態と相違する。よって、以下の第四の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0071】
図5は、第四の実施形態の超音波診断システムの構成を示す図である。本実施形態の超音波診断システム100Bは、超音波診断装置200Cと端末装置300とを有する。超音波診断システム100Aにおいて、超音波診断装置200Cと端末装置300とは、無線通信を行う。
【0072】
本実施形態の超音波診断装置200Cは、超音波画像取得部210-1、210-2、本体部220Bを有する。
【0073】
超音波画像取得部210-1は、探触子230-1と、画像処理部240-1とを有する。超音波画像取得部210-2は、探触子230-2と、画像処理部240-2とを有する。
【0074】
探触子230-1と探触子230-2とは、それぞれが種類の異なる探触子である。また、画像処理部240-1は、探触子230-1と対応した設定がされており、画像処理部240-2は、探触子230-2と対応した設定がされている。
【0075】
また、超音波画像取得部210-1は、コネクタ250Aを介して本体部220Bと接続され、超音波画像取得部210-2は、コネクタ250Bを介して本体部220Bと接続される。
【0076】
つまり、本実施形態では、画像処理部240-1が実装された基板には、接続部が凸型のコネクタ250A-1が設けられ、画像処理部240-2が実装された基板には、接続部が凹型のコネクタ250A-2が設けられている。
【0077】
また、本実施形態の本体部220Bが実装された基板には、コネクタ250A-1と接続される接続部が凹型のコネクタ250A-2と、コネクタ250B-1と接続される接続部が凹型のコネクタ250B-2と、が設けられている。
【0078】
コネクタ250B-1とコネクタ250B-2は、それぞれが無線通信部221と接続される。
【0079】
画像処理部240-1と画像処理部240-2のそれぞれの構成は、画像処理部240と同様であるから、説明を省略する。また、本体部220Bの構成は、本体部220と同様であるから、説明を省略する。
【0080】
次に、
図6を参照して、本実施形態の超音波診断装置200Cにおける超音波画像取得部210-1、210-2(探触子230-1、230-2)の本体部220Bに対する着脱について説明する。
【0081】
図6は、第四の実施形態の超音波診断装置における探触子の着脱を説明する図である。状態1は、本体部220Bが実装された基板が収納された筐体280に、超音波画像取得部210-1が収納された筐体270-1と、超音波画像取得部210-2が収納された筐体270-2とが取り付けられた状態を示している。
【0082】
状態2は、超音波画像取得部210-1が本体部220Bから離される方向に引かれ、コネクタ250A-1からコネクタ250A-2が引き抜かれ、且つ、超音波画像取得部210-1が着脱機構260-1によって本体部220Bと連結されている状態を示す。
【0083】
本実施形態では、例えば、状態1から状態2となったときに、超音波画像取得部210-2の探触子230-2から、超音波が送信されるようにしても良い。つまり、本実施形態の超音波診断装置200Cでは、本体部220Bに探触子230-1、230-2が電気的に接続されている場合には、探触子230-1、探触子230-2のどちらからも超音波を送信させない。そして、超音波診断装置200Cは、探触子230の何れか一方と本体部220Bとが、電気的に分離されたとき、本体部220Bと電気的に接続されている他方の探触子230から超音波を送信させても良い。
【0084】
言い換えれば、超音波診断装置200Cは、本体部220Bと電気的に接続された探触子230が1つとなった場合に、この探触子230から超音波を送信しても良い。
【0085】
この場合、超音波診断装置200Cでは、状態2となったときに、超音波画像取得部210-2の探触子230-2からの超音波の送信が可能となる。
【0086】
図6の状態4と状態5は、
図2の状態4と状態5と同様であるから、説明を省略する。また、超音波診断装置200Cは、例えば、状態6に示すように、着脱機構260-1から筐体270を取り外されると、筐体280と筐体270-2とが連結され、本体部220Bと超音波画像取得部210-2とが電気的に接続された状態となる。つまり、状態6では、超音波診断装置200Cは、1つの探触子230-2を有する超音波診断装置となる。
【0087】
尚、本実施形態では、本体部220Bと電気的に接続された探触子230が1つとなったときに、この探触子230から超音波を送信させるものとしたが、これに限定されない。本実施形態の超音波診断装置200Cは、例えば、状態1のように、探触子230-1、探触子230-2が電気的に本体部220Bと接続された状態において、端末装置300からの指示に基づいて、超音波を送信させる探触子230が選択されても良い。
【0088】
また、本実施形態では、例えば、超音波診断装置200Cに、超音波を送信させる探触子230を指定するための操作部材等が設けられており、この操作部材によって選択された探触子230から、超音波を送信させても良い。
【0089】
このように、本実施形態によれば、1台の超音波診断装置200Cに、複数の探触子230を設け、使用する探触子230を本体部220Bに接続し、使用しない探触子230を本体部220Bから分離することができる。また、本実施形態では、探触子230を有する超音波画像取得部210と本体部220Bとの間で受け渡しされる超音波画像データは、デジタル信号であるため、探触子230の着脱を容易に行うことができ、且つ、超音波画像の画質を維持することができる。
【0090】
以下に、
図7、
図8について、本実施形態の他の例について説明する。
図7は、第四の実施形態の超音波診断システムの他の構成を示す図である。
【0091】
図7に示す超音波診断システム100Cは、超音波診断装置200Dと端末装置300Aとを有する。超音波診断装置200Dは、超音波画像取得部210-1、超音波画像取得部210-2と、本体部220Aとを有する。
【0092】
本実施形態の超音波診断システム100Cでは、超音波診断装置200Dと端末装置300Aとが有線によって通信すること以外は、
図5の超音波診断システム100Bと同様の構成であるから、説明を省略する。
【0093】
図8は、第四の実施形態の超音波診断装置を示す図である。本実施形態の超音波診断装置200Eは、超音波画像取得部210-1、210-2と、本体部220Bとを有する。超音波画像取得部210-1は、コネクタ250Aを介して本体部220Bと電気的に接続され、超音波画像取得部210-2は、コネクタ250Bを介して本体部220Bと電気的に接続される。
【0094】
図8に示す超音波診断装置200Eは、超音波画像取得部210-2を設けた点以外は、第三の実施形態の超音波診断装置200Bと同様の構成であるから、説明を省略する。
【0095】
以上の説明したように、本実施形態によれば、超音波診断装置の本体部に対して探触子を着脱する際に、探触子と、超音波画像データをデジタル化する画像処理部とを含む超音波画像取得部ごと、着脱できるようにした。したがって、本実施形態によれば、探触子を着脱することで、超音波画像の画質が劣化することがない。また、探触子と画像処理部とを接続する信号線(ケーブル)は、探触子と画像処理部とが収納された筐体の内部に存在するため、超音波診断装置の利用者は、探触子の着脱の際にこの信号線に触れる必要がない。
【0096】
したがって、本実施形態によれば、超音波画像の画質を劣化させずに、探触子の着脱を容易に行える。
【0097】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0098】
100、100A~100C 超音波診断システム
200、200A~200E 超音波診断装置
210 超音波画像取得部
220、220A、220B 本体部
221 無線通信部
221A 通信部
222 電源部
225、313 ディスプレイ
230 探触子
240 画像処理部
241 制御部
242 パルサ・スイッチ部
243 AMP・ADC部
244 デジタル信号処理部
300、300A 端末装置