(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】低ノイズ多軸MEMS加速度計
(51)【国際特許分類】
G01P 15/18 20130101AFI20220524BHJP
G01P 15/125 20060101ALI20220524BHJP
G01P 15/08 20060101ALI20220524BHJP
H01L 29/84 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
G01P15/18
G01P15/125 Z
G01P15/08 101C
H01L29/84 Z
(21)【出願番号】P 2020149891
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2020-09-07
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】マッティ・リウック
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッレ-ペッカ・リュトゥコネン
(72)【発明者】
【氏名】アンッシ・ブロムクヴィスト
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0122579(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0238925(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0188283(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P15/00-15/18
H01L29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMS加速度計であって、
基板平面を規定する基板と、
少なくとも2つの試験質量であり、両方の試験質量は、前記基板平面に対して非平行に回転し、前記基板平面に対して平行に動くように構成され、前記少なくとも2つの試験質量の結合重心は、前記加速度計の中心にある、少なくとも2つの試験質量と、
前記基板平面に平行に動くように構成された少なくとも1つの面内構造であり、前記少なくとも2つの試験質量は、前記少なくとも1つの面内構造に回転可能に接続され、結果、前記基板平面に平行な前記少なくとも2つの試験質量の運動が、前記基板平面に平行な前記少なくとも1つの面内構造の運動を引き起こす、少なくとも1つの面内構造と、
前記基板平面に平行な前記少なくとも2つの試験質量の動きを検知するように構成された第1のセンス回路と、
前記少なくとも2つの試験質量の、前記基板平面に対して非平行な回転を検知するように構成された第2のセンス回路と
を備え、
前記少なくとも2つ
の試験質量は、前記少なくとも1つの面内構造に対して前記MEMS加速度計の外側に向かって配置さ
れ、
前記少なくとも2つの試験質量は、前記少なくとも1つの面内構造の外部にわたって延伸する2つのC字形試験質量を含み、結果、前記2つのC字形試験質量は鏡像として配置され、前記試験質量は、面外軸の外部加速度に応答して反対方向に回転するように構成される、MEMS加速度計。
【請求項2】
面外軸内の外部加速度が各試験質量の非対称質量に作用して、回転軸を中心に前記試験質量を回転させ、
前記基板平面に平行な第1の軸内の外部加速度が両方の試験質量の前記非対称質量および対称質量に作用して、前記試験質量を前記基板平面に平行に動かす
ように、各試験質量の重心が、回転軸からオフセットされている、請求項1に記載のMEMS加速度計。
【請求項3】
前記第2のセンス回路は、
各試験質量上に配置された1つまたは複数の可動電極と、前記基板に対して固定位置にある固定電極とを備え、前記可動電極と前記固定電極はキャパシタを形成し、前記キャパシタの静電容量は、前
記試験質量が回転軸を中心に回転するときに変化する、請求項2に記載のMEMS加速度計。
【請求項4】
前記少なくとも1つの面内試験質量は、1つまたは複数のアンカーポイントにおいてばねを介して前記基板に固定され、前記ばねは、前記基板平面に平行な前記少なくとも1つの面内
構造の運動を可能にし、前記基板平面外の前記少なくとも1つの面内
構造の運動に抵抗する、請求項1~3のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項5】
前記少なくとも1つの面内試験質量の重心は、前記加速度計の中心に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項6】
前記1つまたは複数のアンカーポイントは、前記MEMS加速度計の線形加速が前記少なくとも1つの面内構造と前記少なくとも2つの試験質量との組み合わせに対して全体的なトルクを生成しないように、前記少なくとも1つの面内構造と前記少なくとも2つ
の試験質量との結合重心に対して対称的に配置される、請求項5に記載のMEMS加速度計。
【請求項7】
前記1つまたは複数のアンカーポイントは、前記少なくとも1つの面内構造および前記少なくとも2つの試験質量の結合重心にまたは結合重心の近くに配置される、請求項4~6のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項8】
前記少なくとも2つの試験質量が、ねじりばねを介して前記少なくとも1つの面内構造に接続され、前記ねじりばねは、前記基板平面に平行でない前記少なくとも2つの試験質量の回転を可能にし、前記少なくとも1つの面内構造に対する前記基板平面に平行な前記少なくとも2つの試験質量の動きに抵抗する、請求項1~7のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項9】
前記2つのC字
形試験質量は、少なくとも2つのばねによって結合され、少なくとも1つのばねが前記C字形の各端部に配置され、結果、前記ばねは、前記2つのC字
形試験質量の反対方向の回転を可能にし、ただし、同じ方向における前記2つのC字
形試験質量の回転に抵抗する、請求項
1~8のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項10】
前記第1のセンス回路は、櫛型キャパシタを備え、各櫛型キャパシタの1つまたは複数の固定電極が前記基板に固定され、各櫛型キャパシタの1つまたは複数の可動電極が前記少なくとも1つの面内試験質量に接続され、前記MEMS加速度計は、微分容量測定を使用して、前記少なくとも2つ
の試験質量および前記少なくとも1つの面内
構造の動きを測定するように構成されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項11】
各櫛型キャパシタは、
前記基板平面に平行なキャパシタ軸に沿って、第1の方向において前記少なくとも1つの面内構造から外方に延伸する可動櫛歯の第1のセットと、
前記キャパシタ軸に沿って、前記第1の方向とは反対の第2の方向において前記少なくとも1つの面内構造から外方に延伸する可動櫛歯の第2のセットと、
前記可動櫛歯の第1のセットに対向し、噛み合っている固定櫛歯の第1のセットであって、前記少なくとも1つの面内構造に向かって前記第2の方向に延伸する、固定櫛歯の第1のセットと、
前記可動櫛歯の第2のセットに対向し、噛み合っている固定櫛歯の第2のセットであって、前記少なくとも1つの面内構造に向かって前記第1の方向に延伸する、固定櫛歯の第2のセットと
を備え、
前記少なくとも1つの面内構造および前記少なくとも2つの試験質量が前記第1の方向に動くと、前記可動櫛歯の第1のセット
と前記固定櫛歯の第1のセット
との重なりは増加し、前記可動櫛歯の第2のセット
と前記固定櫛歯の第2のセット
との重なりは減少し、前記少なくとも1つの面内構造および前記少なくとも2つの試験質量が前記第2の方向に動くと、前記可動櫛歯の第1のセットと前記固定櫛歯の第1のセット
との重なり減少し、前記可動櫛歯の第2のセットと前記固定櫛歯の第2のセット
との重なりが増加する、
請求項
10に記載のMEMS加速度計。
【請求項12】
前記少なくとも1つの面内構造および前記少なくとも2つの試験質量が前記第1の方向に動くと、前記可動櫛歯の第1のセット
と前記固定櫛歯の第1のセット
との重なりは第1の距離だけ
増加し、前記可動櫛歯の第2のセット
と前記固定櫛歯の第2のセット
との重なりは前記第1の距離だけ
減少し、前記第2の方向における前記少なくとも1つの面内構造および前記少なくとも2つの試験質量の動きにより、前記可動櫛歯の第1のセットと前記固定櫛歯の第1のセットとの重なりは第2の距離だけ減少し、前記可動櫛歯の第2のセットと前記固定櫛歯の第2のセットとの重なりは前記第2の距離だけ増加する、請求項
11に記載のMEMS加速度計。
【請求項13】
前記第2のセンス回路は、前
記試験質量上に配置された8つの電極と、前
記試験質量の上方または下方に配置された8つの電極とを含み、8つの間隙検出キャパシタが形成され、各キャパシタは前
記試験質量
上に配置された前記電極の1つ、および、前
記試験質量の上方または下方に配置された前記電極の1つから形成され、
各試験質量上には4つの電極が位置し、
各試験質量上で、第1の電極対が前
記試験質量の前記C字形の第1の端部に位置し、第2の電極対が前
記試験質量の前記C字形の第2の端部に位置し、
各電極対内で、第1の電極は前
記試験質量の前記回転軸から前
記試験質量の前記C字形の中央に向かって配置され、第2の電極は前
記試験質量の前記回転軸から前
記試験質量の前記C字形の端部に向かって配置される、
請求項
1~
12のいずれか一項に記載のMEMS加速度計。
【請求項14】
Z方向の前記加速度計の加速度は、二重微分測定を使用して、間隙検出キャパシタの静電容量の変化から測定される、請求項
13に記載のMEMS加速度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS(微小電気機械システム)加速度計に関し、特に、加速度計出力におけるノイズを低減するように設計された加速度計に関する。
【背景技術】
【0002】
自律駆動をサポートするために使用する場合、MEMS加速度計は、正確度が高く、出力のノイズが少ない必要がある。電子安定性制御システムにおいて使用されているような高正確度の加速度計では、軸間干渉による不正確さを減らすために、一般に各センス軸、すなわち各センス軸の個別の試験質量の独立性が必要である。ただし、センス軸に個別の試験質量を使用すると、MEMSシステムは一般に著しいサイズ制約を受けるため、各個別の試験質量の最大サイズが小さくなる。試験質量がより小さくなると、加速度計はノイズの影響をより受けやすくなる。スマートフォンにおいて使用されるものなど、他のMEMS加速度計は、システムの複雑度(したがってコスト)を抑えるために、複数の軸に単一の試験質量を使用することが多い。上記の結果、より大きい試験質量を使用できるようになるが、当該加速度計は、軸間誤差および試験質量の寄生運動モードの影響を非常に受けやすく、当該加速度計の正確度が大幅に低下する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、面外軸と面内軸の両方に少なくとも2つの対称面外試験質量、好ましくはシーソータイプの試験質量、を使用することにより、高正確度で低ノイズのMEMS加速度計を提供する。1つまたは複数の面内センス軸における試験質量の動きは、櫛型キャパシタによって測定され、櫛型キャパシタは、キャパシタのセンス軸の外方の試験質量の面内運動からの軸間誤差を最小限に抑える鏡面対称櫛型電極を有する。2つの面外試験質量は反対方向に回転し、したがって、面外に回転しても、結合重心を加速度計の中心に維持する。結果として、外部加速度は結合試験質量にトルクを生成せず、寄生運動モードが減少し、正確度が向上する。さらに、面外試験軸の総質量を使用して、面内軸の加速度を高正確度で低ノイズに検出することができる。したがって、所定のサイズのMEMS加速度計について、別個の面内試験質量を提供するためにスペースを犠牲にする必要がないため、面外試験質量をより大きくすることができる。上記により、同じ正確度/ノイズ性能のより小さい加速度計、または、正確度/ノイズ性能が向上した同様のサイズの加速度計が可能になる。
【0004】
より具体的には、本発明は、
・ 基板平面を規定する基板と、
・ 少なくとも2つの試験質量であって、両方の試験質量は、基板平面に対して非平行に回転し、基板平面に対して平行に動くように構成され、少なくとも2つの試験質量の結合重心は、加速度計の中心にある、少なくとも2つの試験質量と、
・ 基板平面に平行な少なくとも2つの試験質量の動きを検知するように構成された第1のセンス回路と、
・ 少なくとも2つの試験質量の、基板平面に対して非平行な回転を検知するように構成された第2のセンス回路と
を備えるMEMS加速度計を提供する。
【0005】
面外軸内の外部加速度が各試験質量の非対称質量に作用して、回転軸を中心に試験質量を回転させ、基板平面に平行な第1の軸内の外部加速度が両方の試験質量の非対称質量および対称質量に作用して、試験質量を基板平面に平行に動かすように、各試験質量の重心は、回転軸からオフセットされていることが好ましい。
【0006】
第2のセンス回路は、各面外試験質量上に配置された1つまたは複数の可動電極と、基板に対して固定位置にある固定電極とを備えることができ、可動電極と固定電極はキャパシタを形成し、当該キャパシタの静電容量は、面外試験質量が回転軸を中心に回転するときに変化する。
【0007】
MEMS加速度計は、基板平面に平行に動くように構成された少なくとも1つの面内構造をさらに備えることができ、少なくとも2つの試験質量は、少なくとも1つの面内構造に回転可能に接続され、結果、基板平面に平行な少なくとも2つの試験質量の運動が、基板平面に平行な少なくとも1つの面内構造の運動を引き起こす。
【0008】
少なくとも1つの面内構造は、1つまたは複数のアンカーポイントにおいてばねを介して基板に固定されることが好ましく、ばねは、基板平面に平行な少なくとも1つの面内試験質量の運動を可能にし、基板平面外の少なくとも1つの面内試験質量の運動に抵抗する。
【0009】
少なくとも1つの面内構造の重心は、有利には、加速度計の中心に配置され得る。
【0010】
1つまたは複数のアンカーポイントは、MEMS加速度計の線形加速が少なくとも1つの面内構造と少なくとも2つの試験質量との組み合わせに対して全体的なトルクを生成しないように、少なくとも1つの面内構造と少なくとも2つの面外試験質量との結合重心に対して対称的に配置され得る。
【0011】
1つまたは複数のアンカーポイントは、有利には、少なくとも1つの面内構造および少なくとも2つの試験質量の結合重心にまたは結合重心の近くに配置され得る。
【0012】
少なくとも2つの試験質量が、ねじりばねを介して少なくとも1つの面内構造に接続することができ、ねじりばねは、基板平面に平行でない少なくとも2つの試験質量の回転を可能にし、少なくとも1つの面内構造に対する基板平面に平行な少なくとも2つの試験質量の動きに抵抗する。
【0013】
少なくとも2つの面外試験質量は、少なくとも1つの面内構造に対してMEMS加速度計の外側に向かって配置されることが好ましい。
【0014】
面外試験質量は、少なくとも1つの面内質量の外部にわたって延伸する2つのC字形シーソー試験質量を含むことができ、結果、2つのC字形面外試験質量は鏡像として配置され、試験質量は、面外軸の外部加速度に応答して反対方向に回転するように構成される。
【0015】
有利には、2つのC字形面外試験質量は、少なくとも2つのばねによって結合することができ、少なくとも1つのばねがC字形の各端部に配置され、結果、ばねは、2つのC字形面外試験質量の反対方向の回転を可能にし、ただし、同じ方向における2つのC字形面外試験質量の回転に抵抗する。
【0016】
第1のセンス回路は、櫛型キャパシタを備えることができ、各櫛型キャパシタの1つまたは複数の固定電極が基板に固定され、各櫛型キャパシタの1つまたは複数の可動電極が少なくとも1つの面内構造に接続され、MEMS加速度計は、微分容量測定を使用して、少なくとも2つの面外試験質量および少なくとも1つの面内試験質量の動きを測定するように構成されている。
【0017】
上記櫛型キャパシタの各々は、
・ 基板平面に平行なキャパシタ軸に沿って、第1の方向において少なくとも1つの面内構造から外方に延伸する可動櫛歯の第1のセットと、
・ キャパシタ軸に沿って、第1の方向とは反対の第2の方向において少なくとも1つの面内構造から外方に延伸する可動櫛歯の第2のセットと、
・ 可動櫛歯の第1のセットに対向し、噛み合っている固定櫛歯の第1のセットであって、少なくとも1つの面内構造に向かって第2の方向に延伸する、固定櫛歯の第1のセットと、
・ 可動櫛歯の第2のセットに対向し、噛み合っている固定櫛歯の第2のセットであって、少なくとも1つの面内構造に向かって第1の方向に延伸する、固定櫛歯の第2のセットと
を備えることができ、
少なくとも1つの面内構造および少なくとも2つの試験質量が第1の方向に動くと、可動櫛歯の第1のセットおよび固定櫛歯の第1のセットがともに近接して動き、可動櫛歯の第2のセットおよび固定櫛歯の第2のセットがさらに離れて動き、少なくとも1つの面内構造および少なくとも2つの試験質量が第2の方向に動くと、可動櫛歯の第1のセットと固定櫛歯の第1のセットがさらに離れて動き、可動櫛歯の第2のセットと固定櫛歯の第2のセットがともに近接して動く。
【0018】
少なくとも1つの面内構造および少なくとも2つの試験質量が第1の方向に動くと、有利には、可動櫛歯の第1のセットおよび固定櫛歯の第1のセットがともに近接して第1の距離だけ動くことができ、可動櫛歯の第2のセットおよび固定櫛歯の第2のセットが第1の距離だけさらに離れて動き、第2の方向における少なくとも1つの面内構造および少なくとも2つの試験質量の動きにより、可動櫛歯の第1のセットと固定櫛歯の第1のセットが第2の距離だけさらに離れて動き、可動櫛歯の第2のセットと固定櫛歯の第2のセットがともに近接して第2の距離だけ動く。
【0019】
第2のセンス回路は、好ましくは、シーソー試験質量上に配置された8つの電極と、シーソー試験質量の上方または下方に配置された8つの電極とを含み、8つの間隙検出キャパシタが形成され、各キャパシタはシーソー試験質量電極の1つ、および、シーソー試験質量の上方または下方に配置された電極の1つから形成され、
・ 各試験質量上には4つの電極が位置し、
・ 各試験質量上で、第1の電極対がシーソー試験質量のC字形の第1の端部に位置し、第2の電極対がシーソー試験質量のC字形の第2の端部に位置し、
・ 各電極対内で、第1の電極はシーソー試験質量の回転軸からシーソー試験質量のC字形の中央に向かって配置され、第2の電極はシーソー試験質量の回転軸からシーソー試験質量のC字形の端部に向かって配置される。
【0020】
有利には、Z方向の加速度計の加速度は、二重微分測定を使用して、間隙検出キャパシタの静電容量の変化から測定される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】シーソー試験質量の基板平面から外方の動きを示す、3軸加速度計の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明による2軸MEMS加速度計の概略図を示す。加速度計は、好ましくはシーソータイプの試験質量である2つの面外試験質量101および102を含む。シーソー試験質量101、102は、回転軸RA1およびRA2に沿って、面内試験質量としても参照される面内構造111に回転可能に結合される。
【0023】
面内構造111およびシーソー試験質量101、102(静止時)は、一般に、基板平面として参照される平面内にある。MEMS製造において知られているように、MEMSデバイスは主に、基板として参照される、例えばケイ素などの材料の層から材料を除去して、本明細書に示し記載されているような構造を生成することによって形成される。「基板平面」は、基板、または、元の基板層の上面および下面に平行な基板から形成された構成要素の一部/すべてと交差する幾何学的平面である。したがって、基板平面は、
図1に示されるページの平面に平行であり、基板からのMEMS特徴の形成後、基板層の残りの部分の上面の上方にあってもよい。本開示において「面内」という用語が使用される場合、当該用語は、基板平面内に向けられるまたは基板平面に平行な向き、軸、方向または動きを意味することが意図される。同様に、「面外」という用語は、基板平面に垂直な方向、すなわち基板平面から外方の方向に何らかの成分を有する向き、軸、方向または動きを意味することが意図される。基板平面を定義する別の方法は、加速度計が静止しているときにすべての試験質量の重心が存在する平面である。
【0024】
シーソー試験質量101、102は、ねじりばねを介して面内構造111に接続されており、当該接続により、回転軸RA1、RA2を中心としてシーソー試験質量101、102を基板平面から外方に回転させることが可能である。シーソー試験質量101、102は、おおよそC字形またはU字形であり、シーソー試験質量101がシーソー試験質量102の鏡像になり、試験質量101、102が面内構造111の外側まわりに延伸し、面内構造111を囲むように配置される。シーソー試験質量101、102は、同じサイズである。
【0025】
ロータ回転軸RA1およびRA2は、シーソー試験質量101、102の重心とともに基板平面内に位置決めされる。しかしながら、各シーソー試験質量101、102の重心は、基板平面において試験質量の回転軸RA1、RA2からオフセットされている。換言すれば、シーソー試験質量101、102のより多くの部分が、回転軸RA1、RA2の一方の側よりも他方の側にある。このようにして、シーソー試験質量101、102は各々、非対称質量および対称質量を規定する。対称質量は、質量がシーソー試験質量101、102の小さい側の2倍である(すなわち、小さい側の質量に、小さい側と平衡する大きい側からの等しい質量を加えた質量)。非対称質量は、シーソー試験質量101、102の残りの質量、すなわち、シーソー試験質量101、102の回転軸RA1、RA2を中心とした回転を引き起こすために外部加速度(すなわち、測定対象の加速度計パッケージに加えられる加速度)によって作用される試験質量の部分である。両方のシーソー試験質量101、102の結合重心は、面内構造111の重心とともに、加速度計の中心に位置する。
【0026】
シーソー試験質量101、102は、シーソー試験質量101、102の隣接する端部に位置するばね121および122によってともに結合される。ばね121および122は、シーソー試験質量101、102の端部が基板平面に対して平行に互いから外方に相対的に動くことを可能にするが、シーソー試験質量101、102の端部が基板平面に垂直に互いから外方に相対的に動くことには抵抗する。このようにして、シーソー試験質量101、102は、一般に、回転軸RA1およびRA2を中心として反対方向に自由に回転する。すなわち、シーソー試験質量101は時計回りに回転し、シーソー試験質量102は反時計回りに回転し、または逆もまた同様である。なぜなら、当該回転により、シーソー試験質量101、102の端部が、基板平面に平行に互いから外方に、または互いに向かって動くためである。しかしながら、シーソー試験質量101、102の同じ方向における回転は、当該回転がシーソー試験質量101、102の端部の、基板平面に垂直な相対運動を引き起こすため、ばね121、122によって抵抗される。当該結合により、シーソー試験質量101、102が外部角加速度に応じて動くことが防止され、当該事例において、シーソー試験質量101、102は同じ方向に回転するが、シーソー試験質量101、102が、基板平面に垂直な線形加速度に応答して運動することは依然として可能であり、結果、シーソー試験質量101、102は反対方向に回転する。
【0027】
面内構造111は、ばね131、132を介して基板上のアンカーポイント141、142に接続された剛性構造である。アンカーポイントおよびばねは、面内構造111の重心およびシーソー試験質量101、102の結合重心が、加速度計の中心およびアンカーポイントの中心に位置するように配置される。上記のようにして、面外加速度は、面内構造111または組み合わされたシーソー試験質量101、102に対してトルクを生成しない。ばね131、132は、基板平面内にある、Xと表示された軸に沿った面内構造111の運動を可能にする。好ましくは、ばね131、132は、X軸に沿っていない、すなわち、基板平面内でX軸に垂直である面内構造111のあらゆる動き、および回転を含む基板平面から外方のあらゆる動きに抵抗する。シーソー試験質量101、102を面内構造11に接続するねじりばねは、基板平面内の任意の方向に沿った面内構造111に対するシーソー試験質量101、102の動きに抵抗する。したがって、シーソー試験質量101、102は、X軸方向に沿った加速度計の加速に応答して、面内構造とともにX軸に動くこともできる。重要なことに、シーソー試験質量101、102の対称質量および非対称質量ならびに面内構造を組み合わせた質量が外部加速度の作用を受けて、シーソー試験質量101、102および面内構造111がX軸に沿って基板に対して動く。加速度計出力のノイズ量は、試験質量の質量に反比例し、したがって、面内X軸の試験質量が高いほど、加速度計出力のノイズが減少する。さらに、所定のパッケージサイズのMEMS加速度計について、別個の面内試験質量を提供するためにスペースを犠牲にする必要がないため、面外試験質量をより大きくすることができる。上記により、正確度/ノイズ性能が向上した同様のサイズの加速度計、または同じ正確度/ノイズ性能のより小さい加速度計が可能になる。
【0028】
シーソー試験質量101、102および/または面内構造111の動きは、容量的に測定される。シーソー試験質量101、102の回転は、シーソー試験質量101、102の上方または下方にある間隙検出キャパシタ(
図1には示さず)によって測定することができ、または、シーソー試験質量101、102上に位置する可動電極および面内構造111上に位置する固定電極を有する櫛型キャパシタ(同じく
図1には示さず)によって測定することができる。好ましくは、間隙検出キャパシタは、シーソー試験質量101、102上に配置された電極171~174および181~184の各々と、シーソー試験質量101、102の上方または下方で基板またはキャップウェハ(図示せず)上に形成された対応する電極との間に形成される。電極171~174は、第1のシーソー試験質量101上に位置し、一つの電極対171、172が、シーソー試験質量101のC字形の第1の端部に位置し、第2の電極対173、174が、シーソー試験質量101のC字形の第2の端部に位置する。各対171、172および173、174内で、一方の電極171、173は、回転軸RA1からシーソー試験質量101のC字形の中央に向かって配置され、他方の電極172、174は、回転軸RA1からシーソー試験質量101のC字形の端部に向かって配置される。同様に、電極181~184は、第2のシーソー試験質量102上に位置し、一つの電極対181、182が、シーソー試験質量102のC字形の第1の端部に位置し、第2の電極対183、184が、シーソー試験質量102のC字形の第2の端部に位置する。各対181、182および183、184内で、一方の電極182、184は、回転軸RA2からシーソー試験質量102のC字形の中央に向かって配置され、他方の電極181、183は、回転軸RA2からシーソー試験質量102のC字形の端部に向かって配置される。
【0029】
理想的な条件では、電極171~174および181~184から形成されたキャパシタが使用されて、シーソー試験質量101、102の基板平面と平行でない(すなわち、基板平面に直交する)動きが測定されるとき、シーソー試験質量101、102の面内運動は、電極171~174、181~184と、シーソー試験質量101、102の上方/下方の対応する電極との間の重なり合う面積が変化しない限り、すなわち、電極171~174、181~184、またはシーソー試験質量101、102の上方および/または下方にあるプレート電極が十分に広い面積をカバーする場合、面外静電容量測定に影響を与えない。
【0030】
実際には、電極171~174、181~184およびシーソー試験質量101、102の上方/下方の対応する電極の位置整合は、例えば、製造中のキャップウェハの不完全な位置整合、または動作中のデバイスへの応力に起因して、完全に平行でない場合がある。そのような条件下で、試験質量101、102の面内運動は、電極171~174および181~184から形成された個々のキャパシタの各々によって測定される個々の静電容量の変化を引き起こし得る。ただし、静電容量の変化の単一および二重の微分測定は、任意の当該変化を相殺する。
【0031】
例えば、対応する電極がキャップウェハ上にあり、キャップウェハが位置整合されておらず、結果、左側のキャップウェハ電極が、シーソー試験質量電極182、184に対するよりもシーソー試験質量電極171、173に対してより近い場合、シーソー試験質量のX方向における運動は、不整合に起因して、電極がともに近くにまたはさらに離れて動かされるときに静電容量の変化をもたらす。同様に、対応する電極がキャップウェハ上にあり、キャップウェハが位置整合されておらず、結果、下側のキャップウェハ電極が、シーソー試験質量電極171、172、181、182に対するよりもシーソー試験質量電極173、174、183、184に対してより近い場合、シーソー試験質量のY方向における運動は、不整合に起因して、電極がともに近くにまたはさらに離れて動かされるときに静電容量の変化をもたらす。上記効果は、Z方向の偽りの加速を示す望ましくない信号を生成することになる。
【0032】
ただし、静電容量は以下の式に従って測定することができる。
【0033】
(C171-C172)+(C173-C174)+(C182-C181)+(C184-C183)
【0034】
ここで、C171は、電極171およびシーソー試験質量101の上方/下方の当該電極の対応する電極から形成されるキャパシタの静電容量の変化を示す。各単一の微分、例えばC171~C172内で、電極171から形成されたキャパシタの静電容量は、電極172から形成されたキャパシタと等しくY方向の動きによって影響を受けるため、シーソー試験質量101、102のY方向における運動に起因する静電容量の任意の変化は相殺される。
【0035】
シーソー試験質量101、102のX方向の動きは、電極171および172の各々によって形成されるキャパシタ間の静電容量の変化、ならびに電極181および182の各々によって形成されるキャパシタ間の静電容量の変化に等しい差を引き起こす。ただし、各二重微分、すなわち、(C171-C172)+(C182-C181)は(C171-C172)-(C181-C182)に書き換えることができ、したがって、X方向の運動による誤差も相殺される。
【0036】
したがって、各シーソー試験質量101、102の反対の回転方向と結合された、回転軸RA1およびRA2のいずれかの側における電極171~174および181~184の配置は、Z軸検知に使用されるキャパシタの静電容量の任意の望ましくない変化が自動的かつ効率的に相殺されることを可能にする。
【0037】
X軸に沿った面内構造111およびシーソー試験質量101、102の動きは、面内構造111上に位置する可動電極および(アンカーポイント151~154において)基板に固定されており、面内構造111の内部に位置する固定電極を有する櫛型キャパシタによって測定される。上述の試験質量の配置と以下に説明される櫛型キャパシタの配置の両方を含む加速度計は特に有利であるが、両方の特徴を独立して有利に使用することができることが諒解されよう。
【0038】
図1は、X軸に沿った面内構造111およびシーソー試験質量101、102の動きを測定するための2つの櫛型キャパシタを示す。各櫛型キャパシタは、2つの電極対161/162および163/164から構成されている。各対の第1の可動電極は、基板平面に平行であり、X軸に垂直な第1の方向において、面内構造111から外方に、加速度計の中央に向かって延伸する櫛歯を含む。第2の可動電極の櫛歯は、面内構造111の反対側から延伸し、面内構造から外方に、第1の方向と反対の第2の方向に加速度計の中央に向かって延伸する。第1の固定電極が、加速度計の中央の近くにまたは中央に位置するアンカーポイント151に取り付けられる。第1の固定電極の櫛歯は、面内構造111に向かって延伸し、第1の可動電極の櫛歯と噛み合っている。第2の固定電極は、同じく加速度計の中央の近くにまたは中央に位置するアンカーポイント152に取り付けられ、第2の固定電極の櫛歯は、面内構造111に向かって延伸し、第2の可動電極の櫛歯と噛み合っている。
図1は、2つの固定電極の別個のアンカーポイント151、152を示しているが、2つの電極が共通のアンカーポイントを共有することも可能である。2セットの電極161および162が、固定電極間に鏡面対称性を有する単一のキャパシタを形成する。
【0039】
当該電極配置は、面内構造111およびシーソー試験質量101、102が第1の方向(すなわち、
図1に示すようにページの下方向)に動くと、第1の可動電極および第1の固定電極が、櫛歯に平行な方向においてともにより近くに動き、第2の可動電極および第2の固定電極が同じ量だけさらに離れて動くことを意味する。したがって、第1の電極161の間の重なり合う面積の増加によって引き起こされる静電容量の増加は、第2の電極162の間の重なり合う面積の減少によって引き起こされる静電容量の等しい減少によって相殺される。同様に、面内構造111およびシーソー試験質量101、102が第2の方向(すなわち、
図1に示すようにページの上方向)に動くと、第1の可動電極と第1の固定電極との間の重なり合う面積が低減し、第2の可動電極と第2の固定電極との間の重なり合う面積が同じ量だけ増大する。第1の電極161の間の重なり合う面積の低減によって引き起こされる静電容量の低減は、第2の電極162の間の重なり合いの増大によって引き起こされる静電容量の等しい増大によって相殺される。上記のようにして、
図1に示す加速度計は、軸間誤差、すなわちX軸に垂直な動きによって引き起こされる静電容量の変化を受動的に補償し、可動電極および固定電極の噛み合った櫛歯がともにより近づきまたはさらに離れるが、X軸に垂直な動きに起因して大幅には変化しないため、面内構造111およびシーソー試験質量101、102をX軸に沿って(すなわち、
図1に示すように、ページの右側に向かって)動かすと、電極161/162から形成されるキャパシタの静電容量は、増大または低減する。電極163、164およびアンカーポイント153、154から形成される第2のキャパシタは、電極161、162およびアンカーポイント151、152から形成される第1のキャパシタと同じ方法で形成されるが、第2のキャパシタは、X軸に垂直な軸を中心にした第1のキャパシタの鏡像であり、結果、X軸に沿った運動により第1のキャパシタの櫛歯が互いにより近くに動くと、第2のキャパシタはさらに離れて動き、逆もまた同様である。上記により、微分容量測定を使用して、面内構造111およびシーソー試験質量101、102の動きの範囲を決定し、したがって外部加速度を決定することが可能になる。
【0040】
図2は、本発明による3軸加速度計の概略図を示す。シーソー試験質量201および202は、
図1のシーソー質量101、102に関して上述したのと同じように位置決めされ、機能する。
図1の2軸加速度計の単一の面内構造111とは対照的に、
図2の加速度計は、シーソー試験質量201、202が接続される第1の面内構造211および第2の面内構造212を含む。第1の面内構造211および第2の面内構造212は、ばね231および233ならびに剛性接続部分232を介して基板から懸架される。ばね231は、Y方向には可撓性であるがX方向には剛性であり、一方、ばね233は、X方向には可撓性であり、Y方向には剛性である。両方のばね231と233は、面外方向に剛性である。2つのばね231および233は、剛性接続部分232によって接続される。ばね233は、他端において剛性支持構造241に接続され、剛性支持構造241は、加速度計の中心においてまたは中心近くで基板に固定される。ばね231、233および剛性接続部分232の当該同じ構造が、加速度計の周りで繰り返される。上記のようにして、ばね231および233ならびに剛性接続構造232の組み合わせ構造により、第1および第2の面内構造が、基板平面外の面内構造211および212の動きに抵抗しながら、
図2に示すX軸およびY軸に沿って基板に対して動くことが可能になる。さらに、第1の面内構造211および第2の面内構造212は両方ともシーソー試験質量201、202の両方に接続されているため、第1の面内構造211および第2の面内構造212ならびにシーソー試験質量201、202の組み合わせ構造は、X方向およびY方向においてともに動く。
【0041】
電極対261~268の固定キャパシタ電極および剛性支持構造241、242が固定されるアンカーポイント250は、加速度計の中心にまたは中心近くに配置される。
図1の2軸加速度計と同様に、アンカーポイント250および剛性支持構造241、242は、面内構造211および212の結合重心およびシーソー試験質量201、202の結合重心が、面外加速度が組み合わされた面内構造211、212または組み合わされたシーソー試験質量201、202に対するトルクを生成しないように位置するように配置される。さらに、アンカーポイント250をともに近くに、加速度計の中心の近くに位置決めすることにより、加速度計は、例えば温度変化によって引き起こされる基板の機械的変形に対する感受性が少なくなる。
【0042】
図2に示されている3軸加速度計には、
図1に関して上で説明したように、各々が2対の噛み合う櫛型電極から構成される、4つの櫛型キャパシタがある。X方向の動きを測定するように構成された第1のキャパシタは、電極対261および267から構成される。Y方向の動きを測定するように構成された第2のキャパシタは、電極対262および268から構成される。X方向の動きを測定するように構成された第3のキャパシタは、電極対263および265から構成される。Y方向の動きを測定するように構成された第4のキャパシタは、電極対264および266から構成される。
図1に関して上記で説明したように、これらの電極の配置および向きは各々、各キャパシタについて、1つの電極対の可動電極および固定電極がともにより近くに動くと、他方の電極対の可動電極および固定電極が同じ量だけさらに離れて動くようなものである。シーソー試験質量201、202および面内構造211、212の動きを
図3に示す。
【0043】
図2に示される加速度計の場合と同じように、シーソー試験質量101、102の回転を測定するための電極271~274および281~284は、基板に対するX-Y平面におけるシーソー試験質量101、102の動きが、Z軸センスキャパシタの静電容量の変化を発生させないか、または、発生した場合、静電容量の変化が微分または二重微分測定において相殺されるように配置される。電極171~174および181~184に関する上記の説明が、当該実施形態にも同様に当てはまる。
【0044】
図3は、シーソー試験質量201、202の動きを示す、
図2に示す3軸加速度計の斜視図を示す。
図3は、
図2の加速度計に対応する面内構造211および212を示すが、
図1に示される加速度計のシーソー試験質量101、102は、
図2に示す加速度計のシーソー試験質量201、202と同じように動くように構成されていることが諒解されよう。