(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】カード管理システム、カード管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/34 20120101AFI20220524BHJP
【FI】
G06Q20/34 400
(21)【出願番号】P 2021080216
(22)【出願日】2021-05-11
【審査請求日】2021-06-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】森 正憲
(72)【発明者】
【氏名】松尾 直史
(72)【発明者】
【氏名】伴 明彦
(72)【発明者】
【氏名】西入 拓海
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-307194(JP,A)
【文献】特開2005-293544(JP,A)
【文献】特開2018-005620(JP,A)
【文献】特開2020-064541(JP,A)
【文献】特開2016-149084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが
アクティベートされていない状態で発行され
て申込者へ送付されるサービスへのカード発行申込みを一意に識別する第1の識別情報と、前記カード発行申込みの際に
前記申込者の容貌を示す第1の容貌画像が付帯された本人確認書類を撮影した本人確認書類画像と、前記カード発行申込みの際に申込者の容貌を撮影した第2の容貌画像とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記カード発行申込みにて前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像との照合によって前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であると判定された場合に、前記カードがアクティベートされていない状態で発行され
て前記申込者へ送付され、送付された
前記カードの受取者によって前記カード
をアクティベートされた状態にするためのアクティベート手続きが行われた場合に、前記アクティベート手続きの際に前記受取者の容貌を撮影した第3の容貌画像と、入力された第2の識別情報とを取得するアクティベート情報取得部と、
前記取得された第2の識別情報と同一の前記第1の識別情報に対応付けられた前記第2の容貌画像を前記記憶部から取得する記憶情報取得部と、
前記取得された第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合部と、
前記アクティベート手続きにて前記第2の容貌画像と前記第3の容貌画像との照合によって前記申込者と前記受取者が同一であると判定された場合に、前記受取者が受け取ったカードをアクティベートされた状態にするアクティベート処理部と、
を備えるカード管理システム。
【請求項2】
前記申込者と前記受取者が同一である場合に前記アクティベートを実行する端末に対して、前記アクティベート照合部による判定の結果を送信する通信部、
をさらに備える、請求項1に記載のカード管理システム。
【請求項3】
前記アクティベート情報取得部は、前記アクティベート手続きの際に入力された前記受取者の本人確認情報をさらに取得し、
前記記憶情報取得部は、前記第2の容貌画像を取得する際に前記記憶部から前記本人確認書類画像をさらに取得し、
前記アクティベート照合部は、前記取得された本人確認情報と、前記取得された本人確認書類画像が示す本人確認書類に記載された本人確認情報とをさらに照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定する、
請求項1又は請求項2に記載のカード管理システム。
【請求項4】
前記アクティベート情報取得部は、前記第3の容貌画像が撮像された位置を示す位置情報をさらに取得し、
前記記憶情報取得部は、前記第2の容貌画像を取得する際に前記記憶部から前記本人確認書類画像をさらに取得し、
前記アクティベート照合部は、前記取得された本人確認書類画像が示す本人確認書類に記載された位置情報と、前記アクティベート情報取得部によって取得された位置情報との比較結果に基づき、前記アクティベート手続きにおける異常を検知する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカード管理システム。
【請求項5】
前記アクティベート照合部は、前記取得された本人確認書類画像が示す本人確認書類に記載された位置情報が示す位置から、前記アクティベート情報取得部によって取得された位置情報が示す位置までの距離に基づき、前記アクティベート手続きにおける異常を検知する、
請求項4に記載のカード管理システム。
【請求項6】
前記アクティベート情報取得部は、前記第3の容貌画像を取得した日時を示す第1のタイムスタンプと、前記第3の容貌画像が撮像された日時を示す第2のタイムスタンプをさらに取得し、
前記アクティベート照合部は、前記第1のタイムスタンプが示す日時と前記第2のタイムスタンプが示す日時との差分に基づき、前記アクティベート手続きにおける異常を検知する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカード管理システム。
【請求項7】
前記申込者によって前記カード発行申込みの手続きが行われた場合に、前記第1の識別情報と、前記本人確認書類画像と、前記第2の容貌画像とを取得する申込情報取得部、
をさらに備え、
前記記憶部は、前記取得された本人確認書類画像が示す本人確認書類に付帯された前記第1の容貌画像と第2の容貌画像との照合結果を、前記第1の識別情報と、前記本人確認書類画像と、第2の容貌画像とに対応付けて記憶する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のカード管理システム。
【請求項8】
前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像とを照合し、前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であるか否かを判定する申込照合部、
をさらに備え、
前記記憶部は、前記申込照合部による照合結果を、前記第1の識別情報と、前記本人確認書類画像と、第2の容貌画像とに対応付けて記憶する、
請求項7に記載のカード管理システム。
【請求項9】
前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一である場合、前記カード発行申込みの手続きを完了可能とする申込処理部、
をさらに備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のカード管理システム。
【請求項10】
記憶部が、カードが
アクティベートされていない状態で発行され
て申込者へ送付されるサービスへのカード発行申込みを一意に識別する第1の識別情報と、前記カード発行申込みの際に
前記申込者の容貌を示す第1の容貌画像が付帯された本人確認書類を撮影した本人確認書類画像と、前記カード発行申込みの際に申込者の容貌を撮影した第2の容貌画像とを対応付けて記憶する記憶過程と、
アクティベート情報取得部が、
前記カード発行申込みにて前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像との照合によって前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であると判定された場合に、前記カードがアクティベートされていない状態で発行され
て前記申込者へ送付され、送付された
前記カードの受取者によって前記カード
をアクティベートされた状態にするためのアクティベート手続きが行われた場合に、前記アクティベート手続きの際に前記受取者の容貌を撮影した第3の容貌画像と、入力された第2の識別情報とを取得するアクティベート情報取得過程と、
記憶情報取得部が、前記取得された第2の識別情報と同一の前記第1の識別情報に対応付けられた前記第2の容貌画像を前記記憶部から取得する記憶情報取得過程と、
アクティベート照合部が、前記取得された第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合過程と、
アクティベート処理部が、前記アクティベート手続きにて前記第2の容貌画像と前記第3の容貌画像との照合によって前記申込者と前記受取者が同一であると判定された場合に、前記受取者が受け取ったカードをアクティベートされた状態にするアクティベート処理過程と、
を含むカード管理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
カードが
アクティベートされていない状態で発行され
て申込者へ送付されるサービスへのカード発行申込みを一意に識別する第1の識別情報と、前記カード発行申込みの際に
前記申込者の容貌を示す第1の容貌画像が付帯された本人確認書類を撮影した本人確認書類画像と、前記カード発行申込みの際に申込者の容貌を撮影した第2の容貌画像とを対応付けて記憶部に記憶する記憶手段と、
前記カード発行申込みにて前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像との照合によって前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であると判定された場合に、前記カードがアクティベートされていない状態で発行され
て前記申込者へ送付され、送付された
前記カードの受取者によって前記カード
をアクティベートされた状態にするためのアクティベート手続きが行われた場合に、前記アクティベート手続きの際に前記受取者の容貌を撮影した第3の容貌画像と、入力された第2の識別情報とを取得するアクティベート情報取得手段と、
前記取得された第2の識別情報と同一の前記第1の識別情報に対応付けられた前記第2の容貌画像を前記記憶部から取得する記憶情報取得手段と、
前記取得された第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合手段と、
前記アクティベート手続きにて前記第2の容貌画像と前記第3の容貌画像との照合によって前記申込者と前記受取者が同一であると判定された場合に、前記受取者が受け取ったカードをアクティベートされた状態にするアクティベート処理手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード管理システム、カード管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードやキャッシュカード等のカードが発行されるサービスにおいて、ユーザがカードの発行を申込むことで発行されたカードは、使用可能な状態(即ちアクティベートされた状態)でカードの発行を申込んだユーザ(以下、「申込者」とも称される)の元へ送付される。そのため、カードを受け取ったユーザ(以下、「受取者」とも称される)は、当該カードをすぐに使用することができる。
【0003】
しかしながら、アクティベートされた状態でカードが送付されると、申込者以外の人物がカードを受け取った場合でもカードを使用することができるため、カードを悪用されてしまう可能性がある。
そこで、カードを使用できない状態(即ち、アクティベートされていない状態)のままユーザの元へ送付し、カードを受け取ったユーザ自身がアクティベートすることや、カードを受け取ったユーザからの要求を受けてカード会社の担当者がアクティベートすることが考えられる。
【0004】
スマートフォン等の通信端末で使用するクレジットカードサービスでは、例えば、下記特許文献1の技術のように、アクティベートをユーザ自身が行う技術が提案されている。当該技術では、ユーザがユーザ端末からクレジットカードサービスの入会審査の要求を行う。入会審査に合格すると、クレジットカードサービスのアプリケーションを使用可能な状態にするためのアクティベート情報が、当該ユーザのユーザ端末へ送信される。ユーザは、受け取ったアクティベート情報を用いてアクティベートを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、物理的にカードが発行されるサービスにおいては、申込者と受取者の同一性の証明が困難である。そのため、当該サービスに対して特許文献1のようなユーザ自身がアクティベートを行う技術を適用し、カードをアクティベートされていない状態のままユーザの元へ送付したとしても、申込者と異なる受取者の元へカードが届いた場合にはカードを悪用される恐れがある。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、アクティベートされていない状態で発行されたカードが悪用されるリスクを低減することが可能なカード管理システム、カード管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るカード管理システムは、カードがアクティベートされていない状態で発行されて申込者へ送付されるサービスへのカード発行申込みを一意に識別する第1の識別情報と、前記カード発行申込みの際に前記申込者の容貌を示す第1の容貌画像が付帯された本人確認書類を撮影した本人確認書類画像と、前記カード発行申込みの際に申込者の容貌を撮影した第2の容貌画像とを対応付けて記憶する記憶部と、前記カード発行申込みにて前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像との照合によって前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であると判定された場合に、前記カードがアクティベートされていない状態で発行されて前記申込者へ送付され、送付された前記カードの受取者によって前記カードをアクティベートされた状態にするためのアクティベート手続きが行われた場合に、前記アクティベート手続きの際に前記受取者の容貌を撮影した第3の容貌画像と、入力された第2の識別情報とを取得するアクティベート情報取得部と、前記取得された第2の識別情報と同一の前記第1の識別情報に対応付けられた前記第2の容貌画像を前記記憶部から取得する記憶情報取得部と、前記取得された第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合部と、前記アクティベート手続きにて前記第2の容貌画像と前記第3の容貌画像との照合によって前記申込者と前記受取者が同一であると判定された場合に、前記受取者が受け取ったカードをアクティベートされた状態にするアクティベート処理部と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るカード管理方法は、記憶部が、カードがアクティベートされていない状態で発行されて申込者へ送付されるサービスへのカード発行申込みを一意に識別する第1の識別情報と、前記カード発行申込みの際に前記申込者の容貌を示す第1の容貌画像が付帯された本人確認書類を撮影した本人確認書類画像と、前記カード発行申込みの際に申込者の容貌を撮影した第2の容貌画像とを対応付けて記憶する記憶過程と、アクティベート情報取得部が、前記カード発行申込みにて前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像との照合によって前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であると判定された場合に、前記カードがアクティベートされていない状態で発行されて前記申込者へ送付され、送付された前記カードの受取者によって前記カードをアクティベートされた状態にするためのアクティベート手続きが行われた場合に、前記アクティベート手続きの際に前記受取者の容貌を撮影した第3の容貌画像と、入力された第2の識別情報とを取得するアクティベート情報取得過程と、記憶情報取得部が、前記取得された第2の識別情報と同一の前記第1の識別情報に対応付けられた前記第2の容貌画像を前記記憶部から取得する記憶情報取得過程と、アクティベート照合部が、前記取得された第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合過程と、アクティベート処理部が、前記アクティベート手続きにて前記第2の容貌画像と前記第3の容貌画像との照合によって前記申込者と前記受取者が同一であると判定された場合に、前記受取者が受け取ったカードをアクティベートされた状態にするアクティベート処理過程と、を含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、カードがアクティベートされていない状態で発行されて申込者へ送付されるサービスへのカード発行申込みを一意に識別する第1の識別情報と、前記カード発行申込みの際に前記申込者の容貌を示す第1の容貌画像が付帯された本人確認書類を撮影した本人確認書類画像と、前記カード発行申込みの際に申込者の容貌を撮影した第2の容貌画像とを対応付けて記憶部に記憶する記憶手段と、前記カード発行申込みにて前記第1の容貌画像と前記第2の容貌画像との照合によって前記第1の容貌画像が示す人物と前記第2の容貌画像が示す人物とが同一であると判定された場合に、前記カードがアクティベートされていない状態で発行されて前記申込者へ送付され、送付された前記カードの受取者によって前記カードをアクティベートされた状態にするためのアクティベート手続きが行われた場合に、前記アクティベート手続きの際に前記受取者の容貌を撮影した第3の容貌画像と、入力された第2の識別情報とを取得するアクティベート情報取得手段と、前記取得された第2の識別情報と同一の前記第1の識別情報に対応付けられた前記第2の容貌画像を前記記憶部から取得する記憶情報取得手段と、前記取得された第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、前記申込者と前記受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合手段と、前記アクティベート手続きにて前記第2の容貌画像と前記第3の容貌画像との照合によって前記申込者と前記受取者が同一であると判定された場合に、前記受取者が受け取ったカードをアクティベートされた状態にするアクティベート処理手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アクティベートされていない状態で発行されたカードが悪用されるリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るカード発行システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る照合処理の概要を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る申込者端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る受取者端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るカード会社端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る申込受付サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る照合サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る入会申込工程における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るアクティベート手続工程における処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
本実施形態では、カードの具体的な種類がクレジットカードである例について説明する。そのため、カードが発行されるサービスはクレジットカードが発行されるサービス(以下、「クレジットカード発行サービス」とも称される)であり、カードを発行する事業者はクレジットカード会社(以下、「カード会社」とも称される)である。本実施形態では、クレジットカードは、使用できない状態(即ち、アクティベートされていない状態)で発行され、ユーザへ送付される。
なお、カードの種類はクレジットカードに限定されず、キャッシュカードやデビットカード等であってもよい。また、カードが発行されるサービスの名称及びカード会社の名称は、カードの種類に応じて変化してよい。
【0014】
<<1.カード発行システムの構成>>
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係るカード発行システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るカード発行システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すカード発行システム1は、カードを発行するためのシステムである。本実施形態では、カードの種類がクレジットカードであるため、カード発行システムが発行する対象は、クレジットカードである。なお、カード発行システムが発行する対象は、カードの種類に応じて変化してよい。
図1に示すように、本実施形態に係るカード発行システム1は、申込者端末10、受取者端末20、カード会社端末30、及びカード管理システム40を備える。
【0015】
(1)申込者端末10
申込者端末10は、クレジットカード発行サービスにクレジットカードを発行する申込み(以下、「カード発行申込み」とも称される)を行ったユーザ(以下、「申込者」とも称される)が操作する端末である。本実施形態に係る申込者端末10は、例えば、スマートフォンである。なお、申込者端末10はスマートフォンに限定されず、タブレット端末又はPC(Personal Computer)等であってもよい。
申込者端末10は、ネットワークNWを介して、カード会社端末30及びカード管理システム40と通信可能に接続されている。
【0016】
クレジットカードは、例えば、クレジットカード発行サービスへの新規入会の申込み、クレジットカードの再発行の申込み、クレジットカードの更新の申込み等を受け付けた場合に発行される。そのため、クレジットカードを発行する申込みには、入会の申込み、再発行の申込み、及び更新の申込み等が含まれる。以下、本実施形態では、クレジットカードを発行する申込みが入会の申込み(以下、「入会申込み」とも称される)である例について説明する。
【0017】
(2)受取者端末20
受取者端末20は、カード会社によって発行されて送付されたクレジットカードを受け取ったユーザ(以下、「受取者」とも称される)が操作する端末である。本実施形態に係る受取者端末20は、例えば、スマートフォンである。なお、受取者端末20はスマートフォンに限定されず、タブレット端末又はPC等であってもよい。
受取者端末20は、ネットワークNWを介して、カード会社端末30及びカード管理システム40と通信可能に接続されている。
【0018】
なお、申込者端末10と受取者端末20は、申込者と受取者が同一の人物であるか否かに関わらず、同一の端末であってもよいし異なる端末であってもよい。以下、本実施形態では、申込者と受取者が同一の人物である場合には申込者端末10と受取者端末20が同一の端末であるものとし、申込者と受取者が異なる人物である場合には申込者端末10と受取者端末20が異なる端末であるものとする。
【0019】
(3)カード会社端末30
カード会社端末30は、カード会社の担当者が操作する端末である。本実施形態に係るカード会社端末30は、例えば、PCである。なお、カード会社端末30はPCに限定されず、スマートフォン又はタブレット端末等であってもよい。
カード会社端末30は、ネットワークNWを介して、申込者端末10、受取者端末20、及びカード管理システム40と通信可能に接続されている。
【0020】
(4)カード管理システム40
カード管理システム40は、カード発行システム1にて発行されるクレジットカードの管理を行うシステムである。
図1に示すように、本実施形態に係るカード管理システム40は、申込受付サーバ50及び照合サーバ60を備える。
【0021】
(4-1)申込受付サーバ50
申込受付サーバ50は、各種の申込みを受け付けるサーバ装置である。本実施形態に係る申込受付サーバ50は、例えば、PCによって実現される。
申込受付サーバ50は、ネットワークNWを介して、申込者端末10、受取者端末20、及びカード会社端末30と通信可能に接続されている。
【0022】
(4-2)照合サーバ60
照合サーバ60は、申込者と受取者とを照合する処理(以下、「照合処理」とも称される)を行うサーバ装置である。本実施形態に係る照合サーバ60は、例えば、PCによって実現される。
照合サーバ60は、ネットワークNWを介して、申込者端末10、受取者端末20、及びカード会社端末30と通信可能に接続されている。
【0023】
ここで、
図2を参照して、照合サーバ60が行う照合処理の概要について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る照合処理の概要を示す図である。
図2には、一例として、申込者によって入会申込みが行われた場合に、照合サーバ60が行う照合処理の概要が示されている。
図2に示すように、照合処理は、申込者が入会申込みを行う工程(入会申込工程)と申込者がアクティベート手続きを行う工程(アクティベート手続工程)の各々の工程にて行われる。アクティベート手続きは、発行されたクレジットカードを使用可能な状態(即ち、アクティベートされた状態)にするための手続きである。
【0024】
入会申込工程では、本人確認書類画像70と第2の容貌画像80を用いた照合が行われる。本人確認書類画像70は、申込者の第1の容貌71を示す第1の容貌画像72が付帯された本人確認書類73が撮影された画像である。本人確認書類73は、具体的に、運転免許証、パスポート、個人番号カード等である。
第2の容貌画像80は、申込者の第2の容貌81が撮影された画像である。本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80は、入会申込みの際に申込者が申込者端末10を用いて撮影した画像である。
入会申込工程では、例えば、本人確認書類画像70に写る第1の容貌画像72と、第2の容貌画像80との照合が行われる。当該照合では、具体的に、第1の容貌画像72が示す申込者の第1の容貌71と、第2の容貌画像80が示す申込者の第2の容貌81との比較が行われ、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否かが判定される。
本実施形態では、入会申込工程における照合処理の後に、カード会社の担当者による目視確認が行われる。担当者の目視確認によって同一人物であると判定された場合には、入会手続きを完了すると決定される。一方、担当者の目視確認によって同一人物であると判定されなかった場合には、入会手続きを完了しないと決定される。
なお、照合サーバ60による照合の精度によっては、照合サーバ60による照合で同一人物あると判定されたとしても、担当者による目視確認で同一人物でないと判定される場合がある。一方、照合サーバ60による照合で同一人物ないと判定されたとしても、担当者による目視確認で同一人物であると判定される場合もある。このように、担当者が目視確認を行うことで、照合サーバ60による照合の精度を補うことができる。
なお、担当者による目視確認が行われない場合には、照合サーバ60による照合処理にて同一人物である判定された場合に、入会手続きを完了すると決定されてもよい。
【0025】
アクティベート手続工程では、第2の容貌画像80と第3の容貌画像90を用いた照合が行われる。第3の容貌画像90は、受取者の第3の容貌91が撮影された画像である。第3の容貌画像90は、アクティベート手続きの際に受取者が受取者端末20を用いて撮影した画像である。
アクティベート手続工程では、例えば、第2の容貌画像80と第3の容貌画像90の照合が行われる。当該照合では、具体的に、第2の容貌画像80が示す申込者の第2の容貌81と、第3の容貌画像90が示す受取者の第3の容貌91との比較が行われ、第2の容貌画像80が示す人物と第3の容貌画像90が示す人物とが同一であるか否かが判定される。
アクティベート手続工程における照合処理にて、第2の容貌画像80が示す人物と第3の容貌画像90が示す人物とが同一人物であると判定された場合、クレジットカードのアクティベートを実行すると決定される。
【0026】
<<2.機能構成>>
図3から
図7を参照して、本発明の実施形態に係る各端末や各サーバの機能構成について説明する。
【0027】
<2-1.申込者端末の機能構成>
図3を参照して、本発明の実施形態に係る申込者端末10の機能構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る申込者端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る申込者端末10は、通信部11、入力部12、撮像部13、記憶部14、制御部15、及び表示部16を備える。
【0028】
(1)通信部11
通信部11は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部11は、ネットワークNWを介して、カード会社端末30やカード管理システム40と情報の送受信を行う。
【0029】
(2)入力部12
入力部12は、申込者による入力を受け付ける機能を有する。入力部12は、受け付けた入力を制御部15へ出力する。入力部12は、例えば、申込者端末10がハードウェアとして備えるタッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン等の装置によって実現される。
申込者は、例えば、入力部12を操作して入会申込みを行う。具体的に、申込者は、入力部12を操作してクレジットカード発行サービスの入会申込み用のサイト(Webページ)へアクセスし、当該サイトにて入会申込みに必要な情報を入力する。また、申込者は、入力部12を操作して入会申込工程における照合処理用のサイト(Webページ)へアクセスし、当該サイトにて照合処理に必要な情報を入力する。
【0030】
(3)撮像部13
撮像部13は、カメラである。撮像部13は、例えば申込者端末10に内蔵されたカメラである。撮像部13は、撮像した画像を記憶部14に書き込んで記憶させてもよい。
なお、撮像部13の機能は、申込者端末10とは独立したカメラによって実現されてもよい。例えば、デジタルカメラ、Webカメラ、ビデオカメラ等である。撮像部13の機能が申込者端末10とは独立したカメラである場合、申込者は、有線通信、無線通信、あるいは記憶媒体等を利用して、カメラが撮像した画像を申込者端末10へ出力する。
【0031】
(4)記憶部14
記憶部14は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部14は、申込者端末10がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0032】
(5)制御部15
制御部15は、申込者端末10の動作全般を制御する機能を有する。制御部15は、例えば、申込者端末10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0033】
(6)表示部16
表示部16は、各種情報を表示する機能を有する。表示部16は、例えば、申込者端末10がハードウェアとして備えるディスプレイによって実現される。
【0034】
<2-2.受取者端末の機能構成>
図4を参照して、本発明の実施形態に係る受取者端末20の機能構成について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る受取者端末20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る受取者端末20は、通信部21、入力部22、撮像部23、記憶部24、制御部25、及び表示部26を備える。
【0035】
(1)通信部21
通信部21は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部21は、ネットワークNWを介して、カード会社端末30やカード管理システム40と情報の送受信を行う。
【0036】
(2)入力部22
入力部22は、受取者による入力を受け付ける機能を有する。入力部22は、受け付けた入力を制御部25へ出力する。入力部22は、例えば、受取者端末20がハードウェアとして備えるタッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン等の装置によって実現される。
受取者は、例えば、入力部22を操作してアクティベート手続きを行う。具体的に、受取者は、入力部22を操作して発行されたクレジットカードのアクティベート手続き用のサイト(Webページ)へアクセスし、当該サイトにてアクティベート手続きに必要な情報を入力する。アクティベート手続き用のサイトは、即ちアクティベート手続工程における照合処理用のサイトである。
【0037】
(3)撮像部23
撮像部23は、カメラである。撮像部23は、例えば受取者端末20に内蔵されたカメラである。撮像部23は、撮像した画像を記憶部24に書き込んで記憶させてもよい。
なお、撮像部23の機能は、受取者端末20とは独立したカメラによって実現されてもよい。例えば、デジタルカメラ、Webカメラ、ビデオカメラ等である。撮像部23の機能が受取者端末20とは独立したカメラである場合、受取者は、有線通信、無線通信、あるいは記憶媒体等を利用して、カメラが撮像した画像を受取者端末20へ出力する。
【0038】
(4)記憶部24
記憶部24は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部24は、受取者端末20がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0039】
(5)制御部25
制御部25は、受取者端末20の動作全般を制御する機能を有する。制御部25は、例えば、受取者端末20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
【0040】
(6)表示部26
表示部26は、各種情報を表示する機能を有する。表示部26は、例えば、受取者端末20がハードウェアとして備えるディスプレイによって実現される。
【0041】
<2-3.カード会社端末の機能構成>
図5を参照して、本発明の実施形態に係るカード会社端末30の機能構成について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るカード会社端末30の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係るカード会社端末30は、通信部31、入力部32、記憶部33、制御部34、及び表示部35を備える。
【0042】
(1)通信部31
通信部31は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部31は、ネットワークNWを介して、申込者端末10、受取者端末20、及びカード管理システム40と情報の送受信を行う。
【0043】
(2)入力部32
入力部32は、担当者による入力を受け付ける機能を有する。入力部32は、受け付けた入力を制御部34へ出力する。入力部32は、例えば、カード会社端末30がハードウェアとして備えるタッチパネル、キーボード、マウス、マイクロフォン等の装置によって実現される。
担当者は、例えば、入力部32を操作して申込者の目視確認、入会手続き、及びアクティベート手続きを行う。具体的に、担当者は、入力部32を操作して目視確認用のサイト(Webページ)へアクセスし、当該サイトにて第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否か目視によって確認する。また、担当者は、入力部32を操作してカード管理システム40へアクセスし、入会手続きやアクティベート手続きの実行に必要な情報を取得する。
【0044】
(3)記憶部33
記憶部33は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部33は、カード会社端末30がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0045】
(4)制御部34
制御部34は、カード会社端末30の動作全般を制御する機能を有する。制御部34は、例えば、カード会社端末30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図5に示すように、制御部34は、受付情報取得部341、申込照合情報取得部342、手続処理部343、アクティベート照合結果取得部344、及びアクティベート処理部345を備える。
【0046】
(4-1)受付情報取得部341
受付情報取得部341は、受付情報を取得する機能を有する。受付情報は、申込者からの入会申込みを受け付けた際の情報であり、申込者によって入会申込み用のサイトに入力された入力情報である。受付情報取得部341は、申込受付サーバ50から受付情報を取得する。受付情報取得部341は、取得した受付情報を記憶部33に書き込んで記憶させてもよい。
【0047】
(4-2)申込照合情報取得部342
申込照合情報取得部342は、入会申込工程における照合処理に関する情報を取得する機能を有する。申込照合情報取得部342は、担当者が目視確認用のサイトへアクセスした際に、目視確認の対象となる申込者の本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80を取得する。申込照合情報取得部342は、取得した各画像を表示部35に表示させる。これにより、担当者は、申込者の目視確認を行うことができる。
照合処理に関する情報の取得時、申込照合情報取得部342は、入会申込工程における照合サーバ60による照合処理の結果も取得し、表示部35に表示させてもよい。申込照合情報取得部342は、取得した入会申込工程における照合処理に関する情報を記憶部33に書き込んで記憶させてもよい。
【0048】
(4-3)手続処理部343
手続処理部343は、入会手続きを実行する機能を有する。例えば、手続処理部343は、担当者の目視確認によって第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一人物であると判定された場合、入会手続きを実行し、入会手続きを完了させる。
入会手続きの完了後、手続処理部343は、入会手続きが完了したことを通知するメールを、通信部31から申込者端末10へ送信する。また、入会手続きの完了後、手続処理部343は、クレジットカードをアクティベートされていない状態で発行して申込者へ送信するための処理も実行する。
【0049】
(4-4)アクティベート照合結果取得部344
アクティベート照合結果取得部344は、アクティベート手続工程における照合処理の照合結果を取得する機能を有する。アクティベート照合結果取得部344は、照合サーバ60へアクセスしてアクティベート手続工程における照合処理の結果を取得し、表示部35に表示させる。
これにより、担当者は、アクティベート手続工程における照合処理の照合結果を確認し、クレジットカードのアクティベートを実行するか否かを決定することができる。アクティベート照合結果取得部344は、取得したアクティベート手続工程における照合処理の照合結果を記憶部33に書き込んで記憶させてもよい。
【0050】
(4-5)アクティベート処理部345
アクティベート処理部345は、クレジットカードのアクティベートを実行する機能を有する。アクティベート処理部345は、担当者がクレジットカードのアクティベートを実行すると決定した場合、即ち、申込者と受取者が同一である場合にクレジットカードのアクティベート処理を実行する。
アクティベート処理の完了後、アクティベート処理部345は、アクティベート処理が完了したことを通知するメールを、通信部31から受取者端末20へ送信する。
【0051】
(5)表示部35
表示部35は、各種情報を表示する機能を有する。表示部35は、例えば、カード会社端末30がハードウェアとして備えるディスプレイによって実現される。
【0052】
<2-4.申込受付サーバの機能構成>
図6を参照して、本発明の実施形態に係る申込受付サーバ50の機能構成について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る申込受付サーバ50の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態に係る申込受付サーバ50は、通信部51、記憶部52、及び制御部53を備える。
【0053】
(1)通信部51
通信部51は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部51は、ネットワークNWを介して、申込者端末10、カード会社端末30、及び照合サーバ60と情報の送受信を行う。
【0054】
(2)記憶部52
記憶部52は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部52は、申込受付サーバ50がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0055】
(3)制御部53
制御部53は、申込受付サーバ50の動作全般を制御する機能を有する。制御部53は、例えば、申込受付サーバ50がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図6に示すように、制御部53は、サイト表示部531、入力情報取得部532、受付処理部533、及びデータ連携部534を備える。
【0056】
(3-1)サイト表示部531
サイト表示部531は、クレジットカード発行サービスの入会申込み用のサイトを表示するための機能を有する。例えば、サイト表示部531は、申込者端末10から入会申し込み用のサイトへのアクセスを要求された場合、入会申込み用のサイトを申込者端末10に表示させる。
【0057】
(3-2)入力情報取得部532
入力情報取得部532は、入力情報を取得する機能を有する。入力情報取得部532は、申込者によって入会申込み用のサイトに入力された情報を入力情報として取得する。入力情報は、例えば、申込者の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、口座情報等である。入力情報取得部532は、取得した入力情報を記憶部52に書き込んで記憶させてもよい。
【0058】
(3-3)受付処理部533
受付処理部533は、入会申込みを受け付ける機能を有する。例えば、受付処理部533は、入会申込み用のサイトを介して、申込者による入会申込みの要求があった場合、当該入会申込みを受け付ける。受付処理部533は、入会申込みを受け付けた際に、入会申込みを一意に識別する受付番号を発行する。受付処理部533によって発行された受付番号は、請求項における第1の識別情報の一例である。
受け付け完了後、受付処理部533は、発行した受付番号と入会申込みの受け付けが完了したことを通知するメールを、通信部51から申込者端末10へ送信する。なお、受付番号と、受け付けが完了したことは、1つのメールによって通知されてもよいし、それぞれ別のメールによって通知されてもよい。
【0059】
(3-4)データ連携部534
データ連携部534は、入会申込みの受付に関するデータを連携する機能を有する。例えば、データ連携部534は、受付処理部533によって入会申込みが受け付けられた際に、入力情報取得部532が取得した入力情報を受付情報として、通信部51からカード会社端末30へ送信する。
なお、データ連携部534は、カード会社端末30から受付情報の取得要求を受信した際に、入力情報取得部532が取得した入力情報を受付情報として、通信部51からカード会社端末30へ送信してもよい。
【0060】
また、データ連携部534は、受付処理部533が発行した受付番号を、通信部51から照合サーバ60へ送信する。なお、データ連携部534は、受付番号とともに、当該受付番号に対応する入力情報も照合サーバ60へ送信してもよい。
【0061】
<2-5.照合サーバの機能構成>
図7を参照して、本発明の実施形態に係る照合サーバ60の機能構成について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る照合サーバ60の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係る照合サーバ60は、通信部61、記憶部62、及び制御部63を備える。
【0062】
(1)通信部61
通信部61は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部61は、ネットワークNWを介して、申込者端末10、受取者端末20、カード会社端末30、及び申込受付サーバ50と情報の送受信を行う。
通信部61は、申込受付サーバ50から受信した受付処理部533によって発行された受付番号を、記憶部62に書き込んで記憶させる。受付番号の受信時、当該受付番号に対応する入力情報も受信した場合、受付番号と入力情報を対応付けて記憶部62に書き込んで記憶させてもよい。
【0063】
(2)記憶部62
記憶部62は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部62は、照合サーバ60がハードウェアとして備える記憶媒体、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、又はこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
【0064】
(3)制御部63
制御部63は、照合サーバ60の動作全般を制御する機能を有する。制御部63は、例えば、照合サーバ60がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図7に示すように、制御部63は、サイト表示部631、申込情報取得部632、申込照合部633、申込処理部634、アクティベート情報取得部635、記憶情報取得部636、及びアクティベート照合部637を備える。
【0065】
(3-1)サイト表示部631
サイト表示部631は、各種サイトを表示するための機能を有する。例えば、サイト表示部631は、申込者端末10から入会申込工程における照合処理用のサイトへのアクセスを要求された場合、入会申込工程における照合処理用のサイトを申込者端末10に表示させる。
また、サイト表示部631は、受取者端末20からクレジットカードのアクティベート手続き用のサイト(即ち、アクティベート手続工程における照合処理用のサイト)へのアクセスを要求された場合、アクティベート手続工程における照合処理用のサイトを受取者端末20に表示させる。
また、サイト表示部631は、カード会社端末30から目視確認用のサイトへのアクセスを要求された場合、目視確認用のサイトをカード会社端末30に表示させる。
【0066】
(3-2)申込情報取得部632
申込情報取得部632は、入会申込工程における照合処理に必要な情報を取得する機能を有する。申込者は、入会手続きにて、申込者端末10から入会申込み用のサイトと入会申込工程における照合処理用のサイトへそれぞれアクセスし、入会手続きを行う。
申込者は、入会申込工程における照合処理用のサイトへアクセスした際に、照合処理に必要な情報として、カード会社から通知された受付番号を入力する。
また、申込者は、照合処理に必要な情報として、入会手続き(入会申込み)を行う際に申込者端末10で自身(申込者)の本人確認書類73を撮影した本人確認書類画像70と、自身(申込者)の第2の容貌81を撮影した第2の容貌画像80を、入会申込工程における照合処理用のサイトへアップロードする。
【0067】
申込情報取得部632は、申込者によって入会申込工程における照合処理用のサイトに入力された受付番号と、当該サイトにアップロードされた本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80を取得する。
申込情報取得部632は、記憶部62に記憶されている受付番号の内、入会申込工程における照合処理用のサイトから取得した受付番号と一致する受付番号に対して、当該サイトから取得した本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80を対応付けて記憶部62に書き込んで記憶させる。
【0068】
(3-3)申込照合部633
申込照合部633は、入会申込工程における照合処理を行う機能を有する。申込照合部633は、第1の容貌画像72と第2の容貌画像80とを照合し、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否かを判定する。
申込照合部633は、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否かを示す照合結果を、受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80とに対応付けて記憶部62に書き込んで記憶させる。
【0069】
(3-4)申込処理部634
申込処理部634は、申込者による入会申込みに関する処理を行う機能を有する。例えば、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一である場合、申込処理部634は、入会申込みの手続きを完了可能とする。一方、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一でない場合、申込処理部634は、入会申込みの手続きを完了できないようにする。
このように、入会申込工程において申込者の本人確認が取れない場合に、後続の手続きが行えないようにすることで、不正な申込みに対するクレジットカードの発行を防止することができる。
【0070】
(3-5)アクティベート情報取得部635
アクティベート情報取得部635は、アクティベート手続工程における照合処理に必要な情報を取得する機能を有する。受取者は、受取者端末20からクレジットカードのアクティベート手続き用のサイトへアクセスしてアクティベート手続きを行う。
受取者は、アクティベート手続きにて、アクティベート手続工程における照合処理に情報として、カード会社から通知された受付番号を入力する。受取者によって入力された受付番号は、請求項における第2の識別情報の一例である。
また、受取者は、アクティベート手続工程における照合処理に必要な情報として、アクティベート手続きを行う際に受取者端末20で自身(受取者)の第3の容貌91を撮影した第3の容貌画像90を、アクティベート手続き用のサイトへアップロードする。
【0071】
アクティベート情報取得部635は、受取者によって当該クレジットカードのアクティベート手続きが行われた場合に、当該受取者によってアクティベート手続き用のサイトに入力された受付番号と、当該サイトにアップロードされた第3の容貌画像90とを取得する。
アクティベート情報取得部635は、記憶部62に記憶されている受付番号の内、アクティベート手続き用のサイトから取得した受付番号と一致する受付番号に対して、当該サイトから取得した第3の容貌画像90を対応付けて記憶部62に書き込んで記憶させてもよい。
【0072】
(3-6)記憶情報取得部636
記憶情報取得部636は、アクティベート手続工程における照合処理に必要な情報を記憶部62から取得する機能を有する。例えば、記憶情報取得部636は、アクティベート情報取得部635が取得した受付番号(第2の識別情報)と同一の記憶部62に記憶された受付番号(第1の識別情報)に対応付けられた第2の容貌画像80を、記憶部62から取得する。
【0073】
(3-7)アクティベート照合部637
アクティベート照合部637は、アクティベート手続工程における照合処理を行う機能を有する。アクティベート照合部637は、記憶情報取得部636によって取得された第2の容貌画像80とアクティベート情報取得部635によって取得された第3の容貌画像90とを照合し、申込者と受取者が同一であるか否かを判定する。
【0074】
アクティベート照合部637は、通信部61は、カード会社端末30に対して、アクティベート手続工程における照合処理の結果を通信部61から送信する。これにより、カード会社の担当者は、カード会社端末30からアクティベート手続工程における照合処理の結果を確認し、クレジットカードのアクティベートを行うか否かを決定することができる。申込者と受取者が同一人物ではないことを照合処理の結果が示す場合、担当者は、アクティベートを行わないことで、クレジットカードが悪用されることを防ぐことができる。
【0075】
なお、アクティベート照合部637は、アクティベート手続工程における照合処理の結果を、受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80と、第3の容貌画像90とに対応付けて、記憶部62に書き込んで記憶させてもよい。
【0076】
<<3.処理の流れ>>
図8及び
図9参照をして、本発明の実施形態に係る処理の流れについて説明する。
図2を参照して説明したように、本実施形態におけるカード発行の工程には、入会申込工程とアクティベート手続工程がある。以下、各工程における処理の流れについて詳細に説明する。
【0077】
<3-1.入会申込工程における処理の流れ>
図8を参照して、入会申込工程における処理の流れについて説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る入会申込工程における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0078】
図8に示すように、まず、申込者端末10は、申込者によって入会申込み用のサイトへアクセスする操作が行われた場合、当該サイトへアクセスする(ステップS101)。
申込者は、申込者端末10の表示部16に表示された入会申込み用のサイトに対して、入会申込みに必要な情報を入力する。申込者による入力が完了すると、申込者端末10の通信部11は、申込者によって入力された入力情報を申込受付サーバ50へ送信する(ステップS102)。
【0079】
申込受付サーバ50の入力情報取得部532は、申込受付サーバ50の通信部51が申込者端末10から受信する入力情報を取得する。申込受付サーバ50の受付処理部533は、取得された入力情報に対応する入会申込みを受け付け、当該入会申込みに対して受付番号を発行する(ステップS103)。
入会申込みの受け付け完了後、受付処理部533は、発行した受付番号を通信部51から照合サーバ60へ送信する(ステップS104)。
また、受付処理部533は、入会申込みの受付が完了したことを通知するメールを、通信部51から申込者端末10へ送信する(ステップS105)。なお、当該メールには、発行した受付番号が記載されているものとする。
【0080】
入会申込みの受付が完了したことを通知するメールの受信後、申込者端末10は、当該メールを確認した申込者によって入会申込工程における照合処理用のサイトへアクセスする操作が行われた場合、当該サイトへアクセスする(ステップS106)。
申込者は、申込者端末10の表示部16に表示された照合処理用のサイトに示された指示に沿って、メールに記載された受付番号を入力し、申込者端末10を用いて各種画像の撮影とアップロードを行う。申込者端末10は、申込者の操作によって申込者の本人確認書類を撮影する(ステップS107)。また、申込者端末10は、申込者の操作によって申込者の容貌を撮影する(ステップS108)。
申込者端末10の通信部11は、申込者が入力した受付番号と、撮影によって得られた本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80とを、照合サーバ60へ送信する(ステップS109)。
【0081】
照合サーバ60の通信部61が申込者端末10から受付番号と本人確認書類画像70と第2の容貌画像80とを含む申込情報を受信すると、照合サーバ60は照合処理を行う(ステップS110)。具体的に、まず、照合サーバ60の申込情報取得部632は、通信部61が受信した申込情報を取得する。照合サーバ60の申込照合部633は、申込情報に含まれる本人確認書類画像70が示す本人確認書類73に付帯された第1の容貌画像72と第2の容貌画像80とを照合し、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否かを判定する。
【0082】
申込照合部633は、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否かを示す照合結果を、申込情報に含まれる受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80とに対応付けて記憶部62に書き込んで記憶させる(ステップS111)。
【0083】
申込受付サーバ50のデータ連携部534は、申込受付サーバ50の受付処理部533によって入会申込みが受け付けられた際に、入力情報取得部532が取得した入力情報と受付処理部533が発行した受付番号とを含む受付情報を、通信部51からカード会社端末30へ送信する(ステップS112)。
【0084】
カード会社端末30の受付情報取得部341は、カード会社端末30の通信部31が受信した受付情報を取得し、カード会社端末30の表示部35に表示される。カード会社端末30は、当該受付情報を確認した担当者によって目視確認用のサイトへアクセスする操作が行われた場合、当該サイトへアクセスする(ステップS113)。
【0085】
カード会社端末30の申込照合情報取得部342は、担当者が目視確認用のサイトへアクセスした際に、目視確認の対象となる申込者の本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80を取得し、表示部35に表示させる。担当者は、表示部35に表示された本人確認書類画像70及び第2の容貌画像80を用いて目視確認を行う。
担当者による目視確認によって、本人確認書類画像70が示す本人確認書類73に付帯された第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であると判定された場合、カード会社端末30の手続処理部343は、入会手続きを実行し、入会手続きを完了させる(ステップS114)。
【0086】
入会手続きの完了後、手続処理部343は、入会手続きが完了したことを通知するメールを、通信部31から申込者端末10へ送信する(ステップS115)。
また、手続処理部343は、クレジットカードをアクティベートされていない状態で発行して申込者へ送信するためのカード発行処理も実行する(ステップS116)。
【0087】
<3-2.アクティベート手続工程における処理の流れ>
図9を参照して、アクティベート手続工程における処理の流れについて説明する。
図9は、本発明の実施形態に係るアクティベート手続工程における処理の流れを示すシーケンス図である。
【0088】
図9に示すように、まず、受取者端末20は、発行されたクレジットカードを受け取った受取者によってアクティベート手続工程における照合処理用のサイトへアクセスする操作が行われた場合、当該サイトへアクセスする(ステップS201)。
受取者は、受取者端末20の表示部26に表示された照合処理用のサイトに示された指示に沿って、入会申込みの受付番号を入力し、受取者端末20を用いて画像の撮影とアップロードを行う。受取者端末20は、受取者の操作によって受取者の容貌を撮影する(ステップS202)。
受取者端末20の通信部21は、受取者が入力した受付番号と、撮影によって得られた第3の容貌画像90とを、照合サーバ60へ送信する(ステップS203)。
【0089】
照合サーバ60の通信部61が受取者端末20から受付番号と第3の容貌画像90とを受信すると、照合サーバ60は照合処理を行う(ステップS204)。具体的に、まず、照合サーバ60のアクティベート情報取得部635は、通信部61が受信した受付番号と第3の容貌画像90とを取得する。照合サーバ60の記憶情報取得部636は、アクティベート情報取得部635が取得した受付番号(第2の識別情報)と同一の記憶部62に記憶された受付番号(第1の識別情報)に対応付けられた第2の容貌画像80を、記憶部62から取得する。照合サーバ60のアクティベート照合部637は、記憶情報取得部636によって取得された第2の容貌画像80とアクティベート情報取得部635によって取得された第3の容貌画像90とを照合し、申込者と受取者が同一であるか否かを判定する。
【0090】
アクティベート照合部637は、第2の容貌画像80が示す人物と第3の容貌画像90が示す人物とが同一であるか否かを示す照合結果を、受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80と、第3の容貌画像90とに対応付けて、記憶部62に書き込んで記憶させる(ステップS205)。
【0091】
カード会社端末30のアクティベート照合結果取得部344は、照合サーバ60にアクティベート手続工程における照合結果を要求する(ステップS206)。この時、アクティベート照合結果取得部344は、担当者によって入力された受付番号を、通信部31から照合サーバ60へ送信する。
照合結果を要求された照合サーバ60は、受信した受付番号に対応付けられた照合結果をカード会社端末30へ送信する(ステップS207)。
【0092】
アクティベート照合結果取得部344は、通信部31が照合サーバ60から受信した照合結果を取得し、表示部35に表示させる。担当者は、表示部35に表示された照合結果を確認し、クレジットカードのアクティベート処理を実行するか否かを決定する。担当者がクレジットカードのアクティベート処理を実行すると決定した場合、即ち、申込者と受取者が同一である場合に、アクティベート処理部345は、クレジットカードのアクティベート処理を実行する。(ステップS208)。
【0093】
アクティベート処理の完了後、アクティベート処理部345は、アクティベート処理が完了したことを通知するメールを、通信部31から受取者端末20へ送信する(ステップS209)。
【0094】
以上説明したように、本発明の実施形態に係るカード管理システム40は、記憶部62、アクティベート情報取得部635、記憶情報取得部636、及びアクティベート照合部637を備える。
記憶部62は、クレジットカードの入会申込みを一意に識別する受付番号(第1の識別情報)と、入会申込みの際に申込者の第1の容貌画像72が付帯された本人確認書類73を撮影した本人確認書類画像70と、入会申込みの際に申込者の第2の容貌81を撮影した第2の容貌画像80とを対応付けて記憶する。
アクティベート情報取得部635は、アクティベートされていない状態で発行されたクレジットカードの受取者によって当該クレジットカードのアクティベート手続きが行われた場合に、アクティベート手続きの際に受取者の第3の容貌91を撮影した第3の容貌画像90と、入力された受付番号(第2の識別情報)とを取得する。
記憶情報取得部636は、取得された受付番号(第2の識別情報)と同一の受付番号(第1の識別情報)に対応付けられた第2の容貌画像80を記憶部62から取得する。
アクティベート照合部637は、取得された第2の容貌画像80と第3の容貌画像90とを照合し、申込者と受取者が同一であるか否かを判定する。
【0095】
かかる構成により、本発明の実施形態に係るカード管理システム40は、入会申込みの際に撮影された申込者の画像とアクティベート手続きの際に撮影された受取者の画像を用いて、申込者と受取者が同一であるか否かを判定する。このように、カード管理システム40は、リアルタイム性のある画像を用いて判定を行うため、過去に撮影された画像や流用した画像等を用いた他者によるなりすましを防ぐことができる。
よって、本発明の実施形態に係るカード管理システム40は、アクティベートされていない状態で発行されたクレジットカードが悪用されるリスクを低減することを可能とする。
【0096】
発行されたクレジットカードは、間違いなく申込者の元に届けるために、書留郵便等の取り扱いが厳密かつ本人に手渡しする方法によって発送されている場合が多い。しかしながら、書留郵便の郵便料金は普通郵便の郵便料金と比較して高いため、コストダウンが求められる場合には、普通郵便等の郵便料金が安い郵送方法によってカードを発送できることが好ましい。
本実施形態に係るカード管理システム40では、申込者とは異なる人物の元へクレジットカードが届いたとしても、クレジットカードを受け取った人物は当該クレジットカードをアクティベートすることができず、使用することはできない。そのため、カード管理システム40を用いたシステムによって発行されたクレジットカードは、必ずしも書留郵便等の取り扱いが厳密かつ本人に手渡しする方法に発送される必要はなく、普通郵便によって発送されてもよい。これにより、クレジットカードの発送にかかるコストを削減することができる。
以上より、クレジットカード会社は、安価かつセキュリティ性の高いクレジットカード発行サービスを提供することができる。
【0097】
<<4.変形例>>
以上、本発明の実施形態について説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0098】
上述の実施形態では、記憶部62が、入会申込工程での照合処理における照合結果として、申込照合部633による照合結果を記憶する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、記憶部62は、入会申込工程での照合処理において、カード会社の担当者が目視確認によって第1の容貌画像72と第2の容貌画像80とを照合した結果を、受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80とに対応付けて記憶してもよい。即ち、記憶部62は、申込照合部633及び担当者のどちらが照合処理を行ったかに関わらず、第1の容貌画像72と第2の容貌画像80との照合結果を、受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80とに対応付けて記憶する。なお、記憶部62は、申込照合部633による照合結果と担当者による照合結果の両方を受付番号と、本人確認書類画像70と、第2の容貌画像80とに対応付けて記憶してもよい。
【0099】
上述の実施形態では、アクティベート手続工程における照合処理にて、第2の容貌画像80と第3の容貌画像90を用いた照合が行われる例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、アクティベート手続工程における照合処理では、受取者の本人確認情報も用いた照合が行われてもよい。
具体的に、アクティベート手続きの際に、アクティベート手続き用のサイトに対して、受取者に受取者の本人確認情報を入力させる。アクティベート情報取得部635は、アクティベート手続きの際に入力された受取者の本人確認情報をさらに取得する。記憶情報取得部636は、第2の容貌画像80を取得する際に記憶部62から本人確認書類画像70をさらに取得する。アクティベート照合部637は、取得された本人確認情報と、取得された本人確認書類画像70が示す本人確認書類73に記載された本人確認情報とをさらに照合し、申込者と受取者が同一であるか否かを判定する。
このように本人確認情報を用いた照合と、第2の容貌画像80と第3の容貌画像90を用いた照合を組み合わせることで、受取者の本人確認の精度を向上し、セキュリティ性も向上することができる。
【0100】
また、アクティベート手続工程における照合処理では、受取者の本人確認のための照合だけでなく、アクティベート手続きにおける異常を検知するための照合が行われてもよい。アクティベート手続きにおける異常は、例えば、不正なアクティベート手続きが行われていることである。アクティベート手続きにおける異常を検知するための照合は、例えば位置情報を用いて行われる。
具体的に、アクティベート情報取得部635は、第3の容貌画像90が撮像された位置を示す位置情報をさらに取得する。当該位置情報は、例えば、第3の容貌画像90の撮影時にGPS(Global Positioning System)等によって取得されたものである。記憶情報取得部636は、第2の容貌画像80を取得する際に記憶部62から本人確認書類画像70をさらに取得する。
【0101】
アクティベート照合部637は、取得された本人確認書類画像70が示す本人確認書類73に記載された位置情報と、アクティベート情報取得部635によって取得された位置情報との比較結果に基づき、不正なアクティベート手続き(異常)を検知する。本人確認書類73に記載された位置情報は、例えば、国名、都道府県名、住所、地名を含む単語(例えば運転免許証に記載の「東京都公安委員会」という単語)等である。
本人確認書類73に記載された位置情報とアクティベート情報取得部635によって取得された位置情報の両方が所定の範囲に含まれる場合、アクティベート照合部637は、アクティベート手続きが正常に行われていると検知する(即ち、申込者と受取者が同一であるとみなす)。一方、本人確認書類73に記載された位置情報とアクティベート情報取得部635によって取得された位置情報のいずれか一方でも所定の範囲に含まれない場合、アクティベート照合部637は、アクティベート手続きが不正に行われていると検知する(即ち、申込者と受取者が同一でないとみなす)。
なお、アクティベート照合部637は、各位置情報が一致するか否かに応じて、不正なアクティベート手続きを検知してもよい。
【0102】
また、アクティベート照合部637は、取得された本人確認書類画像70が示す本人確認書類73に記載された位置情報(例えば住所)が示す位置から、アクティベート情報取得部635によって取得された位置情報が示す位置までの距離に基づき、不正なアクティベート手続きを検知してもよい。例えば、アクティベート照合部637は、当該距離が所定の範囲内の距離である場合にはアクティベート手続きが正常に行われていると検知する(即ち、申込者と受取者が同一であるとみなす)。一方、アクティベート照合部637は、当該距離が所定の範囲内の距離でない場合にはアクティベート手続きが不正に行われていると検知する(即ち、申込者と受取者が同一でないとみなす)。所定の範囲は、例えば、第3の容貌画像90が撮像された位置が、本人確認書類73に記載された住所と異なる都道府県であったり、海外であったりする場合に、アクティベート手続きが不正に行われていると検知されるように設定される。
このように、受取者の本人確認のための照合と、アクティベート手続きにおける位置情報を用いた異常を検知するための照合を組み合わせることで、セキュリティ性を向上することができる。なお、上述した本人確認情報を用いた照合をさらに組み合わせてもよい。
【0103】
また、アクティベート手続きにおける異常を検知するための照合は、タイムスタンプを用いて行われてもよい。
具体的に、アクティベート情報取得部635は、第3の容貌画像90を取得した日時を示す第1のタイムスタンプと、第3の容貌画像90が受取者端末20によって撮像された日時を示す第2のタイムスタンプをさらに取得する。アクティベート照合部637は、第1のタイムスタンプが示す日時と第2のタイムスタンプが示す日時との差分に基づき、不正なアクティベート手続き(異常)を検知する。例えば、アクティベート照合部637は、当該差分が所定の範囲内の時間である場合にはアクティベート手続きが正常に行われていると検知する(即ち、申込者と受取者が同一であるとみなす)。一方、アクティベート照合部637は、当該差分が所定の範囲内の時間でない場合にはアクティベート手続きが不正に行われていると検知する(即ち、申込者と受取者が同一でないとみなす)。所定の範囲は、例えば、第3の容貌画像90がアクティベート手続きの際に撮影された画像ではない場合に、アクティベート手続きが不正に行われていると検知されるように設定される。
このように受取者の本人確認のための照合と、アクティベート手続きにおけるタイムスタンプを用いた異常を検知するための照合を組み合わせることで、セキュリティ性を向上することができる。なお、上述した本人確認情報を用いた照合や位置情報を用いた照合をさらに組み合わせてもよい。
【0104】
上述の実施形態では、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物とが同一であるか否かを、カード会社の担当者が目視によって確認する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、担当者は、第1の容貌画像72が示す人物と第2の容貌画像80が示す人物との類似度に基づき、各人物が同一であるか否かを判定してもよい。類似度は、例えば、申込照合部633が第1の容貌画像72と第2の容貌画像80の照合を行った際に、申込照合部633によって算出される。
担当者は、類似度も参考にして目視による判定を行うことで、判定を容易に行うことができたり、判定の精度を向上することができたりする。
【0105】
上述の実施形態では、カード管理システム40が申込受付サーバ50及び照合サーバ60の2つのサーバ装置で構成される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、カード管理システム40は、申込受付サーバ50及び照合サーバ60の各々が有する機能を全て有する1つのサーバ装置によって実現されてもよい。
【0106】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、上述した実施形態における申込者端末10、受取者端末20、カード会社端末30、申込受付サーバ50、及び照合サーバ60の各々が備える構成の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。また、申込受付サーバ50及び照合サーバ60の各々が備える機能を1つのサーバ装置で実現する場合、当該サーバ装置(即ち、カード管理システム40)が備える構成の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0107】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0108】
1…カード発行システム、10…申込者端末、11,21,31,51,61…通信部、12,22,32…入力部、13,23…撮像部、14,24,33,52,62…記憶部、15,25,34,53,63…制御部、16,26,35…表示部、20…受取者端末、30…カード会社端末、40…カード管理システム、50…申込受付サーバ、60…照合サーバ、70…本人確認書類画像、72…第1の容貌画像、80…第2の容貌画像、90…第3の容貌画像、341…受付情報取得部、342…申込照合情報取得部、343…手続処理部、344…アクティベート照合結果取得部、345…アクティベート処理部、531,631…サイト表示部、532…入力情報取得部、533…受付処理部、534…データ連携部、632…申込情報取得部、633…申込照合部、634…申込処理部、635…アクティベート情報取得部、636…記憶情報取得部、637…アクティベート照合部、NW…ネットワーク
【要約】 (修正有)
【課題】アクティベートされていない状態で発行されたカードが悪用されるリスクを低減するカード管理システム、カード管理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】カード管理システムにおいて、照合サーバ60は、カードが発行されるサービスへの発行申込みを識別する第1の識別情報と申込者の第1の容貌画像付きの本人確認書類と申込者の第2の容貌画像とを撮影した本人確認書類画像とを対応付けて記憶する記憶部62と、アクティベート手続きが行われた場合にアクティベート手続きの際に撮影したカードの受取者の第3の容貌画像と入力された第2の識別情報を取得するアクティベート情報取得部635と、第2の識別情報と同一の第1の識別情報に対応付けられた第2の容貌画像を取得する記憶情報取得部636と、第2の容貌画像と第3の容貌画像とを照合し、申込者と受取者が同一であるか否かを判定するアクティベート照合部637と、を備える。
【選択図】
図7