(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】グローブをスポーツ練習用のポールに連結するための装置
(51)【国際特許分類】
A63C 11/22 20060101AFI20220524BHJP
A63B 71/14 20060101ALI20220524BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20220524BHJP
A45B 1/04 20060101ALI20220524BHJP
A45B 9/02 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
A63C11/22 Z
A63B71/14 Z
A41D19/015 210B
A45B1/04 Z
A45B9/02 Z
(21)【出願番号】P 2019528508
(86)(22)【出願日】2018-02-12
(86)【国際出願番号】 IB2018050836
(87)【国際公開番号】W WO2018167578
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】102017000028741
(32)【優先日】2017-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519183601
【氏名又は名称】イン アクション エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ベルノッチ、フラヴィオ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-517005(JP,A)
【文献】国際公開第2010/081880(WO,A1)
【文献】特開昭53-134537(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102083506(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63C 11/22
A63B 71/14
A41D 19/015
A45B 1/04
A45B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの手のグローブまたは他のカバー要素を、スポーツ練習用のポールに、特にスキーポールに連結するための装置であって、
前記ポールの上端部近くで、前記ポールに結合された、または結合可能な、少なくとも1つの第1磁気連結要素と、
前記グローブまたは前記他のカバー要素に結合された、または結合可能な、少なくとも一つの第2磁気連結要素とを備え、
前記第1磁気連結要素及び前記第2磁気連結要素の少なくとも一つは、永久磁石であり、
前記第1磁気連結要素は、前記ポールのハンドルに配置され、
前記第2磁気連結要素は、親指と人さし指との間のエリアに相当するユーザの手のひらに位置決めら
れ、
前記第1磁気連結要素及び前記第2磁気連結要素は、親指と人さし指との間の1つのみのエリアで互いに磁気結合する、装置。
【請求項2】
ユーザの手の前記グローブまたは前記他のカバー要素と前記ポールとの間の前記連結は、追加要素の補助なしで、前記第1磁気連結要素と前記第2磁気連結要素との間の磁力のみにより提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1磁気連結要素及び前記第2磁気連結要素は、両方とも永久磁石である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1磁気連結要素または前記第2磁気連結要素のいずれか一方は、非磁化強磁性物質から形成される、請求項1~3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1磁気連結要素は、前記ポールの前記ハンドル周りに適用可能なストラップに支持される、請求項1~4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1磁気連結要素は、前記ポールの前記ハンドルに一体化されている、請求項1~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2磁気連結要素は、前記グローブに装着されたストラップまたはシースに支持される、請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第2磁気連結要素は、ユーザの手に直接着用できるハンドカバーシースに支持される、請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第2磁気連結要素は、前記グローブに直接的に一体化されている、請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1磁気連結要素および前記第2磁気連結要素は、相互接触のために配置された平らな前面を有する、請求項1~9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
第3連結要素が、ユーザのスキー板のそれぞれに結合されることによって、前記第1磁気連結要素が前記第3連結要素に結合できる、請求項1~10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1磁気連結要素は、ハンドル内で一体化され、ユーザによって握られるハンドルの外面近くに配置されることによって、ユーザの手の前記グローブまたは他のカバー要素と前記ポールとの間の磁気連結を生み出す、請求項1~11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ハンドルは、実質的に平らな面を有する垂直壁及び前記垂直壁に対して実質的に90度で配置された水平壁を有する溝部を含み、
前記第1磁気連結要素は、前記溝部に隣接して前記ポールの前記ハンドル内で一体化されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ハンドルは、実質的に平らな面を有する垂直壁及び前記垂直壁に対して実質的に90度で配置された水平壁を有する溝部を含み、
前記第1磁気連結要素は、前記垂直壁に隣接して前記ハンドルの外面に配置されている、請求項1~11の何れか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの手のグローブまたは他のカバー要素をスポーツ練習用のポール、具体的にはスキーポールに連結するための装置に関し、装置は、前記ポールの上端部近くで、前記ポールに結合された、または、結合可能な、少なくとも一つの第1磁気連結要素と、前記グローブまたは前記他のカバー要素に結合され、または結合可能な、少なくとも一つの第2磁気連結要素とを備え、前記第1磁気連結要素及び前記第2磁気連結要素の少なくとも一つは、永久磁石である。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプの例示的な装置は、文献IT 109 28 35 Bに記載及び説明されている。
【0003】
具体的なスキーポールの事例では、ほとんどの従来の解決策は、ポールに対して動かないようにされる得るユーザの手によって、ポールに結合されているストラップなどを含む。しかしながら、そのような装置の欠点の一つは、スキーリフトシステムによる移動の終点に到達したユーザが、ポールハンドル(グリップ)のストラップを手首の上に向けて挿入することを止めざるを得ないことにある。この作業は、スキーリフトシステムのステーションへの到着寸前で、ユーザに時間の浪費させること、及び、小さな混雑を作ることを引き起こす。さらに、落下の場合に、ストラップと一緒のポールは、ユーザの手首に結び付いたままであり、結果として、けがの可能性が生み出される。
【0004】
装置は、ポール及びグローブを機械的に連結するために、既に、提案され、それか、機械的な装置に加えて、磁気タイプの装置もまた提供される。このタイプの連結装置は、文献CA 291 18 99 A1に記載されている。
【0005】
機械的及び磁気的な拘束の両方を有する装置の複雑さを単純化するために、完全に磁気的な装置また開発されている。このタイプの連結装置は、上述の文献IT 109 28 35 Bに記載されている。しかしながら、今までに製造された、この後者のタイプの装置は、各種の観点に照らして完全に満足されておらず、特に、使用の単純さ及び容易さの観点で、及び、グローブとポールとの間のグリップ手順の効率の観点で、完全に満足されていない。
【発明の概要】
【0006】
[本発明の目的]
本発明の目的のため、本説明の先頭で示されたタイプの装置であって、単純及び機能的であり、且つ、低生産コストである装置を提供する。
【0007】
追加の目的は、当初から磁気連結要素と共に製造されるグローブ及びポール、並びに、これらの製造時に磁気要素を含まないグローブ及びポールの両方に実行されるのに適切な、多用途の連結装置を提供する。
【0008】
[本発明の概要]
上記の目的の実現を考慮して、本発明は、ユーザの手のグローブまたは他のカバー要素をスポーツ練習用のポール、特にスキーポールに連結するための装置に関し、本説明の先頭で示された全ての特徴を含み、更に、前記第1要素は、前記ポールのハンドルに配置され、前記第2要素は、親指と人さし指との間のエリアに相当するユーザの手のひらに位置決められることを特徴とする。
【0009】
本発明は、請求項の装置をグローブに一体化することによって適用でき、初めからポールに一体化することによって適用でき、または、当初は、この装置なしで、請求項の装置にグローブ及びポールを適用する可能性を提供することによって適用できる。また、この事例は、グローブに結合されるのではなく、例えば、ストラップ、または、手のカバー要素の形式で、手の他のカバー要素に結合される装置も想定される。
【0010】
本発明に係る装置の関連のある特徴によれば、ユーザの手のグローブまたは他のカバー要素とポールとの連結は、更なる要素の補助なく、単に、第1要素と第2要素との間の磁力に起因して実現される。
【0011】
本発明の第1の実施形態によれば、第1要素及び第2要素は、両方とも永久磁石であり、さらに、代替的な実施形態では、第1要素または第2要素のいずれか一方は、非磁化強磁性物質から作られている。
【0012】
装置の好ましい実施形態によれば、ポールハンドルは、実質的に平らな面を伴う垂直壁、及び垂直壁に対して実質的に90度で配置された水平壁を有する溝部を含み、第1要素は、ポールハンドル内で一体化されて、前記溝部に隣接して配置される。
【0013】
添付された請求項及び後段の記載に示された、上記の特徴及び追加の特徴の結果、本発明に係る装置は、所定の目的を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の更なる特徴及び利点は、限定されない実施例によって単に提供された、添付図面を参照して後述される記載から明らかになる。
【
図1A】具体的には、グローブに結合され、または、結合可能な磁気連結要素の斜視図である。
【
図1B】具体的には、グローブに結合され、または、結合可能な磁気連結要素の斜視図である。
【
図2A】具体的には、スキーポールに結合され、または、結合可能な磁気連結要素の斜視図である。
【
図2B】具体的には、スキーポールに結合され、または、結合可能な磁気連結要素の斜視図である。
【
図3A】本発明に係る装置の代替的な実施形態を示す斜視図である。
【
図3B】本発明に係る装置の代替的な実施形態を示す斜視図である。
【
図3C】本発明に係る装置の代替的な実施形態を示す斜視図である。
【
図3D】本発明に係る装置の代替的な実施形態を示す斜視図である。
【
図4A】本発明の代替的な実施形態の詳細を示す図である。
【
図4B】本発明の代替的な実施形態の詳細を示す図である。
【
図6】本発明に係る装置に結合可能なスキー板を示す図である。
【
図7】本発明に係る装置の実施形態を示す図である。
【
図8】本発明に係る装置の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付図面には、ユーザの手をスポーツ練習用のポール4に連結するための本発明に係る装置が示される。具体的には、示された実施形態を参照し、ポール4は、スキーポールであるが、また、当然ながら本発明は、他のスポーツ練習用に構成されたポール(例えば、トレッキングポール)のための連結装置にも適用できる。
【0016】
【0017】
本発明の基本的な特徴によれば、装置は、ポール4の上端部の一つに結合された第1磁気連結要素Aと、グローブ1に結合された第2磁気連結要素Bとを備える。具体的には、本発明に係る装置の全体図(
図5)に示されるように、第1磁気連結要素Aは、ポール4のハンドル40に正確に配置され、さらに、第2磁気連結要素Bは、親指と人さし指との間のエリアに相当するユーザの手のひらに位置決められるように配置される。
【0018】
上述された位置への二つの磁気連結要素A,Bの配置の結果、第1磁気連結要素Aと第2磁気連結要素Bとの間で発揮された磁力は、グローブ1とポール4との間の迅速の連結を可能とする。
【0019】
本発明の第1の実施形態によれば、第1要素A及び第2要素Bは、両方とも永久磁石である。代替として、第1要素Aまたは第2要素Bのいずれか一方は、永久磁石からなる他の要素に引き付けられるように、非磁化強磁性物質から作られている。基本的に、本発明に係る装置を有効とするためには、第1要素A及び第2要素Bのうちの一方だけが永久磁石である必要がある。
【0020】
図3A、
図3B、
図3C、
図3Dは、本発明に係る装置の各種の実施形態を例示する。
図3Aでは、第1要素Aは、ポール4のハンドル40の周りに適用され得るストラップ3によって支持され、第2要素Bは、グローブ1に一体化されている。
図3Bでは、第1要素A及び第2要素Bは、ポール4のハンドル40に、グローブ1に、それぞれ一体化されている。
図3Cでは、第1要素Aは、ポール4のハンドル40に一体化され、第2要素Bは、グローブ1に装着されたストラップ2(またはシース)に支持されている。
図3Dでは、第1要素Aは、ポール4のハンドル40の周りに適用され得るストラップ3によって支持され、第2要素Bは、グローブ1に装着されたストラップ2(またはシース)によって支持されている。
【0021】
また、上述された実施形態によれば、本発明に係る装置は、当初から一体化された要素A,Bと一緒に提供されていないポール及び/又はグローブの事例において実施され得る。
【0022】
更に、本発明に係る装置が、ポールの補助を用いるウィンタースポーツではない歩行タイプのために使用される事例では、手を覆うストラップによって支持された第2要素Bの形態の装置に使用することが可能であり、
図3C及び
図3Dに示されたものと全く同様のやり方で(グローブ1上のストラップ2)、ユーザの手に直接着用され得る(図示されていない)。
【0023】
本発明に係る装置の基本的な特徴によれば、ユーザの手とポール4との間の連結は、機械的な拘束を生み出す追加要素(ひもまたは留め金のような密着要素)の補助なく、単に、第1要素Aと第2要素Bとの間で発揮された磁力に起因して実現される。この特徴の結果、本発明に係る装置は極めて簡単な構造で、ユーザの手とポールとの間の効率的なグリップを提供する。
【0024】
2つの要素A,B(
図5)の接触によって提供された磁力の強度は、ユーザの年齢に応じて調整される。成人男性のための例では、0℃において、それぞれの永久磁石のために、8.34kgfの吸着力が適切であるとみなす。
【0025】
上述されたように、グローブ及びポールの両方に永久磁石を提供する必要はなく、実際には、有効な連結を得るために必要な磁力は、一側(ポールまたはグローブ)だけに適用された永久磁石と、他側に適用された強磁性の性質を伴う材料との間で適用される。更に、有効な拘束を達成するための磁力の強度を修正するために、同じ側(グローブ及び/又はポール)に複数の永久磁石/強磁性物質を結合することもできる。
【0026】
図4Bに示される本発明の他の好ましい特徴によれば、2つの磁気連結要素A,Bは、相互接触のために配置された平らな前面を有する。また、例えば、立方体の形態で作られ永久磁石は、上述されたように、グローブ及び/又はポールに互いに結合されることができる。
【0027】
本発明に係る装置の上記の構造の結果、磁気連結要素A,Bに加えて他の要素の補助なくポール4のハンドル40への即時かつ有効な連結を得ることができる。同時に、ハンドル40の第1要素Aの配置、及び、親指と人さし指との間におけるグローブ1の第2要素Bの配置の結果、装置の磁力は、落下の場合に、自発的または無意識の両方で、ポール4からユーザの手が離れ易くするために、過度ではない。第2磁気連結要素2が親指と人さし指との間のエリアに相当するユーザの手のひらに配置されているという事実の結果、ユーザの手の一部は、第1要素Aと第2要素Bとの間で発揮された磁気引力に対して自由であり、その結果、さらにポール4を維持することによって(例えば、雪の中にそれを指すことによって)、ユーザの手は、回転移動を発揮することによって、磁気引力からそれ自体を自由にすることができる。
【0028】
図7および
図8は、本発明の特に有利な実施形態を示し、第1要素Aは、グローブに装着されたストラップ/シース2によって、又は、ユーザのグローブによって直接、支持された磁気要素Bに効果的に連結され得るように、第1要素Aは、ポールのハンドル40内で一体化され、ユーザによって握られることが可能なポール部分の外面近くに配置される。ハンドル40の中に第1磁気要素Aの挿入を可能とするために、ハンドル40は、その中及びキャップの内部に要素Aを受け入れるために配置された中空部分を含み、ハンドル40の上部に相当する部分は、上記の中空部分の近くに配置される。
【0029】
さらに、再び、
図7及び
図8を参照し、ハンドル40は、実質的に平らな面を有する垂直壁61及び前記垂直壁61に対して実質的に90度で配置された水平壁60を有する溝部6を含む。ハンドル40中に一体化されている要素Aの実施形態では、要素Aは、溝部6に隣接して、具体的には、垂直壁61に隣接して配置される。
【0030】
ハンドル40中の磁気連結要素Aの配置の結果、磁気吸着力の持続時間は、ハンドル40の外に配置された要素Aの場合に対してかなりに増加する。
【0031】
更に、溝部6は、ポールとユーザの手との間の連結を改善することを可能とし、この溝部がないハンドルと比較してより高い摩擦を得られる。摩擦及び磁気連結力は、ユーザの手と装置との間の極めて有効な連結を引き起こす。
【0032】
また、第1磁気連結要素Aの近くに配置された溝部6の垂直壁61(
図8)は、例えば、ユーザがこのスキーリフトシステムの使用している間、ポールがスキーリフトシステム(チェア-リフト、ケーブルカー、または、スキー-リフト)の金属要素に取り付けられることを可能とする。
【0033】
本発明の他の特性によれば、第3の磁気連結要素C(例えば、強磁性の性質を有するステッカー)は、第1要素Aが第3要素Cに連結されることができるように、(スキーのために使用される本発明に係る装置の事例において)ユーザのスキー板5のそれぞれに結合される。
【0034】
上記の構造の結果、本発明に係る装置は、シンプルであり、機能的であり、信頼でき、低生産コストである。
【0035】
また、製造された装置は、それらの製造時に磁気要素を含まないグローブ及びポールと同様に、磁気要素を収容するために当初から設計されたグローブ及びポールの両方が実施され得るので、高い多用途性を有する。
【0036】
当然ながら、本発明の原理を損なうことなく、構造の詳細および実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、単に例として説明および示されたものから大きく変化してよい。