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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】太陽電池および太陽光発電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20220524BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020043437
(22)【出願日】2020-03-12
(62)【分割の表示】P 2016544468の分割
【原出願日】2015-03-24
(65)【公開番号】P2020109863
(43)【公開日】2020-07-16
【審査請求日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】14/229,543
(32)【優先日】2014-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505379467
【氏名又は名称】サンパワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ハーレー、ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】モーズ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カズンズ、ピーター ジョン
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/008617(WO,A1)
【文献】特開2013-048166(JP,A)
【文献】米国特許第04612408(US,A)
【文献】特開2005-191479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
H02S 10/00-99/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
太陽電池の個片化時に形成された複数の個片化され物理的に分離されたサブセルであって、前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々は、N型領域およびP型領域を含むバルク単結晶シリコン基板部分を有する、複数の個片化され物理的に分離されたサブセルと、
前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、サブセル同士の対の間のスクライブ部と、
前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、前記サブセル同士の前記対の間の前記スクライブ部の全体の上方に配置され、前記スクライブ部の全体を覆う金属配線構造体であって、前記金属配線構造体は、受光面とは反対側の、前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の裏面に接合され、前記金属配線構造体は、前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの少なくとも2つの一方に含まれる前記N型領域と他方に含まれる前記P型領域とを電気的に橋絡している、金属配線構造体と、
前記バルク単結晶シリコン基板部分の裏面上に形成され、前記N型領域と前記P型領域とに接するように形成されたポリマー領域と、
を備え
前記金属配線構造体は、前記ポリマー領域上に、前記N型領域から前記P型領域への方向において前記ポリマー領域を囲うように形成される、
太陽電池。
【請求項2】
前記金属配線構造体は、応力除去機能を含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記スクライブ部に隣接する切断部をさらに備え、
前記金属配線構造体は、前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、前記サブセル同士の前記対の間の前記スクライブ部と前記切断部との全体の上方に配置され、前記スクライブ部と前記切断部との全体を覆う、
請求項1または2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルは、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせである、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記太陽電池が、前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、前記サブセル同士の前記対の間の前記スクライブ部内に配置された封入材料をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々は、同じ電圧特性および同じ電流特性を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の前記受光面が、テクスチャ化された表面である、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記金属配線構造体は、連続的な金属配線構造体である、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記スクライブ部は、曲面を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載の太陽電池を複数備える、太陽光発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、再生可能エネルギー、特に、金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池、および金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池を形成する個片化手法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池として一般的に知られる太陽光発電電池は、太陽放射を電気エネルギーに直接変換するための周知のデバイスである。一般に、太陽電池は、半導体処理技術を使用して半導体ウェハ上または基板上に製造され、基板の表面近くにp-n接合が形成される。基板の表面に衝突し、これに進入する太陽放射は、基板のバルク内に電子-正孔対を形成する。当該電子-正孔対は、基板内のpドープ領域およびnドープ領域に移動し、これによって、当該ドープ領域間に電圧差を発生させる。当該ドープ領域は、太陽電池の導電性領域に接続されており、電流を太陽電池からそれと結合された外部回路へと方向付ける。
【0003】
効率は、太陽電池の重要な特性である。というのは、太陽電池の発電能力に直接関係するからである。同様に、太陽電池の生産効率は、このような太陽電池の費用効果に直接関係する。したがって、太陽電池の効率を向上させるための技術、または太陽電池の製造効率を向上させるための技術が、一般的に所望される。本開示のいくつかの実施形態は、太陽電池構造体を製造するための新規な処理をもたらすことによって、太陽電池の製造効率の向上を可能にする。本開示のいくつかの実施形態は、新規な太陽電池構造体をもたらすことによって、太陽電池の効率向上を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】本開示の一実施形態に係る、物理的に分離されたサブセルを形成するための個片化前の太陽電池の断面図を示す。
【0005】
図1B】本開示の一実施形態に係る、物理的に分離されたサブセルを形成するための個片化後の太陽電池の断面図を示す。
【0006】
図2】本開示の一実施形態に係る、金属をセル個片化のためのバックストップとして用いる一対の個片化されたサブセルの一部分の断面図を示す。
【0007】
図3】本開示の一実施形態に係る、ポリマーまたは他の非金属をセル個片化のためのバックストップとして用いる一対の個片化されたサブセルの一部分の断面図を示す。
【0008】
図4A】本開示の一実施形態に係る、4個の並列接続されたサブセルにダイシングされた太陽電池の金属配線側からの平面図を示す。
【0009】
図4B】本開示の別の実施形態に係る、4個の並列サブセルにダイシングされた別の太陽電池の金属配線側からの平面図を示す。
【0010】
図5A】本開示の一実施形態に係る、並列配置による2個のサブセルにダイシングされた太陽電池の金属配線側からの平面図を示す。
【0011】
図5B】本開示の一実施形態に係る、直列配置による2個のサブセルにダイシングされた太陽電池の金属配線側からの平面図を示す。
【0012】
図5C】本開示の一実施形態に係る、直列配置による6個のサブセルにダイシングされた太陽電池の金属配線側からの平面図を示す。
【0013】
図5D】本開示の一実施形態に係る、直列配置による10個のサブセルにダイシングされた太陽電池の金属配線側からの平面図を示す。
【0014】
図6】本開示の1または複数の実施形態に係る、セル個片化の検討および手法の代表例を示す。
【0015】
図7】本開示の一実施形態に係る、サブセルを形成するための太陽電池の個片化のためのレーザスクライビングに関して可能な3つの道筋を示す。
【0016】
図8】本開示の一実施形態に係る、個片化を用いてサブセルを形成する太陽電池製造方法における工程を表すフローチャートである。
【0017】
図9】本開示の別の実施形態に係る、個片化を用いてサブセルを形成する別の太陽電池製造方法における工程を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例に過ぎず、本主題の実施形態、またはそのような実施形態の応用および用途を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、「例示の」という語は、「例、事例、実例として機能すること」を意味する。本明細書で例として記載するいかなる実装態様も、必ずしも他の実施態様よりも好ましいものまたは有利なものであると解釈すべきではない。更に、前述の技術分野、背景技術、概要、若しくは以下の詳細な説明で示される、明示または暗示のいかなる理論によっても、拘束されることを意図しない。
【0019】
本明細書は、「一実施形態」または「ある実施形態」という言及を含む。「一実施形態では)」または「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしも、同じ実施形態を指すわけではない。特定の機構、構造、または特性を、本開示と矛盾しない任意の好適な態様で組み合わせることができる。
【0020】
用語。以下のパラグラフは、本開示(添付の特許請求の範囲を含む)内に存在する用語に関する、定義および/または文脈を提供する。
【0021】
「備える」。この用語は、オープンエンド型である。添付の特許請求の範囲で使用されるとき、この用語は、追加の構造または段階を排除するものではない。
【0022】
「~よう構成された」。様々なユニットまたは構成要素は、タスクを実行する「よう構成された」として、記載または特許請求される場合がある。そのような文脈では、「~よう構成された」は、それらのユニット/構成要素が、動作中にそれらのタスクを実行する構造を含むことを示すことによって、その構造を含意すべく使用される。それゆえ、それらのユニット/構成要素は、指定のユニット/構成要素が現在動作可能ではない(例えば、オン/アクティブではない)場合であっても、そのタスクを実行するよう構成されていると言うことができる。ユニット/回路/構成要素が、1または複数のタスクを実行する「よう構成された」と記載することは、そのユニット/構成要素に関して、米国特許法第112条第6項が適用されないことを、明示的に意図するものである。
【0023】
「第1の」、「第2の」等。本明細書で使用するとき、これらの用語は、それらの後に置かれる名詞に関する指標として使用されるものであり、いずれのタイプの(例えば、空間的、時間的、論理的等)順序付けも意味するものではない。例えば、「第1の」太陽電池という言及は、この太陽電池が順番における最初の太陽電池であることを必ずしも意味するものではなく、その代わりに、用語「第1の」は、この太陽電池を別の太陽電池(例えば、「第2の」太陽電池)から区別するために使用される。
【0024】
「結合され」以下の説明は、共に「結合された」素子またはノードまたは機構を指す。本明細書で使用するとき、明示的に別途記載されない限り、「結合され)」とは、1つの要素/ノード/機構が、別の要素/ノード/機構に、直接的若しくは間接的に結合される(または、直接的若しくは間接的に連通する)ことを意味し、これは、必ずしも機械的なものであるとは限らない。
【0025】
また、特定の用語もまた、専ら参照目的で、以下の詳細な説明において使用されることがあり、それゆえ、それらは限定的であることを意図するものではない。例えば、「上側」、「下側」、「上方」、および「下方」などの用語は、参照される図面内での方向を指す。「前部」、「後方」、「後部」、「側部」、「外側」、および「内側」などの用語は、言及中の構成要素について記載するテキストおよび関連図面を参照することによって明確にされる、一貫性はあるが任意の基準枠の範囲内での、構成要素の諸部分の向きおよび/または位置を記載するものである。そのような用語は、具体的に上述された語、それらの派生語、および類似の意味の語を含み得る。
【0026】
金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池、および金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池を形成する個片化手法が本明細書において記載される。以下の詳細な説明では、本開示の実施形態に関する完全な理解をもたらすべく、特定の処理フロー操作等、多数の具体的な詳細が記載される。本開示の実施形態は、これら具体的な詳細を用いずとも実現可能であることは、当業者には明らかであろう。他の場合には、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、太陽電池エミッタ領域製造技法等周知の製造技術は詳細に記載されていない。更に、図に示された様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも原寸に比例するものではないことを理解されたい。
【0027】
本明細書において開示されるのは、金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池である。一実施形態では、太陽電池は、複数のサブセルを含み、各サブセルは、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分を有する。個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士は、それらの間に溝を有する。太陽電池はまた、モノリシック金属配線構造体を含む。モノリシック金属配線構造体の一部分は複数のサブセルのサブセル同士を結合する。個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝は、モノリシック金属配線構造体の一部分を露出させる。
【0028】
また、金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池を形成する個片化手法が本明細書において開示される。一実施形態では、太陽電池を製造する方法は、半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階を含む。本方法はまた、半導体基板をこの半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階を含む。スクライビングする段階は、金属配線構造体の複数の部分で停止され、複数の部分を第2の表面から露出させている。
【0029】
別の実施形態では、第1の表面を有する半導体基板を有する太陽電池を製造する方法は、少なくとも2個のサブ太陽電池セルを物理的に隔離すべく、半導体基板を第1の表面までダイシングする段階の前に、半導体基板の第1の表面の直上において、太陽電池の少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に、それらの間の電気的セル間接続を提供するためのインターコネクトを形成する段階を備える。
【0030】
より一般的には、諸実施形態は、モジュール相互接続部を増加させるか、またはより小さなセルの扱いを必要とすることなく、太陽電池ウェハのダイシングまたは個片化を可能にする手段として、金属配線を利用することに関する。例示的な実施形態では、単一の太陽電池(例えば、125cm、156cm、210cm)が、モジュール電流および電圧の融通性、並びに金属配線の融通性を可能にすべく、より小さなセルに細分される。一例として、単一のシリコンP/Nダイオードは0.6~0.74Vの開回路電圧(Voc)を有する。最大出力動作電圧(Vmp)は1つの太陽電池について、およそ0.63Vであってよい。それゆえ、単一のダイオードセルは0.63Vの電圧を有することになる。10個のサブダイオードが単一の全領域ウェハ上に作成され、直列に接続される場合、電圧は、セル全体について(標準的なセルの場合の電流の大体1/10、または約0.5Aにおいて)6.3Vになるであろう。このような電圧範囲のセルの用途は、USB充電仕様1.2であってよい。この電圧の96個のセルがモジュール内で直列に配列されたならば、モジュール動作電圧はおよそ604.8V DCになるであろう。このような電圧範囲を有するモジュールの用途は、低圧DCから高圧(およそ240Vrms)AC用途への電圧変換を行うインバータ内部のパワーエレクトロニクスを単純化するためのものである。
【0031】
電圧を制御する能力を有することは、逆に言えば、電流の制御を可能にするが、それが最終的には、完成デバイスに要求される金属の厚みを規定することになる。なぜなら、電力損失は金属内の抵抗損失に関連付けられるためである。例えば、13cm(5インチ)ウェハ上の交互嵌合バックコンタクト(IBC)セルの場合、公称フィンガ長は、125mm長であり、グリッド損を防止すべく、およそ30μmのめっき銅(Cu)を必要とする。15cm(6インチ)ウェハへ進むと、フィンガ長は156mmに延び、抵抗損失は長さの2乗に従うため、これは、およそ48μmの金属厚を必要とし得る。その可能性により、例えば、より直接的な材料コストを有することによって、およびツールのスループットを低下させることによって、金属配線のコストを大きく増大させる。それゆえ、複数のダイオードによる解決手段をとることによってフィンガ長およびセルパラメトリックを制御することができれば、太陽電池の金属配線の処理における融通性をより高めることを可能にする。特に、より大きなセル上における用途の場合、セルのサイズを増大させると、生成される電流も増大する。また、野外で動作中のデバイスの温度は電流に依存し、経年作用の加速を回避し、および万一、セルが逆バイアスに入った場合に、より高温になるリスクを回避すべく、温度は一般的に最小限に抑えられなければならない。更に、概して、電流が低下すれば、モジュールの全体的な信頼性は向上することになる。
【0032】
一実施形態では、金属配線手法を用いて、複数のサブセルを親セル内で共に保持し、それらのための機械的完全性を提供する。それにより、モジュールを構築する際に、更なる処理の複雑さは必ずしも必要でなくなり、セルは、物理的に分離された状態を維持する。いくつかの実施形態は、サブセルインターコネクト内に、ビルトインの応力除去を用いることを更に含む。記載された諸実施形態は、製造時の処理の複雑さ若しくは金属配線の諸問題、またはフィールド信頼性の懸念の増大を伴うことなく、より大きなウェハへの拡張性を可能にし得る。
【0033】
背景を記載するに、ウェハ上に形成された単一のダイオードを有する、より大きなウェハを用いた太陽電池の製造へと切り替えるほど、発生される電流は大きくなる。通例、このような電流の増大は、Rs損失を回避すべく、より厚みのある金属を必要とし、そのため、製造された太陽電池のコストおよび複雑さが増大し得る。最新の業界の解決策は、面積が小さくなることに加え、接触フィンガに沿った電流輸送長が短くなることの両方によって電流が低減されるよう、セルを、例えば、2個、4個、16個等、より小さな個々のダイオードにダイシングすることを含む。しかしながら、この手法を実装する際には、しばしば2つの問題が生じる。第1に、各サブセルが処理され、相互接続される必要があるという点で、個々の構成要素が生成される。その結果、必要とされるセル対セルインターコネクトの数が増加し、セル内における、異なるサイズの、より小さなウェハの処理が必要になる。第2に、時として、下位構成要素が、サブセルを共に連結する、テンプレート(例えば、バックプレーン)上に生成される。このような手法に関連する1つの問題は、バックプレーンのコスト、およびバックプレーンを通じた接合の複雑さである。更に、システムの最適性能のために、各サブセルの電流は一致される必要があり、これにより、様々な対称軸に加え、例えば、めっき若しくは試験パッド、または相互接続パッドに起因する、セル上の「デッド」スペースのために、擬似正方形単結晶ウェハの面倒な問題がもたらされる。これは、いくつかの幾何学的制約をもたらす。また、金属が、隣り合ったサブセルへの短絡を伴うことなくサブセル組立体を物理的に共に保持するよう要求される場合には、これによっていくつかの課題がもたらされる。例えば、直列1/4セル設計については、個々の構成要素の処理を行うことなくセルを共に保持するための新規なエミッタおよび金属構成が必要になる。
【0034】
以上の問題に対処すべく、本明細書に記載の1または複数の実施形態は、モノリシック金属配線構造体を、効果的に個片化前に複数のサブセルを共に連結するためのバックプレーンとして実装することを含む。この手法は、個々のサブセルの処理、または金属インターコネクトの追加のレベルを必要としない、対応する親セル上におけるセル間接続を可能にする。更に、それは、インターコネクトのビルトインの金属配線を可能にし、ひいては、従来の相互接続パッドに起因するデッドスペースをなくすか、または実質的に減少させる。複数のセルを共に連結すべく、金属または金属配線構造体を用いることには、新たな課題およびリスクが伴い得ることを理解されたい。例えば、サブセルは通常、すべて同じ面積を有する必要があるいう点で、各サブセルは通常、同じ電流および電圧特性を有する必要がある。具体的な実施形態では、疑似正方形構成について、エミッタおよび金属の設計は、単純な相互接続を可能にする仕方で製造される必要があり得る。本明細書に記載の諸実施形態に従い、半セル、四半セル、10セルまたは6セル設計を用いたいくつかの例示的なレイアウトが、以下により詳細に記載される。また、本明細書に記載の1または複数の実施形態は、裏面金属配線構造体と別個のバックプレーンを用いずに実装可能である。いくつかの実施形態はバックコンタクト太陽電池に関し、いくつかの実施形態は、制御可能な電圧および電流を有するダイシングされたマルチダイオードセル、可変の電圧および電流を有するモジュールの製造、並びに比較的大きなセルの製造を可能にする。
【0035】
本明細書に記載の追加の実施形態に従い、例えば、セル間応力除去のための手法を提供することによって、サブセル間の金属破損のリスクに対処するための手法が記載される。例示的な実施形態では、セル間インターコネクトのための応力除去をビルトインする設計が、上記の個片化手法と共に実装される。
【0036】
更なる追加の実施形態では、ダイシングされたセルに起因する電力損失のリスクに対処するための手法が記載される。例示的な実施形態では、縁部損失を低減するための手法が実装される。このような実施形態の1つでは、太陽電池の受光面をテクスチャ化する段階の前に、事前の溝付けが行われる。これに続き、切断処理、および、場合により、隔離後の不動態化処理が行われる。このような実施形態の1つでは、エミッタは、スクライブがNドープ領域内に、主に、または完全に含まれるように、設計される。Nドープ領域は、不動態化されていないときには、不動態化されていないPドープ領域よりも低い再結合率を有する。したがって、著しい電力損失の減少がもたらされる。別の実施形態では、不動態化されていない接合は大幅により高い再結合を有し、結果的により大きな電力損失を生じさせるので、エミッタおよびスクライブは、スクライブとP-N接合との交差がほとんどまたは全く存在しないように設計される。更に、一実施形態では、特定のレーザパラメータは、側壁損傷、溶融、および後側の絶縁誘電体スタックの破壊を生じさせ得るという理解のもとに、レーザパラメータは、このような損傷、溶融、および破壊を最小限にとどめるように選択される。通常、これは、より短いパルス長(例えば、およそ10ナノ秒未満)、および後方誘電体を破壊する手前で停止する処理(例えば、溝付け、およびそれに続く機械的分離)をとるようにレーザの選択を促す。
【0037】
更なる実施形態では、基板またはウェハ(例えば、シリコン)隔離処理中における金属の損傷のリスクに対処するための手法について記載する。例示的な実施形態では、金属が直接スクライビングされないよう、緩衝材をアブレーション停止材として用いることによって、損傷がなくされるか、または少なくとも軽減される。
【0038】
更なるリスクは、例えば、Siを完全に隔離しないこと、または隔離されたSi領域同士をサイクル中、互いに接触させることによる、ベースを通じた短絡を含み得る。1または複数の実施形態は、シリコンの短絡および摩耗のリスクを軽減すべく、個々のシリコンの複数の部分間の溝を充填するための封入材を導入することによって、このような問題に対処する。このような実施形態の1つでは、耐金属性を有するパッシベーション材料が、縁部を不動態化し、絶縁するための一次または二次反射防止コーティング(ARC)層として用いられる。
【0039】
以下において図に関連してより詳細に記載される通り、本明細書に記載の具体的な実施形態は、およそ20μmよりも大きい厚みを有する金属または金属配線構造体を用いれば、この金属を、セルを共に保持するために利用することによって、さもなければ太陽電池におけるシリコン(Si)のクラックに付随する電力損失を防止することができるという理解に基づいて実装可能である。本明細書に記載の諸実施形態は、複数のサブセルを有する全領域ウェハに接合された金属構造体を(例えば、めっき、または箔、またはリボン等によって)提供する。金属は、サブセル金属配線と同じ処理においてサブセルインターコネクトが形成されるよう、パターニングされる。更に、複数のサブセルは、結果的に得られる金属配線構造体を通じて接続された、整数個のサブダイオードをもたらすよう、Siを隔離可能なように、フルセル内に配置される。いくつかの実施形態について、このような配置は、並列ダイオード構成が(例えば、2つ、4つなど)用いられることを必要とする場合がある。それらの例について以下により詳細に記載する。十分な厚みの金属配線構造体を用いた接続の後に、ダイオードは隔離されてよい。このような実施形態の1つでは、金属は、めっきまたは形成中に、丸い溝を有するなど、複数のセル間に応力除去機能を含むようにパターニングされる。隔離後に、縁部を不動態化し、および/または絶縁することができ、どちらも、縁部における再結合に起因する電力損失を抑制し、また、短絡に対する絶縁を提供する。
【0040】
本明細書に記載の概念の例示的な図として、図1Aおよび図1Bは、本開示の一実施形態に係る、物理的に分離されたサブセルを形成するための個片化前、およびその後の太陽電池の断面図をそれぞれ示す。
【0041】
図1Aを参照すると、太陽電池100は基板102を含み、基板102は、その上に配置された金属配線構造体104を有する。太陽電池100は、基板102内またはその上方にN型領域およびP型領域を交互に含む。一実施形態において、金属配線構造体104は、以下により詳細に記載されるように、モノリシック金属配線構造体である。図1Bを参照すると、太陽電池100は、互いに物理的に分離されたサブセル108および110を有する太陽電池106を提供すべく、個片化またはダイシングされている。一実施形態において、太陽電池100は、以下により詳細に説明される、レーザアブレーションを用いて個片化される。一実施形態では、個片化時に形成される、結果的に得られる溝112は、図1Bに示されるように、封入材料114で充填される。一実施形態では、同じく図1Bに示されるように、金属配線構造体104の一部分116が2個のサブセル108および110を橋絡する。特定の実施形態では、サブセル108および110は直列または並列ダイオード構造を提供する。それらの例について以下に詳細に記載する。
【0042】
図1Aおよび図1Bを再び参照すると、金属配線構造体104の一部分116は、ダイシング中、例えば、基板102の材料のレーザアブレーション中における、機械的支持およびバックストップの両方として用いられる。第1の具体例において、図2は、本開示の一実施形態に係る、金属をセル個片化のためのバックストップとして用いる一対の個片化されたサブセルの一部分の断面図を示す。図2を参照すると、サブセル108および110は基板102の個片化時に形成され、それらの間に溝112を有する。金属配線構造体104の一部分116は基板102の裏面の直上に形成され、それゆえ、金属または金属性領域が個片化中におけるバックストップとして用いられる。
【0043】
第2の具体例において、図3は、本開示の一実施形態に係る、緩衝材をセル個片化のためのバックストップとして用いる一対の個片化されたサブセルの一部分の断面図を示す。図3を参照すると、サブセル108および110は基板102の個片化時に形成され、それらの間に溝112を有する。しかしながら、金属配線構造体104の一部分116はポリマー領域120上に形成される。ポリマー領域120は、今度は基板102の裏面の直上に形成され、それゆえ、ポリマーまたは他の金属若しくは非金属領域が個片化中におけるバックストップとして用いられる。図2および図3の場合のいずれにおいても、一実施形態では、金属配線構造体104は、以下においてより詳細に説明されるように、モノリシック金属配線構造体とみなし得ることを理解されたい。更に、一実施形態では、どちらの場合においても、サブセルインターコネクトが、サブセル金属と同じ処理において製造される。代替的に、サブセルインターコネクトは外部的に適用されてもよいが、追加の処理工程が必要になるであろう。
【0044】
図1A図1Bおよび図2を再び参照すると、より一般的には、一実施形態において、太陽電池は複数のサブセルを含む。複数のサブセルの各々は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分を有する。個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士は、それらの間に溝を有する。太陽電池はまた、金属配線構造体を含む。金属配線構造体の一部分は複数のサブセルのサブセル同士を結合する。更に、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝は、金属配線構造体の一部分を露出させる。
【0045】
一実施形態では、金属配線構造体は、箔(例えば、追加のシード層を有するか、若しくは有しないアルミニウム箔などの、導体箔)から製造されるか、またはめっき処理によって製造される。このような実施形態の1つでは、比較的厚い(例えば、およそ25ミクロンを超える)バックメタルが用いられる場合は、金属内への部分的なレーザアブレーションのためのいくらかの許容度が取られてよい。しかしながら、薄い金属配線構造体が用いられる場合は(例えば、およそ25μm未満)、信頼性試験を切り抜けるために必要とされる金属の電気的および物理的完全性を維持すべく、アブレーションは、金属配線構造体のスクライビングを全く行わずに中止されることが必要になり得る。金属配線構造体は、めっき、印刷によって、接合手順の利用(例えば、箔の場合)によって製造されてよく、または堆積、リソグラフィ、およびエッチング手法によって製造されてもよい。
【0046】
一実施形態において、(図3に関連して説明されるように)緩衝停止材が実装される場合は、緩衝停止材はポリイミド等のポリマーである。ポリマーは全体的に堆積され、その後、パターニングされてよく、または例えば、印刷によって、所望の場所にのみ堆積されてもよい。他の実施形態において、このような緩衝停止材は、限定するものではないが、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)または酸窒化ケイ素(SiON)等の誘電体材料から成る。このような実施形態の1つでは、誘電体材料は、限定するものではないが、低圧化学気相成長(LPCVD)、プラズマ支援化学気相成長(PECVD)、高密度プラズマ化学気相成長(HDPCVD)または物理気相成長(PVD)等の堆積技法を用いて形成される。
【0047】
本明細書に記載の1または複数の実施形態は、すべてのサブセルにわたり単一レベルの「モノリシック」なものである金属配線の実装を含むことを理解されたい。それゆえ、結果的に得られるセル金属配線は、インターコネクト金属配線と同一になり得、同じ処理において同時に製造可能である。このような実施形態の1つでは、モノリシック金属配線構造体を利用する結果、すべてのダイオードに金属配線が形成された後にセル隔離の実装が完了する。これは、金属配線の形成が多段階処理である従来の手法と区別される。より具体的な実施形態では、モノリシック金属配線の手法は、(例えば、図3に関連して説明されるように)モノリシック金属配線構造体が上に形成される緩衝層または保護層と併せて実装される。このような実施形態は、以下においてより詳細に説明されるように、金属自体を露出させることなく、緩衝層または保護層上においてアブレーション停止を可能にし得る。
【0048】
図1Bに関連して説明されるように、ダイシングされた太陽電池は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝内に配置された、封入材料、例えば、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリオレフィンを更に含む。このような実施形態の1つでは、封入材は、隣接するサブセルの複数の部分間の耐短絡性に加え、耐摩耗性を提供する。一実施形態において、封入材料は、材料が、隣接するサブセル間の短絡保護を十分提供するよう、およそ1000V/cmよりも大きい絶縁破壊強度を有する。一実施形態において、適用時に、封入材は、個片化の結果得られた細い溝内に封入材料が流れ込むことを保証すべく、十分に低い粘度または高いメルトフローを有する。一実施形態において、封入材による溝の充填は、Si/金属/ポリマー複合材料の形成を通じて、システムの機械的強度を改善する役割を果たす。
【0049】
本開示の一実施形態によれば、複数のダイシングされた太陽電池の各サブセルは、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有する。一実施形態では、複数のサブセルは、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせである。一実施形態において、太陽電池、および、それゆえ、サブセルの複数の部分はバックコンタクト太陽電池であり、金属配線構造体は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の各々の、受光面と反対側の裏面上に配置される。このような実施形態の1つでは、複数のサブセルの各々の裏面はほぼ同じ表面積を有する。特定の実施形態では、複数のサブセルの各々の受光面は、以下においてより詳細に説明されるように、テクスチャ化された表面である。
【0050】
本開示の一実施形態によれば、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の各々は、N型単結晶基板から製造されるものなどの、バルク単結晶シリコン基板部分である。このような実施形態の1つでは、各シリコン部分は、基板自体において形成された、1または複数のN+領域(例えば、リンまたはヒ素ドープ領域)、および1または複数のP+領域(例えば、ホウ素ドープ領域)を含む。他の実施形態において、各シリコン部分は、シリコン基板の上方に形成された、1または複数の多結晶シリコンN+領域、および1または複数の多結晶シリコンP+領域を含む。
【0051】
個片化された太陽電池内におけるサブセルの数および電気的結合の様々な配置が、本明細書において説明されている実施形態の精神および範囲内で企図され得ることを理解されたい。第1の例において、図4Aは、本開示の一実施形態に係る、4個のサブセルにダイシングされた太陽電池400Aの金属配線側からの平面図を示す。図4Aを参照すると、太陽電池400Aは、4個のサブセル402A、404A、406Aおよび408Aを提供するよう個片化される。サブセルの各々が交わる場所でクワッドセル設計を共に保持するために、金属配線ライン410Aが用いられる。一実施形態において、図4Aに示されるように、応力除去機能420Aが金属配線ライン410A内に含まれる。また、第1の隣のセル位置412Aおよび第2の隣のセル位置414Aへの金属配線結合が示されている。
【0052】
図4Aを再び参照すると、ダイオード回路図の450Aが並列クワッドセル設計の電気的構成を示している。一実施形態では、個々のサブセルは、単一のダイオードフルセルの1/4の電流であり、単一のダイオードセルと同じ電圧を有する。これに対して、結合された4個のダイオードのフルセルは、ここにおいてフルサイズの単一のダイオードセルと同じ電流、同じ電圧を有する。スクライブカットが、隔離後の再結合が最も少ない拡散領域上で行われる。金属ライン長は、1/4セルの橋絡では標準的なセルの1/2になり、これにより、同じサイズのセルに対する金属厚みの低減が可能になるか、または金属厚みを増大させる必要なしに、より大きなウェハへのスケーリングが可能になるであろう。
【0053】
第2の例において、図4Bは、本開示の別の実施形態に係る、4個のサブセルにダイシングされた別の太陽電池400Bの金属配線側からの平面図を示す。図4Bを参照すると、太陽電池400Bは、4個のサブセル402B、404B、406Bおよび408Bを提供するように個片化される。サブセルの各々が交わる場所でクワッドセル設計を共に保持するために、金属配線ライン410Bが用いられる。一実施形態において、図4Bに示されるように、応力除去機能420Bが金属配線ライン410B内に含まれる。また、第1の隣のセル位置412Bおよび第2の隣のセル位置414Bへの金属配線結合が示されている。
【0054】
図4Bを再び参照すると、ダイオード回路図の450Bが並列クワッドセル設計の電気的構成を示している。一実施形態では、複数のサブセルは、1/4の電流、同じ電圧のサブセルであり、結合されたフルセルは、同じ電流、同じ電圧になる。スクライブカットが、隔離後の再結合が最も少ない拡散領域上で行われる。金属ライン長は標準的なセルの1/4になる。
【0055】
第3の例において、図5Aは、本開示の一実施形態に係る、並列配置による2個のサブセルにダイシングされた太陽電池500Aの金属配線側からの平面図を示す。図5Aを参照すると、太陽電池500Aは、2個のサブセル502Aおよび504Aを提供するように個片化される。サブセルの各々が交わる場所でデュアルセル設計を共に保持するために、金属配線ライン510Aが用いられる。一実施形態において、図5Aに示されるように、応力除去機能520Aが金属配線ライン510A内に含まれる。また、第1の隣のセル位置512Aおよび第2の隣のセル位置514Aへの金属配線結合が示されている。
【0056】
図5Aを再び参照すると、ダイオード回路図の550Aが並列デュアルセル設計の電気的構成を示している。一実施形態では、サブセルは、1/2の電流、同じ電圧のサブセルであり、結合されたフルセルは、同じ電流、同じ電圧になる。スクライブカットが、隔離後の再結合が最も少ない拡散領域上で行われる。金属ライン長は、2個の半セルを共に保持する単一の金属接合部を提供するために、標準的なセルの1/2になる。
【0057】
第4の例において、図5Bは、本開示の一実施形態に係る、直列配置による2個のサブセルにダイシングされた太陽電池500Bの金属配線側からの平面図を示す。図5Bを参照すると、太陽電池500Bは、2個のサブセル502Bおよび504Bを提供するように個片化される。サブセルの各々が交わる場所でデュアルセル設計を共に保持するために、金属配線ライン510Bが用いられる。一実施形態において、図5Bに示されるように、応力除去機能520Bが金属配線ライン510B内に含まれる。また、第1の隣のセル位置512Bおよび第2の隣のセル位置514Bへの金属配線結合が示されている。
【0058】
図5Bを再び参照すると、ダイオード回路図の550Bが直列デュアルセル設計の電気的構成を示している。一実施形態では、サブセルは、同じ電圧を有する場合、単一のダイオードフルセルの電流の1/2であり、結合されたフルセルは、同じサイズの単一のダイオードセルの電流の1/2になるが、電圧は2倍になる。スクライブカットがエミッタ接合に沿って行われる。金属ライン長は、2個の半セルを共に保持する単一の金属接合部を提供するために、標準的なセルの1/2になる。
【0059】
図4A図4B図5Aおよび図5Bを再び参照すると、太陽光発電(PV)モジュール内には、複数のサブセルに各々個片化された複数の太陽電池が含まれてもよいことを理解されたい。このような実施形態の1つでは、太陽電池ごとに、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝内に、PVモジュールの積層体の封入材料が配置される。即ち、一実施形態において、半導体基板をスクライビングする段階の後に、太陽電池は太陽光発電(PV)モジュール積層体内に埋め込まれる。PVモジュール積層体の封入材料が、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝を充填する。更に、PVモジュール内のセル対セル相互接続は、直列、並列、またはそれらの組み合わせの相互接続を含んでよい。
【0060】
限定するものではないが、3×3、4×4等のタイプの配置等、サブセルの他の配置も、本明細書に記載の手法を用いて達成され得ることを理解されたい。また、元のセル内におけるサブセルの直列構成および並列構成の組み合わせも利用できる。手法は、バックコンタクトおよびフロントコンタクトベースのセルのいずれにも有益となり得る。例示的な更なる配置として、図5Cは、本開示の一実施形態に係る、直列配置による6個のサブセルにダイシングされた太陽電池500Cの金属配線側からの平面図を示す。図5Dは、本開示の一実施形態に係る、直列配置による10個のサブセルにダイシングされた太陽電池500Dの金属配線側からの平面図を示す。図5Dを参照すると、直列接続で配置された、セル内の10個のサブダイオードでフルサイズセルが作られている。結合されたセルの電圧は、同じサイズの単一のダイオードセルの10倍、すなわち、約6.3Vmpになる。結合されたセル内の電流は、元のセルの電流のおよそ1/10(例えば、約0.5A)になる。セル500Dは、一実施形態では、コンシューマ向け充電用途のためのUSBを充電するために直接的に用いることができるか、または96個のセルから成るモジュール内にビルトインされた場合は、およそ600Vのモジュール電圧を生成できる。このタイプのセル設計の場合、電流が10分の1に低減することにより、抵抗加熱によって生じるピーク温度の低減を通じて、信頼性および安全性を改善できる。また、インバータを必要とするAC電力用途の場合は、電圧をインバータ出力に一致するようにスケーリングすることで、インバータ構成要素のコスト、即ち、標準的なパネル電圧(例えば、およそ50V)から、典型的な住宅用または商用電力要求(およそ240Vrms AC)まで上げるために必要な昇圧パワーエレクトロニクスのコストが大幅に節減されることになる。
【0061】
別の態様では、好ましい太陽電池個片化のための手法が検討される。例えば、個片化は、標準的なシリコン基板ベースのセルの耐クラック特性を設計特徴として利用するように実装されてよい。このような実施形態の1つでは、標準サイズのセルにx個のサブダイオードがめっきされ、意図的なクラックが導入される。セルのダイシングはシリコン(Si)のみを貫いて行われ、その一方で、金属配線構造体は無傷のまま残る。金属橋絡が、ダイシングされたシリコンを最終的に共に保持する。いくつかの実施形態では、結果として得られる配置内に、一体的な応力除去が組み込まれる。
【0062】
セル個片化の検討および手法の代表例として、図6は、本開示の1または複数の実施形態に係る、(a)太陽電池の前側(受光側)を示す。(b)では、スクライビングされたシリコン基板および橋絡金属の断面図を示す概略図が提供される。(c)では、スクライビングされた基板の裏面が、ダイオード1およびダイオード2に対応するサブセルとして示されており、めっきされた金属602が2個のサブセルを共に保持する。(d)では、応力除去機能の拡大図が示される。
【0063】
図7は、本開示の一実施形態に係る、複数のサブセルを形成するための太陽電池の個片化のためのレーザスクライビングに関して可能な3つの道筋を示す。図7を参照すると、太陽電池700は、シリコン基板702、およびシリコン基板の裏面上の金属配線構造体704を含む。
【0064】
図7の道筋(a)を参照すると、スクライブ・プラス・切断の手法が示される。この場合、(i)基板は部分的にスクライビングされ(例えば、およそ70%の深さ)、その後、(ii)金属配線構造体において終端するように切れ目に沿って裂開される。図7の道筋(B)を参照すると、スクライブのみの手法が示される。この場合、シリコンのレーザアブレーションは金属配線構造体の金属上で(または部分的にその内部に入って)停止する。図7の道筋(a)を参照すると、スクライブ・プラス・損傷緩衝材切断の手法が示される。この場合、シリコンのレーザアブレーションは、シリコンの深さ全体を貫いて行われ、その後、金属配線構造体の金属と異なる損傷緩衝材層上で(または部分的にその内部に入って)停止する。これらの場合のいずれにおいても、レーザパラメータのオプションとしては、より清浄な処理、より低い再結合、およびより細いスクライブ幅を有する、ピコ秒レーザアブレーションがある。別のオプションとしては、より広いスクライブ線およびより高いスループットを有するが、再結合、および破片発生の可能性が増大する、ナノ秒またはそれよりも長いレーザがある。
【0065】
次に、図8のフローチャート800を参照すると、一実施形態では、太陽電池を製造する方法は、フローチャート800の処理802に図示される通り、半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階を含む。本方法は、次に、フローチャート800の処理804に図示される通り、半導体基板をこの半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階を含む。このような実施形態の1つでは、スクライビングする段階は、金属配線構造体の複数の部分で停止され、金属配線構造体の複数の部分を第2の表面から露出させている。
【0066】
一実施形態では、スクライビングする段階は、金属配線構造体のインターコネクト金属によって停止される。しかしながら、他の実施形態において、金属配線構造体の金属を保護すべく、損傷緩衝材が用いられる。このような実施形態の1つでは、損傷緩衝材は、上述のように、ポリマー材料である。別の実施形態では、損傷緩衝材は、金属配線構造体の金属と異なる金属である。別の実施形態では、損傷緩衝材は、スルーめっきのためのメッシュ材料である。最後の例では、Siのクラック/分離によって、金属のクラックまたは損傷が生じ、それにより、その信頼性が低下し得るため、金属配線の形成の前に、損傷緩衝材を、クラック/レーザ停止材の役割を果たすべく印刷すること、またはテープ張りすること等、いくつかのオプションが存在する。
【0067】
一実施形態では、半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階は、半導体基板の第1の表面上に形成された金属箔をパターニングする段階を含む。しかしながら、他の実施形態において、金属配線構造体は、金属を印刷する段階、金属若しくは階層状の金属群をめっきする段階によって、または金属堆積およびエッチング処理によって、形成される。いずれにせよ、一実施形態では、金属配線構造体は、製造および試験手順において実行されるすべての信頼性試験を通じて、2個のサブセルを共に橋絡するために十分な機械的特性を有するように形成される。
【0068】
一実施形態では、スクライビングする段階は、レーザを用いてスクライビングする段階を含む。しかしながら、レーザスクライビング処理の代わりに、またはそれと併せて、機械的スクライビング処理が実装されてよいことを理解されたい。例えば、特定の実施形態では、部分的なレーザスクライブが行われ、その後、深さの制御をしながら切断または鋸引きが行われる。
【0069】
一実施形態では、セル製造方法は、半導体基板をスクライビングする段階の前に、半導体基板の第2の表面(受光面)をテクスチャ化する段階を更に含む。このような実施形態の1つでは、この順序で処理を実行することで、ダイシング損傷を軽減できる。このような実施形態の1つでは、ウェハの部分的溝掘りがまず行われ、その後、シリコンエッチング処理(例えば、テクスチャ化)中におけるあらゆる損傷がなくされる。しかしながら、他の実施形態において、スクライビングが行われてよく、次に、後続のウェットエッチングが実装される。いずれにせよ、太陽電池の受光面のテクスチャ化は、一実施形態において、水酸化物ベースのエッチング処理を用いたテクスチャ化を含むことができる。テクスチャ化された表面は、入射光を散乱させ、太陽電池の受光面から反射される光の量を減少させる、規則的なまたは不規則な形状の表面を有するものであってもよいことを理解されたい。更なる実施形態は、受光面上へのパッシベーション層または反射防止コーティング層の形成を含むことができる。
【0070】
ここで、図9のフローチャート900を参照すると、一実施形態では、第1の表面を有する半導体基板を含む太陽電池を製造する方法は、フローチャート900の処理902に示される通り、半導体基板の第1の表面の直上において、太陽電池の少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に、それらの間に電気的セル間接続をもたらすべく、インターコネクトを形成する段階を含む。次に、本方法は、フローチャート900の処理904に示される通り、半導体基板を第1の表面までダイシングして少なくとも2個のサブ太陽電池セルを物理的に隔離する段階を含む。
【0071】
一実施形態では、太陽電池の少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間にインターコネクトを形成する段階は、太陽電池の半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階を更に含む。一実施形態では、半導体基板をダイシングする段階は、半導体基板をこの半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階を更に含む。このような実施形態の1つでは、金属配線構造体の複数の部分を第2の表面から露出させると、スクライビングは停止される。
【0072】
一実施形態では、半導体基板をスクライビングする段階は、金属配線構造体が少なくとも2個のサブ太陽電池セルの複数の部分を電気的に結合するように、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に溝を形成する段階を更に含む。その実施形態では、本方法は、溝内に封入材料を形成する段階を更に含む。
【0073】
一実施形態では、半導体基板をダイシングする段階は、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々において少なくとも1個のダイオードを形成する段階を更に含む。少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々は、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有するように形成される。このような実施形態の1つでは、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々において少なくとも1個のダイオードを形成する段階は、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々の少なくとも1個のダイオード内にP型ドーパント領域およびN型ドーパント領域を形成する段階と、P型ドーパント領域への第1の金属接点を形成する段階と、N型ドーパント領域への第2の金属接点を形成する段階と、を更に含む。
【0074】
一実施形態では、金属配線構造体は、金属配線構造体の形成と実質的に同時に、半導体基板の第1の表面の複数の部分上に1または複数の金属膜をめっきする段階によって形成される。このような実施形態の1つでは、金属配線構造体は、半導体基板の第1の表面の複数の部分上に1または複数の金属膜をめっきするために用いられる同じ処理において形成される。しかしながら、他の実施形態において、金属配線構造体を形成する段階は、半導体基板の第1の表面上に形成された金属箔をパターニングする段階を含む。一実施形態では、本方法は、半導体基板をスクライビングする段階の前に、半導体基板の第2の表面をテクスチャ化する段階を更に含む。
【0075】
全体として、特定の材料が具体的に前記されているが、いくつかの材料は、他の実施形態が本開示の実施形態の精神および範囲を逸脱しない限り、他の材料と容易に置換され得る。例えば、一実施形態では、III-V族材料基板等、異なる材料基板をシリコン基板の代わりに用いることができる。別の実施形態においては、多結晶(polycrystalline)または多結晶(multi-crystalline)シリコン基板が使用される。更に、N+およびP+型の領域が具体的に記載される場合、企図される他の実施形態は、交換された導電性タイプ、例えば、P+およびN+型の領域をそれぞれ含むことを理解されたい。
【0076】
本明細書に記載の諸実施形態の1または複数の利益または利点としては、太陽電池の製造のために追加の金属を実装する必要なく、より大きなウェハ(例えば、156cm)の利用が可能になることが挙げられる。諸実施形態は、5V USB用途、または120/240Vrmsインバータ用途について上述されたもの等、高電圧設計を含む、スケーラブルな電圧および電流設計を可能にすべく、実装可能である。1または複数の実施形態は、従来のセル製造のために配備済みの製造工場のモジュールを変更することなく、標準的なセル製造処理を利用することを含む。特別な処理、または追加のサブセル相互接続部の利用は一切必要なくてよい。金属グリッド抵抗に起因する電力損失は、金属グリッドフィンガの長さの2乗に比例して低減できる。最後に、より低い電流および潜在的により信頼性の高いセル製造に基づき、効率性の利益が達成され得る。
【0077】
故に、金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池、および金属配線構造体によって結合された複数のサブセルを有する太陽電池を形成する個片化手法が開示された。
【0078】
具体的な実施形態が上述されたものの、これらの実施形態は、特定の機能に関して単一の実施形態のみが記載される場合であっても、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示で提供される機能の例は、別途の記載がある場合を除き、限定的ではなく、むしろ例示的であることを意図するものである。上記の詳細な説明は、本開示の利益に接した当業者にとって自明であるような、変更、修正、および均等技術を包含することを意図する。
【0079】
本開示の範囲は、本明細書で扱われる問題のいずれかまたはすべてを軽減するか否かに関わらず、本明細書で(明示的または暗示的に)開示される、任意の機能若しくは機能の組み合わせ、またはそれらの任意の一般化を含む。したがって、本願(または、本願に基づく優先権を主張する出願)の経過中に、任意のそのような機能の組み合わせに対して、新たな請求項を起草できる。特に、添付の特許請求の範囲に関して、従属請求項の機能を、独立請求項のそれと組み合わせることができ、それぞれの独立請求項の機能を、任意の適切な態様で、添付の特許請求の範囲に挙げられる特定の組み合わせに限らず、組み合わせることができる。
【0080】
一実施形態では、太陽電池は、複数のサブセルを含み、複数のサブセルの各々は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分を含み、これらの個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士は、それらの間に溝を有する。モノリシック金属配線構造体の一部分が複数のサブセルのサブセル同士を結合し、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝が、モノリシック金属配線構造体の一部分を露出させる、モノリシック金属配線構造体が含まれる。
【0081】
一実施形態において、太陽電池は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝内に配置された封入材料を更に含む。
【0082】
一実施形態において、複数のサブセルの各々は、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有する。
【0083】
一実施形態において、複数のサブセルは、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせである。
【0084】
一実施形態において、太陽電池はバックコンタクト太陽電池であり、モノリシック金属配線構造体は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の各々の、受光面と反対側の裏面上に配置されている。
【0085】
一実施形態において、複数のサブセルの各々によって発生される電流はほぼ同じである。
【0086】
一実施形態において、複数のサブセルの各々の受光面は、テクスチャ化された表面である。
【0087】
一実施形態において、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の各々は、バルク単結晶シリコン基板部分である。
【0088】
一実施形態において、太陽光発電モジュールは複数の太陽電池を備える。
【0089】
一実施形態において、太陽光発電PVは、太陽電池ごとに、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝内に配置された、PVモジュールの積層体の封入材料を有する。
【0090】
一実施形態では、太陽電池を製造する方法は、半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階を含む。本方法はまた、半導体基板をこの半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階を備え、スクライビングは、金属配線構造体の複数の部分で停止され、金属配線構造体の複数の部分を第2の表面から露出させる。
【0091】
一実施形態において、半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階は、半導体基板の第1の表面上に形成された金属箔をパターニングする段階を含む。
【0092】
一実施形態において、半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階は、半導体基板の第1の表面の複数の部分上に1または複数の金属膜をめっきする段階を含む。
【0093】
一実施形態において、スクライビングする段階は、レーザを用いてスクライビングする段階を含む。
【0094】
一実施形態において、本方法は、半導体基板をスクライビングする段階の前に、半導体基板の第2の表面をテクスチャ化する段階を更に含む。
【0095】
一実施形態において、スクライビングする段階は、複数のサブセルを形成する段階を含み、サブセルの各々は、半導体基板の個片化され、物理的に分離された部分を含み、部分は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間に溝を有し、金属配線構造体は複数のサブセルのサブセル同士を結合する。
【0096】
一実施形態において、本方法は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝内に封入材料を形成する段階を更に含む。
【0097】
一実施形態において、複数のサブセルを形成する段階は、サブセルの各々を、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有するように形成する段階を含む。
【0098】
一実施形態において、複数のサブセルを形成する段階は、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせを形成する段階を含む。
【0099】
一実施形態において、本方法は、半導体基板をスクライビングする段階の後に、太陽電池を太陽光発電(PV)モジュール積層体内に埋め込む段階を更に備え、PVモジュール積層体の封入材料が、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の溝を充填する。
【0100】
一実施形態では、第1の表面を有する半導体基板を含む太陽電池を製造する方法は、少なくとも2個のサブ太陽電池セルを物理的に隔離すべく、半導体基板を第1の表面までダイシングする段階の前に、半導体基板の第1の表面の直上において、太陽電池の少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に、それらの間の電気的セル間接続を提供するために、インターコネクトを形成する段階を備える。
【0101】
一実施形態において、太陽電池の少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間にインターコネクトを形成する段階は、太陽電池の半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階を更に含む。
【0102】
一実施形態において、半導体基板をダイシングする段階は、半導体基板をこの半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階を更に含む。
【0103】
一実施形態において、半導体基板をスクライビングする段階は、金属配線構造体の複数の部分を第2の表面から露出させると、スクライビングを停止する段階を更に含む。
【0104】
一実施形態において、金属配線構造体の複数の部分を第2の表面から露出させると、スクライビングを停止する段階は、ポリマー層、金属層、および金属メッシュからなる群から選択される緩衝損傷層上で停止する段階を含む。
【0105】
一実施形態において、半導体基板をスクライビングする段階は、金属配線構造体が少なくとも2個のサブ太陽電池セルの複数の部分を電気的に結合するように、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に溝を形成する段階と、溝内に封入材料を形成する段階と、を更に含む。
【0106】
一実施形態において、半導体基板をダイシングする段階は、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々において少なくとも1個のダイオードを形成する段階と、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々を、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有するように形成する段階と、を更に含む。
【0107】
一実施形態において、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々において少なくとも1個のダイオードを形成する段階は、少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々の少なくとも1個のダイオード内にP型ドーパント領域およびN型ドーパント領域を形成する段階と、P型ドーパント領域への第1の金属接点を形成する段階と、N型ドーパント領域への第2の金属接点を形成する段階と、を更に含む。
【0108】
一実施形態において、金属配線構造体を形成する段階は、金属配線構造体の形成と実質的に同時に、半導体基板の第1の表面の複数の部分上に1または複数の金属膜をめっきする段階を更に含む。
【0109】
一実施形態において、金属配線構造体を形成する段階は、半導体基板の第1の表面上に形成された金属箔をパターニングする段階を更に含む。
【0110】
一実施形態において、本方法は、半導体基板をスクライビングする段階の前に、半導体基板の第2の表面をテクスチャ化する段階を更に含む。
[項目1-1]
太陽電池であって、
複数のサブセルであって、上記複数のサブセルの各々は、個片化され、物理的に分離された半導体基板部分を含み、上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士は、それらの間に溝を有する、複数のサブセルと、
モノリシック金属配線構造体であって、上記モノリシック金属配線構造体の一部分は上記複数のサブセルのサブセル同士を結合し、上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の上記溝は、上記モノリシック金属配線構造体の一部分を露出させる、モノリシック金属配線構造体と、を備える、太陽電池。
[項目1-2]
上記太陽電池が、
上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の上記溝内に配置された封入材料を更に備える、項目1-1に記載の太陽電池。
[項目1-3]
上記サブセルの各々が、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有する、項目1-1に記載の太陽電池。
[項目1-4]
上記複数のサブセルが、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせである、項目1-1に記載の太陽電池。
[項目1-5]
上記太陽電池がバックコンタクト太陽電池であり、上記モノリシック金属配線構造体が、上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の各々の、受光面と反対側の裏面上に配置されている、項目1-1に記載の太陽電池。
[項目1-6]
上記サブセルの各々によって発生される電流がほぼ同じである、項目1-5に記載の太陽電池。
[項目1-7]
上記サブセルの各々の上記受光面がテクスチャ化された表面である、項目1-5に記載の太陽電池。
[項目1-8]
上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の各々が、バルク単結晶シリコン基板部分である、項目1-1に記載の太陽電池。
[項目1-9]
項目1-1に記載の太陽電池を複数備える、太陽光発電モジュール。
[項目1-10]
太陽電池ごとに、上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の上記溝内に、上記太陽光発電(PV)モジュールの積層体の封入材料が配置されている、項目1-9に記載の太陽光発電モジュール。
[項目1-11]
太陽電池を製造する方法であって、
半導体基板の第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階と、
上記半導体基板を上記半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階と、を備え、上記スクライビングは、上記金属配線構造体の複数の部分で停止され、上記複数の部分を上記第2の表面から露出させる、方法。
[項目1-12]
上記半導体基板の上記第1の表面上に上記金属配線構造体を形成する段階が、上記半導体基板の上記第1の表面上に形成された金属箔をパターニングする段階を含む、項目1-11に記載の方法。
[項目1-13]
上記半導体基板の上記第1の表面上に上記金属配線構造体を形成する段階が、上記半導体基板の上記第1の表面の複数の部分上に1または複数の金属膜をめっきする段階を含む、項目1-11に記載の方法。
[項目1-14]
上記スクライビングする段階が、レーザを用いてスクライビングする段階を含む、項目1-11に記載の方法。
[項目1-15]
上記半導体基板をスクライビングする段階の前に、上記半導体基板の上記第2の表面をテクスチャ化する段階を更に備える、項目1-11に記載の方法。
[項目1-16]
上記スクライビングする段階が、複数のサブセルを形成する段階を含み、上記複数のサブセルの各々は、上記半導体基板の個片化され、物理的に分離された部分を含み、上記部分は、上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間に溝を有し、上記金属配線構造体は上記複数のサブセルのサブセル同士を結合する、項目1-11に記載の方法。
[項目1-17]
上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の上記溝内に封入材料を形成する段階を更に備える、項目1-16に記載の方法。
[項目1-18]
上記複数のサブセルを形成する段階が、上記サブセルの各々を、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有するように形成する段階を含む、項目1-16に記載の方法。
[項目1-19]
上記複数のサブセルを形成する段階が、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせを形成する段階を含む、項目1-16に記載の方法。
[項目1-20]
上記半導体基板をスクライビングする段階の後に、上記太陽電池を太陽光発電(PV)モジュール積層体内に埋め込む段階を更に備え、上記PVモジュール積層体の封入材料が、上記個片化され、物理的に分離された半導体基板部分の隣接する部分同士の間の上記溝を充填する、項目1-16に記載の方法。
[項目1-21]
項目1-11に記載の方法により製造された太陽電池。
[項目1-22]
第1の表面を有する半導体基板を含む太陽電池を製造する方法であって、
少なくとも2個のサブ太陽電池セルを物理的に隔離すべく、上記半導体基板を上記第1の表面までダイシングする段階の前に、上記半導体基板の上記第1の表面の直上において、上記太陽電池の上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に、それらの間の電気的セル間接続を提供するためのインターコネクトを形成する段階を備える、方法。
[項目1-23]
上記太陽電池の少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に上記インターコネクトを形成する段階が、
上記太陽電池の上記半導体基板の上記第1の表面上に金属配線構造体を形成する段階を更に含む、項目1-22に記載の方法。
[項目1-24]
上記半導体基板をダイシングする段階が、
上記半導体基板を上記半導体基板の反対側の第2の表面からスクライビングする段階を更に含む、項目1-23に記載の方法。
[項目1-25]
上記半導体基板をスクライビングする段階が、
上記金属配線構造体の複数の部分を上記第2の表面から露出させると、上記スクライビングを停止する段階を更に含む、項目1-24に記載の方法。
[項目1-26]
上記金属配線構造体の複数の部分を上記第2の表面から露出させると、上記スクライビングを停止する段階が、ポリマー層、金属層、および金属メッシュからなる群から選択される緩衝損傷層上で停止する段階を含む、項目1-24に記載の方法。
[項目1-27]
上記半導体基板をスクライビングする段階が、
上記金属配線構造体が上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの複数の部分を電気的に結合するように、上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの間に溝を形成する段階と、
上記溝内に封入材料を形成する段階と、を更に含む、項目1-24に記載の方法。
[項目1-28]
上記半導体基板をダイシングする段階が、
上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々において少なくとも1個のダイオードを形成する段階と、
上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々を、ほぼ同じ電圧特性およびほぼ同じ電流特性を有するように形成する段階と、を更に含む、項目1-22に記載の方法。
[項目1-29]
上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々において少なくとも1個のダイオードを形成する段階が、
上記少なくとも2個のサブ太陽電池セルの各々の上記少なくとも1個のダイオード内にP型ドーパント領域およびN型ドーパント領域を形成する段階と、
上記P型ドーパント領域への第1の金属接点を形成する段階と、
上記N型ドーパント領域への第2の金属接点を形成する段階と、を更に含む、項目1-28に記載の方法。
[項目1-30]
上記金属配線構造体を形成する段階が、
上記金属配線構造体の形成と実質的に同時に、上記半導体基板の上記第1の表面の複数の部分上に1または複数の金属膜をめっきする段階を更に含む、項目1-23に記載の方法。
[項目1-31]
上記金属配線構造体を形成する段階が、
上記半導体基板の上記第1の表面上に形成された金属箔をパターニングする段階を更に含む、項目1-23に記載の方法。
[項目1-32]
上記半導体基板をスクライビングする段階の前に、上記半導体基板の上記第2の表面をテクスチャ化する段階を更に含む、項目1-24に記載の方法。
[項目2-1]
太陽電池であって、
太陽電池の個片化時に形成された複数の個片化され物理的に分離されたサブセルであって、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルは、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、サブセル同士の対の間のスクライブ部を有する、複数の個片化され物理的に分離されたサブセルと、
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部の全体の上方に配置され、上記スクライブ部の全体を覆う金属配線構造体であって、上記金属配線構造体は、受光面とは反対側の、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の裏面に接合され、上記金属配線構造体は、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの少なくとも2つを電気的に橋絡している、金属配線構造体と、
を備える太陽電池。
[項目2-2]
太陽電池であって、
太陽電池の個片化時に形成された複数の個片化され物理的に分離されたサブセルであって、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々は、バルク単結晶シリコン基板部分を有する、複数の個片化され物理的に分離されたサブセルと、
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、サブセル同士の対の間のスクライブ部と、
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部の全体の上方に配置され、上記スクライブ部の全体を覆う金属配線構造体であって、上記金属配線構造体は、受光面とは反対側の、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の裏面に接合され、上記金属配線構造体は、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの少なくとも2つを電気的に橋絡している、金属配線構造体と、
を備える太陽電池。
[項目2-3]
上記スクライブ部に隣接する切断部であって、上記金属配線構造体は、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部と上記切断部の全体の上方に配置され上記スクライブ部と上記切断部の全体を覆う、切断部をさらに備える、項目2-1または2-2に記載の太陽電池。
[項目2-4]
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルは、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせである、項目2-1から2-3のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目2-5]
上記太陽電池が、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部内に配置された封入材料をさらに備える、項目2-1から2-4のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目2-6]
上記複数のサブセルの各々は、同じ電圧特性および同じ電流特性を有する、項目2-1から2-5のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目2-7]
上記金属配線構造体は、連続的な金属配線構造体である、項目2-1から2-6のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目2-8]
上記スクライブ部は、曲面を有する、項目2-1から2-7のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-1]
太陽電池であって、
太陽電池の個片化時に形成された複数の個片化され物理的に分離されたサブセルであって、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルは、N型領域およびP型領域と、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、サブセル同士の対の間のスクライブ部とを有する、複数の個片化され物理的に分離されたサブセルと、
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部の全体の上方に配置され、上記スクライブ部の全体を覆う金属配線構造体であって、上記金属配線構造体は、受光面とは反対側の、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の裏面に接合され、上記金属配線構造体は、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの少なくとも2つの一方に含まれる上記N型領域と他方に含まれる上記P型領域とを電気的に橋絡している、金属配線構造体と、
を備える太陽電池。
[項目3-2]
太陽電池であって、
太陽電池の個片化時に形成された複数の個片化され物理的に分離されたサブセルであって、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々は、N型領域およびP型領域を含むバルク単結晶シリコン基板部分を有する、複数の個片化され物理的に分離されたサブセルと、
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、サブセル同士の対の間のスクライブ部と、
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部の全体の上方に配置され、上記スクライブ部の全体を覆う金属配線構造体であって、上記金属配線構造体は、受光面とは反対側の、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の裏面に接合され、上記金属配線構造体は、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの少なくとも2つの一方に含まれる上記N型領域と他方に含まれる上記P型領域とを電気的に橋絡している、金属配線構造体と、
を備える太陽電池。
[項目3-3]
上記バルク単結晶シリコン基板部分の裏面上に形成され、上記N型領域と上記P型領域とに接するように形成されたポリマー領域をさらに備え、
上記金属配線構造体は、上記ポリマー領域上に形成される、
項目3-2に記載の太陽電池。
[項目3-4]
上記金属配線構造体は、応力除去機能を含む、項目3-1から3-3のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-5]
上記スクライブ部に隣接する切断部をさらに備え、
上記金属配線構造体は、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部と上記切断部との全体の上方に配置され、上記スクライブ部と上記切断部との全体を覆う、
項目3-1から3-4のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-6]
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルは、複数の並列ダイオード、直列ダイオード、またはそれらの組み合わせである、項目3-1から3-5のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-7]
上記太陽電池が、上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの、上記サブセル同士の上記対の間の上記スクライブ部内に配置された封入材料をさらに備える、項目3-1から3-6のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-8]
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々は、同じ電圧特性および同じ電流特性を有する、項目3-1から3-7のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-9]
上記複数の個片化され物理的に分離されたサブセルの各々の上記受光面が、テクスチャ化された表面である、項目3-1から3-8のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-10]
上記金属配線構造体は、連続的な金属配線構造体である、項目3-1から3-9のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-11]
上記スクライブ部は、曲面を有する、項目3-1から3-10のいずれか一項に記載の太陽電池。
[項目3-12]
項目3-1から3-11のいずれか一項に記載の太陽電池を複数備える、太陽光発電モジュール。

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9