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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】学習支援装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20220524BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20220524BHJP
【FI】
G09B7/04
G06Q50/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018038618
(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2019152782
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-11-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年1月15日に株式会社光文書院『デジタル教材活用事例集』7頁において発表
(73)【特許権者】
【識別番号】000143053
【氏名又は名称】株式会社光文書院
(74)【代理人】
【識別番号】100120008
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 くみ子
(72)【発明者】
【氏名】呉 千春
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-229429(JP,A)
【文献】特開2015-169844(JP,A)
【文献】特開2014-145893(JP,A)
【文献】特開2013-072907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56
G09B 17/00-19/26
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置から入力された問題に対する解答の正誤を判定する学習支援装置であって、
問題データ、ヒント問題、ヒント文を記憶する記憶部と、
出題された問題とともに前記問題に対する最終解答を入力する解答欄及び最終解答に至るまでの解答過程を入力する解答過程欄を表示する表示部と、
前記入力装置から前記解答過程欄又は前記解答欄への入力があると、入力された内容の正誤判定を行う正誤判定部と、
前記正誤判定部が前記解答過程欄又は前記解答欄に入力された内容が誤っていると判定した場合、入力された内容に応じて、ヒント文又はヒント問題を生成するヒント生成部と、を有し、
前記正誤判定部は、前記解答過程欄への入力があるたびに正誤判定を行い、前記ヒント生成部は、前記正誤判定部が前記解答過程欄へ入力された内容が誤っていると判定した場合には、前記記憶部を参照して、誤っている内容に応じたヒント文又はヒント問題を生成し、前記正誤判定部がヒント問題を生成した場合、ヒント問題に対する入力があると前記正誤判定部は、前記記憶部を参照して正誤を判定し、正解した場合、前記表示部は、ヒント問題の表示を終了し、もとの問題を表示する、
学習支援装置。
【請求項2】
さらに、前記解答過程欄又は前記解答欄のうち、ユーザが入力すべき解答過程欄又は解答欄を指定する入力指定部を有し、
前記正誤判定部は、前記入力指定部が指定した前記解答過程欄又は解答欄に入力があるたびに、正誤判定を行い、前記解答過程欄又は解答欄に入力された内容が正しいと判定した場合、前記入力指定部は、次に入力すべき解答過程欄又は解答欄を指定する、請求項1記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記正誤判定部が、前記解答欄に入力された内容が正しいと判定し、前記解答欄が前記問題の最後の入力欄であった場合、前記表示部は、正解である旨の表示を行う、請求項1又は2記載の学習支援装置。
【請求項4】
請求項1~3記載の学習支援装置であって、
前記問題が計算問題である場合、前記解答過程欄又は解答欄は、一桁ずつ別の入力欄として構成されており、前記正誤判定部は、前記入力欄に入力があるたびに正誤判定を行う、学習支援装置。
【請求項5】
請求項4記載の学習支援装置であって、
前記ヒント生成部は、前記ヒント問題として、前記入力欄の正解に対応する途中計算問題を生成する、学習支援装置。
【請求項6】
請求項1~5記載の学習支援装置であって、
前記正誤判定部が、前記解答欄又は前記解答過程欄に入力があり、正解と判定した後、前記解答欄又は解答過程欄に、前記入力装置より入力があった場合、前記正誤判定部は、正誤判定を行わない、学習支援装置。
【請求項7】
問題に対する解答の正誤を判定する学習支援装置としてコンピュータを機能させる学習支援プログラムであって、
問題データ、ヒント問題、ヒント文を記憶し、
出題された問題とともに前記問題に対する最終解答を入力する解答欄及び最終解答に至るまでの解答過程を入力する解答過程欄を表示させ、
入力装置から前記解答過程欄又は前記解答欄への入力があると、入力された内容の正誤判定を行い、
前記解答過程欄又は前記解答欄に入力された内容が誤っていると判定した場合、入力された内容に応じて、ヒント文又はヒント問題を表示部へ表示させ、
前記解答過程欄への入力があるたびに正誤判定を行い、前記解答過程欄へ入力された内容が誤っていると判定した場合には、誤っている内容に応じたヒント文又はヒント問題を生成し、ヒント問題を生成した場合、ヒント問題に対する入力があると正誤を判定し、正解した場合、ヒント問題の表示を終了し、もとの問題を表示する、コンピュータを学習支援装置として機能させることを特徴とする学習支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザがコンピュータ装置やタブレット端末を用いて、学習教材で学習する際に、最終解答だけでなく、解答過程においても逐次正誤判定を行い、正解するためのヒントを表示することで、ユーザの学習を支援する学習支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが出題された教材問題を学習する際の学習支援システムが、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている学習支援システムでは、出題された教材問題についてユーザが不正解の内容を利用して、ユーザが誤解しやすい学習内容に関連する教材問題を自動的に選択する。
【0004】
これにより、ユーザが誤解しやすい学習内容に関連する可能性の高い他の学習内容に関した教材問題を自動的に学習者に出題することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-157302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1記載の学習支援システムは、ユーザが誤答した誤答内容に応じて、関連する他の学習内容に関する教材問題を出題することで、ユーザの総合的な理解を深めようとするものである。このため、誤答の多かった問題の分野において、間違えてしまう原因を明確にしてユーザの真の理解や正答につながるような学習支援を行うことができないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、本発明の学習支援装置にあっては、ユーザが入力した答の正誤を判定するだけでなく、答に至るまでの解答過程においても逐次正誤判定を行い、誤っている場合には、正答につなげるためのヒント文又はヒント問題を提示することで、学習内容を確実に理解することができる学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にあっては、入力装置から入力された問題に対する解答の正誤を判定する学習支援装置であって、出題された問題とともに前記問題に対する最終解答を入力する解答欄及び最終解答に至るまでの解答過程を入力する解答過程欄を表示する表示部と、入力装置から解答過程欄又は解答欄への入力があると、入力された内容の正誤判定を行う正誤判定部と、正誤判定部が解答過程欄又は解答欄に入力された内容が誤っていると判定した場合、入力された内容に応じて、ヒント文又はヒント問題を生成するヒント生成部と、を有する学習支援装置を提供することができる。
【0009】
さらに、解答過程欄又は解答欄のうち、ユーザが入力すべき解答過程欄又は解答欄を指定する入力指定部を有し、正誤判定部が、解答過程欄又は解答欄に入力された内容が正しいと判定した場合、入力指定部は、次に入力すべき解答過程欄又は解答欄を指定する。
【0010】
また、正誤判定部が、解答欄に入力された内容が正しいと判定し、解答欄が問題の最後の入力欄であった場合、表示部は、正解である旨の表示を行う。
【0011】
また、問題が計算問題である場合、解答過程欄又は解答欄は、一桁ずつ別の入力欄として構成されており、正誤判定部は、入力欄に入力があるたびに正誤判定を行ってもよい。
【0012】
ヒント生成部は、ヒント問題として、入力欄の正解に対応する途中計算問題を生成してもよい。
【0013】
正誤判定部が、解答欄又は解答過程欄に入力があり、正解と判定した後、解答欄又は解答過程欄に、入力装置より入力があった場合、正誤判定部は、正誤判定を行わない。
【0014】
本発明に係る学習支援プログラムは、出題された問題とともに問題に対する最終解答を入力する解答欄及び最終解答に至るまでの解答過程を入力する解答過程欄を表示させ、入力装置から解答過程欄又は解答欄への入力があると、入力された内容の正誤判定を行い、解答過程欄又は解答欄に入力された内容が誤っていると判定した場合、入力された内容に応じて、ヒント文又はヒント問題を表示部へ表示させ、コンピュータを学習支援装置として機能させることを特徴とする学習支援プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、解答の正誤を判定するだけではなく、解答過程欄を設け、解答過程欄においても逐次正誤を判定することで、理解できていない箇所を特定し、ユーザの理解度に合わせたヒント文又はヒント問題を表示させることで、ユーザが学習内容を確実に理解することができる。また、例えば、計算問題において、解答過程や解答をまとめて正誤判定するのではなく、一桁ずつ正誤判定を行うことで、誤った桁について、誤答の内容に応じた正答につなげるためのヒント文やヒント問題を表示させることができ、ユーザが確実に学習内容を理解することができるよう導くことができる。
【0016】
また、学習支援装置が次に入力するべき欄を指定することで、どこから解いてよいかわからないユーザであっても、問題に取り組みやすくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明における学習支援装置のハードウェア構成図の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明にかかる学習支援装置100の機能ブロック図である。
図3図3は、問題データ記憶部132に記憶されているデータベースの一例である。
図4図4は、問題データ記憶部132に記憶された問題データにおける座標や入力マス記号の一例を示す図である。
図5図5は、ヒント問題記憶部136に記憶されているデータベースの一例である。
図6図6は、計算問題が表示され、最初の入力欄が入力指定部102により指定されている状態の表示画面の一例である。
図7図7は、ユーザが一つの計算問題を解く場合における、学習支援装置100の一処理例を示すフローチャートである。
図8図8は、ヒント問題が表示された場合の画面例である。
図9図9は、解答過程欄の最初の入力欄を正解し、次の入力欄が入力指定部102により指定された場合の表示画面例である。
図10図10は、図9で指定された入力欄における(a)ヒント文の表示画面例と(b)ヒント問題の表示画面例である。
図11図11は、入力マスC、入力座標(2,4)の入力欄において、「3」が入力された場合に表示されるヒント文の表示画面例である。
図12図12は、本入力欄におけるヒント文の画面例である。
図13図13は、ヒント文の他の画面例である。
図14図14は、解答過程欄及び解答欄のすべてに正解した場合の正解表示の表示画面例である。
図15図15は、分数計算の計算問題の問題表示例である。
図16図16は、分数計算の計算問題における座標や入力マス記号の一例を示す図である。
図17図17は、分数計算の計算問題のヒント文を表示した場合の一表示画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明における学習支援装置のハードウェア構成図の一例を示すブロック図である。図1に示されるコンピュータ装置である学習支援装置100のハードウェア構成は、主にコンピュータ装置またはタブレット端末で実現できる。学習支援装置100は、ユーザ一人一人に配布され、教材問題を含む学習支援プログラムを実行することで、学習を行う。
【0020】
学習支援装置100は、計算ドリルなどの教材問題を記憶しており、ユーザが学習したい分野や単元を選択すると問題が表示され、問題の答をユーザが所定の解答欄に記入することで正誤が判定する。
【0021】
学習支援装置100を形成するコンピュータは、図1に示したようにCPU11、通信インターフェース12、ROM13、RAM14、ハードディスクドライブ15、入出力インターフェース16、入出力インターフェース16と接続された表示部17、ポインティングデバイス18及びキーボード19を、バスに接続して構成される。また、入出力インターフェース16には、USBメモリなどの外部記憶装置20が接続可能である。なお、表示部17をタッチ入力パネルで構成する場合には、キーボードを接続しなくてもよい。
【0022】
表示部17は、たとえば、液晶ディスプレイなどの表示装置であり、タッチ入力パネルが配置されており、画面上の圧力の変化又は静電容量の変化等によって入力制御を行う。ポインティングデバイス18は、例えば、マウスやトラックボールなどである。
【0023】
一連の処理をプログラムにより実行させる場合には、例えば、入力指定部、問題提示部、文字認識部、正誤判定部、ヒント生成部は、ROM13又はハードディスクドライブ15に学習支援プログラムとして記憶され、CPU11で実行させることで、各種の機能を実行させる。なお、学習支援プログラムが記憶されたUSBメモリなどの外部記憶装置19を入出力インターフェース16に接続することでのインストールや、ネットワークからコンピュータへ学習支援プログラムをインストール、また、装置本体に予め組み込まれた状態、例えば、学習支援プログラムが記録されているROM13などで構成してもよい。
【0024】
図2は、本発明にかかる学習支援装置100の機能ブロック図である。図2に示すように、学習支援装置100は、入力指定部102、問題提示部104、文字認識部106、正誤判定部108、ヒント生成部110、表示部(タッチ入力パネル)120、記憶部130を有する。また、記憶部130は、問題データ記憶部132とヒントデータ記憶部134を有し、ヒントデータ記憶部134は、ヒント問題記憶部136と、ヒント文記憶部138を有する。
【0025】
入力指定部102は、表示部120に表示された問題とその解答過程欄及び解答欄のうち、ユーザが次に入力するべき欄を指定する。ユーザの指定の方法は、任意の方法でよく、たとえば、入力するべき解答過程欄又は解答欄を、太字で四角く囲ったり、矢印などのポインタで示したり、下線で示してもよい。入力指定部102は、問題データ記憶部132に記憶された次に入力するべき解答過程欄又は解答欄の座標位置やマス番号、ガイド順を参照して、入力するべき欄を指定する。また、入力指定部102は、正誤判定部108が入力された解答過程欄又は解答欄について正解と判定した場合、次の入力欄を問題データ記憶部132を参照して指定する。
【0026】
ここで解答欄とは、問題に対する解答を記入するスペースのことであり、最終解答の記入欄である。解答過程欄とは、出題された問題に対する最終解答に至るまでの解答過程を入力するスペースである。本発明においては、解答の正誤判定だけでなく、解答過程についても正誤判定を行うため、入力欄についてこのような区別を行っているが、入力指定部102は、解答過程欄から順に入力するよう指定し、正しい内容を入力されれば次の入力欄を指定して、最終的には、解答欄の入力を指定する。解答過程欄及び解答欄は、必ずしも一つではなく、複数から構成されていてもよい。例えば、計算問題の場合、解答過程欄及び解答欄はいずれも一桁ずつ別々の入力欄として構成し、一桁ずつ正誤判定を行ってもよい。
【0027】
問題提示部104は、入力指定部102、文字認識部106、正誤判定部108、ヒント生成部110からの指示により表示部120に表示する問題画面の表示を制御する。
【0028】
文字認識部106は、表示部120に表示され、入力指定部102で指定された解答過程欄又は解答欄にタッチ入力パネル等から入力があったことを検出すると、どのような文字が入力されたか、文字認識を行う。なお、ここでいう文字には、数字や記号も含まれる。
【0029】
正誤判定部108は、解答過程欄又は解答欄への入力がされ、文字認識部106による文字認識結果に基づき、入力された内容の正誤判定を行う。具体的には、記憶部130の問題データ記憶部132に記憶された、入力のあった解答過程欄又は解答欄に対応する正解を参照して、正誤判定を行う。正誤判定部108は、解答過程欄又は解答欄へ入力された内容について正解と判定した場合、入力指定部102の処理へとうつる。正誤判定部108は、その問題の解答欄の最後の入力欄において正解と判定した場合は、正解である旨を表示部120に表示するよう問題提示部104に制御させる。
【0030】
また、正誤判定部108は、誤答と判定した場合には、ヒント生成部110へと処理が移る。なお、正誤判定部108は、問題が計算問題である場合であって、解答過程欄又は解答欄が一桁ずつ別の入力欄として構成されている場合、一桁ずつ、つまり入力欄別に正誤判定を行う。これにより、どこの計算で誤ったか判定することができ、誤りに応じたヒントを生成し表示することで、きめ細かな学習支援を行うことができる。また、正誤判定部108は、入力指定部102が指定した入力欄に入力があった場合に正誤判定を行い、指定した入力欄以外の入力欄に入力があった場合は、正誤判定を行わないようにしてもよい。入力指定部102が指定した入力欄以外の入力欄は、問題を解くための自由記入欄として使えるようにするためである。従って、ある入力欄について正誤判定が行われて正解となり、入力指定部102が指定する入力欄が別の解答過程欄又は解答欄に移った後に、その入力欄に記入があった場合、正誤判定部108は、正誤判定を行わない。
【0031】
ヒント生成部110は、正誤判定部108が入力された内容が誤っていると判定した場合、入力された内容に応じて、ヒント文又はヒント問題を生成する。具体的には、ヒント生成部110は、正誤判定部108が誤っていると判定した場合、問題データ記憶部132を参照し、誤っている内容に対応したヒント文又はヒント問題をヒントデータ記憶部134から読み出して生成する。ヒント生成部110が生成したヒント文又はヒント問題は、問題提示部104により表示部120に表示される。また、問題が計算問題である場合であって、解答過程欄又は解答欄が一桁ずつ別の入力欄として構成されている場合、正誤判定部108は入力欄ごとに正誤判定を行い、誤っている場合は、ヒント生成部110は、誤って入力した入力欄の正解に対応する途中計算問題を生成し、ヒント問題として表示部120に表示させてもよい。ヒント問題は誤って入力された入力欄の桁の数字を正解するために解く必要のある計算問題である。また、ヒント問題の代わりにヒント文を生成してもよい。ヒント文は、誤答の原因となる間違いを指摘する文章であってもよい。
【0032】
表示部120は、問題提示部104によって制御された表示画面であり、具体的にはタッチ入力パネルを備えている。タッチ入力パネルを介して、表示部120に表示された問題の解答をユーザはタッチペンなどを用いて手書き入力する。表示部120は、文字認識部106が文字認識した結果を、所定の書式により表示し、正誤判定部108が判定した結果、最終解答が正解である場合の正解表示をし、ヒント生成部110が生成したヒント問題やヒント文を表示する。
【0033】
問題データ記憶部132は、ユーザに提示する問題に関するデータを記憶しており、問題に対応付けて、問題の指示文、問題が表示される位置を示す座標、入力欄の座標や位置、正答データや、誤答データ、また誤答データについては、さらに誤答に対応付けてヒント文やヒント問題のIDを記憶している。具体的な構成については、後述する。
【0034】
ヒントデータ記憶部134は、ヒント問題記憶部136とヒント文記憶部138とで構成される。ヒント問題記憶部136は、ヒント問題に対応づけて問題の指示文、問題が表示される位置の座標、入力欄の座標や位置、正答データを記憶している。具体的な構成については、後述する。ヒント問題は、問題に対応付けて記憶されているヒント問題IDに応じて読み出され、表示される。
【0035】
ヒント文記憶部138は、誤答となった解答過程欄又は解答欄を正答に導くためのヒント文を記憶している。ヒント文は、問題に対応づけて記憶されているヒント文IDに応じて読み出され、表示される。なお、ヒント文IDに対応付けて、ヒント文が書かれた画像データを記憶するように構成してもよい。
【0036】
図3は、問題データ記憶部132に記憶されているデータベースの一例である。図3の例では、問題として計算問題が記憶されている。問題データ記憶部132には、問題IDに対応づけて、問題である計算問題とその指示文、計算問題の計算タイプ、表示レイアウト、問題座標、入力マス、入力座標、ガイド順、マスタイプ、演算子、If数値、優先順位、正否、ヒント文ID、ヒント問題IDが記憶されている。
【0037】
図3での問題データ記憶部132には、問題として「1.6×34」や「1/4+1/12」が記憶されている。また、問題の指示文としては「□にあう数字を書こう。」が計算問題である数式に対応付けて記憶されている。計算タイプとして、2や3が記憶されているが、ここでは、例えば、1は横書きの計算、2は筆算、3は分数計算を意味している。また、レイアウトとして3や5が記憶されているが、1は横書き計算、2は筆算であって、一桁を1マスとすると問題エリアとして、縦4マス、横4マス使用するレイアウト、3は、筆算であって、縦6マス、横6マス使用するレイアウト、4は、分数計算であって縦2マス、横6マス使用するレイアウト、5は、分数計算であって縦6マス、横10マス使用するレイアウトを意味する。問題提示部104は、これら計算タイプやレイアウトなどの情報をもとに、問題を表示部120に表示させる。
【0038】
問題座標は、問題が表示される最初の座標位置を示しており、(X,Y)で表示される。入力マスや入力座標は、解答過程欄又は解答欄のうち、入力欄として入力指定部102が指定する入力欄の位置を示している。入力マス(入力欄)は、一つ一つのマスにアルファベットを付与し、アルファベットによって入力欄の位置を示している。また、入力座標は、(X,Y)の座標で入力欄の位置を示している。入力マスと入力座標は、表現方法は異なるが、いずれも同じ場所を示している。
【0039】
ガイド順とは、一つの計算問題において、入力指定部102が解答過程欄又は解答欄のうち入力欄を指定する場合に、入力する欄(マス)を指定する順を意味している。たとえば、1.6×34の場合、最初に入力マスBが入力指定部102によって指定され、入力マスBに入力された内容が正答である場合、入力指定部102は、次に入力マスAを指定する。
【0040】
マスタイプは、入力欄に入力される文字の種類を示すもので、1であれば数字、2であれば小数点、3であれば+や-などの演算子を意味する。演算子の欄は、マスタイプが3の場合に入力されるべき演算子を示している。
【0041】
If数値は、その入力欄にユーザから入力された数値を示し、空欄は、同じ入力マスでIf数値として記入されている数字以外を示している。従って、例えば、1.6×34の計算問題であって、入力マスBの場合、ユーザの入力が4の場合と、4以外の場合に分けられる。また、入力マスAの場合、ユーザからの入力が6の場合、4の場合、6と4以外の場合に分けられることになる。優先順位とは、正誤判定部108がユーザから入力欄に入力された数字の判定を行う際に参照する順序を示している。例えば、1.6×34の計算問題の入力マスAにおいて、ユーザから入力があったとき、正誤判定部108は、第一に入力された数値が6であるかどうかを判定し、その次に入力された数値が4であるかどうかを判定する。
【0042】
正否は、入力されているIf数値が正解かどうかを示しており、1は正解、2はヒント文の画像、3はヒント問題を示している。2の場合は、ヒント文のヒント文IDがヒント文ID欄に対応付けて記憶されており、3の場合は、ヒント問題のIDが対応付けて記憶されており、それぞれファイル名やIDに基づき、ヒント問題記憶部136やヒント文記憶部138を参照できるように構成されている。
【0043】
図4は、問題データ記憶部132に記憶された問題データにおける座標や入力マス記号の一例を示す図である。図4のように、1.6×34の計算問題は、問題データ記憶部132に記憶された計算タイプ及びレイアウトに基づいて縦6マス横6マスのなかに筆算形式で問題提示部104により、表示部120に表示される。問題データ記憶部132に問題座標(X,Y)=(3,1)と記憶されているため、X(横軸)とY(縦軸)でそれぞれ3と1が交わるマスから計算問題の表示が始まることを示している。また、入力指定部102により指定される入力マスについて、図4のように、複数のマスで構成される解答過程欄又は解答欄について、それぞれ入力される順にアルファベット記号が付されており、指定する入力欄(入力マス)が、入力座標とともに特定できるように構成されている。なお、ここでは、解答過程欄は、マスA~D、解答欄は、マスE~Gである。
【0044】
図4に示された丸数字の1~8は、問題データ記憶部132に記憶されたガイド順に基づいて分かりやすくするために表示したものである。入力指定部102は、問題データ記憶部132に記憶された入力マス、入力座標、ガイド順に基づいて、ユーザに入力を促す入力欄を指定する。
【0045】
図5は、ヒント問題記憶部136に記憶されているデータベースの一例である。ヒント問題記憶部136には、ヒント問題IDに対応付けてヒント問題となる計算問題の数式、その指示文、計算タイプ、レイアウト、問題座標、入力マス、入力座標、ガイド順、マスタイプ、演算子、正答が記憶されている。計算タイプ、レイアウト、問題座標、入力マス、入力座標、ガイド順、マスタイプ、演算子において記憶されている数字の意味は、問題データ記憶部132と同じである。問題データ記憶部132に記憶されているヒント問題IDをキーにヒント問題記憶部136からヒント問題が読み出される。
【0046】
ここで、例えば、数式4×6のヒント問題において入力マスA及びBともにガイド順として1が記憶されている。この場合、入力指定部102は、入力マスAとBいずれも入力可能となるように、両方を指定する。また、ここではヒント問題記憶部136には、正答のみが記憶されているため、正誤判定部108は、ヒント問題についてユーザより入力があったとき、ヒント問題記憶部136に記憶された正答を参照し、正誤を判定する。なお、ヒント問題について、ヒント問題記憶部136に正答だけでなくヒント文を記憶することで、ユーザが誤答した場合にさらにヒントを表示するように構成してもよい。
【0047】
次に、1.6×34の計算問題を例にとって、本発明の学習支援装置による学習の流れを説明する。図6は、1.6×34の計算問題が表示され、最初の入力欄が入力指定部102により指定されている状態の表示画面の一例である。問題データ記憶部132を参照し、問題提示部104は、表示部120に図6のような表示画面を提示し、入力指定部102は、問題データ記憶部132のガイド順、入力マス、入力座標に基づいて入力欄を指定する。なお、本表示画面では、指定された解答過程欄である入力欄は、太字の四角で囲まれ、そのほかの解答過程欄又は解答欄は、他の空欄とは区別がつくよう、色分け等がされている。
【0048】
図7は、ユーザが一つの計算問題を解く場合における、学習支援装置100の一処理例を示すフローチャートである。入力指定部102は、指定位置に入力欄を配置する(ステップS701)。入力指定部102は、問題データ記憶部132の入力マス、入力座標、ガイド順を参照して入力欄を配置する。図6の画面が表示されている状態にあっては、解答過程欄のうち、ガイド順が1番目である入力欄、入力マスB、入力座標(4,3)が指定される。
【0049】
問題提示部104は、表示部120のタッチ入力パネル等から入力指定部102が指定した入力欄に入力がされたかどうかの判定を行う(ステップS702)。指定された入力欄に入力がない場合(No)、引き続き、問題提示部104は、入力欄に入力がされたかどうかの判定を行う。なお、指定された入力欄以外の欄、解答過程欄又は解答欄、問題記載欄に入力があったときは、正誤判定部108は、正誤判定を行わず、計算メモ等、自由描画欄として使用される。指定された入力欄に入力がされた場合(Yes)、文字認識部106は、入力された文字を文字認識する(ステップS703)。文字認識部106による文字認識結果に基づき、正誤判定部108は、解答過程欄の指定された入力欄に入力された内容の正誤判定を行う(ステップS704)。正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照して正誤判定を行う。
【0050】
例えば、図6の表示画面においては、正解は「4」であるため、「4」が入力されていれば、正誤判定部108は、「正解」(Yes)と判定し、「4」以外の場合は、不正解となる(No)。「正解」の場合、入力指定部102は、問題データ記憶部132を参照して、次の入力欄があるかどうか判定する(ステップS705)。「不正解」の場合、入力された数字・記号に応じたヒントが問題データ記憶部132に記憶された内容に基づいて問題提示部104により表示部120に表示される(ステップS706)。
【0051】
例えば、図6の画面例における入力欄にあっては、「4」が入力されていた場合は正解となるため、問題データ記憶部132を参照し、ガイド順「2」である入力マスA、入力座標(3,3)である、左隣の解答過程欄が次の入力欄として入力指定部102により指定される。なお、「正解」の場合、入力された手書き数字を所定の書式のフォントの数字に置き換えて表示するよう構成してもよい。また、「4」以外の場合は、不正解となり、問題データ記憶部132に記憶されているようにヒント問題ID201の問題が表示されることとなる。ヒント問題記憶部136によれば、ヒント問題ID201の問題は、「4×6」であり、ヒント問題記憶部136に記憶されている計算タイプ、レイアウト、問題座標、入力マス等に基づいてヒント問題が表示される。ここでヒント問題として、不正解となった入力欄を正解するために解くことが必要な計算問題が表示されるため、計算の仕方の理解が不十分なユーザであっても、ヒント問題を見て、さらにヒント問題を解くことで、計算方法への理解を深めることができる。
【0052】
ヒント問題が表示された場合、入力指定部102は、入力欄を指定し、ユーザから入力があると、文字認識部106による文字認識結果に基づき、正誤判定部108は、ヒント問題記憶部136を参照して正誤を判定する。ここでも、一桁ごとに正誤判定が行われる。なお、正解した場合は、ヒント問題の表示が終了し、もとの計算問題の表示へと戻り、不正解だった入力欄(ここでは最初の入力欄)入力マスB、入力座標(4,3)が指定される(ステップS701)。なお、ヒント問題に不正解だった場合は、正解か、ユーザが終了するまでヒント問題が表示されるように構成してもよい。
【0053】
正解した場合、次の入力欄があるか、入力指定部102は判定を行い、次の入力欄がある場合(Yes)、問題データ記憶部132に基づいて次の指定位置に入力欄を配置する(ステップS701)。そして、すべての入力欄について正解し、その計算問題を解き終わるまでステップS701からステップS706までの処理が続くこととなる。次の入力欄がない場合(No)、その計算問題の解答過程欄及び解答欄すべての入力欄について正解し、解き終わったことを意味するため、赤丸や「正解」などの正解表示を行って(ステップS707)、その計算問題を終了する。
【0054】
図8は、ヒント問題が表示された場合の画面例である。このように、1.6×34の計算問題の筆算の途中計算である最初の入力欄が不正解となった場合、最初の入力欄を正解するために必要な計算問題である「4×6」がヒント問題として表示される。解答欄として設けられた2つのマスは双方ともに入力指定部102により入力欄として指定されており、入力があると、文字認識部106が文字認識を行い、正誤判定部108がヒント問題記憶部136を参照して、正誤判定を行う。
【0055】
図9は、解答過程欄の最初の入力欄を正解し、次の入力欄が入力指定部102により指定された場合の表示画面例である。入力指定部102は、最初の入力欄である入力マスB、入力座標(4,3)が正解すると、ヒント問題記憶部136を参照して、次の入力欄である入力マスA、入力座標(3,3)を指定する。本入力欄についての学習支援装置の処理は、最初の入力欄と同様に図7のフローチャートに従って処理されるため、重複する説明は省略する。指定された入力欄(入力マスA、入力座標3,3)に入力があると、正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照して正誤判定を行い、入力内容に誤りがある場合は、ヒント文またはヒント問題を表示する。具体的には、正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照し、第一に入力内容が「6」であるか判定し、「6」である場合は正解と判定する。第二に、「4」であるか判定を行い、「4」である場合は、ヒント生成部110は、ヒント文記憶部138を参照して、ヒント文ID「141」を読み出し、ヒント文を生成し、「6」と「4」以外の入力内容である場合は、ヒント生成部110は、ヒント問題記憶部136を参照して、ヒント問題ID「202」に対応するヒント問題を生成する。
【0056】
図10は、図9で指定された入力欄における(a)ヒント文の表示画面例と(b)ヒント問題の表示画面例である。この入力欄の正解は、「6」であることから入力内容が「6」であるときは、次の入力欄である解答過程欄のうちの一つである、ガイド順3、入力マスD、入力座標(3,4)のマスが入力指定部102により指定される。入力内容が「4」であるときには、ヒント文として「くり上げた2をたすのを忘れないようにしよう」という内容の画像が表示される。また、入力内容が「6」と「4」以外の内容である場合には、本入力欄を正解するために必要な途中計算問題である「4×1」が表示されることとなり、正誤判定部108は、入力があると文字認識結果に基づいて正誤を判定し、正解又はヒント問題を閉じることが選択されると、もとの計算問題が表示される。
【0057】
入力マスA、入力座標(3,3)の入力欄について正解すると、入力指定部102は、入力マスD、入力座標(3,4)の入力欄が指定される。この入力欄では、正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照し、「8」の場合は正解、「8」以外の場合は、不正解とし、ヒント生成部110は、ヒント問題ID「203」に対応する本計算問題を正解するために必要な途中計算問題であるヒント問題「3×6」を表示する。
【0058】
入力マスD、入力座標(3,4)の入力欄について「8」が入力され、正解すると、入力指定部102は、解答過程欄の一つである、ガイド順4にあたる入力マスC、入力座標(2,4)を指定する。この入力欄では、正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照し、「4」の場合は正解、次に「3」の場合は、ヒント文を表示し、「4」と「3」以外の場合は、ヒント問題として、本入力欄を正解するために必要な計算問題である「3×1」を表示する。
【0059】
図11は、入力マスC、入力座標(2,4)の入力欄において、「3」が入力された場合に表示されるヒント文の表示画面例である。「くり上げた1をたすのを忘れないように」という誤答である「3」に至った原因をヒント文で指摘することで、正解へと導くことができる。
【0060】
入力マスC、入力座標(2,4)について「4」が入力されて正解すると、入力指定部102は、ガイド順5、入力マスH、入力座標(4,5)の入力欄を指定する。この入力欄は、本計算問題「1.6×34」の計算問題の解答欄の小数第一位の答えを入力する欄となる。本発明の学習支援装置では、解答全体としての正誤だけではなく、解答を構成する要素一つ一つについて正誤判定を行う。正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照し、入力された内容の正誤判定を行う。入力内容が「4」の場合は、正解であり、「4」以外の場合は、ヒント生成部110は、ヒント文記憶部138に記憶されているヒント文ID「143」のヒント文を表示部120へ表示させる。図12は、本入力欄におけるヒント文の画面例である。ここでのヒント文は、「4+0」の計算結果が本入力欄の解答となる旨を示すヒント文である。
【0061】
入力マスH、入力座標(4,5)の入力欄に「4」が入力され、正解すると、入力指定部102は、ガイド順6、入力マスF、入力座標(3,5)の入力欄を指定する。正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照し、入力された内容の正誤判定を行い、入力内容が「4」の場合は、正解であり、「4」以外の場合は、ヒント問題記憶部136を参照し、ヒント問題として「6+8」の問題を表示する。正誤判定部108は、ヒント問題記憶部136を参照して、正誤判定を行うこととなる。
【0062】
入力マスF、入力座標(3,5)の入力欄に「4」が入力されて正解すると、入力指定部102は、ガイド順7、入力マスE、入力座標(2,5)の入力欄を指定する。正誤判定部108は、問題データ記憶部132を参照し、入力された内容の正誤判定を行い、入力内容が「5」の場合は、正解であり、「4」の場合には、ヒント生成部110は、ヒント文をヒント文ID「144」に基づき、ヒント文記憶部138から読み出してヒント文を表示する。図13は、本入力欄におけるヒント文の表示画面例である。ここでは、「4」という誤答であるため、くり上げた1をたし忘れていることを指摘するヒント文が表示される。入力内容が「5」と「4」以外の場合は、ヒント問題記憶部136を参照してヒント生成部110は、ヒント問題を表示する。ここでは、本入力欄を正解するために必要な計算問題である「1+4」のヒント問題が表示され、入力があると正誤判定部108は、正誤判定を行う。
【0063】
入力マスE、入力座標(2,5)の入力欄に「5」が入力されて正解すると、入力指定部102は、ガイド順8、入力マスG、入力座標(3,5)の入力欄を指定する。ここではマスタイプ「2」であるため、小数点の入力欄である。正誤判定部108は、小数点の記入があると正解と判定する。
【0064】
ここで、小数点の入力がされると、問題データ記憶部132によれば、入力マスG、入力座標(3,5)が最後の入力欄であるため、次の入力欄はなく、本計算問題のすべての欄に正解しているため、正解表示がされ、本計算問題1.6×34は終了する。図14は、解答過程欄及び解答欄のすべてに正解した場合の正解表示の表示画面例である。
【0065】
図15は、分数計算の計算問題の問題表示例である。問題データ記憶部132に記憶されている、問題IDが0078である1/4+1/12の問題表示例である。分数計算の計算問題についても同様に、問題データ記憶部132とヒントデータ記憶部134を参照し、図7のフローチャートに従って処理が行われる。
【0066】
図16は、分数計算の計算問題における座標や入力マス記号の一例を示す図である。座標や入力マス記号を設定し、問題データ記憶部132にレイアウトや問題座標、入力座標、ガイド順などを記憶しておくことで、問題提示部104は、問題データ記憶部132に記憶されているデータに基づいて、表示部120に表示する。最初の入力欄として複数の入力欄を入力指定部102が指定するように構成してもよい。
【0067】
図17は、分数計算の計算問題のヒント文を表示した場合の一表示画面例である。問題提示部104は、図3の問題データ記憶部132に記憶されているヒント文IDに従ってヒント文記憶部138からヒント文を読み出して表示部120に表示させる。
【0068】
なお、本発明の学習支援装置は、掛け算の筆算や分数計算だけでなく、二桁以上の足し算、引き算、割り算、小数も含めた四則演算に適用することができる。また、計算問題だけではなく、文章問題や理科の問題など最終解答に至るまでの間に途中経過の正誤を判定することができる問題に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
100 学習支援装置
102 入力指定部
104 問題提示部
106 文字認識部
108 正誤判定部
110 ヒント生成部
120 表示部(タッチ入力パネル)
130 記憶部
132 問題データ記憶部
134 ヒントデータ記憶部
136 ヒント問題記憶部
138 ヒント文記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17