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特許7078273情報処理装置、情報処理装置のプログラム、ヘッドマウントディスプレイ、及び、情報処理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置のプログラム、ヘッドマウントディスプレイ、及び、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20220524BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220524BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20220524BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220524BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/01 510
G06F3/01 570
G06F3/0481 150
G06T19/00 F
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019202162
(22)【出願日】2019-11-07
(62)【分割の表示】P 2018055561の分割
【原出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2020030853
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2019-11-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】特許業務法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 功
(72)【発明者】
【氏名】谷口 淳一
【合議体】
【審判長】角田 慎治
【審判官】▲高▼瀬 健太郎
【審判官】林 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-182217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F3/048-3/0489
G06T19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを具備する情報処理装置のプログラムであって、
前記プロセッサを、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択する選択部と、
して機能させ、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする
情報処理装置のプログラム。
【請求項2】
前記選択部は、
前記仮想線と、前記仮想空間に配置された、前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択するための所定オブジェクトとが、
前記所定の位置関係を有する場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項3】
前記選択部は、
前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、
所定の基準軸を中心に、基準姿勢から所定角度以上回転した姿勢である場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項4】
前記選択部は、
前記仮想線と、前記仮想空間に配置された、前記特定部が特定した選択オブジェクトを選択するための所定オブジェクトとが、
第1期間において、前記所定の位置関係を維持する場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項5】
前記選択部は、
前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、
第1期間において、前記所定の位置関係を維持する場合に、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項6】
前記選択部は、
前記複数の選択オブジェクトの中から、
M個(Mは、2以上の自然数)の選択オブジェクトが選択されるべき場合において、
前記複数の選択オブジェクトのうち、前記特定部がM番目に特定した選択オブジェクトと、
前記仮想線とが、
第1期間において、前記所定の位置関係を維持するときに、
前記特定部により特定された前記M個の選択オブジェクトを選択する、
ことを特徴とする、請求項1または5に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項7】
前記特定部は、
前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、
前記所定の位置関係を有する場合であって、
前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、
所定の姿勢を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトを特定し、
前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、
前記所定の位置関係を有する場合であって、
前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、
前記所定の姿勢を有さない場合に、
前記一の選択オブジェクトを特定しない、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトの中から、最初に選択オブジェクトを特定した後であって、
前記選択部が、前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択するまでの、第2期間における、前記複数の選択オブジェクトのうち、 前記特定部により特定されていない他の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様と、
前記第2期間が開始される前における、
前記他の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様とを、
互いに異ならせる、
ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記特定部が、前記一の選択オブジェクトを特定した後における、
前記一の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様と、
前記特定部が、前記一の選択オブジェクトを特定する前における、
前記一の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様とを、
互いに異ならせる、
ことを特徴とする、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項10】
前記表示制御部は、
前記第1期間が開始される前の期間における、
前記複数の選択オブジェクトのうち少なくとも一部の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様と、
前記第1期間の一部または全部の期間における、
前記少なくとも一部の選択オブジェクトの、
前記表示部における表示態様とを、
互いに異ならせる、
ことを特徴とする、請求項4乃至6のうち何れか1項に記載の情報処理装置のプログラム。
【請求項11】
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する選択部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項12】
表示部と、情報処理装置と、を具備するヘッドマウントディスプレイであって、
前記情報処理装置は、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する選択部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項13】
表示部を有するヘッドマウントディスプレイと、情報処理装置と、を具備する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、
両眼視差を利用した立体視画像を、
前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、
前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、
前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、
所定の位置関係を有する場合に、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とする特定部と、
前記特定部が、
前記複数の選択オブジェクトのうち2以上の選択オブジェクトを前記特定状態とした場合、
前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、
前記特定部により特定された選択オブジェクトを選択する選択部と、
を備え、
前記特定部は、
前記一の選択オブジェクトの状態を特定状態とした後に、
前記一の選択オブジェクトと前記仮想線が前記所定の位置関係を有しなくなった場合も、
前記一の選択オブジェクトの状態を前記特定状態に維持し、時間の経過により前記特定状態を解除させない、
ことを特徴とする、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置のプログラム、ヘッドマウントディスプレイ、及び、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)が広く普及しつつある。HMDは、ユーザの頭部に装着され、ユーザの眼前に設けられた表示部に対して、例えば、仮想カメラで仮想空間を撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像等を表示する(例えば、特許文献1参照)。このようなHMDにおいては、一般的に、HMDの姿勢の変化に基づいて、仮想空間における仮想カメラの姿勢を変化させることで、ユーザが仮想空間の様々な方向を視認することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-115122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、HMDを装着したユーザは、ユーザの眼前に設けられた表示部を目視しているため、表示部以外の部分を見ることが難しい場合がある。よって、HMDを装着したユーザにとって、HMDの姿勢の変化以外の操作、例えば、手に持って操作されるコントローラ等の操作が負担となる場合がある。このため、例えば、HMDを利用したゲーム等においては、HMDの姿勢の変化により、ユーザからの多様な指示を受け付けることが好ましい。しかし、HMDの姿勢の変化により、ユーザからの指示を受け付ける場合、HMDを装着したユーザは、仮想空間における仮想カメラの姿勢の変化以外の操作を行うことが難しく、例えば、HMDを利用したゲーム等において選択肢を選択する等の操作が困難となることがあった。
【0005】
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、HMDを装着したユーザが、HMDの表示部に表示される仮想空間を視認しつつ、選択肢を選択する操作を行うことを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置のプログラムは、プロセッサを具備する情報処理装置のプログラムであって、前記プロセッサを、複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像を、ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定する特定部と、前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトのうち1または複数の選択オブジェクトを特定した場合、前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する選択部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ1の構成の一例を示す説明図である。
図2】ヘッドマウントディスプレイ1の使用例を示す説明図である。
図3】仮想空間SP-Vの一例を示す説明図である。
図4】仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMの一例を示す説明図である。
図5】表示画像GHの一例を示す説明図である。
図6】仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMの姿勢変化の一例を示す説明図である。
図7】視認画像GSの一例を示す説明図である。
図8】視認画像GSの一例を示す説明図である。
図9】視認画像GSの一例を示す説明図である。
図10】視認画像GSの一例を示す説明図である。
図11】視認画像GSの一例を示す説明図である。
図12】ゲージ画像GBの表示態様の一例を示す説明図である。
図13】端末装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図14】端末装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図15】端末装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図16】端末装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図17】変形例1に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図18】変形例2に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図19】変形例3に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図20】変形例4に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図21】変形例5に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図22】変形例6に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図23】変形例6に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図24】変形例7に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図25】変形例7に係る視認画像GSの一例を示す説明図である。
図26】変形例9に係る情報処理システムSYSの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0009】
[A.実施形態]
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0010】
[1.ヘッドマウントディスプレイの概要]
以下、図1乃至図12を参照しつつ、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ1(以下、「HMD1」と称する)の概要の一例について説明する。
【0011】
[1.1.ヘッドマウントディスプレイの構成及び利用イメージ]
まず、図1及び図2を参照しつつ、HMD1の構成と、HMD1の利用イメージと、について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るHMD1の構成の一例を説明するための分解斜視図である。図2は、本実施形態に係るHMD1の利用イメージの一例を説明するための説明図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るHMD1は、端末装置10と、装着具90と、を有する。
端末装置10(「情報処理装置」の一例)は、画像を表示するための表示部12を備える。本実施形態では、端末装置10としてスマートフォンを採用する場合を、一例として想定する。但し、端末装置10は、HMD1に設けられるための専用の表示デバイスであってもよい。
【0014】
装着具90は、図2に示すように、HMD1をユーザUの頭部に装着するための構成要素である。
図1に示すように、装着具90は、HMD1をユーザUの頭部に装着するための一対のテンプル91L及び91Rと、端末装置10をHMD1に取り付けるための取付孔92と、ユーザUがHMD1を頭部に装着した場合に、ユーザUの両眼が存在する位置に対応するように設けられた一対の貫通孔92L及び92Rと、を備える。なお、貫通孔92L及び92Rの各々には、レンズが設けられていてもよい。そして、ユーザUが、HMD1を頭部に装着した場合、ユーザUの左眼は、貫通孔92Lを介して、または、取付孔92に設けられたレンズを介して、取付孔92に挿入された端末装置10が具備する表示部12を視認することができ、ユーザUの右眼は、貫通孔92Rを介して、または、貫通孔92Rに設けられたレンズを介して、取付孔92に挿入された端末装置10が具備する表示部12を視認することができる。
【0015】
図2に示すように、HMD1を頭部に装着したユーザUは、頭部の姿勢を変化させることにより、HMD1の姿勢を変化させることができる。以下では、説明の便宜上、HMD1に固定された座標系である装置座標系Σを導入する。
装置座標系Σとは、例えば、HMD1の所定箇所に原点を有し、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を有する3軸の直交座標系である。本実施形態では、図2に示すように、ユーザUがHMD1を装着した場合に、+X方向がユーザUから見て前方方向となり、+Y方向がユーザUから見て左手方向となり、+Z方向がユーザUから見て上方向となるように、装置座標系Σが設定されている場合を、一例として想定する。
【0016】
図2に示すように、HMD1を頭部に装着したユーザUは、頭部の姿勢を変化させることで、X軸周りの回転方向、すなわち、ロール方向QにHMD1が回転するように、HMD1の姿勢を変化させることが可能であり、また、Y軸周りの回転方向、すなわち、ピッチ方向QにHMD1が回転するように、HMD1の姿勢を変化させることが可能であり、更に、Z軸周りの回転方向、すなわち、ヨー方向QにHMD1が回転するように、HMD1の姿勢を変化させることが可能である。つまり、HMD1を頭部に装着したユーザUは、頭部の姿勢を変化させることで、ロール方向Q、ピッチ方向Q、及び、ヨー方向Qの一部または全部を合成した任意の回転方向、すなわち、任意の回転軸W周りの回転方向QにHMD1が回転するように、HMD1の姿勢を変化させることが可能である。
以下では、基準時刻t0においてHMD1に固定された装置座標系Σを、基準装置座標系ΣS0と称する。また、本実施形態では、基準時刻t0以降の時刻tにおけるHMD1の姿勢を、基準時刻t0におけるHMD1を回転軸W周りの回転方向Qに角度θだけ回転させた姿勢として表現する。換言すれば、本実施形態において、基準時刻t0以降の時刻tにおける装置座標系Σは、基準装置座標系ΣS0の各座標軸を、回転軸Wの周りに角度θだけ回転させた座標軸を有する座標系として表現される。
【0017】
端末装置10は、仮想空間SP-Vに存在する仮想的なカメラである仮想カメラCMにより、仮想空間SP-Vを撮像し、撮像結果を示す画像である表示画像GHを、表示部12に表示させる。
【0018】
[1.2.仮想空間及び仮想カメラ]
以下、図3乃至図6を参照しつつ、仮想空間SP-V及び仮想カメラCMについて説明する。
【0019】
図3は、仮想空間SP-Vを説明するための説明図である。
【0020】
本実施形態では、一例として、図3に示すように、仮想空間SP-Vにおいて、仮想空間SP-Vを構成する仮想的な地面、山、及び、森等の環境構成物Evと、仮想的なキャラクタVと、複数の選択肢を表すための複数の選択オブジェクトCBと、複数の選択肢の中から1または複数の選択肢を選択するための確定ボタンBt(「所定オブジェクト」の一例)と、複数の選択肢に関する情報を表示するための仮想的な掲示板Bdと、仮想空間SP-Vを撮像するための仮想カメラCMと、が設けられている場合を想定する。
なお、本実施形態では、一例として、仮想空間SP-Vにおいて、K個の選択肢を表すための、K個の選択オブジェクトCB[1]~CB[K]が存在する場合を想定する(Kは、K≧2を満たす自然数)。そして、以下では、K個の選択オブジェクトCB[1]~CB[K]のうち、k番目の選択オブジェクトCBを、選択オブジェクトCB[k]と称する(kは、1≦k≦Kを満たす自然数)。
【0021】
また、本実施形態では、一例として、図3に示すように、仮想カメラCMが、左眼用の仮想カメラCM-Lと、右眼用の仮想カメラCM-Rとを含む場合を想定する。
また、以下では、説明の便宜上、図3に示すように、仮想空間SP-Vに固定された座標系である仮想空間座標系Σを導入する。ここで、仮想空間座標系Σとは、例えば、仮想空間SP-Vの所定箇所に原点を有し、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を有する3軸の直交座標系である。
【0022】
図4は、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMを説明するための説明図である。なお、図4では、仮想空間SP-Vを、+Z方向から平面視した場合を例示している。また、図4では、仮想カメラCMが、キャラクタVを、キャラクタVの正面方向から撮像している場合を例示している。
【0023】
以下では、図4に示すように、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCM-Lの位置PC-Lと、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCM-Rの位置PC-Rとの中点を、位置PCと称する。
また、以下では、図4に示すように、位置PC-Lと交差し、仮想カメラCM-Lの光軸方向に延在する仮想的な直線を、仮想直線LC-Lと称し、位置PC-Rと交差し、仮想カメラCM-Rの光軸方向に延在する仮想的な直線を、仮想直線LC-Rと称する。また、以下では、位置PCと交差する直線であって、仮想カメラCM-Lの光軸方向を表す単位ベクトルと、仮想カメラCM-Rの光軸方向を表す単位ベクトルとの和により示される方向に延在する仮想的な直線を、仮想直線LC(「仮想線」の一例)と称する。そして、本実施形態では、一例として、仮想カメラCMが位置PCに存在するものと看做し、また、仮想カメラCMの光軸が仮想直線LCであることと看做す。
なお、本実施形態では、一例として、仮想直線LC-Lの延在する方向と、仮想直線LC-Rの延在する方向とが、同一の方向である場合を想定する。このため、本実施形態では、仮想直線LCの延在する方向は、仮想直線LC-L及び仮想直線LC-Rの延在する方向と同一の方向となる。
【0024】
図5は、仮想カメラCMが仮想空間SP-Vを撮像した結果である表示画像GHの一例を示す図である。なお、図5では、図4に示すように、仮想カメラCMが、キャラクタVを、キャラクタVの正面方向から撮像した場合を想定する。
【0025】
図5に示すように、表示部12のうち、貫通孔92Lを介して視認可能な左眼用視認領域12-Lには、仮想カメラCM-Lによる撮像結果、例えば、仮想カメラCM-LによりキャラクタVを撮像した結果であるキャラクタ画像GV-Lが表示される。また、表示部12のうち、貫通孔92Rを介して視認可能な右眼用視認領域12-Rには、仮想カメラCM-Rによる撮像結果、例えば、仮想カメラCM-RによりキャラクタVを撮像した結果であるキャラクタ画像GV-Rが表示される。
すなわち、ユーザUは、左眼によりキャラクタ画像GV-Lを視認し、右眼によりキャラクタ画像GV-Rを視認することができる。このため、ユーザUは、後述する図7等に例示するように、表示部12において、キャラクタV等の仮想空間SP-V内に存在する仮想的な物体を、例えば、立体的な物体として表された視認画像GSを視認することが可能となる。
ここで、「立体的な物体」とは、仮想的な3次元の空間に配置された物体であればよい。例えば、「立体的な物体」とは、仮想的な3次元の空間に配置された3次元の物体であってもよいし、仮想的な3次元の空間に配置された2次元の物体であってもよし、仮想的な3次元の空間に配置された1次元の物体であってもよい。
また、「仮想的な物体」とは、仮想空間SP-Vにおいて、色彩または模様等の表示態様が周囲と異なる物体または領域であってもよい。
【0026】
以下では、説明の便宜上、図6に示すように、仮想空間SP-Vにおいて仮想カメラCMに固定された座標系であるカメラ座標系Σを導入する。ここで、カメラ座標系Σとは、例えば、仮想空間SP-Vのうち仮想カメラCMの存在する位置PCに原点を有し、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を有する3軸の直交座標系である。
本実施形態では、ユーザUがHMD1を装着した場合、+X方向がユーザUから見て前方方向となり、+Y方向がユーザUから見て左手方向となり、+Z方向がユーザUから見て上方向となるように、カメラ座標系Σが設定されている場合を、一例として想定する。すなわち、本実施形態では、HMD1を装着したユーザUから見て、X軸がX軸と同一の方向であり、Y軸がY軸と同一の方向であり、Z軸がZ軸と同一の方向である場合を、一例として想定する。また、本実施形態では、X軸と仮想直線LCとが一致する場合を、一例として想定する。すなわち、本実施形態では、一例として、仮想直線LCが、HMD1を装着したユーザUから見た前方方向に延在する場合を想定する。
【0027】
図6に示すように、仮想カメラCMは、X軸周りの回転方向であるロール方向QCと、Y軸周りの回転方向であるピッチ方向QCと、Z軸周りの回転方向であるヨー方向QCとの、一部または全部を合成した任意の回転方向に回転することが可能である。そして、本実施形態では、一例として、HMD1が、回転軸W周りの回転方向Qに角度θだけ回転した場合に、仮想カメラCMが、回転軸W周りの回転方向QCに角度θだけ回転することとする。
ここで、回転軸Wは、一例として、位置PCと交差する直線であって、装置座標系Σにおいて回転軸Wの方向を表す単位ベクトルの成分と、カメラ座標系Σにおいて回転軸Wの方向を表す単位ベクトルの成分とが、同一となる直線であることとする。また、角度θは、一例として、角度θと等しい角度であることとする。
以下では、基準時刻t0におけるカメラ座標系Σを、基準カメラ座標系ΣC0と称する。すなわち、時刻tにおけるカメラ座標系Σは、基準カメラ座標系ΣC0の各座標軸を、回転軸Wの周りに角度θだけ回転させた座標軸を有する座標系として表現される。
【0028】
[1.3.表示部に表示される画像]
以下、図7乃至図12を参照しつつ、表示部12に表示される視認画像GSについて説明する。
【0029】
図7乃至図10は、基準時刻t0よりも後の時刻t1から時刻t5にかけて表示部12に表示される視認画像GSの変化の一例である。このうち、図7は、時刻t1において表示部12に表示される視認画像GSの一例である。図8は、時刻t1よりも後の時刻t2において表示部12に表示される視認画像GSの一例である。図9は、時刻t2よりも後の時刻t4において表示部12に表示される視認画像GSの一例である。図10は、時刻t4よりも後の時刻t5において表示部12に表示される視認画像GSの一例である。
また、図11は、時刻tb1から時刻tb5までの期間において表示部12に表示される視認画像GSの一例である。なお、本実施形態では、一例として、時刻tb1が、時刻t5と同一の時刻である場合を想定する。また、以下では、時刻tb1から時刻tb5までの期間のうち、任意の時刻を、時刻tbと称する。
また、以下では、説明の便宜上、図7乃至図11に示す、時刻t1から時刻tb5にかけての視認画像GSの変化例を、「画面変化例」と称する場合がある。なお、画面変化例では、仮想空間SP-Vに6個の選択オブジェクトCB[1]~CB[6]が存在する場合(つまり、「K=6」の場合)を想定する。また、以下では、時刻tにおける仮想直線LCを、仮想直線LC[t]と表現する場合がある。
【0030】
図7乃至図11に例示するように、本実施形態において、視認画像GSは、HMD1を装着したユーザUにより仮想空間SP-V内に配置された立体的な物体として視認されるキャラクタVと、当該ユーザUにより仮想空間SP-V内に配置された立体的な物体として視認される選択オブジェクトCB[1]~CB[K]と、当該ユーザUにより仮想空間SP-V内に配置された立体的な物体として視認される掲示板Bdと、当該ユーザUにより仮想空間SP-V内に配置された立体的な物体として視認される確定ボタンBtと、当該ユーザUにより仮想空間SP-V内に配置された立体的な物体として視認される環境構成物Evとの、一部または全部を含む。
なお、本実施形態では、説明の便宜上、仮想空間SP-Vにおいて、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]、掲示板Bd、及び、確定ボタンBtの位置が変化しない場合を想定する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、仮想空間SP-Vにおいて、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]、掲示板Bd、及び、確定ボタンBtの位置は変化してもよい。例えば、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]、掲示板Bd、及び、確定ボタンBtは、カメラ座標系Σから見て、常に一定の位置に配置されるものであってもよい。すなわち、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]、掲示板Bd、及び、確定ボタンBtは、仮想カメラCMの姿勢変化に応じて、仮想空間座標系Σにおける位置を変化させてもよい。
【0031】
図7乃至図11に示すように、画面変化例では、時刻t1において仮想直線LC[t1]がキャラクタVと交差し、時刻t2において仮想直線LC[t2]が選択オブジェクトCB[2]と交差し、時刻t3において仮想直線LC[t3]が選択オブジェクトCB[3]と交差し、時刻t4において仮想直線LC[t4]が選択オブジェクトCB[6]と交差し、時刻t5において仮想直線LC[t5]が確定ボタンBtと交差し、その後、時刻tb5まで、仮想直線LC[tb]が確定ボタンBtとの交差を継続する場合を、一例として想定している。
【0032】
本実施形態において、HMD1を装着したユーザUは、K個の選択オブジェクトCB[1]~CB[K]において表示されているK個の選択肢の中から、1または複数の選択オブジェクトCBを特定し、その後、当該特定した1または複数の選択オブジェクトCBを選択することで、当該1または複数の選択オブジェクトCBに対応する1または複数の選択肢を選択することができる。
【0033】
具体的には、本実施形態において、HMD1を装着したユーザUは、まず、仮想空間SP-Vにおいて、選択オブジェクトCB[k]と仮想直線LCとが交差(「所定の位置関係」の一例)するように、HMD1の姿勢を操作することで、当該選択オブジェクトCB[k]を、選択対象オブジェクトとして特定することができる。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、HMD1を装着したユーザUは、仮想空間SP-Vにおいて、選択オブジェクトCB[k]と仮想直線LCとの間隔が所定の距離以下(「所定の位置関係」の他の例)となるように、HMD1の姿勢を操作することで、当該選択オブジェクトCB[k]を、選択対象オブジェクトとして特定してもよい。
なお、本実施形態では、視認画像GSにおいて、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBと、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCBとが、異なる表示態様で表示される場合を想定する。具体的には、本実施形態では、一例として、視認画像GSにおいて、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBと、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCBとが、異なる色彩で表示される場合を想定する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBと、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCBとが、異なる形状で表示されてもよいし、異なる大きさで表示されてもよいし、異なる明度で表示されてもよいし、異なる透明度で表示されてもよいし、異なる模様を有する態様で表示されてもよい。
なお、図7乃至図11に示す画面変化例では、上述のとおり、仮想直線LCが、選択オブジェクトCB[2]、選択オブジェクトCB[3]、及び、選択オブジェクトCB[6]と交差する。このため、画面変化例では、これらの選択オブジェクトCB[2]、選択オブジェクトCB[3]、及び、選択オブジェクトCB[6]が、選択対象オブジェクトとして特定されることになる。
【0034】
また、本実施形態において、HMD1を装着したユーザUは、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中から、1または複数の選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定した後に、仮想空間SP-Vにおいて、確定ボタンBtと仮想直線LCとが、予め定められた時間長ΔT1(「所定の時間長」の一例)だけ交差するように、HMD1の姿勢を操作することで、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択することができる。
なお、以下では、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択する場合に、確定ボタンBtと仮想直線LCとが交差している時間長ΔT1の期間を、選択確定期間(「第1期間」の一例)と称する。図7乃至図11に示す画面変化例では、時刻tb1から時刻tb5までの期間が、選択確定期間に該当する場合を、例示している。
また、本実施形態では、図11に示すように、選択確定期間において、ゲージ画像GBが、仮想空間SP-V内に配置された仮想的な物体として視認画像GSに表示される。
【0035】
図12は、本実施形態におけるゲージ画像GBの一例を説明するための説明図である。本実施形態では、図12に例示するように、ゲージ画像GBの表示態様が経時的に変化する場合を想定する。具体的には、本実施形態では、一例として、ゲージ画像GBが、現在時刻から選択確定期間の終了時刻までの時間長を示す画像GB1と、選択確定期間の開始時刻から現在時刻までの時間長を示す画像GB2と、の少なくとも一方を含む場合を想定する。そして、本実施形態では、一例として、選択確定期間において、ゲージ画像GBに対して画像GB1の占める割合が経時的に減少し、ゲージ画像GBに対して画像GB2の占める割合が経時的に増加する場合を想定する。
例えば、図12に示す例では、選択確定期間が開始される時刻tb1において、ゲージ画像GBの全てが画像GB1で満たされる。そして、時刻tb2→時刻tb3→時刻tb4と時間が進行するのに従い、ゲージ画像GBにおける画像GB2の占める割合が増加する。その後、選択確定期間が終了する時刻tb5において、ゲージ画像GBの全てが画像GB2で満たされる。このため、図12に示す例において、HMD1を装着したユーザUは、ゲージ画像GBにより、選択確定期間の残り時間を視覚的に把握することができる。
なお、本実施形態では、選択確定期間の開始と同時にゲージ画像GBが表示されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、ゲージ画像GBは、選択確定期間の開始時刻から一定の時間が経過した後に、表示されてもよい。
また、本実施形態では、図11に示すように、ゲージ画像GBは、仮想カメラCMから見て、ゲージ画像GBの少なくとも一部と、確定ボタンBtの少なくとも一部とが重なるような位置に表示されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、ゲージ画像GBは、視認画像GSの任意の場所に表示されてもよい。
【0036】
以上のように、図7乃至図11に示す画面変化例では、時刻t1から時刻t5までの期間において、仮想直線LCが、選択オブジェクトCB[2]、選択オブジェクトCB[3]、及び、選択オブジェクトCB[6]と交差し、その後、時刻tb1から時刻tb5までの時間長ΔT1の選択確定期間において、仮想直線LCが、確定ボタンBtと交差する。このため、図7乃至図11に示す画面変化例において、HMD1を装着したユーザUは、時刻t1から時刻t5までの期間において、選択オブジェクトCB[2]、選択オブジェクトCB[3]、及び、選択オブジェクトCB[6]を、選択対象オブジェクトとして特定し、その後、時刻tb1から時刻tb5までの選択確定期間において、選択オブジェクトCB[2]、選択オブジェクトCB[3]、及び、選択オブジェクトCB[6]を、選択することができる。
【0037】
[2.端末装置の構成]
以下、図13及び図14を参照しながら、端末装置10の構成の一例について説明する。
【0038】
図13は、端末装置10の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0039】
図13に示すように、端末装置10は、画像を表示するための表示部12と、端末装置10の各部を制御して表示部12に表示画像GHを表示させる表示処理を実行する制御部11と、端末装置10のユーザUによる操作を受け付けるための操作部13と、端末装置10の姿勢変化を検出して検出結果を示す姿勢情報Bを出力する姿勢情報生成部14と、端末装置10の制御プログラムPRGを含む各種情報を記憶する記憶部15と、を備える。
【0040】
本実施形態では、姿勢情報生成部14として、例えば、3軸の角速度センサ1002(図9参照)を採用する。具体的には、姿勢情報生成部14は、単位時間におけるロール方向Qの姿勢変化を検出するX軸角速度センサと、単位時間におけるピッチ方向Qの姿勢変化を検出するY軸角速度センサと、単位時間におけるヨー方向Qの姿勢変化を検出するZ軸角速度センサと、を備える。そして、姿勢情報生成部14は、X軸角速度センサ、Y軸角速度センサ、及び、Z軸角速度センサによる検出結果を示す姿勢情報Bを、周期的に出力する。
【0041】
制御部11は、表示制御部111と、姿勢情報取得部112と、特定部113と、選択部114と、を備える。
【0042】
姿勢情報取得部112(「取得部」の一例)は、姿勢情報生成部14の出力する姿勢情報Bを取得する。
表示制御部111は、姿勢情報取得部112の取得した姿勢情報Bに基づいて、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMの姿勢を制御する。そして、表示制御部111は、仮想カメラCMによる撮像結果を表す画像情報DSを生成し、当該画像情報DSを表示部12に供給することで、表示部12に対して表示画像GHを表示させる。
特定部113は、仮想直線LCと交差した選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定する。
選択部114は、特定部113が選択対象オブジェクトとして特定した選択オブジェクトCBを選択する。
【0043】
図14は、端末装置10のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【0044】
図14に示すように、端末装置10は、端末装置10の各部を制御するプロセッサ1000と、各種情報を記憶するメモリ1001と、端末装置10の姿勢変化を検出して検出結果を示す姿勢情報Bを出力する角速度センサ1002と、各種画像を表示可能な表示装置1003と、端末装置10のユーザUによる操作を受け付けるための入力装置1004と、を備える。
なお、本実施形態では、端末装置10を「情報処理装置」として把握するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、端末装置10に設けられたプロセッサ1000を「情報処理装置」として把握してもよい。
【0045】
メモリ1001は、例えば、プロセッサ1000の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、端末装置10の制御プログラムPRG等の各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含み、記憶部15として機能する。
プロセッサ1000は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、メモリ1001に記憶された制御プログラムPRGを実行し、当該制御プログラムPRGに従って動作することで、制御部11として機能する。
角速度センサ1002は、上述のとおり、X軸角速度センサ、Y軸角速度センサ、及び、Z軸角速度センサを備え、姿勢情報生成部14として機能する。
表示装置1003及び入力装置1004は、例えば、タッチパネルであり、表示部12及び操作部13として機能する。なお、表示装置1003及び入力装置1004は、別体として構成されていてもよい。また、入力装置1004は、タッチパネル、操作ボタン、キーボード、ジョイスティック、及び、マウス等のポインティングデバイスの一部または全部を含む、1または複数の機器から構成されるものであってもよい。
【0046】
なお、プロセッサ1000は、CPUに加え、または、CPUに替えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)、等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。この場合、プロセッサ1000により実現される制御部11の一部または全部は、DSP等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0047】
[3.端末装置の動作]
以下、図15及び図16を参照しながら、端末装置10の動作の一例について説明する。
【0048】
図15及び図16は、端末装置10が表示部12に表示画像GHを表示させる表示処理を実行する場合における、端末装置10の動作の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、一例として、ユーザUが、表示処理を開始させる旨の所定の開始操作を操作部13から入力した場合に、端末装置10が、表示処理を開始させる場合を想定する。
【0049】
図15に示すように、表示制御部111は、表示処理が開始されると、初期化処理を実行する(S100)。
具体的には、表示制御部111は、ステップS100の初期化処理において、仮想空間SP-Vにおける、選択オブジェクトCB、確定ボタンBt、掲示板Bd、キャラクタV、及び、環境構成物Ev等を、仮想空間SP-V内の所定の位置、または、仮想空間SP-V内のランダムな位置に配置する。また、表示制御部111は、ステップS100の初期化処理において、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMの姿勢を、所定の初期姿勢に設定する。
【0050】
次に、表示制御部111は、初期化処理が完了した時刻を基準時刻t0として定め、当該基準時刻t0におけるHMD1の姿勢を「基準姿勢」として定める(S102)。
なお、表示制御部111は、ステップS102において、基準時刻t0における装置座標系Σを、基準装置座標系ΣS0として定める。また、表示制御部111は、ステップS102において、HMD1を装着したユーザUから見て、カメラ座標系Σの各座標軸の方向が、装置座標系Σの各座標軸の方向と等しくなるように、カメラ座標系Σを設定する。そして、表示制御部111は、ステップS102において、基準時刻t0におけるカメラ座標系Σを、基準カメラ座標系ΣC0として定める。なお、以下では、基準時刻t0における仮想直線LCを、基準直線LC0と称する。
【0051】
次に、姿勢情報取得部112は、姿勢情報生成部14から姿勢情報Bを取得する(S104)。
【0052】
そして、表示制御部111は、ステップS104において姿勢情報取得部112が取得した姿勢情報Bに基づいて、HMD1の基準姿勢からの姿勢変化dBを算出する(S106)。
なお、本実施形態において、表示制御部111は、一例として、姿勢変化dBを、基準装置座標系ΣS0から見た回転軸Wと、当該回転軸W周りの角度θと、により表現することとする。すなわち、本実施形態において、基準装置座標系ΣS0から見てHMD1が回転軸W周りに角度θだけ回転した場合、姿勢変化dBが、基準装置座標系ΣS0における回転軸Wを示す方向ベクトルと、角度θを示す値と、を含むこととする。
但し、姿勢変化dBは、他の任意の表現方法により表現されるものであってもよい。例えば、姿勢変化dBは、基準装置座標系ΣS0から装置座標系Σへの姿勢変化を示す、姿勢変換行列により表現されるものであってもよいし、基準装置座標系ΣS0から装置座標系Σへの姿勢変化を示す、クォータニオンにより表現されるものであってもよい。
【0053】
次に、表示制御部111は、ステップS106において算出した姿勢変化dBに基づいて、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMの姿勢を決定する(S108)。
具体的には、ステップS108において、表示制御部111は、まず、ステップS106で算出した姿勢変化dBの示す回転軸Wに基づいて、回転軸Wを設定し、また、当該姿勢変化dBの示す角度θに基づいて、角度θを設定する。次に、表示制御部111は、カメラ座標系Σを、基準カメラ座標系ΣC0を回転軸W周りに角度θだけ回転させた座標系として設定することで、仮想カメラCMの姿勢を決定する。すなわち、表示制御部111は、ステップS108において、仮想直線LCを、基準直線LC0を回転軸W周りに角度θだけ回転させた直線として設定する。
例えば、HMD1が、基準姿勢から、Z軸周りのヨー方向Qに対して角度θだけ回転した場合、表示制御部111は、カメラ座標系Σを、基準カメラ座標系ΣC0をZ軸周りに角度θだけ回転させた姿勢を有する座標系として決定することで、仮想カメラCMの姿勢を決定する。
また、例えば、HMD1が、基準姿勢から、Y軸周りのピッチ方向Qに対して角度θだけ回転した場合、表示制御部111は、カメラ座標系Σを、基準カメラ座標系ΣC0をY軸周りに角度θだけ回転させた姿勢を有する座標系として決定することで、仮想カメラCMの姿勢を決定する。
また、例えば、HMD1が、基準姿勢から、X軸周りのロール方向Qに対して角度θだけ回転した場合、表示制御部111は、カメラ座標系Σを、基準カメラ座標系ΣC0をX軸周りに角度θだけ回転させた姿勢を有する座標系として決定することで、仮想カメラCMの姿勢を決定する。
【0054】
次に、特定部113は、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中に、仮想直線LCと交差している選択オブジェクトCB[k]が存在するか否かを判定する(S110)。なお、特定部113は、ステップS110において、仮想カメラCMから見て選択オブジェクトCB[k]が存在する方向の範囲に、仮想直線LCの延在方向が含まれる(「所定の位置関係」の他の例)ような、選択オブジェクトCB[k]が、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中に存在しているか否かを判定してもよい。また、特定部113は、ステップS110において、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中に、仮想直線LCとの間の間隔が所定の距離以下となる選択オブジェクトCB[k]が存在しているか否かを判定してもよい。
【0055】
ステップS110における判定の結果が肯定の場合、特定部113は、仮想直線LCと交差している選択オブジェクトCB[k]が、選択対象オブジェクトとして特定されているか否かを判定する(S112)。なお、現在時刻よりも前の時刻から現在時刻までの期間において、仮想直線LCと選択オブジェクトCB[k]とが交差を継続している場合、特定部113は、ステップS112において、当該交差が継続される期間(以下、「交差期間」と称する)の開始時刻における判定の結果を維持する。
【0056】
ステップS112における判定の結果が否定の場合、特定部113は、ステップS110において仮想直線LCと交差していると判定された選択オブジェクトCB[k]を、選択対象オブジェクトとして特定する(S114)。
そして、表示制御部111は、特定部113がステップS114において選択対象オブジェクトとして特定した選択オブジェクトCB[k]の色彩を、選択対象オブジェクトであることを表す色彩に設定する(S116)。
【0057】
ステップS112における判定の結果が肯定の場合、特定部113は、ステップS110において仮想直線LCと交差していると判定された選択オブジェクトCB[k]を、選択対象オブジェクトから除外する(S118)。すなわち、特定部113は、ステップS118において、特定部113が過去に選択対象オブジェクトとして特定した選択オブジェクトCB[k]に対して、仮想直線LCが再び交差を開始する場合、当該選択オブジェクトCB[k]に対する、選択対象オブジェクトとしての特定を解除する。
そして、表示制御部111は、特定部113がステップS118において、選択対象オブジェクトとしての特定を解除した選択オブジェクトCB[k]の色彩を、選択対象オブジェクトでは無いことを表す色彩に設定する(S120)。
【0058】
そして、表示制御部111は、仮想カメラCMにより仮想空間SP-Vを撮像した結果を示す画像情報DSを生成し、当該画像情報DSを表示部12に供給することで、表示部12に対して表示画像GHを表示させる(S122)。
【0059】
図16に示すように、ステップS110における判定の結果が否定の場合、選択部114は、仮想直線LCと確定ボタンBtとが交差しているか否かを判定する(S130)。
ステップS130における判定の結果が否定の場合、選択部114は、処理をステップS122に進める。
【0060】
ステップS130における判定の結果が肯定の場合、選択部114は、仮想直線LCと確定ボタンBtとの交差が開始されてからの経過時間が、時間長ΔT1以上であるか否かを判定する(S132)。
ステップS132における判定の結果が肯定の場合、選択部114は、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]のうち、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択し(S134)、その後、処理をステップS122に進める。
ステップS132における判定の結果が否定の場合、表示制御部111は、仮想空間SP-Vに対してゲージ画像GBを配置し(S136)、その後、処理をステップS122に進める。
【0061】
以下では、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBが選択されるための条件を、選択条件(「所定条件」の一例)と称する。上述のとおり、本実施形態において、選択条件は、仮想直線LCと確定ボタンBtとが時間長ΔT1に亘り交差するという条件である。なお、上述のとおり、仮想直線LCは、姿勢情報Bに基づいて算出される姿勢変化dBに応じて定められる方向に延在する。すなわち、仮想直線LCの延在方向は、姿勢情報Bにより規定される。このため、仮想直線LCに関する条件である選択条件は、姿勢情報Bに関連する条件であると把握することができる。
【0062】
図15に示すように、表示制御部111は、ユーザUが、表示処理を終了させる旨の所定の終了操作を操作部13から入力したか否かを判定する(S124)。
そして、表示制御部111は、ステップS124における判定の結果が否定の場合、処理をステップS104に進め、ステップS124における判定の結果が肯定の場合、表示処理を終了させる。
【0063】
[4.実施形態の結論]
以上において説明したように、本実施形態において、表示制御部111は、仮想直線LCの延在方向を、HMD1の姿勢変化を示す姿勢情報Bに基づいて定める。そして、本実施形態において、特定部113は、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとの位置関係に基づいて、選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定する。また、本実施形態において、選択部114は、仮想直線LCと確定ボタンBtとの位置関係に基づいて、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBを選択する。
このため、本実施形態によれば、HMD1を装着したユーザUは、HMD1の姿勢を変化させることで、仮想空間SP-Vにおける仮想カメラCMの姿勢を変化させることの他に、選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定すること、及び、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBを選択することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、HMD1を装着したユーザUは、HMD1の姿勢を変化させることで、多様な指示を入力することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態において、選択部114は、選択オブジェクトCBが選択対象オブジェクトとして特定されていることを前提として、仮想直線LCと確定ボタンBtとが交差した場合に、当該選択オブジェクトCBを選択する。
このため、本実施形態によれば、例えば、選択オブジェクトCBが選択対象オブジェクトとして特定されているか否かに関わらず、当該選択オブジェクトCBと仮想直線LCとが交差した場合に、当該選択オブジェクトCBが選択される態様(参考例1)と比較して、HMD1を装着したユーザUの意思に反して誤って選択オブジェクトCBが選択される可能性を低減することができる。
【0065】
また、本実施形態において、HMD1を装着したユーザUは、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとを、時間長ΔT1よりも短い時間だけ交差させることで、当該選択オブジェクトCBを特定することができる。そして、本実施形態において、HMD1を装着したユーザUは、選択しようとする1または複数の選択オブジェクトCBを特定した後に、仮想直線LCと確定ボタンBtとを時間長ΔT1だけ交差させることで、当該1または複数の選択オブジェクトCBを選択することができる。
このため、本実施形態によれば、HMD1を装着したユーザUが、複数の選択オブジェクトCBを選択しようとする場合において、例えば、当該複数の選択オブジェクトCBのそれぞれに対して、仮想直線LCを時間長ΔT1だけ交差させることで、当該複数の選択オブジェクトCBを選択する態様(参考例2)と比較して、複数の選択オブジェクトCBを短時間で選択することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、選択しようとする選択オブジェクトCBの個数が多くなる場合であっても、参考例2と比較して、HMD1を装着したユーザUにかかる負荷が増大する程度を抑制することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態において、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBと、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCBとを、異なる表示態様により表示する。
このため、本実施形態によれば、HMD1を装着したユーザUは、各選択オブジェクトCBが選択対象オブジェクトとして特定されているか否かを、容易に把握することが可能となる。
【0067】
[B.変形例]
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0068】
[変形例1]
上述した実施形態において、特定部113は、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとが交差した場合、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとの交差の継続時間に関わらずに、当該選択オブジェクトCBを特定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、特定部113は、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとが、予め定められた時間長に亘り交差を継続する場合に、当該選択オブジェクトCBを特定してもよい。
【0069】
本変形例において、特定部113は、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとが、時間長ΔT1よりも短い時間長ΔT2(「基準時間」の一例)に亘り交差を継続する場合に、当該選択オブジェクトCBを特定する。
また、本変形例において、表示制御部111は、図17に例示するように、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとが交差を開始してから時間長ΔT2が経過するまでの交差期間において、当該選択オブジェクトCBに応じた位置にゲージ画像GCを配置する。
なお、本変形例において、ゲージ画像GCは、ゲージ画像GBと同様に、交差期間の残り時間を視覚的に把握可能な表示態様を有する画像であってもよい。例えば、ゲージ画像GCは、現在時刻から交差期間の終了時刻までの時間長を示す画像GC1と、交差期間の開始時刻から現在時刻までの時間長を示す画像GC2と、の少なくとも一方を含む画像であってもよい。
また、本変形例では、ゲージ画像GCが、交差期間の開始と同時に、視認画像GSにおいて表示が開始される場合を想定する。但し、ゲージ画像GCは、交差期間の開始から一定の時間が経過後に、表示されてもよい。
【0070】
以上のように、本変形例では、選択オブジェクトCBと仮想直線LCとが時間長ΔT2に亘り交差を継続する場合に、当該選択オブジェクトCBが特定される。このため、本変形例によれば、選択オブジェクトCBが、仮想直線LCと交差した時点で特定される態様と比較して、選択オブジェクトCBが誤って特定される可能性を低減することができる。
【0071】
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例1において、表示制御部111は、選択確定期間における選択オブジェクトCB[k]を、選択確定期間が開始される前の選択オブジェクトCB[k]と同一の表示態様により表示するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。表示制御部111は、選択確定期間における選択オブジェクトCB[k]を、選択確定期間が開始される前の選択オブジェクトCB[k]とは異なる表示態様により、表示してもよい。
【0072】
図18は、本変形例に係る、視認画像GSの一例である。本変形例において、表示制御部111は、時刻t1から時刻t4にかけて、図7から図9に示す視認画像GSを表示部12に表示させ、その後、時刻tb1から時刻tb5にかけて、図18に示す視認画像GSを表示部12に表示させる。
図18に示すように、表示制御部111は、時刻tb1から時刻tb5までの選択確定期間における選択オブジェクトCB[k]を、時刻t1から時刻t4までの期間における当該選択オブジェクトCB[k]とは異なる表示態様により表示する。具体的には、表示制御部111は、選択オブジェクトCB[k]が選択対象オブジェクトとして特定されている場合、選択確定期間における選択オブジェクトCB[k]を、選択確定期間が開始される前の選択オブジェクトCB[k]よりも視認されやすい態様で表示する。ここで、「視認されやすい態様で表示する」とは、例えば、選択オブジェクトCB[k]の色彩を濃い色にすること、選択オブジェクトCB[k]の大きさを大きくすること、選択オブジェクトCB[k]の透明度を低くする(不透明にする)こと、及び、選択オブジェクトCB[k]の明度を高くする(明るい色で表示する)こと、の一部または全部を含む概念であってもよい。また、表示制御部111は、選択オブジェクトCB[k]が選択対象オブジェクトとして特定されていない場合、選択確定期間における選択オブジェクトCB[k]を、選択確定期間が開始される前の選択オブジェクトCB[k]よりも視認されにくい態様で表示する。ここで、「視認されにくい態様で表示する」とは、例えば、選択オブジェクトCB[k]の色彩を薄い色にすること、選択オブジェクトCB[k]の大きさを小さくすること、選択オブジェクトCB[k]の透明度を高くする(透明にする)こと、及び、選択オブジェクトCB[k]の明度を低くする(暗い色で表示する)こと、の一部または全部を含む概念であってもよい。
なお、本変形例において、表示制御部111は、選択確定期間が開始される際に、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBと、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCBとのうち、何れか一方の表示態様を変更してもよい。
【0073】
以上のように、本変形例では、選択確定期間が開始される際に、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBと、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCBとのうち、少なくとも一方の表示態様を変更する。このため、本変形例によれば、例えば、選択確定期間が開始される際に選択オブジェクトCB[k]の表示態様が変更されない場合と比較して、HMD1を装着したユーザUが、選択確定期間が開始されたことを容易に把握することを可能とするとともに、HMD1を装着したユーザUが、選択されようとする選択オブジェクトCB[k]を容易に把握することを可能とする。
【0074】
[変形例3]
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、表示制御部111は、選択確定期間が開始される前の期間において、選択対象オブジェクトとして特定されない選択オブジェクトCB[k]の表示態様を変更しないが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。表示制御部111は、選択確定期間が開始される前の期間において、選択対象オブジェクトとして特定されない選択オブジェクトCB[k]の表示態様を変更してもよい。
例えば、表示制御部111は、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中から選択対象オブジェクトが最初に特定されたタイミングにおいて、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCB[k]の表示態様を変更してもよい。換言すれば、表示制御部111は、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中から選択対象オブジェクトが最初に特定されたタイミングから、選択確定期間が終了するまでの選択前期間(「第2期間」の一例)における、選択対象オブジェクトとして特定されない選択オブジェクトCBの表示態様を、選択前期間の開始前における表示態様とは異なる表示態様としてもよい。
【0075】
図19は、本変形例に係る、視認画像GSの一例である。本変形例において、表示制御部111は、時刻t1において、図7に示す視認画像GSを表示部12に表示させ、その後、時刻t2において、図19に示す視認画像GSを表示部12に表示させる。
図19に示すように、表示制御部111は、選択オブジェクトCB[1]~CB[6]の中から、選択オブジェクトCB[2]が、最初の選択対象オブジェクトとして特定された時刻t2において、選択対象オブジェクトとして特定されていない選択オブジェクトCB[2]以外の選択オブジェクトCB[k]の表示態様を、時刻t1における表示態様よりも視認されにくい表示態様に変更する。これにより、本変形例によれば、HMD1を装着したユーザUが、選択対象オブジェクトとして特定されている選択オブジェクトCBを容易に把握することが可能となる。
【0076】
[変形例4]
上述した実施形態及び変形例1乃至3において、選択部114は、仮想直線LC及び確定ボタンBtが時間長ΔT1に亘り交差を継続するという選択条件が充足される場合に、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、選択部114は、仮想直線LC及び選択オブジェクトCBが時間長ΔT1に亘り交差を継続する場合に、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択してもよい。すなわち、選択条件は、仮想直線LC及び選択オブジェクトCBが時間長ΔT1に亘り交差を継続するという条件であってもよい。
【0077】
図20は、本変形例に係る、視認画像GSの一例である。本変形例において、表示制御部111は、時刻t1から時刻t4にかけて、図7から図9に示す視認画像GSを表示部12に表示させ、その後、時刻t4よりも後の時刻である時刻tcにおいて、図20に示す視認画像GSを表示部12に表示させる。
また、本変形例において、表示制御部111は、図20に示すように、仮想直線LC及び選択オブジェクトCBが時間長ΔT2よりも長く交差を継続させる場合、当該選択オブジェクトCBに応じた位置にゲージ画像GBを表示させる。なお、時間長ΔT2は、時間長ΔT1よりも短い時間長である。そして、本変形例において、選択部114は、仮想直線LC及び選択オブジェクトCBが時間長ΔT1に亘り交差を継続させる場合、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択する。
【0078】
このように、本変形例によれば、HMD1を装着したユーザUは、仮想直線LCを単一の選択オブジェクトCBと交差させることで、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択できる。このため、本変形例によれば、HMD1を装着したユーザUが、複数の選択オブジェクトCBを選択しようとする場合において、例えば、参考例2と比較して、複数の選択オブジェクトCBを短時間で選択することが可能となる。
また、本変形例によれば、視認画像GSにおいて、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択するための確定ボタンBtを表示させる必要が無い。このため、本変形例によれば、視認画像GSにおいて確定ボタンBtが表示される態様と比較して、視認画像GSの表示を簡潔にすることができる。
【0079】
なお、本変形例では、選択条件を、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]のうち任意の選択オブジェクトCB[k]と、仮想直線LCとが、時間長ΔT1に亘り交差を継続することとしたが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、選択オブジェクトCB[1]~CB[K]の中から、M個の選択オブジェクトCBが選択されるべきことが予め決まっている場合、選択条件は、M番目に選択対象オブジェクトとして特定された選択オブジェクトCBと、仮想直線LCとが、時間長ΔT1に亘り交差を継続することとしてもよい(Mは、1≦M≦Kを満たす自然数)。
【0080】
[変形例5]
上述した実施形態及び変形例1乃至4において、選択部114は、仮想直線LCと、確定ボタンBtまたは選択オブジェクトCBとが、交差するという選択条件が充足される場合に、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、選択部114は、姿勢情報Bに関連する所定の姿勢条件(「所定条件」の他の例)が充足される場合に、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択してもよい。
【0081】
本変形例において、選択部114は、HMD1が基準姿勢からX軸回りのロール方向Qに角度θth以上回転した状態であるロール回転状態が、時間長ΔT1以上継続する場合に、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択する。すなわち、本変形例において、姿勢条件とは、HMD1の基準姿勢からの姿勢変化dBのうち、X軸周りのロール方向Qの回転成分の示す角度が角度θth以上であるロール回転状態が、時間長ΔT1以上継続する、という条件である。なお、本変形例において、X軸は「所定の基準軸」の一例であり、角度θthは「所定角度」の一例である。
【0082】
図21は、本変形例に係る、視認画像GSの一例である。本変形例において、表示制御部111は、時刻t1から時刻t4にかけて、図7から図9に示す視認画像GSを表示部12に表示させ、その後、時刻tb1から時刻tb5にかけての選択確定期間において、図21に示す視認画像GSを表示部12に表示させる。
本変形例では、選択確定期間において、HMD1が基準姿勢からロール方向Qに角度θth以上回転するため、カメラ座標系Σも基準カメラ座標系ΣC0からロール方向QCに角度θth以上回転する。このため、本変形例では、選択確定期間において、図21に示すように、表示制御部111は、表示部12に対して、仮想空間SP-Vを、X軸周りに角度θth以上傾いた態様で表示することになる。すなわち、本変形例において、HMD1を装着したユーザUは、仮想空間SP-Vが表示部12においてX軸周りに角度θth以上傾いて表示される状態を、時間長ΔT1以上継続させることで、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択することができる。
なお、本変形例では、仮想空間SP-Vにおいて、確定ボタンBtが存在しなくてもよい。また、本変形例では、選択確定期間において、仮想空間SP-Vにゲージ画像GBを表示してもよい。
【0083】
このように、本変形例によれば、HMD1を装着したユーザUは、HMD1をロール方向Qに傾けることで、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択できる。このため、本変形例によれば、HMD1を装着したユーザUは、例えば、参考例2と比較して、容易な操作で1または複数の選択オブジェクトCBを選択することが可能となる。
また、本変形例によれば、視認画像GSにおいて、選択対象オブジェクトとして特定されている1または複数の選択オブジェクトCBを選択するための確定ボタンBtを表示させる必要が無い。このため、本変形例によれば、視認画像GSにおいて確定ボタンBtが表示される態様と比較して、視認画像GSの表示を簡潔にすることができる。
【0084】
[変形例6]
上述した実施形態及び変形例1乃至4において、特定部113は、仮想直線LCと、選択オブジェクトCBとが交差した場合に、当該選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、特定部113は、仮想直線LCと、選択オブジェクトCBとが交差した場合であっても、姿勢情報Bに関する所定の特定回避条件が充足される場合においては、当該選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定しないこととしてもよい。
【0085】
本変形例において、特定部113は、仮想直線LCと、選択オブジェクトCBとが交差した場合であっても、HMD1が、基準姿勢からX軸回りのロール方向Qに角度θth以上回転したロール回転状態である場合には、当該選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定しない。すなわち、本変形例において、特定回避条件とは、HMD1がロール回転状態にあるという条件である。なお、本変形例において、ロール回転状態である場合のHMD1の姿勢は、「所定の姿勢」の一例である。
【0086】
図22及び図23は、本変形例に係る、視認画像GSの一例である。本変形例において、表示制御部111は、時刻t1から時刻t2にかけて、図7から図8に示す視認画像GSを表示部12に表示させ、その後、時刻t3から時刻t4にかけて、図22から図23に示す視認画像GSを表示部12に表示させる。
図22に示すように、HMD1を装着したユーザUは、時刻t3において、HMD1がロール回転状態となるように、HMD1をロール方向Qに角度θth以上傾ける。このため、特定部113は、時刻t3において、仮想直線LC[t3]と選択オブジェクトCB[3]とが交差している場合であっても、当該選択オブジェクトCB[3]が選択対象オブジェクトとして特定されることを回避する。
その後、図23に示すように、HMD1を装着したユーザUは、時刻t4において、HMD1をロール方向Qに角度θth未満の角度だけ傾けた状態(以下、「非ロール回転状態」と称する)とする。このため、特定部113は、時刻t4において、仮想直線LC[t4]と交差する選択オブジェクトCB[6]を選択対象オブジェクトとして特定する。
【0087】
以上のように、本変形例において、HMD1を装着したユーザUは、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとが交差する場合であっても、HMD1がロール回転状態となるように、HMD1の姿勢を操作することで、当該選択オブジェクトCBが選択対象オブジェクトとして特定されることを回避することができる。
このため、本変形例によれば、例えば、仮想空間SP-Vにおいて、複数の選択オブジェクトCB[1]~CB[K]が密集して配置されている場合であっても、HMD1を装着したユーザUは、選択対象オブジェクトとして選択するつもりのない選択オブジェクトCBが、誤って選択対象オブジェクトとして特定されることを、容易に回避することが可能となる。
【0088】
なお、本変形例において、特定部113は、HMD1がロール回転状態である場合に、選択オブジェクトCBが選択対象オブジェクトとして特定されることを回避したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。特定部113は、例えば、HMD1が非ロール回転状態である場合に、選択オブジェクトCBが選択対象オブジェクトとして特定されることを回避し、HMD1がロール回転状態である場合に、選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定してもよい。
【0089】
[変形例7]
上述した実施形態及び変形例1乃至5において、特定部113は、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとが交差した場合に、当該選択オブジェクトCBを特定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。特定部113は、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとの交点の軌跡PLが、所定の軌跡条件を充足する場合に限り、当該選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定してもよい。
ここで、軌跡条件とは、軌跡PLに関する幾何的な条件であれば、どのような条件であってもよい。
【0090】
図24及び図25は、軌跡条件を説明するための説明図である。
なお、図24及び図25では、時刻tk1において、仮想直線LCと選択オブジェクトCB[k]との交差が開始され、時刻tk2において、仮想直線LCと選択オブジェクトCB[k]との交差が終了する場合を例示している。また、図24及び図25では、時刻tk1と時刻tk2との間の時間を、時刻tkと表現している。また、図24及び図25では、軌跡PLのうち、時刻tk1を含む所定時間における軌跡PLを、軌跡PL[tk1]と表現し、時刻tk2を含む所定時間における軌跡PLを、軌跡PL[tk2]と表現し、時刻tk1から時刻tkまでの軌跡PLを、軌跡PL[tk1][tk]と表現し、時刻tkから時刻tk2までの軌跡PLを、軌跡PL[tk][tk2]と表現している。
以下、図24及び図25を参照しつつ、軌跡条件を幾つか例示して説明する。
【0091】
本変形例において、軌跡条件は、例えば、図24に示すように、軌跡PL[tk1]の変化方向を示す単位ベクトルと、軌跡PL[tk2]の変化方向とは逆向きの方向を示す単位ベクトルとのなす角度θ12が、所定の基準角度(例えば、90度)以下であるという条件であってもよい。
また、本変形例において、軌跡条件は、例えば、図24に示すように、時刻tk1における仮想直線LC[tk1]と、時刻tk2における仮想直線LC[tk2]との間隔DCが、所定の基準距離以下であるという条件であってもよい。
また、本変形例において、軌跡条件は、例えば、図24に示すように、時刻tk1における仮想直線LC[tk1]及び選択オブジェクトCB[k]の交点と、時刻tk2における仮想直線LC[tk2]及び選択オブジェクトCB[k]の交点とが、選択オブジェクトCBが有する複数の辺のうち、同一の辺、例えば、+Z側の辺に位置するという条件であってもよい。
また、本変形例において、軌跡条件は、例えば、図25に示すように、軌跡PL[tk1][tk]と軌跡PL[tk][tk2]とが交差するという条件であってもよい。
【0092】
このように、本変形例によれば、仮想直線LCと選択オブジェクトCBとの交点の軌跡PLが、所定の軌跡条件を充足する場合に限り、当該選択オブジェクトCBを選択対象オブジェクトとして特定する。このため、本変形例によれば、例えば、選択オブジェクトCBが、仮想直線LCと交差した時点で特定される態様と比較して、選択オブジェクトCBが誤って特定される可能性を低減することができる。
【0093】
[変形例8]
上述した実施形態及び変形例1乃至7において、姿勢情報Bは、端末装置10の姿勢変化の検出結果を示すが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。姿勢情報Bは、例えば、地上に固定された座標系から見た端末装置10の姿勢を示す情報であってもよい。
この場合、姿勢情報生成部14は、例えば、加速度センサ、及び、地磁気センサの一方または双方を含んで構成されていてもよい。また、この場合、姿勢情報Bは、例えば、HMD1の外部に設けられ、HMD1を撮像する撮像装置から出力される画像を示す情報であってもよい。
【0094】
[変形例9]
上述した実施形態及び変形例1乃至8において、情報処理装置は、HMD1に設けられるが、情報処理装置は、HMD1とは別個に設けられてもよい。
【0095】
図26は、本変形例に係る情報処理システムSYSの構成の一例を示すブロック図である。
図26に示すように、情報処理システムSYSは、情報処理装置20と、情報処理装置20と通信可能なヘッドマウントディスプレイ1Aと、を備える。このうち、情報処理装置20は、例えば、制御部11と、操作部13と、記憶部15とを備えてもよい。また、ヘッドマウントディスプレイ1Aは、表示部12と、姿勢情報生成部14とに加え、ヘッドマウントディスプレイ1Aを装着したユーザUによる操作を受け付ける操作部31と、各種情報を記憶する記憶部32と、を備えてもよい。
【0096】
[変形例10]
上述した実施形態及び変形例1乃至9において、仮想直線LCは、仮想カメラCMの光軸を表すが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
例えば、HMD1が、HMD1を装着したユーザUの視線の方向を計測するアイトラッキング機能を有する場合、当該アイトラッキング機能により計測されたユーザUの視線を仮想直線LCとしてもよい。
【0097】
[C.付記]
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0098】
[付記1]
本発明の一態様に係る情報処理装置のプログラムは、プロセッサを具備する情報処理装置のプログラムであって、前記プロセッサを、複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像を、ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定する特定部と、前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトのうち1または複数の選択オブジェクトを特定した場合、前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する選択部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【0099】
本態様によれば、姿勢情報に基づく方向を有する仮想線と、選択オブジェクトとが、所定の位置関係を有する場合に、当該選択オブジェクトが特定される。そして、本態様によれば、1または複数の選択オブジェクトが特定されている場合であって、姿勢情報に関連する所定条件が満たされる場合に、当該特定されている1または複数の選択オブジェクトが選択される。すなわち、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報に基づいて、選択オブジェクトの特定と、特定された選択オブジェクトの選択と、が実行される。
このため、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に基づいて、1または複数の選択オブジェクトを選択することができる。これにより、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に基づいて、仮想カメラの姿勢を変化させる操作と、仮想カメラの姿勢を変化させる操作以外の操作との両方を、実行することが可能となる。すなわち、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢の変化により多様な指示を入力することが可能となる。
【0100】
ところで、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に基づく方向を有する仮想線と、複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトとが、所定の位置関係を有する場合に、当該一の選択オブジェクトが選択される態様(以下、「参考例1」と称する)が考えられる。しかし、参考例1では、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に係る操作が適切に実行されない場合、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される恐れがある。
これに対して、本態様によれば、所望の選択オブジェクトが特定されている場合に、当該選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減させることが可能となる。
【0101】
なお、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択されることを防止するために、仮想線と一の選択オブジェクトとが所定の時間長に亘り所定の位置関係を維持する場合に、当該一の選択オブジェクトが選択される態様(以下、「参考例2」と称する)も考えられる。しかし、参考例2では、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなるのに従って、選択に要する時間が長くなり、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザにかかる負荷も大きくなる。
これに対して、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、仮想線と当該2以上の選択オブジェクトの各々とが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させ、その後、所定条件が満たされるように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させることで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。これにより、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザにかかる負荷が増大する程度を抑制することが可能となる。
【0102】
なお、上記態様において、「選択オブジェクト」とは、例えば、仮想空間に存在する仮想的な物体であってもよいし、仮想空間に存在する特定の領域であってもよい。例えば、「選択オブジェクト」が、仮想空間に存在する特定の領域である場合、当該領域は、色彩または模様等で周囲と区分された領域であってもよい。ここで、「仮想空間に存在する特定の領域」とは、例えば、仮想空間において一次元的な広がりを有する、直線、曲線、または、線分であってもよいし、仮想空間において二次元的な広がりを有する、四角形、三角形、または、円形であってもよいし、仮想空間において三次元的な広がりを有する、立体、または、曲面であってもよい。また、「複数の選択オブジェクト」は、例えば、仮想空間に配置された表示オブジェクトの表面に設けられた複数の領域であってもよい。
【0103】
また、上記態様において、「仮想カメラ」とは、例えば、仮想空間を撮像する第1の仮想カメラと、仮想空間内のうち第1の仮想カメラとは異なる位置から仮想空間を撮像する第2の仮想カメラと、を備えるものであってもよい。また、この場合、「立体視画像」とは、例えば、仮想空間を第1の仮想カメラで撮像した、ユーザが左眼で視認するための左眼用画像と、仮想空間を第2の仮想カメラで撮像した、ユーザが右眼で視認するための右眼用画像と、を含む画像であってもよい。
【0104】
また、上記態様において、「ヘッドマウントディスプレイ」とは、例えば、頭部に装着可能な表示装置であってもよい。具体的には、「ヘッドマウントディスプレイ」とは、頭部に装着可能なゴーグル型または眼鏡型の表示装置であってもよい。また、「ヘッドマウントディスプレイ」とは、例えば、頭部に装着可能な装着具と、当該装着具に対して取り付けられた、スマートフォンのような携帯型の表示装置と、を有するものであってもよい。
【0105】
また、上記態様において、「ヘッドマウントディスプレイの姿勢」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイの向きであってもよいし、ヘッドマウントディスプレイの傾きであってもよいし、ヘッドマウントディスプレイの向き及び傾きの双方を含む概念であってもよい。ここで、「ヘッドマウントディスプレイの向き」とは、例えば、現実空間においてヘッドマウントディスプレイが向いている方向であってもよいし、ヘッドマウントディスプレイの基準方向と磁北方向とのなす角度であってもよい。また、「ヘッドマウントディスプレイの傾き」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイの基準方向と鉛直方向とのなす角度であってもよい。
【0106】
また、上記態様において、「姿勢情報」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を示す情報であってもよいし、ヘッドマウントディスプレイの姿勢変化を示す情報であってもよい。
【0107】
また、上記態様において、「取得部」は、例えば、ヘッドマウントディスプレイから姿勢情報を取得してもよいし、ヘッドマウントディスプレイを撮像する撮像装置から姿勢情報を取得してもよい。取得部が、ヘッドマウントディスプレイから姿勢情報を取得する場合、ヘッドマウントディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイの姿勢変化を示す情報を検出するためのセンサを備えていてもよいし、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を示す情報を検出するためのセンサを備えていてもよい。ここで、「ヘッドマウントディスプレイの姿勢変化を示す情報を検出するためのセンサ」とは、例えば、角速度センサであってもよい。また、「ヘッドマウントディスプレイの姿勢を示す情報を検出するためのセンサ」とは、例えば、地磁気センサ、及び、加速度センサの一方または双方であってもよい。また、取得部が、ヘッドマウントディスプレイを撮像する撮像装置から姿勢情報を取得する場合、姿勢情報は、例えば、撮像装置によりヘッドマウントディスプレイを撮像した結果を示す画像であってもよい。
【0108】
また、上記態様において、「仮想線」とは、例えば、仮想空間において、仮想カメラが向いている方向に延在する直線であってもよい。より具体的には、「仮想線」とは、例えば、仮想カメラの光軸であってもよい。また、「仮想線」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザの視線の方向に延在する直線であってもよい。この場合、ヘッドマウントディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザの視線の方向を検出するアイトラッキング機能を有していてもよい。
【0109】
また、上記態様において、「仮想線と選択オブジェクトとが所定の位置関係を有する」とは、例えば、仮想線と選択オブジェクトとが交差していることであってもよい。また、「仮想線と選択オブジェクトとが所定の位置関係を有する」とは、例えば、仮想線と選択オブジェクトとの間隔が所定の距離以下であることであってもよい。
【0110】
また、上記態様において、「所定条件」とは、姿勢情報に応じた方向を有する仮想線に係る条件であってもよいし、姿勢情報の示すヘッドマウントディスプレイの姿勢に係る条件であってもよいし、姿勢情報の示すヘッドマウントディスプレイの姿勢の変化に係る条件であってもよい。
ここで、「姿勢情報に応じた方向を有する仮想線に係る条件」とは、例えば、姿勢情報に応じた方向を有する仮想線と、仮想空間に配置された仮想的なオブジェクトである所定オブジェクトとが、所定の位置関係を有するという条件であってもよい。また、「姿勢情報に応じた方向を有する仮想線に係る条件」とは、例えば、姿勢情報に応じた方向を有する仮想線と、仮想空間に配置された仮想的なオブジェクトである所定オブジェクトとが、所定の時間長を有する第1期間において、所定の位置関係を維持するという条件であってもよい。また、「姿勢情報に応じた方向を有する仮想線に係る条件」とは、例えば、姿勢情報に応じた方向を有する仮想線と、特定部により特定される一の選択オブジェクトとが、所定の時間長を有する第1期間において、所定の位置関係を維持するという条件であってもよい。
また、「姿勢情報の示すヘッドマウントディスプレイの姿勢に係る条件」とは、例えば、姿勢情報の示すヘッドマウントディスプレイの姿勢が、所定の基準軸を中心に、基準姿勢から所定角度以上回転した姿勢であるという条件であってもよい。
また、「姿勢情報の示すヘッドマウントディスプレイの姿勢の変化に係る条件」とは、例えば、姿勢情報の示すヘッドマウントディスプレイの姿勢が、所定の基準軸を中心に、所定角度以上回転するという条件であってもよい。
【0111】
[付記2]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記選択部は、前記仮想線と、前記仮想空間に配置された所定オブジェクトとが、前記所定の位置関係を有する場合に、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする。
【0112】
本態様によれば、仮想線と所定オブジェクトとが所定の位置関係を有する場合に、特定部により特定されている選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、選択しようとする選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、仮想線と当該2以上の選択オブジェクトの各々とが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させ、その後、仮想線と所定オブジェクトとが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させることで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0113】
なお、上記態様において、「所定オブジェクト」とは、例えば、仮想空間に存在する仮想的な物体であってもよいし、仮想空間に存在する特定の領域であってもよい。
【0114】
[付記3]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記選択部は、前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、所定の基準軸を中心に、基準姿勢から所定角度以上回転した姿勢である場合に、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする。
【0115】
本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢が所定の基準軸を中心に所定角度以上回転する場合に、特定部により特定されている選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、選択しようとする選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、仮想線と当該2以上の選択オブジェクトの各々とが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させ、その後、所定の基準軸を中心に所定角度以上回転するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させることで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0116】
なお、上記態様において、「所定の基準軸」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザから見て、所定方向に延在する直線であってもよい。具体的には、「所定の基準軸」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザから見て、前方方向に延在する直線であってもよい。すなわち、上記態様において、「所定の基準軸を中心に基準姿勢から所定角度以上回転した姿勢」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザから見て、ロール方向に所定角度以上回転した姿勢であってもよい。
【0117】
[付記4]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記選択部は、前記仮想線と、前記仮想空間に配置された所定オブジェクトとが、第1期間において、前記所定の位置関係を維持する場合に、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする。
【0118】
本態様によれば、仮想線と所定オブジェクトとが第1期間において所定の位置関係を維持する場合に、特定部により特定されている選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、選択しようとする選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、仮想線と当該2以上の選択オブジェクトの各々とが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させ、その後、仮想線と所定オブジェクトとが第1期間において所定の位置関係を維持するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を制御することで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0119】
なお、上記態様において、「第1期間」とは、例えば、仮想線と所定オブジェクトとが、所定の位置関係を有するに至った時刻に開始される期間であって、所定の時間長を有する期間であってもよい。
【0120】
[付記5]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記選択部は、前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、第1期間において、前記所定の位置関係を維持する場合に、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする。
【0121】
本態様によれば、仮想線と一の選択オブジェクトとが第1期間において所定の位置関係を維持する場合に、特定部により特定されている選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、選択しようとする選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、仮想線と当該2以上の選択オブジェクトの各々とが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させ、その後、仮想線と2以上の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトとが第1期間において所定の位置関係を維持するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を制御することで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0122】
なお、上記態様において、「第1期間」とは、例えば、仮想線と一の選択オブジェクトとが、所定の位置関係を有するに至った時刻に開始される期間であって、所定の時間長を有する期間であってもよい。
【0123】
[付記6]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1乃至5に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記選択部は、前記複数の選択オブジェクトの中から、M個(Mは、1以上の自然数)の選択オブジェクトが選択されるべき場合において、前記複数の選択オブジェクトのうち、前記特定部がM番目に特定した選択オブジェクトと、前記仮想線とが、第1期間において、前記所定の位置関係を維持するときに、前記特定部により特定された前記M個の選択オブジェクトを選択する、ことを特徴とする。
【0124】
本態様によれば、仮想線とM番目に特定された選択オブジェクトとが第1期間において所定の位置関係を維持する場合に、特定部により特定されている選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、選択しようとする選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、仮想線と当該2以上の選択オブジェクトの各々とが所定の位置関係を有するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させ、その後、仮想線と2以上の選択オブジェクトのうち最後(M番目)に特定された選択オブジェクトとが、第1期間において所定の位置関係を維持するように、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を制御することで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0125】
なお、上記態様において、「第1期間」とは、例えば、仮想線とM番目に特定された選択オブジェクトとが、所定の位置関係を有するに至った時刻に開始される期間であって、所定の時間長を有する期間であってもよい。
【0126】
[付記7]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記4乃至6に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記特定部は、前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、前記所定の位置関係を有する場合、または、前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、前記第1期間の時間長よりも短い基準時間に亘り、前記所定の位置関係を維持する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定する、ことを特徴とする。
【0127】
本態様によれば、仮想線と選択オブジェクトとが第1期間よりも短い時間において所定の位置関係を有するする場合に、当該選択オブジェクトが特定される。このため、本態様によれば、例えば、仮想線と選択オブジェクトとが第1期間に亘り所定の位置関係を維持する場合に、当該選択オブジェクトが特定される態様と比較して、選択オブジェクトの特定に要する時間を短くすることが可能となる。
【0128】
[付記8]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1乃至7に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記特定部は、前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、前記所定の位置関係を有する場合であって、前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、所定の姿勢を有する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定し、前記仮想線と、前記一の選択オブジェクトとが、前記所定の位置関係を有する場合であって、前記姿勢情報の示す前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢が、前記所定の姿勢を有さない場合に、前記一の選択オブジェクトを特定しない、ことを特徴とする。
【0129】
本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢が所定の姿勢を有する場合に限り、選択オブジェクトが特定される。このため、本態様によれば、例えば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を考慮せずに、仮想線と選択オブジェクトとの位置関係のみに基づいて、当該選択オブジェクトが特定される態様と比較して、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って特定される可能性を低減することが可能となる。
【0130】
なお、上記態様において、「ヘッドマウントディスプレイが所定の姿勢を有する場合」とは、例えば、ヘッドマウントディスプレイが、所定の基準軸を中心に、基準姿勢から所定角度以上の回転をした姿勢を有する場合であってもよいし、逆に、ヘッドマウントディスプレイが、所定の基準軸を中心に、基準姿勢から所定角度未満の回転をした姿勢を有する場合であってもよい。
【0131】
[付記9]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1乃至8に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記表示制御部は、前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトの中から、最初に選択オブジェクトを特定した後であって、前記選択部が、前記1または複数の選択オブジェクトを選択するまでの、第2期間における、前記複数の選択オブジェクトのうち、前記特定部により特定されていない他の選択オブジェクトの、前記表示部における表示態様と、前記第2期間が開始される前における、前記他の選択オブジェクトの、前記表示部における表示態様とを、互いに異ならせる、ことを特徴とする。
【0132】
本態様によれば、第2期間における他の選択オブジェクトの表示態様と、第2期間が開始される前の期間における他の選択オブジェクトの表示態様とを異ならせる。このため、本態様によれば、例えば、第2期間における他の選択オブジェクトの表示態様と、第2期間が開始される前の期間における他の選択オブジェクトの表示態様とが同一である場合と比較して、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザが、複数の選択オブジェクトのうち、どの選択オブジェクトが特定されているかを、容易に視認することが可能となる。
【0133】
なお、上記態様において、「表示態様」とは、例えば、視覚により識別可能な態様である。具体的には、「表示態様」とは、例えば、形状、模様、色彩、大きさ、明度、及び、透明度、の一部または全部を含む概念であってもよい。
【0134】
[付記10]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記1乃至9に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記表示制御部は、前記特定部が、前記一の選択オブジェクトを特定した後における、前記一の選択オブジェクトの、前記表示部における表示態様と、前記特定部が、前記一の選択オブジェクトを特定する前における、前記一の選択オブジェクトの、前記表示部における表示態様とを、互いに異ならせる、ことを特徴とする。
【0135】
本態様によれば、一の選択オブジェクトが特定された後の期間における一の選択オブジェクトの表示態様と、一の選択オブジェクトが特定される前の期間における一の選択オブジェクトの表示態様とを異ならせる。このため、本態様によれば、例えば、一の選択オブジェクトが特定された後の期間における一の選択オブジェクトの表示態様と、一の選択オブジェクトが特定される前の期間における一の選択オブジェクトの表示態様とが同一である場合と比較して、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザが、複数の選択オブジェクトのうち、どの選択オブジェクトが特定されているかを、容易に視認することが可能となる。
【0136】
[付記11]
本発明の他の態様に係る情報処理装置のプログラムは、付記4乃至7に記載の情報処理装置のプログラムであって、前記表示制御部は、前記第1期間が開始される前の期間における、前記複数の選択オブジェクトのうち少なくとも一部の選択オブジェクトの、前記表示部における表示態様と、前記第1期間の一部または全部の期間における、前記少なくとも一部の選択オブジェクトの、前記表示部における表示態様とを、互いに異ならせる、ことを特徴とする。
【0137】
本態様によれば、第1期間における一部の選択オブジェクトの表示態様と、第1期間が開始される前の期間における一部の選択オブジェクトの表示態様とを異ならせる。このため、本態様によれば、例えば、第1期間における一部の選択オブジェクトの表示態様と、第1期間が開始される前の期間における一部の選択オブジェクトの表示態様とが同一である場合と比較して、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザが、選択オブジェクトが選択される第1期間が開始されたことを、容易に把握することが可能となる。
【0138】
なお、上記態様において、「少なくとも一部の選択オブジェクト」とは、例えば、複数の選択オブジェクトのうち特定部により特定された一の選択オブジェクトであってもよいし、複数の選択オブジェクトのうち特定部により特定されていない他の選択オブジェクトであってもよいし、一の選択オブジェクトと他の選択オブジェクトとの両方を含むものであってもよい。
【0139】
[付記12]
本発明の一態様に係る情報処理装置は、複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像を、ヘッドマウントディスプレイに設けられた表示部に表示させる表示制御部と、前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定する特定部と、前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトのうち1または複数の選択オブジェクトを特定した場合、前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する選択部と、を備える、ことを特徴とする。
【0140】
本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報に基づいて、選択オブジェクトの特定と、特定された選択オブジェクトの選択と、が実行される。このため、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に基づいて、仮想カメラの姿勢を変化させる操作以外の操作を実行することが可能となる。すなわち、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢の変化により多様な指示を入力することが可能となる。
また、本態様によれば、所望の選択オブジェクトが特定されている場合に、当該選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減させることが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させることで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0141】
[付記13]
本発明の一態様に係るヘッドマウントディスプレイは、表示部と、情報処理装置と、を具備するヘッドマウントディスプレイであって、前記情報処理装置は、複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像を、前記表示部に表示させる表示制御部と、前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定する特定部と、前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトのうち1または複数の選択オブジェクトを特定した場合、前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する選択部と、を備える、ことを特徴とする。
【0142】
本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報に基づいて、選択オブジェクトの特定と、特定された選択オブジェクトの選択と、が実行される。このため、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に基づいて、仮想カメラの姿勢を変化させる操作以外の操作を実行することが可能となる。すなわち、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢の変化により多様な指示を入力することが可能となる。
また、本態様によれば、所望の選択オブジェクトが特定されている場合に、当該選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減させることが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させることで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【0143】
[付記14]
本発明の一態様に係る情報処理システムは、表示部を有するヘッドマウントディスプレイと、情報処理装置と、を具備する情報処理システムであって、前記情報処理装置は、複数の選択オブジェクトが配置された仮想空間を仮想カメラで撮像した画像であって、両眼視差を利用した立体視画像を、前記表示部に表示させる表示制御部と、前記ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報を取得する取得部と、前記姿勢情報に応じた方向を有し前記仮想カメラと交差する仮想線、及び、前記複数の選択オブジェクトのうち一の選択オブジェクトが、所定の位置関係を有する場合に、前記一の選択オブジェクトを特定する特定部と、前記特定部が、前記複数の選択オブジェクトのうち1または複数の選択オブジェクトを特定した場合、前記姿勢情報に関連する所定条件が満たされるときに、前記1または複数の選択オブジェクトを選択する選択部と、を備える、ことを特徴とする。
【0144】
本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に関する姿勢情報に基づいて、選択オブジェクトの特定と、特定された選択オブジェクトの選択と、が実行される。このため、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザは、ヘッドマウントディスプレイの姿勢に基づいて、仮想カメラの姿勢を変化させる操作以外の操作を実行することが可能となる。すなわち、本態様によれば、ヘッドマウントディスプレイの姿勢の変化により多様な指示を入力することが可能となる。
また、本態様によれば、所望の選択オブジェクトが特定されている場合に、当該選択オブジェクトが選択される。このため、本態様によれば、参考例1と比較して、所望の選択オブジェクトとは異なる選択オブジェクトが誤って選択される可能性を低減させることが可能となる。
また、本態様によれば、複数の選択オブジェクトの中から2以上の選択オブジェクトを選択する場合であっても、ヘッドマウントディスプレイの姿勢を変化させることで、当該2以上の選択オブジェクトを選択することができる。このため、本態様によれば、参考例2と比較して、選択すべき選択オブジェクトの個数が多くなる場合における、選択に要する時間の長期化の程度を抑制することができる。
【符号の説明】
【0145】
1…ヘッドマウントディスプレイ、10…端末装置、11…制御部、12…表示部、13…操作部、14…姿勢情報生成部、15…記憶部、111…表示制御部、112…姿勢情報取得部、113…特定部、114…選択部、1000…プロセッサ、1002…角速度センサ。
図1
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図3
図4
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