(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】ロック機構付き引き出し式収納ボックス
(51)【国際特許分類】
A47B 67/04 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
A47B67/04 502B
A47B67/04 501Z
A47B67/04 B
(21)【出願番号】P 2020104983
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2021-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】593010213
【氏名又は名称】JEJアステージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】原 祐一
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-306140(JP,A)
【文献】実開平02-131926(JP,U)
【文献】特開平10-146233(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0002004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納本
体の引き出し収納部内に、前方へ引き出しスライド自在に上部開口型の引き出し体が収納され、この引き出し体の引き出しスライドを阻止するロック機構が備えられ、このロック機構には、前記引き出しスライドが阻止され引き出し不能なロック状態と引き出し可能なロック解除状態とに切り替える切り替え操作部が備えられた構成とされているロック機構付き引き出し式収納ボックスであって、
前記ロック機構は、ロック用係合凹部と、これに係合して前記引き出しスライドが阻止されるロック用係合凸部と、からなり
前記ロック用係合凹部は、前記引き出し体の前部の上部に前方突出状態に設けられた取手部の上面に設けられ、
前記ロック用係合凸部は、左右方向にスライド自在にして前記収納本体の前部に設けられた横スライド部に垂設され、
この横スライド部には横スライドさせるための横スライド操作部が前記収納本体の前部に露出状態に設けられ、
前記ロック用係合凹部は、この横スライド操作部を操作して前記横スライド部とともに前記ロック用係合凸部を横スライドさせ係合させた際、前記引き出し体の引き出しスライドが阻止され引き出し不能な前記ロック状態となる阻止凹部と、この阻止凹部と連設され前後方向に長さを有し且つ後方端部が開口されていて、この阻止凹部に係合させた前記ロック状態から逆方向に前記ロック用係合凸部を横スライドさせ係合させた際、前記引き出し体を前方へ引き出す際には前記ロック用係合凸部が前記後方端部の凹部抜け用開口部から凹部抜けすることで引き出し可能な前記ロック解除状態となるスライド許容凹部と、からなる構成とされていて、
前記横スライド操作部の横スライド操作により前記ロック状態と前記ロック解除状態とが切り替えられるように前記切り替え操作部が構成されていることを特徴とするロック機構付き引き出し式収納ボックス。
【請求項2】
前記ロック用係合凹部は、前記引き出し用の取手部の上面に凹設状態に設けられた上部開口有底状の溝部に構成されているとともに、平面視横長の前記阻止凹部と、平面視縦長で後部端部に前記凹部抜け用開口部を有する前記スライド許容凹部とからなる構成とされていることを特徴とする請求項1記載のロック機構付き引き出し式収納ボックス。
【請求項3】
前記収納本
体の前部に、左右方向にスライド自在に前記横スライド部が係合状態に設けられ、この横スライド部に前記横スライド操作部が上方に突設されているとともに、この横スライド部に前記ロック用係合凸
部が下方に貫通垂設され下方に突設されていて、下方の前記ロック用係合凹部にスライド自在に係合されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のロック機構付き引き出し式収納ボックス。
【請求項4】
前記収納本体のスタッキング可能な上板部の上部に、前記引き出し体の前記引き出し用の取手部の上部に重合する水平張り出し部が設けられ、この収納本体の水平張り出し部に、前記横スライド操作部及び前記ロック用係合凸部が設けられた前記横スライド部が横スライド自在に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のロック機構付き引き出し式収納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き出し不能なロック状態と引き出し可能なロック解除状態とに切り替え可能なロック機構付き引き出し式収納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
盗難防止や不意の飛び出し防止のため、引き出しにロック機構を設けた引き出し式収納ボックスに関し、施錠タイプだけでなく、簡易な構造で、ロック・ロック解除操作も容易な構成としたものが様々提案されている。
【0003】
しかし、すぐにその操作場所を視認でき、すぐにそのロック・ロック解除操作が簡単にしてスピーディーに行え、また簡易な構造で製作容易で量産性に優れた構成のものはなく、特に積み上げて車載する場合は、車の走行時に引き出しが不意に飛び出さないようにロックし、収納物を取り出すために引き出すとき、あるいはこの引き出しごと引き出して運びだすときに、一目でロック解除の操作位置を視認できるとともに、その操作を戸惑うことなく簡単にしてスピーディーにロック解除操作を行うことができる実用性に優れたものは提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような現状に鑑み、すぐにロック・ロック解除操作の場所を視認でき、その操作を戸惑うことなく簡単にしてスピーディーに行え、また簡易な構造で製作容易で量産性にも優れたロック機構付き引き出し式収納ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
収納本体1の引き出し収納部内に、前方へ引き出しスライド自在に上部開口型の引き出し体2が収納され、この引き出し体2の引き出しスライドを阻止するロック機構3が備えられ、このロック機構3には、前記引き出しスライドが阻止され引き出し不能なロック状態と引き出し可能なロック解除状態とに切り替える切り替え操作部が備えられた構成とされているロック機構付き引き出し式収納ボックスであって、前記ロック機構3は、ロック用係合凹部4と、これに係合して前記引き出しスライドが阻止されるロック用係合凸部5とからなり、前記ロック用係合凹部4は、前記引き出し体2の前部の上部に前方突出状態に設けられた取手部6の上面に設けられ、前記ロック用係合凸部5は、左右方向にスライド自在にして前記収納本体1の前部に設けられた横スライド部7に垂設され、この横スライド部7には横スライドさせるための横スライド操作部8が前記収納本体1の前部に露出状態に設けられ、前記ロック用係合凹部4は、この横スライド操作部8を操作して前記横スライド部7とともに前記ロック用係合凸部5を横スライドさせ係合させた際、前記引き出し体2の引き出しスライドが阻止され引き出し不能な前記ロック状態となる阻止凹部9と、この阻止凹部9と連設され前後方向に長さを有し且つ後方端部が開口されていて、この阻止凹部9に係合させた前記ロック状態から逆方向に前記ロック用係合凸部5を横スライドさせ係合させた際、前記引き出し体2を前方へ引き出す際には前記ロック用係合凸部5が前記後方端部の凹部抜け用開口部10から凹部抜けすることで引き出し可能な前記ロック解除状態となるスライド許容凹部11とからなる構成とされていて、前記横スライド操作部8の横スライド操作により前記ロック状態と前記ロック解除状態とが切り替えられるように前記切り替え操作部が構成されていることを特徴とするロック機構付き引き出し式収納ボックスに係るものである。
【0007】
また、前記ロック用係合凹部4は、前記引き出し用の取手部6の上面に凹設状態に設けられた上部開口有底状の溝部に構成されているとともに、平面視横長の前記阻止凹部9と、平面視縦長で後部端部に前記凹部抜け用開口部10を有する前記スライド許容凹部11とからなる構成とされていることを特徴とする請求項1記載のロック機構付き引き出し式収納ボックスに係るものである。
【0008】
また、前記収納本体1の前部に、左右方向にスライド自在に前記横スライド部7が係合状態に設けられ、この横スライド部7に前記横スライド操作部8が上方に突設されているとともに、この横スライド部7に前記ロック用係合凸部5が下方に貫通垂設され下方に突設されていて、下方の前記ロック用係合凹部4にスライド自在に係合されていることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のロック機構付き引き出し式収納ボックスに係るものである。
【0009】
また、前記収納本体1のスタッキング可能な上板部12の上部に、前記引き出し体2の前記引き出し用の取手部6の上部に重合する水平張り出し部13が設けられ、この収納本体1の水平張り出し部13に、前記横スライド操作部8及び前記ロック用係合凸部5が設けられた前記横スライド部7が横スライド自在に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のロック機構付き引き出し式収納ボックスに係るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は上述のように構成したから、すぐに容易にロック・ロック解除操作の場所を視認でき、その操作を戸惑うことなく簡単にしてスピーディーに行え、また簡易な構造で製作容易で量産性にも優れたロック機構付き引き出し式収納ボックスとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図7】本実施例のロック機構をロック解除して引き出し体を少し引き出した状態の平面図である。
【
図9】本実施例のロック機構の一部を切り欠いた説明断面図である。
【
図10】本実施例のロック機構をロック解除して引き出し体を引き出した状態の底面図である。
【
図11】本実施例の前倒れ防止機構の説明斜視図である。
【
図12】本実施例の前倒れ防止機構の説明分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0013】
収納本体1の引き出し収納部内に、前方へ引き出しスライド自在に収納されている上部開口型の引き出し体2は、ロック機構3の切り替え操作部の横スライド操作により、前記引き出しスライドが阻止され引き出し不能なロック状態と引き出し可能なロック解除状態とに切り替えられる。
【0014】
このロック機構3は、ロック用係合凹部4とこれに係合して前記引き出しスライドが阻止されるロック用係合凸部5とからなり、前記ロック用係合凹部4は、前記引き出し体2の前部の上部に前方突出状態に設けられた取手部6の上面に設けられている。
【0015】
一方、前記ロック用係合凸部5は、左右方向にスライド自在にして前記収納本体1の前部に設けられた横スライド部7に垂設されているとともに、この横スライド部7には横スライドさせるための横スライド操作部8が前記収納本体1の前部に露出状態に設けられている。
【0016】
したがって、一目でこの切り替え操作部となる露出した横スライド操作部8を視認でき、またこれを横スライド操作させる構成のため、戸惑うことなく簡単にしてスピーディーに切り替え操作できることとなる。
【0017】
また、前記ロック用係合凹部4は、この横スライド操作部8を操作して前記横スライド部7とともに前記ロック用係合凸部5を横スライドさせ係合させた際、前記引き出し体2の引き出しスライドが阻止され引き出し不能な前記ロック状態となる阻止凹部9と、この阻止凹部9と連設され前後方向に長さを有し且つ後方端部が開口されているスライド許容凹部11とからなる構成とされているが、ロック状態とさせる場合は、この横スライド操作部8を横スライド操作して前記ロック用係合凸部5を横スライドさせこの阻止凹部9に係合させると、この阻止凹部9は引き出し方向の前後方向には前記ロック用係合凸部5の相対移動を許容しないため引き出し体2は引き出し不能なロック状態となる。
【0018】
一方、ロック解除状態に切り替える場合は、前記ロック状態から逆方向に前記ロック用係合凸部5を横スライドさせて前記スライド許容凹部11に係合させると、前記引き出し体2を前方へ引き出す際には前記ロック用係合凸部5が相対的にこの凹部11内を移動し前記後方端部の凹部抜け用開口部10から凹部抜けすることになるから、引き出し可能なロック解除状態となる。
【0019】
すなわち、前記横スライド操作部8の横スライド操作により、横スライド部7とともにロック用係合凸部5がロック用係合凹部4内で移動し、阻止凹部9の位置に横スライドさせたときは、このロック用係合凸部5は引き出し体2ともに前後方向に相対移動しようとするが、この阻止凹部9に係合していて相対移動不能なため引き出し体2を引き出すことはできず前記ロック状態となり、スライド許容凹部11の位置に横スライドさせたときは、引き出し体2の移動とともにこのスライド許容凹部11内をロック用係合凸部5は相対移動可能となり、さらに凹部抜け用開口部10から相対的に凹部抜けできるから、引き出し体2の引き出しスライドが可能な前記ロック解除状態に切り替えられる。
【0020】
したがって、簡易な横スライド操作で切り替えでき、引き出し体2の上部前部の取手部6の上面に凹設するロック用係合凹部4とこれにスライド自在に係合させるロック用係合凸部5を収納本体1に前部に設ける構成のため、その操作部8は操作し易く、また前部上部に露出しているためすぐに視認でき、簡単にしてスピーディーに操作でき、製作も容易な構成で量産性に優れた構成となる。
【0021】
すなわち、たとえば、積み上げて車載する場合、車の走行時に引き出し体2が不意に飛び出さないように前記ロック機構3でロック状態にでき、また収納物を取り出すために引き出し体2を引き出すときあるいはこの引き出し体2ごと引き出して車から運びだすときには、一目でロック解除の操作位置を視認できるとともに、その操作に戸惑うことなく操作を理解しスピーディーにロック解除操作を行うことができ、構成も簡易で製作も容易な構成で量産性にも優れた極めて実用性に優れた収納ケースとなる。
【実施例】
【0022】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0023】
収納本体1は、引き出し体2を上下に複数段引き出し自在に収納する構成を採用してもよいが、本実施例の収納本体1は、少なくとも前部に引き出し開口部が設けられ一の引き出し体2を収納する引き出し収納部が設けられた構成を採用していて、この収納本体1の上板部12は着脱自在な蓋部に構成されていて、この上板部12上に積み重ねて引き出し体2を上下多段に配設できるスタッキング可能な構成としている。なお、スタッキングには不適となるが底部にキャスターを付設してもよい。
【0024】
このように本実施例では、各収納本体1に一の引き出し体2を収納した収納ケースを上下多段に積み重ねて、たとえばこれを車の荷台に車載するが、各収納ケースを着脱自在に連結する連結機構や引き出し体2を前方へ引き出した際の前傾斜あるいは前倒れを防止するため上段の収納本体1を下段の収納本体1に係止する前倒れ防止係止機構などを設けている。
【0025】
そして本実施例では、たとえば前述のように車載し、車の走行中に引き出し体2が不意に飛び出さないように、引き出し体2の引き出しスライドを阻止して引き出し不能なロック状態にするロック機構3をロック・ロック解除自在に設けている。
【0026】
たとえば、引き出し体2内に、作業具や作業備品や必要部品などを分けて整理収納し、作業時に取り出すときは、ロック解除して引き出し体2を引き出し取り出す、あるいは引き出し体2ごと引き出して、作業場所へ持ち運ぶことができるように構成している。
【0027】
本実施例のこのロック機構3は、ロック用係合凹部4と、これに係合して前記引き出しスライドが阻止されるロック用係合凸部5とからなり、このロック用係合凹部4は、前記引き出し体2の前部の上部に前方突出状態に一体成形された取手部6の上面に成形し、一方前記ロック用係合凸部5は、左右方向にスライド自在にして前記収納本体1の前部に設けられた横スライド部7に垂設している。
【0028】
具体的には、本実施例のロック用係合凹部4は、引き出し体2の前部上部に前方に張り出している引き出し用の取手部6の上面に凹設状態に形成したもので、またこの係合凹部4は、平面視横長の前記阻止凹部9と、平面視縦長で後部端部に凹部抜け用開口部10を有するスライド許容凹部11とからなる平面視L状に構成し、またこの係合凹部4は、上部開口有底状の溝部に構成している。なお、この係合凹部4を有底でなく貫通穴を取手部6に形成することで凹設形成してもよい。
【0029】
さらに説明すると、引き出し体2を引き出す際に下から指を掛け引き出すことができ、引き出し体2を完全に収納本体1から引き出した際の持ち上げ用の取手部の片側となる取手部6を引き出し体2の樹脂成形時に一体成形した構成としている。
【0030】
すなわち、この引き出し体2の金型設計によりこの取手部6の上面にロック用係合凹部4を一体樹脂成形した構成とし、一層製作容易な構成としている。
【0031】
また、このように形成されるロック用係合凹部4は、平面視ト状あるいはL状に設けるが、本実施例では、前述のように、左右方向に長さを有し引き出し方向の前後方向に係合分以上長さを有さない前記阻止凹部9と、これに連設し前後方向に長さを有し後方端部は取手部6の後縁部にまで達して凹部抜け用開口部10を有する前記スライド許容凹部11とからなる平面視L状に構成としている。
【0032】
そして、引き出し体2を収納本体1に完全に収めたときに、L状のロック用係合凹部4の角部にロック用係合凸部5が位置し、横スライド操作部8を横スライド操作してロック用係合凸部5を左右方向に長さを有する阻止凹部9に係合させると前記ロック状態となるように構成し、逆にロック解除させる場合は横スライド操作部8を操作してロック用係合凸部5が角部に突き当たるまで横スライド操作すれば、引き出し可能なロック解除状態に切り替えることができる構成とし、操作が一動作の横スライド操作であるから、非常に簡単にして一層スピーディーに行える構成としている。
【0033】
また、本実施例のロック用係合凸部5は、左右方向にスライド自在にして前記収納本体1の前部に設けた横スライド部7に垂設し、この横スライド部7には横スライドさせるための横スライド操作部8を前記収納本体1の前部に露出状態に設けた構成としている。
【0034】
具体的には、前記収納本体1のスタッキング可能な上板部12の前部に、前記引き出し体2の前記引き出し用の取手部6の上部に重合する水平張り出し部13を設けた構成とし、この収納本体1の水平張り出し部13に、前記横スライド操作部8及び前記ロック用係合凸部5が設けられた前記横スライド部7を、横スライドガイド凹部14に横スライド自在に係合した構成としている。
【0035】
すなわち、前記収納本体1の上板部12前部の前記水平張り出し部13上面に、横長方形浅凹状の前記横スライドガイド凹部14を凹設し、これにガイドされるとともに左右所定位置またはストッパあるいは縁に当たるまで、横スライド自在に横長方形状の前記横スライド部7を係合状態に設け、この横スライド部7に上方に突出状態に操作摘子となる前記横スライド操作部8を露出状態に設け、この横スライド部7に前記ロック用係合凸部5を下方に突設状態にして横長窓部を介して貫通垂設状態に設けた構成としている。
【0036】
したがって、この収納本体1の上板部12の前部の張り出し部13から下方に、横スライド自在に設けられた横スライド部7に設けたロック用係合凸部5が横長窓部を介して貫通垂設されていて、このロック用係合凸部5が、引き出し体2の上部前部の取手部6上面の前記ロック用係合凹部4にスライド自在に係合される構成としている。
【0037】
本実施例では、この横スライド部7またはこの周辺の前記水平張り出し部13に、操作方向やロック・ロック解除の位置の表示を施し、一層一目でロック操作の位置・方法が視認でき、戸惑うことなくスピーディーにロック解除操作を行うことができる。
【0038】
また、本実施例のこの板状の横スライド部7は、垂設した係合凸部5を横スライドガイド凹部14の底面の横長窓部にスライド自在に係合し、左右の縁に当たるまで横スライド往復自在に構成しているが、この横スライド部7を横スライドガイド凹部14にセットする際は、所定スライド位置でのみセット、すなわち係合凸部5を横長窓部に差し込みできるように溝と凸部を設け、係合凸部5には抜け戻りを防止するための抜け止め防止係止爪20を設けている。
【0039】
また、横スライド部7の裏面左右には保持用スライド側係止凸部21を設け、所定位置まで横スライドする直前にこれが乗り越え係止して戻りを規制し位置決め保持する保持用固定側係止凸部22をスライドガイド凹部14の底面に設けて、所定スライド位置が保持されるように構成している。
【0040】
また、本実施例では、前述のように引き出し体2にロック機構3を設けたから、引き出し体2の取手部6と後方の上部せり出し縁部とを持って持ち運びが容易に行える。
【0041】
すなわち、ロック状態としておけば、引き出し体2が飛び出さないから、引き出し体2の引き出し用の取手部6を持って安心して持ち運ぶことができ、このロック操作も容易にしてスピーディーに行えるため、一層この持ち運びも容易となり、また取り出すときのロック解除操作もこの取手部6の上部に露出状態に突出している横スライド操作部8の横スライド操作だけでよいため、取り出しも容易にしてスピーディーに行えることとなる。
【0042】
本実施例では、引き出し体2の引き出しスライドに際してこの引き出し体2の重みまたはこの引き出し体2に収納された収納物の重みによりこの引き出し体2とともに前記収納本体1が前傾斜することを阻止する前倒れ防止機構15を備えている。
【0043】
この前倒れ防止機構15は、被積み重ね体となる下側の収納本体1の上板部12の周辺突出縁部の後部内側に開口状態に設けた係止受部16に係止させて上側の収納本体1の後部の浮き上がりを阻止して前記前傾斜を阻止する係止部17を、前記収納本体1の下部に突設状態に設けた構成としている。
【0044】
具体的には、本実施例の前記前倒れ防止機構15は、前記収納本体1の下部に設けられた取付受部18に、取付部19をこの左右に突出状態に設けた取付係止爪部23のたわみ復帰係止により着脱自在に係合し、この取付部19を取付係止爪部23により取付受部18に係合して取り付けた際、この取付部19に、収納本体1から突出状態に設けられて前記係止受部16に引っ掛け係止できる前記係止部17を設けた構成としている。
【0045】
前記係止部17を前記取付部19に着脱自在に設けた構成としてもよいが、本実施例では係止部17を一体成形した前記取付部19を前記取付受部18に着脱自在に設けた構成、またはこの取付部19や係止部17を後付け可能パーツとしてこの係止部17を取り付けるか取り付けないかを選択できる構成として、これにより、前記係止部17を有さず前倒れ防止機能を有さない係止部なし状態と、この係止部17を有し前倒れ防止機能を有する係止部17あり状態とに切り替えられるように前記前倒れ防止機構15を構成している。
【0046】
したがって、本実施例では、前倒れ防止状態で安全に引き出し体2を引き出すことができるとともに、前倒れ防止用の係止受部16のない被積み重ね体に積み重ねるときは、積み重ねの邪魔となる係止部17を容易に取り外して積み重ねできるように構成している。
【0047】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0048】
1 収納本体
2 引き出し体
3 ロック機構
4 ロック用係合凹部
5 ロック用係合凸部
6 取手部
7 横スライド部
8 横スライド操作部
9 阻止凹部
10 凹部抜け用開口部
11 スライド許容凹部
12 上板部
13 水平張り出し部