(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】お守りシステム、お守り方法、およびお守りプログラム
(51)【国際特許分類】
A47G 33/00 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
A47G33/00 J
(21)【出願番号】P 2020178967
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2020-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】317010200
【氏名又は名称】マーブル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】大林 優
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058623(JP,A)
【文献】国際公開第2020/213297(WO,A1)
【文献】特開2019-023842(JP,A)
【文献】特開2008-242624(JP,A)
【文献】特開2005-151270(JP,A)
【文献】特開2006-330907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 33/00
G06Q 50/00 - 50/34
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寺社に関する寺社データを記憶する寺社データ記憶手段と、
前記寺社毎に登録された1以上のお守りに関するお守りデータを記憶するお守りデータ記憶手段と、
ユーザに関するユーザデータを記憶するユーザデータ記憶手段と、
前記ユーザを識別するユーザ識別手段と、
前記ユーザによる前記お守りデータの購入を受け付けるお守り購入手段と、
前記お守りデータが購入された日付けと、前記お守りデータを購入したユーザのユーザデータと、購入された前記お守りデータとを関連づけて記憶する購入履歴記憶手段とを有するサーバと、
前記ユーザに、前記ユーザが購入した前記お守りデータを表示する表示手段を有するユーザ端末とを備え、
前記サーバは、前記お守りデータに設定される通知時期が到来したときに前記ユーザ端末に新しいお守りデータを通知し、前記お守り購入手段によって前記ユーザが前記新しいお守りデータを購入することを受け付けるお守り買い替え手段と、
前記新しいお守りデータの購入が完了したことを示す購入完了データを前記ユーザ端末に送信する購入完了通知手段を備え、
前記ユーザ端末は、前記購入完了データを受信すると、前記表示手段に表示するお守りデータを新しいお守りデータに更新する構成であ
り、
前記ユーザ端末は、コード情報を読み取る手段と、位置情報を取得する手段の少なくとも一方を備え、
前記お守り購入手段は、前記コード情報に基づく販売可能な前記お守りデータ、または、前記位置情報を取得する手段により取得した位置情報から所定の範囲内の住所データを有する寺社の販売可能な前記お守りデータを前記ユーザ端末に送信し、送信したお守りデータから1つ以上の購入の通知を前記ユーザ端末から受け付ける構成である
お守りシステム。
【請求項2】
前記お守り買い替え手段は、
前記お守り購入手段により以前に購入されたお守りデータである旧お守りデータを販売した寺社が取り扱う前記お守りデータの内の1以上を、前記新しいお守りデータとしてユーザに通知
し、
前記コード情報の取得および前記位置情報の取得を求めずに前記通知したお守りデータの1以上の購入を受け付ける構成である
請求項1記載のお守りシステム。
【請求項3】
前記お守りデータは、祈祷を行った日付と祈祷時の動画の少なくとも一方で構成される祈祷が完了したことを示す情報が含まれており、
前記お守りデータ記憶手段は、前記祈祷が完了したことを示す情報が含まれたお守りデータを、購入可能なお守りデータとして記憶しており、
前記お守り購入手段は、前記購入可能に設定されたお守りデータを購入可能とする
請求項1または2記載のお守りシステム。
【請求項4】
前記お守り買い替え手段は、
前記通知の際に、現在所有している前記お守りデータを維持するか買い替えするかを選択させ、
前記維持が選択された場合、前記通知時期を延期し、
前記買い替えが選択された場合、前記お守りデータに紐づけられている前記寺社データと同じ寺社データに紐づけられているお守りデータから購入するお守りデータの選択を受け付ける構成である
請求項1、2または3記載のお守りシステム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記通知時期が到来したときに前記ユーザ端末の古い前記お守りデータを前記ユーザ端末から取得するお守り返納手段と、
返納されたお守りデータに基づくお守り画像のお焚き上げが完了した後に完了したことを示す情報を前記ユーザ端末へ通知する手段とを備えた、
請求項
1から4のいずれか1つに記載のお守りシステム。
【請求項6】
サーバが、
寺社に関する寺社データを寺社データ記憶手段に
よって記憶
し、
前記寺社毎に登録された1以上のお守りに関するお守りデータをお守りデータ記憶手段に
よって記憶
し、
ユーザに関するユーザデータをユーザデータ記憶手段に
よって記憶
し、
前記ユーザをユーザ識別手段によ
って識別し、
前記ユーザによる前記お守りデータの購入をお守り購入手段により受け付け、
前記お守りデータが購入された日付けと、前記お守りデータを購入したユーザのユーザデータと、購入された前記お守りデータとを関連づけて記憶する購入履歴記憶手段に
よって記憶し、
前記ユーザのユーザ端末に、前記ユーザが購入した前記お守りデータを表示部に表示させ、
お守り買い替え手段によって、前記お守りデータに設定される通知時期が到来したときに前記ユーザ端末に新しいお守りデータを通知し、前記お守り購入手段による前記ユーザの前記新しいお守りデータの購入を受け付け、
前記新しいお守りデータの購入が完了したことを示す購入完了データを、購入完了通知手段によって前記ユーザ端末に送信し、
前記購入完了データを受信すると、前記ユーザ端末が前記表示部に表示するお守りデータを新しいお守りデータに更新
し、
コード情報を読み取る手段と、位置情報を取得する手段の少なくとも一方を備えた前記ユーザ端末に対して、
前記お守り購入手段により、前記コード情報に基づく販売可能な前記お守りデータ、または、前記位置情報を取得する手段により取得した位置情報から所定の範囲内の住所データを有する寺社の販売可能な前記お守りデータを前記ユーザ端末に送信し、送信したお守りデータから1つ以上の購入の通知を前記ユーザ端末から受け付ける構成である
お守り方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1つに記載のお守りシステムとしてコンピュータを
機能させる
お守りプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、携帯端末でデータとして持ち歩けるお守りを提供するお守りシステム、お守り方法、およびお守りプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の祈願に用いられるお守りは、正月をはじめとした特定の季節行事や、個人がお願い事を祈願する際に寺社を訪れて購入する。このようなお守りとしては、寺社毎にお札やお経が書かれた紙等を、刺繍入りの布等で包んだものがよく知られている。また、お守りは神的な内容物を含むものであるため、役目を終えたお守りは購入した寺社に返納し、お焚き上げによって浄化を伴った焼却処分を行うことが推奨されている。
【0003】
これまでに、購入者のニーズに対応したお守りが提案されている。
【0004】
例えば、所定の光エネルギーを吸収、発光可能な蓄光糸をお守り袋の刺繍に用いることで、夜間でも模様を認識でき、紛失を防止できるお守りが提案されている。(特許文献1参照)
【0005】
しかし、このようなお守りは購入時に寺社を訪れて購入されるため、お守りの買い替えを行う際には、返納に伴って、もう一度同じ寺社を訪れる必要があるという問題があった。また、部屋の隙間や外出先で紛失した場合は、発見が難しいという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑みて、お守りの購入者が購入および買い替えにあたって寺社を訪れる必要がなく、携帯電話端末などを通じて常に持ち運びできるうえに紛失の可能性を高確率で防止するお守りシステム、お守り方法、およびお守りプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、寺社に関する寺社データを記憶する寺社データ記憶手段と、前記寺社毎に登録された1以上のお守りに関するお守りデータを記憶するお守りデータ記憶手段と、ユーザに関するユーザデータを記憶するユーザデータ記憶手段と、前記ユーザを識別するユーザ識別手段と、前記ユーザによる前記お守りデータの購入を受け付けるお守り購入手段と、前記お守りデータが購入された日付けと、前記お守りデータを購入したユーザのユーザデータと、購入された前記お守りデータとを関連づけて記憶する購入履歴記憶手段とを有するサーバと、前記ユーザに、前記ユーザが購入した前記お守りデータを表示する表示手段を有するユーザ端末とを備え、前記サーバは、前記お守りデータに設定される通知時期が到来したときに前記ユーザ端末に新しいお守りデータを通知し、前記お守り購入手段によって前記ユーザが前記新しいお守りデータを購入することを受け付けるお守り買い替え手段と、前記新しいお守りデータの購入が完了したことを示す購入完了データを前記ユーザ端末に送信する購入完了通知手段を備え、前記ユーザ端末は、前記購入完了データを受信すると、前記表示手段に表示するお守りデータを新しいお守りデータに更新する構成であり、前記ユーザ端末は、コード情報を読み取る手段と、位置情報を取得する手段の少なくとも一方を備え、前記お守り購入手段は、前記コード情報に基づく販売可能な前記お守りデータ、または、前記位置情報を取得する手段により取得した位置情報から所定の範囲内の住所データを有する寺社の販売可能な前記お守りデータを前記ユーザ端末に送信し、送信したお守りデータから1つ以上の購入の通知を前記ユーザ端末から受け付ける構成であるお守りシステムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、お守りの購入者が購入および買い替えにあたって寺社を訪れる必要がなく、携帯電話端末などを通じて常に持ち運びできるうえに紛失の可能性を高確率で防止するお守りシステム、お守り方法、およびお守りプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施例におけるお守りシステム1のシステム構成を示すブロック図
【
図2】本実施例におけるお守りデータ作成フローチャート
【
図4】本実施例におけるお守り買い替えフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本実施例におけるお守りシステム1のシステム構成を示すブロック図である。お守りシステム1は、管理サーバ2と、寺社に備え付けられた寺社端末3と、ユーザが所有するユーザ携帯端末4を備えている。管理サーバ2と、寺社端末3と、ユーザ携帯端末4は、インターネット5に接続されている。
【0013】
管理サーバ2は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部20と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部21と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット5に接続されてデータの送受信を行う通信部22とを備える。
【0014】
記憶部21には、寺社に関するデータを格納する寺社データベース210と、お守りに関するデータを格納するお守りデータベース211と、ユーザに関するデータを格納するユーザデータベース212と、ユーザがお守りを購入した履歴データを格納する購入履歴データベース213と、販売者がお守りデータを作成するお守りデータ作成プログラム214と、ユーザにお守りを販売するお守り販売プログラム215と、お守りを購入したユーザにお守りの販売をするお守り買替プログラム216と、お守りの返納とお焚き上げに関する処理を行うお焚き上げプログラム217が格納されている。
【0015】
寺社データベース210に格納された各寺社データは、各お寺や神社の名前と、各お寺や神社の位置情報と、代表者氏名と、電話番号と、メールアドレスとを含む。
【0016】
お守りデータベース211に格納された各お守りデータは、各お守りに付与されたID(お守り識別情報)と、お守りの1以上の効果と、お守りの販売元である寺社データとを含む。
【0017】
ユーザデータベース212に格納された各ユーザデータは、各ユーザに付与されたIDを含む。
【0018】
購入履歴データベース213に格納された各購入履歴データは、お守りを購入したユーザのユーザデータと、購入されたお守りのお守りデータと、お守りの販売元である寺社データとを含む。ただし、お守りシステム1では、複数のお守りを購入することができる。或るユーザに複数のお守りが購入された場合、お守り毎にお守りデータが生成される。購入されたお守りのお守りデータには、購入日付のデータおよび購入されたお守りの種類のデータ等が含まれる。寺社データには、お守りの販売元である寺社のお守りに関する慣習のデータ等が含まれる。お守りに関する慣習には、お守りの買い替え時期またはお守りの返納時期等が含まれる。
【0019】
寺社端末3は、例えばハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット5に接続されてデータの送受信を行う通信部と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部とを備えたコンピュータである。寺社端末3は、画像データを紙媒体として出力可能な寺社プリンター6と、有線または無線ネットワークを介して接続されている。
【0020】
ユーザ携帯端末4は、例えば液晶ディスプレイに情報を表示させる表示機能と、レンズを用いたカメラ機能と、カメラ機能によって撮像したコードを読み取るコード読み取り機能と、読み取ったコードに格納されたページ情報を基にWEBページに接続し、閲覧するWEB機能とを実装したスマートフォンである。
【0021】
図2は、本実施例における、管理サーバ2の制御部20によって実行されるお守りデータ作成プログラム214による、お守りデータ作成フローチャートである。
【0022】
お守りシステム1の利用者であるお守りの販売者は、お守りの画像と、お守りの効果と、販売元である寺社の情報を入力し、お守りデータとして管理サーバ2のお守りデータベース211に登録する。このとき、管理サーバ2の制御部20は、登録されるお守りデータに固有のお守りIDを付与する。(S1)また、入力された寺社の情報を、寺社データとして寺社データベース210に記憶する。なお、本実施例ではお守りデータの作成時に寺社の情報を入力し、寺社データとして寺社データベース210に記憶する形態としたが、お守りシステムの使用を登録制として、お守りの販売者が事前に寺社情報を登録し、お守りの効果を登録する際に、制御部20が寺社情報を寺社データベース210から紐づけてお守りデータベース211に登録する形態としてもよい。
【0023】
管理サーバ2の制御部20は、登録されたお守りデータについて、確認のため寺社端末に表示する。(S2)
【0024】
お守り販売者は、表示されたお守りデータについて、寺社によって定められた所定の手順を実施することで祈祷を行う。その後、祈祷が完了したことを示す情報をお守りデータに追加する。(S3)祈祷が完了したことを示す情報としては、例えば、祈祷を行った日付を含めてもよいし、祈祷時の動画を含めてもよい。
【0025】
お守り販売者は、お守りデータが販売可能であることを管理サーバ2に指示する。管理サーバ2は、その指示を受け、ユーザ向けの購入可能なお守りデータとして、お守りデータベース211に登録する。(S4)
【0026】
図3は、本実施例における、管理サーバ2の制御部20によって実行されるお守り販売プログラム215による、お守り販売フローチャートである。
【0027】
お守りの購入者であるユーザは、寺社に訪れてお守りを購入しようとする際、ユーザ携帯端末4にインストールされたアプリを起動する。管理サーバ2の制御部20は、アプリが起動されたことを認識し、ユーザにログイン情報の入力を行わせ、ログイン処理を行う。ログインが完了したユーザに対して、事前に購入したお守りのQRコード(登録商標、以下本明細書内に記載する「QRコード」について登録商標である旨の表示を省略する)を読み取るか、購入可能に設定されたお守りデータの中から購入するかを選択させる。ユーザは、寺社を訪れた際にお守りデータのQRコードが付与された媒体を事前に購入しているかによって、選択を行う。(S5)
【0028】
お守りデータのQRコードを読み取る場合、例えばお守り販売者は、社務所等でQRコードを掲載したお守り用紙を販売し、ユーザはそのお守り用紙を購入しておく。制御部20は、ユーザ携帯端末4のカメラを起動し、ユーザにお守り用紙に掲載されたQRコードを読み取らせる。制御部20は、読み取ったコード情報に基づいてお守りデータをユーザ携帯端末4に送信する。(S6)
【0029】
購入可能に設定されたお守りデータの中から購入する場合、制御部20はユーザに、ユーザの位置情報を使用してお守りデータを取得するか、QRコードを読み取ってお守りデータを取得するかを選択させる。位置情報を使用する場合、例えば、寺社データベース210に登録している寺社データから、GPS機能等により取得したユーザの位置情報から所定の範囲内の住所データを有する寺社を提示し、ユーザによって選択された寺社データと紐づけられているお守りデータを提示する。QRコードを読み取る場合、例えばお守り販売者は、QRコードをお守り販売のチラシにQRコードを掲載して寺社に掲示し、ユーザにチラシに掲載されたQRコードを読み取らせる。制御部20は、読み取ったコード情報に基づいて販売可能なお守りデータをユーザ携帯端末4に送信する。(S7)
【0030】
ユーザは、提示されたお守りデータから1つ以上を選択する。制御部20は、選択されたお守りデータについて購入処理を行う。購入処理方法は種々の支払い方法を使用できる。例えば、クレジットカードやキャリア決済といったその場で決済が行われる場合は決済処理が完了した時点でお守りデータをユーザに送信し、コンビニ支払いや銀行振り込みの場合は入金が確認された時点でお守りデータをユーザに送信する。(S8)
【0031】
制御部20は、お守りの購入処理が完了したら、購入が完了した日付、購入したお守りデータ、および購入したユーザ情報を紐づけて購入履歴データとし、購入履歴データベース213に保存する。
【0032】
ユーザ携帯端末4は、受信したお守りデータ内のお守り画像を表示する。(S9)このお守り画像は、ユーザがアプリケーションを起動することでいつでも自由にユーザ携帯端末4の画面に表示できる。
【0033】
図4は、本実施例における、管理サーバ2の制御部20によって実行されるお守り買替プログラム216による、お守り買い替えフローチャートである。
【0034】
制御部20は、購入履歴データに紐づけられた購入日付と、現在の日付とに基づいて、お守り買替プログラム216を実施する。(S10)例えば、制御部20は、現在の日付がお守りの買い替えまたは返納時期にあたる日付であること、すなわち、買い替えを通知する通知時期が到来したことに基づいて、お守り買替プログラム216を実施する。すなわち、新しいお守りデータが通知される。通知時期としては、元旦(1月1日)、小正月(1月15日)および旧正月(節分)などがある。通知時期は、購入日付、お守りの種類および/または寺社の慣習に応じて適宜設定される。また、複数のお守りが購入されている場合には、お守り毎に、新しいお守りデータが通知される。
【0035】
制御部20は、購入履歴データに紐づけられたユーザ情報に基づいて、ユーザ携帯端末4に新しいお守りの購入案内を送信する。ユーザ携帯端末4は、ユーザに対して新しいお守りの購入案内を通知する。(S11)通知手段としては、例えば、通知があったことを小窓形式で表示するプッシュ通知や、アプリを自動的に起動して画面に表示させるといった方法を使用できる。
【0036】
ユーザは、表示された購入案内に対し、購入意思があるかどうかを選択する。制御部20は、ユーザが、購入意思があることを選択した場合、次のステップへ進む。購入意思がないことを選択した場合は、次の日以降、日付の確認を再度行う。(S12)なお、お守りの購入案内の通知に代えて、またはこれに加えて、現在所有しているお守りを維持する(返納時期または切り替え時期を繰り延べる)かどうかを選択するための選択肢を提示するようにしてもよい。ユーザが、お守りを維持することを選択した場合、お守りの返納時期または切り替え時期が延期される。また、お守りの維持は、有料でもよいし無料でもよい。
【0037】
制御部20は、ユーザの購入意思があることを認識した場合、お守りデータベース211から、以前に購入された旧お守りデータと異なる新しいお守りデータを1つ以上選択する。(S13)このとき選択される新しいお守りデータは、お守りデータに紐づけられている寺社データが同じ、すなわち同じ寺社において販売されているお守りデータである。また、例えば、旧お守りデータに紐づけられているお守り効果と、同じもしくは類似したお守り効果を有する新しいお守りデータを選択してもよい。
【0038】
制御部20は、お守りデータベース211から選択した新しいお守りをユーザ携帯端末4に表示させる。(S14)ユーザは表示された新しいお守りから1つ以上を選択する。
【0039】
制御部20は、お守り販売プログラム215と同様の購入処理を行い、新しいお守りの購入処理が完了したら、購入が完了した日付、購入したお守りデータ、および購入したユーザ情報を紐づけて購入履歴データとし、購入履歴データベース213に保存する。(S15)
【0040】
ユーザ携帯端末4は、受信した新しいお守りデータ内のお守り画像を表示する。(S16)このお守り画像は、ユーザがアプリケーションを起動することでいつでも自由にユーザ携帯端末4の画面に表示できる。
【0041】
ユーザ携帯端末4は、旧お守りデータを管理サーバ2に送信する。(S17)このとき、ユーザに対して、旧お守りデータを寺社に返納したことを通知するメッセージを表示してもよい。また、旧お守りデータをユーザ携帯端末4から削除する処理を行ってもよい。
【0042】
図5は、本実施例における、管理サーバ2の制御部20によって実行されるお焚き上げプログラム217による、お焚き上げフローチャートである。
【0043】
制御部20は、ユーザ携帯端末4が送信した旧お守りデータを受信する。その後、当該旧お守りデータを、返納されたお守りデータであることを示す通知とともにお守り販売者が所有する寺社端末3に送信する。(S18)
【0044】
寺社端末3は、受信した旧お守りデータの画像データを、寺社プリンター6によって紙媒体で出力する。(S19)
【0045】
お守り販売者は、紙媒体で出力されたお守り画像を、寺社に寄って定められた所定の手順を実施することでお焚き上げを行う。その後、お焚き上げが完了したことを示す情報をお焚き上げデータとして旧お守りデータに追加する。(S20)お焚き上げが完了したことを示す情報としては、例えば、お焚き上げを行った日付を含めてもよいし、お焚き上げ時の動画を含めてもよい。
【0046】
制御部20は、お焚き上げが完了したことを示す情報が、旧お守りデータに登録されたことを認識すると、旧お守りデータを購入および返納したユーザのユーザ携帯端末4に、旧お守りのお焚き上げが完了したことを通知する。(S21)通知手段としては、例えば、通知があったことを小窓形式で表示するプッシュ通知や、アプリを自動的に起動して画面に表示させるといった方法を使用できる。また、お焚き上げの完了を通知すると同時に、ユーザに対してお焚き上げを行った日付やお焚き上げ時の動画といったお焚き上げデータを開示してもよい。
【0047】
以上の構成により、お守りの購入者が買い替えにあたって寺社を訪れる必要がなく、紛失の可能性を高確率で防止するお守りシステムを提供することができる。
管理サーバ2は、購入されたお守りの日付や現在の日付に基づいて、ユーザに対してお守りの買い替えを提案する。そのため、ユーザはわざわざ寺社に訪れなくても、お守りを買い替えることができる。また、お守りはデータとしてユーザの携帯端末に保存され、いつでも画像表示が可能な構成であるため、お守りを紛失することがない。
【0048】
また、管理サーバ2はお守りの買い替えを提案する際に、旧お守りの購入履歴データに含まれている寺社データに基づいて、同じ寺社が販売する新しいお守りを提案する。そのため、ユーザが購入した寺社や買い替えることそのものを失念していたとしても、旧お守りを購入した寺社と同じ寺社が販売する新しいお守りを、忘れることなく購入することができる。
【0049】
また、管理サーバ2はお守りの買い替えを提案する際に、旧お守りデータに含まれているお守り効果に基づいて、同じお守り効果を有する新しいお守りを提案する。そのため、ユーザはお守りの買い替えを行うにあたって、数あるお守りの中から適切なお守りを簡単に選択することができる。
【0050】
また、管理サーバ2は、お守りの買い替えが行われた場合、旧お守りデータをユーザ携帯端末4から取得し、販売した寺社へ返納処理を行う。さらに返納された旧お守りデータについて、お焚き上げを行ったことをユーザに通知する。そのため、お守りの買い替えを行ったユーザはわざわざ寺社を訪れなくてもお守りの返納を行うことができ、お焚き上げが行われたことを知ることができる。また、お守りの買い替えの有無にかかわらず、ユーザが指定した日付(返納日)にお守りデータが自動的に返納できてもよい。たとえば、お守りの種類に応じて、役目を終えた後の日を返納日として指定しておくことによってお守りデータが返納できてもよい。合格祈願のお守りを例に挙げると、対象となる試験の合格発表日以降の任意の日付を返納日に指定しておくことによって、返納日が到来したときにお守りデータが自動的に返納される。
【0051】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、本実施例において、お守りの買い替えが行われた際に、旧お守りデータの返納を行うとしているが、お守りの買い替えを行わなくても、旧お守りデータの返納を行える構成としてもよい。この場合、例えば、ユーザ携帯端末4がアプリケーションを起動し、管理サーバ2がユーザの認証を行ったあと、メニュー表示の1つとしてお守りの返納を行う項目をユーザに選択させる形式とすることができる。
【0052】
この発明における寺社データ記憶手段は、実施形態の寺社データベース210に対応し、以下同様に、
お守りデータ記憶手段はお守りデータベース211に対応し、
ユーザデータ記憶手段はユーザデータベース212に対応し、
ユーザ識別手段、お守り購入手段、お守り買い替え手段、購入完了通知手段、およびデータ返納手段は、管理サーバ2の制御部20に対応し、
購入履歴記憶手段は購入履歴データベース213に対応し、
サーバは管理サーバ2に対応し、
ユーザ端末はユーザ携帯端末4に対応し、
お焚き上げデータ出力手段は寺社プリンター6に対応し、
お焚き上げデータ入力手段は、寺社端末3の入力部に対応し、
お焚き上げデータ出力手段は、寺社端末3の通信部に対応するが、
この発明は本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
この発明は、お守りを販売、提供する産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1…お守りシステム
2…管理サーバ
3…寺社端末
4…ユーザ携帯端末
5…インターネット
6…寺社プリンター
20…制御部
21…記憶部
22…通信部
210…寺社データベース
211…お守りデータベース
212…ユーザデータベース
213…購入履歴データベース
214…お守りデータ作成プログラム
215…お守り販売プログラム
216…お守り買替プログラム
217…お焚き上げプログラム