(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】スイッチ制御装置
(51)【国際特許分類】
H03K 17/16 20060101AFI20220524BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20220524BHJP
H02H 9/04 20060101ALI20220524BHJP
H03K 17/00 20060101ALN20220524BHJP
H03K 17/082 20060101ALN20220524BHJP
H03K 17/08 20060101ALN20220524BHJP
H03K 17/695 20060101ALN20220524BHJP
【FI】
H03K17/16 M
B60L3/00 S
H02H9/04 A
H03K17/00 B
H03K17/082
H03K17/08 C
H03K17/695
(21)【出願番号】P 2020538696
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(86)【国際出願番号】 KR2019010333
(87)【国際公開番号】W WO2020036427
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0094441
(32)【優先日】2018-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン-ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ソク-ジュン
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0069829(US,A1)
【文献】実開昭47-021147(JP,U)
【文献】特開2017-112651(JP,A)
【文献】特開昭55-119320(JP,A)
【文献】特開2001-053595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0200967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 17/16
B60L 3/00
H02H 9/04
H03K 17/00
H03K 17/082
H03K 17/08
H03K 17/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧入力源から電源の供給を受けるスイッチの開閉を制御する装置であって、
前記スイッチと電気的に並列で接続されて前記スイッチ
に向かう方向に電流が流れるように構成された還流ダイオードと、
前記還流ダイオードと電気的に直列で接続されるように構成されたツェナーダイオードと、
前記電圧入力源の入力端子と前記スイッチ
との間に備えられ、前記入力端子から入力電圧を受け取り、前記スイッチ
に前記入力電圧を伝達するように構成されたFETと、
前記FETと電気的に接続され、前記FETに前記スイッチの開閉動作を制御する信号を伝達するように構成された制御部と、
一端が前記入力電圧が前記電圧入力源の入力端子から前記スイッチに供給される経路に接続され、他端が前記制御部と接続され、前記制御部に印加される電圧を分配するように構成された抵抗と、
一端が前記制御部と前記抵抗の他端との間に接続され、他端が接地に接続され、前記抵抗に向かう方向に電流が流れるように構成された逆電圧防止ダイオードとを含み、
前記スイッチは、鉄片と、鉄芯及びコイルを含む電磁石とを有し、
前記電磁石は、一端が前記FETと接続され、他端が接地と接続され、
前記電磁石によって逆起電力が発生した場合、前記抵抗の一端から他端に向かう方向に流れる電流は、前記抵抗を通過した後、前記逆電圧防止ダイオードによって前記制御部にすべて流れる
スイッチ制御装置。
【請求項2】
前記抵抗は、前記FETのドレイン端子と前記スイッチ
との間のノードと、前記制御部の入出力ピンとの間に、両端が電気的に直接接続するように構成された、請求項1に記載のスイッチ制御装置。
【請求項3】
前記抵抗は、前記制御部の入出力ピンに印加される電圧が前記制御部の定格電圧範囲内に収まるように、抵抗値が設定された、請求項2に記載のスイッチ制御装置。
【請求項4】
前記抵抗は、前記抵抗値が前記制御部の内部抵抗値以上である、請求項3に記載のスイッチ制御装置。
【請求項5】
前記ツェナーダイオードは、前記還流ダイオードの順方向の逆方向を順方向にして構成された、請求項1から4のいずれか一項に記載のスイッチ制御装置。
【請求項6】
前記FETは、前記FETのソース端子と前記入力端子とが電気的に直接接続され、前記FETのドレイン端子と前記スイッチ
とが電気的に直接接続され、前記FETのゲート端子と前記制御部とが電気的に直接接続するように構成された、請求項1から5のいずれか一項に記載のスイッチ制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、少なくとも二つ以上の入出力ピンを備え、
前記入出力ピンは、前記FET及び前記抵抗にそれぞれ電気的に直接接続するように構成された、請求項1から6のいずれか一項に記載のスイッチ制御装置。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のスイッチ制御装置を含むBMS。
【請求項9】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のスイッチ制御装置を含むバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ制御装置に関し、より詳しくは、バッテリーパックに備えられたスイッチを制御する過程で効果的にスイッチを制御することができるスイッチ制御装置に関する。
【0002】
本出願は、2018年8月13日出願の韓国特許出願第10-2018-0094441号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近来、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能二次電池に対する研究が活発に行われている。
【0004】
また、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、電力貯蔵装置、無停電電源装置などに対する技術開発と需要が増加し、それに伴ってエネルギー源としての二次電池の需要が急増している。特に、電気自動車やハイブリッド自動車に使用される二次電池は、高出力、大容量の二次電池であって、これに対する多くの研究が行われている。
【0005】
さらに、二次電池に対する多くの需要とともに、二次電池と係わる周辺部品や装置に対する研究も一緒に行われている。すなわち、複数の二次電池を接続して一つのモジュールにしたバッテリーモジュール、バッテリーモジュールの充放電を制御し、それぞれの二次電池の状態をモニタリングするBMS(Battery Management System)、バッテリーモジュールとBMSとを一つのパックにしたバッテリーパック、バッテリーモジュールをモーターのような負荷と接続するコンタクタ(contactor)などの多様な部品と装置に対する研究が行われている。
【0006】
特に、コンタクタは、バッテリーモジュールと負荷とを接続し、電力の供給を制御するスイッチであって、これに対する多くの研究が行われている。一例として、広く使用されるリチウムイオン二次電池の作動電圧は約3.7V~4.2Vであり、高電圧を提供するために多数の二次電池を直列で接続してバッテリーモジュールを構成する。電気自動車またはハイブリッド自動車に使用されるバッテリーモジュールの場合、自動車を駆動するモーターは約240V~280Vのバッテリー電圧を必要とする。このようなバッテリーモジュールとモーターとを接続するコンタクタは、高電圧、高出力の電気エネルギーが常時通過する部品であるため、異常(fault)発生をモニタリングして効果的にターンオン/ターンオフを制御することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の背景の下でなされたものであり、バッテリーパックに備えられたスイッチを制御する過程で効果的にスイッチを制御できる改善されたスイッチ制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるスイッチ制御装置は、電圧入力源から電源の供給を受けるスイッチの開閉を制御する装置であって、前記スイッチと電気的に並列で接続されて前記スイッチの正極端子側に電流が流れるように構成された還流ダイオードと、前記還流ダイオードと電気的に直列で接続されるように構成されたツェナーダイオードと、前記電圧入力源の入力端子と前記スイッチの正極端子との間に備えられ、前記入力端子から入力電圧を受信し、前記スイッチの正極端子に前記入力電圧を伝達するように構成されたFETと、前記FETと電気的に接続され、前記FETに前記スイッチの開閉動作を制御する信号を伝達するように構成された制御部と、前記入力電圧が前記電圧入力源の入力端子からスイッチに供給される経路と制御部との接続経路上に備えられ、前記制御部に印加される電圧を分配するように構成された抵抗とを含む。
【0010】
前記抵抗は、前記FETのドレイン端子と前記スイッチの正極端子との間のノードと、前記制御部の入出力ピンとの間に、両端が電気的に直接接続するように構成され得る。
【0011】
前記抵抗は、前記制御部の入出力ピンに印加される電圧が前記制御部の定格電圧範囲内に収まるように、抵抗値が設定され得る。
【0012】
前記抵抗は、前記抵抗値が前記制御部の内部抵抗値以上であり得る。
【0013】
前記ツェナーダイオードは、前記還流ダイオードの順方向の逆方向を順方向にして構成され得る。
【0014】
前記FETは、前記FETのソース端子と前記入力端子とが電気的に直接接続され、前記FETのドレイン端子と前記スイッチの正極端子とが電気的に直接接続され、前記FETのゲート端子と前記制御部とが電気的に直接接続するように構成され得る。
【0015】
前記制御部は、少なくとも二つ以上の入出力ピンを備え、前記入出力ピンは、前記FET及び前記抵抗にそれぞれ電気的に直接接続するように構成され得る。
【0016】
本発明の他の一態様によるスイッチ制御装置は、前記制御部と前記抵抗との間に並列で接続され、前記抵抗に向かう方向を順方向にして構成された逆電圧防止ダイオードをさらに含み得る。
【0017】
本発明の他の態様によるBMSは、本発明の一態様によるスイッチ制御装置を含む。
【0018】
本発明のさらに他の態様によるバッテリーパックは、本発明の一態様によるスイッチ制御装置を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一態様によれば、スイッチが閉状態から開状態に切り換えられる場合に発生する逆起電力による電流が迅速に放出されることで、スイッチのターンオン/ターンオフを迅速に切り換えることができる。
【0020】
また、本発明の一態様によれば、制御部に印加される電圧が定格電圧の範囲内に収まるため、スイッチ制御回路の安定性を強化することができる。
【0021】
外にも本発明は他の多様な効果を有し得、このような本発明の他の効果は後述する詳細な説明によって理解でき、本発明の実施形態からより明らかに分かるであろう。
【0022】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路がバッテリーパックに備えられたスイッチと接続された構成を概略的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路がスイッチと接続された構成を概略的に示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路が備えられたバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【
図4】本発明の他の実施形態によるスイッチ制御回路がスイッチと接続された構成を概略的に示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態による制御部とスイッチとの間に接続された抵抗を概略的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0025】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
また、本発明の説明において、関連公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にし得ると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0027】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、明細書に記載された「制御部」のような用語は、少なくとも一つの機能または動作を処理する単位を意味し、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組合せとして具現され得る。
【0028】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「連結(接続)」されるとするとき、これは「直接的な連結(接続)」だけではなく、他の素子を介在した「間接的な連結(接続)」も含む。
【0029】
本明細書において、二次電池は、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例として、一つのパウチ型リチウムポリマーセルを二次電池として見なし得る。
【0030】
本発明の一実施形態によるスイッチ制御装置は、電圧入力源から電源の供給を受けるスイッチの開閉を制御する装置である。ここで、前記スイッチ制御装置は、バッテリーパックに備えられ得る。また、前記スイッチ制御装置は、車両に取り付けられたバッテリーパックに備えられ得る。例えば、電圧入力源は、スイッチの動作を制御する動作電圧を伝達する電圧源であり得る。例えば、電圧入力源は12V鉛蓄電池であり、スイッチはコンタクタまたはリレーであり得る。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路がバッテリーパックに備えられたスイッチと接続された構成を概略的に示した図である。
図2は、本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路がスイッチと接続された構成を概略的に示した図である。
【0032】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるスイッチ制御装置は、スイッチ制御回路1に含まれ得る。
【0033】
本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路1は、
図1に示されたように、少なくとも一つ以上の二次電池を含むセルアセンブリBの正極端子とバッテリーパックの正極端子との間に備えられたスイッチ10を制御する回路であり得る。バッテリーパックの正極端子及び負極端子は負荷Lと接続され得る。
【0034】
例えば、本発明の一実施形態によるバッテリーパックが車両に取り付けられる場合、バッテリーパックの両端は車両負荷と接続され得る。
【0035】
本発明の一実施形態によるスイッチ制御装置は、
図2に示されたように、還流ダイオード100、ツェナーダイオード200、FET300、制御部400及び抵抗500を含むことができる。
【0036】
前記還流ダイオード100は、スイッチ10と電気的に並列で接続され得る。例えば、
図2に示されたように、還流ダイオード100は、入力端子Viとスイッチ10との接続経路に備えられた第1ノードn1と接地Gとの間に備えられ得る。また、還流ダイオード100は、第1ノードn1と接地Gとに両端が接続されるスイッチ10と電気的に並列で接続され得る。
【0037】
また、還流ダイオード100は、スイッチ10の正極端子側に電流が流れるように構成され得る。例えば、
図2に示されたように、還流ダイオード100は、第1ノードn1方向を順方向にして第1ノードn1側に電流が流れるように構成されたダイオードであり得る。また、還流ダイオード100は、第1ノードn1を経てスイッチ10の正極端子側に電流が流れるように構成され得る。
【0038】
また、還流ダイオード100は、スイッチ10が閉状態から開状態に切り換えられる場合、還流ダイオード100とスイッチ10とを連結する閉ループを通じてスイッチ10のインダクタ成分によって発生する電流を再びスイッチ10に流すことで、逆起電力によって発生するインパルス電圧によるスイッチ10の損傷を防止することができる。
【0039】
前記ツェナーダイオード200は、還流ダイオード100と電気的に直列で接続され得る。例えば、
図2に示されたように、ツェナーダイオード200は、第1ノードn1と接地Gとの間に備えられ、還流ダイオード100と電気的に直列で接続され得る。
【0040】
また、ツェナーダイオード200は、接地Gに向かう方向を順方向にして構成され得る。例えば、
図2に示されたように、ツェナーダイオード200は、第1ノードn1側を逆方向にし、接地G側を順方向にするように構成され得る。
【0041】
また、ツェナーダイオード200は、還流ダイオード100を経て第1ノードn1側に電流が流れる場合、予め決められた臨界電圧を第1ノードn1に印加し得る。
【0042】
例えば、スイッチ10が閉状態から開状態に切り換えられる場合、スイッチ10に備えられた電磁石によって逆起電力が発生し得る。この場合、瞬間的に、ツェナーダイオード200に接続された接地Gが第1ノードn1よりも高電位になり得る。例えば、接地Gに比べて、第1ノードn1には-18Vが印加され得る。このような構成を通じて、ツェナーダイオード200は、スイッチ10が閉状態から開状態に切り換えられる場合、還流ダイオード100とスイッチ10とを連結する閉ループを通じて電流を迅速に流すことができる。したがって、スイッチ10の逆起電力によって発生する電流を迅速に放出することができる。
【0043】
前記FET300は、電圧入力源の入力端子Viとスイッチ10の正極端子との間に備えられ得る。例えば、
図2に示されたように、FET300は、入力端子Viとスイッチ10の正極端子との接続経路上に備えられ得る。例えば、FET300は、FET300のソース端子Sが入力端子Viと電気的に直接接続され、FET300のドレイン端子Dがスイッチ10と電気的に直接接続され得る。
【0044】
また、FET300は、入力端子Viから入力電圧を受信することができる。例えば、
図2に示されたように、FET300は、電圧入力源の入力端子Viからの入力電圧をFET300のソース端子Sで受信し得る。例えば、電圧入力源は、BMSに備えられた電圧源であり得る。望ましくは、電圧入力源は、BMSに備えられた12V鉛蓄電池であり得る。
【0045】
また、FET300は、電圧入力源の入力端子Viから入力された入力電圧をスイッチ10の正極端子に伝達するように構成され得る。例えば、
図2に示されたように、FET300のゲート端子Gに印加される信号に応じて、FET300のソース端子SとFET300のドレイン端子Dとを電気的に接続するように構成され得る。したがって、FET300は、ソース端子Sからスイッチ10の正極端子に入力電圧を伝達することができる。例えば、FET300は、
図2に示されたように、寄生ダイオードを備えたpチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり得る。
【0046】
前記制御部400は、FET300と電気的に接続され得る。例えば、
図2に示されたように、制御部400は、FET300のゲート端子Gと電気的に直接接続され得る。
【0047】
また、制御部400は、FET300にスイッチ10の開閉動作を制御する信号を伝達するように構成され得る。すなわち、
図2の構成において、制御部400は、FET300のゲート端子Gに電気的信号を伝達し得る。また、制御部400は、FET300のゲート端子Gにスイッチ10の開閉動作を制御する信号を伝達し得る。
【0048】
例えば、制御部400は、FET300のゲート端子Gに0Vの電圧を印加してFET300を閉状態にし得る。また、制御部400は、FET300のゲート端子Gに5Vの電圧を印加してFET300を開状態にし得る。ここで、5Vは、FET300の臨界電圧であり得る。
【0049】
例えば、FET300のゲート端子Gに5Vが印加されてFET300が開放されている場合、制御部400は、FET300のゲート端子Gに0Vを印加してFET300を閉鎖させ得る。すると、FET300のソース端子SとFET300のドレイン端子Dとが電気的に接続され、電圧入力源からスイッチ10の正極端子に入力電圧が伝達される。次いで、スイッチ10は、入力電圧を受信することで、閉状態に切り換えられる。
【0050】
また、FET300のゲート端子Gに0Vが印加されてFET300が閉鎖されている場合、制御部400は、FET300のゲート端子Gに5Vを印加してFET300を開放させ得る。すると、FET300のソース端子SとFET300のドレイン端子Dとが電気的に開放され、電圧入力源からスイッチ10の正極端子に入力電圧が伝達されなくなる。その後、スイッチ10は、開放状態に切り換えられる。
【0051】
前記抵抗500は、入力電圧が電圧入力源の入力端子Viからスイッチ10に供給される経路と制御部400との接続経路上に備えられ得る。例えば、
図2に示されたように、抵抗500は、第2ノードn2と制御部400とを接続する接続経路上に備えられ得る。ここで、第2ノードn2は、入力端子Viとスイッチ10の正極端子との接続経路上に備えられ得る。また、第2ノードn2は、FET300のドレイン端子Dと第1ノードn1との間に備えられ得る。
【0052】
また、抵抗500は、制御部400に印加される電圧を分配するように構成され得る。例えば、
図2に示されたように、抵抗500には、第2ノードn2と制御部400との間に印加される電圧の一部が分配されて印加され得る。このような構成を通じて、本発明の一実施形態による抵抗500は、第2ノードn2に印加される電圧がすべて制御部400に印加されることを防止することができる。
【0053】
望ましくは、本発明の一実施形態による制御部400は、少なくとも二つ以上の入出力ピンi1、i2を備え得る。また、前記入出力ピンi1、i2は、FET300及び抵抗500にそれぞれ電気的に直接接続するように構成され得る。例えば、
図2に示されたように、第1入出力ピンi1は、第2ノードn2と制御部400とを連結する入出力ピンであり得る。また、第1入出力ピンi1は、抵抗500と制御部400とを直接電気的に接続する入出力ピンであり得る。また、第2入出力ピンi2は、FET300のゲート端子Gと制御部400とを直接接続する入出力ピンであり得る。制御部400は、第2入出力ピンi2を通じてFET300のドレイン端子D側の電位を測定し、FET300の断線または短絡を診断することができる。
【0054】
また、望ましくは、本発明の一実施形態による抵抗500は、FET300のドレイン端子Dとスイッチ10の正極端子との間のノードと、制御部400の入出力ピンとの間に、両端が電気的に直接接続するように構成され得る。例えば、
図2に示されたように、抵抗500は、第2ノードn2と制御部400の第1入出力ピンi1との間に、両端が電気的に直接接続するように構成され得る。
【0055】
また、望ましくは、本発明の一実施形態によるツェナーダイオード200は、還流ダイオード100に直列で接続され得る。例えば、
図2に示されたように、ツェナーダイオード200は、接地Gと還流ダイオード100との間に電気的に直接接続され得る。
【0056】
また、望ましくは、本発明の一実施形態によるFET300は、
図2に示されたように、FET300のソース端子Sと入力端子Viとが電気的に直接接続され得る。また、FET300は、FET300のドレイン端子Dとスイッチ10の正極端子とが電気的に直接接続され得る。また、FET300は、FET300のゲート端子Gと制御部400とが電気的に直接接続され得る。
【0057】
図3は、本発明の一実施形態によるスイッチ制御回路が備えられたバッテリーパックの構成を概略的に示した図である。
【0058】
図3を参照すると、
図1及び
図2に示されたスイッチ10には、鉄片11及び電磁石12が備えられ得る。また、入力端子Viは、電圧入力源DCから電流が出力される端子であり得る。例えば、電圧入力源DCは、12V鉛蓄電池であり得る。
【0059】
セルアセンブリB及びバッテリーパックの正極端子はスイッチ10に備えられた鉄片11に接続され、スイッチ制御回路1はスイッチ10に備えられた電磁石12に接続され得る。また、電磁石12の他端は電圧入力源DCの他端に連結された接地Gに接続され得る。ここで、電磁石12は、鉄芯及びコイルを含み得る。望ましくは、鉄芯にコイルが巻き取られたものであり得る。
【0060】
FET300のゲート端子Gに0V電圧が印加されれば、ソース端子Sとドレイン端子Dとが導通し、電圧入力源DCの入力端子Viから出力された電流が電磁石12に流れる。すると、電磁石12には磁場が形成され、形成された磁場によって鉄片11が動き、スイッチ10がターンオン状態に制御される。すなわち、FET300のゲート端子Gに0V電圧が印加されると、セルアセンブリBの正極端子とバッテリーパックの正極端子とが導通し得る。
【0061】
FET300のゲート端子Gに動作電圧以上の電圧が印加されれば、ソース端子Sとドレイン端子Dとの接続が切り離され得る。例えば、ゲート端子Gに5V以上の電圧が印加されれば、ソース端子Sとドレイン端子Dとの接続が切き離され得る。すると、電磁石12によって逆起電力が発生し得る。この場合、電磁石12及びツェナーダイオード200に接続された接地Gが、瞬間的に第1ノードn1に接続された電磁石12側の電位より高電位になるため、逆起電力による電流が接地Gに流れ得る。すなわち、電磁石12、接地G、ツェナーダイオード200及び還流ダイオード100が閉ループを形成し、逆起電力による電流が形成された閉ループを流れながら迅速に消耗できる。また、例えば、逆起電力による電流が閉ループを流れながら、第1ノードn1には接地Gに比べて-18Vが印加され得る。抵抗500は、制御部400の入出力ピンに印加される電圧が制御部400の定格電圧範囲内に収まるように、制御部400に流れる電流の一部を消耗することができる。
【0062】
すなわち、本発明の一実施形態によるスイッチ制御装置は、スイッチ10の動作状態の変化によって発生した逆起電力による電流を迅速に放出及び消耗させることができる。また、スイッチ制御装置は、制御部に印加される電圧を定格電圧以内に維持させることができる。したがって、スイッチ制御回路の安定性をより強化することができる。
【0063】
一方、制御部400は、上述したような動作を実行するため、当業界に知られた制御部400、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム及び/またはデータ処理装置、メモリデバイスなどを選択的に含む形態で具現され得る。
【0064】
一方、メモリデバイスは、情報を記録し消去可能な保存媒体であれば、その種類に特に制限がない。例えば、メモリデバイスは、RAM、ROM、レジスタ、ハードディスク、光記録媒体または磁気記録媒体であり得る。また、メモリデバイスは、制御部400によってそれぞれアクセスできるように、例えばデータバスなどを介して制御部400とそれぞれ電気的に接続され得る。また、メモリデバイスは、制御部400がそれぞれ実行する各種の制御ロジックを含むプログラム及び/または制御ロジックの実行時に発生するデータを、保存及び/または更新及び/または消去及び/または伝送することができる。
【0065】
図4は、本発明の他の実施形態によるスイッチ制御回路がスイッチと接続された構成を概略的に示した図である。また、本実施形態では、上述した実施形態についての説明を同様に適用可能な部分は詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明することにする。
【0066】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による制御部400及び抵抗500は、
図4に示されたように、制御部400と抵抗500との間に備えられたノードで電気的に直接接続され得る。
【0067】
望ましくは、本発明の一実施形態によるスイッチ制御装置は、
図4に示されたように、逆電圧防止ダイオード600をさらに含むことができる。
【0068】
前記逆電圧防止ダイオード600は、制御部400と抵抗500との間に備えられたノードに接続され得る。
【0069】
望ましくは、逆電圧防止ダイオード600は、抵抗500に向かう方向を順方向にして構成され得る。例えば、
図4に示されたように、逆電圧防止ダイオード600は、制御部400と抵抗500との間に備えられたノードと、接地Gとの間に電気的に直接接続され得る。また、逆電圧防止ダイオード600は、
図4に示されたように、制御部400と抵抗500との間に備えられたノードに向かう方向を順方向にして構成され得る。
【0070】
本発明によるスイッチ制御装置は、BMSに適用できる。すなわち、本発明によるBMSは、上述した本発明によるスイッチ制御装置を含むことができる。このような構成において、本発明によるスイッチ制御装置の各構成要素のうち少なくとも一部は、従来BMSに含まれた構成の機能を補完または追加することで具現され得る。例えば、本発明によるスイッチ制御装置の制御部400及びメモリデバイスは、BMSの構成要素として具現され得る。
【0071】
また、本発明によるスイッチ制御装置は、バッテリーパックに備えることができる。すなわち、本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明によるスイッチ制御装置を含むことができる。ここで、バッテリーパックは、一つ以上の二次電池、前記スイッチ制御装置、電装品(BMSやリレー、ヒューズなどを備える)及びケースなどを含むことができる。
【0072】
図5は、本発明の一実施形態による制御部とスイッチとの間に接続された抵抗を概略的に示した図である。
【0073】
図2~
図5を参照すると、本発明の一実施形態による抵抗500は、第2ノードn2と制御部400の第1入出力ピンi1との間に備えられ得る。
【0074】
本発明の一実施形態による制御部400は、
図5に示されたように、内部抵抗410を備え得る。
【0075】
前記内部抵抗410は、第1入出力ピンi1と内部端子i1'との間に備えられ得る。例えば、内部抵抗410は、制御部400の等価抵抗であり得る。
【0076】
望ましくは、本発明の一実施形態による抵抗500は、制御部400の入出力ピンに印加される電圧が制御部400の定格電圧範囲内に収まるように構成され得る。例えば、
図5に示されたように、内部端子i1'と第2ノードn2との間に印加される電圧が18Vであり、内部抵抗410及び抵抗500が1kΩと抵抗値が同じである場合、内部抵抗410と抵抗500とには18Vが分配されてそれぞれ9Vが印加され得る。この場合、第2ノードn2に-18Vが印加されると、第1入出力ピンi1には-9Vが印加され得る。例えば、制御部400の定格電圧が-10V~60Vである場合、制御部400の第1入出力ピンi1には-10V~60Vの電圧が印加されなければならない。したがって、このような構成を通じて、本発明の一実施形態による抵抗500は、第2ノードn2に印加される電圧を分配することで、制御部400の入出力ピンに印加される電圧を制御部400の定格電圧範囲内に収めることができる。
【0077】
より望ましくは、本発明の一実施形態による抵抗500は、抵抗値が制御部400の内部抵抗の抵抗値以上であり得る。抵抗500の抵抗値が内部抵抗410の抵抗値以上である場合にも、制御部400の定格電圧に該当する電圧が安定的に第1入出力ピンi1に印加され得る。例えば、第2ノードn2に-18Vが印加され、抵抗500の抵抗値が2kΩであり、内部抵抗410の抵抗値が1kΩである場合、第1入出力ピンi1には-6Vが印加され得る。
【0078】
このような構成を通じて、本発明の一実施形態によるスイッチ制御装置は、スイッチが閉状態から開状態に切り換えられる場合に発生する逆起電力による電流を迅速に放出し、制御部に印加される電圧が定格電圧範囲内に収まるようにすることで、制御部内に備えられたICチップなどの素子の損傷を防止することができる。
【0079】
また、制御部の多様な制御ロジックは少なくとも一つ以上が組み合わせられ、組み合わせられた制御ロジックは、コンピュータ可読のコード体系で作成されてコンピュータによってアクセス可能なものであれば、その種類に特に制限がない。一例として、記録媒体は、ROM、RAM、レジスタ、CD-ROM、磁気テープ、ハードディスク、フロッピーディスク及び光データ記録装置を含む群から選択された少なくとも一つ以上を含む。また、前記コード体系は、ネットワークで接続されたコンピュータに分散して保存されて実行され得る。また、組み合わせられた制御ロジックを具現するための機能的なプログラム、コード及びセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマによって容易に推論可能である。
【0080】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0081】
一方、本明細書において、「制御部」などのように用語「部」が使われたが、これは論理的な構成単位を示すものであって、物理的に分離可能であるか又は物理的に分離されるべき構成要素を示すものではないことは当業者に自明であろう。
【符号の説明】
【0082】
1:スイッチ制御回路
10:スイッチ
100:還流ダイオード
200:ツェナーダイオード
300:FET
400:制御部
410:内部抵抗
500:抵抗
600:逆電圧防止ダイオード
B:セルアセンブリ
L:負荷
DC:電圧入力源