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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】荷役システム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
B66F9/24 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020009328
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021116141
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2020-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 絢介
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-158779(JP,A)
【文献】特開平02-231399(JP,A)
【文献】特開2003-034495(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061637(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷が積まれている荷台を備えるトラックと、
前記荷を取る無人フォークリフトとを備える荷役システムであって、
前記トラックは、
前記荷の積載量に応じた現時点での前記荷台の地上高に係る地上高情報を送信する情報送信部を備え、
前記無人フォークリフトは、
前記荷を取るために昇降可能に設けられたフォークと、
前記地上高情報を受信する情報受信部と、
前記フォークで荷を取る際に、前記地上高情報に基づいて前記フォークの昇降を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする荷役システム。
【請求項2】
前記トラックは、
前記地上高を推定するためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データに基づいて前記地上高を推定する推定部とをさらに備え、
前記情報送信部は、前記地上高の推定結果を前記地上高情報として送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の荷役システム。
【請求項3】
荷が積まれている荷台を備えるトラックと、
前記荷を取る無人フォークリフトとを備える荷役システムであって、
前記トラックは、
前記荷の積載量に応じた現時点での前記荷台の地上高を推定するためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データを送信するデータ送信部とを備え、
前記無人フォークリフトは、
前記荷を取るために昇降可能に設けられたフォークと、
前記データを受信するデータ受信部と、
前記データに基づいて前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高を推定する推定部と、
前記フォークで荷を取る際に、前記地上高の推定結果に基づいて前記フォークの昇降を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする荷役システム。
【請求項4】
荷が積まれている荷台を備えるトラックと、
前記荷台の地上高を推定する推定装置と、
前記荷を取る無人フォークリフトとを備える荷役システムであって、
前記トラックは、
前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高を推定するためのデータを取得するデータ取得部と、
前記データを送信するデータ送信部とを備え、
前記推定装置は、
前記データを受信するデータ受信部と、
前記データに基づいて前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高を推定する推定部と、
前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高に係る地上高情報を送信する情報送信部とを備え、
前記無人フォークリフトは、
前記荷を取るために昇降可能に設けられたフォークと、
前記地上高情報を受信する情報受信部と、
前記フォークで荷を取る際に、前記地上高情報に基づいて前記フォークの昇降を制御する制御部とを備える
ことを特徴とする荷役システム。
【請求項5】
前記荷の積載量を示す教師用荷重データと当該教師用荷重データが得られた時点での前記地上高とを教師データとした機械学習により生成された地上高推定モデルを記憶する記憶部をさらに備え、
前記データ取得部は、前記荷台に積まれた前記荷の積載量を示す現時点での荷重データを取得し、
前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記地上高推定モデルと、前記データ取得部で取得された前記荷重データとに基づいて、前記地上高を推定する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の荷役システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人フォークリフトでトラックの荷台から荷を取る荷役システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台から荷を取る荷取り作業(取り卸し作業)を、フォークリフトにより行うことが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、フォークリフトの一種として無人フォークリフトが知られている(例えば特許文献2参照)。一般的に、無人フォークリフトは、フォークで荷を取る際に、予め定められた一定の荷取り高さ(フォーク差し込み高さ)までフォークを上昇させて停止させるようにプログラムされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-235223号公報
【文献】特開平11-21098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トラックの荷台に加わる荷重に応じて荷台の地上高が変化した場合、荷台に積まれた荷に無人フォークリフトのフォークを差し込むことができない、すなわち、無人フォークリフトでトラックの荷台から荷を取ることができないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、トラックの荷台の地上高が変化する場合であっても、無人フォークリフトで荷台から荷を取ることが可能な荷役システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の荷役システムは、荷が積まれている荷台を備えるトラックと、前記荷を取る無人フォークリフトとを備える荷役システムであって、前記トラックは、前記荷の積載量に応じた現時点での前記荷台の地上高に係る地上高情報を送信する情報送信部を備え、前記無人フォークリフトは、前記荷を取るために昇降可能に設けられたフォークと、前記地上高情報を受信する情報受信部と、前記フォークで荷を取る際に、前記地上高情報に基づいて前記フォークの昇降を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の荷役システムは、請求項1に記載の荷役システムにおいて、前記トラックは、前記地上高を推定するためのデータを取得するデータ取得部と、前記データに基づいて前記地上高を推定する推定部とをさらに備え、前記情報送信部は、前記地上高の推定結果を前記地上高情報として送信することを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、請求項3に記載の荷役システムは、荷が積まれている荷台を備えるトラックと、前記荷を取る無人フォークリフトとを備える荷役システムであって、前記トラックは、前記荷の積載量に応じた現時点での前記荷台の地上高を推定するためのデータを取得するデータ取得部と、前記データを送信するデータ送信部とを備え、前記無人フォークリフトは、前記荷を取るために昇降可能に設けられたフォークと、前記データを受信するデータ受信部と、前記データに基づいて前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高を推定する推定部と、前記フォークで荷を取る際に、前記地上高の推定結果に基づいて前記フォークの昇降を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するため、請求項4に記載の荷役システムは、荷が積まれている荷台を備えるトラックと、前記荷台の地上高を推定する推定装置と、前記荷を取る無人フォークリフトとを備える荷役システムであって、前記トラックは、前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高を推定するためのデータを取得するデータ取得部と、前記データを送信するデータ送信部とを備え、前記推定装置は、前記データを受信するデータ受信部と、前記データに基づいて前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高を推定する推定部と、前記荷の積載量に応じた現時点での前記地上高に係る地上高情報を送信する情報送信部とを備え、前記無人フォークリフトは、前記荷を取るために昇降可能に設けられたフォークと、前記地上高情報を受信する情報受信部と、前記フォークで荷を取る際に、前記地上高情報に基づいて前記フォークの昇降を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の荷役システムは、請求項2~4のいずれか一項に記載の荷役システムにおいて、前記荷の積載量を示す教師用荷重データと当該教師用荷重データが得られた時点での前記地上高とを教師データとした機械学習により生成された地上高推定モデルを記憶する記憶部をさらに備え、前記データ取得部は、前記荷台に積まれた前記荷の積載量を示す現時点での荷重データを取得し、前記推定部は、前記記憶部に記憶された前記地上高推定モデルと、前記データ取得部で取得された前記荷重データとに基づいて、前記地上高を推定することを特徴とする。
なお、ここでいう「現時点」とは、限定された僅かな一瞬を意味するものではなく、また、教師用荷重データが得られた時点(すなわち地上高推定モデル生成時点)ではなく、地上高を推定する際の任意の時期(タイミング)を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トラックの荷台の地上高が変化する場合であっても、無人フォークリフトで荷台から荷を取ることが可能な荷役システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る荷役システムの概要図である。
図2】第1実施形態に係るトラックおよび無人フォークリフトの概略構成を示すブロック図である。
図3】第2実施形態に係るトラックおよび無人フォークリフトの概略構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第3実施形態に係る荷役システムの概要図である。
図5】第3実施形態に係るトラック、無人フォークリフト、および、推定装置の概略構成を示すブロック図である。
図6】(A)は、変形例に係るトラックの概略構成を示すブロック図であり、(B)は、変形例に係る無人フォークリフトの概略構成を示すブロック図であり、(C)は、変形例に係る推定装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る荷役システム1を説明する。
図1に示すように、本実施形態の荷役システム1は、1個以上の荷Lが積載されたトラック1Aと、トラック1Aから所定の場所に荷Lを搬送する1台以上の無人フォークリフト1Bとにより構成されている。荷Lは、パレットPおよびパレットP上に置かれた物品Gを含んだ重量物であり、パレットPは、後述するフォーク22が差し込まれる差込口P1を有している。
【0015】
トラック1Aは、荷Lが積まれている荷台11、および、荷台11に加わる荷重を支持するタイヤ12等を備えている。荷台11に積まれた荷Lの重さに応じてタイヤ12が変形することにより、荷台11の地上高(すなわち地表面から荷台11までの距離)は変化する。具体的には、荷台11に積まれている荷Lの総重量が小さいと荷台11は高くなり、荷台11に積まれている荷Lの総重量が大きいと荷台11は低くなる。
【0016】
無人フォークリフト1Bは、地上を走行する車両本体21と、荷Lを取るために昇降可能に設けられたフォーク22とを備えている。
【0017】
図2は、トラック1Aおよび無人フォークリフト1Bのブロック図を示している。
図2に示すように、トラック1Aは、データ取得部13と、記憶部14と、推定部15と、情報送信部16とを備えている。トラック1Aは、情報送信部16で地上高情報を送信する。
【0018】
データ取得部13は、荷台11の地上高が導出されるデータを取得する。具体的には、例えば、データ取得部13は、荷重を測定する荷重センサーにより構成されており、荷台11に加わっている荷重(荷台11に積まれた荷Lの積載量)を示す荷重データを取得する。
【0019】
記憶部14は、データ取得部13で取得されたデータから荷台11の地上高を推定するための地上高推定モデルを予め記憶している。地上高推定モデルは、例えば、荷Lの積載量を示す教師用荷重データと当該教師用荷重データが得られた時点での荷台11の地上高とを教師データとした機械学習により生成されたものである。
【0020】
推定部15は、記憶部14に記憶された地上高推定モデルと、データ取得部13で取得されたデータとに基づいて、トラック1Aの荷台11の地上高を推定する。具体的には、例えば、推定部15は、地上高推定モデルと荷Lの積載量を示す荷重データとに基づいて、荷台11の地上高を推定する。
【0021】
情報送信部16は、直接的または間接的に無人フォークリフト1Bと通信する通信装置により構成されている。情報送信部16は、推定部15で推定された地上高の推定結果を地上高情報として送信する。
【0022】
また、図2に示すように、無人フォークリフト1Bは、情報受信部24と、制御部25とを備えている。本実施形態の無人フォークリフト1Bは、情報受信部24によりトラック1Aから地上高情報を受信する。
【0023】
情報受信部24は、直接的または間接的にトラック1Aと通信する通信装置により構成されている。情報受信部24は、推定部15による荷台11の地上高の推定結果を地上高情報として受信する。
【0024】
制御部25は、フォーク22で荷Lを取る際に、情報受信部24で受信した地上高情報、すなわち推定部15による地上高の推定結果に基づいてフォーク22の昇降を制御する。具体的には、例えば、制御部25は、推定部15で推定された荷台11の地上高に所定量の高さを加算することで荷台11に積まれたパレットPの差込口P1の高さを算出し、算出した差込口P1の高さにフォーク22を上昇させて停止させるように昇降部23を制御する。すなわち、制御部25は、推定された荷台11の地上高から導出される差込口P1の高さ(荷取り高さ)にフォーク22を上昇させて停止させる。
【0025】
トラック1Aおよび無人フォークリフト1Bの動作の一例を説明する。
トラック1Aは、推定部15で荷台11の地上高を推定し、地上高情報として荷台11の地上高の推定結果を送信し、無人フォークリフト1Bが、その地上高の推定結果を受信する。次いで、無人フォークリフト1Bは、トラック1Aの荷台11に接近し、荷台11の地上高の推定結果に基づいて、差込口P1の高さにフォーク22を上昇させて停止させた後、差込口P1にフォーク22を差し込む。そして、無人フォークリフト1Bは、フォーク22で荷Lを持ち上げて(すなわち荷Lを取り)、所定の場所に荷Lを搬送する。
【0026】
本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)荷台11の地上高に係る地上高情報が、トラック1Aから無人フォークリフト1Bに送信され、この地上高情報に基づいて、荷Lを取る際のフォーク22の昇降が制御される。このため、荷台11に加わる荷重に応じて荷台11の地上高が変化する場合であっても、フォーク22を差込口P1に差し込みことができるように、適切な荷取り高さにフォーク22を上昇させて停止させることができ、荷台11から荷Lを取ることができる。
【0027】
(2)トラック1Aで荷台11の地上高が推定され、この地上高の推定結果が地上高情報として無人フォークリフト1Bに送信されるため、無人フォークリフト1Bに荷台11の地上高を推定する構成(後述する推定部28)を設けることが不要となる。
【0028】
(第2実施形態)
図3を参照して、本発明の第2実施形態に係る荷役システムを説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
【0029】
図3は、トラック1Aおよび無人フォークリフト1Bのブロック図を示している。
図3に示すように、本実施形態のトラック1Aは、推定部15および情報送信部16(図2参照)に代えて、データ送信部17を備えている。
【0030】
データ送信部17は、直接的または間接的に無人フォークリフト1Bと通信する通信装置により構成されている。データ送信部17は、データ取得部13で取得したデータ(例えば、荷Lの積載量を示す荷重データ)を送信する。
【0031】
また、図3に示すように、本実施形態の無人フォークリフト1Bは、情報受信部24(図2参照)に代えて、データ受信部26と、記憶部27と、推定部28とを備えている。
【0032】
データ受信部26は、直接的または間接的にトラック1Aと通信する通信装置により構成されている。データ受信部26は、データ送信部17が送信したデータ、すなわちデータ取得部13で取得されたデータを受信する。
【0033】
記憶部27は、記憶部14と同様に、データ取得部13で取得されたデータから荷台11の地上高を推定するための地上高推定モデルを予め記憶している。
【0034】
推定部28は、記憶部27に記憶された地上高推定モデルと、データ受信部26で受信したデータ(すなわちデータ取得部13で取得されたデータ)とに基づいて、推定部15と同様に、トラック1Aの荷台11の地上高を推定する。本実施形態の制御部25は、推定部28による地上高の推定結果に基づいてフォーク22の昇降を制御する。
【0035】
トラック1Aおよび無人フォークリフト1Bの動作の一例について説明する。
トラック1Aは、当該トラック1Aに係るデータを送信し、無人フォークリフト1Bが、そのデータを受信して荷台11の地上高を推定する。次いで、無人フォークリフト1Bは、荷台11の地上高の推定結果に基づいて、差込口P1の高さにフォーク22を上昇させて停止させた後、差込口P1にフォーク22を差し込む。そして、無人フォークリフト1Bは、フォーク22で荷Lを持ち上げて荷Lを搬送する。
【0036】
本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(3)トラック1Aに係るデータが、トラック1Aから無人フォークリフト1Bに送信され、無人フォークリフト1Bで荷台11の地上高が推定され、この推定結果に基づいて、荷Lを取る際のフォーク22の昇降が制御される。このため、荷台11に加わる荷重に応じて荷台11の地上高が変化する場合であっても、フォーク22を差込口P1に差し込みことができるように、適切な荷取り高さにフォーク22を上昇させて停止させることができ、荷台11から荷Lを取ることができる。
【0037】
(4)無人フォークリフト1Bで荷台11の地上高が推定されるため、トラック1Aに荷台11の地上高を推定する構成(推定部15)を設けることが不要となる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、図4および図5を参照して本発明の第3実施形態に係る荷役システム2を説明する。なお、第1および第2実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、本実施形態の荷役システム2は、トラック1Aと、1台以上の無人フォークリフト1Bと、少なくとも1台の推定装置1Cとにより構成されている。
【0040】
図5は、トラック1A、無人フォークリフト1B、および、推定装置1Cのブロック図である。
図5に示すように、本実施形態においては、トラック1Aは、第2実施形態と同様の構成を備えており、無人フォークリフト1Bは、第1実施形態と同様の構成を備えている。なお、本実施形態のデータ送信部17および情報受信部24は、直接的または間接的に推定装置1Cと通信する通信装置により構成されている。
【0041】
また、図5に示すように、推定装置1Cは、データ受信部31と、記憶部32と、推定部33と、情報送信部34とを備えている。推定装置1Cは、地上高情報を複数の無人フォークリフト1Bに送信することで、地上高情報を配信するサーバーとして機能する。
【0042】
データ受信部31は、データ受信部26と同様に、直接的または間接的にトラック1Aと通信する通信装置により構成されており、データ送信部17が送信したデータを受信する。
【0043】
記憶部32は、記憶部14,27と同様に、データ取得部13で取得されたデータから荷台11の地上高を推定するための地上高推定モデルを予め記憶している。
【0044】
推定部33は、記憶部32に記憶された地上高推定モデルと、データ受信部31で受信したデータ(すなわちデータ取得部13で取得されたデータ)とに基づいて、推定部15,28と同様に、トラック1Aの荷台11の地上高を推定する。
【0045】
情報送信部34は、情報送信部16と同様に、直接的または間接的に無人フォークリフト1Bと通信する通信装置により構成されている。情報送信部34は、推定部33で推定された地上高の推定結果を地上高情報として送信する。
【0046】
本実施形態の情報受信部24は、推定部33による荷台11の地上高の推定結果を地上高情報として受信する。また、本実施形態の制御部25は、推定部33による地上高の推定結果に基づいてフォーク22の昇降を制御する。
【0047】
トラック1A、無人フォークリフト1B、および、推定装置1Cの動作の一例を説明する。
トラック1Aは、当該トラック1Aに係るデータを送信し、推定装置1Cは、そのデータを受信して荷台11の地上高を推定し、地上高情報として荷台11の地上高の推定結果を送信する。無人フォークリフト1Bは、その地上高の推定結果を受信し、その推定結果に基づいて、差込口P1の高さにフォーク22を上昇させて停止させた後、差込口P1にフォーク22を差し込む。そして、無人フォークリフト1Bは、フォーク22で荷Lを持ち上げて荷Lを搬送する。
【0048】
本実施形態によれば以下の効果が得られる。
(5)トラック1Aに係るデータが、トラック1Aから推定装置1Cに送信され、推定装置1Cで荷台11の地上高が推定され、この推定結果に基づいて、荷Lを取る際のフォーク22の昇降が制御される。このため、荷台11に加わる荷重に応じて荷台11の地上高が変化する場合であっても、フォーク22を差込口P1に差し込みことができるように、適切な荷取り高さにフォーク22を上昇させて停止させることができ、荷台11から荷Lを取ることができる。
【0049】
(6)推定装置1Cで荷台11の地上高が推定され、この地上高の推定結果が地上高情報として無人フォークリフト1Bに送信されるため、トラック1Aおよび無人フォークリフト1Bに荷台11の地上高を推定する構成(推定部15,28)を設けることが不要となる。
【0050】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、上記構成を変更することもできる。例えば、以下のように変更して実施することもでき、以下の変更を組み合わせて実施することもできる。
【0051】
図6(A)~(C)に示すように、第1実施形態のトラック1A、第2実施形態の無人フォークリフト1B、および、第3実施形態の推定装置1Cが、モデル生成部41を備えていてもよい。モデル生成部41は、教師データに基づいて荷台11の地上高を推定するための地上高推定モデルを生成し、記憶部14,27,32は、モデル生成部41で生成された地上高推定モデルを記憶する。こうして、モデル生成部41で生成された地上高推定モデルに基づいて荷台11の地上高が推定されるように構成されていてもよい。なお、教師データとして、データ取得部13で取得したデータまたはデータ受信部26,31で受信したデータ、および、フォーク22の昇降量に基づく荷台11の地上高の算出結果を用いてもよい。
【0052】
上記構成によれば、モデル生成部41により地上高推定モデルを容易に更新することができ、地上高推定モデルを更新することで(すなわち機械学習を発展させることで)地上高の推定精度を高めることができる。
【0053】
・第1実施形態において、荷役システム1は、トラック1Aの情報送信部16と複数の無人フォークリフト1Bの情報受信部24との通信を中継する通信中継部として機能するサーバーをさらに備えていてもよい。
【0054】
・第2実施形態において、荷役システム1は、トラック1Aのデータ送信部17と複数の無人フォークリフト1Bのデータ受信部26との通信を中継する通信中継部として機能するサーバーをさらに備えていてもよい。
【0055】
・第3実施形態において、荷役システム2は、トラック1Aのデータ送信部17と推定装置1Cのデータ受信部31との通信を中継する通信中継部、または、推定装置1Cの情報送信部34と複数の無人フォークリフト1Bの情報受信部24との通信を中継する通信中継部として機能するサーバーをさらに備えていてもよい。
【0056】
・データ取得部13で取得されるデータは、荷台11の地上高が導出されるデータであれば、荷重データ以外のデータであってもよい。すなわち、例えば、データ取得部13は、荷台11の地上高が導出されるデータとして、例えば、タイヤ12の空気圧に係る空気圧データを取得してもよい。
【0057】
・第1実施形態において、荷台11の高さを入力装置で受け付ける構成をトラック1Aに設け、荷台11の高さを推定することなく、入力装置で受け付けた荷台11の高さを地上高情報として情報送信部16で送信するように構成することもできる。この場合、トラック1Aに荷台11の地上高を推定する構成(推定部15)を設けることが不要となる。
【0058】
・荷Lを構成する物品Gは、パレットP上に置かれていなくてもよい。すなわち、物品Gにフォーク22が差し込まれる差込口が形成され、荷LがパレットPにより構成されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1,2 荷役システム
1A トラック
1B 無人フォークリフト
1C 推定装置
11 荷台
13 データ取得部
14 記憶部
15 推定部
16 情報送信部
17 データ送信部
22 フォーク
24 情報受信部
25 制御部
26 データ受信部
27 記憶部
28 推定部
31 データ受信部
32 記憶部
33 推定部
34 情報送信部
G 物品
L 荷
P パレット
P1 差込口
図1
図2
図3
図4
図5
図6