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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】焼結摩擦材及び焼結摩擦材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09K 3/14 20060101AFI20220524BHJP
   F16D 69/02 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
C09K3/14 520C
C09K3/14 520G
F16D69/02 F
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017125099
(22)【出願日】2017-06-27
(65)【公開番号】P2019006929
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000000516
【氏名又は名称】曙ブレーキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 敦
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-227969(JP,A)
【文献】特開2004-027035(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0203888(US,A1)
【文献】特開2017-057312(JP,A)
【文献】特開2017-002185(JP,A)
【文献】特開2016-098362(JP,A)
【文献】特開2016-074812(JP,A)
【文献】特開2003-113253(JP,A)
【文献】特開2016-147968(JP,A)
【文献】特開2014-122314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/14
F16D 69/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅成分の含有量が0.5質量%以下であり、マトリックスとしてチタン酸塩を含有し、さらにセラミックス材料及び潤滑材を含有する焼結摩擦材であって、
密度が2.3~4.0g/cm である、焼結摩擦材。
【請求項2】
前記チタン酸塩が、チタン酸アルカリ金属塩、チタン酸アルカリ土類金属塩及びチタン酸複合塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含有する、請求項1に記載の焼結摩擦材。
【請求項3】
前記チタン酸塩が、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム及びチタン酸マグネシウムカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含有する、請求項1又は2に記載の焼結摩擦材。
【請求項4】
前記チタン酸塩を10~60体積%含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼結摩擦材。
【請求項5】
さらに銅以外の金属材料を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の焼結摩擦材。
【請求項6】
マトリックスを構成するチタン酸塩を含む原材料を混合する工程、前記原材料を成形する工程、及び前記成形された成形体を焼結する工程を有し、
前記チタン酸塩が、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム及びチタン酸マグネシウムカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含有し、
前記焼結する工程における焼結温度が900~1300℃である、焼結摩擦材の製造方法。
【請求項7】
前記焼結摩擦材の密度が2.3~4.0g/cm である、請求項6に記載の焼結摩擦材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結摩擦材及び焼結摩擦材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、銅成分を含有する摩擦材は、制動時に生成する摩耗粉に銅を含み、河川、湖や海洋汚染等の原因となる可能性が示唆されている。そのため、使用を制限する動きが高まっており、環境負荷の高い銅成分の含有量が少なくても摩擦作用に優れた摩擦材が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、銅の代替材料として、マトリックスとして還元鉄粉と鋳鉄粉を組み合わせて用いる焼結摩擦材が開示されている。
特許文献2では、球状のチタン酸アルカリ粉末含有複合材料が開示されている。
【0004】
特許文献3では、自動車等のブレーキ装置を構成する摩擦材に適用できる複合チタン化合物粉末が開示されている。
特許文献4では、酸化物系セラミックス及び窒化物系セラミックスからなる群より選ばれる少なくとも一種をマトリックスとする摩擦材であって、黒鉛を含有する摩擦材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5405725号公報
【文献】特許第3492397号公報
【文献】特開2000-178026号公報
【文献】特許第6061592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術で用いられている鉄は、銅と融点が近い等の類似性を有し銅フリー焼結摩擦材のマトリックスとしての活用可能性は大きいが、鉄を一定量含有する摩擦材は、重さの点で改善の余地がある。また、初速度が300km/h程度の速度域においては、鉄のみをマトリックスとする鉄系焼結摩擦材の性能は銅系焼結摩擦材と比べてかなり低くなってしまう。
【0007】
また、特許文献2に記載の球状チタン酸アルカリ粉末含有複合材料は、マトリックスを熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とした複合材料であって、球状チタン酸アルカリ粉末をマトリックスとした摩擦材に関しては一切言及も示唆もされておらず、当然に、摩擦材としての評価も実施されていない。
【0008】
また、特許文献3には複合チタン化合物粉末を含むブレーキディスクパッドが記載されているが、該ブレーキディスクパッドはフェノール樹脂をマトリックスとした有機系摩擦材であり、耐熱性の観点から平均摩擦係数は改善の余地がある。
【0009】
さらに、特許文献4に記載の摩擦材では、初速度50km/hでの摩耗量は検討されているが、それ以上の高速度域での平均摩擦係数やパッド摩耗量については検討されていない。
【0010】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、環境対応摩擦材として銅成分を含有しない、又は銅成分含有量が一定量以下の摩擦材であって、高速度域での十分な摩擦係数及び耐摩耗性を有する、軽量化された焼結摩擦材を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、焼結摩擦材のマトリックスをチタン酸塩とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は下記<1>~<7>に関するものである。
<1>銅成分の含有量が0.5質量%以下であり、マトリックスとしてチタン酸塩を含有し、さらにセラミックス材料及び潤滑材を含有する焼結摩擦材。
<2>前記チタン酸塩が、チタン酸アルカリ金属塩、チタン酸アルカリ土類金属塩及びチタン酸複合塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含有する、<1>に記載の焼結摩擦材。
<3>前記チタン酸塩が、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム及びチタン酸マグネシウムカリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含有する、<1>又は<2>に記載の焼結摩擦材。
<4>前記チタン酸塩を10~60体積%含有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の焼結摩擦材。
<5>さらに銅以外の金属材料を含有する、<1>~<4>のいずれか1つに記載の焼結摩擦材。
<6>密度が2.3~4.0g/cmである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の焼結摩擦材。
<7>マトリックスを構成するチタン酸塩を含む原材料を混合する工程、前記原材料を成形する工程、及び前記成形された成形体を焼結する工程を有し、前記焼結する工程における焼結温度が900~1300℃である、焼結摩擦材の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、環境に優しく、高速度域での十分な摩擦係数及び耐摩耗性を有する、軽量化された焼結摩擦材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
【0015】
[焼結摩擦材の構成]
本発明に係る焼結摩擦材は、銅成分の含有量が0.5質量%以下であり、マトリックスとしてチタン酸塩を含有し、さらにセラミックス材料及び潤滑材を含有することを特徴とする。
【0016】
<マトリックス>
本明細書中において、「マトリックス」とは、摩擦材の主骨格となるものを意味する。摩擦材においてマトリックスとなる成分の含有量は該成分の種類によって異なるが、チタン酸塩をマトリックスとする場合には、チタン酸塩の含有量は10体積%以上であることが好ましく、12体積%以上がより好ましく、15体積%以上がさらに好ましい。
チタン酸塩の含有量を10体積%以上とすることにより、チタン酸塩を含む原材料を成形、焼結した際に、該チタン酸塩そのものが焼結されて、摩擦材の骨格を形成する。
【0017】
また、チタン酸塩の含有量は60体積%以下が好ましく、58体積%以下がより好ましく、55体積%以下がさらに好ましい。
チタン酸塩の含有量を60体積%以下とすることにより、研削材や潤滑材等、摩擦材として必要なその他の成分を十分に含有させることができるようになる。
【0018】
なお、例えば、樹脂をマトリックスとする摩擦材が充填材としてチタン酸塩を含む場合には、該摩擦材は加熱温度が低いため、チタン酸塩は原材料として混合した形状のまま摩擦材内に留まることになる。この場合のチタン酸塩と、本発明のチタン酸塩をマトリックスとした焼結摩擦材中のチタン酸塩とは、SEM(Scanning Electron Microscope)観察等により明確に区別することが可能である。本発明の焼結摩擦材においては、チタン酸塩そのものが焼結した状態であり、マトリックスを形成している。
【0019】
チタン酸塩は高い耐摩耗性等を有する化合物であり、摩擦材の耐摩耗性等を高めることに寄与する。
【0020】
また、チタン酸塩は鉄等の金属に比べて密度が低いことから、鉄のみをマトリックスとする鉄系焼結摩擦材に比べてチタン酸塩をマトリックスとする摩擦材は、その密度を下げることができ、軽量化が可能となる。
【0021】
本発明で使用するチタン酸塩としては、耐熱性及び耐摩耗性の観点から、チタン酸アルカリ金属塩、チタン酸アルカリ土類金属塩、チタン酸複合塩等が好ましく、具体例としては、チタン酸カリウム、チタン酸リチウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウムカリウム、チタン酸バリウム等が挙げられる。
また、作業環境衛生を考慮すると、球状、板状、鱗片状、柱状等の、いわゆるウィスカー(繊維)状ではない形状のチタン酸塩が望ましく用いられる。
【0022】
これらの中でも、本発明で使用するチタン酸塩は、耐熱性や耐摩耗性が向上する点から、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム及びチタン酸マグネシウムカリウムから選ばれる少なくとも1種のチタン酸塩を含むことが好ましい。
【0023】
<セラミックス材料>
本発明に係る焼結摩擦材は、セラミックス材料を含有する。セラミックス材料を含有させることにより、研削材として機能し、所望の摩擦係数を得ることができる。
本発明に係る焼結摩擦材全体中のセラミックス材料の含有量は、研削性と相手材攻撃性のバランスの観点から、5~25体積%が好ましい。
【0024】
セラミックス材料としては、例えば、マグネシア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、酸化クロム、四三酸化鉄(Fe)、クロマイト等の摩擦材の研削材として使用されるものや、アルミナ繊維等のセラミックス繊維等が挙げられる。セラミックス繊維に関しては、作業環境衛生を考慮すると、生体溶解性のものが望ましく用いられる。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。
これらの中でも、研削性と相手材攻撃性のバランスの観点から、マグネシア、アルミナが好ましい。
【0025】
<潤滑材>
本発明に係る焼結摩擦材は、潤滑材を含有する。潤滑材を含有させることにより、相手材との焼き付きを防止するとともに、焼結摩擦材の寿命(耐摩耗性)を向上させることができる。
本発明に係る焼結摩擦材全体中の潤滑材の含有量は、耐摩耗性の観点から、35~55体積%が好ましい。
【0026】
潤滑材としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン、硫化スズ、硫化鉄、硫化亜鉛等が挙げられる。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。
これらの中でも、焼結性及び耐摩耗性の観点から、人造黒鉛、天然黒鉛が好ましい。
【0027】
<金属材料>
本発明に係る焼結摩擦材は、さらに銅以外の金属材料を含有することができる。銅以外の金属材料を含有させることにより、マトリックスを補強することができる。
なお、本発明に係る焼結摩擦材全体中の銅成分の含有量は、環境負荷低減の観点から、0.5質量%以下であり、含有しないことが好ましい。
【0028】
本発明に係る焼結摩擦材全体中の銅以外の金属材料の含有量は、マトリックス補強の観点から、5~10体積%が好ましい。
【0029】
銅以外の金属材料としては、例えば、チタン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、鉄、スズ、Fe-Al金属間化合物等が挙げられる。これらは各々単独、または2種以上組み合わせて用いられる。これらは粉末状、繊維状等のいずれの形状でも用いることができる。
これらの中でも、マトリックス補強の観点から、鉄粉が好ましい。
【0030】
<密度>
本発明に係る焼結摩擦材は、マトリックスをチタン酸塩とすることにより、銅や鉄等の金属のみをマトリックスとする焼結摩擦材に比して密度を小さくすることができる。本発明に係る焼結摩擦材の密度は2.3~4.0g/cmであることが好ましい。
焼結摩擦材の密度が2.3g/cmより小さいと焼結摩擦材の気孔率が上がり強度が低下する傾向にあり、4.0g/cmより大きいと焼結摩擦材の硬度が上がり摩擦係数が下がる傾向にある。
【0031】
なお、焼結摩擦材の密度はその寸法から体積を求め、重量計測して算出することによって測定できる。
【0032】
[焼結摩擦材の製造方法]
本発明に係る焼結摩擦材は、マトリックスを構成するチタン酸塩を含む原材料を混合する工程、前記原材料を成形する工程、及び前記成形された成形体を焼結する工程により製造することができる。
【0033】
原材料の混合工程として、原材料が均一に混合される限り、特に制限されることはなく公知の方法を利用することができる。具体的には、原材料に適量の有機溶剤を添加し、これらの原材料が均一に分散するように回転混合機などを用いて湿式混合する方法を利用することができる。
【0034】
次に、得られた焼結摩擦材の原材料を成形する工程を行う。成形する工程では、一軸加圧成形、CIP成形(冷間静水圧成形)等の乾式成形法;射出成形、押出成形等の塑性成形法;泥漿鋳込み、加圧鋳込み、回転鋳込み等の鋳込み成形法;ドクターブレード法等のテープ成形法;冷間プレス等を適宜用いることができる。上記成形方法は単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。
成形面圧は、成形性の観点から、300~900MPaが好ましい。
【0035】
上記で成形された成形体を焼結する工程では、雰囲気焼結法、反応焼結法、常圧焼結法、熱プラズマ焼結法等により焼結を行うことができる。焼結温度及び焼結温度での保持時間はマトリックスとなるチタン酸塩の種類や含有量等に応じて適宜設定することができる。
【0036】
本発明においては、焼結する工程における焼結温度は900~1300℃であり、好ましくは950~1250℃であり、より好ましくは1000~1200℃である。
焼結温度が900℃より低いとマトリックスが脆弱となり、1300℃より高いと原材料の溶融が開始してしまうおそれがある。
【0037】
焼結温度での保持時間もマトリックスとなるチタン酸塩の種類や含有量等によって異なるが、焼結性の観点から、30~180分が好ましい。
【0038】
また、焼結する工程においては加圧しながら焼結することが好ましい。焼結面圧は、焼結性の観点から、1~18MPaが好ましい。
【0039】
なお、焼結は、マトリックスとなるチタン酸塩の種類や添加する原材料の種類によって、大気中や、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で行ってもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガス等のような還元性ガス中で行ってもよい。また、真空中で行ってもよい。
【0040】
上記の工程を経て得られる焼結体を、必要に応じて、切削、研削、研摩等の処理を施すことにより本発明の焼結摩擦材が製造される。
【実施例
【0041】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
【0042】
<実施例1~11、比較例1>
表1に示す配合組成の焼結摩擦材の原材料を、混合機を用いて混合した。
次に、得られた原材料混合物を成形面圧900MPaで冷間プレスにて成形した。
【0043】
得られた成形物を黒鉛型に投入しホットプレス法で焼結させ、実施例1~11及び比較例1の焼結摩擦材を得た。焼結条件は表1のとおりである。
【0044】
(密度)
焼結摩擦材の密度をその寸法から体積を求め、重量計測して算出することによって測定した。
結果を表1に示す。
【0045】
(摩擦試験)
得られた焼結摩擦材から試験片を作製し、曙エンジニアリング株式会社製フリクションアナライザー摩擦試験機を用いて、下記試験条件により摩擦試験を実施した。
ディスク有効半径:179mm
摩擦材面積:7cm
慣性:8kg・m
押付力:0.5MPa
周速:33m/sec(初速度170km/h相当)又は58m/sec(初速度300km/h相当)
上記条件で、焼結摩擦材の平均摩擦係数(μ)および摩耗量を測定した。
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
実施例1~11の焼結摩擦材は、比較例1の鉄系焼結摩擦材よりも密度が小さく軽量であり、平均摩擦係数が高く、摩耗量が少なかった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る焼結摩擦材は、銅成分を含まない又は一定量以下しか含有しないことから、環境低負荷な摩擦材である。また、本発明に係る焼結摩擦材は、鉄のみをマトリックスとする鉄系焼結摩擦材よりも軽量で、高速域において優れた摩擦係数及び耐摩耗性を有する。
本発明に係る焼結摩擦材は、乗用車、商用車、二輪車、鉄道等輸送機器全般や産業機械等のブレーキに用いることができる。