(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-23
(45)【発行日】2022-05-31
(54)【発明の名称】プレス装置およびプレス装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B30B 15/14 20060101AFI20220524BHJP
【FI】
B30B15/14 Q
(21)【出願番号】P 2017171097
(22)【出願日】2017-09-06
【審査請求日】2020-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】394019082
【氏名又は名称】コマツ産機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】正藤 勇介
(72)【発明者】
【氏名】政野 峻
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-260094(JP,A)
【文献】特開2001-185228(JP,A)
【文献】特開2009-148130(JP,A)
【文献】特開2003-230997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 15/14
H02J 7/00
H02P 29/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上金型が装着可能なスライドと、
前記スライドの下方に配置され下金型が載置可能なボルスタと、
蓄電した電力を前記サーボモータに供給可能な蓄電ユニットと、
前記蓄電ユニットから供給される電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出値に基づいて、前記蓄電ユニットから前記サーボモータへの電流の供給を停止する停止制御を行う制御部
と、
前記サーボモータを制御するサーボアンプと、を備え、
前記制御部は、前記サーボアンプに前記サーボモータの停止指令を出力することにより、前記停止制御を行う、
プレス装置。
【請求項2】
上金型が装着可能なスライドと、
前記スライドの下方に配置され下金型が載置可能なボルスタと、
前記スライドを駆動するサーボモータと、
蓄電した電力を前記サーボモータに供給可能な蓄電ユニットと、
前記蓄電ユニットから供給される電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出値に基づいて、前記蓄電ユニットから前記サーボモータへの電流の供給を停止する停止制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、所定の判定時間において前記蓄電ユニットから供給される電流の平均値
または積算値が所定閾値を超えたと判定した場合に前記停止制御を行う、
プレス装置。
【請求項3】
前記蓄電ユニットから前記サーボモータへの電流のラインを遮断する遮断部を更に備え、
前記制御部は、前記遮断部を動作させることにより、前記停止制御を行う、
請求項1
または2に記載のプレス装置。
【請求項4】
前記制御部は、
所定時間ごとに前記電流検出部の前記検出値を取得する取得部と、
前記検出値に基づいて、電流値のピークを検出するピーク検出部と、
前記電流値のピークを中心として前記判定時間における電流の平均値を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記電流の平均値と、前記所定閾値を比較し、前記電流の平均値が前記所定閾値を超えているか否かを判定する判定部と、
前記電流の平均値が前記所定閾値を超えていると前記判定部によって判定された場合に前記停止制御を行う停止実行部と、を有する、
請求項
2に記載のプレス装置。
【請求項5】
時間の異なる複数の前記判定時間が設けられており、
前記所定閾値は、各々の前記判定時間に対応付けられて設けられており、
時間が長い前記判定時間ほど、対応する前記所定閾値は小さく設定されている、
請求項
2または
4に記載のプレス装置。
【請求項6】
前記蓄電ユニットは、複数設けられており、
前記電流検出部は、各々の前記蓄電ユニットに対して設けられており、
前記停止制御は、全ての前記蓄電ユニットから前記サーボモータへ電流が供給されることを停止する制御であり、
前記制御部は、少なくとも1つの前記蓄電ユニットから供給される電流の平均値が前記所定閾値を超えたと判定した場合、前記停止制御を実行する、請求項
2、4、および5のいずれか1項に記載のプレス装置。
【請求項7】
前記蓄電ユニットは、複数の蓄電デバイスを有し、
前記蓄電デバイスは、電気二重層キャパシタである、
請求項1~
6のいずれか1項に記載のプレス装置。
【請求項8】
蓄電ユニットから、スライドを駆動するサーボモータに供給される電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップでの検出値に基づいて、前記蓄電ユニットから前記サーボモータへの電流の供給を停止する停止ステップと、を備え
、
前記停止ステップは、前記サーボモータを制御するサーボアンプに前記サーボモータの停止指令を出力する、
プレス装置の制御方法。
【請求項9】
蓄電ユニットから、スライドを駆動するサーボモータに供給される電流を検出する検出ステップと、
前記検出ステップでの検出値に基づいて、前記蓄電ユニットから前記サーボモータへの電流の供給を停止する停止ステップと、を備え、
前記停止ステップは、所定の判定時間において前記蓄電ユニットから供給される電流の平均値または積算値が所定閾値を超えたと判定した場合に前記停止を行う、
プレス装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス装置およびプレス装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車等の生産メーカでは、金型を用いたプレス装置によってボデー等が生産されている。近年、プレス装置としては、サーボモータ駆動方式のプレス機械が用いられている。
このようなサーボモータ駆動方式のプレス機械では、プレス成形時に大きなピーク電力が発生し、工場電圧または工場外電圧が降下しフリッカ等の問題が発生する場合がある。
【0003】
一方、電力のピークを抑制するため、プレス装置にアルミ電解コンデンサを搭載する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電解液を用いた蓄電装置を用いる場合、短時間で大電流が流れると、電解液が気化し蓄電性能が劣化(容量減少および寿命劣化など)する場合がある。
本発明は、蓄電性能の劣化を低減することが可能なプレス装置およびプレス装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、発明にかかるプレス装置は、スライドと、ボルスタと、サーボモータと、蓄電ユニットと、電流検出部と、制御部と、を備える。スライドは、上金型が装着可能である。ボルスタは、スライドの下方に配置され下金型が載置可能である。サーボモータは、スライドを駆動する。蓄電ユニットは、蓄電した電力をサーボモータに供給可能である。電流検出部は、蓄電ユニットから供給される電流を検出する。制御部は、電流検出部の検出値に基づいて、蓄電ユニットからサーボモータへの電流の供給を停止する停止制御を行う。
【0007】
また、他の発明にプレス装置の制御方法は、検出ステップと、判定ステップと、停止ステップと、を備える。検出ステップは、蓄電ユニットから、スライドを駆動するサーボモータに供給される電流を検出する。停止ステップは、検出ステップでの検出値に基づいて、蓄電ユニットからサーボモータへの電流の供給を停止する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓄電性能の劣化を低減することが可能なプレス装置およびプレス装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明にかかる実施の形態におけるプレス装置を示す模式図。
【
図2】
図1のプレス装置のキャパシタユニットを示す斜視図。
【
図3】
図1のプレス装置のコントローラの構成を示すブロック図。
【
図4】
図2のキャパシタユニットにおける通電時間と連続して通電した場合に許容可能な最大電流との関係を示す図。
【
図5A】
図1のプレス装置の制御動作を示すフロー図。
【
図5B】
図1のプレス装置の制御動作を示すフロー図。
【
図6】
図1のプレス装置を用いた場合における工場電源からの供給電力を示す図。
【
図7】
図1の電流センサによって検出された電流値の時間変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のプレス装置について図面を参照しながら以下に説明する。
<1.構成>
(1-1.プレス装置の概要)
図1は、本発明にかかる実施の形態のプレス装置1の構成を示す模式図である。
本実施の形態のプレス装置1は、上金型7と下金型8を用いて材料にプレス加工を行う。プレス装置1は、スライド2と、ボルスタ3と、スライド駆動部4と、サーボ電源部5と、蓄電システム部6と、メインブレーカ9と、コントローラ10と、を主に備える。
【0011】
スライド2の下面には、上金型7が取りつけられる。ボルスタ3の上面には、下金型8が載置される。スライド駆動部4は、スライド2を昇降移動させる。サーボ電源部5は、工場電源100から供給された交流を直流に変換して蓄電システム部6に出力する。蓄電システム部6は、工場電源100若しくはスライド駆動部4において生じる回生電力を蓄電する。メインブレーカ9は、工場電源100からプレス装置1に供給する電力をオン・オフする。コントローラ10は、スライド駆動部4、サーボ電源部5、および蓄電システム部6の制御を行う。
【0012】
(1-2.スライド駆動部)
スライド駆動部4は、サーボモータ21と、サーボアンプ22と、ピニオンギヤ23と、メインギヤ24と、クランクシャフト25と、コンロッド26とを有する。サーボモータ21は、スライド2の駆動源である。サーボアンプ22は、サーボモータ21に駆動電流を供給する。ピニオンギヤ23は、サーボモータ21と連結されており、サーボモータ21の回転によって回転する。メインギヤ24は、ピニオンギヤ23と噛み合っており、ピニオンギヤ23の回転に伴って回転する。クランクシャフト25は、メインギヤ24と連結されており、メインギヤ24の回転によって回転する。コンロッド26は、クランクシャフト25とスライド2を連結する。本実施の形態では、コンロッド26は2つ設けられている。
【0013】
サーボアンプ22からの駆動電流によってサーボモータ21が回転すると、ピニオンギヤ23が回転し、ピニオンギヤ23の回転と共にメインギヤ24も回転する。メインギヤ24の回転によりクランクシャフト25が回転し、コンロッド26が上下動する。これによってコンロッド26が接続されているスライド2が昇降移動する。
(1-3.サーボ電源部)
サーボ電源部5は、高調波フィルタモジュール31と、リアクトル32と、PWMコンバータ33とを有する。高調波フィルタモジュール31は、PWMコンバータ33において発生する高調波が工場電源100側に戻ることを防ぐ。
【0014】
リアクトル32とPWMコンバータ33はチョッパー回路を構成し、交流を直流に変換し昇圧する。工場電源100からは所定電圧の交流が供給されており、PWMコンバータ33からは所定電圧よりも高い電圧の直流が出力される。PWMコンバータ33とサーボアンプ22は、DCバスライン14によって接続されている。また、PWMコンバータ33は、DCバスライン14における電圧を監視する。
【0015】
(1-4.蓄電システム部)
蓄電システム部6は、複数の電気二重層キャパシタ601(後述する
図2参照)が設けられた蓄電盤42と、動作前に電気二重層キャパシタ601を充電する初期充電回路41と、初期充電回路41をバイパスするための短絡コンタクタ43と、電気二重層キャパシタ601からサーボモータ21への電流の供給を遮断する短絡コンタクタ44と、を備える。
【0016】
(1-4-1.初期充電回路)
初期充電回路41は、DCバスライン14上に設けられており、蓄電盤42に設けられた複数の電気二重層キャパシタ601(後述する)を充電するための回路である。すなわち、プレス装置1を動作する前には、蓄電盤42の電気二重層キャパシタ601は充電されていないため、工場電源100から供給される電力を充電する。初期充電回路41は、DC/DCコンバータ51と、リアクトル52とを有している。初期充電回路41は、充電の際に電気二重層キャパシタ601に急激に電流が流れ込まないように電流を絞る。
【0017】
(1-4-2.短絡コンタクタ)
短絡コンタクタ43は、初期充電回路41をバイパスするようにDCバスライン14に接続されたバイパスライン15上に設けられている。すなわち、バイパスライン15は、初期充電回路41のPWMコンバータ33側においてDCバスライン14と接続され、初期充電回路41のサーボアンプ22側においてDCバスライン14と接続されている。短絡コンタクタ43をON状態にすることにより、PWMコンバータ33から出力された電流は、初期充電回路41をバイパスしてサーボアンプ22へと供給される。
【0018】
(1-4-3.蓄電盤)
蓄電盤42は、24個の電気二重層キャパシタ601(
図2参照)が設けられた4つのキャパシタユニット60と、4つの電流センサ61と、を有する。
図2は、蓄電盤42に設けられたキャパシタユニット60を示す図である。本実施の形態では、キャパシタユニット60は、2枚のヒートシンク602と、24個の直列接続された電気二重層キャパシタ601と、を有する。
【0019】
2枚のヒートシンク602は上下に配置されている。キャパシタユニット60では、一枚のヒートシンク602と、ヒートシンク602上に載置された12個の電気二重層キャパシタ601が、2段設けられている。2枚のヒートシンク602および24個の電気二重層キャパシタ601は、枠部材等によって固定されている。ヒートシンク602は、アルミによって形成された板形状の部材であり、ヒートシンク602には、冷却水が流通する流路が形成されている。ヒートシンク602の流路には、チラー12から冷却水が供給される。冷却水は、チラー12によって循環する。
【0020】
本実施の形態のプレス装置1では、
図1に示すように、キャパシタユニット60は4つ設けられており、4つのキャパシタユニット60は、工場電源100からサーボモータ21に電力を供給するライン(具体的にはDCバスライン14)に対して並列接続されている。詳細には、DCバスライン14のバイパスライン15の接続部とサーボアンプ22との間に、4つのキャパシタユニット60が繋がっている。また、本明細書において電気二重層キャパシタ601の電圧との記載は、キャパシタユニット60(24個直列に接続された電気二重層キャパシタ601)の電圧を示す。
【0021】
4つのキャパシタユニット60は、接続ライン16によってDCバスライン14に接続されている。接続ライン16は、DCバスライン14に接続されている共通ライン161と、各々のキャパシタユニット60と共通ライン161を接続する個別ライン162とを有する。
電流センサ61は、個別ライン162上に設けられている。電流センサ61は、各々のキャパシタユニット60からDCバスライン14に流れる電流を所定時間ごと(例えば、1msec)に計測する。
【0022】
(1-4-4.短絡コンタクタ)
短絡コンタクタ44は、共通ライン161に設けられている。短絡コンタクタ44がオン状態のとき、4つのキャパシタユニット60とDCバスライン14は電気的に繋がっており、4つのキャパシタユニット60からDCバスライン14へと電流を供給できる。また、短絡コンタクタ44がオフ状態のとき、4つのキャパシタユニット60とDCバスライン14の間は電気的に遮断されており、4つのキャパシタユニット60からDCバスライン14への電流の供給が停止される。
【0023】
(1-5.コントローラ)
図3は、コントローラ10の構成を示すブロック図である。コントローラ10は、取得部71と、記憶部72と、ピーク検出部73と、算出部74と、判定部75と、停止実行部76と、を少なくとも有する。
取得部71は、所定時間(例えば、1msec)ごとに4つの電流センサ61で検出された電流値を取得する。
【0024】
記憶部72は、取得部71によって取得された電流値を記憶する。なお、記憶部72は、電流値をキャパシタユニット60ごとに区別して記憶する。
ピーク検出部73は、各々の電流センサ61によって取得される電流のピークを検出する。ピーク検出部73は、例えば、電流センサ61から今回取得した電流値と、前回取得した電流値を比較し、前回取得した電流値よりも今回取得した電流値が小さい場合には、前回取得した電流値の検出タイミングにおいて電流値がピークに達したことを検出する。
【0025】
算出部74は、前回取得した電流値の検出タイミングを中心にした所定の判定時間における電流の平均値を算出する。判定時間は、複数設定されており、例えば、2msec、10msec、20msec、50msec、100msecの時間において電流の平均値を算出する。
判定部75は、判定時間について算出された電流の平均値と、その判定時間に対して設定されている閾値とを比較し、電流の平均値が閾値を超えているか否かを判定する。
【0026】
図4は、1つのキャパシタユニット60における通電時間に対して連続して通電可能な最大電流の値を示す図である。
図4では、例えば0.02secにおける許容最大電流は1200Aとなっている。これは、0.02secの間において1200Aの電流を連続して供給する場合が、キャパシタユニット60が許容できる最大電流値であることを示す。すなわち、0.02secの場合1200Aを閾値として、1200Aよりも大きい値の電流を0.02sec連続して供給すると、キャパシタユニット60の劣化につながると判定される。また、0.05secにおける許容最大電流は720Aとなっている。このため、0.05secでは、720Aよりも大きい値の電流を0.05sec連続して供給すると、キャパシタユニット60の劣化につながると判定される。
【0027】
なお、本実施の形態では、平均値を用いており、判定時間を0.02secとすると、その間の平均値が1200Aを超えた場合にキャパシタユニット60の劣化につながると判定される。また、仮に判定時間を0.05secとすると、その間の平均値が720Aを超えた場合にキャパシタユニット60の劣化につながると判定される。
このように、50msの判定時間における閾値は、20msの判定時間における閾値よりも低い値に設定されており、長い判定時間に対する閾値は低い値に設定されている。
【0028】
停止実行部76は、判定部75において所定の判定時間における電流の平均値が閾値を超えていると判定された場合に、短絡コンタクタ44をオフにして接続ライン16の電流の流れを遮断する。これによって、4つのキャパシタユニット60からサーボアンプ22への電流の供給が停止される。
<2.動作>
次に、本発明にかかる実施の形態のプレス装置1の動作について説明するとともに、本発明のプレス装置の制御方法の一例についても述べる。
図5Aおよび
図5Bは、本実施の形態のプレス装置1の制御を示すフロー図である。
【0029】
はじめに、プレス動作の際の制御についてステップS10~S22を参照して説明し、次に、キャパシタユニット60からの電流の供給を停止する停止制御についてステップS30~S47を参照して説明する。
はじめに、ステップS10において、コントローラ10からプレス運転準備信号が出力されているか否かが検出される。プレス運転準備信号は、プレス装置1を運転する際にユーザによってボタンが押されて出力される信号であり、プレス装置1を正常に動作させる準備が出来たことを示す信号である。
【0030】
次に、ステップS11において、電気二重層キャパシタ601に充電が行われる。短絡コンタクタ43はオフされている状態のため、バイパスライン15には電流が流れず、PWMコンバータ33から出力された電力は初期充電回路41へ流れる。初期充電回路41のDC/DCコンバータ51によって電流制御が行われながら、DCバスライン14に接続されている電気二重層キャパシタ601に電荷が蓄積される。DC/DCコンバータ51が、DCバスライン14の電圧を監視しており、ステップS12において、電気二重層キャパシタ601の電圧が所定電圧まで昇圧されるまで充電が行われる。なお、DC/DCコンバータ51は、入力側電圧と出力側電圧が一致すると充電が完了したと判断し、動作を停止する。
【0031】
ステップS12においてDC/DCコンバータ51によって電気二重層キャパシタ601の電圧が所定電圧まで昇圧されたことが検出されると、ステップS13において、コントローラ10は、短絡コンタクタ43を接続する。これによって、PWMコンバータ33からの出力は、初期充電回路41をバイパスしてサーボアンプ22へと供給され、ステップS18において電気二重層キャパシタ601からの充放電が開始される。
【0032】
ステップS13において短絡コンタクタ43が接続されると、ステップS14において、コントローラ10は、サーボモータ21を通電する。
次に、ステップS15において、設定されたモーションに従いサーボモータ21が動作してスライド2を上下動作させる。なお、スライド2の下方への移動の際、サーボモータ21は所定速度に達するまで加速し、その後一定速度で駆動する。サーボモータ21の駆動によるクランクシャフト25の回転に伴って、スライド2は下死点に達してから上昇する。そして、上死点でスライド2を停止させるために所定位置からサーボモータ21が減速される。
【0033】
そして、ステップS16において、サーボモータ21の停止信号が出力されている場合には、ステップS17において、サーボモータ21は停止する。これによって、スライド2が上死点で停止する。
プレス加工の際の消費電力の変化について
図6を用いて説明する。
図6は、プレス加工の際の電力の変化を示す図である。
図6には、点線L1と実線L2が示されている。点線L1は、プレス成形時におけるプレス装置1の消費電力の時間変化を示す。実線L2は、工場電源100から供給された電力の時間変化を示す。
【0034】
図6における時刻t1からスライド2の下方への移動が開始され、時刻t1~t2において、サーボモータ21が所定速度に達するまで加速されており、サーボモータ21によって電力が消費される。サーボモータ21によって電力が消費され、DCバスライン14の電圧が低下すると、サーボ電源部5からは予め設定された一定電力が供給される。実線L2に示すように、サーボ電源部5からは一定電力しか供給されないため、不足分が電気二重層キャパシタ601から供給される。すなわち、点線L1のうち実線L2よりも超えた分が電気二重層キャパシタ601から供給される。
【0035】
そして、時刻t2においてサーボモータ21の速度が所定速度に達すると、時刻t2からサーボモータ21は、一定速度で駆動する。時刻t2から、上金型7が材料(ワーク)に接触する時刻t3までサーボモータ21にかかる負荷が少ないため、点線L1に示す消費電力が少なくなっている。このとき、実線L2のうち点線L1よりも超えた分の電力が電気二重層キャパシタ601に充電される。
【0036】
次に、時刻t3から更にスライド2が下降しワークに対して時刻t4までプレス加工が行われる。このときに消費電力がピークとなるが、上述したようにサーボ電源部5からは予め設定された一定電力が供給され不足分の電力は電気二重層キャパシタ601から供給される。
そして、スライド2が所定位置に達すると、コントローラ10は、スライド2を上死点で停止するためにサーボモータ21を減速させる。
図6における、時刻t5がサーボモータ21の減速開始時刻を示し、時刻t6が減速終了を示す。
図6に示すように、時刻t5からt6では、出力がマイナス側になっており、サーボモータ21において回生電力が発生している。この回生電力は、電気二重層キャパシタ601に充電される。
【0037】
一方、上記ステップS14~ステップS17のプレス加工の間に、並行してステップS18~ステップS22の制御が行われている。上述したように、ステップS13における短絡コンタクタ43の接続によって、ステップS18において電気二重層キャパシタ601による充放電が開始される。
そして、次のステップS19では、PWMコンバータ33が、DCバスライン14の電圧が所定電圧以上になるか否かを判定している。そして、DCバスライン14の電圧が所定電圧以上になった場合、制御はステップS20へと進み、電力は、PWMコンバータ33の電源回生機能により工場電源100に回生される。DCバスライン14の電圧は電気二重層キャパシタ601の電圧と等しいため、PWMコンバータ33は、電気二重層キャパシタ601の電圧を検出していることになる。すなわち、電気二重層キャパシタ601の充電量が所定量以上になると、サーボモータ21で発生した回生電力は工場電源100へと回生される。また、ステップS19において、DCバスライン14の電圧が、所定電圧よりも小さい場合には、ステップS21において電気二重層キャパシタ601が充電される。
【0038】
なお、次のステップS22において、コントローラ10からプレス運転準備信号が出力されているか否かが検出される。プレス運転準備信号が検出されている間は、ステップS18~ステップS21が繰り返される。また、ステップS22において、コントローラ10からプレス運転準備信号が出力されていないことが検出されると、制御は終了する。
なお、初めに電気二重層キャパシタ601に充電を行った後は、サーボモータ21の減速時の回生電力等によって電気二重層キャパシタ601に充電が行われる。このため、工場電源100から入力を行わなくてもよい。
【0039】
以上のように、充電可能な電気二重層キャパシタ601を備えることによって、不足分は電気二重層キャパシタ601から供給されるため、
図6に示すように工場電源100から供給される電力を一定にすることができる。
上述したプレス制御の一例であるステップS10~S22の動作と並行して、
図5Bに示すように、停止制御の一例であるステップS30~S47の動作が行われる。
【0040】
ステップS30において、取得部71は、所定時間(例えば、1msec)ごとに4つの電流センサ61で検出された電流値を取得する。取得された電流値は、記憶部72に記憶される。
ステップS31において、ピーク検出部73は、各々の電流センサ61の検出値において、今回の検出タイミングにおける電流値が前回の検出タイミングにおける電流値より下がったか否かについて判定する。そして、下がった場合には、前回の検出タイミングにおいて電流値にピークが発生したことを検出する。なお、ピークは、例えば、
図6における時刻t3等で発生する。
【0041】
図7は、1つの電流センサ61によって検出された電流値の変化の一例を示す図である。1msごとに電流値が取得されているとする。例えば、時刻t11で取得した電流値A1と、時刻t11の次の検出タイミングである時刻t12(t11+1msec)で取得した電流値A2を比較すると、電流値A2の方が大きくなっているため、ステップS30における判定が繰りかえされる。次に、ピーク検出部73は、時刻t13(t12+1msec)で取得した電流値A3と時刻t12で取得した電流値A2とを比較するが、電流値A3の方が電流値A2よりも大きいため、ステップS30を再度繰り返す。
【0042】
次に、ピーク検出部73は、時刻t14(t13+1msec)で取得した電流値A4と時刻t13で取得した電流値A3とを比較し、今回の検出タイミングである時刻t14で取得した電流値A4の方が、前回の検出タイミングである時刻t13で取得した電流値A3よりも小さくなっているため、時刻t13において電流値のピークが発生したことを検出する。
【0043】
次に、ステップS32において、算出部74は、2msecの判定時間における電流の平均値を算出する。算出部74は、電流のピークのタイミングである時刻t13を中心にした前後1msecの間(
図7において判定期間J2で示す)における電流値のデータを記憶部72から取得する。具体的には、算出部74は、時刻t12、時刻t13および時刻t14の電流値を取得する。そして、算出部74は、時刻t13を中心とした2msecの間における電流の平均値を算出する。すなわち、
図7に示す時刻t12、時刻t13および時刻t14における電流値A2、A3およびA4の平均値が算出される。
【0044】
次に、ステップS33において、判定部75は、記憶部72に記憶されている2msecの判定時間において予め設定されている閾値と、算出部74によって算出された電流の平均値を比較する。電流の平均値が閾値を超えていると判定された場合には、制御はステップS34へすすむ。ここで、閾値は、
図4で説明した許容最大電流値に設定されている。すなわち、2msecにおける閾値は、キャパシタユニット60から2msecの間連続で電流を供給した場合に、キャパシタユニット60の劣化につながらない最大の電流値に設定されている。以下の10msecの判定時間における閾値、20msecの判定時間における閾値、50msecの判定時間における閾値、100msecの判定時間における閾値も同様である。
【0045】
そして、ステップS34において、停止実行部76は、短絡コンタクタ44をオフにし、4つのキャパシタユニット60からサーボアンプ22への電流の供給を停止する。
一方、ステップS33において、電流の平均値が閾値以下であると判定された場合には、ステップS35において、算出部74は、10msecの判定時間における電流の平均値を算出する。算出部74は、ピークの時刻t13の前後5msec(時刻t5~t6の間)の電流値のデータを記憶部72から取得する。
図7には、10msecの判定期間が、判定期間J10で示されている。そして、算出部74は、取得した電流値のデータ(時刻t15~t16の11個のデータ)の平均値を算出する。
【0046】
次に、ステップS36において、判定部75は、記憶部72に記憶されている10msecの判定時間において設定されている閾値と、算出部74によって算出された電流の平均値を比較する。電流の平均値が閾値を超えていると判定された場合には、制御はステップS37へすすみ、停止実行部76によって短絡コンタクタ44がオフにされ、4つのキャパシタユニット60からサーボアンプ22への電流の供給が停止される。
【0047】
一方、ステップS36において、電流の平均値が閾値以下であると判定された場合には、ステップS38において、算出部74は、20msecの判定時間における電流の平均値を算出する。算出部74は、ピークの時刻t13の前後10msecの電流値のデータを記憶部72から取得する。そして、算出部74は、取得した電流値のデータの平均値を算出する。
【0048】
次に、ステップS39において、判定部75は、記憶部72に記憶されている20msecの判定時間において設定されている閾値と、算出部74によって算出された電流の平均値を比較する。電流の平均値が閾値を超えていると判定された場合には、制御はステップS40へすすみ、停止実行部76によって短絡コンタクタ44がオフにされ、4つのキャパシタユニット60からサーボアンプ22への電流の供給が停止される。
【0049】
一方、ステップS39において、電流の平均値が閾値以下であると判定された場合には、ステップS41において、算出部74は、50msecの判定時間における電流の平均値を算出する。算出部74は、ピークの時刻t13の前後25msecの電流値のデータを記憶部72から取得する。そして、算出部74は、取得した電流値のデータの平均値を算出する。
【0050】
次に、ステップS42において、判定部75は、記憶部72に記憶されている50msecの判定時間において設定されている閾値と、算出部74によって算出された電流の平均値を比較する。電流の平均値が閾値を超えていると判定された場合には、制御はステップS43へすすみ、停止実行部76によって短絡コンタクタ44がオフにされ、4つのキャパシタユニット60からサーボアンプ22への電流の供給が停止される。
【0051】
一方、ステップS42において、電流の平均値が閾値以下であると判定された場合には、ステップS44において、算出部74は、100msecの判定時間における電流の平均値を算出する。算出部74は、ピークの時刻t13の前後50msecの電流値のデータを記憶部72から取得する。そして、算出部74は、取得した電流値のデータの平均値を算出する。
【0052】
次に、ステップS45において、判定部75は、記憶部72に記憶されている100msecの判定時間において設定されている閾値と、算出部74によって算出された電流の平均値を比較する。電流の平均値が閾値を超えていると判定された場合には、制御はステップS46へすすみ、停止実行部76によって短絡コンタクタ44がオフにされ、4つのキャパシタユニット60からサーボアンプ22への電流の供給が停止される。
【0053】
一方、ステップS45において、電流の平均値が閾値以下であると判定された場合には、ステップS47において、プレス運転準備信号がオフかオンか判定され、オンの場合には、制御はステップS30へと戻り、次にピークが検出されると、ステップS32~ステップS46の制御が行われる。
一方、ステップS47において、プレス運転準備信号がオフの場合には、制御は終了する。
【0054】
このように、電流のピークを検出するとそのピークを中心とする複数の判定時間において、それぞれに設定されている閾値を超えているか否かが判定され、閾値を超えている場合には、キャパシタユニット60を劣化させる可能性があると判定し、4つのキャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給が停止される。なお、短絡コンタクタ44のオフ状態への切換とともに、プレス装置1の動作も停止させてもよい。
【0055】
<3.特徴等>
(3-1)
本実施の形態におけるプレス装置1は、スライド2と、ボルスタ3と、サーボモータ21と、キャパシタユニット60(蓄電ユニットの一例)と、電流センサ61(電流検出部の一例)と、コントローラ10(制御部の一例)と、を備える。スライド2は、上金型7が装着可能である。ボルスタ3は、スライド2の下方に配置され下金型8が載置可能である。サーボモータ21は、スライド2を駆動する。キャパシタユニット60は、蓄電した電力をサーボモータ21に供給可能である。電流センサ61は、キャパシタユニット60から供給される電流を検出する。コントローラ10は、電流センサ61の検出値に基づいて、キャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給を停止する停止制御を行う。
【0056】
これにより、キャパシタユニット60から短時間に大電流が流れ、キャパシタユニット60の劣化につながる場合には、キャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給を停止することができる。このため、短時間において大電流が流れることによる電気二重層キャパシタ601への影響を抑制し、容量減少および寿命劣化を低減することが可能となり、蓄電性能の劣化を低減することができる。
【0057】
(3-2)
本実施の形態におけるプレス装置1は、短絡コンタクタ44(遮断部の一例)を更に備える。短絡コンタクタ44は、キャパシタユニット60からサーボモータ21への共通ライン161(電流のラインの一例)を遮断する。コントローラ10は、短絡コンタクタ44を動作させることにより、停止制御を行う。
【0058】
これにより、キャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給を停止することができる。
(3-3)
本実施の形態におけるプレス装置1では、コントローラ10(制御部の一例)は、所定の判定時間においてキャパシタユニットから供給される電流の平均値が所定閾値を超えたと判定した場合、停止制御を行う。
【0059】
これにより、電気二重層キャパシタの蓄電性能を劣化させる可能性のある大電流が短時間に流れる前に検出することができるため、蓄電性能の劣化を低減することができる。
(3-4)
本実施の形態におけるプレス装置1では、コントローラ10(制御部の一例)は、取得部と、ピーク検出部73と、算出部74と、判定部75と、停止実行部76と、を有する。取得部71は、所定時間ごとに電流センサ61からの検出値を取得する。ピーク検出部73は、検出値に基づいて、電流値のピークを検出する。算出部74は、電流値のピークを中心として判定時間における電流の平均値を算出する。判定部75は、算出部74によって算出された電流の平均値と、所定閾値を比較し、電流の平均値が所定閾値を超えているか否かを判定する。停止実行部76は、電流の平均値が所定閾値を超えていると判定部75によって判定された場合に停止制御を行う。
【0060】
これにより、電流値がピークに達した時刻t13を含む時間内における電流の平均値を算出することができるため、短時間に大電流が流れる可能性が高い時間帯において、停止制御を行うか否かの判定を行うことができる。
(3-5)
本実施の形態におけるプレス装置1では、時間の異なる複数の判定時間(例えば、2msec、5msec、10msec、20msec、50msec、100msec)が設けられている。所定閾値は、各々の判定時間に対応付けられて設けられている。時間が長い判定時間ほど、対応する所定閾値は小さく設定されている。
【0061】
通電時間によって電気二重層キャパシタ601に寿命劣化等の影響を及ぼす電流値が異なるため、複数の判定時間を設定し、それぞれの判定時間に対して閾値を設定することにより、電気二重層キャパシタ601に影響を及ぼす大電流の検出能力を向上することができる。
(3-6)
本実施の形態におけるプレス装置1では、キャパシタユニット60は、複数設けられている。電流センサ61(電流検出部の一例)は、各々のキャパシタユニット60に対して設けられている。停止制御は、全てのキャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給を停止する制御である。コントローラ10(制御部の一例)は、少なくとも1つのキャパシタユニット60から供給される電流の平均値が所定閾値を超えたと判定した場合、停止制御を実行する。
【0062】
これにより、複数のキャパシタユニット60が設けられた構成において、電気二重層キャパシタ601に悪影響を与えるような短時間における大電流の流れを検出することができる。
(3-7)
本実施の形態におけるプレス装置1では、キャパシタユニット60(蓄電ユニットの一例)は、複数の電気二重層キャパシタ601(蓄電デバイスの一例)を有する。
【0063】
これにより、大容量を蓄電することができる。
(3-8)
本実施の形態のプレス装置の制御方法は、ステップS31(検出ステップの一例)と、ステップS33、S36、S39、S42、S45、S34、S37、S40、S43、S46(停止ステップの一例)と、を備える。ステップS31(検出ステップの一例)は、キャパシタユニット60から、スライド2を駆動するサーボモータ21に供給される電流を検出する。ステップS33、S36、S39、S42、S45、S34、S37、S40、S43、S46(停止ステップの一例)は、ステップS31(検出ステップの一例)での検出値に基づいて、キャパシタユニットからサーボモータへの電流の供給を停止する。
【0064】
これにより、キャパシタユニット60から短時間に大電流が流れ、キャパシタユニット60の劣化につながる場合には、キャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給を停止することができる。このため、短時間において大電流が流れることによる電気二重層キャパシタ601への影響を抑制し、容量減少および寿命劣化を低減することが可能となり、蓄電性能の劣化を低減することができる。
【0065】
<4.他の実施の形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態では、2msec、10msec、20msec、50msec、100msecの5つの異なる判定時間が設けられているが、5つに限られるものではなく、1つであってもよい。
【0066】
(B)
上記実施の形態では、短絡コンタクタ44をオフ状態にすることによって、4つのキャパシタユニット60からの電流の供給を停止しているが、サーボモータ21を停止することによってキャパシタユニット60からの電流の供給を停止させてもよい。この場合、短絡コンタクタ44は設けられていなくてもよく、停止実行部76はサーボアンプ22に停止指令を送信する。
【0067】
これにより、サーボモータ21の駆動が停止するため、キャパシタユニット60からサーボモータ21への電流の供給を停止することができる。
(C)
上記実施の形態では、電流値の平均値で判定しているが、電流の積算値で判定しても良い。
【0068】
(D)
上記実施の形態では、電流値のピークを検出し、ピークを中心とした判定時間においてキャパシタユニット60からの電流の供給の停止を判定しているが、これに限らなくても良い。例えば、データを取得するタイミングごとに、そのタイミングから2msec、10msec、20msec、50msec、100msec分遡ったデータを利用して判定を行ってもよい。
【0069】
(E)
上記実施の形態では、24個の電気二重層キャパシタ601が直列接続されたキャパシタユニット60が4つ設けられ、4つのキャパシタユニット60が並列に接続されているが、これらの数および接続構成に限定されるものではない。
(F)
上記実施の形態では、蓄電デバイスの一例として電気二重層キャパシタ601が用いられているが、電気二重層キャパシタに限らず、アルミ電解コンデンサ等が用いられてもよく、要するに電荷を蓄電可能な蓄電デバイスであればよい。また、キャパシタユニット60を一例とする蓄電ユニットは、このような蓄電デバイスが複数設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明のプレス装置およびプレス装置の制御方法は、蓄電性能の劣化を低減することが可能な効果を有し、例えば、工場の生産ラインなどにおいて有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 :プレス装置
2 :スライド
3 :ボルスタ
4 :スライド駆動部
5 :サーボ電源部
6 :蓄電システム部
7 :上金型
8 :下金型
9 :メインブレーカ
10 :コントローラ
21 :サーボモータ
60 :キャパシタユニット
61 :電流センサ
601 :電気二重層キャパシタ